(実施形態1)
以下、図1〜図24を参照して、この発明を指針式の腕時計に適用した実施形態1について説明する。
この指針式の腕時計は、図1および図2に示す時計モジュール1を備えている。この時計モジュール1は、秒針2、分針3、時針4が文字板5の上方を運針して時刻を指示するものであり、腕時計ケースTK内に配置されるように構成されている。この場合、腕時計ケースTKの上部には、図示しないが、時計ガラスが取り付けられており、この腕時計ケースTKの下部には、裏蓋が取り付けられている。
時計モジュール1は、図2に示すように、上部ハウジング6と下部ハウジング7とを備え、これらの間に時計ムーブメント8が設けられた構成になっている。この場合、上側に位置する上部ハウジング6の上面には、ソーラーパネル9を介して文字板5が設けられている。また、下側に位置する下部ハウジング7の内面(図2では上面)には、回路基板10が設けられている。
時計ムーブメント8は、図2〜図4に示すように、秒針2を運針させる第1駆動系11と、分針3および時針4を運針させる第2駆動系12と、秒針2、分針3、時針4の運針位置を検出すための検出部13とを備え、第1、第2駆動系11、12が地板14、輪列受15、中受16に取り付けられた状態で、上部ハウジング6と下部ハウジング7との間に配置されている。
第1駆動系11は、図2〜図4に示すように、第1ステッピングモータ17と、この第1ステッピングモータ17によって回転される五番車18と、この五番車18によって回転される四番車である秒針車20とを備え、この秒針車20の秒針軸20aに秒針2が取り付けられた構成になっている(図4参照)。この場合、第1ステッピングモータ17は、図3および図6に示すように、コイル17aと、ステ―タ17bと、ロータ17cとを備え、コイル17aに磁界を発生させて、ロータ17cを180度ずつステップ回転させるように構成されている。
五番車18は、図2および図3に示すように、第1ステッピングモータ17におけるロータ17cのロータカナ17dに噛み合って回転する。秒針車20は、五番車18のカナ18aに噛み合って回転する。この秒針車20の中心部には、秒針軸20aが設けられている。この秒針軸20aは、図2に示すように、上部ハウジング6、ソーラーパネル9、および文字板5の各貫通孔5aを通して上方に突出し、この突出した先端部に図4に示すように秒針2が取り付けられるように構成されている。また、この秒針車20には、図5および図8に示すように、後述する第1光透過孔部21が設けられている。
一方、第2駆動系12は、図2〜図5に示すように、第2ステッピングモータ22と、この第2ステッピングモータ22によって回転する中間車23と、この中間車23によって回転する三番車24と、この三番車24によって回転する二番車である分針車25と、この分針車25によって回転する日の裏車26と、この日の裏車26によって回転する筒車である時針車27とを備え、分針車25の分針軸25aに分針3が取り付けられていると共に、時針車27の時針軸27aに時針4が取り付けられた構成になっている。
この場合、第2ステッピングモータ22は、図3および図6に示すように、コイル22aと、ステ―タ22bと、ロータ22cとを備え、コイル22aに磁界を発生させて、ロータ22cを180度ずつステップ回転させるように構成されている。中間車23は、図2および図3に示すように、第2ステッピングモータ22におけるロータ22cのロータカナ22dに噛み合って回転する。この中間車23には、図5に示すように、後述する第4光透過孔部30が設けられている。三番車24は、中間車23のカナ23aに噛み合って回転し、分針車25は、三番車24のカナ24aに噛み合って回転する。
この分針車25の中心部には、図2および図4に示すように、秒針車20の秒針軸20aが回転自在に挿入して上方に突出する円筒状の分針軸25aが設けられている。この分針軸25aは、図2に示すように、上部ハウジング6、ソーラーパネル9、および文字板5の各貫通孔5aを通して上方に突出し、この突出した先端部に図4に示すように分針3が取り付けられるように構成されている。これにより、分針車25は、秒針車20の下側に重なった状態で秒針車20と同一軸上に配置されている。また、この分針車25には、図5に示すように、後述する第2光透過孔部28が設けられている。
日の裏車26は、図2に示すように、分針車25のカナ25aに噛み合って回転する。時針車27は、日の裏車26のカナ26aに噛み合って回転する。この時針車27の中心部には、分針車25の分針軸25aが回転自在に挿入して上方に突出する筒状の時針軸27aが設けられている。この時針軸27aは、図2に示すように、上部ハウジング6、ソーラーパネル9、および文字板5の各貫通孔5aを通して上方に突出し、この突出した先端部に図4に示すように時針4が取り付けられるように構成されている。これにより、時針車27は、分針車25の下側に重なった状態で秒針車20および分針軸25と同一軸上に配置されている。また、この時針車27には、図5に示すように、後述する第3光透過孔部29が設けられている。
この場合、第1、第2駆動系11、12にける各歯車の歯数、1パルスにおける各歯車の回転角、各歯車の1回転に要するパルス数、および第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30の有無は、図7の表に示すように設定されている。すなわち、第1駆動系11におけるロータ17cのロータカナ17dは1パルスで180度(以下、角度の単位を「°」と称する)回転(1ステップ)し、五番車18は1パルス(ロータ17cの1ステップ)で36°回転する。四番車である秒針車20は1パルス(ロータ17cの1ステップ)で6°回転することにより、60パルス(ロータ17cの60ステップ)で1回転する。
第2駆動系12におけるロータ22cのロータカナ22dは1パルスで180°回転(1ステップ)し、中間車23は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で30°回転することにより、12パルス(ロータ22cの12ステップ)で1回転する。三番車24は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で4°回転し、二番車である分針車25は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で1°回転することにより、360パルス(ロータ22cの360ステップ)で1回転する。日の裏車26は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で1/3°回転し、筒車である時針車27は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で1/12°回転することにより、4320パルス(ロータ22cの4320ステップ)で1回転する。
ところで、この腕時計の針位置検出装置は、秒針車20、分針車25、時針車27、中間車23にそれぞれ設けられた第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30の各位置を検出部13で光学的に検出することにより、秒針車20、分針車25、時針車27、中間車23の各回転位置を判断するように構成されている。すなわち、検出部13は、図2に示すように、発光素子31と受光素子32とを備えている。発光素子31は、LED(発光ダイオード)からなり、秒針2、分針3、時針4が同一軸上で重なり合い、且つ中間車23の一部も重なり合う箇所に対応する上部側の上部ハウジング6に設けられている。受光素子32は、フォトトランジスタからなり、発光素子31に対応する下部側(図2では上部側)の回路基板10に設けられている。
これにより、検出部13は、秒針車20、分針車25、時針車27、中間車23の第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30が全て対応したときに、発光素子31からの光を受光素子32が受光することにより、秒針車20、分針車25、時針車27の各回転位置を検出するように構成されている。この場合、秒針車20の第1光透過孔部21は、図8に示すように、秒針車20の基準位置(00秒位置)に設けられた基準孔である第1円形孔21aと、この第1円形孔21aにおける秒針2の運針方向側とその反対方向側との両側に異なる間隔の第1、第2の各遮光部21d、21eを隔てて設けられた第2、第3の各長孔21b、21cと、第1円形孔21aの対角線上に位置する第2、第3長孔21b、21c間に設けられた第3遮光部21fと、を備えている。
第1円形孔21aは、図8および図17に示すように、秒針車20の直径が3〜4mm程度であることにより、その孔径が0.4〜0.5mm程度(秒針車20の円周に対する12°程度の幅)の大きさに形成されている。また、第2、第3長孔21b、21cのうち、第1長孔21bは、図8に示すように、第1円形孔21aの中心を基準(0°)とし、左回りにほぼ48°位置(8ステップ位置つまり8秒位置)からほぼ168°位置(28ステップ位置つまり28秒位置)までの間に、第1円形孔21aの回転移動軌跡上に対応する円弧状に設けられている。第2長孔21cは、図8に示すように、第1円形孔21aの中心を基準(0°)とし、左回りにほぼ192°位置(32ステップ位置つまり32秒位置)からほぼ300°位置(50ステップ位置つまり50秒位置)までの間に、第1円形孔21aの回転移動軌跡上に対応する円弧状に設けられている。
この場合、第1、第2の各遮光部21d、21eのうち、秒針2の運針方向側(図8では左回り側)に位置する第1遮光部21dは、図8に示すように、第1円形孔21aの直径(12°幅)に対して3倍程度の間隔、つまり第1円形孔21aの中心である基準位置(0°位置)から左回りにほぼ48°位置(8ステップ位置つまり8秒位置)までの間に、実質的に36°程度の幅の間隔で設けられている。
また、秒針2の運針方向と反対側(図8では右回り側)に位置する第2遮光部21eは、第1遮光部21dの間隔よりも第1円形孔21aの1個分程度長い間隔、つまり第1円形孔21aの直径に対して4倍程度の間隔、すなわち第1円形孔21aの中心である基準位置(0°位置)から右回りにほぼ60°位置(50ステップ位置つまり50秒位置)までの間に、実質的に48°程度の幅の間隔で設けられている。また、第3遮光部21fは、図8に示すように、第1円形孔21aとほぼ同じ大きさで形成され、第1円形孔21aの対角線上に位置する第2、第3長孔21b、21c間に設けられている。
そして、第1遮光部21dは、その対角線上に位置する第3長孔21cの一部に対応しており、第2遮光部21eは、その対角線上に位置する第2長孔21bの一部に対応しており、第3遮光部21fは、その対角線上に位置する第1円形孔21aに対応している。これにより、秒針車20は、第1〜第3の各遮光部21d〜21fのいずれかが検出部13の検出位置P(発光素子31と受光素子32とが対向する位置)に対応した状態で、180°回転(半回転)すると、必ず第1円形孔21a、第2、第3の各長孔21b、21cのいずかが検出部13の検出位置Pに対応するように構成されている。
この秒針車20は、1ステップ(回転角6°:回転時間1秒)ずつ回転して、60ステップ(回転角360°:回転時間60秒)回転する間に、検出部13が2秒ごとに検出を行う際に、図9に示すような検出部13による検出パターンになる。すなわち、秒針車20が0秒位置(0°位置)のときには、第1円形孔21aを検出部13が検出し、2秒位置(12°位置)から6秒位置(36°位置)までのときには、第1遮光部21dによって検出部13が塞がれ、検出部13による光検出ができない未検出状態が3回連続する。
秒針車20の8秒位置(48°位置)から28秒位置(168°位置)までのときには、第1長孔21bを検出部13が連続して検出し、30秒位置(180°位置)のときには、第3遮光部21fによって検出部13が塞がれ、検出部13による光検出ができない未検出状態になる。32秒位置(192°位置)から50秒位置(300°位置)のときには、第2長孔21bを検出部13が連続して検出し、52秒位置(312°位置)から58秒位置(348°位置)までのときには、第2遮光部21eによって検出部13が塞がれ、検出部13による光検出ができない未検出状態が4回連続する。
一方、分針車25の第2光透過孔部28は、図5に実線で示すように、分針車25の基準位置(00分位置:0°位置)に設けられた1つの円形孔である。この第2光透過孔部28の円形孔も、秒針車20の第1円形孔21aとほぼ同じ大きさで、秒針車20の第1円形孔21aに対応する位置に設けられている。時針車27の第3光透過孔部29は、図5および図10に示すように、時針車27の基準位置(0時位置:0°位置)から円周に沿って30°間隔で設けられた11個の円形孔である。この基準位置の円形孔と11番目の円形孔との間に位置する11時位置(図10では1時位置)には、第4遮光部29aが設けられている。
すなわち、時針車27の第3光透過孔部29は、図10に示すように、0時位置を基準位置(0°位置)として、左回りに0°、30°、60°、90°、120°、150°、180°、210°、240°、270°、300°の各位置、つまり時針4の運針方向に沿って(図10では逆回り)0時、1時、2時、3時、4時、5時、6時、7時、8時、9時、10時の各位置にそれぞれ円形孔が設けられ、330°の11時位置(図10では1時位置)に第4遮光部29aが設けられている。この時針車27の第3光透過孔部29である各円形孔も、秒針車20の第1円形孔21aとほぼ同じ大きさで形成されている。
また、中間車23の第4光透過孔部30は、図5に示すように、分針車25の第2光透過孔部28である1つの円形孔に対応する1つの円形孔であり、秒針車20の第1円形孔21aおよび分針車25の第2光透過孔部28である円形孔とほぼ同じ大きさで形成されている。この第4光透過孔部30は、中間車23の所定位置、つまり分針車25の第2光透過孔28が検出部13の検出位置Pに対応したときに、分針車25の第2光透過孔部28に対応する位置に設けられている。
これにより、第2駆動系12の中間車23、分針車25、時針車27は、その各回転角が1ステップ(ロータ22cの半回転)で30°、1°、1/12°であることにより、図5に示すように、時針4の正時(0時、1時、2時、3時、4時、5時、6時、7時、8時、9時、10時、11時)ごとに、11時位置を除いて、第2〜第4光透過孔部28〜30の全てが検出部13の検出位置Pで重なり合うように構成されている。
また、第1駆動系11の秒針車20の回転角は、1ステップ(ロータ17cの半回転)が6°である。この秒針車20は、60ステップ(60秒)ごとに第1光透過孔部21の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pに対応することにより、図5に示すように、時針4の正時(11時を除く)ごとに、第1光透過孔部21の第1円形孔21aが第2〜第4の各光透過孔部28〜30と重なり合うように構成されている。
