JP2009527518A - 有機化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、特許請求の範囲に定義される新規な式Iのアザ−チア−ベンゾアズレン誘導体、これらの調製、医薬組成物を調製するためのこれらの新規な化合物の使用、動物およびヒトにおいて関節炎および関節炎関連状態を管理するためのならびに疼痛の治療におけるこれらの新規な化合物および組成物の使用に関する。より詳細には、本発明は、損傷によるまたは関節炎状態もしくは他の疾患状態による、身体部位、特に関節の炎症および急性炎症に伴う疼痛を軽減するための、医薬用の、好ましくは獣医用の組成物および方法に関する。

Description

本発明は、新規な式Iのアザ−チア−ベンゾアズレン誘導体、これらの調製、医薬組成物を調製するためのこれらの新規な化合物の使用、動物およびヒトにおけるこれらの新規な化合物および組成物の、関節炎および関節炎関連状態を管理するためのおよび疼痛の治療における使用に関する。より詳細には、本発明は、損傷によるまたは関節炎状態もしくは他の疾患状態による、身体部位、特に関節の炎症および急性または慢性炎症に伴う疼痛を軽減するための、医薬用、好ましくは獣医用組成物および方法に関する。
飼育動物はヒトと同様に、炎症過程および変性過程ならびに外傷および手術などのいくつかの刺激に反応して疼痛を患う。疼痛は防御機能を有し、潜在的に危険な状況を回避し、治癒過程を進めることを可能にする。疼痛反応の完全な除去は望ましい目標ではないが、人道的および倫理的理由、さらには経済的理由から、飼育動物およびヒトにおいて疼痛を制御することが極めて必要とされている。人道的および倫理的理由は自明であるはずである。経済面においては、軽度疼痛または不快感を患う動物は、これが競走馬またはブタもしくは反芻動物などの生産動物であれば、最高の力を発揮しない。変形性関節症は、イヌ、ネコおよびウマにおいて特に重大な疾患である。この疾患の原因は複雑であり、構造的および加齢要因に関係し、関節の摩耗および断裂の増加ならびに股関節および肘の異形成、離断性骨軟骨症などの変性過程をもたらす。これらの状態の原因は、遺伝、栄養および管理要因が複雑に混合したものである。変形性関節症は、ヒトと同様に、イヌおよびネコに無視できない軽度慢性疼痛をもたらす。別に、持続性重度関節炎疼痛のよりまれな原因は、自己免疫疾患、関節リウマチである。この疾患は飼育動物種に関して記載されているが、変形性関節症に近づくような頻度では遭遇しない。これらの疾患で遭遇する疼痛に加えて、これらの疾患はさらに著しい変性要素を有する。関節構造内での炎症過程は、サイトカイン類インターロイキン1および腫瘍壊死因子ならびにマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)および他のプロテイナーゼなどの多数の前炎症性メディエイターの放出をもたらす。これらの要因は、変性および炎症を持続させる。最終結果は事象の悪循環であり、これが過酷な進行性疾患にいたる。
関節炎は、関節の異常な変化の一般的な用語である。関節炎は、感染後の関節組織破壊、構造的構成に影響を及ぼす先天的欠陥ならびに関節の表面および支持構造への応力および外傷から起こり得る。免疫系の障害は、関節組織の炎症および変性を引き起こし得ることが推測される。一般的に見られる股関節異形成の事例において、関節炎は、部分的には寛骨大腿関節の異常構造および位置のずれた応力点によるものである。軟骨は有害な影響を与えられ、再生できるより速く摩耗する。緩衝となる軟骨の下にある骨性層は露出し、炎症を起こし、関節周囲の関節包は肥厚し、弾性が低下し、非常に感受性になる。その関節領域に出入りする血管は拡張し、関節は腫脹し、炎症を起こす。関節の弾性組織は硬直し、カルシウム沈着が蓄積する可能性があり、神経終末は疼痛のシグナルを脳に送る。関節変性のために動きはますます制限され、不快感と疼痛により患者は関節の使用を減らすことになる。残念なことに、その後に患者の体重が増え、継続的な不使用がさらに関節の可動性を制限するため、使用の減少が関節炎に伴う問題をさらに悪化させる。
様々な種類の関節炎および炎症性疾患に関連する症状の複雑さを考慮すると、鎮痛薬および抗炎症成分ならびに結合組織の摩耗を防ぎその生成を助ける成分を含む組成物が依然として求められている。現在の治療の様々な副作用を考慮すると、さらに消化不良、潰瘍および胃腸出血のような副作用を回避し、短期治療と長期治療の両方を意図した組成物も依然として求められている。
最も頻繁に発生する筋骨格系の炎症性疾患は、関節炎(ヒトおよび飼育動物の変形性関節症および関節リウマチ)ならびに主としてウマに起こる舟状骨病である。
関節炎は、関節に影響を及ぼす疾患である。いくつかの形態があるが、最も一般的なのは変形性関節症と関節リウマチである。すべての関節炎の形態がヒトおよび非ヒト動物に起こる。さらに、多くの一般的な軽い疼痛があり、これらは関節炎ではないが、腱および靱帯の損傷、挫傷または炎症によるものであり、軟部組織リウマチと呼ばれる。
軟部組織リウマチ:この名称は、腱、筋肉、包および靱帯などの関節周囲の構造から起こる痛み(ache)または疼痛(pain)を指す。この複合疾患は、これらの構造の過度の使用もしくは誤用または関節炎疾患の特徴などの機械的要因に起因する可能性がある。関節炎とは、関節周囲の疼痛、腫脹および熱感をもたらし、多くの場合、関節使用困難を伴う関節内部の炎症を指す。関節炎は、関節内部に損傷を引き起こす可能性がある。この損傷は、疼痛が1つの領域で感じられるとき限局性であり、疼痛が全身または多くの部位で感じられるとき全身性であり得る。軟部組織リウマチは、ヒトで起こるだけでなく、ネコ、特にイヌのような高齢化するペットにおいても深刻な問題である。動物でのこの疾患の診断はヒトの場合より困難であるが、例えば以下の限局性軟部組織リウマチの一般的な領域を観察できる。
ばね指:罹患した指に沿って疼痛が感じられ、これは伸展時にはじける(snapping)感覚を有することがある。手の持続的使用によって引き起こされる。
ド・ケルヴァン腱滑膜炎:母指外側および手首に沿って疼痛が感じられる。しばしば幼い乳児を持つ母親に見られる。
テニス肘:腕の伸展を伴う激しい活動によって引き起こされ、肘の外側に沿って疼痛が感じられる。
肩周囲の腱炎:ある種の動作点、特に腕を持ち上げる間、または背部に手を伸ばす間に引き起こされる疼痛。
転子滑液包炎:股関節包外部の炎症により、股関節の外側および大腿に沿って疼痛が感じられる。
膝周囲の滑液包炎:圧迫により、すなわち持続的にひざまずくか、または関節炎に関連して炎症が起こり得るいくつかの膝関節周囲包がある。
踵痛:アキレス腱または踵下組織の炎症に起因することがある。どちらも歩行の開始によって疼痛および硬直が起こり、立つか昇ることによって疼痛が起こる。
前肢:バニオンは前肢の側面に疼痛を引き起こす可能性がある。
軟部組織リウマチの危険信号は、例えば関節が赤くなる;熱感、腫脹、痛みおよび動作困難;筋肉が縮小する;骨が曲がって見える;発疹の出現、リンパ節の腫脹;熱や悪寒の発現がありならびに体重減少がある。
変形性関節症(OA)は、関節の内面が正常な構造を維持できないときに発現する一般的な疾患であり、疼痛および可動性の低下をもたらす。これは加齢と損傷に伴い(「消耗」関節炎と呼ばれていた)、他の多くの状態に続発して起こり得る。しかしながら、ほとんどの場合、その真の原因は依然としてわかっていない。変形性関節症は変性疾患であり、指、頸部、腰、股関節、膝および他の関節に最もよく影響を及ぼす。加齢ならびに関節の損傷、関節の過度の使用および過剰体重の場合に起こることが多い。例えば、米国では2千万を超える個人が変形性関節症を有する。50%超の人々が65歳までにこの状態を発症する。
変形性関節症は、ヒトだけでなく、イヌにおいてもよく知られている一般的な疾患である。これはイヌの慢性疼痛の最も一般的な原因であり、約5頭に1頭の成犬が、関節炎の疼痛のために跳んだり、階段を昇ったりなどができない。変形性関節症の多くの事例が、子犬時代に患った発育異常に起因するものである。関節の外傷も後年の変形性関節変化の前兆となり得る。この慢性進行性疾患は、関節軟骨の変性および破壊ならびに軟骨下骨および滑液の変質を特徴とする。ヒアルロン酸などの非ステロイド性抗炎症薬および薬剤による現在の療法は、この疾患の進行を遅らせるのに著しい効果を有するようには思われない。変形性関節症はしばしば老齢のネコに見られるが、その動物が重大な疾患またはある種の関節外傷を有した場合、若年から中年のネコにも見られ得る。
関節リウマチは200万を超える人々を冒しており、その60%超が女性である。誰でも関節リウマチを罹患することがあり、小児も高齢者も含まれる。しかしながら、この疾患は通常、若年から中年の成人期に始まる。RA(関節リウマチ)を有する人々のなかでは、女性が男性より3対1で多い。米国では、人口の約1%、すなわち250万人の人々が関節リウマチを有している。いずれの年齢でも起こり得るが、通常20から45歳の間である。炎症性関節炎の特徴的な症状は、1つ以上の関節の腫脹および疼痛である。罹患した関節は多くの場合、身体の他の関節より熱くなっている。朝の起床時またはしばらく休んだ後の関節の硬直が非常に一般的であり、初発症状であることもある。
関節リウマチはヒトだけでなく、頻繁にペットでも起こる。この状態はどの年齢のネコおよびイヌにも見られ得る。探すべき症状は、歩行を嫌がる、動きの減少、跛行または身体の片側偏好、無気力、発熱、食欲不振、明らかな疼痛および不快感である。
舟状骨病(NBD)は、ウマの跛行の一般的な原因である複雑な疾患である。この疾患は、舟状骨、軟骨および深指屈筋腱の変性変化をもたらす。多くの場合、この疾患は骨ではなく、主として軟骨および腱に関連する。NBDは入念な方法で治療されなければならないが、それにもかかわらずほとんどの場合、他の点では健康である、罹患したウマを失うことになる。NBDはウマのすべての品種に起こり、通常は6から12歳のウマに発生する。NBDは潜行的に始まるが、ウマがまだ何も症状を示していない段階で例外なく検出できる。
NBDは通常、ウマの前足にのみ起こり、中程度から重い体重のハンター種、特に競走馬または障害飛越競技用馬ではなく乗用馬として飼育されているウマで最も一般的に見られ、ポニーでは極めてまれである。ここで影響を及ぼし得る要因は、蹄の大きさに比例したウマの体重であり、さらに舟状骨に対する防御は、競技用動物が経験し、放牧ポニーが自然に行う、長時間の緩やかな健康維持運動から得られる可能性がある。
NBDの病態生理学はまったく明らかでない。その病因に関する多くの学説のなかで2つが傑出して興味深い。一方では、足の血液循環の悪さが原因とされ、他方では、ウマの足、すなわち舟状骨の生体力学的特性の変化に原因があるとされている。これらに対応して、主として2種の治療方法があり、多くの場合これらが用いられる。この疾患の生体力学的説明は、対応する馬医者の処置ならびに外科的方法を必要とする。他方、血液循環説はむしろ、舟状骨および周辺組織の血液循環を改善することを目的とするウマの薬物治療の必要を示している。従って、抗凝固薬、例えばワルファリンを用いて改善を達成する試みがなされてきた。罹患した骨の炎症もステロイドおよび非ステロイド性抗炎症薬で治療される。しかしながら、これらの方法は部分的にしか成功しておらず、これらの有効性は評価が困難であり、これらは複雑であり、とりわけこの疾患の永久治癒は達成できない。従って、この問題の解決が依然として切迫して求められている。
現在まで信頼できるNBDモデルは存在しないため、本発明の獣医用組成物はこの疾患を罹患しているウマで試験を行わなければならない。
NBDに加えて、上に挙げたすべての疾患はヒトにだけ起こるのではなく、動物においても観察される。高齢の動物ほど、これらの1種以上の疾患に罹患するリスクは高くなる。特に多くのペットもますます老齢化しており、この疾患を早期に診断し、適切に治療することが真に求められている。
これらの状態および疾患はすべて、胃および腸粘液に害を及ぼすような副作用を回避することにより、疼痛軽減と疾患修飾を組み合わせるよりよい治療を求める継続的な研究の対象となっている。
疼痛および炎症はまた、飼育動物種を冒す他の状態、特に感染性疾患、外傷後および手術後における特徴でもあり、この疼痛も治療を要する。
疼痛管理および疼痛軽減のために現在利用可能な薬物は、2つの主な種類に分類される。第1に、アヘン剤およびアヘン誘導体がある。これらは強力な鎮痛薬であるが、かなり短い作用持続期間を有する傾向があり、傾眠および便秘などいくつかの望ましくない副作用を有する。アヘン剤の検討においてさらに考慮すべきなのは、これらが多くの乱用の機会を提供し、外来診療での使用に適していないことである。一般に用いられる第2の鎮痛薬群は、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤によって最もよく代表される非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である。これらの薬物は、COX酵素の阻害により、プロスタグランジンおよび他のエイコサノイドの産生を阻害する。イブプロフェンおよびジクロフェナクなどの第1世代COX阻害剤は、一部の事例では、胃腸および腎臓の非常に重大な副作用を示している。胃腸作用は特にイヌおよびネコで示され、致命的となり得る。このためこれらの薬剤は獣医学的使用においては魅力のないものとなり、まちがいなく変形性関節症などの慢性状態では用いることができない。COX2を選択的に阻害するより新しい薬物は、炎症過程で誘発されるCOXを阻害するが、胃腸管で構成的に発現され、保護機能を有するCOX1は阻害しないという点で、この問題をいくらか緩和している。しかしながら、ヒトでのこれらの薬物に関する最近のデータからわかるように、それにもかかわらずこれらの薬物の使用には胃腸への影響がある。同じような問題がイヌおよびネコにおいて現れると予期することは理にかなっている。
これらのすべての理由から、特に長期使用を重視した、多くの様々な動物種およびヒト、特にイヌおよびネコのようなペットにおいて疼痛の軽減を可能にする新しい作用様式を有する鎮痛薬が長年にわたって求められている。本発明の化合物は、アヘン剤でもCOX阻害剤でもなく、この要求を満たす。本発明の化合物は、COX阻害剤と比較して、動物、特にネコおよびイヌにおいてより耐性が高い。
さらに、上記のとおり、関節炎は慢性進行性の変性疾患である。この過程に関与するメディエイターに影響を及ぼす薬物は、関与する病理学的過程に直接の作用を有し、疾患の進行を遅らせるまたは停止させることさえできる。本発明は、その鎮痛効果に加えて、このような様式で作用できる。
これは本発明自体の効果であることもでき、またはポリ硫酸グリコサミノグリカン(PSGAG)または栄養補助食品調剤(グルコサミン(Glucosamine)など)などの別の薬剤との組み合わせであることもできる。
本発明は、広範囲の炎症性疾患の予防および治療において有益な効果を示す新規な種類の化合物、すなわち下に定義される式Iのアザ−チア−ベンゾアズレン誘導体の合成に基づくものである。驚いたことに、式Iの化合物または活性成分として式Iの化合物を含有する医薬組成物を、上記の1種以上の疾患を罹患しているヒトまたは非ヒト動物に投与することによって、生活の質の著しく持続的な向上および疾患に起因する疼痛の著しい軽減がもたらされることがここに見出された。本発明の化合物および組成物はこれらの症状に対して有益な効果を示すだけでなく、疾患修飾剤として実際に作用する、すなわち真の治癒効果を示すことが、X線検査によって当然示され得るべきである。ウマの舟状骨病(NBD)に対する本発明の化合物の有益な効果も驚くべきことである。本発明の化合物およびこのような化合物を含有する医薬組成物の特に重要な利点は、ヒトまたは動物、特にイヌの治療における顕著な有効性および有害な作用なしに長期使用できる能力である。本発明による医薬組成物は、骨および軟骨の形成に非常に好ましい影響を有する。意外なことに、これらの組成物は、ペット、特にイヌにおいて、例えばジクロフェナクのようなNSAIDによる治療後に認められる望ましくない副作用を示さない。
原則として、ヒトおよび非ヒト動物を、この種の治療の標的とすることができる。非ヒト動物という表現には、農場動物、例えばウシ(cow)、ブタ、ヒツジおよびヤギなど、家禽、例えばメンドリ、シチメンチョウおよびガチョウなど、毛皮のために飼育する動物、例えばミンク、キツネ、チンチラ、ウサギなど、ならびに飼育動物およびペット、例えばネコおよびイヌなどが含まれる。最も好ましい標的動物は、本明細書において上に記載した1種以上の疾患を罹患しているイヌおよびネコのようなペット、特にイヌである。重要な標的群の1つは、加齢ペット、特に老齢のネコおよびイヌ、好ましくは老齢のイヌからなる。他の好ましい標的群は、レイヨウ、ラクダ、ウシ(cattle)、シカおよびヘラジカ、ロバ、キリン、ヤギ、ラマおよびアルパカ、カバ、ウマ、ムース、オカピ、ブタ、サイ、イッカク、イボイノシシならびにシマウマのような野生動物および飼育動物を含む有蹄動物からなるが、特にウシおよびウマならびに繁殖のために用いられる食肉生産動物、特にブタである。他の非ヒト動物も当然ながら排除されない。
