JP2009542496A - ホイール搭載型電子機器 - Google Patents

Abstract

ハイブリッド型車両は，そのホイールの各々において，電子機器（２０）を持たせることで提供される。各電子機器（２０）は，軸方向磁束型のものであり，回転子（２２）が，固定子（２４）の２つの部分で軸方向に挟まれている。各電子機器（２０）は，対応するホイールに固定される。そして，回転子（２２）は，ディスクブレーキシステムのディスクの代わりとなる。また，固定子（２４）は，上記ディスクブレーキシステムのキャリパーの代わりとなる。
【選択図】図１

Description

本発明は，ホイール搭載型電子機器，車両用のホイール搭載アセンブリー，及び車両に関する。

自動車車両，例えば乗用車（「オートモービル」ともいう）は，人体や環境に有害な排気が生じるという点で頻繁に批判される。そのため，自動車車両では，排気削減と燃料効率のさらなる向上に着目が集まっている。たとえば，電気車両や，ハイブリッド型電気車両が着目されている。

ハイブリッド型電気車両に影響を与える問題の１つには，車両内にある電子部品（たとえば，車両に電力を供給する電気モーター）の適合性の問題が挙げられる。車両内の部品の適合性は，「パッケージング」とも称される。ハイブリッド型電子車両内の電子部品は，操作上効率的であるように，かつ，車両の他の部品と干渉することがないように，位置決めされていなければならない。また，理想的には，電子部品は，車両の乗員スペースに入り込まないように位置決めされるべきである。ところで，ハイブリッド型電子車両の多くは，化石燃料で電力供給される車両を単に改造したものに過ぎない。たとえば，シャーシ，車体，サスペンション，及び特定の駆動系部品は保持される。そこで，既存の部品の周囲に電子部品を付加する場合には，それら部品の操作がじゃまされることのないように，電子部品を取り付ける必要がある。このことは，困難であり，ハイブリッド型車両における複雑性，特には，駆動系部品に関連する複雑性を非常に高めることになり得る。

また，同様の問題は，電気車両にも影響を与えるものである。

本発明の目的は，これらの問題を解決することにある。

本発明の第１側面によれば，車両に電力を供給するための，ホイール搭載型電子機器（発電機）であって，この電子機器は，少なくとも１つの回転子と，少なくとも１つの固定子とを含む。固定子は，ホイールに隣接する構造体に搭載される。回転子は，ホイールに駆動的に接続されて，固定子とは相対的にホイールを駆動する。

回転子は，ホイールの軸の周囲に搭載されて，当該ホイールに連結され，それにより，軸を駆動することでホイールを駆動してもよい。また，回転子は，ホイールのハブに搭載されて，当該ホイールに連結され，それにより，ハブを駆動することでホイールを駆動してもよい。回転子は，ブレーキの回転部品の代わりに搭載されてもよい。回転子は，ディスクブレーキのディスクの代わりに搭載されてもよい。回転子は，ドラムブレーキのドラムの代わりに搭載されてもよい。

固定子は，ホイールに隣接するサスペンションシステムの構造体に搭載してもよい。固定子は，サスペンションシステムの垂直材に対して搭載されてもよい。固定子は，ブレーキの固定部品の代わりに搭載されてもよい。固定子は，ディスクブレーキブレーキのブレーキキャリパーの代わりに搭載されてもよい。固定子は，ドラムブレーキのブレーキシューやピストンの代わりに搭載されてもよい。

本発明の実施形態は，電子機器の回転子をディスクブレーキのディスクの代わりに搭載するとともに，固定子をディスクブレーキのキャリパーの代わりに搭載することによって，既存の車両やその部品に適合可能である。それにより，電気車両又はハイブリッド型電気車両として又はそれら車両内において，それら車両の改作を最小限度にとどめつつ，利用することができる。

