図面を参照して実施形態を詳細に説明する。図面においては、同一または対応する構成要素には同じ参照符号を付した。
以下、DQPSK変調方式またはDPSK変調方式を利用した実施形態を説明するが、本発明はこれらの変調方式には限定されず、その他のPSK変調方式にも適用することができることは当業者には明らかである。また、本発明はPSK変調方式には限定されず、その他の変調方式にも適用することができる。
図2は、一実施形態で利用するOTU3(Optical channel Transport Unit 3)信号の特徴的パターンを示す図である。OTU3(43.02Gb/s)信号は、ITU−Tが2000年に勧告した光伝送規格であるOTN(Optical Transport Network)で標準化された信号である。図2に示したOTU3フレーム200は、FAS(Frame Alignment Signal)領域201と、ペイロードを含むその他のスクランブルされた信号が入るフレーム領域202とを含む。FASは48ビットのフレーム同期信号であり、図2に示した信号パターンを有している。
DQPSK変調方式では、2ビットを1シンボルとしてまとめて、直交信号Q(以下、Q信号とも呼ぶ)及び同相信号I(以下、I信号とも呼ぶ)として取り扱う。図2には、このQ信号とI信号の信号パターンを示した。ここで、I信号の信号パターンには、参照符号210で示したように、「0」が13ビット連続して現れる特徴的パターンがあることが分かる。また、Q信号の信号パターンには、参照符号211で示したように、「0110」が3回繰り返して現れる特徴的パターンがあることが分かる。
一実施形態では、信号パターンIにおける「0」が13ビット連続して現れる特徴的パターン210を検出し、干渉計から同相信号Iが出力されているか判定する。また、信号パターンQにおける「0110」が3回繰り返して現れる特徴的パターン211を利用して、信号Qが論理反転しているか判定する。他の実施形態では、FAS領域201中の他の特徴的パターンを利用することができる。
なお、ここではFAS信号の信号パターンを2つの信号パターンに分けるにあたり、図2に示したように「1101 1101 1101 0110 0110 0110」を直交信号Qの信号パターンと呼び、「1110 1110 1110 0000 0000 0000」を同相信号Iの信号パターンと呼んだ。しかし、DQPSK変調方式ではどちらをI相(in-phase)信号とし、どちらをQ相(quadrature-phase)信号とするか明確には定義されていないので、この呼び方は任意的なものである。別の実施形態では、「1101 1101 1101 0110 0110 0110」を同相信号Iの信号パターンと呼び、「1110 1110 1110 0000 0000 0000」を直交信号Qの信号パターンと呼んでもよい。同様に、以下の実施形態の説明では、一方の信号を直交信号Qと呼び他方の信号を同相信号Iと呼ぶが、これは2つの信号を区別するために便宜的に定めたものに過ぎず、他の実施形態では前記「一方の信号」を同相信号Iと呼び前記「他方の信号」を直交信号Qと呼んでもよい。
図3は、一実施形態によるDQPSK光信号受信モジュールを示すブロック図である。図3に示したDQPSK光信号受信モジュール300は、I信号とQ信号とを含むDQPSK光信号を受信し、データ信号Aとデータ信号Bとを出力するDQPSK受信部301を有する。
図3に示すように、光DQPSK受信部301は、2つのブランチ(すなわち、Aブランチ102、Bブランチ103)を備える。Aブランチ102には、マッハツェンダ干渉計104、バランスド光検出器110、データ再生回路111、位相制御装置112が設けられている。同様に、Bブランチ103には、マッハツェンダ干渉計107、バランスド光検出器113、データ再生回路114、位相制御装置315が設けられている。各干渉計104/107の上側アームには、それぞれ、光遅延要素105/108が設けられている。遅延時間は、光DQPSKシステムにおける1シンボル時間である。光DQPSKシステムにおいては、1シンボル時間は、データのビットレートの逆数の2倍に相当する。各干渉計104/107の下側アームには、それぞれ、移相要素106/109が設けられている。Aブランチに設けられている移相要素106の位相量(すなわち、移相量)は「π/4」である。Bブランチに設けられている移相要素109の位相量(すなわち、移相量)は「−π/4」である。これらの位相は、位相制御装置112/315による制御対象である。
Aブランチにおいて、位相制御装置112が備える2つの入力端子の一方は、データ再生回路111の入力端子に接続され、位相制御装置112が備える2つの入力端子の他方は、データ再生回路114の出力端子に接続されている。位相制御装置112の出力端子は、干渉計104の移相要素106に接続されている。同様に、Bブランチにおいて、位相制御装置315が備える2つの入力端子の一方は、データ再生回路114の入力端子に接続され、位相制御装置315が備える2つの入力端子の他方は、データ再生回路111の出力端子に接続されている。位相制御装置315の出力端子は、干渉計107の移相要素109に接続されている。すなわち、Aブランチにおける位相制御装置112への入力信号は、バランスド光検出器110から出力される信号124およびデータ再生回路114から出力される信号129である。また、Bブランチにおける位相制御装置315への入力信号は、バランスド光検出器113から出力される信号128およびデータ再生回路111から出力される信号125である。
なお、上記受信部における干渉計、バランスド光検出器、データ再生回路は、当業者によってよく知られているデバイスを使用することができる。
図3に示すように、Aブランチにおいて、位相制御装置112は、位相モニタ部(この実施例においては、ミキサ116および平均化部117を含む)、およびその位相モニタ部の後段に接続される位相調整部119を備える。Bブランチにおいては、位相制御装置315は、直列的に接続された位相モニタ部(この実施例においては、ミキサ120および平均化部121を含む)、反転回路122、および位相調整部323を備える。反転回路122は、この実施例では、インバータ回路である。ミキサは、2つの入力信号を互いに掛合わせるために使用され、平均化部は、ミキサからの信号を平均化する。なお、ミキサおよび平均化部は、いずれもよく知られたデバイスである。ミキサは、例えば、アナログミキサ(例えば、Spectrum Microwave Corporationのミキサ)、或いはA/D変換器の後段においてデジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)で実行される乗算演算により実現される。すなわち、ミキサは、A/D変換器およびその後段に接続されるDSPで実現することができる。A/D変換器は、例えば、Analog Device CorporationのA/D変換器を使用することができる。平均化部は、入力信号の高周波成分を除去すると共に平均化された情報を含む低周波成分を通過させるローパスフィルタ、或いは、DSPを利用した平均化演算によって実現することができる。
光DQPSKの変調信号(s(t))101は、下式で表すことができる。
s(t) = A(t)exp(φn)exp(jωt)
ここで、「A(t)」は、1シンボルに相当するパルス波形を表す。「φn」は、n番目のシンボルの位相を表す。「ω」は、光搬送波の角周波数を表す。「φn」は、π/4、3π/4、5π/4、7π/4、の4値のうちのいずれか1つを取り得る。
