JP2009516536A - 多成分液体を塗布するための塗布器 - Google Patents

Abstract

詳細には多成分組織接着剤である多成分液体を塗布するための塗布器(10)において、塗布すべき液体の夫々の成分に対応する略筒状供給容器(12)を複数備え、供給容器(12)の夫々は、出口開口(18)を設けた前端(16)と、前端(16)と対向する後端(22)と、供給容器(12)内に配した摺動移動可能なピストン(24)と、ピストン(24)操作用の、前記後端(22)から延長するピストンロッド(26)とを有することが開示されている。また、塗布器は、供給容器(12)の前端(16)と液体を流通するための、第１ポートを設けた末端(50, 58)を有する分岐(72)を備え、分岐(72)は、末端(50, 58)の第１ポートから出口箇所まで延長する内部チャネル(62)を更に有する。最後に、供給容器(12)を保持するための保持要素(38)と、保持要素(38)から延長しており、分岐(72)に接続された接続端(76)を有する連結要素(74)ともまた設けてあり、連結要素(74)の接続端(76)は分岐(72)に結合している。

Description

本発明は、多成分液体を塗布するための塗布器に関する。詳細には、本発明は、外科的用途の多成分組織接着剤を塗布するための塗布器に関する。

多成分液体を塗布するための塗布器、特に、外科的用途の多成分組織接着剤を塗布するための塗布器が公知である。そのような塗布器の例は例えば米国特許第６１１３５７３号明細書及び欧州特許第０９２５０６２号明細書に記載されている。この公知の型の組織接着剤塗布器は、塗布すべき液体の夫々の成分に対して注射器型の略筒状供給容器を複数備えている。各供給容器は、出口開口を有する前端、及び前端に対向する後端を備える。これは更に、供給容器内に配置され、ピストン操作用の後端から延びるピストンロッドを有する摺動移動可能なピストンを備える。供給容器は分岐の終端に接続されている。分岐は終端から分岐の出口箇所へ延びる内部チャネルを備える。また、公知の型の組織接着剤塗布器は、供給容器を保持するための保持要素を備える。

この種の塗布器は基本的に満足に動作する。そのチャネルが詰まるせいで供給容器から分岐が抜け落ちるのを防ぐために、国際公開第９８／１０７０４号パンフレット及び米国特許第６２３４９９４号明細書のそれぞれは、機械的に分岐に取付けられ、保持要素に接続されている連結要素を開示している。この公知の連結要素によって、分岐は供給容器の出口開口に固定的に取付けられている。国際公開第９５／３１１３７号パンフレット，国際公開第０２／０５８９８号パンフレット，国際公開第０３／１０５９３３号パンフレット，欧州特許第０６８９８７４号明細書，米国特許第４３５９０４９号明細書，米国特許第５１０４３７５号明細書，米国特許第５２９０２５９号明細書，米国特許出願公開第２００３／０２３３０６７号明細書及び独国実用新案第２９５０９７２９号明細書は、供給容器保持要素に接続される連結要素等によって、供給容器に分岐を固定する他の例を開示している。
米国特許第６１１３５７３号明細書

公知の組織接着剤塗布器には、分岐から延長するカテーテルが設けてあり、分岐の内部チャネルに液体が相通する一又は数ルーメンが設けてある。組織接着剤塗布器が用いられる用途に応じて、カテーテルはかなり長くてよい。カテーテルが長くなるにつれ、カテーテルは分岐に対してより大きなトルクを与えるようになる。実用上理解されるように、供給容器及びその保持要素に分岐を固定するという公知の概念は、そこにより長いカテーテルを有する分岐を用いる場合、十分安定化できない。
従って、詳細には多成分組織接着剤である多成分液体を塗布するための塗布器の、構造改良が望まれている。

本発明は、詳細には多成分組織接着剤である多成分液体を塗布するための塗布器において、塗布すべき前記液体の夫々の成分に対応する略筒状供給容器を複数備え、該供給容器の夫々は、出口開口を設けた前端と、該前端と対向する後端と、前記供給容器内に配した摺動移動可能なピストンと、該ピストン操作用の、前記後端から延長するピストンロッドとを有し、前記供給容器の前端と液体を流通するための、第１ポートを設けた末端を有する分岐を備え、該分岐は、前記末端の第１ポートから出口箇所まで延長する内部チャネルを更に有し、前記供給容器を保持するための保持要素と、該保持要素から延長しており、前記分岐に接続された接続端を有する連結要素とを備え、前記連結要素の接続端前記分岐結合していることを特徴とする塗布器を提供する。