ここで、検出部13によって秒針2、分針3、時針4の運針位置を検出する際における前提条件について説明する。まず、検出部13は、秒針2、分針3、時針4が12時側の位置(図5では上部側の位置)で第1〜第3の各光透過孔部21、28、29が重なり合って一致すると共に、中間車23の第4光透過孔部30が6時側の位置(図5では下部側の位置)で第1〜第3の各光透過孔部21、28、29の全てと重なり合って一致する箇所において、発光素子31からの光が第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30を透過し、この透過した光を受光素子32が受光したか否かを検出する。
これにより、検出部13は、第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30が検出位置Pに一致したときに、発光素子31からの光を受光素子32が受光することにより、検出状態となり、第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30のいずれかが検出位置Pに対応しないときに、発光素子31からの光が遮断されて受光素子32が受光しないことにより、未検出状態となる。
また、第1、第2の各ステッピングモータ17、22は、図3および図6に示すように、各ロータ17c、22cを180°ずつ回転させることにより、1ステップごとの運針となるようにするため、コイル17a、22aの端子AおよびBに駆動電流の向きが1パルスごとに交互に替えられて供給されると、ステータ17b、22bに発生する磁界の向きが交互に切り替えられることにより、1パルスごとにステ―タ17b、22bの極性が交互に切り替わって(図6(a)および図6(b)参照)、ロータ17c、22cを180°ずつ回転させる動作となる。
すなわち、第1、第2の各ステッピングモータ17、22は、コイル17a、22aに1パルスごとに逆向きの電流が交互に流れると、ステ―タ17b、22bに発生する磁界の向き(つまり極性)を交互に替えることにより、一定の状態で着磁されたロータ17c、22cを180°ずつ回転するように構成されている。この場合、ロータ17c、22cは、図6(a)および図6(b)に示すように、予め一定の状態で着磁され、磁極がN極とS極とに分極されている。
また、コイル17a、22aは、巻線方向が一定方向に定められており、その巻き始め端子Aと巻き終わり端子Bとに駆動パルスが印加されるようになっている。巻き始め端子Aと巻き終わり端子Bとに駆動パルスが印加されると、各端子A、Bに供給される駆動パルスの電流の向きに応じて、ステータ17b、22bに発生する磁界の方向が特定されるように構成されている。
例えば、図6(a)に示すように、コイル17a、22aの端子Aから端子Bに向けて駆動電流が流れると、ステータ17b、22bに発生する磁界が反時計回り方向の磁界、つまりロータ17c、22cの左側に位置するステータ17b、22bがN極で、その右側に位置するステータ17b、22bがS極となるNS方向の極性となる。
他方、図6(b)に示すように、ステ―タ17b、22bの端子Bから端子Aに向けて駆動電流が流れると、ステータ17b、22bに発生する磁界が時計回り方向の磁界、つまりロータ17c、22cの左側に位置するステータ17b、22bがS極で、その右側に位置するステータ17b,22bがN極となるSN方向の極性となる。
したがって、第1、第2の各ステッピングモータ17、22は、図6(a)および図6(b)に示すように、コイル17a、22aに流れる電流の向きが交互に替えられると、ステータ17c、22cに発生するNS方向の極性とSN方向の極性が交互に替えられることになり、ステータ17c、22cに対して予め定められた位置関係で回転可能に配置されたロータ17c、22cのN極とS極とが反発し合って、当該ロータ17c、22cが180°ずつ回転する。
これにより、例えば第1駆動系11の第1ステッピングモータ17は、図3および図6に示すように、秒針車20の秒針軸20aに基準位置(00秒位置)で秒針2を取り付ける際に、コイル17aに供給される駆動電流の向きによってステ―タ17bに発生する極性を例えばNS方向の極性に決定し、この決定された極性(NS方向の極性)と逆向きの極性(SN方向の極性)を1発目のパルスで発生させ、2発目のパルスで予め決定された極性(NS方向の極性)と同じ極性(NS方向の極性)を発生させることにより、1パルスごとにロータ17aが180度ずつ回転して秒針2を運針させるように構成されている。
このため、第1ステッピングモータ17は、例えば、衝撃や磁場などの外的要因により秒針2が1ステップずれた場合、そのタイミングで秒針2を動かすべきパルスを出力しても、その時点では秒針2が動かず、次のパルスで動くことになる。また、第1駆動系11の第1ステッピングモータ17では、秒針車20の位置検出を2ステップごとに行う必要がある。すなわち、秒針車20は、第1光透過孔部21の第1円形孔21aの大きさと1ステップの移動量との関係から、2ステップ回転させないと、第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pから完全に離れないため、2ステップ(2秒)ごとの検出が有効である。但し、第2駆動系12に関しては、1ステップごとに検出する。
次に、図11を参照して、秒針車20の基準位置(00秒位置)を検出するための基本的な秒針位置検出動作について説明する。
この基本的な秒針位置検出動作では、第2駆動系12の分針車25、時針車27、中間車23については無視することにする。また、図11(a)〜図11(m)は、秒針車20が2ステップ(回転角12°)ごとに回転する際、その回転位置における検出部13の検出位置Pとの対応関係を示している。
この秒針車20の基準位置を検出する目的は、図11(a)に示す秒針車20の基準位置(00秒位置)を検出することである。つまり、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21aと検出部13の検出位置Pとが一致した位置を検出することである。この秒針車20の基準位置の状態は、図11(a)の状態であり、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21aと検出部13の検出位置Pとが一致し、検出部13による光検出ができる状態である。
まず、図11(a)の状態で、秒針車20が2ステップ回転して回転角が12°になると、図11(b)に示すように、第1円形孔21aが検出位置Pから右回りにずれて、第1遮光部21dの一部が検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図9の2秒位置に示した未検出状態になる。同様に、図11(c)〜図11(d)に示すように、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が36°になるまで、第1遮光部21dの一部が検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図9の3秒〜6秒位置に示したように未検出状態が3回連続する。
この後、図11(e)に示すように、秒針車20が2ステップ回転して回転角が48°になると、秒針車20における第1光透過孔部21の第1長孔21bの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図9の8秒位置に示したように、検出部13による光検出ができる。同様にして、図11(f)に示すように、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が168°になるまで、第1長孔21bの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図9の10秒〜28秒位置に示したように、検出部13による光検出が連続してできる。
この状態で、図11(g)に示すように、秒針車20が更に2ステップ回転して回転角が180°になると、第1長孔21bが検出位置Pから右回りにずれて、第3遮光部21fが検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図9の30秒位置に示したように、未検出状態になる。この後、図11(h)に示すように、秒針車20が2ステップ回転して回転角が192°になると、秒針車20における第1光透過孔部21の第2長孔21cの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図9の32秒位置に示したように、検出部13による光検出ができる状態になる。
この後、図11(i)に示すように、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が300°になるまで、第2長孔21cの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図9の34秒〜50秒位置に示したように、検出部13による光検出が連続してできる。そして、図11(j)に示すように、第2長孔21cが検出位置Pから右回りにずれて、第2遮光部21eの一部が検出位置Pに対応すると、検出部13による光検出ができず、図9の52秒位置に示したように、未検出状態になる。
同様に、図11(k)〜図11(m)に示すように、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が348°になるまで、第2遮光部21eの一部が検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図9の54秒〜58秒位置に示したように、未検出状態が4回連続する。この状態で、秒針車20が2ステップ回転して回転角が360°になると、図11(a)に示すように、第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pに対応するので、図9の0秒位置に示したように、検出部13による光検出ができる状態になる。
このように、図11(a)の状態では、検出部13による光検出ができる状態であり、図11(b)〜図11(d)の状態では、検出部13による光検出が3回連続してできない状態である。図11(e)〜図11(f)の状態では、検出部13による光検出が連続してできる状態であり、図11(g)の状態では、検出部13による光検出ができない状態である。図11(h)〜図11(i)の状態では、検出部13による光検出が連続してできる状態であり、図11(j)〜図11(m)の状態では、検出部13による光検出が4回連続してできない状態である。
ここで、連続して光検出ができない未検出状態は、図11(b)〜図11(d)の状態と、図11(j)〜図11(m)の状態とであり、この2つの状態に着目すると、それぞれ2ステップごとに検出を行った場合、前者は未検出状態が3回連続し、後者は未検出状態が4回連続し、前者と後者とで連続する未検出回数が異なることがわかる。この連続して光検出ができない未検出状態をカウントすることにより、基準位置を特定することが可能になる。
すなわち、秒針車20は、2ステップ(2秒)ごとに検出を行い、未検出状態が4回連続した後、次の回で検出できた場合、その位置が基準位置(00秒位置)であることになる。仮に、図11(b)の状態から未検出状態をカウントした場合には、図11(d)の状態になるまで、未検出状態が3回連続し、この後、図11(e)の状態になり、検出部13による光検出ができるため、未検出状態が4回連続する条件を満たすことができず、基準位置でないことがわかる。これが秒針車20の基準位置を検出するための基本的な位置検出動作である。
次に、図12を参照して、分針車25と時針車27との各基準位置を検出するための基本的な時分位置検出動作について説明する。
この基本的な時分位置検出動作では、第1駆動系11の秒針車20については無視することにする。また、図12(a)〜図12(m)は分針車25が1ステップ(1°)ごとに回転して中間車23を1回転させる状態を示しており、図12(m)〜図12(n)は分針車25が360ステップ(360°)回転して時針車27を30°回転させた状態を示しており、図12(n)〜図12(o)は時針車27が9時間分(合計10時間分)回転した状態を示しており、図12(o)〜図12(p)は時針車27が更に1時間分(合計11時間分)回転した状態を示している。
この分針車25と時針車27との基準位置(0時00分位置)を検出する目的は、図12(a)に示す分針車25と時針車27との各基準位置を検出することである。つまり、分針車25の第2光透過孔部28と、時針車27の基準位置(0時位置)にある第3光透過孔部29と、中間車23の第4光透過孔部30とが、全て検出部13の検出位置Pと一致した位置を検出することである。この基準位置の状態が図12(a)の状態である。
まず、図12(a)の状態で、分針車25を1ステップ(1°)回転させると、図12(b)に示すように、中間車23が30°回転し、この中間車23の第4光透過孔部30が検出位置Pから離れ、検出部13の検出位置Pを中間車23が塞ぐ。このとき、分針車25は右回りに1°回転して第2光透過孔部28が検出部13の検出位置Pで僅かにずれるだけで、検出部13による光検出が可能な位置にある。
この状態で、分針車25が1ステップずつ回転して、6ステップ(6°)回転すると、図12(g)に示すように、中間車23が180°回転し、第4光透過孔部30が検出部13の検出位置Pから180°離れ、検出部13の検出位置Pを塞ぎ続ける。このときには、分針車25が右回りに6°回転して第2光透過孔部28が、検出部13の検出位置Pからほぼ半分だけずれるが、検出部13による光検出がまだ可能な位置にある(図17参照)。
この後、分針車25が1ステップずつ回転して12ステップ(12°)回転すると、図12(m)に示すように、中間車23が360°回転して、第4光透過孔部30が検出位置Pに対応する。このときには、分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pからほぼ完全に離れ、第2光透過孔部28が検出位置Pとほとんど重なり合わない状態となり、分針車25が検出位置Pを塞いで、検出部13による光検出ができない状態になる。また、このときには、時針車27が1°回転するだけであるから、時針車27の第3光透過孔部29である基準位置の円形孔は、検出位置Pで僅かにずれるだけで、検出部13による光検出が可能な状態にある
そして、分針車25が360ステップ回転(1回転)すると、図12(n)に示すように、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応した状態になる。このとき、時針車27は30°回転し、第3光透過孔部29である基準位置の円形孔が検出位置Pから離れ、第3光透過孔部29である基準位置の左側に位置する2番目の円形孔が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出が可能な状態になる。
この状態で、分針車25が9時間分(合計10時間分)だけ回転すると、図12(o)に示すように、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応し、時針車27は300°回転し、第3光透過孔部29である基準位置から11個目の円形孔が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出が可能な状態になる。