光DQPSKでは、情報は、互いに隣接するシンボル間の位相差により伝送される。そして、隣接するシンボル間の位相差は、0、π/2、π、3π/2のいずれか1つである。
光DQPSK変調方式の理論によれば、Aブランチにおいて、バランスド光検出器110から出力される信号124は、下式で表すことができる。
A2(t)cos(Δφ+π/4+δA)
また、Bブランチにおいて、バランスド光検出器113から出力される信号128は、下式で表すことができる。
A2(t)cos(Δφ−π/4+δB)
ここで、「Δφ」は、互いに隣接する2つのシンボル間の位相差を表す。「δA」は、Aブランチにおける移相要素106の位相誤差を表し、「δB」は、Bブランチにおける移相要素109の位相誤差を表す。
データ再生回路111は、ゼロ閾値を用いた閾値判定によりAブランチデータ(データ信号A)125を再生する。再生データ125は、「cos(Δφ+π/4)=−sin(Δφ−π/4)」である。同様に、Bブランチ再生データ(データ信号B)129は、「cos(Δφ−π/4)=sin(Δφ+π/4)」である。なお、これらの関係は公知である。
Aブランチにおいて、ミキサ116には、信号124および信号129が入力される。よって、ミキサ116の出力126は、下式で表される。
A2(t)cos(Δφ+π/4
+δA) cos(Δφ−π/4)
=A2(t)cos(Δφ+π/4
+δA) sin(Δφ+π/4)
=A2(t)cos(Δφ+π/4)
sin(Δφ+π/4) cos(δA)
−A2(t)sin2(Δφ+π/4)sin(δA)
ここで、位相差Δφは、0、π/2、π、3π/2に均等に分布するので、上記の数式の第1項は、平均化部117により除去される。また、上記数式の第2項は、位相差Δφにかかわらず、平均化部117の前段において「−A2(t)sin(δA)/2」である。したがって、「A2(t)」は、平均化部117により平均化されると、伝送される情報と関係のないある値を持った定数になる。よって、平均化部117から出力される信号127は「−sin(δA)」に比例する。尚、位相誤差が小さければ、信号127は、「−δA」に近似できる。
このように、位相モニタは、位相誤差の大きさだけでなく、位相誤差の符号も検出できる。また、位相誤差に対する誤差信号127の微分係数は一定なので、位相誤差がゼロであっても、位相モニタの感度も一定である。
Bブランチにおいて、ミキサ120には、信号125および信号128が入力される。よって、ミキサ120の出力130は、下式で表される。
A2(t)cos(Δφ−π/4 +δB) cos(Δφ+π/4)
=−A2(t)cos(Δφ−π/4 +δB) sin(Δφ−π/4)
=−A2(t)cos(Δφ−π/4) sin(Δφ−π/4) cos(δB)+A2(t)sin2(Δφ−π/4)sin(δB)
ここで、位相差Δφは、0、π/2、π、3π/2に均等に分布するので、上記の数式の第1項は、平均化部121により除去される。また、上記数式の第2項は、位相差Δφにかかわらず、平均化部121の前段において「A2(t)sin(δB)/2」である。したがって、「A2(t)」は、平均化部121により平均化されると、伝送される情報と関係のないある値を持った定数になる。よって、平均化部121から出力される信号131は「sin(δB)」に比例する。尚、位相誤差が小さければ、信号131は、「δB」に近似できる。
このように、位相モニタは、位相誤差の大きさだけでなく、位相誤差の符号も検出できる。また、位相誤差に対する誤差信号131の微分係数は一定なので、位相誤差がゼロであっても、位相モニタの感度も一定である。
位相モニタ部の後段において、位相誤差信号131は、インバータ回路である反転回路122に与えられる。反転回路122を用いて位相誤差信号131を反転させることにより得られる位相調整信号133は、位相調整部323に入力される。一方、位相誤差信号127は、位相調整信号として直接的に位相調整部119に入力される。
位相調整部119/323は、位相調整信号が「正」であれば、対応するブランチの干渉計104/107の位相量(すなわち、移相要素106/109の移相量)を増加させ、位相調整信号が「負」であれば、対応するブランチの干渉計104/107の位相量を減少させる。位相調整部119/323は、位相調整信号がゼロであれば、動作しない(すなわち、移相要素106/109の移相量をそのまま保持する)。位相調整部119/323として当業者に知られている様々な位相調整器を使用することができる。例えば、カナダのITF Optical Technologies CorporationのDPSK復調器は、干渉計の温度を調整することによって位相差の調整を実現する位相調整器を備えるマッハツェンダ干渉計を提供している。
上記DQPSK受信部301において、Aブランチの移相要素106の位相が「π/4+δA」であったものとする。すなわち、移相要素106の位相が正の位相誤差δAを有しているものとする。この場合、位相モニタ部から出力される信号127は「−δA(<0)」である。そうすると、位相調整信号127は「負」なので、位相調整部119は、移相要素106の位相量を減らす。この結果、位相は、目標値である「π/4」に近づくことになる。一方、移相要素106の位相が負の位相誤差を有しているものとすると、位相モニタ部から出力される信号127は「正」であり、位相調整部119は、移相要素106の位相量を増加させる。これにより、位相は、目標値である「π/4」に近づく。なお、位相誤差がゼロであれば、位相モニタ部からの出力もゼロである。よって、この場合、位相調整部は動作せず、移相要素106の位相はそのまま保持される。
同様に、Bブランチの移相要素109の位相が「−π/4+δB」であったものとする。すなわち、移相要素109の位相が正の位相誤差δBを有しているものとする。この場合、位相モニタ部から出力される信号131は「δB(>0)」である。そして、反転回路122から出力される位相調整信号133は「−δB(<0)」である。そうすると、位相調整信号133は「負」なので、位相調整部323は、移相要素109の位相量を減らす。これにより、位相は、目標値である「−π/4」に近づくことになる。一方、移相要素109の位相が負の位相誤差を有しているものとすると、位相モニタ部から出力される信号131は「負」であり、反転回路122により得られる位相調整信号133は「正」であるので、位相調整部323は、移相要素109の位相量を増加させる。これにより、位相は、目標値である「−π/4」に近づく。なお、位相誤差がゼロであれば、位相モニタ部からの出力もゼロである。よって、この場合、位相調整部は動作せず、移相要素109の位相はそのまま保持される。
しかし、DQPSK光信号が光伝送路を介して伝送される過程において、光ファイバの波長分散や非線形効果の影響により信号波形の劣化が生じることがある。また、遅延干渉計106、109は互いに独立しており、経年変化や温度変化等により、最適動作点が変化した場合には、所望の論理関係のI信号、Q信号が得られないことが生じる。したがって、DQPSK受信部301が受信信号を復調して出力するデータ信号A、Bには、図1を参照して説明したように、DQPSK受信部301の受信状態(復調状態)によって、不確定性が生じる可能性がある。この不確定性を解消するため、DQPSK光受信モジュール300は、さらに、DQPSK受信部301が出力したデータ信号A、Bの入力を受けて、データ信号Bの特徴的パターンを検出して、そのパターンがDQPSK光信号のフレーム周期で繰り返されているか判定して、その判定結果に応じてデータ信号BがI信号であることを示すI検出信号を出力する復調信号モニタ&制御回路302を有する。
