JP2006052752A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
軽量・コンパクト化を図ると共に、ハブ輪に加締固定される内輪の耐久性と信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】
ハブ輪2の小径段部2bに内輪3と環状のスペーサリング4が外嵌され、小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部2cで、スペーサリング4を介して内輪3がハブ輪2に固定された車輪用軸受装置において、スペーサリング4の内径部、および内輪3との接触部に高周波焼入れによって所定の硬化層4aが形成され、スペーサリング4の外径部4bを素材表面硬さの未焼入れ部としている。これにより、スペーサリング4に所望の剛性が得られると共に、硬化された内輪3との接触部のフレッティング摩耗が防止できると共に、このスペーサリングによって加締作業に伴う内輪の変形を抑制して内輪に作用するフープ応力を緩和することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、ハブ輪に加締固定される内輪の耐久性向上を図った車輪用軸受装置に関するものである。
自動車等の車両の車輪用軸受装置には、駆動輪用のものと従動輪用のものとがある。特に、自動車の懸架装置に対して車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置は、低コスト化は言うまでもなく、燃費向上のための軽量・コンパクト化が進んでいる。その従来構造の代表的な一例として、図7に示すような従動輪用の車輪用軸受装置が知られている。
この車輪用軸受装置は第3世代と称され、ハブ輪51と内輪52と外輪53、および複列の転動体54、54とを備えている。ハブ輪51は、その一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ55を一体に有し、外周に内側転走面51aと、この内側転走面51aから軸方向に延びる小径段部51bが形成されている。また、車輪取付フランジ55の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト56が植設されている。
ハブ輪51の小径段部51bには、外周に内側転走面52aが形成された内輪52および後述するスペーサリング57が外嵌されている。そして、ハブ輪51の小径段部51bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部51cにより、スペーサリング57を内輪52の大端面52bに向け押え付け、ハブ輪51に対して内輪52が軸方向へ抜けるのを防止している。
外輪53は、外周に車体取付フランジ53bを一体に有し、内周に複列の外側転走面53a、53aが形成されている。この複列の外側転走面53a、53aと対向する内側転走面51a、52aの間には複列の転動体54、54が転動自在に収容されている。
ハブ輪51は、炭素の含有量が0.40〜0.80重量%である炭素鋼製の素材に鍛造を施すことにより一体に形成され、車輪取付フランジ55の基部から内側転走面51a、および小径段部51bに亙って高周波焼入れ等によって表面が硬化処理されている。なお、加締部51cは、鍛造後の素材表面硬さの生のままとしている。一方、内輪52は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼のような高炭素鋼製とし、芯部まで焼入れ硬化されている。
ここで、ハブ輪51の小径段部51bには、内輪52の軸方向内方側に鋼等の充分な剛性を有するスペーサリング57が外嵌されている。このスペーサリング57は、断面が矩形状をなし円環状に形成されている。そして、スペーサリング57と内輪52とをハブ輪51の段差面51dと加締部51cとの間で挟持することにより、内輪52とスペーサリング57がハブ輪51に結合固定されている。
これにより、加締部51cの加締強度を充分に大きくした場合でも、内輪52が径方向外方に弾性変形するのを防止することができる。すなわち、加締部51cの成形時には、通常この加締部51cに隣接する内輪52の内周面に径方向外方に向いた力が加わるところ、このスペーサリング57が、前記径方向外方に向いた力を受ける。したがって、加締部51cの形成に伴って内輪52の内径が変形するのを抑制することができ、内輪52の損傷を防止することができると共に、軸受の予圧を長期間に亘って適正値に維持することができる。
特開平9−220904号公報
このような従来の車輪用軸受装置では、加締作業に伴って予圧や転がり疲労寿命等の耐久性に影響を及ぼす程、内輪52の内径を大きく変形させるような力が作用するのを防止することができる。然しながら、内輪52に生ずる応力を緩和するスペーサリング57が生材であった場合、加締部51cあるいは内輪52の大端面52bとの間にフレッティング摩耗が発生し、加締強度の低下や予圧抜けを招来する恐れがある。また、スペーサリング57が焼入れ硬化されていた場合、加締作業に伴ってこのスペーサリング57が径方向外方に押し拡げられることになりスペーサリング57にフープ応力が発生するのは否めない。フープ応力は外径側より内径側が大きく、内輪52は、その加工時に外径側に打痕や傷が付き易く、また、腐食等により、内輪52にフープ応力が発生した場合、その部位が割れの起点になる恐れがある。
ここで、このフープ応力が300MPaを超えるような大きい値になった場合にはスペーサリング57自体が破損する恐れがある。また、フープ応力が300MPa以下の場合であっても、この部位に腐食が発生し、環境下に存在する拡散性水素がスペーサリング57の組織内に侵入して金属粒界が破壊する、所謂「遅れ破壊」が発生する恐れがある。これでは軸受の予圧を長期間に亘って適正値に維持することは難しく、耐久性や信頼性の面で改善の余地がある。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化を図ると共に、ハブ輪に加締固定される内輪の耐久性と信頼性を向上させた車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に外嵌された内輪と環状のスペーサリングとからなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部と前記小径段部に形成された段差面との間に、前記内輪とスペーサリングが挟持された状態で前記ハブ輪に固定された車輪用軸受装置において、前記スペーサリングの内径部および前記内輪との接触部に所定の硬化層が形成されている構成を採用した。