この後、分針車25が更に1時間分(合計11時間分)だけ回転すると、図12(p)に示すように、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応するが、時針車27は330°回転し、第3光透過孔部29である基準位置から11番目の円形孔が検出位置Pから離れ、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応する。このため、検出部13による光検出ができない状態になる。この状態が、「11時00分位置」であると特定することができる。
そして、分針車25が更に1時間分(合計12時間分)だけ回転すると、図12(a)に示すように、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応すると共に、時針車27が360°回転し、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pから離れ、第3光透過孔部29である基準位置(0時位置)の円形孔が検出位置Pに対応し、基準位置(0時00分位置)に戻る。
このように、分針車25の1ステップの回転量が1°と非常に小さいため、分針車25の1ステップの回転量では第2光透過孔部28が検出位置Pから完全に離れることができず、分針車25の基準位置を正確に検出することができないことになるが、中間車23は1ステップで30°回転することにより、分針車25の1ステップにおける回転量が小さくても、中間車23の回転量が大きいので、この中間車23によって検出位置Pを塞ぐことができる。
また、図12(m)に示すように、中間車23が12ステップで1回転すると、分針車25が12°回転するので、分針車25の第2光透過孔部28の円形孔が検出位置Pから完全に離れることになり、このため分針車25が検出位置Pを塞ぐことになる。このときには、中間車23の第4光透過孔部30が検出位置Pに一致しても、検出部13による光検出ができない状態になる。
また、分針車25は、360ステップ回転して1回転するごとに、分針車25の第2光透過孔部28と、中間車23の第4光透過孔部30と、時針車27の第3光透過孔部29のいずれか(但し、11時位置の第4遮光部29aを除く)とが、検出位置Pに対応することにより、検出部13による光検出が可能な状態になる。すなわち、検出部13による光検出ができる位置は、時針車27の回転位置(11時位置を除く)に係わらず、分針車25が1回転(360ステップ)するごとに、分針車25が基準位置(0°位置)に戻ることにより、「00分位置」になる。
さらに、分針車24の基準位置(0°位置)を検出した後は、分針車25を360ステップ(1回転)ずつ回転させると、時針車27が30°ずつ回転することにより、分針車25を1ステップごとに検出部13による光検出を行わなくても、分針車25を1回転させたときだけ、検出部13による光検出を実行すれば、時針車27の回転位置が検出できることになる。このとき、図12(n)に示す状態から分針車25を360ステップずつ回転させて、検出部13による光検出ができない位置は、図12(p)に示すように、時針車27の第4遮光部29aと検出位置Pとが一致した位置であり、この位置が「11時00分位置」であると特定することができる。
この検出部13による光検出ができない「11時00分位置」から分針車25を更に360°回転させると、時針車27の第3光透過孔部29である基準位置(0時位置)の円形孔が検出位置Pに対応することにより、検出部13による光検出が可能な基準位置、つまり「0時00分位置」になる。これにより、検出部13による光検出ができる状態から、分針車25が360°回転(1回転)するごとに、検出部13による光検出を試みることにより、検出部13による光検出できない位置(図12(p)の状態)から、更に分針車25を360°回転させて検出部13による光検出ができる位置(図12(a)の状態)が、時針車27の基準位置、つまり「0時00分位置」であると特定することができる。
次に、図13〜図15を参照して、秒針2、分針3、時針4の3針の位置を検出する基本的な3針位置検出動作について説明する。
この3針位置検出動作は、秒針位置検出動作と、時分針位置検出動作とを組み合わせた動作であり、どちらかが位置検出条件を満たしていない場合(つまり、秒針車20の第1光透過孔部21と、分針車25の第2光透過孔部28および時針車27の第3光透過孔部29とのいずれか一方が検出位置Pからずれている場合)、または両方とも位置検出条件を満たしていない場合(つまり、秒針車20の第1光透過孔部21と、分針車25の第2光透過孔部28および時針車27の第3光透過孔部29との両方が検出位置Pからずれている場合)の3種類の動作がある。
まず、図13を参照して、秒針車20の第1光透過孔部21のみが検出位置Pからずれている場合の3針位置検出動作について説明する。
このときには、秒針車20の状態は全くわからず、分針車25と時針車27とは、基準位置(0時00分位置)にあると仮定する。そこで、まず、秒針車20の基準位置を検出するための基本的な秒針位置検出動作を試みる。すなわち、この基本的な秒針位置検出動作は、前述した通り、秒針車20を2ステップずつ回転させて、2ステップ回転ごとに検出部13による光検出を行う。
このとき、秒針車20を2ステップ回転させて検出部13による光検出を試みたとき、図13(a)の状態であれば、検出部13による光検出ができないことになる。ここで、検出部13による光検出ができない未検出状態を「未検出回数」としてカウントする。この未検出状態が連続した場合、未検出回数を順次加算していくもとし、秒針車20の2ステップ回転ごとに連続して光検出ができなかった場合にのみ、未検出回数を加算し、光検出ができた場合には未検出回数をクリアすることにする。
そして、秒針車20を更に2ステップ回転させて検出部13による光検出を試みる。このとき、図13(b)に示すように、検出部13による光検出ができなければ、未検出状態が連続したことになり、未検出回数を加算する。この状態で、秒針車20を更に2ステップ回転させて検出部13による光検出を試みたとき、図13(c)に示すように、検出部13による光検出ができると、未検出状態が連続しないので、未検出回数をクリアする。
引続き、秒針車20の2ステップごとに検出部13による光検出を試みる。このとき、図13(d)に示すように、前回まで連続して検出部13による光検出ができていた状態から光検出ができない状態になると、ここで再度、未検出回数をカウントする。そして、秒針車20の2ステップごとの光検出を試みる。このとき、図13(e)に示すように、検出部13による光検出ができない未検出状態が4回連続することになる。
そして、次の2ステップで検出部13による光検出ができれば、その位置が秒針20の基準位置(00秒位置)となる。このとき、図13(f)に示すように、検出部13による光検出ができると、秒針車20の第1光透過孔部21の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pと一致したことになるので、この位置が秒針車20の基準位置(00秒位置)であることがわかる。ここまでで、秒針車20の基準位置、つまり「00秒位置」が検出される。
次に、図14を参照して、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とが検出位置Pからずれている場合の3針位置検出動作について説明する。
このときには、秒針車20の第1光透過孔部21が検出部13の検出位置Pに対応していても、分針車25と時針車27とが検出位置Pからずれているため、検出部13による光検出ができない。このため、まず、秒針車20を基準位置に移動するための基本的な秒針位置検出動作を試みる。
このときには、秒針車20を2ステップずつ回転させて、2ステップごとに検出部13による光検出を試みたとき、図14(a)の状態から図14(b)の状態になり、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに一致しても、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とが検出位置Pからずれているため、検出部13による光検出ができない。このとき、秒針車20が図14(a)の状態から図14(b)の状態になったときに、未検出状態が4回連続していることになる。
ここで、秒針車20の基本的な位置検出動作の条件である「秒針車20の2ステップごとの光検出を行い、未検出状態が4回連続した後に、次の回で光検出ができた場合、その位置が基準位置である」という条件により、図14(b)の状態で、未検出状態が4回連続しており、次の2ステップで検出部13による光検出ができると、秒針車20が基準位置であることになるが、秒針車20を2ステップ回転させても、図14(c)に示すように、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とが検出位置Pからずれているため、検出部13による光検出ができないことになる。
このため、秒針車20は2ステップごとに5回連続して検出部13による光検出ができないことになり、このような5回連続して検出できないことはあり得ないため、この時点で分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とのいずれかが検出位置Pからずれていることがわかる。また、この状態では、秒針車20に関しても、第1光透過孔部21が検出位置Pと一致している状態であるか否かはわからない。
ただし、この時点では、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とのいずれかが検出位置Pからずれていることがわかったので、次に分針車25と時針車27との基準位置を検出するための基本的な時分針位置検出動作を試みる。このときには、分針車25を1ステップずつ回転させて検出部13による光検出を試みて、分針車25と時針車27とが図14(c)の状態から図14(d)の状態になると、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応すると共に、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔も検出位置Pに対応し、検出部13による光検出が可能になる。
これにより、分針車25が基準位置(00分位置)であることがわかる。このときには、秒針車20と時針車27とがどの位置にあるのか、まだわかっていない。そこで、検出部13による光検出が可能な状態であることにより、まず、秒針車20の基準位置を検出するための基本的な秒針位置検出動作を行い、秒針車20を図14(e)に示す基準位置(00秒位置)に移動させる。これにより、秒針車20と分針車25とがそれぞれ基準位置(00分00秒位置)であることがわかる。
この後、分針車25を360°(1回転)ずつ回転させると、360°ごとに時針車27の第3光透過孔部29が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出ができ、検出部13による光検出ができない状態(11時位置)から更に360°回転した位置が、時針車27の基準位置(0時位置)となる。これにより、秒針車20、分針車25、時針車27の全てが基準位置(0時00分00秒位置)になる。
次に、図15を参照して、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29の全てが検出部13の検出位置Pに対してずれている場合の3針位置検出動作について説明する。
このときには、秒針車20、分針車25、時針車27のいずれも、回転位置がわかっていない。このため、まず、秒針車20の基準位置を検出するための基本的な秒針位置検出動作を試みる。すなわち、図15(a)の状態で秒針車20を2ステップずつ回転させて検出部13による光検出を試みる。このとき、図15(b)に示すように、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応していても、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とが検出位置Pに対応していなければ、検出部13による光検出ができない。
このため、秒針車20の基本的な秒針位置検出動作を更に実行する。この基本的な秒針位置検出動作の条件は、秒針車20の2ステップごとの光検出を行い、未検出状態が4回連続した後、次の回で光検出ができた場合、そこが基準位置であることにより、図15(b)に示すように、秒針車20の未検出状態が4回連続し、次の2ステップで検出部13による光検出ができると、秒針車20は基準位置になるのであるが、秒針車20を2ステップ回転させても、図15(c)に示すように、検出部13による光検出ができない場合には、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とが検出位置Pからずれていると判断する。また、このときには、秒針車20も第1光透過孔部21が検出位置Pに対応しているかわからない。
この状態では、分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pからずれていると判断し、次に分針車25と時針車27との基準位置を検出するための基本的な位置検出動作を試みる。すなわち、分針車25を1ステップずつ回転させて検出部13による光検出を試みたとき、図15(c)に示すように、分針車25を360°回転させても、検出部13による光検出ができない場合には、図15(d)に示すように、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応してないと疑い、秒針車20を30ステップ(180°)回転させる。
すなわち、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応していない状態で、秒針車20を180°回転(半回転)させると、必ず第1光透過孔部21が検出位置Pに対応することにより、図15(e)に示すように、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応していると想定する。この状態で、再度、分針車25を1ステップずつ回転させて検出部13による光検出を試みる。このときに、分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出ができたときに、分針車25が図15(f)に示す基準位置(00分位置)であることになる。この図15(f)の状態は、図14(d)の状態と同じであり、この図14(d)の状態以降の動作を行えば、秒針車20、分針車25、時針車27の全てが基準位置になる。
次に、図16を参照して、通常運針時における正時ごとに秒針2、分針3、時針4の3針が合っているかを確認する基本的な針位置確認動作について説明する。
この基本的な針位置確認動作は、11時、23時を除く正時ごとに秒針2が合っているか否かを確認することであり、10秒以内に秒針2のずれを確認する必要がある。すなわち、10秒経過すると、第2駆動系12の第2ステッピングモータ22によって分針車25が1ステップ(1°)回転し、これに伴って中間車23が30°回転して、検出部13の検出位置Pを塞ぐからである。
