JP2009533472A - 癌治療法 - Google Patents

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Abstract

本発明は哺乳類における癌を治療する方法および前記治療に有用な医薬の組合せに関する。特に、前記方法は、erbファミリー阻害剤およびIGF-1R阻害剤を癌に冒された哺乳類に投与することを含む癌治療法に関する。

Description

本発明は哺乳類における癌を治療する方法および前記治療に有用な医薬の組合せに関する。特に、前記方法は、癌に冒された哺乳類に、erbB-2および/またはEGFR阻害剤をIGF-1R阻害剤と共に投与することを含む癌治療法に関する。
癌治療のための有効な化学療法は、腫瘍学の分野において引き続き存在する目標である。一般的に、癌は、細胞***、分化およびアポトーシス細胞死を制御する正常な過程の脱制御の結果生じる。これらの受容体が介在する細胞効果を調節するErbBファミリーの間には強い相互作用が存在する。EGFRに結合する6種の異なるリガンドには、EGF、形質転換成長因子、アンフィレグリン、ヘパリン結合EGF、ベータセルリンおよびエピレグリンが含まれる(Alroy & Yarden, FEBS Letters, 410:83-86, 1997; Burden & Yarden, Neuron, 18: 847-855, 1997; Klapperら、ProcNatlAcadSci, 4994-5000, 1999)。別のクラスのリガンドであるヘレグリンはHER3および/またはHER4に直接結合する(Holmesら、Science, 256:1205, 1992; Klapperら、1997, Oncogene, 14:2099-2109; Pelesら、Cell, 69:205, 1992)。特異的リガンドの結合には、erbBファミリーのメンバー内での受容体のホモまたはヘテロ二量体化が含まれる(Carraway & Cantley, Cell, 78:5-8, 1994; Lemmon & Schlessinger, TrendsBiochemSci, 19:459-463, 1994)。他のErbB受容体メンバーとは異なり、ヘテロ二量体化の後に転写活性化すると思われるHER2に対する可溶性リガンドは未だに同定されていない。erbB-2受容体とEGFR、HER3、およびHER4とのヘテロ二量体化はホモ二量体化よりも起こりやすい((Klapperら、1999; Klapperら、1997)。受容体の二量体化は、受容体の触媒部位へのATPの結合、受容体のチロシンキナーゼの活性化、およびC末端チロシン残基の自動リン酸化をもたらす。次に、リン酸化されたチロシン残基はGrb2、ShcおよびホスホリパーゼCなどのタンパク質のドッキング部位として作用し、その結果、転写因子ならびに増殖、細胞運動、血管形成、細胞生存および分化などの生物学的反応に関与する他のタンパク質を調節するRas/MEK/ErkおよびPI3K/Akt経路を含む下流のシグナル伝達経路が活性化される(Alroy & Yarden, 1997; Burgering & Coffer, Nature, 376:599-602, 1995; Chanら、AnnRevBiochem, 68:965-1014,1999; Lewisら、AdvCanRes, 74:49-139,1998; Liuら、GenesおよびDev, 13:786-791, 1999; Muthuswamyら、Mol&CellBio, 19,10:6845-6857,1999; Riese & Stern, Bioessays, 20:41-48, 1998)。
インスリン様成長因子の1型受容体(IGF-1R)は、チロシンキナーゼ活性を有する膜貫通受容体であり、まずIGF1に結合するが、親和性は低いもののIGF2およびインスリンにも結合する。IGF1がその受容体に結合すると、受容体のオリゴマー化、チロシンキナーゼの活性化、分子間自動リン酸化および細胞基質(主な基質:IRS1、Shc、およびSrc)のリン酸化が起こる。通常、IGF-1Rは、そのリガンドにより活性化されると、正常な細胞にマイトジェン活性を誘導する。しかしながら、IGF-1Rは、「異常な」増殖においても重要な役割を果たす。いくつかの臨床報告は、ヒトの癌の発達におけるIGF-1経路の重要な役割を強調している。IGF-1Rは、多くの腫瘍型(前立腺、乳、結腸、肺、肉腫等)における過剰発現がしばしば見出され、その存在はしばしばより攻撃的な表現型と関連している(米国特許第6,340,674号; Macaulay, British Journal of Cancer 1992, 65:311-320を参照されたい)。高濃度の循環IGF1は、前立腺癌、肺癌および乳癌のリスクと高い相関がある。それに加えて、IGF-1Rが、in vivoと同様にin vitroで形質転換した表現型を確立および維持するために必要であることが広く報告されている(R Baserga, Exp. Cell. Res., 1999, 253, pages 1-6)。IGF-1Rのキナーゼ活性は数種の癌遺伝子:EGFR、PDGFR、SV40ウイルスラージT抗原、活性化Ras、Raf、およびv-Srcの形質転換活性に必須である。正常な線維芽細胞におけるIGF-1Rの発現は新生物表現型を誘導し、次いでそれがin vivoの腫瘍の形成につながる。IGF-1Rの発現は基質非依存性増殖において重要な役割を果たす。また、IGF-1Rは化学療法および放射線療法により誘導されるアポトーシスおよびサイトカインにより誘導されるアポトーシスにおいて保護作用を有することが示されている。さらに、ドミナントネガティブ、三重らせんの形成またはアンチセンスの発現による内因性IGF-1Rの阻害は、in vitroの形質転換活性の抑制を引き起こし、動物モデルにおいて腫瘍の増殖を減少させる。
本発明者らは、IGF-1Rキナーゼ阻害剤とGW572016またはErbBシグナル伝達の別の阻害剤との組合せが改善された癌治療法を提供するであろうと提案した。その結果、erbファミリーおよびIGR-1Rの阻害剤の組合せが、それらの一方を単独で用いた治療よりも効果が高いことが判明した。それにより、今回、本発明者らは、感受性の癌を選択的に治療することができる、新規の医薬の組合せを使用して癌を治療する新規の方法を発見した。特に、二重(dual)EGFR/erbB-2阻害剤とIGF-1R阻害剤との新規の組合せが前記癌の増殖を効果的に阻害することが明らかになり、時には二重EGFR/erbB-2阻害剤とIGF-1R阻害剤との組合せは相乗的に作用し得る。
発明の概要
本発明の第1の態様において、哺乳類における感受性の癌を治療する方法であって、前記哺乳類に治療上有効な量の(i) 式(I)
Figure 2009533472
[式中、
YはCR1であり、かつVはNであり;
またはYはCR1であり、かつVはCR2であり;
R1は、基CH3SO2CH2CH2NHCH2-Ar-を表し、そこにおいて、Arは、フェニル、フラン、チオフェン、ピロールおよびチアゾールより選択され、それらはそれぞれ場合により1または2個のハロ、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシ基により置換されていてもよく;
R2は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノおよびジ[C1-4アルキル]アミノを含む群より選択され;
Uは、フェニル、ピリジル、3H-イミダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、1H-インダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-インダゾリル、1H-ベンズイミダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-ベンズイミダゾリルまたは1H-ベンゾトリアゾリル基を表し、それらはR3基により置換されており、かつ場合により少なくとも1個の独立して選択されるR4基により置換されており;
R3は、ベンジル、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジル、ベンゾイル、ピリジルメチル、ピリジルメトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジルオキシならびにベンゼンスルホニルを含む群より選択され;
またはR3はトリハロメチルベンジルまたはトリハロメチルベンジルオキシを表し;
またはR3は、式
Figure 2009533472
(式中、それぞれのR5は独立して、ハロゲン、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシより選択され;かつnは0〜3である)
の基を表し;
それぞれのR4は独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ[C1-4アルキル]アミノ、C1-4アルキルチオ、C1-4アルキルスルフィニル、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルカルボニル、カルボキシ、カルバモイル、C1-4アルコキシカルボニル、C1-4アルカノイルアミノ、N-(C1-4アルキル)カルバモイル、N,N-ジ(C1-4アルキル)カルバモイル、シアノ、ニトロおよびトリフルオロメチルである]
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
(ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を投与することを含む、前記方法が提供される。
本発明の第2の態様において、哺乳類における感受性の癌を治療する方法であって、前記哺乳類に治療上有効な量の(i) 式(II):
Figure 2009533472
[式中、Rは-Clまたは-Brであり、XはCH、N、またはCFであり、かつZはチアゾールまたはフランである]
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
(ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を投与することを含む、前記方法が提供される。
本発明の第3の態様において、哺乳類における感受性の癌を治療する方法であって、前記哺乳類に治療上有効な量の(i) 式(III):
Figure 2009533472
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
(ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を投与することを含む、前記方法が提供される。
本発明の第4の態様において、治療上有効な量の(i) 式(I)
Figure 2009533472
[式中、
YはCR1であり、かつVはNであり;
またはYはCR1であり、かつVはCR2であり;
R1は、基CH3SO2CH2CH2NHCH2-Ar-を表し、そこにおいて、Arは、フェニル、フラン、チオフェン、ピロールおよびチアゾールより選択され、それらはそれぞれ場合により1または2個のハロ、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシ基により置換されていてもよく;
R2は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノおよびジ[C1-4アルキル]アミノを含む群より選択され;
Uは、フェニル、ピリジル、3H-イミダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、1H-インダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-インダゾリル、1H-ベンズイミダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-ベンズイミダゾリルまたは1H-ベンゾトリアゾリル基を表し、それらはR3基により置換されており、かつ場合により少なくとも1個の独立して選択されるR4基により置換されており;
R3は、ベンジル、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジル、ベンゾイル、ピリジルメチル、ピリジルメトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジルオキシならびにベンゼンスルホニルを含む群より選択され;
またはR3はトリハロメチルベンジルまたはトリハロメチルベンジルオキシを表し;
またはR3は、式
Figure 2009533472
(式中、それぞれのR5は独立して、ハロゲン、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシより選択され;かつnは0〜3である)
の基を表し;
それぞれのR4は独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ[C1-4アルキル]アミノ、C1-4アルキルチオ、C1-4アルキルスルフィニル、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルカルボニル、カルボキシ、カルバモイル、C1-4アルコキシカルボニル、C1-4アルカノイルアミノ、N-(C1-4アルキル)カルバモイル、N,N-ジ(C1-4アルキル)カルバモイル、シアノ、ニトロおよびトリフルオロメチルである]
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
(ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む、癌治療用の組合せが提供される。
本発明の第5の態様において、治療上有効な量の(i) 式(II):
Figure 2009533472
[式中、Rは-Clまたは-Brであり、XはCH、N、またはCFであり、かつZはチアゾールまたはフランである]
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
(ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む、癌治療用の組合せが提供される。
