JP2010018505A - ガラス積層体、支持体付き表示装置用パネル、表示装置用パネル、表示装置およびこれらの製造方法 - Google Patents
ガラス積層体、支持体付き表示装置用パネル、表示装置用パネル、表示装置およびこれらの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】第1主面および第2主面を有する薄板ガラス基板12、第1主面および第2主面を有する支持ガラス基板13、ならびに易剥離性を有する樹脂層14を有し、前記薄板ガラス基板12の第1主面に、前記支持ガラス基板13の第1主面に固定された前記樹脂層14が密着しているガラス積層体10であって、前記支持ガラス基板の端部に凹陥部15を1箇所以上有するガラス積層体。
【選択図】図1
Description
しかしながら、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成する前にエッチング処理等をしてガラス基板を薄くすると、ガラス基板の強度が低下し、たわみ量も大きくなる。そのため既存の表示装置用パネルの製造ラインで処理することが困難になるという問題が生じる。
また、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成した後にエッチング処理等をしてガラス基板を薄くすると、表示装置用部材をガラス基板の表面に形成する過程においてガラス基板の表面に形成された微細な傷が顕在化する問題、すなわちエッチピット(etchpit)の発生という問題が生じる。
例えば特許文献2には、液晶表示装置の基板と支持体との端部をガラスフリット系の接着剤を用いて接着して、その後、電極パターン等を形成する液晶表示装置の製造方法が記載されている。
例えば特許文献3には、2枚のガラス基板の少なくとも周縁部の端面近傍にレーザ光を照射して前記2枚のガラス基板を融合させる工程を有する表示装置用基板の製造方法が記載されている。
例えば特許文献5には、液晶表示素子用電極基板を紫外線硬化型粘着剤が支持体上に設けられた治具を用いて、液晶表示素子用電極基板に所定の加工を施した後、紫外線硬化型粘着剤に紫外線を照射することにより、前記紫外線硬化型粘着剤の粘着力を低下させ、前記液晶表示素子用電極基板を前記治具から剥離することを特徴とする液晶表示素子の製造方法が記載されている。
例えば特許文献6には、粘着材によって薄板を支持板に仮固定し、前記粘着材の周縁部をシール材によって封止し、薄板を仮固定した支持板を搬送する搬送方法が記載されている。
例えば特許文献8には、薄板ガラス基板と、支持ガラス基板と、を積層させてなる薄板ガラス積層体であって、前記薄板ガラス基板と、前記支持ガラス基板と、が易剥離性および非粘着性を有するシリコーン樹脂層を介して積層されており、かつ前記シリコーン樹脂層と、前記支持ガラス基板と、には互いに連通する少なくとも1つの孔が設けられていることを特徴とする薄板ガラス積層体が記載されている。そして、支持ガラス基板に設けられた孔から薄板ガラス基板とシリコーン樹脂層の界面に圧縮気体を注入することにより、薄板ガラスにガラスの破損につながるような応力を加えることなく、薄板ガラス基板と支持ガラス基板とを分離することが可能であると記載されている。
また、特許文献8に記載のガラス積層体の場合、薄板ガラス基板上に皮膜等を形成する熱処理工程において、薄板ガラス基板におけるシリコーン樹脂層と接している部分と、孔に接している部分とで、熱容量の違いに起因して皮膜する痕跡が生じ易いという欠点を有していた。
加えて、本発明の第2の目的は、前記のようなガラス積層体を、ガラス基板間に気泡や塵芥等の異物を存在させず、簡易かつ経済的に製造することできる方法を提供することを目的とする。
また、このようなガラス積層体を含む支持体付き表示装置用パネルを提供することを目的とする。また、このような支持体付き表示装置用パネルを用いて形成される表示装置用パネルおよび表示装置を提供することを目的とする。
さらに、このような支持体付き表示装置用パネル、表示装置用パネルおよび表示装置を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の(1)〜(16)である。
(1)第1主面および第2主面を有する薄板ガラス基板、第1主面および第2主面を有する支持ガラス基板ならびに樹脂層を有し、前記薄板ガラス基板の第1主面に、前記支持ガラス基板の第1主面に固定された易剥離性を有する樹脂層が密着しているガラス積層体であって、前記支持ガラス基板の端部に凹陥部を1箇所以上有するガラス積層体。
(2)前記凹陥部の面積が1箇所につき5mm2以上である、上記(1)に記載のガラス積層体。
(3)前記樹脂層がアクリル樹脂層、ポリオレフィン樹脂層、ポリウレタン樹脂層またはシリコーン樹脂層である、上記(1)または(2)に記載のガラス積層体。