図16(a)の状態は、通常運針時における正時(例えば2時)の状態で、秒針車20の第1光透過孔部21の第1円形孔21a、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29(例えば3番目の円形孔)、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致している。この状態で、秒針車20が1ステップ(6°)ずつ回転する通常運針する。このときには、秒針車20は1秒ごとに6°回転するだけであるから、秒針車20の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pから完全に離れず、検出部13による光検出が可能な状態である。
この後、秒針車20が更に1ステップ回転して、2ステップ(12°)回転した2秒位置になると、図16(b)に示すように、秒針車20の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pから完全に離れ、検出部13の検出位置Pが第1遮光部21dによって塞がれる。このときに、検出部13による光検出を試みると、検出部13による光検出ができない未検出状態になり、この未検出状態を未検出回数としてカウントする。
そして、秒針車20が1ステップずつ回転し、2ステップごとに検出部13による光検出を試みる。このときには、図16(c)に示す4秒位置、および図16(d)に示す6秒位置のように、検出部13が秒針車20の第1遮光部21dによって連続して塞がれる。これにより、図16(b)〜図16(d)に示すように、検出部13による光検出ができない未検出状態が3回連続することになる。
この状態で、次に秒針車20が2ステップ回転し、図16(e)の8秒位置に示すように、秒針車20の第1長孔21bの一部が検出部13に対応し、検出部13による光検出ができたときに、秒針車20の基準位置である第1円形孔21aが8秒位置になることにより、秒針車20が正しく回転し、秒針2が正しい運針位置であることになる。すなわち、秒針2は、正時の位置から秒針車20が2ステップ回転するごとに、検出部13による検出を行い、検出部13による未検出状態が3回連続した後、次に検出部13による検出ができたときに、8秒位置であることになり、正しく運針していることになる。
この後、秒針車20が更に2ステップ回転して10秒になると、図16(f)に示すように、秒針車20の第1長孔21bの一部が検出部13に対応して検出部13による光検出が可能になるが、分針車25が1ステップ(1°)回転し、中間車23が1ステップ(30°)回転することにより、分針車25の第2光透過孔部28が検出部13の検出位置Pから完全に離れていなくても、中間車23の第4光透過孔部30が検出部13の検出位置Pから完全に離れて、中間車23が検出部13を塞ぐことになる。このため、通常運針時における針合わせは、10秒以内に行う必要がある。
次に、図18のブロック図を参照して、この指針式の腕時計の回路構成について説明する。
この回路構成は、回路全般を制御するCPU(中央演算処理装置)35、予め定められたプログラムが格納されたROM(リードオンリーメモリ)36、処理データを格納するRAM(ランダムアクセスメモリ)37、CPU35を動作させるためのパルスを生成する発信回路38、この発信回路38で生成したパルスを適正な周波数(CPU35を動作させるための適正な周波数)に変換する分周回路39、秒針2を運針させるための第1駆動系11の第1ステッピングモータ17、および、分針3、時針4を運針させるための第2駆動系12の第2ステッピングモータ22を有する時計ムーブメント8を備えている。
更に、この回路構成は、上記のほかに、光を発光する発光素子31とこの発光素子31からの光を受光する受光素子32とを有する検出部13、電源を供給するソーラーパネル9や電池などの電源部40、標準時刻電波を受信するアンテナ41、受信した標準時刻電波を検波処理する検波回路42、時刻表示を照明する照明部43、この照明部43を駆動するための照明駆動回路44、報音をするスピーカ45、このスピーカ45を駆動するめのブザー回路46、各種のモードを選択して切り替える複数の押釦スイッチSWを備えている。この場合、CPU35は、第1ステッピングモータ17のステータ17bに発生する磁界の極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態を示すデータである「0」または「1」を記憶するレジスタ35aを備えている。
次に、図19を参照して、この指針式の腕時計における秒針2の基準位置を検出するための基本的な秒針位置検出処理について説明する。
この基本的な秒針位置検出処理は、秒針車20の基準位置(00秒位置)を検出することであり、図11(a)に示したように、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21aと検出部13の検出位置Pとが一致した位置を検出することである。この場合、第2駆動系12の分針車25、時針車27、中間車23の第2〜第3の各光透過孔部28〜30は、検出部13の検出位置Pに一致して停止していると仮定する。
この秒針位置検出処理がスタートすると、CPU35は、検出部13によって前回すでに検出されていた未検出状態の未検出回数をクリアして未検出フラグを「0」にする(ステップS1)。その後、CPU35は、レジスタ35aに前回記憶されているデータ(図6(a)に示す「0」または図6(b)に示す「1」のデータ)を読み出す(ステップS2)。このレジスタ35aには、コイル17aに供給されていた駆動電流の供給状態に対応する前回のデータ(「0」または「1」)が記憶されている。
すなわち、このレジスタ35aの前回のデータは、図6(a)に示すように、コイル17aの端子Aに正(+)の電流が供給されており、他方、コイル17aの端子Bに負(−)の電流が供給されていた状態であれば、例えば、「0」のデータが記憶される。この「0」のデータは、秒針2の偶数秒位置に対応するデータを表す。また、図6(b)に示すように、コイル17aの端子Aに負(−)の電流が供給されており、他方、コイル17aの端子Bに正(+)の電流が供給されていた状態であれば、「1」のデータが記憶される。この「1」のデータは、秒針2の奇数秒位置に対応するデータを表す。
そして、CPU35は、ステップS2において読み出されたレジスタ35aのデータ、すなわち、第1ステッピングモータ17におけるコイル17aに前回供給された駆動電流の供給状態に対応するデータが、ROM36に予め記憶されているデータ、つまりステータ17bの極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態に対応する「0」であるか、その逆の供給状態に対応する「1」であるかを判別する(ステップS3)。
この判別の結果、読み出されたデータが「0」であったと判別された場合、すなわち図6(a)に示すように、コイル17aの端子Aに正(+)の電流が供給され、且つコイル17aの端子Bに負(−)の電流が供給された場合には、ステータ17bの極性は、予め定められている極性となり、例えば、図6(a)に示したように、ロータ17cの左側に位置するステータ17bがN極で、その右側に位置するステータ17bがS極となる。
この場合、予め定められている極性とは、秒針車20の秒針軸20aに秒針2を基準位置(00秒位置)で取り付ける際に、図6(a)に示したように、予め一定の状態で着磁されたロータ17cの磁極(N極とS極)が反発し合う極性、つまりコイル17aに供給される駆動電流によってステータ17bに発生する磁界の向き(例えばNS方向の極性)であり、予めROM36に記憶されており、1パルス(1秒)ごとにステータ17bに発生する動作極性が交互に切り替わり、偶数パルス(偶数秒)ごとに動作極性が予め決定された極性と同じになる。
このように、CPU35は、ステップS2において読み出されたレジスタ35aのデータが、ステップS3において「0」になっていたと判別された場合には、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS5)、引き続いて、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS6)。
これに対して、このステップS3において、前回コイル17aに供給された駆動電流の供給状態に対応するレジスタ35aのデータが、予め定められているステータ17bの極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態に対応する「0」でなく、その逆の供給状態に対応する「1」であると判別された場合には、図6(b)に示したように、コイル17aに逆向きの電流を流して、レジスタ35aのデータを「1」から「0」に変更しながら、ロータ17cを半回転(180°回転)させて、秒針車20を1ステップ運針させる(ステップS4)。
なお、レジスタ35aに「1」が記憶される場合は、種々考えられるが。例えば、秒針2は1ステップごとに1秒運針するが、秒針2が1秒位置にいる際にユーザーが針位置検出のためにスイッチ操作した場合、その1秒位置から針位置検出を行うことから、ロータ17cが図6(b)に示す位置にあることが考えられる。このような場合は、このままではステータ17bに対してロータ17cが回転しないため、ステータ17bに逆向きの極性を発生させる必要がある。そこで、図6(b)に示したように、逆向きの電流を流して、レジスタ35aのデータを「1」から「0」に変更しながら、ロータ17cを半回転(180°回転)させて、秒針車20を1ステップ運針させることとしている(ステップS4)。
そして、ステップS6で、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21a、第2、第3長孔21b、21cのいずれも、検出部13の検出位置Pに対応してない場合には、発光素子31からの光を受光素子32が受光せず、検出部13による光検出がないと判断し、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21a、第2、第3長孔21b、21cのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応するまで、秒針車20を2ステップ運針させる(ステップS7)。
これにより、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21a、第2、第3長孔21b、21cのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応して、発光素子31からの光を受光素子32が受光した場合には、検出部13による光検出があったと判断し、秒針車20を2ステップ回転させ(ステップS8)、再び検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS9)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS10)。
このとき、秒針車20の第1光透過孔部21における第1円形孔21a、第2、第3の各長孔21b、21cのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応して、検出部13による光検出があった場合には、秒針車20における第1〜第3の各遮光部21d〜21fのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応して、発光素子31からの光を受光素子32が受光せず、検出部13による光検出がない未検出状態になるまで、秒針車20を2ステップ運針させる。
そして、ステップS10で、秒針車20における第1〜第3の各遮光部21d〜21fのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応して、検出部13による光検出がない未検出状態になると、未検出状態を未検出回数としてカウントし、未検出フラグに「1」を立て(ステップS11)、この未検出状態が4回連続したか否かを判断する(ステップS12)。
すなわち、秒針車20の基準位置は、図11(j)〜図11(m)に示したように、未検出状態が4回連続した後に、図11(a)に示すように、次に検出部13による光検出があったときに、その位置が基準位置であると特定することができることによる。このため、例えば、図11(b)の状態から図11(d)の状態までは、秒針車20の第1遮光部21dの一部が検出位置Pに対応しているので、検出部13による未検出回数が3回連続するが、次に秒針車20が2ステップ回転すると、秒針車20の第1長孔21bの一部が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出がある。このときは、ステップS8に戻り、上述した動作を繰り返す。
同様に、図11(g)の状態では、秒針車20の第3遮光部21fが検出部13の検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出はないが、次に秒針車20が2ステップ回転すると、秒針車20の第2長孔21cの一部が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出があるので、このときもステップS3に戻り、上述した動作を繰り返す。そして、秒針車20が図11(j)の状態から図11(m)の状態まで回転するときには、秒針車20の第2遮光部21eの一部が検出位置Pに順次対応するので、検出部13による未検出状態が4回連続することになる。
このときには、秒針車20を2ステップ回転させ(ステップS13)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS14)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS15)。このステップS15で、検出部13による光検出があったときには、秒針車20の第1光透過孔部21の第1円形孔21aが検出位置Pに一致していることになり、秒針車20は基準位置「00秒位置」であると確認し(ステップS16)、通常運針に移行させて、この処理を終了する。
この場合、ステップS15では、分針車25、時針車27、中間車23の第2〜第3の各光透過孔部28〜30が検出部13の検出位置Pに一致して停止していると仮定しているので、必ず検出部13による光検出があるが、分針車25、時針車27、中間車23の第2〜第3の各光透過孔部28〜30が、仮に検出部13の検出位置Pに対応していない場合には、検出部13による光検出がないため、後述する時分位置検出処理に移行する。
次に、図20を参照して、この指針式の腕時計における分針3と時針4との基準位置を検出する基本的な時分針位置検出処理について説明する。
この時分針位置検出処理は、分針車25と時針車27との各基準位置(0時00分位置)を検出することである。つまり、図12(a)に示したように、分針車25の第2光透過孔部28と、時針車27の第3光透過孔部29である基準位置(0時位置)の円形孔と、中間車23の第4光透過孔部30との全てが、検出部13の検出位置Pと一致した位置を検出することである。この場合、第1駆動系11の秒針車20は第1光透過孔部21が検出部13の検出位置Pに一致して停止していると仮定する。