回転子は，歯車列を介してホイールに駆動的に接続されてもよい。歯車列は，遊星歯車列を含んでもよい。遊星歯車列の第１部品は，回転子に連結されてもよく，遊星歯車列の第２部品は，ホイールに連結されてもよく，かつ，遊星歯車列の第３部品は，固定子に連結されてもよい。この連結は，直接接続によってなされてもよい。この連結は，中間構造体を介してなされてもよいし，又は，１つの中間部品若しくは複数の中間部品を介してなされてもよい。たとえば，上記第３部品は，固定子が搭載されている構造体に搭載されてもよい。回転子は，遊星歯車列の太陽歯車に結合されてもよいし，ホイールは，遊星歯車列の遊星歯車の配列に接続されてもよいし，固定子は，遊星歯車列のアニュラスに連結されてもよい。

電子機器は，軸方向磁束型の電子機器であってもよい。そのような電子機器は，半径方向磁束型の電子機器であってもよい。軸方向磁束型の電子機器は，固定子の２つの部分の各々の間で挟まれた回転子を有していてもよい。回転子は，永久磁石をその上又はその内部に有していてもよい。固定子は，１つ又はそれ以上の電気巻線をその上又はその内部に有していてもよい。ここで，電気巻線は，磁場をセットアップ可能に構成されている。軸方向磁束型の電子機器は，複数の回転子を含んでいてもよい。各回転子は，互いに，他の回転子の各々から軸方向に離れていてもよい。各回転子は，他の回転子と同心的であってもよい。回転子が複数である場合，各回転子は，２つの固定子部分の間に挟まれてもよい。１つだけの固定子部分が，回転子の互いに隣接するものの間にあってもよい。

電子機器は，ブレーキを含んでもよい。ブレーキは，回転子上で動作して，回転子を減速させてもよい。ブレーキは，回転子上で動作して，回転子を摩擦によって減速させてもよい。ブレーキは，ブレーキパッドを押し込んで回転子に接触させてもよい。ブレーキは，回転子又はその少なくとも一部とともにディスクブレーキを構成してもよく，これにより，ディスクブレーキのディスクとして機能する。電子機器は，ブレーキキャリパーを含んでもよい。キャリパーは，固定子上に搭載されてもよい。キャリパーは，ホイールに隣接する構造体上に固定子とともに搭載されてもよい。

ブレーキは回転子から軸方向に離れていてもよい。ブレーキは，電子機器と同軸的なブレーキディスクを含んでいてもよい。また，ブレーキディスクは，ホイールに対して駆動的に接続されてもよい。

固定子が生成した熱を取り除くために，冷却手段が固定子に隣接して設けられてもよい。冷却手段は，固定子の構造体内に設けられてもよい。冷却手段は，固定子から熱を取り除くように構成された１つ又はそれ以上の熱交換体を含んでいてもよい。冷却手段は，流体搬送流路を，固定子の構造体内で含んでもよい。冷却手段は，固定子表面の露出エリアに対して付加可能に構成された構造体を含んでもよい。冷却手段は，１つ又は複数の冷却フィンを含んでもよい。

本発明の他の側面によれば，車両用のホイール搭載アセンブリーが提供される。このアセンブリーは，ホイールベアリングハウジング構造体と，ホイールとを含んでいる。ホイールベアリングハウジング構造体は，ホイールベアリングに適合可能に構成されているとともに，車両のサスペンション部品に固定可能に構成されている。ホイールは，ホイールベアリングハウジング構造体とは相対的に回転可能に搭載されている。アセンブリーは，さらに，本発明の第１側面に係る電子機器を含み，電子機器の固定子は，ホイールベアリングハウジング構造体上に搭載され，電子機器の固定子は，ホイールに対して駆動的に接続されて，これにより，固定子とは相対的にホイールを駆動し，その結果，ホイールベアリングハウジング構造体を駆動する。

本発明の第１側面のオプション的な特徴としては，本発明の他の側面や別の側面のオプション的な特徴を挙げることができる。

本発明のさらに他の側面によれば，車両が提供される。この車両は，第１側面に係るホイール搭載電子機器，及び／又は，上記他の側面に係るホイール搭載アセンブリー，及び／又は上記別の側面に係るホイール搭載アセンブリーを含んでいる。

