JP2010005380A - 半径方向に移動可能なハウジングを有するトロカールアセンブリ - Google Patents

Abstract

【課題】器具のシールが浮動ハウジングの遠位またはカニューレの内部に位置する、浮動ハウジングを備えるトロカールアセンブリを提供すること。
【解決手段】外科手術用アクセスアセンブリであって、組織に通して挿入して下にある組織部位にアクセスすることを可能にするために適合されたカニューレであって、該カニューレは、長手方向軸を規定し、そして該組織部位に対して位置決めするために外科手術用物体の通過のための長手軸方向通路を有する、カニューレ；該カニューレに設置されたハウジングであって、該ハウジングは、該カニューレに対して、該長手方向軸を横断する方向での動きのために適合されている、ハウジング；および該カニューレ内に配置されたシールであって、該外科手術用物体を実質的にシールされた関係で受容するための通路を有する、シール、を備える、外科手術用アクセスアセンブリ。
【選択図】図２

Description

（関連出願の引用）
本願は、２００８年６月２７日に出願された米国仮出願番号６１／０７６，１８８の利益および優先権を主張する。この米国仮出願の全内容は、本明細書中に参考として援用される。

（背景）
（１．技術分野）
本開示は、一般に、身体にアクセスするためのトロカールアセンブリに関し、そしてより特定すると、カニューレの近位端の周りで横方向に並進し得るハウジングを備えるトロカールアセンブリに関する。

（２．関連分野の背景）
トロカールおよび他のアクセスアセンブリは、外科医によって、大きい切開部（これは、感染され得、そして大きい瘢痕を生じ得る）を作製する必要なしに患者を手術するために使用される。トロカールアセンブリは当該分野において公知であり、体腔内を手術するためにこのトロカールアセンブリを通して挿入される器具もまた同様に公知である。代表的に、トロカールアセンブリは、２つの主要な構成要素（ハウジングとカニューレとを備えるスリーブ、および閉塞具）を備える。このハウジングは、このカニューレにしっかりと固定され得るか、またはこのハウジングは、その代わりに、調節可能であり得る。代表的に、調節可能または浮動するハウジングを有するトロカールシステムは、カニューレに対するハウジングの横方向の動きを可能にするように構成されたハウジングを備える。浮動ハウジングをトロカールアセンブリに組み込むことによって、このハウジングを通して挿入される器具は、このカニューレを動かすことなく、より大きい程度の制御で操作され得る。

外科医が手術を行い得るより大きい空間を提供するため、および手術されている組織の可視性を増加させるために、体腔は、一般に、通気される。このカニューレを通しての器具の挿入前または挿入中、および器具が取り除かれて交換される際の、腔内からの気体の漏出を回避するために、種々のシール部材が開発されている。浮動ハウジングを有する従来のトロカールアセンブリは、このハウジング内に固定されて配置された少なくとも１つのシール部材を備える。従って、器具がトロカールアセンブリを通して挿入される際に、この器具がこのハウジングを通過するにつれてこの器具の周りにシールが形成される。この様式で、ハウジングまたはこのハウジングに通して挿入された器具が操作される場合、シール部材とハウジングとが一緒に動かされる。シール部材をハウジング内に備えることによって、ハウジングとカニューレとの間の接続は、通気ガスの漏出を防止するために、気密でなければならない。トロカールアセンブリの頻繁な使用または繰り返しの使用は、ハウジングとカニューレとの間の接続の一体性を損ない得る。この接続部の磨耗は、シールの不全を生じ得、そして通気ガスの漏出を生じ得る。

さらに、アクセスアセンブリ内のシール部材の位置は、このシール部材を通過する器具の取り扱いに影響を与える。このシール部材は、実際に、旋回点を生じ得、この旋回点の周りで、器具が操作され得る。この旋回点が標的部位に近いほど、この旋回点を通して挿入された器具を操作する間に外科医が行い得る制御の程度が大きくなる。シールをハウジング内に備えることによって、この旋回点は、標的部位から可能な限り遠くなり、これによって、外科医が器具に対して行う制御の程度を減少させる。

