JP2009288659A - ホログラム記録再生媒体 - Google Patents

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JP2009288659A JP2008142895A JP2008142895A JP2009288659A JP 2009288659 A JP2009288659 A JP 2009288659A JP 2008142895 A JP2008142895 A JP 2008142895A JP 2008142895 A JP2008142895 A JP 2008142895A JP 2009288659 A JP2009288659 A JP 2009288659A
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富士 田中
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Abstract

【課題】サーボ信号によって特定される位置と、記録再生の位置とを容易に一致させるこ
とができるホログラム記録再生媒体を提供する。
【解決手段】信号光と参照光との干渉縞に応じたホログラムを記録する記録材料膜52と
、ピットまたはグルーブが形成される光ビームを反射する反射膜54とを備える。それに
加え、記記録材料膜52と反射膜54との間に配された、光ビームの偏光方向に応じて、
光ビームを透過または反射するワイヤーグリッド53を備えるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホログラム記録再生媒体に関する。
近年、データストレージデバイスとしてホログラムの記録または/および再生をおこな
う技術が注目されている。ホログラム記録装置では、記録の動作は以下のようにおこなわ
れる。記録データに応じて変調された信号光と所定の参照光とを同一光源からのレーザー
光によって生成し、これらをホログラム記録再生媒体に照射して、ホログラム記録再生媒
体中で信号光と参照光とを干渉させてホログラム(回折格子)を形成する。このようにし
て、ホログラム記録再生媒体に記録データがホログラムとして記録される。ここで記録さ
れるホログラムには、極めて大容量の情報が含まれる。
また、記録済みのホログラム記録再生媒体からの情報の再生の動作は以下のようにおこ
なわれる。上述した記録データに応じ形成されたホログラムに所定の参照光を照射するこ
とで再生光(回折光)を発生させる。この再生光を2次元配列された受光素子を有して形
成される撮像器で受光し、信号処理を施して記録データを再生できる。
なお、上述した信号光と参照光との発生および再生光の受光は、光学素子を組み合わせ
て構成した光学部でおこなわれる。光学部における光路設計のひとつの方式としては、信
号光と参照光とを同軸状に配置して、これらの光ビームが通過する光路を共通とする、所
謂、コアキシャル方式(例えば、特許文献1を参照)が知られている。また、光学部におけ
る光路設計の他の方式としては、信号光、参照光の各々の光ビームが別の光路を通過する
2光束法が知られている。
図8は、従来のホログラム記録再生装置に用いるホログラム記録再生媒体(ディスク)
200を模式的に示す図である。また、図9は、光学部を中心とする、従来のコアキシャ
ル方式のホログラム記録再生装置100を示す図である。図8、図9を参照して、コアキ
シャル方式のホログラム記録または/および再生の動作原理について説明をする。まず、
図8を参照して、ホログラム記録再生媒体(ディスク)200の構造を簡単に説明する。
ディスク200は、透明基板201、記録材料膜202、選択反射膜203、反射膜20
4を備えている。選択反射膜203は、波長660nm付近の赤色の光ビーム(赤の光ビ
ームとも称する)を通過させ、波長405nm付近の青色の光ビーム(青の光ビームとも
称する)を反射する膜である。赤色の光ビームは選択反射膜203を通過した後に、反射
膜204に形成されたピットおよびグルーブを照射する。このグルーブで反射した光ビー
ムはサーボ信号を得るためのサーボ情報を含んでいる。一方、青色の光ビームは選択反射
膜203で反射することによって回折光(再生光)発生する。この回折光はホログラムの
形態で記録された記録データの情報を含んでいる。ここで、ピットおよびグルーブが形成
される層である反射膜204と、記録層である記録材料膜202とを共通にしていない。
ピットおよびグルーブで変調される反射光(サーボ信号を得るために用いられる)の強度
(入射光の50〜80%程度)に比べて、回折光(記録情報を得るために用いられる)の回
折光強度(0.1〜0.01%程度)が桁違いに小さいためである。例えば、反射膜204
の位置に、記録膜と反射膜との両方の機能を共有する膜を配置して、反射光からのサーボ
信号と回折光に応じた再生信号とを同時に得るようにする場合には、記録情報の再生が困
難となってしまう。回折光に対してグルーブで変調される反射光がノイズとなってしまう
からである。
このような事態が生じるのを避けるために、図8に示すように、記録層として機能する
記録材料膜202とピットおよびグルーブが形成される反射膜204とを選択反射膜20
3で分離している。選択反射膜203と反射膜204との間の距離は200μm程度に通
常は選ばれている。ここで、選択反射膜203は波長選択膜であり、例えば、赤色の光ビ
ーム(波長は660nm)は選択反射膜203を透過し、例えば、青色の光ビーム(波長
は405nm)は選択反射膜203で反射するようにされている。この選択反射膜203
によって、サーボ信号を得るための赤色の光ビームが通過する経路と、記録再生のための
青色の光ビームが通過する経路とを分離している。
図9に示す、ホログラム記録再生装置100の光学系は、図8に示す記録再生媒体(デ
ィスク)200の記録再生をおこなうための構成を備えている。すなわち、フォーカスサ
ーボおよびトラッキングサーボに用いるための赤色の光ビームを出射する赤のレーザーダ
イオード(赤のLD)111を有している。また、赤のLD111からの赤色の光ビーム