車両は，電子機器をモーターとして動作させ，それによって車両を駆動するために，電子機器への電気的な力の供給を制御可能に構成されていてもよい。車両は，電子機器をジェネレーターとして動作させるとともに，生成させた電気エネルギーを，電子機器をモーターとして動作させて，車両を駆動する際の後半利用可能に蓄えることができるように構成されていてもよい。

車両は，当該車両の２つ，又はそれ以上，又は全部のホイールの各々で，上述した第１側面に係る各ホイール搭載電子機器，及び／又は，他の側面に係るホイール搭載アセンブリー，及び／又は，別の側面に係るホイール搭載アセンブリーを含んでもよい。

図１は，第１実施形態を模式的に示す断面図であり，単一の回転子が車両のホイールにおいてそのハブ上に搭載された電子機器が示されている。なお，断面は，垂直軸平面を通るものである。 図２は，第２実施形態を模式的に示す断面図であり，本形態では，第１実施形態と似ているが，電子機器が２つの回転子を有している。 図３は，第３実施形態を模式的に示す断面図であり，本形態では，第１実施形態と似ているが，遊星歯車列が，電子機器の部品とホイールの間に設けられている。 図４は，第４実施形態を模式的に示す断面図であり，本形態では，第１実施形態と似ているが，ブレーキが設けられており，このブレーキは，電子機器の回転子上で軸方向に作用する。 図５は，第５実施形態を模式的に示す断面図であり，本形態では，第１実施形態と似ているが，ブレーキが設けられており，このブレーキは，電子機器と同軸的なディスクであって当該電子機器とは軸方向に離れているディスクの上で作用する。 図６は，第６実施形態を模式的に示す断面図であり，本形態では，第１実施形態と似ているが，ブレーキが設けられており，このブレーキは，電子部品の回転子上で半径方向に作用する。 図７は，第６実施形態におけるブレーキの部分と回転子を模式的に示す正面図である。 図８は，第７実施形態を模式的に示す断面図であり，本形態では，第１実施形態と似ているが，ブレーキが設けられており，このブレーキは，電子部品のセグメント回転子上で軸方向に作用するものであり，当該電子部品の固定子のセグメントに置き換えられている。 図９は，第７実施形態のブレーキの一部と固定子を模式的に示す正面図である。

［ある例示的な実施形態の詳細な説明］
本発明の第１実施形態では，ハイブリッド型電気車両が提供される。図１には，このハイブリッド型電気車両の部分１０のみが示されている。この車両は，４つのホイールを有する自動車である。各ホイールは，その内部に搭載された電子機器２０を有している。ハイブリッド型電気車両は，内燃エンジンがジェネレーターに機械的に連結されており，これにより，ジェネレーターを駆動して，その結果として，電子機器２０を動作させるための電力を生成し，最終的に，自動車を駆動する。電子機器２０の一例の配置構成については，後で詳細に説明する。なお，他の電子機器の各々の配置構成については，実質的に同一であると理解すべきである。

図１に示す車両の部分１０は，ホイールベアリングハウジング３０を含み，このホイールベアリングハウジング３０は，サスペンションストラット４０を備えており，サスペンションストラット４０は，ホイールベアリングハウジング３０に装着されている。ホイールベアリングハウジング３０は，ホイールベアリング３５を収容している。ドライブシャフト５０は，ホイールベアリング３５内で支持されている。このドライブシャフト５０は，ベアリング３５の内側（自動車の中心部を向いている）から延び，ベアリング３５を通って，当該ベアリング３５の外側（自動車の外側を向いている）で現れる。ホイールハブ６０は，ドライブシャフト５０上であってその外側に搭載されている。ホイール７０も同様に，ホイールハブ６０上に搭載されている。したがって，ホイールベアリングハウジング３０，ホイールベアリング３５，ドライブシャフト５０，ハブ６０，及びホイール７０で構成されるアセンブリーは，電子機器２０の存在を除外すれば，従来技術に相当するといえる。

