JP2009536524A - 薄切りにした腫瘍組織におけるmRNA発現を定量することによって固形腫瘍の薬剤感受性を検査する方法 - Google Patents

薄切りにした腫瘍組織におけるmRNA発現を定量することによって固形腫瘍の薬剤感受性を検査する方法 Download PDF

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Abstract

治療剤に対する新生物組織の感受性を評価する方法、特にこのような方法において薄切りにした生腫瘍組織から得られた細胞におけるアポトーシス促進性のマーカーmRNAを定量する方法を開示する。この方法は、個々の腫瘍又は腫瘍型に対する特定のアポトーシスマーカーmRNAを確認すること、並びにin vitroで個々の腫瘍由来の薄切りにした生癌組織を候補化学療法剤の投薬法に曝した後、この組織でマーカーmRNAのレベルを評価することを含めることができる。

Description

本開示は、治療剤に対する新生物組織の感受性を評価する方法に関し、特にこのような方法において薄切りにした生腫瘍組織から得られた細胞におけるアポトーシス促進性のマーカーmRNAの発現の定量に関する。
患者向けの「テーラード(tailored:テーラーメイド)」、「オーダーメイド(personalized)」、又は「個別化(individualized)」医療は、各患者に好適な個別化した治療を特定するのに、近年兆しが見えてきた新しい概念である(参照により本明細書中に援用されるJain KK, Curr Opin Mol Ther 4, 548(2002)を参照されたい)。この医療は、化学療法剤は深刻な副作用を誘導することが知られているため、癌患者にとって特に重要である。しかし、現在の薬剤選択は、多数例の患者集団を用いる二重盲式臨床試験によって得られた統計的に有意な結果に依存してなされる。診断が下されると、患者は、薬剤感受性における個人差を考慮されずに、統計的に実証された標準的な治療を受ける。このような薬剤応答性を予測するのに様々な試みが為されてきたが、1)癌細胞が、in vitroで手術によって取り出した組織又は生検標本から単離されると、癌細胞の特性が均一ではなくなることがあることと、2)培養条件は一般的に、通常の生理学的環境を模倣していないことという、主として2つの大きな理由から、現時点では利用可能な普遍的方法論は存在しない。ゲノムDNAの一塩基多型(SNP)の解析は、特定薬剤に感受性がある、又は感受性がない患者を特定する幾つかの手掛かりを与えるが(参照により本明細書中に援用されるA. Di Paolo, R. Danesi, M. Del Tacca, Pharmacol. Res. 49, 331(2004)を参照されたい)、このような情報は全ての薬剤で普遍的に適用可能というわけではない。さらに、特定薬剤に対する応答性に影響するSNPが同定されたとしても、2番目又は3番目の未だに同定されていないSNPが、薬剤に対する応答性の変化を補うのか、その変化を妨げるのか、又は悪化させるのかは依然として知られていない。
一実施形態において、治療剤が固形腫瘍に対して効果がありそうか否かを決定する方法を開示し、この方法は、固形腫瘍から、厚さが20μm〜500μmである実質的に均質な切片を含む第1のサンプル及び第2のサンプルを得ること、in vitroで第1のサンプルを治療剤とインキュベートすること、in vitroで第2のサンプルを対照の刺激とインキュベートすること、インキュベーション後、第1のサンプル及び第2のサンプルにおける腫瘍細胞のアポトーシスに関連するmRNAの量を測定すること、及び第1のサンプルにおけるmRNAの量と、第2のサンプルにおけるmRNAの量とを比較し、この量が約50%超異なる場合、この治療は効果がありそうであると決定することを含む。さらなる態様では、実質的に均質な切片の厚さは、約50μm〜200μmの範囲内である。さらなる態様では、第1のサンプル及び第2のサンプルのそれぞれが、少なくとも3つの均質な切片を含む。さらなる態様では、対照の刺激がPBS及びDMSOから成る群から選択される。さらなる態様では、第1のサンプル及び第2のサンプルをCO2インキュベータでインキュベートする。さらなる態様では、第1のサンプル及び第2のサンプルを3時間〜5時間インキュベートする。さらなる態様では、第1のサンプル及び第2のサンプルを約4時間インキュベートする。さらなる態様では、第1のサンプルにおけるmRNAの量が、第2のサンプルにおけるmRNAの量より大きい場合、治療は効果がありそうであると決定する。さらなる態様では、第1のサンプルにおけるmRNAの量と、第2のサンプルにおけるmRNAの量とを比較することが、第1のサンプルにおけるmR
NAの量と第2のサンプルにおけるmRNAの量との比を求めることを含み、この比が1.5以上である場合、治療は効果がありそうであると決定する。さらなる態様では、この比が2.0以上である場合、治療は効果がありそうであると決定する。さらなる態様では、治療剤は、ダウノルビシン、ドキソルビシン、シタラビン、シスプラチン、エトポシド、及びミトキサントロンから成る群から選択される薬剤を含む。