が通過する光路を形成する光学系を備えている。さらに、記録再生用の青色の光ビームを
出射する外部共振器型半導体レーザー(ECDL)119(例えば、特許文献2を参照)
からの青色の光ビームが通過する光路を形成する光学系を備えている。ディスク200に
情報を記録再生する際は、赤色の光ビームと青色の光ビームとを同時にディスク200に
対して照射する。赤のLD111からの赤色の光ビームが通過する光路には、主要なる光
学部材として以下のものが配置されている。グレーティング112、ダイクロイックプリ
ズム(Dichroic prism)113、1/4波長板(λ/4板)114、対物レンズ115、
ビームスプリッター116、フォトディテクター(PD)117が配されている。ECD
L119からの青色の光ビームが通過する光路には、主要なる光学部材として、アイソレ
ーター120、シャッター121、ガルバノミラー122、ピービーエス(PBS(Polar
ized beam splitter))123が配されている。また、空間変調器124、位相マスク1
25(例えば、特許文献3を参照)、PBS126、撮像器として機能するCMOSカメ
ラ118が配されている。さらに、青色の光ビームが通過する光路には、赤色の光ビーム
の光路にも共用される光学部材である、ダイクロイックプリズム113、1/4波長板(
λ/4板)114、対物レンズ115が配されている。
赤のレーザーダイオード(赤のLD)111からの赤色の光ビームは、ホログラム記録
再生媒体(ディスク)200の選択反射膜203を通過し、ピットおよびグルーブを照射
することによってサーボ信号を得る。そして、反射膜204で反射した後に、サーボ用の
PD117に入る。PD117からの信号は、制御回路140に入力されて、フォーカス
サーボ信号、トラッキングサーボ信号、スピンドルモーター信号、スライドモーター信号
の各々が生成される。これらのサーボ用の各信号は、制御回路140で電力増幅されて、
各アクチュエーターに印加される。すなわち、フォーカスサーボ信号がピエゾ素子131
に印加されフォーカス方向のサーボがおこなわれる。また、トラッキングサーボ信号が対
物レンズ115を駆動するトラッキングアクチュエータ(図示せず)に印加されトラック
方向のサーボがおこなわれる。また、トラッキングサーボ信号の低域成分が制御回路14
0で分離されてスライドモーター132に印加されトラッキングアクチュエータではカバ
ーできない範囲のトラック方向のサーボがおこなわれる。また、スピンドルモーター信号
がスピンドルモーター133に印加されスピンドルサーボがおこなわれる。図9では、ス
ピンドルモーター133によって回転される、破線で示す部分と、図面の中央部に実線で
示す部分とは、同一の記録再生媒体(ディスク)200である。つまり、全体の構造を分
かり易くするために、破線部は断面方向からの図として示し、実線部分は平面方向からの
図として、同一物を示すものである。
ECDL119からの青色の光ビームは、記録時においては、空間変調器124で記録
データに応じて変調をされてディスク200の記録材料膜202を照射する。これによっ
て、記録材料膜202にホログラムが形成される。再生時においては、ECDL119か
らの青色の光ビームは、記録材料膜202を照射して記録されたホログラムの情報を運び
、選択反射膜203で反射し、CMOSカメラ118を照射する。CMOSカメラ118
で検出されたホログラムに応じた電気信号は制御回路140で処理されて再び、記録デー
タが再生される。
特開2003−178484号公報 特開2007−178780号公報 特開2006−276373号公報 「旭化成株式会社製のワイヤーグリッド」http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051021/109985/ 「MOXTEK社製のワイヤーグリッド」http://www.moxtek.com/visible_light.html
温度変化や経時変化、そして記録再生装置毎の機構的なばらつき(ドライブの機差)の
ために、ホログラム記録再生媒体に照射される赤色の光ビームと青色の光ビームとの照射
位置に異なりが生じることがある。つまり、赤色の光ビームの光路と青色の光ビームの光
路との多くが別光路とされているので、各色の光ビームの通過経路は異なる環境変化(例
えば、温度変化)の影響を受けるとともに、機差が生じるからである。ここで、照射位置
の異なりとは、照射する各々の光ビームのフォーカス位置のことではなく、半径方向と周
方向の位置の異なりを言うものである。このため、記録動作において、赤色の光ビームに
よって得られるサーボ信号が認識する記録しようとする記録材料膜の位置(目的位置)と
、実際に青色の光ビームが照射される位置(実際位置)とが異なることがある。この結果
、そのような目的位置と実際位置とが異なる場合には、例えば、再生時において、ホログ
ラム記録再生媒体に記録済みの記録データが再生できないという事態が生じる。
本発明は、ホログラム記録再生の技術におけるこのような課題を解決し、ホログラム記
録再生媒体上の、サーボ信号によって特定される位置と、記録再生の位置とを一致させる
ことが容易なホログラム記録再生媒体を提供する。
本発明のホログラム記録再生媒体は、信号光と参照光との干渉縞に応じたホログラムを
記録する記録材料膜と、ピットまたはグルーブが形成される光ビームを反射する反射膜と
、前記記録材料膜と前記反射膜との間に配された、光ビームの偏光方向に応じて、光ビー
ムを透過または反射する偏光性膜と、を備える。
本発明のホログラム記録再生媒体では、偏光性膜を有し、偏光性膜に入射する光ビーム
の偏光方向に応じて、光ビームを透過または反射して、記録材料膜または反射膜のいずれ
か、から選択的に情報を得ることができる。
本発明によれば、サーボ信号によって特定される位置と、記録再生の位置とを一致させ
ることが容易なホログラム記録再生媒体を提供できる。
(実施形態の要旨)
実施形態の具体的な説明に先立ち、その要旨について簡単に説明をする。実施形態のホロ
グラム記録再生媒体は、記録再生特性を向上させるための特別な構造を有している。その