式Iの活性成分は新規な化合物であり、本明細書で以下に記載する調製方法に従って調製できる。
投与経路、用量および投与頻度:本発明は、全身または非全身経路、好ましくは全身的、例えば経口、局所(経皮、経粘膜)または坐剤の形態、皮下、筋内、静脈内または関節内経路によって投与されることが想定される。好ましい投与経路は、経口、皮下および筋内である。最も好ましくは、経口摂取である。式Iの化合物の推奨される日用量は、治療されるべきヒトまたは動物の体重および症状の重症度によって決まる治療上有効量である。一般に、治療上有効量は、ほとんどのヒトおよび動物の場合、約0.01から約500mg/kg/日、好ましくは0.01から約300mg/kg/日、より好ましくは約0.1から約100mg/kg/日である。本発明の化合物は、1日数回から、1日1回、1日おきに1回、週1回まで多様な頻度で投与される。特殊なデポー製剤を用いて、月1回または3カ月毎に1回に治療頻度を減らしてもよい。
有利には、本発明の組成物に、炎症状態に有益な影響を有する生物学的有効量の天然産物を添加できる。このような有益な天然化合物の例は、ホワイトウイロー(White Willow)樹皮、グリーンリップドマッセル(Green−lipped Mussel)、ボスウェル酸(Boswellic Acid)、グルコサミン、およびコンドロイチン硫酸の標準化抽出物である。
上記を考慮して、本発明は、以下の目的および利点を実現することを求める。
本発明の主な目的は、式Iの新規なアザ−チア−ベンゾアズレン化合物およびこれの生理的に許容されるエステルまたはこれの医薬的に許容される塩を提供することである。
Figure 2009527518
[式中、
Qは、−N(R)(R)または−O−Rであり、
およびRは互いに独立して、H、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルカルボニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ジ(C−C−アルキル)アミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキル−カルボキシ−C−C−アルキル、アミノ−C−C−アルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキルであり、またはRおよびRは、これらが結合している窒素原子と共に、2から5個の炭素原子、場合により1個の追加の窒素、硫黄、または酸素原子を含有する環を形成し、前記環は、C−C−アルキルおよびC−C−アルコキシからなる群から選択された1から4個の置換基で場合により置換されており、
は、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルカルボニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ジ(C−C−アルキル)アミノ−C−C−アルキル、C−C−カルボキシ−C−C−アルキル、アミノ−C−C−アルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキルであり、
は、OH、NH、C−C−アルキルオキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ(C−C−アルキル)アミノ、アミノ(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキルチオ、非置換または1から5置換アリールオキシ、非置換または1から5置換アリールアミノであり、これらの置換基は互いに独立して、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルホニルオキシ、ハロ−C−C−アルキルスルホニルオキシ、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルケニルチオ、ハロ−C−C−アルケニルチオ、C−C−アルケニルスルフィニル、ハロ−C−C−アルケニルスルフィニル、C−C−アルケニルスルホニル、ハロ−C−C−アルケニルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルアミノ、ハロ−C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、ハロ−C−C−アルキルカルボニル、およびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、
は、H、ハロゲン、NO、CN、NH、SH、OH、COH、CHO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルカルボキシ、C−C−アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルカルボニルオキシ、またはC−C−アルキルスルホニルアミノであり、
は、H、ハロゲン、NO、CN、またはC−C−アルキルであり、および
環系
Figure 2009527518
は、
Figure 2009527518
および
Figure 2009527518
からなる群から選択される。]
本発明の化合物、例えば式Iの化合物に適用される「生理的に許容されるエステル」という用語は、カルボキシル基がエステル化されており、生理条件下で加水分解性であって、それ自体が生理的に許容される、例えば所望の用量レベルで非毒性であるアルコールを生じるエステルを意味する。このようなエステルには、例えば1から4個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとのエステルが含まれる。
式Iの化合物は、塩、例えば酸付加塩を形成できる。これらの塩は、例えば強無機酸、典型的には鉱酸、例えば硫酸、リン酸もしくはハロゲン酸と共に、または強有機炭酸、典型的にはC−C−アルカン炭酸(適切な場合には、例えばハロゲンで置換されている)、例えば酢酸、例えば必要に応じて不飽和である二炭酸など、例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸もしくはフタル酸、典型的にはヒドロキシ炭酸、例えばアスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸もしくはクエン酸または安息香酸と共にまたは有機スルホン酸、典型的にはC−C−アルカンもしくはアリールスルホン酸(適切な場合には、例えばハロゲンで置換されている)、例えばメタンスルホン酸もしくはp−トルエンスルホン酸と共に形成される。より広い意味では、少なくとも1個の酸基を有する式Iの化合物は、塩基と共に塩を形成することができる。塩基との適切な塩は、例えば金属塩、典型的にはアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウムもしくはマグネシウム塩またはアンモニアもしくは有機アミンとの塩、例えばモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ−、ジ−もしくはトリ−低級アルキルアミン、例えばエチル、ジエチル、トリエチルもしくはジメチルプロピルアミンまたはモノ−、ジ−もしくはトリヒドロキシ−低級アルキルアミン、例えばモノ−、ジ−もしくはトリエタノールアミンである。さらに、適切な場合には、対応する内部塩も形成することができる。遊離形態が好ましい。式Iの化合物の塩のなかで、水化学的に有益な塩が好ましい。以上および以下において、式Iの遊離化合物およびこれらの塩は、適切な場合には、類推により対応する塩または遊離の式Iの化合物も含むものとして理解される。同じことが、式Iの純粋なエナンチオマーおよびこれらの塩にも適用される。
式Iに含まれる化合物の好ましいサブグループは、環系
Figure 2009527518
が、
Figure 2009527518
または
Figure 2009527518
から、最も好ましくは
Figure 2009527518
からなる群から選択され、
R6は、式Iで定義されたとおりである化合物からなる。
式Iに含まれる化合物の別の好ましいサブグループは、式Iaの化合物からなる。
Figure 2009527518
[式中、R、R、およびRは、式Iのとおり定義される、または、好ましくは、
は、C−C−アルキル、最も好ましくはメチルまたはエチルであり、
は、OH、NHまたはC−C−アルキルオキシ、最も好ましくはOH、メトキシ、またはエトキシであり、および
は、Hまたはハロゲン、最も好ましくはH、FまたはClである。]この群を表1に例示する。
式Iaの化合物に含まれる好ましい実施形態は、[7−クロロ−10−ヒドロキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[7−クロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[7−クロロ−10−エトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2−クロロ−10−ヒドロキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2−クロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2−クロロ−10−エトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2−クロロ−7−フルオロ−10−ヒドロキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2−クロロ−7−フルオロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2−クロロ−7−フルオロ−10−エトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2,7−ジフルオロ−10−ヒドロキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2,7−ジフルオロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2,7−ジフルオロ−10−エトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2,7−ジクロロ−10−ヒドロキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2,7−ジクロロ−10−エトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、および[2,7−ジクロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸からなる群から選択されるいずれかの個々の化合物である。
式Iaの化合物に含まれる最も好ましい化合物は、[2,7−ジクロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、特にシス異性体[2,7−ジクロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸である。
式Iに含まれる化合物の興味深いサブグループは、式Ibの化合物からなる。
Figure 2009527518
[式中、R、R、およびRは、式Iのとおり定義される。]この群を表2に例示する。
式Iに含まれる化合物のさらなる興味深いサブグループは、式Icの化合物からなる。
Figure 2009527518
[式中、R、R、およびRは、式Iのとおり定義される。]この群を表3に例示する。
式Iに含まれる化合物の別の好ましいサブグループは、式Idの化合物からなる。
Figure 2009527518
[式中、R、R、およびRは、式Iのとおり定義される。]群Idを表4に例示する。
示したすべての化学式において、置換基は以下の意味を有する。
アルキルは(それ自体で基として、ならびにハロゲン−アルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニルおよびアルキルスルホニルなどの他の基および化合物の構造要素として)、それぞれの場合に当該基また化合物における炭素原子の特定の数を充分考慮して、直鎖、すなわちメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルもしくはオクチル、または分岐、例えばイソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソペンチル、ネオペンチルもしくはイソヘキシルである。
シクロアルキルは(それ自体で基として、ならびにハロシクロアルキル、シクロアルコキシおよびシクロアルキルチオなどの他の基および化合物の構造要素として)、それぞれの場合に当該基また化合物における炭素原子の特定の数を充分考慮して、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルである。
アルケニルは(それ自体で基として、ならびに他の基および化合物の構造要素として)、それぞれの場合に当該基また化合物における炭素原子、および共役または孤立二重結合の特定の数を充分考慮して、直鎖、例えばアリル、2−ブテニル、3−ペンテニル、1−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1,3−ヘキサジエニルもしくは1,3−オクタジエニル、または分岐、例えばイソプロペニル、イソブテニル、イソプレニル、t−ペンテニル、イソヘキセニル、イソヘプテニルもしくはイソオクテニルである。
アルキニルは(それ自体で基として、ならびに他の基および化合物の構造要素として)、それぞれの場合に当該基また化合物における炭素原子、および共役または孤立二重結合の特定の数を充分考慮して、直鎖、例えばプロパルギル、2−ブチニル、3−ペンチニル、1−ヘキシニル、1−ヘプチニル、3−ヘキセン−1−イニルもしくは1,5−ヘプタジエン−3−イニル、または分岐、例えば3−メチルブタ−1−イニル、4−エチルペンタ−1−イニル、4−メチルヘキサ−2−イニルもしくは2−メチルヘプタ−3−イニルである。
アリールは、フェニルまたはナフチルである。
一般に、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。同じことが、ハロゲンアルキルなどの他の意味と組み合わせたハロゲンにも適用される。最も好ましいハロゲンは、塩素である。
ハロゲン置換炭素含有基および化合物は、部分ハロゲン化または過ハロゲン化されていてもよく、多ハロゲン化の場合、ハロゲン置換基は同一でも異なっていてもよい。ハロゲン−アルキルの例は(それ自体で基として、ならびにハロゲン−アルコキシまたはハロゲン−アルキルチオなどの他の基および化合物の構造要素として)、フッ素、塩素および/または臭素で1から3置換されているメチル、例えばCHFまたはCFなど;フッ素、塩素および/または臭素で1から5置換されているエチル、例えばCHCF、CFCF、CFCCl、CFCHCl、CFCHF、CFCFCl、CFCHBr、CFCHClF、CFCHBrFまたはCClFCHClFなど;フッ素、塩素および/または臭素で1から7置換されているプロピルまたはイソプロピル、例えばCHCHBrCHBr、CFCHFCF、CHCFCF、またはCH(CF)など;フッ素、塩素および/または臭素で1から9置換されているブチルまたはその異性体の1つ、例えばCF(CF)CHFCFまたはCH(CF)CFなど;フッ素、塩素および/または臭素で1から11回置換されているペンチルまたはその異性体の1つ、例えばCF(CF)(CHF)CFまたはCH(CF)CFなど;ならびにフッ素、塩素および/または臭素で1から13回置換されているヘキシルまたはその異性体の1つ、例えば(CH)CHBrCHBr、CF(CHF)CF、CH(CF)CF、またはC(CF)(CHF)CFなどである。
アルコキシ基は、好ましくは1から6炭素原子の鎖長を有する。アルコキシは、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシおよびt−ブトキシであり、ならびに異性体ペンチルオキシおよびヘキシルオキシ、好ましくはメトキシおよびエトキシである。ハロゲンアルコキシ基は、好ましくは1から6炭素原子の鎖長を有する。ハロゲンアルコキシは、例えばフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシおよび2,2,2−トリクロロエトキシであり、好ましくはジフルオロメトキシ、2−クロロエトキシおよびトリフルオロメトキシである。
