以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。図1に、装置の主要部である光学部を中心として、ホログラム記録媒体を用いて記録再生をおこなうホログラム記録再生装置の模式図を示す。
ホログラム記録媒体48は、CD(コンパクト・ディスク)やDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)と同様のディスク型(円盤形状)をしており、ホログラム記録媒体48の最内周部には、ホログラム記録媒体を保持し、回転中心を位置決めするための孔部が設けられている。
このようなホログラム記録媒体に記録再生をおこなうホログラム記録再生装置1は、図1に図示された光学部を主要な構成部分として備えている。また、詳細は図示しない電気回路で構成される制御部50を備え、さらに、そのすべては図示しない機構部を備えている。そして、ホログラム記録再生装置1は、制御部50を介して図示しない外部装置に接続されるようになされている。ここで、外部装置は、例えば、コンピュータのCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)、映像表示装置(モニター)である。外部装置がCPUである場合には、CPUとの接続はバスラインを介しておこなうこととなる。
図1に示すホログラム記録再生装置1の光学部は、光ビームが通過する光路を形成している。光学部は、レーザー光源10、アイソレーター11、シャッター12、フーリエ変換レンズ13、フーリエ変換レンズ14、可動ミラー16a、ミラー18、空間変調器19、偏光ビームスプリッター20、フーリエ変換レンズ21、ピンホール22、フーリエ変換レンズ24、1/4波長板26、対物レンズ28、フーリエ変換レンズ29、ミラー30、フーリエ変換レンズ31、およびイメージセンサー32を有している。
ここで、フーリエ変換レンズ24、1/4波長板26および対物レンズユニット36は可動部34として一体として紙面の横方向(ラジアル方向)に移動するようになされている。この可動部34の移動は、機構部の一部であるスライド送りモータ37を用いておこなわれるようになされている。また、対物レンズユニット36は、対物レンズ28、図示しない立ち上げミラーおよび機構部としての図示しない対物レンズアクチュエータを有している。そして、対物レンズアクチュエータは対物レンズ28を紙面に垂直な方向(フォーカス方向)に移動させるようになされている。また、可動ミラー16aは、可動ミラーユニット16に設けられ、機構部を構成する可動ミラーアクチュエータ16bによって、対物レンズ28を通過してホログラム記録媒体48に照射される光ビームを紙面の上下方向(タンジェンシャル方向)に移動させるようになされている。
レーザー光源10は、レーザー光の波長が可変とできる外部共振器型レーザー(例えば、共振波長は、405nm(ナノ・メータ)±3nmの範囲とされている)である。アイソレーター11は、外部共振器型レーザーとして構成されているレーザー光源10に戻光が戻ることを防ぎ、レーザー光源10の発振を安定化するためのものである。シャッター12は光ビームを透過、または、遮蔽するための素子であり、制御部50からの信号によって光ビームが透過させられるか、遮蔽されるかが制御される。フーリエ変換レンズ13およびフーリエ変換レンズ14は光ビームの径を拡大して空間変調器19の全面に光ビームを照射するためのものである。可動ミラー16aは、可動ミラーアクチュエータ16bによって変位させられて上述したように光ビームをタンジェンシャル方向に走査するためのものである。ミラー18は光ビームの方向を変えて空間変調器19に光ビームを照射するためのものである。空間変調器19は光ビームに空間的な変調を施して参照光と信号光とを得るためのものであり、例えば、DMD(デジタル・ミラー・デバイス)が採用されている。偏光ビームスプリッター20は参照光および信号光は透過させて、再生光を反射させるためのものである。
また、フーリエ変換レンズ21およびフーリエ変換レンズ24は、光ビームの集光点を形成するためのものである。ピンホール22は、この光ビームの集光点に配置されており、これによって高次の回折光を遮蔽するためのものである。1/4波長板は直線偏光を円偏光に変換するためのものである。対物レンズ28はホログラム記録媒体48のホログラム形成領域に光ビームを集光するためのものである。フーリエ変換レンズ29およびフーリエ変換レンズ31は、倍率が調整された実像がイメージセンサー32に形成されるようにするためのものである。ミラー30は光ビームの方向を変化させイメージセンサー32に光ビームを導くためのものである。イメージセンサー32は、CMOSセンサー(シーモス・センサー)、CCD(チャージ・カップルト・デバィス)等に代表される光学受光素子であって、微細に分割された複数の受光素子が2次元に配置され、各々の受光素子からの電気信号が分離して検出することが可能とされるものである。
また、ホログラム記録再生装置は、可動部34の全体をラジアル方向に移動させるための上述したスライド送りモータ37を有し、ホログラム記録媒体48を回転させるためのスピンドルモータ33を有している。スピンドルモータ33の回転軸は図示しないターンテーブルに固着され、ホログラム記録媒体48の中心に配された孔部(図4、図7の符号48aを参照)をターンテーブルに位置決めすることによって、ホログラム記録媒体48は回転させられる。
上述した光学部を用いたホログラム記録再生装置1における記録の作用について以下に説明し、その後に再生の作用について説明する。
記録をおこなう場合には、レーザー光源10は、所定の強度の光ビームを出射する。この光ビームは、アイソレーター11を通過して、シャッター12が光ビームを透過するように制御部50によって設定されている場合には、光ビームは、さらに、シャッター12を通過する。光ビームは、フーリエ変換レンズ13およびフーリエ変換レンズ14によって光ビームの径を拡大される。そして光ビームは、可動ミラー16aで反射し、さらに、ミラー18で反射して、空間変調器19に照射される。ここで、可動ミラー16aの光ビームに対する入射角度は制御部50によって設定されており、この入射角度の変化に応じて空間変調器19に入射する光ビームの入射角度は変化させられる。そして、最終的には、対物レンズ28に入射する参照光と信号光との対物レンズ28の光軸に対する入射角度を変化させる。空間変調器19に入射する光ビームの入射角度を変化させることによって得られる作用については詳細に後述する。
空間変調器19に入射した光ビームは空間変調を受ける。空間変調器19はDMDで構成されている。DMDを構成する2次元に配列されたマイクロミラー各々の角度が制御部50によって制御されており、光ビームを偏光ビームスプリッター20の方向に反射する様な角度(「1」角度)と、光ビームを偏光ビームスプリッター20の方向に反射しない様な角度(「0」角度)との2つの状態に対応する角度のいずれかを維持する。また、このマイクロミラーは参照光領域19a(図2を参照)に属するマイクロミラーと信号光領域19b(図2を参照)に属するマイクロミラーとの2群に分類されている。参照光領域19aに属するマイクロミラーの各々は、制御部50の記憶領域、例えば、RAM(ランダム・アクセス・メモリー)に記憶された「1」と「0」との組み合わせによって表現される所定の参照光パターンに応じて、「1」の場合には、「1」角度に、「0」の場合には、「0」角度に維持される。