(4)前記樹脂層の厚さが5〜50μmである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のガラス積層体。
(5)前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板との線膨張係数の差が150×10−7/℃以下である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のガラス積層体。
(6)前記支持ガラス基板が前記凹陥部を3箇所以上有し、前記凹陥部の各々を頂点とする多角形の重心と、前記薄板ガラス基板の重心とが一致する、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のガラス積層体。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載のガラス積層体における前記薄板ガラス基板の第2主面に表示装置用部材を有する、支持体付き表示装置用パネル。
(8)上記(7)に記載の支持体付き表示装置用パネルを用いて形成される表示装置用パネル。
(9)上記(8)に記載の表示装置用パネルを有する表示装置。
(11)前記凹陥部形成工程が、各々の凹陥部を頂点とする多角形の重心が前記支持ガラス基板の重心と一致するように、前記支持ガラス基板に3箇所以上凹陥部を形成する工程である、上記(10)に記載のガラス積層体の製造方法。
(12)前記密着工程が、チャンバー内に配設され、基台表面から上側へ突出可能で下側への力を加えることで基台内部へ収納可能な3個以上のピンを有する基台であって、前記基台表面における前記ピンの相互の位置関係が、前記支持ガラス基板が有する凹陥部の位置関係と同一である前記基台の上に、前記ピンの位置と前記凹陥部の位置とが重なるように前記樹脂層が固定された前記支持ガラス基板を、前記樹脂層を上側として載置し、次に、前記薄板ガラス基板と前記樹脂層とが隙間を保持しつつ対向するように、上側へ突出した前記ピンの上へ前記薄板ガラス基板を載置し、次に、前記薄板ガラス基板および前記支持ガラス基板が存するチャンバー内空間を負圧状態にし、その後、加圧手段によって前記薄板ガラス基板を上側から下側へ押すことによって、前記薄板ガラス基板の第1主面に、前記支持ガラス基板の第1主面上に固定された前記樹脂層を密着する工程である、上記(10)または(11)に記載のガラス積層体の製造方法。
(13)前記密着工程において、前記ピンの各々を頂点とする多角形の前記基台表面における重心と、前記薄板ガラス基板の第1主面における重心とが一致している、上記(10)〜(12)のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。
(14)上記(10)〜(13)のいずれかに記載の製造方法に、さらに、得られたガラス積層体における前記薄板ガラス基板の第2主面に、表示装置用部材を形成する工程を具備する、支持体付き表示装置用パネルの製造方法。
(15)上記(14)に記載の製造方法に、さらに、得られた支持体付き表示装置用パネルにおける前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板とを、前記凹陥部を起点として分離する分離工程を具備する、表示装置用パネルの製造方法。
(16)上記(15)に記載の製造方法に、さらに、得られた表示装置用パネルを用いて表示装置を得る工程を具備する、表示装置の製造方法。
その結果、ガラス基板間に気泡がほぼ存在しないガラス積層体を、簡易かつ経済的に製造することできる方法を提供することができる。
また、このようなガラス積層体を含む支持体付き表示装置用パネルを提供することができる。また、このような支持体付き表示装置用パネルを用いて形成される表示装置用パネルおよび表示装置を提供することができる。
さらに、このような支持体付き表示装置用パネル、表示装置用パネルおよび表示装置を製造する方法を提供することができる。
本発明は、第1主面および第2主面を有する薄板ガラス基板、第1主面および第2主面を有する支持ガラス基板、ならびに易剥離性を有する樹脂層を有し、前記薄板ガラス基板の第1主面に、前記支持ガラス基板の第1主面に固定された前記樹脂層が密着しているガラス積層体であって、前記支持ガラス基板の端部に凹陥部を1箇所以上有するガラス積層体である。
このようなガラス積層体を、以下では「本発明の積層体」ともいう。
図1は、本発明の積層体の一態様を示す概略正面図であり、図2はそのA−A’断面図(概略断面図)である。
ここで説明する本発明の積層体の一態様を、以下では「態様1」ともいう。
そして、図1に示すように、正面から見ると、薄板ガラス基板12、樹脂層14および支持ガラス基板13は各々矩形であり、薄板ガラス基板12の主面面積は樹脂層14の表面面積と同程度であるが、支持ガラス基板13の主面面積よりも小さい。そして、薄板ガラス基板12および樹脂層14は、正面から見た場合に、支持ガラス基板13の内側に収まるように位置している。
