JP2009521922A - 変調された植物生長速度及び植物中のバイオマスを与えるヌクレオチド配列及び対応するポリペプチド - Google Patents

変調された植物生長速度及び植物中のバイオマスを与えるヌクレオチド配列及び対応するポリペプチド Download PDF

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Abstract

本発明は、植物に変調された植物サイズ、栄養生長、器官数、植物アーキテクチャ、生長速度、実生活力、生長速度、果実及び種子収量、分げつ及び/又はバイオマスの形質を与えることが可能な、単離された核酸及びそれらに対応するコードされたポリペプチドに関する。本発明はさらに、同様の条件下で生長させた野生型植物に関して改変されている植物サイズ、栄養生長、器官数、植物アーキテクチャ、生長速度、実生活力及び/又はバイオマスを有するトランスジェニック植物、植物細胞、植物材料又は植物の種子を作製することにおける、これらの核酸分子及びポリペプチドの使用に関する。

Description

技術分野
[0001] 本発明は、植物における植物生長速度、栄養生長(vegetative growth)、器官サイズ、アーキテクチャ、実生(seedling)活力及び/又はバイオマスを変調するための単離された核酸分子およびそれらの対応するコードされたポリペプチドに関する。本発明はさらに、同様条件下で生長した野生型植物と比較して変調された植物生長速度、栄養生長、器官数、アーキテクチャ、実生活力及び/又はバイオマスを有するトランスジェニック植物、植物細胞、植物材料又は植物の種子を作製するために該核酸分子及びポリペプチドを使用することにも関する。
背景技術
[0002] 農芸、園芸、バイオマス転換及び他の産業(例えば、製紙業、タンパク質又は他の化合物のための生産工場としての植物)のために特別に改良された植物は分子テクノロジーを使用して得ることが可能である。一例として、全体としての又はその器官のいずれかのサイズを、又はその器官のいずれかの数を変調することは大きな農業的価値を生じる。
[0003] 同様に、全植物又は植物の特定の部分のサイズ及び丈、又は生長速度又は実生活力の変調は、特定の産業により適した植物の生産を可能にする。例えば、特別の作物及び樹種の高さの減少は、より容易な収穫を可能にすることにより有益になり得る。もしくは、高さ、厚さ又は器官サイズ、器官数を増加させることは、食物、飼料、燃料及び/又は化学品へ加工するために有用な、より多くのバイオマスを提供することにより有益になり得る(米国エネルギー省ウェブサイトEnergy Efficiency and Renewable Energyを参照されたい)。商業的に望まれている形質の他の例には、切り花の花茎の長さを増加させること、葉のサイズ及び形状を増加させること又は改変すること、又は種子及び/又は果実のサイズを大きくすることが含まれる。器官サイズ、器官数及びバイオマスの変化は、二次産物のような構成要素分子の質量の変化も生じ、植物をこれらの化合物の工場に変換する。
[0004] 動物及び人々に食物を与えるための、食物及び動物飼料の再生産可能な流れの利用可能性及び維持はヒト文明化の歴史を通して最優先されてきており、農業の起源となっている。耕種科学、農学、作物学、園芸及び森林科学の専門家及び研究者は、増加している世界の人口に食料を与えるため、及び再生産可能な原材料の供給を保証するために、増加した生長能力を有する植物を発見する及び生み出すことに、現在でさえも常に努力している。科学のこれらの分野における研究の健全な段階は、世界中のあらゆる地理的及び気候環境にいるリーダーたちが、人々のための食物、飼料、化学品及びエネルギーの持続可能な供給源を提供することが最重要であることを示している。
[0005] 作物生産力の操作は何世紀にもわたって植物品種改良を介して慣用的に達成されてきた。しかしながら、品種改良プロセスは時間がかかりまた大きな労働力を必要とする。さらに、適した品種改良プログラムは、各々関係のある植物種について特別に設計しなければならない。
[0006] 一方、植物を操作するために分子遺伝学的アプローチを使用して大きな進展がなされ、より良い作物が提供された。植物における組換え核酸分子の導入及び発現を介して、研究者には、独特の地理的及び気候環境にも関わらず、より効率的に生長させ及びより多く産物を生産することに合わせてある植物種を地域社会に提供する態勢が現在できている。これらの新規アプローチは、一つの植物種に限定されているのではなく、多数の異なった植物種に応用可能であるという追加の利点を有している(Zhang et al. (2004) Plant Physiol. 135:615)。
[0007] この進歩にもかかわらず、現在、特定の環境条件に依存した特定の要求に適合するように森林又は農作植物生長を改良する、一般的に適用可能なプロセスに対する大きな要求が引き続いて存在する。この目的のため、本発明は、求められた利点及び作物が生長しなければならない特定の環境に依存して多様な作物の利点を最大にするように、植物サイズ、器官数、植物生長速度、植物アーキテクチャ及び/又はバイオマスを都合良く操作することに関しており、植物中の組換えDNA分子の発現により特徴付けられる。これらの分子は植物それ自身由来であってもよく、及びより高い又はより低いレベルで単に発現され、又は該分子は異なった植物種由来のものであってもよい。
発明の要旨
[0008] 本発明はそれ故、同じような又は同一の条件下で育てられた野生型植物に対して改変されている、ライフサイクル、特定的には植物サイズ、栄養生長、植物生長速度、器官数、植物アーキテクチャ及び/又はバイオマスを有する、トランスジェニック植物、植物細胞、植物材料又は植物の種子の作製における、単離された核酸分子及びポリペプチド及びそれらの使用に関する。
[0009] 特に定義しない限り、本明細書で使用されているすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者により一般に理解されているものと同一の意味を有する。
発明の詳細な説明
1.本発明
[0015] 本出願の発明は、必ずしも限定されるわけではないが、以下の例示的態様により説明することができる。
[0016] 本発明は、新規の単離された核酸分子、これらの核酸分子に干渉する核酸分子、これらの核酸分子とハイブリダイズする核酸分子、及びDNAコードの縮重のため同一タンパク質をコードする単離された核酸分子を開示する。本出願の追加の態様はさらに、本発明の単離された核酸分子によりコードされたポリペプチドを包含する。
[0017] より特定的には、本発明の核酸分子は:(a)それぞれ配列番号80、90、92、98、109及び103に対応するリード15、28、29、36、ME04012及びクローン691319のいずれか一つと少なくとも85%同一である、アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、(b)(a)に従ったヌクレオチド配列のいずれか一つと相補的であるヌクレオチド配列、(c)配列番号80、90、92、98、109及び103いずれか一つに従ったヌクレオチド配列、(d)5’から3’方向に読んだ場合、(c)に従ったヌクレオチド配列のいずれか一つと逆の順序であるヌクレオチド配列、(e)(a)に従ったヌクレオチド配列のいずれか一つと干渉することが可能なヌクレオチド配列、(f)(a)〜(e)項のいずれか一項に従ったヌクレオチド配列とハイブリダイズした核酸二重鎖を、該ハイブリダイズした核酸二重鎖の融点より約40℃〜約48℃低い温度で、形成することが可能なヌクレオチド配列、及び(g)それぞれ配列番号81、91、93、99、110及び104に対応するリード15、28、29、36、ME04012及びクローン691319のアミノ酸配列のいずれか一つをコードするヌクレオチド配列、を含んでなる。
[0018] 本発明の追加の態様は、配列番号80、81、90、91、92、93、98、99、109、110、103及び104に開示されているポリペプチド及び核酸分子配列を包含する。
[0019] 本発明はさらに、植物転写及び/又は翻訳シグナルをコードするヌクレオチド配列を有する第一の核酸、及び本発明の単離された核酸分子に従ったヌクレオチド配列を有する第二の核酸を含んでなるベクターを具体化する。より特定的には、該第一及び第二の核酸は作動可能であるように連結することができる。さらにより特定的には、該第二の核酸は第一の生物体に内在性であることができ、及びベクター中のいずれか他の核酸は第二の生物体に内在性であることができる。最も特定的には、該第一及び第二の生物体は異なった種であることができる。
[0020] 本発明のさらなる態様において、宿主細胞は、本発明に従った単離された核酸分子を含んでなることができる。より特定的には、本発明の宿主細胞中に観察される本発明の単離された核酸分子は、第一の生物体に内在性であることができ、及び第二の生物体に内在性であるヌクレオチド配列に隣接させることができる。さらに、該第一及び第二の生物体は異なった種であることができる。さらにより特定的には、本発明の宿主細胞は、それ自身が本発明に従った核酸分子を含んでなる、本発明に従ったベクターを含んでなることができる。
[0021] 本発明の別の態様において、本発明の単離されたポリペプチドは、それぞれ配列番号81、91、93、99、110及び104に対応するリード15、28、29、36、ME04012及びクローン691319のいずれか一つと少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を追加的に含んでなることができる。
[0022] 本発明の他の態様は、宿主細胞内に本発明の単離された核酸を導入する方法を包含する。より特定的には、本発明の単離された核酸は、宿主細胞内への該単離された核酸の輸送を可能にする条件下、宿主細胞と接触させることができる。さらにより特定的には、本発明の前の態様に記載したベクターは、同じ方法により宿主細胞内に導入することができる。
[0023] 検出の方法も本発明の態様として利用可能である。特定的には、サンプル中の本発明に従った核酸分子を検出する方法。より特定的には、本発明に従った単離された核酸分子は、該単離された核酸分子とサンプル中核酸のヌクレオチド配列との比較を可能にする条件下、サンプルと接触させることができる。こうした分析の結果は次いで、本発明の単離された核酸分子が検出可能であり、及びそれ故サンプル内に存在するかどうかを決定するために、考慮してもよい。
[0024] 本発明のさらなる態様は、本発明の単離された核酸分子及び/又はベクターを含んでなる植物、植物細胞、植物材料又は植物の種子を含んでなる。より特定的には、本発明の単離された核酸分子は植物、植物細胞、植物材料又は植物の種子に対して外来性であることができる。
[0025] 本発明のさらなる態様は、本発明に従って植物細胞又は種子から再生された植物を包含する。より特定的には、該植物又は本発明の植物、植物細胞、植物材料又は植物の種子に由来する植物は、同一の条件下で栽培した野生型植物と比較して、好ましくは、増加したサイズ(全体が又は一部が)、増加した栄養生長、増加した器官数及び/又は増加したバイオマス(以後時には集合的に増加したバイオマスと称される)、死亡率、不稔性又は装飾的特徴を有する。さらに、本トランスジェニック植物は、生長及び表現型特性を変調することに関与するタンパク質をコードする第一の本発明の単離された核酸分子、及び、生長及び表現型を変調する成分及びプロモーターが作動可能なように連結されている植物において、発現を駆動することが可能なプロモーターをコードする第二の核酸分子を含んでなることができる。より好ましくは、該第一の単離された核酸を本発明のトランスジェニック植物中で誤発現させることができ、及びトランスジェニック植物及び祖先植物を同一環境条件下で栽培した場合、トランスジェニック植物は該遺伝子を欠く祖先植物と比較して変調された特性を示す。本発明の別の態様において、変調された生長及び表現型特性は、例えば、干渉RNAを使用した特定の配列の不活性化によることができる。
[0026] さらなる態様は、本発明の単離された核酸分子を含んでなる、本発明に従った植物、植物細胞、植物材料又は植物の種子から成り、該植物又は本発明の植物、植物細胞、植物材料又は植物の種子に由来する植物は、同一の条件下で栽培された野生型植物と比較して、変調された生長及び表現型特性を有する。
[0027] 増加したバイオマス又は活力を与えているポリヌクレオチドは、本発明のトランスジェニック植物中で誤発現することができ、及び該トランスジェニック植物及び祖先植物を同一環境条件下で栽培した場合、該トランスジェニック植物は該ポリヌクレオチドを欠く祖先植物と比較して、増加したバイオマス又は活力を示す。本発明の別の態様において、増加したバイオマス又は活力表現型は、例えば、干渉RNAを使用した特定の配列の不活性化によることができる。
[0028] 別の態様は、本発明の単離された核酸分子を含んでなる、本発明に従った植物、植物細胞、植物材料又は植物の種子から成り、該植物、植物細胞、植物材料又は植物の種子は同一の条件下で栽培された野生型植物と比較して、増加したバイオマス又は活力を有する。
[0029] 本発明の別の態様は、植物のバイオマス又は活力を増強する方法を包含する。より特定的には、これらの方法は、植物を本発明に従った単離された核酸分子で形質転換することを含んでなる。好ましくは、本方法は、形質転換植物中のバイオマス又は活力を増強する方法であり、該植物は本発明のポリペプチドをコードする核酸分子で形質転換される。
[0030] 本発明のポリペプチドは共通配列を含む。該共通配列は図1〜5に示されているものである。
2.定義
[0031] 以下の用語が本出願を通して利用される:
[0032] バイオマス:本明細書で使用される場合、「バイオマス」は目的の産物を含む有用な生物学的材料を指し、材料は集められ及びさらなる加工が意図され、目的の産物を単離する又は濃縮する。「バイオマス」は、産業的目的のために特に興味をひく植物の一部である場合、果実又はその一部又は種子、葉、茎又は根を含んでなることができる。「バイオマス」が植物材料を指すならば、目的の産物を含有する又は示す、植物のいずれかの構造物又は複数の構造物も含む。