−C−アルキルカルボニルの例はCH−C(O)−であり、C−C−シクロアルキルカルボニルの例はシクロプロピル−C(O)−であり、C−C−アルコキシ−C−C−アルキルの例はCH−O−CH−であり、ジ(C−C−アルキル)アミノ−C−C−アルキルの例は(CH)(C)N−CHCH−であり、C−C−アルキル−カルボキシ−C−C−アルキルの例はCH−O−C(O)−CH−であり、アミノ−C−C−アルキルの例はHN−CHCH−であり、C−C−ヒドロキシアルキルの例はHO−CH2−またはCH−CH(OH)−CH−であり、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキルの例はCH3(H)N−CHCH−である。
式Iの化合物は、シスおよびトランス両方の異性体、すなわちZおよびE異性体として存在する。本発明は、個々のシスおよびトランス異性体の両方ならびにこれらの混合物を包含するものとして理解される。本明細書および特許請求の範囲において、シス(Z)およびトランス(E)異性体は、通常のCIP命名法に従って示される「Angew.Chem.94、614(1982)およびその引用文」。従って、シス異性体は式I’の異性体であり、トランス異性体は式I’’の異性体である。
Figure 2009527518
一般に、シス(Z)異性体が好ましい。従って、本発明の化合物は、好ましくは主としてシス型である。最も好ましくは、本発明の化合物は、純粋または実質的に純粋なシス型である。本発明の化合物の個々のシスおよびトランス異性体は、例えばシス/トランス異性体混合物の分離、例えばクロマトグラフィによって、当分野で知られている技法に従って得ることができる。
式Iの化合物は、下記の合成スキームに要約され、以下により詳しく説明され例示されたとおりに調製できる。
Figure 2009527518
本発明のさらなる目的は、それぞれ遊離形態または生理的に許容されるエステル形態もしくはこれの医薬的に許容される塩形態にて式Iの化合物を調製する方法であり、例えば下式の化合物(この化合物は、知られている、または、知られている対応する化合物と同じようにして製造することができる。)
Figure 2009527518
(式中、R、R、AおよびQは、式Iに関して示したとおり定義される)を、場合により塩基性触媒の存在下、Horner−Wittig反応工程において、下式の化合物(この化合物は、知られている、または、知られている対応する化合物と同じようにして製造することができる。)
(MeO)POCHCOOMe IX
と反応させること、得られたラセミ体エステルを、塩基性触媒の存在下場合により鹸化し、得られた異性体混合物から、場合によりアミンの存在下に単離された所望の異性体をおよびさらに所望であれば本方法または別の方法によってそれぞれ遊離形態または塩形態で得ることのできる式Iの化合物を、式Iの別の化合物に変換し、前記方法により得ることのできる異性体の混合物を分離すること、ならびに、単離された所望の異性体および/または本方法により得ることのできる式Iの遊離化合物を塩に変換することまたは本方法により得ることのできる式Iの化合物の塩を式Iの遊離化合物もしくは別の塩に変換することを特徴とする方法である。
化合物Iの塩に関して上に述べたことは、上記および下記の出発材料の塩にも同様に適用される。
反応相手は、そのまま、すなわち溶媒または希釈剤を添加することなく、例えば溶解状態で互いに反応させることができる。しかしながら、ほとんどの場合、不活性溶媒もしくは希釈剤またはこれらの混合物を添加するのが有利である。このような溶媒または希釈剤の例は、芳香族、脂肪族および脂環式炭化水素およびハロゲン化炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエテンまたはテトラクロロエテンなど;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなど;ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトンなど;アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンまたはヘキサメチルリン酸トリアミドなど;ニトリル、例えばアセトニトリルまたはプロピオニトリルなど;およびスルホキシド、例えばジメチルスルホキシドなどである。好ましい溶媒は、スルホキシド、特にジメチルスルホキシドである。
この反応を促進するのに適した塩基は、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物、水素化物、アミド、アルカノラート、酢酸塩、炭酸塩、ジアルキルアミドまたはアルキルシリルアミド;アルキルアミン、アルキレンジアミン、場合によりN−アルキル化され、場合により不飽和である、シクロアルキルアミン、塩基性複素環、水酸化アンモニウムならびに炭素環式アミンである。例として挙げることのできるものは、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメタノラート、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、カリウムt−ブタノラート、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)−アミド、水素化カルシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、シクロヘキシルアミン、N−シクロヘキシル−N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、キヌクリジン、N−メチルモルホリン、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム、ならびに1,5−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−5−エン(DBU)である。好ましくは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水素化物、特に金属水素化物、特にHorner−Wittig工程では水素化リチウム、エステルの鹸化では水酸化ナトリウムである。
この反応は、有利に約0℃から約100℃、好ましくは約10℃から約80℃の温度範囲で行われる。
好ましい一工程では、式IVの化合物を、ジメチルスルホキシド中、30℃から60℃の温度で、水素化リチウムの存在下、式IXの化合物と反応させる。
本発明のさらなる目的は、それぞれ遊離形態または塩形態で、式VIの化合物を調製する方法であり、この方法は、例えば下式の化合物(この化合物は、知られている、または、知られている対応する化合物と同じようにして製造することができる。)
Figure 2009527518
(式中、R、R、およびAは、式Iのとおり定義される。)を、POClと反応させて式VIの中間体化合物を得て(式中、QはClである)、これを続いて、場合により塩基性触媒の存在下、HORまたはHN(R)(R)(式中、R、R、およびR3は、式Iのとおり定義される。)(この化合物は、知られている、または、知られている対応する化合物と同じようにして製造することができる。)と反応させることを特徴とする。
反応相手は、そのまま、すなわち溶媒または希釈剤を添加することなく、例えば溶解状態で互いに反応させることができる。しかしながら、ほとんどの場合、不活性溶媒もしくは希釈剤、またはこれらの混合物を添加するのが有利である。このような溶媒または希釈剤の例は、芳香族、脂肪族および脂環式炭化水素およびハロゲン化炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエテンまたはテトラクロロエテンなど;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなど;ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトンなど;アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンまたはヘキサメチルリン酸トリアミドなど;ニトリル、例えばアセトニトリルまたはプロピオニトリルなど;およびスルホキシド、例えばジメチルスルホキシドなどである。好ましい溶媒は、芳香族、脂肪族、および脂環式炭化水素、特にトルエンである。
この反応は、有利に約−20℃から約100℃、好ましくは約−10℃から約30℃の温度範囲で行われる。
好ましい一工程において、式Vの化合物を、トルエン中、−10℃から30℃の温度で、POClと反応させ、続いてNaORまたはHN(R)(R)と反応させる。
本発明のさらなる目的は、式Vの化合物を調製する方法であり、この方法は、例えば下式の化合物(この化合物は、知られている、または、知られている対応する化合物と同じようにして製造することができる。)
Figure 2009527518
(式中、Rは、式Iに関して示したとおりに定義される。)を、場合により塩基性触媒の存在下、下式の化合物(この化合物は、知られている、または、知られている対応する化合物と同じようにして製造することができる。)
Figure 2009527518
(式中、RおよびAは、式Iに関して示したとおりに定義される。)と反応させることを特徴とする。
反応相手は、そのまま、すなわち溶媒または希釈剤を添加することなく、例えば溶解状態で互いに反応させることができる。しかしながら、ほとんどの場合、不活性溶媒もしくは希釈剤またはこれらの混合物を添加するのが有利である。このような溶媒または希釈剤の例は、芳香族、脂肪族および脂環式炭化水素およびハロゲン化炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエテンまたはテトラクロロエテンなど;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなど;ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトンまたはメチルイソブチルケトンなど;アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンまたはヘキサメチルリン酸トリアミドなど;ニトリル、例えばアセトニトリルまたはプロピオニトリルなど;およびスルホキシド、例えばジメチルスルホキシドなどである。好ましい溶媒は、エーテル、特にテトラヒドロフランまたはジオキサンである。
この反応を促進するのに適した塩基は、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物、水素化物、アミド、アルカノラート、酢酸塩、炭酸塩、ジアルキルアミドまたはアルキルシリルアミドである。例として挙げることのできるものは、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメタノラート、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、カリウムt−ブタノラート、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)−アミドまたは水素化カルシウムである。好ましくは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属水素化物、およびジアルキルアミド、特に金属ジアルキルアミド、特にリチウムジイソプロピルアミドである。
この反応は、有利に約−100℃から約40℃、好ましくは約−70℃から約30℃の温度範囲で行われる。
好ましい一工程において、式IIIの化合物を、テトラヒドロフラン中、−65℃から20℃の温度で、水素化リチウムの存在下、式IVの化合物と反応させる。
獣医学分野において、本発明による式Iの化合物は、単独または他の殺生物剤と組み合わせて用いることができる。2つ以上の異なる問題を1つの処置で解決するのが有利であり得る。従って、例えば活性スペクトルを拡大するために、式Iの化合物を殺虫剤(pesticide)と組み合わせることができる。活性の範囲を内部寄生性生物に拡大しようとする場合(例えば駆虫剤)、式Iの化合物は、内部寄生特性を有する物質と適切に組み合わせられる。当然ながら、式Iの化合物は、抗菌組成物と組み合わせて用いることもできる。殺虫剤の組み合わせ相手は、成虫駆除剤、すなわち特に標的寄生生物の成虫段階に対して有効である化合物、またはその代わりに寄生生物の幼虫段階を攻撃する成長調節剤であることができる。一部の組み合わせはさらに相乗効果をもたらし、例えば活性成分の総量または望ましくない副作用を低減することができ、これは環境および健康の観点から望ましい。組み合わせ相手の好ましい群および特に好ましい組み合わせ相手を以下に挙げるが、組み合わせは式Iの化合物に加えて、これらの1種以上の相手を含有することができる。
混合物における適切な相手には、以下に示し、長年にわたって当業者に知られている殺生物剤、例えば多様な活性機構を有する殺虫剤および殺ダニ剤であることができ、例えばキチン合成阻害剤、成長調節剤;幼若ホルモンとして作用する活性成分;殺成虫剤として作用する活性成分;スペクトルの広い殺虫剤、スペクトルの広い殺ダニ剤、および殺線虫剤;さらによく知られている駆虫剤、ならびに忌避剤または分離剤(detacher)を含む昆虫および/またはダニ防止物質である。
適切な殺虫剤および殺ダニ剤の非限定的な例は以下のとおりである。
Figure 2009527518
Figure 2009527518
Figure 2009527518
適切な駆虫剤(anthelminthic)(駆虫剤(dewormer))の非限定的な例を以下に挙げるが、これらの代表例のいくつかは駆虫活性に加えて、殺虫活性および殺ダニ活性を有し、すでに上に挙げられている可能性がある。
(A1)プラジカンテル=2−シクロヘキシルカルボニル−4−オキソ−1,2,3,6,7,11b−ヘキサヒドロ−4H−ピラジノ[2,1−α]イソキノリン
(A2)クロサンテル=3,5−ジヨード−N−[5−クロロ−2−メチル−4−(a−シアノ−4−クロロベンジル)フェニル]−サリチルアミド
(A3)トリクラベンダゾール=5−クロロ−6−(2,3−ジクロロフェノキシ)−2−メチルチオ−1H−ベンゾイミダゾール
(A4)レバミゾール=L−(−)−2,3,5,6−テトラヒドロ−6−フェニルイミダゾ[2,1b]チアゾール
(A5)メベンダゾール=(5−ベンゾイル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)カルバミン酸メチルエステル
(A6)オムファロチン=WO97/20857に記載の真菌オムファロツス・オレアリウス(Omphalotus olearius)の大環状発酵産物
(A7)アバメクチン=アベルメクチンB1
(A8)イベルメクチン=22,23−ジヒドロアベルメクチンB1
(A9)モキシデクチン=5−O−デメチル−28−デオキシ−25−(1,3−ジメチル−1−ブテニル)−6,28−エポキシ−23−(メトキシイミノ)−ミルベマイシンB
(A10)ドラメクチン=25−シクロヘキシル−5−O−デメチル−25−デ(1−メチルプロピル)−アベルメクチンA1a
(A11)ミルベメクチン=ミルベマイシンA3とミルベマイシンA4の混合物
(A12)ミルベマイシンオキシム=ミルベマイシンの5−オキシム。
適切な忌避剤および分離剤の非限定的な例は以下のとおりである。
(R1)DEET (N,N−ジエチル−m−トルアミド)
(R2)KBR 3023 N−ブチル−2−オキシカルボニル−(2−ヒドロキシ)−ピペリジン
(R3)シミアゾール=N,−2,3−ジヒドロ−3−メチル−1,3−チアゾール−2−イリデン−2,4−キシリデン。
混合物における前記相手は、この分野の専門家に最もよく知られているものである。そのほとんどは「the Pesticide Manual、The British Crop Protection Council、London」の様々な版に記載されており、その他のものは「The Merck Index、Merck&Co.,Inc.、Rahway、New Jersy、USA」の様々な版、または特許文献に記載されている。従って、以下のリストは例として見出すことのできる少数に限定している。
(I)2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド−O−メチルカルバモイルオキシム(アルジカルブ)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、26頁」、
(II)S−(3,4−ジヒドロ−4−オキソベンゾ[d]−[1,2,3]−トリアジン−3−イルメチル)O,O−ジメチル−ホスホロジチオアート(アジンホス−メチル)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、67頁」、
(III)エチル−N−[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル−(メチル)アミノチオ]−N−イソプロピル−β−アラニナート(ベンフラカルブ)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、96頁」、