図3は、本発明の積層体の別の一態様を示す概略正面図であり、図4はそのB−B’断面図(概略断面図)である。
ここで説明する本発明の積層体の一態様を、以下では「態様2」ともいう。
態様2は態様1と同様の態様であるが、態様2は態様1と比較して、凹陥部の面積がやや狭く、樹脂層24に凹陥部25が形成されていない点で異なる。
態様2のその他の部分については、態様1と同様である。
薄板ガラス基板の厚さ、形状、大きさ、物性(熱収縮率、表面形状、耐薬品性等)、組成等は特に限定されず、例えば従来のLCD、OLED等の表示装置用のガラス基板と同様であってよい。
ただし、薄板ガラス基板の熱収縮率は小さいことが好ましい。具体的には熱収縮率の指標である線膨張係数が150×10−7/℃以下であるものを用いることが好ましく、100×10−7/℃以下であることがより好ましく、45×10−7/℃以下であることがさらに好ましい。その理由は熱収縮率が大きいと高精細な表示装置を作り難くなるためである。
なお、本発明において線膨張係数はJIS R3102(1995年)に規定のものを意味する。
支持ガラス基板は樹脂層を介して薄板ガラス基板を支持し、薄板ガラス基板の強度を補強する。
また、支持ガラス基板はその端部に凹陥部を1箇所以上有する。「端部」とは支持ガラス基板の端面付近の部分であり、正面から見た場合の外縁部分でもある。凹陥部については後述する。
例えば0.1〜1.1mmの厚さであることが好ましく、0.3〜0.8mmであることがより好ましく、0.4〜0.7mmであることがさらに好ましい。
例えば、現行の製造ラインが厚さ0.5mmの基板を処理するように設計されたものであって、薄板ガラス基板の厚さが0.1mmである場合、支持ガラス基板の厚さと樹脂層の厚さとの和を0.4mmとする。また、現行の製造ラインは厚さが0.7mmのガラス基板を処理するように設計されているものが最も一般的であるが、例えば薄板ガラス基板の厚さが0.4mmならば、支持ガラス基板の厚さと樹脂層の厚さとの和を0.3mmとする。
支持ガラス基板の厚さは、前記薄板ガラス基板よりも厚いことが好ましい。
薄板ガラス基板と支持ガラス基板との線膨張係数の差は150×10−7/℃以下であることが好ましく、100×10−7/℃以下であることがより好ましく、50×10−7/℃以下であることがさらに好ましい。
本発明の積層体において樹脂層は、前記支持ガラス基板の第1主面に固定されている。そして、樹脂層は、前記薄板ガラス基板の第1主面と密着しているが、容易に剥離することができる。すなわち樹脂層は、前記薄板ガラス基板に対して易剥離性を有する。
本発明の積層体において、樹脂層と薄板ガラス基板とは粘着剤が有するような粘着力によっては付いておらず、固体分子間におけるファンデルワールス力に起因する力、すなわち、密着力によって付いている。
なお、樹脂層は2層以上からなっていてもよい。この場合「樹脂層の厚さ」は全ての層の合計の厚さを意味するものとする。
また、樹脂層が2層以上からなる場合は、各々の層を形成する樹脂の種類が異なってもよい。
本発明のガラス積層体は、前記支持ガラス基板の端部に凹陥部を1箇所以上有する。
前記支持ガラス基板の端面(2つの主面以外の4つの面)の一部分を削ったり、端部の一部分を切出したりして凹陥部を形成した本発明のガラス積層体は、支持ガラス基板を剥離したい場合に凹陥部を手掛かりとして剥離することができる。具体的には、例えば凹陥部に鋭利な刃物状のものを差込んだり、水と圧縮空気との混合流体を吹き付けたりして剥離することができる。
また、凹陥部の深さはあまり深くまで入り込んでいると、薄板ガラス基板の表示装置形成領域に到達し、加熱工程においてその部分のみ熱容量が異なる結果となる。しかし、あまり浅いと剥離の際に十分な手掛かりとして用いることが困難になる。そこで、凹陥部の深さは5mm〜50mmであることが好ましく、10mm〜30mmであることがより好ましい。ここで凹陥部の深さとは、図5(a)、(b)において、凹陥部の境界線に接する直線(接線)であって線分XaまたはXbに平行な直線と線分XaまたはXbとの距離であるYaまたはYbを意味するものとする。
例えば図6(a)〜(c)のような態様であること好ましい。図6(a)〜(c)は本発明の積層体の概略正面図である。これらの図では理解を容易にするために支持ガラス基板とそこに形成された凹陥部のみを記している。図6(a)における態様では、支持ガラス基板33aが凹陥部を3個(35a1、35a2、35a3)有している。各々の凹陥部は、支持ガラス基板が有する四辺のうちの三辺の各々に1個ずつ存在している。図6(b)における態様では、支持ガラス基板33bが凹陥部を4個(35b1、35b2、35b3、35b4)有している。各々の凹陥部は、支持ガラス基板が有する四辺のうちの向い合う一組の辺(二辺)の各々に2個ずつ存在している。図6(c)における態様では、支持ガラス基板33cが凹陥部を4個(35c1、35c2、35c3、35c4)有している。各々の凹陥部は、支持ガラス基板が有する4個の角の部分に各々に存在している。
