JP2010015062A - 着色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ、及びカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

着色感光性樹脂組成物、カラーフィルタ、及びカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の異種顔料を含む着色感光性樹脂組成物において、低エネルギーでの露光においても硬化性が高く、硬化膜をポストベーク処理にした場合においても、シワやムラの発生が抑制された着色感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)溶剤、(B−1)フタロシアニン系顔料及びアントラキノン系顔料からなる群より選択される少なくとも1種以上の顔料、(B−2)ジオキサジン系顔料及びサブフタロシアニン系顔料からなる群より選択される少なくとも1種以上の顔料、(C)バインダー樹脂、(D)光重合性化合物、(E−1)トリアジン系光重合開始剤又はオキシム系光重合開始剤、(E−2)ヘキサアリールビイミダゾール系光重合開始剤及びアセトフェノン系光重合開始剤から選ばれる少なくとも1種以上の光重合開始剤と、を含有し、(E−1):(E−2)の質量比が10:90〜60:40である着色感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、着色感光性樹脂組成物に関し、具体的には、カラーフィルタの製造に好適に用いることができる着色感光性樹脂組成物、これを用いたカラーフィルタ及びその製造方法に関する。
カラーフィルタは液晶ディスプレイや固体撮像素子に不可欠な構成部品である。
近年、液晶ディスプレイの開発の動向は、画面が比較的小面積であった従来のモニター用途から、画面が大型で高度な画質が求められるTV用途に向かいつつある。
液晶ディスプレイ(LCD)用カラーフィルタ用途においては、パネルサイズの大型化により基板サイズが拡大しており、大型基板を用いた場合の生産性向上のため、低エネルギーでの硬化が望まれている。また、TV用途の液晶ディスプレイでは、従来のモニター用途のものに比し、より高度な画質が求められている。すなわち、コントラスト及び色純度の向上である。コントラスト向上のため、カラーフィルタの作製に用いられる硬化性組成物に関しては、使用する着色剤(有機顔料等)の粒子サイズとして、より微小なものが求められている。顔料を微細化すると顔料表面積が増加するため、顔料分散のための分散剤添加量が増加する傾向にある。更に、色純度向上のため、硬化性組成物の固形分中に占める着色剤(有機顔料)の含有率としては、より高いものが求められている。これらの理由により、低エネルギーでの硬化性が望まれている一方で、感光性組成物の固形分中に占める光重合開始剤及び光重合性モノマーの含有率が減少する傾向にある。
フォトリソグラフィー法によるカラーフィルタ製造工程は、通常、支持体であるガラス基板又はクロム基板上への着色感光性組成物の塗布、露光、現像、高温加熱(ポストベーク)工程からなる。該着色層に良好な光透過性をもたせるためには、着色層が均一であることが必要となるが、低エネルギーでの露光や硬化性成分の不足などにより着色層の硬化が十分でない場合ポストベーク工程での加熱により着色層にシワやムラが発生するという課題があった。
これをうけて、硬化感度に優れ、高い硬膜度を有するカラーフィルタの形成に有用な着色層用組成物として、ヘキサアリールビイミダゾールを含む組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、カラーフィルタの明度及びコントラストを向上させる目的で、顔料を少なくとも3種含むものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、これらの従来技術においては、特に顔料として複数の異種顔料を含む着色感光性組成物から作製された着色膜は、着色感光性樹脂組成物に対する低エネルギーでの露光や、また、着色感光性樹脂組成物中の硬化性成分の不足などにより着色膜の硬化性が充分でない場合は、現像後のポストベークにより着色膜にシワやムラが発生する問題点があった。
以上のように、カラーフィルタの製造に好適に用いうる着色感光性樹脂組成物に関しては、種々の技術が提案されているが、硬化感度に優れ、且つ、加熱処理に供してもシワやムラのない着色膜が得られるものは、未だ提供されていないのが現状である。
特開平6−148417号公報 特開2007−133131号公報
本発明は、複数の異種顔料を含む着色感光性樹脂組成物において、低エネルギーでの露光においても硬化性が高く、加熱処理を施した場合においても、シワやムラの発生が抑制された着色硬化膜を形成しうる着色感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明のさらなる目的は、前記本発明の着色感光性樹脂組成物からなる着色領域を有する、色ムラのないカラーフィルタ及びその製造方法を提供することにある。
本発明者が鋭意検討した結果、顔料として、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料からなる群より選択される少なくとも1種と、ジオキサジン系顔料、サブフタロシアニン系顔料からなる群より選択される少なくとも1種とを含み、光重合開始剤として特定の2種を特定比率で用いることで、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の課題は、下記の手段により達成されるものである。
<1> (A)溶剤、(B)下記(B−1)群より選択される少なくとも1種と、下記(B−2)群より選択される少なくとも1種と、を含む顔料、(C)バインダー樹脂、(D)光重合性化合物、及び、(E)下記(E−1)群より選択される少なくとも1種と、下記(E−2)群より選択される少なくとも1種と、を、(E−1)群:(E−2)群=10:90〜60:40(質量比)の範囲で含む光重合開始剤を含有する着色感光性樹脂組成物。
(B−1)群:フタロシアニン系顔料及びアントラキノン系顔料からなる群
(B−2)群:ジオキサジン系顔料及びサブフタロシアニン系顔料からなる群
(E−1)群:トリアジン系光重合開始剤及びオキシム系光重合開始剤からなる群
(E−2)群:ヘキサアリールビイミダゾール系光重合開始剤及びアセトフェノン系光重合開始剤からなる群
<2> さらに(F)フッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤を、着色感光性樹脂組成物中の全固形分に対し0.1質量%以上1.5質量%以下含有する<1>に記載の着色感光性樹脂組成物。
<3> 前記(B)顔料が、前記(B−1)群より選択される少なくとも1種と、前記(B−2)群より選択される少なくとも1種と、を含み、3種以上の顔料で構成される<1>又は<2>に記載の着色感光性樹脂組成物。
<4> 基板上に、前記<1>〜<3>のいずれか1に記載の着色感光性樹脂組成物を用いてなる着色パターンを有するカラーフィルタ。
<5> 基板上に、<1>〜<3>のいずれか1に記載の着色感光性樹脂組成物を塗布して着色感光性樹脂組成物層を形成する工程と、
前記着色感光性樹脂組成物層を、マスクを介して露光する工程と、
露光後の前記着色感光性樹脂組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
本発明によれば、低エネルギーでの露光においても硬化性が高く、加熱処理を施した場合においても、シワやムラの発生が抑制された着色硬化膜を形成しうる着色感光性樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、前記本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてなる色特性に優れたカラーフィルタ及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の着色感光性樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(A)溶剤、(B)特定の2種類以上の顔料、(C)バインダー樹脂、(D)光重合性化合物、(E)特定の2種以上の光重合開始剤、(F)界面活性剤によって構成される。
以下各構成素材、最適な構成要素について説明する。
〔(A)溶剤〕
本発明の着色感光性樹脂組成物に用いられる溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;
エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;
ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物における溶剤の含有量は、組成物の使用目的により適宜選択されるが、一般的には、70〜95質量%であることが好ましく、75〜90質量%であることがより好ましい。
〔(B)顔料〕
本発明において、顔料としては、下記(B−1)群より選択される少なくとも1種と、下記(B−2)群より選択される少なくとも1種と、を含むことを特徴としている。
(B−1)群:フタロシアニン系顔料及びアントラキノン系顔料からなる群
(B−2)群:ジオキサジン系顔料及びサブフタロシアニン系顔料からなる群
(B−1)群:フタロシアニン系顔料
フタロシアニン系顔料は、従来公知の顔料を使用することができる。たとえばC.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1などが挙げられる。
(B−1)群:アントラキノン系顔料
アントラキノン系顔料は、従来公知の顔料を使用することができる。たとえば、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー64などが挙げられる。
(B−2)群:ジオキサジン系顔料
ジオキサジン系顔料としては、従来公知の顔料を使用することができる。たとえば、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37などが挙げられる。
(B−2)群:サブフタロシアニン顔料
サブフタロシアニン顔料としては、下記一般式(i)で示される構造を有する顔料を使用することができる。
Figure 2010015062
前記一般式(i)中、Xは、ハロゲン原子又はヒドロキシル基を表す。
具体的には、上記一般式(i)におけるXがClである塩素化サブフタロシアニン(Boron subphthalocyanine chloride)、XがBrである臭素化サブフタロシアニン(Boron subphthalocyanine Bromide)が挙げられる。
(B−1)群より選択される少なくとも1種と、(B−2)群より選択される少なくとも1種とを含む顔料の組み合わせとしては、色再現性の点で、(B−1)群の顔料であるC.I.ピグメントブルー15:6と、(B−2)群の顔料であるC.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、又は、塩素化サブフタロシアニンと、を組み合わせて用いる態様が好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物においては、(B−1)群より選択される少なくとも1種と、(B−2)群より選択される少なくとも1種とを含み、かつ合計で3種以上の顔料を含む態様も好ましい。
顔料を合計で3種以上とするには、上述の(B−1)フタロシアニン系顔料及びアントラキノン系顔料からなる群より選択される少なくとも1種と、(B−2)ジオキサジン系顔料及びサブフタロシアニン顔料からなる群より選択される少なくとも1種に加え、さらにフタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、及び、サブフタロシアニン顔料からなる群から顔料を選択して3種を併用することができ、この態様が好ましい。また、後述する(B−1)群及び(B−2)群に包含されない他の顔料を含んで3種以上とすることもできる。
(B−1)群より選択される少なくとも1種の総量と、(B−2)群より選択される少なくとも1種の総量との組み合わせの混合比率は、(B−1)群:(B−2)群=100:1〜100:100であり、好ましくは100:1〜100:80であり、より好ましくは100:1〜100:60である。
さらに、本発明においては、上記以外の他の種類の顔料を組み合わせてもよい。
組み合わせることができる顔料としては、無機顔料または有機顔料を使用することができる。
無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、及び前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
前記有機顔料としては、例えば、以下に示すものを挙げることができる。
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214
C.I.Pigment Green 7、10、36、37
C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:2、15:4、22、66、79、79のCl置換基をOHに変更したもの、80
C.I.Pigment Violet 1、27、32、42
C.I.Pigment Black 1、7等。
これらの中で好ましく併用することができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11、24、108、109、110、138、139、150、151、154、167、180、185
C.I.Pigment Violet 32
C.I.Pigment Blue 22、66