(IV)2−メチルビフェニル−3−イルメチル−(Z)−(1RS)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロパ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(ビフェントリン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、118頁」、
(V)2−t−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジアン−4−オン(ブプロフェジン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、157頁」、
(VI)2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル−メチルカルバマート(カルボフラン)、The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、186頁」、
(VII)2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル−(ジブチルアミノチオ)メチルカルバマート(カルボスルファン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、188頁」、
(VIII)S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)−ビス(チオカルバマート)(カルタプ)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、193頁」、
(IX)1−[3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−尿素(クロルフルアズロン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、213頁」、
(X)O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル−ホスホロチオアート(クロルピリホス)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、235頁;
(XI)(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル−(1RS,3RS;1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジ−メチルシクロプロパンカルボキシラート(シフルトリン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、293頁」、
(XII)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(Z)−(1R,3R)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートと(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(Z)−(1R,3R)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートの混合物(ラムダ−シハロトリン)「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、300頁」、
(XIII)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(1R,3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートおよび(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(1S,3S)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートからなるラセミ化合物(アルファ−シペルメトリン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、308頁」、
(XIV)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS,3RS,1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートの立体異性体の混合物(ゼータ−シペルメトリン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、314頁」、
(XV)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(1R,3R)−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(デルタメトリン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、344頁」、
(XVI)(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)尿素(ジフルベンズロン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、395頁」、
(XVII)(1,4,5,6,7,7−ヘキサクロロ−8,9,10−トリノルボルン−5−エン−2,3−イレンビスメチレン)−スルフィット(エンドスルファン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、459頁」、
(XVIII)α−エチルチオ−o−トリル−メチルカルバマート(エチオフェンカルブ)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、479頁」、
(XIX)O,O−ジメチル−O−4−ニトロ−m−トリル−ホスホロチオアート(フェニトロチオン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、514頁」、
(XX)2−s−ブチルフェニル−メチルカルバマート(フェノブカルブ)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、516頁;
(XXI)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチラート(フェンバレラート)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、539頁」、
(XXII)S−[ホルミル(メチル)カルバモイルメチル]−O,O−ジメチル−ホスホロジチオアート(ホルモチオン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、625頁」、
(XXIII)4−メチルチオ−3,5−キシリル−メチルカルバマート(メチオカルブ)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、813頁;
(XXIV)7−クロロビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2,6−ジエン−6−イル−ジメチルホスファート(ヘプテノホス)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、670頁」、
(XXV)1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン(イミダクロプリド)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、706頁」、
(XXVI)2−イソプロピルフェニル−メチルカルバマート(イソプロカルブ)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、729頁」、
(XXVII)O,S−ジメチル−ホスホルアミドチオアート(メタミドホス)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、808頁」、
(XXVIII)S−メチル−N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミダート(メトミル)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、815頁」、
(XXIX)メチル−3−(ジメトキシホスフィノイルオキシ)ブタ−2−エノアート(メビンホス)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、844頁」、
(XXX)O,O−ジエチル−O−4−ニトロフェニル−ホスホロチオアート(パラチオン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、926頁」、
(XXXI)O,O−ジメチル−O−4−ニトロフェニル−ホスホロチオアート(パラチオン−メチル)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、928頁」、
(XXXII)S−6−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1,3−ベンゾオキサゾール−3−イルメチル−O,O−ジエチル−ホスホロジチオアート(ホサロン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、963頁」、
(XXXIII)2−ジメチルアミノ−5,6−ジメチルピリミジン−4−イル−ジメチルカルバマート(ピリミカルブ)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、985頁;
(XXXIV)2−イソプロポキシフェニル−メチルカルバマート(プロポクスル)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1036頁」、
(XXXV)1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)尿素(テフルベンズロン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1158頁」、
(XXXVI)S−t−ブチルチオメチル−O,O−ジメチル−ホスホロジチオアート(テルブホス)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1165頁」、
(XXXVII)エチル−(3−t−ブチル−1−ジメチルカルバモイル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル−チオ)−アセタート(トリアザメート)、The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1224頁」、
(XXXVIII)アバメクチン、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、3頁」、
(XXXIX)2−s−ブチルフェニル−メチルカルバマート(フェノブカルブ)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、516頁」、
(XL)N−t−ブチル−N’−(4−エチルベンゾイル)−3,5−ジメチルベンゾヒドラジド(テブフェノジド)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1147頁」、
(XLI)(±)−5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−4−トリフルオロメチル−スルフィニルピラゾール−3−カルボニトリル(フィプロニル)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、545頁」、
(XLII)(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル(1RS,3RS;1RS,3RS)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(β−シフルトリン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、295頁」、
(XLIII)(4−エトキシフェニル)−[3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル](ジメチル)シラン(シラフルオフェン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1105頁」、
(XLIV)t−ブチル(E)−α−(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イル−メチレンアミノ−オキシ)−p−トルアート(フェンピロキシメート)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、530頁」、
(XLV)2−t−ブチル−5−(4−t−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン(ピリダベン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1161頁」、
(XLVI)4−[[4−(1,1−ジメチルフェニル)フェニル]エトキシ]−キナゾリン(フェナザキン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、507頁」、
(XLVII)4−フェノキシフェニル−(RS)−2−(ピリジルオキシ)プロピル−エーテル(ピリプロキシフェン)、The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1073頁」、
(XLVIII)5−クロロ−N−{2−[4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ]エチル}−6−エチルピリミジン−4−アミン(ピリミジフェン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1070頁」、
(XLIX)(E)−N−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−エチル−N’−メチル−2−ニトロビニリデンジアミン(ニテンピラム)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、880頁」、
(L)(E)−N−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−N−シアノ−N−メチルアセトアミジン(NI−25、アセタミプリド)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、9頁」、
(LI)アベルメクチンB、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、3頁」、
(LII)植物由来の昆虫活性抽出物、特に(2R,6aS,12aS)−1,2,6,6a,12,12a−へキシヒドロ−2−イソプロペニル−8,9−ジメトキシ−クロメノ[3,4−b]フロ[2,3−h]クロメン−6−オン(ロテノン)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1097頁」、およびアザディラクタ・インディカ(Azadirachta indica)抽出物、特にアザディラクチン、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、59頁」、ならびに
(LIII)昆虫活性線虫を含有する調剤、好ましくはヘテロラブディティス・バクテリオフォラ(Heterorhabditis bacteriophora)およびヘテロラブディティス・メギディス(Heterorhabditis megidis)を含有する調剤、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、671頁」、スタイナーネマ・フェルチアエ(Steinernema feltiae)を含有する調剤、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1115頁」、ならびにスタイナーネマ・スカプテリスキ(Steinernema scapterisci)を含有する調剤、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1116頁」、