本発明の第6の態様において、治療上有効な量の(i) 式(III):
Figure 2009533472
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
(ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む、癌治療用の組合せが提供される。
本発明の第7の態様において、治療上有効な量の(i) 式(I)
Figure 2009533472
[式中、
YはCR1であり、かつVはNであり;
またはYはCR1であり、かつVはCR2であり;
R1は、基CH3SO2CH2CH2NHCH2-Ar-を表し、そこにおいて、Arは、フェニル、フラン、チオフェン、ピロールおよびチアゾールより選択され、それらはそれぞれ場合により1または2個のハロ、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシ基により置換されていてもよく;
R2は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノおよびジ[C1-4アルキル]アミノを含む群より選択され;
Uは、フェニル、ピリジル、3H-イミダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、1H-インダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-インダゾリル、1H-ベンズイミダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-ベンズイミダゾリルまたは1H-ベンゾトリアゾリル基を表し、それらはR3基により置換されており、かつ場合により少なくとも1個の独立して選択されるR4基により置換されており;
R3は、ベンジル、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジル、ベンゾイル、ピリジルメチル、ピリジルメトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジルオキシならびにベンゼンスルホニルを含む群より選択され;
またはR3はトリハロメチルベンジルまたはトリハロメチルベンジルオキシを表し;
またはR3は、式
Figure 2009533472
(式中、それぞれのR5は独立して、ハロゲン、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシより選択され;かつnは0〜3である)
の基を表し;
それぞれのR4は独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ[C1-4アルキル]アミノ、C1-4アルキルチオ、C1-4アルキルスルフィニル、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルカルボニル、カルボキシ、カルバモイル、C1-4アルコキシカルボニル、C1-4アルカノイルアミノ、N-(C1-4アルキル)カルバモイル、N,N-ジ(C1-4アルキル)カルバモイル、シアノ、ニトロおよびトリフルオロメチルである]
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
(ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む、治療において使用するための癌治療用の組合せが提供される。
本発明の第8の態様において、治療上有効な量の(i) 式(II):
Figure 2009533472
[式中、Rは-Clまたは-Brであり、XはCH、N、またはCFであり、かつZはチアゾールまたはフランである]
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
(ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む、治療において使用するための癌治療用の組合せが提供される。
本発明の第9の態様において、治療上有効な量の(i) 式(III):
Figure 2009533472
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
(ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む、治療において使用するための癌治療用の組合せが提供される。
本発明の第10の態様において、治療上有効な量の(i) 式(I)
Figure 2009533472
[式中、
YはCR1であり、かつVはNであり;
またはYはCR1であり、かつVはCR2であり;
R1は、基CH3SO2CH2CH2NHCH2-Ar-を表し、そこにおいて、Arは、フェニル、フラン、チオフェン、ピロールおよびチアゾールより選択され、それらはそれぞれ場合により1または2個のハロ、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシ基により置換されていてもよく;
R2は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノおよびジ[C1-4アルキル]アミノを含む群より選択され;
Uは、フェニル、ピリジル、3H-イミダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、1H-インダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-インダゾリル、1H-ベンズイミダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-ベンズイミダゾリルまたは1H-ベンゾトリアゾリル基を表し、それらはR3基により置換されており、かつ場合により少なくとも1個の独立して選択されるR4基により置換されており;
R3は、ベンジル、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジル、ベンゾイル、ピリジルメチル、ピリジルメトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジルオキシならびにベンゼンスルホニルを含む群より選択され;
またはR3はトリハロメチルベンジルまたはトリハロメチルベンジルオキシを表し;
またはR3は、式
Figure 2009533472
(式中、それぞれのR5は独立して、ハロゲン、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシより選択され;かつnは0〜3である)
の基を表し;
それぞれのR4は独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ[C1-4アルキル]アミノ、C1-4アルキルチオ、C1-4アルキルスルフィニル、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルカルボニル、カルボキシ、カルバモイル、C1-4アルコキシカルボニル、C1-4アルカノイルアミノ、N-(C1-4アルキル)カルバモイル、N,N-ジ(C1-4アルキル)カルバモイル、シアノ、ニトロおよびトリフルオロメチルである]
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
(ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む、感受性の癌の治療に有用な医薬品の調製に使用するための癌治療用の組合せが提供される。
本発明の第11の態様において、治療上有効な量の(i) 式(II):
Figure 2009533472
[式中、Rは-Clまたは-Brであり、XはCH、N、またはCFであり、かつZはチアゾールまたはフランである]
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
(ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む、感受性の癌の治療に有用な医薬品の調製に使用するための癌治療用の組合せが提供される。
本発明の第12の態様において、治療上有効な量の(i) 式(III):
Figure 2009533472
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
(ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む、感受性の癌の治療に有用な医薬品の調製に使用するための癌治療用の組合せが提供される。
発明の詳細な説明
本明細書において使用する「新生物」という用語は、細胞または組織の異常な増殖を指し、良性、すなわち非癌性の増殖、および悪性、すなわち癌性の増殖を含むものと理解される。「新生物の(neoplastic)」という用語は、新生物(neoplasm)を意味する、またはそれに関連する。
本明細書において使用する「薬剤」という用語は、組織、系、動物、哺乳類、ヒト、または他の被験体に所望の効果を引き起こす物質を意味するものと理解される。したがって、「抗新生物剤」という用語は、組織、系、動物、哺乳類、ヒト、または他の被験体に抗新生物効果を引き起こす物質を意味するものと理解される。また、「薬剤」は、単一の化合物または2種以上の化合物の組合せもしくは組成物であってよいと理解される。
本明細書において使用する「有効量」という用語は、例えば研究者または医師が求める組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的反応を引き出す薬物または医薬品の量を意味する。さらに、「治療上有効な量」という用語は、その量を与えられていない対応する被験体と比較して、疾病、障害、もしくは副作用の改善された治療、治癒、予防、もしくは緩和を、または疾病もしくは障害の進行速度の減少をもたらす量を意味する。前記用語は正常な生理機能を増強するのに有効な量をも含む。
本明細書において使用する「場合により」という用語は、次に記載する事象が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、起こる事象と起こらない事象の両方を含む。
本明細書において使用する「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明においては式(I)、(II)、(III)、(III’)、または(III”)の化合物またはその塩もしくは生理機能を有する誘導体)および溶媒により形成された種々の化学量論の複合体を指す。本発明の目的のための前記溶媒は溶質の生物活性に干渉してはならない。好適な溶媒の例には、水、メタノール、エタノールおよび酢酸が含まれるが、それに限定されない。好ましくは、使用する溶媒は製薬上許容される溶媒である。好適な製薬上許容される溶媒の例には、水、エタノールおよび酢酸が含まれるが、それに限定されない。最も好ましくは、使用する溶媒は水である。
本明細書において使用する「置換された」という用語は、記載された1個以上の置換基による置換を指し、他に記載しない限り多重に置換されていてもよい。
本明細書に記載されるある種の化合物は1個以上のキラル原子を含む可能性があり、または他の理由により2種のエナンチオマーとして存在することが可能である。本発明の化合物はエナンチオマーの混合物、ならびに精製されたエナンチオマーまたは一方のエナンチオマーが多い混合物を含む。本発明の範囲には、式(I)、(II)、(III)、(III’)、または(III”)により表される化合物の個々の異性体、ならびにその完全にまたは部分的に平衡化した混合物も含まれる。本発明には、上記の式により表される化合物の個々の異性体と、1個以上のキラル中心が反転したその異性体との混合物も含まれる。また、式(I)、(II)、(III)、(III’)、または(III”)の化合物の互変異性体および互変異性体の混合物も、式(I)、(II)、(III)、(III’)、または(III”)の化合物の範囲に含まれると理解される。
一実施形態において、治療上有効な量の少なくとも1種のerbファミリー阻害剤および少なくとも1種のIGF-IR阻害剤を投与することを含む癌治療法が提供される。
一実施形態において、erbファミリー阻害剤は、erbB-2およびEGFRの二重阻害剤である。一般的に、EGFR/erbB-2阻害剤、すなわち、特異的erbB-2および/またはEGFR阻害剤活性を有する薬剤であればすべて本発明に利用することができる。前記erbB-2/EGFR阻害剤は、例えば、米国特許第5,773,476号、第5,789,427号、第6,103,728号、第6,169,091号、第6,174,889号、および第6,207,669号;および国際特許出願WO 95/24190; WO 98/0234; WO 99/35146; WO 01/04111;およびWO 02/02552に記載されており、これらの特許および特許出願を、erbB-2および/またはEGFR阻害剤化合物ならびにその製造方法の開示の範囲で参照により本明細書に組み入れる。
本発明の一実施形態において、二重EGFR/erbB-2阻害剤化合物は、式I:
Figure 2009533472
[式中、
YはCR1であり、かつVはNであり;
またはYはCR1であり、かつVはCR2であり;
R1は、基CH3SO2CH2CH2NHCH2-Ar-を表し、そこにおいて、Arは、フェニル、フラン、チオフェン、ピロールおよびチアゾールより選択され、それらはそれぞれ場合により1または2個のハロ、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシ基により置換されていてもよく;
R2は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノおよびジ[C1-4アルキル]アミノを含む群より選択され;
Uは、フェニル、ピリジル、3H-イミダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、1H-インダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-インダゾリル、1H-ベンズイミダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-ベンズイミダゾリルまたは1H-ベンゾトリアゾリル基を表し、それらはR3基により置換されており、かつ場合により少なくとも1個の独立して選択されるR4基により置換されており;
