JP2009523449A - 膵臓細胞培養における膵臓前駆細胞の細胞増殖促進方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、参照のために本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願第60/760,445号明細書(2006年1月20日出願)に優先して利益を主張するものである。
本発明は、アポトーシスの制御および膵臓内分泌細胞の培養における増殖の要であるAkt、セリン/スレオニンキナーゼに関する。さらに、本発明の方法および組成は、(1)細胞のアポトーシスを減少させるために十分な量のカスパーゼ抑制剤、および(2)膵臓内分泌細胞の活性化Akt量を上昇させるために十分な量の成長因子、に接触することで、膵臓細胞培養における膵臓内分泌細胞の増殖および生存を促進することを可能にする。
正常血糖(euglycemia)の回復の手段としてのランゲルハンス島移植の出現は、糖尿病治療において主要な画期的出来事とされる。しかし、ヒト臓器提供者の不足は、臓器提供者の臓器に対する臓器移植者の数を増加させるためにランゲルハンス島調整物からインビトロで島の増殖方法を発展させる重要性を浮き彫りにする。げっ歯類における知見では、成熟ベータ細胞は複製能を保っているが、増殖しているヒトベータ細胞は今日まで特定されていない(「Dorら (2004) Nature 429 (6897):41-46」)。ランゲルハンス島増殖の研究において主要な点は、急激に増え、成熟内分泌マーカー(特にインスリン)を発現する可能性を有する膵臓内分泌細胞の同定である。しかし、前記の前駆細胞の性質はいまだに解明されていない。
本発明の一態様は、(1)膵臓内分泌細胞においてアポトーシスを減少させるために十分な量の外因性のカスパーゼ抑制剤、および(2)膵臓内分泌細胞において活性化Akt量を増加させるために十分な量の少なくとも1つの外因性の成長因子、に細胞を接触することで、膵臓細胞培養において膵臓内分泌細胞の増殖を促進する方法を提供する。
〔1.定義〕
単位、接頭語(Prefixes)、および記号はSysteme International de Unites (SI)に承認された形式で示される。数値域は、定義された範囲の数が含まれる。本明細書において提供される表題(heading)は、その全体が明細書に参照される本発明の多様な態様または実施形態に限定されない。従って、以下に挙げる定義された用語は、明細書の全体が参照されることでさらに定義される。本明細書において定義されない用語は、当業者により理解される通常の意味を有する。
正常血糖の回復の手法としてのランゲルハンス島移植の出現は、糖尿病の治療において大きな画期的事件として表現される。しかし、ヒト臓器提供者は不足しており、臓器提供者の臓器に対する臓器移植者の数を増加するため、限られた数のランゲルハンス島調製物からインビトロでランゲルハンス島を増殖する方法の発展が重要であることを浮き彫りにする。従って、当業者は、培養中において内分泌細胞の増殖および拡張を促進することが糖移植が糖尿病治療のための実際的な手段となるために必要であることを認識する。
本発明の実践における第1の段階は、膵臓内分泌細胞を分離することである。当業者は、膵臓内分泌細胞を分離するために用いることができる多様な情報および方法を認識する。本明細書に記載した方法は、膵臓の提供者の年齢に依存しない。従って、胚から成人までの臓器提供者から分離された膵臓素材が使用できる。臓器入手および細胞の分離の典型的な手法は、実施例1に詳細に記載している。
一度膵臓が臓器提供者から採取されれば、通常、多様な方法を用いて個々の培養細胞または細胞の小集団を産じるために継代される。米国特許第5,830,741号明細書、および米国特許第5,753,485号明細書を参照のこと。前記の一方法では、採取した膵臓組織の洗浄、および酵素消化を必要とする。採取した組織の柔組織を膵臓細胞物質の小さな画分に引き離すために、結合している組織の消化に酵素処理が用いられる。採取された臓器の全体構造から膵臓細胞物質、基礎構造、および個々の膵臓細胞を分離するために、採取された組織は1以上の酵素で処理される。商業的供給者(シグマ−アルドリッチ、St.Lois、MO;ロシュ、インディアナポリス、IN)から容易に入手できるコラゲナーゼ、DNAse、リベラーゼ(liberase)沈殿物、およびその他の酵素は、本明細書において開示した方法に使用できる。
〔4−A.一般的な細胞培養手順〕