ような構造が何故採用されているかに関しては、ホログラム記録再生装置の動作も併せて
説明をする必要があるので、この点についても説明をする。ここで、以下で用いるホログ
ラム記録再生装置の用語には3つの意味がある。まず、ホログラムを記録するホログラム
記録装置の意味がある。また、記録されたホログラムから情報を再生するホログラム再生
装置の意味がある。さらに、ホログラムに対して記録と再生との両方をおこなうホログラ
ム記録および再生装置の意味がある。
実施形態のホログラム記録再生媒体は、記録材料膜と反射膜とを有する点においては、
背景技術に示すホログラム記録再生媒体と変わるところはない。しかしながら、実施形態
のホログラム記録再生媒体は、従来のホログラム記録再生媒体のように、選択反射膜を有
することがない。選択反射膜は、上述したように、記録再生のための、一の光ビームが通
過する経路と、サーボ信号を得るための、一の波長とは異なる波長を有する他の光ビーム
が通過する経路と、を分離するために設けられたものである。ここで、一の光ビームは、
例えば、青色の光ビームであり、他の光ビームは、例えば、赤色の光ビームである。
このような従来のホログラム記録再生媒体に対して記録再生するホログラム記録再生装
置について説明をする。このようなホログラム記録再生装置では、一の光ビームと、他の
光ビームとが必要であった。このために、記録再生をおこなうためのホログラム記録再生
装置には、2種類の光ビームの発光器(例えば、波長が異なる2種類のレーザーダイオー
ド)を設ける必要があった。そのため、光学部は複雑となり、高価なものとなった。それ
に加え、一の光ビームと、他の光ビームとは異なる光路を通過するために、2つの光路の
相互間の光学調整(アライメント)が複雑であった。また、2つの光路の相互の関係はホ
ログラム装置毎に異なる、機差が生じた。この結果、2つの光路の相互間の光学調整のず
れは、サーボにおいて特定されるホログラム記録再生媒体における位置と、記録再生がお
こなわれる位置とが一致せず、誤差が生じる原因となっていた。また、機差によって、上
述した位置の誤差の大きさは異なるものであった。また、2つの光路の相互間の光学調整
のずれ、機差の各々は温度によってその大きさが異なる温度特性を有するものであった。
そのために、あるホログラム記録再生装置で記録したホログラムを別のホログラム記録
再生装置で再生ができない事態が生じることがあった。また、同一のホログラム記録再生
装置で記録と再生とをおこなう場合であっても、上述した光路の温度特性の故に、温度が
変わると記録されたホログラムの再生ができない事態が生じた。
実施形態のホログラム記録再生媒体では、このような問題を解決するために、選択反射
膜に替えて、光ビームの偏光方向に応じて、透過または反射をする膜である偏光性膜を用
いている。ここで、このような、偏光性膜の代表例としては、ワイヤーグリッドと有機材
料膜が考えられるが、偏光性膜はこれらに限定されるものではない。
(実施形態のホログラム記録再生媒体)
以下において、図面を参照して実施形態のホログラム記録再生媒体について説明をする。
図1に実施形態のホログラム記録再生媒体(ディスク)50の模式図を示す。ディスク5
0は、透明基板51、記録材料膜52、偏光性膜としてのワイヤーグリッド53、反射膜
54を備えている。ここで、ワイヤーグリッド53は、従来のホログラム記録再生媒体に
は用いられなかった新規な構成部材であるので、まず、ワイヤーグリッド53について説
明をする。
ワイヤーグリッド53は、平面状に形成された金属の平行細線である。ワイヤーグリッ
ド53自体の存在は知られていたが、本願願書に記載の発明者(以下、発明者と省略する
)は、ホログラム記録再生媒体に利用することを考え出した。
図2は、ワイヤーグリッドのSEM(Scanning Electron Microscope)写真である。図
2は旭化成株式会社から提供されているワイヤーグリッドのSEM写真である。図2(A
)はワイヤーグリッドをホログラム記録再生媒体(ディスク)50の平板面側から見た表
面であり、図2(B)はワイヤーグリッドをディスク50の断面側から見た図である。こ
のワイヤーグリッドは、120nm(ナノメータ)のピッチの凹凸を有している。ワイヤ
ーグリッドの材料はAl(アルミニューム)である。また、ワイヤーグリッドはMOXT
EK社でも製作している。表1はMOXTEK社のワイヤーグリッドの特性を示すもので
ある。
Figure 2009288659
MOXTEK社のワイヤーグリッドの材料はAlで形成されており、表1に示すように
、p波の透過率が85.7%、s波の透過率が0.23%である。この場合のレーザー光
の波長は、450nmであり、かつワイヤーグリッドの一方は空気(屈折率1)に接して
いる。
ワイヤーグリッドは、ナノインプリントまたはこれに類似した技術で製造されている。
ナノインプリント技術は周知の技術である。発明者は、ディスク50に応用するに適切な
るワイヤーグリッド53の形態について考察した。例えば、波長が405nmのときで、
かつ接するのが空気ではなく、有する屈折率が1.5の記録材料膜52の中における、適
切なグリッド間隔について検討した。その結果、表1示したと同様な特性を得るためには
、ワイヤピッチを屈折率の比で校正して、1/1.5の100nm程度まで縮小するのが
適当であるとの結論を得た。
また、発明者は、図1に示すディスク50に、上述したパラメータ(例えば、材料をA
lとし、ワイヤピッチを100nmとする)を有するワイヤーグリッド53を用いればホ
ログラムの記録再生に好適なる媒体を提供できるとの考えに至った。表1から明らかに分
かるように、ワイヤーグリッド53を形成する金属線の伸びる方向と同じ偏光方向の光は
、ワイヤーグリッド53で反射する。また、ワイヤーグリッド53の金属線の伸びる方向
と垂直な偏光方向の光は通過して、ピットまたは/およびグルーブを有する反射膜54に
至る。すなわち、光ビームの偏光方向を変化させることによって、光ビームの経路を以下
の第1の経路と第2の経路とに切り替えることができる。
第1の経路は、透明基板51から入射して、記録材料膜52を通過し、ワイヤーグリッ
