JP2009543807A - 抗ウイルス剤 - Google Patents
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Abstract
式(I)の化合物および組成物、ならびにフラビウイルス(Flaviviridae)科のウイルス感染症を治療するためのそれらの使用が開示される。
Description
関連出願の相互参照
本出願は2006年7月14日提出の同時係属中の米国特許仮出願第60/831,040号に対する優先権を主張し、その内容は全体が参照により本明細書に組み入れられる。
本出願は2006年7月14日提出の同時係属中の米国特許仮出願第60/831,040号に対する優先権を主張し、その内容は全体が参照により本明細書に組み入れられる。
発明の分野
本発明は、薬品化学、特に、少なくとも部分的にはフラビウイルス(Flaviviridae)科のウイルスによって媒介される、哺乳動物のウイルス感染症を治療するための化合物、組成物および方法に関する。
本発明は、薬品化学、特に、少なくとも部分的にはフラビウイルス(Flaviviridae)科のウイルスによって媒介される、哺乳動物のウイルス感染症を治療するための化合物、組成物および方法に関する。
発明の背景
引用文献
以下の出版物を本出願において引用する。
Szabo, E. et al., Pathol. Oncol. Res. 2003, 9:215-221(非特許文献1)
Hoofnagle J.H., Hepatology 1997, 26:15S-20S(非特許文献2)
Thomson B.J. and Finch R.G., Clin Microbial Infect. 2005, 11:86-94(非特許文献3)
Moriishi K. and Matsuura Y., Antivir. Chem. Chemother. 2003, 14:285-297(非特許文献4)
Fried, M.W., et al. N. Engl. J Med 2002, 347:975-982(非特許文献5)
Ni, Z. J. and Wagman, A. S. Curr. Opin. Drug Discov. Devel. 2004, 7, 446-459(非特許文献6)
Beaulieu, P. L. and Tsantrizos, Y. S. Curr. Opin. Investig. Drugs 2004, 5, 838-850(非特許文献7)
Griffith, R. C. et al., Ann. Rep. Med. Chem 39, 223-237, 2004(非特許文献8)
Watashi, K. et al., Molecular Cell, 19, 111-122, 2005(非特許文献9)
Horsmans, Y. et al., Hepatology, 42, 724-731, 2005(非特許文献10)
引用文献
以下の出版物を本出願において引用する。
Szabo, E. et al., Pathol. Oncol. Res. 2003, 9:215-221(非特許文献1)
Hoofnagle J.H., Hepatology 1997, 26:15S-20S(非特許文献2)
Thomson B.J. and Finch R.G., Clin Microbial Infect. 2005, 11:86-94(非特許文献3)
Moriishi K. and Matsuura Y., Antivir. Chem. Chemother. 2003, 14:285-297(非特許文献4)
Fried, M.W., et al. N. Engl. J Med 2002, 347:975-982(非特許文献5)
Ni, Z. J. and Wagman, A. S. Curr. Opin. Drug Discov. Devel. 2004, 7, 446-459(非特許文献6)
Beaulieu, P. L. and Tsantrizos, Y. S. Curr. Opin. Investig. Drugs 2004, 5, 838-850(非特許文献7)
Griffith, R. C. et al., Ann. Rep. Med. Chem 39, 223-237, 2004(非特許文献8)
Watashi, K. et al., Molecular Cell, 19, 111-122, 2005(非特許文献9)
Horsmans, Y. et al., Hepatology, 42, 724-731, 2005(非特許文献10)
現状
HCVへの慢性的な感染は肝硬変、肝細胞癌および肝機能不全に関連する大きな健康問題である。世界中で推定1億7千万人の慢性保菌者が肝疾患を発症する危険にさらされている(非特許文献1、2)。米国だけで、270万人がHCVに慢性的に感染しており、2000年のHCVに関連する死亡数は8,000〜10,000の間と推定され、この数はここ数年で著しく増大すると予想される。HCVによる感染症は、長年にわたって臨床症状を経験していないと思われる、慢性的に感染している(および感染性の)保菌者のうち高い割合において潜伏性である。肝硬変は最終的には肝機能不全を引き起こしうる。慢性HCV感染症が原因である肝機能不全は、今や肝臓移植の主因として認められている。
HCVへの慢性的な感染は肝硬変、肝細胞癌および肝機能不全に関連する大きな健康問題である。世界中で推定1億7千万人の慢性保菌者が肝疾患を発症する危険にさらされている(非特許文献1、2)。米国だけで、270万人がHCVに慢性的に感染しており、2000年のHCVに関連する死亡数は8,000〜10,000の間と推定され、この数はここ数年で著しく増大すると予想される。HCVによる感染症は、長年にわたって臨床症状を経験していないと思われる、慢性的に感染している(および感染性の)保菌者のうち高い割合において潜伏性である。肝硬変は最終的には肝機能不全を引き起こしうる。慢性HCV感染症が原因である肝機能不全は、今や肝臓移植の主因として認められている。
HCVは動物およびヒトに影響をおよぼすRNAウイルスのフラビウイルス科の一員である。ゲノムは約9.6キロベースの一本鎖RNAであり、5'および3'末端両方の非翻訳領域(5'-および3'-UTR)に隣接する約3000アミノ酸のポリタンパク質をコードする一つのオープンリーディングフレームからなる。ポリタンパク質は、後代ウイルス粒子の複製および構築にとって重大な少なくとも10の別々のウイルスタンパク質への前駆体としてはたらく。HCVポリタンパク質における構造および非構造タンパク質の構成は次のとおりである:C-E1-E2-p7-NS2-NS3-NS4a-NS4b-NS5a-NS5b。HCVの複製周期はいかなるDNA中間体も必要とせず、かつウイルスは宿主ゲノムに組み込まれないため、理論的にはHCV感染症は治癒可能である。HCV感染症の病状は主に肝臓に影響を与えるが、ウイルスは末梢血リンパ球を含む体内の他の細胞型においても見いだされている(非特許文献3、4)。
現在のところ、慢性HCVの標準的治療はインターフェロンα(IFN-α)とリバビリンとの併用であるが、これは少なくとも6ヶ月間の治療を要する。IFN-αは、いくつかの疾患、特にウイルス感染症に反応してほとんどの動物有核細胞によって産生および分泌される、抗ウイルス活性、免疫調節活性、および抗腫瘍活性などの特徴的生物効果を有する天然の低分子タンパク質のファミリーに属している。IFN-αは細胞間情報伝達および免疫制御に影響をおよぼす成長および分化の重要な調節因子である。インターフェロンによるHCVの治療は疲労、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、軽度脱毛、精神作用および関連障害、自己免疫現象および関連障害ならびに甲状腺機能障害などの有害な副作用を伴うことが多かった。リバビリンはイノシン5'一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害剤で、HCVの治療においてIFN-αの有効性を増強する。リバビリンの導入にもかかわらず、患者の50%以上ではインターフェロンα(IFN)およびリバビリンの現行の標準的治療でウイルスが除去されない。現在までに、慢性C型肝炎の標準的治療法は、ペグIFN-αとリバビリンとの組み合わせへと変更されてきた。しかし一部の患者には、主にリバビリンに関連する重大な副作用が未だ存在する。リバビリンは、現在の推奨用量で治療された患者の10〜20%において重大な溶血を生じ、かつこの薬物は催奇性と胎芽毒性の両方を示す。最近の改善をもってしても、相当な割合の患者が、ウイルス負荷の持続的低下を伴う反応を示さず(非特許文献5)、HCV感染症に対するより有効な抗ウイルス療法が明らかに必要である。
ウイルスと戦うためのいくつかのアプローチが探究されている。それらには、例えば、HCV複製を阻害するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはリボザイムの適用が含まれる。さらに、HCVタンパク質を直接阻害してウイルス複製を妨害する低分子量化合物が、HCV感染を制御するための魅力的な戦略と考えられている。ウイルス標的のうち、NS3/4aプロテアーゼ/ヘリカーゼおよびNS5b RNA依存性RNAポリメラーゼは新しい薬物のための最も有望なウイルス標的であると考えられる(非特許文献6〜8)。
ウイルス遺伝子やそれらの転写産物および翻訳産物を標的とするほかに、ウイルス複製に必要な宿主細胞タンパク質を標的とすることによっても、抗ウイルス活性を達成することができる。例えば、Watashiら(非特許文献9)は宿主細胞シクロフィリンを阻害することによってどのように抗ウイルス活性を達成しうるかを示している。または、強力なTLR7アゴニストがヒトにおいてHCV血漿レベルを下げることが示されている(非特許文献10)。
しかし、前述の化合物はいずれも臨床試験の段階を越えることはなかった(非特許文献6、8)。
HCVおよび他のフラビウイルス科メンバーの世界的な流行レベルを考慮し、かつ限られた治療選択肢をさらに考慮すると、これらのウイルスによる感染症を治療するための新しく有効な薬物が強く必要とされている。
Szabo, E. et al., Pathol. Oncol. Res. 2003, 9:215-221
Hoofnagle J.H., Hepatology 1997, 26:15S-20S
Thomson B.J. and Finch R.G., Clin Microbial Infect. 2005, 11:86-94
Moriishi K. and Matsuura Y., Antivir. Chem. Chemother. 2003, 14:285-297
Fried, M.W., et al. N. Engl. J Med 2002, 347:975-982
Ni, Z. J. and Wagman, A. S. Curr. Opin. Drug Discov. Devel. 2004, 7, 446-459
Beaulieu, P. L. and Tsantrizos, Y. S. Curr. Opin. Investig. Drugs 2004, 5, 838-850
Griffith, R. C. et al., Ann. Rep. Med. Chem 39, 223-237, 2004
Watashi, K. et al., Molecular Cell, 19, 111-122, 2005
Horsmans, Y. et al., Hepatology, 42, 724-731, 2005
発明の概要
本発明は、少なくとも部分的にはHCVなどのフラビウイルス科のウイルスによって媒介される、哺乳動物のウイルス感染症を治療するための新規化合物、組成物、および方法を目的とする。特に、本発明の化合物は式(I)またはその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体で表される:
式中:
Yはアリール、ヘテロアリール、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
HETは、6員アリーレン環、NまたはOまたはSから選択される1個または2個または3個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリーレン環、および下記の式を有する二環式環からなる群より選択され、
式中、HETは(X)tで置換されていてもよく、Xは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、ハロ、ヒドロキシ、およびニトロからなる群より選択され;tは0、1または2に等しい整数であり;W1、W4、およびW5は独立にNまたはCHであり;W3はNもしくはCHであるか、または、二環式環内の1個以下の窒素が酸化されてN-オキシドを生成してもよいとの条件で結合であり;かつ破線の一方が一重結合である場合、隣接する原子がそれぞれ1または2個の水素原子で置換されてその原子価を満たしているとの条件で、破線はそれぞれ独立に2個の隣接する原子間の一重結合または二重結合を表し;
DまたはEの一方はC-Raであり、DまたはEの他方はSであり;
RaおよびRは水素、アルキル、および置換アルキルからなる群より独立に選択され;
Qはシクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;かつ
Zは以下からなる群より選択される:
(a)カルボキシおよびカルボキシエステル;
(b)-C(X4)NR8R9、式中、X4は=O、=NH、または=N-アルキルであり、R8およびR9は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立に選択されるか、またはR8およびR9はそれらに結合している窒素原子と一緒になって複素環、置換複素環、ヘテロアリールもしくは置換ヘテロアリール環基を形成する;
(c)-C(X3)NR21S(O)2R4、式中、X3は=O、=NR24、および=Sから選択され、R24は水素、アルキル、または置換アルキルであり;R4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、およびNR22R23から選択され、R21、R22およびR23は独立に水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、もしくは置換シクロアルキルであるか;または、R21およびR22もしくはR22およびR23はそれらに結合している原子と一緒になって置換されていてもよい複素環基を形成する;
(d)-C(X2)-N(R3)CR2R2'C(=O)R1、式中、X2は=O、=S、および=NR11から選択され、R11は水素またはアルキルであり、R1は-OR7および-NR8R9から選択され、R7は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環から選択され;R8およびR9は前述の定義のとおりであり;
R2およびR2'は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環から独立に選択されるか;
または、定義のとおりのR2およびR2'はそれらに結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環基を形成するか、
さらにまたは、R2もしくはR2'の一方は水素、アルキルもしくは置換アルキルであり、他方はそれに結合している炭素原子と一緒になって、R7およびそれに結合している酸素原子もしくはR8およびそれに結合している窒素原子のいずれかと共に複素環もしくは置換複素環基を形成し;
R3は水素およびアルキルから選択されるか、または、R2およびR2'が一緒になって環を形成しない場合、ならびにR2もしくはR2'およびR7もしくはR8が一緒になって複素環もしくは置換複素環基を形成しない場合、R3はそれに結合している窒素原子と一緒になって、R2およびR2'の一方と一緒に複素環もしくは置換複素環基を形成してもよい;
(e)-C(X2)-N(R3)CR25R26R27、式中、X2およびR3は上で定義されており、かつR25、R26およびR27はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、複素環、置換複素環、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より独立に選択されるか、またはR25およびR26はそれらに結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環基を形成する;および
(f)(a)〜(e)において定義したものではない、カルボン酸同配体。
本発明は、少なくとも部分的にはHCVなどのフラビウイルス科のウイルスによって媒介される、哺乳動物のウイルス感染症を治療するための新規化合物、組成物、および方法を目的とする。特に、本発明の化合物は式(I)またはその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体で表される:
式中:
Yはアリール、ヘテロアリール、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
HETは、6員アリーレン環、NまたはOまたはSから選択される1個または2個または3個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリーレン環、および下記の式を有する二環式環からなる群より選択され、
式中、HETは(X)tで置換されていてもよく、Xは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、ハロ、ヒドロキシ、およびニトロからなる群より選択され;tは0、1または2に等しい整数であり;W1、W4、およびW5は独立にNまたはCHであり;W3はNもしくはCHであるか、または、二環式環内の1個以下の窒素が酸化されてN-オキシドを生成してもよいとの条件で結合であり;かつ破線の一方が一重結合である場合、隣接する原子がそれぞれ1または2個の水素原子で置換されてその原子価を満たしているとの条件で、破線はそれぞれ独立に2個の隣接する原子間の一重結合または二重結合を表し;
DまたはEの一方はC-Raであり、DまたはEの他方はSであり;
RaおよびRは水素、アルキル、および置換アルキルからなる群より独立に選択され;
Qはシクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;かつ
Zは以下からなる群より選択される:
(a)カルボキシおよびカルボキシエステル;
(b)-C(X4)NR8R9、式中、X4は=O、=NH、または=N-アルキルであり、R8およびR9は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立に選択されるか、またはR8およびR9はそれらに結合している窒素原子と一緒になって複素環、置換複素環、ヘテロアリールもしくは置換ヘテロアリール環基を形成する;
(c)-C(X3)NR21S(O)2R4、式中、X3は=O、=NR24、および=Sから選択され、R24は水素、アルキル、または置換アルキルであり;R4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、およびNR22R23から選択され、R21、R22およびR23は独立に水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、もしくは置換シクロアルキルであるか;または、R21およびR22もしくはR22およびR23はそれらに結合している原子と一緒になって置換されていてもよい複素環基を形成する;
(d)-C(X2)-N(R3)CR2R2'C(=O)R1、式中、X2は=O、=S、および=NR11から選択され、R11は水素またはアルキルであり、R1は-OR7および-NR8R9から選択され、R7は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環から選択され;R8およびR9は前述の定義のとおりであり;
R2およびR2'は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環から独立に選択されるか;
または、定義のとおりのR2およびR2'はそれらに結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環基を形成するか、
さらにまたは、R2もしくはR2'の一方は水素、アルキルもしくは置換アルキルであり、他方はそれに結合している炭素原子と一緒になって、R7およびそれに結合している酸素原子もしくはR8およびそれに結合している窒素原子のいずれかと共に複素環もしくは置換複素環基を形成し;
R3は水素およびアルキルから選択されるか、または、R2およびR2'が一緒になって環を形成しない場合、ならびにR2もしくはR2'およびR7もしくはR8が一緒になって複素環もしくは置換複素環基を形成しない場合、R3はそれに結合している窒素原子と一緒になって、R2およびR2'の一方と一緒に複素環もしくは置換複素環基を形成してもよい;
(e)-C(X2)-N(R3)CR25R26R27、式中、X2およびR3は上で定義されており、かつR25、R26およびR27はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、複素環、置換複素環、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より独立に選択されるか、またはR25およびR26はそれらに結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環基を形成する;および
(f)(a)〜(e)において定義したものではない、カルボン酸同配体。
発明の詳細な説明
定義
本明細書において用いられる用語は特定の態様を記載するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定する意図はないことが理解されるべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲において、下記の意味を有すると定義されるいくつかの用語に言及することになる。
定義
本明細書において用いられる用語は特定の態様を記載するためのものにすぎず、本発明の範囲を限定する意図はないことが理解されるべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲において、下記の意味を有すると定義されるいくつかの用語に言及することになる。
本明細書において用いられる「アルキル」とは、1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜5個の炭素原子、より好ましくは1〜3個の炭素原子を有する一価のアルキル基を意味する。この用語はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルなどの基によって例示される。
「置換アルキル」とは、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシ、カルボキシエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より選択される、1〜3個、好ましくは1〜2個の置換基を有するアルキル基を意味する。
「アルコキシ」とは、「アルキル-O-」なる基を意味し、これには例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシなどが含まれる。
「置換アルコキシ」とは、「置換アルキル-O-」なる基を意味する。
「アシル」とは、H-C(O)-、アルキル-C(O)-、置換アルキル-C(O)-、アルケニル-C(O)-、置換アルケニル-C(O)-、アルキニル-C(O)-、置換アルキニル-C(O)-、シクロアルキル-C(O)-、置換シクロアルキル-C(O)-、アリール-C(O)-、置換アリール-C(O)-、ヘテロアリール-C(O)-、置換ヘテロアリール-C(O)-、複素環-C(O)-、および置換複素環-C(O)-なる基を意味する。
「アシルアミノ」とは、-C(O)NRfRgなる基を意味し、ここでRfおよびRgは水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より独立に選択され、ここでRfおよびRgは一緒になって窒素原子と共に複素環または置換複素環を形成する。
「アシルオキシ」とは、アルキル-C(O)O-、置換アルキル-C(O)O-、アルケニル-C(O)O-、置換アルケニル-C(O)O-、アルキニル-C(O)O-、置換アルキニル-C(O)O-、アリール-C(O)O-、置換アリール-C(O)O-、シクロアルキル-C(O)O-、置換シクロアルキル-C(O)O-、ヘテロアリール-C(O)O-、置換ヘテロアリール-C(O)O-、複素環-C(O)O-、および置換複素環-C(O)O-なる基を意味する。
「アルケニル」とは、2〜10個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子、より好ましくは2〜4個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1部位、好ましくは1〜2部位のアルケニル不飽和を有するアルケニル基を意味する。
「置換アルケニル」とは、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシ、カルボキシエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より選択される、1〜3個の置換基、好ましくは1〜2個の置換基を有するアルケニル基を意味し、ただし任意のヒドロキシル置換はビニル炭素原子に結合していない。
「アルキニル」とは、2〜10個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子、より好ましくは2〜3個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1部位、好ましくは1〜2部位のアルキニル不飽和を有するアルキニル基を意味する。
「置換アルキニル」とは、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシ、カルボキシエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より選択される、1〜3個の置換基、好ましくは1〜2個の置換基を有するアルキニル基を意味し、ただし任意のヒドロキシル置換基はアセチレン炭素原子に結合していない。
「アミノ」とは、-NH2なる基を意味する。
「置換アミノ」とは、-NRhRiなる基を意味し、ここでRhおよびRiは水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群より独立に選択され、ここでRhおよびRiは一緒になってそれらに結合している窒素と共に複素環または置換複素環基を形成し、ただしRhおよびRiが両方とも水素であることはない。Rhが水素であり、Riがアルキルである場合、置換アミノ基は本明細書においてアルキルアミノと呼ぶこともある。RhおよびRiがアルキルである場合、置換アミノ基は本明細書においてジアルキルアミノと呼ぶこともある。
「アミノアシル」とは、-NRjC(O)アルキル、-NRjC(O)置換アルキル、-NRjC(O)-シクロアルキル、-NRjC(O)置換シクロアルキル、-NRjC(O)アルケニル、-NRjC(O)置換アルケニル、-NRjC(O)アルキニル、-NRjC(O)置換アルキニル、-NRjC(O)アリール、-NRjC(O)置換アリール、-NRjC(O)ヘテロアリール、-NRjC(O)置換ヘテロアリール、-NRjC(O)複素環、および-NRjC(O)置換複素環なる基を意味し、ここでRjは水素またはアルキルである。
「アリール」または「Ar」とは、一つの環(例えばフェニル)または複数の縮合環(例えばナフチルまたはアントリル)を有する、炭素原子6〜14個の一価芳香族炭素環基を意味し、この縮合環は結合点が芳香環原子であるとの条件で芳香族であってもなくてもよい(例えば、2-ベンゾキサゾリノン、2H-1,4-ベンゾキサジン-3(4H)-オン-7-イルなど)。好ましいアリールにはフェニルおよびナフチルが含まれる。
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、アリール-アルキル-なる基を意味し、例えばベンジルが含まれる。
「置換アリール」とは、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、カルボキシ、カルボキシエステル、シアノ、チオール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシからなる群より選択される、1〜3個、好ましくは1〜2個の置換基で置換されているアリール基を意味する。
「アリーレン」および「置換アリーレン」とは、前述の定義の二価のアリールおよび置換アリール基を意味する。「フェニレン」は6員の置換されていてもよいアリーレン基であり、例えば、1,2-フェニレ、1,3-フェニレン、および1,4-フェニレンが含まれる。
「アリールオキシ」とは、アリール-O-なる基を意味し、これには例えばフェノキシ、ナフトキシなどが含まれる。
「置換アリールオキシ」とは、置換アリール-O-基を意味する。
「カルボキシ」とは、-C(=O)OHまたはその塩を意味する。
「カルボキシエステル」とは、-C(O)O-アルキル、-C(O)O-置換アルキル、-C(O)O-アルケニル、-C(O)O-置換アルケニル、-C(O)O-アルキニル、-C(O)O-置換アルキニル、-C(O)O-アリール、-C(O)O-置換アリール、-C(O)O-ヘテロアリール、-C(O)O-置換ヘテロアリール、-C(O)O-複素環、および-C(O)O-置換複素環なる基を意味する。好ましいカルボキシエステルは-C(O)O-アルキル、-C(O)O-置換アルキル、-C(O)O-アリール、および-C(O)O-置換アリールである。
「シクロアルキル」とは、1〜3個のエキソカルボニルまたはチオカルボニル基を含むんでもよい一つまたは複数の環を有する、炭素原子3〜10個の環状アルキル基を意味する。適当なシクロアルキル基には、例えば、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、3-オキソシクロヘキシルなどが含まれる。複数の縮合環において、環の一つまたは複数はシクロアルキル以外(例えば、アリール、ヘテロアリールまたは複素環)であってもよく、ただし結合点はシクロアルキル基の炭素環原子である。一つの態様において、シクロアルキル基は1〜3個のエキソカルボニルまたはチオカルボニル基を含まない。もう一つの態様において、シクロアルキル基は1〜3個のエキソカルボニルまたはチオカルボニル基を含む。「エキソ」なる用語はシクロアルキル基の炭素環原子へのカルボニルまたはチオカルボニルの結合を意味することが理解される。
「置換シクロアルキル」とは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシ、カルボキシエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より選択される1〜5個の置換基を有するシクロアルキル基を意味する。
「シクロアルケニル」とは、1〜3個のエキソカルボニルまたはチオカルボニル基を含んでもよい一つまたは複数の環を有する、炭素原子5〜10個の環状アルケニル基を意味するが、芳香族基は意味しない。適当なシクロアルケニル基には、例えば、シクロペンチル、シクロヘキセニル、シクロオクテニル、3-オキソシクロヘキセニルなどが含まれる。複数の縮合環において、環の一つまたは複数はシクロアルケニル以外(例えば、アリール、ヘテロアリールまたは複素環)であってもよく、ただし結合点はシクロアルキル基の炭素環原子である。一つの態様において、シクロアルケニル基は1〜3個のエキソカルボニルまたはチオカルボニル基を含まない。もう一つの態様において、シクロアルケニル基は1〜3個のエキソカルボニルまたはチオカルボニル基を含む。「エキソ」なる用語はシクロアルケニル基の炭素環原子へのカルボニルまたはチオカルボニルの結合を意味することが理解される。
「置換シクロアルケニル」とは、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシ、カルボキシエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より選択される1〜5個の置換基を有するシクロアルケニル基を意味し、ただしヒドロキシル置換基については、結合点はビニル炭素原子ではない。
「シクロアルコキシ」とは、-O-シクロアルキル基を意味する。
「置換シクロアルコキシ」とは、-O-置換シクロアルキル基を意味する。
「グアニジノ」なる用語は、-NHC(=NH)NH2なる基を意味し、「置換グアニジノ」なる用語は-NRpC(=NRp)N(Rp)2を意味し、ここでRpはそれぞれ独立に水素またはアルキルである。
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味し、好ましくはフルオロまたはクロロである。
「ハロアルキル」とは、1〜5個のハロゲン基で置換されているアルキル基を意味する。ハロアルキルの一例はCF3である。
「ヘテロアリール」とは、環内に炭素原子1〜15個、好ましくは炭素原子1〜10個、ならびに酸素、窒素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子1〜4個の芳香族基を意味する。好ましくは、そのようなヘテロアリール基は、環内に炭素原子1〜15個、好ましくは炭素原子1〜10個、ならびに酸素、窒素および硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子1〜4個の芳香族基である。そのようなヘテロアリール基は、一つの環(例えばピリジルまたはフリル)または複数の縮合環(例えばインドリジニルまたはベンゾチエニル)を有することができる。ヘテロアリール基における硫黄原子は酸化されてスルホキシドおよびスルホン部分となってもよい。