同様に、信号光領域19bに属するミラーの各々は、制御部50から出力される「1」と「0」との組み合わせによって表現されるページを単位とする記録データに応じて、「1」の場合には、「1」角度に、「0」の場合には、「0」角度に維持される。ここで、記録データは、ブロックコードである変調記録データとして符号化されており、例えば、変調記録データの1ブロックは、4行4列の16個のマイクロミラーの領域に対応させられており、16個の内の3個が「1」角度となる16:3符号が用いられている。
図2は、空間変調器19の各々のマイクロミラーの角度の状態を示す図であり、図2における紙面の色の部分(以下白部と称する)が「1」角度、黒い色の部分(以下黒部と称する)が「0」角度に対応するものである。図2に示す外周部分のドーナツ形状の部分が参照光領域19aであり、その内側にある円形の領域が信号光領域19bである。信号光領域19bでは、記録データパターンに応じ、多角形で示すようにマイクロミラーの「1」角度と「0」角度とが維持されている。ここで、空間変調器19の大きさは参照光領域19aと信号光領域19bとを含む面積があれば十分であり、ドーナツ形状の参照光領域19aの外側は必要とされないものである。
このようにして空間変調器19の参照光領域19aで空間変調を受けた参照光と信号光領域19bで空間変調を受けた信号光とが同軸状に配置されてなる光ビームは、偏光ビームスプリッター20を透過して、フーリエ変換レンズ21、ピンホール22、フーリエ変換レンズ24を通過して高次の回折光が取り除かれる。さらに光ビームは1/4波長板26を通過した後、紙面の横方向に向かう光ビームの進行方向は、図示しない立ち上げミラーによって、紙面の裏面方向から紙面の表面方向へと向かうように変更される。そして、参照光と信号光との各々は、対物レンズ28によってホログラム記録媒体48のホログラム形成領域とされる記録層で集光され、参照光と信号光とは干渉して干渉縞を発生させる。そして、例えば、フォトポリマーを材料として形成されるホログラム形成領域においてモノマーがポリマーに変化して、干渉縞に応じた屈折率の変化として記録層にホログラムが形成される。
ここで、ホログラム記録媒体48のホログラム形成領域に光ビームを集光するには、フォーカスサーボが用いられるがこれについては、後述する。また、ページ単位でホログラムを記録する手順に関する技術は、実施形態の要部となる部分であるので、詳細に後述する。
再生をおこなう場合の光学部の作用を以下に説明する。再生の動作においては、空間変調器19に光ビームが達するまでの作用は、記録をおこなう場合と同じであるので、説明を省略する。空間変調器19の参照光領域19aでは、記録をおこなったときと同一の角度で、マイクロミラーの「1」角度と「0」角度とが維持されている。すなわち、後述するが、記録において用いたと同じ参照光を再生においても用いる。一方、信号光領域19bでは、すべてのマイクロミラーは、「0」角度とされる。すなわち、信号光が発生しないようになされる。このようにして、参照光のみが発生させられ、記録をおこなったときと同様に光ビームはホログラム記録媒体48の記録層の既にホログラムが形成された領域(ホログラム形成済み領域)に集光して照射される。
参照光をホログラム形成済み領域に照射することによって再生光が発生し、ホログラム記録媒体48に配された反射膜で反射した再生光は、再び、対物レンズ28の側に戻る。ここで、ホログラム記録媒体48の反射膜は、ホログラムが形成されている記録層のより対物レンズ28から遠い側に配されており、記録層で発生した再生光を対物レンズ28に戻すことが可能とされている。
再生光は、対物レンズ28を通過した後、1/4波長板を通過して偏光方向が円偏光から直線偏光に変換される。そして、フーリエ変換レンズ24、ピンホール22、フーリエ変換レンズ21を通過して、偏光ビームスプリッター20に再生光は達する。このときの直線偏光とされた再生光の偏光方向は、参照光の偏光方向に対してπ/2ずれている。このために、再生光は、偏光ビームスプリッター20を透過することができず、偏光ビームスプリッター20で反射して、進行方向を変更してフーリエ変換レンズ29、ミラー30、フーリエ変換レンズ31を通過して、イメージセンサー32の上に像を形成する。この像は、図2において、記録時に空間変調器19に表示されたと同様の形態で形成される。すなわち、外周部には、再生光に含まれる参照光成分に応じた像が再生され、内周部には、再生光に含まれる信号光成分に応じた像が再生される。
ここで、イメージセンサー32に表示される参照光成分に応じた像とは、空間変調器19の参照光領域19aに表示される白部と黒部とに対応した像であり、イメージセンサー32に表示される信号光成分に応じた像とは、空間変調器19の信号光領域19bに表示される白部と黒部とに対応した像である。ここで、再生のために必要となるのは、信号光成分に応じた像のみであるので、参照光成分に応じた像を受光するイメージセンサー32の外周部分は、再生のみを目的とする場合には必要とはされない。
イメージセンサー32からの再生光に含まれる信号光成分に応じた像の明暗に基づき検出された2次元に配列された複数の受光素子からの電気信号は、制御部50に取り込まれ、明部を「1」とし、暗部を「0」とする2値信号に変換された後に、ブロック符号のデコード処理をおこない1ブロックずつの変調記録データが復号された後、ECCの復号処理をおこなう等の信号処理がなされ、記録データが復号されて、外部装置に記録データが送出される。
続いて、空間変調器19に入射する光ビームの入射角度を変化させる可動ミラー16aの有する機能について図3を参照して説明する。図3では、原理を示すために可動ミラー16aから対物レンズ28までの光路を形成する光学部品は空間変調器19以外については記載が省略されている。可動ミラー16aは、ホログラム記録媒体48における光ビームの集光点の位置がタンジェンシャル方向に移動するように回動される。図3においては、タンジェンシャル方向は紙面の左右方向である。すなわち、図3に示すように、可動ミラー16aを回動させることによって、対物レンズ28に入射する光ビームの入射角度θを光軸に対して変化させると、入射角度θに応じて集光点の位置がタンジェンシャル方向に移動する。
このようにして、可動ミラー16aを回動させることによって、ホログラム記録媒体48が静止している状態で光ビームの集光点の位置を例えば3μm(マイクロ・メータ)毎に移動させ、焦点位置に応じて形成される位置が異なる複数個のホログラムを記録することができる。
ここで、対物レンズ28の望ましい特性について説明する。実施形態のホログラム記録再生装置1では、対物レンズ28の前後の各々の焦点面に空間変調器19とホログラム記録媒体48の反射面とを配置している。光ビームの対物レンズ28の光軸に対する入射角度がθのときホログラム記録媒体48の反射面におけるフーリエ像の移動距離は対物レンズ28の焦点距離fとSinθとの積で表される。このときに、対物レンズ28が正弦条件を満たす特性を有する場合には、フーリエ像はその位置をタンジェンシャル方向に移動させるのみでフリンジ等は変化しない。実施形態においては、±70μmの範囲で正常な記録と再生ができることを確認した。なお、正弦条件を満たさない場合には、正常な記録再生特性が劣化する。すなわち、記録再生ができる集光点の変化幅が小さくなる。
また、図1に示すホログラム記録再生装置1の光学部は、テレセントリックな特性を有している。テレセントリックな特性を有するので、空間変調器19によって空間的に変調を受けた光ビームは対物レンズ28の前側焦点位置に実像を形成することができることとなる。図1に示す光学部は空間変調器19の反射面とフーリエ変換レンズ21との間の光路の離間距離と、フーリエ変換レンズ21とピンホール22との間の光路の離間距離と、ピンホール22とフーリエ変換レンズ24との間の光路の離間距離と、フーリエ変換レンズ24と対物レンズ28の前側焦点面との間の光路の離間距離との各々の4つの光路の離間距離をテレセントリック系になるように配置している。また、ピンホールはアパーチャーとして使用している。