本発明に係る塗布器には、供給容器の保持要素に分岐を機械的に接続するための連結要素が設けてある。本発明によれば、連結要素は分岐に結合されている。本発明の一態様において、連結要素は分岐に接着されている。その他本発明の他の実施形態によれば、連結要素は分岐に溶着されている。典型的に、分岐及び連結要素は、同種又は異種のプラスチック材料からなる。従って、接着剤は、分岐及び連結要素の特定のプラスチック材料の組合わせに適したものが用いられる。結合が溶着で実施される場合、特に、超音波溶着接続が用いられる。接着接続が用いられる場合、接着剤の硬化は、接着剤を空気又は特定のガスに曝して、若しくは特定の硬化放射線に曝して実施される。接着及び溶着接続、即ち分岐と連結要素との間の結合は、通常の操作条件に耐えるべくなしてあり、塗布器の寿命の間安定であるべくなしてある。

本発明の他の態様において、分岐は、そこから延長する末端を有するハウジングを備え、そこでは、連結要素の接続端は、少なくとも２つの、前記分岐の隣り合う末端の間に配され、且つ結合されている。この種の接続は、小さな空間しか必要としない。分岐が、分岐を２つの供給容器の出口端に接続するために２つの末端を有する場合、連結要素は好ましくは、分岐の２つの末端と一直線に並んでいる。

分岐の各末端には、末端の第１ポートから延長するチャネルと選択的に液体を流通することが可能な第２ポートと、前記第１ポートと該第２ポートとの間で液体を流通させるための第１流通制御位置及び前記第２ポートと前記分岐の出口箇所との間で液体を流通させるための第２液体制御位置で選択的に操作可能な液体流通制御要素とが設けてある。本発明のこの実施形態に従って用いられる液体流通の制御要素は、例えば欧州特許第０８１４８６６号明細書に記載され、欧州特許第０９２５０６５号明細書及び米国特許第６１１３５７１号明細書にも記載されている。これら３つの文献の開示は、ここに参照により援用される。これら３つの文献に開示された塗布器の操作については、米国特許第６３５７４８９号明細書及び米国特許第６５６８４３４号明細書に詳述してあり、その開示はここに参照によって援用される。

典型的に、吐出する多成分液体を散布するために、分岐は、末端から出口箇所に気体物質（酸素のような医療用ガス）を供給するホース又はそのような導管が設けてある、更なる末端を備える。上記に参照されるように、出口箇所は、分岐のハウジング、又はハウジングに取付けられそこから延長する単一又は複数ルーメンのカテーテルの一端に配設することができる。これは、分岐の個別のチャネルと液体が流通する一又は複数ルーメンを有する。ただし、これらのチャネルは別体であってよく、又は分岐内の一チャネルに組み合わされてよい。

本発明の他の好ましい実施形態において、分岐は、ルアーロックコネクタによって、上述のような液体流通の制御要素が設けてある末端に接続されている。これは、塗布器の中間操作中に硬化した組織接着剤のせいで詰まる可能性があるところ、塗布器全体を処分する必要なく分岐が交換できるという利点となる。

本発明の主要な態様は、保持要素が分岐に対して安定して接続しているところにある。本発明によれば、これは、従来の塗布器の公知のクランプ接続よりも顕著に安定な接着又は溶着接続によって実現される。

図面を参照して、本発明を以下に詳述する。

図１は多成分組織接着剤の塗布器１０の平面図である。塗布器１０は、タンパク質溶液用の市販の注射器である２つの供給容器１２を備える。タンパク質溶液は、２成分組織接着剤である、フィブリノゲン及びスロンビン等のフィブリノゲン様物質等である。各注射器１２は、出口開口１８及び接続片１２０を設けた前端１６と開口した後端２２とを有する中空筒状の注射器本体１４を備える。各注射器本体１４には、注射器本体１４の内部表面に当接して密閉するピストン２４が配置されている。ピストン２４は、後端２２を通して注射器本体１４から案内されているピストンロッド２６に保持されている。複数のピストンロッド２６の夫々は、各注射器本体１４の長手方向に延長している（図示の注射器本体１４の長手軸２８参照）。ピストン２４に離れて対面する、ピストンロッド２６の自由端３０は、そこに成型された環状のフランジ３２を有する。複数のフランジ３２は互いに接続要素３４で接続されている。接続要素３４には２つの受け凹部３６が設けられ、これらは横向きに開口しており、環状のフランジ３２をここに挿入するようになしてある。