(LIV)バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)から得られる調剤、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、72頁」、またはバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の株から得ることのできる調剤(GC91またはNCTC11821から単離された化合物を除く)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、73頁」、
(LV)昆虫活性真菌を含有する調剤、好ましくはバーティシリウム・レカニ(Verticillium lecanii)を含有する調剤、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1266頁」、ボーベリア・ブログニアルティ(Beauveria brogniartii)を含有する調剤、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、85頁」、およびボーベリア・バシアナ(Beauveria bassiana)を含有する調剤、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、83頁」、
(LVI)昆虫活性ウイルスを含有する調剤、好ましくはネオジプリドン・セルティファー(Neodipridon Sertifer)NPVを含有する調剤、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1342頁」、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)NPVを含有する調剤、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、759頁」、およびシディア・ポモネラ・グラヌロシス(Cydia pomonella granulosis)ウイルスを含有する調剤、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、291頁」、
(CLXXXI)7−クロロ−2,3,4a,5−テトラヒドロ−2−[メトキシカルボニル(4−トリフルオロメトキシフェニル)カルバモイル]インドール[1,2e]オキサゾリン−4a−カルボキシラート(DPX−MP062、インドキシカルブ(Indoxycarb))、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、453頁」、
(CLXXXII)N’−t−ブチル−N’−(3,5−ジメチルベンゾイル)−3−メトキシ−2−メチルベンゾヒドラジド(RH−2485、メトキシフェノジド)、「The Pesticide Manual、第11版(1997)、The British Crop Protection Council、London、1094頁」、ならびに
(CLXXXIII)(N’−[4−メトキシ−ビフェニル−3−イル]−ヒドラジンカルボン酸イソプロピルエステル(D2341)、「Brighton Crop Protection Conference、1996、487から493頁」、
(CLXXXIV)スピノサドはスピノシンAとスピノシンDの混合物である、US5362634、
(R2)Book of Abstracts、212th ACS National Meeting Orlando、FL、August 25−29(1996)、AGRO−020、American Chemical Society刊、Washington、D.C.CONEN」、63BFAF。
上記の詳細の結果から、本発明のさらなる本質的な態様は、その獣医用組成物が、式Iの化合物に加えて同一でありまたは異なる活性範囲を有する少なくとも1種のさらなる活性成分および少なくとも1種の生理的に許容される担体を含有することを特徴とする、温血非ヒト動物において炎症状態を治療すると同時に経済的に重要な寄生生物を制御するための組み合わせ調剤に関する。本発明は2成分の組み合わせに限定されない。
本発明の他の重要な目的は、治療上有効量の式Iの化合物またはこれの生理的に許容されるエステルもしくは塩ならびに生理的に許容される担体を含む医薬組成物を提供することである。この医薬組成物は、ヒトおよび動物において急性および慢性炎症を治療するのに非常に適しており、上で論じた骨関連疾患に関して非常に肯定的な治癒効果を示す。
好ましい一実施形態において、前記医薬組成物は、予防的または好ましくは治癒的治療として、ヒトまたは動物に全身経路によって、例えば非経口、または好ましくは経口によって投与される。
本発明のさらなる目的は、非ヒト動物において結合組織を防御、治療および修復するための治療組成物ならびにヒトまたは動物患者において結合組織を治療する方法を提供することである。
本発明の重要な部分は、摂取されたとき、次に限定されるものではないが、関節リウマチ、変形性関節症、股関節異形成、若年性関節リウマチ、軟部組織リウマチ、痛風、腰痛、苦痛(affliction)、捻挫、頭痛、背痛ならびに運動および労作後の全身の筋肉痛などの炎症性疾患の疼痛および不快感を治療するのに有効である経口投与用の医薬組成物である。
本発明のさらに他の目的は、リウマチおよび関節痛を含む慢性炎症性疾患を罹患しているヒトおよび動物の全身の健康、生活の質および快適な暮らしを改善する、経口で投与される組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、ヒトおよび動物において疼痛、炎症および腫脹を対症治療するための、合成非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の用量を低減するまたはそれと置き換えるために用いることのできる、安全で有効な組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、胃毒性、腸不耐性および腎障害のリスクのためにもはやNSAIDが望ましくない個体において、疼痛、炎症および腫脹を治療するための安全で有効な組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、そこから活性成分が抽出されて濃縮物が調製され、所望の生理的特性を有する最小量のある種の指示化学物質を含有するように標準化された最終組成物をもたらす、それぞれ厳密および正確に同定、分析および記録された生物、植物成分を用いて製剤化される組成物を提供することである。
本発明の好ましい実施形態は以下のとおりである。
有効量の式Iの化合物、ならびに生理的に許容される担体を含む医薬組成物。
さらにホワイトウイロー(White Willow)樹皮、グリーンリップドマッセル(Green−lipped Mussel)、ボスウェル酸(Boswellic Acid)、グルコサミンおよび/またはコンドロイチン硫酸の標準化抽出物を有効量含む医薬組成物。
より好ましくは、式Iの化合物の日用量約0.1から約500mg/kg/日、好ましくは1から約500mg/kg/日、より好ましくは約0.1から約100mg/kg/日、より好ましくは2から約100mg/kg/日、さらに好ましくは約2から約25mg/kg/日を含む投与形態である。
有利には、前記医薬組成物は、獣医用組成物である。
本発明の好ましい一実施形態は、日用量約10から約500mg/kgのウイロー樹皮、約10から約500mg/kgのマッセル抽出物および約2から約100mg/kgのボスウェル酸を含む医薬組成物である。
さらに好ましくは、このような医薬組成物は、さらに1から400mg/kgのグルコサミンおよび/または1から500mg/kgのコンドロイチン硫酸の日用量を含む。
好ましい一実施形態は、非ヒト動物において変形性関節症を予防、集団感染防御(metaphylaxis)または治療するおよび/または身体部位の炎症および急性炎症に伴う疼痛を軽減する方法からなる。この方法は、上に示した組成物を投与することを含む。
好ましい他の実施形態は、ヒトまたは動物において変形性関節症を予防、集団感染防御または治療するための方法における1種の前記獣医用組成物の使用からなる。
好ましくはさらに、ヒトまたは動物において、変形性関節症を好ましくは予防、集団感染防御または治療するため、特に身体部位の炎症および急性炎症に伴う疼痛を軽減するためおよび/または損傷または関節炎状態もしくは他の疾患状態による、身体部位、特に関節の炎症、および急性炎症に伴う疼痛を軽減するための、医薬組成物の製造における式Iの化合物の使用である。
さらなる好ましい実施形態は、変形性関節症を予防、集団感染防御または治療するための上記のような医薬組成物である。
好ましくはさらに、ヒトまたは動物において変形性関節症を予防、集団感染防御および治療する方法であり、前記ヒトまたは動物に対する上に定義された組成物を含む方法である。
好ましい治療は、記載した1種の式Iの化合物を単独または他の有益な成分と組み合わせて、好ましくは医薬組成物の形態で、経口投与することである。
当然ながら、本発明の活性成分は、ビタミン、例えばB群、またはマンガン塩などのさらなる有益な物質と組み合わせることができる。
本発明の他の好ましい実施形態において、経口治療用の投与形態は、動物経口摂取用の1種以上のカプセル剤または錠剤からなることができる。本明細書で上に示した用量範囲は、1日体重1kg当たりを意図する。この用量を、すべての成分が存在する単回日用量形態で投与することができる。あるいは、本発明の栄養補助組成物は、1日当たり1回より多く、好ましくは2回投与することもできる。1日の投与回数は、非ヒト動物レシピエントの必要性に応じて決まる。異なる結合組織障害および損傷は、異なる量の本発明の組成物を必要とし得る。この点に関して、非ヒト動物の特定の必要性に応じて、複数の用量を投与することができる。
本発明のこれらの医薬組成物は、通常の方法で製造することができる。例えば、上記の成分を活性成分として、通常の製剤化技法に従って、少なくとも1種の適切な担体と緊密な混合物に組み合わせる。この担体は生理的に許容される担体でなければならず、投与に望ましい調剤の形態に応じて、多様な形態をとることができる。
経口投与形態での獣医用組成物の調製において、任意の通常の獣医用媒質を用いることができる。経口液体調剤(例えば、懸濁剤、エリキシル剤、飼料添加剤および液剤)の場合、例えば水、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤などを含有する媒質を用いることができる。固体油(例えば、粉剤、カプセル剤、丸剤、カプレット、錠剤、マイクロカプセル顆粒剤、微小錠剤、被覆顆粒剤およびロゼンジ)を調製するために、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの生理的に許容される担体を用いることができる。カプセル剤または錠剤は、好ましい経口投与形態である。制御放出形態も用いることができる。投与が容易であるため、ロゼンジ、錠剤、丸剤、カプレットおよびカプセル剤が、最も有利な経口投与単位形態であり、この場合明らかに固体獣医用担体が用いられる。所望であれば、錠剤は、標準的な技法によって糖被覆または腸溶性被覆してもよい。好ましい投与形態は、活性成分が味遮蔽形態で混和されている口当たりのよいマトリクスからなる非常に口当たりのよい錠剤からなる。本発明の組成物は、1つ以上のこれらの経口投与形態の形態であることができ、すなわち単一の投与が複数の形態であってもよい。
ヒトまたは動物、例えば飼育動物、家畜およびペットなどに投与される組成物の製剤の場合、経口生薬(galenic)形態に関して医療および獣医現場で知られている補助剤および担体を用いることができる。
生理的に許容される適切な担体は、特に充填剤、例えば、糖類(例えばラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビトール)、セルロース調剤および/またはリン酸カルシウム(例えばリン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウム)などであり、より広い意味ではさらに、例えばトウモロコシ、コムギ、コメまたはジャガイモデンプンを用いるデンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロースなどの結合剤であり、および/または、所望であれば、上述のデンプン、より広い意味ではさらにカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはこれの塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤である。賦形剤は、特に流動調節剤および潤滑剤、例えばケイ酸、タルク、ステアリン酸またはこれの塩、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムなどであり、および/または、ポリエチレングリコールである。錠剤芯に、特に濃縮糖溶液(アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタンを含んでいてもよい。)または適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物中の被覆溶液を用いて、または、腸溶性被覆の調製の場合には、フタル酸アセチルセルロースもしくはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの適切なセルロース調剤の溶液を用いて、適切な被覆、適切な場合には腸溶性被覆を提供することができる。例えば識別のために、または活性成分の異なる用量を示すために、染料、香味剤または顔料を、錠剤または錠剤被覆に添加することができる。
経口で投与可能な他の組成物には、ゼラチンからなる硬カプセルならびにゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールなどからなる軟密封カプセルが含まれる。硬カプセルは、例えばラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの流動促進剤とならびに適切な場合には安定剤と混合された顆粒の形態で活性成分を含有することができる。軟カプセルの場合、活性成分は、好ましくは脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解または懸濁され、同様に安定剤を加えることができる。他の形態のなかで、容易に咀嚼し、さらに全体を嚥下することのできるカプセル剤が好ましい。
本発明の組成物は、例えば通常の混合、顆粒化、被覆、溶解または凍結乾燥法によって、知られている方法で調製できる。経口投与用の医薬組成物は、例えば活性成分を固体担体と合わせ、適切な場合には得られた混合物を顆粒化し、所望であり必要であれば混合物しまたは顆粒を処理して、適切な賦形剤を加えた後に錠剤または錠剤芯を形成することによって得られる。
ウイロー樹皮、マッセル抽出物、およびボスウェル酸のような天然の追加活性成分は、標準化固体形態で、好ましくは製剤化の分野で通常用いられる(少なくとも)1種の補助剤、例えば増量剤、例えば溶媒もしくは固体担体、または表面活性化合物(界面活性剤)などと共に、これらの組成物に用いられる。ヒトならびに飼育動物、家畜およびペットなどの動物における使用では、当然ながら生理的に許容される補助剤のみが用いられる。
当然ながら、本発明の式Iの化合物は、ビタミン、例えばB群、またはマンガン塩などのさらなる有益な物質と組み合わせることができる。
あるいは、特に大型動物における使用では、本発明の医薬組成物は、例えばスクープ量(scoops)で投与してもよい。これらの調剤は、通常の方法で製造することができる。例えば、本発明の医薬組成物を調製するために、式Iの1種以上の化合物を、通常の調合技法に従って、適切な担体との緊密な混合物にする。この担体は、例えば経口、舌下、鼻腔、咽喉、直腸、経皮または非経口のような投与に望ましい投与に調剤の形態に応じて、多様な形態をとることができる。
経口投与形態での組成物の調製において、任意の通常の医薬媒質を用いることができる。経口液体調剤(例えば、懸濁剤、エリキシル剤、飼料添加剤および液剤)の場合、例えば水、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤などを含有する媒質を用いることができる。固体油(例えば、粉剤、カプセル剤、丸剤、カプレット、錠剤、マイクロカプセル顆粒剤、微小錠剤、被覆顆粒剤およびロゼンジ)を調製するために、デンプン、糖、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの担体を用いることができる。カプセル剤または錠剤は、好ましい経口投与形態である。制御放出形態も用いることができる。投与が容易であるため、ロゼンジ、錠剤、丸剤、カプレットおよびカプセル剤が、最も有利な経口投与単位形態であり、この場合明らかに固体医薬担体が用いられる。所望であれば、錠剤は、標準的な技法によって糖被覆または腸溶性被覆してもよい。本発明の組成物は、1つ以上のこれらの経口投与形態であることができ、すなわち単一の投与が複数の形態であってよい。