ド53で反射し、記録材料膜52を再び通過し、さらに、透明基板51を再び通過して、
ホログラム記録再生媒体(ディスク)50から出射する経路である。第2の経路は、透明基
板51から入射して、記録材料膜52、ワイヤーグリッド53を通過し、反射膜54で反
射し、ワイヤーグリッド53、記録材料膜52を再び通過し、再び透明基板51を通過し
て、ディスク50から出射する経路である。
ここで、ディスク50に対して記録再生をおこなうホログラム記録再生装置では、円盤
状の平板の重心位置である円の中心を支点としてスピンドルモーターで回転させて、記録
再生がおこなわれるのが一般的である。この点を考慮すると、ワイヤーグリッド53の金
属線の伸びる方向については、CD(コンパクトディスク)のトラック溝と同様に、円周
方向に平行としている。
このようなディスク50の製造方法について簡単に説明をする。従来にないワイヤーグ
リッドの製造方法をまず説明する。ワイヤーグリッドのマスターとなるパターンマスクを
、CD、DVD(デジタルバーサイタルディスク)の光ディスクの原盤を作製するのと同
じ方法で作製する。この場合、金属細線はCD、DVDのトラック溝のように1本のスパ
イラルとして形成するものであっても、複数の同心円として形成するものであっても良い
。なお、ディスク50におけるワイヤーグリッド53のピッチは、上述した理由によって
、100nm程度としている。
ディスク50の手順を以下に示す。図1において、図面の下方を下、図面の上方を上と
して、以下の説明をする。
1. ピットまたは/およびグルーブ付きの基板をインジェクション法で成型する。
2. ピットまたは/およびグルーブ面上にアルミ等の金属膜あるいは誘電体ミラー
材料をスパッター法で付加して反射膜54を形成する。
3. 反射膜54の上に0.数μm(マイクロメータ)から10μm程度の透明膜を

スピンコート法等で形成し、これによりピットやグルーブによる凹凸を埋めて
平らにする。
4. この平らにされた透明膜の上に、ナノインプリントの技術でワイヤーグリッド

53を形成する。
5. ワイヤーグリッド53に傷をつけないための透明保護膜を形成する。この透明

膜は、ワイヤーグリッド53を覆う程度の厚さであり、たとえばワイヤーグリ
ッドの先端から100nm程度である。この透明膜は、ワイヤーグリッド53
を保護する目的を有するので、ワイヤーグリッド53の硬度が高い場合には、
必要という訳ではない。
6. ワイヤーグリッド53の上に、記録材料であるフォトポリマーを0.5〜1m

m塗布して記録材料膜52を形成する。
7. 記録材料膜52の上に別のもう1枚の透明基板を透明基板51として貼り合わ

せる。
このようにして製造されたディスク50において、電場成分が、ワイヤーグリッド53
の細線に対して垂直なる光ビーム(垂光と称する)を照射すると、光ビームはワイヤーグリ
ッド53を通過し、反射膜54で反射する。光ビームの電場成分がワイヤーグリッド53
の細線に対して平行なる光ビーム(平光と称する)を照射した場合は、光ビームはワイヤー
グリッド53で反射する。
図3は、ワイヤーグリッド53の金属線の伸びる方向についてのいくつかの例を示す図
である。図3(A)は、スパイラル状(渦巻状)に円周方向に平行に金属線を配置する場
合のホログラム記録再生媒体50aを示す図である。この例では、CDのトラック溝と同
様な形態で、金属線は伸びている。また、隣り合う金属線の相互の間隔は一定間隔とされ
ている。図3(B)は、コンセントリック状(同心円状)に円周方向に平行に金属線を配
置する場合のホログラム記録再生媒体50bを示す図である。隣り合う金属線の相互の間
隔は一定間隔とされている。図3(C)は放射状に金属線を配置する場合のホログラム記
録再生媒体50cを示す図である。放射状の場合には、外周部程金属線の間隔が広くなっ
てしまい、外周部と内周部とで光学特性が大きく異なってしまう。このような光学特性の
変化が生じないように、実施形態では、隣り合う金属線の相互の間隔を一定間隔とするた
めにドーナツ状にゾーニング(ゾーンを分割)して、内外周における光学特性の変化が生
じないようにしている。なお、ゾーニングしても、厳密に理論的な見地からは、内周部に
おける隣接する金属線の間隔は、外周部における隣接する金属線の間隔に較べて狭いもの
となる。しかしながら、ゾーンの数を増加させることによって、金属線の配置の精度との
兼ね合い、光学特性との兼ね合いで、内周部と外周部との金属線の間隔の理論的な異なり
は問題とはならない。また、図3に示す図3(A)、図3(B)、図3(C)の各図は、
実際の寸法を示すものではなく模式図である。実際の金属線のピッチは、100nm程度
としている。
(実施形態のホログラム記録再生装置)
以下において、上述したホログラム記録再生媒体(ディスク)50をどのように用いるか
を、ホログラム記録再生装置の説明とともに説明をする。図4は、実施形態のホログラム
記録再生媒体に対して記録再生をおこなう実施形態のホログラム記録再生装置10を示す
ものである。図4では、光学系を中心にして、実施形態の説明に必要な範囲でホログラム
記録再生装置の各部が示されている。図4に示す、ホログラム記録再生装置10は、図1
に示す記録再生媒体(ディスク)50に対して、記録再生をおこなうための構成を備えて
いる。すなわち、ディスク50は、ワイヤーグリッド53を有するようになされているの
で、これに対応するために、ローテーター43を有している。また、赤色の光ビームを用
いることなく、青色の光ビームのみでサーボ系と記録再生系とを動作させる光学系の構成
とされている。
ホログラム記録再生装置10は、青色の光ビームを出射する外部共振器型半導体レーザ
ー(ECDL)19からの青色の光ビームが通過する光路を形成する光学系を備えている
。光路には、主要なる光学部材として、アイソレーター20、シャッター21、ガルバノ
ミラー22、ピービーエス(PBS(Polarized beam splitter))23を備えている。ま
た、例えば、強誘電体液晶で形成される空間変調器24、位相マスク25、PBS26が
配されている。さらに、ローテーター43と1/2波長板(λ/2板)44と対物レンズ