一度膵臓細胞が分離されれば、膵臓細胞は「Freshney, Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique 4th ed., John Wiley & Sons (2000)」に記載されているような一般的な細胞培養方法論を用いて培養される。通常、膵臓細胞は他の哺乳類細胞に好適な条件下で培養される(例えば、加湿培養機で37℃、5%CO2雰囲気下)。膵臓細胞は、技術的に公知の多様な基質上で培養できる。前記基質としては、例えば、ホウケイ酸ガラスチューブ、ボトル、ディシュ、表面の変化しないクローニングリング、プラスチック組織培養ディシュ、チューブ、フラスコ、マルチ−ウェルプレート、増加させた生育表面領域(GSA)を備える容器、ドプラ食道モニタ(EDM)、GSAを増加させるための複合内部シートを有するフラスコ、フェンウォールバッグ(fenwal bags)、および他の従来公知の培養容器が挙げられる。細胞は、細胞の生育および分化を促進するための細胞外マトリクス構成要素で予めコートされた培養表面で生育させてもよい。前記構成要素は、例えば、フィブロネクチン、コラーゲンI、エンゲルブレス−ホルム−スワームマトリックス(Engelberth-Holm-Swarm matrix)、および好ましくはコラーゲンIVまたはラミニンが挙げられる。本発明に好適に用いられるこれらの培養条件およびその他の培養条件は当業者に公知である。
本発明の膵臓細胞は多様な培養液中で培養されてよい。本明細書に記載したように、培地は特定の成分を含むか、または特定の成分を欠いている(例えば、分離および増殖手順の特定の処置に好ましい血清など)。例えば、膵臓から新しく分離された細胞は、細胞を分離手順から回復させるために高濃度の血清培地で維持してもよい。逆に、中期段階の細胞集団の選択および増殖には低血清培地が好ましい。従って、多くの培地の組成が本発明の実施に用いられてよい。本明細書において開示した培地の組成は典型例を示すためであり、培養液の決定的に重要でない成分は、本明細書に記載した分析を用いて細胞の集団の複製または分化の変化への効果を試験することで除外、代用、変更、または追加されてよい。例えば、「Stephanら Endocrinology 140:5841-54 (1999)」を参照のこと。
培養液は通常基礎培地からなる。前記の基礎培地は、生理学的な条件を満たした培地であり、無機塩類、緩衝液、アミノ酸、ビタミン、エネルギー源、ならびにある場合では、有機中間体および前駆体の形態でタンパク質、核酸、炭水化物、または脂質代謝を含む追加の栄養素を含む。通常、本発明に好適に用いられる基礎培地は、限定されないが、F12、Eagle’s MEM、Dulbecco’s modified MEM (DMEM)、RPMI 1640、CMRL 1066、SM95(組成は表1に示す)、1:1でFl2とDMEMとを混合した培地、および当業者に知られた培地またはこれらの組み合わせを含んでよい。細胞の生育を補助するために、基礎培地は、通常、成長因子、他のタンパク質、ホルモン、および痕跡元素を補われる。これらの補助栄養物質は、細胞の生育、維持、および/または分化を促進し、他の培養液成分の不純物または毒素を補償し、基礎培地中に欠けている微量元素を提供する。多くの培地において、血清はこれらの補助栄養物質の源である。血清は、多様な哺乳類の供給源(例えば、ヒト、ウシ、ヒツジ、ウマなど、および成体、幼体、または胎仔)から補われてよい。「Freshney、supra」を参照のこと。ウシ胎仔血清(FBS)は、通常、補助栄養物質として用いられる。血清の濃度は、培養液の総容量に対する血清の容量の割合として表され、通常、約0.1〜25%(例えば、約0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20または25%)の範囲である。一実施形態では、血清の濃度は低いが完全に排除されず、定義済み(defined)、または半分定義(semi-defined)された補助栄養物質の混合物が基礎培地に添加される。一用途において、基礎培地は、血清の代わりに添加できる成長因子、ホルモン、および微量栄養素の定義済み(defined)、または半分定義(semi-defined)された混合物を補われる。前記のような定義された培地の調整物は本明細書に開示される;その他の培地は、当業者に知られているか、または商業的供給源から入手可能である(「Freshney、supra」を参照のこと)。
分離された膵臓細胞の培養は、膵臓内分泌細胞の生存および増殖を促進する選択培地において行われる。本明細書において、「生存培地」と記載する前記の選択培地は、膵臓内分泌ホルモンの分泌能力を保持している細胞、または膵臓内分泌ホルモンを大量に分泌する分化した細胞へ成熟する可能性を有する細胞の増殖および生存に有利に働く。一般的に生存培地は、繊維芽細胞および間葉細胞を犠牲にする内分泌細胞または内分泌細胞様細胞の増殖および生存に有利に働く。
細胞の増殖および細胞の生存を測定するための多様な方法が利用可能であり、当業者に知られている。膵臓内分泌細胞培養において細胞の増殖および生存を測定する好適な方法の限定されない典型例は、成体染色色素を用いた細胞数の測定、または自動細胞計数機、増殖マーカー(例えば、Ki−67)を用いた免疫標識、およびトリプシン処理した細胞のDNA含有量の測定を含んでよい。これらの方法は、実施例2にさらに詳細に記載されている。本発明に好適に使用されるその他の方法は当業者に公知である。