実施形態における、種々の多重方式について説明する。以下に説明する多重方式は、記録または再生のいずれの動作においても用いることが可能である。また、いずれの多重方式の2つ以上を任意に組み合わせることが可能である。以下、順にこれらについて説明する。
(ビーム位置多重)
上述したように、可動ミラー16aを回動させることによってシフト多重記録ができる。このように、可動ミラー16aを用いてシフト多重をおこなうことを、以下、ビーム位置多重と称する。ここで、ホログラム記録媒体のホログラムが形成される面の方向へ多重してホログラムを記録する記録方式の総称をシフト多重記録方式と称するものである。また、このような記録をおこなうことを、シフト多重をおこなうと称するものである、また、シフト多重化の用語も、通常、用いられている用語である。
タンジェンシャル方向に、2μmないし3μmの範囲毎に集光点をずらした位置でホログラムを記録する場合に、ホログラム相互のクロストークは、記録と再生において問題が生じないレベルであることを本出願にかかる発明の発明者ら(以下、発明者らと省略する)は、実験によって見出した。また、上述したように、発明者らは対物レンズ28を含む光学系の特性がテレセントリックと正弦条件とを同時に満たす場合には、±70μmの範囲で正常な記録と再生ができることも見出している。したがって、余裕をみて、3μm毎のシフト多重記録をおこなう場合には、ホログラム記録媒体48を動かすことなく、可動ミラー16aのみを回動させることによるビーム位置多重が可能なページ数である多重可能ページ数N1は式1で示すものとなる。
N1=70(μm)×2÷3(μm)
=46・・・・・・(式1)
図4はホログラム記録媒体48のホログラム形成領域48bにどのようにホログラムが形成されるかを模式的に示すものである。この例ではホログラム形成領域48bには複数のホログラムが相互に重なりあって記録されている。具体的には、ホログラム48b1が形成された後に、重畳してホログラム48b2が形成され、さらに、ホログラム48b3、ホログラム48b4と重畳して形成されている。すなわち、タンジェンシャル方向(周方向)へビーム位置多重記録がなされている。この実施形態では、対物レンズ28の特性が正弦条件を満たすので、ホログラム48b1からホログラム48b46(図示しない)まで、3μm間隔で46個のホログラムを記録することができる。また、図4では隣接するホログラムが相互に重なるように記録されているが、隣接するホログラムが相互に重なることがない距離、離間して記録されるようにしても良いものである。
ここで、可動ミラー16aを回動させることによって、ホログラム記録媒体48の反射膜上で3μm動かすに必要な時間は、実験によれば、約3mSec(ミリ・秒)であった。記録データを記録するには、DMDとして構成される空間変調器19の参照光領域19aは、ページ毎の記録データが変化しても同一とすることができるが、少なくとも、信号光領域19bのマイクロミラーに「1」角度と「0」角度とをページ毎に設定しなければならない。これに要する時間は、5μSec(マイクロ・秒)と可動ミラー16aのビーム位置多重のための3mSecに較べて小さく、1ページを記録するために必要な時間は、可動ミラー16aの1ページ分の回動の時間とホログラムを形成するために光ビームをホログラム記録媒体に照射している時間とにほとんど支配されてしまう。
ここで、記録再生の準備が整うまでの時間を準備時間と称するものとし、この例では、マイクロミラーに「1」角度と「0」角度とをページ毎に設定する時間5μSecと可動ミラー16aをビーム位置多重のために設定する時間3mSecとの和の時間である3.005mSecが準備時間である。また、1ページ分のホログラムをホログラム記録媒体に記録するために光ビームを照射している時間(レーザー照射時間)は、ホログラム記録媒体の記録層の媒質の性質に依存し、実施形態で用いたポリマーの例では平均的には1mSec程度であった。
また、再生においては、レーザー照射時間は、光ビームを照射することによって、再生光を得て、この再生光が照射されるイメージセンサー32からホログラムの再生に必要な電気信号を得るために必要とされる時間であり、この時間はイメージセンサー32の特性と信号処理のためのハードウエアおよび処理手順に依存するものである。さらに、この他に、再生においては、レーザー照射をする前の準備時間として、後述するパターン多重の場合には、参照光領域19aを設定する時間が必要とされ、レーザー照射した後の再生後の処理時間である再生後処理時間としてイメージセンサー32に形成される像に応じた電気信号を検出した後、ブロック符号のデコード処理、ECCの復号処理等に所定の時間が必要とされる。実施形態では、再生時におけるレーザー照射時間は、平均的に0.3mSecであった。
ここで、記録時および再生時における準備時間は、後述する多重化の手法の各々のどれを採用するか、または、種々の多重化の手法をどのような順番で組み合わせるかによって異なるものである。また、記録のための準備時間が短い場合には、再生のための準備時間も短くなるのが一般的な傾向である。一方、レーザー照射時間は、記録に際しては、ホログラム記録媒体の媒質の性質に依存し、記録するページ数に比例するものであり、多重化の方法の違いには依存しない時間である、また、レーザー照射時間は、再生に際しては、イメージセンサー32の性能等に依存し、記録するページ数に比例するものであり、多重化の方法の違いには依存しない時間である。
上述したように、記録動作においても再生動作においても、1ページ分の記録データの処理は、可動ミラー16aの1ページ分の回動の時間の約3mSecである。この時間と、背景技術に示す技術を採用する場合に実現される記録再生の時間とを比較すると以下に示すような結果となる。
背景技術の第1の技術として説明した、ストップアンドゴー方式に較べる場合には、ホログラム記録媒体48に較べて回転モーメントが小さい可動ミラー16aを制御するのであるから、その記録と再生の速度は大幅に向上する。例えば、光スポットの位置を固定して、直径が12cmの円盤状のホログラム記録媒体48を3μm移動させるに必要な時間は、実験値によれば、200mSecであった。
背景技術の第2の技術として説明した、アスキング方式では、光ビーム(光スポット)の移動には、可動ミラー16aと同様な可動ミラーを用いることが可能であるので、記録再生の速度は、この実施形態の技術と同等である。しかしながら、アスキング方式では、可動ミラーの回動量とホログラム記録媒体48の移動量との同期を図らねばならず、その同期の制御のための機構および回路は、この実施形態に較べると著しく複雑なものとなる。
背景技術の第3の技術として説明した、2光束方式に採用が可能であった角度多重方式との比較においては、角度多重のための機構として、2光束方式において、角度多重のために採用するものと略同様の構造を有し、略同一の可動速度を有する可動ミラーを用いることができるので、角度多重方式におけると同等の記録再生速度を有するものである。すなわち、従来はコアキシャル方式では実現できないと考えられていた、角度多重における記録再生速度と略同等のホログラムの多重記録の速度を、新たに採用したビーム位置多重方式によってコアキシャル方式においても実現可能とするものである。
ここで、可動ミラー16aを駆動する可動ミラーアクチュエータ16bは、コイルと磁石の組み合わせ等で構成される電磁力を用いるものとしても、ピエゾ素子等で構成される静電力を用いるものであっても良く、可動ミラー16aの回動量の制御はフィードフォワード方式であっても、位置センサーを用いるフィードバック方式とするものであっても良い。