非経口製品の場合、担体は通常滅菌水を含むが、例えば溶解を促進するためにまたは保存のために、他の成分を含むことができる。注射用懸濁液も調製することができ、この場合、適切な液体担体、懸濁化剤などを用いることができる。
ヒト、飼育動物、家畜およびペットに投与される組成物の製剤の場合、経口、非経口およびインプラント形態に関して医療および獣医現場で知られている補助剤を用いることができる。
適切な担体は、特に充填剤、例えば、糖類(例えばラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビトール)、セルロース調剤および/またはリン酸カルシウム(例えばリン酸三カルシウムもしくはリン酸水素カルシウムなど)であり、より広い意味ではさらに、例えばトウモロコシ、コムギ、コメ、またはジャガイモデンプンを用いるデンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロースなどの結合剤であり、および/または、所望であれば、崩壊剤、例えば、上述のデンプン、より広い意味ではさらにカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどまたはその塩などである。賦形剤は、特に流動調節剤および潤滑剤、例えばケイ酸、タルク、ステアリン酸またはこれの塩、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムなど、および/またはポリエチレングリコールである。錠剤芯には、特に濃縮糖溶液(アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタンを含んでいてよい。)または適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物中の被覆溶液を用いて、または、腸溶性被覆の調製の場合には、フタル酸アセチルセルロースもしくはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの適切なセルロース調剤の溶液を用いて、適切な被覆、適切な場合には腸溶性被覆を提供することができる。例えば識別のために、または活性成分の異なる用量を示すために、染料、香味剤または顔料を、錠剤または錠剤被覆剤に添加することができる。
経口で投与可能な他の医薬組成物には、ゼラチンからなる硬カプセルならびにゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールなどからなる軟密封カプセルが含まれる。硬カプセルは、例えばラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの流動促進剤とならびに適切な場合には安定剤と混合された顆粒の形態で活性成分を含有することができる。軟カプセルの場合、活性成分は、好ましくは脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解されまたは懸濁され、同様に安定剤を加えることができる。他の形態のなかで、容易に咀嚼しさらに全体を嚥下することのできるカプセル剤が好ましい。
非経口投与に適した製剤は、特に水溶性形態の活性成分、例えば水溶性塩の水溶液、より広い意味ではさらに活性成分の懸濁液、例えば油、例えばゴマ油もしくは合成脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの適切な親油性溶媒もしくはビヒクルを用いる適切な油性注射用懸濁液または増粘剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールおよび/またはデキストランならびに適切な場合には安定剤を含有する水性注射用懸濁液である。
本発明の医薬組成物(薬物)は、例えば通常の混合、顆粒化、被覆、溶解または凍結乾燥法によって、知られている方法で調製できる。経口投与用の医薬組成物は、例えば活性成分を固体担体と合わせ、適切な場合には得られた混合物を顆粒化し、所望であり必要であれば混合物または顆粒を処理して、適切な賦形剤を加えた後に錠剤または錠剤芯を形成することによって得られる。
活性成分は、純粋形態にておよび例えば特定の粒径の固体活性成分として、または、好ましくは製剤化の分野で通常用いられる(少なくとも)1種の補助剤、例えば増量剤、例えば溶媒もしくは固体担体または表面活性化合物(界面活性剤)などと共に、これらの組成物に用いられる。ヒト、飼育動物、家畜およびペットにおける使用では、当然ながら生理的に許容される補助剤のみが用いられる。
ヒトまたは動物用の医薬組成物(薬物)も本発明の最も重要な態様を形成する。
本発明を論じてきたが、実施例を限定するのではなく例示するためのものである下記の特定の製剤実施例から、本発明はより明確に認識され、よりよく理解される。下記の特定の製剤実施例は、本発明の好ましい実施形態を表す。
本発明の利点は、本明細書および添付の特許請求の範囲からより充分に明らかとなる、または本発明の実施により知ることができる。
ヒト、飼育動物、家畜およびペットでの使用における下記の製剤実施例において、「活性成分」という用語は、請求項1に記載される1種以上の活性成分、好ましくは化合物[2,7−ジクロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−(4Z)−イリデン]−酢酸を意味するものとして理解される。
製剤実施例
(実施例F1)
錠剤:式Iの化合物を含有する錠剤は以下のとおり調製できる。
組成(錠剤1000個)
活性成分 25g
ラクトース 100.7g
コムギデンプン 6.25g
ポリエチレングリコール6000 5.0g
タルク 5.0g
ステアリン酸マグネシウム 1.8g
脱イオン水 適量
調製:すべての固形成分を最初に、メッシュサイズ0.6mmのふるいに通す。次いで、活性成分、ラクトース、タルク、半分のデンプンを混合する。残りの半分のデンプンを水40mlに懸濁し、この懸濁液を水100ml中のポリエチレングリコール沸騰溶液に添加する。得られたデンプンペーストを混合物に添加し、次いで適切な場合には水を添加し、これを粒状化する。この粒状物を35℃で一晩乾燥し、メッシュサイズ1.2mmのふるいに通し、ステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮して、両面がくぼんでおり、直径6mmを有する錠剤を形成する。
錠剤:(それぞれが活性成分計0.0183gを含有する)錠剤は以下のとおり調製される。
組成(錠剤10,000個)
活性成分 183.00g
ラクトース 290.80g
ジャガイモデンプン 274.70g
ステアリン酸 10.00g
タルク 217.00g
ステアリン酸マグネシウム 2.50g
コロイド状シリカ 32.00g
エタノール 適量
活性成分、ラクトースおよびジャガイモデンプン274.70gの混合物をステアリン酸エタノール溶液で湿潤させ、ふるいを通して粒状化する。乾燥後、残りのジャガイモデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、およびコロイド状シリカを添加し、混合物を圧縮して、それぞれ重量0.1gの錠剤を形成し、所望であれば、より細かい調整を可能にするために刻みを入れることができる。
(実施例F2)
カプセル剤:それぞれが活性成分計0.022gを含有するカプセル剤は以下のとおり調製できる。
組成(カプセル剤1000個)
活性成分 22.00g
ラクトース 249.80g
ゼラチン 2.00g
トウモロコシデンプン 10.00g
タルク 15.00g
水 適量
活性成分をラクトースと混合し、混合物をゼラチン水溶液で均一に湿潤させ、メッシュサイズ1.2から1.5mmのふるいを通して粒状化する。この粒状物を乾燥トウモロコシデンプンおよびタルクと混合し、300mgずつを硬ゼラチンカプセル(サイズ1)に充填する。
(実施例F3)
プレミックス(飼料添加剤)
活性成分0.16重量部
第二リン酸カルシウム、アルミナ、アエロジル、炭酸塩または炭酸カルシウム4.84重量部を、動物飼料95重量部と均質になるまで混合する、または
活性成分0.41重量部
アエロジル/炭酸カルシウム(1:1)5.00重量部を、
市販の飼料94.59重量部と均質になるまで混合する。
(実施例F4)
ボリ(boli)
I 活性成分 33.00%
メチルセルロース 0.80%
ケイ酸、高度分散 0から80%
トウモロコシデンプン 8.40%、または
II 活性成分 16.00%
ラクトース、結晶 22.50%
トウモロコシデンプン 17.00%
微結晶セルロース 16.50%
ステアリン酸マグネシウム 1.00%
メチルセルロースを最初に水に入れて攪拌する。材料が膨張した後、ケイ酸を入れて攪拌し、混合物を均質に懸濁させる。活性成分とトウモロコシデンプンを混合する。水性懸濁液を混合物に混入し、混練してドウにする。得られた塊状物を、12Mのふるいを通して粒状化し、乾燥する。さらなるステップでは、4種すべての補助剤を充分に混合する。最後に、最初の2つの部分ステップで得られた予備混合物を混合し、圧縮してボリを形成する。
(実施例F5)
注射剤
A.油性ビヒクル(徐放性)
活性成分 0.1から1.0g
落花生油 100mlまでの量、または
活性成分 0.1から1.0g
ゴマ油 100mlまでの量
調製:攪拌し、適切な場合には穏やかに加熱しながら、活性成分を油の一部に溶解し、次いで所望の容量にして、孔径0.22μmを有する適切なメンブランフィルターを通して滅菌濾過する。
以下の調製および適用の実施例は、これらの実施例の個々の態様に限定することなく本発明を説明するものである。
(実施例F6)
溶液(飲料水による希釈用)
2,2−ジメチル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン中15%活性成分
ジエチレングリコールモノエチルエーテル中10%活性成分
ポリエチレングリコール(分子量300)中10%活性成分
グリセロール中5%活性成分
(実施例F7)
可溶性粉剤
活性成分25部
ラウリル硫酸ナトリウム1部
コロイド状シリカ3部
尿素71部
成分を混合し、混合物を適切なミルで細かく粉砕する。活性成分に対して不活性であり、処置されるヒトまたは動物に許容される他の殺生活性成分もしくは薬剤、または無機塩もしくはビタミンを、記載の組成物に混合できる。
本発明の基本精神から逸脱することなく、多くの変更を加えることができる。従って、添付の特許請求の範囲内で、本明細書に特に記載した以外に本発明を実行できることを当業者は理解する。
非ヒト動物用の獣医組成物(薬物)は、本発明の非常に重要な態様を形成する。
以下の調製実施例は、本発明の調製方法を例示するものであるが、特定の化合物および工程条件に本発明を限定しない。
調製実施例
(実施例P1)
7−クロロ−2−エトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オンの調製
Figure 2009527518
メカニカルスターラー、デジタル温度計、添加漏斗および窒素流入口/流出口を有するコンデンサを備えた4口丸底フラスコに、クロロギ酸エチル(2.21kg)およびアセトニトリル(1.97kg)を入れる。この透明な溶液を−10℃に冷却し、ピリジン(2.42kg)中の4−クロロアントラニル酸(1kg)溶液を−10℃で2時間かけて添加する。その後、攪拌を1時間持続する。温度をゆっくりと10℃に上昇させ、トルエン(3.47kg)を15℃で効率的に10分間かけて添加し、続いて脱イオン水(4kg)を15℃で5分間かけて添加する。混合物を15℃で5分間攪拌し、10分間かけて静置する。底部の水層を捨て、15℃で効率的に攪拌しながら、脱イオン水(2kg)を5分間かけて添加する。5分間攪拌した後、混合物を10分間かけて静置し、底部の水層を捨てる。水2kgで洗浄を2回繰り返す。減圧下(20から40mbar)、35℃でトルエンを留去する。得られた混合物(2L)に、ヘプタン(3L)を5分間かけて添加する。混合物を攪拌し、40分間かけて内部温度を−10℃に冷ます。混合物をこの温度でさらに1時間攪拌する。その後、固体を濾過により集め、ヘプタン(2×1L)で洗浄し、真空下(80から100mbar)、45℃で乾燥する。この方法で得られた融点83−88℃を有する粗生成物を、そのまま次のステップに用いる。
(実施例P2)
7−クロロ−9H−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4,10−ジオンの調製
Figure 2009527518
メカニカルスターラー、デジタル温度計、添加漏斗および窒素流入口/流出口を有するコンデンサを備えた4口丸底フラスコに、チオフェン−3−カルボン酸(448.2g)とテトラヒドロフラン(4.7L)を入れ、攪拌して溶解する。この溶液を0℃に冷却し、ジイソプロピルアミン(245mL)を5分間かけて添加する。次いで、内部温度の0℃に維持しながら、ヘキサン中のブチルリチウム1.6M溶液(4.8L)を2.5時間かけて添加する。混合物をさらに1時間攪拌し、その後、−65℃に冷却する。次いで、テトラヒドロフラン(1.7L)に溶解した7−クロロ−2−エトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン(830g)を1時間かけて添加する。混合物を−65℃で1時間攪拌し、その後、40分間かけて0℃に温め、30分間攪拌する。水(4L)を10分間かけて添加し、温度を20℃に上昇させる。混合物をこの温度で16時間攪拌し、その後、減圧下で濃縮して、有機溶媒を除去する。残留物にエタノール(11L)と水酸化リチウム(295.5g)を加える。混合物を45分間かけて60℃に加熱し、この温度で3時間攪拌し、その後、温度を10分間かけて75℃に上昇させ、穏やかな還流下で塩酸(2L、37%m/m)を10分間かけて添加する。混合物を60から65℃で1時間攪拌する。その後、懸濁液を室温に冷却し、固体を集め、水(計4.2L)、エタノール(計5L)で5回洗浄し、真空下(60℃、50mbar)で乾燥して、融点>280℃を有する表題化合物を得る。
(実施例P3)
7−クロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−オンの調製
Figure 2009527518
メカニカルスターラー、デジタル温度計、添加漏斗および窒素流入口/流出口を有するコンデンサを備えた4口丸底フラスコに、7−クロロ−9H−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4,10−ジオン(559.6g)、トルエン(6.8kg)、およびジメチルホルムアミド(100.73g)を入れる。この撹拌懸濁液に、オキシ塩化リン(357.2g)を20から25℃で5分間かけて添加する。管をトルエン(774g)で洗い流し、その後、温度を1時間かけて108℃に上昇させ、約5時間攪拌を続ける。その後、混合物を−5℃に冷却し、30%ナトリウムメチラート溶液(1.43kg)を−5℃で30分間かけて添加する。添加後、混合物を1時間かけて40℃に温め、溶媒を減圧下、20から45℃で蒸留する。残留物に、脱イオン水(6.7kg)を添加し、混合物を減圧下で7Lに濃縮する。次いで、ヘプタン(3.06kg)を添加し、温度を1時間かけて70℃に上昇させ、続いてさらに10分間攪拌する。その後、懸濁液を0℃に冷却し、固体を濾過で集め、ヘプタン(2×383g)および脱イオン水(2×1.1kg)で洗浄し、真空下、65℃で乾燥して、融点>195から197℃を有する表題化合物を得る。
(実施例P4)
[7−クロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−(4Z)−イリデン]−酢酸の調製
Figure 2009527518
メカニカルスターラー、デジタル温度計、添加漏斗および窒素流入口/流出口を有するコンデンサを備えた4口丸底フラスコに、水素化リチウム(25g)とジメチルスルホキシド(3.55kg)を入れる。この懸濁液に、トリメチルホスホノアセタート(574.1g)を20℃で30分間かけて添加する。反応混合物を30℃で1時間攪拌し、次いで、粉末漏斗を用いて7−クロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−オン(700g)を一度に加え、その後、ジメチルスルホキシド(306g)で洗い流す。温度を40分間かけて60℃に上昇させ、混合物を5時間攪拌する。反応物を30分間かけて25℃に冷却し、脱イオン水(1.07kg)中の水酸化ナトリウム(171.2g)溶液を30分間かけて添加する。混合物を30分間攪拌し、その後、酢酸イソプロピル(4.3L)と脱イオン水(7kg)を添加する。2相混合物を20から25℃で5分間攪拌し、底部の水層を分離する。この層に酢酸イソプロピル(2.7kg)を加え、5分間攪拌した後、底部の水層を分離する。この水層に、酢酸イソプロピル(4.9kg)を加え、続いて20から30℃で20分間かけてリン酸(714.5kg)を添加する(最終pH3から3.5)。その後、混合物を60分間かけて60から65℃に温め、相を分離する。有機相を脱イオン水(2.09kg)で3回洗浄し、2時間かけてゆっくりと−10℃に冷却し、その後1時間攪拌して、所望でない異性体を部分結晶化させる。この懸濁液を濾過し、母液を最少量に濃縮する。後者を無水エタノール(3.32L)で希釈し、再び濃縮して、酢酸イソプロピルを完全に除去する。残留物を再び無水エタノール(3.32L)で希釈し、ジシクロヘキシルアミン(380g)を約60℃で20分間かけて添加する。その後、この透明溶液を2時間かけて15℃に冷却し、この温度で1時間保ち、最後に濾過する。固体をエタノール(2×275g)で洗浄し、減圧下、60℃で乾燥して、富化化合物[7−クロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−(4Z)−イリデン]−酢酸ジシクロヘキシルアミン塩を得る。