本発明は、培養中におけるアポトーシスを減少させるためにカスパーゼ抑制剤を用いることで膵臓内分泌細胞の生存を促進する。当業者は、膵臓内分泌細胞培養中のアポトーシスの程度の観察が膵臓細胞培養においてアポトーシスを減少させるために十分な量のカスパーゼ抑制剤が存在する場合のアポトーシスの測定方法だと認識する。以下に記載する方法、および実施例3により詳細に記載した方法が、本発明に好適に使用できる、細胞培養中のアポトーシスの存在を検出するために用いられる方法の限定されない例である。本発明に好適に用いられるその他の方法も当業者に公知である。
Aktは、膵臓内分泌細胞における多様なインスリン媒介性の現象(細胞増殖および生存を含む)の重要な制御因子である。我々の培養において細胞の増殖を促進するために、Akt活性を刺激することが知られている成長因子が用いられる。そのため、当業者は、活性化Akt量が増加するために要求される成長因子の十分な量が存在する場合の指標として、Akt活性の程度を観察することの重要性を認識する。
未成熟膵臓内分泌細胞は、PDX−1のようなマーカーを増殖および発現する。一方、成熟膵臓細胞は、増殖せず、インスリンのような内分泌ホルモンを大量に分泌する。従って、生存培地における膵臓内分泌細胞の拡張に続いて、ランゲルハンス島移植に使用するために、未成熟膵臓内分泌細胞から成熟インスリン分泌細胞に分化することが必要である。技術的に公知の多様な方法および分化因子が、以下に記載したような成熟インスリン分泌細胞への膵臓内分泌細胞の分化を促進するために本発明に好適に使用される。
当業者は、成熟膵臓内分泌細胞が存在かどうか決定するために、膵臓内分泌細胞およびその子孫細胞の分化段階を決定することは有用であると認識する。膵臓細胞の分化段階は、タンパク質およびmRNAマーカー(例えば、PDX−1またはインスリン)の測定、ならびに機能試験(例えば、グルコース刺激に応じたインスリン分泌能力)を含む多様な方法で確認できる。例えば、図6および図8を参照のこと。
どの時点で膵臓細胞が存在するかを知るためには、培養の特定の段階で膵臓内分泌細胞の表現型を分析することが有用である。特定のタンパク質の発現は、細胞の特性または分化状態と関連するため、細胞は、自身の特性または分化状態を評価するためにマーカー遺伝子またはタンパク質の発現を分析されてよい。例えば、新たに分離された膵臓組織において、細胞はアミラーゼの発現により外分泌腺房細胞として同定される。一方、細胞は、インスリンの発現によりランゲルハンス島内分泌細胞として同定される。同様に、分化早期の段階のランゲルハンス島細胞は、通常、サイトケラチンCK−19に陽性である。一方、成熟ランゲルハンス島細胞では、CK−19の発現は低い。
多様な内分泌細胞の集団および分化の異なる段階は、当業者に公知の多様な細胞マーカーの発現に基づき同定できる。分離および培養において、臓器提供者の膵臓内分泌細胞は、分化した膵臓内分泌細胞の多様な表現型および遺伝子型の兆候を示し始める。多様な細胞集団および分化の段階の表現型および遺伝子型の兆候は、培養過程間に調節(例えば、増加または減少の調節)される任意の前駆細胞において存在する膨大な数の分子マーカーを含む。
培養細胞または分離された細胞におけるタンパク質および核酸の発現を評価する方法は、一般的な技術である。また、前記方法は、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(RT−PCR)、ノザンブロット、in situハイブリダイゼーション(例えば、「Current Protocols in Molecular Biology (Ausubelら eds. 2001 supplement)」を参照のこと)、ならびに切片にされた材料の免疫組織化学的分析、ウエスタンブロッティング、およびフローサイトメトリー分析(FACS)において無傷細胞に到達できるマーカーのような免疫学的検定を含む(例えば、「Harlow およびLane, Using Antibodies: A Laboratory Manual, New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press (1998)」を参照のこと)。内分泌細胞分化に対する組織化学的な従来マーカーも採用されてよい。免疫組織化学または免疫蛍光分析により試験される細胞は、顕微鏡観察のためガラススライド上で培養されてよい。例えば、「Harlowおよび Lane, supra」を参照のこと。また、従来の組織培養皿中で生育する細胞は、手で培養液から移動され、切片にするためにパラフィンで包埋される。PDX−1抗体は、「Leonard J.ら MoI. Endocrinol., 10:1275-1283 (1993)」の技術により作製できるか、またはIncstar,Inc.(Stillwater,MN)のような商業的供給者から購入できる。膵臓内分泌細胞の表現型の具体的な分析方法は、実施例5により詳細に記載する。