C.I.Pigment Green 7、36、37
C.I.Pigment Black 1、7
本発明の着色感光性樹脂組成物中における顔料の含有量としては、(B−1)群と(B−2)群及び所望により用いられる他の顔料の総含有量として、該組成物の全固形分に対して、10〜55質量%であり、15〜50質量%がより好ましい。顔料の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
なお、(B−1)群及び(B−2)群に包含される顔料の合計は、顔料の総含有量のうち、40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。
顔料は、無機顔料または有機顔料を問わず、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、できるだけ粒子径が小さく微少な粒子サイズの顔料を使用することが好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、好ましくは平均一次粒子径0.01〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.15μmの顔料である。該粒径が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、この着色感光性樹脂組成物をカラーフィルタの着色領域形成に用いる場合、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。
本発明においては、必要に応じて、微細でかつ整粒化された有機顔料を用いることができる。顔料の微細化には、顔料を、水溶性有機溶剤及び水溶性無機塩類に混合し、高粘度な液状組成物を調製した後、液状組成物中の顔料を摩砕する方法を用いることが好ましい。
このような微細化工程に用いられる水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテール、ジエチレングリコールモノエチルエーテール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート等を挙げることができる。
また、顔料に吸着して、排水中に流失しない少量で用いる場合には、上記以外の溶剤、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、アニリン、ピリジン、キノリン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘササン、ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を用いてもよい。
水溶性有機溶剤は、必要に応じて2種類以上を混合して使用してもよい。
水溶性有機溶剤の顔料微細化工程における使用量は、顔料100質量部に対して50質量部から300質量部の範囲であり、好ましくは100質量部から200質量部の範囲である。
本発明において顔料微細化工程に用いうる水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。
水溶性無機塩の顔料微細化工程における使用量は、顔料の1〜50倍質量であり、多い方が摩砕効果はあるが、より好ましい量は生産性の点で1〜10倍質量である。また、水溶性無機塩に含まれる水分が1%以下であることが生産性の観点から好ましい。
本発明における顔料の微細化工程では、前記水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類とを顔料と混合してスラリー状とし、これを湿式粉砕装置に投入して微細化を行うものであるが、湿式粉砕装置の運転条件については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ここで、湿式粉砕装置中における粉砕メディアによる磨砕を効果的に進行させるため、湿式粉砕装置がニーダーの場合の運転条件は、装置内のブレードの回転数は、10〜200rpmが好ましく、また、ニーダーの2軸の回転比が相対的に大きい方が、摩砕効果が大きくなるため好ましい。
運転時間は湿式粉砕装置内での湿式粉砕時間と乾式粉砕時間と併せて1時間〜8時間が好ましく、装置の内温は50〜150℃が好ましい。また粉砕メディアである水溶性無機塩は粉砕粒度が5〜50μmで、粒子径の分布がシャープであり、且つ、球形のものが好ましい。
本発明では、顔料として、顔料の微細化工程、或いは、分散工程で、顔料表面を高分子化合物で被覆してなる被覆顔料を用いることが好ましい。顔料を高分子化合物で被覆することによって、微細化された顔料であっても、2次凝集体の形成が抑制され、1次粒子の状態で分散させることができる。つまり、被覆顔料は、分散させた1次粒子が安定的に維持され、分散安定性に優れたものとなる。
被覆顔料を得る際の被覆処理は、顔料の微細化工程で同時に行うことが好ましい。より具体的には、被覆顔料は、i)顔料、ii)水溶性無機塩、iii)水溶性有機溶剤、及びiv)高分子化合物を加え、ニーダー等で機械的に混練する工程(ソルトミリング工程と称する)と、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で撹拌しスラリー状とする工程と、このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥する工程と、を有する被覆処理方法により得られる。
以下、この被覆処理方法について、より具体的に説明する。
まず、i)顔料とii)水溶性無機塩との混合物に、湿潤剤として少量のiii)水溶性有機溶剤と、該iii)水溶性有機溶剤に少なくとも一部可溶なiv)高分子化合物を加え、ニーダー等で強く練り込む(ソルトミリング工程)。その後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥することにより、微細化された顔料が得られる。ここで、ソルトミリング工程時に、iii)水溶性有機溶剤に少なくとも一部可溶なiv)高分子化合物を併用することにより、更に微細で、表面がiv)高分子化合物により被覆された、乾燥時の顔料の凝集が少ない被覆顔料が得られる。
ここで、得られた被覆顔料を油性のワニスに分散する場合には、乾燥前の微細化された被覆顔料(濾過ケーキと呼ぶ)を一般にフラッシングと呼ばれる方法で、水を除去しながら油性のワニスに分散することも可能である。また、水系のワニスに分散する場合は、被覆顔料は乾燥する必要がなく、濾過ケーキをそのままワニスに分散することができる。
なお、iv)高分子化合物を加えるタイミングは、ソルトミリング工程の初期にすべてを添加してもよく、分割して添加してもよい。また、iv)高分子化合物は、上記のような分散工程で添加することも可能である。
以下、顔料の被覆に用いるiv)高分子化合物について説明する。
このiv)高分子化合物は、顔料への吸着性基(顔料吸着性基)を有するものであればどのようなものでも使用することができる。特に、顔料吸着性基として複素環基を側鎖に有する高分子化合物を用いることが好ましい。
顔料吸着性基を側鎖に有する高分子化合物として、具体的には、下記一般式(1)で表される単量体、マレイミド、及びマレイミド誘導体からなる群より選択される1種の単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが好ましい(以下、「特定重合体」と称する)。中でも、特定重合体としては、下記一般式(1)で表される単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが特に好ましい。
Figure 2010015062
上記一般式(1)中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の連結基を表す。Yは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Zは、複素環基を有する基を表す。
で表されるアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基や、メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基としては、炭素数1〜5であるものが好ましく、炭素数1〜3のものが好ましい。
で表される好ましいアルキル基として、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基が挙げられる。
中でも、Rとしては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
一般式(1)におけるRで表される2価の連結基としては、アルキレン基、又はアルキレン基を含む2価の基が好ましい。該アルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
また、このアルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基等が挙げられる。
で表される好ましいアルキレン基として、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
で表されるアルキレン基を含む2価の基としては、上記アルキレン基がヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子)を介して2以上連結したものであってもよい。
また、Rで表されるアルキレン基を含む2価の基としては、上記アルキレン基におけるZに結合する方の末端に、−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−C(=O)S−、−NHCONH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OCONH−、及び−NHCO−から選ばれるヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造が結合したものであってもよい。
一般式(1)におけるZで表される複素環基を構成する複素環構造として、具体的には、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系の色素構造や、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン、ピラジン、テトラゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンズイミダゾール、ベンズトリアゾール、環状アミド、環状ウレア、環状イミド等の複素環構造が挙げられる。
これらの複素環構造は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、脂肪族エステル基、芳香族エステル基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
Zで表される複素環基は、炭素数が6以上である含窒素複素環構造を有する基であることがより好ましく、炭素数が6以上12以下である含窒素複素環構造を有する基であることが特に好ましい。
炭素数が6以上である含窒素複素環構造として、具体的には、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環、ベンズイミダゾール構造、ベンズトリアゾール構造、ベンズチアゾール構造、環状アミド構造、環状ウレア構造、及び環状イミド構造が好ましく、下記一般式(2)、(3)又は(4)で表される構造であることが特に好ましい。
Figure 2010015062
一般式(2)中、Xは、単結合、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基など)、−O−、−S−、−NR−、及び−C(=O)−からなる群より選ばれるいずれかである。ここでRは、水素原子又はアルキル基を表す。Rがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(2)におけるXとしては、単結合、メチレン基、−O−、又は−C(=O)−が好ましく、−C(=O)−が特に好ましい。
一般式(4)中、Y及びZは、各々独立に、−N=、−NH−、−N(R)−、−S−、又は−O−を表す。Rはアルキル基を表し、該アルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(4)における、Y及びZとしては、−N=、−NH−、及び−N(R)−が特に好ましい。Y及びZの組み合わせとしては、Y及びZのいずれか一方が−N=であり他方が−NH−である組み合わせ(イミダゾリル基)が好ましいものとして挙げられる。
一般式(2)、(3)、又は(4)中、環A、環B、環C、及び環Dは、各々独立に、芳香環を表す。該芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、アズレン環、フルオレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環等が挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、フェノキサジン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が特に好ましい。
具体的には、一般式(2)における環A及び環Bとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(3)における環Cとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(4)における環Dとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(2)、(3)又は(4)で表される構造の中でも、分散性、分散液の経時安定性の点からは、ベンゼン環、ナフタレン環がより好ましく、一般式(2)又は(4)においては、ベンゼン環が更に好ましく、一般式(3)においては、ナフタレン環が更に好ましい。
