JP2010022992A - 有機性排水の処理方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の排水処理装置においては、接触槽2上に取り付けられた電動機101に回転シャフト104を介して回転翼105が設けられ、回転翼105の周辺には消泡壁108が設けられている。この回転翼105と消泡壁108との相互作用により接触槽2内に発生した泡を効果的に消泡することができる。
【選択図】 図2
Description
しかしながら、特許文献1では消泡装置の構造やメカニズム等について何ら検討されておらず、消泡の能力や信頼性を確保するに至っていない。また、消泡後の液が滴下した際、その液が排オゾンガスに付着して泡が再形成されることから、効率良く消泡を行なうことができないという問題がある。
本発明はこのような問題点を解決できる高効率の消泡装置を備えた排水処理装置および排水処理方法を提供することを目的とするものである。本発明によれば、消泡の能力及び信頼性が高く、消泡後の液が排オゾンガスに付着して泡が再形成されることを最大限低減できる排水処理装置、および排水処理方法を実現できる。その排水処理装置はコンパクトであり、且つ安価で維持管理等の手間を最大限低減することができる。
(1)有機性排水が貯留された接触槽と、前記接触槽内にオゾンガスを導入するオゾンガス導入手段と、前記オゾンガスと前記有機性排水とが接触することにより発生した前記接触槽内の泡を消すための消泡装置であって、この消泡装置は、前記接触槽の上部に設けられた電動機と、前記電動機により円周上を回転せしめられる回転翼と、前記円周の近傍に配置された消泡壁とを備え、前記回転翼と前記消泡壁とによるせん断応力により前記泡を消す排水処理装置である。
(2)前記消泡壁は、前記接触槽の上部から下部に向かってその幅が狭くなっている上記(1)の排水処理装置である。
(3)前記消泡壁は4枚の壁からなり、各壁は前記円周方向に互いに90度ずれて配置されている上記(2)の排水処理装置である。
(4)前記電動機と前記回転翼とは回転シャフトを介して接続され、前記電動機と前記回転翼との間には前記接触槽をシールドするためのシールド部が形成されている上記(1)から(3)の排水処理装置である。
(5)前記シールド部は積層構造になっており、前記接触槽側にはオゾン耐性のある第1シールが形成され、その第1シール上には磨耗耐性のある第2シールが形成されている上記(4)の排水処理装置である。
(6)前記消泡壁の隣接する2枚の壁により定義された領域の上方には、前記接触槽内の排ガスを排気する排気口が設けられている上記(3)の排水処理装置である。
(7)前記接触槽の内部には、前記泡が上昇する上昇部と、前記泡を消すことにより生じる消泡液が滴下する滴下部とを仕切る仕切り板が設けられている上記(1)から(6)の排水処理装置である。
(8)前記仕切り板の上部は前記上昇部側に傾いている上記(7)の排水処理装置である。
(9)前記仕切り板の上部先端は、前記上昇部側に設けられた前記消泡壁の下方まで延在している上記(8)の排水処理装置である。
(10)前記上昇部の下方に設けられ、前記有機性排水を前記接触槽内へ導入する導入口と、前記滴下部の下方に設けられ、前記有機性排水を前記接触槽外へ排出する排出口とを備えた上記(7)の排水処理装置である。
(11)有機性排水が貯留された接触槽内にオゾンガスを導入する工程と、前記オゾンガスと前記有機性排水とが接触することにより発生した前記接触槽内の泡を消す工程であって、前記接触槽内の上部を回転する回転翼と前記回転翼の近傍に配置された消泡壁とによるせん断応力により前記泡を粉砕する工程とを備える排水処理方法である。
(12)前記泡が粉砕されることにより生じた消泡液が他の泡に接触することにより、この他の泡が消される上記(11)の排水処理方法である。
(13)前記接触槽の一方側の下部から前記接触槽内に供給された前記有機性排水は、前記接触槽の上部と下部を経由して、前記一方側とは反対側の前記接触槽の下部から前記接触槽外へ排出される上記(11)または(12)の排水処理方法である。