また、本発明の積層体は、支持ガラス基板が凹陥部を3箇所以上有し、凹陥部の各々を頂点とする多角形の重心と、薄板ガラス基板の重心とが一致することが好ましい。
この距離について図7を用いて説明する。図7は凹陥部を3つ有する本発明の積層体の概略正面図である。図7では薄板ガラス基板および樹脂層の記載は省略している。図7に示す態様の本発明の積層体は、一辺上に2つの凹陥部(451、452)が形成されており、この辺に隣り合う別の辺上に別の凹陥部(453)が形成されている。そして、各々の凹陥部は図1、図5(a)で説明した凹陥部と同様の形状(楕円形の半分の形状)を有しており、図5(a)において「角3」として示した角と同様の角(41a、41b、42a、42b、43a、43b)を有している。図7に示すように凹陥部451および凹陥部452が各々有する2つの角のうち左側が角41aおよび角42aであり、右側が角41bおよび角42bである。また、凹陥部453が有する2つの角のうち凹陥部452に近い側が角43bであり、遠い側が角43aである。このような図7に示される本発明の積層体において、凹陥部451と凹陥部452との距離(間隔)は、各々の凹陥部が有する角の間の距離を意味するものとする。すなわち角41aと角42bとの距離Za1が凹陥部451と凹陥部452との距離(間隔)である。また、凹陥部452と凹陥部453との距離は、支持ガラス基板の辺上における角42aと角43bとの距離であり、距離Za2と距離Za3とを合計した距離を意味するものとする。
凹陥部が角を有さない形状(例えば図5(b)に示した形状)の場合でも、支持ガラス基板の端面と凹陥部との境界を上記の角とみなして、凹陥部間の距離を求めるものとする。
表示装置用部材とは、従来のLCD、OLED等の表示装置用のガラス基板がその表面に有する発光層、保護層、カラーフィルタ、液晶、ITOからなる透明電極等、各種回路パターン等を意味する。
本発明の支持体付き表示装置用パネルには、例えば、TFTアレイ(以下、単に「アレイ」という。)が薄板ガラス基板の第2主面に形成された本発明の支持体付き表示装置用パネル薄板ガラス基板に、さらにカラーフィルタが形成された他のガラス基板(例えば0.3mm以上程度の厚さのガラス基板)が貼り合わされたものも含まれる。
本発明の積層体の製造方法は特に限定されないが、前記支持ガラス基板の端部に凹陥部を形成する凹陥部形成工程と、前記支持ガラス基板の第1主面上に易剥離性を有する樹脂層を形成し固定する樹脂層形成工程と、前記薄板ガラス基板の第1主面に、前記支持ガラス基板の第1主面上に固定された前記樹脂層を密着する密着工程とを具備する、ガラス積層体の製造方法であることが好ましい。
このような製造方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
凹陥部形成工程は、前記支持ガラス基板の端部に凹陥部を形成する工程である。
凹陥部形成工程では、支持ガラス基板を所定の大きさおよび形状(例えば矩形)に切断した後、凹陥部を形成する。例えばダイヤモンド製の砥石を用いて凹陥部形状を削り出すことが好ましい。その後、通常の方法でこば面を同様の砥石で面取り加工する。続いて、洗浄機にて面取り、凹陥部が形成された支持ガラス基板を洗浄する。
前記支持ガラス基板の表面(第1主面)に樹脂層を形成する方法も特に限定されない。
例えばフィルム状の樹脂を支持ガラス基板の表面に接着する方法が挙げられる。具体的にはフィルムの表面と高い接着力を付与するために、支持ガラス基板の表面に表面改質処理(プライミング処理)を行い、支持ガラス基板の第1主面に接着する方法が挙げられる。例えば、シランカップリング剤のような化学的に密着力を向上させる化学的方法(プライマー処理)や、フレーム(火炎)処理のように表面活性基を増加させる物理的方法、サンドブラスト処理のように表面の粗度を増加させることにより引っかかりを増加させる機械的処理方法などが例示される。
例えば、無溶剤型の剥離紙用シリコーンを樹脂組成物として用いた場合、ダイコート法、スピンコート法またはスクリーン印刷法が好ましい。