15とが配されている。また、PBS41、サーボ用フォトディテクター(サーボ用PD
)42、撮像器(CMOSカメラ)28が配されている。また、ホログラム記録再生装置1
0は、制御回路40を有している。制御回路40は、サーボ用PD42からサーボ信号を
取得し、CMOSカメラ18からホログラムに対応する情報を取得するようになされてい
る。また、制御回路40は、ガルバノミラー22、空間変調器24、モーター45、スピ
ンドルモーター33、ピエゾ素子31、スライドモーター32、シャッター21を制御す
るようになされている。
実施形態では、ECDL19は発光手段の一例として機能し、ECDL19に含まれる
青色のレーザーダイオードは、光ビーム発光器の一例として機能する。ローテーター43
、λ/2板44、モーター45、および、制御回路40は、偏光方向切替手段の一例とし
て機能する。また、偏光方向切替手段の別の実施形態としては、λ/2板44とモーター
45との組み合わせに替えて、透過型の液晶を用いるようにしても良い。また、発光手段
には、後述する赤色の光ビームを出射する赤のレーザーダイオード(赤のLD11(図7
を参照)を使用する場合には、これも含まれるものである。また、実施形態では、制御回
路40は、記録再生のための信号処理回路とサーボ処理のためのサーボ処理回路を含むも
のとされており、さらには、外部機器とのインターフェイス回路、後述する校正回路も含
むようになされている。また、制御回路40は、ハードウエアのみで構成するものであっ
ても、中央演算装置(CPU)と周辺機器と中央演算装置において実行されるプログラム
を構成の主要部とするものであっても良い。また、実施形態では、CMOSカメラ18は
、撮像器の一例として機能するが、他の実施形態としては、CCDを用いるものであって
も良い。また、実施形態では、モーター45は、1/2波長板を回転させる回転機構の一
例として機能する。
(実施形態の光学系の特徴)
実施形態の光学系の第1の特徴は、ローテーター43を有している点である。ローテータ
とは、ファラデー回転を起こす結晶の周りに磁石を配置したもので、通過光の偏光方向
をπ/4変える素子である。λ/2板でも類似のことをおこなえるが、λ/2板の場合は、
光ビームが往復で通過すると、偏光方向は元に戻ってしまう。これに対して、ローテータ
ーの場合は往復でπ/4の2倍であるπ/2だけ回転する点が異なる。この効果により、空
間変調器24からきてPBS26を通過した光ビームは、ディスク50から再びPBS2
6に戻るとそこで反射する。
ローテーター43の配置位置について説明をする。レンズによって焦点を結ぶ位置を2
か所設ける。1方の焦点位置にローテーター43を配置し、他方の焦点位置にλ/2板4
4を配置する。なお、図9において、ダイクロイックプリズム113と対物レンズ115
の間にあったλ/4板(QWP)114は必要ないので取り外している。
実施形態の光学系の第2の特徴は、λ/2板44有し、これを回転させる回転機構(例
えば、モーター45)を有する点である。ローテーター43の先には、λ/2板44があ
り、λ/2板44の軸の向きを変えることにより、通過する光ビームの偏光方向を変える
ことができる。偏光方向を変えるために、λ/2板44は、ローテーター43を通過後の
光ビームの偏光方向に対して、モーター45で0°と45°とのいずれかに、回転角度が
設定される。これにより、λ/2板の方向が0°の場合は偏光方向が変わらず、45°の
場合は偏光方向がπ/2変わる。つまり、ディスク50を照射する光ビームの偏光方向を
ワイヤーグリッド53の金属線の伸びる方向と同じ偏光方向、または、ワイヤーグリッド
53の伸びる方向と垂直な偏光方向のいずれかに切り替えることができる。また、偏光方
向を変化させるための別の構成としては、λ/2板44とモーター45とに替えて電界を
加えて偏光方向を制御する素子を用いることができる。例えば、光透過型の液晶を採用す
ることができる。液晶を用いる場合には、印加される電圧をサーボ動作時と記録再生時と
で切り替えて同様に動作させることができる。
λ/2板44は、モーター45によって、その軸の向きを変えるように制御されて、通
過する光ビームの偏光方向を変えている。制御回路40は、サーボ動作を選択するか、記
録再生動作を選択するか、に応じた信号を出力して、モーター45を制御する。
実施形態の光学系の第3の特徴は、位相マスク25を有する点である。位相マスク25
は、空間変調器24に接近して配されている。位相マスク25は位相を変調するガラス板
によって形成されている。また、空間変調器24は強誘電体液晶によって形成されている
。位相マスク25は、ディスク50の焦点位置に光ビームが集中して、記録材料膜52の
その部分の記録材料を一挙に消費(消費とは、書き込みができる余地をなくしていくこと
を言う)するからである。これに対して位相マスク25があると、焦点位置で光がぼやけ
る(光ビームの集中がないことを言う)ので、多重書き込みにおける多重回数を多くでき
る。
空間変調器24には、信号光を発生させる信号光部と参照光を発生させる参照光部とが
形成される。信号光部と参照光部とを形成するのは周知技術である。図5は、空間変調器
24に形成される信号光部24aと参照光部24bとを模式的に示す図である。位相マス
ク25の信号光部24aに対応する部分では、信号光部24aの画素に対応させて位相マ
スク25の画素を定める。例えば、信号光部24aのそれぞれの画素に対応する位相マス
ク25の位相を0あるいはπとする。0およびπの位相を有する画素の配置はランダムだ
が、全画素の半分が0、残り半分がπになるようにする。これにより、ディスク50の記
録材料膜52の焦点位置での0次光は打ち消しあって光が集中しない。よって、記録材料
を一挙に消費する(特定の部分を集中して消費する)ことがない。
図6は、空間変調器24の参照光部24bに対応する位相マスク25の部分を模式的に
示す図である。例えば、図6では、0およびπの各部分は放射状に配置されており、参照
光についても、光ビームが集中することなく打ち消しが起きて、記録材料の特定の狭い領
域に光ビームが集中して、記録材料の一挙の消費が生じる事態を防げる。図6(A)は位