[0033] 形質転換:形質転換が達成可能な手段の例は以下に説明されており、双子葉植物(Needleman and Wunsch (1970) J Mol. Biol. 48:443; Pearson and Lipman (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 85: 2444 )、単子葉植物(Yamauchi et al. (1996) Plant Mol. Biol. 30:321-9; Xu et al. (1995) Plant Mol. Biol. 27:237; Yamamoto et al. (1991) Plant Cell 3:371 )のアグロバクテリウム仲介形質転換、及び遺伝子銃法(P. Tijessen, "Hybridization with Nucleic Acid Probes" , Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology 中, P.C. vand der Vliet, ed., c. 1993, Elsevier, Amsterdam )、エレクトロポレーション、インプランタ(in planta)植物体への技術などが含まれる。外来性核酸を含有するこうした植物はここにおいて、初代トランスジェニック植物についてはT、及び第一世代についてはTと称される。
[0034] 機能的に匹敵するタンパク質又は機能性相同体:この用語は、共通して少なくとも一つの機能性特性を有するタンパク質を記述している。こうした特性には、配列類似性、生化学的活性、転写パターン類似性及び表現型活性が含まれる。典型的には、機能的に匹敵するタンパク質はいくつかの配列類似性又は少なくとも一つの生化学を共有する。この定義内では、類似体は機能的に匹敵していると考えられる。加えて、機能的に匹敵するタンパク質は一般に、少なくとも一つの生化学的及び/又は表現型活性を共有する。
[0035] 機能的に匹敵したタンパク質は、必ずしも同一ではないが、類似の程度の同じ特性を生じるであろう。典型的には匹敵するタンパク質は同じ特性を与え、匹敵するものの一つによる定量的測定は、他の少なくとも20%;より典型的には、他の30〜40%の間;さらにより典型的には、50〜60%の間;さらにより典型的には、70〜80%の間;さらにより典型的には、90〜100%の間である。
[0036] 異種配列:「異種配列」とは、作動可能なように連結されていない又は天然には互いに近接していない配列である。例えば、トウモロコシ由来のプロモーターは、シロイヌナズナコード領域配列とは異種と考えられる。また、トウモロコシからの生長因子をコードする遺伝子のプロモーターは、成長因子のためのトウモロコシレセプターをコードする配列とは異種であると考えられる。コード配列と同一遺伝子からは天然には起因しないUTR又は3’末端終結配列のような調節エレメント配列は、前記コード配列とは異種と考えられる。天然に作動可能なように連結されている及びお互いに近接しているエレメントは、お互いに異種ではない。一方、もしこれらの同じエレメント間に他の充填配列が置かれるならば、これらは作動可能なように連結されて残るが、異種となる。それ故、アミノ酸トランスポーターを発現しているトウモロコシ遺伝子のプロモーター及びコード配列はお互いに異種ではないが、新規様式で作動可能なように連結されているトウモロコシ遺伝子のプロモーター及びコード配列は異種である。
[0037] 誤発現:用語「誤発現」とは、野生型と比較して、相補的RNA配列へのコード領域の転写における増加又は減少を指す。この用語は、野生型と比較して、及び/又は異なった植物種からの又は非植物生物体からの遺伝子又はコード領域を含む植物ゲノム内の非天然位置からの、遺伝子又はコード領域の発現及び/又は翻訳、又は異なった期間のこうした発現及び/又は翻訳の阻害も包含する。
[0038] 配列同一性のパーセンテージ:本明細書で使用される場合、用語「パーセント配列同一性」とは、いずれかの既定のクエリー配列及び対象配列間の同一性を指す。クエリー核酸又はアミノ酸配列は、それらの全長にわたって実施されるべき核酸又はタンパク質配列のアライメント(グローバルアライメント)を可能にする、コンピュータプログラムClustalW (バージョン1.83、デフォルトパラメータ)を使用して一つ又はそれより多くの対象核酸又はアミノ酸配列を整列させる。
[0039] ClustalW はクエリー及び一つ又はそれより多くの対象配列間の最大一致を計算し、同一性、類似性及び相違が決定可能なようにそれらを整列させる。配列アライメントを最大にするように、クエリー配列、対象配列又は両方内に一つ又はそれより多くのギャップを挿入することが可能である。核酸配列の高速ペアワイズアライメントのためには、以下のデフォルトパラメータを使用する:ワードサイズ:2;ウィンドウサイズ:4;スコアリング法:パーセンテージ;対角頂の数:4;及びギャップペナルティー:5。核酸配列のマルチプルアライメントのためには、以下のパラメータを使用する:ギャップオープニングペナルティー:10.0;ギャップエクステンションペナルティ:5.0;及び重み移行:イエス。タンパク質配列の高速ペアワイズアライメントのためには、以下のパラメータを使用する:ワードサイズ:1;ウィンドウサイズ:5;スコアリング法:パーセンテージ;対角頂の数:5;ギャップペナルティー:3。タンパク質配列のマルチプルアライメントのためには、以下のパラメータを使用する:重み行列:blosum;ギャップオープニングペナルティー:10.0;ギャップエクステンションペナルティ:0.05;親水性ギャップ:オン;親水性残基:GIy、Pro、Ser、Asn、Asp、Gln、Glu、Arg及びLys;残基特異的ギャップペナルティー:オン。出力は、配列間の関係を反映する配列アライメントである。ClustalW は例えば、World Wide Web上のBaylor college of Medicine Search Launcher ウェブサイト及びEuropean Bioinformatics Institute ウェブサイトで行い得る。
[0040] 機能性相同体検索の場合、クエリー配列として同一機能を有する対象配列を保証するため、クエリー配列の大多数が対象配列によりカバーされるように、アライメントはクエリー配列の長さの少なくとも80%に沿っているべきである。クエリー配列及び対象配列間のパーセント同一性を決定するため、ClustalW は最良アライメント中の同一性の数を比較された残基の数で割り(ギャップ位置は除外する)、そして結果を100倍する。出力はクエリー配列に関する対象配列のパーセント同一性である。パーセント同一性値は小数点第二位を四捨五入し得ることが述べられており、例えば、78.11、78.12、78.13及び78.14は78.1に切り下げられ、一方、78.15、78.16、78.17、78.18及び78.19は78.2に切り上げられる。
[0041] 調節領域:用語「調節領域」は、配列に作動可能なように連結された場合、前記配列の転写開始又は翻訳開始又は転写終結及び前記プロセスの速度、及び/又は転写又は翻訳産物の安定性及び/又は移動度に影響する配列を指す。本明細書で使用される場合、用語「作動可能なように連結された」とは、前記影響を可能にするための、調節領域及び前記配列の位置決めを指す。調節領域には、制限ではなく、プロモーター配列、エンハンサー配列、応答エレメント、タンパク質認識部位、誘導可能エレメント、タンパク質結合配列、5’及び3’非翻訳領域(UTR)、転写開始点、終結配列、ポリアデニル化配列及びイントロンが含まれる。調節領域は、プロモーター及び他の調節領域の2つのカテゴリーに分類し得る。
[0042] 実生活力(seedling vigor):本明細書で使用される場合、用語「実生活力」は、植物特性を指し、それにより植物は土壌からより速く出現し、増加した発芽速度を有し(即ち、より速い発芽)、より速い及びより大きな実生生長を有し、及び/又は類似の条件下、野生型又は対照と比較して低温条件下でより速く発芽する。実生活力はしばしば、「広範囲の野外条件下での正常実生の迅速で、均一な発芽及び発育についての潜在力」を決定する種子特質を含んでなるように定義されてきた。
[0043] ストリンジェンシー:本明細書で使用される「ストリンジェンシー」は、核酸分子プローブ長、核酸分子プローブ組成(G+C含量)、塩濃度、有機溶媒濃度及びハイブリダイゼーション及び/又は洗浄条件の温度の関数である。ストリンジェンシーは典型的には、Tからの温度差の点から、ハイブリダイゼーションアッセイ中の50%の相補的核酸分子がハイブリダイズしている温度である、パラメータTにより測定される。高ストリンジェンシー条件とは、T−5℃〜T−10℃の条件を提供するものである。中間又は中程度のストリンジェンシーとは、T−20℃〜T−29℃を提供する条件である。低ストリンジェンシー条件とは、T−40℃〜T−48℃の条件を提供するものである。ハイブリダイゼーション条件及びT(℃)間の関係は、数式:
(式中、Nは核酸分子プローブのヌクレオチドの数である)
で表される。この式は、標的配列と同一である14〜70ヌクレオチド長のプローブについてよく当てはまる。DNA−DNAハイブリッドのTのための下記の式は50〜500ヌクレオチド以上の範囲の長さを有するプローブについて、及び有機溶媒(ホルムアミド)を含む条件について有用である:
(式中、Lはハイブリッド中のプローブのヌクレオチド数を表す(21))。式IIのTはハイブリッドの性質により影響される:DNA−RNAハイブリッドについて、Tは計算された値より10〜15℃より高く;RNA−RNAハイブリッドについて、Tは20〜25℃より高い。長いプローブを使用した場合、相同性の1%の減少につき、Tは約1℃減少するので(Frischauf et al. (1983) J. Mol Biol, 170: 827-842)、ストリンジェンシー条件は、同一遺伝子又は関連ファミリーメンバーの検出に有利であるように調整し得る。
[0044] 式IIは、反応が平衡であることを仮定して誘導される。それ故、本発明に従ったハイブリダイゼーションは、プローブ過剰の条件下及び平衡を達成するための十分な時間を許容することにより、最も好ましく実施される。平衡に達するまでに必要とされる時間は、例えば、硫酸デキストラン又は別の高容量ポリマーのようなハイブリダイゼーション促進剤を含むハイブリダイゼーション緩衝液を使用することにより短縮し得る。
[0045] ストリンジェンシーは、ハイブリダイゼーション反応の間に、又はハイブリダイゼーションが生じた後に、洗浄溶液の塩及び温度条件を変えることにより制御し得る。上に示した式は、洗浄溶液のストリンジェンシーを計算するために使用する場合、等しく有効である。好ましい洗浄溶液ストリンジェンシーは上に述べられている範囲内であり;高ストリンジェンシーはTの5〜8℃下であり、中間又は中程度のストリンジェンシーはTの26〜29℃下であり、及び低ストリンジェンシーはTの45〜48℃下である。
[0046] :用語「T」は、形質転換培地に接種された全植物、外植片又はカルス組織を指す。
[0047] :用語「T」は、全植物形質転換の場合におけるT植物の子孫、又は外植片又はカルス組織形質転換の場合における再生された実生のいずれかを指す。
[0048] :用語「T」は、T植物の子孫を指す。T子孫はT植物の自家受精又は人工授粉の結果である。
[0049] :用語「T」は、形質転換実験の直接的結果である植物の第二世代子孫を指す。T子孫はT植物の自家受精又は人工授粉の結果である。
3.本発明のポリヌクレオチド及びポリペプチドの重要な特徴
[0050] 本発明の核酸分子及びポリペプチドは、本核酸分子が誤発現された場合(即ち、非天然の位置で又は野生型に対して増加した又は減少した量で発現された場合)、以下に開示される多様な実験の結果により証明されるように、野生型と比較して変調されたバイオマス、成長速度又は実生活力を示す植物を産生するので興味が持たれる。この形質は、植物産物を開発する又は最大限に生かすために使用し得る。例えば、本発明の核酸分子及びポリペプチドは、植物が変調されたバイオマス、成長速度又は実生活力を有するようになる原因の遺伝子の発現を増加させるために使用される。
[0051] 開示された配列及び方法は、栄養生長及び生長速度を増加させるので、開示された方法はバイオマス産生を増強するために使用し得る。例えば、栄養的に生長する植物は、実質的な栄養生長のために遺伝子的に修飾されていない同じ種の植物と比較して、増加したバイオマス産生を有する。バイオマス産生の増加の例には、栄養的に生長していない同じ種の植物によるバイオマス産生の量と比較した場合、少なくとも5%、少なくとも20%又はさらに少なくとも50%の増加が含まれる。
[0052] 本発明のリード36の配列及びその機能性相同体は特に、果実収量及びエーカー当たりの収量を含む増強された収量、幾分早期の成熟、及びより短い茎を有するより小型の丈(20%、30%、40%又は60%、より小型)を有するが、比例してバイオマスが減少しない、形質転換された植物を提供する。トマトにおいて、このことは、より小型の植物上に増加した果実収量を有する植物を生じる。コメにおいて、このことは、分げつ枝の数が増加した植物を生じる。本発明のリード29の配列及びその機能性相同体は特に、果実収量及びエーカー当たりの収量を含む増強された収量、幾分早期の成熟、及びより短い茎を有するより小型の丈(20%、30%、40%又は60%、より小型)を有する、形質転換された植物を提供する。トマトにおいて、このことは、より小型の植物上に増加した果実収量を有する植物を生じる。コメにおいて、このことは、分げつ枝の数が増加した植物を生じる。本発明のリード15及び28の配列及びその機能性相同体は特に、果実収量及びエーカー当たりの収量を含む増強された収量を有する、形質転換された植物を提供する。トマトにおいて、このことは、より小型の植物上に増加した果実収量を有する植物を生じる。コメにおいて、このことは、分げつ枝の数が増加した植物を生じる。
[0053] 開花植物のライフサイクルは一般に3つの成長期に分割し得る:栄養、開花及び花(floral)(後期開花期)。栄養期において、茎頂頂端***組織(SAM)は葉を発生し、それは後に、稔性子孫を生み出すために必要な供給源を保証するであろう。適切な環境及び発生のシグナル受け取ったら、植物は花(又は生殖)生長へスイッチを切り替え、SAMは開花期(I)に入り、花原基による開花を生じる。この段階の間、SAM及び葉腋中に生じた二次茎頂の運命は、成長点アイデンティティー遺伝子の組により決定され、花の成長点の発生をあるものは妨げ、及びあるものは促進する。確立されたら、植物は後期開花期に入り(Xu et al. (1995) Plant Mol. Biol. 27:237)、花器官が生み出される。もし、植物が花(又は生殖)生長へスイッチを切り替える適切な環境及び発生のシグナルが中断されたら、植物は生殖生長へ入ることができないであろうし、それ故、栄養生長を維持している。
[0054] 種子又は実生の活力は、作物のような植物の良好な生長に非常に影響することができる重要な特性である。乾燥、湿気、低温又は高温条件などのような有害な環境条件は、植物生長サイクル、及び種子の活力に影響し得る(即ち、こうした条件下での生存力及び強度が、作物生長がうまくいくか又は失敗するかの違いをだす)。実生活力はしばしば、「広範囲の野外条件下での正常実生の迅速で、均一な発芽及び発育についての潜在力」を決定する種子特質を含んでなるように定義されてきた。それゆえ、増加した活力を有する植物種子を発生させることが有利であろう。