また、本発明におけるマレイミド誘導体とは、N位がアルキル基やアリール基などの置換基により置換されているマレイミドを意味する。
以下、一般式(1)で表される単量体、マレイミド、及びマレイミド誘導体の好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
なお、以下に示すものの他、例えば、特開2008−83089号公報の〔0029〕〜〔0030〕、特願2007−85382号の〔0044〕〜〔0047〕、特願2007−231695号の〔0045〕〜〔0047〕、及び〔0075〕〜〔0076〕に開示されている単量体も使用できる。
Figure 2010015062
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本発明において、顔料は、分散剤の少なくとも1種を使用して顔料を分散し、顔料分散組成物として使用することが好ましい。上述のような被覆顔料を用いる場合でも同様である。この分散剤の使用により、顔料の分散性を向上させることができる。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
分散剤として、具体的には、多くの種類の化合物を使用可能であり、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学工業(株)製)、W001(裕商(株)社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルテイケミカル社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77、P84、F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)、Disperbyk 101,103,106,108,109,111,112,116,130,140,142,162,163,164,166,167,170,171,174,176,180,182,2000,2001,2050,2150(BYK−CHEMIE社製)が挙げられる。その他、アクリル系共重合体など、分子末端もしくは側鎖に極性基を有するオリゴマーもしくはポリマーが挙げられる。
分散剤の顔料分散組成物中における含有量としては、既述の顔料の質量に対して、1質量%〜100質量%が好ましく、3質量%〜70質量%がより好ましい。
また、顔料分散組成物には、必要に応じて、顔料誘導体が添加される。
分散剤と親和性のある部分、或いは極性基を導入した顔料誘導体を顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子のまま顔料分散組成物中に分散させることができる。このような顔料分散組成物を含有する着色感光性樹脂組成物は、顔料の再凝集を防止することができるため、コントラストが高く、透明性に優れたカラーフィルタを形成する際に有効である。
顔料誘導体は、具体的には、有機顔料を母体骨格とし、この母体骨格に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。
母体骨格となる有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。また、一般に、色素と呼ばれていない、ナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も母体骨格として用いることができる。
顔料誘導体としては、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
本発明に係る顔料誘導体の顔料分散組成物中における含有量としては、顔料の質量に対して、1質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。含有量が前記範囲内であると、粘度を低く抑えながら、分散を良好に行なえると共に、分散後の分散安定性を向上させることができる。その結果、このような顔料分散組成物を含有する着色感光性樹脂組成物、透過率が高く、優れた色特性が得られ、良好な色特性を有する高コントラストのカラーフィルタを作製するのに好適である。
顔料の分散の方法は、例えば、顔料と分散剤とを予め混合して、ホモジナイザー等で予め分散しておいたものを、ジルコニアビーズ等を用いたビーズ分散機等を用いて微分散させることによって行われる。
(染料)
本発明の着色感光性樹脂組成物には、着色剤として、本発明の効果を損なわない範囲において、前記(B)顔料に加えて染料を併用してもよい。
着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用途として用いられている公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の色素である。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
〔(C)バインダー樹脂〕
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(C)バインダー樹脂を含有する。
本発明の着色感光性樹脂組成物に用いられるバインダー樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶でアルカリ水溶液により現像可能なものである。
バインダー樹脂の製造には、例えば公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
バインダー樹脂として用いうる線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、さらに側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
このほか、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
上記以外に、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
バインダー樹脂の具体的な構成単位については、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。ここで(メタ)アクリル酸はアクリル酸とメタクリル酸を合わせた総称であり、以下も同様に(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの総称である。
(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル(メタ)アクリレート中のアルキル基、及び、アリール(メタ)アクリレート中のアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH=CR、CH=C(R)(COOR)〔ここで、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕、等を挙げることができる。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい共重合可能な他の単量体は、CH=CR、CH=C(
)(COOR)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンから選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは、CH=CR、CH=C(R)(COOR)である。
バインダー樹脂の着色感光性樹脂組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1〜30質量%が好ましく、より好ましくは、2〜25質量%であり、特に好ましくは、3〜20質量%である。
〔(D)光重合性化合物〕
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(D)光重合性化合物を含有する。
本発明の着色感光性樹脂組成物に用いられる光重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、硬化性の観点からは多官能、即ち、付加重合可能なエチレン性不飽和基を分子内に2以上含む化合物が好ましく、なかでも4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
前記少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることができる。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー
及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も用いることができる。
これらの中でも、光重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらのアクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造を有するものが好ましい。また、これらのオリゴマータイプも使用できる。
これらの他に、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200(新中村化学社製)DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
また、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も光重合性化合物として好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
光重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。光重合性化合物の着色感光性樹脂組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、3〜55質量%が好ましく、より好ましくは10〜50質量%である。光重合性化合物の含有量が前記範囲内であると、硬化反応が充分に行なえる。
〔(E)光重合開始剤〕
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(E)下記(E−1)群より選択される少なくとも1種と、下記(E−2)群より選択される少なくとも1種と、を、(E−1)群:(E−2)群=80:20〜40:60(質量比)の範囲で含む光重合開始剤を含有する。
(E−1)群:トリアジン系光重合性開始剤、及びオキシム系光重合性開始剤からなる群
(E−2)群:ヘキサアリールビイミダゾール光重合開始剤、及びアセトフェノン系光重合開始剤からなる群
以下、各光重合開始剤について詳細に説明する。
<(E−1)群:トリアジン系光重合開始剤>
本発明に用いうるトリアジン系光重合開始剤としては、少なくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体が挙げられる。
具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノ−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
これらのうちで好ましいトリアジン系開始剤は、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン(和光純薬工業(株)製)、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンである。
<(E−1)群:オキシム系光重合開始剤>
本発明におけるオキシム系開始剤としては、公知のオキシム構造を有する化合物を用いることができる。
具体的には、下記一般式(5)又は一般式(6)で表される化合物群から選ばれる少なくとも一種の化合物が挙げられる。
Figure 2010015062
前記一般式(5)、(6)において、R11は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又はフェニル基を表す。
12及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は炭素数7〜20のアリサイクリック基(但し、炭素数7〜8のシクロアルキル基を除く)を表し、前記フェニル基が置換されている場合の置換基は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子である。ここで、フェニル基は、1〜5個の置換基を有することができる。
は、炭素数4〜20の含酸素複素環基、炭素数4〜20の含窒素複素環基、又は炭素数4〜20の含硫黄複素環基を表す。なお、qが2〜5の場合、複数存在するRは互いに同じでも異なっていてもよい。
は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
また、qは1〜5の整数を表し、pは0〜5の整数を表し、rは0〜6の整数を表し、p及びqは、p+q≦5を満たす。
前記一般式(5)、(6)中において、R11がアルキル基を表すときの炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、その具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基を挙げることができる。中でも、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基は特に好ましい。