式1に示すように、多重可能ページ数N1の値は46となる。したがって、46以下のページを連続して書く場合には、記録再生の速度は、従来はコアキシャル方式では実現できなかった高速なものである。しかしながら、46以上のページを連続して記録再生する場合には、タンジェンシャル方向の多重化に加えて他の技術を採用しなければならない。ここで、ホログラム記録媒体48の移動の技術を追加する場合には、記録再生の速度は大幅に低減することとなる。図5に示すのは、かかる問題を解決し、さらに、多重可能ページ数を増加させるために、可動ミラーを光路中に2個、配置したホログラム記録再生装置を示すものである。
図5に示すホログラム記録再生装置2においてホログラム記録再生装置1におけると同一の符号を付した光学部品の構成と作用は同一であるので、その説明は省略する。ホログラム記録再生装置2とホログラム記録再生装置1との相違点は、ホログラム記録再生装置2においては、可動ミラー16aに加えて、さらに、可動ミラー17aを有する点である。ここで、可動ミラー17aは、ホログラム記録媒体48に集光される光スポットをタンジェンシャル方向と直交する方向であるラジアル方向に移動させるものである。
図6を参照して、ホログラム記録再生装置2を用いてどのようにホログラムが形成されるかを説明する。図6はホログラム記録媒体48のホログラム形成領域48cにどのようにホログラムが形成されるかを模式的に示すものである。この例ではホログラム形成領域48cには複数のホログラムが2次元方向に相互に重なりあって記録されている。具体的には、ホログラム48c1.1、ホログラム48c1.2、ホログラム48c1.3、ホログラム48c1.4、さらに、ホログラム48c1.33(図示しない)、ホログラム48c2.1、ホログラム48c2.2、ホログラム48c2.3、ホログラム48c2.4、さらに、ホログラム48c2.33(図示しない)、ホログラム48c3.1、ホログラム48c3.2、ホログラム48c3.3、ホログラム48c3.4、ホログラム48c3.さらに、48c3.33(図示しない)、最後に、いずれも図示しないホログラム48c33.1、ホログラム48c33.2、ホログラム48c33.3、ホログラム48c33.4、さらに、ホログラム48c33.33と、タンジェンシャル方向およびトラッキング方向のいずれにも3μm毎に重畳して形成されている。すなわち、タンジェンシャル方向(周方向)へビーム位置多重がなされている。それに、加えて、ラジアル方向(半径方向)へは、ホログラム48c33.1、ホログラム48c33.2、ホログラム48c33.3、ホログラム48c33.4、さらに、ホログラム48c33.33と、ビーム位置多重がされている。このような重畳できるホログラムの数は、33個と33個とを書けた値である1089個となる。また、図6では隣接するホログラムが相互に重なるように記録されているが、隣接するホログラムが相互に重なることがない距離、離間して記録されるようにしても良いものである。
ここで、タンジェンシャル方向と、ラジアル方向へ各々33個ずつ記録が可能であるとし、タンジェンシャル方向のみに記録する場合の46個よりも少ない数とした。その理由は、可動ミラー16aと可動ミラー17aの両方を移動させる場合には、光ビームの光軸に対する入射角度θが零である位置(初期位置)から±70μmの範囲で正常な記録と再生ができることが確認されたことによっている。すなわち、多重記録される領域が四角形であるとした場合には、四角形の4隅の位置と初期位置との距離が70μmまでが、許容される範囲であるので、ホログラム記録媒体48を動かすことなく、可動ミラー16aおよび可動ミラー17aを回動させて、4角形領域にホログラムを多重する場合のビーム位置多重が可能なページ数である多重可能ページ数N2は式2で示すものとなる。
N2=[{(70(μm)×2)√2}/3(μm)]2
=1089・・・・・・(式2)
式2は対角線の長さが140μmの正方形の中に記録できるホログラムの数を計算したものであるが、ホログラム形成領域を4角形ではなく、円形とする場合、すなわち、ホログラム記録媒体48を動かすことなく、可動ミラー16aおよび可動ミラー17aを回動させて、記録再生の条件を同じくして円形領域にホログラムを多重する場合の、ビーム位置多重が可能なページ数である多重可能ページ数N3は式3で示すものとなる。
N3=1089×π/2
=1710・・・・・・(式3)
ここで、可動ミラー16aおよび可動ミラー17aを回動させて、光ビームをどのように走査するかは、任意に選択できるものである。例えば、可動ミラー16aによってホログラム記録媒体48上の光スポットをタンジェンシャル方向に走査後に、可動ミラー17aによって光スポットをラジアル方向に3μmずらして、再び、光スポットをタンジェンシャル方向に走査する繰り返しによって全領域にホログラムを形成するものとしても良く、可動ミラー17aによってホログラム記録媒体48上の光スポットをラジアル方向に走査後に、可動ミラー16aによって光スポットをタンジェンシャル方向に3μmずらして、再び、光スポットをラジアル方向に走査する繰り返しによって全領域にホログラムを形成するものとしても良く、アトランダムに全領域を走査するものであっても良い。
ここで、ホログラム形成領域が4角形である場合には、ホログラム記録媒体48上の光スポットの最大の移動範囲は各々99μm(140(μm)√2)とされる。一方、ホログラム形成領域が円形である場合には、ホログラム記録媒体48上の光スポットのラジアル方向の初期位置からの変位量に応じて、タンジェンシャル方向への移動量が変化する。すなわち、ラジアル方向の初期位置では、タンジェンシャル方向の光スポットの最大の移動範囲は140μmである。そして、ラジアル方向の位置が初期位置からずれるにしたがって、タンジェンシャル方向の光スポットの最大の移動範囲は減少して、ラジアル方向の位置が初期位置から140μmずれると、タンジェンシャル方向の光スポットの最大の移動範囲は0となる。このような最大の移動範囲の制御は、制御部50によっておこなわれる。トラッキング方向の変位量に対するタンジェンシャル方向への変位量が、制御部50に記憶テーブルとして保存されており、この記憶テーブルを参照して制御部50は可動ミラー16aおよび可動ミラー17aを制御する。
ホログラム記録再生装置2によれば、ホログラム記録再生装置1に較べて、多重化が可能となるホログラムの数を大幅に増加させることができる。そして、記録動作においても再生動作においても、1ページ分の記録再生の準備を整えるに必要とされる時間である準備時間は可動ミラー16aの回動の時間が支配的であり、約3mSecである。実際の記録再生では、この準備時間に、さらに、上述したように記録と再生におけるレーザー照射時間と、再生においては再生後処理時間とが加算された時間が記録再生の時間となる。
(パターン多重)
ホログラム記録媒体48を移動することがない別のホログラム多重方式について説明する。図2に示す参照光領域19aのマイクロミラーの「1」角度と「0」角度との再生動作時における設定が、記録時における設定と同じであることが、再生光から記録データを正しく再生するための条件である。すなわち、記録時の参照光と再生時の参照光とを同一とするものである。ここで、マイクロミラーの記録時と再生時との設定が一部異なる場合には、その異なりの程度に応じて、記録データの再生特性が劣化することとなり、記録時の参照光領域19aにおけるマイクロミラーの「1」角度と再生時の参照光領域19aにおけるマイクロミラーの「1」角度とが配置される空間的な位置の共有部分がない場合には、記録したホログラムから記録データを再生することができなくなる。ここで、複数の参照光領域19aの相互の形態が、このような空間的に同一の位置のすべてにおいて、「1」角度を共通に有しない場合を、「参照光領域が無相関」と称する。