R3は、ベンジル、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジル、ベンゾイル、ピリジルメチル、ピリジルメトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジルオキシならびにベンゼンスルホニルを含む群より選択され;
またはR3はトリハロメチルベンジルまたはトリハロメチルベンジルオキシを表し;
またはR3は、式
Figure 2009533472
(式中、それぞれのR5は独立して、ハロゲン、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシより選択され;かつnは0〜3である)
の基を表し;かつ
それぞれのR4は独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ[C1-4アルキル]アミノ、C1-4アルキルチオ、C1-4アルキルスルフィニル、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルカルボニル、カルボキシ、カルバモイル、C1-4アルコキシカルボニル、C1-4アルカノイルアミノ、N-(C1-4アルキル)カルバモイル、N,N-ジ(C1-4アルキル)カルバモイル、シアノ、ニトロおよびトリフルオロメチルである]
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物である。
YおよびVの定義により、式(I)の化合物には2つの可能な基本環系が存在する。特に、化合物は下記の基本環系:キナゾリン(1)およびピリドピリミジン(2)を含み得る。
Figure 2009533472
一実施形態において、環系は環(1)である。
R1、R2、R4およびR5の定義の中で上に挙げた種々の基として好適なものは下記の通りである。
ハロは、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードであり;一実施形態において、それはフルオロ、クロロまたはブロモであり、別の実施形態において、それはフルオロまたはクロロである。
C1-4アルキルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチルであり;一実施形態において、それは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはブチルであり、別の実施形態においてメチルである。
C2-4アルケニルは、例えば、エテニル、プロパ-1-エニルまたはプロパ-2-エニルであり;一実施形態においてエテニルである。
C2-4アルキニルは、例えば、エチニル、プロパ-1-イニルまたはプロパ-2-イニルであり;一実施形態においてエチニルである。
C1-4アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシまたはtert-ブトキシであり;一実施形態において、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシまたはブトキシであり;別の実施形態においてメトキシである。
C1-4アルキルアミノは、例えば、メチルアミノ、エチルアミノまたはプロピルアミノであり;一実施形態においてメチルアミノである。
ジ[C1-4アルキル]アミノは、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノまたはジプロピルアミノであり;一実施形態においてジメチルアミノである。
C1-4アルキルチオは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオまたはイソプロピルチオであり、一実施形態においてメチルチオである。
C1-4アルキルスルフィニルは、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニルまたはイソプロピルスルフィニルであり、一実施形態においてメチルスルフィニルである。
C1-4アルキルスルホニルは、例えば、メタンスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニルまたはイソプロピルスルホニルであり、一実施形態においてメタンスルホニルである。
C1-4アルキルカルボニルは、例えばメチルカルボニル、エチルカルボニルまたはプロピルカルボニルである。
C1-4アルコキシカルボニルは、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニルまたはtert-ブトキシカルボニルである。
C1-4アルカノイルアミノ(そこにおいて、炭素原子の数はCO官能基を含む)は、例えば、ホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミドまたはブチルアミドである。
N-(C1-4アルキル)カルバモイルは、例えば、N-メチルカルバモイルまたはN-エチルカルバモイルである。
N,N-ジ(C1-4アルキル)カルバモイルは、例えば、N,N-ジメチルカルバモイル、N-メチル-N-エチルカルバモイルまたはN,N-ジエチルカルバモイルである。
一実施形態において、YはCR1であり、かつVはCR2である(上記の環系(1))。
別の実施形態において、YはCR1であり、かつVはNである(上記の環系(2))。
一実施形態において、R2は、水素またはC1-4アルコキシを表す。
別の実施形態において、R2は、水素またはメトキシを表す。
さらに別の実施形態において、R2はハロを表し;一実施形態において、R2はフルオロである。
一実施形態において、基Arは、1個のハロ、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシ基により置換されている。
別の実施形態において、基Arは、1個のC1-4アルキル基により置換されている。
さらに別の実施形態において、基Arは場合による置換基を有しない。
さらに別の実施形態において、Arは、フラン、フェニルまたはチアゾールを表し、それらはそれぞれ場合により上に示した通りに置換されていてもよい。
別の実施形態において、Arは、フランまたはチアゾールを表し、それらはそれぞれ場合により上に示した通りに置換されていてもよい。
さらに別の実施形態において、Arは、無置換のフランまたはチアゾールを表す。
側鎖CH3SO2CH2CH2NHCH2は、基Arのいずれの好適な位置に結合してもよい。同様に、基R1は基Arのいずれの好適な位置からそれを有する炭素原子に結合してもよい。
一実施形態において、Arがフランを表す場合、側鎖CH3SO2CH2CH2NHCH2はフラン環の4位にあり、基R1を有する炭素原子への結合はフラン環の2位からである。
別の実施形態において、Arがフランを表す場合、側鎖CH3SO2CH2CH2NHCH2はフラン環の3位にあり、基R1を有する炭素原子への結合はフラン環の2位からである。
さらに別の実施形態において、Arがフランを表す場合、側鎖CH3SO2CH2CH2NHCH2はフラン環の5位にあり、基R1を有する炭素原子への結合はフラン環の2位からである。
別の実施形態において、Arがチアゾールを表す場合、側鎖CH3SO2CH2CH2NHCH2はチアゾール環の2位にあり、基R1を有する炭素原子への結合はチアゾール環の4位からである。
R3およびR4基は、環系Uに、環系の炭素原子またはヘテロ原子のいずれかにより結合する。環系そのものは炭素原子またはヘテロ原子により架橋NH基に結合し得るが、好ましくは炭素原子により結合する。R3およびR4基は、Uが二環系を表す場合にはどちらの環に結合してもよいが、その場合にはこれらの基は好ましくは架橋NH基に結合していない環に結合する。
一実施形態において、Uは、R3基により置換され、場合により少なくとも1個の独立して選択されたR4基により置換されたフェニル、インドリル、または1H-インダゾリル基を表す。
別の実施形態において、Uは、R3基により置換され、場合により少なくとも1個の独立して選択されるR4基により置換されたフェニルまたは1H-インダゾリル基を表す。
さらに別の実施形態において、Uがフェニル基を表す場合、基R3は、Uから連結NH基への結合に対してパラ位に存在する。
さらに別の実施形態において、Uが1H-インダゾリル基を表す場合、基R3はインダゾリル基の1位に存在する。
一実施形態において、R3は、ベンジル、ピリジルメチル、フェノキシ、ベンジルオキシ、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジルオキシおよびベンゼンスルホニルを表す。
別の実施形態において、R3はトリハロメチルベンジルオキシを表す。
さらに別の実施形態において、R3は、式
Figure 2009533472
の基を表し、そこにおいて、HalはBrまたはClを表し、一実施形態においてClを表す。別の実施形態において、Hal置換基は図示した環の星印を付けた位置に存在する。
一実施形態において、R3はベンジルオキシ、フルオロベンジルオキシ(特に3-フルオロベンジルオキシ)、ベンジル、フェノキシおよびベンゼンスルホニルを表す。
別の実施形態において、R3はブロモベンジルオキシ(特に3-ブロモベンジルオキシ)およびトリフルオロメチルベンジルオキシを表す。
さらに別の実施形態において、環UはR4基により置換されておらず;特に好ましい実施形態において、Uは、R4により置換されていないフェニルまたはインダゾリルである。
別の実施形態において、環Uは、ハロまたはC1-4アルコキシより選択されるR4基により置換されており;一実施形態において、R4基はクロロ、フルオロまたはメトキシより選択される。
別の実施形態において、環UはR4基により置換され、そこにおいてR4はハロを表し、一実施形態において3-フルオロを表す。
一実施形態において、UはR4と共に、メトキシフェニル、フルオロフェニル、トリフルオロメチルフェニルまたはクロロフェニルを表す。
別の実施形態において、UはR4と共にメトキシフェニルまたはフルオロフェニルを表す。
別の実施形態において、基Uは置換基R3およびR4と共に、ベンジルオキシフェニル、(フルオロベンジルオキシ)フェニル、(ベンゼンスルホニル)フェニル、ベンジルインダゾリルまたはフェノキシフェニルを表す。
さらに別の好ましい実施形態において、基Uは置換基R3およびR4と共に、ベンジルオキシフェニル、(3-フルオロベンジルオキシ)フェニル、(ベンゼンスルホニル)フェニルまたはベンジルインダゾリルを表す。
別の実施形態において、基Uは置換基R3およびR4と共に、(3-ブロモベンジルオキシ)フェニル、(3-トリフルオロメチルベンジルオキシ)フェニル,または(3-フルオロベンジルオキシ)-3-メトキシフェニルを表す。
別の実施形態において、基Uは置換基R3およびR4と共に、3-フルオロベンジルオキシ-3-クロロフェニル、ベンジルオキシ-3-クロロフェニル、ベンジルオキシ-3-トリフルオロメチルフェニル、(ベンジルオキシ)-3-フルオロフェニル、(3-フルオロベンジルオキシ)-3-フルオロフェニルまたは(3-フルオロベンジル)インダゾリルを表す。
一実施形態において、基Uは置換基R3およびR4と共に、ベンジルオキシフェニルまたは(3-フルオロベンジルオキシ)フェニルを表す。
別の実施形態において、VがCR2であり、そこにおいてR2が水素、ハロ(一実施形態においてフルオロ)またはC1-4アルコキシ(一実施形態においてメトキシ)であり;YがCR1であり、そこにおいてR1が上に定義した通りであり、そこにおいてArが無置換のフェニル、フランまたはチアゾールであり;Uがフェニルまたはインダゾールであり;R3がベンジル、フルオロベンジル、ベンジルオキシ、フルオロベンジルオキシ、ブロモベンジルオキシ、トリフルオロメチルベンジルオキシ、フェノキシまたはベンゼンスルホニルであり;R4が存在しないか、ハロ(一実施形態においてクロロまたはフルオロ)またはメトキシである、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
別の実施形態において、VがCR2であり、そこにおいてR2が水素、ハロ(一実施形態においてフルオロ)またはC1-4アルコキシ(一実施形態においてメトキシ)であり;YがCR1であり、そこにおいてR1が上に定義した通りであり、そこにおいてArが無置換のフランまたはチアゾールであり;Uがフェニルであり;R3がベンジルオキシ、フルオロベンジルオキシまたはベンゼンスルホニルであり;R4が存在しないか、ハロ(一実施形態においてクロロまたはフルオロ)またはメトキシである、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
一実施形態において、VがCR2であり、そこにおいてR2が水素、ハロ(一実施形態においてフルオロ)またはC1-4アルコキシ(一実施形態においてメトキシ)であり;YがCR1であり、そこにおいてR1が上に定義した通りであり、そこにおいてArが無置換のフランまたはチアゾールであり;Uがインダゾールであり;R3がベンジルまたはフルオロベンジルであり;R4が存在しない、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
別の実施形態において、YがCR2であり、そこにおいてR2が水素、ハロ(一実施形態においてフルオロ)またはC1-4アルコキシ(一実施形態においてメトキシ)であり;VがCR1であり、そこにおいてR1が上に定義した通りであり、そこにおいてArが無置換のフェニル、フランまたはチアゾールであり;Uがフェニルまたはインダゾールであり;R3がベンジル、フルオロベンジル、ベンジルオキシ、フルオロベンジルオキシ、ブロモベンジルオキシ、トリフルオロメチルベンジルオキシ、フェノキシまたはベンゼンスルホニルであり;R4が存在しないか、ハロ(一実施形態においてクロロまたはフルオロ)またはメトキシである、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