相マスク25の平面図を示すものであり、図6(B)は位相マスク25の断面図を示すも
のである。位相マスク25の平面図の内径r1、外径r2については、実施形態では内径
r1は2.5mmとし、外径r2は3.1mmとした。
実施形態の光学系の第4の特徴は、光学部が、青色の光ビームのみを用いる点である。
サーボ信号の取得に際しては、制御回路40が空間変調器24の信号光部24aを制御し
て、参照光を発生し、信号光を発生しないようにする。そして、参照光の位相が0の部分
のみを、垂光でディスク50に照射する。光ビームは、ディスク50のワイヤーグリッド
53を通過する。この光ビームは位相が単一であるので、ディスク50の反射膜54の上
で、集中して焦点を結び、微小な光スポットを形成する。よって、ピットまたは/および
グルーブによるサーボ信号、アドレス情報を精度良く取得して持ち帰ることができる。
サーボ系に含まれる光学系の主要部は、PBS41とサーボ用フォトディテクター(サ
ーボ用PD)42である。サーボ用PD42は、図示しない分割された複数個のフォトデ
ィテクターを有して形成されている。実施形態では、周知慣用技術である、非点収差法を
フォーカスサーボの方式として採用し、また、周知慣用技術である3スポット法をトラッ
キングサーボの方式として採用している。サーボ信号を得ている間は、記録材料膜52の
記録材料であるモノマーを無駄に消費する場合があるので、極力光ビームのパワーを下げ
ることが望ましい。ここで、記録材料膜52に対する記録再生の動作と、反射膜54に対
するサーボの動作とは時分割で行う。つまり、制御回路40からモーター45に出力する
信号を時分割で切り替えて、記録再生の動作と、サーボの動作とを時分割で制御している
サーボ信号は、反射膜54からの反射光によって取得し、再生のための情報は記録材料
膜52からの回折光によって取得するので、両者の情報取得位置は異なるが、ワイヤーグ
リッド53と反射膜54との間が10μm程度より狭いので、大きな問題とはならない。
つまり、従来のように赤色の光ビームによってサーボ信号を得、青色の光ビームによって
再生情報を得る場合に生じるような両者の情報取得位置の大きな異なりは生じることがな
い。
ここで、サーボ信号を得る場合に用いる空間変調器24からの光ビームについて説明を
する。サーボ信号は、参照光のみを照射して得ることができ、信号光のみを照射して得る
ことができ、参照光および信号光の両方を照射して得ることができる。要は、λ/2板4
4を制御して、光ビームが反射膜54から反射するようにして、これを受光してフォーカ
スサーボ信号、トラッキングサーボ信号を得るようにすれば良いのである。この目的を達
するためには、サーボの動作時においては、参照光のみ、信号光のみ、参照光および信号
光の両方のいずれを用いるものであっても良い。そして、どのような光ビームからサーボ
信号を得るかに応じて、サーボ用PD42を構成する分割フォトディテクターの構成がお
のずから定まるものである。すなわち、参照光のみを照射する場合には、参照光の反射光
を受光するように分割フォトディテクターを構成し、信号光のみを照射する場合には、信
号光の反射光を受光するように分割フォトディテクターを構成する。また、参照光および
信号光を照射する場合には、参照光および信号光の反射光を受光するように分割フォトデ
ィテクターを構成する。
これらのサーボ用の信号は、制御回路40で電力増幅されて、各アクチュエーターに印
加される。すなわち、フォーカスサーボ信号がピエゾ素子31に印加されフォーカス方向
のサーボがおこなわれる。また、トラッキングサーボ信号が対物レンズ15を駆動するト
ラッキングアクチュエータ(図示せず)に印加されトラック方向のサーボがおこなわれる
。また、トラッキングサーボ信号の低域成分が制御回路40で分離されてスライドモータ
ー32に印加されトラッキングアクチュエータではカバーできない広い範囲のトラック方
向のサーボがおこなわれる。また、スピンドルモーター信号がスピンドルモーター33に
印加されスピンドルサーボがおこなわれる。図2では、スピンドルモーター33によって
回転される、破線で示す部分と、図面の中央部に実線で示す部分とは、同一の記録再生媒
体(ディスク)50である。つまり、全体の構造を分かり易くするために、破線部は断面
方向からの図として示し、実線部分は平面方向からの図として、同一物を示すものである
(実施形態における記録再生の動作)
記録の際は、空間変調器24の信号光部24aを記録すべきデータに対応して明暗とし
て表示する。上述したように、信号光部24aの態様に応じて位相マスク25の対応部分
の各画素は位相変調される。また、空間変調器24の参照光部24bから参照光が発生す
るように制御される。このような、信号光部24aと参照光部24bとの制御、位相マス
ク25の対応部分の各画素の制御は、制御回路40によって行われる。位相マスク25の
参照光部24bに対応する部分は、上述したように、放射状に0とπとに位相変調されて
いる。信号光と参照光とを平行光としてディスク50に照射すると、記録材料膜52にお
いて信号光と参照光とが干渉して干渉縞を作り、この干渉縞に応じたホログラムを形成す
る。なお、信号光部24aの態様に対応して各画素が位相変調される位相マスクは、液晶
によって形成することができる。
再生の際は、空間変調器24の信号光部24aを制御して信号光が発生しないように制
御される。一方、空間変調器24の参照光部24bから参照光が発生するように制御され
る。このような、信号光部24aと参照光部24bとの制御は、制御回路40によって行
われる。位相マスク25の参照光部24bに対応する部分は、上述したように、放射状に
0とπとに位相変調されている。参照光を平行光としてディスク50に照射すると、記録
材料膜52の記録材料膜52において回折光を得て、ワイヤーグリッド53で反射し、再
び、記録材料膜52を通過して回折光に含まれる記録データに応じた情報をディスク50
から持ち帰る。回折光は、CMOSカメラ18に照射されて、回折光に応じた電気信号を
発生する。この電気信号は、制御回路40によって処理されて記録データが再生される。