例えば付加反応型シリコーンから樹脂層を形成する場合、直鎖状のジメチルポリシロキサンを分子内に含むシリコーン(主剤)、架橋剤および触媒を含む樹脂組成物を、上記のスプレーコート法等の公知の方法により支持ガラス基板上に塗工し、その後に加熱硬化させる。加熱硬化条件は、触媒の配合量によっても異なるが、例えば、主剤および架橋剤の合計量100質量部に対して、白金系触媒を2質量部配合した場合、大気中で50℃〜250℃、好ましくは100℃〜200℃で反応させる。また、この場合の反応時間は5〜60分間、好ましくは10〜30分間とする。低シリコーン移行性を有するシリコーン樹脂層とするためには、シリコーン樹脂層中に未反応のシリコーン成分が残らないように硬化反応をできるだけ進行させることが好ましい。上記のような反応温度および反応時間であると、シリコーン樹脂層中に未反応のシリコーン成分が残らないようにすることができるので好ましい。上記した反応時間よりも長すぎたり反応温度が高すぎる場合には、シリコーン樹脂の酸化分解が同時に起こり低分子量のシリコーン成分が生成して、シリコーン移行性が高くなる可能性がある。シリコーン樹脂層中に未反応のシリコーン成分が残らないように硬化反応をできるだけ進行させることは、加熱処理後の剥離性を良好にするためにも好ましい。
密着工程は、前記薄板ガラス基板の第1主面に、前記支持ガラス基板の第1主面上に固定された前記樹脂層を密着する工程である。薄板ガラス基板と樹脂層とは、非常に近接した、相対する固体分子間におけるファンデルワールス力に起因する力、すなわち、密着力によって樹脂層と密着する。この場合、支持ガラス基板と薄板ガラス基板と樹脂層を介して積層させた状態に保持することができる。
このような好ましい密着工程について、図8、図9を用いて説明する。
基台50の表面におけるピン51の相互の位置関係は、表面に載置された支持ガラス基板52が有する4つの凹陥部53の位置関係と同一であり、基台50の上に、ピン51の位置と凹陥部53との位置が重なるように支持ガラス基板52が載置されている。支持ガラス基板52の主面には樹脂層54が固定されており、樹脂層54が上側となるように支持ガラス基板52は基台50上に載置されている。
ここで、ピン51の各々を頂点とする多角形の基台50の表面における重心と、薄板ガラス基板55の重心とが一致することが好ましい。支持ガラス基板の重心と、薄板ガラス基板の重心とが一致している本発明の積層体を得ることができるからである。また、このような本発明の積層体を精度よく製造することができるからである。
ここで表示装置用部材は特に限定されない。例えばLCDが有するアレイやカラーフィルタが挙げられる。また、例えばOLEDが有する透明電極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層が挙げられる。
例えば表示装置としてTFT−LCDを製造する場合、従来公知のガラス基板上にアレイを形成する工程、カラーフィルタを形成する工程、アレイが形成されたガラス基板とカラーフィルタが形成されたガラス基板とをシール材等を介して貼り合わせる工程(アレイ・カラーフィルタ貼り合わせ工程)等の各種工程と同様であってよい。より具体的には、これらの工程で実施される処理として、例えば純水洗浄、乾燥、成膜、レジスト塗布、露光、現像、エッチングおよびレジスト除去が挙げられる。さらに、アレイ・カラーフィルタ貼り合わせ工程を実施した後に行われる工程として、液晶注入工程および該処理の実施後に行われる注入口の封止工程があり、これらの工程で実施される処理が挙げられる。
また、OLEDを製造する場合を例にとると、薄板ガラス基板の第2主面上に有機EL構造体を形成するための工程として、透明電極を形成する工程、ホール注入層・ホール輸送層・発光層・電子輸送層等を蒸着する工程、封止工程等の各種工程を含み、これらの工程で実施される処理として、具体的には例えば、成膜処理、蒸着処理、封止板の接着処理等が挙げられる。
このようにして支持体付き表示装置用パネルを製造することができる。
表示装置用パネルは、例えば上記のような本発明の製造方法によって得られる支持体付き表示装置用パネルにおける前記凹陥部を手掛かりにして、前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板とを分離する分離工程を具備する製造方法で製造することできる。剥離する方法は特に限定されない。具体的には、例えば凹陥部に鋭利な刃物状のものを差込んだり、水と圧縮空気との混合流体を吹き付けたりして剥離することができる。好ましくは、前記支持体付き表示装置用パネルの支持ガラス基板が上側、パネル側が下側となるように定盤上に設置し、パネル側基板を定盤上に真空吸着し(両面に支持ガラス基板が積層されている場合は順次行う)、この状態でガラス積層体の凹陥部において薄板ガラス−樹脂層界面に水と圧縮空気の混合流体を噴きつけ、支持ガラス基板の端部を垂直上方へ引っ張り上げる。そうすると樹脂層とパネル側薄板ガラス基板との界面へ、その凹陥部から空気層が形成され、その空気層が界面の全面に広がり、支持ガラス基板を容易に剥離することができる(表示装置の前面側及び背面側の薄板ガラス基板の両方に支持ガラス基板が積層されている場合は本操作を片面ずつ繰り返す)。
ここで表示装置を得る工程における操作は特に限定されず、例えば従来公知の方法で表示装置を製造することができる。
図10に示す態様のガラス積層体を製造した。このガラス積層体は、前述の態様1と類似の態様である。