電子機器２０は，図１に示すように，軸方向磁束型の電子機器である。電子機器２０は，回転子２２と固定子２４とを有する。この回転子２２は，ディスク形状をなしており，その上には，円環状に分布するように配置された一連の永久磁石（図示せず）を有している。回転子２２は，２つの固定子２４の各中間地点の間に位置決めされており，その結果，回転子２２はそれらによって軸方向に挟まれている。固定子２４は，固定子巻線（図示せず）を含み，電流がその内部に存在する間，磁場をセットアップ可能に構成されている。電子機器２０は，モーターとジェネレーターの双方として動作することが可能である。

本実施形態における電子機器２０として用いることが可能な好ましい電子機器は，英国特許出願の出願番号第０６１３５７０．１号明細書に記載されており，この文献に記載の内容もそれを参照することによってその全てが本発明に含まれることとする。

図１に戻って説明すると，電子機器２０は，ディスクブレーキの代わりに，車両に取り付けられている。回転子２２は，ホイールハブ６０に取り付けられており，その取り付け方法は，ディスクブレーキのディスクをホイールハブ６０に取り付けるような方法である。同様に，固定子２４は，ホイールベアリングハウジング３０上に搭載されており，その方法は，ディスクブレーキのブレーキキャリパーをホイールベアリングハウジング３０に取り付けるような方法である。したがって，電子機器は，ディスクブレーキを取り付け可能に構成された車両に対して，ディスクブレーキを置き換えるようにして取り付け可能である。

操作時には，電子機器２０は，モーターとして動作可能であり，ホイール７０に回転力を与え，それにより，ホイール７０を駆動して，自動車を加速させる。また，電子機器２０は，ホイールの抵抗動作に対するジェネレーターとしても動作可能であり，これにより，自動車を減速させる。電子機器２０をモーターとして動作させている間に，この方法で生成した電力を，後で利用可能に蓄えることも可能である。したがって，電子機器２０は，回生制動中に利用することができる。

また，図１を用いて説明した実施形態の改良例では，ドライブシャフトが機械的な駆動系システム（図示せず）に連結される。駆動系システムは，内燃エンジンからの回転力を受け取り可能に構成されている。このような改良例では，電子機器２０を用いることで，内燃エンジンから機械的な駆動系システムを介して供給された電力を補給することが可能である。

図２は，第２実施形態を示している。第２実施形態は，図１に示した，また，図１を用いて説明した第１実施形態と似ている。そこで，本実施形態の説明において構成要素を特定するために，同一の符号を用いた場合，本実施形態は，図１を用いて説明した第１実施形態を共有することとする。

この第２実施形態において，第１実施形態と異なる点は，改良版の電子機器１００を各ホイール７０に設けた点である。この改良版の電子機器１００は，図１を用いて説明した電子機器２０と似ているが，２つの回転子２２を有し，それら２つの回転子２２は，ハブ６０に搭載されているとともに，互いに軸方向に離れている点で異なる。固定子１３０は，３つの固定子部分で構成される点で異なっており，固定子部分２つの間に各回転子２２が挟まれるようになっている。他の点に関しては，この第２実施形態は，第１実施形態と同じである。

改良版の電子機器１２０では，２つの回転子２２がそれぞれ固定子１３０の部分の間に挟まれた状態にすることによって，改良版の電子機器１２０は，モーターとして動作している間でも，ジェネレーターとして動作している間でも，より大きいトルクを生成することができる。そこで，第２実施形態は，ハイブリッド型電気車両が大きな質量を持つ車両（例えばバス）であるような場合に適用することが好ましい。

図３は，第３実施形態を示す図である。第３実施形態は，図１に示した，また，図１を用いて説明した第１実施形態と似ている。そこで，本実施形態の説明において要素を特定するために，同一の符号を用いた場合，本実施形態は，図１を用いて説明した第１実施形態を共有することとする。

この第３実施形態において，第１実施形態と異なる点は，遊星歯車列２００をホイール７０と電子機器２０との間に設けた点である。この改良例について，また，他の改良例については，以下に説明する。