図4も参照して、復調信号モニタ&制御回路302の動作を説明する。図4は、一実施形態による復調信号モニタ及び制御回路を示すブロック図である。図4に示した復調信号モニタ&制御回路302は、13ビット0連検出回路401、繰り返し周期検出回路402、Q信号論理検出回路403、反転回路404を有する。
13ビット0連検出回路401は、DQPSK受信部301から入力されたデータ信号Bを受け、図2を参照して説明したI信号の信号パターンにおいて13ビット連続して「0」が現れる特徴的パターン210を検出する。13ビット0連検出回路401は、この特徴的パターン210(図2参照)を検出すると、特徴的パターンを検出したことを示すパターン検出信号を繰り返し周期検出回路402に出力する。パターン検出信号は、例えば、特徴的パターンの出現に同期したパルス信号である。
繰り返し周期検出回路402は、パターン検出信号を受け取ると、そのパターン検出信号の周期がDQPSK光信号のフレーム周期と一致しているか判定する。パターン検出信号の周期がDQPSK光信号のフレーム周期と一致するということは、データ信号Bとして同相信号Iが得られたことを意味している。この判定を行うことにより、図2に示したスクランブルされた信号202の中に偶然に特徴的パターンが現れても、それを同相信号Iと間違う可能性を無くす、または小さくすることができる。繰り返し周期検出回路402は、パターン検出信号の周期がDQPSK光信号のフレーム周期と一致したこと、すなわち同相信号Iを検出したことを示すI検出信号を一方の出力から出力する。繰り返し周期検出回路402が出力したI検出信号は、DQPSK受信部301のIブランチ103の位相制御装置315に送られる。一方、繰り返し周期検出回路402は、同相信号Iを検出すると、同相信号Iを検出したことを示す信号(I検出信号であってもよい)を、他方の出力からQ信号論理検出回路403に送る。
データ信号Bとして同相信号Iが検出されたということは、DQPSK受信部301から直交信号Qまたはその論理反転した信号がデータ信号Aとして出力されていることを意味する。そこで、Q信号論理検出回路403は、繰り返し周期検出回路402から同相信号Iを検出したことを示す信号を一方の入力に受け取ると、他方の入力に入力されたデータ信号Aを調べ、データ信号Aとして直交信号Qが得られているか、すなわち論理判定していないかどうか判定する。この判定は、データ信号Aに図2を参照して説明した直交信号Qの信号パターン211が現れるか検出することにより行える。データ信号Aに直交信号Qの信号パターン211(図2参照)が現れていれば、データ信号Aとして直交信号Qが得られていることが分かる。Q信号論理検出回路403は、データ信号Aとして直交信号Qが得られていれば、データ信号Aとして直交信号Qが得られたことを示すQ検出信号を反転回路404に送る。Q検出信号を受けた反転回路404は、データ信号Aをそのまま通過させて出力する。
一方、データ信号Aに直交信号Qの信号パターン211(図2参照)が現れていないということは、データ信号Aとして直交信号Qが論理反転した信号が得られていることを意味する。Q信号論理検出回路403は、反転回路404にQ検出信号を出力しない。反転回路404は、Q信号論理検出回路403からQ検出信号の入力がないと、データ信号Aを反転した信号、すなわち直交信号Qを出力する。
図3に戻り、DQPSK光受信モジュール300は、デマルチプレクサ(DMUX:Demultiplexer)150を含む。このデマルチプレクサ150は、復調信号モニタ&制御回路302からのデータ信号A(すなわち直交信号Q)とデータ信号B(すなわち同相信号I)の入力を受け、16ビットパラレルのデータ信号Pに逆多重して出力する。
このように、DQPSK受信部301の干渉計制御ループが安定し、復調信号モニタ&制御回路302からI検出信号303が出力された場合、復調信号モニタ&制御回路302からは直交信号Q(Q信号)と同相信号I(I信号)が出力され、結果的にデマルチプレクサ350から正しいデータ信号Pが出力される。
上記の実施形態では、同相信号Iの特徴的パターンとして、図2を参照して説明した同相信号Iにおける13ビット連続で「0」が現れる特徴的パターン210を検出した。他の実施形態では、この特徴的パターン以外の特徴的パターンを検出してもよい。その例は図8、図10を参照して説明する。
上記の実施形態では、同相信号Iの特徴的パターンを検出したが、他の実施形態では、直交信号Qの特徴的パターンを検出してもよい。さらに他の実施形態では、同相信号Iの反転信号の特徴的パターンを検出してもよい。この場合、図4の復調信号モニタ&制御回路302に、データ信号Bを論理反転して同相信号Iを出力する反転回路(図示せず)を設ければよい。さらに他の実施形態では、直交信号Qの反転信号の特徴的パターンを検出してもよい。この場合、図4の復調信号モニタ&制御回路302に、データ信号Bを論理反転して直交信号Qを出力する反転回路(図示せず)を設ければよい。
一方、DQPSK受信部301からデータ信号Bとして同相信号Iが出力されない場合は、DQPSK受信部301は、干渉計107の移相要素109の位相をπ/2だけずらす。このステップは、干渉計制御ループが安定し、復調信号モニタ&制御回路302からI検出信号303が出力されるまで続けられる。かかる構成により、DQPSK受信部301の受信状態(復調状態)によらずに、DQPSK光受信モジュール300からは正しいデータ信号Pを出力することができる。すなわち、復調信号モニタ&制御回路302という簡易な構成を追加するだけでDQPSK光受信モジュール300から正しいデータ信号Pを出力することができる。なお、このステップは図6、図7を参照してより詳しく説明する。
図5は、図3のDQPSK信号受信モジュールの変形例を示すブロック図である。図5に示したDQPSK光受信モジュール500は、図3に示したDQPSK光受信モジュール300と同様の構成である。ただし、Aブランチ102において、ミキサ116への入力信号である信号124、129をそれぞれフィルタリングするためのローパスフィルタ151、152を設け、Bブランチ103において、ミキサ120への入力信号である信号128、125をそれぞれフィルタリングするためのローパスフィルタ153、154を設けている。このようにローパスフィルタを設けることにより、ミキサ116、120が対応すべき周波数帯域を低くして、ミキサ116、120として比較的ローコストのものを使用することができるようになる。なお、ローパスフィルタを設ける位置は、その機能を発揮できる範囲で広く解釈されるべきであり、当該ブランチのデータ再生回路の直前および他方のブランチのデータ再生回路の直後に限定する必要はない。その他の構成は図3に示したDQPSK信号受信モジュール300と同じなので、説明は省略する。
図5に示した変形例であっても、DQPSK受信部501の干渉計制御ループが安定し、復調信号モニタ&制御回路302からI検出信号303が出力された場合、復調信号モニタ&制御回路302からは直交信号Qと同相信号Iが出力され、結果的にデマルチプレクサ150から正しいデータ信号Pが出力される。