本明細書に記載した方法による増殖および拡張したベータ細胞の重要な機能の1つは、グルコース量によって細胞自身のインスリン分泌を調整することである。通常、静的グルコース刺激(SGS)分析は、異なるグルコース量に反応してインスリンを分泌可能か否かを同定するために、増殖している接着性の膵臓細胞に対して行うことができる。一般的に、細胞は密集度が限界近くになるまで好適な基質上で培養される。SGS試験の1〜3日前に、培養液はインスリンを含まず、1g/Lのグルコースを含む同じ性質の培地に交換される。前記の培地は毎日交換される。また、実施例6に記載したように、SGS試験は4日目に行われる。
膵臓内分泌細胞のカプセル化は、カプセル中に細胞の凝集体を形成する。カプセル化は、膵臓細胞を糖尿病の患者に移植することを可能にする。さらに、対象動物の免疫反応を最小限にする。3次元環境中において膵臓前駆細胞のさらなる成熟をも可能にする。カプセル膜の気孔率は、カプセルから分泌する生体材料(例えば、インスリン)により選択できる。さらに、外来細胞を宿主動物の免疫系から保護する。
以下の実施例は、具体例を提供する目的を含み、いかなる方法においても本発明を限定することが目的とは解釈されない。当業者により実施例に開示した技術(以下に示された技術)は、本発明の実験において発明者によりその機能が明らかとされ、従って、本発明の実施に好ましい形態で表現できる。しかし、当業者は、本発明の開示の観点から見て、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示された特定の実施例において同様の結果を得たまま、多くの変更ができる。
〔1−A.臓器入手〕
膵臓細胞は、死体の膵臓から分離した。臓器の採取は、United Network for Organ Sharing(「UNOS」)および地方の臓器移植団体が取りまとめている。移植者の研究の同意書へのサインのみが使用される。
ランゲルハンス島は、酵素学的な膵臓の消化により分離した。リベラーゼ(Liberase)(1バイアル瓶、0.5g、Roche)は、333mlのHBSS(1.5mg/ml、37℃)に溶解し、腺管へのカニューレ挿入により膵臓に注入した。前記の臓器は、800mlの焼き戻しビーカーで、10〜20分の間37℃で組織が溶け始めるまで培養した。
前節に記載した洗浄および遠心分離手順から得られた沈殿を320mlの膵臓ランゲルハンス島精製溶液(「PIPS」)(13.7%溶液のNYCODENZ(登録商標)AG(Axis-Shield PoC AS, Oslo, Norway)と混合した。前記のNYCODENZ(登録商標)は、合成名5−(N−2,3−ジヒドロキシプロピルアセトアミド)−2,4,6−トリ−ヨード−N,N’−ビス(2,3ジヒドロキシプロピル)イソフタルアミド)で、VIASPAN(登録商標)ベルザーUW溶液(密度1.114)中で調整され、氷上で10分間静置された遠心分離密度勾配溶液である。
膵臓細胞は、5%FBSを含む10ml SM95/RPMI1640(1:1の比率)(コントロール培地として指定)、または以下の補助栄養物質を含み5%のFBSを含むSM95/RPMI1640(1:1の比率)培地のどちらかに1×106cells/mlの濃度で100mmプラスチック組織培養皿(BD Biosciences, San Jose, CA)に撒かれる。前記の補助栄養物質は、外因性成長因子rhPDGF−BB(70ng/ml)、rhIGF−I(50ng/ml)、およびrhIGF−II(50ng/ml)(全てR&D Systems Inc.)、および外因性カスパーゼ抑制剤である非O−メチル化VD−OPH(100μM)(MP Biomedical, Solon, OH)(生存培地として指定)。培養液は3日毎に交換した。細胞が90%の密集度に到達すれば、0.05%トリプシン(トリプシン/EDTA、Invitrogen, Carlsbad, CA)を用いてP1に継代した。前記の細胞の分離比率は、コントロール培地においては1:4、生存培地においては1:6である。P1培養は、約5日で90%の密集度に到達した。この時点で分離比率1:3でP2に継代した。以降の全ての継代はP1培養に記載したように行った。
〔2−A.トリパンブルーを用いた生細胞数の測定〕
生存培地で培養した膵臓前駆細胞の増殖および生存をコントロール培地での培養と比べて評価するために、培養過程の異なる段階の間で細胞数および増殖を評価した。90%以上の密集度に達した前記の細胞から0.05%トリプシンを用いて単一膵臓細胞懸濁液を作製した。細胞の生存を評価するためトリパンブルーを用いて、血球計数機により生存細胞数を数えた。その結果、生存培地で培養すると生存細胞の数がコントロール培地での培養に比べて増加した。