別の実施形態において、YがCR2であり、そこにおいてR2が水素、ハロ(一実施形態においてフルオロ)またはC1-4アルコキシ(一実施形態においてメトキシ)であり;VがCR1であり、そこにおいてR1が上に定義した通りであり、そこにおいてArが無置換のフランまたはチアゾールであり;Uがフェニルであり;R3がベンジルオキシ、フルオロベンジルオキシまたはベンゼンスルホニルであり;R4が存在しないか、ハロ(一実施形態においてクロロまたはフルオロ)またはメトキシである、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
別の実施形態において、YがCR2であり、そこにおいてR2が水素、ハロ(一実施形態においてフルオロ)またはC1-4アルコキシ(一実施形態においてメトキシ)であり;VがCR1であり、そこにおいてR1が上に定義した通りであり、そこにおいてArが無置換のフランまたはチアゾールであり;Uがインダゾールであり;R3がベンジルまたはフルオロベンジルであり;R4が存在しない、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
別の実施形態において、YがCR2であり、そこにおいてR2が水素、ハロ(一実施形態においてフルオロ)またはC1-4アルコキシ(一実施形態においてメトキシ)であり;VがCR1であり、そこにおいてR1が上に定義した通りであり、そこにおいてArが無置換のフランまたはチアゾールであり;Uがフェニルであり;R3がフェノキシであり;R4が存在しない、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
別の実施形態において、VがNであり;YがCR1であり、そこにおいてR1が上に定義した通りであり、そこにおいてArが無置換のフェニル、フランまたはチアゾールであり;Uがフェニルまたはインダゾールであり;R3がベンジル、フルオロベンジル、ベンジルオキシ、フルオロベンジルオキシ、ブロモベンジルオキシ、トリフルオロメチルベンジルオキシ、フェノキシまたはベンゼンスルホニルであり;R4が存在しないか、ハロ(一実施形態においてクロロまたはフルオロ)またはメトキシである、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
別の実施形態において、VがNであり;YがCR1であり、そこにおいてR1が上に定義した通りであり、そこにおいてArが無置換のフランまたはチアゾールであり;Uがフェニルであり;R3がベンジルオキシ、フルオロベンジルオキシまたはベンゼンスルホニルであり;R4が存在しないか、ハロ(一実施形態においてクロロまたはフルオロ)またはメトキシである、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
別の実施形態において、VがNであり;YがCR1であり、そこにおいてR1が上に定義した通りであり、そこにおいてArが無置換のフランまたはチアゾールであり;Uがインダゾールであり;R3がベンジルまたはフルオロベンジルであり;R4が存在しない、式(I)の化合物またはその塩もしくは溶媒和物が提供される。
別の実施形態において、式(I)の化合物は、式(II):
Figure 2009533472
[式中、Rは-Clまたは-Brであり、XはCH、N、またはCFであり、かつZはチアゾールまたはフランである]
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物である。
別の実施形態において、式(I)の化合物は、式(III):
Figure 2009533472
の化合物またはその塩もしくは溶媒和物である。
別の実施形態において、式(I)の化合物は式(III)の化合物のジトシレート塩またはその無水物もしくは水和物型である。式(III)の化合物のジトシレート塩は、N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンジトシレートという化学名を有する。一実施形態において、式(I)の化合物は、式(III)の化合物の無水ジトシレート塩である。別の実施形態において、式(I)の化合物は、式(III)の化合物のジトシレート塩一水和物である。
別の実施形態において、式(I)の化合物は、式(II) [式中、RはClであり;XはCHであり;かつZはチアゾールである]の化合物である。別の実施形態において、式(I)の化合物は式(II) [式中、RはClであり;XはCHであり;かつZはチアゾールである]の化合物のジトシレート塩、またはその無水物もしくは水和物型である。前記の式(II)の化合物の化学名は、(4-(3-フルオロベンジルオキシ)-3-クロロフェニル)-(6-(2-((2-メタンスルホニルエチルアミノ)メチル)チアゾール-4-イル)キナゾリン-4-イル)アミンであり、式(III’)の化合物である。
Figure 2009533472
別の実施形態において、式(I)の化合物は、式(II) [式中、RはBrであり;XはCHであり;かつZはフランである]の化合物である。別の実施形態において、式(I)の化合物は式(II) [式中、RはBrであり;XはCHであり;かつZはフランである]の化合物のジトシレート塩、またはその無水物もしくは水和物型である。前記の式(II)の化合物の化学名は、(4-(3-フルオロベンジルオキシ)-3-ブロモフェニル)-(6-(5-((2-メタンスルホニルエチルアミノ)メチル)フラン-2-イル)キナゾリン-4-イル)アミンであり、式(III”)の化合物である。
Figure 2009533472
式(I)、(II)、(III)、(III’)および(III”)の化合物の遊離塩基、HCl塩、およびジトシレート塩は、上に参照した1999年1月8日に出願された国際特許出願PCT/EP99/00048であって、1999年7月15日にWO 99/35146として公開されたもの、および2001年6月28日に出願された国際特許出願PCT/US01/20706であって、2002年1月10日にWO 02/02552として公開されたもの、および下記の適切な実施例に従って調製することができる。式(III)の化合物のジトシレート塩を調製するための前記方法の一つを下記のスキームAに記載する。
スキームA
Figure 2009533472
スキームAにおいて、式(III)の化合物のジトシレート塩の調製は、4段階:段階1:図示した二環系化合物とアミンの反応により、図示したヨードキナゾリン誘導体を得る;段階2:対応するアルデヒド塩の調製;段階3:キナゾリンジトシレート塩の調製;および段階4:ジトシレート塩一水和物の調製で進行する。
下記のスキームBは、式(II)の化合物のジトシレート塩の調製を説明する。調製は、4段階:段階1:3H-6-ヨードキナゾリン-4-オン(I’)から調製されたキナゾリン(I)とアミン(II)の反応によりヨードキナゾリン(III)を得る;段階2:ヨードキナゾリン(III)とボロン酸(IV)を反応させた後にp-トルエンスルホン酸塩により処理することにより対応するアルデヒド塩(V)を調製する;段階3:アルデヒド塩(V)からのGW572016 (VI)のジトシレート塩の調製;および段階4:GW572016ジトシレート塩(VI)の再結晶で進行する。スキームCは式(III)の化合物のジトシレート塩の別の調製法を示す。
スキームB
Figure 2009533472
スキームC
Figure 2009533472
上に記載したように、本発明の方法および治療の組合せは、少なくとも1種のIGF-1R阻害剤をも含む。一般的にすべてのIGF-1R阻害剤、すなわち、特異的IGF-1R阻害剤活性を有するすべての薬剤を本発明に利用することができる。このようなIGF-1R阻害剤は、小分子IGF-1R阻害剤、IGF-1Rに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、IGF-1Rのペプチド阻害剤;またはIGF-1Rに対する完全なヒト、モノクローナル、もしくは組み換え抗体であってよい。好適な例には、開発化合物、Insmed製のINSM-18;Bristol-Myers Squibb製のBMS-577098;InexのINX 4437;STIL BiotechnologiesのSB144、YM 17、YM 27、SSP 1、およびSSP 5、TelikのDAX-21834;ImcloneのIMC-A12、ImmunoGenのEM-164;Medarexの19D12;およびPierre FabreのF-50035が含まれる。
また、好適な例には、2002年5月13日に出願されたPCT出願PCT/EP02/05239であって、2002年11月11日に国際特許出願WO 02/092599として公開されたものに記載されるNVP-ADW-742またはNVP-AEW541;2002年1月8日に発行された米国特許第6,337,338号に開示されるもの;および米国特許第6,340,674号、第6,506,415号、第6,541,036号、および第6,596,473号に開示されるものを含むIGF-1R阻害剤が含まれる。
erbファミリー阻害剤、例えば二重EGFR/erbB-2阻害剤、およびIGF-1R阻害剤を、本発明に従って、(1)両方の化合物を含む単一の医薬組成物または(2)それぞれ一方の化合物を含む別々の医薬組成物として、同時に投与することにより組み合わせて使用することができる。あるいは、組合せを、例えばIGF-1R阻害剤または二重EGFR/erbB-2阻害剤を先に投与し、もう一方を二番目に投与する連続的な方法により別々に投与してもよい。前記の連続的な投与は近接した時間または離れた時間内におこなうことができる。
通常は、本発明の塩は製薬上許容される塩である。「製薬上許容される塩」という用語に含まれる塩は、本発明の化合物の無毒の塩を指す。本発明の化合物の塩は、本発明の化合物の置換基上の窒素に由来する酸付加塩を含む。代表的な塩には、次の塩:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、亜硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレソルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル塩、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、マレイン酸一カリウム塩、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミン、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド(triethiodide)、トリメチルアンモニウムおよび吉草酸塩が含まれる。製薬上許容されない他の塩は本発明の化合物の調製に有用である可能性があり、これらは本発明の別の態様を形成する。
治療に使用するために、治療上有効な量の二重EGFR/erbB2およびIGF-1R阻害剤、ならびにその塩または溶媒和物を、そのままの化学物質として投与することも可能であるが、活性成分を医薬組成物として提供することが可能である。したがって、本発明はさらに、治療上有効な量の二重EGFR/erbB2および/またはIGF-1R阻害剤およびその塩または溶媒和物、ならびに1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。本発明の化合物およびその塩または溶媒和物は上に記載した通りである。担体、希釈剤または賦形剤は、製剤の他の成分と共存可能であり、その受容者に有害でないという意味で許容されるものでなければならない。本発明の別の態様によれば、二重EGFR/erbB2および/またはIGF-1R阻害剤またはその塩もしくは溶媒和物を、1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合することを含む医薬製剤の調製方法も提供される。
医薬製剤は、単位用量あたり予め決められた量の活性成分を含有する単位用量製剤として提供してもよい。前記単位は、治療する状態、投与経路、および患者の年齢、体重および状態に応じて、例えば、0.5mg〜1g、1mg〜700mg、または5mg〜100mgのEGFR/erbB2および/またはIGF-1R阻害剤を含有し得る。あるいは、医薬製剤は、単位用量あたり予め決められた量の活性成分を含有する単位用量製剤として提供してもよい。好ましい単位用量製剤は、上に挙げた通りの一日量またはその分割量、またはさらにその適切な分割量の活性成分を含有するものである。さらに、前記の医薬製剤は製剤の分野において公知のいかなる方法により調製してもよい。
二重EGFR/erbB-2阻害剤およびIGF-1R阻害剤は、いかなる適切な経路により投与してもよい。好適な経路には、経口、直腸、鼻内、局所(口腔および舌下を含む)、腟内および非経口(皮下、筋内、静脈内、皮内、鞘内、および硬膜外を含む)が含まれる。好ましい経路は、例えば組合せの受容者の状態により変化し得ることが理解されるであろう。また、投与するそれぞれの薬剤を同じまたは異なる経路により投与することができ、erbB-2およびIGF-1R阻害剤を医薬組成物/製剤中に一緒に混合してもよいことも理解されるであろう。
本発明の方法は、他の癌治療の方法と共に用いてもよい。特に、抗新生物治療において、上で述べたもの以外の他の化学療法、ホルモン、抗体薬ならびに外科的および/または放射線治療との併用療法が考えられる。抗新生物治療については、例えば、2002年1月14日に出願された国際特許出願PCT US 02/01130に記載されており、この出願を、抗新生物治療に関する開示の範囲で参照により本明細書に組み入れる。本発明の併用療法は、少なくとも1種のerbB-2阻害剤および少なくとも1種のIGF-1R阻害剤の投与ならびに他の抗新生物薬を含む他の治療薬の任意の使用を含む。前記の薬剤の組合せは、一緒にまたは別々に投与してよく、別々に投与する場合、これを同時にまたは順次おこなってよく、順次おこなう場合にはいかなる順番でもよく、近接したまたは離れた時間内におこなってよい。erbB-2およびIGF-1R阻害剤および他の薬理活性物質の量および投与の相対的な時間は、所望の併用治療効果を達成するように選択される。
経口投与に適合した医薬製剤は、カプセルもしくは錠剤などの個別の単位;粉末もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用の泡またはホイップ;または水中油型液体乳液もしくは油中水型液体乳液として提供することができる。
例えば、錠剤またはカプセルの剤形による経口投与のために、活性薬物性分を、エタノール、グリセロール、水等などの経口用の無毒の製薬上許容される不活性担体と混合する。粉末は、化合物を好適な微細な粒径に粉砕し、同様に粉砕した食用炭水化物、たとえばデンプンまたはマンニトールなどの医薬担体と混合することにより調製する。香味料、保存剤、分散剤および着色剤を加えることもできる。