図１に示すように、２つの注射器本体１４は、クリップ保持手段３８（以降、保持要素とする）で互いに接続されている。接続要素３８は、２つのＣ字型保持クランプ４０を備え、その開口４２は互いに離れて向き合い、互いに中途部（背部分）で接続されている。開口４２は（図１の紙面と同一の）面の延長方向に向いており、注射器本体１４の長手軸２８が配置されている。クランプ４０には、複数の持ち手下の突起４４が設けてある。（図１では、１つの突起４４のみが示してある。）これらの突起４４は、互いに反対方向に延長しており、２つのクランプ４０又はそれぞれの開口４２に対して９０°回転方向にずれて配置されている。よって、２つの突起４４はそれぞれ、（図１の）紙面から直角に突出しており、そこで注射器本体１４の長手軸２８は保持要素３８によって保持されている。もしくは、それぞれクランプ４０の長手軸が延長しており、注射器本体１４の長手軸２８と一致している。これにより、複数の突起４４は、２つのクランプの配置の対称軸に対して反対方向に突出している。

保持用のクランプ４０は、注射器本体１４の周囲に約１８０°延長していてよく、注射器本体１４をクランプ力で周囲を挟んでいてよい。保持要素３８は、注射器本体１４の後部端２２に横向きに突出する鍔部４６を受け止め、よって、軸方向に注射器本体１４を固定している。保持要素３８及び特に保持用のクランプ４０の軸方向寸法は、注射器本体１４の外側に設けてある目盛りが、遮られず、保持要素３８で覆われないようになしてある。

図１から明らかなように、注射器本体１４の前端１６にある若干テーパのついた複数の接続片２０は、それぞれ液体制御器４８に接続されている。各液体制御器４８には、注射器の両方１４のテーパのついた接続片２０を収容するコネクタ５０が設けてある。各液体制御器４８には、コネクタ５０の反対側に出口接続片５２が設けてある。更に、各液体制御器４８には、液体導入部材５６を備える収容アダプタ５４が設けてある。収容アダプタ５４は、そこに薬物容器を挿入するように構成してあり、液体導入部材を有し、穿刺針として形成され、該容器のゴム閉鎖プラグを貫通し、前記容器の内部に延長する。各液体制御器４８は、そこに回動可能に支持された（図１の符号４９で示す）液体制御部材を有する。この液体制御部材は、外部から回動可能であり、詳細にはアダプタ５４の回動によって実施される。液体制御部材を回動することにより、液体制御部材は、液体経路が注射器本体１４と薬物容器との間にある第１液体制御位置から、注射器本体１４が液体制御器４８の出口接続片５２と液体が流通する第２液体制御位置に移動させることができる。米国特許第６１１３５７１号明細書，欧州特許第０９２５０２６号明細書，欧州特許第０８１４８６６号明細書，米国特許第６３５７４８９号明細書及び米国特許第６５６８４３４号明細書には、各液体制御器４８の構造及び機能、並びに液体成分を塗布器１０の注射器１２に充填するためのその使用及びそれらの除去がより詳細に説明されており、その開示はここに参照によって援用される。

液体制御器４８の出口接続片５２は、接続頭部６０を取付けたコネクタ５８を有する。接続頭部６０には、接続頭部６０の出口端６４に前記コネクタ５８を接続するための、そこに延長するチャネル６２が形成してある。更に、接続頭部６０には、そこに延長する追加チャネル６６が形成してあり、例えばＯ₂ である医療用ガス用のホース６８を有し、これはそこにソースを接続するための例えばルアーロックであるコネクタ６９を有する。また、チャネル６６は、接続頭部６０の出口端６４まで延長している。出口端６４には、接続頭部６０が、その自由端に出口箇所７１を有する可撓性の３ルーメン・カテーテル７０でつながれており、３ルーメンは、接続頭部６０の内部のチャネル６２及び６６で頭部６０の出口端６４において流通される。液体制御器４８及び接続頭部は、塗布器１０の第１の実施形態に係る分岐７２を形成する。接着に代わる選択肢として、分岐７２に接続端７６を溶着することも可能である。

図１及び２によれば、塗布器１０の更に典型的な特徴は、保持要素３８及び、特に保持クランプ４０に好ましくは一体に接続されている連結要素７４である。連結要素７４は、対向する側で案内し当接するために、好ましくは連結要素７４に当接する２つの注射器１２の間に延長している。連結要素７４には、液体制御器４８において接続端を形成する自由端７６が設けてある。本実施形態では、接続端７６は、液体制御器４８のコネクタ５０に接着される（図１及び２の符号７８を参照）。しかし、このタイプの接続は、連結要素７４と分岐７２との間の接続するのに可能な唯一の結合ではない。