参照光領域19aが相互に無相関である複数の参照光領域19aの態様の各々を用いて、複数のホログラムを同一領域に形成した場合には、一の特定の態様の参照光領域19aによっては、その一の特定の態様の参照光領域19aを用いて記録したホログラム以外からは記録データが再生できない。すなわち、相互に無相関とできる参照光領域19aの態様の数だけ同一の領域にホログラムが多重記録できることとなる。実施形態では、参照光領域19aの2次元の分割の数を5010としている。この場合の1例としては、相互に無相関である参照光領域19aの態様の数は9種類選べる。そうした場合には同一領域に9回ホログラムを多重記録しても、参照光領域19aの態様を変えながら再生すれば、9ページ分の記録データが再生できる。このような多重化の形態をパターン多重と称する。
空間変調器19として、DMDを用いた場合において、実験によれば、参照光領域19aの態様を切り替えるための時間(準備時間)は5μSecであった。また、1ページ分のレーザー照射時間が平均的には1mSec程度であるので、パターン多重を用いる場合には、1ページ当たり1.005mSecの記録速度が得られることとなる。また、再生の場合には、レーザー照射時間は、0.3mSec程度であるので、1ページ当たり0.305mSec程度の再生速度が得られることとなる。
(位相相関多重)
参照光領域19aの態様を変える代わり、参照光が通過する光路に位相を変化させる光学部材を配置し、複数の位相の態様を有することによって同様に同一領域にホログラムを多重記録できる。
複数の位相を有するようにする光学部材としては、例えば、液晶素子がある。通常のディスプレー装置等に用いられる液晶素子においては、分子方向が基板と平行な面内で変化して通過する光の偏光方向が変わる性質を有している。したがって、光ビームをこのような液晶素子で形成された盤面に照射し、偏光板をさらに透過させることによって、ディスプレー装置の画素に明暗を生じさせるものである。しかしながら、複数の位相を有するような光学部材として用いる液晶素子は、異なる性質を有している。例えば、電圧が印加されない場合には、分子方向が面内であり、電圧が印加される場合には分子方向が面に対して垂直となる性質を有している。液晶分子は強い複屈折を有するので、この分子方向の変化は、光ビームに対して位相変化を与えることができる。
このような光学部材は既にプログラマブル位相変調ユニット等の名称で広く市場において拡販されているものである。このような、プログラマブル位相変調ユニットにおいては、位相の態様を変化させるのに、10μSec程度の時間があれば十分である。このようなプログラマブル位相変調ユニットは、光ビームを透過して位相の態様を変化させる透過型と光ビームを反射して位相の態様を変化させる反射型とが用いられている。
反射型のプログラマブル位相変調ユニットを用いる場合には、図1において、ミラー18が配されていると同位置にミラー18に替えて反射型のプログラマブル位相変調ユニットを配置すれば、位相変調を受けたプログラマブル位相変調ユニットからの光ビームが空間変調器19に照射され、位相相関多重がおこなえるものである。この場合においても、制御部50がプログラマブル位相変調ユニットの位相の態様を変化させることとなる。実施形態では、位相の態様は、9種類とされている。また、プログラマブル位相変調ユニットは、記録の動作においては、空間変調器19の参照光領域19aまたは信号光領域19bのいずれかの一方の領域、または、参照光領域19aおよび信号光領域19bの両方の領域を照射する光ビームの部分に対して位相変調を施すことによって位相相関多重の効果を得ることができるものであり、再生の動作においては、空間変調器19の参照光領域19aを照射する光ビームの部分に対して位相変調を施すことによって位相相関多重の効果を得ることができるものである。
(波長多重)
レーザー光源10からのレーザーの波長を変えて記録再生をおこなうことによっても多重記録ができる。つまり、同一領域にレーザーの波長を替えて複数個のホログラムを形成した場合には、その波長を用いて記録したホログラムからのみ記録データが再生される。そのためには、レーザー光源10からの光ビームは波長を変化させることができるものでなくてはならない。以下にレーザー光源10について説明する。
図7を参照して、実施形態のレーザー光源10について、説明する。レーザー光源10は、光学部材として、マルチモードのレーザー・ダイオード111、コリメートレンズ112、グレーティング113、ミラー114、波長検出ディテクター115、を備えるものである。ミラー114とグレーティング113とは固着され、回転軸127を中心に紙面内の矢印で示す方向に回転可能とされている。ここで、グレーティング表面113aとミラー表面114aとの延長線が交わる線を回転軸127としている。
また、回転機構が歯車機構141b、歯車機構141cおよびモータ141aから構成されている。すなわち、歯車機構141bがミラー114とグレーティング113とに固着され、この歯車機構141bと噛み合うように、歯車機構141cが配されており、歯車機構141cはモータ141aの回転軸に連結されている。これによって、モータ141aの回転応じて、グレーティング表面113aとミラー表面114aとのなす角度を一定に保ちながら、ミラー114とグレーティング113とを回転軸127の回りで回転させることができる。
また、モータ141aの制御をおこなうためのレーザー制御部160を備える。レーザー制御部160は、ハードウエアとして、RAM、ROM、外部回路とのインターフェイス(例えば、A/D変換器(アナログ・デジタル変換器)、D/A変換器(デジタル・アナログ変換器)、電力増幅器)およびCPU、並びに、ROMに記憶され、CPUが処理する処理手順を記載したソフトウエアを有するマイコンで構成される。
図7に示すレーザー光源10の作用を説明する。レーザー・ダイオード111から出射された光ビーム120はコリメートレンズ112で平行光とされ、平行光とされた光ビーム121はグレーティング113で、波長毎に異なった方向へ向かう回折光である1次光を発する。グレーティング113は、その波長毎に異なった方向へ回折するが、それらの1次光のうち、レーザー・ダイオード111に戻る1次光もあり、レーザー・ダイオード111に戻る方向の1次光が該当する波長が優勢となり、レーザー・ダイオード111は、その波長でシングルモードの発振をおこなうこととなる。また大半の光はグレーティング113がミラーであるかのように反射して0次光の光ビーム122として、最終的には0次光の光ビーム124として、出射される。
グレーティング113のレーザー・ダイオード111に対する角度を変えると、レーザー光の波長を変えることができるが、そうすると、0次光方向の出射方向も変わるので、グレーティング113と協調して動くミラー114を採用している。グレーティング113からの光ビーム122はミラー114でも反射することにより、光ビーム124の出射光方向を常に一定方向となしている。
所望の周波数でレーザーを発振させる目的を達成するために、波長検出ディテクター115、レーザー制御部160、モータ141a、歯車機構141bおよび歯車機構141cが配されている。すなわち、モータ141aおよび歯車機構141b、歯車機構141cは、レーザー光の波長を変えるための回転機構として機能するものであり、波長検出ディテクター115およびレーザー制御部160は、レーザー光の波長を検出する機能を有するものである。