実施形態の技術によれば、再生時においては、光ビームは、反射膜54に達することが
ないので、反射膜54に形成された、ピットまたは/およびグルーブの凹凸がノイズとし
て回折光に混入することがなく、良質な回折光が得られる。この結果、高品質な記録デー
タの再生が可能となる。また、ワイヤーグリッド面では、上記の位相マスクのおかげでパ
ワーが集中しないので、再生時において特定の場所のホログラムの形状が変形劣化するこ
とによる、記録されたホログラムの品質劣化がない。
実施形態の技術によれば、記録時においては、光ビームは、反射膜54に達することが
ないので、ピットまたは/およびグルーブの凹凸による散乱がなく良好な干渉縞を生じさ
せることができる。よって、良質なるホログラムが記録材料膜52に形成できる。
このようにして、実施形態のディスク50を用いれば、記録時においては、記録材料膜
におけるホログラムを形成する位置が正確に特定できる。同様に、再生時においては、情
報を読み出す記録材料膜52におけるホログラムの位置が正確に特定できる。その理由は
、上述したように、実施形態では、例えば、青色の、一波長の光ビームのみを使用して、
サーボ動作と記録再生動作とを時分割でおこなっていることに起因している。この結果、
光ビームが通過する光路に配置される光学部材の多くは、サーボ動作時と記録再生動作時
とで共用されるからである。これは、実施形態のディスク50が、偏光性膜を有しており
、1つの波長の光ビームを用いて記録再生ができるようにされているからに他ならない。
他方、従来のディスク200を用いる場合には、サーボのためには赤色の光ビームを用
い、記録再生のためには青色の光ビームを用いていた。その結果、赤色の光ビームと青色
の光ビームとの光路が異なったものとなって、サーボ信号が特定する位置と記録再生の位
置とが異なっていた。この両方の光ビームが特定する各々の位置の位置誤差は、ホログラ
ム記録再生装置毎に異なっていた。そのため、ホログラム記録再生装置100のような装
置間では、媒体の互換性を保つことが困難であった。
この点、実施形態のディスク50を用いることによって、上述したような理由から、装
置間における媒体の互換性が極めて良い。そのため、多数のホログラム記録再生装置と多
数のディスクが市場に出回ったとしても、装置互換性、媒体互換性の両方が極めて良好で
あり、ディスク50をリムーバブルメディアとして位置づけて使用することができ、産業
上の利用範囲は大幅に拡大するものである。
(実施形態のホログラム記録再生装置の変形例)
図7は、別のホログラム記録再生装置であるホログラム記録再生装置10aを示す図であ
る。ホログラム記録再生装置10aは、図4に示すホログラム記録再生装置10を変形し
たものであり、図1に示すホログラム記録再生媒体(ディスク)50に対して、情報の記
録再生をおこなうことができるものである。ホログラム記録再生装置10aは、ホログラ
ム記録再生装置10には備わっていない光学部材を備えている。付加された光学部材は、
ダイクロイックプリズム13、赤色の光ビームを発光するレーザーダイオードである赤の
LD11(他の光ビーム発光器)、グレーティング12、フォトディテクター(PD)1
7(他のフォトディテクター)、ビームスプリッター16である。
これらの光学部材は、記録材料膜52に形成されたホログラムを破壊することがない波
長を有する赤色の光ビーム(他の光ビーム)を発光させ、赤色の光ビームをディスク50
に照射する。そして、フォトディテクター(PD)17から他のサーボ信号を得るための
光学部材である。
赤のLD11から出射された光ビームは、グレーティング12で光ビームを3つに分け
て対物レンズ15を介してディスク50に照射される。反射膜54の反射膜54で反射し
た光ビームはダイクロイックプリズム13によってビームスプリッター16に導かれ、P
D17によってサーボ信号を検出する。PD17からは、例えば、アスティグマ法によっ
てフォーカスサーボエラーを検出する。また、上述した3スポット法または差動プッシュ
プル法(DPP法)によってトラッキングエラーを検出する。赤のLD11を動作させて
、赤色の光ビームを出射し続ける限り、λ/2板44の軸の方向の如何に関わりなく、上
述したようにして、常時、サーボ信号を得ることができる。つまり、青色の光ビームを用
いて記録再生の動作をおこなっているときも、青色の光ビームを用いてサーボの動作をお
こなっているときも、赤色の光ビームを用いてサーボ信号を得ることができる。なお、差
動プッシュプル法は周知技術である。
また、予め、赤のLD11からの光ビームの偏光方向を適宜に調整しておくことによっ
て、赤色の光ビームの光量の半分がワイヤーグリッド53で反射し、光量の半分が反射5
4で反射するようにできる。このようにすると、ワイヤーグリッド53で反射した光ビー
ムはPD17においては、和信号として検出され、反射54で反射した光ビームはPD1
7においては、差信号として検出される。よって、差信号から、フォーカスサーボエラー
、トラッキングエラーを検出することができる。この場合には、図6に示すλ/2板14
を用いる必要はない。また、λ/2板14を用いる場合には、赤のLD11からの光ビー
ムの偏光方向に特段の制約なく、差信号から、フォーカスサーボエラー、トラッキングエ
ラーを検出することができる。このようにして、λ/2板44の軸の方向が0°、45°
のいずれにおいてもサーボ信号を検出するようにできる。よって、赤のLD11を動作さ
せて、赤色の光ビームを出射し続ける限り、λ/2板44の軸の方向の如何に関わりなく
、上述したようにして、常時、サーボ信号を得ることができる。つまり、青色の光ビーム
を用いて記録再生の動作をおこなっているときも、青色の光ビームを用いてサーボの動作
をおこなっているときも、赤色の光ビームを用いてサーボ信号を得ることができる。
青色の光ビームから得られるサーボ信号は記録再生がおこなわれる位置を正確に反映し
ているので、時々、青色の光ビームから得られるサーボ信号によって、赤色の光ビームか
ら得られるサーボ信号を校正して、正確なサーボ信号を連続して得ることができる。つま
り、赤色の光ビームから得られるサーボ信号の低域成分を青色の光ビームから得られるサ