接着又は溶着による強い結合接続により、塗布器１０全体に強固さが付与される。これは、例えば内視鏡手術の用途のより長いカテーテル７２が設けてある分岐７２の場合、特に有用である。

また、図１に示すように、分岐７２の接続頭部６０は、ルアーロックコネクタ８０により流体制御器４８に接続されている。潜在的に詰まる可能性がある場合、これにより、接続頭部７２及びカテーテル７０を新しい分岐及びカテーテルと取り替えることが可能となる。

図３は、組織接着剤の塗布器１０’の他の実施形態を示している。これは、基本的に図１及び２の塗布器１０と同一であり、接続頭部及びカテーテル７０のみを有し、即ち図１及び２に示す流体制御器４８を有しない分岐７２である点のみ異なる。連結要素７４と分岐７２との間の結合接続は同様であり、好ましくは接着又は溶着接続を用いる。図３の実施形態において、連結要素７４の接続端７６は、接続頭部６０の末端５８に結合、即ち接着又は溶着されている。図３において、同様の参照符号が塗布器１０’の要素に用いられていることに注意すべきである。これらは、構造及び機能に関して、図１及び２に示した塗布器１０の対応する要素と同一又は類似である。

本発明は、その特定の図説的な実施形態を参照して記述及び図説されたが、本発明はそれらの図説的な実施形態に限定されるものではない。当業者は、変形例及び修正が、付随する請求項により画定されるような本発明の真の範囲から逸脱することなく成し得ることを理解するであろう。よって、付随する請求項及びその等価物の範囲内にあるような全ての変形例及び修正が、本発明に含まれることを意味する。

第１の実施形態に係る組織接着剤塗布器の平面図である。 分岐の部分が取り外された状態の図１に係る塗布器の対応図である。 組織接着剤塗布器の第２の実施形態の平面図である。

Claims (8)

1. 詳細には多成分組織接着剤である多成分液体を塗布するための塗布器において、
   塗布すべき前記液体の夫々の成分に対応する略筒状供給容器(12)を複数備え、
   該供給容器(12)の夫々は、
   出口開口(18)を設けた前端(16)と、
   該前端(16)と対向する後端(22)と、
   前記供給容器(12)内に配した摺動移動可能なピストン(24)と、
   該ピストン(24)操作用の、前記後端(22)から延長するピストンロッド(26)と
   を有し、
   前記供給容器(12)の前端(16)と液体を流通するための、第１ポートを設けた末端(50, 58)を有する分岐(72)を備え、
   該分岐(72)は、前記末端(50, 58)の第１ポートから出口箇所まで延長する内部チャネル(62)を更に有し、
   前記供給容器(12)を保持するための保持要素(38)と、
   該保持要素(38)から延長しており、前記分岐(72)に接続された接続端(76)を有する連結要素(74)と
   を備え、
   前記連結要素(74)の接続端(76)は前記分岐(72)に結合している
   ことを特徴とする塗布器。
2. 前記分岐(72)は、そこから延長する末端(50, 58)を有するハウジング(73)を備え、
   前記連結要素(74)の前記接続端(76)は、少なくとも２つの、前記分岐(72)の隣り合う末端(50, 58)の間に配され、且つ結合されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の塗布器。
3. 前記分岐(72)の各末端(50, 58)には、
   前記末端(50, 58)の第１ポートから延長するチャネルと選択的に液体を流通することが可能な第２ポートと、
   前記第１ポートと前記第２ポートとの間で液体を流通させるための第１流通制御位置及び前記第２ポートと前記分岐の出口箇所(71)との間で液体を流通させるための第２液体制御位置で選択的に操作可能な液体流通制御要素(49)と
   が設けてあることを特徴とする請求項１又は２に記載の塗布器。
4. 前記分岐(72)は、更なる末端(69)と、該更なる末端(69)から前記出口箇所(71)まで延長し、前記更なる末端(69)から出口箇所(71)まで気体物質を供給するための更なる内部チャネル(66)とを備えることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１つに記載の塗布器。
5. 前記連結要素(74)の前記接続端(76)は前記分岐(72)に接着してあることを特徴とする請求項２乃至４のいずれか１つに記載の塗布器。
6. 前記連結要素(74)の前記接続端(76)は前記分岐(72)に溶着してあることを特徴とする請求項２乃至４のいずれか１つに記載の塗布器。
7. 前記連結要素(74)は前記保持要素(38)と一体に形成してあることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか１つに記載の塗布器。
8. 前記出口箇所(71)は前記分岐(72)から延長する複数ルーメンカテーテル(70)の単一の一端に設けてあることを特徴とする請求項１乃至７のいずれか１つに記載の塗布器。

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