図6は、図3に示したDQPSK受信部301、または図5に示したDQPSK受信部501の具体的な実施例の構成を示す図である。図6に示したDQPSK受信部601において、入力されるDQPSK信号は、分岐され、Aブランチに設けられている遅延干渉計11a、およびBブランチに設けられている遅延干渉計11bに導かれる。遅延干渉計11a、11bは、それぞれ、干渉計104、107に相当する。すなわち、遅延干渉計11aは、光遅延要素105および移相要素106を備え、遅延干渉計11bは、光遅延要素108および移相要素109を備えている。なお、移相要素106、109の移相量は、この実施例では、温度変化を利用して調整される。この場合、たとえば、移相要素106、109の温度が上昇すると、その移相量が大きくなる。他の実施形態では、移相要素106、109の移相量は、例えば、電圧変化等を利用して調整されてもよい。受光回路(Twin−PD)12a、12bは、それぞれ、バランスド光検出器110、113に相当し、遅延干渉計11a、11bの出力光に対応する電流信号を生成する。トランスインピーダンスアンプ(TIA)13a、13bは、それぞれ、受光回路12a、12bにより生成される電流信号を電圧信号に変換する。なお、TIA13a、13bの出力信号は、図3及び図5に示す信号124、128に相当する。
TIA13aの出力信号は、ローパスフィルタ14aを介してミキサ15aに入力されると共に、リミッタアンプ(LIA)16aを介して識別回路17aへ送られる。また、TIA13bの出力信号は、ローパスフィルタ14bを介してミキサ15bに入力されると共に、リミッタアンプ(LIA)16bを介して識別回路17bへ送られる。ここで、ミキサ15a、15bは、それぞれ、ミキサ116、120に相当する。また、ローパスフィルタ14a、14bのカットオフ周波数は、例えば、100MHz程度である。
識別回路17a、17bは、データ再生回路111、114に相当し、例えば、それぞれ、1または複数のDフリップフロップ回路により構成される。また、識別回路17a、17bは、それぞれ、受信信号から再生したクロックを利用して、LIA16a、16bの出力信号の論理判定を行う。そして、識別回路17aから出力されるデータ信号Aおよび識別回路17bから出力されるデータ信号Bに基づいて送信データが再生される。
識別回路17aの出力信号(データ信号A)は、ローパスフィルタ20bを介してミキサ15bに与えられる。同様に、識別回路17bの出力信号(データ信号B)は、ローパスフィルタ20aを介してミキサ15aに与えられる。なお、識別回路17a、17bの出力信号は、それぞれ、信号125、129に相当する。また、ローパスフィルタ20a、20bのカットオフ周波数は、例えば、100MHz程度である。
ミキサ15aは、ローパスフィルタ14aの出力信号およびローパスフィルタ20aの出力信号を互いに掛合わせる。同様に、ミキサ15bは、ローパスフィルタ14bの出力信号およびローパスフィルタ20bの出力信号を互いに掛合わせる。ミキサ15a、15bの出力信号は、それぞれ、ローパスフィルタ21a、21bにより高周波成分が除去された後、A/D変換器22a、22bによりデジタルデータに変換される。ここで、ローパスフィルタ21a、21bは、平均化回路117、121に相当し、これらのカットオフ周波数は、例えば、100Hz程度である。
このように、ミキサ15aは、Aブランチの識別回路17aの前段から得られる信号とBブランチの識別回路17bの後段から得られる信号とを掛合わせる。同様に、ミキサ15bは、Bブランチの識別回路17bの前段から得られる信号とAブランチの識別回路17aの後段から得られる信号とを掛合わせる。
マイクロコントローラ23aは、A/D変換器22aから出力されるデジタル信号に対して所定の演算を実行し、Aブランチのための位相調整信号を生成する。同様に、マイクロコントローラ23bは、A/D変換器22bから出力されるデジタル信号に対して所定の演算を実行し、Bブランチのための位相調整信号を生成する。ここで、マイクロコントローラ23a、23bは、1つのプロセッサにより実現されてもよい。なお、反転回路122の機能は、マイクロコントローラ23bの演算により提供される。
マイクロコントローラ23a、23bにより生成される位相調整信号は、それぞれ、D/A変換器24a、24bによりアナログ信号に変換されてヒーター25a、25bに与えられる。すなわち、ヒーター25a、25bは、マイクロコントローラ23a、23bにより制御される。この結果、Aブランチの遅延干渉計11aの移相要素およびBブランチの遅延干渉計11bの移相要素の温度が個々に調整される。ここで、遅延干渉計11a、11bの移相要素の移相量は、温度に依存する。したがって、遅延干渉計11a、11bの移相要素の移相量は、マイクロコントローラ23a、23bが生成する位相調整信号により調整されることになる。
温度検出器26は、遅延干渉計11a、11bの周辺の温度を検出する。温度制御回路27は、温度検出器26による検出結果を参照し、遅延干渉計11a、11bの周辺の温度を所定値に保持するための温度制御信号を生成する。ペルチェ素子28は、温度制御信号に従って、遅延干渉計11a、11bの周辺の温度を所定の温度に保持する。なお、ヒーター25a、25bのみで遅延干渉計11a、11bの移相要素の移相量を目標値に調整可能な場合には、温度検出器26、温度制御回路27、ペルチェ素子28は設けなくてもよい。
上記構成のDQPSK受信部600において、マイクロコントローラ23aは、ローパスフィルタ21aから出力されるAアームモニタ信号がゼロになるようにヒーター25aを制御する。同様に、マイクロコントローラ23bは、ローパスフィルタ21bから出力されるBアームモニタ信号がゼロになるようにヒーター25bを制御する。ここで、遅延干渉計11aの移相要素の位相誤差を「δA」とすると、図3を参照しながら説明したように、Aアームモニタ信号は「−sin(δA)」に比例する。また、遅延干渉計11bの移相要素の位相誤差を「δB」とすると、Bアームモニタ信号は「sin(δB)」に比例する。なお、遅延干渉計11aの移相要素の移相量が目標値(例えば、π/4)に保持されているときにローパスフィルタ21aから出力されるAアームモニタ信号がゼロになること、及び、遅延干渉計11bの移相要素の移相量が目標値(例えば、−π/4)に保持されているときにローパスフィルタ21bから出力されるBアームモニタ信号がゼロになることについては、図3を参照しながら説明した通りである。
次に、図7のフローチャートも参照して、一実施形態による遅延干渉計制御方法を説明する。この遅延干渉計制御方法では、図6を参照して説明した位相制御に加えて、データ信号Bとして同相信号Iが得られていなければ、遅延干渉計(B)の移相量をπ/2ずつ変化させることにより、データ信号Bとして同相信号Iが得られる遅延干渉計(B)11bの位相を探す。ここで留意しておくことは、遅延干渉計(B)の移相量をπ/2ずつ変化させれば、図6に示したDQPSK受信部600の構成により、遅延干渉計(A)の移相量もそれに合わせてπ/2ずつ変化することである。
最初に、マイクロコントローラ23bは、ステップS71において、Bアームモニタ信号の変化幅を検出し、その変化幅を所定の閾値Vthと比較する。これにより、マイクロコントローラ23bは、干渉計制御ループが安定したか判定する。Bアームモニタ信号の変化幅が所定の閾値Vthより大きければ、ステップS79に進む。一方、Bアームモニタ信号の変化幅が所定の閾値Vth以下であれば、ステップS73に進む。
マイクロコントローラ23bは、ステップS73において、復調信号モニタ&制御回路302(図3、5参照)がI検出信号303(図3、5参照)を出力しているか判定する。I検出信号が出力されていれば、DQPSK受信部301、501(図3、5参照)からデータ信号Bとして同相信号Iが出力されていることになるので、ステップS79に進む。一方、I検出信号が出力されていなければ、データ信号Bとして同相信号I以外の信号(例えば、直交信号Q)が出力されていることになるので、ステップS75に進む。