ホイールベアリングハウジング３０は，第１実施形態の場合と同様，その内側にホイールベアリング３５を含んでいる。しかしながら，ドライブシャフト５０がない。その代わりに，短い車軸２５０が設けられており，車軸２５０は，ベアリング３５内で回転軸となる（ｊｏｕｒｎａｌｌｅｄ）。車軸２５０は，ベアリング３５から，当該ベアリング３５の外側にまでだけ延びている。電子機器２０の回転子２２は，車軸２５０上に搭載されている。車軸２５０の末端部（ベアリング３５から離れている）は，その上に，遊星歯車列２００の太陽歯車２０２が搭載されている。遊星歯車列２００の遊星歯車配列２０４は，ホイール７０に固定される。遊星歯車列２００のアニュラス２０６は，電子機器の固定子２４に固定される。

他の点に関しては，この第３実施形態は，第１実施形態と同じである。

遊星歯車列を電子機器２０とホイール７０の間に設けることによって，電子機器２０が生成するトルクが増大し，そのまま，ホイール７０に伝達される。

図４は，第４実施形態を示す図である。第４実施形態は，図１に示した，また，図１を用いて説明した第１実施形態と似ている。そこで，本実施形態の説明において要素を特定するために，同一の符号を用いた場合，本実施形態は，図１を用いて説明した第１実施形態を共有することとする。

この第４実施形態において，第１実施形態と異なる点は，本実施形態に係る電子機器３００がディスクブレーキ３１０を含むように改良されている点である。このディスクブレーキ３１０は，キャリパー３２０を有しており，このキャリパー３２０は，キャリパー３２０の部分同士の間で回転子３４０を挟むように，電子機器３００の固定子３３０に搭載されている。ある実施形態では，キャリパー３２０のハウジングが固定子３３０の構造体として一体的に成形されていてもよい。ディスクブレーキ３１０は，回転子３４０の表面に向かってブレーキパッド（図示せず）を押すように構成されており，半径方向内側には，その上に磁石が搭載されている。したがって，回転子３４０は，ディスクブレーキ３００のディスクとして作用する。

このようにして動作する場合，ディスクブレーキ３００は，回生制動とのコンビネーションで用いられて，車両を減速させる。それに代えて，ディスクブレーキ３００は，回生制動そのものに失敗したといった事態，又は回生制動によっても車両を十分に早く減速できないといった事態におけるバックアップシステムとして用いられる。

他の点に関しては，この第４実施形態は，第１実施形態と同じである。

図５は，第５実施形態を示す図である。第５実施形態は，図１に示した，また，図１を用いて説明した第１実施形態と似ている。そこで，本実施形態の説明において要素を特定するために，同一の符号を用いた場合，本実施形態は，図１を用いて説明した第１実施形態を共有することとする。

この第５実施形態において，第１実施形態と異なる点は，ディスクブレーキ４００を含む点である。つまり，図４を用いて説明した第４実施形態と同様である。ただし，この第５実施形態では，電子機器２０は改良されず，ディスクブレーキ４００が電子機器２０の回転子２２及び固定子２４から軸方向に離れている。具体的には，ディスクブレーキ４００は，キャリパー４１０と，ディスク４２０とを含んでいる。このキャリパー４１０は，固定子２４と軸方向に隣接するように，当該固定子２４の外側上において固定子２４の構造体に固定されている。ディスク４２０は，回転子２２とともに同軸的となるようにハブ６０上に搭載されており，キャリパー４１０の構造体の間に挟まれている。キャリパー４１０は，ディスクブレーキの従来方法と同様に，ディスク４２０の表面に向かってブレーキパッド（図示せず）を押すように構成されている。

このようにして動作する場合，ディスクブレーキ４００は，回生制動とのコンビネーションで用いられて，車両を減速させることが可能である。それに代えて，ディスクブレーキ４００は，回生制動そのものに失敗したといった事態，又は回生制動によっても車両を十分に早く減速できないといった事態におけるバックアップシステムとして用いることも可能である。