「置換ヘテロアリール」とは、置換アリールについて定義した置換基と同じ群より選択される1〜3個の置換基で置換されているヘテロアリール基を意味する。
特定のヘテロアリールが「置換(されている)」、例えば置換キノリンと定義される場合、そのようなヘテロアリールは1〜3個の前述の置換基を含むことが理解される。
「ヘテロアリーレン」および「置換ヘテロアリーレン」とは、前述の定義の二価のヘテロアリールおよび置換ヘテロアリール基を意味する。
「ヘテロアリールオキシ」とは、-O-ヘテロアリールなる基を意味し、「置換ヘテロアリールオキシ」とは、-O-置換ヘテロアリールなる基を意味する。
「複素環」または「複素環(の)」または「ヘテロシクリル」とは、環内に炭素原子1〜10個、および窒素、硫黄または酸素からなる群より選択されるヘテロ原子1〜4個の、一つの環または複数の縮合環を有する飽和または不飽和基を意味し、この環は1〜3個のエキソカルボニルまたはチオカルボニル基を含んでいてもよい。好ましくは、そのような複素環基は、環内に炭素原子1〜10個、および窒素、硫黄または酸素からなる群より選択されるヘテロ原子1〜4個の、一つの環または複数の縮合環を有する飽和または不飽和基である。ヘテロアリール基における硫黄原子は酸化されてスルホキシドおよびスルホン部分となってもよい。
複数の縮合環において、環の一つまたは複数は複素環以外(例えば、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキル)であってもよく、ただし結合点は複素環原子である。一つの態様において、複素環基は1〜3個のエキソカルボニルまたはチオカルボニル基を含まない。好ましい態様において、複素環基は1〜3個のエキソカルボニルまたはチオカルボニル基を含む。「エキソ」なる用語は複素環基の炭素環原子へのカルボニルまたはチオカルボニルの結合を意味することが理解される。
「置換複素環」とは、置換シクロアルキルについて定義したものと同じ1〜3個の置換基で置換されている複素環基を意味する。置換複素環の好ましい置換基には、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、カルボキシ、カルボキシエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群より選択される1〜5個の置換基を有する複素環基が含まれる。
特定の複素環が「置換(されている)」と定義される、例えば置換モルホリノの場合、そのような複素環は1〜3個の前述の置換基を含むことが理解される。
複素環およびヘテロアリールの例には、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも呼ぶ)、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニルなどが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
「ヘテロシクリルオキシ」とは、-O-複素環なる基を意味し、「置換ヘテロシクリルオキシ」とは、-O-置換複素環なる基を意味する。
「チオール」とは、-SHなる基を意味する。
「同配体」とは、異なる分子式を有するが、同じまたは類似の性質を示す、異なる化合物である。例えば、テトラゾールとカルボン酸は非常に異なる分子式を有するにもかかわらず、テトラゾールはカルボン酸の性質に似ているため、テトラゾールはカルボン酸の同配体である。テトラゾールはカルボン酸の多くの可能な等配電子置換物の一つである。本発明によって企図される他のカルボン酸同配体には、-COOH、-SO3H、-SO2HNRk、-PO2(Rk)2、-CN、-PO3(Rk)2、-ORk、-SRk、-NHCORk、-N(Rk)2、-CON(Rk)2、-CONH(O)Rk、-CONHNHSO2Rk、-COHNSO2Rk、および-CONRkCNが含まれ、ここでRkは水素、ヒドロキシ、ハロ、ハロアルキル、チオカルボニル、アルコキシ、アルケノキシ、アルキルアリールオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、シアノ、ニトロ、イミノ、アルキルアミノ、アミノアルキル、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、スルホニル、アルキル、アルケニルまたはアルキニル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、およびCO2Rmから選択され、ここでRmは水素、アルキルまたはアルケニルである。加えて、カルボン酸同配体には、任意の化学的に安定な酸化状態のCH2、O、S、またはNの任意の組み合わせを含む5〜7員炭素環または複素環であって、この環構造の任意の原子は一つまたは複数の位置で置換されていてもよい、環が含まれうる。下記の構造は本発明によって企図される好ましい同配体の非限定例である:
式中、この環構造の原子は一つまたは複数の位置でRkにより置換されていてもよい。本発明は、化学置換基をカルボン酸同配体に付加する場合、本発明の化合物がカルボン酸同配体の性質を保持することを企図する。本発明は、カルボン酸同配体がRkから選択される一つまたは複数の部分で置換されていてもよい場合、置換が本発明の化合物のカルボン酸同配体の性質を除去しえないことを企図する。本発明は、カルボン酸同配体上の一つまたは複数のRk置換基の置き換えが、そのような置換基が本発明の化合物のカルボン酸同配体の性質を破壊するであろう場合には、本発明の化合物のカルボン酸同配体の性質を維持する、またはその性質にとって絶対必要である一つまたは複数の原子では許容されないことを企図する。
式中、この環構造の原子は一つまたは複数の位置でRkにより置換されていてもよい。本発明は、化学置換基をカルボン酸同配体に付加する場合、本発明の化合物がカルボン酸同配体の性質を保持することを企図する。本発明は、カルボン酸同配体がRkから選択される一つまたは複数の部分で置換されていてもよい場合、置換が本発明の化合物のカルボン酸同配体の性質を除去しえないことを企図する。本発明は、カルボン酸同配体上の一つまたは複数のRk置換基の置き換えが、そのような置換基が本発明の化合物のカルボン酸同配体の性質を破壊するであろう場合には、本発明の化合物のカルボン酸同配体の性質を維持する、またはその性質にとって絶対必要である一つまたは複数の原子では許容されないことを企図する。
「カルボン酸バイオ同配体」は、生物学的条件下でカルボン酸の同配体として挙動する化合物である。
本明細書において具体的に例示または記載しない他のカルボン酸同配体も本発明によって企図される。
「代謝物」とは、親化合物の投与後に被験者において生成される任意の誘導体を意味する。代謝物は親化合物から、例えば、酸化、還元、加水分解、または抱合などの被験者における様々な生化学的変換によって生成されうる。代謝物には、例えば、酸化物および脱メチル誘導体が含まれる。
「チオカルボニル」とは、-C(=S)-なる基を意味する。
「薬学的に許容される塩」とは、化合物の薬学的に許容される塩を意味し、この塩は当技術分野において周知の様々な有機および無機対イオンから誘導され、単なる例としてナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど;および分子が塩基性官能基を含む場合、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシレート、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの有機または無機酸の塩が含まれる。
「プロドラッグ」とは、インビボで代謝されて本発明の化合物またはその活性代謝物を提供する、一つまたは複数の官能基への当技術分野において認められている改変を意味する。ヒドロキシルおよび/またはアミノ置換のためのアシル基、一つまたは複数の側鎖ヒドロキシル基がアルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシまたは置換アリールオキシ基に変換されている1、2および3リン酸のエステルなどを含む、そのような官能基は当技術分野において公知である。
疾患を「治療すること」または「治療」とは、1)疾患の素因を有するか、もしくはまだその症状を示していない患者で疾患が起こるのを防止すること;2)疾患を阻害する、もしくはその発生を停止すること;または3)疾患を改善する、もしくはその退行を引き起こすことを意味する。「患者」とは、哺乳動物を意味し、ヒトおよび非ヒト哺乳動物を含む。
「互変異性体」とは、エノール-ケトおよびイミン-エナミン互変異性体、またはピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、およびテトラゾールなどの環-NH-部分および環=N-部分に結合した環原子を含むヘテロアリール基の互変異性体などの、プロトンの位置が異なる化合物の交替可能な形を意味する。
特に記載がないかぎり、本明細書において明確に定義されていない置換基の命名は、官能基の末端部分を命名し、続いて結合点に向かって隣接する官能基を命名することにより行う。例えば、置換基「アリールアルキルオキシカルボニル」とは(アリール)-(アルキル)-O-C(O)-なる基を意味し;「アルキルアリールオキシ」なる用語はアルキル-アリール-O-なる基を意味し;「アリールアルキルオキシ」なる用語はアリール-アルキル-O-なる基を意味し、「チオアルキル」とはSH-アルキル-を意味し;「アルキルチオ」とはアルキル-S-を意味するなどである。様々な置換基が別の名前であるが、等価の名前も有しうる。例えば、2-オキソ-エチルなる用語およびカルボニルメチルなる用語はいずれも-C(O)CH2-基を意味する。
前述の定義の置換されている基すべてにおいて、置換基をそれ自体へのさらなる置換基で規定することにより生じるポリマー(例えば、それ自体置換アリール基で置換されている置換基として置換アリール基を有する置換アリールであって、最初の置換アリール基は置換アリール基でさらに置換されているなど)は、本明細書への包含が意図されないことが理解される。そのような場合、そのような置換の最大数は3である。例えば、2つの他の置換アリール基による置換アリール基の連続置換は-置換アリール-(置換アリール)-置換アリールに制限される。
同様に、前述の定義は許容されない置換パターン(例えば、5個のフルオロ基で置換されているメチルまたはエテニルもしくはアセチレン不飽和に対してアルファのヒドロキシル基)を含むことが意図されないことも理解される。そのような許容されない置換パターンは当業者には周知である。
したがって、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、エステル、立体異性体、プロドラッグ、もしくは互変異性体が提供される:
式中:
Yはアリール、ヘテロアリール、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
HETは、6員アリーレン環、NまたはOまたはSから選択される1個または2個または3個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリーレン環、および下記の式を有する二環式環からなる群より選択され、
式中、HETは(X)tで置換されていてもよく、Xは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、ハロ、ヒドロキシ、およびニトロからなる群より選択され;tは0、1または2に等しい整数であり;W1、W4、およびW5は独立にNまたはCHであり;W3はNもしくはCHであるか、または、二環式環内の1個以下の窒素が酸化されてN-オキシドを生成してもよいとの条件で結合であり;かつ破線の一方が一重結合である場合、隣接する原子がそれぞれ1または2個の水素原子で置換されてその原子価を満たしているとの条件で、破線はそれぞれ独立に2個の隣接する原子間の一重結合または二重結合を表し;
DまたはEの一方はC-Raであり、DまたはEの他方はSであり;
RaおよびRは水素、アルキル、および置換アルキルからなる群より独立に選択され;
Qはシクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;かつ
Zは以下からなる群より選択される:
(a)カルボキシおよびカルボキシエステル;
(b)-C(X4)NR8R9、式中、X4は=O、=NH、または=N-アルキルであり、R8およびR9は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立に選択されるか、またはR8およびR9はそれらに結合している窒素原子と一緒になって複素環、置換複素環、ヘテロアリールもしくは置換ヘテロアリール環基を形成する;
(c)-C(X3)NR21S(O)2R4、式中、X3は=O、=NR24、および=Sから選択され、R24は水素、アルキル、または置換アルキルであり;R4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、およびNR22R23から選択され、R21、R22およびR23は独立に水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、もしくは置換シクロアルキルであるか;または、R21およびR22もしくはR22およびR23はそれらに結合している原子と一緒になって置換されていてもよい複素環基を形成する;
(d)-C(X2)-N(R3)CR2R2'C(=O)R1、式中、X2は=O、=S、および=NR11から選択され、R11は水素またはアルキルであり、R1は-OR7および-NR8R9から選択され、R7は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環から選択され;R8およびR9は前述の定義のとおりであり;
R2およびR2'は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環から独立に選択されるか;
または、定義のとおりのR2およびR2'はそれらに結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環基を形成するか、
さらにまたは、R2もしくはR2'の一方は水素、アルキルもしくは置換アルキルであり、他方はそれに結合している炭素原子と一緒になって、R7およびそれに結合している酸素原子もしくはR8およびそれに結合している窒素原子のいずれかと共に複素環もしくは置換複素環基を形成し;
R3は水素およびアルキルから選択されるか、または、R2およびR2'が一緒になって環を形成しない場合、ならびにR2もしくはR2'およびR7もしくはR8が一緒になって複素環もしくは置換複素環基を形成しない場合、R3はそれに結合している窒素原子と一緒になって、R2およびR2'の一方と一緒に複素環もしくは置換複素環基を形成してもよい;
(e)-C(X2)-N(R3)CR25R26R27、式中、X2およびR3は上で定義されており、かつR25、R26およびR27はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、複素環、置換複素環、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より独立に選択されるか、またはR25およびR26はそれらに結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環基を形成する;および
(f)(a)〜(e)において定義したものではない、カルボン酸同配体。
式中:
Yはアリール、ヘテロアリール、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
HETは、6員アリーレン環、NまたはOまたはSから選択される1個または2個または3個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリーレン環、および下記の式を有する二環式環からなる群より選択され、
式中、HETは(X)tで置換されていてもよく、Xは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、ハロ、ヒドロキシ、およびニトロからなる群より選択され;tは0、1または2に等しい整数であり;W1、W4、およびW5は独立にNまたはCHであり;W3はNもしくはCHであるか、または、二環式環内の1個以下の窒素が酸化されてN-オキシドを生成してもよいとの条件で結合であり;かつ破線の一方が一重結合である場合、隣接する原子がそれぞれ1または2個の水素原子で置換されてその原子価を満たしているとの条件で、破線はそれぞれ独立に2個の隣接する原子間の一重結合または二重結合を表し;
DまたはEの一方はC-Raであり、DまたはEの他方はSであり;
RaおよびRは水素、アルキル、および置換アルキルからなる群より独立に選択され;
Qはシクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;かつ
Zは以下からなる群より選択される:
(a)カルボキシおよびカルボキシエステル;
(b)-C(X4)NR8R9、式中、X4は=O、=NH、または=N-アルキルであり、R8およびR9は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立に選択されるか、またはR8およびR9はそれらに結合している窒素原子と一緒になって複素環、置換複素環、ヘテロアリールもしくは置換ヘテロアリール環基を形成する;
(c)-C(X3)NR21S(O)2R4、式中、X3は=O、=NR24、および=Sから選択され、R24は水素、アルキル、または置換アルキルであり;R4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、およびNR22R23から選択され、R21、R22およびR23は独立に水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、もしくは置換シクロアルキルであるか;または、R21およびR22もしくはR22およびR23はそれらに結合している原子と一緒になって置換されていてもよい複素環基を形成する;
(d)-C(X2)-N(R3)CR2R2'C(=O)R1、式中、X2は=O、=S、および=NR11から選択され、R11は水素またはアルキルであり、R1は-OR7および-NR8R9から選択され、R7は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環から選択され;R8およびR9は前述の定義のとおりであり;
R2およびR2'は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環から独立に選択されるか;
または、定義のとおりのR2およびR2'はそれらに結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環基を形成するか、
さらにまたは、R2もしくはR2'の一方は水素、アルキルもしくは置換アルキルであり、他方はそれに結合している炭素原子と一緒になって、R7およびそれに結合している酸素原子もしくはR8およびそれに結合している窒素原子のいずれかと共に複素環もしくは置換複素環基を形成し;
R3は水素およびアルキルから選択されるか、または、R2およびR2'が一緒になって環を形成しない場合、ならびにR2もしくはR2'およびR7もしくはR8が一緒になって複素環もしくは置換複素環基を形成しない場合、R3はそれに結合している窒素原子と一緒になって、R2およびR2'の一方と一緒に複素環もしくは置換複素環基を形成してもよい;
(e)-C(X2)-N(R3)CR25R26R27、式中、X2およびR3は上で定義されており、かつR25、R26およびR27はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、複素環、置換複素環、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より独立に選択されるか、またはR25およびR26はそれらに結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環基を形成する;および
(f)(a)〜(e)において定義したものではない、カルボン酸同配体。
もう一つの態様において、式(Ia)を有する化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体が提供される:
式中:
Yは置換アリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
Xはアミノ、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、およびハロからなる群より独立に選択され;
tは0、1または2に等しい整数であり;
Qはシクロヘキシルおよびシクロペンチルからなる群より選択され;
R12およびR13は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、-(CH2)0-3R16、および-NR17R18から独立に選択されるか、またはR12およびR13が両方とも水素であることはないとの条件で、R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子が置換または非置換の複素環を形成し;ここでR16はアリール、ヘテロアリール、または複素環であり;かつR17およびR18は独立に水素もしくはアルキルであるか、またはR17およびR18はそれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子4〜7個の複素環を形成し;
AまたはBの一方はC-Raであり、AまたはBの他方はSであり;
Raは水素、アルキル、および置換アルキルからなる群より選択され;かつ
Zはカルボキシ、カルボキシエステル、およびカルボン酸同配体からなる群より選択される。
式中:
Yは置換アリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
Xはアミノ、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、およびハロからなる群より独立に選択され;
tは0、1または2に等しい整数であり;
Qはシクロヘキシルおよびシクロペンチルからなる群より選択され;
R12およびR13は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、-(CH2)0-3R16、および-NR17R18から独立に選択されるか、またはR12およびR13が両方とも水素であることはないとの条件で、R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子が置換または非置換の複素環を形成し;ここでR16はアリール、ヘテロアリール、または複素環であり;かつR17およびR18は独立に水素もしくはアルキルであるか、またはR17およびR18はそれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子4〜7個の複素環を形成し;
AまたはBの一方はC-Raであり、AまたはBの他方はSであり;
Raは水素、アルキル、および置換アルキルからなる群より選択され;かつ
Zはカルボキシ、カルボキシエステル、およびカルボン酸同配体からなる群より選択される。
他の態様において、本発明は式(Ib)〜(Is)の化合物を提供する:
式中、Z、Ra、およびYは式(I)において先に定義したとおりであり、R12およびR13は式(Ia)において先に定義したとおりである。
式中、Z、Ra、およびYは式(I)において先に定義したとおりであり、R12およびR13は式(Ia)において先に定義したとおりである。
式(I)および(Ia)それぞれのいくつかの態様において、EはSである。他の態様において、DはCHであり、EはSである。
式(I)および(Ia)〜(Is)それぞれのいくつかの態様において、適当な場合、Raは水素である。他の態様において、Raは置換アルキル、置換アミノ、または置換アミノアルキルである。いくつかの局面において、Raは下記の置換基から選択される。
式(I)および(Ia)〜(Is)それぞれのいくつかの態様において、適当な場合、Qはシクロアルキルまたは置換シクロアルキルである。いくつかの態様において、Qはシクロアルキルである。他の態様において、Qはシクロアルケニルである。もう一つの態様において、Qはシクロヘキシルである。もう一つの態様において、Qはシクロヘキセニルである。さらにもう一つの態様において、Tはシクロペンチルである。
式(I)および(Ia)〜(Is)それぞれのいくつかの態様において、適当な場合、Zはカルボキシまたはカルボキシエステルである。もう一つの態様において、Zは-C(=O)OH、および-C(=O)OR''から選択され、ここでR''はアルキルである。もう一つの態様において、Zはカルボキシ、カルボン酸メチル、およびカルボン酸エチルから選択される。さらにもう一つの態様において、Zは-C(=O)OHである。
もう一つの態様において、Zはカルボン酸同配体である。もう一つの態様において、カルボン酸同配体はカルボン酸バイオ同配体である。もう一つの態様において、カルボン酸同配体は1H-テトラゾール-5-イルおよび5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イルから選択される。
もう一つの態様において、Zは-C(=O)NR8R9であり、ここでR8は水素であり、かつR9はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より選択される。Zが-C(=O)NR8R9であり、かつR8が水素であるもう一つの態様において、R9は置換アルキルである。Zが-C(=O)NR8R9であり、R8が水素であり、かつR9が置換アルキルであるもう一つの態様において、置換アルキルはスルホン酸(SO3H)、カルボキシ、カルボキシエステル、アミノ、置換アミノ、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より選択される1〜2個の置換基を含む。Zが-C(=O)NR8R9であり、R8が水素であり、かつR9が置換アルキルであるもう一つの態様において、置換アルキル基は3,4-ジメトキシベンジル、3,4-ジヒドロキシベンジル、3-メトキシ-4-ヒドロキシベンジル、4-アミノスルホニルベンジル、4-メチルスルホニルベンジル、(1-メチル-ピペリジン-3-イル)メチル、(1-メチル-ピロリジン-3-イル)メチル、フル-2-イルメチル、6-メチルピリジン-2-イルメチル、2-(1-メチル-ピロリジン-3-イル)エチル、1-フェニルエチル、1-(3-メトキシフェニル)-エチル、1-(4-メトキシフェニル)-エチル、N',N'-ジメチルアミノエチル、および2-(1H-ピラゾール-1-イル)エチルからなる群より選択される。
もう一つの態様において、ZはN-メチルカルボキサミド、N,N-ジメチルカルボキサミド、N-イソプロピル-カルボキサミド、N-アリル-カルボキサミド、および5-ヒドロキシ-トリプトファン-カルボニルから選択される。
もう一つの態様において、Zは-C(=O)NR8R9であり、ここでR9はアリールまたは置換アリールである。Zが-C(=O)NR8R9であるもう一つの態様において、R9は置換アリールである。Zが-C(=O)NR8R9であるもう一つの態様において、R9は7-ヒドロキシナフト-1-イル、6-ヒドロキシナフト-1-イル、5-ヒドロキシナフト-1-イル、6-カルボキシナフト-2-イル、(4-HOOCCH2-)フェニル、(3,4-ジカルボキシ)フェニル、3-カルボキシフェニル、3-カルボキシ-4-ヒドロキシフェニルおよび2-ビフェニルからなる群より選択される。
もう一つの態様において、Zは-C(=O)NR8R9であり、ここでR9はヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。Zが-C(=O)NR8R9であるもう一つの態様において、R9は置換ヘテロアリールである。Zが-C(=O)NR8R9であり、かつR9が置換ヘテロアリールであるもう一つの態様において、置換ヘテロアリールは4-メチル-2-オキソ-2H-クロメン-7-イル、1-フェニル-4-カルボキシ-1H-ピラゾール-5-イル、5-カルボキシピリド-2-イル、2-カルボキシピラジン-3-イル、および3-カルボキシチエン-2-イルからなる群より選択される。
もう一つの態様において、Zは-C(=O)NR8R9であり、ここでR9は複素環である。Zが-C(=O)NR8R9であり、かつR9が複素環であるもう一つの態様において、複素環基はN-モルホリノ、テトラヒドロフラニル、および1,1-ジオキシドテトラヒドロチエニルである。
もう一つの態様において、Zは-C(=O)NR8R9であり、ここでR8およびR9はそれらに結合している窒素原子と一緒になって複素環または置換複素環を形成する。Zが-C(=O)NR8R9であり、かつR8およびR9がそれらに結合している窒素原子と一緒になって環を形成するもう一つの態様において、複素環および置換複素環は1〜3個のヘテロ原子を含む4〜8員環を含む。Zが-C(=O)NR8R9であり、かつR8およびR9がそれらに結合している窒素原子と一緒になって置換されていてもよい複素環を形成するもう一つの態様において、1〜3個のヘテロ原子は1〜2個の窒素原子を含む。Zが-C(=O)NR8R9であり、かつR8およびR9がそれらに結合している窒素原子と一緒になって置換されていてもよい複素環を形成するもう一つの態様において、複素環または置換複素環はピペリジン、置換ピペリジン、ピペラジン、置換ピペラジン、モルホリノ、置換モルホリノ、チオモルホリノおよび置換チオモルホリノからなる群より選択され、ここでチオモルホリノまたは置換チオモルホリノ環の硫黄原子は酸化されてスルホキシドおよびスルホン部分を提供してもよい。Zが-C(=O)NR8R9であり、かつR8およびR9がそれらに結合している窒素原子と一緒になって置換されていてもよい複素環を形成するもう一つの態様において、複素環または置換複素環は4-ヒドロキシピペリジン-1-イル、1,2,3,4-テトラヒドロ-3-カルボキシ-イソキノリン-2-イル、4-メチルピペリジン-1-イル、モルホリン-4-イル、チオモルホリン-4-イル、4-メチル-ピペラジン-1-イル、および2-オキソ-ピペラジニルからなる群より選択される。
もう一つの態様において、Zは-C(X)N(R3)CR2R2'C(=O)R1である。
もう一つの態様において、Zは-C(O)NHCHR2C(=O)R1である。
もう一つの態様において、Zが-C(X)N(R3)CR2R2'C(=O)R1または-C(O)NHCHR2C(=O)R1であるとき、R2は水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より選択される。Zが-C(X)N(R3)CR2R2'C(=O)R1または-C(O)NHCHR2C(=O)R1であるもう一つの態様において、R2は水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、および置換シクロアルキルからなる群より選択される。Zが-C(X)N(R3)CR2R2'C(=O)R1または-C(O)NHCHR2C(=O)R1であるもう一つの態様において、R2は水素、メチル、1-メチルプロパ-1-イル、sec-ブチル、ヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエタ-1-イル、4-アミノ-n-ブチル、2-カルボキシエタ-1-イル、カルボキシメチル、ベンジル、(1H-イミダゾール-4-イル)メチル、(4-フェニル)ベンジル、(4-フェニルカルボニル)ベンジル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、2-メチルチオエタ-1-イル、イソプロピル、カルバモイルメチル、2-カルバモイルエタ-1-イル、(4-ヒドロキシ)ベンジル、および3-グアニジノ-n-プロピルからなる群より選択される。
もう一つの態様において、Zが-C(X)N(R3)CR2R2'C(=O)R1または-C(O)NHCHR2C(=O)R1であるとき、R1はヒドロキシ、アルコキシ、アミノ(N-モルホリノ)、アミノ、および置換アミノからなる群より選択される。Zが-C(X)N(R3)CR2R2'C(=O)R1または-C(O)NHCHR2C(=O)R1であるもう一つの態様において、R1はヒドロキシ、アルコキシ、アミノ(N-モルホリノ)、アミノ、および置換アミノからなる群より選択され、かつR2およびR3はそれぞれそれらに結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって複素環または置換複素環基を形成する。Zが-C(X)N(R3)CR2R2'C(=O)R1または-C(O)NHCHR2C(=O)R1であるもう一つの態様において、R1はヒドロキシ、アルコキシ、アミノ(N-モルホリノ)、アミノ、および置換アミノからなる群より選択され、かつR2およびR3はそれぞれそれらに結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって複素環または置換複素環基を形成し、複素環および置換複素環基はピロリジニル、2-カルボキシ-ピロリジニル、2-カルボキシ-4-ヒドロキシピロリジニル、および3-カルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-イルからなる群より選択される。