生存培地において生育および拡大された膵臓内分泌細胞は、コントロール培地において生育および拡張した膵臓内分泌細胞よりも高い割合で増殖および生存する。このことを確認するために、細胞を4ウェルチャンバースライドで生育し、4%パラホルムアルデヒドを用いて室温で固定した。細胞をブロック液(PBS/3%BSA/1%正常ヤギ血清)中で1時間培養した後、PBS/0.2%トリトンXを用いて5分間透過化した。続いて細胞をブロッキング液で洗浄した。次に、モルモット抗ヒトC−ペプチド抗体(DAKO Inc.,Carpinteria, CA)またはウサギ抗Ki−67抗体(Neomarkers, Fremont, CA)と1時間室温で培養した。細胞をそれぞれ15分間PBS/1% トリトンX/1%BSAで3回洗浄し、二次抗体としてアレクサ488抗体(Molecular Probes, Eugene, OR)と1時間培養した。次に、細胞を3回、各15分間洗浄し、再び4%のパラホルムアルデヒドで固定した。次に、細胞をPBS/RNAseで5分間洗浄し、DAPI核染色(Vector Labs, Burlingame, CA)を含むベクターシールド(Vectashield)で包埋した。図3Aは、前記のKi−67で免疫標識されたコントロール培地または生存培地のどちらかで生育した膵臓細胞を示す。この結果は、生存培地で生育した細胞では、コントロール培地中で生育した細胞と比較して細胞のKi−67標識が約5倍増加することを示す(図3Bを参照のこと)。
Ki−67標識により示された細胞数の増加は、メーカーの使用説明書に従ってCYQUANT細胞増殖試験(Molecular Probes, Inc. Eugene, OR)を用いてトリプシン処理細胞数を測定することにより確認した。細胞は、CYQUANT GR色素を含有する緩衝液の添加により溶解した。蛍光マイクロプレートリーダーは、続いて試料の蛍光の直接測定に用いた。前記の分析は、単一色素濃度を用いて200μlの容量あたり50〜50,000個の細胞範囲に及ぶ直線的検出範囲(linear detection range)を有する。対数期にない細胞は、高いDNA含有量を示し、コントロール培地での生育と比較して生存培地中で生育した場合では細胞数が約30%増加する(図3Cを参照のこと)。
〔3−A.膵臓細胞および繊維芽細胞におけるアポトーシス〕
アポトーシスの最初の兆候の1つは、原形質膜の内部から外葉への膜リン脂質ホスファチジルセリン(PS)の転位である。一度PSが細胞外環境にさらされると、その結合部位がアネキシンV(PSに高親和性を有する、35〜36kDa、Ca2+依存性、リン脂質結合タンパク質)に利用可能となる。初期のアポトーシスを起こす細胞を検出するために、P0膵臓細胞、または正常ヒト繊維芽細胞を4−ウェルチャンバースライドに静置し、本明細書に記載された条件下で生育した。継代の前に、メーカーの使用説明書に従って前記の細胞をアネキシンV、アネキシンV−EGFPの蛍光共役体と5分間、500μlの結合緩衝液中で培養した(U.S. Biological, Swampscott, MA)。アポトーシスを起こした細胞をそれぞれFITCおよびローダミンの二重フィルターを用いて蛍光顕微鏡を利用して可視化し数を数えた。次に、アネキシンVに陽性の染色された膵臓細胞と、染色されない正常環状繊維芽細胞とを比較した。我々は、アネキシンVによる染色はP0膵臓細胞に特異的だと確認した。アネキシンVの結合は、カルシウム依存的であり、コントロールとしてカルシウムのキレート剤である1μMのEGTA(Sigma,St Louis,MI)をP0膵臓培養へ添加すると染色が阻害されるためである。失われる細胞は、接着性および非接着性細胞集団のPDX−1、Ngn3、NeuroD、およびインスリンmRNAの特長により示されたようなベータ細胞および内分泌細胞と推定される細胞であった。加えて、1:1000希釈での抗ヒトC−ペプチド(DAKO, Carpinteria, CA)およびアネキシンVを用いた二重免疫蛍光染色は、多くのベータ細胞(抗ヒトC−ペプチド陽性)が、アネキシンV陽性であることを明らかにした(図2を参照のこと)。これらの結果は、インビトロでのヒト膵臓細胞の培養は、有用な内分泌系統細胞がアポトーシスを起こし減少すること示す。
アポトーシスの顕著な特徴の1つはカスパーゼの活性化である。カスパーゼ3および7はその下流に共通配列DEVDを有する。培養におけるアポトーシスの程度を決定するため、我々は、メーカーの使用説明書に従ってApo−ONE分析システム(Promega)を用いた(図1)。細胞を96ウェルプレートに移し、細胞溶解液をカスパーゼ活性を支持する緩衝液(Promega,Madison,WI)中で調製した。また、励起波長485nmおよび発光波長530nmでApo−ONEカスパーゼ3/7蛍光分析(Promega, Madison, WI)を用いて蛍光プレートリーダーで分析した。我々の分析により、アポトーシスおよびカスパーゼ活性の潜在的誘導剤であるスタウロスポリンで処理した繊維芽細胞培養量に相当する量の接着細胞由来のP0培養の内分泌細胞においてカスパーゼが活性化されたことが示された。広い範囲のカスパーゼ抑制剤であるVD−OPH−19(MP Biomedicals, Solon, OH)を1μMの濃度で添加するとカスパーゼの活性化が完全に消滅した(図1を参照のこと)。