従って、器具のシールが浮動ハウジングの遠位またはカニューレの内部に位置する、浮動ハウジングを備えるトロカールアセンブリを有することが有利である。

上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する：
（項目１）
外科手術用アクセスアセンブリであって、
組織に通して挿入して下にある組織部位にアクセスすることを可能にするために適合されたカニューレであって、このカニューレは、長手方向軸を規定し、そしてこの組織部位に対して位置決めするために外科手術用物体の通過のための長手軸方向通路を有する、カニューレ；
このカニューレに設置されたハウジングであって、このハウジングは、このカニューレに対して、この長手方向軸を横断する方向での動きのために適合されている、ハウジング；および
このカニューレ内に配置されたシールであって、この外科手術用物体を実質的にシールされた関係で受容するための通路を有する、シール、
を備える、外科手術用アクセスアセンブリ。

（項目２）
上記カニューレに設置された支持部材をさらに備え、この支持部材は、上記ハウジングと上記組織との間に所定の距離を維持するように適合されている、上記項目に記載の外科手術用アクセスアセンブリ。

（項目３）
上記支持部材が上記カニューレにしっかりと固定されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用アクセスアセンブリ。

（項目４）
上記支持部材が上記カニューレに沿って上記長手方向軸に対して選択的に位置決め可能である、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用アクセスアセンブリ。

（項目５）
上記支持部材を上記長手方向軸に沿った選択的な位置に維持するための手段を備える、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用アクセスアセンブリ。

（項目６）
上記カニューレおよび上記支持部材が、ねじ切りされた部分を備え、このねじ切りされた部分は、この支持部材をこのカニューレに沿って選択的に位置決めするために協働するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用アクセスアセンブリ。

（項目７）
上記支持部材が、上記ハウジングに対して、第一の位置と第二の位置との間での回転運動のために適合されており、この第一の位置は、上記カニューレに対するこのハウジングの固定された位置に対応し、これによって、このハウジングは、上記長手方向軸を横断する方向で動くことを防止され、そしてこの第二の位置は、このカニューレに対するこのハウジングの開放位置に対応し、これによって、このハウジングは、この長手方向軸を横断する方向で動くことを可能にされる、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用アクセスアセンブリ。

（項目８）
上記ハウジングが、長手軸方向開口部を横切って配置されたシールを備える、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用アクセスアセンブリ。

（項目９）
上記カニューレと上記ハウジングとの間に設置された圧縮可能なリングをさらに備え、このリングは、このハウジングをこのカニューレに対して維持するためのものである、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用アクセスアセンブリ。

（項目１０）
上記圧縮可能なリングがゴムまたは発泡材料から構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用アクセスアセンブリ。

外科手術用アクセスアセンブリは、カニューレ、このカニューレに設置されたハウジング、およびこのカニューレ内に配置されたシールを備える。このカニューレは、下にある組織部位へのアクセスを可能にするために、組織を通しての挿入のために適合される。このカニューレは、長手方向軸を規定し、そして組織部位に対する位置決めのために、外科手術用物体の通過のための長手軸方向通路を有する。このハウジングは、このカニューレに対して、この長手方向軸を横断する方向に動くために適合される。このシールは、実質的に密封された関係での外科手術用物体の受容のための通路を有する。このアクセスアセンブリは、このカニューレに設置された支持部材をさらに備え得る。この支持部材は、このハウジングとこの組織との間の所定の距離を維持するように適合される。この支持部材は、このカニューレにしっかりと固定されてもよく、またはこのカニューレに沿って、この長手軸方向に対して選択的に位置決め可能であってもよい。

（要旨）
本開示の１つの局面によれば、外科手術用アクセスアセンブリが提供される。このアクセスアセンブリは、下にある組織部位へのアクセスを可能にするために、組織を通して挿入するために適合されたカニューレを備える。このカニューレは、長手方向軸を規定し、そして組織部位に対して位置決めするための外科手術物体の通過のための、長手軸方向通路を有する。このアクセスアセンブリはまた、カニューレに設置されたハウジングを備える。このハウジングは、このカニューレに対する、この長手方向軸を横断する方向での移動のために適合される。このアクセスアセンブリは、このカニューレ内に配置されたシールをさらに備え、そしてこの外科手術用物体をこのシールと実質的に密封された関係で受容するための通路を有する。

この外科手術用アクセスアセンブリは、このカニューレに設置された支持部材をさらに備え得る。この支持部材は、このハウジングとこの組織との間に所定の距離を維持するように適合される。この支持部材は、このカニューレにしっかりと固定され得る。この支持部材は、その代わりに、このカニューレに沿って長手方向軸に対して選択的に位置決めされてもよい。