さらなる態様において、腫瘍細胞のアポトーシスに関連するmRNAが、第3のサンプル及び第4のサンプルを固形腫瘍から得ること、in vitroで第3のサンプルをアポトーシス促進性の刺激に曝すこと、細胞サンプルにおいてアポトーシス変化が生じるのに十分な時間、第3のサンプル及び第4のサンプルをインキュベートすること、第3のサンプル及び第4のサンプルにおいて、p21、GADD、Apaf−1、SUMO、Bfl−1、BCL−W、BCL−2、PUMA、NOXA、Hrk、Bim、BINP3、Bik、Bid、Bad、Bcl−XS、Bok、Bak、Bax、LRP、及びMRPから成る群から選択される少なくとも1つのmRNAの量を測定すること、及び第3のサンプルにおけるmRNAの量と第4のサンプルにおけるmRNAの量との比を求めること(1.5以上の比を示すmRNAがアポトーシスのマーカーmRNAとして同定される)を含む方法によって同定される。さらなる態様では、第3のサンプル及び第4のサンプルは、固形腫瘍の実質的に均質な切片を含む。さらなる態様では、アポトーシス促進性の刺激は放射である。さらなる態様では、アポトーシス変化が生じるのに十分な時間は2時間〜4時間である。さらなる態様では、アポトーシス変化が生じるのに十分な時間は約3時間である。さらなる態様では、2.0以上の比を示すmRNAがアポトーシスのマーカーmRNAとして同定される。
さらなる態様において、第1のサンプル及び第2のサンプルが、病変の実質的に均質な部分を固形腫瘍から取り出す工程、この部分とほぼ同じ硬さであり、この部分内の細胞の生存率を低減させない材料にこの部分を埋め込む工程、埋め込んだ部分の温度を約4℃にする工程、及び埋め込んだ部分を切片にする工程を含む方法によって得られる。さらなる態様では、均質な部分は略立方体である。さらなる態様では、立方体状の均質な部分は約1mm×1mm×1mmである。さらなる態様では、この材料は、この細胞に到達可能な栄養物及び酸素を含む。さらなる態様では、この材料はゲルである。さらなる態様では、このゲルは液体を刺激することによって製造される。さらなる態様では、この刺激は、化学薬剤、紫外線及び電気から成る群から選択される。さらなる態様では、埋め込む工程は、液体に実質的に均質な部分を含浸させること、及び刺激の適用によってこの液体をゲルに変えることを含む。
in vitro環境に置いた癌細胞の変化に関連する問題を克服するために、本方法では、in vitroで薄切りにした生癌組織を候補化学療法剤の投薬法に曝す。生きている動物脳標本から薄片を調製することが可能な組織切片作製機が、数十年間、神経科学分野で利用されてきた(参照により本明細書中に援用されるMayahara H, Fujimoto K, Noda T, Tamura I, Ogawa K. Acta Histochem Cytochem. 14, 211(1981)を参照されたい)。しかし、これまでこれらは、薬剤感受性アッセイにおける使用のために、ヒト固形腫瘍からサンプルを調製するのには用いられてこなかった。細胞間接触を破壊することなく癌標本を分析することができるので、生薄片はこのようなアッセイに理想的な材料である。切断面の両側の細胞は破壊されるが、薄片の中では無傷の細胞層が維持される。このような薄片を適切な培養培地で懸濁すると、薬剤がこれらの無傷細胞に浸透する。複数の同一切片を癌塊の均質な病変から調製することができ、その後in vitroで様々な薬剤レジメンをスクリーニングするのに用いてもよい。癌組織が脳組織よりもはるかに硬く、また不規則であるために、複数の同質の薄片(厚さ30μm〜100μm)を、新鮮な非固定癌塊から切り出すことができるか否かは、今まで明らかになっていない。その上
、生理学的条件下でこのように取り出した切片をどのようにしてin vitro処理中に保持するかも、今まで知られていない。
<切片にした組織における細胞生存率の分析>
硬さが固形腫瘍塊に似ているブタの舌を、切片にした組織の物理的性質を評価するのに利用した。約10mm×5mm×5mm(高さ)片のこの肉塊をレーザブレードで切断し、組織切片作成機(DSK−1000、堂阪イーエム株式会社、日本国京都府)上に置いた。氷冷したリン酸緩衝生理食塩水(PBS、Invitrogen)にサンプルを入れた。このサンプルの12個の切片は、機器の取扱説明書に従って、4つずつ、厚さをそれぞれ、30μm、50μm、及び100μmにして調製した。4つのサンプル間の差異を評価するために、それぞれの切片の乾燥重量を測定した。図1では、薄切りにした試料の重量が示されている。4重のデータは、平均±標準誤差(s.d.)で示されている。図1で示されるように、30μm、50μm及び100μm切片に対応する3つのデータ点は、5%〜12%の変動係数(CV)で直線状であった。