[0055] 例えば、増加した実生活力は、コメ、トウモロコシ、コムギその他のような穀物植物に有利であろう。これらの作物については、生長が種まき時期間の低環境温度によりしばしば遅延又は停止させられる。加えて、コメの迅速な出芽及び分げつは、栽培者がより早期に湛水潅漑を開始することを可能にし、それは水を節約し及び弱い生長を抑制することが可能である。コメの増加した種子活力及び/又は耐寒性に関連する遺伝子は、それ故、改良されたコメ品種を生み出すために求められてきた。例えば、Pinson, S., "Molecular Mapping of Seedling Vigor QTLs in Tropical Rice"、 USDA Agricultural Research Service, December 16, 2000 、を参照されたい。
[0056] 実生活力は異なった試験及びアッセイで測定されてきており、最も典型的には、耐寒試験及び促進された老化試験が含まれる。
[0057] 本発明のヌクレオチド配列のいくつかは、ベーシック・ヘリックス・ループ(bHCH)転写因子をコードする。転写因子はしばしば、経路における複数の遺伝子の発現を制御することが知られている。ベーシック/ヘリックス・ループ・ヘリックス(BHLH)タンパク質は、特異的DNA標的部位に二量体として結合する転写因子のサブファミリーである。bHLH転写因子は非植物真核生物においてよく特徴付けされており、多様な生物学的プロセスにおける重要な調節因子として同定されている。細胞増殖の制御を含む、動物中のこれらのタンパク質についての多くの異なった機能が同定されており、転写はしばしばホモ又はヘテロ二量体化を含む。植物転写因子のR/Bベーシック・ヘリックス・ループ・ヘリックス(bHLH)ファミリーのメンバーは、種々の生長及び分化プロセスに含まれている。
[0058] ベーシック・ヘリックス・ループ・ヘリックス(bHLH)は、転写因子のファミリーを特徴付けるタンパク質構造モチーフである。本モチーフはループにより結びつけられている二つのαへリックスにより特徴付けられる。このタイプの転写因子は典型的には二量体であり、各々が、DNA結合を容易にする塩基性アミノ酸残基を含有する一つのへリックスを有する。一つのへリックスは典型的にはより小さく、及びループの融通性により、別のへリックスに対する折り畳み及び詰め込みによる二量化が可能である。より大きなへリックスは典型的にはDNA結合領域を含有する。bHLHタンパク質は典型的には、E−ボックス、CANNTG、と呼ばれる共通配列に結合する。基準のE−ボックスはCACGTGであるが、しかしながら、いくつかのbHLH転写因子は、しばしばE−ボックスと類似している異なった配列に結合する。bHLH転写因子は、発生又は細胞活性にしばしば重要である。
4.本発明のポリヌクレオチド/ポリペプチド
[0059] 本発明のポリヌクレオチド及びこれらのポリヌクレオチドの発現を介して発現されたタンパク質は、配列表に示されている、具体的には、配列番号80、81、90、91、92、93、98、99、109、110、103及び104。配列表は、機能性に匹敵するタンパク質からも構成される。共通配列内の又はその一つにより定義された配列を含んでなるポリペプチドは、本発明の目的、即ち、変調されたバイオマス、生長速度及び/又は実生活力を有するトランスジェニック植物を作製するために利用することが可能である。
5.トランスジェニック植物を作製するための該ポリペプチドの使用
[0060] 本発明の配列又はそれらの組み合わせ、又はそれらの一部及び/又は突然変異体(mutant)及び/又は融合体及び/又は変異体(variant)を使用するため、植物細胞の形質転換に適しているベクター内に挿入された本発明のポリヌクレオチド配列を含んでなる、組換えDNA構築物を調製する。該構築物は標準組換えDNA技術を使用して作製することが可能であり(Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989, New York、を参照されたい)、例えば、アグロバクテリウム仲介形質転換により、又は、例えば以下に開示した形質転換の他の手段により、目的の植物種内に導入し得る。
[0061] ベクター主鎖は、プラスミド、ウイルス、人工染色体、BAC、YAC、PAC及び、例えば、細菌−酵母シャトルベクター、ラムダファージベクター、T−DNA融合ベクター及びプラスミドベクターのようなベクター、のような当該技術分野で典型的に使用されるもののいずれかであることができる(Shizuya et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89: 8794-8797; Hamilton et al. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93: 9975-9979; Burke et al. (1987) Science, 236:806-812; Sternberg N. et al. (1990) Proc Natl Acad Sci. USA, 87:103-7; Bradshaw et al. (1995) Nucl Acids Res, 23: 4850-4856; Frischauf et al. (1983) J Mol Biol, 170: 827-842; Huynh et al., Glover NM (ed) DNA Cloning: A practical Approach, Vol.1 Oxford: IRL Press (1985); Walden et al. (1990) Mol Cell Biol 1: 175-194 を参照されたい)。
[0062] 典型的には、該構築物は本発明の核酸分子とともに、例えば、プロモーター、UTR及び3’終結配列のような、いずれかの望まれる転写及び/又は翻訳調節配列を含有するベクターを含んでなる。ベクターは、例えば、複製開始点、足場付着領域(SAR)、マーカー、相同配列及びイントロンも含むことができる。該ベクターは、植物細胞に選択可能表現型を与えるマーカー遺伝子も含むことができる。該マーカーは、好ましくは、殺生物剤抵抗形質、特に、例えば、カナマイシン、ブレオマイシン又はハイグロマイシンに対する抵抗性のような抗生物質耐性、例えば、グリフォセート、クロロスルフロン又はホスフィノトリシンに対する抵抗性のような除草剤抵抗性をコードすることができる。
[0063] 一つより多い調節領域が組換えポリヌクレオチド中に存在することができることが理解されるであろう;例えば、イントロン、エンハンサー、上流活性化領域、転写ターミネーター及び誘導可能エレメント。それ故、一つより多い調節領域は前記配列に作動可能なように連結し得る。
[0064] プロモーター配列を配列に「作動可能なように連結する」には、前記配列の翻訳読み取り枠の翻訳開始部位は、典型的には、プロモーターの下流1〜約50ヌクレオチドの間に位置されている。しかしながら、プロモーターは翻訳開始部位の約5,000ヌクレオチドほどの上流、又は転写開始部位の約2,000ヌクレオチド上流に位置することが可能である。プロモーターは、典型的には、少なくとも一つのコア(基本)プロモーターを含んでなる。プロモーターは、エンハンサー配列、上流エレメント又は上流活性化領域(UAR)のような少なくとも一つの制御エレメントを含むこともできる。例えば、適したエンハンサーは、オクトピンシンターゼ(ocs)遺伝子の上流領域からのシス調節エレメント(−212〜−154)である。Fromm et al., The Plant Cell 1:977-984(1989)。
[0065] 基本プロモーターは、転写開始に必要とされる転写複合体の組立に必須の最小配列である。基本プロモーターは頻繁に、転写開始の部位から上流の約15〜約35ヌクレオチド間に位置することができる「TATAボックス」エレメントを含む。基本プロモーターは、転写開始部位から上流の約40〜約200ヌクレオチド、典型的には約60〜約120ヌクレオチド間に位置することが可能な「CCAATボックス」エレメント(典型的には配列CCAAT)及び/又はGGGCG配列も含むことができる。
[0066] 含まれるべきプロモーターの選択は、いくつかの因子に依存しており、限定されるわけではないが、効率、選択可能性、誘発可能性、望まれる発現レベル及び細胞又は組織優先的発現が含まれる。配列に関連してプロモーター及び他の調節領域を適切に選択すること及び位置付けすることにより前記配列の発現を変調することは、当業者には日常的なことである。
[0067] いくつかの適したプロモーターは、特定の細胞タイプにおいてのみ(又は優先して)転写を開始する。例えば、生殖組織(例えば、果実、胚珠、花粉、雌しべ、雌性配偶体、卵細胞、中心細胞、珠心、胚柄、助細胞、花、胚組織、胚嚢、胚、接合体、胚乳、外皮又は種皮)中で優勢に活性であるプロモーターを使用し得る。それ故、本明細書で使用される場合、細胞タイプ又は組織優勢プロモーターとは、標的組織中で優勢に発現を誘導するが、同様に他の細胞タイプ又は組織においてもいくらかの発現を導いてもよいものである。植物ゲノムDNAのプロモーター領域を同定する及び特徴付けるための方法には、例えば、以下の参照文献に記載されている方法が含まれる:Jordano、 et al., Plant Cell, 1:855-866(1989); Bustos, et al., Plant Cell, 1:839-854(1989); Green, et al., EMBO J. 7, 4035-4044(1988); Meier, et al., Plant Cell, 3, 309-316(1991); 及び Zhang, et al., Plant Physiology 110: 1069-1079(1996) 。
[0068] 多様なクラスのプロモーターの例が以下に記載されている。以下に示したプロモーターのいくつかは、米国特許出願番号60/505,689; 60/518,075; 60/544,771; 60/558,869; 60/583,691; 60/619,181; 60/637,140; 10/950,321; 10/957,569; 11/058,689; 11/172,703; 11/208,308; 及びPCT/US05/23639 により詳細に記載されている。プロモーターは、一つの植物種におけるその活性に基づいた一つの分類の基準に合致するのみでなく、別の植物種におけるその活性に基づいた異なった分類の基準にも合致できることが理解されるであろう。
[0069] 他の調節領域:5’非翻訳領域(UTR)を本明細書に記載した核酸構築物に含ませ得る。5’UTRは転写されるが翻訳はされず、転写体の開始部位と翻訳開始コドンの間に置かれ、+1ヌクレオチドを含んでいてもよい。3’UTRは翻訳終結コドンと転写体の末端の間に位置することが可能である。UTRは、mRNA安定性を増加させること及び翻訳を減弱することのような特定の機能を有し得る。3’UTRの例には、限定されるわけではないが、ポリアデニル化シグナル及び転写終結配列、例えば、ノパリンシンターゼ終結配列が含まれる。
[0070] 多様なプロモーターを本発明の遺伝子の発現を誘発するために使用し得る。こうしたプロモーターのヌクレオチド配列は、配列番号1〜79に示されている。これらのいくつかは広範囲に発現するプロモーターであり得、他はより組織優先的であることができる。
[0071] プロモーターは、それが多くの(しかし全部である必要はない)植物組織又は植物細胞において転写を促進する場合、「広範囲に発現する」と言われる。例えば、広範囲に発現するプロモーターは一つ又はそれより多くの茎頂、茎頂(頂部)、及び葉において作動可能なように連結された配列の転写を促進し得るが、根又は茎のような組織においては弱くしか又は全く促進しない。別の例として、広範囲に発現するプロモーターは一つ又はそれより多くの茎、茎頂、茎頂(頂部)及び葉において作動可能なように連結された配列の転写を促進し得るが、花の生殖組織及び発生している種子のような組織においては転写を弱くしか又は全く促進しない。本明細書で提供される核酸構築物中に含ませ得る広範囲に発現するプロモーターの非制限的な例には、p326(配列番号:76)、YP0144(配列番号:55)、YP0190(配列番号:59)、pl3879(配列番号:75)、YP0050(配列番号:35)、p32449(配列番号:77)、21876(配列番号:1)、YP0158(配列番号:57)、YP0214(配列番号:61)、YP0380(配列番号:70)、PT0848(配列番号:26)及びPT0633(配列番号:7)が含まれる。追加の例には、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35Sプロモーター、マンノピンシンターゼ(MAS)プロモーター、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのT−DNAに由来する1’又は2’プロモーター、ゴマノハグサモザイクウイルス34Sプロモーター、コメアクチンプロモーターのようなアクチンプロモーター、及びトウモロコシユビキチン−1プロモーターのようなユビキチンプロモーターが含まれる。場合によっては、CaMV35Sプロモーターは広範囲に発現するプロモーターのカテゴリーから除外される。
[0072] 根活性プロモーターは、根組織、例えば、根の内皮、根表皮又は根脈管組織において転写を駆動する。いくつかの態様において、根活性プロモーターは根優先的プロモーターであり、即ち、根組織においてのみ又は優先的に転写を駆動する。根優先的プロモーターには、YP0128(配列番号:52)、YP0275(配列番号:63)、PT0625(配列番号:6)、PT0660(配列番号:9)、PT0683(配列番号:14)及びPT0758(配列番号:22)が含まれる。他の根優先的プロモーターには、主として根組織において、そして胚珠及び/又は種子においてより少ない程度で転写を駆動する、PT0613(配列番号:5)、PT0672(配列番号:11)、PT0688(配列番号:15)及びPT0837(配列番号:24)が含まれる。根優先的プロモーターの他の例には、CaMV35Sプロモーターの根特異的サブドメイン(Lam et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:7890- 7894(1989) )、Conkling et al., Plant Physiol. 93:1203-1211 (1990) により報告された根細胞特異的プロモーター、及びタバコRD2遺伝子プロモーターが含まれる。