この外科手術用アクセスアセンブリは、この支持部材をこの長手方向軸に沿った選択された位置に維持するための手段を備え得る。このカニューレおよびこの支持部材は、ねじ切りされた部分を備え得、これらのねじ切りされた部分は、協働して、この支持部材をこのカニューレに沿って選択的に位置決めするように適合される。

この支持部材は、このハウジングに対して、第一の位置と第二の位置との間での回転運動のために適合され得る。この第一の位置は、このカニューレに対するこのハウジングの固定された位置に対応し、これによって、このハウジングは、この長手方向軸を横断する方向に動くことを防止される。この第二の位置は、このカニューレに対するこのハウジングの解放位置に対応し、これによって、このハウジングは、この長手方向軸を横断する方向に動くことを可能にされる。

このハウジングは、長手軸方向開口部を横切って配置されたシールをさらに備え得る。この外科手術用アクセスアセンブリは、このカニューレとこのハウジングとの間に設置された圧縮可能なリングをさらに備え得、この圧縮可能なリングは、このカニューレに対してこのハウジングを維持するためのものである。この圧縮可能なリングは、ゴムまたは発泡材料から構成され得る。

本発明により、器具のシールが浮動ハウジングの遠位またはカニューレの内部に位置する、浮動ハウジングを備えるトロカールアセンブリが提供される。

図１は、本開示の実施形態によるトロカールアセンブリの側面平面図である。 図２は、図１のトロカールアセンブリの側面断面図である。 図３Ａは、図１および図２のトロカールアセンブリの上面図である。 図３Ｂは、図１の線３Ｂ−３Ｂに沿って見た、図１のトロカールアセンブリの断面図である。 図３Ｃは、図１の線３Ｃ−３Ｃに沿って見た、図１のトロカールアセンブリの断面図である。 図４Ａは、第一のシフト状態にある、図１〜図３Ｃのトロカールアセンブリの断面側面図である。 図４Ｂは、図４Ａのトロカールアセンブリの上面図である。 図５Ａは、第二のシフト状態にある、図１〜図４Ｂのトロカールアセンブリの断面側面図である。 図５Ｂは、図５Ａのトロカールアセンブリの上面図である。 図６Ａは、ハウジングが第一のロックされた位置で示されている、本開示の代替の実施形態によるトロカールアセンブリの断面側面図である。 図６Ｂは、ハウジングが第二の調節可能な位置で示されている、図６Ａのトロカールアセンブリの断面側面図である。

上記要旨、および以下の詳細な説明は、添付の図面と組み合わせて読まれる場合に、よりよく理解される。本開示を説明する目的で、好ましい実施形態が示される。しかし、本開示は、示される正確な配置および機械類に限定されないことが理解される。

（実施形態の説明）
ここで図面を参照すると、図面において、同じ参照番号は、数枚の図にわたって、類似の構成要素を示す。図面に示されるように、そして以下の説明の全体に記載されるように、慣習的であるように、物体上の相対位置が言及される場合、用語「近位」とは、その装置の、使用者に近い方の端部をいい、そして用語「遠位」とは、その装置の、使用者から遠い方の端部をいう。

図１〜図５Ｂは、本開示の原理によるトロカールアセンブリ１００を図示する。最初に図１を参照すると、トロカールアセンブリ１００は、ハウジング１０２を備え、このハウジングは、カニューレ１１０の近位端１１０ａを受容するように構成されている。以下で議論されるように、ハウジング１０２は、カニューレ１１０に対して垂直な面内で、カニューレ１１０に対して動くかまたは浮動するように構成され、これによって、このハウジングを通って延びる器具Ｅ（図４Ａ）と協働するか、またはこの器具の少なくとも横方向の動きを可能にする。トロカールアセンブリ１００は、支持部材１２０をさらに備え、この支持部材は、カニューレ１１０に固定されており、そしてハウジング１０２がカニューレ１１０に対して維持される場合に、ハウジング１０２を支持するために構成される。トロカールアセンブリ１００は、任意の公知の内視鏡器具または腹腔鏡器具とともに使用するために構成され得る。