アポトーシス変化を確認するために、通常は標本を37℃で一晩以上インキュベートする。しかし、インキュベーション時間が長いと、あまり生理学的ではない条件が生じ、幾つかの人工産物を誘導する可能性がある。これまでに同定された初期アポトーシスマーカーを用いて、アポトーシス促進性のmRMA発現の増加を、2時間〜4時間という短いインキュベーション後に確認できることを見出した(参照により本明細書中に援用されるMitsuhashi M, Tomozawa S, Endo K, Shinagawa A. Clin Chem. 52, 634(2006)、国際特許出願第PCT/US2005/037925号、及び国際特許出願第PCT/US2006/022427号を参照されたい)。これは、mRNA発現が、タンパク質合成及びそれによる生物学的変化よりも前の事象であるからである。
一実施例において、100μm切片は、手術によって取り出した胃癌標本のうちの2つの例から成功裏に調製した。これらのサンプルにおけるmRNA定量結果は、図2〜図4で示されている。37℃で3時間インキュベートして、又はインキュベートしないで、手術によって取り出した胃癌標本から、本発明者らの何人かがこれまでに公開した方法に従って、p21 mRNAを定量した(参照により本明細書中に援用されるMitsuhashi M, Tomozawa S, Endo K, Shinagawa A. Clin Chem. 52, 634 (2006)を参照されたい)。簡潔に述べると、組織切片作成機を用いて切片を得て、任意でインキュベートした。p21
mRNA定量のために切片を準備したら、それに溶解緩衝液を添加した。溶解緩衝液は、例えば0.5%のN−ラウロイルサルコシン、4×SSC、10mMのトリスHCl(pH7.4)、1mMのEDTA、0.1%IGEPAL CA−630、及び1.791Mの チオシアニン酸グアニジンを含み、それに1%の2−メルカプトエタノール(Bio
Rad, Hercules, CA, USA)、0.5mg/mlのプロテイナーゼK(Pierce, Rockford,
IL, USA)、0.1mg/mlのサケ***DNA(5 Prime Eppendorf/Brinkmann, Westbury, NY, USA)、0.1mg/mlの大腸菌tRNA(Sigma)、特異的なリバースプライマーをそれぞれ10mM有するカクテル、及び標準的なRNA34オリゴヌクレオチドを添加したものだった。それから、溶解緩衝液を激しく混合する(10回〜20回、上下にピペッティングする)ことによって組織切片を溶解させた。得られた溶解溶液をピペットでオリゴ(dT)固定化マイクロプレート(GenePlate, RNAture)に移した。4℃で一晩保存した後、プレーン溶解緩衝液100μlで3回、その後洗浄緩衝液(0.5MのNaCl、10mMのトリス(pH7.4)、1mMのEDTA)150μlで3回、4℃でマイクロプレートを洗浄した。1×RT緩衝液、各1.25mMのdNTP、4単位のrRNasin、及び80単位のMMLV逆転写酵素(Promega)(プライマーなし)を含有する緩衝液30μlを添加し、37℃で2時間インキュベートすることによって、それぞれのウェルで直接cDNAを合成した。特異的なプライマーでプライミングしたcDNAが溶液中に存在し、残留したオリゴ(dT)でプライミングしたcDNAがマイクロ
プレートに固定された。TaqMan PCRを行うため、得られたcDNA溶液4μlを384ウェルPCRプレートに直接移し、それにTaqManユニバーサルマスターミックス(ABI)5μl、オリゴヌクレオチドカクテル(それぞれ15μMのフォワードプライマー及びリバースプライマー、並びに3μM〜6μMのTaqManプローブ)1μlを加え、95℃で10分間を1サイクル、その後95℃で30秒間、55℃で30秒間、及び60℃で1分間を45サイクルのPCRをPRISM 7900HT(ABI)で行った。SYBRグリーンPCRも利用することができ、これに関しては、cDNAを水中で3倍〜4倍希釈することができ、cDNA溶液4μlを384ウェルPCRプレートに直接移し、これにマスターミックス(BioRad, Hercules, CA)5μl及びオリゴヌクレオチドカクテル(それぞれ15μMのフォワードプライマー及びリバースプライマー)1μlを加え、95℃で10分間を1サイクル、その後95℃で30秒間、及び60℃で1分間を45サイクルのPCRをPRISM 7900HT(ABI)で行った。それぞれの遺伝子は個々のウェルで増幅した。Ct値は、解析用ソフトウェア(SDS、ABI)によって決定した。
一実施例において、迅速に固まる不活性ゲルは、切片にする前に組織塊を埋め込むのにも利用できる。例えば、化学薬剤、紫外線又は電気で処理することによって4℃で迅速に硬化させることができる液体ゲルを含有する、小さい使い捨てのプラスチックカセットを用いてもよい。例えば各辺が1mmの大きさである立方体状のサンプルとして組織を得たら、それをカセットに入れた後に、液体ゲルを固まらせる。一実施例では、組織細胞を損傷させないように、このゲルは生物学的に不活性なものでもよい。また、ある実施例では、組織の硬さと同程度の硬さのゲルを用いてもよい。それから、細胞の損傷を防ぐため、4℃で切断を行うのが好ましい。さらなる実施例では、ゲルによって、埋め込まれた組織に栄養物及び酸素が供給される。