マイクロコントローラ23bは、ステップS75において、遅延干渉計(B)11bの位相がπ/2だけ変化するように、DAC24bの出力電圧を介してヒーター25bの温度を制御する。DQPSK受信部600から出力されるデータ信号Bは、遅延干渉計(B)11bの位相を変化させることにより、例えば直交信号Qから同相信号Iに変化することになる。
マイクロコントローラ23bは、ステップS77において、遅延干渉計(B)11bの温度が安定するまで待つ。
次に、マイクロコントローラ23bは、ステップS79において、Bアームモニタ信号の正負を判定し、Bアームモニタ信号が0以下であればステップS81に進み、DAC24bの出力電圧を上げてから、ステップS71に戻る。一方、Bアームモニタ信号が0より大きければステップS83に進み、DAC24bの出力電圧を下げてから、ステップS71に戻る。これにより、Bアームモニタ信号が0近傍で安定することになる。
ステップS75において遅延干渉計(B)11bの位相をπ/2だけ変化させることにより、データ信号Bが同相信号I以外の信号に変化した場合、上記のステップS71からS83までが繰り返され、最終的にはデータ信号Bを同相信号Iにすることができる。
図2を参照して、OTU3信号で利用できる特徴的パターンの一例を説明した。図8は、他の実施形態で利用できるOTU3信号の信号パターンを示す図である。
図8(1)において、(a)は図2に示した信号パターンQである。(b)は(a)を4ビット遅延させた信号パターンであり、(c)は(a)と(b)の排他的論理和(EXOR)の信号パターンである。この場合、(c)に8ビット連続した0(8ビット0連パターン810、811)が2回現れ、2回の8ビット0連パターン810、811の間に、(a)に「0110」という信号パターン(「0110」信号パターン)812が現れている。復調信号モニタ&制御回路により、この8ビット0連パターン810、811と、その間の「0110」信号パターン812を特徴的パターンとして検出することにより、例えばデータ信号Bが直交信号Qであることを判定できる。この判定結果を利用してDQPSK信号を正しく復調できることは、上記の実施形態を理解した当業者には容易であろう。
図8(2)において、(a)は図2に示した信号パターンQの反転信号である。(b)は(a)を4ビット遅延させた信号パターンであり、(c)は(a)と(b)の排他的論理和(EXOR)の信号パターンである。この場合、(c)に8ビット連続した0(8ビット0連パターン820、821)が2回現れ、2回の8ビット0連パターン820、821の間に、(a)に「1001」という信号パターン(「1001」信号パターン)822が現れている。復調信号モニタ&制御回路により、この8ビット0連パターン820、821と、その間の「1001」信号パターン822を特徴的パターンとして検出することにより、例えばデータ信号Bが直交信号Qの反転信号であることを判定できる。この判定結果を利用してDQPSK信号を正しく復調できることは、上記の実施形態を理解した当業者には容易であろう。
図8(3)において、(a)は図2に示した信号パターンIである。(b)は(a)を4ビット遅延させた信号パターンであり、(c)は(a)と(b)の排他的論理和(EXOR)の信号パターンである。この場合、(c)に8ビット連続した0(8ビット0連パターン830、831)が2回現れ、2回の8ビット0連パターン830、831の間に、(a)に「0000」という信号パターン(「0000」信号パターン)832が現れている。復調信号モニタ&制御回路により、この8ビット0連パターン830、831と、その間の「0000」信号パターン832を特徴的パターンとして検出することにより、データ信号Bが同相信号Iであることを判定できる。この場合の、復調信号モニタ&制御回路は、図9を参照して説明する。
図8(4)において、(a)は図2に示した信号パターンIの反転信号である。(b)は(a)を4ビット遅延させた信号パターンであり、(c)は(a)と(b)の排他的論理和(EXOR)の信号パターンである。この場合、(c)に8ビット連続した0(8ビット0連パターン840、841)が2回現れ、2回の8ビット0連パターン840、841の間に、(a)に「1111」という信号パターン(「1111」信号パターン)842が現れている。復調信号モニタ&制御回路により、この8ビット0連パターン840、841と、その間の「1111」信号パターン842を特徴的パターンとして検出することにより、データ信号Bが同相信号Iの反転信号であることを判定できる。この判定結果を利用してDQPSK信号を正しく復調できることは、上記の実施形態を理解した当業者には容易であろう。
図9は、他の実施形態による復調信号モニタ及び制御回路を示すブロック図である。この復調信号モニタ&制御回路902は、図5に示した復調信号モニタ&制御回路302に対応するものであり、図8(3)を参照して説明した特徴的パターンに基づき同相信号Iを検出するものである。
図9に示した復調信号モニタ&制御回路902は、4ビット遅延回路901と、排他的論理和(EXOR)回路902と、8ビット0連検出回路903と、繰返し周期検出回路904と、I信号検出回路905と、Q信号論理検出回路906と、反転回路907とを有している。また、図8(3)との対応を示すため、図8(3)の各信号(a)、(b)、(c)が得られる点をそれぞれ示した。データ信号Bが同相信号I(図8(3)の(a))であるとき、4ビット遅延回路901はデータ信号Bである同相信号Iの入力を受け、4ビット遅延した信号(図8(3)の(b))を出力する。EXOR回路902の一方の入力にはデータ信号Bである同相信号Iが入力され、他方の入力には4ビット遅延回路901で4ビット遅延した信号が入力され、それらの排他的論理和信号が出力される(図8(3)の(c))。この排他的論理和信号は8ビット0連検出回路903に入力され、排他的論理和信号中の8ビット0連パターン(図8(3)の830と831)が検出され、8ビット0連パターンが検出されたことを示すパターン検出信号が出力される。このパターン検出信号は繰り返し周期検出回路904に入力される。繰り返し周期検出回路904において、パターン検出信号の繰り返し周期が検出され、繰り返し周期を示す繰り返し信号が出力される。I信号検出回路905の一方の入力にはこの繰り返し信号が入力され、他方の入力にはデータ信号Bが入力されている。I信号検出回路905は、繰り返し信号に基づき、8ビット0連パターン(図8(3)の830と831)の間に、データ信号Bに「0000」信号パターン(図8(3)の832)があるか判定する。「0000」信号パターンがあれば、データ信号Bは同相信号Iであることが分かり、I信号検出回路905はデータ信号Bとして同相信号Iを検出したことを示すI検出信号を一方の出力から出力する。出力されたI検出信号はDQPSK受信部301の位相制御部315に入力される。
一方、I信号検出回路905は、「0000」信号パターンを検出すると、「0000」信号パターンを検出したことを示す信号(I検出信号であってもよい)を他方の出力からQ信号論理検出回路906に送る。
データ信号Bとして同相信号Iが検出されたということは、DQPSK受信部301からデータ信号Aとして直交信号Qまたはその論理反転した信号が出力されていることを意味する。Q信号論理検出回路906は、一方の入力にI信号検出回路905から「0000」信号パターンを検出したことを示す信号を受け取ると、他方の入力のデータ信号Aを調べ、データ信号Aとして直交信号Qが得られているか判定する。この判定は、データ信号Aに図2を参照して説明した直交信号Qの信号パターン211が現れるか検出することにより行える。データ信号Aに直交信号Qの信号パターン211(図2参照)が現れていれば、データ信号Aとして直交信号Qが得られていることが分かる。Q信号論理検出回路906は、データ信号Aとして直交信号Qが得られていれば、Q検出信号を反転回路907に送る。Q検出信号を受けた反転回路907は、データ信号Aをそのまま通過させて出力する。