ここで図２を参照すると、ハウジング１０２は、実質的に環状の部材を形成し、この部材は、部分的に閉じた近位端１０２ａおよび部分的に閉じた遠位端１０２ｂを有する。ハウジング１０２は、その代わりに、楕円形、正方形、矩形、または他の適切な輪郭を規定してもよい。ハウジング１０２は、金属、プラスチック、ポリマーまたは他の適切な材料から構築され得る。ハウジング１０２は、器具Ｅ（図４Ａ）を受容するための、ハウジングを通る通路１０１を規定する。ハウジング１０２の近位端１０２ａは、このハウジングを通して器具Ｅを受容するように構成された開口部１０３を規定する。

トロカールアセンブリ１００の適切な操作のためには必要ではないが、開口部１０３は、この開口部を通して器具Ｅを受容するためのシール（図示せず）を備え得る。この様式で、ハウジング１０２は、通気ガスの供給源（図示せず）と流体連絡するように構成されたポート（図示せず）をさらに備え得る。開口部１０３は、種々の直径および構成の器具を受容するように構成され得る。代替の実施形態において、ハウジング１０２の近位端１０２ａは、ハウジング１０２に器具（図示せず）を選択的に固定するための、タブまたはラッチ（図示せず）を備えるように構成され得、これによって、操作中のより大きい制御を可能にする。

図２をさらに参照すると、ハウジング１０２の遠位端１０２ｂは、カニューレ１１０の近位端１１０ａに形成されたフランジ１１５を受容するための、水平スロット１０５を規定する。以下でさらに詳細に議論されるように、ハウジング１０２の遠位端１０２ｂは、この遠位端の内部にフランジ１０５を浮動可能に受容するように構成される。ゴムまたは発泡材料のリング１０５ａが、スロット１０５に備えられ得る。ハウジング１０２が加圧される場合、発泡材料のリング１０５ａは、ハウジング１０２とカニューレ１１０との間の接続部にシールを形成して、通気ガスの漏出を防止し得る。

図２をさらに参照すると、カニューレ１１０は、閉塞具（図示せず）の補助によって、皮膚を通して体腔内に挿入されるように構成されるか、またはその代わりに、皮膚を通って体腔内に貫入するための刃もしくは穿孔先端を備えてもよい。カニューレ１１０は、近位端１１０ａおよび遠位端１１０ｂを有する、実質的に管状の部材を形成する。カニューレ１１０は、プラスチック、金属、ポリマーなどから構成され得る。カニューレ１１０は、使い捨てであっても、代替例において再使用可能であってもよい。カニューレ１１０は、剛性であり得るか、あるいはカニューレ１１０は、可撓性であり得る。上記のように、カニューレ１１０の近位端１１０ｂは、フランジ１１５を備える。フランジ１１５は、ハウジングの遠位端１０２ｂに形成されたスロット１０５内で、ハウジング１０２に対して浮動するかまたは動くように構成される。カニューレ１１０の遠位端１１０ｂは、開口していてもよい。遠位端１１０ｂは、その代わりに、１つ以上のシール部材（図示せず）を備えるように構成されてもよい。

カニューレ１１０は、このカニューレに通して器具Ｅ（図４Ａ）を受容するための少なくとも１つの弁またはシール部材１１２を、このカニューレの長さに沿って備える。シール部材１１２は、このシールを通して器具Ｅを受容するための開口部１１２ａを規定する。開口部１１２ａは、任意の直径および構成の器具を受容するようなサイズにされ得る。代替の実施形態において、カニューレ１１０は、トロカールアセンブリ１００を通気ガスの供給源と流体連絡させるためのポート（図示せず）を備え得る。

ここで図３Ａ〜図３Ｃを参照すると、トロカールアセンブリ１００は、カニューレ１１０の近位端１１０ａにしっかりと固定された支持部材１２０を備え、この支持部材は、ハウジング１０２がカニューレ１１０に対して動く際に、ハウジング１０２を支持するためのものである。支持部材１２０は、実質的にホイール形状の部材を備え、この部材は、外側リム１２２、内側リム１２４、およびこれらのリムの間に延びるスピンドル１２６を備える。図２に戻って参照すると、支持部材１２０の内側リム１２４は、カニューレ１１０の近位端１１０ａにしっかりと固定される。支持部材１２０は、接着剤、機械的ファスナー、摩擦ばめ、ねじ切りされた部材または他の任意の適切な手段を使用して、カニューレ１１０に固定され得る。支持部材１２０は、ハウジング１０２の遠位端１０２ｂがスピンドル１２６に載るように、カニューレ１１０の周りに配置される。外側リム１２２は、ハウジング１０２の直径より大きい直径を有するように構成される。より大きい支持部材１２０を、カニューレ１１０の周りで、近位端１１０ａに調節可能に配置されたハウジング１０２と接触させて配置することによって、ハウジング１０２がカニューレ１１０に対して調節される際に、ハウジング１０２は、水平位置に保持される。スピンドル１２６および／またはハウジング１０２のスピンドル１２６と接触する部分は、摩擦を低下させる材料（例えば、Ｔｅｆｌｏｎ（登録商標））のコーティングを備えて、カニューレ１１０に対するハウジング１０２の動きを促進し得る。