[0073] いくつかの態様において、成熟胚乳中で転写を駆動するプロモーターが有用であり得る。成熟胚乳プロモーターからの転写は、典型的には、受精後に始まり、種子発生の間に胚乳中で主として起こり、典型的には、細胞膜形成期の間が最も高い。最も適しているのは、成熟胚乳で主として活性であるプロモーターであるが、他の組織でも活性であるプロモーターも時には使用し得る。本明細書で提供される核酸構築物に含ませ得る成熟胚乳プロモーターの非制限的な例には、ナピンプロモーター、アルセリン−5プロモーター、ファゼオリン遺伝子プロモーター(Bustos et al.(1989) Plant Cell 1(9):839-853)、ダイズトリプシンインヒビタープロモーター(Riggs et al.(1989)Plant Cell 1(6):609-621)、ACPプロモーター(Baerson et al.(1993) Plant Mol Biol, 22(2)255-267)、ステアロイル−ACPデサチュラーゼ遺伝子 (Slocombe et al.(1994) Plant Physiol 104(4): 167-176)、ダイズβ−コングリシニンプロモーターのα’サブユニット(Chen et al. (1986) Proc Natl Acad Sci USA 83:8560-8564)、オレオシンプロモーター(Hong et al.(1997) Plant Mol Biol 34(3):549-555)及び15kDゼインプロモーター、16kDゼインプロモーター、19kDゼインプロモーター、22kDゼインプロモーター及び27kDゼインプロモーターのようなゼインプロモーターが含まれる。コメグルテリン−1遺伝子からのOsgt−1プロモーター(Zheng et al. (1993) Mol. Cell Biol. 13:5829-5842 )、ベータアミラーゼ遺伝子プロモーター及びオオムギホルデイン遺伝子プロモーターも適している。他の成熟胚乳プロモーターには、YP0092(配列番号:38)、PT0676(配列番号:12)及びPT0708(配列番号:17)が含まれる。
[0074] 胚珠壁及び中果皮のような子房組織中での転写を駆動するプロモーターも有用であることができる、例えば、ポロガラクトロニダーゼプロモーター、バナナTRXプロモーター及びメロンアクチンプロモーター。胚珠中で優先的に遺伝子発現を駆動する、他のこうしたプロモーターは、YP0007(配列番号:30)、YP0l11(配列番号:46)、YP0092(配列番号:38)、YP0103(配列番号:43)、YP0028(配列番号:33)、YP0121(配列番号:51)、YP0008(配列番号31)、YP0039(配列番号:34)、YP0115(配列番号:47)、YP0119(配列番号:49)、YP0120(配列番号:50)及びYP0374(配列番号:68)である。
[0075] 本発明のいくつかの他の態様において、胚嚢/早期胚乳プロモーターを、極核及び/又は中心細胞又は極核への前駆体中で、しかし卵細胞又は卵細胞への前駆体中ではなく、目的の配列の転写を駆動するために使用し得る。最も適しているのは、極核又はそれへの前駆体及び/又は中心細胞中でのみ又は主として発現を駆動するプロモーターである。極核から早期胚乳発生へ伸展する転写のパターンが、胚嚢/早期胚乳優先的プロモーターでも観察することが可能であるが、転写は典型的には、細胞膜形成期の間及び後の後期胚乳発生において有意に減少する。接合体又は発育胚における発現は、典型的には、胚嚢/早期胚乳優先的プロモーターでは存在しない。
[0076] 適することができるプロモーターには、以下の遺伝子に由来するものが含まれる:アラビドプシスビビパラス−1(GenBank No. U93215を参照されたい);アラビドプシスatmycl(Urao (1996) Plant Mol. Biol, 32:571-57; Conceicao (1994) Plant, 5:493-505を参照されたい);アラビドプシスFIE(GenBank No. AF129516);アラビドプシスMEA;アラビドプシスFIS2(GenBank No. AF096096);及びFIE1.1(米国特許6,906,244)。適することができる他のプロモーターには、以下の遺伝子に由来するものが含まれる:トウモロコシMAC1(Sheridan (1996) Genetics, 142:1009-1020を参照されたい);トウモロコシCat3(GenBank No. L05934; Abler (1993) Plant Mol. Biol, 22:10131-1038 を参照されたい)。他のプロモーターには、以下のアラビドプシスプロモーターが含まれる:YP0039(配列番号:34)、YP0101(配列番号:41)、YP0102(配列番号:42)、YP0110(配列番号:45)、YP0117(配列番号:48)、YP0119 配列番号:49)、YP0137(配列番号53)、DME、YP0285(配列番号:64)及びYP0212(配列番号:60)。有用であることができる他のプロモーターには以下のコメプロモーターが含まれる:p530cl0、pOsFIE2−2、pOsMEA、pOsYpl02及びpOsYp285。
[0077] 受精に続いて接合体細胞中の転写を優先的に駆動するプロモーターは、胚優先発現を提供することが可能であり、本発明に有用であることができる。最も適しているのは、ハート段階に先だった早期段階胚において転写を優先的に駆動するプロモーターであるが、後期段階及び成熟胚での発現も適している。胚優先プロモーターには、オオムギ脂質輸送タンパク質(Ltp1)プロモーター(Plant Cell Rep(2001)20:647-654 )、YP0097(配列番号:40)、YP0107(配列番号:44)、YP0088(配列番号:37)、YP0143(配列番号:54)、YP0156(配列番号:56)、PT0650(配列番号:8)、PT0695(配列番号:16)、PT0723(配列番号:19)、PT0838(配列番号:25)、PT0879(配列番号:28)及びPT0740(配列番号:20)が含まれる。
[0078] 葉及び茎のような緑色組織での転写を駆動するために光合成組織で活性なプロモーターは、本発明にとって特に興味を持たれる。最も適しているのは、こうした組織でのみ又は主として発現を駆動するプロモーターである。こうしたプロモーターの例には、東部カラマツ(ラリックス・ラリシナ)由来のRbcSプロモーターのようなリブロース−l、5−二リン酸カルボキシラーゼ(RbcS)プロモーター、マツcab6プロモーター(Yamamoto et al. (1994) Plant Cell Physiol. 35:773-778)、コムギ由来のCab−1遺伝子プロモーター(Fejes et al. (1990) Plant Mol. Biol. 15:921-932)、ホウレンソウ由来のCAB−1プロモーター(Lubberstedt et al. (1994) Plant Physiol. 104:997-1006)、コメ由来のcab1Rプロモーター(Luan et al. (1992) Plant Cell 4:971-981)、トウモロコシ由来のピルビン酸オルトリン酸ジキナーゼ(PPDK)プロモーター(Matsuoka et al. (1993) Proc Natl Acad. Sci USA 90:9586-9590)、タバコLhcbl2プロモーター(Cerdan et al. (1997) Plant Mol. Biol. 33:245-255)、シロイヌナズナSUC2スクロース−H共輸送体プロモーター(Truernit et al. (1995) Planta 196:564-570)及びホウレンソウ由来のチラコイド膜タンパク質プロモーター(psaD、psaF、psaE、PC、FNR、atpC、atpD、cab、rbcS)が含まれる。茎、葉及び緑色組織中で転写を駆動する他のプロモーターは、PT0535(配列番号:3)、PT0668(配列番号:2)、PT0886(配列番号:29)、PR0924(配列番号:78)、YP0144(配列番号:55)、YP0380(配列番号:70)及びPT0585(配列番号:4)である。
[0079] 本発明のいくつか他の態様において、誘導可能なプロモーターが望ましくても良い。誘導可能プロモーターは、化学剤又は環境刺激のような外部刺激に応答して転写を駆動する。例えば、誘導可能プロモーターは、ジベレリン酸又はエチレンのようなホルモンに応答して、又は光又は乾燥に応答して転写を授け得る。乾燥誘導可能プロモーターの例は、YP0380(配列番号:70)、PT0848(配列番号:26)、YP0381(配列番号:71)、YP0337(配列番号:66)、YP0337(配列番号:66)、PT0633(配列番号:7)、YP0374(配列番号:68)、PT0710(配列番号:18)、YP0356(配列番号:67)、YP0385(配列番号:73)、YP0396(配列番号:74)、YP0384(配列番号:72)、YP0384(配列番号:72)、PT0688(配列番号15)、YP0286(配列番号:65)、YP0377(配列番号:69)及びPD1367(配列番号:79)である。窒素により誘導されるプロモーターの例は、PT0863(配列番号:27)、PT0829(配列番号:23)、PT0665(配列番号:10)及びPT0886(配列番号:29)である。陰誘導可能プロモーターの例は、PR0924(配列番号:78)である。
[0080] 他のプロモーター:他のクラスのプロモーターには、限定されるわけではないが、葉優先的、茎/茎頂優先的、カルス優先的、PT0678(配列番号:13)のような孔辺細胞優先的、及び老化優先的プロモーターが含まれる。上記参照特許出願に記載されている、YP0086(配列番号:36)、YP0188(配列番号58)、YP0263(配列番号:62)、PT0758(配列番号:22)、PT0743(配列番号:21)、PT0829(配列番号:23)、YP0119(配列番号:49)及びYP0096(配列番号:39)と名付けられたプロモーターも有用であることができる。
[0081] もしくは、誤発現は二成分システムを使用して達成することが可能であり、第一の成分はプロモーターへ作動可能なように連結された転写活性化因子を含んでなるトランスジェニック植物から成り、及び第二の成分は転写活性化因子の標的結合配列/領域に作動可能なように連結された本発明の核酸分子を含んでなるトランスジェニック植物から成っている。該二つのトランスジェニック植物を交配し、そして本発明の核酸分子を該植物の子孫において発現させる。本発明の別の代わりの態様においては、一つのトランスジェニック植物株に形質転換された二成分システムの配列を有させることにより誤発現が達成し得る。
[0082] 別の代替法は、目的の植物種中のバイオマス又は活力変調ポリペプチドの発現を抑制することである。用語「発現」とは、ポリヌクレオチドにコードされた遺伝的情報を、ポリヌクレオチドの転写を介して(即ち、RNAポリメラーゼの酵素的作用を介して)RNAに、及びmRNAの翻訳を介してタンパク質に変換するプロセスを指す。「上方調節」又は「活性化」とは、基礎又は天然の状態と比較して発現生成物の産生を増加させる調節を指し、一方、「下方調節」又は「抑制」とは、基礎又は天然の状態と比較して産生を減少させる調節を指す。
[0083] アンチセンスRNA、リボザイム指示RNA切断及び干渉RNA(RNAi)を含むいくらかの核酸に基づいた方法を、植物においてタンパク質発現を抑制するために使用し得る。アンチセンス技術は一つの公知の方法である。この方法において、外来性遺伝子からの核酸セグメントがクローン化され、RNAのアンチセンス鎖が転写されるようにプロモーターに作動可能なように連結される。組換えベクターは次ぎに、上記のように植物内に形質転換すると、RNAのアンチセンス鎖が産生される。該核酸セグメントは抑制されるべき外来遺伝子の全配列である必要はなく、典型的には、抑制されるべき外来遺伝子の少なくとも一部と実質的に同一であろう。一般に、より短い配列の使用を代償するため、より高い相同性が使用される。典型的には少なくとも30ヌクレオチドの配列が使用される(例えば、少なくとも40、50、80、100、200、500ヌクレオチド又はそれ以上)。
[0084] それ故、例えば、ここに提供された単離された核酸は、バイオマス変調ポリペプチドをコードする前述の核酸の一つに対するアンチセンス核酸であり得る。バイオマス変調ポリペプチドをコードする核酸の転写又は翻訳産物のレベルを減少させる核酸は、バイオマス又は生長速度変調ポリペプチドのコードセンス配列と同様又は同一のアンチセンス核酸内へ転写される。もしくは、単離された核酸の転写産物は、バイオマス又は生長速度変調ポリペプチドのコードセンス配列と同様又は同一であり得るが、ポリアデニル化されずに5’キャップ構造を欠くか、又はスプライス不可能なイントロンを含有するRNAである。
[0085] 別の方法において、核酸はmRNAの発現に影響するリボザイム又は触媒RNA内に転写し得る(米国特許第6、423、885号を参照されたい)。リボザイムは、実質的にいずれの標的RNAとも特異的に対形成し、特異的位置でホスホジエステル主鎖を切断し、それにより標的RNAを機能性に不活性化するように設計し得る。異種核酸は、特定のmRNA転写体を切断し、それ故、ポリペプチドの発現を妨げるように設計されたリボザイムをコードできる。ハンマーヘッドリボザイムが特定のmRNAを破壊するために有用であるが、部位特異的認識配列でmRNAを切断する多様なリボザイムを使用し得る。ハンマーヘッドリボザイムは、標的mRNAと相補的塩基対を形成する隣接領域により指令された位置でmRNAを切断する。ただ一つの要求は、標的RNAが5’−UG−3’ヌクレオチド配列を含んでいることである。ハンマーヘッドリボザイムの構築及び生成は当該技術分野で公知である。例えば、米国特許第5、254、678号及びWO 02/46449 及びそれらに引用された参照文献を参照されたい。インビボでの切断効率を増加させるため、トランスファーRNA(tRNA)のような安定なRNA中にハンマーヘッドリボザイム配列を埋め込むことが可能である。Perriman, et al. (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92(13): 6175-6179; de Feyter and Gaudron, Methods in Molecular Biology, Vol. 74, Chapter 43, "Expressing Ribozymes in Plants", Edited by Turner、 P.C, Humana Press Inc., Totowa, NJ 。Cech 及び共同研究者により記述されているRNAエンドリボヌクレアーゼは、テトラヒメナ・テルモフィラに天然に存在するその一つであり、有用であり得る。例えば、米国特許第4,987,071号を参照されたい。