カプセルは、上記の通りの粉末混合物を調製し、形成されたゼラチンの鞘に充填することにより作られる。充填操作の前に、コロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体のポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤を粉末混合物に加えることができる。カプセルを摂取した時の医薬のアベイラビリティーを改善するために、寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤を加えることもできる。
さらに、所望または必要に応じて、好適な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤も顆粒化することができ、粉末混合物を打錠機に通し、得られた不完全に形成されたスラグを顆粒に粉砕する。この顆粒を滑沢化して混合物に組み入れることができる。好適な結合剤には、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはベータラクトースなどの天然の糖、トウモロコシ甘味料、アラビアゴム、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成のゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ロウ等が含まれる。これらの剤形に使用される滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が含まれる。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等が含まれるが、これらに限定されない。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、顆粒化またはスラグ化し、滑沢剤および崩壊剤を加え、錠剤に圧縮することにより製剤される。粉末混合物は、適切に粉砕した化合物を、上記の希釈剤または基剤と、および場合によりカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、またはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、第4級塩などの吸収促進剤および/またはベントナイト、カオリンまたは第二リン酸カルシウムなどの吸収剤と混合することにより調製される。粉末混合物は、シロップ、デンプンペースト、アラビアゴム粘液またはセルロースもしくは高分子材料の溶液などの結合剤により湿らせ、スクリーンを通して押し出すことにより顆粒化することができる。別法として、打錠型に粘着するのを防止するために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加える。次に、滑沢化した混合物を錠剤に圧縮する。本発明の化合物は、流動性の不活性担体と混合して、顆粒化またはスラグ化の過程を経ずに直接錠剤に圧縮することもできる。セラックのシーリング膜、糖または高分子材料のコーティングおよびロウの光沢コーティングからなる透明なまたは不透明な保護コーティングを施してもよい。異なる単位用量を識別するために、これらのコーティングに染料を加えてもよい。
溶液、シロップおよびエリキシルなどの経口用の液体は、一定量が予め決められた量の化合物を含有するような投与単位剤形として調製することができる。シロップは、好適な風味を付けた水溶液に化合物を溶解することにより調製することができるのに対して、エリキシルは無毒のアルコール媒体を用いて調製する。懸濁液は化合物を無毒の媒体に分散することにより製剤することができる。エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤、ペパーミント油などの風味添加剤または天然甘味料またはサッカリンもしくは他の合成甘味料等も加えることができる。
適切な場合には、経口投与のための投与単位製剤はマイクロカプセル化することができる。また、製剤は、例えば粒子状の材料をポリマー、ロウ等によりコーティングする、またはそれらに埋め込むことにより放出を延長または持続させるように調製することができる。
本発明に使用するための薬剤は、小さな単ラメラリポソーム、大きな単ラメラリポソームおよび多重ラメラリポソームなどのリポソーム送達システムの形で投与することも可能である。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの種々のリン脂質から形成することができる。
本発明に使用するための薬剤は、化合物分子を結合した個別の担体としてのモノクローナル抗体の使用により送達してもよい。化合物は標的化可能な薬物担体としての可溶性ポリマーと結合させてもよい。前記ポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基により置換されたポリエチレンオキシドポリリシンが含まれる。さらに、化合物を薬物の制御放出を達成するために有用なある種の生物分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン(polepsilon caprolactone)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーと結合させてもよい。
経皮投与に適合した医薬組成物は、長時間にわたって受容者の表皮と緊密な接触を保つことを意図した個別のパッチとして提供することができる。例えば、活性成分を、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に一般的に記載されるイオン導入によりパッチから送達してもよい。
局所投与に適合した医薬組成物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたは油として製剤することができる。
眼または他の外部組織、例えば口および皮膚の治療のためには、組成物は、好ましくは局所用軟膏またはクリームとして適用される。軟膏に製剤する場合には、活性成分をパラフィン性または水混和性のいずれかの軟膏基剤と共に用いる。あるいは、活性成分を水中油型クリーム基剤または油中水型基剤によりクリームに製剤してもよい。
眼への局所投与に適合した医薬製剤には、活性成分が好適な担体、特に水性溶媒に溶解または懸濁した点眼液が含まれる。
口内への局所投与に適合した医薬製剤にはロゼンジ、トローチおよびマウスウォッシュが含まれる。
直腸投与に適合した医薬製剤は、坐剤または浣腸剤として提供される。
担体が固体である鼻内投与に適合した医薬製剤は、例えば20〜500ミクロンの粒径を有する粗末を含み、嗅ぎタバコを嗅ぐ方法で、すなわち、鼻の近くに持ち上げた粉末容器から鼻腔を通して急速に吸入することにより投与される。担体が液体である鼻内スプレーまたは点鼻薬として投与するのに適した製剤には、活性成分の水または油溶液が含まれる。
吸入による投与に適合した医薬製剤には、ざまざまなタイプの定量加圧エアロゾル、ネブライザーまたは吸入器により発生させることができる微細な粒子の粉剤または霧が含まれる。
腟内投与に適合した医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡またはスプレー製剤として提供される。
非経口投与に適合した医薬製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を意図される受容者の血液と等張にするための溶質を含有してもよい水性および非水性の無菌注射溶液、ならびに懸濁剤および増粘剤を含んでもよい水性および非水性の無菌懸濁液が含まれる。製剤は、単回投与用または複数回投与用容器、例えば密閉されたアンプルおよびバイアル瓶に入れて提供してもよく、また凍結乾燥して、使用の直前に無菌の液体担体、例えば注射用水を加えるのみでよい状態で貯蔵してもよい。即席の注射溶液および懸濁液は無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製してもよい。
上で特に言及した成分に加えて、製剤は、問題の製剤のタイプを考慮して当業界において通常使用される他の物質を含んでもよいと理解されるべきである。例えば、経口投与に適した製剤は香味料を含んでもよい。
また、本発明は、二重erbB-2/EGFR阻害剤などの少なくとも1種のerbファミリー阻害剤および少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む薬物の組合せも意図している。別の実施形態において、薬物の組合せは、erbB-2阻害剤およびIGF-1R阻害剤、ならびに場合により少なくとも1種の別の抗新生物薬を含む。erb阻害剤、IGF-1R阻害剤、および別の抗新生物療法は上に記載した通りである。
上記の通り、治療上有効な量の特異的erbファミリー阻害剤およびIGF-1R阻害剤を哺乳類に投与する。通常は、投与される本発明の薬剤の一つの治療上有効な量は、例えば哺乳類の年齢および体重、治療を必要とする正確な病状、病状の重篤度、製剤の性質、および投与経路を含む多くのファクターに依存する。最終的には、治療上有効な量は、治療に当たる医師の裁量による。
通常は、erbファミリーおよびIGF-1R阻害剤は、1日あたり0.1〜100 mg/受容者(哺乳類)の体重kgの範囲で、大抵は、1日あたり1〜10 mg/体重kgの範囲で与える。
上記の通り、本発明の癌治療の方法は、すべての感受性の癌を対照とする。通常は、癌は、EGFR、erbB-2、および/またはIGF-1Rの阻害に感受性であるすべての癌である。本発明の方法および治療の組合せによる治療に好適な癌の例には、頭および頸癌、乳癌、肺癌、結腸癌、卵巣癌、膵臓癌、および前立腺癌が含まれるが、それに限定されない。
下記の実施例は説明のみを目的とするものであって、いかなる意味でも本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。
本明細書において、これらの方法、スキームおよび実施例において使用する記号および慣例は、現代の科学文献、例えば、the Journal of the American Chemical Societyまたはthe Journal of Biological Chemistryにおいて使用するものと一致している。一般に、アミノ酸残基を示すために標準的な一文字または三文字の略語を用い、これらは他に指定しない限りL-配置であると見なされる。他に指定しない限り、すべての出発物は販売者から入手し、それ以上精製することなく使用した。特に、次の略語を実施例および明細書全体において使用する。
Figure 2009533472
* 150 mM NaCl、50 mM Tris-HCl、pH 7.5、0.25%(w/v)-デオキシコール酸塩、1% NP-40、5 mMオルトバナジウム酸ナトリウム、2 mMフッ化ナトリウム、およびプロテアーゼ阻害剤混合物。
他に指示しない限り、すべての温度は℃(セ氏温度)により表す。他に指定しない限り、すべての反応は不活性雰囲気下、室温でおこなう。
1H NMRスペクトルは、Varian VXR-300、Varian Unity-300、Varian Unity-400装置、またはGeneral Electric QE-300を用いて記録した。化学シフトは100万分の1 (ppm、δ単位)で表す。カップリング定数はヘルツ(Hz)の単位で表す。***パターンは明白な多重度を記載し、s (一重項)、d (二重項)、t (三重項)、q (四重項)、m (多重項)、br (幅広)として示す。
低分解能質量分析(MS)は、JOEL JMS-AX505HA、JOEL SX-102、またはSCIEX-APIiii分光計により記録し、高分解能MSは、JOEL SX-102A分光計を用いて測定した。すべての質量分析は、電気スプレーイオン化(ESI)、化学イオン化(CI)、電子衝撃(EI)または高速原子衝撃(FAB)法によりおこなった。赤外線(IR)スペクトルは、Nicolet 510 FT-IR分光計により、1 mm NaClセルを用いて測定した。すべての反応は、0.25 mm E. Merckシリカゲルプレート(60F-254)を用いた薄層クロマトグラフィーにより、紫外線、5%リンモリブデン酸エタノール溶液またはp-アニスアルデヒド溶液により可視化してモニターした。フラッシュカラムクロマトグラフィーはシリカゲル(230-400メッシュ、Merck)を用いておこなった。旋光性は、Perkin Elmer Model 241偏光計を用いて測定した。融点はMel-Temp II装置を用いて測定し、補正していない。
実施例1〜8は、本発明に有用な特異的erbB-2/EGFR阻害剤の調製について述べる。
(実施例1)
N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンのジトシレート塩一水和物(式(III)の化合物のジトシレート塩一水和物)
1(a) N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミン(式(III)の化合物の遊離塩基)の調製
Figure 2009533472
表題の化合物を、国際出願WO 02/02552、16ページ19行〜17ページ3行の方法DおよびWO 99/35146、56ページ20〜32行および100ページ18〜29行の実施例29に従って、5-(4-{3-クロロ-4-(3-フルオロベンジルオキシ)アニリノ}-6-キナゾリニル)フラン-2-カルバルデヒド(0.6当量)および2-メタンスルホニルエチルアミン(1当量)から調製した。1H NMR 400 MHz (DMSO-d6) 9.60 (bs, 1H); 9.32 (bs, 1H); 8.82 (bs, 1H); 8.34 (d, 1H); 8.0 (s, 1H); 7.88 (d, 1H); 7.74 (d, 1H); 7.45 (m, 1H); 7.34-7.23 (m, 4H); 7.17 (m, 1H); 6.83 (d, 1H); 5.27 (s, 2H); 4.42 (s, 2H); 3.59 (m, 2H); 3.40 (m, 2H, 水のピークに隠されている); 3.12 (s, 3H); MS m/z 581 (M+H+).