初めに縦720mm、横600mm、板厚0.4mm、線膨張係数38×10−7/℃の支持ガラス基板63(旭硝子株式会社製、AN100)に、自動面取り装置(CGE1300;シライテック社製)に幅15mm、深さ5mm、面積50mm2の半楕円形の凹陥部65を2箇所形成した。その後、純水洗浄、UV洗浄して表面を清浄化した。
<剥離試験1>
ガラス積層体Aを10枚製造した。そして、そのうちの1枚を、支持ガラス基板63が上側、薄板ガラス基板62が下側となるように定盤61の上に設置した後、薄板ガラス基板62を定盤上に真空吸着した(図11)。
この状態でガラス積層体Aの2箇所の凹陥部65において、薄板ガラス基板62と樹脂層64との界面に水と圧縮空気の混合流体69を噴きつけ(図12)、支持ガラス基板63の端部を垂直上方へ引っ張り上げた(図13)。すると、シリコーン樹脂層64と薄板ガラス基板62との界面へ、その凹陥部65から空気層が形成され、その空気層が界面の全面に広がり、容易に剥離することができた。
そして、上記と同様の剥離試験1に供した。この場合も同様に、剥離を問題なく行うことができた。
実施例2は実施例1と同様であるが、図14に示すように凹陥部の大きさを小さくし、樹脂層に凹陥部が到達していない支持ガラス基板を用いた。
初めに縦720mm、横600mm、板厚0.6mm、線膨張係数38×10−7/℃の支持ガラス基板73(旭硝子株式会社製、AN100)に、自動面取り装置(CGE1300;シライテック社製)に幅10mm、深さ3mm、面積21mm2の半楕円形の凹陥部75を2箇所形成した。その後、純水洗浄、UV洗浄して表面を清浄化した。
また、実施例1と同様にして剥離試験1を実施したところ、10枚のガラス積層体について30分以内に剥離作業を問題なく行うことができた。また、300℃で1時間大気中で加熱処理した場合のガラス積層体Bは、加熱処理に対する耐熱性は良好であった。さらに剥離性も良好であった。
図15に示す態様のガラス積層体を製造した。このガラス積層体は、前述の態様1と類似の態様である。
初めに縦720mm、横600mm、板厚0.4mm、線膨張係数38×10−7/℃の支持ガラス基板83(旭硝子株式会社製、AN100)に、自動面取り装置(CGE1300;シライテック社製)を用いて幅15mm、深さ5mm、面積50mm2の半楕円形の凹陥部85を4箇所、それぞれ近傍の角から10mmの位置に形成した。その後、純水洗浄、UV洗浄して表面を清浄化した。
次に樹脂層84を実施例2と同様にして形成した。
そして、縦720mm、横600mm、板厚0.3mm、線膨張係数38×10−7/℃の薄板ガラス基板82(旭硝子株式会社製、AN100)の第1主面(後にシリコーン樹脂層と接触させる側の面)を純水洗浄、UV洗浄して清浄化した。そして、図16に示すミカドテクノス社製真空ヒータープレス装置(MKP−200TV−WH−ST)を用いて、常温にて積層した。
この積層方法について、図16およびその一部(E)を拡大した図である図17を用いて具体的に説明する。
基台90の表面におけるピン91の相互の位置関係は、表面に載置される支持ガラス基板83が有する4つの凹陥部85の位置関係と同一である。
次に、図16(a)に示すように、4つのピン91の上に薄板ガラス基板82を静かにセットした。ここで薄板ガラス基板82の第1主面が下側になるようにした。
次に、図16(b)に示すように、加圧手段96を第1下降位置まで下げ、形成されたチャンバーを−100kPaまで減圧した。
次に、図16(c)に示すように、加圧手段96を第2加工位置まで下げ、薄板ガラス基板82の第1主面に支持ガラス基板83の第1主面上に固定された樹脂層84を密着させた。加圧手段96を第2加工位置まで下げた際にロック機構102が作用し、ピン91は基台90に押し込まれた状態で保持された。この状態で積層基板には300kN/m3の圧力がかかっていた。そして、この状態を10秒間保持した後、真空を破壊し、加圧手段96を上昇させ、ガラス積層体80を取り出した。
このような実施例3に係るガラス積層体80において、薄板ガラス基板および支持ガラス基板は、シリコーン樹脂層と気泡を発生することなく密着しており、凸状欠点もなく平滑性も良好であった。
本例では、実施例2で得たガラス積層体Bを用いてLCDを製造する。
2枚のガラス積層体Bを準備して、1枚はアレイ形成工程に供して薄板ガラス基板の第2主面上にアレイを形成する。残りの1枚はカラーフィルタ形成工程に供して薄板ガラス基板の第2主面上にカラーフィルタを形成する。アレイが形成されたガラス積層体と、カラーフィルタが形成されたガラス積層体とをシール材を介して貼り合わせた後、片面ずつ上記剥離試験と同様に各積層体の凹陥部に圧縮空気と水の混合流体を吹きつけた上で、各々の支持ガラス基板を分離する。分離後の薄板ガラス基板の表面には、強度低下につながるような傷はみられない。