後者をメタノール/水1:1(9.6)に懸濁し、リン酸85%(105.1g)を添加する。この懸濁液を60℃で5から10分間加熱し、その後、25℃に冷却し、1時間攪拌する。懸濁液を濾過し、固体をメタノール/水1:1(826mL)で洗浄し、真空下で乾燥して、融点186から188℃を有する[7−クロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−(4Z)−イリデン]−酢酸を得る。
(実施例P5)
[2,7−ジクロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−(4Z)−イリデン]−酢酸の調製
Figure 2009527518
磁気スターラー、デジタル温度計、添加漏斗および窒素流入口/流出口を有するコンデンサを備えた丸底フラスコに、ジイソプロピルアミン(462.9mL)とテトラヒドロフラン(4.2L)を入れる。この溶液を−78に冷却し、n−ブチルリチウム(1.71L、ヘキサン中1.6M)を1時間かけて添加する。添加後、反応混合物を1時間攪拌し、温度を−70℃に維持しながら、テトラヒドロフラン(1.4L)に溶解した[7−クロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−(4Z)−イリデン]−酢酸(350g)を1時間かけて滴下する。撹拌を−78℃で1時間持続する。その後、黄色の溶液を、温度を−25℃に維持しながら45分間かけて、テトラヒドロフラン(4.2L)に溶解したヘキサクロロエタン(779g)溶液に冷却管を通して移す。その後、黄色の溶液を30分間かけてゆっくりと0℃に温め、この温度で30分間保つ。次いで、脱イオン水(2.26kg)を5分間かけて添加し、得られるエマルションを真空下で濃縮して、溶媒を除去する。その後、t−ブチルメチルエーテル(5.25L)と水(3L)を加える。強く攪拌した後、有機相を除去し、酢酸イソプロピル(7L)と交換する。次いで、混合物をリン酸(339L)で酸性にして、pH値2から3を得る。その後、有機相を分離し、1/10に濃縮し、メタノール(6.2L)を添加し、温度を40分間かけて65℃に上昇させる。この溶液を容量3.4Lに蒸留し、得られる懸濁液を−15℃に冷却し、1時間攪拌する。結晶性沈殿物を濾過によって集め、冷メタノール(500mL)で洗浄し、真空下で乾燥して(50℃、20から50mmbar)、融点195から197℃を有する[2,7−ジクロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−(4Z)−イリデン]−酢酸を得る。
以下において、Meはメチルを表し、Etはエチルを表す。
Figure 2009527518
Figure 2009527518
Figure 2009527518
Figure 2009527518
生物学的実施例
以下において、「化合物A」は、調製実施例P5による、式の[2,7−ジクロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−(4Z)−イリデン]−酢酸を表す。
Figure 2009527518
ベンゼン酢酸から誘導されるジクロフェナクは、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤のNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)である。この非選択的COX−2阻害剤は、関節リウマチ、変形性関節症および強直性脊椎炎、さらには種々の非リウマチ炎症状態の治療に用いられる。化学的には、下記の化学構造を示す、2−[(2,6−ジクロロフェニル)アミノ]ベンゼン酢酸のナトリウム塩である。
Figure 2009527518
(実施例B1)
後膝関節の急性炎症を有するイヌにおける化合物Aの効果(急性疼痛モデル/フォースプレート研究)
目的:この研究の目的は、動作歩行分析(フォースプレート)により、イヌの後膝関節の尿酸結晶誘発性滑膜炎のモデルを用いて、化合物Aの単回投与の鎮痛および抗炎症効果を評価することである。
材料および方法:この試験は、Novartis Animal Health Research Center、St−Aubin、Switzerlandによって承認されたプロトコルに準じ、さらにスイス動物保護法に従って行う。
動物:年齢2から9歳、体重13から15.8kgの計6頭のビーグル犬(雄4および雌2)をこの研究のために集める。イヌは光と温度を制御した檻において2群で飼育する。イヌはそれぞれ1日1回、朝に乾燥ペレット飼料150−300gを与えられる。水はニップル給水機から任意に得ることができる。
急性滑膜炎モデル:この研究では、急性であるが可逆性の関節炎を、尿酸一ナトリウム結晶15mgを含有する食塩水(NaCl 0.9%)懸濁液を関節内(左または右後膝関節)に注射することによって誘発する。
関節内注射:イヌをメデトミジン(40μg/kg、静脈内)で鎮静させる。右後膝関節の左の毛を刈り、無菌的に滑液包内注射に備える。20ゲージの針を側面から膝蓋靱帯に挿入し、関節腔に導入する。針が正しい位置にあることを確認するために、少量の滑液を空の2mlの注射器で吸引する。次いで、尿酸一ナトリウム懸濁液約2mlを、前もって配置した針を通して、関節腔内に注射する。その後、アチパメゾール(40μg/kg、静脈内)を注射して、鎮静を拮抗する。その後、イヌを約3時間檻に戻す。通常、この期間の後、イヌが立位、歩行および速歩時に、注射した肢に体重免荷となるところまで、尿酸一ナトリウム結晶懸濁液の注射によって誘発される跛行が発現する。この時点でイヌの跛行程度が充分でない場合、これらのイヌは試験のこのパートから除外する。
処置:プロトコルに従って、尿酸一ナトリウム結晶懸濁液注射の約3時間後、高度の跛行を発現したイヌにのみ、経口経路によって両方の処置を投与する。パート1では、半分のイヌを化合物A処置群に割り当て、残りのイヌを対照群に割り当てる。パート2では、パート1において化合物Aで処置されるイヌがプラセボ処置を投与され、逆もまた同様であるように、処置を交差させる。処置は0mg/kg(プラセボ)と2mg/kgの用量で投与する。化合物Aは、投与直前に、プラセボ製剤(活性成分を含まないマイクロエマルションビヒクル)に混合する。イヌの体重に基づいた適切な量を、注射器で経口的に与える。その後、すべての注射器をNaCl0.9%ですすぎ、イヌに適用する。対照のイヌは、同一のプラセボ製剤10mlを与えられる。
フォースプレート分析:3次元力および衝撃を測定する生体力学プラットホーム(OR6−6−1000、Advanced Mechanical Technologies Inc.、Watertown、Mass.)を本出願人等の研究に用いる。処置投与の1、2、3、4、および6時間後、フォースプレート上でイヌを速歩させて、罹患した肢の垂直力および衝撃のデータを得る。基準値は跛行誘発前日に得たフォースプレートデータを含み、イヌの能力の100%として設定する。個体間変動の影響を最小限にするために、我々は基準値に対するパーセンテージとして測定データを算出し表すことにする。フォースプレートおよびコンピュータにインストールしたソフトウェア(Acquire Software 7.20e,Robert Wells,Michigan State University,East Lansing、Mich.)を用いて、垂直ピーク力(ZpkF)を測定する。すべてのデータはイヌの体重に正規化する。他の床反力(例えば、垂直衝撃、制動および推進ピーク力)のデータも記録し保存するが、分析はしない。所与の測定時点における注射された肢の5から6回の有効な試験のデータを平均し、事前値に対するパーセンテージとして表す。信頼できる測定を得るのに充分な体重をイヌが注射された肢に負荷できないため、フォースプレート上をイヌが速歩できない場合、イヌの速歩不能を表すスコアゼロを与える。
研究設計:本研究は2つのパートに分かれているが、各パートは同一であり、各パートの間は最短14日の回復期とする。各パートは、フォースプレート分析試験日からなる。本実験の設計は、すべてのイヌが1度すべての処置(2mg/kgの化合物A+プラセボ)を受け、自身の対照となる利点を有する交差設計である。最短14日間の回復期は、注射された後膝関節が適切に治癒するのに充分であることが以前の試験で示されている。
結果:計画した12例の尿酸一ナトリウム結晶の注射のうち(各パート6例)、11例が予期されたとおりに滑膜炎を誘発し、尿酸一ナトリウム結晶注射の2から3時間後にイヌは高度の跛行を示した。1頭のイヌにおいて1例の注射が中度の跛行を誘発し、このイヌは処置後試験から除外した。すべてのイヌが24時間以内に完全に跛行から回復した。
表1は、注射されたイヌの後肢に関する結果を示す。示した結果は各イヌの6回の有効な通過によるZピーク力(ステップ時のフォースプレート上の肢の最大垂直力)の平均値を表し、事前値に対するパーセントとして示す。事前値は跛行誘発前日に測定する。処置はT=0Hに与えられる。フォースプレートの測定は、処置前(事前値)および以下の処置後の時点(+1、+2、+3、+4、および+6時間)で行う。個々の結果、ならびに2つの処置群の平均を表1に示す。
Figure 2009527518
表1は、個々のイヌ(プラセボ処置および化合物A処置)のフォースプレート結果を示しならびに2つの処置群の平均を示す。すなわち、それぞれプラセボ、化合物Aで処置した5および6頭のイヌの注射された後肢のZピーク力である(事前値に対するパーセントで表す。)。
表1からわかるように、すべてのイヌがT+1H時点まで体重免荷である。プラセボ処置のイヌはすべて、処置後試験測定の全期間を通じて(0から6時間)跛行のままである。2mg/kg(経口)で化合物Aで処置された群では、1頭のイヌがT+2H時点で早期改善を示し、他の3頭はT+3H時点においてZピーク力71.9から86.7%で作用の発現を示し、最後の2頭は化合物A投与の4および6時間後に、事前値の80.9および78.5%で処置に応答した。
この試験の結果は、式Iの化合物、および特に化合物Aが、疼痛および炎症作用を治療するための医薬組成物の開発の有望な候補であることを実証している。
(実施例B2)
炎症および関節リウマチのラットモデルにおける化合物Aの効果(ラットのカラゲナン浮腫)
緒言:化合物Aは、非常に良好な効力で、ラットの2種の慢性関節炎モデルにおいて腫脹および組織病理学的変化を阻害する新規な抗炎症薬である。さらに、化合物Aは、いくつかの急性炎症モデルで活性である。この薬物は、慢性疾患モデルにおいて、有効用量の10倍を超える高い用量であっても非常に耐性である。
ラットのカラゲナン浮腫:カラゲナン浮腫モデルにおいて、化合物Aの効果を調べる。このモデルでは、カラゲナンの足底下注射によって、急性足腫脹を誘発する。足腫脹は約8時間の持続期間を有し、24時間で完全に消散する。このモデルは、新しい治療の抗炎症活性を評価するために用いられ、さらにこのモデルで陽性対照化合物として用いられるジクロフェナクのようなCOX阻害剤などの薬物にも感受性である。
方法:雄のOFAラット(5匹/群)を、化合物A(1、3、および9mg/kg)、ジクロフェナク(3mg/kg)またはビヒクル(プラセボ製剤)で経口的に処置する。1時間後(0時間)、ラットは後足に0.9%食塩水中1%w/vカラゲナン溶液100μlの足底内注射を受け、足の直径をマイクロキャリパーによって測定される。足直径の測定を、カラゲナン注射の3時間および5時間後に繰り返す。3時間および5時間後の足腫脹の阻害率を、ビヒクル処置動物(0%阻害)を基準にして算出する。
化合物A、ジクロフェナクおよびビヒクルによる処置の効果(腫脹の阻害%)を表2に示す。
Figure 2009527518
浮腫は、ラットの足においてカラゲナンの足底下注射によって誘発される。足直径を、カラゲナン注射時(0時間)ならびに3時間および5時間時点で測定する。化合物は、カラゲナン注射の1時間前に投与する。化合物Aは、1、3、および9mg/kg(経口)、ジクロフェナクは、3mg/kg(経口)の用量で投与した。
化合物Aは、1から9mg/kgの用量を通して、3時間および5時間後、カラゲナン浮腫モデルで用量依存性の阻害を実証している。3mg/kgのジクロフェナクも、両方の時点で87−91%阻害であり、このモデルにおいて非常に有効である。
この試験の結果は、式Iの化合物、および特に化合物Aが、関節炎を治療するための医薬組成物の開発の有望な候補であることを実証している。
(実施例B3)
コラーゲン誘発性関節炎(軟骨保護、疾患修飾、予防的治療)
RAの動物モデルは、ヒトRAに見出される少なくともいくつかの特徴を反映している必要がある(Billingham等、1979)。コラーゲン誘発性関節炎(CIA)は、これらの要件を満たすことが提示されている(Durie等、1994)。特に、関節病態生理学の類似性が、この動物モデルを抗リウマチ薬の評価に関して非常に魅力的なものとしている(Takeshita等、1997)。この疾患の不可欠部分である滑膜過形成は、白血球の関節腔への移動に平行し、軟骨表面の侵食および破壊も見出される(Holmdahl等、1985)。最初にTrentham等(1977)によって記載されたラットCIAは確立されており、3次元磁気共鳴画像法(MRI)および組織学を含む、CsAによる広範な研究が行われている(Beckmann等、1995;1998)。この疾患の発現に関して、いくつかのラット系統による感受性の差異が報告されている(Cremer等、1995;Kamada等、1997;Knoerzer等、1997)。
方法:この研究のために、化合物AおよびCOX阻害剤ジクロフェナクを、5%グルコースを含有する溶媒(5ml/kg)に溶解する。化合物を1日1回、経口で投与する。WAG×BUF/F1交雑種系統の雌ラット(体重130g)を用いる。これらの動物をいくつかの群、プラセボ群(N=8)1および処置群(それぞれN=7−8)4に分ける。
疾患のピークで処置を開始し(第0日)、11日間継続する。マイクロキャリパーを用いて、中足領域において後足の外部厚を測定することによって、腫脹を定期的な時間間隔で評価する。第11日、化合物Aまたはプラセボの最終経口投与の5時間後、インビボ実験の最後に、組織学的評価用の組織サンプルを得る。
結果:
・後足の腫脹
免疫処置前、ラットの後足の平均直径は3.09±0.01mmであり、化合物Aまたはジクロフェナクによる処置直前(第0日)には、5.36±0.14mmまで上昇する。第0日から第11日、ビヒクル、化合物A、またはジクロフェナクで処置した動物の後足の腫脹は縮小する(表3)。
Figure 2009527518
示した結果は、第12日(Freund不完全アジュバント中のII型コラーゲンによる免疫処置前)、第0日(処置開始)および第11日(処置最終)の各4−8匹からなる動物群の足直径(mm)の平均±SEMである。
足腫脹に対する化合物Aの効果を表4に示す。示したデータは、第2日、第7日および第11日に測定された後足の体積を縮小する処置(4つの異なる増加用量の化合物A)の能力を表す。
Figure 2009527518
0.3、1、3、および9mg/kg/日(経口)の用量で投与された化合物Aは、速やかに、用量依存的におよび統計的有意に後足腫脹を縮小させる(第2日から11日)。第0日から11日のAUCの分析は、それぞれ29±9.2%(0.3mg/kg)、37±6.8%(1mg/kg)、51±7.1%(3mg/kg)および67±5.4%(9mg/kg)の腫脹阻害中央値を示す。ジクロフェナクは、この化合物が1mg/kg/日(経口)の用量で投与されるとき、有意な範囲に(57±9.9%)足腫脹を阻害する。体重増加に対する有害な作用は、化合物Aで観察されない。
・組織学
処置第11日の最後に死後採取した、対照関節炎ラット(ビヒクル処置)の後足は、化合物A(0.3、1、3、および9mg/kg)またはジクロフェナク(1mg/kg)で処置した動物の組織学的スコアと比較して、比較的高い組織学的スコアを得た。
Figure 2009527518
化合物A(用量0.3から9mg/kg/日)は、最も高用量で非常に有意な効果を示し(p≦0.01)、用量依存的に4つのパラメータのスコアを低減しており、従って罹患関節内の侵食性および組織増殖性過程に対するこの化合物の保護効果を明らかに実証している。