組織が埋め込まれたゲルは、切断テーブル上に固定され、冷培養培地に入れられる。切断手順は培地溶液中で行う。したがって、それぞれの組織切片が作製されると、それらは培養培地中に浮遊する。それぞれの切片は、ピンセットを用いて摘み、組織培養プレート(48ウェルプレート又は24ウェルプレート)に入れてもよい。スクリーニングする薬剤を培養プレートに添加する。薬剤インキュベーション後、溶液を吸引し、溶解緩衝液を添加する(例えば上記の溶解緩衝液を利用してもよい)。37℃で10分間、組織切片を溶解緩衝液でインキュベートする。それから、溶解緩衝液を激しく混合する(10回〜20回、上下にピペッティングする)ことによって、組織切片を溶解させる。得られた溶解溶液をピペットでGenePlateに移す。
さらなる実施例において、培養培地流を利用する切断器を用いてもよい。それによって、それぞれの切片が、96ウェルフィルタプレートの個々のウェルで回収される。それから、フィルタプレートを切断器から取り出し、ホルダ(一時的に底のフィルタプレートの穴を塞ぐ)上に置く。それから、それぞれのウェルに培養培地及び薬剤を添加し、1時間〜4時間インキュベートする。穴が塞がれているので、溶液はそれぞれのウェルに残る。フィルタプレート材料は、組織を損傷せず、薬剤を吸着しない程度に不活性であることが好ましい。フィルタプレートをホルダから取り出し、回収プレート上に置き、5mMのトリス(pH7.4)150μlを加える。4℃、120×gで1分間の遠心分離の後、細胞サンプル50μlをそれぞれのウェルに加え、すぐに4℃、120×gで2分間遠心分離した後に、4℃、2000×gで、5分間遠心分離しながら、PBS300μlでそれぞれのウェルを1回洗浄する。それから、上記のストック溶解緩衝液60μlをフィルタプレートに加えた後、37℃で10分間インキュベートする。それから、フィルタプレートをオリゴ(dT)固定化マイクロプレート(GenePlate、RNAture)上に置き、4℃で5分間、2000×gで遠心分離する。4℃で一晩保存した後、4℃でマイクロプレートをプレーン溶解緩衝液100μlで3回、その後洗浄緩衝液(0.5MのNaC
l、10mMのトリス(pH7.4)、1mMのEDTA)150μlで3回洗浄する。1×RT緩衝液、各1.25mMのdNTP、4単位のrRNasin、及び80単位のMMLV逆転写酵素(Promega)(プライマーなし)を含有する緩衝液30μlを添加し、37℃で2時間インキュベートすることによって、それぞれのウェルでcDNAを直接合成する。特異的なプライマーでプライミングしたcDNAが溶液中に存在し、オリゴ(dT)でプライミングしたcDNAはマイクロプレートに固定されたままである。TaqMan PCRを行うため、得られたcDNA溶液4μlを384ウェルPCRプレートに直接移し、これにTaqManユニバーサルマスターミックス(ABI)5μl及びオリゴヌクレオチドカクテル(それぞれ15μMのフォワードプライマー及びリバースプライマー、並びに3μM〜6μMのTaqManプローブ)1μlを加え、95℃で10分間を1サイクル、その後95℃で30秒間、55℃で30秒間及び60℃で1分間を45サイクルのPCRをPRISM 7900HT(ABI)で行う。SYBRグリーンPCRも利用することができ、これに関しては、cDNAを水中で3倍〜4倍希釈することができ、cDNA溶液4μlを384ウェルPCRプレートに直接移し、これにマスターミックス(BioRad, Hercules, CA)5μl及びオリゴヌクレオチドカクテル(それぞれ15μMのフォワードプライマー及びリバースプライマー)1μlを加え、95℃で10分間を1サイクル、その後95℃で30秒間及び60℃で1分間を45サイクルのPCRをPRISM 7900HT(ABI)で行う。それぞれの遺伝子を別々のウェルで増幅させた。Ct値は、解析用ソフトウェア(SDS, ABI)によって決定する。
mRNAの測定に利用されるプローブ及びプライマーの配列は、以下の表1に示される。
Figure 2009536524
Figure 2009536524
図2で示されるように、p21 mRNAは、胃癌の小片(10mm×5mm×100μm)から定量された。4重のデータは、平均±s.d.で示された。p21は、サイクリン−CDK2と、サイクリン−CDK4との複合体の活性を阻害するサイクリン依存性のキナーゼ阻害剤であり、G1期の細胞周期の進行の調節因子として作用する。ある特定の腫瘍組織、例えば***腫瘍、神経膠腫、及び卵巣癌において、p21は、アポトーシスに寄与することも示されている。