11がシクロアルキル基を表すときの炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。中でも、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5〜6のシクロアルキル基は特に好ましい。
上記のうち、R11としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ヘキシル基などが好ましい。
12、Rがアルキル基を表すときの、炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、その具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基を挙げることができる。中でも、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基は特に好ましい。
12、Rがシクロアルキル基を表すときの炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。中でも、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5〜6のシクロアルキル基は特に好ましい。
12、Rが置換フェニル基を表すときのフェニル基に導入される置換基である「炭素数1〜6のアルキル基」としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。中でも、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基は特に好ましい。
また、R12、Rが置換フェニル基を表すときのフェニル基に導入される置換基である「炭素数1〜6のアルコキシ基」としては、直鎖状、分岐状又は環状であることができ、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等を挙げることができる。中でも、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。
12、Rが置換フェニル基を表すときのフェニル基に導入される置換基であるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等を挙げることができる。
12、Rがアリサイクリック基を表すときの、炭素数7〜20のアリサイクリック基(炭素数7〜8のシクロアルキル基を除く)としては、例えば、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基、スピロアルキル基、ter−シクロアルキル基、テルペン骨格含有基、アダマンチル骨格含有基などが挙げられる。中でも、炭素数9〜18のアリサイクリック基が好ましく、炭素数9〜12は特に好ましい。
上記のうち、R12としては、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基、アダマンチル骨格含有基などが好ましく、Rとしては、トリシクロアルキル基、アダマンチル骨格含有基などが好ましい。
が複素環基を表すときの、炭素数4〜20の含窒素複素環基、炭素数4〜20の含酸素複素環基、炭素数4〜20の含硫黄複素環基としては、例えば、チオラニル基、アゼピニル基、ジヒドロアゼピニル基、ジオキソラニル基、トリアジニル基、オキサチアニル基、チアゾリル基、オキサジアジニル基、ジオキサインダニイル基、ジヒアナフタレニル基、フラニル基、チオフェニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピラゾリル基、フラザニル基、ピラニル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピロリニル基、モルホニル基、ピペラジニル基、キヌクリジニル基、インドーリル基、イソインドーリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリジニル基、クロメニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、プリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、プテリジニル基、カルバゾーリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、チオキサンテニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサチイニル基、フェノキサジニル基、チアントレニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基などが挙げられる。
これらのうち、炭素数4〜20の含酸素複素環基が好ましく、特にテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が好ましい。
がアルキル基を表すときの、炭素数1〜12のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基のいずれであってもよく、その具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。中でも、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基は特に好ましい。
また、Rがアルコキシ基を表すときの炭素数1〜12のアルコキシ基としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルコキシ基のいずれでであってもよく、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ基等を挙げることができる。中でも、炭素数1〜2のアルコキシ基が好ましい。
これらのうち、前記Rとしては、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
前記一般式(5)、(6)中において、qは、1であることが好ましい。pは、1、2のいずれかであることが好ましく、1であることが特に好ましい、また、rは、0、1、2のいずれかであることが好ましく、1であることが特に好ましい。
前記一般式(5)又は(6)で表される構造のうち、高い感度及び重合反応性(硬化)を得つつ、調液後の液保存性及び成膜後の乾膜状態での経時安定性を維持し、形成しようとするパターンの形状及びそれに必要な膜厚の制御性を高め、被塗物との密着性を高める観点から、R11がエチル基であって、R12がメチル基であって、Rがメチル基であって、Rがテトラヒドロフラニル基であって、Rがメチル基であって、qが1であって、pが1であって、rが1である場合が特に好ましい。更には、一般式(6)で表される構造の方がより好ましい。
前記一般式(5)又は(6)で表される化合物の具体例としては、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−2−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−3−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−ベンゾイルアセチルオキシム);
エタノン,1−[9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);
等を挙げることができる。
これらのうち、特に、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム);エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロピラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)及びエタノン,1−[9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)が好ましい。
また、オキシム系開始剤として、下記一般式(5’)で表される化合物群から選ばれる少なくとも一種の重合開始剤を前記(B)アルカリ可溶性樹脂と共に用いることにより、感度が高められ、重合反応の進行が良好になり、硬化膜により形成されるパターンの形状及びそれに必要な膜厚の制御性をより向上させることができる。このような光重合開始剤の使用により、150mJ/cm以下の低露光量でも、良好な感度、密着性が得られる。ここで、一般式(5’)で表される化合物は、前記一般式(5)において、qが0である構造に相当する化合物である。
Figure 2010015062
前記一般式(5’)において、R11は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、又はフェニル基を表す。
12及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基、又は炭素数7〜20のアリサイクリック基(但し、炭素数7〜8のシクロアルキル基を除く)を表し、前記フェニル基が置換されている場合の置換基は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子である。ここで、これらの置換基の数は、1〜5個であることができる。
は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
また、pは0〜5の整数を表す。
前記一般式(5’)中において、R11がアルキル基を表すときの、炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状又は分岐状のいずれのアルキル基であってもよく、その具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基を挙げることができる。中でも、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基は特に好ましい。
11がシクロアルキル基を表すときの、炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。中でも、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5〜6のシクロアルキル基は特に好ましい。
上記のうち、R11としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ヘキシル基などが好ましい。
12、Rがアルキル基を表すときの、炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖状又は分岐状であることができ、その具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基を挙げることができる。中でも、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基は特に好ましい。
12、Rがシクロアルキル基を表すときの、炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。中でも、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5〜6のシクロアルキル基は特に好ましい。
12、Rが置換フェニル基を表す場合にフェニル基に導入される置換基である炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。中でも、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基は特に好ましい。
また、R12、Rが置換フェニル基を表す場合にフェニル基に導入される置換基である炭素数1〜6のアルコキシ基としては、直鎖状、分岐状又は環状であることができ、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等を挙げることができる。中でも、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。
12、Rが置換フェニル基を表す場合にフェニル基に導入される置換基であるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等を挙げることができる。
12、Rがアリサイクリック基を表すときの、炭素数7〜20のアリサイクリック基(炭素数7〜8のシクロアルキル基を除く)としては、例えば、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基、スピロアルキル基、ter−シクロアルキル基、テルペン骨格含有基、アダマンチル骨格含有基などが挙げられる。中でも、炭素数9〜18のアリサイクリック基が好ましく、炭素数9〜12は特に好ましい。
上記のうち、R12としては、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基、アダマンチル骨格含有基などが好ましく、Rとしては、トリシクロアルキル基、アダマンチル骨格含有基などが好ましい。
がアルキル基を表すときの、炭素数1〜12のアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよく、その具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。中でも、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基は特に好ましい。