[0086] RNA干渉(RNAi)に基づいた方法を使用し得る。RNA干渉は細胞機構であり、遺伝子の発現及びウイルスの複製を調節する。この機構は、二本鎖の小さな干渉RNA分子により仲介されると考えられている。二本鎖RNAと同一の配列を有する内在性mRNAを破壊することにより、細胞はこうした二本鎖RNAに応答する。干渉RNAを設計する及び調製する方法は当該技術分野では公知である:例えば、WO99/32619及びWO01/75164を参照されたい。例えば、干渉RNAに転写される配列を含むように、構築物を調製し得る。こうしたRNAは、それ自身でアニール化し得るものであり得る、例えば、ステム−ループ構造を有する二本鎖RNA。二本鎖RNAのステム部分の一つの鎖は、目的のポリペプチドのセンスコード配列と同様又は同一であり、及び約10ヌクレオチド〜約2,500ヌクレオチド長である配列を含んでなる。センスコード配列と同様又は同一である配列の長さは、10ヌクレオチド〜500ヌクレオチド、15ヌクレオチド〜300ヌクレオチド、20ヌクレオチド〜100ヌクレオチド又は25ヌクレオチド〜100ヌクレオチドであり得る。二本鎖RNAのステム部分の他の鎖は、目的のバイオマス変調ポリペプチドのアンチセンス配列を含んでなり、対応するセンス配列の長さより短い、同じ、又はより長い長さを有し得る。二本鎖RNAのループ部分は、10ヌクレオチド〜5,000ヌクレオチド、例えば、15ヌクレオチド〜1,000ヌクレオチド、20ヌクレオチド〜500ヌクレオチド又は25ヌクレオチド〜200ヌクレオチドであり得る。RNAのループ部分はイントロンを含み得る。例えば、WO99/53050 を参照されたい。
[0087] 植物における遺伝子発現の抑制のための、いくつかの核酸に基づいた方法において、適した核酸は核酸類似体である。核酸類似体は、例えば、核酸の安定性、ハイブリダイゼーション又は溶解性を改良するため、塩基部分、糖部分又はリン酸主鎖で修飾することが可能である。塩基部分での修飾には、デオキシチミジンのためのデオキシウリジン、及びデオキシシチジンのための5−メチル−2’−デオキシシチジン及び5−ブロモ−2’−デオキシシチジンが含まれる。糖部分での修飾には、2’−O−メチル又は2’−O−アリル糖を形成するリボース糖の2’ヒドロキシルの修飾が含まれる。デオキシリボースホスフェート主鎖が修飾できて、各塩基部分が6員のモルホリノ環に連結されているモルホリノ核酸、又はデオキシホスフェート主鎖がプソイドペプチド主鎖により置き換えられ及び四つの塩基は保持されているペプチド核酸が生成される。例えば、Summerton and Weller, 1997, Antisense Nucleic Acid Drug Dev., 7:187-195; Hyrup et al., 1996, Bioorgan. Med. Chem., 4: 5-23を参照されたい。加えて、デオキシホスフェート主鎖を、例えば、ホスホロチオエート又はホスホロジチオエート主鎖、ホスホロアミダイト又はアルキルホスホトリエステル主鎖で置き換え得る。
形質転換
[0088] 本発明の核酸分子は、多様な技術により適切な宿主植物のゲノム又は細胞内に導入することができる。広範囲の高等植物種を形質転換することが可能なこれらの技術は公知であり、技術及び科学文献に記載されている(例えば、Weising et al. (1988) Ann. Rev. Genet, 22:421 及び Christou (1995) Euphytica, 85: 13-27を参照されたい)。
[0089] 当該技術分野で公知の多様な技術が、植物宿主細胞内へのDNAの導入に利用可能である。これらの技術には、例えば、インジェクション(Newell (2000))、マイクロインジェクション(Griesbach (1987) Plant Sci. 50:69-77 )、DNAのエレクトロポレーション(Fromm et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 825-824)、PEG(Paszkowski et al. (1984) EMBOJ. 3:2717)、遺伝子銃の使用(Klein et al. (1987) Nature 327:773)、細胞又はプロトプラストの融合(Willmitzer, L. (1993)Transgenic Plants.: Iotechnology, A Multi-Volume Comprehensive treatise (HJ. Rehm, G. Reed, A. Puler, P. Stadler, eds., Vol.2, 627-659, VCH Weinheim-New York-Basel-Cambridge)中)、及びアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Crit. Rev. Plant. Sci. 4:1-46; Fromm et al. (1990) Biotechnology 8:833-844)又はアグロバクテリウム・リゾゲネス(Cho et al. (2000) Planta 210:195-204)又は他の細菌宿主(Brootghaerts et al. (2005) Nature 433:629-633)を使用するT−DNAを介した方法が含まれる。
[0090] 加えて、当業者には公知の多数の不安定形質転換法も本発明には望ましい。こうした方法には、限定されるわけではないが、一過性発現(Lincoln et al. (1998) Plant Mol. Biol. Rep. 16:1-4)及びウイルストランスフェクション(Lacomme et al. (2001), "Genetically Engineered Virus" (C.J.A. Ring and E.D. Blair, Eds). Pp. 59-99, BIOS Scientific Publishers, Ltd. Oxford, UK)が含まれる。
[0091] 種子が形質転換植物から得られ、安定性及び遺伝を試験するために使用される。一般に、2又はそれ以上の世代を栽培し、表現型特色が安定に維持され及び伝達されていることが確認される。
[0092] 当業者は、トランスジェニック植物中に発現カセットが安定的に取り込まれ、及び作動可能であると確認された後、それを***配により他の植物内に導入し得ることを認識している。交配されるべき種に依存して、多数の標準繁殖技術のいずれかを使用し得る。
[0093] 本発明の核酸分子は、改変された開花時期の形質を与えるために使用することができる。
[0094] 本発明の核酸分子は、いずれの生物体からの、しかし好ましくは植物、真菌、細菌又は動物で観察される適切なタンパク質をコードする。
[0095] 本発明に従った方法は、いずれの植物、好ましくは被子植物類及び裸子植物類の綱に関する高等植物に応用し得る。双子葉植物綱及び単子葉植物綱の亜綱の植物が特に適している。例えば、モクレン目、シキミ目、クスノキ目、コショウ目、ウマノスズクサ目、スイレン目、キンポウゲ目、ケシ目、サラセニア目、ヤマグルマ目、マンサク目、トチュウ目、レイトネリア目、ヤマモモ目、ブナ目、モクマオウ目、ナデシコ目、バテス目、タデ目、イソマツ目、ビワモドキ目、ツバキ目、アオイ目、イラクサ目、サガリバナ目、スムレ目、ヤナギ目、フウチョウソウ目、ツツジ目、イワウメ目、カキノキ目、サクラソウ目、バラ目、マメ目、カワゴケソウ目、アリノトウグサ目、フトモモ目、ミズキ目、ヤマモガシ目、ビャクダン目、ラフレシア目、ニシキギ目、トウダイグサ目、クロウメモドキ目、ムクロジ目、クルミ目、フウロソウ目、ヒメハギ目、セリ目、リンドウ目、ハナシノブ目、シソ目、オオバコ目、ゴマノハグサ目、キキョウ目、アカネ目、マツムシソウ目及びキク目の目に属している双子葉植物も適している。オモダカ目、トチカガミ目、イバラモ目、ホンゴウソウ目、ツユクサ目、ホシクサ目、サンアソウ目、イネ目、イグサ目、カヤツリグサ目、ガマ目、パイナップル目、ショウガ目、ヤシ目、パナマソウ目、タコノキ目、サトイモ目、ユリ目 及びラン目の目に属している単子葉植物も本発明の態様において有用である。限定されるわけではないが、さらなる例に含まれる裸子植物の綱に属する植物は、マツ目、イチョウ目、ソテツ目及びグネツム目である。
[0096] 本発明の方法は、好ましくは、農業、園芸、生物転換のためのバイオマス及び/又は林業で重要である又は興味が持たれる植物で使用される。非制限的な例には、タバコ、アブラナ、サトウダイコン、ジャガイモ、トマト、キュウリ、コショウ、豆、エンドウマメ、柑橘類、アボカド、モモ、リンゴ、セイヨウナシ、ベリー、プラム、メロン、ナス、綿、ダイズ、ヒマワリ、バラ、ポインセチア、ペチュニア、グアユールゴム、キャベツ、ホウレンソウ、アルファルファ、チョウセンアザミ、サトウキビ、ミモザ、セルビシエ・レスペデラ、トウモロコシ、コムギ、コメ、ライムギ、オオムギ、ソルガム及びスイッチグラスのようなクサ、ジャイアントリード、ギョウギシバ、セイバンモロコシ又はシバクサ、キビ、アサ、バナナ、ポプラ、ユーカリ木及び針葉樹が含まれる。興味があるのは、アルファルファ、アサ、キクイモのような広葉植物、及びモロコシ、スイッチグラス、セイバンモロコシなどのようなクサ、のようなエネルギー生産のために生育された植物、いわゆるエネルギー作物である。
本発明に包含される相同体
[0097] 配列中の一つ又はそれより多くのアミノ酸が他のアミノ酸(単数又は複数)で置き換え得ることは当該技術分野では公知であり、その電荷及び極性は置換されたアミノ酸のものと類似しており、生物学的/機能性にサイレントな変化を生じる。ポリペプチド配列内のアミノ酸についての保存的置換は、アミノ酸が属するクラスの他のメンバーから選択し得る。アミノ酸は以下の4群に分割し得る:(1)アスパラギン酸及びグルタミン酸のような酸性(陰性荷電)アミノ酸;(2)アルギニン、ヒスチジン及びリジンのような塩基性(陽性荷電)アミノ酸;(3)セリン、スレオニン、チロシン、アスパラギン及びグルタミンのような中性極性アミノ酸;及び(4)グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、システイン及びメチオニンのような中性非極性(疎水性)アミノ酸。
[0098] 本発明の核酸分子は、異なった核酸配列が一つ又はそれより多くの保存的アミノ酸変化を有するタンパク質をコードするという事実のため、リード15、28、29、36、ME04012及びクローン691319、それぞれ、配列番号80、90、92、98、109及び103から成る群から選択されるタンパク質又はそれらの断片をコードする配列とは異なった配列を含んでなることが可能である。
[0099] 本発明のポリペプチド又はそれらの断片の生物学的機能性均等物は、約10又はそれより少ない保存的アミノ酸変化、より好ましくは約7又はそれより少ない保存的アミノ酸変化、最も好ましくは約5又はそれより少ない保存的アミノ酸変化を有し得る。本発明の好ましい態様において、該ポリペプチドは約5〜約500の間の保存的変化、より好ましくは約10〜約300の間の保存的変化、さらにより好ましくは約25〜約150の間の保存的変化、及び最も好ましくは約5〜約25の間の保存的変化又は1〜約5間の保存的変化を有する。
有用な核酸分子及びそれらに対応するヌクレオチド配列の同定
[00100] 本発明の核酸分子及びそれらのヌクレオチド配列は、改変されたサイズ、栄養生長、生長速度、器官数、植物アーキテクチャ及び/又はバイオマスを有する植物を提供するヌクレオチド配列を予測する多様なスクリーニングの使用により同定された。以下の選別の一つ又はそれより多くが、それ故、本発明のヌクレオチド(及びアミノ酸)配列を同定するために利用された。
[00101] 本発明はさらに以下の実施例によりさらに例示される。実施例はいかようにも本出願の範囲及びその使用を制限することを意図していない。
6.本発明のポリヌクレオチド及びポリペプチドの有用性を確認する実験
一般的プロトコル
アラビドプシスのアグロバクテリウム仲介形質転換
[00102] 野生型シロイヌナズナWassilewskija(WS)植物を、35Sプロモーターに関してセンス配向でクローンを含有するTiプラスミドで形質転換した。これらの構築物に有用なTiプラスミドベクター、CRS338は、形質転換植物に除草剤抵抗性を与えるCeres構築植物選択可能マーカー遺伝子ホスフィノトリシン アセチルトランスフェラーゼ(PAT)を含有する。
[00103] 典型的には10の独立に形質転換した事象を選択し、T世代におけるその定性的表現型について評価した。
[00104] 土壌混合物の調製:24LのSunshineMix #5 土壌(Sun Gro Horticulture, Ltd., Bellevue, WA)と16LのTherm-O-Rockバーミキュライト(Therm-O-Rock West, Inc., Chandler, AZ)をセメントミキサー中で混合して60:40土壌混合物を作製する。該混合物に、2TbspのMarathon 1%顆粒(Hummert, Earth City, MO)、3TbspのOSMOCOTE(登録商標) 14-14-14(Hummert, Earth City, MO)及び1TbspのPeters 肥料20-20-20(J.R. Peters, Inc., Allentown, PA)を加えるが、これらは最初に3ガロンの水に加えてあり、次ぎに土壌に加えて十分に混合する。一般に、4インチの直径のポットを土壌混合物で満たした。ポットは次ぎに、8インチ正方形のナイロンネットで被覆する。
[00105] 植え付け:60mLシリンジを使用し、35mLの種子混合物を吸引し、各ポットに25滴を加える。透明な繁殖ドームをポットの上に置き、それは次ぎに55%のブラインドクロス下に置かれ、そして1インチの水を加えることにより地下潅漑をする。
[00106] 植物管理:植え付け3〜4日後、ふた及びブラインドクロスを除く。植物に必要なだけ水を与える。7〜10日後、鉗子を使用してポットを間引きし、ポット当たり20の植物とする。2週間後、水1ガロン当たり1Tspの割合のPeters 肥料で、すべての植物を地下潅漑する。花軸(blot)が約5〜10cm長になった時、第一結節と茎の基部間を剪定し、第二の花軸を誘導する。剪定6〜7日後に液浸浸潤を行った。
[00107] アグロバクテリウムの調製:150mLの新鮮なYEBに、カルベニシリン、スペクチノマイシン及びリファンピシン(各々、100mg/mlの保存濃度)をそれぞれ0.1mL加える。アグロバクテリウム スターターブロックが得られ(およそ1.0のOD600に増殖したアグロバクテリウム培養物を含む96ウェルブロック)、スターターブロック中の適したウェルから1mLを移すことにより、構築物当たり一つの培養容器を接種する。培養物は次ぎに振盪させながら27℃でインキュベートする。およそ1.0のOD600に達した後(約24時間)、培養物を回転沈下させる。200mLの浸潤培地を加えてアグロバクテリウムペレットを再懸濁する。浸潤培地は、900mLの水に2.2gのMS塩、50gのスクロース及び5μlの2mg/mlベンジルアミノプリンを加えることにより調製される。