続いて、ガラス基板を切断し、縦51mm×横38mmの168個のセルに分断した後、液晶注入工程および注入口の封止工程を実施して液晶セルを形成する。形成された液晶セルに偏光板を貼付する工程を実施し、続いてモジュール形成工程を実施してLCDを得る。こうして得られるLCDは特性上問題は生じない。
本例では、実施例1で得たガラス積層体Aを用いてLCDを製造する。
2枚のガラス積層体Aを準備して、1枚はアレイ形成工程に供して薄板ガラス基板の第2主面にアレイを形成する。残りの1枚はカラーフィルタ形成工程に供して薄板ガラス基板の第2主面にカラーフィルタを形成する。アレイが形成されたガラス積層体と、カラーフィルタが形成されたガラス積層体とをシール材を介して貼り合わせた後、片面ずつ上記剥離試験と同様に各積層体の凹陥部に圧縮空気と水の混合流体を吹きつけた上で、各々の支持ガラス基板を分離する。分離後の薄板ガラス基板の表面には強度低下につながるような傷はみられない。
続いて、ケミカルエッチング処理によりそれぞれの薄板ガラス基板の厚さを0.15mmとする。ケミカルエッチング処理後の薄板ガラス基板の表面には光学的に問題となるようなエッチピットの発生はみられない。
その後、薄板ガラス基板を切断し、縦51mm×横38mmの168個のセルに分断した後、液晶注入工程および注入口の封止工程を実施して液晶セルを形成する。形成された液晶セルに偏光板を貼付する工程を実施し、続いてモジュール形成工程を実施してLCDを得る。こうして得られるLCDは特性上問題は生じない。
本例では、実施例2で得たガラス積層体Bと、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板(旭硝子製AN−100)とを用いてLCDを製造する。
ガラス積層体Bを準備して、カラーフィルタ形成工程に供してガラス積層体の薄板ガラス基板の第2主面にカラーフィルタを形成する。一方、無アルカリガラス基板はアレイ形成工程に供して一方の主面上にアレイを形成する。
カラーフィルタが形成されたガラス積層体と、アレイが形成された無アルカリガラス基板とをシール材を介して貼り合わせた後、片面ずつ上記剥離試験と同様に各積層体の凹陥部に圧縮空気と水の混合流体を吹きつけた上で、各々の支持ガラス基板を分離する。分離後の薄板ガラス基板表面には強度低下につながるような傷はみられない。
続いて、支持ガラス基板を分離したものを縦51mm×横38mmの168個のセルにレーザーカッタまたはスクライブ−ブレイク法を用いて分断する。その後、液晶注入工程および注入口の封止工程を実施して液晶セルを形成する。形成された液晶セルに偏光板を貼付する工程を実施し、続いてモジュール形成工程を実施してLCDを得る。こうして得られるLCDは特性上問題は生じない。
本例では、実施例2で得たガラス積層体Bを用いてOLEDを製造する。
透明電極を形成する工程、補助電極を形成する工程、ホール注入層・ホール輸送層・発光層・電子輸送層等を蒸着する工程、これらを封止する工程に供して、ガラス積層体の薄板ガラス基板上に有機EL構造体を形成する。次に積層体の凹陥部に圧縮空気と水の混合流体を吹きつけた上で、各々の支持ガラス基板を分離する。分離後の薄板ガラス基板の表面には強度低下につながるような傷はみられない。
続いて、薄板ガラス基板をレーザーカッタまたはスクライブ−ブレイク法を用いて切断し、縦41mm×横30mmの288個のセルに分断した後、有機EL構造体が形成されたガラス基板と対向基板とを組み立てて、モジュール形成工程を実施してOLEDを作成する。こうして得られるOLEDは特性上問題は生じない。
凹陥部を設けない支持ガラスを用いたこと以外は、実施例1と同様とした試験を行った。得られた比較例1に係るガラス積層体Cは、シリコーン樹脂層と気泡を発生することなくガラス基板が密着しており、凸状欠点もなく平滑性も良好であった。
また、以下に示す剥離試験2に供した。
ガラス積層体Cを10枚製造した。そして、そのうちの1枚を、支持ガラス基板が上側、薄板ガラス基板が下側となるように定盤上に設置し、薄板ガラス基板を定盤上に真空吸着した。そして、薄板ガラス基板と樹脂層との端部に圧縮空気と水の混合流体を吹きつけた上で、徐々に端から剥離した。
この操作を連続して残りの9枚のガラス積層体Cについて行った。すると、10枚のガラス積層体について剥離作業を行うのに1時間を要した。このように凹陥部を有しないガラス積層体から支持ガラス基板を剥離することは可能ではあるが、剥離作業の効率が低いことがわかった。
12、22 薄板ガラス基板
13、23 支持ガラス基板
14、24 樹脂層
15、15’、25 凹陥部
3 角
Xa、Xb 線分
Ya、Yb 凹陥部の深さ
33a、33b、33c 支持ガラス基板
35a1、35a2、35a3 凹陥部
35b1、35b2、35b3、35b4 凹陥部
35c1、35c2、35c3、35c4 凹陥部
451、452、453 凹陥部
41a、41b、42a、42b、43a、43b 角