もう一つの態様において、Zは1-カルボキサミドシクロペンタ-1-イルアミノカルボニル、1-カルボキサミド-1-メチル-エタ-1-イルアミノカルボニル、5-カルボキシ-1,3-ジオキサン-5-イルアミノカルボニル、1-(N-メチルカルボキサミド)-1-(メチル)-エタ-1-イルアミノカルボニル、1-(N,N-ジメチルカルボキサミド)-1-(メチル)-エタ-1-イルアミノカルボニル、1-カルボキシ-1-メチル-エタ-1-イルアミノカルボニル、1-(N-メチルカルボキサミド)-シクロブタンアミノカルボニル、1-カルボキサミド-シクロブタンアミノカルボニル、1-(N,N-ジメチルカルボキサミド)-シクロブタンアミノカルボニル、1-(N-メチルカルボキサミド)-シクロペンタンアミノカルボニル、1-(N,N-ジメチルカルボキサミド)-シクロペンタンアミノカルボニル、1-(カルボキサミド)-シクロペンタンアミノカルボニル、3-[N-(4-(2-アミノチアゾール-4-イル)フェニル)アミノカルボニル]-ピペリジン-3-イルアミノカルボニル、3-カルボキサミド-ピロリジン-3-イルアミノカルボニル、[1-(4-(アクリル酸)-フェニル)アミノカルボニル)-シクロブタン-1-イル]アミノカルボニル、および[1-メチル-1-(4-(アクリル酸)-フェニル)アミノカルボニル)-エタ-1-イル]アミノカルボニルから選択される。
もう一つの態様において、Zは-C(O)NR21S(O)2R4である。Zが-C(O)NR21S(O)2R4であるもう一つの態様において、R4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より選択される。Zが-C(O)NR21S(O)2R4であるもう一つの態様において、R4はメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、フェニル、ベンジル、フェネチル、4-ブロモフェニル、4-ニトロフェニルまたは4-メチルフェニル、4-メトキシフェニル、2-アミノエチル、2-(ジメチルアミノ)エチル、2-N-ベンジルオキシアミノエチル、ピリジニル、チエニル、2-クロロチエン-5-イル、2-メトキシカルボニルフェニル、ナフチル、3-クロロフェニル、2-ブロモフェニル、2-クロロフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、4-フルオロフェニル、2-メチルフェニル、6-エトキシベンゾ[d]チアゾ-2-イル、4-クロロフェニル、3-メチル-5-フルオロベンゾ[b]チオフェン-1-イル、4-アセチルアミノフェニル、キノリン-8-イル、4-t-ブチルフェニル、シクロプロピル、2,5-ジメトキシフェニル、2,5-ジクロロ-4-ブロモ-チエン-3-イル、2,5-ジクロロ-チエン-3-イル、2,6-ジクロロフェニル、1,3-ジメチル-5-クロロ-1H-ピラゾール-4-イル、3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール-4-イル、2,6-ジフルオロフェニル、6-クロロ-イミダゾ[2,1-b]チアゾール-5-イル、2-(メチルスルホニル)フェニル、イソキノリン-8-イル、2-メトキシ-4-メチルフェニル、1,3,5-トリメチル-1H-ピラゾール-4-イル、1-フェニル-5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル、2,4,6-トリメチルフェニル、および2-カルバモイル-エタ-1-イルである。
もう一つの態様において、Zは水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、アミノ、置換アミノ、およびシアノから選択される。
もう一つの態様において、Zは-C(X2)-N(R3)CR25R26R27であり、ここでX2およびR3は上で定義されており、かつR25、R26およびR27はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、複素環、置換複素環、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールであるか、またはR25およびR26はそれらに結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環基を形成する。
もう一つの態様において、Zは1-(6-(3-カルボキシプロパ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロブタンアミノカルボニル、3-(6-(3-カルボキシプロパ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-1-メチルピロリジン-3-アミノカルボニル、1-(1-メチル-6-(3-カルボキシプロパ-2-エン-1-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロブタンアミノカルボニル、1-(ベンゾフラン-2-イル)-5-カルボキシ-シクロブタンアミノカルボニル、1-(2-メチルチアゾール-4-イル)-シクロブタンアミノカルボニル、1-(2-アセチルアミノ-チアゾール-4-イル)-シクロブタンアミノ、1-(2-メチルアミノ-チアゾール-4-イル)-シクロブタンアミノカルボニル、1-(2-エチルチアゾール-4-イル)-シクロブタンアミノカルボニル、および1-(シアノ)-シクロブタンアミノカルボニルから選択される。
式(I)および(Ia)〜(Is)それぞれのさらに他の態様において、適当な場合、Zはカルボキシ、カルボキシエステル、カルボン酸同配体、-C(O)NR8R9、または-C(O)NHS(O)2R4であり、ここでR8およびR9は前述の定義のとおりであり、かつR4はアルキルまたはアリールである。他の態様において、Zはカルボキシ、カルボン酸メチル、カルボン酸エチル、6-(β-D-グルクロン酸)エステル、1H-テトラゾール-5-イル、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、N-2-シアノ-エチルアミド、N-2-(1H-テトラゾール-5-イル)エチルアミド、メチルスルホニルアミノカルボニル、トリフルオロメチルスルホニルアミノカルボニル、またはフェニルスルホニルアミノカルボニルである。さらに他の態様において、Zはカルボキシである。さらに他の態様において、Zは-C(=O)OHである。
式(I)および(Ia)〜(Is)それぞれのいくつかの態様において、適当な場合、Z1は水素、ハロ、アルキル、およびハロアルキルからなる群より選択される。
式(I)および(Ia)〜(Is)それぞれのいくつかの態様において、適当な場合、RはCνH2ν-C(O)-OR23であり、ここでνは1、2または3であり;かつR23は水素、アルキルまたは置換アルキルである。RがCνH2ν-C(O)-OR23であるもう一つの態様において、νは1である。RがCνH2ν-C(O)-OR23であるもう一つの態様において、Rはカルボキシメチルまたはメチルカルボキシメチルである。
もう一つの態様において、Rは水素である。
もう一つの態様において、RはCνH2ν-C(O)-NR12R13であり、ここでνは1、2または3であり;R12およびR13は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシおよび-(CH2)0-3R16から選択され;R16はアリール、ヘテロアリール、複素環、-NR17R18であり;かつR17およびR18は水素、およびアルキルから独立に選択されるか、またはR17およびR18はそれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子4〜7個の複素環を形成し;あるいはR12およびR13が両方ともアルコキシおよび/または置換アルコキシであることはないとの条件で、R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子は複素環または置換複素環を形成する。もう一つの態様において、νは1である。RがCνH2ν-C(O)-NR12R13であるもう一つの態様において、NR12R13基はN,N-ジメチルアミノ-カルボニルメチル、[N-(4-ヒドロキシ-1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)アミノ]-カルボニルメチル、(シクロプロピルメチルアミノ)-カルボニルメチル、(プロパ-2-イン-1-イルアミノ)-カルボニルメチル、(2-(モルホリノ)エタ-1-イルアミノ)-カルボニルメチル、(フェニルスルホニルアミノ)-カルボニルメチル、[N-ベンジルアミノ]-カルボニルメチル、(N-(4-メチルスルホニル-ベンジル)アミノ)-カルボニルメチル、(トリプトファニル)-カルボニルメチル、(チロシン)-カルボニルメチル、(N-(1-カルボキシプロパ-1-イルアミノ)-カルボニルメチル、(N-(2-カルボキシエタ-1-イル)-アミノ)-カルボニルメチル、(N-(4-カルボキシベンジル)-アミノ)-カルボニルメチル、N-[3-(N'-(4-(アクリル酸)-フェニル)カルボキサミド)ピロリジン-3-イル]アミノ-カルボニルメチル、N-[4-(N'-(4-(アクリル酸)-フェニル)カルボキサミド)ピペリジン-4-イル]アミノ-カルボニルメチル、[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]-カルボニルメチル、[(1-(5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)エチル)アミノ]-カルボニルメチル、(1-メチル-1-[N-(1-メチル-2-カルボキシ-1H-インドール-5-イル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ-カルボニルメチル、[N-(1-メチルピロリジン-3-イル-エチル)-アミノ]-カルボニルメチル、(1-メチル-1-[N-(4-(アクリル酸)フェニル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ-カルボニルメチル、(1-メチル-1-[N-(4-(2-カルボキシ-フラン-5-イル)フェニル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ-カルボニルメチル、(1-メチル-1-[N-(4-(4-カルボキシ-チアゾール-2-イル)フェニル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ-カルボニルメチル、(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタ-1-イルアミノ)-カルボニルメチル、[(1-メチルピロリジン-3-イル)メチルアミノ]-カルボニルメチル、[N-(1-メチルピペリジン-3-イル-メチル)-アミノ]-カルボニルメチル、(1-ピペリジン-1-イルシクロペンチル)メチルアミノ]-カルボニルメチル、(1-(アセチル)-ピロリジン-2-イルメチル)アミノ)-カルボニルメチル、[(2-(N,N-ジメチルアミノ)-カルボニル)メチルアミノ]-カルボニルメチル、[N-(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)メチルアミノ]-カルボニルメチル、(N-メチル-N-シクロヘキシル-アミノ)-カルボニルメチル、(N-メチル-N-カルボキシメチル-アミノ)-カルボニルメチル、[N-メチル-N-ベンジル-アミノ]-カルボニルメチル、(N-メチル-N-(N',N'-ジメチルアミノアセチル)-アミノ)-カルボニルメチル、[N-メチル-N-フェニル-アミノ]-カルボニルメチル、(N-メチル-N-イソプロピル-アミノ)-カルボニルメチル、(N-メチル-N-(N'-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)-カルボニルメチル、[N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]-カルボニルメチル、[N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル-メチル)-アミノ]-カルボニルメチル、[N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-3-イル-メチル)-アミノ]-カルボニルメチル、[N-メチル-N-(1-メチルピラジン-2-イル-メチル)-アミノ]-カルボニルメチル、[N-メチル-N-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチル)-アミノ]-カルボニルメチル、(N-メチル-N-[2-(ヒドロキシ)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、(N-メチル-N-[2-(N',N'-ジメチルアミノ)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチ、N-メチル-N-[2-(N',N'-ジエチルアミノ)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、(N-メチル-N-[2-(ピリジン-2-イル)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、(N-メチル-N-[2-(ピリジン-4-イル)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、[N-メチル-N-(1-(1,3-チアゾール-2-イル)エチル)-アミノ]-カルボニルメチル、(N-メチル-N-[3-(N',N'-ジメチルアミノ)プロパ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、(N-メチル-N-(1-カルボキシ-2-メチルプロパ-1-イル)-アミノ)-カルボニルメチル、(N-エチル-N-プロピル-アミノ)-カルボニルメチル、(N-エチル-N-[2-(メトキシ)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、(N-エチル-N-[2-(N',N'-ジエチルアミノ)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、[7-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナ-2-イル]-カルボニルメチル、(5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2-イル)-カルボニルメチル、(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)-カルボニルメチル、(ピペリジニル)-カルボニルメチル、(4-カルボキシ-ピペリジニル)-カルボニルメチル、(3-カルボキシピペリジニル)-カルボニルメチル、(4-ヒドロキシピペリジニル)-カルボニルメチル、(4-(2-ヒドロキシエタ-1-イル)ピペリジン-1-イル)-カルボニルメチル、[4-(N,N-ジメチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-カルボニルメチル、(3-(N,N-ジメチルアミノ)-メチルピペリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(2-(2-(N,N-ジメチルアミノ)-エタ-1-イル)ピペリジン-1-イル)-カルボニルメチル、[4-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル]-カルボニルメチル、(4-ピロリジニル-ピペリジニル)-カルボニルメチル、(3-ピロリジニル-ピペリジニル)-カルボニルメチル、[4-(N,N-ジエチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-カルボニルメチル、(4-(アゼチジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(4-(ピペリジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル)-カルボニルメチル、[(2-(N,N-ジメチルアミノ)-メチル)モルホリノ]-カルボニルメチル、(3,5-ジメチルモルホリノ)-カルボニルメチル、(チオモルホリノ)-カルボニルメチル、モルホリノ-カルボニルメチル、(ピロリジニル)-カルボニルメチル、(2-カルボキシ-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(2-(カルボキシ)-4-ヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(2-カルボキサミド-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(2-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(3-(N',N'-ジメチルアミノ)-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(3-(N',N'-ジエチルアミノ)-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(3-(ピリジン-3-イル)-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(2-ピイジン-4-イルピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、ピペラジン-1-イル-カルボニルメチル、(4-メチルピペラジニル)-カルボニルメチル、(4-(カルボキシメチル)-ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチル、(4-(2-ヒドロキシエタ-1-イル)ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチル、(4-(イソプロピル)ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチル、(4-(2-メトキシエタ-1-イル)ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチル、(4-(エチル)ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチル、(4-(N',N'-ジメチルアミノアセチル)-ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチル、および(4-(6-メトキシピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチルから選択される。
もう一つの態様において、Rはモルホリノカルボニルメチル、N,N-ジメチルアミノカルボニルメチル、(4-ピロリジニル-ピペリジン-1-イル)カルボニルメチル、ピペラジニルカルボニルメチルから選択される。いくつかの局面において、Rはモルホリノカルボニルメチル、N,N-ジメチルアミノカルボニルメチル、(4-ピロリジニル-ピペリジン-1-イル)カルボニルメチル、ピペラジニルカルボニルメチルの酸化物である。
もう一つの態様において、Rは[(N,N-ジメチルアミノ)プロパ-2-エン-1-イル]-カルボニルメチル、(N,N-ジメチルピペリジン-4-アミニウムトリフルオロアセタート)アセチル、2-(N,N-ジメチルピペリジン-4-アミニウムトリフルオロアセタート)モルホリノアセチル、(2-(ジイソプロピル)エタ-1-イル)-カルボニルメチル、(ピリジン-4-イルカルボニルヒドラジノ)-カルボニルメチル、(N-(4-カルボキシベンジル)-アミノ)カルボニルヒドラジノ)-カルボニルメチル、(アセチルヒドラジノ)-カルボニルメチル、((N',N'-ジメチルアミノメチル-カルボニル)ヒドラジノ)-カルボニルメチルから選択される。
さらに他の態様において、Rは置換アルキルであり、ここで置換アルキルはアミノアルキル、置換アミノアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、-CH2COOH、および-CH2CONR12R13からなる群より選択され、ここでR12およびR13は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、-(CH2)0-3R16、および-NR17R18から独立に選択されるか、またはR12およびR13が両方とも水素であることはないとの条件で、R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子が置換または非置換の複素環を形成し;ここでR16はアリール、ヘテロアリール、または複素環であり;かつR17およびR18は独立に水素もしくはアルキルであるか、またはR17およびR18はそれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子4〜7個の複素環を形成する。
他の態様において、Rは-CH2CONR12R13であり、R12またはR13の少なくとも一方はアルキル、置換アルキル、またはヘテロアリールである。いくつかの局面において、R12またはR13の少なくとも一方はメチル、カルボキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-モルホリン-4-イルエチル、またはテトラゾイル-5-イルである。他の局面において、Rは1-メチル-ピペリジン-4-イル、1-メチル-ピペリジン-3-イルメチル、およびチアゾール-2-イルカルバモイルメチルである。
さらに他の態様において、Rは-CH2CONR12R13であり、R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子が置換または非置換の複素環を形成する。いくつかの局面において、R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子が置換もしくは非置換のモルホリノ環、置換もしくは非置換のピペリジニル環、または置換もしくは非置換のピロリジニル環を形成する。他の局面において、置換または非置換のモルホリノ環、ピペリジニル環、またはピロリジニル環はモルホリノ、4-ピロリジン-1-イル-ピペリジニル、ピペリジニル、4-ヒドロキシピペリジニル、4-カルボキシピペリジニル、4-ジメチルアミノピペリジニル、4-ジエチルアミノピペリジニル、2-メチルピロリジニル、4-モルホリン-4-イル-ピペリジニル、3,5-ジメチル-モルホリン-4-イル、4-メチルピペリジニルからなる群より選択される。
いくつかの態様において、R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子はN,N-ジメチルアミノ、N-(4-ヒドロキシ-1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)アミノ、シクロプロピルメチルアミノ、プロパ-2-イン-1-イルアミノ、2-(モルホリノ)エタ-1-イルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、N-ベンジルアミノ、N-(4-メチルスルホニル-ベンジル)アミノ、トリプトファニル、チロシン、N-1-カルボキシプロパ-1-イルアミノ、N-(2-カルボキシエタ-1-イル)-アミノ、N-(4-カルボキシベンジル)-アミノ、N-[3-(N'-(4-(アクリル酸)-フェニル)カルボキサミド)ピロリジン-3-イル]アミノ、N-[4-(N'-(4-(アクリル酸)-フェニル)カルボキサミド)ピペリジン-4-イル]アミノ、2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ、(1-(5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)エチル)アミノ、1-メチル-1-[N-(1-メチル-2-カルボキシ-1H-インドール-5-イル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ、N-(1-メチルピロリジン-3-イル-エチル)-アミノ、1-メチル-1-[N-(4-(アクリル酸)フェニル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ、1-メチル-1-[N-(4-(2-カルボキシ-フラン-5-イル)フェニル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ、1-メチル-1-[N-(4-(4-カルボキシ-チアゾール-2-イル)フェニル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタ-1-イルアミノ、(1-メチルピロリジン-3-イル)メチルアミノ、N-(1-メチルピペリジン-3-イル-メチル)-アミノ、(1-ピペリジン-1-イルシクロペンチル)メチルアミノ、1-(アセチル)-ピロリジン-2-イルメチル)アミノ、(2-(N,N-ジメチルアミノ)-カルボニル)メチルアミノ、N-(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)メチルアミノ、N-メチル-N-シクロヘキシル-アミノ、N-メチル-N-カルボキシメチル-アミノ、N-メチル-N-ベンジル-アミノ、N-メチル-N-(N',N'-ジメチルアミノアセチル)-アミノ、N-メチル-N-フェニル-アミノ、N-メチル-N-イソプロピル-アミノ、N-メチル-N-(N'-メチルピペリジン-4-イル)アミノ、N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ、N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル-メチル)-アミノ、N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-3-イル-メチル)-アミノ、N-メチル-N-(1-メチルピラジン-2-イル-メチル)-アミノ、N-メチル-N-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチル)-アミノ、N-メチル-N-[2-(ヒドロキシ)エタ-1-イル]アミノ、N-メチル-N-[2-(N',N'-ジメチルアミノ)エタ-1-イル]アミノ、N-メチル-N-[2-(N',N'-ジエチルアミノ)エタ-1-イル]アミノ、N-メチル-N-[2-(ピリジン-2-イル)エタ-1-イル]アミノ、N-メチル-N-[2-(ピリジン-4-イル)エタ-1-イル]アミノ、N-メチル-N-(1-(1,3-チアゾール-2-イル)エチル)-アミノ、N-メチル-N-[3-(N',N'-ジメチルアミノ)プロパ-1-イル]アミノ、N-メチル-N-(1-カルボキシ-2-メチルプロパ-1-イル)-アミノ、N-エチル-N-プロピル-アミノ、N-エチル-N-[2-(メトキシ)エタ-1-イル]アミノ、N-エチル-N-[2-(N',N'-ジエチルアミノ)エタ-1-イル]アミノ、7-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナ-2-イル、5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2-イル、4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル、ピペリジニル、4-カルボキシ-ピペリジニル、3-カルボキシピペリジニル、4-ヒドロキシピペリジニル、4-(2-ヒドロキシエタ-1-イル)ピペリジン-1-イル、4-(N,N-ジメチルアミノ)-ピペリジン-1-イル、3-(N,N-ジメチルアミノ)-メチルピペリジン-1-イル、2-(2-(N,N-ジメチルアミノ)-エタ-1-イル)ピペリジン-1-イル、4-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル、4-ピロリジニル-ピペリジニル、3-ピロリジニル-ピペリジニル、4-(N,N-ジエチルアミノ)-ピペリジン-1-イル、4-(アゼチジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル、4-(ピペリジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル、ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル、(2-(N,N-ジメチルアミノ)-メチル)モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、モルホリノ、ピロリジニル、2-カルボキシ-ピロリジン-1-イル、2-(カルボキシ)-4-ヒドロキシ-ピロリジン-1-イル、2-カルボキサミド-ピロリジン-1-イル、2-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)-ピロリジン-1-イル、3-(N',N'-ジメチルアミノ)-ピロリジン-1-イル、3-(N',N'-ジエチルアミノ)-ピロリジン-1-イル、3-(ピリジン-3-イル)-ピロリジン-1-イル、2-ピイジン-4-イルピロリジン-1-イ、ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジニル、4-(カルボキシメチル)-ピペラジン-1-イル、4-(2-ヒドロキシエタ-1-イル)ピペラジン-1-イル、4-(イソプロピル)ピペラジン-1-イル、4-(2-メトキシエタ-1-イル)ピペラジン-1-イル、4-(エチル)ピペラジン-1-イル、4-(N',N'-ジメチルアミノアセチル)-ピペラジン-1-イル、4-(6-メトキシピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル、および2-ジメチルアミノメチルモルホリン-4-イルより選択される基を形成する。
いくつかの態様において、HETはキノリニレンおよび置換キノリニレンから選択される。もう一つの態様において、HETはキノリニレン、イソキノリニレン、7-メチル-キノリニレン、7-トリフルオロメチル-キノリニレン、8-フルオロ-キノリニレンおよび7-フルオロ-キノリニレンから選択される。さらにもう一つの態様において、HETは2-[置換]-キノリン-6-イル、2-[置換]-7-メチル-キノリニル、2-[置換]-7-フルオロ-キノリニル、2-[置換]-7-トリフルオロメチル-キノリニル、および2-[置換]-8-フルオロ-キノリニルである。
いくつかの態様において、HETは、(X)tで置換されていてもよい
であり、ここでX、t、W1、W3、W4、およびW5は先に定義している。いくつかの態様において、W1は窒素である。他の局面において、HETは
からなる群より選択される。
であり、ここでX、t、W1、W3、W4、およびW5は先に定義している。いくつかの態様において、W1は窒素である。他の局面において、HETは
からなる群より選択される。
いくつかの態様において、HETは(X)tで置換されていてもよい1,4-フェニレンであり、ここでXおよびtは先に定義している。
いくつかの態様において、tは0である。
もう一つの態様において、tは1であり、かつXはアミノ、ニトロ、メチル、またはハロである。
いくつかの態様において、Yは置換アリールまたは置換ヘテロアリールである。
いくつかの態様において、Yは以下からなる群より選択される:置換ビフェニル;置換フェニル;フェニル環に縮合してもよく、かつNまたはOまたはSからなる群より独立に選択される1個または2個または3個のヘテロ原子を有する、置換6員ヘテロアリール環であって、ヘテロ原子NまたはSが酸化されていてもよい、置換6員ヘテロアリール環;および、フェニル環に縮合してもよく、かつNまたはOまたはSからなる群より独立に選択される1個または2個または3個のヘテロ原子を有する、置換5員ヘテロアリール環であって、ヘテロ原子NまたはSが酸化されていてもよい、置換5員ヘテロアリール環。いくつかの態様において、Yは、フェニル環に縮合してもよく、かつNまたはOまたはSからなる群より独立に選択される1個または2個または3個のヘテロ原子を有する、置換5員ヘテロアリール環であって、ヘテロ原子NまたはSは酸化されていてもよい、置換5員ヘテロアリール環である。
もう一つの態様において、-Yは-Ar1-(G1)qであり、ここでAr1はアリーレンおよびヘテロアリーレンから選択され、G1はハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アミノ、置換アミノ、カルボキシおよびカルボキシエステルから選択され;かつqは1〜3の整数である。-Yが-Ar1-(G1)qであるもう一つの態様において、Ar1はフェニル、チアゾリル、フラニル、チエニル、ピリジニル、ピラジニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、イミダゾリル、およびピロリジニルから選択される。-Yが-Ar1-(G1)qであるもう一つの態様において、G1はブロモ、クロロ、メチル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、アセチル、アセトアミド、カルボキシ、およびアミノから選択される。もう一つの態様において、Yは2,4-ジメチルチアゾール-5-イル、3-ブロモ-4-アミノフェニル、3-アミド-4-ヒドロキシ-フェニル、2-ヒドロキシ-6-メトキシ-フェニル、4-(アセチルアミノ)-フェニル、2,4-ジヒドロキシフェニル、2,4-ジメトキシ-6-ヒドロキシフェニル、および7-ヒドロキシベンゾフラニルから選択される。