1(b) N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンのジトシレート塩一水和物(式(III)の化合物のジトシレート塩一水和物)の調製
Figure 2009533472
段階1:N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-ヨード-4-キナゾリンアミンの調製
Figure 2009533472
4-クロロ-6-ヨードキナゾリン(1重量)をフルオロベンジルオキシアニリン(0.894重量、1.03当量)のN-メチルピロリジノン(8.26重量、8体積)中の溶液に約20℃で加え、最初の発熱が治まった後、得られた溶液を20〜25℃で少なくとも30分間撹拌した。暗色の溶液をトリエチルアミン(0.58体積、1.2当量)により処理し、混合物を20〜30分間撹拌した。イソプロパノール(2.5体積)を加えて、混合物を約50℃に加熱した。水(3体積まで)を、温度を約50℃に保ちながら10〜15分間かけてゆっくりと容器に加えた。結晶化が始まった後、添加を止め、得られたスラリーを約50℃で30〜45分間熟成させた。残った水(3体積より)を加えた後、さらに水(5体積)を、温度を約50℃に維持しながら30分間かけて容器に加えた。得られたスラリーを約30分間かけて約20℃に冷却し、約20℃で少なくとも30分間熟成した。固体を濾過により収集し、水(2×5体積)、次いでイソプロパノール(5体積)により順に洗浄した。生成物を約60℃で減圧乾燥して、表題の化合物をクリーム色の結晶性の固体として得た。
段階2:5-(4-[3-クロロ-4-(3-フルオロベンジルオキシ)アニリノ]-6-キナゾリニル)フラン-2-カルバルデヒド4-メチルベンゼンスルホネートの調製
Figure 2009533472
N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-ヨード-4-キナゾリンアミン(1重量)、ボロン酸(0.37重量、1.35当量)、および10%パラジウム炭(0.028重量、50%含水)の混合物をIMS (15体積)中にスラリー化した。得られた懸濁液を5分間撹拌し、ジイソプロピルエチルアミン(0.39体積、1.15当量)により処理した後、約70℃に約3時間加熱すると、反応が完了した(HPLC分析により測定した)。混合物をテトラヒドロフラン(THF、15体積)により希釈した後、濾過して(熱いままで、GFA濾紙を通して)、触媒を除去した。容器をIMS (2体積)によりすすいだ。
p-トルエンスルホン酸一水和物(1.54重量、4.1当量)の水(3体積)溶液を、濾過した溶液に65℃に維持しながら5〜10分間かけて加えた。結晶化の後、懸濁液を60〜65℃で1時間攪拌し、1時間かけて約25℃に冷却し、この温度でさらに2時間攪拌した。固体を濾過により収集し、IMS (3体積)により洗浄した後、約50℃で減圧乾燥して、表題の化合物を黄橙色の結晶性の固体として得た。
段階3:N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンの無水ジトシレート塩(式(III)の化合物の無水ジトシレート塩)の調製
Figure 2009533472
5-(4-[3-クロロ-4-(3-フルオロベンジルオキシ)アニリノ]-6-キナゾリニル)フラン-2-カルバルデヒド4-メチルベンゼンスルホネート(1重量)および2-(メチルスルホニル)エチルアミン塩酸塩(0.4重量、1.6当量)をTHF (10体積)中に懸濁した。酢酸(0.35体積、4当量)およびジイソプロピルエチルアミン(1.08体積、4当量)を順に加えた。得られた溶液を30〜35℃で約1時間攪拌した後、約23℃に冷却した。次に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.66重量、2当量)をおよそ15分間かけて連続的に加えた(この時点でいくらかの発泡が見られる)。得られた混合物を約22℃で約2時間攪拌した後、サンプルを取ってHPLC分析をおこなった。5M水酸化ナトリウム水溶液(5体積)を加えることにより反応を止め、約30分間撹拌した(苛性ソーダ添加の開始時にいくらかの発泡が見られる)。
次に水相を分離し、THF (2体積)により抽出した後、THF抽出物を合わせて、10%w/v塩化ナトリウム水溶液(4体積)により洗浄した。p-トルエンスルホン酸一水和物(pTSA、1.77重量、6当量)のTHF (7体積)1溶液を調製し、約55℃に温めた。N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンのTHF溶液を、バッチ温度を約55±3℃2に維持しながら少なくとも30分間かけてpTSA溶液に加えた。得られた懸濁液を約55℃で2時間攪拌し、約60分間かけて20〜25℃に冷却し、この温度で約30分間熟成した。固体を濾過により収集し、THF (2×2体積)により洗浄し、約40℃で減圧乾燥して、目的の化合物を淡黄色の結晶性の固体として得た。
段階4:N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンのジトシレート塩一水和物(式(III)の化合物のジトシレート塩一水和物)の調製
Figure 2009533472
N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンの無水ジトシレート塩(1重量)のテトラヒドロフラン(THF、14体積)および水(6体積)中の懸濁液を約55〜60℃に30分間加熱して溶液を得た。これを濾過により透明にして、使用した容器をTHF/水(7:3、2体積)により洗浄して結晶化容器に入れた。得られた溶液を加熱還流し、大気圧でテトラヒドロフラン(9体積、95% w/w、水との共沸混合物)を蒸留により除去した。
溶液にN-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンジトシレート一水和物(0.002重量)の種を入れた。結晶化が確認された後、反応温度を55℃より上に維持しながら水(6体積)を加えた。約2時間かけて混合物を5〜15℃に冷却した。固体を濾過により収集し、テトラヒドロフラン/水(3:7の比、2×2体積)により洗浄し、45℃で減圧乾燥して、N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンジトシレート一水和物を鮮黄色の結晶性の固体として得た。
(実施例2)
N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンジトシレート一水和物の調製
N-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンジトシレート一水和物も、スキームCの方法により、下記の通りに調製することができる。
段階1 - 3H-6-ヨードキナゾリン-4-オンのトルエン(5体積)中の懸濁液を撹拌しながら、トリ-n-ブチルアミン(1.2当量)により処理した後、70〜80℃に加熱する。オキシ塩化リン(1.1当量)を加えた後、反応混合物を加熱還流し、この温度で少なくとも2時間攪拌する。次に、反応混合物を55℃に冷却し、トルエン(5体積)、次いで3-クロロ-4-{[(3-フルオロフェニル)メチル]オキシ}アニリン(1.03当量)を加える。次に反応混合物を70〜90℃に温め、少なくとも2時間攪拌する。得られたスラリーを第2の容器に移す。温度を70〜75℃に調節し、内容物を70〜85℃に維持しながら8モル水酸化ナトリウム水溶液(2体積)を1時間かけて加えた後、水(6体積)を加える。混合物を70〜85℃で約1時間攪拌した後、20〜25℃に冷却する。懸濁液を約2時間攪拌し、生成物を濾過により収集し、水、0.1モル水酸化ナトリウム水溶液、水、およびIMSにより順に洗浄した後、減圧乾燥する。
段階2 - N-(3-クロロ-4-{[(3-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-6-ヨード-4-キナゾリンアミン(1重量)、(5-ホルミル-2-フラニル)ボロン酸(0.374重量、1.35当量)および10%パラジウム炭(0.028重量、50%含水)の混合物をエタノール(工業用変性アルコール、15体積)中にスラリー化して灰色の懸濁液を得る。得られたスラリーを5分間撹拌した後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.396体積、1.15当量)により処理する。反応スラリーを70℃に加熱すると、通常は3時間で反応が完了する(HPLC分析による)。混合物はこの時点では緑色の濃いスラリーであり、これをTHF (15体積)により処理して沈殿した生成物を溶解すると、Pd/C触媒のみが溶解せずに残る。次に混合物を熱いままでGFAフィルターにより濾過して触媒を除去する。容器をIMS (1体積)により洗浄し、洗浄液を使用して触媒層を洗う。p-トルエンスルホン酸一水和物(1.50重量、4.0当量)の水(1.5体積)溶液を、65℃で5分間かけて濾過した溶液に加える。反応溶液を60℃に冷却すると、60〜65℃で結晶化が観察される。次に、得られたスラリーを60℃で少なくとも1時間攪拌した後、20〜25℃に冷却し、さらに1時間この温度に保つ。生成物を濾過により単離し、固まりをIMS (3体積)により洗浄する。生成物を湿った固まりとして保存しても、乾燥してもよい。
段階3 - 5-{4-[(3-クロロ-4-{[(3-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)アミノ]-6-キナゾリニル}-2-フランカルバルデヒド4-メチルベンゼンスルホネート(1重量)および2-(メチルスルホニル)エチルアミン塩酸塩(0.4重量、1.60当量)をTHF (10体積)中に懸濁する。酢酸(0.354体積、4.00当量)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、1.08体積、4.00当量)を順に加える。得られた溶液を30〜35℃で約1時間攪拌した後、約22℃に冷却する。次にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.66重量、2.00当量)を加える。得られた混合物を約22℃で2〜4時間攪拌した後、サンプルを取ってHPLC分析をおこなう。水酸化ナトリウム水溶液(25% w/w、3体積)、次いで水(2体積)を加えて反応を止める。次に水相を分離し、THF (2体積)により抽出し、THF抽出物を合わせて、25%w/v塩化アンモニウム水溶液(2×5体積)により2回洗浄する。p-トルエンスルホン酸一水和物(p-TSA、0.74重量、2.5当量)の水(1体積)溶液を調製し、約60℃に温めて、N-(3-クロロ-4-{[(3-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-6-[5-({[2-(メチルスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フラニル]-4-キナゾリンアミン4-メチルベンゼンスルホネート水和物の種を加える。遊離塩基のTHF溶液を、バッチ温度を60±3℃に維持しながら少なくとも1時間かけてp-TSA溶液に加える。得られた懸濁液を約60℃で1〜2時間攪拌し、1時間かけて20〜25℃に冷却し、この温度で約1時間熟成させる。固体を濾過により収集し、95:5 THF:水(3×2体積)により洗浄し、約35℃で減圧乾燥して、N-(3-クロロ-4-{[(3-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-6-[5-({[2-(メチルスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フラニル]-4-キナゾリンアミン4-メチルベンゼンスルホネート水和物を鮮黄色の結晶性固体として得る。
段階4 - N-(3-クロロ-4-{[(3-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-6-[5-({[2-(メチルスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フラニル]-4-キナゾリンアミン4-メチルベンゼンスルホネート水和物(1.00相対重量)の含水テトラヒドロフラン(80:20 THF:水、17体積)中のスラリーを63〜64℃に加熱し、溶液が形成されるまで少なくとも30分間維持する。熱いままで溶液を清澄化し、使用した容器の洗浄をおこなう(80:20 THF:水、0.5体積)。温度を60〜63℃に維持しながら約1時間かけてTHF (15.5体積)を加え、溶液にGW572016F (0.002相対重量)の種を加える。バッチを少なくとも30分間60〜63℃に維持して、結晶化を開始させる。バッチを2時間かけて約5℃に冷却し、生成物を濾過により単離する。それを含水THF (90:10 THF:水、2×2体積)により2回、次いで含水THF (19:1 THF:水、1×2体積)により1回洗浄する。バッチを45℃以下で減圧乾燥して、N-(3-クロロ-4-{[(3-フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)-6-[5-({[2-(メチルスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フラニル]-4-キナゾリンアミン4-メチルベンゼンスルホネート水和物を鮮黄色の結晶性固体として得る。