また、Rがアルコキシ基を表すときの、炭素数1〜12のアルコキシ基としては、直鎖状、分岐状又は環状のいずれのアルコキシ基であってもよく、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ基等を挙げることができる。中でも、炭素数1〜2のアルコキシ基が好ましい。
これらのうち、前記Rとしては、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
前記一般式(5’)中において、pは、0、1、2のいずれかであることが好ましく、0又は1であることが特に好ましい。
前記一般式(5’)で表される構造のうち、高い感度及び重合反応性(硬化)を得つつ、調液後の液保存性及び成膜後の乾膜状態での経時安定性を維持し、形成しようとするパターンの形状及びそれに必要な膜厚の制御性を高め、被塗物との密着性を高める観点から、R11がエチル基であって、R12がメチル基であって、Rがメチル基であって、Rがメチル基であって、pが1である場合が特に好ましい。
前記一般式(5’)で表される化合物の具体例としては、以下の化合物が好ましく挙げられる。
Figure 2010015062
<(E−2)群:ヘキサアリールビイミダゾール系光重合開始剤>
本発明に用いうるヘキサアリールビイミダゾール系重合開始剤としては、3個のアリール基を置換したイミダゾール環の2量体であれば、その構造に制限はないが、特に、下記一般式(I)、または一般式(II)で表される構造を有する化合物が好ましい。
Figure 2010015062
一般式(I)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜9のアリール基を示し、Aは各々独立に、1から12の炭素原子を有する置換もしくは無置換のアルコキシ基、あるいは−COO−R(但し、Rは炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜9のアリール基を示す。)を示し、nは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数である。
Figure 2010015062
一般式(II)中、X、XおよびXは各々独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜9のアリール基を示す。但し、X、XおよびXの2個以上が同時に水素原子をとることはない。
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、具体的には、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5.5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;
2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(p−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(m−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(3,4−ジメトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(4−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(3−メトキシフェニル)ビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(3,4−ジメトキシフェニル)ビスイミダゾール
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール、2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビスイミダゾール等のビイミダゾール系化合物等を挙げることができる。
上記の中でも、特に好ましい化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(市販品としては、B−CIM、保土ヶ谷化学工業製が挙げられる)、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ−(3,4−ジメトキシフェニル)ビイミダゾール(HABI1311、日本シーベルヘグナー)、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(黒金化成社より市販されている)があげられる。
<(E−2)群:アセトフェノン系光重合開始剤>
本発明に用いうるアセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1などを好適に挙げることができる。
本発明における好適な(E−1)、(E−2)の組み合わせとしては、(E−1):4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジンと(E−2):2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1;
(E−1):2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンと(E−2):2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1;
(E−1):4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジンと(E−2):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール;
(E−1):2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンと(E−2):2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール;
(E−1):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 OXE−01(オキシムエステル系開始剤)と(E−2):2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1;
(E−1):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 OXE−01と(E−2):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール;
(E−1):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 OXE−02と(E−2):2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1;
(E−1):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 OXE−02と(E−2):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールなどが挙げられる。
中でも、(E−1):4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジンと(E−2):2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1;(E−1):4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジンと(E−2):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール;(E−1):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 OXE−01と(E−2):2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1:(E−1):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 OXE−01と(E−2):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール;(E−1):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 OXE−02と(E−2):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールの組み合わせが好ましく、(E−1):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 OXE−01と(E−2):2−トリル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1の組合せ、(E−1):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 OXE−01と(E−2):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールの組合せ、(E−1):4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジンと(E−2):2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールの組み合わせが特に好ましい。
また、本発明の(E−1)と(E−2)は、その質量比が、(E−1):(E−2)=10:90〜60:40の範囲であることを要し、好ましくは20:80〜60:40、特に好ましくは30:70〜60:40の範囲である。
両者の含有量比がこの範囲であると、低エネルギーでの露光条件など、着色感光性樹脂組成物の硬化が不充分な条件下であっても、得られる硬化膜の硬化性が良好であるため、現像後のポストベーク工程によっても、シワやムラの発生を抑制することができ、硬化膜の均一性が後加熱処理後においても良好である。
〔その他の光重合開始剤〕
本発明の着色感光性樹脂組成物では、上記した(E−1)トリアジン系光重合開始剤及びオキシム系開始剤、(E−2)ヘキサアリールビイミダゾール系光重合開始剤およびアセトフェノン系光重合開始剤、以外の光重合開始剤を併用することができる。併用可能な他の開始剤としては以下に挙げるものが使用できる。
例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール、米国特許第4318791号明細書、欧州特許出願公開第88050号明細書等の各明細書に記載のケタール、アセタール、又はベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物、米国特許第4199420号明細書に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物、仏国特許発明2456741号明細書に記載の(チオ)キサントン系又はアクリジン系化合物、特開平10−62986号公報に記載のクマリン系の化合物、特開平8−015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等、等を挙げることができる。
併用可能な重合開始剤としては、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、活性ハロゲン化合物(ハロメチルオキサジアゾール系、クマリン系)、アクリジン類系等が好ましく挙げられる。
ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタールなどを好適に挙げることができる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等を好適に挙げることができる。
ベンゾイン系又はベンゾイル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソプロピルエーテル、ゼンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチル−o−ベンゾイルベゾエート等を好適に挙げることができる。
キサントン系光重合開始剤としては、例えば、ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、モノイソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、等を好適に挙げることができる。
活性ハロゲン光重合開始剤(オキサジアゾール系,クマリン系)としては、例えば、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾール,3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を好適に挙げることができる。
アクリジン系光重合開始剤としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン等を好適に挙げることができる。
上記以外に、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
本発明において併用可能な光開始剤としては、前記開始剤に限定されるものではなく、他の公知のものも、本発明の効果を損なわない限りにおいて、適宜併用することができる。そのような光開始剤としては、例えば、米国特許第2,367,660号明細書に記載のビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に記載のα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に記載のアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に記載の多核キノン化合物、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物等が挙げられる。