Za1、Za2、Za3 凹陥部間距離
50、90 基台
51、91 ピン
52 支持ガラス基板
53 凹陥部
54 樹脂層
55 薄板ガラス基板
56、96 加圧手段
57、97 チャンバー
60、70、80 本発明の積層体
62、72、82 薄板ガラス基板
63、73、83 支持ガラス基板
64、74、84 樹脂層
65、75、85 凹陥部
61 定盤
69 混合流体
100 真空ヒータープレス装置
101 バネ
102a ロック用ピン
102b 凹部
102 ロック機構
Claims (16)
- 第1主面および第2主面を有する薄板ガラス基板、第1主面および第2主面を有する支持ガラス基板、ならびに易剥離性を有する樹脂層を有し、前記薄板ガラス基板の第1主面に、前記支持ガラス基板の第1主面に固定された前記樹脂層が密着しているガラス積層体であって、
前記支持ガラス基板の端部に凹陥部を1箇所以上有するガラス積層体。 - 前記凹陥部の面積が1箇所につき5mm2以上である、請求項1に記載のガラス積層体。
- 前記樹脂層がアクリル樹脂層、ポリオレフィン樹脂層、ポリウレタン樹脂層またはシリコーン樹脂層である、請求項1または2に記載のガラス積層体。
- 前記樹脂層の厚さが5〜50μmである、請求項1〜3のいずれかに記載のガラス積層体。
- 前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板との線膨張係数の差が150×10−7/℃以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のガラス積層体。
- 前記支持ガラス基板が前記凹陥部を3箇所以上有し、前記凹陥部の各々を頂点とする多角形の重心と、前記薄板ガラス基板の重心とが一致する、請求項1〜5のいずれかに記載のガラス積層体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のガラス積層体における前記薄板ガラス基板の第2主面に表示装置用部材を有する、支持体付き表示装置用パネル。
- 請求項7に記載の支持体付き表示装置用パネルを用いて形成される表示装置用パネル。
- 請求項8に記載の表示装置用パネルを有する表示装置。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法であって、
前記支持ガラス基板の端部に凹陥部を形成する凹陥部形成工程と、
前記支持ガラス基板の第1主面上に易剥離性を有する樹脂層を形成し固定する樹脂層形成工程と、
前記薄板ガラス基板の第1主面に、前記支持ガラス基板の第1主面上に固定された前記樹脂層を密着する密着工程とを具備する、ガラス積層体の製造方法。 - 前記凹陥部形成工程が、
各々の凹陥部を頂点とする多角形の重心が前記支持ガラス基板の重心と一致するように、前記支持ガラス基板に3箇所以上凹陥部を形成する工程である、請求項10に記載のガラス積層体の製造方法。 - 前記密着工程が、
チャンバー内に配設され、基台表面から上側へ突出可能で下側への力を加えることで基台内部へ収納可能な3個以上のピンを有する基台であって、前記基台表面における前記ピンの相互の位置関係が、前記支持ガラス基板が有する凹陥部の位置関係と同一である前記基台の上に、前記ピンの位置と前記凹陥部の位置とが重なるように前記樹脂層が固定された前記支持ガラス基板を、前記樹脂層を上側として載置し、
次に、前記薄板ガラス基板と前記樹脂層とが隙間を保持しつつ対向するように、上側へ突出した前記ピンの上へ前記薄板ガラス基板を載置し、
次に、前記薄板ガラス基板および前記支持ガラス基板が存するチャンバー内空間を負圧状態にし、
その後、加圧手段によって前記薄板ガラス基板を上側から下側へ押すことによって、前記薄板ガラス基板の第1主面に、前記支持ガラス基板の第1主面上に固定された前記樹脂層を密着する工程である、請求項10または11に記載のガラス積層体の製造方法。 - 前記密着工程において、前記ピンの各々を頂点とする多角形の前記基台表面における重心と、前記薄板ガラス基板の第1主面における重心とが一致している、請求項10〜12のいずれかに記載のガラス積層体の製造方法。
- 請求項10〜13のいずれかに記載の製造方法に、さらに、得られたガラス積層体における前記薄板ガラス基板の第2主面に、表示装置用部材を形成する工程を具備する、支持体付き表示装置用パネルの製造方法。
- 請求項14に記載の製造方法に、さらに、得られた支持体付き表示装置用パネルにおける前記薄板ガラス基板と前記支持ガラス基板とを、前記凹陥部を起点として分離する分離工程を具備する、表示装置用パネルの製造方法。
- 請求項15に記載の製造方法に、さらに、得られた表示装置用パネルを用いて表示装置を得る工程を具備する、表示装置の製造方法。
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