JP2009293731A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量・コンパクト化を図りつつ、加締加工に伴う内輪の変形を抑えると共に、内輪の肩乗り上げを防止して耐久性を確保した車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】ハブ輪2の小径段部2bに内輪3が圧入され、小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部2cにより内輪3が固定された車輪用軸受装置において、内輪3の肩部の肉厚をL1、内輪3の内側転走面3aと転動体6との接触点P1と、内輪3の大端面3bとのタッチ部幅をL2とした時、L1×L2≧135に設定されると共に、ハブ輪2のインナー側の端部に予め凹部12が形成され、この凹部12の内輪3の大端面3bからの深さをL4、インナー側の軸受列の作用線と小径段部2bとの交点P2から内輪3の大端面3bまでの軸方向寸法をL3とした時、L3>L4に設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、ハブ輪の揺動加締によって内輪が固定されたセルフリテイン構造において、この加締加工に伴う内輪の変形を抑えると共に、内輪の肩乗り上げを防止して耐久性を確保した車輪用軸受装置に関するものである。
自動車等の車両の車輪用軸受装置には、駆動輪用のものと従動輪用のものとがある。特に、自動車の懸架装置に対して車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置は、低コスト化は言うまでもなく、燃費向上のための軽量・コンパクト化が進んでいる。その従来構造の代表的な一例として、図4に示すような従動輪用の車輪用軸受装置が知られている。
この車輪用軸受装置は第3世代と称され、軸部材(ハブ輪)51と内輪52と外輪53、および複列のボール54、54とを備えている。軸部材51は、その一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ55を一体に有し、外周に内側転走面51aと、この内側転走面51aから軸方向に延びる小径段部51bが形成されている。
軸部材51の小径段部51bには、外周に内側転走面52aが形成された内輪52が圧入されている。そして、軸部材51の小径段部51bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部51cにより、軸部材51に対して内輪52が軸方向へ抜けるのを防止している。
外輪53は、外周に車体取付フランジ53bを一体に有し、内周に複列の外側転走面53a、53aが形成されている。そして、この複列の外側転走面53a、53aと、これら複列の外側転走面53a、53aに対向する内側転走面51a、52aの間には複列のボール54、54が転動自在に収容されている。
ここで、加締部51cを形成する円筒部56の肉厚は、この円筒部56を径方向外方に加締拡げる以前の状態で先端縁に向う程小さくなっている。そして、この円筒部56を径方向外方に加締拡げることにより、内輪52の大端面52bを押え付ける加締部51cの肉厚は、円筒部56の基端部の肉厚に対し、先端に向うにしたがって漸減している。
これにより、円筒部56の先端部を押型により塑性変形させて加締部51cを形成するために要する力が徒に大きくなることがなく、加締作業に伴って加締部51cに亀裂等の損傷が発生したり、あるいは、加締部51cにより固定される内輪52に、この内輪52の直径を予圧や転がり疲れ寿命等の耐久性に影響を及ぼす程大きく変化させるような力が作用することがない。
特開平10−272903号公報
このような従来の車輪用軸受装置では、加締作業に伴って予圧や転がり疲労寿命等の耐久性に影響を及ぼす程、内輪52の内径を大きく変形させるような力が作用するのを防止することができる。然しながら、内輪52の変形を抑える反面、加締部51cの強度不足が懸念される。すなわち、加締部51は、内輪52の軸力(押付力)を付与しているため、無負荷状態の時であってもこの軸力が反作用していると共に、軸受に負荷される軸方向荷重やモーメント荷重によって加締部51cが破断しないように強度を確保する必要がある。ここで、一般的に、軸受サイズアップや内輪の外径および肩部の幅をアップすることにより、加締作業に伴う内輪に生じるフープ応力を低減させることができることが知られている。然しながら、単にサイズアップや内輪の外径および肩部の幅をアップさせることは軽量・コンパクト化を阻害することになって好ましくない。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化を図りつつ、加締加工に伴う内輪の変形を抑えると共に、内輪の肩乗り上げを防止して耐久性を確保した車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された少なくとも一つの内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記ハブ輪に対して前記内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記内輪の肩部の肉厚をL1、前記内輪の内側転走面と転動体との接触点と、当該内輪の大端面とのタッチ部幅をL2とした時、L1×L2≧135に設定されている。
このように、ハブ輪の小径段部に内輪が圧入され、小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により、ハブ輪に対して内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、内輪の肩部の肉厚をL1、内輪の内側転走面と転動体との接触点と、当該内輪の大端面とのタッチ部幅をL2とした時、L1×L2≧135に設定されているので、内輪の外径に発生するフープ応力を200MPa以下にすることができ、軽量・コンパクト化を図りつつ、軸受のサイズや内輪の外径および肩部の幅を無駄にアップさせることなく、効果的に肩乗り上げを防止して耐久性を確保することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記ハブ輪のインナー側の端部に予め凹部が形成されると共に、前記複列の軸受列のうちインナー側の軸受列の作用線と前記小径段部との交点から前記内輪の大端面までの軸方向寸法をL3、前記凹部の大端面からの深さをL4とした時、L3>L4に設定されていれば、加締加工が容易にでき、また、加締作業に伴って加締部に亀裂等の損傷が発生するのを防止できると共に、軸受部に負荷される荷重が加締部