もう一つの態様において、Yは-Ar1-Ar2-であり、ここで-Ar1Ar2-基は-アリール-アリール、-アリール-置換アリール、-置換アリール-アリール、-置換アリール-置換アリール、-アリール-ヘテロアリール、-アリール-置換ヘテロアリール、-置換アリール-ヘテロアリール、-置換アリール-置換ヘテロアリール、ヘテロアリール-アリール、ヘテロアリール-置換アリール、置換ヘテロアリール-アリール、置換ヘテロアリール-置換アリール、-アリール-シクロアルキル、-アリール-置換シクロアルキル、-置換アリール-シクロアルキル、-置換アリール-置換シクロアルキル、-アリール-複素環、アリール-置換複素環、置換アリール-複素環、および置換アリール-置換複素環からなる群より選択される。
Yが-Ar1-Ar2-であるもう一つの態様において、-Ar1-Ar2-基は4'-クロロ-4-メトキシビフェン-2-イル、ビフェン-2-イル、ビフェン-4-イル、4-アミノ-4'-クロロビフェン-2-イル、4'-アミノメチル-4-メトキシビフェン-2-イル、4-カルバモイル-4'-メトキシビフェン-2-イル、4-カルバモイル-4'-フルオロビフェン-2-イル、4-カルバモイル-4'-メトキシビフェン-2-イル、4-カルバモイル-4'-ニトロビフェン-2-イル、4-(カルバモイルメチル-カルバモイル)ビフェン-2-イル、4-(カルバモイルメチルカルバモイル)-4'-クロロビフェン-2-イル、4-カルボキシ-4'-クロロビフェン-2-イル、3-カルボキシ-4'-メトキシビフェン-2-イル、4-カルボキシ-4'-メトキシビフェン-2-イル、4'-カルボキシ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ビフェン-2-イル、4-カルボキシメトキシビフェン-2-イル、4-カルボキシメトキシ-4'-クロロビフェン-2-イル、4'-クロロビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-クロロビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(ジメチルアミノエチルカルバモイルビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(2-エトキシエトキシ)ビフェン-2-イル、3'-クロロ-4'-フルオロ-4-メトキシビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-フルオロビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-ヒドロキシビフェン-2-イル、3'-クロロ-4-メトキシビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-メチルカルバモイルビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(2-メトキシエトキシ)ビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-ニトロビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(2-オキソ-2-ピロリジン-1-イルエトキシ)ビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ビフェン-2-イル、4'-シアノ-4-メトキシビフェン-2-イル、3',4'-ジクロロ-4-メトキシビフェン-2-イル、4,4'-ジメトキシビフェン-2-イル、3',4'-ジメトキシ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ビフェン-2-イル、4'-ジメチルアミノ-4-メトキシビフェン-2-イル、4-(2-ジメチルアミノエチルカルバモイル)ビフェン-2-イル、4'-エトキシ-4-メトキシビフェン-2-イル、4'-フルオロ-4-メトキシビフェン-2-イル、4-ヒドロキシビフェニル、4-メトキシビフェニル、4-メトキシ-4'-ヒドロキシビフェン-2-イル、4-(2-メトキシエトキシ)ビフェン-2-イル、4-メトキシ-4'-メチルビフェン-2-イル、4-メトキシ-3'-ニトロビフェン-2-イル、4-メトキシ-4'-ニトロビフェン-2-イル、4-メチルカルバモイルビフェン-2-イル、3'-メチル-4-メトキシビフェン-2-イル、4'-ニトロ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ビフェン-2-イル、4-(2-オキソ-2-ピロリジン-1-イルエトキシ)ビフェン-2-イル、4-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ビフェン-2-イル、および4'-トリフルオロメチル-4-メトキシビフェン-2-イルからなる群より選択される。
Yが-Ar1-Ar2-であるもう一つの態様において、-Ar1-Ar2-基は4-(1H-イミダゾール-1-イル)フェニル、2-フラン-2-イル-5-メトキシフェニル、5-メトキシ-2-チオフェン-2-イルフェニル、2-(2,4-ジメトキシピリミジン-5-イル)-4-メトキシフェニル、2-(ピリド-4-イル)フェニル、3-アミノ-5-フェニルチオフェン-2-イル、5-(4-クロロフェニル)-2-メチルフラン-2-イル、3-(4-クロロフェニル)-5-メチルイソキサゾール-4-イル、2-(4-クロロフェニル)-4-メチルチアゾール-5-イル、3-(3,4-ジクロロ-フェニル)イソキサゾール-5-イル、3,5-ジメチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル、5-メチル-2-フェニルチオフェン-3-イル、および1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イルからなる群より選択される。
Yが-Ar1-Ar2-であるもう一つの態様において、-Ar1-Ar2-基は2-シクロヘキシル-N,N-ジメチルアミノ-カルボニルメチル-5-メトキシフェニル、および4-モルホリノフェニルからなる群より選択される。
さらに他の態様において、Yは置換キノリル、置換ベンゾフリル、置換チアゾリル、置換フリル、置換チエニル、置換ピリジニル、置換ピラジニル、置換オキサゾリル、置換イソキサゾリル、置換ピロリル、置換イミダゾリル、置換ピロリジニル、置換ピラゾリル、置換イソチアゾリル、置換1,2,3-オキサジアゾリル、置換1,2,3-トリアゾリル、置換1,3,4-チアジアゾリル、置換ピリミジニル、置換1,3,5-トリアジニル、置換インドリジニル、置換インドリル、置換イソインドリル、置換インダゾリル、置換ベンゾチエニル、置換ベンズチアゾリル、置換プリニル、置換キノリジニル、置換キノリニル、置換イソキノリニル、置換シンノリニル、置換フタラジニル、置換キナゾリニル、置換キノキサリニル、置換1,8-ナフチリジニル、および置換プテリジニルからなる群より選択される。いくつかの態様において、Yはアルキル、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アミノ、置換アミノ、カルボキシ、およびカルボキシエステルからなる群より独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている。さらに他の局面において、Yは2,4-ジメチルチアゾール-5-イルである。
いくつかの態様において、Yは表1の対応するY基から選択される。
本発明の好ましい化合物またはその薬学的に許容される塩、部分塩、もしくは互変異性体には、以下の表1に示すものが含まれる。
本発明は、式(I)、(Ia)〜(Is)の化合物、または表1の化合物のいずれかの代謝物をさらに提供する。いくつかの局面において、代謝物は酸化物である。
本発明は、薬学的に許容される希釈剤および本明細書に記載の化合物の一つまたはそのような化合物の一つもしくは複数の混合物の治療的有効量を含む薬学的組成物も目的とする。
本発明はさらに、哺乳動物における、少なくとも部分的にはHCVなどのフラビウイルス科のウイルスによって媒介される、ウイルス感染症の治療法であって、該ウイルス感染症と診断された、または該ウイルス感染症を発症するリスクを有する哺乳動物に、薬学的に許容される希釈剤および本明細書に記載の化合物の一つまたはそのような化合物の一つもしくは複数の混合物の治療的有効量を含む薬学的組成物を投与する段階を含む方法も目的とする。もう一つの局面において、本発明は、感染症を治療または予防するための医薬を調製するための、化合物の使用を提供する。他の局面において、哺乳動物はヒトである。
本発明のさらにもう一つの態様において、哺乳動物におけるウイルス感染症の治療または予防法であって、HCVに対して活性な一種または複数種の薬剤の治療的有効量の投与と組み合わせて本発明の化合物を投与する方法が提供される。HCVに対する活性薬剤には、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、サイモシンα-1、NS3セリンプロテアーゼの阻害剤、およびイノシン一リン酸デヒドロゲナーゼの阻害剤、単独またはリバビリンもしくはビラミジンと組み合わせた、インターフェロンα、ペグインターフェロンαが含まれる。好ましくは、HCVに対して活性な追加の薬剤は、単独またはリバビリンもしくはビラミジンと組み合わせた、インターフェロンαまたはペグインターフェロンαである。
一般合成法
本発明の化合物は、容易に入手可能な出発原料から、下記の一般法および手順を用いて調製することができる。典型的または好ましい処理条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧など)が示されている場合、特に明記されない限り、他の処理条件も用いうることが理解されるであろう。最適な反応条件は用いる特定の反応物または溶媒によって変動しうるが、そのような条件は当業者であれば日常的な最適化法によって決定することができる。
本発明の化合物は、容易に入手可能な出発原料から、下記の一般法および手順を用いて調製することができる。典型的または好ましい処理条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧など)が示されている場合、特に明記されない限り、他の処理条件も用いうることが理解されるであろう。最適な反応条件は用いる特定の反応物または溶媒によって変動しうるが、そのような条件は当業者であれば日常的な最適化法によって決定することができる。
加えて、当業者には明らかであるとおり、特定の官能基が望ましくない反応を受けるのを防止するために、通常の保護基が必要であることもある。様々な官能基のための適当な保護基、ならびに特定の官能基を保護および脱保護するための適当な条件は、当技術分野において周知である。例えば、多くの保護基がT. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protecting Groups in Organic Synthesis, Third Edition, Wiley, New York, 1999、およびその中の引用文献に記載されている。
本発明の化合物が一つまたは複数のキラル中心を含む場合、そのような化合物は純粋な立体異性体として、すなわち個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーとして、または立体異性体を多く含む混合物として調製または単離することができる。そのような立体異性体(および立体異性体を多く含む混合物)はすべて、特に明記されない限り、本発明の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体(または立体異性体を多く含む混合物)は、例えば、光学活性な出発原料または当技術分野において周知の立体選択的試薬を用いて調製しうる。または、そのような化合物のラセミ混合物を、例えば、キラルカラムクロマトグラフィー、キラル分割剤などを用いて分離することもできる。
スキーム1
一つの態様において、式(I)の化合物を上のスキーム1に示すとおり遷移金属触媒クロスカップリング反応により調製し、ここで、LおよびL'は適当なクロスカップリング置換基であり、P'は水素、窒素保護基、またはRであり、かつZ、D、E、R、Q、HET、およびYは先に定義したとおりである。典型的には、LまたはL'の一方はSn、B、Zr、またはZn系の金属(例えば-BOH2、Sn(CH3)3など)であり、LまたはL'の他方はハロゲンまたはスルホン酸エステルなどの脱離基である。適当なハロゲンおよびスルホン酸エステルには、Cl、Br、I、-OSO2CF3、および-OSO2CH3が含まれる。適当な遷移金属触媒にはPdおよびNi系触媒(例えばPd(PPh3)2Cl2、Pd[P(Ph3)]4など)が含まれる。一つの態様において、1.1または1.2の一方は-B(OH)2であるLを有し、LまたはL'がハロゲンである1.1または1.2の化合物を触媒量の二塩化トリフェニルホスフィンパラジウム(II)存在下、過剰のビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロンで処理することにより調製する。得られたボロン酸をLがハロゲンまたはスルホン酸エステルである1.1または1.2の他方と、鈴木カップリング条件下でカップリングさせて式(I)の化合物または中間体1.3を生成する。適当なカップリング条件には、Pd[P(Ph)3]4およびNaHCO3を含む還流メタノール中、10〜20時間の1.1および1.2の反応が含まれる。P'がHまたは保護基である場合、保護基を除去し、続いて得られたNH基を官能基化して化合物(I)を得る。この変換の具体例をスキーム5に示す。
一つの態様において、式(I)の化合物を上のスキーム1に示すとおり遷移金属触媒クロスカップリング反応により調製し、ここで、LおよびL'は適当なクロスカップリング置換基であり、P'は水素、窒素保護基、またはRであり、かつZ、D、E、R、Q、HET、およびYは先に定義したとおりである。典型的には、LまたはL'の一方はSn、B、Zr、またはZn系の金属(例えば-BOH2、Sn(CH3)3など)であり、LまたはL'の他方はハロゲンまたはスルホン酸エステルなどの脱離基である。適当なハロゲンおよびスルホン酸エステルには、Cl、Br、I、-OSO2CF3、および-OSO2CH3が含まれる。適当な遷移金属触媒にはPdおよびNi系触媒(例えばPd(PPh3)2Cl2、Pd[P(Ph3)]4など)が含まれる。一つの態様において、1.1または1.2の一方は-B(OH)2であるLを有し、LまたはL'がハロゲンである1.1または1.2の化合物を触媒量の二塩化トリフェニルホスフィンパラジウム(II)存在下、過剰のビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロンで処理することにより調製する。得られたボロン酸をLがハロゲンまたはスルホン酸エステルである1.1または1.2の他方と、鈴木カップリング条件下でカップリングさせて式(I)の化合物または中間体1.3を生成する。適当なカップリング条件には、Pd[P(Ph)3]4およびNaHCO3を含む還流メタノール中、10〜20時間の1.1および1.2の反応が含まれる。P'がHまたは保護基である場合、保護基を除去し、続いて得られたNH基を官能基化して化合物(I)を得る。この変換の具体例をスキーム5に示す。
スキーム2
一つの態様において、化合物1.1はスキーム2に示すとおりに合成することができ、ここで例示のために、DはCHであり、EはSであり、ZはCOOPであり、Qはシクロヘキシルであり、Pはアルキルなどのヒドロキシ保護基であり、P'は窒素保護基であり、かつLはハロゲンである。チオフェン2.1を硝酸および硫酸の混合物で処理してニトロ化合物2.2を生成する。ニトロ化合物を還元し、続いて得られたアミンをt-ブチルオキシカルボニルなどの保護基P'で保護して、化合物2.3を得る。チオフェン2.3をN-ブロモスクシンイミド(NBS)などのハロゲン化剤で処理して臭化物2.4を生成することができる。2.4をトリメチルシリルアセチレン、CuI、およびPdCl2(PPh3)2に曝露することによりアセチレン2.5を得、これを次いでn-Bu4NFで処理し、マイクロ波照射して2.6を生成する。化合物2.6を次にシクロヘキサノンおよびナトリウムエトキシドと、エタノール中、還流条件下で反応させて、シクロヘキセン2.7を生成し、これを次いでH2およびPd(OH)2/Cまたはトリエチルシランなどの還元剤で還元してシクロヘキサン2.8とする。化合物2.8を次いで官能基化してR基を導入することもでき、または環窒素を保護した後にNBSなどのハロゲン化剤で処理してカップリング相手2.9を生成することもできる。
一つの態様において、化合物1.1はスキーム2に示すとおりに合成することができ、ここで例示のために、DはCHであり、EはSであり、ZはCOOPであり、Qはシクロヘキシルであり、Pはアルキルなどのヒドロキシ保護基であり、P'は窒素保護基であり、かつLはハロゲンである。チオフェン2.1を硝酸および硫酸の混合物で処理してニトロ化合物2.2を生成する。ニトロ化合物を還元し、続いて得られたアミンをt-ブチルオキシカルボニルなどの保護基P'で保護して、化合物2.3を得る。チオフェン2.3をN-ブロモスクシンイミド(NBS)などのハロゲン化剤で処理して臭化物2.4を生成することができる。2.4をトリメチルシリルアセチレン、CuI、およびPdCl2(PPh3)2に曝露することによりアセチレン2.5を得、これを次いでn-Bu4NFで処理し、マイクロ波照射して2.6を生成する。化合物2.6を次にシクロヘキサノンおよびナトリウムエトキシドと、エタノール中、還流条件下で反応させて、シクロヘキセン2.7を生成し、これを次いでH2およびPd(OH)2/Cまたはトリエチルシランなどの還元剤で還元してシクロヘキサン2.8とする。化合物2.8を次いで官能基化してR基を導入することもでき、または環窒素を保護した後にNBSなどのハロゲン化剤で処理してカップリング相手2.9を生成することもできる。
スキーム3
スキーム1に記載のL'-HET-Y基1.2は、当技術分野において周知の通常の方法により調製することができる。スキーム3は、そのような収束合成において用いるのに適したHET-Y基を調製するための一つの一般的方法を例示する。スキーム3はブロモおよびヒドロキシル置換アリールまたはヘテロアリール化合物3.1を用い、これは一つまたは複数のX基でさらに置換してもよい(示していない)。必要があれば、ヒドロキシル基を通常の保護基Pgで保護することができ、これらは当技術分野において周知である。化合物3.3は、3.1を通常の鈴木条件下でボロン酸3.2と反応させることによって生成し、3.2は上のスキーム1に記載の様式で、対応するY-Br化合物から調製することができる。Pgが水素ではないとき、保護基を通常の方法で除去することができる。得られた化合物3.3のヒドロキシル基を次に通常の条件下で、スキーム1のカップリング段階で用いるための化合物1.2に変換することができる。
スキーム1に記載のL'-HET-Y基1.2は、当技術分野において周知の通常の方法により調製することができる。スキーム3は、そのような収束合成において用いるのに適したHET-Y基を調製するための一つの一般的方法を例示する。スキーム3はブロモおよびヒドロキシル置換アリールまたはヘテロアリール化合物3.1を用い、これは一つまたは複数のX基でさらに置換してもよい(示していない)。必要があれば、ヒドロキシル基を通常の保護基Pgで保護することができ、これらは当技術分野において周知である。化合物3.3は、3.1を通常の鈴木条件下でボロン酸3.2と反応させることによって生成し、3.2は上のスキーム1に記載の様式で、対応するY-Br化合物から調製することができる。Pgが水素ではないとき、保護基を通常の方法で除去することができる。得られた化合物3.3のヒドロキシル基を次に通常の条件下で、スキーム1のカップリング段階で用いるための化合物1.2に変換することができる。
下記のスキーム4は、化合物1.1との鈴木カップリングに適したブロモ基を有するキノリニルHET-Y基の調製を例示する。このキノリニル基は例示のために示すにすぎないことが理解される。
スキーム4
スキーム4において、市販のアミノ2-メチル-4-ニトロベンゼン、化合物4.1を対応するブロモ-2-メチル-ニトロベンゼン、化合物4.2に、等モル量の亜硝酸ナトリウム、過剰のHBrおよび触媒量の臭化銅(II)を用いての通常の条件下で変換する。反応は好ましくは化合物4.1を不活性溶媒中、約-10〜10℃の温度で過剰の臭化水素水溶液(例えば、48%HBr)と混合することにより行う。水に溶解した等モル量の亜硝酸ナトリウムを反応混合物に、反応温度を維持しながらゆっくり加える。次いで触媒量の固体臭化銅(I)を反応混合物に加え、これを室温よりもわずかに低い温度まで昇温させる。反応完了を示す窒素発生の停止まで反応を監視する。その後、得られた生成物、ブロモ-2-メチル-ニトロベンゼン、化合物4.2を蒸発、抽出、沈澱、ろ過、クロマトグラフィーなどの通常の技術により単離することもでき;または精製および/または単離せずに次の段階で用いることもできる。
スキーム4において、市販のアミノ2-メチル-4-ニトロベンゼン、化合物4.1を対応するブロモ-2-メチル-ニトロベンゼン、化合物4.2に、等モル量の亜硝酸ナトリウム、過剰のHBrおよび触媒量の臭化銅(II)を用いての通常の条件下で変換する。反応は好ましくは化合物4.1を不活性溶媒中、約-10〜10℃の温度で過剰の臭化水素水溶液(例えば、48%HBr)と混合することにより行う。水に溶解した等モル量の亜硝酸ナトリウムを反応混合物に、反応温度を維持しながらゆっくり加える。次いで触媒量の固体臭化銅(I)を反応混合物に加え、これを室温よりもわずかに低い温度まで昇温させる。反応完了を示す窒素発生の停止まで反応を監視する。その後、得られた生成物、ブロモ-2-メチル-ニトロベンゼン、化合物4.2を蒸発、抽出、沈澱、ろ過、クロマトグラフィーなどの通常の技術により単離することもでき;または精製および/または単離せずに次の段階で用いることもできる。
化合物4.1の適当な例には、2-ニトロ-3-メチルアニリン、4-メチル-3-ニトロアニリン(いずれもAldrich Chemical Company, Milwaukee, Wisconsin, USAから市販されている)ならびに3-メチル-4-ニトロアニリン(Lancaster Synthesis Inc.から市販されている)などの市販の変異形が含まれる。
化合物4.2を次に、過剰のN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、化合物4.3との反応により、(E)-2-(ブロモ-2-ニトロフェニル)ビニルジメチルアミン、化合物4.4に変換する。反応は典型的には、DMFなどの適当な溶媒中、不活性雰囲気下で行う。好ましくは、反応は約100℃から160℃の高温で行う。反応を実質的に完了するまで続けるが、典型的には約1〜6時間以内に完了する。反応完了後、得られた生成物を蒸発、抽出、沈澱、ろ過、クロマトグラフィーなどの通常の技術により単離することもでき;または精製および/または単離せずに次の段階で用いることもできる。
(E)-2-(ブロモ-2-ニトロフェニル)ビニルジメチルアミン、化合物4.4の酸化は大過剰の過ヨウ素酸ナトリウムとの接触により進行し、ブロモ-2-ニトロベンズアルデヒドを生じる。この反応は典型的にはテトラヒドロフラン、ジオキサンの水性混合物などの不活性希釈剤中で行う。好ましくは、反応は周囲温度で行い、実質的に完了するまで続けるが、典型的には約0.5〜6時間以内に完了する。反応完了後、得られた生成物、ブロモ2-ニトロベンズアルデヒド、化合物4.5を蒸発、抽出、沈澱、ろ過、クロマトグラフィーなどの通常の技術により単離することもでき;または精製および/または単離せずに次の段階で用いることもできる。
化合物4.5の通常の還元により、対応するブロモ2-アミノベンズアルデヒド、化合物4.10を生じる。
別に、塩化ブロモ-5-メトキシベンゾイル、化合物4.7(Maybridgeより入手可能)をジメチル亜鉛との反応により、対応するブロモ-3-アセチル-メトキシベンゼン、化合物4.8に変換する。反応は典型的にはベンゼン、トルエン、キシレンなどの適当な不活性希釈剤中で行う。ジメチル亜鉛は自然発火性であるため、好ましくは、ジメチル亜鉛は化合物4.7の添加前に溶媒中に入れておく。好ましくは、反応は最初は約-10〜約10℃の温度で行い、次いで室温までゆっくり戻す。反応を実質的に完了するまで続けるが、典型的には約0.2〜2時間以内に完了する。反応完了後、得られた生成物、ブロモ-3-アセチル-メトキシ-ベンゼン(化合物4.8)を蒸発、抽出、沈澱、ろ過、クロマトグラフィーなどの通常の技術により単離することもでき;または精製および/または単離せずに次の段階で用いることもできる。
または、塩化ブロモ-5-メトキシベンゾイル、化合物4.7を2-ブロモ-5-メトキシ安息香酸(Aldrich Chemical Company, Milwaukee, Wisconsin, USAから入手可能)などの対応する市販のブロモ-5-メトキシ安息香酸から、酸ハロゲン化物への変換により調製することができる。酸ハロゲン化物はカルボン酸を塩化チオニル、三塩化リン、三臭化リンもしくは五塩化リンなどの無機酸ハロゲン化物と、または好ましくは塩化オキサリルと、通常の条件下で接触させることにより調製することができる。一般にはこの反応は、約1〜5モル当量の無機酸ハロゲン化物または塩化オキサリルをニートまたはジクロロメタンもしくは四塩化炭素などの不活性溶媒中のいずれかで用い、約0℃から約80℃の範囲の温度で約1〜約48時間行う。この反応において、DMFなどの触媒を用いてもよい。
市販のクロロフェニルボロン酸、化合物4.9を化合物4.8と、通常の鈴木条件下でカップリングさせて、クロロフェニル置換3-アセチルメトキシベンゼン、化合物4.6を生成する。2-、3-および4-クロロフェニルボロン酸はAldrich Chemical Company、上記から市販されている。
化合物4.6を次いで化合物4.10と縮合条件下でカップリングさせて、2-ビアリール-6-ブロモキノリン、化合物4.11を得る。この反応は、好ましくはほぼ化学量論量の両化合物4.6および4.10を、エタノール、イソプロパノールなどの適当な不活性溶媒中、水酸化カリウムなどの適当な塩基存在下、不活性雰囲気下で混合することにより行う。好ましくは、反応は約70℃から約100℃の温度で行い、実質的に完了するまで進めるが、典型的には約2〜16時間以内に完了する。反応完了後、得られた生成物、化合物4.11を蒸発、抽出、沈澱、ろ過、クロマトグラフィーなどの通常の技術により単離することもでき;または精製および/または単離せずに次の段階で用いることもできる。
スキーム5
スキーム1に記載の合成に加えて、式(I)の化合物を他の方法で調製することもできる。スキーム5は一つのそのような方法を示しており、ここで例示のために、ZはCOOHであり、DはCHであり、EはSであり、Qはシクロヘキシルであり、かつRa、およびHET-Y基は化合物5.14において示すとおりである。化合物5.1を市販(Aldrich)の5.2と、フリードランダーの条件を用いて縮合させ、キノリン5.3を生成する。そのような条件の例を以下の実施例2に示す。化合物5.3を、水素化リチウムアルミニウムなどの公知の方法を用いて対応するアルコール5.4に変換し、続いてデス・マーチン試薬を用いて再酸化して、アルデヒド5.5を得ることができる。市販のチオフェン5.6を硝酸/硫酸での処理により5.7に変換する。次いで、化合物5.7および5.5をMeOH中、触媒量のピロリジン存在下で一緒に還流し、ニトロ-オレフィン5.8を生成する。次に、化合物5.8を亜リン酸トリエチルと共に還流してチエノ-ピロール誘導体5.9を得る。5.9をシクロヘキサノンと共に、酢酸、無水酢酸、およびリン酸存在下で加熱することにより、スキーム2のとおりにシクロヘキシル環を導入し、5.10を得る。化合物5.10をトリエチルシランで還元して5.11とする。5.11を市販の5.12とDMF中、標準のアルキル化条件を用いて反応させ、アセトアミド部分を導入して5.13を生成し、これをLiOH水溶液でけん化して所望の生成物5.14を得る。
スキーム1に記載の合成に加えて、式(I)の化合物を他の方法で調製することもできる。スキーム5は一つのそのような方法を示しており、ここで例示のために、ZはCOOHであり、DはCHであり、EはSであり、Qはシクロヘキシルであり、かつRa、およびHET-Y基は化合物5.14において示すとおりである。化合物5.1を市販(Aldrich)の5.2と、フリードランダーの条件を用いて縮合させ、キノリン5.3を生成する。そのような条件の例を以下の実施例2に示す。化合物5.3を、水素化リチウムアルミニウムなどの公知の方法を用いて対応するアルコール5.4に変換し、続いてデス・マーチン試薬を用いて再酸化して、アルデヒド5.5を得ることができる。市販のチオフェン5.6を硝酸/硫酸での処理により5.7に変換する。次いで、化合物5.7および5.5をMeOH中、触媒量のピロリジン存在下で一緒に還流し、ニトロ-オレフィン5.8を生成する。次に、化合物5.8を亜リン酸トリエチルと共に還流してチエノ-ピロール誘導体5.9を得る。5.9をシクロヘキサノンと共に、酢酸、無水酢酸、およびリン酸存在下で加熱することにより、スキーム2のとおりにシクロヘキシル環を導入し、5.10を得る。化合物5.10をトリエチルシランで還元して5.11とする。5.11を市販の5.12とDMF中、標準のアルキル化条件を用いて反応させ、アセトアミド部分を導入して5.13を生成し、これをLiOH水溶液でけん化して所望の生成物5.14を得る。
スキーム6
もう一つの態様において、式(I)の化合物をスキーム6に示すとおりに合成し、スキーム中、例示のために、DはSであり、EはCHであり、ZはCOOPであり、Qはシクロヘキシルであり、Pはアルキルなどのヒドロキシ保護基であり、P'は窒素保護基であり、L'はハロゲンなどの脱離基であり、かつHETおよびYは先に定義したとおりである。化合物6.1をシアノ酢酸メチルと、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基存在下で反応させてアルキル化生成物6.2を生成する。6.2をHClガスに曝露してピロール6.3を得、これを次いで臭化ベンジルおよびNaHとの反応により、P'がベンジルである6.4などの保護ピロールに変換することができる。次に、6.4を水素化ジイソブチルアルミニウムで還元して対応するアルコールとし、続いて(n-Pr)4NRuO4/N-メチルモルホリンN-酸化物などの酸化剤により酸化してアルデヒド6.5とする2段階法などにより、エステル6.4をアルデヒド6.5に変換する。THF中、アルデヒド6.5のチオグリコール酸メチルおよびカリウムtert-ブトキシドとの反応により化合物6.6を得、これをシクロヘキシル部分を導入するためのスキーム5と同様の様式で官能基化して6.7を得ることができる。同様に、P'保護基を6.7から除去することができ、R基をスキーム5に記載のとおりに導入して、式(I)の化を得ることができる。
もう一つの態様において、式(I)の化合物をスキーム6に示すとおりに合成し、スキーム中、例示のために、DはSであり、EはCHであり、ZはCOOPであり、Qはシクロヘキシルであり、Pはアルキルなどのヒドロキシ保護基であり、P'は窒素保護基であり、L'はハロゲンなどの脱離基であり、かつHETおよびYは先に定義したとおりである。化合物6.1をシアノ酢酸メチルと、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基存在下で反応させてアルキル化生成物6.2を生成する。6.2をHClガスに曝露してピロール6.3を得、これを次いで臭化ベンジルおよびNaHとの反応により、P'がベンジルである6.4などの保護ピロールに変換することができる。次に、6.4を水素化ジイソブチルアルミニウムで還元して対応するアルコールとし、続いて(n-Pr)4NRuO4/N-メチルモルホリンN-酸化物などの酸化剤により酸化してアルデヒド6.5とする2段階法などにより、エステル6.4をアルデヒド6.5に変換する。THF中、アルデヒド6.5のチオグリコール酸メチルおよびカリウムtert-ブトキシドとの反応により化合物6.6を得、これをシクロヘキシル部分を導入するためのスキーム5と同様の様式で官能基化して6.7を得ることができる。同様に、P'保護基を6.7から除去することができ、R基をスキーム5に記載のとおりに導入して、式(I)の化を得ることができる。
スキーム7
スキーム7は、ニトロ化合物7.3とアルデヒド7.6とのカップリングから生成した中間体7.8の合成を例示している。チオフェン7.1を、無水酢酸および硝酸の溶液への添加などによる適当なニトロ化条件下でニトロ化して酸7.2を生成し、次いでこれをエステル化して中間体エステル7.3を得る。カップリング相手7.6を2-クロロ-6-メチルキノリン7.4から出発して調製する。7.4をNBS(N-ブロモスクシンイミド)などの適当なハロゲン化試薬で処理してハロゲン化し、一および二臭化物の混合物7.5を得る。次いで、混合物を50%水性エタノールなどの水性溶媒中、ヘキサメチレンテトラミンなどのアミン存在下で還流し、酸による後処理後にアルデヒド7.6を得る。ニトロ化合物7.3およびアルデヒド7.6をメタノールなどのアルコール系溶媒中で一緒に還流し、これに触媒量のピロリジンなどのアミンを加えてオレフィン7.7を得、次いでこれを亜リン酸トリエチルで処理して環化チエノピロール7.8を生成する。7.8の調製の詳細を実施例4に示す。