グレーティング113で反射した光ビーム122のうちの5%ほどの光ビーム123がミラー114を透過して波長検出ディテクター115を照射する。このとき、グレーティング113およびミラー114の回転によって波長検出ディテクター115における光ビーム123の照射位置が変わる。波長検出ディテクター115は、この照射位置の変化をとらえる方向に配置される2分割ディテクターとして構成されている。
そして、制御部50は、以下の処理をおこない、光ビーム124の波長を所望のものとする。まず、2つのディテクター115aとディテクター115bとから検出される電気信号の各々の差の電気信号である差信号を検出する。次に、この差信号をRAMの所定領域に格納された換算テーブルを参照してレーザー光の波長に換算する。次に、光ビームの所望とする波長と、換算テーブルから参照した現在の光ビーム123の波長との波長の誤差である誤差波長を演算する。次に、誤差波長に対して、ゲインを掛け、周波数補正をおこない制御系の最適化をおこなう。この制御系の最適化は通常おこなう技術である。さらに、D/A変換器でデジタル信号をアナログ信号に変換した後、電力増幅をおこないモータ駆動信号Smdをモータ141aに対して出力する。
このように、フィードバックを構成し、誤差波長が零となるように、モータ141aを制御する。この結果、グレーティング113およびミラー114の位置は、所望の波長を常時、出射するように制御される。ここで、グレーティング113およびミラー114を回転させる場合の回転モーメントは、グレーティング113およびミラー114を小型化する程小さくできるものであり、ホログラム記録媒体48の回転モーメントに較べて格段に小さく、例えば、3mSec程度の時間でレーザーの波長を変化させることができる。
実験の結果によれば、ホログラム記録媒体48の記録層の厚みを0.6mm(ミリ・メータ)とした場合で、レーザー光源10からの光ビームの波長を6nmの範囲で変化させ5回の多重が可能であった。
(多重化の組み合わせの例)
上述した、ビーム位置多重、パターン多重、位相多重、波長多重を2つ以上、任意に組み合わせて、相乗的な多重の効果を得て、記録再生できるページ数を増大させることができる。この場合に記録再生速度を速くするためには、記録再生の速度が速いものから順に組み合わせることが望ましい。以下に、実験において試みた例を挙げて説明する。
(パターン多重と1方向ビーム位置多重との組み合わせ)
パターン多重
同一領域に9回多重記録をする。所要時間は、1ページ当たり5μSecであったので約45μSecであり、9ページ記録された。
ビーム位置多重
可動ミラー16aによって光スポットの位置を3μmづつずらし、46回記録する。3μmずらす時間は3mSecであった。
この場合に記録されたページ数は414ページであり、記録のための準備時間は、
3.045(mSec)×46=140.07(mSec)である。
これに、光ビームをホログラム媒体に照射してホログラムを形成するに必要なレーザー照射時間を加算すると、1ページ当たりのレーザー照射時間は略1mSecであるので、記録のための準備時間とレーザー照射時間との和で表される記録時間は、
140.07+414=554.07(mSec)となる。
一方、パターン多重とビーム位置多重との処理の順番を入れ替え、ビーム位置多重を先におこない、パターン多重を後でおこなう処理手順を採用する場合の記録の時間を以下に示す。
ビーム位置多重のために位置をずらしている間にパターン多重の設定をすれば、パターン多重のための時間は加算する必要がないので、記録のための準備時間は、
(3(mSec)×46)×9=1242(mSec)
これに、光ビームをホログラム媒体に照射してホログラムを形成するに必要なレーザー照射時間を加算すると、1ページ当たりのレーザー照射時間は略1mSecであるので、記録のための準備時間とレーザー照射時間との和で表される記録時間は、
1242+414=1656(mSec)となる。
ここで、ビーム位置多重の記録のための準備時間>パターン多重の記録のための準備時間であり、記録のための準備時間がより短いパターン多重の処理をビーム位置多重の処理よりも先に処理する方が記録に必要な時間が短くなることが分かる。
(パターン多重と2方向ビーム位置多重との組み合わせ)
パターン多重
同一領域に9回多重記録をする。所要時間は、1ページ当たり5μSecであったので約45μSecであり、9ページ記録された。
ビーム位置多重
可動ミラー16aおよび可動ミラー17aによって光スポットの位置を3μmづつずらし、1089回記録する。3μmずらす時間は3mSecであった。
この場合に記録されたページ数は9801ページであり、記録のための準備時間は、
3.045(mSec)×1089=3316.005(mSec)である。
これに、光ビームをホログラム媒体に照射してホログラムを形成するに必要なレーザー照射時間を加算すると、1ページ当たりのレーザー照射時間は略1mSecであるので、記録のための準備時間とレーザー照射時間との和で表される記録時間は、
3316.005+9801=13117.005(mSec)となる。
一方、パターン多重とビーム位置多重との処理の順番を入れ替え、ビーム位置多重を先におこない、パターン多重を後でおこなう処理手順を採用する場合の記録の時間を以下に示す。
ビーム位置多重のために位置をずらしている間にパターン多重の設定をすれば、パターン多重のための時間は加算する必要がないので、記録のための準備時間は、
3(mSec)×1089×9=29403(mSec)
これに、光ビームをホログラム媒体に照射してホログラムを形成するに必要なレーザー照射時間を加算すると、1ページ当たりのレーザー照射時間は略1mSecであるので、記録のための準備時間とレーザー照射時間との和で表される記録時間は、
29403+9801=39204(mSec)となる。
ここで、ビーム位置多重の記録のための準備時間>パターン多重の記録のための準備時間であり、2方向ビーム位置多重とパターン多重との組み合わせを採用する場合においても、記録のための準備時間がより短いパターン多重の処理をビーム位置多重の処理よりも先に処理する方が記録に必要な時間が短くなることが分かる。
(パターン多重と波長多重との組み合わせ)
パターン多重
同一領域に9回多重記録をする。所要時間は、1ページ当たり5μSecであったので約45μSecであり、9ページ記録された。
波長多重
レーザー光源10によって光ビームの波長を6nmの範囲で少しずつずらし、5回記録する。1回、波長をずらす時間は3mSecであった。
この場合に記録されたページ数は45ページであり、記録のための準備時間は、
3.045(mSec)×5=15.225(mSec)である。
これに、光ビームをホログラム媒体に照射してホログラムを形成するに必要なレーザー照射時間を加算すると、1ページ当たりのレーザー照射時間は略1mSecであるので、記録のための準備時間と45ページ分のレーザー照射時間との和で表される記録時間は、
15.225+45=60.225(mSec)となる。
一方、パターン多重と波長多重との処理の順番を入れ替えた場合の記録の時間を以下に示す。
波長多重のために位置をずらしている間にパターン多重の設定をすれば、パターン多重のための時間は加算する必要がないので、記録のための準備時間は、
3(mSec)×45=135(mSec)
これに、光ビームをホログラム媒体に照射してホログラムを形成するに必要なレーザー照射時間を加算すると、1ページ当たりのレーザー照射時間は略1mSecであるので、記録のための準備時間と45ページ分のレーザー照射時間との和で表される記録時間は、