他の点に関しては，この第５実施形態は，第１実施形態と同じである。

図６は，第６実施形態を示す図である。第６実施形態は，図１に示した，また，図１を用いて説明した第１実施形態と似ている。そこで，本実施形態の説明において要素を特定するために，同一の符号を用いた場合，本実施形態は，図１を用いて説明した第１実施形態を共有することとする。

この第６実施形態において，第１実施形態と異なる点は，ブレーキシューアレンジメント５００を含む点である。このブレーキシューアレンジメント５００は，固定子２４の２つの部分の間に搭載されており，回転子２２のリムの周縁部の周囲に延びている。ブレーキシューアレンジメント５００は，回転子２２のリムに向かって半径方向にブレーキシューを押すように構成されている。図７には，この方法で，回転子２２のリムと係合するブレーキシューが示されている。なお，ブレーキシューは，どちらかというと，ドラムブレーキのブレーキシューのように動作するが，シューの半径方向外側に位置しているドラムの内壁ではなく，シューの半径方向内側に位置しているディスクのリムに係合している点が異なる。

このようにして用いる場合，ブレーキシューアレンジメント５００は，回生制動とのコンビネーションで用いられて，車両を減速させることが可能である。それに代えて，ブレーキシュー配列５００は，回生制動そのものに失敗したといった事態，又は回生制動によっても車両を十分に早く減速できないといった事態におけるバックアップシステムとして用いることも可能である。

他の点に関しては，この第６実施形態は，第１実施形態と同じである。

図８は，第７実施形態を示す図である。第７実施形態は，図１に示した，また，図１を用いて説明した第１実施形態と似ている。そこで，本実施形態の説明において要素を特定するために，同一の符号を用いた場合，本実施形態は，図１を用いて説明した第１実施形態を共有することとする。

この第７実施形態において，第１実施形態と異なる点は，ブレーキキャリパー６００を含むディスクブレーキ配列を含む点である。したがって，この実施形態は，上述した各実施形態とは別の実施形態と若干似ている点がある。ただし，この実施形態は，ブレーキキャリパー６００が電子機器の固定子の部分を置き換える点で異なる。すなわち，この実施形態は，修正版の固定子６２０を含んでいる。この修正版の固定子６２０は，図１を用いて説明した固定子２４と似ている。この修正版の固定子６２０は，回転子２２とともに２つの部分を形成するという点で似ているものの，図１の固定子２４の各部分の軸方向に関して一方側のセグメントが取り外されて，ブレーキキャリパー６００で置き換えられており，これにより，修正版の固定子６２０が形成されている。ブレーキキャリパー６００は，図１の固定子２４から取り外したセグメントに一致するサイズであり，修正版の固定子６２０の隣接構造体に搭載できるように構成されている。ブレーキキャリパー６００は，さらに，回転子２２の各表面に対してブレーキパッド（図示せず）を適用可能に構成されていてもよい。

図９には，修正版の固定子６２０上に位置するように搭載されたブレーキキャリパー６００が示されている。

使用中，ブレーキ６００は，回生制動とのコンビネーションで用いられて，車両を減速させることが可能である。それに代えて，ブレーキシュー配列５００は，回生制動そのものに失敗したといった事態，又は回生制動によっても車両を十分に早く減速できないといった事態におけるバックアップシステムとして用いることも可能である。

他の点に関しては，この第７実施形態は，第１実施形態と同じである。

上述した各電子機器の多くの部品の１つは，上述した英国特許出願の出願番号第０６１３５７０．１号明細書で記載されている電子機器の対応する部品であってもよいし，そのような対応する部品の特徴を含むものであってもよく，上述した英国特許出願（出願番号０６１３５７０．１）の内容は，参照することによって，本願明細書に取り込まれる。

Claims (33)