この時分針位置検出処理がスタートすると、分針車25を1ステップ(1°)回転させ(ステップS20)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS21)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断し(ステップS22)、検出部13による光検出がなければ、分針車25が360°(1回転する1時間分)回転するまで、ステップS20からステップS22の動作を繰り返す。この場合には、秒針車20の第1光透過孔部21が検出部13の検出位置Pに一致していると仮定していることにより、分針車25が360°回転すると、図12(n)に示すように、時針車27の「11時位置」を除いて、必ず検出部13による光検出があることになる。
これにより、ステップS22で検出部13による光検出があったときが、分針車25が基準位置(00分位置)であると特定する。そして、分針車25を更に360°回転させて時針車27を30°回転させ(ステップS23)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS24)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、時針車27の第3光透過孔部29が検出部13の検出位置Pに対応して検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS25)。
このときには、時針車27の第3光透過孔部29の各円形孔が30°間隔で11個設けられ、「11時位置」に第4遮光部29aが設けられていることにより、分針車25が360°回転して時針車27が30°回転すると、図12(n)〜図12(o)に示すように、「11時位置」の第4遮光部29aを除いて、第3光透過孔部29の各円形孔が検出位置Pに順次対応することにより、検出部13による光検出がある。このステップS25で、検出部13による光検出があったときには、ステップS23に戻り、時針車27の第3光透過孔部29の各円形孔が検出位置Pに順次対応した後に、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応して検出部13による光検出ができなくなるまで、上記動作を繰り返する。
そして、図12(p)に示すように、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応して検出部13による光検出がなければ、時針車27が「11時位置」にあると特定し、分針車25を更に360°回転させて時針車27を30°回転させ(ステップS26)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS27)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS28)。
このステップS28では、図12(a)に示すように、時針車27の「0時位置」の第3光透過孔部29が検出部13の検出位置Pに必ず対応し、検出部13による光検出ができるので、時針車27が「0時位置」の基準位置にあることを確認し、この処理フローを終了する。なお、このステップS28では、秒針車20の第1光透過孔部21が検出部13の検出位置Pに対応していると仮定していることにより、検出部13による検出が必ずあるはずであるが、仮に検出がなければ、前述した秒針位置検出処理に戻る。
次に、図21〜図23を参照して、この指針式の腕時計における秒針2、分針3、時針4の3針の基準位置を検出する基本的な3針位置検出処理について説明する。
この3針位置検出処理は、秒針2、分針3、時針4の3針の全ての位置がわかっていない場合であり、前述した秒針位置検出処理と時分針位置検出処理とを組み合わせた処理を行う。この場合、図21では秒針位置検出処理のステップS30〜ステップS44を示し、図22では分針位置検出処理のステップS45〜ステップS70を示し、図23では時針位置検出処理のステップS71〜ステップS78を示す。
この3針位置検出処理がスタートすると、秒針2、分針3、時針4の3針の全ての位置がわかっていないので、まず、図21の秒針位置検出処理を実行する。すなわち、検出部13によって前回すでに検出されていた未検出状態の未検出回数をクリアして未検出フラグを「0」にし(ステップS30)、レジスタ35aに前回記憶されているデータ(図6(a)に示す「0」または図6(b)に示す「1」のデータ)を読み出す(ステップS31)。
そして、ステップS31において読み出されたレジスタ35aのデータ、すなわち、第1ステッピングモータ17におけるコイル17aに前回供給された駆動電流の供給状態に対応するデータが、ROM36に予め記憶されているデータ、つまりステータ17bの極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態に対応する「0」であるか、その逆の供給状態に対応する「1」であるかを判別する(ステップS32)。
この判別の結果、読み出されたデータが「0」であったと判別された場合、すなわち図6(a)に示すように、コイル17aの端子Aに正(+)の電流が供給され、且つコイル17aの端子Bに負(−)の電流が供給された場合には、ステータ17bの極性は、予め定められている極性となり、例えば、図6(a)に示したように、ロータ17cの左側に位置するステータ17bがN極で、その右側に位置するステータ17bがS極となる。
このように、ステップS31において読み出されたレジスタ35aのデータが、ステップS32において「0」になっていたと判別された場合には、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS34)、引き続いて、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS35)。
これに対して、このステップS32において、前回コイル17aに供給された駆動電流の供給状態に対応するレジスタ35aのデータが、予め定められているステータ17bの極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態に対応する「0」でなく、その逆の供給状態に対応する「1」であると判別された場合には、図6(b)に示したように、コイル17aに逆向きの電流を流して、レジスタ35aのデータを「1」から「0」に変更しながら、ロータ17cを半回転(180°回転)させて、秒針車20を1ステップ運針させる(ステップS33)。
そして、ステップS35で、発光素子31からの光を受光素子32が受光せず、検出部13による光検出がないと判断したときには、発光素子31からの光を受光素子32が受光するまで、秒針車20を2ステップずつ運針させる(ステップS36)。そして、秒針車20、分針車25、時針車27の全ての回転位置がわかっていないが、検出部13の発光素子31からの光を受光素子32が受光して、検出部13による光検出があった場合には、秒針車20を2ステップ回転させ(ステップS37)、再び検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS38)、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS39)。
このとき、検出部13による光検出があった場合には、ステップS37に戻り、秒針車20の第1〜第3の各遮光部21d〜21fのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応して検出位置Pを塞ぐまで、上記動作を繰り返す。すなわち、ステップS39で検出部13による光検出があったときには、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、たまたま検出部13の検出位置Pと一致していることになる。
このときに、分針車25が「00分位置」の基準位置であることになるが、秒針車20と時針車27との位置がまだわからないため、まず、秒針車20の位置を検出する。このため、秒針車20の第1〜第3の各遮光部21d〜21fのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応して、検出部13による光検出がなくなるまで、ステップS37〜ステップS39の動作を繰り返す。
そして、ステップS39で秒針車20における第1〜第3の各遮光部21d〜21fのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応して、検出部13による光検出がなくなると、検出部13による未検出回数をカウントし、未検出フラグに「1」を立て(ステップS40)、この未検出回数が4回連続したか否かを判断する(ステップS41)。
このとき、秒針車20の第2遮光部21eが検出部13の検出位置Pに対応して、検出部13による未検出回数が4回連続していない場合には、ステップS37〜ステップS41の動作を繰り返す。そして、ステップS41で検出部13による未検出回数が4回連続したときには、秒針車20を2ステップ回転させて(ステップS42)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS43)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS44)。
このとき、ステップS44で検出部13による光検出があれば、分針車25が「00分位置」の基準位置にあり、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔が検出位置Pに対応した状態で、秒針車20の第1光透過孔部21の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pと一致していると判断する。これにより、秒針車20と分針車25とが基準位置(00分00秒位置)にあると判断し、後述するステップS71の時針位置検出処理に移行する。
ところで、ステップS44で、検出部13による光検出がない場合には、図15(b)に示したように、仮に秒針車20の第1光透過孔部21の第1円形孔21aが検出位置Pに対応していても、検出部13による未検出状態が5回連続することになるので、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29、中間車23の第4光透過孔部30のいずれかが検出位置Pからずれていると判断し、図22に示すステップS45に進んで、分針位置検出処理を行う。
この分針位置検出処理は、図22に示すように、ステップS45で分針車25を1ステップ(1°)回転させ、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS46)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS47)。このとき、検出部13による光検出がなければ、分針車25を1ステップずつ回転させて、分針車25が360°回転したか否かを判断し(ステップS48)、分針車25が1回転するまで、ステップS45からステップS47までの動作を繰り返す。
このとき、ステップS47で、検出部13による光検出があった場合には、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致していることになり、分針車25と時針車27とがずれていたことになる。これにより、分針車25が基準位置(00分位置)にあると判断し、秒針車20が基準位置であるか否かを確認するために、図21のステップS30に戻る。
しかし、ステップS48で分針車25が360°回転しても、ステップS47で検出部13による光検出がない場合には、図15(d)に示すように、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応していないと判断し、秒針車20を30ステップ(180°)回転させて(ステップS49)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS50)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS51)。
このとき、ステップS51で、検出部13による光検出があった場合には、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致していることになり、秒針車20がずれていたことになる。このときにも、分針車25が基準位置(00分位置)にあると判断し、秒針車20が基準位置であるか否かを確認するために、図21のステップS30に戻る。
しかし、ステップS49で秒針車20を30ステップ(180°)回転させても、ステップS51で検出部13による光検出がない場合には、図15(e)に示したように、仮に秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応していても、分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pからずれていると判断し、分針車25を1ステップ回転させる(ステップS52)。
そして、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS53)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS54)。このとき、検出部13による光検出がなければ、分針車25を1ステップずつ回転させて、分針車25が360°回転したか否かを判断し(ステップS55)、分針車25が1回転するまで、ステップS52からステップS54までの動作を繰り返す。
このとき、ステップS54で検出部13による光検出があった場合には、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致していることになり、分針車25がずれていたことなる。このときにも、分針車25が基準位置(00分位置)にあると判断し、秒針車20が基準位置であるか否かを確認するために、図21のステップS30に戻る。
しかし、ステップS55で分針車25が360°回転しても、ステップS54で検出部13による光検出がない場合には、図12(p)に示したように、仮に秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、中間車23の第4光透過孔部30が検出位置Pに対応していても、時針車27の第3光透過孔部29のいずれの円形孔も、検出位置Pからずれ、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応していると判断する。
このときには、まず、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応しているかわからないため、秒針車20を30ステップ(180°)回転させて(ステップS56)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS57)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS58)。