Akt量について我々の膵臓細胞培養条件の効果を評価するために、ウエスタンブロット分析により定常状態でのAktタンパク質量を測定した(図4Aおよび4B)。培養3日後および1回の培地の交換後、ゲル電気泳動および免疫ブロット分析のため膵臓細胞培養に由来する接着性画分および非接着性画分の両者を採取した。陽性コントロールとしてスタウロスポリン(アポトーシスおよびカスパーゼ活性の潜在的誘導剤)で処理した細胞、または陰性コントロールとしてスタウロスポリン未処理の細胞のどちらかをコントロールとしてヒト初代繊維芽細胞を調べた。細胞単層および細胞懸濁液は、冷やしたPBSで2回洗浄し、プロテアーゼ抑制剤のカクテル(Roche,Palo Alto)を含むRIPA緩衝液中において4℃で溶解した。前記のRIPA緩衝液は、50mM Tris−HCL pH7.4、1% NP−40、150mM NaCl、0.25% Na−デオキシコール酸塩、1mM EDTA、1mM PMSF、1mM β−グリセロリン酸エステル、および1mM NaFを含む。不純物を除くために細胞溶解液を4℃で遠心した。タンパク質の濃度をメーカーの使用説明書に従ってBIORADタンパク質分析試薬(Biorad)を用いて各上清について決定した。等量の2×レムリ(Laemmli)SDSサンプル緩衝液を各試料に添加した。試料を加熱し、等量のタンパク質をゲルにのせた。前記タンパク質をSDS−PAGEにより分離し、続いてPDVF膜に転写した。前記のPDVF膜を3%無脂肪粉ミルクを含むPBS中で室温で2時間ブロッキングし、ウエスタンブロット分析を行った。ゲル電気泳動およびウエスタンブロッティングを前記のように行い、リン酸化特異的抗体で標識された膜の場合を除いて、ブロッキング緩衝液は3%BSAを含むPBSとした。タンパク質のブロットを1:100に希釈された抗体(抗Akt抗体および抗リン酸化セリン473−Akt抗体)(Cell Signaling, Beverly, MA)で標識した。コントロールとしてGAPDHに対する抗体(Santa Cruz)を1:500希釈で使用した。続いてブロットを1:15,000で希釈したHRP共役抗体(二次抗体)(Pierce)中で培養した。タンパク質の検出は、化学蛍光促進剤(ECL)(Pierce)を用いて行った。非接触細胞において全長Aktの切断、および多くのタンパク質分解断片の存在を明らかにした抗Akt抗体による免疫ブロット法分析は、接着性細胞画分では前記の切断および断片は少ないことも明らかにした。この現象は、スタウロスポリン(アポトーシスの潜在的誘導剤)で処理した初代繊維芽細胞においては観察されないが、Akt不活性化の新しい機構を表す。さらに、接着性細胞においてもAktが切断されることは、前記の細胞がアポトーシスを運命付けられていることを示す。このことは、多くの接着性の細胞がアネキシンVに陽性に染色された先の知見と一致する。Akt活性化成長因子の添加は、細胞の定常状態のAkt量を上昇させ(図4C)、細胞の生存とAktタンパク質の増加との間の相関関係を証明するものである。
〔5−A.免疫蛍光法〕
膵臓細胞の増殖における生存培地の効果を測定するために、増殖細胞のマーカーであるKi−67の発現を調べた(図3)。免疫蛍光法のため、細胞は4ウェルチャンバースライドで生育し、対数期の細胞を4%パラホルムアルデヒドを用いて室温で固定した。細胞は、ブロッキング緩衝液(PBS/3%BSA/1%の正常ヤギ血清)で1時間培養した。続いて、PBS/0.2%トリトンXで5分間透過化した。次に、洗浄し、モルモット抗ヒトC−ペプチド抗体(ポリクローナル抗体)(DAKO)、または1:500に希釈したKi67に対する抗体(Neomarkers, Fremont, CA)と1時間培養した。細胞をPBS/1%トリトンX/1%BSAで3回各15分洗浄し、アレクサ488共役抗体(1:200)(二次抗体)(Molecular Probes, Carlsbad, CA)と1時間培養した。次に、細胞を15分間洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで再び固定した。5分間のPBS/RNAseでの洗浄後、細胞を核染色DAPIを含むベクターシールドを用いて封入した(Vector Labs, Burlingame, CA)。その結果、Ki67陽性細胞は劇的な増加を示し、生存培地において拡張された細胞の増殖率をさらに増大する。従って、生存培地の使用は、内分泌細胞系統集団の迅速な拡張により、少ない臓器提供者から培養を開始する細胞集団を最大化する方法を示す。