135+45=180(mSec)となる。
ここで、波長多重の記録のための準備時間>パターン多重の記録のための準備時間であり、記録のための準備時間がより短いパターン多重の処理を波長多重の処理よりも先に処理する方が記録に必要な時間が短くなることが分かる。
(パターン多重と波長多重と1方向ビーム位置多重との組み合わせ)
パターン多重
同一領域に9回多重記録をする。所要時間は、1ページ当たり5μSecであったので約45μSecであり、9ページ記録された。
波長多重
レーザー光源10によって光ビームの波長を6nmの範囲で少しずつずらし、5回、多重記録する。1回、波長をずらす時間は3mSecであった。
ビーム位置多重
可動ミラー16aによって光スポットの位置を3μmづつずらし、46回記録する。3μmずらす時間は3mSecであった。
この場合に記録されたページ数は2070ページであり、記録のための準備時間は、
(3(mSec)+3.045(mSec)×5)×46
=839.5(mSec)である。
これに、光ビームをホログラム媒体に照射してホログラムを形成するに必要なレーザー照射時間を加算すると、1ページ当たりのレーザー照射時間は略1mSecであるので、記録のための準備時間と2070ページ分のレーザー照射時間との和で表される記録時間は、
839.5+2070=2909.5(mSec)となる。
一方、ビーム位置多重、波長多重、パターン多重の順番で処理を進める場合の記録の時間を以下に示す。
ビーム位置多重のために位置をずらしている間に、波長多重およびパターン多重の設定をすれば、波長多重およびパターン多重のための時間は加算する必要がないので、記録のための準備時間は、
3(mSec)×9×5×46=6210(mSec)である。
これに、光ビームをホログラム媒体に照射してホログラムを形成するに必要なレーザー照射時間を加算すると、1ページ当たりのレーザー照射時間は略1mSecであるので、記録のための準備時間と2070ページ分のレーザー照射時間との和で表される記録時間は、
6210+2070=8280(mSec)となる。
ここで、波長多重の記録のための準備時間=ビーム位置多重の記録のための準備時間>パターン多重の記録のための準備時間であり、記録のための準備時間がより短いパターン多重の処理を波長多重およびビーム位置多重の処理よりも先に処理する方が記録に必要な時間が短くなることが分かる。
(パターン多重と波長多重と2方向ビーム位置多重との組み合わせ)
パターン多重
同一領域に9回多重記録をする。所要時間は、1ページ当たり5μSecであったので約45μSecであり、9ページ記録された。
波長多重
レーザー光源10によって光ビームの波長を6nmの範囲で少しずつずらし、5回記録する。1回、波長をずらす時間は3mSecであった。
ビーム位置多重
可動ミラー16aによって光スポットの位置を3μmづつずらし、1089回記録する。3μmずらす時間は3mSecであった。
この場合に記録されたページ数は49005ページであり、記録のための準備時間は、
(3(mSec)+3.045(mSec)×5)×1089
=19847(mSec)である。
これに、光ビームをホログラム媒体に照射してホログラムを形成するに必要なレーザー照射時間を加算すると、1ページ当たりのレーザー照射時間は略1mSecであるので、記録のための準備時間と49005ページ分のレーザー照射時間との和で表される記録時間は、
19847+49005=68852(mSec)となる。
一方、ビーム位置多重、波長多重、パターン多重の順番で処理を進める場合の記録の時間を以下に示す。
ビーム位置多重のために位置をずらしている間に、波長多重およびパターン多重の設定をすれば、波長多重およびパターン多重のための時間は加算する必要がないので、記録のための準備時間は、
3(mSec)×1089×9×5=147015(mSec)である。
これに、光ビームをホログラム媒体に照射してホログラムを形成するに必要なレーザー照射時間を加算すると、1ページ当たりのレーザー照射時間は略1mSecであるので、記録のための準備時間と49005ページ分のレーザー照射時間との和で表される記録時間は、
147015+49005=196020(mSec)となる。
ここで、波長多重の記録のための準備時間=ビーム位置多重の記録のための準備時間>パターン多重の記録のための準備時間であり、記録のための準備時間がより短いパターン多重の処理を波長多重および2方向のビーム位置多重の処理よりも先に処理する方が記録に必要な時間が短くなることが分かる。
上述した例は記録の場合についての準備時間であるが、再生の場合についての準備時間も略同様である。また、上述したすべての多重化の方法において、ホログラム記録媒体48を移動させて多重記録領域を拡大することが可能である。この場合には、例えば、ホログラム記録媒体48を140μm移動させて、次の領域に移動する。この場合において、ホログラム記録媒体48が移動している時間に、可動ミラー16aの初期位置、可動ミラー17aの初期位置、レーザー光源10の初期波長等をセットすると記録の時間を短くすることができる。
上述の例は1例に過ぎず、要は、時間のかからない多重方法を優先しておこなっているのが上述の例である。例えば、可動ミラーを回動させる毎に複数のホログラムの各々を記録再生する多重方式(ビーム位置多重)の記録のための準備時間と、空間変調器の参照光領域を相互に無相関な態様となるように変化させる毎に複数のホログラムの各々を重複して記録再生するする多重方式(パターン多重)の記録のための準備時間と、を比較した場合においては、記録のための準備時間がより短い一方の処理を先におこなうものである。また、別の例としては、可動ミラーを回動させる毎に複数のホログラムの各々を記録再生する多重方式(ビーム位置多重)の記録のための準備時間と、レーザー光源からの光ビームの波長を異ならせて複数のホログラムの各々を重複して記録再生する多重方式(波長多重)の記録のための準備時間と、を比較した場合においては、記録のための準備時間がより短い一方の処理を先におこなうものである。したがって技術の進歩によって将来時間のかからない順が変わったら、どちらの処理を先にするかの順序は入れ替えてかまわない。このような順序で記録をおこなうことによって、同じ容量の記録データを記録する場合には記録の速度をより速くすることができる。
また、パターン多重と波長多重と1方向ビーム位置多重との組み合わせでは、ラジアル方向(半径方向)には多重しないやり方を採用している。この方式は記録済みの部分のみに後処理の光を照射することが容易なことから追記に有利である。
なお、上述した記録時における結果が示すと同様に、再生時においても、光ビームを照射するレーザー照射時間および再生後処理の時間は、再生するページ数に依存するものであり、多重化の処理をどの様な順序で組み合わせるかにはよらないものである。
上述した、ビーム位置多重、パターン多重、位相多重、波長多重のいずれかを用いることによって、従来からコアキシャル方式において採用されているストップアンドゴー方式に較べて比較にならない速度で多重記録および/または多重記録領域からの再生が可能となる。ここで、通常のデータストレージデバイスでは、細かく分断したファイル単位でデータのやり取りをするので、バースト転送レートが重要であり、この点から、1度にアクセスできる記録データの量はこの程度で十分である。しかしながら、上述した多重化の技術を任意に2つ以上組み合わせることによって、さらに、大きな容量の記録データの記録再生が可能とできるものである。