光重合開始剤の着色感光性樹脂組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、5〜30質量%が好ましく、より好ましくは8〜20質量%である。
また光重合開始剤の(E−1)、および(E−2)成分はその合計量が、光重合開始剤全成分中50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは70〜100質量%である。
上記の範囲であると、硬化膜の均一性及びテーパー形状の着色膜を形成しやすくなる点で好ましい。
(増感色素)
本発明の着色感光性樹脂組成物には、必要に応じて増感色素を添加することが好ましい。この増感色素が吸収しうる波長の露光により上記重合開始剤成分のラジカル発生反応や、それによる重合性化合物の重合反応が促進されるものである。このような増感色素としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
本発明に用いられる増感色素として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体、アントラキノン類、(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、等が挙げられる。
より好ましい分光増感色素又は染料の例を以下に例示する。
特公平37−13034号公報に記載のスチリル系色素;特開昭62−143044号公報に記載の陽イオン染料;特公昭59−24147号公報記載のキノキサリニウム塩;特開昭64−33104号公報記載の新メチレンブルー化合物;特開昭64−56767号公報記載のアントラキノン類;特開平2−1714号公報記載のベンゾキサンテン染料;特開平2−226148号公報及び特開平2−226149号公報記載のアクリジン類;特公昭40−28499号公報記載のピリリウム塩類;特公昭46−42363号公報記載のシアニン類;特開平2−63053号記載のベンゾフラン色素;特開平2−85858号公報、特開平2−216154号公報の共役ケトン色素;特開昭57−10605号公報記載の色素;特公平2−30321号公報記載のアゾシンナミリデン誘導体;特開平1−287105号公報記載のシアニン系色素;特開昭62−31844号公報、特開昭62−31848号公報、特開昭62−143043号公報記載のキサンテン系色素;特公昭59−28325号公報記載のアミノスチリルケトン;特開平2−179643号公報記載の色素;特開平2−244050号公報記載のメロシアニン色素;特公昭59−28326号公報記載のメロシアニン色素;特開昭59−89303号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−129257号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−334897号公報記載のベンゾピラン系色素が挙げられる。
(350〜450nmに極大吸収波長を有する色素)
増感色素の他の好ましい態様として、以下の化合物群に属しており、且つ、350〜450nmに極大吸収波長を有する色素が挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が挙げられる。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、硬化膜のポストベーク処理に対する耐性効果向上の観点から、さらに(F)フッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤を添加することが好ましい。以下、本発明に用いうるフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤について説明する。
〔(F)フッ素系又はシリコーン系界面活性剤〕
<フッ素系界面活性剤>
フッ素系有機化合物を含有することで、塗布液としたときの液特性(特に流動性)を改善でき、塗布厚の均一性や省液性を改善することができる。すなわち、基板と塗布液との界面張力を低下させて基板への濡れ性が改善され、基板への塗布性が向上するので、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成が可能である点で有効である。
フッ素系有機化合物のフッ素含有率は3〜40質量%が好適であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率が前記範囲内であると、塗布厚均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中への溶解性も良好である
フッソ系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキル基またはフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができる。
このようなフッ素系界面活性剤は市販品として入手可能であり、具体的には、例えば、メガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同780、同781、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(以上、DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(以上、住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭ガラス(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(以上、JEMCO(株)製)などである。
<シリコーン系界面活性剤>
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、シロキサン結合を部分構造として有する界面活性剤などが挙げられる。
このようなシリコーン系界面活性剤は市販品として入手可能であり、具体的には、FZ−2122、FZ−2191、SH−28PA、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーン29SHPA、トーレシリコーンSH30PA、ポリエーテル変性シリコンオイルSH8400(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)、KF−6001、KF−6002、KF−6003、X−22−170BX、X−22−170DX、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(以上、信越シリコーン株式会社製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(以上、ジーイー東芝シリコーン(株)製)などが挙げられる。
本発明のフッ素系界面活性剤、又はシリコーン系界面活性剤は、着色感光性樹脂組成物中における全固形分に対し、0.1質量%〜1.5質量%の範囲で使用することができ、0.1質量%〜1.0質量%が好ましく、0.1質量%〜0.7質量%が特に好ましい。
この範囲であると塗布性及び硬化膜の均一性が良好となる。
本発明では、前述のフッ素系界面活性剤、またはシリコーン系界面活性剤の他に、このような構造を含まないノニオン性、カチオン性、アニオン性の各種界面活性剤を併用することができる。
(ノニオン性界面活性剤)
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤が特に好ましい。
具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−プロピレンポリスチリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、エチレンジアミンポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物などのノニオン系界面活性剤があり、これらは花王(株)、日本油脂(株)、竹本油脂(株)、(株)ADEKA、三洋化成(株)などから市販されているものが適宜使用できる。上記の他に前述の分散剤も使用可能である。
(カチオン性界面活性剤)
カチオン性界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(森下産業社製))、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業社製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社油脂化学工業社製)、W001(裕商社製)等が挙げられる。
(アニオン性界面活性剤)
更に、アニオン性界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商社製)等が挙げられる。
〔その他の添加剤〕
本発明の着色感光性樹脂組成物には、必要に応じて、連鎖移 動剤、熱重合開始剤、熱重合成分、熱重合防止剤、その他充填剤、上記のバインダー樹脂以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物に添加し得る連鎖移動剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどのN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどの複素環を有するメルカプト化合物、および脂肪族多官能メルカプト化合物などが挙げられる。
連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、熱重合開始剤を含有させることも有効である。熱重合開始剤としては、例えば、各種のアゾ系化合物、過酸化物系化合物が挙げられ、前記アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができ、前記過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどを挙げることができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、熱重合成分を含有させることができる。
熱重合成分としては多官能エポキシ化合物等をあげることができる。
多官能エポキシ化合物とは、アルカリ可溶性樹脂などのバインダー樹脂の官能基(例えば、カルボキシル基)と熱架橋する化合物であることが好ましく、熱架橋することによって架橋密度が高くなり、形成された着色膜の耐薬品性の向上が図られる。
本発明に使用できる多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などである。
例えばビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。またEbecryl
3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。
クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上東都化成製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニルなどがあげられる。
脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上東都化成製)などを挙げることができる。他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
これらの多官能エポキシ化合物のなかでも、好ましくは下記一般式(III)で示されるノボラック型エポキシ化合物であり、エポキシ当量が200〜220のものが特に好ましい。このような素材としてはDIC株式会社製エピクロンエピクロンN−660、N−665、N−670、N−673、N−680、N−690、N−695、N−685−EXP、N−672−EXP、N−655−EXP−S、N−865、N−865−80M、YDCN−701、YDCN−702、YDCN−703、YDCN−704、YDCN−704Lなどが使用可能であり、エピクロンN−660、N−665、N−670、N−673、N−680、N−690、N−695、YDCN−704L等が特に好ましいものである。
Figure 2010015062
一般式(III)中、lは5〜100であり、Rは、H、またはCHである。
本発明の組成物においては、2種以上の多官能エポキシ化合物を含有してもよい。
本発明に係る多官能エポキシ化合物の着色感光性樹脂組成物中における含有量としては、顔料を除いた全固形分に対して、2〜20質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、膜の耐溶剤性に優れる。また、ベーク後の黄着色によるカラーフィルタの品質の低下、或いは、耐NMP性の低下という問題も生じ難い。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、以上のほかに更に、熱重合防止剤を加えておくことが好ましく、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
