JP2009285671A - 軽合金製鍛造ホイールとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鍛造製ホイールのミクロ金属組織の金属粒径を微細化すること。
【解決手段】軽合金製の円柱状ビレットを原材料に用いて、熱間鍛造により車両用ホイールを一体鍛造成形する工程に於いて、第一次鍛造後のワークの平均高さを低く設定し、ビレットの高さに対する鍛錬比を少なくとも3.5以上にして金属粒径を微細化し、スポーク部の金属平均粒径を9μm以下とし、熱間スピニングを行って内リムの平均粒径を20μm以下にする。第一次鍛造に於けるホイールディスクに施されるデザイン模様をなだらかな凸状のリブとして設定しワークの平均高さを低く設定し原材料の延展を容易にする。前記第一次鍛造で前記ビレットの全量をディスク各部とリム予備部材の所要量に応じて分配することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、円柱若しくは円錐部分を含む形状の軽合金製ビレットを原材料に用いた軽合金製鍛造ホイールに係り、詳しくは金型の表面積を軽減して鍛造後の成型品の平均高さを低く設定し鍛錬比を向上させた鍛造方法とその軽合金製ホイールに関する。
自動車の軽量化及び外観・意匠性の向上を目的として、アルミホイールに代表される軽合金製ホイールを装着する比率が増大している。軽合金製ホイールの製造法は鋳造法及び鍛造法に大別されるが、本発明は熱間鍛造(閉塞鍛造)と据込み鍛造によりホイールを製造するものであり、ビレットと称される軽合金から成る円柱状の鋳造塊を前方押出法により鍛造成形している。鍛造方法は上記方法に限定されないが緻密な金属組織が得られ鍛流線を乱さない方法であれば用いることができる。押出方向は鉛直方向或いは水平方向が一般的であるが、一対の金型を用いてこれら金型の間に前記ビレットを挟持し片方の金型をプレス機で押圧することで鍛造成形を行っている。プレス機の推力がかかる方が押し金型であり、圧力を受ける方は受け金型である。ホイールディスク面のデザイン模様を刻設する金型は押し金型又は受け金型いずれに用いても同じ効果が得られる。本発明では推力方向が鉛直方向の場合で説明するため、一対の金型の上方に位置する金型を上金型、下方に位置する金型を下金型としている。
ホイールは略円筒状でありディスク部とリム部から成り、その直径は近年では19インチ以上におよび原材料であるビレットの直径より遙かに大きい。またディスク部は意匠性が求められスポーク形状が好まれることもあって単なる円盤状にはならず、厚い部分と薄い部分が混在するため均一な鍛造を行う上で金型の設計は特に重要になっている。鍛造を行うとき特に重視されるべきことは鍛錬比であり、鍛錬比が3.5乃至4以上になれば鋳造組織の残存が見られず、鍛流線を形成した鍛造組織となることはよく知られているところである。近年の軽合金製ホイールの傾向として大口径化が目立っており、プレス機の圧力も大きいものが要求されるが、一方現有のプレス機で大口径のホイールを鍛造法により製造するための工夫も成されている。
鍛造製品の機械的強度が大きくなる理由として鍛錬比が挙げられる。鍛錬比は、鍛錬比=(材料の初めの高さ)÷(鍛造後の高さ)で表される。図7にアルミニウム鋳鍛造技術便覧(軽金属協会編)から抜粋した鍛錬成形比と引張強さの関係をグラフで示す。一般的に言えば、鍛錬比を大きくするほど鍛錬効果は向上し、均質で機械的性質や健全性に優れた製品が得られる。鍛錬比(鍛錬成形比)と機械的性質の関係をみると、鍛錬比3.5乃至5迄は鍛錬比と共に機械的性質が向上している。
従来の鍛造ホイールは呼び径19インチで8000トン級のプレス機を必要としており、第一次鍛造後のホイール前躯体であるワーク30の形状を図9に示した。同(b)図はディスク部32の平面図である。ディスク部のデザインはクロススポークでありスポークの間は孔が形成されるのが一般的である。スポークはリブ33として成形されリブを繋ぐ部分はウエブ34である。同(a)図はディスク中心線を通る断面図である。従来のホイールはオフセット寸法を需要に合わせてハブ35の厚みを切削により修正しているためかなりの厚みに製造される。
従来の製造方法で問題視された部分はリブがディスク周辺部でリム予備部材36と交差する部分の鍛造欠陥である。この部分で原材料を移動させることは原材料にシェアがかかり亀裂が生じやすい。そのため予め原材料をこの部分に準備しておく必要があり、図9(b)図に示すリブ端部33aには球面で盛り上がった部分を連設している。第一次鍛造は閉塞鍛造であり円柱状ビレットを押圧して原材料を金型全体に行き渡らせるためには余剰の圧力が必要になっている。リブ33は第三次仕上げ鍛造のリブに比べるとその断面形状は幅の広い緩やかな曲面で形成されるがスポーク状のデザイン模様をリブ頂部に形成しておらず第二次荒地鍛造で大きな圧力を必要としている。これらの手法で呼び径22インチのディスクを鍛造成形すると1万トンを超える圧力が必要になる。分厚いハブは第一次鍛造後のワーク平均高さに影響を与え鍛錬比が問題視される。発明者等はコンピュータによるシミュレーションを行い効率の良い鍛錬比の向上を提案しているところである。