このとき、検出部13による光検出があった場合には、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致していることになり、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応しておらず、また秒針車20がずれていたことになる。このときにも、分針車25が基準位置(00分位置)にあると判断し、秒針車20が基準位置であるか否かを確認するために、図21のステップS30に戻る。
ところで、ステップS58で検出部13による光検出がない場合には、図12(p)に示すように、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応していると判断し、分針車25を1ステップ回転させ(ステップS59)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS60)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS61)。このとき、検出部13による光検出がなければ、分針車25を1ステップずつ回転させて、分針車25が360°回転したか否かを判断し(ステップS62)、分針車25が1回転するまで、ステップS59からステップS61までの動作を繰り返す。
ステップS61で検出部13による光検出があった場合には、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致していることになり、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応しておらず、また分針車25がずれていたことになる。このときにも、分針車25が基準位置(00分位置)にあると判断し、秒針車20が基準位置であるか否かを確認するために、図21のステップS30に戻る。
また、ステップS62で分針車25が360°回転しても、ステップS61で検出部13による光検出がない場合には、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応し、時針車27が「11時位置」であると想定する。この想定が正しいかどうかを確認するため、秒針車20を30ステップ回転(180°回転)させ(ステップS63)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS64)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による検出があるか否かを判断する(ステップS65)。
このとき、検出部13による検出があった場合には、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致していることになり、時針車27が「11時位置」ではなく、秒針車20がずれていたことになる。このときにも、分針車25が基準位置(00分位置)にあると判断し、秒針車20が基準位置であるか否かを確認するために、図21のステップS30に戻る。
また、ステップS65で、検出部13による光検出がない場合には、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応していると特定し、分針車25を1ステップ回転させ(ステップS66)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS67)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS68)。
このとき、ステップS68で検出部13による光検出がなければ、分針車25を1ステップずつ回転させて、分針車25が360°回転したか否かを判断し(ステップS69)、分針車25が360°回転するまで、ステップS66からステップS68までの動作を繰り返す。そして、ステップS66からステップS68までの動作を繰り返しても、ステップS69で検出部13による光検出がない場合には、針位置検出エラーを秒針2の停止位置やブザー音などで知らせるエラー報知を実行する(ステップS70)。また、ステップS69で分針車25が360°回転するまでにステップS68で検出部13による光検出があった場合には、時針車27が「0時位置」の基準位置であり、分針車25が基準位置(00分位置)にあると特定する。
このときにも、秒針車20が基準位置(00秒位置)であるかわからないため、秒針位置検出処理のステップS30に戻り、ステップS43までの秒針位置検出処理を実行して、秒針車20を基準位置(00分00秒位置)にして、図23のステップS71に移行する。このステップS71では、秒針車20と分針車25とが基準位置にあるので、分針車25を360°させて時針車27を30°回転させる。そして、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS72)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS73)。
このとき、時針車27が30°回転するごとに検出部13による光検出がある場合には、時針車27の第3光透過孔部29の各円形孔が順番に検出位置Pに対応して、時針車27が正時位置にあることになる。このため、ステップS71に戻り、時針車27の11時位置の第4遮光部29aが検出位置Pに対応するまで、ステップS71からステップS73までの動作を繰り返す。そして、ステップS73で検出部13による光検出がなければ、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応して「11時位置」であると判断する。
この判断が正しいことを確認するため、再び分針車25を360°回転させて時針車27を30°回転させ(ステップS74)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS75)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるかを判断する(ステップS76)。
このとき、検出部13による光検出があれば、秒針車20、分針車25、時針車27の全てが、基準位置(0時00分00秒位置)であると特定し(ステップS77)、秒針2、分針3、時針4を現在時刻に合わせて、通常運針に移行させて、この動作フローを終了する。なお、ステップS76で、検出部13による光検出が必ずあるはずであるが、もし仮に光検出がなければ、針位置検出エラーを秒針2の停止位置やブザー音などで知らせるエラー報知を実行する(ステップS78)。
次に、図24を参照して、通常運針時における1時〜12時の毎正時の5分前、つまり毎時55分ごとに秒針2、分針3、時針の3針が合っているかを確認する針位置確認処理について説明する。
この針位置確認処理は、10時55分、22時55分を除く毎時55分ごとに検出部13による光検出を行う。
すなわち、検出部13による光検出は、毎正時のときでも良いが、毎正時のであると、時報やアラームなどの各種の動作と重なるため、正時よりも数分前に針位置確認処理を行うことが望ましい。この場合、時針車27は12分に1°回転するだけであるから、正時の10分前後ずれても、第3光透過孔部29が検出位置Pから完全に離れてしまうことがないので、検出部13による光検出が可能な状態である。
また、この針位置確認処理は、毎時55分ごとに検出部13による光検出を行い、検出部13による光検出があった場合、時針4は合っているものとみなし、秒針2と分針3とが合っているか否かを確認する処理であり、分針3がマイナス1時間未満のずれのみの確認が可能である。また、この針位置確認処理は、10秒経過すると、分針車25が1ステップ回転し、これに伴って中間車23が30°回転して、検出部13の検出位置Pを塞ぐため、10秒以内に秒針2のずれを確認する必要がある。
このため、この針位置確認処理は、毎時55分になるとスタートし、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS80)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断し(ステップS81)、検出部13による光検出がなければ、少なくとも秒針2、分針3、時針3のいずれかが合っていないと判断し、前述した3針位置検出処理に移行する。
また、このステップS81で検出部13による光検出があれば、秒針車20の第1光透過孔部21が検出部13の検出位置Pに対応していると判断し、前回までの検出部13による未検出回数をクリアして未検出フラグを「0」にし(ステップS82)、秒針車20を1ステップ(6°)回転させて秒針2を通常運針させ(ステップS83)、秒針車20が2ステップ(12°)回転したか否かを判断する(ステップS84)。すなわち、秒針車20が通常運針の1ステップ(6°)回転しただけでは、秒針車20の第1円形孔21aが検出部13の検出位置Pから完全に離れないため、秒針車20の2ステップごとに検出部13による光検出を行う。
このステップS84で秒針車20が2ステップ回転していなければ、秒針車20が2ステップ回転するまで、秒針2を1ステップ(6°)の通常運針させ、秒針車20が2ステップ回転すると、秒針2が2秒位置、4秒位置、6秒位置、8秒位置のいずれかであるか否かを判断する(ステップS85)。このステップS85では、磁場などの外部要因によって第1ステッピングモータ17が正しく動作しないことがあるため、秒針2が2秒位置、4秒位置、6秒位置、8秒位置のいずれでもない場合が起こる。この場合には、針位置検出エラーを秒針2の停止位置やブザー音などで知らせるエラー報知を実行する(ステップS86)。
また、ステップS85で、磁場などの外部要因を受けず、秒針2が2秒位置、4秒位置、6秒位置、8秒位置のいずれかであると判断すると、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS87)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS88)。このとき、検出部13による光検出があると、秒針車20の第1光透過孔21の第1円形孔21a、第2、第3の各長孔21b、21cのいずれかが検出部13の検出位置Pに一致していることになり、秒針車20が合っていないと判断し、前述した3針位置検出処理に移行する。
また、ステップS88で、検出部13による光検出がない場合には、図16(b)に示したように、秒針車20の第1〜第3の各遮光部21d〜21fが検出位置Pに対応していると判断し、検出部13による未検出回数をカウントして未検出フラグに「1」を立て(ステップS89)、この未検出回数が3回連続したか否かを判断する(ステップS90)。このとき、未検出回数が3回連続していなければ、ステップS83に戻り、秒針2を通常運針させてステップS90までの動作を繰り返す。
また、ステップS90で、図16(b)の状態から図16(d)の状態のように、毎時55分から6秒経過したときに、未検出回数が3回連続すると、秒針車20の第1遮光部21dと第2遮光部21eとのいずれかが検出位置Pに対応していると判断し、秒針車20を1ステップ(6°)回転させて秒針2を通常運針させる(ステップS91)。そして、秒針車20が次に2ステップ回転したか否かを判断し(ステップS92)、秒針車20が2ステップ回転するまで、秒針2を通常運針させる。
ステップS92で秒針車20が2ステップ回転したと判断した場合には、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS93)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、毎時55分から8秒経過した時点で、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS94)。
このとき、検出部13による光検出がないと、秒針車20の第2遮光部21eが検出位置Pに対応していることになり、秒針車20の位置が合っていないと判断し、前述した3針位置検出処理に移行する。また、ステップS94で、図16(e)に示すように、検出部13による光検出があれば、秒針車20の第2長孔21bの一部に検出部13の検出位置Pが対応していたことにより、秒針車20の回転位置が合っていると判断し、通常運針に移行させて、この動作フローを終了する。
このように、この指針式の腕時計における針位置検出装置によれば、第1ステッピングモータ17のコイル17aに供給される駆動電流の向きが1パルスごとに交互に替えられて供給されると、ステータ17bに発生する磁界の向きが交互に切り替えられ、ロータ17cが180度の1ステップずつ回転駆動しながら秒針2を運針させ、第1ステッピングモータ17の偶数秒位置、つまり2秒位置ごとに検出部13で秒針車20の第1光透過孔部21を検出する際に、データ記憶手段であるレジスタ35aに記憶されている供給状態識別データを、針位置検出制御手段(CPU35、ステップS5〜S16、S34〜S44)で読み出し、この読み出された供給状態識別データの内容に従って、針位置検出制御手段の制御によって検出部13が秒針車20の位置を検出するので、秒針2の運針位置を誤検出することなく、極めて簡単な構成で高精度に位置検出ができ、且つ消費電力の消耗を防ぐことができる。
すなわち、供給状態識別データは、第1ステッピングモータ17のコイル17aの巻き始め端子Aと巻き終わり端子Bとに前回印加された駆動電流の供給状態(「0」または「1」)を示すデータであり、このデータがデータ記憶手段であるレジスタ35aに記憶されており、秒針2の運針位置を検出する際に、針位置検出制御手段(CPU35、ステップS5〜S16、S34〜S44)がレジスタ35aから供給状態識別データを読み出し、この読み出した供給状態識別データが予め定められているステータ17bの極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態に対応する「0」を表すデータである場合に、針位置検出制御手段が検出部13を検出駆動して秒針車20の回転位置を検出するように制御しているため、秒針2の運針位置を検出する際に、秒針2が仮に1秒位置分ずれた位置に停止していたとしても、秒針2の運針位置を誤検出することなく、2ステップごとの検出部13の検出駆動を行うことができ、これにより秒針車20の位置を極めて簡単な構成で高精度に位置検出ができ、且つ消費電力の消耗を防ぐことができる。
この場合、レジスタ35aに記憶されているデータが「0」を表すデータでなく、「1」を表すデータである場合に、針位置検出制御手段(CPU35、ステップS4〜S16、S33〜S44)が、検出部13を検出動作させないで、第1ステッピングモータ17を1ステップ分、回転駆動し秒針車20を介して秒針2を1ステップ運針させて、予め定められているステータ17bの極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態に対応する「0」を表すデータにすることにより、ユーザーによる針位置検出のスイッチ操作、もしくは衝撃や磁場などの外的要因により秒針2が1ステップずれた場合、そのタイミングで秒針2を動かすべきパルスを出力しても、その時点では秒針2が動かず、次のパルスで動くことになるので、必ず2ステップごとに検出部13で秒針車20の位置検出をすることができ、これにより正確に秒針車20の位置を検出することができる。