請求項2、3記載の発明によれば、請求項1記載の発明により得られる効果に加え、消泡壁の幅を接触槽の上部から下部に向かって狭くなるように構成したので、被処理汚泥中に含まれる毛髪や繊維類が泡に付着して消泡壁に接触した際、消泡壁に絡んで付着する等の不具合を可能な限り低減することができる。従って、処理装置の処理能力が低下せず、維持管理が容易となり、信頼性も向上する。
請求項4、5記載の発明によれば、請求項1から3記載の発明により得られる効果に加え、電動機と回転翼との間には接触槽をシールドするためのシールド部を設けたので、排オゾンガス及び水分等を接触槽の外部への漏洩を最大限阻止できると共に、電動機本体のオゾン等による腐食を最大限低減できる。
請求項6記載の発明によれば、請求項3記載の発明により得られる効果に加え、消泡壁の2枚の壁により定義された領域の上方に排ガスを排気する排気口が設けられているので、
消泡された排オゾンガスを確実に後段に送気することができる。このため、後段の排オゾン分解装置において効果的に排オゾン分解処理を行なうことが可能となる。
請求項7記載の発明によれば、請求項1から6記載の発明により得られる効果に加え、
発泡液の上昇部と消泡液の滴下部に分割することにより、消泡後の滴下する液と上昇する泡との接触を最小限に抑えることができるので、泡が再形成されることなく、効率良く消泡することができる。
請求項8、9記載の発明によれば、請求項7記載の発明により得られる効果に加え、消泡後の滴下する液を確実に滴下部に送出することができる。
請求項10記載の発明によれば、請求項7記載の発明により得られる効果に加え、効率的な排水処理を実現することができる。
請求項11記載の発明によれば、回転翼と消泡壁との相互作用により生じたせん断応力により泡を効果的に消すことができる。すなわち、回転翼に接触した泡は遠心力により外周に飛散するとともに、せん断応力により泡が破砕される。
請求項12記載の発明によれば、請求項11記載の発明により得られる効果に加え、破砕されて飛散した液が下方から上昇する泡に接触してその泡を消すことができるので、さらに効率化された消泡作用を実現できる。
請求項13記載の発明によれば、請求項11または12記載の発明により得られる効果に加え、さらに効率的な排水処理を実現することができる。
この汚泥減量化装置1の接触槽2には、有機性排水3が導入口4より導入されると共に、オゾンガス供給器5よりエジェクタ6を介してオゾンガスが導入される。このオゾンガス供給器5、エジェクタ6、ポンプ7、循環ライン8により周知の循環システムを構成している。導入口4は接触槽2の下方に設けられている。
仕切り板5aは接触槽2の中央部に設けられ、接触槽2の底部との間に水流を可能とする隙間が設けられている。また、仕切り板5aの上部5a’は上昇部9側に傾斜している。上部5a’の先端は後述する消泡壁の下方まで延在している。仕切り板5bは導入口4から導入された有機性排水3が接触槽2内を上昇して上昇流を形成するよう接触槽2の底部に連結され、その上部が水位面7の下方で開放されている。これにより導入口4から導入された有機性排水3が上昇した後、仕切り板5aに誘導され、接触槽2の底部側へ下降する。なお、接触槽2内の矢印は代表的な水流の方向を模式的に示している。仕切り板5aにより下降した有機性排水3は仕切り板5cにより再び上昇した後、接触槽2の底部側へ再び下降する。下降した有機性排水3は排出口10より排出される。この仕切り板5a,5b,5cにより、排オゾンガスが水分、可溶化処理された汚泥、浮遊物等を付着して泡となった発泡液が上昇する上昇部9と、消泡後の排オゾンガスが分離した消泡液が滴下する滴下部11に分割される。