一方、データ信号Aに直交信号Qの信号パターン211(図2参照)が現れていないということは、データ信号Aとして直交信号Qが論理反転した信号が得られていることを意味する。Q信号論理検出回路906は、反転回路907にQ検出信号を出力しない。反転回路907は、Q信号論理検出回路906からQ検出信号の入力がないと、データ信号Aを反転した信号、すなわち直交信号Qを出力する。
上記の実施形態では、OTU3信号に現れる特徴的パターンを利用した。他の実施形態では、OTU3信号以外の信号に現れる特徴的パターンを利用することもできる。図10は、他の実施形態で利用するOTU3信号以外の信号の特徴的パターンを示す図である。図10に示したSTM−256/OC−768(39.8Gb/s)信号のフレームフォーマット1000は、フレーム長が4,976,640ビットであり、フレーミングバイト1001と、ペイロードを含むその他のスクランブルされた信号が入るフレーム領域1002とを含む。フレーミングバイトは1024ビットのフレーム同期信号であり、図10に示した信号パターンを有している。
DQPSK変調方式では、2ビットを1シンボルとしてまとめて、直交信号Q及び同相信号Iとして取り扱う。図10には、このQ信号とI信号の信号パターンを示した。ここで、I信号の信号パターンには、参照符号1010で示したように、「0」が257ビット連続して現れる特徴的パターンがあることが分かる。また、Q信号の信号パターンには、参照符号1011で示したように、「0110・・・0110」という特徴的パターンがあることが分かる。そこで、0が257ビット連続する特徴的パターン1010の一部をI信号検出に利用することができる。この場合、利用する特徴的パターンの長さは、検出精度を上げるため10ビット以上であることが望ましい。また、特徴的パターン1011の一部を、信号Qが論理反転していないか検出するパターンとして利用する。
図11は、図3のDQPSK光信号受信モジュールの他の変形例を示すブロック図である。図11に示したDQPSK光受信モジュール1100は、図3に示したDQPSK光受信モジュール300において、DQPSK受信部301と、復調信号モニタ&制御回路302との間に信号切替回路1110を設け、信号切替回路1110を信号切替制御回路1120が制御する構成になっている。また、復調信号モニタ&制御回路302が出力したI検出信号は、DQPSK受信部301の位相制御部115ではなく、信号切替制御回路1120に入力されている。
信号切替回路1110は、選択回路1111と、選択回路1112と、反転回路1113とを有する。選択回路1111の第1の入力には、DQPSK受信部301のデータ信号Aが入力され、選択回路1111の第2の入力にはDQPSK受信部301のデータ信号Bが入力されている。選択回路1111の第3の入力には、信号切替制御回路1120の選択回路制御信号1121が入力されている。また、選択回路1111の出力は、復調信号モニタ&制御回路302の第1の入力に直接接続されている。
一方、選択回路1112の第1の入力には、DQPSK受信部301のデータ信号Aが入力され、選択回路1112の第2の入力にはDQPSK受信部301のデータ信号Bが入力されている。選択回路1112の第3の入力には、信号切替制御回路1120の制御信号が入力されている。また、選択回路1112の出力は、反転回路1113の第1の入力に接続されている。反転回路1113の第2の入力には信号切替制御回路1120の反転回路制御信号1122が接続されている。反転回路1113の出力は、復調信号モニタ&制御回路302の第2の入力に接続されている。
すなわち、DQPSK受信部301が出力したデータ信号Aとデータ信号Bとは、選択回路1111と選択回路1112により、一方(例えば、データ信号B)が復調信号モニタ&制御回路302の第1の入力に送られ、他方(例えば、データ信号A)が復調信号モニタ&制御回路302の第2の入力に、反転回路1113を介して送られる。すなわち、選択回路1111と選択回路1112は、データ信号Aとデータ信号Bの経路を切り替える切替回路として動作する。
復調信号モニタ&制御回路302は、図4を参照して説明したものと基本的に同一の構成である。図4を参照して説明したように、復調信号モニタ&制御回路302は、第2の入力に送られた信号(この場合、データ信号A)の特徴的パターンを検出して、その繰り返し周期を判定して、それが同相信号Iであると判定すると、I検出信号を出力する。このI検出信号は信号切替制御回路1120に入力される。信号切替制御回路1120は、復調信号モニタ&制御回路302からI検出信号が送られている間は、信号切替回路1110の設定を変更しない。
しかし、信号切替制御回路1120は、復調信号モニタ&制御回路302からI検出信号が送られないと、例えば、所定の時間だけ待ってから、信号切替回路1110に選択回路制御信号1121及び/または反転回路制御信号1122を出力して、信号切替回路1110の設定を順次切り替える。
例えば、時刻t1において、DQPSK受信部301の受信状態(復調状態)に応じて、データ信号Aが直交信号Qであり、データ信号Bが同相信号Iの反転信号であると仮定する。選択回路1111がデータ信号Bすなわち同相信号Iの反転信号を出力し、復調信号モニタ&制御回路302の第1の入力に送っていると仮定する。また、選択回路1112がデータ信号Aすなわち直交信号Qを出力し、反転信号が入力された直交信号Qを反転し、直交信号Qの反転信号を復調信号モニタ&制御回路302の第2の入力に送っていると仮定する。このとき、選択回路1111の出力、選択回路1112の出力、復調信号モニタ&制御回路302の第1の入力、復調信号モニタ&制御回路302の第2の入力は表1に示したようになる。
信号切替制御回路1120は、復調信号モニタ&制御回路302からI検出信号が出力されないので、時刻t2において、反転回路1113に反転回路制御信号を送り、反転回路1113を非反転に設定する。信号切替制御回路1120は、復調信号モニタ&制御回路302からI検出信号が出力されないので、時刻t3において、反転回路1113の非反転の設定はそのままにするとともに、選択回路1111、1112に選択回路制御信号を送り、選択回路1111がデータ信号Aすなわち直交信号Qを出力し、選択回路1112がデータ信号Bすなわち同相信号Iの反転信号を出力するように設定する。信号切替制御回路1120は、復調信号モニタ&制御回路302からI検出信号が出力されないので、時刻t4において、反転回路1113に反転回路制御信号を送り、反転回路1113を再度反転に設定する。すると、復調信号モニタ&制御回路302の第2の入力には同相信号Iが入力されるので、図4を参照して説明したように、復調信号モニタ&制御回路302は、第2の入力に入力された同相信号Iを検出して、I検出信号を出力する。この場合、復調信号モニタ&制御回路302の第1の入力には直交信号Qが入力されているので、図4を参照して説明したように、復調信号モニタ&制御回路302の反転回路404はこの直交信号Qをそのまま反転せずに出力する。これにより、復調信号モニタ&制御回路302の第1の出力と第2の出力からは、それぞれ直交信号Qと同相信号Iが出力される。