スキーム7は、ニトロ化合物7.3とアルデヒド7.6とのカップリングから生成した中間体7.8の合成を例示している。チオフェン7.1を、無水酢酸および硝酸の溶液への添加などによる適当なニトロ化条件下でニトロ化して酸7.2を生成し、次いでこれをエステル化して中間体エステル7.3を得る。カップリング相手7.6を2-クロロ-6-メチルキノリン7.4から出発して調製する。7.4をNBS(N-ブロモスクシンイミド)などの適当なハロゲン化試薬で処理してハロゲン化し、一および二臭化物の混合物7.5を得る。次いで、混合物を50%水性エタノールなどの水性溶媒中、ヘキサメチレンテトラミンなどのアミン存在下で還流し、酸による後処理後にアルデヒド7.6を得る。ニトロ化合物7.3およびアルデヒド7.6をメタノールなどのアルコール系溶媒中で一緒に還流し、これに触媒量のピロリジンなどのアミンを加えてオレフィン7.7を得、次いでこれを亜リン酸トリエチルで処理して環化チエノピロール7.8を生成する。7.8の調製の詳細を実施例4に示す。
投与および薬学的組成物
本発明は、C型肝炎ウイルスなどのフラビウイルス科のウイルスを含む抗ウイルス活性を有する新規化合物を提供する。本発明の化合物は、RNA依存性RNAポリメラーゼを含む複製に関与する酵素を阻害することにより、ウイルス複製を阻害する。これらはフラビウイルス科のウイルスの活性または増殖において用いられる他の酵素も阻害しうる。
本発明は、C型肝炎ウイルスなどのフラビウイルス科のウイルスを含む抗ウイルス活性を有する新規化合物を提供する。本発明の化合物は、RNA依存性RNAポリメラーゼを含む複製に関与する酵素を阻害することにより、ウイルス複製を阻害する。これらはフラビウイルス科のウイルスの活性または増殖において用いられる他の酵素も阻害しうる。
一般に、本発明の化合物は、類似の有用性を提供する薬剤に対して認められている任意の投与様式により、治療的有効量で投与することになる。本発明の化合物、すなわち活性成分の実際の量は、治療する疾患の重症度、被験者の年齢および相対的健康、用いる化合物の効力、投与の経路および様式、ならびに他の因子などの多くの因子に依存することになる。薬物は1日に複数回、好ましくは1日に1回または2回投与することができる。
本発明の化合物の治療的有効量は1日に受容者の体重1kgあたり約0.01〜50mg;好ましくは約0.01〜25mg/kg/日、より好ましくは約0.1〜10mg/kg/日の範囲でありうる。したがって、70kgの人に投与するためには、用量範囲は最も好ましくは1日に約7〜70mgとなる。
本発明は任意の特定の組成物または薬学的担体に限定されることはなく、したがって変動しうる。一般に、本発明の化合物は以下の経路のいずれか一つにより薬学的組成物として投与することになる:経口、全身(例えば、経皮、鼻内または坐剤による)、または非経口(例えば、筋肉内、静脈内または皮下)投与。好ましい投与様式は、苦痛の程度に応じて調節することができる都合のよい1日投与計画を用いての経口投与である。組成物は錠剤、丸剤、カプセル剤、半固体、散剤、徐放性製剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、エアロゾル、または任意の他の適当な組成物の形を取ることができる。本発明の化合物のもう一つの好ましい投与様式は吸入である。
製剤の選択は薬物の投与様式および薬物のバイオアベイラビリティなどの様々な因子に依存する。吸入による送達のために、化合物を溶液、懸濁液、エアロゾル噴射剤または乾燥粉末として製剤し、投与用の適当なディスペンサーに充填することができる。いくつかの型の薬学的吸入装置-ネブライザー吸入器、定量噴霧式吸入器(MDI)およびドライパウダー吸入器(DPI)がある。ネブライザー装置は、治療薬(液体で製剤されている)を患者の気道に運ばれるミストとして噴霧させる、高速の空気流を生じる。MDIは典型的には圧縮ガスと共に包装された製剤である。作動後、装置は圧縮ガスにより測定した量の治療薬を放出し、したがって信頼性のある一定量の薬剤の投与法を提供する。DPIは、装置による呼吸中に、患者の吸気流中に分散しうる流動性粉末の形で治療薬を投与する。流動性粉末を得るために、治療薬を乳糖などの賦形剤と共に製剤する。治療薬の測定量をカプセルの形で保存し、各作動時に投与する。
最近、表面積を大きくする、すなわち、粒径を小さくすることによりバイオアベイラビリティを増大させうるという原理に基づき、特にバイオアベイラビリティの低い薬物のための薬学的製剤が開発された。例えば、米国特許第4,107,288号は、活性材料が高分子の架橋マトリックス上に支持されている、粒径10〜1,000nmの範囲の粒子を有する薬学的製剤を記載している。米国特許第5,145,684号は、薬物を表面調節剤存在下でナノ粒子(平均粒径400nm)に粉砕し、次いで液体媒質中に分散させて顕著に高いバイオアベイラビリティを示す薬学的製剤を得る、薬学的製剤の製造を記載している。
組成物は通常、本発明の化合物と、少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤との組合せからなる。許容される賦形剤は、非毒性で、投与を助け、特許請求される化合物の治療上の利益に有害な影響を与えない。そのような賦形剤は任意の固体、液体、半固体、またはエアロゾル組成物の場合は、当業者には一般に入手可能なガス賦形剤でありうる。
固体薬学的賦形剤には、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、脱脂粉乳などが含まれる。液体および半固体賦形剤は、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールおよび石油、動物、植物または合成起源のものを含む様々な油、例えば、落花生油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油、などから選択しうる。特に注射用液剤のために好ましい液体担体には、水、食塩水、水性デキストロース、およびグリコールが含まれる。
本発明の化合物をエアロゾルの形に分散するために、圧縮ガスを用いてもよい。この目的に適した不活性ガスは窒素、二酸化炭素などである。他の適当な薬学的賦形剤およびそれらの製剤はRemington's Pharmaceutical Sciences, edited by E. W. Martin (Mack Publishing Company, 18th ed., 1990)に記載されている。
製剤中の化合物の量は当業者によって用いられる全範囲内で変動しうる。典型的には、製剤は、重量パーセント(重量%)ベースで、全製剤の約0.01〜99.99重量%の本発明の化合物を含むことになり、残りは一つまたは複数の適当な薬学的賦形剤である。好ましくは、化合物は約1〜80重量%のレベルで存在する。代表的な薬学的製剤を以下の製剤実施例の項に記載する。
また本発明は、本発明の化合物の治療的有効量と、RNA依存性RNAウイルス、特にHCVに対するもう一つの活性薬剤の治療的有効量との組み合わせを含む、薬学的組成物を対象とする。HCVに対して活性な薬剤には、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、サイモシンα-1、HCV NS3セリンプロテアーゼの阻害剤、またはイノシン一リン酸デヒドロゲナーゼの阻害剤、インターフェロン-α、ペグ化インターフェロン-α(ペグインターフェロン-α)、インターフェロン-αとリバビリンの組み合わせ、ペグインターフェロン-αとリバビリンの組み合わせ、インターフェロン-αとレボビリンの組み合わせ、およびペグインターフェロン-αとレボビリンの組み合わせが含まれるが、それらに限定されるわけではない。インターフェロン-αには、組換えインターフェロン-α2a(Hoffman-LaRoche、Nutley、NJから入手可能なROFERONインターフェロンなど)、インターフェロン-α2b(Schering Corp.、Kenilworth、New Jersey、USAから入手可能なIntron-Aインターフェロンなど)、コンセンサスインターフェロン、および精製インターフェロン-α生成物が含まれるが、それらに限定されるわけではない。リバビリンおよびHCVに対するその活性の議論については、J.O. Saunders and S.A. Raybuck, "Inosine Monophosphate Dehydrogenase: Consideration of Structure, Kinetics and Therapeutic Potential," Ann. Rep. Med. Chem., 35:201-210 (2000)参照。
C型肝炎ウイルスに対して活性な薬剤には、HCVプロテアーゼ、HCVポリメラーゼ、HCVヘリカーゼ、HCV NS4Bタンパク質、HCV侵入、HCV構築、HCV放出、HCV NS5Aタンパク質、およびイノシン5'一リン酸デヒドロゲナーゼを阻害する薬剤も含まれる。他の薬剤にはHCV感染症治療のためのヌクレオシド類縁体が含まれる。さらに他の化合物には、国際公開公報第2004/014313号および国際公開公報第2004/014852号、ならびにその中で引用されている参照文献に開示されているものが含まれる。特許出願国際公開公報第2004/014313号および国際公開公報第2004/014852号はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
具体的な抗ウイルス剤には、Omega IFN(BioMedicines Inc.)、BILN-2061(Boehringer Ingelheim)、Summetrel(Endo Pharmaceuticals Holdings Inc.)、Roferon A(F. Hoffman-La Roche)、Pegasys(F. Hoffman-La Roche)、Pegasys/Ribaravin(F. Hoffman- La Roche)、CellCept(F. Hoffman-La Roche)、Wellferon(GlaxoSmithKline)、Albuferon-α(Human Genome Sciences Inc.)、Levovirin(ICN Pharmaceuticals)、IDN-6556(Idun Pharmaceuticals)、IP-501(Indevus Pharmaceuticals)、Actimmune(InterMune Inc.)、Infergen A(InterMune Inc.)、ISIS 14803(ISIS Pharamceuticals Inc.)、JTK-003(Japan Tobacco Inc.)、Pegasys/Ceplene(Maxim Pharmaceuticals)、Ceplene(Maxim Pharmaceuticals)、Civacir(Nabi Biopharmaceuticals Inc.)、Intron A/Zadaxin(RegeneRx)、Levovirin(Ribapharm Inc.)、Viramidine(Ribapharm Inc.)、Heptazyme(Ribozyme Pharmaceuticals)、Intron A(Schering-Plough)、PEG-Intron(Schering-Plough)、Rebetron(Schering-Plough)、Ribavirin(Schering-Plough)、PEG-Intron/Ribavirin(Schering-Plough)、Zadazim(SciClone)、Rebif(Serono)、IFN-β/EMZ701(Transition Therapeutics)、T67(Tularik Inc.)、VX-497(Vertex Pharmaceuticals Inc.)、VX-950/LY-570310(Vertex Pharmaceuticals Inc.)、Omniferon(Viragen Inc.)、XTL-002(XTL Biopharmaceuticals)、SCH 503034(Schering-Plough)、isatoribineとそのプロドラッグANA971およびANA975(Anadys)、R1479(Roche Biosciences)、Valopicitabine(Idenix)、NIM811(Novartis)、ならびにActilon(Coley Pharmaceuticals)が含まれる。
いくつかの態様において、本発明の組成物および方法は本発明の化合物およびインターフェロンを含む。いくつかの局面において、インターフェロンはインターフェロンα2B、ペグインターフェロンα、コンセンサスインターフェロン、インターフェロンα2A、およびリンパ芽球性インターフェロンタウからなる群より選択される。
他の態様において、本発明の組成物および方法は本発明の化合物を含み、抗HCV活性を有する化合物はインターロイキン2、インターロイキン6、インターロイキン12、1型ヘルパーT細胞応答の発生を増強する化合物、干渉RNA、アンチセンスRNA、イミキモド、リバビリン、イノシン5'一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤、アマンタジン、およびリマンタジンからなる群より選択される。
さらに他の態様において、抗HCV活性を有する化合物はリバビリン、レボビリン、ビラミジン、サイモシンα-1、NS3セリンプロテアーゼの阻害剤、およびイノシン一リン酸デヒドロゲナーゼの阻害剤、単独またはリバビリンもしくはビラミジンと組み合わせたインターフェロン-αまたはペグインターフェロン-αである。
もう一つの態様において、抗HCV活性を有する化合物は、単独またはリバビリンもしくはビラミジンと組み合わせたインターフェロン-αまたはペグインターフェロン-αである。
実施例
以下の実施例および前述の合成スキームにおいて、下記の略語は下記の意味を有する。略語が定義されていない場合、その略語は一般に認められた意味を有する。
μL=マイクロリットル
μM=マイクロモル濃度
μg=マイクログラム
NMR=核磁気共鳴
br=幅広
d=二重線
δ=化学シフト
dd=二重線の二重線
DMEM=ダルベッコ改変イーグル培地
DMF=N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
DTT=ジチオスレオトール
EDTA=エチレンジアミン四酢酸
ESI=エレクトロスプレーイオン化
g=グラム
hまたはhr=時間
HCV=C型肝炎ウイルス
HPLC=高性能液体クロマトグラフィー
Hz=ヘルツ
IPTG=イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド
IU=国際単位
IC50=50%阻害時の阻害濃度
J=カップリング定数(特に記載がないかぎりHzで示す)
m=多重線
M=モル濃度
M+H+=親質量スペクトルピーク+H+
mg=ミリグラム
mL=ミリリットル
mM=ミリモル濃度
mmol=ミリモル
MS=質量スペクトル
nm=ナノメートル
nM=ナノモル濃度
ng=ナノグラム
NTA=ニトリロ三酢酸
NTP=ヌクレオシド三リン酸
PCR=ポリメラーゼ連鎖反応
ppm=百万分率
psi=ポンド/平方インチ
Rp-HPLC=逆相高性能液体クロマトグラフィー
s=一重線
t=三重線
TC50=50%細胞毒性時の毒性濃度
tetrakisまたはtetrakis palladium=テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
Tris=トリス(ヒドロキシメンチル)アミノメタン
UTP=ウリジン三リン酸
以下の実施例および前述の合成スキームにおいて、下記の略語は下記の意味を有する。略語が定義されていない場合、その略語は一般に認められた意味を有する。
μL=マイクロリットル
μM=マイクロモル濃度
μg=マイクログラム
NMR=核磁気共鳴
br=幅広
d=二重線
δ=化学シフト
dd=二重線の二重線
DMEM=ダルベッコ改変イーグル培地
DMF=N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
DTT=ジチオスレオトール
EDTA=エチレンジアミン四酢酸
ESI=エレクトロスプレーイオン化
g=グラム
hまたはhr=時間
HCV=C型肝炎ウイルス
HPLC=高性能液体クロマトグラフィー
Hz=ヘルツ
IPTG=イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド
IU=国際単位
IC50=50%阻害時の阻害濃度
J=カップリング定数(特に記載がないかぎりHzで示す)
m=多重線
M=モル濃度
M+H+=親質量スペクトルピーク+H+
mg=ミリグラム
mL=ミリリットル
mM=ミリモル濃度
mmol=ミリモル
MS=質量スペクトル
nm=ナノメートル
nM=ナノモル濃度
ng=ナノグラム
NTA=ニトリロ三酢酸
NTP=ヌクレオシド三リン酸
PCR=ポリメラーゼ連鎖反応
ppm=百万分率
psi=ポンド/平方インチ
Rp-HPLC=逆相高性能液体クロマトグラフィー
s=一重線
t=三重線
TC50=50%細胞毒性時の毒性濃度
tetrakisまたはtetrakis palladium=テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
Tris=トリス(ヒドロキシメンチル)アミノメタン
UTP=ウリジン三リン酸
以下の実施例において、本発明の化合物を調製するために有用な化合物および中間体を示す。これらの化合物を調製するために用いる合成プロトコルの概要は上に示している。
実施例1
6-ブロモ-2-(4'-クロロ-4-メトキシ-ビフェニル-2-イル)-キノリン 4.11
段階1. 4-ブロモ-2-メチル-1-ニトロ-ベンゼン(4.2):
アセトン(200mL)中の3-メチル-4-ニトロ-フェニルアミン(10.0g、65.7mmol)の氷***液に48%HBr(21mL、197.2mmol)を加えた。NaNO2(4.54g、65.7mmol)を水(20mL)に溶解し、アミン溶液に温度が5℃未満に保たれる速度で滴下した。混合物をこの温度でさらに10分間撹拌し、次いで固体CuBr(1.5g、10mmol)を温度が15℃未満に保たれる速度で分割して加えた。それ以上窒素が認められない時点で反応は完了した(約15分)。反応混合物を蒸発乾固させ、残渣を水(500mL)および酢酸エチル(750mL)の混合物に溶解した。有機相を分離し、水(2×)、飽和NaCl(2×)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)した。次いで、蒸発乾固させて粗生成物を黄色固体で得、これをシリカゲルパッド(400mL)でトルエン溶離によりろ過して精製した。
収量:10.45g(73%);
6-ブロモ-2-(4'-クロロ-4-メトキシ-ビフェニル-2-イル)-キノリン 4.11
段階1. 4-ブロモ-2-メチル-1-ニトロ-ベンゼン(4.2):
アセトン(200mL)中の3-メチル-4-ニトロ-フェニルアミン(10.0g、65.7mmol)の氷***液に48%HBr(21mL、197.2mmol)を加えた。NaNO2(4.54g、65.7mmol)を水(20mL)に溶解し、アミン溶液に温度が5℃未満に保たれる速度で滴下した。混合物をこの温度でさらに10分間撹拌し、次いで固体CuBr(1.5g、10mmol)を温度が15℃未満に保たれる速度で分割して加えた。それ以上窒素が認められない時点で反応は完了した(約15分)。反応混合物を蒸発乾固させ、残渣を水(500mL)および酢酸エチル(750mL)の混合物に溶解した。有機相を分離し、水(2×)、飽和NaCl(2×)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)した。次いで、蒸発乾固させて粗生成物を黄色固体で得、これをシリカゲルパッド(400mL)でトルエン溶離によりろ過して精製した。
収量:10.45g(73%);
段階2. [(E)-2-(5-ブロモ-2-ニトロ-フェニル)-ビニル]-ジメチル-アミン(4.4):
化合物4.2(9.26g、42.9mmol)、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール4.3(14.3mL、107.2mmol)およびDMF(11mL)の混合物を低速のアルゴン気流下、145℃(浴)で2時間加熱した。次いで、反応混合物を蒸発乾固させた。放置により暗桃色生成物が結晶化した。
化合物4.2(9.26g、42.9mmol)、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール4.3(14.3mL、107.2mmol)およびDMF(11mL)の混合物を低速のアルゴン気流下、145℃(浴)で2時間加熱した。次いで、反応混合物を蒸発乾固させた。放置により暗桃色生成物が結晶化した。
段階3. 5-ブロモ-2-ニトロ-ベンズアルデヒド(4.5):
化合物4.4(11.63g、42.9mmol)をTHFおよび水の1:1混合物(500mL)に溶解した。この溶液にNaIO4(34.3g、160mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌したが、この間に暗色溶液は淡黄色となり、多量の沈澱を生じた。固体材料をろ去し、酢酸エチル(100mL)で2回洗浄し、有機相を集めて蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルパッド(400mL)を通し、溶離にトルエンを用いてろ過し、表題化合物を得た(7.08g、71%)。
化合物4.4(11.63g、42.9mmol)をTHFおよび水の1:1混合物(500mL)に溶解した。この溶液にNaIO4(34.3g、160mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌したが、この間に暗色溶液は淡黄色となり、多量の沈澱を生じた。固体材料をろ去し、酢酸エチル(100mL)で2回洗浄し、有機相を集めて蒸発乾固させた。残渣をシリカゲルパッド(400mL)を通し、溶離にトルエンを用いてろ過し、表題化合物を得た(7.08g、71%)。
段階4. 2-アミノ-5-ブロモ-ベンズアルデヒド(4.10):
化合物4.10を化合物4.5(5.45g、23.7mmol)からL. I. Smith and J. W. Opie (Org. Synth. Coll. Vol. 3, 56)の方法を用いて収率55%で合成した(2.6g)。
化合物4.10を化合物4.5(5.45g、23.7mmol)からL. I. Smith and J. W. Opie (Org. Synth. Coll. Vol. 3, 56)の方法を用いて収率55%で合成した(2.6g)。
段階5. 1-(2-ブロモ-5-メトキシ-フェニル)-エタノン(4.8):
トルエン(40mL)中の塩化2-ブロモ-5-メトキシ-ベンゾイル(8.75g、35mmol)の氷***液にジメチル亜鉛の2Mトルエン溶液(9.63mL、19.25mmol)をアルゴン雰囲気下で加えた(ジメチル亜鉛は自然発火性である−空気との接触は避けるべきである!)。氷浴を取り除き、混合物を室温までゆっくり戻した。反応はいったん始まれば急速に進行し、混濁溶液を生じる。反応は30分で完了した。次いで、反応混合物を0℃に再冷却し、エタノール(10mL)を加えて反応停止した。混合物を蒸発乾固させ、残渣を1M HCl(50mL)および酢酸エチル(100mL)の混合物に溶解した。有機相を分離し、水(2×50mL)、食塩水(2×)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)した。最終溶液を蒸発させ、油状物を高減圧下で一晩乾燥して表題化合物を無色液体で得た(7.96g、99%)。
トルエン(40mL)中の塩化2-ブロモ-5-メトキシ-ベンゾイル(8.75g、35mmol)の氷***液にジメチル亜鉛の2Mトルエン溶液(9.63mL、19.25mmol)をアルゴン雰囲気下で加えた(ジメチル亜鉛は自然発火性である−空気との接触は避けるべきである!)。氷浴を取り除き、混合物を室温までゆっくり戻した。反応はいったん始まれば急速に進行し、混濁溶液を生じる。反応は30分で完了した。次いで、反応混合物を0℃に再冷却し、エタノール(10mL)を加えて反応停止した。混合物を蒸発乾固させ、残渣を1M HCl(50mL)および酢酸エチル(100mL)の混合物に溶解した。有機相を分離し、水(2×50mL)、食塩水(2×)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)した。最終溶液を蒸発させ、油状物を高減圧下で一晩乾燥して表題化合物を無色液体で得た(7.96g、99%)。
段階6. 1-(4'-クロロ-4-メトキシ-ビフェニル-2-イル)-エタノン(4.6):
トルエン(250mL)、MeOH(60mL)および2M NaHCO3(25mL)中の化合物4.8(6.0g、26.19mmol)、4-クロロベンゼンボロン酸(4.51g、28.81mmol)およびPd(PPh3)4(0.303g、0.262mmol)の混合物をアルゴン雰囲気下、80℃で16時間撹拌した。溶媒の除去後、乾燥残渣をCHCl3(150mL)に溶解し、ろ過した。溶媒を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーで溶離剤としてCHCl3-MeOH(70:1)を用いて精製し、表題化合物を得た(6.33g、93%)。
トルエン(250mL)、MeOH(60mL)および2M NaHCO3(25mL)中の化合物4.8(6.0g、26.19mmol)、4-クロロベンゼンボロン酸(4.51g、28.81mmol)およびPd(PPh3)4(0.303g、0.262mmol)の混合物をアルゴン雰囲気下、80℃で16時間撹拌した。溶媒の除去後、乾燥残渣をCHCl3(150mL)に溶解し、ろ過した。溶媒を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーで溶離剤としてCHCl3-MeOH(70:1)を用いて精製し、表題化合物を得た(6.33g、93%)。
段階7. 6-ブロモ-2-(4'-クロロ-4-メトキシ-ビフェニル-2-イル)-キノリン(4.11):
化合物4.11(100mg、0.5mmol)および化合物4.6(130mg、0.5mmol)をエタノール(5mL)に溶解し、10%KOH(800μL、1.5mmol)を加え、混合物を90℃の浴にアルゴン雰囲気下で一晩維持した。溶媒を蒸発させ、残渣を水で粉砕した。半固体化合物4.11をシリカゲルパッド(400mL)で溶離にトルエンを用いて精製し、黄色のガム状材料を得た(2.03g、44%)。
化合物4.11(100mg、0.5mmol)および化合物4.6(130mg、0.5mmol)をエタノール(5mL)に溶解し、10%KOH(800μL、1.5mmol)を加え、混合物を90℃の浴にアルゴン雰囲気下で一晩維持した。溶媒を蒸発させ、残渣を水で粉砕した。半固体化合物4.11をシリカゲルパッド(400mL)で溶離にトルエンを用いて精製し、黄色のガム状材料を得た(2.03g、44%)。
実施例2
段階1. 6-ブロモ-2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン
無水EtOH(700mL)中のKOH(10.32(85%)g、156.27mmol)の溶液に2-アミノ-5-ブロモベンズアルデヒド(10.42g、52.09mmol)および5-アセチル-2,4-ジメチルチアゾール(8.16mL、60.42mmol)を加えた。混合物をAr雰囲気下、78℃で16時間撹拌し、次いで氷浴中で冷却した。これを5N HClでpH7に中和し、次いで約60mLまで蒸発させた。水(500mL)を加えた。生成した沈澱をろ取し、水で十分に洗浄し、乾燥して、6-ブロモ-2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン(15.62g、94%)を得た。
段階1. 6-ブロモ-2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン
無水EtOH(700mL)中のKOH(10.32(85%)g、156.27mmol)の溶液に2-アミノ-5-ブロモベンズアルデヒド(10.42g、52.09mmol)および5-アセチル-2,4-ジメチルチアゾール(8.16mL、60.42mmol)を加えた。混合物をAr雰囲気下、78℃で16時間撹拌し、次いで氷浴中で冷却した。これを5N HClでpH7に中和し、次いで約60mLまで蒸発させた。水(500mL)を加えた。生成した沈澱をろ取し、水で十分に洗浄し、乾燥して、6-ブロモ-2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン(15.62g、94%)を得た。
段階2. 2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-ボロン酸
無水DMSO(260mL)中の6-ブロモ-2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン(15g、46.99mmol)、ビス(ネオペンチルグルコラト)ジボロン(31.83g、141mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)(1.65g、2.35mmol)、および酢酸カリウム(13.81g、141mmol)の混合物をAr雰囲気下、90℃で2時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。混合物を水(1.2L)に注ぎ、沈澱をろ取し、水で洗浄し、乾燥した。乾燥した固体にEtOAc(600mL)を加え、不溶性の固体をろ去した。ろ液を蒸発させ、生成物をシリカゲルに吸着させ、短いシリカパッドでのEtOAc-ヘキサン(5:2)溶離により精製して、2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-ボロン酸を得た(16.4g、NMRによりまだ約30%のビス(ネオペンチルグルコラト)ジボロンを含む-収率94%)。
無水DMSO(260mL)中の6-ブロモ-2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン(15g、46.99mmol)、ビス(ネオペンチルグルコラト)ジボロン(31.83g、141mmol)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)(1.65g、2.35mmol)、および酢酸カリウム(13.81g、141mmol)の混合物をAr雰囲気下、90℃で2時間撹拌し、次いで室温まで冷却した。混合物を水(1.2L)に注ぎ、沈澱をろ取し、水で洗浄し、乾燥した。乾燥した固体にEtOAc(600mL)を加え、不溶性の固体をろ去した。ろ液を蒸発させ、生成物をシリカゲルに吸着させ、短いシリカパッドでのEtOAc-ヘキサン(5:2)溶離により精製して、2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-ボロン酸を得た(16.4g、NMRによりまだ約30%のビス(ネオペンチルグルコラト)ジボロンを含む-収率94%)。
実施例3
2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-8-フルオロ-キノリン-6-ボロン酸
段階1. 4-アミノ-3-フルオロ-ボロン酸
DMSO(13mL)中の市販の4-ブロモ-2-フルオロアニリン(500mg、2.6mmol)、酢酸カリウム(764mg、7.8mmol)、[P(Ph3)]2Pd(II)Cl2(18mg、0.026mmol)およびビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン(1.76g、7.8mmol)の混合物をアルゴン雰囲気下、60℃で一晩加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濃縮した。粗生成物をRP-HPLCを用いて精製し、4-アミノ-3-フルオロ-ボロン酸を得た。
2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-8-フルオロ-キノリン-6-ボロン酸
段階1. 4-アミノ-3-フルオロ-ボロン酸
DMSO(13mL)中の市販の4-ブロモ-2-フルオロアニリン(500mg、2.6mmol)、酢酸カリウム(764mg、7.8mmol)、[P(Ph3)]2Pd(II)Cl2(18mg、0.026mmol)およびビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン(1.76g、7.8mmol)の混合物をアルゴン雰囲気下、60℃で一晩加熱した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濃縮した。粗生成物をRP-HPLCを用いて精製し、4-アミノ-3-フルオロ-ボロン酸を得た。
段階2. 4-アミノ-3-フルオロ-5-ヨード-ボロン酸
4-アミノ-3-フルオロ-ボロン酸を酢酸中のN-ヨードスクシンイミドで処理する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濃縮して、4-アミノ-3-フルオロ-5-ヨード-ボロン酸を得る。
4-アミノ-3-フルオロ-ボロン酸を酢酸中のN-ヨードスクシンイミドで処理する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濃縮して、4-アミノ-3-フルオロ-5-ヨード-ボロン酸を得る。
段階3. 4-アミノ-3-フルオロ-5-フロミル-ボロン酸