結論:化合物Aは、処置第2日の早期にすでに、非常に有意におよび用量依存的に後足の腫脹を縮小させ、作用は治療の第7日から11日までにさらに強くなる。この点において、この化合物は、COX阻害剤ジクロフェナクなどの活性参照化合物とまったく同等である。化合物Aは、有害または毒性作用を示唆する体重増加の阻害を示さない。さらに、すべての動物の一般挙動は正常である。
研究の最終にラットの後足で調べた4つのパラメータに関する組織学的評価も治療有効性を明らかに実証しており、罹患関節内の侵食性および組織増殖性過程に対する用量依存型の化合物Aの保護効果を示している。
この試験の結果は、式Iの化合物、および特に化合物Aが、罹患関節内の侵食性および組織増殖性過程に対して有意な治療効果を示すことを実証している。これらの化合物は、抗炎症医薬組成物の(治療用医薬組成物の)開発の有望な候補である。
(実施例B4)
アジュバント誘発性関節炎/慢性炎症
ラットのアジュバント関節炎は、最も頻繁に用いられる慢性炎症モデルである。これは抗炎症および抗関節炎薬を評価するために最も一般的に用いられるモデルでもある(Billingham、1983)。慢性多発性関節炎は、Freund完全アジュバントの皮内注射後にいくつかの関節で発現する(WinterおよびNuss、1966)。病変は、腫脹、骨膜炎および骨再形成を特徴とする。この病変は主として、真の関節炎ではなく、関節周囲炎である。発生する任意の軟骨破壊は骨吸収に続発するものであると見られ、起因事象としての軟骨に対する直接攻撃の証拠はない(Smith等、1982)。
アジュバント関節炎は、2つの異なる投与スケジュールを用いて処置することができ、アジュバントによる免疫処置時点で開始する(予防的投与)または関節炎の応答がすでに確立している第15日から開始するものである(治療的投与)。予防的スケジュールと比較して、治療的投与スケジュールでアジュバント関節炎を阻害するほうがより困難である。しかしながら、いずれの型のアジュバント関節炎も、非選択的COX阻害剤およびCOX2選択的阻害剤の両方の作用に対して極めて感受性が高く、適切な用量で70から90%の腫脹の阻害を達成できる。これらのモデルは、関節リウマチに関連すると考えられるいくつかの過程を予測できる可能性がある。
関節炎誘発
方法:体重150から170gの雌Wistarラット(標準条件で飼育、ケージ毎5匹、餌と水は自由)の尾の基部に、凍結乾燥加熱殺菌マイコバクテリウム・ツベルクロシス(Mycobacterium tuberculosis)0.6mgを含有する鉱油0.1mlを注射(皮内)する。これらのラットを、免疫処置後第0日から第14日に化合物A(予防的投与スケジュール)または第15日から第22日に化合物Aまたはプラセボ製剤(治療的投与スケジュール)で経口的に処置する。実験の最後に、足根関節の腫脹をマイクロキャリパーによって測定する。ジクロフェナクとの比較研究のために、両方の化合物を第15日から第29日まで与え、第22日と第29日に記録する。足腫脹の阻害率を、プラセボ処置関節炎動物(0%阻害)およびプラセボ処置正常動物(100%阻害)を基準にして算出する。1群当たり5匹の動物を用いる。データはKruskal−Wallisノンパラメトリック分散分析、続いてDunn多重比較検定を用いて分析する。
結果:
Figure 2009527518
用量3mg/kg(経口)の化合物Aは、発現中のアジュバント誘導性関節炎において腫脹の発現を88%阻害する。算出されたED50は、0.8mg/kg(経口)である。
Figure 2009527518
9mg/kg/日で投与された化合物Aは、最大阻害率約65%を示し、確立したアジュバント誘導性関節炎の後足の腫脹を阻害する。それに対し、ジクロフェナク(1mg/kg/日)は47%まで腫脹を阻害する。
Figure 2009527518
化合物Aは、14日間の処置後、最大阻害率約71%で(5mg/kg/日の化合物A)、確立したアジュバント誘導性関節炎において後足の腫脹を阻害する。推定される化合物AのED50は、1週処置スケジュールを用いる場合、1.25mg/kg(経口)以下であり、2週処置スケジュールを用いる場合、1.25未満である。

Claims (21)

  1. 式Iの化合物
    Figure 2009527518
    [式中、
    Qは、−N(R)(R)または−O−Rであり、
    およびRは互いに独立して、H、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルカルボニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ジ(C−C−アルキル)アミノ−C−C−アルキル、C−C−アルキル−カルボキシ−C−C−アルキル、アミノ−C−C−アルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキルであり、またはRおよびRは、これらが結合している窒素原子と共に、2から5個の炭素原子、場合により1個の追加の窒素、硫黄または酸素原子を含有する環を形成し、前記環は、C−C−アルキルおよびC−C−アルコキシからなる群から選択された1から4個の置換基で場合により置換されており、
    は、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキルカルボニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ジ(C−C−アルキル)アミノ−C−C−アルキル、C−C−カルボキシ−C−C−アルキル、アミノ−C−C−アルキル、C−C−ヒドロキシアルキル、C−C−アルキルアミノ−C−C−アルキルであり、
    は、OH、NH、C−C−アルキルオキシ、C−C−アルキルアミノ、ジ(C−C−アルキル)アミノ、アミノ(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキルチオ、非置換または1から5置換アリールオキシ、非置換または1から5置換アリールアミノであり、これらの置換基は互いに独立して、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C−C−アルキル、ハロ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ、C−C−アルケニル、ハロ−C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルケニルオキシ、ハロ−C−C−アルケニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ハロ−C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルホニルオキシ、ハロ−C−C−アルキルスルホニルオキシ、C−C−アルキルスルフィニル、ハロ−C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルケニルチオ、ハロ−C−C−アルケニルチオ、C−C−アルケニルスルフィニル、ハロ−C−C−アルケニルスルフィニル、C−C−アルケニルスルホニル、ハロ−C−C−アルケニルスルホニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルスルホニルアミノ、ハロ−C−C−アルキルスルホニルアミノ、C−C−アルキルカルボニル、ハロ−C−C−アルキルカルボニルおよびC−C−アルコキシカルボニルからなる群から選択され、
    は、H、ハロゲン、NO、CN、NH、SH、OH、COH、CHO、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルキルカルボキシ、C−C−アルキルカルボニル、アミノカルボニル、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルカルボニルオキシまたはC−C−アルキルスルホニルアミノであり、
    は、H、ハロゲン、NO、CNまたはC−C−アルキルであり、
    環系
    Figure 2009527518
    は、
    Figure 2009527518
    および
    Figure 2009527518
    からなる群から選択される。]
    およびこれの生理的に許容されるエステルまたはこれの医薬的に許容される塩。
  2. 環系
    Figure 2009527518
    が、
    Figure 2009527518
    または
    Figure 2009527518
    最も好ましくは、
    Figure 2009527518
    からなる群から選択され、
    置換基Rは、請求項1のとおりに定義される、請求項1に記載の式Iの化合物またはこれの生理的に許容されるエステルもしくはこれの医薬的に許容される塩。
  3. 式Iaを有する、
    Figure 2009527518
    [式中、R、R、およびRは、式Iのとおり定義される。]請求項1に記載の式Iの化合物またはこれの生理的に許容されるエステルもしくはこれの医薬的に許容される塩。
  4. が、C−C−アルキル、最も好ましくはメチルまたはエチルであり、Rが、OH、NHまたはC−C−アルキルオキシ、最も好ましくはOH、メトキシまたはエトキシであり、Rが、Hまたはハロゲンである、請求項3に記載の式Iaの化合物またはこれの生理的に許容されるエステルもしくはこれの医薬的に許容される塩。
  5. [7−クロロ−10−ヒドロキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[7−クロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[7−クロロ−10−エトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2−クロロ−10−ヒドロキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2−クロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2−クロロ−10−エトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2−クロロ−7−フルオロ−10−ヒドロキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2−クロロ−7−フルオロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2−クロロ−7−フルオロ−10−エトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2,7−ジフルオロ−10−ヒドロキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2,7−ジフルオロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2,7−ジフルオロ−10−エトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2,7−ジクロロ−10−ヒドロキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸、[2,7−ジクロロ−10−エトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸および[2,7−ジクロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸からなる群から選択された化合物である、請求項3に記載の式Iaの化合物またはこれの生理的に許容されるエステルもしくはこれの医薬的に許容される塩。
  6. 請求項5に記載の[2,7−ジクロロ−10−メトキシ−3−チア−9−アザ−ベンゾ[f]アズレン−4−イリデン]−酢酸のシス異性体またはこれの生理的に許容されるエステルもしくはこれの医薬的に許容される塩。
  7. 式Ibを有する、
    Figure 2009527518
    [式中、R、R、およびRは、式Iのとおり定義される。]請求項1に記載の式Iの化合物またはこれの生理的に許容されるエステルもしくはこれの医薬的に許容される塩。
  8. 式Icを有する、
    Figure 2009527518
    [式中、R、R、およびRは、式Iのとおり定義される。]請求項1に記載の式Iの化合物またはこれの生理的に許容されるエステルもしくはこれの医薬的に許容される塩。
  9. 式Idを有する、
    Figure 2009527518
    [式中、R、R、およびRは、式Iのとおり定義される。]請求項1に記載の式Iの化合物またはこれの生理的に許容されるエステルもしくはこれの医薬的に許容される塩。
  10. 治療上有効量の請求項1に記載の式Iの化合物またはこれの生理的に許容されるエステルもしくは塩ならびに生理的に許容されるその補助剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物。
  11. 経口または経皮投与形態であることを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 口当たりのよい投与形態の獣医用組成物であることを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
  13. 炎症の治療を必要としているヒトまたは動物において炎症を治療する方法であり、前記ヒトまたは動物に、抗炎症有効量の請求項1に記載の式Iの化合物またはこれの生理的に許容されるエステルもしくはこれの医薬的に許容される塩を投与することを含む方法。
  14. 関節炎の治療、抑制または軽減を必要としているヒトまたは動物において関節炎を治療、抑制、または軽減する方法であり、前記ヒトまたは動物に、治療上有効量の請求項1に記載の式Iの化合物、これの生理的に許容されるエステルもしくはこれの医薬的に許容される塩を投与することを含む方法。
  15. 疼痛の緩和を必要としているヒトまたは動物において疼痛を緩和する方法であり、前記対象に、鎮痛有効量の請求項1に記載の式Iの化合物またはこれの生理的に許容されるエステルもしくはこれの医薬的に許容される塩を投与することを含む方法。
  16. ヒトまたは動物において炎症を治療する方法における請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
  17. ヒトまたは動物において関節炎を治療する方法における請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
  18. ヒトまたは動物において疼痛を治療する方法における請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
  19. 医薬組成物の製造における請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
  20. 抗炎症または解熱手段の治療で用いるための医薬組成物を製造する方法であり、前記組成物は、i)請求項1に記載の式Iの化合物またはこれの生理的に許容されるエステルもしくはこれの医薬的に許容される塩およびii)1種以上の医薬的に許容されるその補助剤、希釈剤または担体を含み、成分i)を成分ii)と緊密に混合し、組成物を供給することまたは組成物を投与することを可能にするように組成物の調合または提供を達成することを含む方法。
  21. 遊離形態におけるまたは生理的に許容されるエステルの形態もしくはこれの医薬的に許容される塩形態における請求項1に記載の式Iの化合物を調製する方法であり、下式の化合物(この化合物は、知られている、または、知られている対応する化合物と同じようにして製造することができる。)
    Figure 2009527518
    (式中、R、R、AおよびQは、式Iに関して示したとおり定義されている。)を、場合により塩基性触媒の存在下、下式の化合物(この化合物は、知られている、または、知られている対応する化合物と同じようにして製造することができる。)
    (MeO)POCHCOOMe IX
    と反応させること、得られたラセミ体エステルを、塩基性触媒の存在下場合により鹸化し、得られた異性体混合物から場合によりアミンの存在下に単離された所望の異性体をおよびさらに所望であれば前記方法または別の方法によってそれぞれ遊離形態または塩形態で得ることのできる式Iの化合物を、式Iの別の化合物に変換し、前記方法により得ることのできる異性体の混合物を分離すること、ならびに、単離された所望の異性体および/または前記方法により得ることのできる式Iの遊離化合物を塩に変換することまたは前記方法により得ることのできる式Iの化合物の塩を式Iの遊離化合物もしくは別の塩に変換することを特徴とする方法。
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