このように、ハブ輪の小径段部に内輪と環状のスペーサリングが外嵌され、小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により、ハブ輪にスペーサリングを介して内輪を軸方向に固定した、所謂セルフリテイン構造の車輪用軸受装置において、スペーサリングの内径部および内輪との接触部に所定の硬化層が形成されているので、スペーサリング自体に所望の剛性が得られると共に、硬化された内輪との接触部のフレッティング摩耗が防止できる。したがって、このスペーサリングによって加締作業に伴う内輪の変形を抑制して内輪に作用するフープ応力を緩和することができ、内輪の耐久性と信頼性を向上させることができると共に、長期間に亘って適正な軸受予圧を維持することができる。
また、加締作業に伴ってスペーサリングが径方向外方に押し拡げられ、スペーサリング、特にその外径部にフープ応力が発生しても、この外径部は低硬度のため伸び易く、また塑性変形し易いためこのフープ応力が効果的に緩和される。
また、請求項2に記載の発明は、前記内輪の端部に環状の凹所が形成され、この凹所に前記スペーサリングが収容されているので、装置の軸方向長さを長くせずに内輪の剛性を上げることも、また、装置の軸方向長さを短くすることも可能となる。
また、前記硬化層が、請求項3に記載の発明のように、高周波焼入れによって形成されていても良いし、また、請求項4に記載の発明のように、ずぶ焼入れ後に外径部が焼きなましされることにより形成されていても良い。あるいは、請求項5に記載の発明のように、外径部が防炭処理された状態で浸炭焼入れによって形成されていても良い。
本発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に外嵌された内輪と環状のスペーサリングとからなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部と前記小径段部に形成された段差面との間に、前記内輪とスペーサリングが挟持された状態で前記ハブ輪に固定された車輪用軸受装置において、前記スペーサリングの内径部および前記内輪との接触部に所定の硬化層が形成されているので、スペーサリング自体に所望の剛性が得られると共に、硬化された内輪との接触部のフレッティング摩耗が防止できる。したがって、このスペーサリングによって加締作業に伴う内輪の変形を抑制して内輪に作用するフープ応力を緩和することができ、内輪の耐久性と信頼性を向上させることができると共に、長期間に亘って適正な軸受予圧を維持することができる。また、加締作業に伴ってスペーサリングが径方向外方に押し拡げられ、スペーサリング、特にその外径部にフープ応力が発生しても、この外径部は低硬度のため伸び易く、また塑性変形し易いためこのフープ応力が効果的に緩和される。
外周に車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に外嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪と環状のスペーサリングとからなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部と前記小径段部に形成された段差面との間に、前記内輪とスペーサリングが挟持された状態で前記ハブ輪に固定された車輪用軸受装置において、前記スペーサリングの内径部および前記内輪との接触部に高周波焼入れによって所定の硬化層が形成され、前記スペーサリングの外径部を素材表面硬さの未焼入れ部としている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は図1におけるスペーサリングの縦断面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)、中央寄り側をインボード側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は従動輪側の第3世代と称され、内方部材1と外方部材10、および両部材1、10間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)6、6とを備えている。
内方部材1は、ハブ輪2と、このハブ輪2に外嵌された内輪3およびスペーサリング4とからなる。
ハブ輪2は、アウトボード側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ5を一体に有し、この車輪取付フランジ5の円周等配位置に車輪を固定するためのハブボルト5aが植設されている。また、ハブ輪2の外周には内側転走面2aと、この内側転走面2aから軸方向に延びる軸状の小径段部2bが形成されている。そして、外周に内側転走面3aが形成された内輪3と、この内輪3のインボード側にスペーサリング4がハブ輪2の小径段部2bに外嵌され、さらに、この小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部2cとハブ輪2の段差面2dとの間に内輪3とスペーサリング4とが挟持された状態でハブ輪2に結合固定されている。
外方部材10は、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ10bを一体に有し、内周に複列の外側転走面10a、10aが形成されている。そして、それぞれの転走面10a、2aと10a、3a間に複列の転動体6、6が収容され、保持器7、7によりこれら複列の転動体6、6が転動自在に保持されている。また、外方部材10の端部にはシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