オゾン処理により、接触反応後の排オゾンガスは被処理汚泥と分離する。このとき、排オゾンガスは水分、可溶化処理された汚泥、あるいは浮遊物等を付着した発泡液109となって接触槽2の上部に向かって上昇する。上昇した泡は回転翼105に接触し、高速で回転することにより生じる遠心力により外周に飛散するとともに、消泡壁108との間に生じた強力なせん断力により泡109が破砕される。破砕されて飛散した消泡液は、下方から上昇する発泡液に接触して消泡する新たな相乗作用による消泡機能が生じる。以上の作用により、効果的に消泡処理が行なわれる。
一方、完全に消泡され分離した排オゾンガスは、排オゾンガス排気口110から後段の排オゾン分解装置12に送気されて排オゾン分解処理が行なわれる。
このため、公共下水、化学工場、食品工場、又は産業排水等の有機物除去を目的として微生物を利用した有機性排水処理全般において、汚泥の嫌気性消化プロセスを経てメタンガスを生成し、これをバイオマス資源として有効に利用するプロセスや、それに伴う汚泥の減量化を目的とした設備への導入も適用することができる。
2 接触槽
100 消泡装置
101 電動機
105 回転翼
106 シール部
108 消泡壁
109 泡
Claims (13)
- 有機性排水が貯留された接触槽と、
前記接触槽内にオゾンガスを導入するオゾンガス導入手段と、
前記オゾンガスと前記有機性排水とが接触することにより発生した前記接触槽内の泡を消すための消泡装置であって、この消泡装置は、前記接触槽の上部に設けられた電動機と、前記電動機により円周上を回転せしめられる回転翼と、前記円周の近傍に配置された消泡壁とを備え、前記回転翼と前記消泡壁とによるせん断応力により前記泡を消すことを特徴とする排水処理装置。 - 前記消泡壁は、前記接触槽の上部から下部に向かってその幅が狭くなっていることを特徴とする請求項1記載の排水処理装置。
- 前記消泡壁は4枚の壁からなり、各壁は前記円周方向に互いに90度ずれて配置されていることを特徴とする請求項2記載の排水処理装置。
- 前記電動機と前記回転翼とは回転シャフトを介して接続され、前記電動機と前記回転翼との間には前記接触槽をシールドするためのシールド部が形成されていることを特徴とする請求項1から3記載の排水処理装置。
- 前記シールド部は積層構造になっており、前記接触槽側にはオゾン耐性のある第1シールが形成され、その第1シール上には磨耗耐性のある第2シールが形成されていることを特徴とする請求項4記載の排水処理装置。
- 前記消泡壁の隣接する2枚の壁により定義された領域の上方には、前記接触槽内の排ガスを排気する排気口が設けられていることを特徴とする請求項3記載の排水処理装置。
- 前記接触槽の内部には、前記泡が上昇する上昇部と、前記泡を消すことにより生じる消泡液が滴下する滴下部とを仕切る仕切り板が設けられていることを特徴とする請求項1から6記載の排水処理装置。
- 前記仕切り板の上部は前記上昇部側に傾いていることを特徴とする請求項7記載の排水処理装置。
- 前記仕切り板の上部先端は、前記上昇部側に設けられた前記消泡壁の下方まで延在していることを特徴とする請求項8記載の排水処理装置。
- 前記上昇部の下方に設けられ、前記有機性排水を前記接触槽内へ導入する導入口と、
前記滴下部の下方に設けられ、前記有機性排水を前記接触槽外へ排出する排出口とを備えたことを特徴とする請求項7記載の排水処理装置。 - 有機性排水が貯留された接触槽内にオゾンガスを導入する工程と、
前記オゾンガスと前記有機性排水とが接触することにより発生した前記接触槽内の泡を消す工程であって、前記接触槽内の上部を回転する回転翼と前記回転翼の近傍に配置された消泡壁とによるせん断応力により前記泡を粉砕する工程とを備えることを特徴とする排水処理方法。 - 前記泡が粉砕されることにより生じた消泡液が他の泡に接触することにより、この他の泡が消されることを特徴とする請求項11記載の排水処理方法。
- 前記接触槽の一方側の下部から前記接触槽内に供給された前記有機性排水は、前記接触槽の上部と下部を経由して、前記一方側とは反対側の前記接触槽の下部から前記接触槽外へ排出されることを特徴とする請求項11または12記載の排水処理方法。
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