上記以外に、着色感光性樹脂組成物には各種の添加物を添加できる。添加物の具体例としては、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、ガラス、アルミナ等の充填剤;イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、アルコール可溶性ナイロン、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから形成されたフェノキシ樹脂などのアルカリ可溶の樹脂などがある。
また、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、着色感光性樹脂組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、着色感光性樹脂組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
〔着色感光性樹脂組成物の製造方法〕
本発明の着色感光性樹脂組成物の製造方法の一例を以下に示す。
顔料と水溶性有機溶剤と水溶性無機塩類との混合物を、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは2軸の押出機等の混練機を用いて、強い剪断力を与えながら顔料を摩砕した後、この混合物を水中に投入し、攪拌機等でスラリー状とする。次いで、このスラリーをろ過、水洗し、水溶性有機溶剤と水溶性無機塩を除去した後、乾燥し、微細化された顔料が得られる。本発明では上述のように微細化処理前に高分子化合物を添加して、顔料を被覆することが好ましい。
顔料と分散剤及び/又は顔料誘導体と溶剤とでビーズ分散を行なう。主として縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を使用し、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理し、顔料分散組成物を得る。また、顔料を微細化する処理を省くことも可能である。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flowand Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley
and Sons社刊)等に記載されている。
そして、上記のようにして得られた顔料分散組成物に、光重合性化合物、重合開始剤、およびバインダー樹脂などを添加して、本発明の着色感光性樹脂組成物を得る。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、硬化感度に優れ、加熱処理に供してもシワやムラのない着色膜を形成することができる。
そのため、本発明の着色感光性樹脂組成物は、カラーフィルタの着色パターンを形成する際に好ましく用いられる他、紫外線硬化型のインク組成物などに適用することもできる。
〔カラーフィルタ〕
本発明のカラーフィルタは、前記本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてなる着色領域、即ち、着色画素を基板上に備えることを特徴とする。
基板上に、着色領域を形成するには、本発明の着色感光性樹脂組成物を、直接又は他の層を介して基板に回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布等の塗布方法により塗布して、光硬化性の塗布膜を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、露光後に未硬化部を現像液で現像除去すればよく、この方法により、各色(3色あるいは4色以上)の画素からなるパターン状皮膜を形成し、カラーフィルタとすることができる。
本発明のカラーフィルタは、既述の本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてガラスなどの基板上に形成される画素を備えるものであり、本発明の着色感光性樹脂組成物を直接若しくは他の層を介して基板上に例えばスリット塗布によって塗膜を形成した後、この塗膜を乾燥させ、パターン露光し、現像液を用いた現像処理を順次行なうことによって好適に作製することができる。これにより、液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質でかつ低コストに作製することができる。
前記基板としては、例えば、液晶表示装置等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等、並びにプラスチック基板が挙げられる。これらの基板上には、通常、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層を設けたりしている。
プラスチック基板には、その表面にガスバリヤー層及び/又は耐溶剤性層を有していることが好ましい。
このほかに、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)上にも本発明の光着色感光性樹脂組成物からなるパターン状皮膜を形成し、カラーフィルタを作成することができる。その際に使用されるフォトマスクには、画素を形成するためのパターンのほか、スルーホールあるいはコの字型の窪みを形成するためのパターンも設けられている。
TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面上、あるいは該駆動基板の表面に窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板等を挙げることができる。
〔カラーフィルタの製造方法〕
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法、特に、画素の形成工程について詳細に説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に、本発明の着色感光性樹脂組成物を塗布して着色感光性樹脂組成物層を形成する工程(塗布工程)と、前記着色感光性樹脂組成物層を、マスクを介して露光する工程(露光工程)と、露光後の前記着色感光性樹脂組成物層を現像して着色パターンを形成する工程(現像工程)と、を含むことを特徴とする。
(着色感光性樹脂組成物の塗布工程)
本発明の着色感光性樹脂組成物を基板に塗布する方法としては特に限定されるものではないが、スリット・アンド・スピン法、スピンレス塗布法等のスリットノズルを用いる方法(以下スリットノズル塗布法という)が好ましい。スリットノズル塗布法において、スリット・アンド・スピン塗布法とスピンレス塗布法は、塗布基板の大きさによって条件は異なるが、例えばスピンレス塗布法により第五世代のガラス基板(1100mm×1250mm)を塗布する場合、スリットノズルからの着色感光性樹脂組成物の吐出量は、通常、500〜2000マイクロリットル/秒、好ましくは800〜1500マイクロリットル/秒であり、また塗工速度は、通常、50〜300mm/秒、好ましくは100〜200mm/秒である。
着色感光性樹脂組成物の固形分としては通常、10〜20%、好ましくは13〜18%である。基板上に本発明の着色感光性樹脂組成物による塗膜を形成する場合、該塗膜の厚み(プリベーク処理後)としては、一般に0.3〜5.0μmであり、望ましくは0.5〜4.0μm、最も望ましくは0.8〜3.0μmである。
通常は塗布後にプリベーク処理を施す。必要によってプリベーク前に真空処理を施すことができる。真空乾燥の条件は、真空度が、通常、0.1〜1.0torr、好ましくは0.2〜0.5torr程度である。
プリベーク処理は、ホットプレート、オーブン等を用いて50〜140℃の温度範囲で、好ましくは70〜110℃程度であり、10〜300秒の条件にて行なうことができる。高周波処理などを併用しても良い。高周波処理は単独でも使用可能である。
(着色パターンの形成:露光工程)
着色膜を塗布により形成し、次いで、パターン状の露光処理を施す。パターン露光は、マスクを介して行ってもよく、走査露光により行ってもよい。露光に使用する放射線としては、特にg線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましい。液晶表示装置用のカラーフィルタは、プロキシミティ露光機、ミラープロジェクション露光機で主としてh線、i線を使用した露光が好ましく、露光量としては5〜300mJ/cm、より好ましくは10〜150mJ/cm、さらに好ましくは10〜100mJ/cmである。
(着色パターンの形成:現像工程)
現像処理では、パターン露光後の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化分のみを残存させる。現像温度としては、通常20〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
現像液としては、未硬化部における光硬化性の着色感光性樹脂組成物の塗膜を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
現像処理に用いられる有機溶剤としては、本発明において顔料分散組成物や着色感光性樹脂組成物を調製する際に使用できる既述の溶剤が挙げられる。
また、現像処理に用いられるアルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が挙げられる。
アルカリ性水溶液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
現像方式は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせても良い。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像むらを防ぐこともできる。また基板を傾斜させて現像することもできる。
現像処理後は、余剰の現像液を洗浄除去するリンス工程を経て、乾燥を施した後、硬化を完全なものとするために、後述する加熱処理(ポストベーク)が施される。
リンス工程は通常は純水で行うが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄はじめは使用済の純水を使用したり、基板を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりできる。
(ポストベーク処理:加熱工程)
リンスの後で水切り、乾燥をした後に、加熱処理(ポストベーク)を行う。ポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、温度200〜250℃の雰囲気下で、15〜60分の範囲で処理することにより行なう。ホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行なうことができる。
以上の操作を所望の色相数に合わせて各色毎に順次繰り返し行なうことにより、複数色の着色された硬化膜が形成されてなるカラーフィルタを作製することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、低エネルギー露光においても硬化性が良好であり、形成された着色硬化膜は、ポストベーク処理などの加熱処理を行った場合でもシワやムラの発生が抑制されるため、後加熱処理を必要とするカラーフィルタの着色画素などの形成に有用であり、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いて着色領域が形成された本発明のカラーフィルタは色特性に優れる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
<鎖上に複素環を有する高分子化合物の合成例>
(重合体1の合成)
化合物M−11(下記構造) 27.0g、メチルメタクリレート 126.0g、メタクリル酸 27.0g、および1−メトキシ−2−プロパノール 420.0gを、窒素置換した三つ口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製、V−65)を1.69g加え、90℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、さらに、V−65を1.69g加え、3時加熱攪拌の後、重合体1の30質量%溶液を得た。
得られた重合体1の重量平均分子量を、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、2.0万であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、98mgKOH/gであった。
(重合体2の合成)
化合物M−6(下記構造) 27.0g、メチルメタクリレート 126.0g、メタクリル酸 27.0g、および1−メトキシ−2−プロパノール 420.0gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて撹拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製、V−65)を1.80g加え、90℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、さらに、V−65を1.80g加え、3時加熱撹拌の後、重合体2の30質量%溶液を得た。
ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、得られた重合体2の重量平均分子量を測定した結果、2.1万であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、99mgKOH/gであった。
Figure 2010015062
<被覆顔料の調製>
(被覆顔料1の調製)