p21 mRNAのCV(39%〜46%)は図1のCVよりも大きかったが、このようなCVは、3時間のインキュベーション中のp21誘導についての統計的に有意な(p=0.02)結論を導くのに適していた。このことによって、p21 mRNAが何れの刺激なくin vitroでのインキュベーション中に増加したという従来の示唆(Mitsuhashi M, Tomozawa S, Endo K, Shinagawa A. Clin Chem. 52, 634(2006)を参照されたい)が確認され、また胃腫瘍から取り出されたサンプルが生きており、機能的であることが示唆される。
腫瘍細胞においてアポトーシスに関連する他のmRNAも測定した。細胞がアポトーシスを受けることが認められる場合、幾つかのアポトーシス促進性のタンパク質が活性化することが知られている。これらには、いわゆるBcl−2/BAXファミリー遺伝子が含
まれ、特にBAX、BAK、BOKk、Bcl−XS等が挙げられる。切断型のBAX、例えばいわゆるBH3−onlyメンバーもアポトーシス促進性であることが知られており、この群は、BID、BAD、BIK、BIM、NOXA、PUMA(アポトーシスのp53上方調節因子)等から成る。
これらのmRNAは全て、1つ又は複数の腫瘍型におけるアポトーシス応答性に関連している。GADD153(増殖停止及びDNA損傷誘導遺伝子)は、骨髄腫、肝癌及び結腸癌におけるアポトーシスを媒介することが示されている。Apaf−1タンパク質は、ミトコンドリアによって放出されるシトクロムC及びdATPと相互作用して、アポトソーム複合体を形成し、これはカスパーゼ9を活性化することができ、アポトーシスに至らしめる。Apaf−1のサイレンシング又は下方調節は、黒色腫及び膠芽細胞腫に関与する。SUMO−1(小ユビキチン関連修飾因子)はユビキチンと構造的には関連するが、タンパク質は、SUMOによって修飾される場合(スモ化)、ユビキチン媒介性分解から保護されると考えられる。さらに、SUMOは、ゲノム安定性の監視に重要な経路を制御し、またDNA損傷に対する細胞応答の重要な決定因子であるPML/p53腫瘍抑制ネットワークを調節する。Bfl−1は、Bcl−2ファミリーのメンバーであり、p53媒介性アポトーシスを抑制して、細胞増殖活性及び形質転換活性を示す。Bfl−1レベルの上昇が胃癌及び結腸癌、並びに乳癌で見られている。BCL−Wは、Bcl−2ファミリーの別のメンバーであり、抗アポトーシス効果を有する。BCL−Wは、胃癌細胞の保護に関与する。Bcl−2遺伝子は抗アポトーシス効果を有する。Bcl−2は、カスパーゼ−9及びApaf−1と複合体を形成し、この複合体はこれらのタンパク質がアポトソームを形成してアポトーシスに至るプロテアーゼカスケードが始まるのを防ぐ。Bcl−2は、悪性B細胞及び慢性リンパ球性白血病に関与する。PUMA(BBC3としても知られているアポトーシスのp53上方調節修飾因子)は、転写誘導され、ミトコンドリアのアポトーシス経路を介してアポトーシスを誘導する。PUMAは、p53によって転写活性化されて、またp53の状態にかかわらず小胞体ストレス後に上方調節される。PUMAは特に、黒色腫、結腸直腸癌、頭頸部癌及び膵臓癌に関与する。データは本明細書中では示されていないが、NOXA mRNAも有用なマーカー遺伝子となり得る。NOXA(PMAIP1又はARPとしても知られている)は、成人T細胞白血病で高度に発現することが見出され、細胞損傷に応じてアポトーシス促進機能を有し、カスパーゼ−9の活性化に関与ししてアポトーシスが引き起こす。Hrkは、Bcl−2と相互作用するアポトーシスの活性化因子である。Hrkは、星細胞系腫瘍及び中枢神経系リンパ腫に関与する。Bimは、ほとんどのBcl−2ホモログと短いBH3モチーフを共有し、アポトーシスを誘発する。Bimは、マントル細胞リンパ腫の発生に関与している。BINP3は、悪性神経膠腫と結び付いたアポトーシス促進性のBcl−2ファミリータンパク質である。Bik(Bcl−2相互作用キラー)タンパク質は、別のアポトーシス促進性のBcl−2ファミリーのメンバーである。BikはB細胞リンパ腫及び乳癌に関与し、上皮細胞及び肺細胞でも発現が見られている。Bid(BH3相互作用ドメインデスアゴニスト)は、骨肉種及び胃癌に関与するアポトーシス促進性のタンパク質である。Badは、B細胞リンパ腫及び結腸癌に関連した別のBcl−2アポトーシス促進性のファミリーのメンバーである。Bcl−XSは、肝細胞癌、乳癌及び卵巣癌と結び付いたこのファミリーの別のアポトーシス促進性のメンバーである。Bok(Bcl−2関連卵巣キラー)は、卵巣癌に関連した別のBcl−2アポトーシス促進性のファミリーのメンバーである。別のBcl−2ホモログであるBakは、アポトーシスの強力なプロモータであり、胃癌及び結腸直腸癌に関与している。Bax(Bcl−2関連Xタンパク質)は、急性及び慢性のリンパ球性白血病、胃及び結腸直腸の癌、乳癌、並びに膵臓癌を含む多くの癌に関与するアポトーシス促進性のタンパク質である。LRP(肺耐性タンパク質)の発現は、ヒトの線維肉腫、肝細胞癌及び急性骨髄性白血病で見られている。MRP遺伝子は、肝細胞癌及び結腸直腸癌で発現されることが示されている。