4-アミノ-3-フルオロ-5-ヨード-ボロン酸をTHFに溶解し、その間、COが反応容器から発泡する。テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウムを加え、反応混合物を50℃まで加熱する。水素化トリブチルスズを加える。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濃縮し、精製して、4-アミノ-3-フルオロ-5-ホルミル-ボロン酸を得る。
4-アミノ-3-フルオロ-5-ヨード-ボロン酸をTHFに溶解し、その間、COが反応容器から発泡する。テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウムを加え、反応混合物を50℃まで加熱する。水素化トリブチルスズを加える。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水および食塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濃縮し、精製して、4-アミノ-3-フルオロ-5-ホルミル-ボロン酸を得る。
段階4. 2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-8-フルオロ-キノリン-6-ボロン酸
エタノール中の化合物4-アミノ-3-フルオロ-5-ホルミル-ボロン酸、5-アセチル-2,4-ジメチルチアゾール、および10%KOH/エタノールの混合物を一晩還流する。反応混合物を濃縮し、水で粉砕し、精製して、2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-8-フルオロ-キノリン-6-ボロン酸を得る。
エタノール中の化合物4-アミノ-3-フルオロ-5-ホルミル-ボロン酸、5-アセチル-2,4-ジメチルチアゾール、および10%KOH/エタノールの混合物を一晩還流する。反応混合物を濃縮し、水で粉砕し、精製して、2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-8-フルオロ-キノリン-6-ボロン酸を得る。
実施例4
5-(2-クロロ-キノリン-6-イル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(7.8)
段階1. 5-メチル-4-ニトロ-チオフェン-2-カルボン酸(7.2)
無水酢酸(17mL、176mmol、5当量)をドライアイス/アセトン浴中で-78℃まで冷却し、発煙硝酸(6mL、113mmol、3.2当量)をゆっくり加え、混合物を-20℃まで昇温させる。5-メチル-チオフェン-2-カルボン酸7.1(5g、35.2mmol、1当量)を少量ずつゆっくり加えた(急激な発熱)。温度は-20℃から+10℃の間で上下し、次いで-20℃で安定した。反応混合物を-20℃で10分間撹拌した。次いで、氷水で反応停止して沈澱を生じ、これをろ取し、氷水で洗浄した。桃色固体をEtOH/H2Oから再結晶した。集めた結晶を氷水で洗浄し、風乾し、減圧下で乾燥して、5-メチル-4-ニトロ-チオフェン-2-カルボン酸7.2を桃褐色固体で得た(3.24g、50%)。反応を15グラム規模で繰り返した(収量9.82g、50%)。
5-(2-クロロ-キノリン-6-イル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(7.8)
段階1. 5-メチル-4-ニトロ-チオフェン-2-カルボン酸(7.2)
無水酢酸(17mL、176mmol、5当量)をドライアイス/アセトン浴中で-78℃まで冷却し、発煙硝酸(6mL、113mmol、3.2当量)をゆっくり加え、混合物を-20℃まで昇温させる。5-メチル-チオフェン-2-カルボン酸7.1(5g、35.2mmol、1当量)を少量ずつゆっくり加えた(急激な発熱)。温度は-20℃から+10℃の間で上下し、次いで-20℃で安定した。反応混合物を-20℃で10分間撹拌した。次いで、氷水で反応停止して沈澱を生じ、これをろ取し、氷水で洗浄した。桃色固体をEtOH/H2Oから再結晶した。集めた結晶を氷水で洗浄し、風乾し、減圧下で乾燥して、5-メチル-4-ニトロ-チオフェン-2-カルボン酸7.2を桃褐色固体で得た(3.24g、50%)。反応を15グラム規模で繰り返した(収量9.82g、50%)。
段階2. 5-メチル-4-ニトロ-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル(7.3)
MeOH(100mL)中の化合物7.2(10g、53.4mmol、1当量)を硫酸(10mL、19mmol、3.5当量)で処理し、1日間還流した。反応混合物を周囲温度まで冷却した後、溶媒を蒸発させた。残渣をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO3で反応停止し、次いで層を分離した。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮し、減圧下で乾燥して、5-メチル-4-ニトロ-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル7.3を淡褐色固体で得た(9.95g、93%)。
MeOH(100mL)中の化合物7.2(10g、53.4mmol、1当量)を硫酸(10mL、19mmol、3.5当量)で処理し、1日間還流した。反応混合物を周囲温度まで冷却した後、溶媒を蒸発させた。残渣をEtOAcに溶解し、飽和NaHCO3で反応停止し、次いで層を分離した。有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮し、減圧下で乾燥して、5-メチル-4-ニトロ-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル7.3を淡褐色固体で得た(9.95g、93%)。
段階3. 2-クロロ-6-ブロモメチル-キノリンおよび2-クロロ-6-ジブロモメチル-キノリン(7.5)
ベンゼン(13mL)中の2-クロロ-6-メチルキノリン7.4(2g、11.3mmol、1当量)の溶液にアルゴン雰囲気下でNBS(4g、23mmol、2当量)と、続いて過酸化ベンゾイル(0.365g、1.13mmol、0.10当量)を加えた。混合物を4時間加熱還流した。室温まで冷却後、溶媒を蒸発させ、残渣をDCMに溶解し、飽和NaHCO3で洗浄した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮した。粗生成物をISCO(DCM:Hex=4:1)で精製して2-クロロ-6-ブロモメチル-キノリンおよび2-クロロ-6-ジブロモメチル-キノリン7.5を白色固体で得(3g、80%)、これはHPLCで判断して1:8の比率のモノブロモキノリン:ジブロモキノリンで構成されていた。TLC勾配DCM:Hex=4:1。2-クロロ-6-ブロモメチル-キノリン:
2-クロロ-6-ジブロモメチル-キノリン:
ベンゼン(13mL)中の2-クロロ-6-メチルキノリン7.4(2g、11.3mmol、1当量)の溶液にアルゴン雰囲気下でNBS(4g、23mmol、2当量)と、続いて過酸化ベンゾイル(0.365g、1.13mmol、0.10当量)を加えた。混合物を4時間加熱還流した。室温まで冷却後、溶媒を蒸発させ、残渣をDCMに溶解し、飽和NaHCO3で洗浄した。有機層を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮した。粗生成物をISCO(DCM:Hex=4:1)で精製して2-クロロ-6-ブロモメチル-キノリンおよび2-クロロ-6-ジブロモメチル-キノリン7.5を白色固体で得(3g、80%)、これはHPLCで判断して1:8の比率のモノブロモキノリン:ジブロモキノリンで構成されていた。TLC勾配DCM:Hex=4:1。2-クロロ-6-ブロモメチル-キノリン:
2-クロロ-6-ジブロモメチル-キノリン:
段階4. 2-クロロ-キノリン-6-カルバルデヒド(7.6)
ブロム化キノリンの1:8混合物7.5(3g、9.24mmol、1当量)およびヘキサメチレンテトラミン(3.89g、28mmol、3当量)を50%水性エタノール(16mL)中で1時間加熱還流した。室温まで冷却後、水(10mL)を加え、続いて12N HCl(1.50mL)を5分かけてゆっくり加えた。反応混合物を0.5時間加熱還流し、次いで室温まで冷却した。反応混合物を食塩水に加え、DCMで4回抽出した。集めた有機物を食塩水で2回洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮した。固体を減圧下で乾燥し、2-クロロ-キノリン-6-カルバルデヒド7.6を白色固体で得(1.63g、92%)、これをそれ以上精製することなく用いた。
ブロム化キノリンの1:8混合物7.5(3g、9.24mmol、1当量)およびヘキサメチレンテトラミン(3.89g、28mmol、3当量)を50%水性エタノール(16mL)中で1時間加熱還流した。室温まで冷却後、水(10mL)を加え、続いて12N HCl(1.50mL)を5分かけてゆっくり加えた。反応混合物を0.5時間加熱還流し、次いで室温まで冷却した。反応混合物を食塩水に加え、DCMで4回抽出した。集めた有機物を食塩水で2回洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、濃縮した。固体を減圧下で乾燥し、2-クロロ-キノリン-6-カルバルデヒド7.6を白色固体で得(1.63g、92%)、これをそれ以上精製することなく用いた。
段階5. 5-[(E)-2-(2-クロロ-キノリン-6-イル)-ビニル]-4-ニトロ-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル(7.7)
MeOH(35mL)中の化合物7.3(1.71g、8.51mmol、1当量)の溶液を化合物7.6(1.63g、8.51mmol、1当量)で処理した。反応混合物を溶液が得られるまで加熱還流した。次いで触媒量のピロリジン(70μL、0.0605g、0.851mmol、0.10当量)を加えた。反応混合物を一晩加熱還流した。室温まで冷却後、溶媒を蒸発させて残渣を得、これをISCO(勾配Hex:EtOAc=100:0から0:100)で精製して5-[(E)-2-(2-クロロ-キノリン-6-イル)-ビニル]-4-ニトロ-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル7.7を橙赤色固体で得た(2.62g、82%)。TLC勾配Hex:EtOAc=1:1。
MeOH(35mL)中の化合物7.3(1.71g、8.51mmol、1当量)の溶液を化合物7.6(1.63g、8.51mmol、1当量)で処理した。反応混合物を溶液が得られるまで加熱還流した。次いで触媒量のピロリジン(70μL、0.0605g、0.851mmol、0.10当量)を加えた。反応混合物を一晩加熱還流した。室温まで冷却後、溶媒を蒸発させて残渣を得、これをISCO(勾配Hex:EtOAc=100:0から0:100)で精製して5-[(E)-2-(2-クロロ-キノリン-6-イル)-ビニル]-4-ニトロ-チオフェン-2-カルボン酸メチルエステル7.7を橙赤色固体で得た(2.62g、82%)。TLC勾配Hex:EtOAc=1:1。
段階6. 5-(2-クロロ-キノリン-6-イル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(7.8)
亜リン酸トリエチル(7mL)中の化合物7.7(2.62g、7.00mmol、1当量)の溶液を2時間加熱還流(160℃)した。室温まで冷却後、溶媒[P(OEt)3 bp:153〜157℃;OP(OEt)3 bp:215℃]を高減圧下、70℃に維持した水浴を用いて蒸発させた。残渣をEtOAcに溶解し、n-ヘキサンで沈澱させた。固体をろ取し、5%EtOAc/n-ヘキサンで洗浄した。数分間風乾した後、固体を減圧下で乾燥して標的化合物7.8を褐黄色固体で得た(960mg、40%)。TLC勾配Hex:EtOAc=1:1。
亜リン酸トリエチル(7mL)中の化合物7.7(2.62g、7.00mmol、1当量)の溶液を2時間加熱還流(160℃)した。室温まで冷却後、溶媒[P(OEt)3 bp:153〜157℃;OP(OEt)3 bp:215℃]を高減圧下、70℃に維持した水浴を用いて蒸発させた。残渣をEtOAcに溶解し、n-ヘキサンで沈澱させた。固体をろ取し、5%EtOAc/n-ヘキサンで洗浄した。数分間風乾した後、固体を減圧下で乾燥して標的化合物7.8を褐黄色固体で得た(960mg、40%)。TLC勾配Hex:EtOAc=1:1。
実施例5
6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物186)
段階1. 5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(8.2a)
マイクロ波反応容器に化合物7.8(実施例4、387mg、1.13mmol)、2-フルオロフェニルボロン酸(237mg、1.69mmol、1.5当量)およびPd(PPh3)4(65mg、0.057mmol、0.05当量)を加えた。これにジオキサン(12mL)および1M K3PO4水溶液(4mL)を加えた。反応容器を密封し、続いて脱気およびArパージを行った(×2)。次いで、反応混合物をマイクロ波により120℃で10分間加熱した。HPLC分析により化合物7.8の完全な消費を確認した。反応混合物を室温まで冷却し、その間に沈澱が生じた。沈澱をろ取し、冷H2Oで洗浄し、減圧下で乾燥して、5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル8.2aを黄色粉末で得た(399mg、88%)。MS: 403.1 (M+H+).
6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物186)
段階1. 5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(8.2a)
マイクロ波反応容器に化合物7.8(実施例4、387mg、1.13mmol)、2-フルオロフェニルボロン酸(237mg、1.69mmol、1.5当量)およびPd(PPh3)4(65mg、0.057mmol、0.05当量)を加えた。これにジオキサン(12mL)および1M K3PO4水溶液(4mL)を加えた。反応容器を密封し、続いて脱気およびArパージを行った(×2)。次いで、反応混合物をマイクロ波により120℃で10分間加熱した。HPLC分析により化合物7.8の完全な消費を確認した。反応混合物を室温まで冷却し、その間に沈澱が生じた。沈澱をろ取し、冷H2Oで洗浄し、減圧下で乾燥して、5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル8.2aを黄色粉末で得た(399mg、88%)。MS: 403.1 (M+H+).
段階2. 6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(8.3a)
マイクロ波反応容器に化合物8.2a(245mg、0.61mmol)、シクロヘキサノン(947μL、9.15mmol、15当量)、無水酢酸(500μL)、85%H3PO4(500μL)、および酢酸(4mL)を加えた。反応容器を密封し、マイクロ波により180℃で75分間加熱した。HPLC分析により化合物8.2aの完全な消費を確認した。反応混合物をNH4OH(濃水溶液、50mL)に0℃で注いだ。水性混合物をさらにH2Oで希釈し、酢酸エチルで抽出した(×3)。次いで、合わせた抽出物をHCl(1M水溶液)、NaHCO3(飽和水溶液)および食塩水で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル8.3aを得た。粗製残渣を減圧下で乾燥し、それ以上精製せずに用いた。MS: 483.1 (M+H+).
マイクロ波反応容器に化合物8.2a(245mg、0.61mmol)、シクロヘキサノン(947μL、9.15mmol、15当量)、無水酢酸(500μL)、85%H3PO4(500μL)、および酢酸(4mL)を加えた。反応容器を密封し、マイクロ波により180℃で75分間加熱した。HPLC分析により化合物8.2aの完全な消費を確認した。反応混合物をNH4OH(濃水溶液、50mL)に0℃で注いだ。水性混合物をさらにH2Oで希釈し、酢酸エチルで抽出した(×3)。次いで、合わせた抽出物をHCl(1M水溶液)、NaHCO3(飽和水溶液)および食塩水で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル8.3aを得た。粗製残渣を減圧下で乾燥し、それ以上精製せずに用いた。MS: 483.1 (M+H+).
段階3. 6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物186)
反応容器に化合物8.3a(75mg、0.16mmol)を加え、DMF(8mL)で溶解した。次いで、NaH(鉱油中67%、11mg、0.31mmol、2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、2-クロロ-1-モルホリン-4-イル-エタノン(36μL、0.31mmol、2当量)を一度に加え、反応混合物を室温で撹拌し続けた。3時間後、HPLCおよびLC-MS分析により化合物8.3aの完全な消費を確認した。反応混合物にH2O(0.1mL)を加えて反応停止し、これを50mLフラスコに移して濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを暗色粉末として沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、メチルエステルを反応バイアルに移し、THF(3mL)、MeOH(1mL)およびLiOH(1M水溶液、1mL)で溶解した。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、HPLCおよびLC-MS分析で注意深く監視した。完全に変換した後、反応混合物をHCl(2M水溶液、0.5mL)で中和して濃縮した。次いで、粗製残渣をDMFに溶解し、TFAで酸性化した。混合物をろ過し、逆相HPLCで精製して、6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物186)を橙色粉末で得た(35mg、37%)。
反応容器に化合物8.3a(75mg、0.16mmol)を加え、DMF(8mL)で溶解した。次いで、NaH(鉱油中67%、11mg、0.31mmol、2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、2-クロロ-1-モルホリン-4-イル-エタノン(36μL、0.31mmol、2当量)を一度に加え、反応混合物を室温で撹拌し続けた。3時間後、HPLCおよびLC-MS分析により化合物8.3aの完全な消費を確認した。反応混合物にH2O(0.1mL)を加えて反応停止し、これを50mLフラスコに移して濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを暗色粉末として沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、メチルエステルを反応バイアルに移し、THF(3mL)、MeOH(1mL)およびLiOH(1M水溶液、1mL)で溶解した。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、HPLCおよびLC-MS分析で注意深く監視した。完全に変換した後、反応混合物をHCl(2M水溶液、0.5mL)で中和して濃縮した。次いで、粗製残渣をDMFに溶解し、TFAで酸性化した。混合物をろ過し、逆相HPLCで精製して、6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物186)を橙色粉末で得た(35mg、37%)。
実施例6
6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物187)
段階1. 5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(8.2b)
マイクロ波反応容器に化合物7.8(実施例4、500mg、1.46mmol)、2,4-ジメチル-チアゾール-5-ボロン酸ピナコルエステル(436mg、1.82mmol、1.25当量)およびPd(PPh3)4(84mg、0.073mmol、0.05当量)を加えた。これにジオキサン(12mL)およびK3PO4(1M水溶液、4mL)を加えた。反応容器を密封し、続いて脱気およびArパージを行った(×2)。次いで、反応混合物をマイクロ波により120℃で10分間加熱した。HPLC分析により化合物7.8の完全な消費を確認した。反応混合物を室温まで冷却し、その間に沈澱が生じた。沈澱をろ取し、冷H2Oで洗浄し、減圧下で乾燥して、5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル8.2bを黄色粉末で得た(506mg、81%)。MS: 420.1 (M+H+).
6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物187)
段階1. 5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(8.2b)
マイクロ波反応容器に化合物7.8(実施例4、500mg、1.46mmol)、2,4-ジメチル-チアゾール-5-ボロン酸ピナコルエステル(436mg、1.82mmol、1.25当量)およびPd(PPh3)4(84mg、0.073mmol、0.05当量)を加えた。これにジオキサン(12mL)およびK3PO4(1M水溶液、4mL)を加えた。反応容器を密封し、続いて脱気およびArパージを行った(×2)。次いで、反応混合物をマイクロ波により120℃で10分間加熱した。HPLC分析により化合物7.8の完全な消費を確認した。反応混合物を室温まで冷却し、その間に沈澱が生じた。沈澱をろ取し、冷H2Oで洗浄し、減圧下で乾燥して、5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル8.2bを黄色粉末で得た(506mg、81%)。MS: 420.1 (M+H+).
段階2. 6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(8.3b)
マイクロ波反応容器に化合物8.2b(200mg、0.48mmol)、シクロヘキサノン(740μL、7.16mmol、15当量)、無水酢酸(400μL)、85%H3PO4(400μL)、および酢酸(4mL)を加えた。反応容器を密封し、マイクロ波により150℃で100分間加熱した。HPLC分析により化合物8.2bの完全な消費を確認した。反応混合物をNH4OH(濃水溶液、50mL)に0℃で注いだ。水性混合物をさらにH2Oで希釈し、酢酸エチルで抽出した(×3)。次いで、合わせた抽出物をHCl(1M水溶液)、NaHCO3(飽和水溶液)および食塩水で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル8.3bを得た。粗製残渣を減圧下で乾燥し、それ以上精製せずに用いた。MS: 500.1 (M+H+).
マイクロ波反応容器に化合物8.2b(200mg、0.48mmol)、シクロヘキサノン(740μL、7.16mmol、15当量)、無水酢酸(400μL)、85%H3PO4(400μL)、および酢酸(4mL)を加えた。反応容器を密封し、マイクロ波により150℃で100分間加熱した。HPLC分析により化合物8.2bの完全な消費を確認した。反応混合物をNH4OH(濃水溶液、50mL)に0℃で注いだ。水性混合物をさらにH2Oで希釈し、酢酸エチルで抽出した(×3)。次いで、合わせた抽出物をHCl(1M水溶液)、NaHCO3(飽和水溶液)および食塩水で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮して、6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル8.3bを得た。粗製残渣を減圧下で乾燥し、それ以上精製せずに用いた。MS: 500.1 (M+H+).
段階3. 6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物187)
反応容器に化合物8.3b(56mg、0.11mmol)を加え、DMF(4mL)で溶解した。次いで、NaH(鉱油中60%、9mg、0.22mmol、2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、2-クロロ-1-モルホリン-4-イル-エタノン(26μL、0.22mmol、2当量)を一度に加え、反応混合物を室温で撹拌し続けた。6時間後、HPLCおよびLC-MS分析により化合物8.3bの完全な消費を確認した。反応混合物にH2O(0.1mL)を加えて反応停止し、これを50mLフラスコに移して濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを暗色粉末として沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、メチルエステルを反応バイアルに移し、THF(3mL)、MeOH(1mL)およびLiOH(1M水溶液、1mL)で溶解した。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、HPLCおよびLC-MS分析で注意深く監視した。完全に変換した後、反応混合物をHCl(2M水溶液、0.5mL)で中和して濃縮した。次いで、粗製残渣をDMFに溶解し、TFAで酸性化した。混合物をろ過し、逆相HPLCで精製して、6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物187)を橙色粉末で得た(15mg、22%)。
反応容器に化合物8.3b(56mg、0.11mmol)を加え、DMF(4mL)で溶解した。次いで、NaH(鉱油中60%、9mg、0.22mmol、2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、2-クロロ-1-モルホリン-4-イル-エタノン(26μL、0.22mmol、2当量)を一度に加え、反応混合物を室温で撹拌し続けた。6時間後、HPLCおよびLC-MS分析により化合物8.3bの完全な消費を確認した。反応混合物にH2O(0.1mL)を加えて反応停止し、これを50mLフラスコに移して濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを暗色粉末として沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、メチルエステルを反応バイアルに移し、THF(3mL)、MeOH(1mL)およびLiOH(1M水溶液、1mL)で溶解した。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、HPLCおよびLC-MS分析で注意深く監視した。完全に変換した後、反応混合物をHCl(2M水溶液、0.5mL)で中和して濃縮した。次いで、粗製残渣をDMFに溶解し、TFAで酸性化した。混合物をろ過し、逆相HPLCで精製して、6-シクロヘキサ-1-エニル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物187)を橙色粉末で得た(15mg、22%)。
実施例7
6-シクロヘキシル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物188)
段階1. 6-シクロヘキシル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(8.4a)
マイクロ波反応容器に化合物8.3a(実施例5、段階2、235mg、0.49mmol)、トリエチルシラン(116μL、0.73mmol、1.5当量)およびTFA(5mL)を加えた。反応容器を密封し、マイクロ波により70℃で5分間加熱した。LC-MS分析により化合物8.3aの完全な消費を確認した。反応混合物を50mLに注ぎ、濃縮して、6-シクロヘキシル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル8.4aを赤色粉末で得た。粗製残渣を減圧下で乾燥し、それ以上精製せずに用いた。MS: 485.1 (M+H+).
6-シクロヘキシル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物188)
段階1. 6-シクロヘキシル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(8.4a)
マイクロ波反応容器に化合物8.3a(実施例5、段階2、235mg、0.49mmol)、トリエチルシラン(116μL、0.73mmol、1.5当量)およびTFA(5mL)を加えた。反応容器を密封し、マイクロ波により70℃で5分間加熱した。LC-MS分析により化合物8.3aの完全な消費を確認した。反応混合物を50mLに注ぎ、濃縮して、6-シクロヘキシル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル8.4aを赤色粉末で得た。粗製残渣を減圧下で乾燥し、それ以上精製せずに用いた。MS: 485.1 (M+H+).
段階2. 6-シクロヘキシル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物188)
反応容器に化合物8.4a(307mg、0.63mmol)を加え、DMF(20mL)で溶解した。次いで、NaH(鉱油中60%、50mg、1.26mmol、2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、2-クロロ-1-モルホリン-4-イル-エタノン(146μL、1.26mmol、2当量)を一度に加え、反応混合物を室温で撹拌し続けた。75分後、HPLCおよびLC-MS分析により化合物8.4aの完全な消費を確認した。反応混合物にH2O(0.5mL)を加えて反応停止し、これを50mLフラスコに移して濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを暗色粉末として沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、メチルエステルを反応バイアルに移し、THF(6mL)、MeOH(2mL)およびLiOH(1M水溶液、2mL)で溶解した。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、HPLCおよびLC-MS分析で注意深く監視した。完全に変換した後、反応混合物をHCl(2M水溶液、1mL)で中和して濃縮した。次いで、粗製残渣をDMFに溶解し、TFAで酸性化した。混合物をろ過し、逆相HPLCで精製して、6-シクロヘキシル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物188)を橙色粉末で得た(107mg、28%)。
反応容器に化合物8.4a(307mg、0.63mmol)を加え、DMF(20mL)で溶解した。次いで、NaH(鉱油中60%、50mg、1.26mmol、2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、2-クロロ-1-モルホリン-4-イル-エタノン(146μL、1.26mmol、2当量)を一度に加え、反応混合物を室温で撹拌し続けた。75分後、HPLCおよびLC-MS分析により化合物8.4aの完全な消費を確認した。反応混合物にH2O(0.5mL)を加えて反応停止し、これを50mLフラスコに移して濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを暗色粉末として沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、メチルエステルを反応バイアルに移し、THF(6mL)、MeOH(2mL)およびLiOH(1M水溶液、2mL)で溶解した。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、HPLCおよびLC-MS分析で注意深く監視した。完全に変換した後、反応混合物をHCl(2M水溶液、1mL)で中和して濃縮した。次いで、粗製残渣をDMFに溶解し、TFAで酸性化した。混合物をろ過し、逆相HPLCで精製して、6-シクロヘキシル-5-[2-(2-フルオロ-フェニル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物188)を橙色粉末で得た(107mg、28%)。
実施例8
6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物189)
段階1. 6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(8.4b)
100mL丸底フラスコに化合物8.3b(実施例6、段階2、360mg、0.72mmol)、トリエチルシラン(172μL、1.08mmol、1.5当量)およびTFA(7mL)を加えた。反応混合物に栓をし、室温で1時間撹拌した。LC-MS分析により化合物8.3bの完全な消費を確認した。反応混合物を濃縮して、6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル8.4bを得た。粗製残渣を減圧下で乾燥し、それ以上精製せずに用いた。MS: 502.1 (M+H+).