C.I.Pigment Blue 15:6(BASF社製 HELIOGEN Blue L6700F:(B−1)群 フタロシアニン系顔料) 50g、塩化ナトリウム 500g、上記のようにして得た重合体1の30%溶液 20g、およびジエチレングリコール100gをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、9時間混練した。次に、この混合物を約3リットルの水中に投入し、ハイスピードミキサーで約1時間撹拌した後に、ろ過、水洗して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、乾燥して被覆顔料1を調製した。
(被覆顔料2の調製)
C.I.Pigment Blue 15:3(東洋インキ社製 LIONOL BLUE FG−7330PA:(B−1)群 フタロシアニン系顔料) 50g、塩化ナトリウム 500g、上記のようにして得た重合体2の30%溶液 20g、およびジエチレングリコール100gをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、6時間混練した。次に、この混合物を約3リットルの水中に投入し、ハイスピードミキサーで約1時間撹拌した後に、ろ過、水洗して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、乾燥して被覆顔料2を調製した。
(被覆顔料3の調製)
前記被覆顔料1の調整において、Pigment Blue 15:6に代えて、C.I.Pigment Violet 23(Clariant社製 HOSTAPERM VIOLET RL−NF:(B−2)群 ジオキサジン系顔料)を用い、また、重合体1に代えて重合体2を用いて、他は被覆顔料1の調製と同様にして被覆顔料3を調製した。
(被覆顔料4の調製)
被覆顔料1の調整において、Pigment Blue 15:6に代えて、塩素化サブフタロシアニン顔料〔(B−2)群:Boron subphthalocyanine chloride)を用い、また、重合体1に代えて重合体2を用いた他は被覆顔料1の調製と同様にして被覆顔料4を調製した。
(顔料の1次粒子径の分布測定)
顔料の1次粒子径の分布は、透過型電子顕微鏡で測定し、0.08μm以下の粒子サイズの粒子の占める割合を表1に示した。
Figure 2010015062
(顔料の被覆度の評価)
得られた顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール 100mL中に投入し、振とう機にて室温で3時間、振とうさせた。その後、遠心分離機にて、80,000rpm、8時間かけて顔料を沈降させた。上澄み液部分の固形分を乾燥法から求めた。上澄み液部分に存在する高分子化合物は、顔料から遊離した高分子化合物(重合体1又は重合体2)であり、その量を求め、処理に使用した高分子化合物との比から、遊離率(%)を算出した。結果を上記表1に併記する。遊離率は小さいほど顔料への被覆度が高い。
上記で得た被覆顔料1〜4は、いずれも20質量%以下の遊離率を示し、高分子化合物により被覆された顔料であることがわかった。
(顔料分散液の調製)
被覆顔料1の顔料相当分35部に対し、分散剤としてDisperBYK161(BYK−CHEMIE社製)14.0部、溶剤としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 200部の組成にて、ホモジナイザーを用いて、回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、混合溶液を調製し、さらに0.1mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ウルトラアペックスミル(寿工業社製)にて6時間分散処理を行ない、顔料分散液1を得た。
顔料種を前記表1に記載のように、被覆顔料2〜4に変更した他は同様にして、顔料分散液2〜4を得た。
(実施例1)
顔料分散液に以下の組成の成分を添加し、撹拌混合して本発明の着色感光性樹脂組成物(カラーレジスト液)を調製した。
・顔料分散液1〔(B−1)フタロシアニン系顔料含有〕 35.1部
・顔料分散液3〔(B−2)ジオキサジン系顔料含有〕 3.6部
・(A)溶剤(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート/エチルエトキシ
プロピオネート=8/2) 63.0部
・(C)バインダー樹脂:ベンジルメタクリレートとメタクリル酸(=70/30
[モル比])との共重合体 重量平均分子量=5,000 3.66部
・(D)重合性化合物:日本化薬社製 DPHA 4.5部
・(E−1)トリアジン系重合開始剤:4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ
(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)
−s−トリアジン 0.38部
・(E−2)ヘキサアリールビイミダゾール系重合開始剤:2,2’−ビス
(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール
0.38部
・ジエチルアミノベンゾフェノン 0.17部
・N−フェニルメルカプトベンズイミダゾール 0.40部
・多官能エポキシ化合物(DIC株式会社製、エピクロン695) 0.52部
・(F)界面活性剤(DIC株式会社製、メガファックF781F) 0.02部
・下記構造物1 0.52部
Figure 2010015062
(実施例2〜32)
実施例1の着色感光性樹脂組成物の組成において、顔料の種類と量、重合開始剤の種類と量を表2〜表5のように変更し、実施例2〜32の着色感光性樹脂組成物を調製した。なお、表中、顔料分散液は、単に「分散液」と記載した。
Figure 2010015062
Figure 2010015062
Figure 2010015062
Figure 2010015062
表2〜表5に記載の各材料の詳細は以下の通りである。
(E−1)トリアジン系重合開始剤:4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン
(E−1)オキシム系開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 オキシム系開始剤 OXE−01
(E−2)ヘキサアリールビイミダゾール系重合開始剤:2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール
(E−2)アセトフェノン系開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製 Irgacure369
(F)フッ素系界面活性剤:DIC株式会社社製 メガファックF781F
(F)シリコーン系界面活性剤:信越シリコーン株式会社製 KF−6001
(着色感光性樹脂組成物の評価)
得られた各着色感光性樹脂組成物をガラス基板に、プリベーク後の膜厚が3.0μmとなるようにスピン塗布し、100℃のホットプレートで80秒間乾燥させた(プリベーク)。その後、マスクを介して塗膜の全面に50mJ/cmにて(照度20mW/cm)露光し、露光後の塗膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液をシャワー状に散布して現像を行った。その後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。そして、上記のように光硬化処理及び現像処理が施された塗膜を220℃のオーブンで30分加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上にカラーフィルタ構成用の着色樹脂被膜を形成し、着色樹脂被膜を有する基板(着色基板)を作製した。
得られた着色基板を用いて以下の評価を行い、結果を表2にまとめた。
〔シワ〕
光学顕微鏡を用い500倍にて観察を行った。評価基準は以下の通り。
◎: 表面が非常に平滑である。
○: 平滑であるが、端部にわずかな凹凸が見られる。
△: 微妙な凹凸が見られる。
×: はっきりと凹凸が見られる。
〔ムラ〕
光学顕微鏡を用い500倍にて観察を行った。評価基準は以下の通り。
◎: 着色膜に濃淡差が全く見られず非常に均一である。
○: 濃淡差は殆ど見られない。
△: 微妙な濃淡差が見られる。
×: はっきりと濃淡差が見られる。
〔パターン形状〕
着色基板をガラス切りにて切り出し、その断面を、走査式電子顕微鏡(日立株式会社製S−4800)を用いて、15,000倍にて観察した。評価基準は以下の通り。
[評価基準]
○:パターン端部がなだらかなスロープ形状である。
△:パターン端部が矩形である。
×:パターン端部に切り込みが発生している。
これらの評価結果を前記表2〜表5に併記した。表2〜表5の結果より、本発明の実施例1〜32の、異なる複数種の顔料を含有し、特定光開始剤を用いた着色感光性樹脂組成物は、いずれも高感度で硬化し、形成された着色硬化膜は良好なパターン形状を示すと共に、ポストベークした後の硬化被膜に、シワやムラの発生は認められなかった。
(実施例33)
顔料分散液に以下の組成の成分を添加し、撹拌混合して本発明の着色感光性樹脂組成物(カラーレジスト液)を調製した。
・顔料分散液1〔(B−1)フタロシアニン系顔料含有〕 55.7部
・顔料分散液3〔(B−2)ジオキサジン系顔料含有〕 5.7部
・(A)溶剤(プロピレングリコールメチルエーテルアセテート/エチルエトキシ
プロピオネート=8/2) 47.4部
・(C)バインダー樹脂:ベンジルメタクリレートとメタクリル酸(=70/30
[モル比])との共重合体 重量平均分子量=5,000 1.20部
・(D)重合性化合物:日本化薬社製 DPHA 3.5部
・(E−1)トリアジン系重合開始剤:4−[o−ブロモ−p−N,N−ジ
(エトキシカルボニル)アミノフェニル]−2,6−ジ(トリクロロメチル)
−s−トリアジン 0.30部
・(E−2)ヘキサアリールビイミダゾール系重合開始剤:2,2’−ビス(2−
クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール
0.30部
・ジエチルアミノベンゾフェノン 0.14部
・N−フェニルメルカプトベンズイミダゾール 0.25部
・多官能エポキシ化合物:DIC株式会社製 エピクロン695 0.86部
・(F)界面活性剤:DIC株式会社製 メガファックF781F 0.02部
・構造物1(前記構造) 0.86部
(実施例34〜45、比較例1〜4)
実施例33の着色感光性樹脂組成物の組成において、顔料の種類と量、重合開始剤の種類と量、界面活性剤の種類と量を表6〜表7のように変更して、実施例34〜45及び比較例1〜5の着色感光性樹脂組成物を調製した。
実施例34〜45及び比較例1〜4の着色感光性樹脂組成物を用いて実施例1〜32と同様の処理を行い、着色基板を作成した。得られた着色基板を用いた評価を行い、結果を表6〜表7にまとめた。
Figure 2010015062
Figure 2010015062
表6〜表7から、トリアジン系又はオキシム系光重合開始剤と、ヘキサアリールビイミダゾール系光重合開始剤又はアセトフェノン系光重合開始剤との重量比が10:90〜60:40である実施例の着色感光性樹脂組成物組成物は、本発明の効果が発揮され、硬化性が良好であり、優れたパターン形状であり、且つ、ポストベーク工程を実施した後も硬化膜にシワやムラが発生することがないことがわかる。
また、実施例40,実施例44と、実施例45との対比において、フッ素系又はシリコーン系界面活性剤を用いることで、ポストベーク工程におけるシワやムラの発生抑制効果がより向上することがわかる。

Claims (5)

  1. (A)溶剤、(B)下記(B−1)群より選択される少なくとも1種と、下記(B−2)群より選択される少なくとも1種と、を含む顔料、(C)バインダー樹脂、(D)光重合性化合物、及び、(E)下記(E−1)群より選択される少なくとも1種と、下記(E−2)群より選択される少なくとも1種と、を、(E−1)群:(E−2)群=10:90〜60:40(質量比)の範囲で含む光重合開始剤を含有する着色感光性樹脂組成物。
    (B−1)群:フタロシアニン系顔料及びアントラキノン系顔料からなる群
    (B−2)群:ジオキサジン系顔料及びサブフタロシアニン系顔料からなる群
    (E−1)群:トリアジン系光重合開始剤及びオキシム系光重合開始剤からなる群
    (E−2)群:ヘキサアリールビイミダゾール系光重合開始剤及びアセトフェノン系光重合開始剤からなる群
  2. さらに(F)フッ素系界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤を、着色感光性樹脂組成物中の全固形分に対し0.1質量%以上1.5質量%以下含有する請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。
  3. 前記(B)顔料が、前記(B−1)群より選択される少なくとも1種と、前記(B−2)群より選択される少なくとも1種と、を含み、3種以上の顔料で構成される請求項1又は請求項2に記載の着色感光性樹脂組成物。
  4. 基板上に、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物を用いてなる着色領域を有するカラーフィルタ。
  5. 基板上に、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物を塗布して着色感光性樹脂組成物層を形成する工程と、
    前記着色感光性樹脂組成物層を、マスクを介して露光する工程と、
    露光後の前記着色感光性樹脂組成物層を現像して着色パターンを形成する工程と、
    を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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