薬剤誘導性のアポトーシス進行中にそれぞれの種類の癌標本における転写レベルでmRNAが発現することは、未だにはっきりとは解明されていない。細胞の種類、薬剤の種類又は刺激の投与量若しくは程度に応じて、特定のmRNAをより優位に発現することができる。個別に変えることも可能である。したがって、一実施例では、これらのアポトーシス関連mRNAを、いくつかの異なる薬剤を用いて、それぞれの癌(肺癌、肝臓癌、乳癌等)に関して、スクリーニングしてもよい。個々の腫瘍に対して、又は特定の癌の種類に対して特異的なmRNAマーカーが同定されれば、これらのマーカーのmRNAを薬剤のスクリーニングに用いてもよい。
図3で示されるように、p21だけでなく、PUMA、Hrk、Bim、Bid及びMRPのmRNAでも、3時間のインキュベーション中に有意に(p<0.05)増加した。図3では、4重のデータは平均±s.d.で示される。影付きの棒グラフはp<0.05を示す。mRNA調製(参照により本明細書中に援用されるMitsuhashi et al., Clin Chem. 52, 634(2006)を参照されたい)中に溶解緩衝液に入れられた対照RNA(RNA34)のレベルは全く有意な変化を示しておらず、このことはこのアッセイが適切に行われたことを示唆する。
<腫瘍特異的なmRNAアポトーシスマーカーの同定>
アポトーシス変化を確認するために、上記のように得られた胃癌片は、15Gyの放射によって刺激され、37℃で3時間インキュベートした。これまでの研究に従って、15Gyの放射が選択された(Mitsuhashi, et al., Clin Chem. 52, 634(2006)を参照されたい)。それから、上記の方法を用いて、幾つかのアポトーシス関連mRNAのレベルを評価した。
この結果が図4に示される。図4では、4重のデータが平均±s.d.で示される。影付きの棒グラフはp<0.05を示す。図4で示されるように、アポトーシス促進性のBH3−only mRNAの1つであるBikが有意に誘導されたが、全血では見出されたアポトーシスマーカーmRNA(p21及びPUMA)は、この胃癌サンプルでは誘導されなかった。この場合、Bikは、この腫瘍に対する薬剤プロトコルをスクリーニングする際に用いるのに適切なマーカーである。適切なマーカーmRNAは、それぞれの癌に対しても同様に決定することができる。様々な種類の固形腫瘍に関する多くの症例を通じてデータが展開されるので、臨床医が、腫瘍の組織学的な、遺伝学的な又は他の分類に基づき、薬剤スクリーニングプロトコルに利用するのに最も適切なmRNAマーカーを同定することを可能にする発現パターンが明らかになることが期待される。このようなマーカーmRNAが、個々の腫瘍に対して同定されるか、又は腫瘍の種類に基づいて選択されれば、生癌片をin vitroでmRNA解析に用いてもよく、このことによって様々な癌標本に対する薬剤感受性アッセイが可能になる。
したがって、この方法の一実施例において、個々の腫瘍サンプルから採取された切片に、放射等のアポトーシス促進性の刺激を与えてもよく、刺激を受けた切片及び刺激を受けていない切片は、細胞サンプルにおいてアポトーシス変化が生じるのに十分な時間、インキュベートしてもよい。この時間は、例えば約3〜4時間としてもよい。この後、腫瘍組織におけるアポトーシスに関連した様々な潜在的なマーカーmRNAのレベルを、上記のように、刺激を受けたサンプル及び刺激を受けていないサンプルにおいて測定することができる。アポトーシス促進性又は抗アポトーシス性のmRNAを、このマーカーmRNAとしてもよい。一実施例では、刺激を受けたサンプルにおけるmRNAの量と、刺激を受けていないサンプルにおけるmRNAの量との比が1.5以上を示すアポトーシス促進性のmRNAを、薬剤スクリーニングの際に用いるマーカーmRNAとして選択してもよい。さらなる実施例では、2.0以上の比を示すmRNAを選択してもよい。さらなる実施例では、刺激を受けていないサンプルにおけるmRNAの量と、刺激を受けたサンプルに
おけるmRNAの量との比が1.5以上を示す抗アポトーシス性のmRNAを、薬剤スクリーニングの際に用いるマーカーとして選択してもよい。さらなる実施例では、2.0以上の比を示すmRNAを選択してもよい。
さらなる実施例において、腫瘍組織切片を得て刺激によってマーカーmRNAを同定するのではなく、腫瘍組織をコラゲナーゼ又はトリプシンで均質にしてもよく、単離細胞懸濁液を刺激した後に、mRNAを測定する。
<薬剤スクリーニングプロトコル>
複数の薄切り切片(200μm)が新鮮単離ラット脾臓から調製され、これらはCO2インキュベータで4時間、様々な薬剤とインキュベートした。脾臓は、均質で、容易に切片にすることができ、大きいサイズで得ることができるので、腫瘍組織の代わりに用いた。インキュベーション後、β−アクチン(3つの異なるプライマー組)、PUMA(1つのプライマー組)、及びp21(3つの異なるプライマー組)のmRNAは、フィルタプレートを用いずに上記の方法によって定量した。このプライマーの配列は、以下の表2で示される。