[00108] 液浸浸潤:植物の空中部分がアグロバクテリウム懸濁液に浸るように、ポットを逆さにし、5分間水中に沈める。植物は通常通りに生長させ、種子を集める。
[00109] 誤発現変異体の高スループット表現型スクリーニング:ポット中の水飽和土壌内に種子を均等に分散し、暗い4℃冷却器内に2晩置いて均一な発芽を促進する。次ぎにポットを冷却器から取り出し、55%ブラインドクロスで4〜5日間覆う。この段階で子葉が十分に広がる。FINALE(登録商標)(Sanofi Aventis, Paris, France)を植物の上にスプレーし(3mlのFINALE(登録商標)を48oz.の水に希釈)、形質転換体のみが残るまで3〜4日ごとに繰り返す。
[00110] スクリーニング:スクリーニングは4つの段階(実生、ロゼット、開花及び老化)で日常的に行った。
実生−子葉が出現した後、しかし第3葉が形成され始める前の時期。
ロゼット−第3葉の出芽から、主要花軸が伸張し始める直前までの時期。
開花−主要花軸の出芽から老化の開始までの時期(開花時期自身に注目することを除いて、ほとんどの観察はおよそ50%の花が開いた段階で行うべきである)。
老化−老化開始後の時期(「遅延された老化」を除いて、ほとんどの観察は、植物が完全に乾燥した後に行うべきである)。次ぎに種を採取する。
[00111] 選別:増加したサイズ、栄養生長及び/又はバイオマスについてのスクリーニングは測定することにより実行され、特にT測定は以下のように行った:
とう立ち日数=種子の播種から第一の花序の出芽間の日数
とう立ちでのロゼット葉の数=第一の花序の出芽時に存在するロゼット葉の数
ロゼット面積=式((LxW)3.14)/4を使用する、最初の花序出芽時のロゼットの面積
高さ=基部から頂部までの最も長い花序の長さ。この測定は開花の終了/老化の開始時に行われた。
一次花序厚=基部から2.5cmでの一次花序の直径。この測定は開花の終了/老化の開始時に行われた。
花序数=特有の花序の総数。この測定は開花の終了/老化の開始時に行われた。
[00112] 一つの無作為に選択されたT植物中のcDNAを増幅するためにPCRを使用した。このPCR産物を次ぎに配列決定し、植物中の配列を確認した。
結果
[00113] 目的の遺伝子で形質転換された植物は、変調された生長及び表現型特性について上記のように選別した。観察には、全植物ならびに根及び葉のような植物の一部に関するものが含まれる。各ポリヌクレオチド配列での形質転換体についての観察は、各試験されたヌクレオチド配列及び対応するコードされたポリペプチドについての配列表に記述されている。変調された特性(即ち、観察された表現型)は、各配列の「諸特性」分野の項目に記述されている。各関連配列の配列表中に記述されている「表現型」は、観察に基づいた配列の有用性の記述をさらに含んでいる。
[00114] 多様な形質転換体について行われた観察は、観察のための関連する植物組織及びその形質転換体を作製するために使用されたヌクレオチド配列/ポリペプチドの結果としての実用性/有用性に依存して分類し得る。表1は配列表中の簡単な記述と、各形質転換体についての記述された観察(「説明」欄)、観察した組織、形質転換体に付随する表現型、及び挿入されたヌクレオチド配列及びコードするポリペプチドの結果としての実用性/有用性(「解釈」欄)を相互関連付けしている。
[00115] 本発明のポリヌクレオチド/ポリペプチドにいくつかについて、配列表は、重要な同定された優性遺伝子(単数又は複数)及び公的に入手可能なpfamデータベースとの比較により同定されたドメインの対応する機能についての示唆をさらに含んでいる(「諸特性」部分)。
[00116] 表1及び配列表に報告されている結果から:
a.変調した植物サイズ、増加及び減少した高さ又は長さを含んで;
b.変調した植物生長(増加又は減少);
c.変調した器官数;
d.増加したバイオマス;
e.不稔性;
f.実生死亡率;
g.促進された作物発育又は収穫;
h.促進された開花時期;
i.遅延された開花時期;
j.遅延された老化;
k.増強された乾燥又はストレス耐性;
1.増加したクロロフィル及び光合成能力;
m.増加したアントシアニン含量;
n.増加した根の生長及び増加した栄養摂取;
o.増加した又は減少した種子重量又はサイズ、増加した種子炭素又は窒素含量;
p.修飾された(増加したを含む)種子/果実収量又は修飾された果実含量;
q.増強された葉;
r.植物中で栄養補助食品/医薬品を作製することについての有用性;
s.植物死亡率;
t.増加した吸収率を提供するための、減少した種子繊維含量;
u.修飾された葉、花、色又は枝葉による修飾された装飾的外観;
v.植物における修飾された不稔性;
w.日陰で生長する増強された能力;
x.増強された生物的ストレス耐性;
y.密度及び低肥料に対する増加した耐性;
z.高又は低pH、低又は高窒素又はリン酸に対する増加した耐性;
aa.酸化的ストレスに対する増加した耐性;
bb.増強された化学組成;
cc.改変された葉形状;
dd.増強された非生物的ストレス耐性;
ee.低温ストレスに対する増加した耐性;
ff.増加したデンプン含有量;
gg.減少した種子数又は無種子;
hh.増強された植物強度;
ii.修飾された花の長さ;
jj.より長い花序;
kk.修飾された種子繊維含量;
ll.修飾された果実形状;
mm.修飾された果実組成;
nn.修飾された種子収量;
oo.修飾された植物構造、分枝の修飾された量又は角度、修飾されたは構造;及び
pp.増強された日陰忌避;
を含む、修飾された生長及び表現型特性を有する植物を作製するために、本発明のヌクレオチド/ポリペプチドが、それぞれ個々の配列に依存して有用であることが見てとれる。
実施例1:リード28−ME04701−クローン1952−cDNA13499809(配列番号:90)
植物の定性分析
10事象のすべてが、対照より多い葉及びより多い花序を有するロゼットを生成した。該植物は対照よりもわずかに小さかった(表1−1)。トランスジェニック「対照」は異なった35S::cDNAを発現している植物の組であったが、形質転換されていないWS野生型とは区別不能であった。表現型をスコアリングするこの方法は、我々の大規模表現型分類プロジェクトに典型的なものである。
植物の定量分析
事象ME04701−08及びME04701−09をT世代においてより詳細に評価した。これら二つの事象は、それらが最も有利な表現型を有しているので選択された。18の個体の種を蒔き、両方の事象について観察した。トランスジェニック植物は、0.05の統計的有意差レベルまで増加した花序数を示した(表1−2)。T植物は、T植物とは異なって、対照よりも有意に多い葉を有していなかった。ME04701−08は対照よりもわずかに遅い開花であった。ME04701−09は対照よりも有意に大きなロゼットを有していた。ME04701−08及びME04701−09として表に示されたすべての植物は、目的の表現型を示す、Tの分離子孫であった。−08又は−09対照として表に示されたすべての植物は、該表現型を示さず、及び導入遺伝子を含有していないT分離子孫であった(内部対照;表1−2)。
試験下での植物の分離頻度は、カイ二乗検定により計算されたように、各事象は単一の挿入物を含んでいることを示唆している(表1−2及びデータは示されていない)。
二つの事象についての花序数の増加は、このcDNAを発現させるために35Sプロモーターが使用された場合よりもかなり少なかった(データは示されていない)。この証拠はさらに、遺伝子産物の発現/用量の程度が観察された表現型の強度に強く関係するという我々の仮説を支持している。異なった発現パターンを有するプロモーターを使用することにより、以前に観察された35S表現型の陽性表現型を維持し、一方、以前に観察された不稔の負の側面を除去することが可能であった。もちろん、トレードオフは陽性表現型を減少させるけれども、それを有意に維持している。
リード まとめ/考察
●適切なプロモーターによるリード28/cDNA13499809の過剰発現は、花序数の増加を生じた。これはグリシンに富むタンパク質(GRP)であるので、細胞拡張又は接着、細胞平面の異なった位置取り及び/又は花序開始のための異なった機会に影響する細胞壁構造に対する効果の可能性がある。この遺伝子と、植物生長及び発生に影響するAP2と共に未知のタンパク質をコードする遺伝子を組み合わせるのは興味深いことである。
●このポリヌクレオチド/タンパク質は、全体の植物形態学を乱すことなく成長点の細胞分割の数/速度を制御するために特に有用なものであり得る。それは適切なプロモーターにより作物中に発現させることができ、多くの個々の器官のサイズ及び生長を調節する。
●増加した栄養バイオマスは改良されたソース:シンク比及び改良されたスクロース及びデンプンへの炭素の固定を与えることが可能であり、改良された収量に導く。
●より多い花序はより多い花そしてそれ故により多い種子のための機会を与える。改良されたバイオマス及び花序数の組み合わせは、収量の有意な改良を与え得る。
トマト野外試験結果
クローン1952を、プラスミドp326の制御下、トマト内に形質転換した。4つの独立したトランスジェニック事象を野外試験のために選択した。結果は下記の 表1−3に示されている。平均で、総植物重量、果実重量及び植物当たりのパーセント赤色果実の増加があった。事象4は成績の改良を示さなかった。もし、事象4を解析で考慮しなかったら、平均植物重量、果実重量及びパーセント赤色果実の平均は各々対照のおよそ115%に増加した。
実施例2:リード29−ME04717−クローン123905−cDNA12562634(配列番号:92)
●326Dプロモーターの制御下のCeres cDNA12562634の異所性発現は:
○増加した花序数
○開花後のロゼット葉開始の継続により全体で増加した葉数を発生する
を含むいくらかの表現型を誘導する。
●Ceres cDNA12562634の誤発現は分枝及び花序数を増加させるために有用であり得る。このことは種子数に有意な影響を有し得る。
植物の定性分析
326Dプロモーターを使用し、10事象の内の9が、対照より多い葉及びより多い花序を有するロゼットを生成した(表1)。9事象の一つは稔性不良も有しており、35S::cDNA12562634を使用して見られたものとよく似ていた。トランスジェニック「対照」は異なった35S::cDNA構築物を発現している植物の組であったが、形質転換されていないWS野生型とは区別不能であった。表現型をスコアリングするこの方法は、我々の大規模表現型分類プロジェクトに典型的なものである。
植物の定量分析
事象ME04717−03及びME04717−05をT世代においてより詳細に評価した。18の個体の種を蒔き、両方の事象について観察した。トランスジェニック植物は、0.05の統計的有意性レベルまで増加した花序数を示した。ME04717−03は対照よりも有意に大きなロゼットを有していた。ME04717−03及びME04717−05として表2−2に示されたすべての植物は、目的の表現型を示す、Tの分離子孫であった。−03又は−05対照として表2−2に示されたすべての植物は、該表現型を示さず、及び導入遺伝子を含有していないT分離子孫であった(内部対照;表2−2)。
試験下での植物の分離頻度は、カイ二乗検定により計算されたように、各事象は単一の挿入物を含んでいることを示唆している(データは示されていない)。
以下に述べた事象についての花序数の増加は、35S::cDNA12532634事象で観察された増加よりも少なかったことに注目すべきである(データは示されていない)。他のp326D::cDNA12532634 T事象(この報告では示されていない)は、多挿入物を含んでいた。これら多挿入物含有事象のT子孫のいくつかは、35S::cDNA12532634事象のT子孫と同様に、いくつかの負の効果(稔性不良及び矮小)を示した。この証拠はさらに、遺伝子産物の発現/用量の程度が観察された表現型の強度に強く関係するという我々の仮説を支持している。新規プロモーターを使用することにより、及び単一挿入物を有するトランスジェニック体を作ることにより、以前に観察された35S表現型の陽性表現型を維持し、一方、以前に観察された負の側面を除去することが可能であった。このゴールを達成することによる結果は、非常に有意なレベルに維持しているけれども、陽性表現型の程度の減少させることである。
リード まとめ/考察
●326Dプロモーター制御下のCeres cDNA12562634の異所性発現は、花序数の増加及びより多い葉を含む、いくらかの表現型を誘導する。
●Ceres cDNA12562634の誤発現は分枝及び花序数を増加させるために有用であり得る。このことは種子数に有意な影響を有し得る。
●まだ測定されていないけれども、収穫指数に正の影響も与えるようである。
●この遺伝子/タンパク質は全体の植物形態学を乱すことなく成長点の細胞分割の数/速度を制御するために特に有用なものであり得る。それは適切なプロモーターにより作物中に発現させることができ、多くの個々の器官のサイズ及び生長を調節する。
●増加した栄養バイオマスは改良されたソース:シンク比及び改良されたスクロース及びデンプンへの炭素の固定を与えることが可能であり、改良された収量に導く。
●より多い花序はより多い花そしてそれ故により多い種子のための機会を与える。改良されたバイオマス及び花序数の組み合わせは、収量の有意な改良を与え得る。
トマト野外試験結果
遺伝子123905を、プロモーターp326の制御下、トマト内に形質転換した。4つの独立したトランスジェニック事象を野外試験のために選択した。いくらかの独立した事象が最初に評価され、遺伝子の発現、単一挿入物の存在及び温室で観察された植物の表現型に基づいて、さらなる分析のために4つが選択された。ホモ接合T2種子をランダム化された完全型ブロック計画で野外に植えた。各事象は対応する対照株を有していた。植物重量、個々の植物の総重量、植物当たりの果実重量、植物当たりのパーセント赤色果実及び収穫指数が下記表2−3に示されている。結果は、事象1及び21は実質的に減少した葉質量を有し、一方、対照に匹敵した収量を保持していた。それ故、これらの収穫指数は改良された。これらの事象は、植物当たりのパーセント赤色果実の増加も有していた。事象14は増加したバイオマス及び収量を有していた。
要約すると、遺伝子123905で形質転換されたトマト植物は、対照と比較し、より多い枝及び葉及びより多い果実を有する傾向がある。
コメ野外試験結果:
遺伝子123905をp326の制御下で、コメ栽培品種Kitaake 内に形質転換した。5つの独立したトランスジェニック事象を、ランダム化された完全型ブロック計画で野外において評価した。評価された形質は、植物当たりの分げつ、開花までの日数、葉角度、植物丈、植物当たりのグラムでのバイオマス、植物当たりのグラムでの収量、及びグラムでの総植物収量であり、結果は下記表2−4、2−5及び2−6に示されている。各事象は、植物当たりの分げつ数の増加を生じた。
いくつかの事象は高さの有意な減少を示した。事象8−3は対照と比較して、高さ、バイオマス及び収量の増加を示した。一般に収量がより低く、及び丈が有意に減少したが、事象1及び事象12は対照と類似したバイオマスを産生し、対照と比較してのバイオマス密度の増加を示している。
コメにおける減少した丈についての観察
遺伝子123905をp326の制御下で、コメ栽培品種Kitaake 内に形質転換した。どの節間の長さが減少したのかを決定するために測定を行い、ここで節間Iは最も上の節間であり、及び節間Vは最も低い節間である。対照と比較して有意に減少した丈を有する事象1、4及び12において、節間III及びIVは有意に長さが減少し、一方、節間I及びIIはわずかに減少しているかあるいは全く減少していなかった。
コメの発芽についての観察
トランスジェニック株123905−1及び123905−12−3は、Kitaake 対照種子よりも1〜2日早く発芽した。
実施例3:リード36−ME03195−クローン679923−cDNA13594332(配列番号:98)
CeresダイズcDNAライブラリーのクローン679923はcDNA13594332を含有し、アラビドプシスLEAFY PETIOLE(LEP)遺伝子に類似した転写因子をコードする。このタンパク質配列はAP2ドメインを含有する。このcDNAは、既知のアラビドプシス遺伝子(LEP)の推定オルソログであると決定されたので、Ceres Misexpression Pipeline 内に置かれた。
植物の定性分析
5事象のすべてが、対照と比較し、わずかにカールした葉、葉柄伸長がわずかか又は全くなく、及び非常に短い花序を有するより大きなロゼットを生成した。これらの植物は、数日開花時期が遅れており、及び稔性不良は有していない(表3−1)。トランスジェニック「対照」は異なった35S::cDNA融合を発現している植物の組であったが、形質転換されていないWS野生型とは区別不能であった。表現型をスコアリングするこの方法は、我々の大規模表現型分類プロジェクトに典型的なものである。種子収集後、これらの植物は、高さの典型的突然変異体と比較して、有意に高い数の種子を生み出すことも明らかになった。
植物の定量分析
観察から定式化された本来の仮説は、35S::cDNA13594332植物は有意に増加した収穫指数を有することができることであった。事象ME03195−02及びME03195−04をこの仮説を試験するため、T世代においてより詳細に評価した。18の個体の種を蒔き、両方の事象について観察した。試験下での植物の分離頻度は、カイ二乗検定により計算されたように、各事象は単一の挿入物を含んでいることを示唆している(データは示されていない)。
詳細なT分析後、トランスジェニック体に関して以下のことを決定した(特に示さない限り、以下の結果は、t−検定により統計学的有意差0.05レベル又はそれより良好である):
●開花時間(とう立ち期間)は対照より5〜8日遅かった。
●花軸のロゼット葉数はおよそ2.5葉増加した。
●ロゼット面積は対照より2〜3倍大きかった。
●高さは対照のおよそ1/2であった。
●総種子重量は対照と有意に相違しなかった。
●総植物乾燥重量は事象−04についてわずかに大きかったが、事象−02については対照と相違はなかった。
●収穫指数は対照よりもわずかに低かった。
●対照より、植物の単位高さ当たりに生成された種子は2倍多かった。
詳細は表3−2及び3−3に見ることができる。
事象−02及び−04は各々、上記の表現型よりもさらにより重度を示す3つのT植物を有していた。これらの植物は大幅に遅れたとう立ちであり、花序伸長はほとんどなく、及びほぼ不稔性であった。これらの植物株を使用する他の実験から(データは示されていない)、有害な表現型は用量/ホモ接合挿入効果によることが決定され、ヘミ/ヘテロ接合植物が単位高さ当たりの増加した種子生成の有利な形質を与えること、しかしホモ接合株は負の表現型を与えることを示唆している。我々の統計分析は、導入遺伝子及び有利な表現型を含む植物に対して内部対照を比較した。有害表現型を有するすべての導入遺伝子含有植物は表3−2及び3−3の統計分析から除かれている。
実施例4:ME04012−Gemini ID 5000F6(配列番号:109)
ME04012は推定チトクロムP450をコードするゲノムクローンを含有する。植物株ME04012は乾燥耐性についてアッセイされており、それが観察された場合、事象−03の15/20の植物が植物アーキテクチャ表現型を示した。6/15は波状茎のみを示しているより弱いバージョンであった。9/15は強く、波状茎、減少した高さ、及び減少した分枝及び小花柄角を示した。
実施例5:リードl5−ME04077−クローン92459−cDNA12561537(配列番号:80)
CeresアラビドプシスcDNAライブラリー中のクローン92459は、アラビドプシスMADS Affecting Flowering 1(MAF1)をコードするcDNA12561537を含有する。該cDNAは、それが転写因子であるので、Ceres Misexpression Pipeline 内に置かれた。転写因子は、多くの遺伝子に同時に影響でき、及びそれ故、過剰発現された場合、アラビドプシス中で改変された表現型を生成する増加した可能性を有するので特に興味が持たれる。
●35Sプロモーターの制御下のCeres cDNA12561537の異所性発現は:
○より高い植物
○より厚い花序
○より大きなロゼット
○増加したロゼット葉数
○遅延した開花
を含むいくらかの表現型を誘導する。
●Ceres cDNA12561537の誤発現は、総植物サイズ/バイオマスを増加させるのに有用であり得る。
植物の定性分析
10事象すべてが、対照と比較して、開花を遅らせ、より多い葉及び高く厚い花序を有するより大きなロゼットを生成した(表5−1)。トランスジェニック「対照」は異なった35S::cDNA構築物を発現している植物の組であったが、形質転換されていないWS野生型とは区別不能であった。表現型をスコアリングするこの方法は、我々の大規模表現型分類プロジェクトに典型的なものである。
植物の定量分析
事象ME04077−06及びME04077−10をT世代においてより詳細に評価した。18の個体の種を蒔き、事象06について観察し、一方、17の個体の種を蒔き、事象10について観察した。両事象についてのトランスジェニック植物は、増加した一次花序厚さ、増加したロゼット葉の数、より大きいロゼット及び開花時期の遅延を、0.05レベルの統計的有意差で示した(表5−2)。両事象のトランスジェニック植物は、対照よりも視覚的により高かったが、事象−10のみがt−検定により0.05レベルの統計的有意差で定量的に高かった。もし多数の内部対照が事象−06に利用できるならば、この事象は同一の検定を介して同じ程度の有意差に入る可能性が非常に高いであろう。両方の事象は正常の稔性を有していた。ME04077−06及びME04077−10として表に示されたすべての植物は、試験下で導入遺伝子を含有することが確認されている、Tの分離子孫であった。−06対照又は−10対照として表に示されたすべての植物は、試験下で導入遺伝子を含有していないT分離子孫であった(内部対照)。
両方の事象は、典型的な稔性、遅い開花植物で期待されるように、対照よりも有意に多い種子を生成する。
事象ME04077−06は、有利な表現型を示す12導入遺伝子含有植物、野生型のようにみえる3導入遺伝子含有植物(これらの3つは表5−2の統計分析からは除かれている)を有していた。事象ME04077−10は、有利な表現型を示す9導入遺伝子含有植物、野生型のようにみえる1導入遺伝子含有植物を有していた。我々の統計分析は、導入遺伝子を含有する有利な表現型を有する植物と内部対照を比較した。
試験下での導入遺伝子の分離頻度は、カイ二乗検定により計算されたように、各事象は単一の挿入物を含んでいることを示唆している。T種子は両方の事象について3R:1Sを分離する(データは示されていない)。
リード まとめ/考察
●強力な構成的プロモーター(35S)によるcDNA12561537の異所性発現は、より厚い花序、より大きなロゼット及びより多いロゼット葉を有するより高い植物を生じる。
●この発現により見られる植物サイズの増加は、開花時期の遅延により達成されるが、稔性の減少は起こらない。
●茎頂成長点及び根端細胞での同様の発現パターンを仮定すると、根生長を増加させる有用な遺伝子でもあり得る。
●増加した栄養バイオマスは改良されたソース:シンク比及び改良されたスクロース及びデンプンへの炭素の固定を与えることが可能であり、改良された収量に導く。
●より多い花序はより多い花そしてそれ故により多い種子のための機会を与える。改良されたバイオマス及び花序数の組み合わせは、収量の有意な改良を与え得る。
●より厚い花序は、風、雨又は乾燥に対して「ポキッと折れること(snap)」を防止することができる。
●バイオマス優位性及び推測された光合成優位性はトウモロコシ及びダイズにおいて有用であるべきである。
●この遺伝子/タンパク質は全体の植物形態学を乱すことなく成長点の細胞分割の数/速度を制御するために特に有用なものであり得る。それは適切なプロモーターにより作物中に発現させることができ、多くの個々の器官のサイズ及び生長を調節する。該タンパク質は、トウモロコシにおいてより頑丈な茎を作り出すこと及び「ポキッと折れること」を防止するために有用であり得る。
トマト野外試験結果
このリード15(クローン92459)は、プラスミドpl3879制御下、トマト内へ形質転換した。1トランスジェニック事象を野外試験のために選択した。この事象は、表5−3の結果で以下に示すように、バイオマスの増加を示した。
実施例6−機能性相同体配列の決定
上記実施例1〜5に記載した「リード」配列を、リード配列の機能性相同体を同定するために利用し、及び、これらの配列と一緒に、所与の群のリード及び機能性相同体についての共通配列を決定するために使用する。
もし対象及びクエリー配列が、同様の機能及び/又は活性を有するタンパク質をコードするならば、該対象配列はクエリー配列の機能性相同体と考えられる。Reciprocal BLASTとして知られているプロセス(Rivera et al, Proc.Natl Acad. Sci. USA, 1998, 95:6239-6244)を、NCBIからのNR及びCeresクローンからのペプチド翻訳を含む、すべての利用可能な公的及び専売のペプチド配列から成るデータベースから可能性のある機能性相同体を同定するために使用する。
Reciprocal BLASTプロセスを始める前に、クエリーポリペプチドと80%又はそれ以上の配列同一性、及びアラインメントにおいてより短い配列に沿って85%又はそれ以上のアラインメント長を有するポリペプチドを同定するため、BLASTを使用してその起源種からのすべてのペプチドに対する特異的クエリーポリペプチドを検索する。該クエリーポリペプチド及び前記の同定されたポリペプチドのいずれかはクラスターと名付けられている。
主Reciprocal BLASTプロセスはBLAST検索の2つのラウンドから成っている:フォワード検索及びリバース検索。フォワード検索工程において、起源種Sからのクエリーポリペプチド配列「ポリペプチドA」は、目的の種からのすべてのタンパク質配列に対してBLASTされる。トップヒットは10−5のE値カットオフ及び35%の同一性カットオフを使用して決定される。トップヒットの内、最も低いE値を有する配列がベストヒットと称され、可能性のある機能性相同体と考えられる。ベストヒット又は本来のクエリーポリペプチドと80%又はそれ以上の配列同一性を有したいずれの他のトップヒットも同様に可能性のある機能性相同体と考えられる。このプロセスは目的のすべての種について繰り返される。
リバース検索ラウンドにおいて、すべての種からフォワード検索で同定されたトップヒットを、起源種Sからのすべてのタンパク質又はポリペプチド配列に対するBLAST検索を実行するために使用する。前述のクラスターからのポリペプチドをそのベストヒットとして返す、フォワード検索からのトップヒットも可能性のある機能性相同体と考えられる。
機能性相同体は可能性のある機能性相同体のマニュアル検査によって同定される。代表的な機能性相同体は図1〜5に示されている。各図は対応する同定された機能性相同体対象配列と整列されたリード/クエリー配列のグループ分けを表している。リード配列及びそれらの対応する機能性相同体配列は保存アミノ酸を同定するために整列させ、図1〜5に示したように、整列された配列中の特定の位置に頻繁に生じるアミノ酸残基を含む共通配列を決定する。
各共通配列は、同定され及び番号付けられた保存領域又はドメインから構成され、いくつかの保存領域は、保存された領域間のダッシュ(−)により表された一つ又はそれより多くのアミノ酸残基により分離されている。
本発明の有用なポリペプチドはそれ故、図1〜5に示されているリード及び機能性相同体配列の各々、ならびにこれらの図に示された共通配列が含まれる。本発明は、共通配列及び同定された保存領域に基づいて構築された他の有用なポリペプチドも包含する。それ故、有用なポリペプチドには、図1〜5に描かれた個々の図の各アラインメント表中の、一つ又はそれより多くの番号付けられた保存領域を含んでなるものが含まれ、該保存領域はダッシュにより分離されていてもよい。有用なポリペプチドには、図1〜5から選択された個々のアラインメント表中の全ての番号付けされた保存領域を含んでなる、もしくは、個々のアラインメント表中の全ての番号付けされた保存領域を図1〜5から選択された個々のアラインメント表に示された順序で含んでなるものも含まれる。有用なポリペプチドには、個々のアラインメント表中の全ての番号付けされた保存領域を図1〜5から選択された個々のアラインメント表に示された順序で含んでなるものも含まれ、ここで保存領域はダッシュにより分離されており、2つの隣接保存領域間の各ダッシュは、特定のダッシュを定義する位置でのリード及び/又は機能性相同体配列についてのアラインメント表に示されているアミノ酸から構成される。共通配列中のこうしたダッシュは、整列された配列の一つの最も小さいダッシュ数の長さから、整列された配列の一つの最も高いダッシュ数の長さであり得る。
こうした有用なポリペプチドは、共通配列について同定された長さに等しい長さ(アミノ酸残基の総数)、又は図1〜5から選択された個々のアラインメント表で同定されたリード及び機能性相同体配列のいずれか所与のファミリー中の最も短いから最も長い配列の範囲にある長さも有し得る。