また、この針位置検出装置では、秒針車20の第1光透過孔部21が、秒針車20の基準位置(00秒位置)に設けられた第1円形孔21aと、この第1円形孔21aを基準にして秒針車20の8秒位置から28秒位置までの間に連続して設けられた第2長孔21bと、第1円形孔21aを基準にして秒針車20の32秒位置から50秒位置までの間に連続して設けられた第3長孔21cとを備えており、秒針車20の非光透過部が、第1円形孔21a、第2、第3の各長孔21b、21cにおける各間に第1〜第3の各遮光部21d〜21fを備えていることにより、秒針車20の偶数秒位置である2ステップごとに検出部13で秒針車20の位置検出を確実に行うことができる。
(実施形態2)
次に、図25を参照して、この発明を指針式の腕時計に適用した実施形態2について説明する。なお、図1〜図24に示された実施形態1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この腕時計における針位置検出装置は、図25に示すように、秒針車20における第1光透過孔部21の第2長孔21bを2つの長孔40a、40bに分割すると共に、第3長孔21cも2つの長孔41a、41bに分割した構成であり、これ以外は実施形態1とほぼ同じ構成になっている。
この場合、第2長孔21bにおける第1円形孔21aに隣接する長孔40aは、第1円形孔21aを基準にして、反時計回りに48°〜96°程度(8秒位置〜16秒位置)の間隔、つまり第1円形孔21aの5倍程度(円周に対する60°程度の幅)の長さで設けられている。第2長孔21bにおける第1円形孔21aと反対側に位置する長孔40bは、第1円形孔21aを基準にして、反時計回りに120°〜168°程度(20秒位置〜28秒位置)の間隔、つまり第1円形孔21aの5倍程度(円周に対する60°程度の幅)の長さで設けられている。この第2長孔21bの2つの長孔40a、40b間には、第5遮光部42が設けられており、この第5遮光部42は、その対角線上に位置する第3長孔21bの長孔41aの一部に対応するように設けられている。
また、第3長孔21cにおけるにおける第1円形孔21aに隣接する長孔41aは、第1円形孔21aを基準にして、時計回りに60°〜96°程度(50秒位置〜44秒位置)の間隔、つまり第1円形孔21aの4倍程度(円周に対する48°程度の幅)の長さで設けられている。第3長孔21cにおける第1円形孔21aと反対側に位置する長孔41bは、第1円形孔21aを基準にして、時計回りに120°〜168°程度(40秒位置〜32秒位置)の間隔、つまり第1円形孔21aの5倍程度(円周に対する60°程度の幅)の長さで設けられている。この第3長孔21bの2つの長孔41a、41b間には、第6遮光部43が設けられており、この第6遮光部43は、その対角線上に位置する第2長孔21bの長孔41aの一部に対応するように設けられている。
さらに、基準位置の第1円形孔21aとこれに隣接する第2長孔21bの長孔40aとの間には、実施形態1と同様、第1遮光部21dが設けられており、基準位置の第1円形孔21aとこれに隣接する第3長孔21cの長孔41aとの間にも、実施形態1と同様、第2遮光部21eが設けられており、さらに第1円形孔21aの対角線上に位置する第2長孔21bの長孔40bと第3長孔21cの長孔41bとの間にも、実施形態1と同様、第3遮光部21fが設けられている。
この場合にも、第1遮光部21dは、第1円形孔21aを基準にして、48°程度の間隔、つまり第1円形孔21aの3倍程度(円周に対する36°程度の幅)の間隔で設けられ、その対角線上に位置する第3長孔21cの長孔41bに対応するように構成されている。また、第2遮光部21eは、第1円形孔21aを基準にして、60°程度の間隔、つまり第1円形孔21aの4倍程度(円周に対する48°程度の幅)の間隔で設けられ、その対角線上に位置する第2長孔21bの長孔40bに対応するように構成されている。第3、第5、第6の各遮光部21f、42、43は、第1円形孔21aとほぼ同じ大きさで設けられ、その対角線上に位置する第1円形孔21a、第3長孔21cの長孔41a、第2長孔21bの長孔40aにそれぞれ対応するように構成されている。
このような秒針車20を用いた針位置検出装置においても、第1円形孔21a、および4つの長孔40a、40b、41a、41bが偶数秒位置(つまり偶数ステップ位置)に対応して設けられているので、第1実施形態と同様、秒針車20の2ステップごとに検出部13で秒針車20の位置を検出することができると共に、第1〜第3、第5、第6の各遮光部21d〜21f、42、43のいずれかが検出部13の検出位置Pに対応している状態で、秒針車20を30ステップ(180°)回転させると、必ず第1光透過孔部21の第1円形孔21a、第2長孔21bの2つの長孔40a、40b、第3長孔21cの2つの長孔41a、41bのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応するので、実施形態1と同様、針位置検出の簡素化を図ることができる。
すなわち、この秒針車20を用いた針位置検出装置においても、実施形態1と同様、第1ステッピングモータ17のコイル17aに供給される駆動電流の向きが1パルスごとに交互に替えられて供給されると、ステータ17bに発生する磁界の向きが交互に切り替えられて、ロータ17cが180度の1ステップずつ回転駆動しながら秒針2を運針させ、第1ステッピングモータ17の偶数秒位置、つまり2秒位置ごとに検出部13で秒針車20の第1光透過孔部21を検出する際に、データ記憶手段であるレジスタ35aに記憶されている供給状態識別データを、針位置検出制御手段(CPU35、ステップS5〜S16、S34〜S44)で読み出し、この読み出された供給状態識別データの内容に従って、針位置検出制御手段の制御によって検出部13が秒針車20の位置を検出するので、秒針2の運針位置を誤検出することなく、極めて簡単な構成で高精度に位置検出ができ、且つ消費電力の消耗を防ぐことができる。
この場合にも、供給状態識別データは、第1ステッピングモータ17のコイル17aの巻き始め端子Aと巻き終わり端子Bとに前回印加された駆動電流の供給状態(「0」または「1」)を示すデータであり、このデータがデータ記憶手段であるレジスタ35aに記憶されており、秒針2の運針位置を検出する際に、針位置検出制御手段(CPU35、ステップS5〜S16、S34〜S44)がレジスタ35aから供給状態識別データを読み出し、この読み出した供給状態識別データが予め定められているステータ17bの極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態に対応する「0」を表すデータである場合に、針位置検出制御手段が検出部13を検出駆動して秒針車20の回転位置を検出するように制御しているため、実施形態1と同様、秒針2の運針位置を検出する際に、秒針2が仮に1秒位置分ずれた位置に停止していたとしても、秒針2の運針位置を誤検出することなく、2ステップごとの検出部13の検出駆動を行うことができ、これにより秒針車20の位置を極めて簡単な構成で高精度に位置検出ができ、且つ消費電力の消耗を防ぐことができる。
また、レジスタ35aに記憶されているデータが「0」を表すデータでなく、「1」を表すデータである場合に、針位置検出制御手段(CPU35、ステップS4〜S16、S33〜S44)が、検出部13を検出動作させないで、第1ステッピングモータ17を1ステップ分、回転駆動し秒針車20を介して秒針2を1ステップ運針させて、予め定められているステータ17bの極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態に対応する「0」を表すデータにすることにより、ユーザーによる針位置検出のスイッチ操作、ももしくは衝撃や磁場などの外的要因により秒針2が1ステップずれた場合、そのタイミングで秒針2を動かすべきパルスを出力しても、その時点では秒針2が動かず、次のパルスで動くことになるので、必ず2ステップごとに検出部13で秒針車20の位置検出をすることができ、これにより正確に秒針車20の位置を検出することができる。
さらに、この針位置検出装置では、秒針車20の第1光透過孔部21が、秒針車20の基準位置(00秒位置)に設けられた第1円形孔21aと、この第1円形孔21aを基準にして秒針車20の8秒位置から16秒位置の間に設けられた第2長孔21bの長孔40aと、第1円形孔21aを基準にして秒針車20の20秒位置から28秒位置の間に設けられた第2長孔21bの長孔40bと、第1円形孔21aを基準にして秒針車20の44秒位置から50秒位置の間に設けられた第3長孔21cの長孔41aと、第1円形孔21aを基準にして秒針車20の32秒位置から40秒位置の間に設けられた第3長孔21cの長孔41bとを備えており、秒針車20の非光透過部が、第1円形孔21、4つの長孔40a、40b、41a、41bの各間に第1〜第3、第5、第6の各遮光部21d〜21f、42、43を備えていることにより、実施形態1と同様、秒針車20の偶数秒位置である2ステップごとに検出部13で秒針車20の位置検出を確実に行うことができる。
(第1変形例)
なお、上記実施形態2では、秒針車20の2ステップごとに検出部13で秒針車20の位置を検出する場合について述べたが、これに限らず、例えば、図26および図27に示す第1変形例のように、秒針車20を2ステップずつ回転させて検出部13で光検出があった場合、その時点から秒針車20を8ステップずつ回転させることにより、秒針2の基準位置(00秒位置)を検出するように構成しても良い。
すなわち、この第1変形例では、図26に示す針位置検出処理がスタートすると、レジスタ35aに前回記憶されているデータ(図6(a)に示す「0」または図6(b)に示した「1」のデータ)を読み出す(ステップS101)。このステップS101において読み出されたレジスタ35aのデータ、すなわち、第1ステッピングモータ17におけるコイル17aに前回供給された駆動電流の供給状態に対応するデータが、ROM36に予め記憶されているデータ、つまりステータ17bの極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態に対応する「0」であるか、その逆の供給状態に対応する「1」であるかを判別する(ステップS102)。
この判別の結果、読み出されたデータが「0」であったと判別された場合、すなわち図6(a)に示したように、コイル17aの端子Aに正(+)の電流が供給され、且つコイル17aの端子Bに負(−)の電流が供給された場合には、ステータ17bの極性は、予め定められている極性となり、例えば、図6(a)に示したように、ロータ17cの左側に位置するステータ17bがN極で、その右側に位置するステータ17bがS極となる。
このように、ステップS101において読み出されたレジスタ35aのデータが、ステップS102において「0」になっていたと判別された場合には、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS104)、引き続いて、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS105)。
これに対して、このステップS102において、前回コイル17aに供給された駆動電流の供給状態に対応するレジスタ35aのデータが、予め定められているステータ17bの極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態に対応する「0」でなく、その逆の供給状態に対応する「1」であると判別された場合には、図6(b)に示したように、コイル17aに逆向きの電流を流して、レジスタ35aのデータを「1」から「0」に変更しながら、ロータ17cを半回転(180°回転)させて、秒針車20を1ステップ運針させる(ステップS103)。
そして、ステップS105で、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21a、および第2、第3長孔21b、21cにおける各長孔40a、40b、41a、41bのいずれも、検出部13の検出位置Pに対応してない場合には、発光素子31からの光を受光素子32が受光せず、検出部13による光検出がないと判断し、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21a、各長孔40a、40b、41a、41bのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応するまで、秒針車20を2ステップずつ運針させる(ステップS106)。
ステップS105で、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21a、各長孔40a、40b、41a、41bのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応して、発光素子31からの光を受光素子32が受光した場合には、検出部13による光検出があったと判断し、秒針車20を8ステップ回転させ(ステップS107)、再び検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS108)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS109)。
このとき、秒針車20の第1光透過孔部21における第1円形孔21a、各長孔40a、40b、41a、41bのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応して、検出部13による光検出があった場合には、秒針車20における第1〜第3、第5、第6の各遮光部21d〜21f、42、43のいずれかが検出部13の検出位置Pに対応して、発光素子31からの光を受光素子32が受光せず、検出部13による光検出がない未検出状態になるまで、秒針車20を8ステップずつ運針させる。
そして、ステップS109で、秒針車20における第1〜第3、第5、第6の各遮光部21d〜21f、42、43のいずれかが検出部13の検出位置Pに対応して、検出部13による光検出がない未検出状態になると、秒針車20を8ステップ回転させ(ステップS110)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS111)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS112)。
このステップS112で、検出部13による光検出がない場合には、ステップS107に戻り、ステップS112までの動作を繰り返す。そして、ステップS112で、検出部13による光検出があったときには、秒針車20の第1光透過孔部21の第1円形孔21aが検出位置Pに一致していることになり、秒針車20は基準位置「00秒位置」であると判断し(ステップS113)、通常運針に移行させて、この処理を終了する。