ここでは、ハブ輪2の外周に直接内側転走面2aが形成された第3世代と呼称される車輪用軸受装置を例示したが、本発明に係る車輪用軸受装置はこうした構造に限定されず、例えば、ハブ輪の小径段部に一対の内輪を圧入した、第1世代あるいは第2世代構造であっても良い。なお、転動体6、6をボールとした複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず転動体に円すいころを使用した複列円すいころ軸受であっても良い。
ハブ輪2は、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、アウトボード側の内側転走面2aをはじめ、シール8が摺接するシールランド部、および小径段部2bに亙り高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、加締部2cは、鍛造後の素材表面硬さ25HRC以下の未焼入れ部としている。一方、内輪3は、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。
また、外方部材10は、ハブ輪2と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼で形成され、複列の外側転走面10a、10aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
本実施形態では、スペーサリング4はS53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼からなり、図2に拡大して示すように、断面が矩形状をなし円環状に形成されている。このスペーサリング4は、内径部に高周波焼入れにより表面硬さが少なくとも400Hvの硬化層4a(図中クロスハッチングにて示めす)が形成されている。これにより、所望の剛性が確保できると共に、硬化された内輪3の大端面3bとの接触部が硬化層4aで形成されるため、スペーサリング4のフレッティング摩耗が防止できる。したがって、このスペーサリング4によって加締作業に伴う内輪3の変形を抑制して内輪3に作用するフープ応力を緩和することができ、内輪2の耐久性と信頼性を向上させることができると共に、長期間に亘って適正な軸受予圧を維持することができる。
また、加締作業に伴ってスペーサリング4が径方向外方に押し拡げられ、スペーサリング4、特にその外径部4bにフープ応力が発生しても、この外径部4bは、素材表面硬さ25HRC以下の未焼入れ部としているため伸び易く、また塑性変形し易いためこのフープ応力が効果的に緩和される。スペーサリング4のフープ応力は、外径部4bより内径部の方が大きいが、フープ応力によりスペーサリング4が破断する場合、外径部4bの打痕や傷が起点となっている場合が多い。したがって、スペーサリング4の外径部4bを低硬度にすることにより、打痕や傷があっても破断するようなことはない。さらに、外径部4bに腐食が発生してもスペーサリング4に遅れ破壊が生じることはない。
なお、ここでは、スペーサリング4が中炭素鋼で切削加工により形成され、その内径部に高周波焼入れによって硬化層4aが形成されたものを例示したが、これに限らず、冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系)あるいは肌焼き鋼板(JIS規格のSCR系)をプレス加工により打ち抜いて形成しても良い。この場合、外径部を防炭処理またはマスキングして浸炭焼入れすることにより、内径部に硬化層を形成することができる。
図3に示すスペーサリング11は、前述したスペーサリング4の変形例で、S53C等の炭素0.40〜0.80重量%を含む中炭素鋼、あるいはSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで少なくとも400Hvで硬化処理されている。そして、その外径部11bが焼きなましされ、表面が低硬度に形成されている。一方、内径部には硬化層11a(図中クロスハッチングにて示めす)が形成され、前述した実施形態と同様、所望の剛性が確保できると共に、内輪3との接触部のフレッティング摩耗が防止できると共に、加締作業に伴ってスペーサリング11に発生するフープ応力を緩和することができる。
図4は、本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。この実施形態は、本発明に係る車輪用軸受装置を駆動輪側に適用したもので、前述した第1の実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
ハブ輪12は、アウトボード側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ5を一体に有し、外周に内側転走面2aと、この内側転走面2aから軸方向に延びる円筒状の小径段部2bが形成され、内周に図示しない等速自在継手の外側継手部材が嵌合するセレーション(またはスプライン)12aが形成されている。そして、内輪3とスペーサリング4が小径段部2bに外嵌され、この小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部2cにより、スペーサリング4を介して内輪3が軸方向へ抜けるのを防止している。
本実施形態においても前述した実施形態と同様、小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部2cとハブ輪12の段差面2dとの間に内輪3とスペーサリング4とが挟持された状態でハブ輪12に結合固定されているので、加締作業に伴う内輪3の変形を抑制して内輪3に作用するフープ応力を緩和することができる。したがって、内輪3の耐久性と信頼性を向上させることができると共に、長期間に亘って適正な軸受予圧を維持することができる。
図5は、本発明に係る車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。この実施形態は、基本的には前述した第1の実施形態(図1)における内輪の構成のみが異なるだけで、前述した第1の実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略し、特徴的な構成のみを説明する。
本実施形態に係る内輪13は、その大径側の端部に環状の凹所14が形成されている。この凹所14にスペーサリング4が収容され、小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部2cとハブ輪12の段差面2dとの間に内輪13とスペーサリング4とが挟持された状態でハブ輪2に結合固定されている。