に過大に負荷されることはなく、加締部の耐力を確保することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記内輪のインナー側の外径端部に小径部が形成されると共に、角部に円弧状の面取りが形成されていれば、フープ応力が緩和され、内輪の耐久性を一層向上させることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記ハブ輪が炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面が直接形成され、この内側転走面から前記小径段部に亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理され、前記加締部が鍛造後の素材表面硬さ30HRC以下の未焼入れ部とされると共に、前記内輪が高炭素クロム軸受鋼からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成され、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されていれば、軽量・コンパクト化を図ると共に、加締加工に伴って予圧や転がり疲労寿命等の耐久性に影響を及ぼす程、内輪の内径を大きく変形させるような力が作用するのを防止することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された少なくとも一つの内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記ハブ輪に対して前記内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記内輪の肩部の肉厚をL1、前記内輪の内側転走面と転動体との接触点と、当該内輪の大端面とのタッチ部幅をL2とした時、L1×L2≧135に設定されているので、内輪の外径に発生するフープ応力を200MPa以下にすることができ、軽量・コンパクト化を図りつつ、軸受のサイズや内輪の外径および肩部の幅を無駄にアップさせることなく、効果的に肩乗り上げを防止して耐久性を確保することができる。
外周に車体に取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記ハブ輪に対して前記内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、前記内輪の肩部の肉厚をL1、前記内輪の内側転走面と転動体との接触点と、当該内輪の大端面とのタッチ部幅をL2とした時、L1×L2≧135に設定されると共に、前記ハブ輪のインナー側の端部に予め凹部が形成され、この凹部の前記内輪の大端面からの深さをL4、前記複列の軸受列のうちインナー側の軸受列の作用線と前記小径段部との交点から前記内輪の大端面までの軸方向寸法をL3とした時、L3>L4に設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、内輪のプロポーションとフープ応力との関係を示すグラフである。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
この車輪用軸受装置は従動輪側の第3世代と称され、内方部材1と外方部材10、および両部材1、10間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。内方部材1は、ハブ輪2と、このハブ輪2に所定のシメシロを介して圧入された内輪3とからなる。
ハブ輪2は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、この車輪取付フランジ4の円周等配位置に車輪を固定するためのハブボルト5が植設されている。このハブ輪2の外周には一方(アウター側)の内側転走面2aと、この内側転走面2aから肩部11を介して軸方向に延びる軸状の小径段部2bが形成されている。そして、外周に他方(インナー側)の内側転走面3aが形成された内輪3がこの小径段部2bに圧入されている。
また、車輪取付フランジ4のハブボルト5間には円孔4aが形成されている。この円孔4aによってハブ輪2の軽量化を図ることができると共に、車輪用軸受装置の組立工程において、例えば、図示しないブレーキロータをハブ輪2に固定した状態で、ブレーキロータや車輪取付フランジ4に邪魔されることなく、工具にて容易にナックルボルト(図示せず)を締結することもでき、外方部材10をナックル(図示せず)に簡便に固定することもでき、組立作業性を向上することができる。
そして、内輪3の小端面3cをハブ輪2の肩部11に突き当てた状態で、小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形させて加締部2cが形成されている。すなわち、この加締部2cとハブ輪2の肩部11とで内輪3を挟持し、ハブ輪2に対して内輪3が軸方向に固定されている。加締部2cは内輪3のインナー側の外郭に沿って密着した状態で塑性変形させて形成され、内輪3の大端面3bを押え付けて所望の軸力を確保することができる。
外方部材10は、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ10bを一体に有し、内周に複列の外側転走面10a、10aが一体に形成されている。そして、それぞれの転走面10a、2aと10a、3a間に複列の転動体6、6が収容され、保持器7、7によりこれら複列の転動体6、6が転動自在に保持されている。また、外方部材10と内方部材1との間に形成される環状空間の開口部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
なお、ここでは、ハブ輪2の外周に直接内側転走面2aが形成された第3世代と呼称される車輪用軸受装置を例示したが、本発明に係る車輪用軸受装置はこうした構造に限定されず、例えば、ハブ輪の小径段部に一対の内輪を圧入した、第1世代あるいは第2世代構造であっても良い。また、転動体6、6をボールとした複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず転動体に円すいころを使用した複列円すいころ軸受であっても良い。
ハブ輪2はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、内側転走面2aをはじめ、アウター側のシール8が摺接する車輪取付フランジ4の基部4bから小径段部2bに亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、加締部2cは、鍛造後の素材表面硬さの未焼入れ部とされている。