1. 車両に電力を供給するための，ホイール搭載型電子機器であって，
   前記電子機器は，
   少なくとも１つの回転子と，
   少なくとも１つの固定子と，
   を含み，
   前記固定子は，
   前記ホイールに隣接する構造体に搭載され，
   前記回転子は，
   前記ホイールに駆動的に接続されて，前記固定子とは相対的にホイールを駆動する，
   電子機器。
2. 前記回転子は，前記ホイールの軸の周囲に搭載されて，当該ホイールに連結され，それにより，前記軸を駆動することで前記ホイールを駆動する，
   請求項１に記載のホイール搭載型電子機器。
3. 前記回転子は，前記ホイールのハブに搭載されて，当該ホイールに連結され，それにより，前記ハブを駆動することで前記ホイールを駆動する，
   請求項１に記載のホイール搭載型電子機器。
4. 前記回転子は，ブレーキの回転部品の代わりに搭載される，
   前述した請求項のいずれか１項に記載のホイール搭載型電子機器。
5. 前記回転子は，ディスクブレーキのディスクの代わりに搭載される，
   請求項４に記載のホイール搭載型電子機器。
6. 前記回転子は，ドラムブレーキのドラムの代わりに搭載される，
   請求項４に記載のホイール搭載型電子機器。
7. 前記固定子は，ブレーキの固定部品の代わりに搭載される，
   前述した請求項のいずれか１項に記載のホイール搭載型電子機器。
8. 前記固定子は，ディスクブレーキのブレーキキャリパーの代わりに搭載される，
   請求項７に記載のホイール搭載型電子機器。
9. 前記固定子は，ドラムブレーキのブレーキシュー及びピストンの代わりに搭載される，
   請求項８に記載のホイール搭載型電子機器。
10. 前記回転子は，歯車列を介して前記ホイールに駆動的に接続される，
    前述した請求項のいずれか１項に記載のホイール搭載型電子機器。
11. 前記歯車列は，遊星歯車列を含む，
    請求項１０に記載のホイール搭載型電子機器。
12. 前記遊星歯車列の第１部品は，前記回転子に連結され，
    前記遊星歯車列の第２部品は，前記ホイールに連結され，かつ，
    前記遊星歯車列の第３部品は，前記固定子に連結される，
    請求項１１に記載のホイール搭載型電子機器。
13. 前記回転子は，前記遊星歯車列の太陽歯車に連結され，
    前記ホイールは，前記遊星歯車列の遊星歯車の配列に連結され，かつ，
    前記固定子は，前記遊星歯車列のアニュラスに連結される，
    請求項１１又は請求項１２に記載のホイール搭載型電子機器。
14. 前記電子機器は，軸方向磁束型の電子機器である，
    前述した請求項のいずれか１項に記載のホイール搭載型電子機器。
15. 前記軸方向磁束型の電子機器は，複数の回転子を含み，各回転子は，互いに，他の回転しから軸方向に離れている，
    請求項１４に記載のホイール搭載型電子機器。
16. 各回転子は，２つの固定子部分の間に挟まれていてもよい，
    請求項１５に記載のホイール搭載型電子機器。
17. 前記電子機器は，ブレーキを含む，
    前述した請求項のいずれか１項のホイール搭載型電子機器。
18. 前記ブレーキは，前記回転子上で動作して，前記回転子を減速させる，
    請求項１７に記載のホイール搭載型電子機器。
19. 前記ブレーキは，物体を押し込むことで前記回転子に摩擦接触させて，前記回転子を減速させる，
    請求項１８に記載のホイール搭載型電子機器。
20. 前記ブレーキは，前記回転子又は少なくともその一部とともにディスクブレーキとして作用し，これにより，ディスクブレーキの前記ディスクとして機能する，
    請求項１８又は請求項１９に記載のホイール搭載型電子機器。
21. 前記電子機器は，前記固定子上に搭載されたブレーキキャリパーを含むか，又は前記ホイールに隣接する構造体上に前記固定子とともに搭載される，
    請求項１７〜請求項２０のいずれか１項に記載のホイール搭載型電子機器。
22. 前記ブレーキは，物体を押し込むことで前記回転子の周縁外側部分に摩擦接触させて，前記回転子を減速させる，
    請求項１７〜請求項２１のいずれか１項に記載のホイール搭載型電子機器。
23. 前記周縁外側部分は，前記回転子のリムである，