6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物189)
段階1. 6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(8.4b)
100mL丸底フラスコに化合物8.3b(実施例6、段階2、360mg、0.72mmol)、トリエチルシラン(172μL、1.08mmol、1.5当量)およびTFA(7mL)を加えた。反応混合物に栓をし、室温で1時間撹拌した。LC-MS分析により化合物8.3bの完全な消費を確認した。反応混合物を濃縮して、6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル8.4bを得た。粗製残渣を減圧下で乾燥し、それ以上精製せずに用いた。MS: 502.1 (M+H+).
段階2. 6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物189)
反応容器に化合物8.4b(361mg、0.72mmol)を加え、DMF(20mL)で溶解した。次いで、NaH(鉱油中60%、58mg、1.44mmol、2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、2-クロロ-1-モルホリン-4-イル-エタノン(167μL、1.44mmol、2当量)を一度に加え、反応混合物を室温で撹拌し続けた。60分後、HPLCおよびLC-MS分析により化合物8.4bの完全な消費を確認した。反応混合物にH2O(0.5mL)を加えて反応停止し、これを50mLフラスコに移して濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを暗色粉末として沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、メチルエステルを反応バイアルに移し、THF(6mL)、MeOH(2mL)およびLiOH(1M水溶液、2mL)で溶解した。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、HPLCおよびLC-MS分析で注意深く監視した。完全に変換した後、反応混合物をHCl(2M水溶液、1mL)で中和して濃縮した。次いで、粗製残渣をDMFに溶解し、TFAで酸性化した。混合物をろ過し、逆相HPLCで精製して、6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物189)を橙色粉末で得た(178mg、39%)。
反応容器に化合物8.4b(361mg、0.72mmol)を加え、DMF(20mL)で溶解した。次いで、NaH(鉱油中60%、58mg、1.44mmol、2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、2-クロロ-1-モルホリン-4-イル-エタノン(167μL、1.44mmol、2当量)を一度に加え、反応混合物を室温で撹拌し続けた。60分後、HPLCおよびLC-MS分析により化合物8.4bの完全な消費を確認した。反応混合物にH2O(0.5mL)を加えて反応停止し、これを50mLフラスコに移して濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを暗色粉末として沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、メチルエステルを反応バイアルに移し、THF(6mL)、MeOH(2mL)およびLiOH(1M水溶液、2mL)で溶解した。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、HPLCおよびLC-MS分析で注意深く監視した。完全に変換した後、反応混合物をHCl(2M水溶液、1mL)で中和して濃縮した。次いで、粗製残渣をDMFに溶解し、TFAで酸性化した。混合物をろ過し、逆相HPLCで精製して、6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-モルホリン-4-イル-2-オキソ-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物189)を橙色粉末で得た(178mg、39%)。
実施例9
6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-オキソ-2-チオモルホリン-4-イル-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物44および190)
段階1. 4-tert-ブトキシカルボニルメチル-6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(9.1)
反応容器に化合物8.4b(実施例8、段階1、191mg、0.38mmol)を加え、DMF(15mL)で溶解した。次いで、NaH(鉱油中60%、30mg、0.76mmol、2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、ブロモ酢酸2-tert-ブチル(112μL、0.76mmol、2当量)を一度に加え、反応混合物を室温で撹拌し続けた。反応をHPLCおよびLC-MS分析で監視した。化合物8.4bが完全に変換した後、反応混合物にH2O(0.5mL)を加えて反応停止し、これを50mLフラスコに移して濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを暗色粉末として沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、粗製4-tert-ブトキシカルボニルメチル-6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル9.1を減圧下で乾燥し、それ以上精製せずに用いた。MS: 616.1 (M+H+).
6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-オキソ-2-チオモルホリン-4-イル-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物44および190)
段階1. 4-tert-ブトキシカルボニルメチル-6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(9.1)
反応容器に化合物8.4b(実施例8、段階1、191mg、0.38mmol)を加え、DMF(15mL)で溶解した。次いで、NaH(鉱油中60%、30mg、0.76mmol、2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、ブロモ酢酸2-tert-ブチル(112μL、0.76mmol、2当量)を一度に加え、反応混合物を室温で撹拌し続けた。反応をHPLCおよびLC-MS分析で監視した。化合物8.4bが完全に変換した後、反応混合物にH2O(0.5mL)を加えて反応停止し、これを50mLフラスコに移して濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを暗色粉末として沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、粗製4-tert-ブトキシカルボニルメチル-6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル9.1を減圧下で乾燥し、それ以上精製せずに用いた。MS: 616.1 (M+H+).
段階2. 4-カルボキシメチル-6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル(9.2)
50mLフラスコに化合物9.1(234mg、0.38mmol)を加え、ジオキサン中4M HCl(5mL)に溶解した。次いで、アニソール(250μL、5%v/v)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。HPLCおよびLC-MS分析により化合物9.1の完全な変換が示された後、反応混合物を濃縮した。次いで、粗製4-カルボキシメチル-6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル9.2を減圧下で短時間乾燥し、それ以上精製せずに用いた。MS: 560.1 (M+H+).
50mLフラスコに化合物9.1(234mg、0.38mmol)を加え、ジオキサン中4M HCl(5mL)に溶解した。次いで、アニソール(250μL、5%v/v)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。HPLCおよびLC-MS分析により化合物9.1の完全な変換が示された後、反応混合物を濃縮した。次いで、粗製4-カルボキシメチル-6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸メチルエステル9.2を減圧下で短時間乾燥し、それ以上精製せずに用いた。MS: 560.1 (M+H+).
段階3. 6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-オキソ-2-チオモルホリン-4-イル-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物190)
反応容器に化合物9.2(107mg、0.19mmol)を加え、DMF(3mL)で溶解した。次いで、HBTU(86mg、0.23mmol、1.2当量)およびDIEA(73μL、0.42mmol、2.2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、チオモルホリン(24μL、0.24mmol、1.25当量)を一度に加え、反応混合物を35℃で撹拌し続けた。HPLCおよびLC-MS分析により化合物9.2の完全な消費を確認した後、反応混合物を高速減圧により濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、メチルエステルを反応バイアルに移し、THF(3mL)、MeOH(1mL)およびLiOH(1M水溶液、1mL)で溶解した。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、HPLCおよびLC-MS分析で注意深く監視した。完全に変換した後、反応混合物をHCl(2M水溶液、0.5mL)で中和して濃縮した。次いで、粗製残渣をDMFに溶解し、TFAで酸性化した。混合物をろ過し、逆相HPLCで精製して、6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-オキソ-2-チオモルホリン-4-イル-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物190)を橙色粉末で得た(24mg、20%)。
反応容器に化合物9.2(107mg、0.19mmol)を加え、DMF(3mL)で溶解した。次いで、HBTU(86mg、0.23mmol、1.2当量)およびDIEA(73μL、0.42mmol、2.2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、チオモルホリン(24μL、0.24mmol、1.25当量)を一度に加え、反応混合物を35℃で撹拌し続けた。HPLCおよびLC-MS分析により化合物9.2の完全な消費を確認した後、反応混合物を高速減圧により濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、メチルエステルを反応バイアルに移し、THF(3mL)、MeOH(1mL)およびLiOH(1M水溶液、1mL)で溶解した。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、HPLCおよびLC-MS分析で注意深く監視した。完全に変換した後、反応混合物をHCl(2M水溶液、0.5mL)で中和して濃縮した。次いで、粗製残渣をDMFに溶解し、TFAで酸性化した。混合物をろ過し、逆相HPLCで精製して、6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-オキソ-2-チオモルホリン-4-イル-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物190)を橙色粉末で得た(24mg、20%)。
実施例10
6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-オキソ-2-ピペリジン-1-イル-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物35および191)
反応容器に化合物9.2(実施例9、段階2、107mg、0.19mmol)を加え、DMF(3mL)で溶解した。次いで、HBTU(86mg、0.23mmol、1.2当量)およびDIEA(73μL、0.42mmol、2.2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、ピペリジン(24μL、0.24mmol、1.25当量)を一度に加え、反応混合物を35℃で撹拌し続けた。HPLCおよびLC-MS分析により化合物9.2の完全な消費を確認した後、反応混合物を高速減圧により濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、メチルエステルを反応バイアルに移し、THF(3mL)、MeOH(1mL)およびLiOH(1M水溶液、1mL)で溶解した。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、HPLCおよびLC-MS分析で注意深く監視した。完全に変換した後、反応混合物をHCl(2M水溶液、0.5mL)で中和して濃縮した。次いで、粗製残渣をDMFに溶解し、TFAで酸性化した。混合物をろ過し、逆相HPLCで精製して、6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-オキソ-2-ピペリジン-1-イル-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物191)を橙色粉末で得た(24mg、21%)。
6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-オキソ-2-ピペリジン-1-イル-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物35および191)
反応容器に化合物9.2(実施例9、段階2、107mg、0.19mmol)を加え、DMF(3mL)で溶解した。次いで、HBTU(86mg、0.23mmol、1.2当量)およびDIEA(73μL、0.42mmol、2.2当量)を加え、反応混合物を室温で撹拌した。15分後、ピペリジン(24μL、0.24mmol、1.25当量)を一度に加え、反応混合物を35℃で撹拌し続けた。HPLCおよびLC-MS分析により化合物9.2の完全な消費を確認した後、反応混合物を高速減圧により濃縮した。次いで、粗製残渣に冷H2Oを加えてメチルエステルを沈澱させた。固体を遠心沈降により回収し、H2Oでもう一度洗浄した。次いで、メチルエステルを反応バイアルに移し、THF(3mL)、MeOH(1mL)およびLiOH(1M水溶液、1mL)で溶解した。次いで、反応混合物を50℃に加熱し、HPLCおよびLC-MS分析で注意深く監視した。完全に変換した後、反応混合物をHCl(2M水溶液、0.5mL)で中和して濃縮した。次いで、粗製残渣をDMFに溶解し、TFAで酸性化した。混合物をろ過し、逆相HPLCで精製して、6-シクロヘキシル-5-[2-(2,4-ジメチル-チアゾール-5-イル)-キノリン-6-イル]-4-(2-オキソ-2-ピペリジン-1-イル-エチル)-4H-チエノ[3,2-b]ピロール-2-カルボン酸(化合物191)を橙色粉末で得た(24mg、21%)。
表1の予言的化合物1〜34、36〜43、および45〜185を前述の一般合成法および実施例に従い、同様に調製することができる。
生物学的実施例
生物学的実施例1. 抗C型肝炎活性
化合物は、HCVポリメラーゼを阻害することにより、複製周期において必要な他の酵素を阻害することにより、または他の経路により、抗C型肝炎活性を示すことができる。これらの活性を評価するためにいくつかのアッセイが発表されている。培養中のHCVウイルスの全増加を評価する一般法がMilesらの米国特許第5,738,985号に開示された。インビトロアッセイはFerrari et al. Jnl. of Vir., 73:1649-1654, 1999;Ishii et al., Hepatology, 29:1227-1235, 1999;Lohmann et al., Jnl of Bio. Chem., 274:10807-10815, 1999;およびYamashita et al., Jnl. of Bio. Chem., 273:15479-15486, 1998に報告されている。
生物学的実施例1. 抗C型肝炎活性
化合物は、HCVポリメラーゼを阻害することにより、複製周期において必要な他の酵素を阻害することにより、または他の経路により、抗C型肝炎活性を示すことができる。これらの活性を評価するためにいくつかのアッセイが発表されている。培養中のHCVウイルスの全増加を評価する一般法がMilesらの米国特許第5,738,985号に開示された。インビトロアッセイはFerrari et al. Jnl. of Vir., 73:1649-1654, 1999;Ishii et al., Hepatology, 29:1227-1235, 1999;Lohmann et al., Jnl of Bio. Chem., 274:10807-10815, 1999;およびYamashita et al., Jnl. of Bio. Chem., 273:15479-15486, 1998に報告されている。
Emory Universityによる、C. Hagedorn and A. Reinoldusを発明者として記載している、1996年9月27日提出の国際公開公報第97/12033号は、1995年9月提出の米国特許仮出願第60/004,383号に対する優先権を主張しており、本明細書に記載の化合物の活性を評価するために用いることができるHCVポリメラーゼアッセイを記載した。もう一つのHCVポリメラーゼアッセイはBartholomeusz, et al., Hepatitis C Virus (HCV) RNA polymerase assay using cloned HCV non-structural proteins; Antiviral Therapy 1996:1(Supp 4) 18-24によって報告されている。
HCV薬物からキナーゼ活性の低下を調べる評価法が、Katzeらの米国特許第6,030,785号、Delvecchioの米国特許第6,228,576号、およびJubinらの米国特許第5,759,795号に開示された。提唱されるHCV薬物のプロテアーゼ阻害活性を調べる評価法は、Suらの米国特許第5,861,267号、De Francescoらの米国特許第5,739,002号、およびHoughtonらの米国特許第5,597,691号に開示された。
生物学的実施例2. レプリコンアッセイ
HCV RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害について化合物をスクリーニングするために細胞株ET(Huh-lucubineo-ET)を用いた。ET細胞株に、I389luc-ubi-neo/NS3-3'/ET、すなわちホタルルシフェラーゼ-ユビキチン-ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ融合タンパク質と、細胞培養適応的突然変異(E1202G;T1280I;K1846T)を含むEMCV-IRES駆動性NS3-5Bポリタンパク質とを含むレプリコンを有するRNA転写物を安定に形質移入した(Krieger at al, 2001および未発表)。ET細胞を、10%ウシ胎仔血清、2mMグルタミン、ペニシリン(100IU/mL)/ストレプトマイシン(100μg/mL)、1×可欠アミノ酸、および250μg/mL G418(「ジェネティシン」)を補足したDMEM中で培養した。これらはすべてLife Technologies(Bethesda, MD)から入手可能である。細胞を96穴プレートに0.5〜1.0×104細胞/ウェルで播種し、24時間インキュベートした後、試験化合物を加えた。化合物を細胞に加えて最終濃度0.1nMから50μMおよび最終DMSO濃度0.5%とした。ルシフェラーゼ活性を、48〜72時間後に溶解緩衝液および基質(カタログ番号Glo-lysis buffer E2661およびBright-Glo luciferase system E2620 Promega, Madison, WI)を加えて測定した。細胞はアッセイ中にコンフルエントすぎてはならない。複製の阻害パーセントデータを無化合物対照に対してプロットした。同じ条件下で、化合物の細胞毒性を、細胞増殖試薬、WST-1(Roche, Germany)を用いて評価した。抗ウイルス活性を示すが、著しい細胞毒性のない化合物を選択し、EC50およびTC50、すなわち最大阻害の50%が観察される有効濃度および毒性濃度をもとめた。これらの評価のために、各化合物について10点の2倍連続希釈を用い、これは1000倍の濃度範囲にわたる。EC50および同様にTC50値を、各濃度の阻害%を下記の式にあてはめることにより計算した:
阻害%=100%/[(EC50/[I])b+1]
式中、bはヒル係数である。
HCV RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害について化合物をスクリーニングするために細胞株ET(Huh-lucubineo-ET)を用いた。ET細胞株に、I389luc-ubi-neo/NS3-3'/ET、すなわちホタルルシフェラーゼ-ユビキチン-ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ融合タンパク質と、細胞培養適応的突然変異(E1202G;T1280I;K1846T)を含むEMCV-IRES駆動性NS3-5Bポリタンパク質とを含むレプリコンを有するRNA転写物を安定に形質移入した(Krieger at al, 2001および未発表)。ET細胞を、10%ウシ胎仔血清、2mMグルタミン、ペニシリン(100IU/mL)/ストレプトマイシン(100μg/mL)、1×可欠アミノ酸、および250μg/mL G418(「ジェネティシン」)を補足したDMEM中で培養した。これらはすべてLife Technologies(Bethesda, MD)から入手可能である。細胞を96穴プレートに0.5〜1.0×104細胞/ウェルで播種し、24時間インキュベートした後、試験化合物を加えた。化合物を細胞に加えて最終濃度0.1nMから50μMおよび最終DMSO濃度0.5%とした。ルシフェラーゼ活性を、48〜72時間後に溶解緩衝液および基質(カタログ番号Glo-lysis buffer E2661およびBright-Glo luciferase system E2620 Promega, Madison, WI)を加えて測定した。細胞はアッセイ中にコンフルエントすぎてはならない。複製の阻害パーセントデータを無化合物対照に対してプロットした。同じ条件下で、化合物の細胞毒性を、細胞増殖試薬、WST-1(Roche, Germany)を用いて評価した。抗ウイルス活性を示すが、著しい細胞毒性のない化合物を選択し、EC50およびTC50、すなわち最大阻害の50%が観察される有効濃度および毒性濃度をもとめた。これらの評価のために、各化合物について10点の2倍連続希釈を用い、これは1000倍の濃度範囲にわたる。EC50および同様にTC50値を、各濃度の阻害%を下記の式にあてはめることにより計算した:
阻害%=100%/[(EC50/[I])b+1]
式中、bはヒル係数である。
いくつかの局面において、式(I)の化合物は、実施例2のアッセイに従って試験した場合に、50μM以下のEC50を有することになる。他の局面において、EC50は10μM以下である。さらに他の局面において、EC50は5μM以下である。
6.25μMで試験した場合、化合物186〜191はそれぞれ以下の阻害%を有することが判明した:75、63、99、100、98、および97。
生物学的実施例3. 組換えHCV-NS5bのクローニングおよび発現
NS5bタンパク質のコード配列を、Lohmann, V., et al. (1999) Science 285, 110-113に記載のとおり、国際公開公報第2005/012288号の266ページに示されているプライマーを用いて、pFKI389luc/NS3-3'/ETからPCRによりクローニングした。
NS5bタンパク質のコード配列を、Lohmann, V., et al. (1999) Science 285, 110-113に記載のとおり、国際公開公報第2005/012288号の266ページに示されているプライマーを用いて、pFKI389luc/NS3-3'/ETからPCRによりクローニングした。
クローニングした断片はC末端21アミノ酸残基を欠失している。クローニング断片を、タンパク質のカルボキシ末端にエピトープタグ(His)6を提供するIPTG誘導性発現プラスミドに挿入した。
組換え酵素をXL-1細胞中で発現させ、発現誘導後、タンパク質をニッケル-NTAカラムでのアフィニティクロマトグラフィーを用いて精製した。保存条件は-20℃で10mM Tris-HCl pH7.5、50mM NaCl、0.1mM EDTA、1mM DTT、20%グリセロールである。
生物学的実施例4. HCV-NS5b酵素アッセイ
放射性標識したUTPのRNA生成物への取り込みを、HCVゲノムの一部を含む、ビオチン化ヘテロポリマー鋳型を用いて測定することにより、ポリメラーゼ活性をアッセイした。典型的には、アッセイ混合物(50μL)は10mM Tris-HCl(pH7.5)、5mM MgCl2、0.2mM EDTA、10mM KCl、1単位/μL RNAsin、1mM DTT、各10μMの[3H]-UTPを含むNTP、および10ng/μLヘテロポリマー鋳型を含む。試験化合物を最初100%DMSOに溶解し、5%DMSOを含む水性緩衝液中でさらに希釈した。典型的には、化合物を1nMから100μMの間の濃度で試験した。反応を酵素の添加により開始し、37℃で2時間続けた。反応を100mM EDTA(8μL)で停止し、反応混合物(30μL)をストレプトアビジンコーティングしたシンチレーション近接マイクロタイタープレート(FlashPlates)に移し、4℃で一晩インキュベートした。放射能の取り込みをシンチレーション計数で定量した。
放射性標識したUTPのRNA生成物への取り込みを、HCVゲノムの一部を含む、ビオチン化ヘテロポリマー鋳型を用いて測定することにより、ポリメラーゼ活性をアッセイした。典型的には、アッセイ混合物(50μL)は10mM Tris-HCl(pH7.5)、5mM MgCl2、0.2mM EDTA、10mM KCl、1単位/μL RNAsin、1mM DTT、各10μMの[3H]-UTPを含むNTP、および10ng/μLヘテロポリマー鋳型を含む。試験化合物を最初100%DMSOに溶解し、5%DMSOを含む水性緩衝液中でさらに希釈した。典型的には、化合物を1nMから100μMの間の濃度で試験した。反応を酵素の添加により開始し、37℃で2時間続けた。反応を100mM EDTA(8μL)で停止し、反応混合物(30μL)をストレプトアビジンコーティングしたシンチレーション近接マイクロタイタープレート(FlashPlates)に移し、4℃で一晩インキュベートした。放射能の取り込みをシンチレーション計数で定量した。
製剤実施例
下記は式(I)の化合物を含む代表的な薬学的製剤である。
下記は式(I)の化合物を含む代表的な薬学的製剤である。
Claims (53)
- 式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体:
式中:
Yはアリール、ヘテロアリール、置換アリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
HETは、6員アリーレン環、NまたはOまたはSから選択される1個または2個または3個のヘテロ原子を含む6員ヘテロアリーレン環、および下記の式を有する二環式環からなる群より選択され、
式中、HETは(X)tで置換されていてもよく、Xは、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、ハロ、ヒドロキシ、およびニトロからなる群より選択され;tは0、1または2に等しい整数であり;W1、W4、およびW5は独立にNまたはCHであり;W3はNもしくはCHであるか、または、二環式環内の1個以下の窒素が酸化されてN-オキシドを生成してもよいとの条件で結合であり;かつ破線の一方が一重結合である場合、隣接する原子がそれぞれ1または2個の水素原子で置換されてその原子価を満たしているとの条件で、破線はそれぞれ独立に2個の隣接する原子間の一重結合または二重結合を表し;
DまたはEの一方はC-Raであり、DまたはEの他方はSであり;
RaおよびRは水素、アルキル、および置換アルキルからなる群より独立に選択され;
Qはシクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、複素環、置換複素環、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールからなる群より選択され;かつ
Zは以下からなる群より選択される:
(a)カルボキシおよびカルボキシエステル;
(b)-C(X4)NR8R9、式中、X4は=O、=NH、または=N-アルキルであり、R8およびR9は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群より独立に選択されるか、またはR8およびR9はそれらに結合している窒素原子と一緒になって複素環、置換複素環、ヘテロアリールもしくは置換ヘテロアリール環基を形成する;
(c)-C(X3)NR21S(O)2R4、式中、X3は=O、=NR24、および=Sから選択され、R24は水素、アルキル、または置換アルキルであり;R4はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、およびNR22R23から選択され、R21、R22およびR23は独立に水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、もしくは置換シクロアルキルであるか;または、R21およびR22もしくはR22およびR23はそれらに結合している原子と一緒になって置換されていてもよい複素環基を形成する;
(d)-C(X2)-N(R3)CR2R2'C(=O)R1、式中、X2は=O、=S、および=NR11から選択され、R11は水素またはアルキルであり、R1は-OR7および-NR8R9から選択され、R7は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環から選択され;R8およびR9は前述の定義のとおりであり;
R2およびR2'は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環から独立に選択されるか;
または、定義のとおりのR2およびR2'はそれらに結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環基を形成するか、
さらにまたは、R2もしくはR2'の一方は水素、アルキルもしくは置換アルキルであり、他方はそれに結合している炭素原子と一緒になって、R7およびそれに結合している酸素原子もしくはR8およびそれに結合している窒素原子のいずれかと共に複素環もしくは置換複素環基を形成し;
R3は水素およびアルキルから選択されるか、または、R2およびR2'が一緒になって環を形成しない場合、ならびにR2もしくはR2'およびR7もしくはR8が一緒になって複素環もしくは置換複素環基を形成しない場合、R3はそれに結合している窒素原子と一緒になって、R2およびR2'の一方と一緒に複素環もしくは置換複素環基を形成してもよい;
(e)-C(X2)-N(R3)CR25R26R27、式中、X2およびR3は上で定義されており、かつR25、R26およびR27はアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、複素環、置換複素環、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より独立に選択されるか、またはR25およびR26はそれらに結合している炭素原子と一緒になってシクロアルキル、置換シクロアルキル、複素環もしくは置換複素環基を形成する;および
(f)(a)〜(e)において定義したものではない、カルボン酸同配体。 - Yが以下からなる群より選択される、請求項1記載の化合物:
置換ビフェニル;置換フェニル;フェニル環に縮合してもよく、かつNまたはOまたはSからなる群より独立に選択される1個または2個または3個のヘテロ原子を有する、置換6員ヘテロアリール環であって、ヘテロ原子NまたはSが酸化されていてもよい、置換6員ヘテロアリール環;および、フェニル環に縮合してもよく、かつNまたはOまたはSからなる群より独立に選択される1個または2個または3個のヘテロ原子を有する、置換5員ヘテロアリール環であって、ヘテロ原子NまたはSが酸化されていてもよい、置換5員ヘテロアリール環。 - Yが、4'-クロロ-4-メトキシビフェン-2-イル、ビフェン-2-イル、ビフェン-4-イル、4-アミノ-4'-クロロビフェン-2-イル、4'-アミノメチル-4-メトキシビフェン-2-イル、4-カルバモイル-4'-メトキシビフェン-2-イル、4-カルバモイル-4'-フルオロビフェン-2-イル、4-カルバモイル-4'-メトキシビフェン-2-イル、4-カルバモイル-4'-ニトロビフェン-2-イル、4-(カルバモイルメチル-カルバモイル)ビフェン-2-イル、4-(カルバモイルメチルカルバモイル)-4'-クロロビフェン-2-イル、4-カルボキシ-4'-クロロビフェン-2-イル、3-カルボキシ-4'-メトキシビフェン-2-イル、4-カルボキシ-4'-メトキシビフェン-2-イル、4'-カルボキシ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ビフェン-2-イル、4-カルボキシメトキシビフェン-2-イル、4-カルボキシメトキシ-4'-クロロビフェン-2-イル、4'-クロロビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-クロロビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(ジメチルアミノエチルカルバモイルビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(2-エトキシエトキシ)ビフェン-2-イル、3'-クロロ-4'-フルオロ-4-メトキシビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-フルオロビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-ヒドロキシビフェン-2-イル、3'-クロロ-4-メトキシビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-メチルカルバモイルビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(2-メトキシエトキシ)ビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-ニトロビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(2-オキソ-2-ピロリジン-1-イルエトキシ)ビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ビフェン-2-イル、4'-シアノ-4-メトキシビフェン-2-イル、3',4'-ジクロロ-4-メトキシビフェン-2-イル、4,4'-ジメトキシビフェン-2-イル、3',4'-ジメトキシ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ビフェン-2-イル、4'-ジメチルアミノ-4-メトキシビフェン-2-イル、4-(2-ジメチルアミノエチルカルバモイル)ビフェン-2-イル、4'-エトキシ-4-メトキシビフェン-2-イル、4'-フルオロ-4-メトキシビフェン-2-イル、4-ヒドロキシビフェン-2-イル、4-メトキシビフェン-2-イル、4-メトキシ-4'-ヒドロキシビフェン-2-イル、4-(2-メトキシエトキシ)ビフェン-2-イル、4-メトキシ-4'-メチルビフェン-2-イル、4-メトキシ-3'-ニトロビフェン-2-イル、4-メトキシ-4'-ニトロビフェン-2-イル、4-メチルカルバモイルビフェン-2-イル、3'-メチル-4-メトキシビフェン-2-イル、4'-ニトロ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ビフェン-2-イル、4-(2-オキソ-2-ピロリジン-1-イルエトキシ)ビフェン-2-イル、4-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ビフェン-2-イル、および4'-トリフルオロメチル-4-メトキシビフェン-2-イルからなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