(実施例3)
(4-(3-フルオロベンジルオキシ)-3-ブロモフェニル)-(6-(5-((2-メタンスルホニルエチルアミノ)メチル)フラン-2-イル)キナゾリン-4-イル)アミンジトシレート(式(III”)の化合物のジトシレート塩)の調製
Figure 2009533472
5-(4-[3-ブロモ-4-(3-フルオロベンジルオキシ)アニリノ]-6-キナゾリニル)フラン-2-カルバルデヒドのHCl塩(WO 99/35146の56ページの方法Cにより調製したもの)を実施例1、段階2の方法によりトシル酸塩に変換した。得られたフラン2-カルバルデヒドトシル酸塩生成物を使用して、実施例1、段階3の方法により(4-(3-フルオロベンジルオキシ)-3-ブロモフェニル)-(6-(5-((2-メタンスルホニルエチルアミノ)メチル)フラン-2-イル)キナゾリン-4-イル)アミンジトシレートを調製した。
(実施例4)
(4-(3-フルオロベンジルオキシ)-3-クロロフェニル)-(6-(2-((2-メタンスルホニルエチルアミノ)メチル)チアゾール-4-イル)キナゾリン-4-イル)アミンジトシレート(式(III’)の化合物のジトシレート塩)の調製
Figure 2009533472
(4-(3-フルオロベンジルオキシ)-3-クロロフェニル)-(6-(2-((2-メタンスルホニルエチルアミノ)メチル)チアゾール-4-イル)キナゾリン-4-イル)アミンのHCl塩をWO 99/35146の57〜59ページの方法Fにより調製した後、実施例1の方法により(4-(3-フルオロベンジルオキシ)-3-クロロフェニル)-(6-(2-((2-メタンスルホニルエチルアミノ)メチル)チアゾール-4-イル)キナゾリン-4-イル)アミンジトシレート塩に変換した。
(実施例5)
ピロロピリミジンIGF-1R阻害剤の調製
a) 化合物5(a)および5(b)を、2002年5月13日に出願されたPCT出願、PCT/EP02/05239であって、2002年11月21日に国際出願WO 02092599として公開されたものに記載されるものと同様の方法により調製し、分析により目的の化合物5(a)および5(b)であることが明らかになった。
Figure 2009533472
(実施例6)方法
GW572016はN-{3-クロロ-4-[(3-フルオロベンジル)オキシ]フェニル}-6-[5-({[2-(メタンスルホニル)エチル]アミノ}メチル)-2-フリル]-4-キナゾリンアミンジトシレート一水和物である。
GW589522は(4-(3-フルオロベンジルオキシ)-3-ブロモフェニル)-(6-(5-((2-メタンスルホニルエチルアミノ)メチル)フラン-2-イル)キナゾリン-4-イル)アミンである。
GW583340は(4-(3-フルオロベンジルオキシ)-3-クロロフェニル)-(6-(2-((2-メタンスルホニルエチルアミノ)メチル)チアゾール-4-イル)キナゾリン-4-イル)アミンである。
GSK552602Aは、実施例5に記載した化合物5(a)である。
GSK621659Aは、実施例5に記載した化合物5(b)である。
A549細胞は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(the American Type Culture Collection)より入手可能な非小細胞肺癌細胞である。
Colo205細胞は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能な結腸腺癌細胞である。
MDA468細胞は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能なMDA-MB-468ヒト乳腺癌細胞である。
BT474細胞は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能なヒト乳腺癌細胞である。
T47D細胞は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能なヒト乳管癌細胞である。
HN5細胞は、Institute of Cancer Research, Surrey, U.K.より贈与されたLICRON-HN5頭および頸癌細胞である。
SCC15細胞は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能な頭および頸扁平上皮癌細胞である。
H322細胞は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能なNCI-H322非小細胞肺癌細胞である。
H1299細胞は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能なNCI-H1299非小細胞肺癌細胞である。
SKOV3細胞は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能な卵巣癌細胞である。
BxPC3細胞は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより入手可能な膵臓腺癌細胞である。
実施例7〜9には下記の方法を使用した。
A549細胞は、25 mM HEPES、10 mMグルタミンおよび10%ウシ胎仔血清を補足したRPMI-1640中で増殖させ、37℃および5% CO2の加湿したインキュベーター中で維持した。Colo205およびMDA-MB-468細胞は、25mM HEPES、10 mMグルタミン、4.5 g/L d-グルコースおよび10%ウシ胎仔血清を補足したDMEM中で増殖させた。アッセイは、それぞれの細胞系に最適な播種密度の96ウェルマイクロタイタープレート中でおこなった。
アポトーシスは、アポトーシスの間に生成する断片化したヌクレオソームDNAを検出するRoche Cell Death ELISAPlusキット(カタログ1 774 425)を用いて測定した。第2のアッセイは、アポトーシスカスケードの初期の事象であるカスパーゼ活性化を実証するために使用した(Promega Apo-ONETM Homogeneous Caspase-3/7 Assay、カタログG7791)。
細胞増殖は、Promega Corporationより販売されているCelltiter GloR Luminescent Cell Viability AssayおよびRoche BrdU Cell Proliferation ELISAアッセイを用いて測定した。
(実施例7)
A549細胞へのGW572016およびIGF-1R阻害剤GSK621659Aの投与
GW572016 (GW2016)およびGSK621659A (GSK1659)を単独で、および1:1のモル比で、A549細胞と共に24時間インキュベートした。細胞死をRoche Cell Death ELISAPlusキットおよびPromega Apo-ONETM Homogeneous Caspase-3/7 Assayを用いて測定した。総細胞数をCelltiter GloR Luminescent Cell Viability Assayを用いて測定し、細胞増殖をRoche BrdU Cell Proliferation ELISAアッセイにより測定した。
それぞれのアッセイの結果を図1の4個のプロットに示す。GW572016およびGSK621659AによるA549腫瘍細胞の処理は細胞増殖の減少およびアポトーシスの増加をもたらした。両方の薬剤の組合せは、いずれか一方の薬物を単独で用いた場合よりも、増殖およびアポトーシスの両方に関して効果が高かった。
(実施例8)
Colo205細胞へのGW572016およびIGF-1R阻害剤GSK621659Aの投与
GW572016 (GW2016)およびGSK621659A (GSK1659)を単独で、および1:1のモル比で、Colo205細胞と共に24時間インキュベートした。細胞死をRoche Cell Death ELISAPlusキットおよびPromega Apo-ONETM Homogeneous Caspase-3/7 Assayを用いて測定した。総細胞数をCelltiter GloR Luminescent Cell Viability Assayを用いて測定し、細胞増殖をRoche BrdU Cell Proliferation ELISAアッセイにより測定した。
それぞれのアッセイの結果を図2の4個のプロットに示す。GW572016およびGSK621659AによるColo205腫瘍細胞の処理は細胞増殖の減少およびアポトーシスの増加をもたらした。両方の薬剤の組合せは、いずれか一方の薬物を単独で用いた場合よりも、増殖およびアポトーシスの両方に関して効果が高かった。
(実施例9)
MDA-MB-468細胞へのGW572016およびIGF-1R阻害剤GSK621659Aの投与
GW572016 (GW2016)およびGSK621659A (GSK1659)を単独で、および1:1のモル比で、MDA-MB-468細胞と共に24時間インキュベートした。細胞死をRoche Cell Death ELISAPlusキットおよびPromega Apo-ONETM Homogeneous Caspase-3/7 Assayを用いて測定した。総細胞数をCelltiter GloR Luminescent Cell Viability Assayを用いて測定し、細胞増殖をRoche BrdU Cell Proliferation ELISAアッセイにより測定した。
それぞれのアッセイの結果を図3の4個のプロットに示す。GW572016およびGSK621659AによるMDA-MB-468腫瘍細胞の処理は細胞増殖の減少およびアポトーシスの増加をもたらした。両方の薬剤の組合せは、いずれか一方の薬物を単独で用いた場合よりも、増殖およびアポトーシスの両方に関して効果が高かった。
(実施例10)
種々の癌細胞系へのGW572016およびIGF-1R阻害剤GSK621659A、GSK552602、およびアルファ-IR3抗体の投与
乳:MDA468、BT474およびT47D;頭および頸:HN5およびSCC15;肺:A549、H322およびH1299、結腸:Colo205;卵巣:SKOV3;および膵臓:BxPC3由来のヒト腫瘍細胞系を37℃、95%空気、5% CO2の加湿したインキュベーター中で、次の培地:MDA468、HN5およびColo205、10 %ウシ胎仔血清(FBS)を含有するDulbecco改変Eagle培地(DMEM);A549、H322、H1299、BxPC3、BT474、T47D、SKOV3およびSCC15、10 % FBSを含有するRPMI 1640中で培養した。細胞は、96ウェル組織培養プレート(Falcon 3075)中で、次のプレーティング密度:HN5 3,000細胞/ウェル;A549、4,000細胞/ウェル;H1299、SKOV3およびT47D、5,000細胞/ウェル;BT474、MDA468、Colo205、SCC15、H322およびBxPC3、10,000細胞/ウェルでアッセイした。プレーティングのおよそ24時間後に、細胞を化合物に曝し、10段階の2倍段階希釈のGSK552602AまたはGSK621659A、GW572016または2種の薬剤の組合せにより、それぞれの化合物の完全な用量反応曲線が得られる濃度で細胞を処理した。抗体、アルファ-IR3に関しては、10〜0.02μg/mlの範囲の濃度を有する10段階の2倍段階希釈により細胞を処理した。細胞を化合物および/または抗体の存在下で3日間インキュベートした。次に培地を吸引により除去した。細胞を90μl/ウェルのメチレンブルー(Sigma M9140、1:1エタノール:水中に0.5%)により室温で少なくとも30分間染色することにより、細胞バイオマスを評価した。染料を除去し、プレートを脱イオン水に浸漬することによりすすぎ、空気乾燥した。細胞から染料を放出するために、100μlの可溶化溶液(1% N-ラウロイルサルコシン、ナトリウム塩、Sigma L5125、PBS中)を加え、プレートを約30分間静かに振盪した。620 nMの光学濃度をマイクロプレートリーダーで測定した。細胞増殖を媒体で処理した対照ウェルと比較して計算した。対照の細胞増殖の50%を阻害する化合物濃度(IC50)を非線形回帰および方程式、y = Vmax*(1-(x/(K+x))) + Y2を用いて補間した。補間したIC50値を、ChouおよびTalalayにより導き出された相互非独占方程式(mutually non-exclusive equation):CI = Da/IC50(a) + Db/IC50(b) + (Da *Db)/(IC50(a) *IC50(b)) [式中、IC50(a)はラパチニブ(lapatinib)のIC50であり、IC50(b)はIGF-1R阻害剤のIC50であり、Daは細胞増殖の50%を阻害したIGF-1R阻害剤と組み合わせたラパチニブの濃度であり、Dbは細胞増殖の50%を阻害したラパチニブと組み合わせたIGF-1R阻害剤の濃度である]に挿入することにより併用指数値を求めた。CI値が0.9〜1.10の間であった場合、二つの薬剤の組合せは相加的であると見なされた。0.9未満の併用指数値は相乗作用を示すものと見なされた。1.10よりも大きい併用指数値は拮抗作用を示した。