本発明はさらに、上記のポリペプチド、ならびにそれらの相補体をコードする、及び遺伝子コードの縮重に基づいたそれらの代替物を含んだヌクレオチドを包含する。
本発明は上で述べたように説明されてきたが、当業者には本発明を実施するための材料及び方法に多様な修飾を行い得ることが明らかになるであろう。こうした修飾は付随する特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内と考えられる。
本明細書で引用された特許及び定期刊行文献からの参照文献の各々は、こうした引用によりその全体が明白に本明細書において援用される。
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リード29(ME04717)、配列番号93の相同体のアミノ酸配列アライメント。保存領域はボックスに囲われている。共通配列はアラインメントの下に示されている。 リード29(ME04717)、配列番号93の相同体のアミノ酸配列アライメント。保存領域はボックスに囲われている。共通配列はアラインメントの下に示されている。 リード36(ME03195)、配列番号99の相同体のアミノ酸配列アライメント。保存領域はボックスに囲われている。共通配列はアラインメントの下に示されている。 リード15(ME04077)、配列番号81の相同体のアミノ酸配列アライメント。保存領域はボックスに囲われている。共通配列はアラインメントの下に示されている。 リードME04012、配列番号110の相同体のアミノ酸配列アライメント。保存領域はボックスに囲われている。共通配列はアラインメントの下に示されている。 リードME04012、配列番号110の相同体のアミノ酸配列アライメント。保存領域はボックスに囲われている。共通配列はアラインメントの下に示されている。 リードME04012、配列番号110の相同体のアミノ酸配列アライメント。保存領域はボックスに囲われている。共通配列はアラインメントの下に示されている。 リードクローン691319、配列番号104の相同体のアミノ酸配列アライメント。保存領域はボックスに囲われている。共通配列はアラインメントの下に示されている。 リードクローン691319、配列番号104の相同体のアミノ酸配列アライメント。保存領域はボックスに囲われている。共通配列はアラインメントの下に示されている。

Claims (25)

  1. 単離された核酸分子であって:
    (a)リード15、28、29、36、ME04012及びクローン691319、それぞれ配列番号80、90、92、98、109及び103のいずれか一つと少なくとも85%同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
    (b)(a)項に従ったヌクレオチド配列のいずれか一つと相補的であるヌクレオチド配列;
    (c)配列番号80、90、92、98、109及び103のいずれか一つに従ったヌクレオチド配列;
    (d)5’から3’方向に読んだ場合、(c)に従ったヌクレオチド配列のいずれか一つと逆の順序であるヌクレオチド配列;
    (e)(a)項に従ったヌクレオチド配列に対する干渉RNAであるヌクレオチド配列;
    (f) 項(a)〜(d)のいずれか一つに従った核酸とハイブリダイズした核酸二重鎖を形成することが、該ハイブリダイズした核酸二重鎖の融解温度の約40℃〜約48℃低い温度で可能なヌクレオチド配列;
    (f) それぞれ配列番号80、90、92、98、109及び103に対応するリード15、28、29、36、ME04012及びクローン691319として同定されたアミノ酸配列のいずれか一つをコードするヌクレオチド配列;又は
    (g) 図1〜5のリード、機能性相同体又は共通配列のいずれか一つをコードするヌクレオチド配列;
    を含んでなる核酸分子。
  2. ベクターであって、
    a)植物転写及び/又は翻訳シグナルをコードする調節領域を有する第一の核酸;及び
    請求項1のヌクレオチド配列のいずれか一つに従ったヌクレオチド配列を有する第二の核酸、ここで前記第一及び第二の核酸は作動可能なように連結されている、
    を含んでなるベクター。
  3. 植物サイズを変調する、栄養生長を変調する、植物アーキテクチャ、実生活力、生長速度、果実及び種子収量、分げつを変調する及び/又は植物バイオマスを変調する方法であって、
    (a)それぞれ配列番号80、90、92、98、109及び103に対応する、リード15、28、29、36、ME04012及びクローン691319のいずれか一つと少なくとも85%同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
    (b)(a)項に従ったヌクレオチド配列のいずれか一つと相補的であるヌクレオチド配列;
    (c)配列番号80、90、92、98、109及び103のいずれか一つに従ったヌクレオチド配列;
    (d)5’から3’方向に読んだ場合、(c)に従ったヌクレオチド配列のいずれか一つと逆の順序であるヌクレオチド配列;
    (e)(a)項に従ったヌクレオチド配列に対する干渉RNAであるヌクレオチド配列;
    (f) 項(a)〜(d)のいずれか一つに従った核酸とハイブリダイズした核酸二重鎖を形成することが、該ハイブリダイズした核酸二重鎖の融解温度の約40℃〜約48℃低い温度で可能なヌクレオチド配列;
    (f) それぞれ配列番号80、90、92、98、109及び103に対応するリード15、28、29、36、ME04012及びクローン691319として同定されたアミノ酸配列のいずれか一つをコードするヌクレオチド配列;又は
    (g) 図1〜5のリード、機能性相同体又は共通配列のいずれか一つをコードするヌクレオチド配列;
    から成る群より選択されるヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子を植物細胞内に導入することを含んでなり、前記植物細胞から産生された前記植物は、前記核酸を含んでいない対照植物の組織中の対応するレベルと比較して、変調された植物サイズ、変調された栄養生長、変調された植物アーキテクチャ、変調された実生活力及び/又は変調されたバイオマスを有する、前記方法。
  4. 前記共通配列が、図1〜5のアラインメント表のいずれか一つに同定された一つ又はそれより多くの保存領域を含んでなる、請求項3に記載の方法。
  5. 前記共通配列が、図1〜5のアラインメント表のいずれか一つに同定されたすべての保存領域を含んでなる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記共通配列が、図1〜5のアラインメント表のいずれか一つに同定されたすべての保存領域をその順序で含んでなる、請求項5に記載の方法。
  7. 前記保存領域が、一つ又はそれより多くのアミノ酸残基により分離されている、請求項6に記載の方法。
  8. 前記一つ又はそれより多くのアミノ酸の各々が、その対応する位置で、リード及び/又は機能性相同体配列についてのアラインメント表に示されているアミノ酸の数及び種類から成っている、請求項7に記載の方法。
  9. 前記共通配列が、図1〜5のうちの一つの共通配列について同定された長さに等しい、又は図1〜5のうちのいずれか一つの、いずれか個々のアラインメント表中の最短から最長配列の範囲の長さに等しい、アミノ酸の総数に関する長さを有する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記相違が、植物サイズ、栄養生長、器官数、実生活力、生長速度、果実及び種子収量、分げつ及び/又はバイオマスのレベルにおける増加である、請求項3の方法。
  11. 前記単離された核酸が調節領域に作動可能なように連結されている、請求項3の方法。
  12. 前記調節領域が、YP0092(配列番号:38)、PT0676(配列番号:12)、PT0708(配列番号:17)、PT0613(配列番号:5)、PT0672(配列番号:11)、PT0678(配列番号:13)、PT0688(配列番号15)、PT0837(配列番号:24)、ナピンプロモーター、アルセリン−5プロモーター、ファゼオリン遺伝子プロモーター、ダイズトリプシンインヒビタープロモーター、ACPプロモーター、ステアロイル−ACPデサチュラーゼ遺伝子、β−コングリシニンプロモーターのダイズα’サブユニット、オレオシンプロモーター、15kDゼインプロモーター、16kDゼインプロモーター、19kDゼインプロモーター、22kDゼインプロモーター及び27kDゼインプロモーター、Osgt−1プロモーター、ベータ−アミラーゼ遺伝子プロモーター及びオオムギホルデイン遺伝子プロモーターから成る群より選択されるプロモーターである、請求項11の方法。
  13. 前記調節領域が、p326(配列番号:76)、YP0144(配列番号:55)、YP0190(配列番号:59)、p13879(配列番号:75)、YP0050(配列番号:35)、p32449(配列番号:77)、21876(配列番号:1)、YP0158(配列番号:57)、YP0214(配列番号:61)、YP0380(配列番号:70)、PT0848(配列番号:26)及びPT0633(配列番号:7)、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35Sプロモーター、マンノピンシンターゼ(MAS)プロモーター、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのT−DNAに由来する1’又は2’プロモーター、ゴマノハグサモザイクウイルス34Sプロモーター、コメアクチンプロモーターのようなアクチンプロモーター、及びトウモロコシユビキチン−1プロモーターのようなユビキチンプロモーターから成る群より選択されるプロモーターである、請求項11の方法。
  14. 前記調節領域が、東部カラマツ(ラリックス・ラリシナ)由来のRbcSプロモーターのようなリブロース−l、5−二リン酸カルボキシラーゼ(RbcS)プロモーター、マツcab6プロモーター、コムギ由来のCab−1遺伝子プロモーター、ホウレンソウ由来のCAB−1プロモーター、コメ由来のcab1Rプロモーター、トウモロコシ由来のピルビン酸オルトリン酸ジキナーゼ(PPDK)プロモーター、タバコLhcb12プロモーター、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)SUC2スクロース−H共輸送体プロモーター及びホウレンソウ由来のチラコイド膜タンパク質プロモーター(psaD、psaF、psaE、PC、FNR、atpC、atpD、cab、rbcS)、PT0535(配列番号:3)、PT0668(配列番号:2)、PT0886(配列番号:29)、PR0924(配列番号:78)、YP0144(配列番号:55)、YP0380(配列番号:70)及びPT0585(配列番号:4)から成る群より選択されるプロモーターである、請求項11の方法。
  15. 植物細胞であって、
    (a)それぞれ配列番号80、90、92、98、109及び103に対応する、リード15、28、29、36、ME04012及びクローン691319のいずれか一つと少なくとも85%同一であるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;
    (b)(a)項に従ったヌクレオチド配列のいずれか一つと相補的であるヌクレオチド配列;
    (c)配列番号80、90、92、98、109及び103のいずれか一つに従ったヌクレオチド配列;
    (d)5’から3’方向に読んだ場合、(c)に従ったヌクレオチド配列のいずれか一つと逆の順序であるヌクレオチド配列;
    (e)(a)項に従ったヌクレオチド配列に対する干渉RNAであるヌクレオチド配列;
    (f) 項(a)〜(d)のいずれか一つに従った核酸とハイブリダイズした核酸二重鎖を形成することが、該ハイブリダイズした核酸二重鎖の融解温度の約40℃〜約48℃低い温度で可能なヌクレオチド配列;
    (f) それぞれ配列番号80、90、92、98、109及び103に対応するリード15、28、29、36、ME04012及びクローン691319として同定されたアミノ酸配列のいずれか一つをコードするヌクレオチド配列;又は
    (g) 図1〜5のリード、機能性相同体又は共通配列のいずれか一つをコードするヌクレオチド配列;
    から成る群より選択されるヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子を含んでなる植物細胞。
  16. 請求項15の植物細胞を含んでなるトランスジェニック植物。
  17. 請求項16の植物の子孫であって、前記核酸を含んでいない対照植物の組織中の対応するレベルと比較して、変調された植物サイズ、変調された栄養生長、変調された植物アーキテクチャ、変調された実生活力、生長速度、果実及び種子収量、分げつ及び/又は変調されたバイオマスを有する、前記子孫。
  18. 請求項16に従ったトランスジェニック植物からの種子。
  19. 請求項16に従ったトランスジェニック植物からの栄養組織。
  20. 請求項16に従ったトランスジェニック植物からの栄養組織を含んでなる食品。
  21. 請求項16に従ったトランスジェニック植物からの栄養組織を含んでなる飼料製品。
  22. 燃料又は化学原料への変換のために使用される、請求項16に従ったトランスジェニック植物からの栄養組織を含んでなる製品。
  23. サンプル中の核酸を検出するための方法であって、
    請求項1に従った単離された核酸を提供すること;
    前記単離された核酸のヌクレオチド配列とサンプル中のヌクレオチド配列の比較を可能にする条件下、前記単離された核酸とサンプルを接触させること;及び
    比較を解析すること;
    を含んでなる、前記方法。
  24. 植物中の増加したバイオマスを促進するための方法であって、
    (a)図1〜5のいずれか一つのリード、機能性相同体又は共通配列のいずれか一つをコードするヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子で植物を形質転換すること;及び
    (b)前記形質転換された植物中で前記ヌクレオチド配列を発現させること、それにより前記形質転換された植物が、前記ヌクレオチド配列で形質転換されていない植物と比較して、増加したバイオマス又は増強された実生活力を有する;
    を含んでなる、前記方法。
  25. 植物のバイオマスを変調する方法であって、請求項1に記載の核酸分子の、前記植物中での発現のレベルを改変することを含んでなる、前記方法。
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