Figure 2009536524
簡潔に述べると、三つずつの切片は、CO2インキュベータにおいて37℃で4時間、それぞれ50μMのダウノルビシン及びドキソルビシン(「DNR」)と、1mMのAraC及び50μMのシスプラチン(「AraC」)と、500μMのエトポシド及び50μMのミトキサントロン(「VP16」)と、それぞれの対照(DNR及びAraCではPBS、並びにVP16ではDMSO)とに曝した。それから、β−アクチン(3つの異なるプライマー組)、PUMA(1つのプライマー組)、及びp21(3つの異なるプラ
イマー組)のmRNAは、フィルタプレートを用いずに定量した。得られたcDNAを水で4倍に希釈し、cDNA溶液4μlを384ウェルPCRプレートに直接移し、これにiTaq SYBRマスターミックス(BioRad, Hercules, CA)5μlと、オリゴヌクレオチドカクテル(それぞれ15μMのフォワードプライマー及びリバースプライマー)1μlを加え、95℃で10分間を1サイクル、その後95℃で30秒間及び60℃で1分間を45サイクルのPCRをPRISM 7900HT(ABI)で行った。1×RT緩衝液を陰性対照として用い、プライマーダイマーがこれらのPCR条件下で生成しなかったことを確認した。さらに、溶解曲線をそれぞれの場合で解析し、PCRシグナルが単一のPCR産物に由来するものであることを確認した。Ct値は、解析用ソフトウェア(SDS,
ABI)によって決定した。ΔCt値は、適切な対照サンプルのCt値を差し引くことによって算出し、倍数増加は、それぞれのPCRサイクルの有効性を100%と仮定することによって、2(-ΔCt)から算出した。
この結果は、図5で示される。図5では、データは平均±s.d.で示され、*はp<0.03を示す。切片間に差異が存在するが、p21及びPUMAにおけるDNR誘導性の低減が統計的有意性によって確認された一方で、対照のハウスキーピング遺伝子(β−アクチン)は変わらなかった。これに対して、VP−16及びAraCのレジメンは、組織におけるmRNA発現に対する統計的に有意な効果を示さなかった。このことによって、このシステムが特定の薬剤レジメンに対する組織の感受性を評価するのに効果的であることが示される。
したがって、一実施例において、薬剤に曝された腫瘍組織が、腫瘍組織におけるアポトーシスに関連したマーカーmRNAの発現レベルの変化を示す場合、このことが治療の潜在的な有効性の指標となる。特に、薬剤に曝された腫瘍片における、及び対照剤に曝された腫瘍片におけるマーカーmRNAのレベルが約50%超異なる場合、治療は効果がありそうであると決定する。アポトーシス促進性又は抗アポトーシス性を、このマーカーmRNAとしてもよい。さらなる実施例では、薬剤に曝された切片におけるアポトーシス促進性のmRNAの量と、対照刺激に曝された切片におけるアポトーシス促進性のmRNAの量との比が1.5以上であることが、効果的な治療の指標となる。さらなる実施例では、2.0以上の比が効果的な治療の指標となる。さらなる実施例では、対照刺激に曝された切片における抗アポトーシス性のmRNAの量と、薬剤に曝された切片における抗アポトーシス性のmRNAの量との比が1.5以上であることが効果的な治療の指標となる。さらなる実施例では、2.0以上の比が効果的な治療の指標となる。
図1 図2 図3 図4 図5

Claims (25)

  1. 治療剤が固形腫瘍に対して効果がありそうか否かを決定する方法であって、
    前記固形腫瘍から、厚さが20μm〜500μmである実質的に均質な切片を含む第1のサンプル及び第2のサンプルを得ること、
    in vitroで前記第1のサンプルを前記治療剤とインキュベートすること、
    in vitroで前記第2のサンプルを対照の刺激とインキュベートすること、
    インキュベーション後、前記第1のサンプル及び前記第2のサンプルにおける前記腫瘍細胞のアポトーシスに関連するmRNAの量を測定すること、及び
    前記第1のサンプルにおけるmRNAの量と、前記第2のサンプルにおけるmRNAの量とを比較し、該量が約50%超異なる場合、前記治療は効果がありそうであると決定すること、
    を含む方法。
  2. 前記実質的に均質な切片の厚さが、約50μm〜200μmの範囲内である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1のサンプル及び前記第2のサンプルのそれぞれが、少なくとも3つの均質な切片を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記腫瘍細胞のアポトーシスに関連するmRNAが、
    第3のサンプル及び第4のサンプルを前記固形腫瘍から得ること、