ーボ信号の低域成分によって校正し、高域成分については、赤色の光ビームから得られる
サーボ信号を用いるのである。このようにすれば、サーボ系の応答速度を高くすることが
できるとともに、位置精度の高い、サーボ系が実現できる。
また、別の変形例としては、以下の組み合わせが可能である。記録の動作においては、
上述した、図7を参照して説明した、実施形態の変形例と同様に動作させ、再生の動作に
おいては、上述した、図1を参照して説明した、実施形態と同様に動作させることも可能
である。すなわち、記録の動作においては、青色の光ビームと赤色の光ビームとの両方を
用い、再生の動作においては、青色の光ビームのみを用いることもできる。
上述した実施形態のホログラム記録再生媒体の奏する効果についてまとめる。上述した
ホログラム記録再生媒体を用いれば、ローテーターを有するホログラム記録再生装置によ
って、単一の光ビームによって、サーボ信号と記録再生信号とを得ることができる。つま
り、一の波長の光ビームによってサーボ動作をおこない、同一波長の光ビームを用いて記
録動作をおこない、同一波長の光ビームを用いて再生の動作をおこなうことができる。こ
れは、一の波長の光ビームのみを用いて、サーボ信号と記録再生信号とを得ることができ
る実施形態のホログラム記録再生媒体を記録再生の対象とするからである。なお、実施形
態に示したワイヤーグリッドを有するホログラム光記録媒体(ディスク)ではなく、ワイ
ヤーグリッドに替えて同様な特性の有機材料を用いることもできる。有機材料を用いる場
合でも同様な手法で記録再生ができる。
単一の光ビームを用いて記録再生が可能となるので記録再生をおこなう装置の構成が簡
略化され、また、光学系における光学部材の位置合わせ(アライメント)を容易として、
装置を低価格なものとできる。また、温度変化にかかわらず安定動作をさせることができ
る。さらに、同一の媒体に対する装置間互換性を高いものとできる。また、同様の理由で
同一装置に対して、複数の媒体を取り替えて記録再生をおこなう場合の媒体間互換性を高
いものとできる。そして、装置間及び媒体間の互換性が高いものとなる結果、このような
ホログラム記録再生媒体をリムーバブルメディアとして採用しても、これに対応するホロ
グラム記録再生装置を提供することができる。すなわち、このようなホログラム記録再生
媒体を世に提供することによって、従来は、想像することもできなかった程の大容量媒体
を市場に流通させることが可能とされ、産業上、図りしれない利益を与えることができる
ものとなる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、その発明の技術的思想の
範囲内で様々に変形して実施することが可能である。例えば、ホログラム記録再生媒体は
、円盤状(ディスク状)の形状に限られず、四角形のカード状でも良い。カード状の場合
には、偏光性膜をワイヤーグリッドで形成する場合には、金属線の伸びる方向は、カード
の長手方向、短手方向、斜め方向のいずれでも良い。金属線の伸びる方向に合わせて、ホ
ログラム記録再生装置では、ローテーター、λ/2板を配置することとなる。また、カー
ド状において、偏光性膜を有機材料で形成する場合には、記録材料膜と反射膜との間に有
機材料膜を配置すれば良い。
実施形態のホログラム記録再生媒体の模式図を示す。 ワイヤーグリッドのSEM(Scanning Electron Microscope)写真である。 ワイヤーグリッドの金属線の伸びる方向についてのいくつかの例を示す図である。 実施形態のホログラム記録再生装置の光学部を中心とする模式図である。 空間変調器に形成される信号光部と参照光部とを模式的に示す図である。 空間変調器の参照光部に対応する位相マスクの部分を模式的に示す図である。 別のホログラム記録再生装置を示す図である。 従来のホログラム記録再生装置に用いるホログラム記録再生媒体を模式的に示す図である。 従来のホログラム記録再生装置の光学部を中心とする模式図である。
符号の説明
10、10a ホログラム記録再生装置、 12 グレーティング、 13 ダイクロ
イックプリズム、 14 λ/2板、 15 対物レンズ、 16 ビームスプリッター
、 18 CMOSカメラ、 20 アイソレーター、 21 シャッター、 22 ガ
ルバノミラー、 24 空間変調器、 24a 信号光部、 24b 参照光部、 25
位相マスク、 40 制御回路、 43 ローテーター、 44 λ/2板、 45
モーター、 50、50a、50b、50c ホログラム記録再生媒体(ディスク)、
51 透明基板、 52 記録材料膜、 53 ワイヤーグリッド、 54 反射膜

Claims (6)

  1. 信号光と参照光との干渉縞に応じたホログラムを記録する記録材料膜と、
    ピットまたはグルーブが形成される光ビームを反射する反射膜と、
    前記記録材料膜と前記反射膜との間に配された、光ビームの偏光方向に応じて、光ビーム
    を透過または反射する偏光性膜と、を備えるホログラム記録再生媒体。
  2. 前記偏光性膜は、ワイヤーグリッドで形成される請求項1に記載のホログラム記録再生
    媒体。
  3. 前記ワイヤーグリッドを形成する導電性金属線が、渦巻状に円周方向に平行に等間隔に
    配置される請求項2に記載のホログラム記録再生媒体。
  4. 前記ワイヤーグリッドを形成する導電性金属線が、同心円状に円周方向に平行に等間隔
    に配置される請求項2に記載のホログラム記録再生媒体。
  5. 前記ワイヤーグリッドを形成する導電性金属線が、放射状に配置され、ゾーンを分割し
    て、等間隔に配置される請求項2に記載のホログラム記録再生媒体。
  6. 前記記録材料膜を保護する透明基板を備える請求項1に記載のホログラム記録再生媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016060170A1 (ja) * 2014-10-15 2016-04-21 綜研化学株式会社 偏光板及びその製造方法、媒体

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