- 置換フェニルが、ハロ、ヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アミノ、置換アミノ、カルボキシ、およびカルボキシエステルからなる群より選択される1〜3個の置換基で置換されている、請求項2記載の化合物。
- Yが、置換キノリル、置換ベンゾフリル、置換チアゾリル、置換フリル、置換チエニル、置換ピリジニル、置換ピラジニル、置換オキサゾリル、置換イソキサゾリル、置換ピロリル、置換イミダゾリル、置換ピロリジニル、置換ピラゾリル、置換イソチアゾリル、置換1,2,3-オキサジアゾリル、置換1,2,3-トリアゾリル、置換1,3,4-チアジアゾリル、置換ピリミジニル、置換1,3,5-トリアジニル、置換インドリジニル、置換インドリル、置換イソインドリル、置換インダゾリル、置換ベンゾチエニル、置換ベンズチアゾリル、置換プリニル、置換キノリジニル、置換キノリニル、置換イソキノリニル、置換シンノリニル、置換フタラジニル、置換キナゾリニル、置換キノキサリニル、置換1,8-ナフチリジニル、および置換プテリジニルからなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
- Yが、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アミノ、置換アミノ、カルボキシ、およびカルボキシエステルからなる群より独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている、請求項5記載の化合物。
- Yが2,4-ジメチルチアゾール-5-イルである、請求項6記載の化合物。
- Qがシクロアルキルまたはシクロアルケニルである、請求項1記載の化合物。
- Qがシクロヘキシルまたはシクロヘキセニルである、請求項8記載の化合物。
- Zが、カルボキシ、カルボキシエステル、カルボン酸同配体、-C(O)NR8R9、または-C(O)NHS(O)2R4であり、R8およびR9は請求項1において定義したとおりであり、かつR4はアルキルまたはアリールである、請求項1記載の化合物。
- Zが、カルボキシ、カルボン酸メチル、カルボン酸エチル、6-(β-D-グルクロン酸)エステル、1H-テトラゾール-5-イル、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、N-2-シアノ-エチルアミド、N-2-(1H-テトラゾール-5-イル)エチルアミド、メチルスルホニルアミノカルボニル、トリフルオロメチルスルホニルアミノカルボニル、またはフェニルスルホニルアミノカルボニルである、請求項10記載の化合物。
- Zがカルボキシである、請求項11記載の化合物。
- DがCHであり、かつEがSである、請求項1記載の化合物。
- Rが置換アルキルであり、該置換アルキルが、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、-CH2COOH、および-CH2CONR12R13からなる群より選択され、R12およびR13が水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、-(CH2)0-3R16、および-NR17R18から独立に選択されるか、または、R12およびR13の両方がどちらも水素であることはないとの条件で、R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子が置換もしくは非置換の複素環を形成し;R16はアリール、ヘテロアリール、または複素環であり;かつR17およびR18は独立に水素もしくはアルキルであるか、またはR17およびR18はそれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子4〜7個の複素環を形成する、請求項1記載の化合物。
- Rが-CH2CONR12R13であり、R12またはR13の少なくとも一方がアルキル、置換アルキル、またはヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
- R12またはR13の少なくとも一方がメチル、カルボキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-モルホリン-4-イルエチル、またはテトラゾイル-5-イルである、請求項15記載の化合物。
- Rが-CH2CONR12R13であり、R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子が置換または非置換の複素環を形成する、請求項14記載の化合物。
- R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子が置換もしくは非置換のモルホリノ環、置換もしくは非置換のピペリジニル環、または置換もしくは非置換のピロリジニル環を形成する、請求項17記載の化合物。
- 置換または非置換のモルホリノ環、ピペリジニル環、またはピロリジニル環がモルホリノ、4-ピロリジン-1-イル-ピペリジニル、ピペリジニル、4-ヒドロキシピペリジニル、4-カルボキシピペリジニル、4-ジメチルアミノピペリジニル、4-ジエチルアミノピペリジニル、2-メチルピロリジニル、4-モルホリン-4-イル-ピペリジニル、3,5-ジメチル-モルホリン-4-イル、4-メチルピペリジニルからなる群より選択される、請求項18記載の化合物。
- Rが、N,N-ジメチルアミノ-カルボニルメチル、[N-(4-ヒドロキシ-1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)アミノ]-カルボニルメチル、(シクロプロピルメチルアミノ)-カルボニルメチル、(プロパ-2-イン-1-イルアミノ)-カルボニルメチル、(2-(モルホリノ)エタ-1-イルアミノ)-カルボニルメチル、(フェニルスルホニルアミノ)-カルボニルメチル、[N-ベンジルアミノ]-カルボニルメチル、(N-(4-メチルスルホニル-ベンジル)アミノ)-カルボニルメチル、(トリプトファニル)-カルボニルメチル、(チロシン)-カルボニルメチル、(N-(1-カルボキシプロパ-1-イルアミノ)-カルボニルメチル、(N-(2-カルボキシエタ-1-イル)-アミノ)-カルボニルメチル、(N-(4-カルボキシベンジル)-アミノ)-カルボニルメチル、N-[3-(N'-(4-(アクリル酸)-フェニル)カルボキサミド)ピロリジン-3-イル]アミノ-カルボニルメチル、N-[4-(N'-(4-(アクリル酸)-フェニル)カルボキサミド)ピペリジン-4-イル]アミノ-カルボニルメチル、[2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ]-カルボニルメチル、[(1-(5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)エチル)アミノ]-カルボニルメチル、(1-メチル-1-[N-(1-メチル-2-カルボキシ-1H-インドール-5-イル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ-カルボニルメチル、[N-(1-メチルピロリジン-3-イル-エチル)-アミノ]-カルボニルメチル、(1-メチル-1-[N-(4-(アクリル酸)フェニル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ-カルボニルメチル、(1-メチル-1-[N-(4-(2-カルボキシ-フラン-5-イル)フェニル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ-カルボニルメチル、(1-メチル-1-[N-(4-(4-カルボキシ-チアゾール-2-イル)フェニル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ-カルボニルメチル、(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタ-1-イルアミノ)-カルボニルメチル、[(1-メチルピロリジン-3-イル)メチルアミノ]-カルボニルメチル、[N-(1-メチルピペリジン-3-イル-メチル)-アミノ]-カルボニルメチル、(1-ピペリジン-1-イルシクロペンチル)メチルアミノ]-カルボニルメチル、(1-(アセチル)-ピロリジン-2-イルメチル)アミノ)-カルボニルメチル、[(2-(N,N-ジメチルアミノ)-カルボニル)メチルアミノ]-カルボニルメチル、[N-(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)メチルアミノ]-カルボニルメチル、(N-メチル-N-シクロヘキシル-アミノ)-カルボニルメチル、(N-メチル-N-カルボキシメチル-アミノ)-カルボニルメチル、[N-メチル-N-ベンジル-アミノ]-カルボニルメチル、(N-メチル-N-(N',N'-ジメチルアミノアセチル)-アミノ)-カルボニルメチル、[N-メチル-N-フェニル-アミノ]-カルボニルメチル、(N-メチル-N-イソプロピル-アミノ)-カルボニルメチル、(N-メチル-N-(N'-メチルピペリジン-4-イル)アミノ)-カルボニルメチル、[N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ]-カルボニルメチル、[N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル-メチル)-アミノ]-カルボニルメチル、[N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-3-イル-メチル)-アミノ]-カルボニルメチル、[N-メチル-N-(1-メチルピラジン-2-イル-メチル)-アミノ]-カルボニルメチル、[N-メチル-N-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチル)-アミノ]-カルボニルメチル、(N-メチル-N-[2-(ヒドロキシ)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、(N-メチル-N-[2-(N',N'-ジメチルアミノ)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチ、N-メチル-N-[2-(N',N'-ジエチルアミノ)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、(N-メチル-N-[2-(ピリジン-2-イル)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、(N-メチル-N-[2-(ピリジン-4-イル)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、[N-メチル-N-(1-(1,3-チアゾール-2-イル)エチル)-アミノ]-カルボニルメチル、(N-メチル-N-[3-(N',N'-ジメチルアミノ)プロパ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、(N-メチル-N-(1-カルボキシ-2-メチルプロパ-1-イル)-アミノ)-カルボニルメチル、(N-エチル-N-プロピル-アミノ)-カルボニルメチル、(N-エチル-N-[2-(メトキシ)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、(N-エチル-N-[2-(N',N'-ジエチルアミノ)エタ-1-イル]アミノ)-カルボニルメチル、[7-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナ-2-イル]-カルボニルメチル、(5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2-イル)-カルボニルメチル、(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)-カルボニルメチル、(ピペリジニル)-カルボニルメチル、(4-カルボキシ-ピペリジニル)-カルボニルメチル、(3-カルボキシピペリジニル)-カルボニルメチル、(4-ヒドロキシピペリジニル)-カルボニルメチル、(4-(2-ヒドロキシエタ-1-イル)ピペリジン-1-イル)-カルボニルメチル、[4-(N,N-ジメチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-カルボニルメチル、(3-(N,N-ジメチルアミノ)-メチルピペリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(2-(2-(N,N-ジメチルアミノ)-エタ-1-イル)ピペリジン-1-イル)-カルボニルメチル、[4-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル]-カルボニルメチル、(4-ピロリジニル-ピペリジニル)-カルボニルメチル、(3-ピロリジニル-ピペリジニル)-カルボニルメチル、[4-(N,N-ジエチルアミノ)-ピペリジン-1-イル]-カルボニルメチル、(4-(アゼチジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(4-(ピペリジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル)-カルボニルメチル、[(2-(N,N-ジメチルアミノ)-メチル)モルホリノ]-カルボニルメチル、(3,5-ジメチルモルホリノ)-カルボニルメチル、(チオモルホリノ)-カルボニルメチル、モルホリノ-カルボニルメチル、(ピロリジニル)-カルボニルメチル、(2-カルボキシ-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(2-(カルボキシ)-4-ヒドロキシ-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(2-カルボキサミド-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(2-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(3-(N',N'-ジメチルアミノ)-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(3-(N',N'-ジエチルアミノ)-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(3-(ピリジン-3-イル)-ピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、(2-ピイジン-4-イルピロリジン-1-イル)-カルボニルメチル、ピペラジン-1-イル-カルボニルメチル、(4-メチルピペラジニル)-カルボニルメチル、(4-(カルボキシメチル)-ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチル、(4-(2-ヒドロキシエタ-1-イル)ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチル、(4-(イソプロピル)ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチル、(4-(2-メトキシエタ-1-イル)ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチル、(4-(エチル)ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチル、(4-(N',N'-ジメチルアミノアセチル)-ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチル、および(4-(6-メトキシピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-カルボニルメチルから選択される、請求項14記載の化合物。
- tが0である、請求項1記載の化合物。
- tが1であり、かつXがアミノ、ニトロ、メチルまたはハロである、請求項1記載の化合物。
- HETが、(X)tで置換されていてもよい1,4-フェニレンであり、Xおよびtは請求項1において定義されている、請求項1〜22のいずれか一項記載の化合物。
- tが0である、請求項23記載の化合物。
- W1が窒素である、請求項25記載の化合物。
- 式(Ia)を有する化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは互変異性体:
式中:
Yは、置換アリールおよび置換ヘテロアリールからなる群より選択され;
Xは、アミノ、ニトロ、アルキル、ハロアルキル、およびハロからなる群より独立に選択され;
tは0、1または2に等しい整数であり;
Qは、シクロヘキシルおよびシクロペンチルからなる群より選択され;
R12およびR13は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、-(CH2)0-3R16、および-NR17R18から独立に選択されるか、またはR12およびR13の両方がどちらも水素であることはないとの条件で、R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子が置換または非置換の複素環を形成し;R16はアリール、ヘテロアリール、または複素環であり;かつR17およびR18は独立に水素もしくはアルキルであるか、またはR17およびR18はそれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子4〜7個の複素環を形成し;
AまたはBの一方はC-Raであり、AまたはBの他方はSであり;
Raは、水素、アルキル、および置換アルキルからなる群より選択され;かつ
Zは、カルボキシ、カルボキシエステル、およびカルボン酸同配体からなる群より選択される。 - Yが以下からなる群より選択される、請求項28記載の化合物:
置換ビフェニル;置換フェニル;フェニル環に縮合してもよく、かつNまたはOまたはSからなる群より独立に選択される1個または2個または3個のヘテロ原子を有する、置換6員ヘテロアリール環であって、ヘテロ原子NまたはSは酸化されていてもよい、置換6員ヘテロアリール環;および、フェニル環に縮合してもよく、かつNまたはOまたはSからなる群より独立に選択される1個または2個または3個のヘテロ原子を有する、置換5員ヘテロアリール環であって、ヘテロ原子NまたはSは酸化されていてもよい、置換5員ヘテロアリール環。 - Yが、4'-クロロ-4-メトキシビフェン-2-イル、ビフェン-2-イル、ビフェン-4-イル、4-アミノ-4'-クロロビフェン-2-イル、4'-アミノメチル-4-メトキシビフェン-2-イル、4-カルバモイル-4'-メトキシビフェン-2-イル、4-カルバモイル-4'-フルオロビフェン-2-イル、4-カルバモイル-4'-メトキシビフェン-2-イル、4-カルバモイル-4'-ニトロビフェン-2-イル、4-(カルバモイルメチル-カルバモイル)ビフェン-2-イル、4-(カルバモイルメチルカルバモイル)-4'-クロロビフェン-2-イル、4-カルボキシ-4'-クロロビフェン-2-イル、3-カルボキシ-4'-メトキシビフェン-2-イル、4-カルボキシ-4'-メトキシビフェン-2-イル、4'-カルボキシ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ビフェン-2-イル、4-カルボキシメトキシビフェン-2-イル、4-カルボキシメトキシ-4'-クロロビフェン-2-イル、4'-クロロビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-クロロビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(ジメチルアミノエチルカルバモイルビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(2-エトキシエトキシ)ビフェン-2-イル、3'-クロロ-4'-フルオロ-4-メトキシビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-フルオロビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-ヒドロキシビフェン-2-イル、3'-クロロ-4-メトキシビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-メチルカルバモイルビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(2-メトキシエトキシ)ビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-ニトロビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(2-オキソ-2-ピロリジン-1-イルエトキシ)ビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ビフェン-2-イル、4'-クロロ-4-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ビフェン-2-イル、4'-シアノ-4-メトキシビフェン-2-イル、3',4'-ジクロロ-4-メトキシビフェン-2-イル、4,4'-ジメトキシビフェン-2-イル、3',4'-ジメトキシ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ビフェン-2-イル、4'-ジメチルアミノ-4-メトキシビフェン-2-イル、4-(2-ジメチルアミノエチルカルバモイル)ビフェン-2-イル、4'-エトキシ-4-メトキシビフェン-2-イル、4'-フルオロ-4-メトキシビフェン-2-イル、4-ヒドロキシビフェン-2-イル、4-メトキシビフェン-2-イル、4-メトキシ-4'-ヒドロキシビフェン-2-イル、4-(2-メトキシエトキシ)ビフェン-2-イル、4-メトキシ-4'-メチルビフェン-2-イル、4-メトキシ-3'-ニトロビフェン-2-イル、4-メトキシ-4'-ニトロビフェン-2-イル、4-メチルカルバモイルビフェン-2-イル、3'-メチル-4-メトキシビフェン-2-イル、4'-ニトロ-4-(ピロリジン-1-イルカルボニル)ビフェン-2-イル、4-(2-オキソ-2-ピロリジン-1-イルエトキシ)ビフェン-2-イル、4-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)ビフェン-2-イル、および4'-トリフルオロメチル-4-メトキシビフェン-2-イルからなる群より選択される、請求項29記載の化合物。
- 置換フェニルが、ハロ、ヘテロアリール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アミノ、置換アミノ、カルボキシ、およびカルボキシエステルからなる群より選択される1〜3個の置換基で置換されている、請求項29記載の化合物。
- Yが、置換キノリル、置換ベンゾフリル、置換チアゾリル、置換フリル、置換チエニル、置換ピリジニル、置換ピラジニル、置換オキサゾリル、置換イソキサゾリル、置換ピロリル、置換イミダゾリル、置換ピロリジニル、置換ピラゾリル、置換イソチアゾリル、置換1,2,3-オキサジアゾリル、置換1,2,3-トリアゾリル、置換1,3,4-チアジアゾリル、置換ピリミジニル、置換1,3,5-トリアジニル、置換インドリジニル、置換インドリル、置換イソインドリル、置換インダゾリル、置換ベンゾチエニル、置換ベンズチアゾリル、置換プリニル、置換キノリジニル、置換キノリニル、置換イソキノリニル、置換シンノリニル、置換フタラジニル、置換キナゾリニル、置換キノキサリニル、置換1,8-ナフチリジニル、および置換プテリジニルからなる群より選択される、請求項29記載の化合物。
- Yが、アルキル、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アミノ、置換アミノ、カルボキシ、およびカルボキシエステルからなる群より独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている、請求項32記載の化合物。
- Yが2,4-ジメチルチアゾール-5-イルである、請求項33記載の化合物。
- Qがシクロヘキシルまたはシクロヘキセニルである、請求項28記載の化合物。
- Zが、カルボン酸メチル、カルボン酸エチル、6-(β-D-グルクロン酸)エステル、1H-テトラゾール-5-イル、5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、N-2-シアノ-エチルアミド、N-2-(1H-テトラゾール-5-イル)エチルアミド、メチルスルホニルアミノカルボニル、トリフルオロメチルスルホニルアミノカルボニル、またはフェニルスルホニルアミノカルボニルである、請求項35記載の化合物。
- Zがカルボキシである、請求項36記載の化合物。
- R12またはR13の少なくとも一方がアルキル、置換アルキル、またはヘテロアリールである、請求項28記載の化合物。
- R12またはR13の少なくとも一方がメチル、カルボキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-モルホリン-4-イルエチル、またはテトラゾイル-5-イルである、請求項38記載の化合物。
- R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子が、置換または非置換の複素環を形成する、請求項28記載の化合物。
- R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子が、置換もしくは非置換のモルホリノ環、置換もしくは非置換のピペリジニル環、または置換もしくは非置換のピロリジニル環を形成する、請求項40記載の化合物。
- 置換または非置換のモルホリノ環、ピペリジニル環、またはピロリジニル環が、モルホリノ、4-ピロリジン-1-イル-ピペリジニル、ピペリジニル、4-ヒドロキシピペリジニル、4-カルボキシピペリジニル、4-ジメチルアミノピペリジニル、4-ジエチルアミノピペリジニル、2-メチルピロリジニル、4-モルホリン-4-イル-ピペリジニル、3,5-ジメチル-モルホリン-4-イル、4-メチルピペリジニルからなる群より選択される、請求項41記載の化合物。
- R12およびR13ならびにそれらが結合している窒素原子が共に、N,N-ジメチルアミノ、N-(4-ヒドロキシ-1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)アミノ、シクロプロピルメチルアミノ、プロパ-2-イン-1-イルアミノ、2-(モルホリノ)エタ-1-イルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、N-ベンジルアミノ、N-(4-メチルスルホニル-ベンジル)アミノ、トリプトファニル、チロシン、N-1-カルボキシプロパ-1-イルアミノ、N-(2-カルボキシエタ-1-イル)-アミノ、N-(4-カルボキシベンジル)-アミノ、N-[3-(N'-(4-(アクリル酸)-フェニル)カルボキサミド)ピロリジン-3-イル]アミノ、N-[4-(N'-(4-(アクリル酸)-フェニル)カルボキサミド)ピペリジン-4-イル]アミノ、2-(N,N-ジメチルアミノ)エタ-1-イルアミノ、(1-(5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)エチル)アミノ、1-メチル-1-[N-(1-メチル-2-カルボキシ-1H-インドール-5-イル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ、N-(1-メチルピロリジン-3-イル-エチル)-アミノ、1-メチル-1-[N-(4-(アクリル酸)フェニル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ、1-メチル-1-[N-(4-(2-カルボキシ-フラン-5-イル)フェニル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ、1-メチル-1-[N-(4-(4-カルボキシ-チアゾール-2-イル)フェニル)アミノカルボニル]エタ-1-イルアミノ、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エタ-1-イルアミノ、(1-メチルピロリジン-3-イル)メチルアミノ、N-(1-メチルピペリジン-3-イル-メチル)-アミノ、(1-ピペリジン-1-イルシクロペンチル)メチルアミノ、1-(アセチル)-ピロリジン-2-イルメチル)アミノ、(2-(N,N-ジメチルアミノ)-カルボニル)メチルアミノ、N-(1,1-ジオキシドテトラヒドロ-3-チエニル)メチルアミノ、N-メチル-N-シクロヘキシル-アミノ、N-メチル-N-カルボキシメチル-アミノ、N-メチル-N-ベンジル-アミノ、N-メチル-N-(N',N'-ジメチルアミノアセチル)-アミノ、N-メチル-N-フェニル-アミノ、N-メチル-N-イソプロピル-アミノ、N-メチル-N-(N'-メチルピペリジン-4-イル)アミノ、N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)アミノ、N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-4-イル-メチル)-アミノ、N-メチル-N-(1-メチルピペリジン-3-イル-メチル)-アミノ、N-メチル-N-(1-メチルピラジン-2-イル-メチル)-アミノ、N-メチル-N-(5-メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチル)-アミノ、N-メチル-N-[2-(ヒドロキシ)エタ-1-イル]アミノ、N-メチル-N-[2-(N',N'-ジメチルアミノ)エタ-1-イル]アミノ、N-メチル-N-[2-(N',N'-ジエチルアミノ)エタ-1-イル]アミノ、N-メチル-N-[2-(ピリジン-2-イル)エタ-1-イル]アミノ、N-メチル-N-[2-(ピリジン-4-イル)エタ-1-イル]アミノ、N-メチル-N-(1-(1,3-チアゾール-2-イル)エチル)-アミノ、N-メチル-N-[3-(N',N'-ジメチルアミノ)プロパ-1-イル]アミノ、N-メチル-N-(1-カルボキシ-2-メチルプロパ-1-イル)-アミノ、N-エチル-N-プロピル-アミノ、N-エチル-N-[2-(メトキシ)エタ-1-イル]アミノ、N-エチル-N-[2-(N',N'-ジエチルアミノ)エタ-1-イル]アミノ、7-メチル-2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナ-2-イル、5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2-イル、4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル、ピペリジニル、4-カルボキシ-ピペリジニル、3-カルボキシピペリジニル、4-ヒドロキシピペリジニル、4-(2-ヒドロキシエタ-1-イル)ピペリジン-1-イル、4-(N,N-ジメチルアミノ)-ピペリジン-1-イル、3-(N,N-ジメチルアミノ)-メチルピペリジン-1-イル、2-(2-(N,N-ジメチルアミノ)-エタ-1-イル)ピペリジン-1-イル、4-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル、4-ピロリジニル-ピペリジニル、3-ピロリジニル-ピペリジニル、4-(N,N-ジエチルアミノ)-ピペリジン-1-イル、4-(アゼチジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル、4-(ピペリジン-1-イル)-ピペリジン-1-イル、ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル、(2-(N,N-ジメチルアミノ)-メチル)モルホリノ、3,5-ジメチルモルホリノ、チオモルホリノ、モルホリノ、ピロリジニル、2-カルボキシ-ピロリジン-1-イル、2-(カルボキシ)-4-ヒドロキシ-ピロリジン-1-イル、2-カルボキサミド-ピロリジン-1-イル、2-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)-ピロリジン-1-イル、3-(N',N'-ジメチルアミノ)-ピロリジン-1-イル、3-(N',N'-ジエチルアミノ)-ピロリジン-1-イル、3-(ピリジン-3-イル)-ピロリジン-1-イル、2-ピイジン-4-イルピロリジン-1-イ、ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジニル、4-(カルボキシメチル)-ピペラジン-1-イル、4-(2-ヒドロキシエタ-1-イル)ピペラジン-1-イル、4-(イソプロピル)ピペラジン-1-イル、4-(2-メトキシエタ-1-イル)ピペラジン-1-イル、4-(エチル)ピペラジン-1-イル、4-(N',N'-ジメチルアミノアセチル)-ピペラジン-1-イル、および4-(6-メトキシピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イルより選択される基を形成する、請求項28記載の化合物。
- tが0である、請求項28記載の化合物。
- tが1であり、かつXがアミノ、ニトロ、メチルまたはハロである、請求項28記載の化合物。
- DがCHであり、かつEがSである、請求項28記載の化合物。
- 表1より選択される化合物、またはその互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくは部分塩。
- 薬学的に許容される担体および治療的有効量の請求項1、28、または47のいずれか一項記載の化合物を含む、薬学的組成物。
- 少なくとも部分的にはフラビウイルス(Flaviviridae)科のウイルスによって媒介される哺乳動物のウイルス感染症を治療または予防するための医薬を調製するための、請求項1、28、または47のいずれか一項記載の化合物の使用。
- 少なくとも部分的にはフラビウイルス科のウイルスによって媒介される、哺乳動物のウイルス感染症を治療または予防するための方法であって、該哺乳動物に、請求項48記載の組成物を投与する段階を含む方法。
- ウイルス感染症がC型肝炎ウイルスによって媒介される、請求項50記載の方法。
- C型肝炎ウイルスに対して活性な一種または複数種の薬剤の治療的有効量と組み合わせた、請求項50記載の方法。
- C型肝炎ウイルスに対して活性な薬剤が、HCVプロテアーゼの、HCVポリメラーゼの、HCVヘリカーゼの、HCV NS4Bタンパク質の、HCV侵入の、HCV構築の、HCV放出の、HCV NS5Aタンパク質の、またはイノシン5'一リン酸デヒドロゲナーゼの阻害剤である、請求項52記載の方法。
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