    in vitroで前記第3のサンプルをアポトーシス促進性の刺激に曝すこと、
    前記細胞サンプルにおいてアポトーシス変化が生じるのに十分な時間、前記第3のサンプル及び前記第4のサンプルをインキュベートすること、
    前記第3のサンプル及び前記第4のサンプルにおいて、p21、GADD、Apaf−1、SUMO、Bfl−1、BCL−W、BCL−2、PUMA、NOXA、Hrk、Bim、BINP3、Bik、Bid、Bad、Bcl−XS、Bok、Bak、Bax、LRP、及びMRPから成る群から選択される少なくとも1つのmRNAの量を測定すること、及び
    前記第3のサンプルにおける前記mRNAの量と前記第4のサンプルにおける前記mRNAの量との比を求めること(1.5以上の比を示すmRNAが前記アポトーシスのマーカーmRNAとして同定される)、
    を含む方法によって同定される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第3のサンプル及び前記第4のサンプルが、前記固形腫瘍の実質的に均質な切片を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1のサンプル及び前記第2のサンプルが、
    病変の実質的に均質な部分を前記固形腫瘍から取り出す工程、
    前記部分とほぼ同じ硬さであり、該部分内の細胞の生存率を低減させない材料に該部分を埋め込む工程、
    前記埋め込んだ部分の温度を約4℃にする工程、及び
    前記埋め込んだ部分を切片にする工程、
    を含む方法によって得られる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記均質な部分が略立方体である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記立方体状の均質な部分が約1mm×1mm×1mmである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記材料が、前記細胞に到達可能な栄養物及び酸素を含む、請求項6に記載の方法。
  10. 前記材料がゲルである、請求項6に記載の方法。
  11. 前記ゲルが、液体を刺激することによって製造されるものである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記刺激が、化学薬剤、紫外線及び電気から成る群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記埋め込む工程が、
    液体に前記実質的に均質な部分を含浸させること、及び
    前記液体を刺激することによってゲルに変えること、
    を含む、請求項6に記載の方法。
  14. 前記対照の刺激がPBS及びDMSOから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記第1のサンプル及び前記第2のサンプルをCO2インキュベータでインキュベートする、請求項1に記載の方法。
  16. 前記第1のサンプル及び前記第2のサンプルを3時間〜5時間インキュベートする、請求項1に記載の方法。
  17. 前記第1のサンプル及び前記第2のサンプルを約4時間インキュベートする、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第1のサンプルにおける前記mRNAの量が、前記第2のサンプルにおける前記mRNAの量より大きい場合、前記治療は効果がありそうであると決定する、請求項1に記載の方法。
  19. 前記第1のサンプルにおける前記mRNAの量と、前記第2のサンプルにおける前記mRNAの量とを比較することが、該第1のサンプルにおける該mRNAの量と該第2のサンプルにおける該mRNAの量との比を求めることを含み、該比が1.5以上である場合、前記治療は効果がありそうであると決定する、請求項1に記載の方法。
  20. 前記比が2.0以上である場合、前記治療は効果がありそうであると決定する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記アポトーシス促進性の刺激が放射である、請求項4に記載の方法。
  22. 前記アポトーシス変化が生じるのに十分な時間が2時間〜4時間である、請求項4に記載の方法。
  23. 前記アポトーシス変化が生じるのに十分な時間が約3時間である、請求項4に記載の方法。
  24. 2.0以上の比を示すmRNAが前記アポトーシスのマーカーmRNAとして同定される、請求項4に記載の方法。
  25. 前記治療剤が、ダウノルビシン、ドキソルビシン、シタラビン、シスプラチン、エトポシド、及びミトキサントロンから成る群から選択される薬剤を含む、請求項1に記載の方法。
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