ここで図６Ａおよび図６Ｂを参照すると、代替の実施形態において、支持部材２２０は、ハウジング２０２をカニューレ２１０に対して適切な位置に選択的に固定するように構成され得る。この様式で、ハウジング２０２は、使用者による作用がハウジング２０２をカニューレ２１０から脱係合させるまで、ハウジング２０２に対して適切な位置にロックされる。ハウジング２０２は、機械的ファスナー（図示せず）によってカニューレ２１０に対してロックされ得るか、またはその代わりに、支持部材２２０は、図示されるように、カニューレ２１０に沿って長手軸方向に並進するように構成され得、これによって、支持部材２２０とハウジング２０２との係合を可能にする。ハウジング２０２を係合させること（図６Ａ）によって、支持部材２２０は、このハウジングの動きを防止する。示されるように、カニューレ２１０および支持部材２２０は、それぞれねじ山２１１、２２１を備え得る。ねじ山２１１、２２１は、任意のサイズであり得、そして任意の構成を有し得る。カニューレ２１０に対する支持部材２２０の回転は、支持部材２２０を、カニューレ２１０に沿ってハウジング２０２内へと近位に進める。支持部材２２０とハウジング２０２との係合は、ハウジング２０２の横方向への並進を防止する。カニューレ２１０の周りでの、支持部材２２０の逆方向の回転は、支持部材２２０をハウジング２０２から脱係合させ得、これによって、カニューレ２１０に対するハウジング２０２の動きを可能にする（図６Ｂ）。ねじ切りされた配置が、臨床医が支持部材２２０を、カニューレ２１０に沿った、長手方向軸に対して選択された位置または所定の位置に位置決めすることを可能にし得ることもまた予測される。従って、支持部材２２０は、ハウジング２０２を、組織に対して所定の位置で間隔を空け得る。

図１〜図５Ｂに戻って参照すると、操作において、トロカールアセンブリ１００は、最初に、公知のトロカールアセンブリと類似の様式で、体腔に挿入される。上で議論されたように、カニューレ１１０の遠位端１１０ｂは、皮膚を通して体腔内に穿孔するように構成され得るか、または閉塞具（図示せず）がトロカールアセンブリ１００に通して挿入されて、皮膚の穿孔およびカニューレ１１０が受容されるための開口部の作製を補助し得る。一旦、体腔内に受容されると、閉塞具（使用される場合）が取り除かれ得、そしてトロカールアセンブリ１００は、器具を受容する準備ができる。

最初に図２を参照すると、第一の位置または初期位置において、ハウジング１０２およびカニューレ１１０は、互いに同心状であり、そして中心軸ｘ−ｘを規定する。上で議論されたように、発泡材料またはゴムのリング１０５ａが、ハウジング１０２の遠位端１０２ｂに形成されたスロット１０５内に受容されて、ハウジング１０２を、カニューレ１１０と同心状の、この第一の位置または初期位置に維持し得る。

ここで図４Ａ〜図５Ｂを参照すると、トロカールアセンブリ１００は、ハウジング１０２およびカニューレ１１０を通し、そして体腔（図示せず）内へと器具Ｅを受容するように構成される。器具Ｅは、代表的に、トロカールアセンブリ１００が第一の位置または初期位置にあり（図２）、ハウジング１０２およびカニューレ１１０が互いに同心状であるときに、ハウジング１０２およびカニューレ１１０を通して受容される。しかし、器具Ｅは、ハウジング１０２がカニューレ１１０に対して同心状ではなくシフトした位置にあるときに、トロカールアセンブリ１００内に受容され得る。