内分泌細胞系統集団における生存培地の効果をさらに測定するために、これらの細胞において発現しているインスリンおよびPDXタンパク質の量を測定した(図5)。膵臓細胞は、ダルベッコリン酸緩衝液(DPBS)で洗浄し、Bouin fluidで1時間固定し、等級アルコールにおいて脱水し、パラフィン包埋した。4μmの薄さのパラフィン切片を切断し、ガラスプレート上に静置した。スライドは、通常の組織学的方法を用いて処理し、続いて外因性のぺロキシダーゼ活性を止めるために0.3%H2O2中で培養した。全てのスライドを10%の好適な種の正常血清を用いてブロックした。一次抗体は以下に挙げる希釈倍率で、組織に室温で60分間反応させた。用いた抗体は、モルモット抗C−ペプチド抗体(1 :2000; DAKO, Carpinteria, CA)、ウサギ抗PDX−1(1 :1000; Incstar, Stillwater, MN)である(図5)。抗体の結合の特異性は、類似した正常血清または非特異的IgGで希釈した一次抗体を置換することで調節した。続いて、スライドは、メーカーの使用説明書に従って好適なビオチン化された二次抗体と培養した(Vector Lab, Burlingame, CA)。抗体は、ABC/DABキット(DAKO)を用いて可視化した。また、組織切片はヘマトキシリンで対比染色した。その結果、生存培地で拡充した細胞集団では、より多くの細胞がC−ペプチドおよびPDX−1に陽性に染色された。これらの結果は、RT−PCRおよび免疫蛍光染色により示したように、より多くの内分泌細胞が生存培地で処理した細胞に存在するという我々の最初の発見を裏付けるものである。
内分泌系統細胞における生存培地の効果を測定するために、我々は、例えば図6に示したように定量的RT−PCRにより拡充した内分泌細胞の遺伝子発現を調べた。細胞のRNAは、Nucleospin RNA IIキット(BD Biosciences, Inc.)を用いて細胞から分離した。逆転写は、5μgの全RNA MMLV逆転写酵素(Invitorogen)を用い、10mM DTT、0.5mM dNTP(Sigma, St. Louis, MO)、25ng/μlのオリゴ(dt)12−18プライマー(Sigma)、RNase抑制剤(Sigma)および1×First−strand緩衝液(Invitrogen)を用いて行った。前記の混合物を65℃で5分間加熱した。その後、逆転写酵素を加え、60分間、37℃で培養した。反応を終了し、リアルタイム定量PCRを5倍希釈したcDNA0.5mlの存在下で、Light Cycler machines1.0および2.0(Roche)を用いてメーカーの使用説明書に従って行った。インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン、PDX−1、Neuro−D1、CK−19、アミラーゼ、HNF3ベータ、およびベータアクチンのプライマー配列を公表されたヒトmRNA配列に基づいて設計した。mRNAデータは、絶対的定量法を用いた予測に従って表されるか、コントロールに対する増加率として表される。異なる遺伝子の全ての発現量をベータアクチンに対して標準化した。生存培地で拡張した細胞での内分泌細胞および前駆細胞マーカーの遺伝子発現の増加は、内分泌細胞系統集団が保護され、拡張されることを示唆する(例えば、図6を参照のこと)。従って、膵臓内分泌細胞は、コントロール培地における増殖および生存に比べて生存培地において増殖および生存率が増加する。
〔6−A.細胞のマイクロカプセル封入〕
細胞の拡張において、最終的に分化したベータ細胞の機能を評価するために細胞を分化させる必要がある。細胞のアルギン酸塩マイクロカプセルへの封入は、分化の典型例を提供する。ここで、マイクロカプセル化された単細胞は凝集し、DM(分化培地)の存在下で最終的に分化する。採取した細胞は、1.6%(w/v)のアルギン酸ナトリウム溶液に浮遊した状態で、以下に記載された空気ジェットを用いてアルギン酸塩−ポリ−L−リシン(PLL)−アルギン酸塩マイクロカプセルにカプセル化した(Soon-Shiongら Transplantation 54:769-74, (1992))。細胞の凝集を促進するために、初期のカプセル内でゲル化したアルギン酸塩の中心部は、55mMのクエン酸ナトリウム(pH7.2 290mOsm/kg)中でカプセルを培養することで液化する。前記のカプセル化した細胞凝集体は、SM95培地を含む組織培養フラスコ中に静置した。細胞を回復させた後、培地をDMに交換した(分化培地)。その後、一週間に二度完全な培地交換を行った。培養1〜3週間後、カプセル化細胞凝集体を静的グルコース刺激に用いた(例えば、図8を参照のこと)。