このように、DQPSK受信部301と復調信号モニタ&制御回路302の間に信号切替回路1110と信号切替制御回路1120とを設け、DQPSK受信部301が出力した電気信号を電気的に切り替えることにより、I検出信号をDQPSK受信部301の位相制御部315に送り温度変化により位相を変化させるよりも短い時間で、直交信号Qと同相信号Iを出力できるようになる。
図12は、図11のDQPSK光信号受信モジュールの変形例を示すブロック図である。図12には、図11の信号切替回路1110と復調信号モニタ&制御回路302とに対応する信号切替制御回路1210と復調信号モニタ&制御回路1202が示されている。信号切替制御回路1220は図11の信号切替制御回路1120と基本的に同じものである。図11では復調信号モニタ&制御回路302に設けられていた反転回路(図11には図示せず;図4の反転回路404)が、図12では信号切替回路1210に設けられ、Q信号論理検出回路403が出力するQ検出信号が信号切替回路1210の反転回路1204に接続されている点が異なる。このように、DQPSK受信部301と復調信号モニタ&制御回路302の間に信号切替回路1210と信号切替制御回路1120とを設け、DQPSK受信部301が出力したデータ信号を電気的に切り替えることにより、I検出信号をDQPSK受信部301の位相制御部315に送り温度変化により位相を変化させるよりも短い時間で、直交信号Qと同相信号Iを出力できるようになる。
ここまではDQPSK変調方式を利用した実施形態を説明した。しかし、他の実施形態ではDPSK変調方式における出力信号の不確定性を解消するために、受信信号の特徴的パターンを利用することもできる。図13は、一実施形態によるDPSK光信号受信モジュールを示すブロック図である。図13に示したDPSK光受信モジュール1300において、DPSK光信号1301は、DPSK光受信回路1310に入力され、シリアルのデータ信号1311に復調される。DPSK光受信回路1310が出力した復調信号1311は、1:2デマルチプレクサ1320に入力され、逆多重され、データ信号1321、1322として出力される。
ここで、DPSK光信号1301はOTU3信号のフレームフォーマットを有するものと仮定する。このDPSK光信号1301を復調した復調信号1311を1:2デマルチプレクサ1320で逆多重しているので、その1:2デマルチプレクサ1320から出力されるデータ信号1321、1322のいずれか一方は、図2を参照して説明した信号パターンIと同様に、特徴的パターン210を含んでいることになる。ただし、DPSK光受信回路1310で復調された復調信号1311は、位相πの不確定性を有しており、データ信号1321、1322も論理反転している不確定性を有することに留意すべきである。
DPSK光受信モジュール1300は、さらに、信号切替回路1330と、復調信号モニタ&制御回路1340と、信号切替制御回路1350とを含む。1:2デマルチプレクサ1320から出力されたデータ信号1321、1322は、信号切替回路1330で必要に応じて選択(切替)、遅延、反転されて、データ信号1336、1337として出力される。信号切替回路1330の動作は後で詳しく説明する。
信号切替回路1330が出力したデータ信号1337は、復調信号モニタ&制御回路1340の13ビット0連検出回路1341に入力される。この13ビット0連検出回路1341は、図4に示した13ビット0連検出回路401に相当するものであり、データ信号1337中の13ビット連続で0が現れる特徴的パターン(図2の210に相当)を検出して、その特徴的パターンを検出したことを示すパターン検出信号1343を繰り返し周期検出回路1342に出力する。繰り返し周期検出回路1342は、図4を参照して説明した繰り返し周期検出回路402に相当するものであり、信号1343の繰り返し周期がDPSK光信号1301のフレーム周期と一致しているかどうか検出する。信号1343の繰り返し周期がDPSK光信号1301のフレーム周期と一致しているということは、DPSK光受信回路1310の受信状態がどうであろうとも、信号切替回路1330によりデータ信号1321、1322が適切に選択(切替)、遅延、反転され、データ信号1337が正しいデータ信号であることを示している。繰り返し周期検出回路1342は、データ信号1337中の特徴的パターンを検出したことを示すI検出信号を信号切替制御回路1350に出力する。信号切替制御回路1350は、繰り返し周期検出回路1342からI検出信号を受け取ると、信号切替回路1330は適切なので、信号切替回路1330の設定をそのまま維持する。
信号切替回路1330は、選択回路1331、1334、遅延回路1332、反転回路1333、1335を含む。選択回路1331、1334は、選択回路制御信号1351に応じて、データ信号1321、1322をそれぞれ出力1336、1337として出力するか、それとは逆に出力1337、1336として出力するように選択的に切り替える。遅延回路1332は、選択回路制御信号1351に応じて、信号1322が選択回路1331から出力された時に、その出力を遅延させ、信号1321との順序を調整する。反転回路1333、1335は、信号切替制御回路1350からの反転回路制御信号1352に応じて、遅延回路1332及び選択回路1334の出力を反転させて、それぞれ信号1336、1337として出力する。
信号切替制御回路1350は、復調信号モニタ&制御回路1340の繰り返し周期検出回路1342からI検出信号が送られないと、例えば、所定の時間だけ待ってから、信号切替回路1330に選択回路制御信号1351及び/または反転回路制御信号1352を出力して、信号切替回路1330の設定を順次切り替える。
例えば、DPSK受信部1310の受信状態(復調状態)に応じて、復調信号が反転信号であると仮定する。また、1:2デマルチプレクサ1320の出力1321には図2を参照して説明した信号パターンI(の反転パターン)が出力され、出力1322には図2を参照して説明した信号パターンQ(の反転パターン)が出力されていると仮定する。また、時刻t1において、信号切替回路1330はその設定に応じて、信号1336、1337として信号パターンI(の反転パターン)、信号パターンQ(の反転パターン)を出力しているとする。信号1336と信号1337は表2に示したようになる。
信号切替制御回路1350は、復調信号モニタ&制御回路1340からI検出信号が出力されないので、時刻t2において、反転回路1333、1335に反転回路制御信号1352を送り、反転回路1333、1335を反転に設定する。この時の信号1336、1337は表2に示したようになる。信号切替制御回路1350は、復調信号モニタ&制御回路1340からI検出信号が出力されないので、時刻t3において、反転回路1113の反転の設定はそのままにするとともに、選択回路11331、1332、遅延回路1332に選択回路制御信号1351を送り、選択回路1331、1334の設定を切り替える。この時の信号1336、1337は表2に示したようになる。すると、信号1337として信号パターンIが出力されるので、復調信号モニタ&制御回路1340は、この信号パターンIの特徴的パターン(図2の210)を検出して、I検出信号を出力する。これにより、復調信号モニタ&制御回路1340からは正しい復調信号が出力される。この復調信号はデマルチプレクサ1360によりさらに逆多重されて出力される。
このように、DPSK光受信回路1310の不確定性を、比較的規模が小さい回路により解消することができる。