最初に図４Ａおよび図４Ｂを参照すると、使用者がハウジング１０２に対して矢印Ｆ１により示される方向に横方向の力を付与すると、ハウジング１０２は、カニューレ１１０に対して、力Ｆ１の方向に水平に並進する。ハウジング１０２の遠位端１０２ｂに形成されたスロット１０５は、カニューレ１１０に対するハウジング１０２のこの動きを可能にする。この様式で、ハウジング１０２および従ってこのハウジングに通して挿入された器具Ｅは、カニューレ１１０を動かすことなく、カニューレ１１０に対して操作され得る。ここで図５Ａおよび図５Ｂを参照すると、第二の方向（矢印Ｆ２により示される）への横方向の力の付与は、ハウジング１０２をカニューレ１１０に対して力Ｆ２の方向に水平に並進させる。上で議論されたように、スロット１０５は、ゴムまたは発泡材料のリング１０５ａを備え得、このリングは、ハウジング１０２がカニューレ１１０の周りで動かされる際に圧縮され得る。ハウジング１０２に対する力Ｆ１、Ｆ２の解放は、リング１０５ａの圧縮を解き、これによって、ハウジング１０２をその初期の、カニューレ１１０と同心状の位置に戻す。この様式で、ハウジング１０２は、カニューレ１１０に対して、水平面内で任意の方向に動かされ得る。カニューレ１１０に対してハウジング１０２を横方向に動かし得ることによって、使用者は、このハウジングに通して挿入された器具Ｅをより正確に操作し得、そしてより大きい制御を有し得る。

種々の改変が、本明細書中に開示された実施形態に対してなされ得ることが理解される。従って、上記説明は、限定と解釈されるべきではなく、単に、好ましい実施形態の例示と解釈されるべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内で、他の改変を予測する。

１００ トロカールアセンブリ
１０１ 通路
１０２ ハウジング
１０３ 開口部
１０５ 水平スロット
１１０ カニューレ
１２０ 支持部材

Claims (10)

1. 外科手術用アクセスアセンブリであって、
   組織に通して挿入して下にある組織部位にアクセスすることを可能にするために適合されたカニューレであって、該カニューレは、長手方向軸を規定し、そして該組織部位に対して位置決めするために外科手術用物体の通過のための長手軸方向通路を有する、カニューレ；
   該カニューレに設置されたハウジングであって、該ハウジングは、該カニューレに対して、該長手方向軸を横断する方向での動きのために適合されている、ハウジング；および
   該カニューレ内に配置されたシールであって、該外科手術用物体を実質的にシールされた関係で受容するための通路を有する、シール、
   を備える、外科手術用アクセスアセンブリ。
2. 前記カニューレに設置された支持部材をさらに備え、該支持部材は、前記ハウジングと前記組織との間に所定の距離を維持するように適合されている、請求項１に記載の外科手術用アクセスアセンブリ。
3. 前記支持部材が前記カニューレにしっかりと固定されている、請求項２に記載の外科手術用アクセスアセンブリ。
4. 前記支持部材が前記カニューレに沿って前記長手方向軸に対して選択的に位置決め可能である、請求項２に記載の外科手術用アクセスアセンブリ。
5. 前記支持部材を前記長手方向軸に沿った選択的な位置に維持するための手段を備える、請求項４に記載の外科手術用アクセスアセンブリ。
6. 前記カニューレおよび前記支持部材が、ねじ切りされた部分を備え、該ねじ切りされた部分は、該支持部材を該カニューレに沿って選択的に位置決めするために協働するように適合されている、請求項４に記載の外科手術用アクセスアセンブリ。
7. 前記支持部材が、前記ハウジングに対して、第一の位置と第二の位置との間での回転運動のために適合されており、該第一の位置は、前記カニューレに対する該ハウジングの固定された位置に対応し、これによって、該ハウジングは、前記長手方向軸を横断する方向で動くことを防止され、そして該第二の位置は、該カニューレに対する該ハウジングの開放位置に対応し、これによって、該ハウジングは、該長手方向軸を横断する方向で動くことを可能にされる、請求項４に記載の外科手術用アクセスアセンブリ。
8. 前記ハウジングが、長手軸方向開口部を横切って配置されたシールを備える、請求項１に記載の外科手術用アクセスアセンブリ。
9. 前記カニューレと前記ハウジングとの間に設置された圧縮可能なリングをさらに備え、該リングは、該ハウジングを該カニューレに対して維持するためのものである、請求項１に記載の外科手術用アクセスアセンブリ。
10. 前記圧縮可能なリングがゴムまたは発泡材料から構成されている、請求項９に記載の外科手術用アクセスアセンブリ。

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