また、従来からコアキシャル方式において採用されているアスキング方式では、可動ミラーの移動とホログラム記録媒体48の移動との同期を図らねばならず、その機構および制御は、著しく複雑なものとなるが、上述した種々の多重方式では、ホログラム記録媒体48の回転と同期を取る必要がないのでその機構が簡単なものとできる。
(その他の変形例)
実施形態の変形例として、図8に空間変調器が強誘電体液晶25の場合のホログラム記録再生装置3を示す。ホログラム記録再生装置3とホログラム記録再生装置1との違いは、空間変調器が強誘電体液晶25である点であるので、他の構成部分の説明はホログラム記録再生装置1におけると同一の符号を付して説明を省略する。強誘電体液晶25の明暗を切り替えるのに要する時間は100μs程度であり、DMDに較べると切替時間は長いが、ホログラム記録媒体48の移動時間に比べると格段に短いものである。
(ホログラム記録媒体およびサーボ系の補充説明)
当業者には、明らかな技術ではあるが、念のために、一般的なホログラム記録媒体の構造と、一般的なサーボ系について補足的に説明をしておく。
ホログラム記録媒体48は、その深さ方向に順に、保護層、記録層、グルーブ、反射層を有している。保護層は、記録層を保護するための層であり、記録層は、参照光と信号光とによって生じる干渉縞を屈折率あるいは透過率の変化としてホログラム記録するものであり、照射される光ビームの強度に応じて屈折率あるいは透過率の変化が生じる有機材料または無機材料で形成されている。例えば、フォトポリマーが記録層の材料として多用されている。
ホログラム記録媒体48には、グルーブが配されており、このグルーブによって予め定められたトラックを正確にトレースすることができる。さらに、ホログラム記録媒体48の光ビームの照射位置を特定するためのアドレス情報が付加されており、上述のグルーブを変調することによるアドレスグルーブでこれらの機能を兼用するのが一般的である。
図9を参照して、サーボ系について説明する。サーボ系の中心となる部分は、可動部38として一部を記録再生のための光学部と共用するサーボ用光学系150である。サーボ用光学系150からの光ビームは、ホログラム記録媒体48の適正な深さ方向の位置に参照光と信号光とを集光させ、アドレスグルーブに基づきトラックに沿ったトラック方向に参照光と信号光からなる光ビームを正確にトレースさせる。また、サーボ用光学系150は、ディスク上での位置を表すアドレス信号を読み出す作用もおこなう。サーボ用光源126はレーザー光源10と同様にレーザー光源であるが、ホログラム記録再生用のレーザー光源10からの光ビームとは波長が異なった光ビームを出射しており、例えば赤色のレーザー光源が使用されている。そして、サーボ用光源126からの光ビームは、ダイクロイックミラー125で反射され対物レンズ28により集光されてホログラム記録媒体48に照射される。
ここで、サーボ用光源126からの光ビームの経路と、ホログラム記録再生用のレーザー光源10からの光ビームの経路とは、光学系の設計時点における光学部品の配置によって、両者の相互の関係が定められているので、サーボ用光源126からの光ビームのホログラム記録媒体48に対する位置決めをすれば、上述したように、参照光と信号光からなる光ビームのホログラム記録媒体48に対する位置決めもできるようになされているものである。したがってビーム位置多重においての位置決めはフィードフォワード方式でおこなうのみならず、アドレスグルーブからの戻り光をサーボ用光学系150で検出して位置決めをおこなうことができる。
サーボ用光学系150は、サーボ用光源126、サーボ用光源126から照射されたレーザー光を複数のビームに分割するためのグレーティング127、レーザー光を平行光に変換するコリメートレンズ128、コリメートレンズ128から出射されたレーザー光を透過し、ホログラム記録媒体48から反射されて戻ってきた戻り光を反射するビームスプリッター129、ビームスプリッター129からの戻り光を集光する集光用レンズ130、集光用レンズ130からのビーム形状を円形から楕円形に変換するシリンドリカルレンズ131、シリンドリカルレンズ131からの戻り光を受光して、トラッキングサーボ制御のためのトラッキングエラーとフォーカスサーボ制御のためのフォーカスエラー、さらにアドレス信号の各々を含む複数の信号からなるディテクター信号を出力するサーボフォトディテクター132から形成されている。
そして、ディテクター信号は制御部50で演算され、フォーカスサーボのための信号はアスティグマ法で検出されて、制御部50で処理されて、対物レンズユニット36に配されたフォーカスアクチュエータに出力されて、ホログラム記録媒体48の記録層に光ビームを集光する。また、ディテクター信号は制御部50で演算され、トラッキングサーボのための信号はプッシュプル法で検出されて、制御部50で処理されて、可動ミラーアクチュエータ16b、スライド送りモータ37を制御する。また、ディテクター信号は制御部50で演算され、スピンドルサーボのための信号がプッシュプル信号の高域成分から検出されて、制御部50で処理されて、スピンドルモータ33を制御する。
上述した実施形態においては、ホログラム記録媒体は円盤形状であるとして説明をしてきたが、ホログラム記録媒体の形状によらず他の形状のホログラム記録媒体についても、上述したすべての実施形態を変形して適用することが可能である。例えば、円盤状のホログラム記録媒体においては、回転運動で所望の領域にホログラムを形成し、所望の領域に形成されたホログラムから記録データを再生したのに対して、ホログラム記録媒体が長方形のカードである場合には、例えば、直交する2方向における光ビームとホログラム記録媒体との相対運動を制御して、所望の領域にホログラムを形成し、所望の領域に形成されたホログラムから記録データを再生することが可能とできる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではない。すなわち、上述したホログラム記録媒体の形状に関する変形のみならず、その発明の技術的思想の範囲内で様々に変形して実施することが可能である。
1、2、3 ホログラム記録再生装置、10 レーザー光源、11 アイソレーター、12 シャッター、13、14、21、24、29、31 フーリエ変換レンズ、16、17 可動ミラーユニット、16a、17a 可動ミラー、16b、17b 可動ミラーアクチュエータ、18 ミラー、19 空間変調器、19a 参照光領域、19b 信号光領域、20 偏光ビームスプリッター、22 ピンホール、25 強誘電体液晶、26 1/4波長板、28 対物レンズ、30 ミラー、32 イメージセンサー、33 スピンドルモータ、34、38 可動部、36 対物レンズユニット、37 スライド送りモータ、48 ホログラム記録媒体、48b、48c ホログラム形成領域、48b1、48b2、48b3、48b4、48c1.1、48c1.2、48c1.3、48c1.4、48c2.1、48c2.2、48c2.3、48c2.4、48c3.1、48c3.2、48c3.3、48c3.4、 ホログラム、50 制御部、111 レーザー・ダイオード、112 コリメートレンズ、113 グレーティング、113a グレーティング表面、114 ミラー、114a ミラー表面、115 波長検出ディテクター、115a、115b ディテクター、120、121、122、123、124 光ビーム、125 ダイクロイックミラー、126 サーボ用光源、127 グレーティング、127 回転軸、128 コリメートレンズ、129 ビームスプリッター、130 集光用レンズ、131 シリンドリカルレンズ、132 サーボ用フォトディテクタ、141a モータ、141b 歯車機構、141c 歯車機構、141b 歯車機構、141c 歯車機構、150 サーボ用光学系、160 レーザー制御部