    請求項１７〜請求項２０のいずれか１項に記載のホイール搭載型電子機器。
24. 前記固定子は，前記回転子上で作用するように，それらの間に前記軸方向に沿うギャップを含み，当該ギャップを介して，前記ブレーキは，前記回転子上で作用する，
    請求項１７〜請求項２１のいずれか１項に記載のホイール搭載型電子機器。
25. 前記固定子の少なくとも一部は，実質的に環状であるとともに，実質的にセグメント形状をなすギャップをその中に含み，そのギャップを介して，前記ブレーキは，前記回転子上で作用するように動作する，
    請求項２４に記載のホイール搭載型電子機器。
26. 前記ブレーキキャリパーは，前記ギャップ内に搭載される，
    請求項２４又は請求項２５に記載のホイール搭載型電子機器であって，請求項２１に従属する場合のホイール搭載型電子機器。
27. 前記ブレーキは，前記回転子から軸方向に離れているとともに，前記電子機器と同軸的なブレーキディスクを含み，当該電子機器は，駆動的に前記ホイールに接続される，
    請求項１７に記載のホイール搭載型電子機器。
28. 車両用のホイール搭載アセンブリーであって，
    前記アセンブリーは，
    ホイールベアリングハウジング構造体であって，ホイールベアリングに適合可能に構成されているとともに，前記車両のサスペンション部品に固定可能に構成されている，ホイールベアリングハウジング構造体と，
    前記ホイールベアリングハウジング構造体とは相対的に回転可能に搭載するために配置されたハブと，
    を含み，
    前記アセンブリーは，さらに，
    電子機器を含み，
    当該電子機器は，
    少なくとも１つの回転子と，
    少なくとも１つの固定子と，
    を含み，
    前記固定子は，前記ホイールベアリングハウジング構造体上に搭載され，
    前記固定子は，前記ハブに搭載される，
    ホイール搭載アセンブリー。
29. 車両用のホイール搭載アセンブリーであって，
    前記アセンブリーは，
    ホイールベアリングハウジング構造体であって，ホイールベアリングに適合可能に構成されているとともに，前記車両のサスペンション部分に固定可能に構成されているホイールベアリングハウジング構造体と，
    前記ホイールベアリングハウジング構造体とは相対的に回転可能に搭載されるホイールと，
    を含み，
    前記アセンブリーは，さらに，
    本発明の第１の側面に係る電子機器と，
    前記ホイールベアリングハウジング構造体上に搭載された電子機器の固定子と，
    前記ホイールに駆動的に接続されて前記ホイールを前記固定子とは相対的に駆動して前記ホイールベアリングハウジング構造体を駆動する回転子と，
    を含む，
    ホイール搭載アセンブリー。
30. 車両であって，
    請求項１〜請求項２７のいずれか１項に記載のホイール搭載型電子機器，及び／又は，請求項２８に記載のホイール搭載アセンブリー，及び／又は，請求項２９に記載のホイール搭載アセンブリーを含む，
    車両。
31. さらに，ハイブリッド型の電気車両である，
    請求項３０に記載の車両。
32. 前記車両は，
    前記電子機器をモーターとして動作させて当該車両を駆動するために，前記電子機器に対する電力供給を制御可能に構成されており，さらに，
    前記電子機器をジェネレーターとして動作させるとともに，
    生成させた電気エネルギーを蓄えて，前記電子機器を動作させてモーターとして動作させて，前記車両を駆動するときの後半で利用できるように構成されている，
    請求項３０又は請求項３１に記載の車両。
33. 前記車両は，当該車両の２つ，又はそれ以上，又は全部のホイールの各々で，
    請求項１〜請求項２７のいずれか１項に記載の各電子機器又はホイール搭載電子機器，及び／又は，請求項２８に記載のホイール搭載アセンブリー，及び／又は，請求項２９に記載のホイール搭載アセンブリーを含む，
    請求項３０〜請求項３２のいずれか１項に記載の車両。
    

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