本実施形態では、幅広に形成された内輪13の端部に環状の凹所14が形成され、この凹所14内にスペーサリング4を収容したので、装置を軸方向に延長することなく内輪13の剛性を上げることができ、加締作業に伴う内輪13の変形を一層抑制して耐久性を向上させることができる。また、前述した実施形態(図1)の内輪3に凹所を形成し、この凹所にスペーサリング4の一部または全部を収容することにより、装置の軸方向長さを適宜短くすることも可能となる。
図6は、本発明に係る車輪用軸受装置の第4の実施形態を示す縦断面図である。この実施形態は、前述した第3の実施形態(図5)における内輪を駆動輪側の車輪用軸受装置に適用したもので、基本的には第2の実施形態(図4)における内輪の構成のみが異なる。
本実施形態においても、前述した実施形態と同様、ハブ輪12における小径段部2bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部2cとハブ輪12の段差面2dとの間に内輪3とスペーサリング4とが挟持された状態でハブ輪12に結合固定されているので、加締作業に伴う内輪3の変形を抑制して内輪3に作用するフープ応力を緩和することができる。
また、内輪13の端部に環状の凹所14が形成され、この凹所14内にスペーサリング4を収容するようにしたので、装置を軸方向にコンパクト化することができる。また、これに伴い、装置の軽量・コンパクト化が図れると共に、図示しない等速自在継手のセンター位置をアウトボード側にシフトすることができ、車両の走行安定性とフィーリングの向上を図ることができる。
なお、前述した実施形態はすべて外方部材10の両端部にシール8、9が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止する構成を例示したが、本発明に係る車輪用軸受装置を従動輪側に適用した実施形態においては、図示しないが、外方部材のインボード側の端部にエンドキャップを装着し、軸受内部だけでなくスペーサリングやハブ輪の加締部全体を覆って密封することもできる。これにより、スペーサリングや加締部の腐食を防止し、フープ応力に起因するこの部位の遅れ破壊を防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪の小径段部に内輪を圧入し、小径段部の端部を塑性変形させて形成した加締部によって内輪を固定した第1世代乃至第3世代のセルフリテイン構造の車輪用軸受装置に適用できる。
本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 同上、車輪用軸受装置を構成するスペーサリングの縦断面図である。 図2に示すスペーサリングの変形例を示す縦断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第4の実施形態を示す縦断面図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・内方部材
2、12・・・・・・ハブ輪
2a、3a・・・・・内側転走面
2b・・・・・・・・小径段部
2c・・・・・・・・加締部
2d・・・・・・・・段差面
3、13・・・・・・内輪
3b・・・・・・・・大端面
4、11・・・・・・スペーサリング
4a、11a・・・・硬化層
4b、11b・・・・外径部
5・・・・・・・・・車輪取付フランジ
5a・・・・・・・・ハブボルト
6・・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・・保持器
8、9・・・・・・・シール
10・・・・・・・・外方部材
10a・・・・・・・外側転走面
10b・・・・・・・車体取付フランジ
12a・・・・・・・・セレーション
14・・・・・・・・凹所
51・・・・・・・・ハブ輪
51a、52a・・・内側転走面
51b・・・・・・・小径段部
51c・・・・・・・加締部
51d・・・・・・・段差面
52・・・・・・・・内輪
52b・・・・・・・大端面
53・・・・・・・・外輪
53a・・・・・・・外側転走面
53b・・・・・・・車体取付フランジ
54・・・・・・・・転動体
55・・・・・・・・車輪取付フランジ
56・・・・・・・・ハブボルト
57・・・・・・・・スペーサリング

Claims (5)

  1. 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジから軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に外嵌された内輪と環状のスペーサリングとからなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
    前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部と前記小径段部に形成された段差面との間に、前記内輪とスペーサリングが挟持された状態で前記ハブ輪に固定された車輪用軸受装置において、
    前記スペーサリングの内径部および前記内輪との接触部に所定の硬化層が形成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記内輪の端部に環状の凹所が形成され、この凹所に前記スペーサリングが収容されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記硬化層が高周波焼入れによって形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 前記硬化層が、ズブ焼入れ後に外径部が焼きなましされることにより形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
  5. 前記硬化層が、外径部が防炭処理された状態で浸炭焼入れによって形成されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
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