このように、この第1変形例では、秒針車20を2ステップずつ回転させて検出部13で光検出があった場合、その時点から秒針車20を8ステップずつ回転させることにより、秒針2の基準位置(00秒位置)を検出するので、実施形態1、2の場合における検出部13による検出回数を大幅に減らすことができ、これにより、電池の消耗を大幅に防ぐことができる。例えば、図27に示すように、44秒位置で検出部13が最初に光検出をした場合には、検出回数が3回で済み、2ステップごとに検出する検出回数が8回であるの対し、検出回数を大幅に削減することができる。
(第2変形例)
また、上記第1変形例に限らず、例えば図28および図29に示す第2変形例のように、秒針車20の2ステップ回転と8ステップ回転とを組み合わせたタイミングで、秒針2の基準位置(00秒位置)を検出部13によって検出するように構成しても良い。すなわち、この第2変形例では、図28に示すように、秒針位置検出処理がスタートすると、レジスタ35aに前回記憶されているデータ(図6(a)に示す「0」または図6(b)に示した「1」のデータ)を読み出す(ステップS120)。
このステップS120において読み出されたレジスタ35aのデータ、すなわち、第1ステッピングモータ17におけるコイル17aに前回供給された駆動電流の供給状態に対応するデータが、ROM36に予め記憶されているデータ、つまりステータ17bの極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態に対応する「0」であるか、その逆の供給状態に対応する「1」であるかを判別する(ステップS121)。
この判別の結果、読み出されたデータが「0」であったと判別された場合、すなわち図6(a)に示したように、コイル17aの端子Aに正(+)の電流が供給され、且つコイル17aの端子Bに負(−)の電流が供給された場合には、ステータ17bの極性は、予め定められている極性となり、例えば、図6(a)に示したように、ロータ17cの左側に位置するステータ17bがN極で、その右側に位置するステータ17bがS極となる。
このように、ステップS120において読み出されたレジスタ35aのデータが、ステップS121において「0」になっていたと判別された場合には、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS123)、引き続いて、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS124)。
これに対して、このステップS121において、前回コイル17aに供給された駆動電流の供給状態に対応するレジスタ35aのデータが、予め定められているステータ17bの極性に対応するコイル17aへの駆動電流の供給状態に対応する「0」でなく、その逆の供給状態に対応する「1」であると判別された場合には、図6(b)に示したように、コイル17aに逆向きの電流を流して、レジスタ35aのデータを「1」から「0」に変更しながら、ロータ17cを半回転(180°回転)させて、秒針車20を1ステップ運針させる(ステップS122)。
そして、ステップS124で、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21a、および第2、第3長孔21b、21cにおける各長孔40a、40b、41a、41bのいずれかが、検出部13の検出位置Pに対応し、発光素子31からの光を受光素子32が受光して検出部13による光検出があった場合には、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21a、各長孔40a、40b、41a、41bのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応せず、検出部13による光検出がなくなるまで、秒針車20を2ステップずつ運針させる(ステップS125)。
これにより、ステップS124で、検出部13による光検出がない場合には、再び検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS126)、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS127)。このときは、検出部13による光検出がないので、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21a、各長孔40a、40b、41a、41bのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応し、発光素子31からの光を受光素子32が受光して検出部13による光検出があるまで、秒針車20を2ステップずつ回転させる(ステップS128)。
また、ステップS127で、検出部13による光検出があった場合には、秒針車20を8ステップ回転させ(ステップS129)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS130)、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS131)。このときは、図29に示す52秒位置を除いて、検出部13による光検出があるはずであるが、検出部13による光検出がなければ、52秒位置と判断し、後述するステップS140に進む。
そして、ステップS131で、検出部13による光検出があれば、秒針車20を2ステップ回転させ(ステップS132)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS133)、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS134)。このときは、秒針車20における第1光透過孔部21の第1円形孔21a、第2、第3長孔21b、21cのいずれも、検出部13の検出位置Pに対応せず、検出部13による光検出がないはずであるが、もし仮に検出部13による光検出があった場合には、エラー報知して(ステップS135)、この動作フローを終了する。
また、このステップS134で、検出部13による光検出がなければ、秒針車20を2ステップ回転させ(ステップS136)、再び検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS137)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS138)。このときには、必ず検出部13による光検出があるはずであるが、もし仮に検出部13による光検出がなかった場合には、エラー報知して(ステップS135)、この動作フローを終了する。
また、このステップS138で、検出部13による光検出があれば、秒針車20における各長孔40a、40b、41a、41bのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応していると判断して、ステップS129に戻り、ステップS129からステップS138の動作を繰り返す。このとき、ステップS131で、検出部13による光検出がなければ、図29に示す52秒位置と判断し、秒針車20を8ステップ回転させ(ステップS140)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS141)、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS142)。
このときに、検出部13による光検出があれば、秒針車20の第1光透過孔部21の第1円形孔21aが検出位置Pに一致していることにより、秒針車20は基準位置「00秒位置」であると認識し(ステップS143)、この処理を終了する。また、このステップS142で、もし仮に検出部13による光検出がない場合には、エラー報知して(ステップS135)、この動作フローを終了する。
このように、この第2変形例においても、秒針車20を2ステップ回転と8ステップ回転とを組み合わせたタイミングで、検出部13による光検出を行う場合、検出部13で光検出があった時点から秒針車20を8ステップ回転させたときに、検出部13で光検出がなく、この時点から再び秒針車20を8ステップ回転させたときに、検出部13で光検出があった時点が、秒針2の基準位置(00秒位置)であると判断することができるので、実施形態1、2の場合における検出部13による検出回数よりも、大幅に減らすことができ、これによっても、電池の消耗を大幅に防ぐことができる。
(第3変形例)
また、上記実施形態1、2およびその各変形例では、第1光透過孔部21の第2長孔21bと基準位置の第1円形孔21aとの間隔、つまり第1遮光部21dが第1円形孔21aを基準にして、反時計回りに48°程度の間隔、つまり第1円形孔21aの3倍程度(円周に対する36°程度の幅)に設定し、第1光透過孔部21の第3長孔21cと基準位置の第1円形孔21aとの間隔、つまり第2遮光部21eが第1円形孔21aを基準にして、時計回りに60°程度の間隔、つまり第1円形孔21aの4倍程度(円周に対する48°程度の幅)に設定した場合について述べたが、これに限らず、図30に示す第3変形例のように構成しても良い。
すなわち、この第3変形例は、図30に示すように、第1光透過孔部21の第2長孔21bと基準位置の第1円形孔21aとの間隔、つまり第1遮光部21dが第1円形孔21aを基準にして、反時計回りに36°程度(6秒位置まで)の間隔、つまり第1円形孔21aの2倍程度(円周に対する24°程度の幅)に設定し、第1光透過孔部21の第3長孔21cと基準位置の第1円形孔21aとの間隔、つまり第2遮光部21eが第1円形孔21aを基準にして、時計回りに48°程度(52秒位置まで)の間隔、つまり第1円形孔21aの3倍程度(円周に対する36°程度の幅)に設定した構成になっている。
この場合、第2長孔21bは、第1変形例と同様、2つの長孔40a、40bに分割され、その間に第5遮光部42が設けられている。この第2長孔21bにおける第1円形孔21aに隣接する長孔40aは、第1円形孔21aを基準にして、反時計回りに36°〜96°程度(6秒位置〜16秒位置)の間隔、つまり第1変形例よりも第1円形孔21aの1個分だけ、第1円形孔21a側に長く形成されている。
また、第3長孔21cは、第1変形例と同様、2つの長孔41a、41bに分割され、その間に第6遮光部43が設けられている。この第3長孔21cにおける第1円形孔21aに隣接する長孔41aは、第1円形孔21aを基準にして、反時計回りに264°〜312°程度(44秒位置〜52秒位置)の間隔、つまり、第1変形例よりも第1円形孔21aの1個分だけ、第1円形孔21a側に長く形成されている。
この場合にも、第1光透過孔部21の第2長孔21bと基準位置の第1円形孔21aとの間に位置する第1遮光部21dは、その対角線上に位置する第3長孔21cの長孔41bに対応するように構成されている。また、第1光透過孔部21の第3長孔21cと基準位置の第1円形孔21aとの間に位置する第2遮光部21eは、その対角線上に位置する第2長孔21bの長孔40bに対応するように構成されている。さらに、第3、第5、第6の各遮光部21f、42、43も、その対角線上に位置する第1円形孔21a、第3長孔21cの長孔41a、第2長孔21bの長孔40aにそれぞれ対応するように構成されている。
このような第3変形例においても、第1ステッピングモータ17のコイル17aに供給される駆動電流の向きが1パルスごとに交互に替えられて供給されると、ステータ17bに発生する磁界の向きが交互に切り替えられて、ロータ17cが180度の1ステップずつ回転駆動しながら秒針2を運針させ、第1ステッピングモータ17の偶数秒位置、つまり2秒位置ごとに検出部13で秒針車20の第1光透過孔部21を検出する際に、データ記憶手段であるレジスタ35aに記憶されている供給状態識別データを、針位置検出制御手段(CPU35、ステップS5〜S16、S34〜S44)で読み出し、この読み出された供給状態識別データの内容に従って、針位置検出制御手段の制御によって検出部13が秒針車20の位置を検出するので、実施形態1、2および第1、第2の各変形例と同様、秒針2の運針位置を誤検出することなく、極めて簡単な構成で高精度に位置検出ができ、且つ消費電力の消耗を防ぐことができる。
なお、上記実施形態1、2およびその各変形例では、秒針車20に第1円形孔21a、および第2、第3長孔21b、21c、または第2、第3長孔21b、21cにおける各長孔40a、40b、41a、41bを設け、これらの各間に第1〜第3の各遮光部21d〜21f、または第1〜第3、第5、第6の各遮光部21d〜21f、42、43を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば秒針車20をアクリルなどの透明な合成樹脂で形成し、その表面に第1〜第3の各遮光部21d〜21f、または第1〜第3、第5、第6の各遮光部21d〜21f、42、43を印刷によって設けた構成でも良い。
また、これに限らず、秒針車20の遮光部は、必ずしも第1〜第3の各遮光部21d〜21f、または第1〜第3、第5、第6の各遮光部21d〜21f、42、43である必要はなく、例えば第1光透過孔部21における基準位置(00秒位置)の第1円形孔21aに秒針2の運針方向に隣接する箇所と、この運針方向に対し反対方向に隣接する箇所とに遮光部を印刷によって設けた構成でも良い。このように構成すれば、遮光部によって検出部13が光検出できなかった後に、次の2ステップ回転で光検出できた位置が基準位置(00秒位置)であると判断することができるので、検出部13による秒針2の基準位置を速やかに検出することができると共に、分針3、時針4の位置検出も容易にできる。
さらに、上記実施形態1、2およびその各変形例では、第1ステッピングモータ17のコイル17aの巻き始め端子Aと巻き終わり端子Bとに前回印加された駆動電流の供給状態を示す供給状態識別データをデータ記憶手段であるレジスタ35aに記憶し、このレジスタ35aに記憶された供給状態識別データを針位置検出制御手段(CPU35)で読み出し、この読み出された供給状態識別データの内容に従って、針位置検出制御手段が検出部13を検出駆動して秒針車20の位置を検出するように制御する場合について述べたが、これに限らず、第1ステッピングモータ17のコイル17aに供給されていた駆動電流の供給状態を駆動電流判別手段(CPU35)で判別し、この駆動電流判別手段による判別結果に従って、針位置検出制御手段が検出部13を検出駆動して秒針車20の位置を検出するように制御する構成でも良い。
この場合には、第1ステッピングモータ17のコイル17aに供給されていた駆動電流の供給状態を判別する手段として、ロータ17cの極性を判別する検出素子や、コイル17aに供給されていた駆動電流の供給状態を検出する検出回路などを備えていれば、駆動電流判別手段によってコイル17aに供給されていた駆動電流の供給状態を判別し、この駆動電流判別手段による判別結果に従って、針位置検出制御手段が検出部13を検出駆動して秒針車20の位置を検出するように制御することができる。
なおまた、上記実施形態1、2およびその各変形例では、指針式の腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の指針式の時計に適用することができる。