ベータ細胞の機能について生存培地の効果を調べるために、カプセル化した細胞(200−250マイクロカプセル(mics))を5mlの低グルコース(100mg/dl)と一晩(37℃、5%CO2)インスリン欠損培地で培養した。カプセル化細胞は、Krebs Ringer溶液中で60分間連続培養(37℃、5%CO2)することにより機能性を試験した。前記のKrebs Ringer溶液は、60mg/dlグルコース(低濃度1)、450mg/dlグルコース(Sigma)(高濃度)、および60mg/dlグルコース(低濃度2)を含む。各段階の後、溶液を回収し、以降の試験のために保存した。最終段階の後、解剖用顕微鏡下でカプセルの数を数えた。各溶液のヒトC−ペプチド含有量は、超高感度C−ペプチドELISA(Mercodia, Uppsala, Sweden)を用いてメーカーの使用説明書に従って定量した。C−ペプチドの放出は、緩衝液1mlあたりに凝集体として発現する(各培養段階の後に回収した)か、または低濃度グルコース(低濃度1)によって得られるインスリンの分泌により区別される高濃度グルコース溶液(高濃度)において得られるインスリンの分泌である相対的な刺激指数(SI)として発現する。前記の値は、カプセルあたりに同数の細胞を含むカプセル数に対して標準化した。図8Aおよび8Bに示した結果は、より高い内分泌細胞遺伝子発現と同様に生存培地中で拡張された細胞においてグルコース刺激への高い反応性を示し、我々の内分泌系統細胞の濃縮の知見を支えるものである。加えて、前記の拡張は細胞の機能を失わない。
Claims (20)
- (1)膵臓内分泌細胞においてアポトーシスを減少させるために十分な量の外因性カスパーゼ抑制剤、および
(2)膵臓内分泌細胞において活性化Aktの量を増加するために十分な量の少なくとも1つの外因性成長因子、
に接触させることにより、膵臓内分泌細胞の増殖および生存を促進する方法。 - 上記膵臓内分泌細胞がインスリン産生凝集体である、請求項1に記載の方法。
- 上記カスパーゼ抑制剤は、Q−VD−OPH、Z−VAD(OMe)−FMK、Ac−VAD−CHO、Boc−D−FMK、BACMK、BI−9B12、Ac−LDESD−CHO、およびDEVD−CHO CPP32/アポパイン抑制剤からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 上記カスパーゼ抑制剤の濃度は、約1μmから約100μmである、請求項1に記載の方法。
- 上記カスパーゼ抑制剤は、Q−VD−OPHおよびZ−VAD(OMe)−FMKからなる群から選択された不可逆の汎カスパーゼ抑制剤である、請求項1に記載の方法。
- 上記カスパーゼ抑制剤はQ−VD−OPHである、請求項5に記載の方法。
- 上記成長因子は、EGF、IGF−I、IGF−II、ヘレグリン、およびPDGF−BBからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 上記成長因子はPDGF−BB、ならびにIGF−IおよびIGF−IIからなる群の1以上の成長因子である、請求項1に記載の方法。
- 上記各成長因子の培地中の濃度は、約10ng/mlから100ng/mlである、請求項8に記載の方法。
- 以下の(1)から(3)を含む、膵臓内分泌細胞の増殖および生存のための細胞培養培地組成物:
(1)膵臓内分泌細胞を含む培地;
(2)膵臓内分泌細胞においてアポトーシスを減少させるために十分な量の外因性カスパーゼ抑制剤;
(3)膵臓内分泌細胞において活性化Aktの量を増加させるために十分な量の少なくとも1つの外因性成長因子。 - 上記膵臓内分泌細胞はインスリン産生凝集体である、請求項10に記載の組成物。
- 生理学的に条件を満たした上記培地が、CMRL1066、RPMI1640、DMEM/F12、およびSM95からなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
- 上記カスパーゼ抑制剤が、Ac−VAD−CHO、Boc−D−FMK、BACMK、BI−9B12、Ac−LDESD−CHO、およびDEVD−CHO CPP/アポパイン抑制剤からなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
- 上記カスパーゼ抑制剤の濃度が、約1μMから100μMである、請求項10に記載の組成物。
- 上記カスパーゼ抑制剤が、Q−VD−OPHおよびZ−VAD(OMe)−FMKからなる群から選択された不可逆の汎カスパーゼ抑制剤である、請求項10に記載の組成物。
- 上記カスパーゼ抑制剤がQ−VD−OPHである、請求項15に記載の組成物。
- 上記カスパーゼ抑制剤の濃度は、約1μMから約100μMである、請求項10に記載の組成物。
- 上記成長因子はEGF、IGF−I、IGF−II、ヘレグリン、およびPDGF−BBからなる群より選択される、請求項10に記載の組成物。
- 上記成長因子はPDGF−BB、ならびにIGF−IおよびIGF−IIからなる群の1以上の成長因子である、請求項10に記載の組成物。
- 上記各成長因子の培地中の濃度は、約10ng/mlから約100ng/mlである、請求項10に記載の組成物。
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