アポトーシスの誘導の研究のために、MDA468、Colo205、A549およびH322細胞を96ウェル組織培養プレートに5,000細胞/ウェルでプレーティングして、およそ24時間付着させた。次に、細胞を上記の化合物により処理した。化合物処理の24時間後に、Roche Cell Death ELISA (Cat. No. 11 774 425 001)を製造者の指示に従って使用して、アポトーシスのレベルを評価した。
要約および結果:
GW572016とインスリン様成長因子1受容体(IGF-1R)の阻害剤との組合せを細胞に基づくアッセイにおいて研究した。IGF-1Rを標的として使用した薬剤には、小分子阻害剤、GSK552602、GSK621659(表1)または抗体、アルファ-IR3が含まれる。GSK552606およびGSK621659はインスリン受容体をも阻害する。アルファ-IR3はIGF-1Rに選択的であり、インスリン受容体と交差反応しない。肺、結腸、乳、頭/頸、卵巣および膵臓腫瘍組織由来の11の細胞系を、ラパチニブと少なくとも1種の小細胞阻害剤との組合せに対するそれらの反応について試験した。これらの細胞系の7つをラパチニブとアルファ-IR3との組合せに対するそれらの反応について試験した。細胞増殖の阻害を、化合物または媒体(DMSO)による3日間の処理の後に細胞をメチレンブルーにより染色することにより評価した。上記の通り、併用指数(CI)値をChouおよびTalalayの方法の修正を使用して求めた。さらに、腫瘍細胞系の4つを、GSK621659とラパチニブとの組合せに反応したアポトーシスの誘導について研究した。データは、試験した11の細胞系のうちの7つ:A549、H322、BXPC3、HN5、SCC15、SKOV3およびT47D細胞系において、IGF-1R小分子阻害剤とラパチニブとの組合せに対して相乗的な反応を示した。おおよそ相加的であった反応は、MDA468、Colo205およびH1299細胞系において観察された。BT474細胞系に対する結果は変動し、一つの試験では拮抗作用を示し、一つの試験ではわずかな相乗作用を示した(表2)。単剤療法におけるアルファ-IR3に対する細胞系の反応が弱いために、ラパチニブとアルファ-IR3との組合せに対するCI値は決定することができなかった。図4のグラフに基づいて、ラパチニブとアルファ-IR3との組合せの結果はラパチニブと小分子阻害剤との組合せと一致し、A549、H322、BxPC3およびHN5では、ラパチニブとアルファ-IR3との組合せに対していずれの薬剤の単剤療法よりも良い反応を示した。アポトーシスの誘導を研究する実験(図5)は、二つの肺細胞系、A549およびH322において、ラパチニブとGSK621659との組合せにより処理した細胞で、いずれの単剤療法と比較してもアポトーシスシグナルの強い増加を示した。MDA468乳細胞系およびColo205結腸細胞系は、ラパチニブとGSK621659との組合せに対して、単剤療法と比較してアポトーシスのわずかな増加の反応を示し、細胞増殖アッセイにおいてこれら二つの細胞系に観察された相加的反応と一致している。
Figure 2009533472
Figure 2009533472
図1は、A549細胞にGW572016、GSK621659A、およびGW572016とGSK621659Aの1:1の組合せを投与した後の、BrdU細胞増殖、CelltiterGlo総細胞数、カスパーゼ誘導アポトーシス、およびRoche Cell Death ELISAアポトーシスアッセイの結果を表す図である。 図2は、Colo205細胞にGW572016、GSK621659A、およびGW572016とGSK621659Aの1:1の組合せを投与した後の、BrdU細胞増殖、CelltiterGlo総細胞数、カスパーゼ誘導アポトーシス、およびRoche Cell Death ELISAアポトーシスアッセイの結果を表す図である。 図3は、MDA-MB-468細胞にGW572016、GSK621659A、およびGW572016とGSK621659Aの1:1の組合せを投与した後の、BrdU細胞増殖、CelltiterGlo総細胞数、カスパーゼ誘導アポトーシス、およびRoche Cell Death ELISAアポトーシスアッセイの結果を表す図である。 図4は、種々の癌細胞系にGW572016、アルファ-IF3抗体、および両者の組合せを投与した場合の反応を示すグラフである。 図5は、種々の癌細胞系にGW572016、GSK621659A、およびGW572016とGSK621659Aの1:1の組合せを投与した後のRoche Cell Death ELISAアポトーシスアッセイの結果を表す図である。

Claims (6)

  1. 哺乳類における感受性の癌を治療する方法であって、
    前記哺乳類に治療上有効な量の(i) 式(I)
    Figure 2009533472
    [式中、
    YはCR1であり、かつVはNであり;
    またはYはCR1であり、かつVはCR2であり;
    R1は、基CH3SO2CH2CH2NHCH2-Ar-を表し、そこにおいて、Arは、フェニル、フラン、チオフェン、ピロールおよびチアゾールより選択され、それらはそれぞれ場合により1または2個のハロ、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシ基により置換されていてもよく;
    R2は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノおよびジ[C1-4アルキル]アミノを含む群より選択され;
    Uは、フェニル、ピリジル、3H-イミダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、1H-インダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-インダゾリル、1H-ベンズイミダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-ベンズイミダゾリルまたは1H-ベンゾトリアゾリル基を表し、それらはR3基により置換されており、かつ場合により少なくとも1個の独立して選択されるR4基により置換されており;
    R3は、ベンジル、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジル、ベンゾイル、ピリジルメチル、ピリジルメトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジルオキシならびにベンゼンスルホニルを含む群より選択され;
    またはR3はトリハロメチルベンジルまたはトリハロメチルベンジルオキシを表し;
    またはR3は、式
    Figure 2009533472
    (式中、それぞれのR5は独立して、ハロゲン、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシより選択され;かつnは0〜3である)
    の基を表し;
    それぞれのR4は独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ[C1-4アルキル]アミノ、C1-4アルキルチオ、C1-4アルキルスルフィニル、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルカルボニル、カルボキシ、カルバモイル、C1-4アルコキシカルボニル、C1-4アルカノイルアミノ、N-(C1-4アルキル)カルバモイル、N,N-ジ(C1-4アルキル)カルバモイル、シアノ、ニトロおよびトリフルオロメチルである]
    の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
    (ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を投与することを含む、前記方法。
  2. 哺乳類における感受性の癌を治療する方法であって、
    前記哺乳類に治療上有効な量の(i) 式(II):
    Figure 2009533472
    [式中、Rは-Clまたは-Brであり、XはCH、N、またはCFであり、かつZはチアゾールまたはフランである]
    の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
    (ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を投与することを含む、前記方法。
  3. 哺乳類における感受性の癌を治療する方法であって、
    前記哺乳類に治療上有効な量の(i) 式(III):
    Figure 2009533472
    の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
    (ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を投与することを含む、前記方法。
  4. 治療上有効な量の(i) 式(I)
    Figure 2009533472
    [式中、
    YはCR1であり、かつVはNであり;
    またはYはCR1であり、かつVはCR2であり;
    R1は、基CH3SO2CH2CH2NHCH2-Ar-を表し、そこにおいて、Arは、フェニル、フラン、チオフェン、ピロールおよびチアゾールより選択され、それらはそれぞれ場合により1または2個のハロ、C1-4アルキルまたはC1-4アルコキシ基により置換されていてもよく;
    R2は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4アルキルアミノおよびジ[C1-4アルキル]アミノを含む群より選択され;
    Uは、フェニル、ピリジル、3H-イミダゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、1H-インダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-インダゾリル、1H-ベンズイミダゾリル、2,3-ジヒドロ-1H-ベンズイミダゾリルまたは1H-ベンゾトリアゾリル基を表し、それらはR3基により置換されており、かつ場合により少なくとも1個の独立して選択されるR4基により置換されており;
    R3は、ベンジル、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジル、ベンゾイル、ピリジルメチル、ピリジルメトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ハロ-、ジハロ-およびトリハロベンジルオキシならびにベンゼンスルホニルを含む群より選択され;
    またはR3はトリハロメチルベンジルまたはトリハロメチルベンジルオキシを表し;
    またはR3は、式
    Figure 2009533472
    (式中、それぞれのR5は独立して、ハロゲン、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシより選択され;かつnは0〜3である)
    の基を表し;
    それぞれのR4は独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシ、アミノ、C1-4アルキルアミノ、ジ[C1-4アルキル]アミノ、C1-4アルキルチオ、C1-4アルキルスルフィニル、C1-4アルキルスルホニル、C1-4アルキルカルボニル、カルボキシ、カルバモイル、C1-4アルコキシカルボニル、C1-4アルカノイルアミノ、N-(C1-4アルキル)カルバモイル、N,N-ジ(C1-4アルキル)カルバモイル、シアノ、ニトロおよびトリフルオロメチルである]
    の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
    (ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む、癌治療用の組合せ。
  5. 治療上有効な量の(i) 式(II):
    Figure 2009533472
    [式中、Rは-Clまたは-Brであり、XはCH、N、またはCFであり、かつZはチアゾールまたはフランである]
    の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
    (ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む、癌治療用の組合せ。
  6. 治療上有効な量の(i) 式(III):
    Figure 2009533472
    の化合物またはその塩もしくは溶媒和物;および
    (ii) 少なくとも1種のIGF-1R阻害剤を含む、癌治療用の組合せ。
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