一方、内輪3および転動体6は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。また、外方部材10は、前記ハブ輪2と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面10a、10aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
ここで、本出願人は、加締部2cの耐力を確保すると同時に、内輪2の肩乗り上げを防止して耐久性を確保するために、内輪3のプロポーション(形状・寸法)との関係に着目した。本実施形態では、図2に示すように、本出願人が実施した加締試験では、内輪3の肩部の肉厚をL1、転動体6の接触角θにおける内輪3の内側転走面3aと転動体6との接触点P1と、内輪3の大端面3bとの距離(以下、タッチ部幅という)をL2とした時、内輪3のプロポーションと内輪3に生じるフープ応力との関係が、図3に示すような関係にあることが判った。また、内輪3の外径に発生するフープ応力が200MPa以上になると、内輪3の割れ等の損傷が発生する恐れがあることも判った。
ここで、内輪3の外径に発生するフープ応力を200MPa以下にするためには、図3に示すグラフから、内輪3の肉厚L1×タッチ部幅L2≧135とすることが有効である。これにより、軽量・コンパクト化を図りつつ、軸受のサイズや内輪3の外径および肩部の幅を無駄にアップさせることなく、効果的に肩乗り上げを防止して耐久性を確保することができる。
また、インナー側の軸受列の作用線Sと小径段部2bとの交点P2から内輪3の大端面3bまでの軸方向寸法をL3、加締部2cに予め形成される凹部12の大端面3bからの深さをL4とした場合、L3>L4であれば、加締加工が容易にでき、また、加締作業に伴って加締部2cに亀裂等の損傷が発生するのを防止できると共に、軸受部に負荷される荷重が加締部2cに過大に負荷されることはなく、加締部2cの耐力を確保することができる。
さらに、加締加工に伴って内輪3の外径部、とりわけインナー側の端部には最大のフープ応力が発生するため、本実施形態では、角部に円弧状の面取りが形成されると共に、端部に小径部13が形成されている。これにより、フープ応力が緩和され、内輪3の耐久性を一層向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪の小径段部に内輪を圧入し、小径段部の端部を塑性変形させて形成した加締部によって内輪を固定した第1世代乃至第3世代のセルフリテイン構造の車輪用軸受装置に適用できる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 内輪のプロポーションとフープ応力との関係を示すグラフである。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・内方部材
2・・・・・・・・・ハブ輪
2a、3a・・・・・内側転走面
2b・・・・・・・・小径段部
2c・・・・・・・・加締部
3・・・・・・・・・内輪
3b・・・・・・・・大端面
3c・・・・・・・・小端面
4・・・・・・・・・車輪取付フランジ
5・・・・・・・・・ハブボルト
6・・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・・保持器
8、9・・・・・・・シール
10・・・・・・・・外方部材
10a・・・・・・・外側転走面
10b・・・・・・・車体取付フランジ
11・・・・・・・・肩部
12・・・・・・・・凹部
13・・・・・・・・小径部
51・・・・・・・・ハブ輪
51a、52a・・・内側転走面
51b・・・・・・・小径段部
51c・・・・・・・加締部
52・・・・・・・・内輪
52b・・・・・・・大端面
53・・・・・・・・外輪
53a・・・・・・・外側転走面
53b・・・・・・・車体取付フランジ
54・・・・・・・・ボール
55・・・・・・・・車輪取付フランジ
56・・・・・・・・円筒部
L1・・・・・・・・内輪の肩部の肉厚
L2・・・・・・・・タッチ部幅
L3・・・・・・・・作用線と小径段部との交点から内輪の大端面までの寸法
L4・・・・・・・・凹部の深さ
P1・・・・・・・・内輪の内側転走面と転動体との接触点
P2・・・・・・・・インナー側の軸受列の作用線と小径段部との交点
θ・・・・・・・・・接触角

Claims (4)

  1. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された少なくとも一つの内輪からなる内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
    前記小径段部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記ハブ輪に対して前記内輪が軸方向に固定された車輪用軸受装置において、
    前記内輪の肩部の肉厚をL1、前記内輪の内側転走面と転動体との接触点と、当該内輪の大端面とのタッチ部幅をL2とした時、L1×L2≧135に設定されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記ハブ輪のインナー側の端部に予め凹部が形成されると共に、前記複列の軸受列のうちインナー側の軸受列の作用線と前記小径段部との交点から前記内輪の大端面までの軸方向寸法をL3、前記凹部の大端面からの深さをL4とした時、L3>L4に設定されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記内輪のインナー側の外径端部に小径部が形成されると共に、角部に円弧状の面取りが形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記ハブ輪が炭素0.40〜0.80重量%を含む中高炭素鋼からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面が直接形成され、この内側転走面から前記小径段部に亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理され、前記加締部が鍛造後の素材表面硬さ30HRC以下の未焼入れ部とされると共に、前記内輪が高炭素クロム軸受鋼からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成され、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置。
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