図14は、一実施形態によるDQPSK対応トランスポンダを示すブロック図である。図14に示したDQPSK対応トランスポンダ1400は、40ギガビットレートのトランスポンダの構成例である。図14において、破線より左側はクライアント(ユーザ)側、破線より右側は波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送のネットワーク側である。
トランスポンダ1400において、クライアント(ユーザ)側からのデータ信号が光ファイバを通して40ギガビットレートの光受信器(40G OR VSR)1401で受信される。該光受信器(40G OR VSR)1401からは、電気信号に変換されたデータ信号が2.5ギガビットレートで16個のパラレルデータ信号として出力される。
光受信器1401からの出力信号は、フレーマLSI1402により、例えば、SONET/SDH(Synchronous Optical NETwork/Synchronous Digital Hierarchy)またはOTN(ITU−TG.709勧告の光伝送ネットワークのインタフェース)等の多重フレームにフレーム化され、その際にオーバヘッドが付加されるため、フレーマLSI1402から2.7ギガビットレートの16個のパラレルデータ信号として出力される。
フレーマLSI1402からの2.7ギガビットレートの16個のパラレルデータ信号は、シリアライザ(SER)1403により、約21.5ギガビットレートの2個のパラレルデータ信号Ik、Qkに変換される。
シリアライザ(SER)1403の出力信号Ik、Qkは、前述したプリコーダ1404に入力され、プリコーダ1404からは、所定の論理演算によるデータ信号ρk、ηkが出力される。該出力信号ρk、ηkは、差動4値位相偏移変調光送信器(40G OS DQPSK)1405に入力され、該差動4値位相偏移変調光送信器1405から約43ギガビットレートの信号光がネットワーク側に送出される。
一方、ネットワーク側から光ファイバを通して入力される約43ギガビットレートの信号光は、差動4値位相偏移復調光受信器(40G OR DQPSK)1406で受信され、該差動4値位相偏移復調光受信器1406から出力される約21.5ギガビットレートの受信データ信号B、Aは、デシリアライザ(DES)1407により約2.7ギガビットレートの16個のパラレルデータ信号に変換され、デシリアライザ(DES)1407の出力信号は、フレーマLSI1402により、SONET/SDH又はOTN等の多重フレームから各チャネルのデータ信号として出力され、その約2.5ギガビットレートの16個のパラレルデータ信号は、光送信器(40G SR VSR)1408により、約40ギガビットレートのシリアルデータの光信号として光ファイバを介してクライアント側に送出される。
ここで、差動4値位相変位復調光受信器(40G OR DQPSK)1406とデシリアライザ(DES)1407が、例えば、図3を参照して説明した一実施形態によるDQPSK光受信モジュール300に相当する。
このように、一実施形態による光受信モジュールでは、フレーム信号のフレーム処理を行うことなく、より簡易な回路で受信状態の検出を実現することができる。また、回路を簡易化することにより小型・低消費電力化を図り、光受信モジュール内への組み込みを可能とし、外部にフレーム処理回路を必要としない光受信モジュールを実現できる。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
なお、以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
受信信号を復調し、受信状態に応じた第1の復調信号を出力する受信部と、
前記第1の復調信号の特徴的パターンを検出し、パターン検出信号を出力するパターン検出部と、
前記パターン検出信号に応じて前記特徴的パターンの繰り返し周期を検出することにより、前記第1の復調信号が同相信号または直交信号のうち一方の信号若しくは前記一方の信号の反転信号であることを示す第1の信号検出信号を出力する周期検出部とを有する通信装置。
(付記2)
前記受信部は、前記第1の信号検出信号の有無に基づき前記受信状態を制御する、付記1に記載の通信装置。
(付記3)
前記受信部は、前記受信状態に応じた第2の復調信号をさらに出力し、
前記通信装置は、前記第2の復調信号の信号論理を検出し、前記第2の復調信号が前記同相信号または直交信号のうち他方の信号若しくは前記他方の信号の反転信号であることを示す第2の信号検出信号を出力する論理検出部をさらに有する、付記1または2に記載の通信装置。
(付記4)
前記第2の信号検出信号に応じて前記第2の復調信号を反転する第2信号反転部をさらに有する、付記3に記載の通信装置。
(付記5)
前記パターン検出部は、
前記第1の復調信号を遅延させる遅延部と、
前記第1の復調信号と、前記遅延部が遅延させた前記第1の復調信号とを論理演算して論理演算信号を出力する論理演算部とを有し、
前記パターン検出部は前記論理演算信号の特徴的パターンを検出して前記パターン検出信号を出力する、付記1乃至4に記載の通信装置。
(付記6)
前記周期検出部は、
前記パターン検出信号に応じて前記特徴的パターンの繰り返し周期を検出し、その検出に応じて前記第1の復調信号の所定パターンを検出し、第1の信号検出信号を出力する、付記5に記載の通信装置。
(付記7)
前記受信部は、前記受信状態に応じた第2の復調信号をさらに出力し、
前記通信装置は、前記第1の信号検出信号の有無に基づき前記第1の復調信号と前記第2の復調信号とを切り替える、前記受信部と前記パターン検出部との間に接続された切替部をさらに有する、付記1に記載の通信装置。
(付記8)
前記切替部が切り替えた前記第1の復調信号及び/または前記第2の復調信号を論理反転する反転部をさらに有する、付記7に記載の通信装置。
(付記9)
前記第1の復調信号と前記第2の復調信号とを逆多重するデマルチプレクサを有する、付記3または7に記載の通信装置。
(付記10)
送信信号を送信する送信部をさらに有する、付記1乃至9いずれか一項に記載の通信装置。
(付記11)
前記受信信号はDQPSK信号である、付記1に記載の通信装置。
(付記12)
前記第1の信号を論理反転する第1信号反転部をさらに有する、付記1に記載の通信装置。
(付記13)
前記特徴的パターンは前記復調信号の制御領域の所定の信号パターンである、付記1に記載の通信装置。
(付記14)
前記受信信号は、OTU3信号またはSTM−256/OC−768信号である、付記1に記載の通信装置。
(付記15)
前記受信信号はDPSK信号であり、
前記受信部はDPSK受信部と1:2デマルチプレクサとを有する、付記7に記載の通信装置。
(付記16)
付記1乃至15いずれか一項に記載の通信装置を有するトランスポンダ。
(付記17)
受信信号を復調し、受信状態に応じた第1の復調信号を出力する段階と、
前記第1の復調信号の特徴的パターンを検出し、パターン検出信号を出力する段階と、
前記パターン検出信号に応じて前記特徴的パターンの繰り返し周期を検出し、前記第1の復調信号が同相信号または直交信号のうち一方の信号若しくは前記一方の信号の反転信号であることを示す第1の信号検出信号を出力する段階とを有する信号受信方法。
(付記18)
前記第1の信号検出信号の有無に基づき前記受信状態を制御する段階をさらに有する、付記17に記載の信号受信方法。
(付記19)
前記受信信号を復調し、前記受信状態に応じた第2の復調信号を出力する段階と、
前記第1の信号検出信号に応じて、前記第1の復調信号と前記第2の復調信号を選択する段階とをさらに有する、付記17に記載の信号受信方法。