特公平03−002573号公報 特公平03−002574号公報
金型の表面積を低減すると共に鍛造後のワークの平均高さを低く設定して鍛錬比を3.5〜4.0以上にすることである。
本発明は、シミュレーションを活用して試行錯誤の末、前記ディスク部に形成されるデザイン模様を金型に刻設する場合にその表面積を少なくすることでプレス圧力がほぼ均一に作用するように成し鍛造後のワークの平均高さを低く設定して鍛錬比を向上させる様にしている。前記ワークは円柱状のビレット鍛造により変形させる過程の原材料の形態を総称するものである。鍛造成形段階を第一次鍛造、第二次荒地鍛造、第三次仕上げ鍛造の3段階に分け各鍛造工程に使用するデザイン模様を刻設した金型の全表面積を低減した。要領を次に示す。
先ず、デザイン模様をリブとウエブにより形成することについてその定義をJIS.B.0112を参照して説明する。図8に示すようにウエブ100から突出するリブ101の頂部101aの厚みをBとしウエブの厚みをTとしている。また、隅丸み半径部をSと表示した。好ましい関係はB<Tであるが、B>Tの場合は肉ひけFが生じ易いとされている。本発明に於いてはビレットを閉塞鍛造してデザイン模様をリブで形成するが、リブをスポークとするとウエブは孔になりこの部分は削除されなければならない。原材料の使用量を少なくするためにはウエブの厚みTをできるだけ薄くする必要がある。しかし第三次仕上げ鍛造でウエブを強く押圧すると原材料がワークの半径方向に延展されるため思わぬ鍛造欠陥を招く危険性がある。
本発明は、軽合金製の円柱状ビレットを原材料に用いて、熱間鍛造により車両用ホイールを一体成形する第一次鍛造工程に於いて、ホイールディスクに施されるデザイン模様をリブとして金型に刻設するとき、円柱状のビレットを押圧して略円盤状に変形させる第一次鍛造に用いる金型に刻設されるデザイン模様のリブ頂部の厚みB部分とリブ間を繋ぐウエブに列なる曲面Sを広く設定するか、若しくはデザイン模様を形成せずに湾曲面で構成した凸面状に設定し、少なくともディスク全体を押厚する金型を用いてビレットを押厚しディスク部とリム予備部材を形成することで第一次鍛造後のワークの平均高さを低く設定している。鍛錬比は3.5乃至4.0以上になるようにワーク断面形状を設定した。
次の第二次荒地鍛造は据込み鍛造でありこれに用いる上金型は前記リブの頂部の厚みBをほぼ変化させずに前記曲面S及びウエブを押圧して前記リブを高くする様に刻設され、更に最終の第三次仕上げ鍛造に用いる金型は前記リブ頂部の厚みBをほぼ同じにしてリブの高さを所定の高さに成るように刻設した金型を用いる。リブ頂部の厚みをほぼ一定にすることで鍛流線の乱れを防止すると共に前記曲面Sを広くすることでウエブの厚みを確保し肉ひけを回避した。上記工程によりスポーク部を構成する部分の金属組織に於ける金属粒径の90%を9μm以下に構成することが可能となった。なおディッシュタイプのディスクでもブレーキを冷却するための孔を形成しているデザインは本発明に含まれる。
更に、前記リム予備部材を熱間スピニングすることで金属粒子の再結晶化を防止し、内リムの金属組織における金属粒径が15〜20μmの範囲に形成される。
前記リム予備部材を第二次鍛造する際に、外リムの一部と前記リム予備部材の上部を再度プレス機により押厚して、該予備部材の金属組織における金属粒径を30μm以下に形成し、熱間スピニングした場合に内リムの断面積の少なくとも90%の金属組織における金属粒径を20μm以下に形成する。
前記第一次鍛造に続く工程が、第二次荒地鍛造及び第三次仕上げ鍛造であり、これらの各鍛造により形成される前記リブの断面積が、前記第三次仕上げ鍛造後のリブ断面積を100%とした場合、第一次鍛造後のリブの断面積は40〜65%であり、第二次荒地鍛造後のリブ断面積は80〜90%とし、第一次鍛造に用いる金型の全表面積を低く設定してワークの平均高さを低く設定した。
前記第一次鍛造に於いて、車両用ホイールのディスク部材及びリム予備部材を形成するのに必要な容量に前記原材料を分配することを特徴としており、模様を成形する金型のリブは仕上げ鍛造後の高さの30%程度の高さにしてリブの頂部からウエブに列なる曲面Sを広く設定しなだらかな凹凸状を形成して表面積を低減し、鍛造後のワーク平均高さを低く設定した。このときリブの頂部は前記デザイン模様の概略を形成している。次の第二次鍛造は据込み鍛造であり前記ウエブにつながる曲面S及びウエブを押圧して漸次リブを盛り上げるようにする。また第二次、第三次鍛造は模様を成形する金型をトラバースする構造を採用して、実質的には工程を新たにするような方式ではないが、工程を別にして第二次荒地及び第三次仕上げ鍛造を行っても良い。
更に本発明では、第一次鍛造の前工程として前記原材料の配分の際に所要プレス圧力を軽減すると共に原材料の流れを均一にするため、模様を成形する金型にリブを形成するための凹部を刻設せず滑らかな湾曲面のみから成る金型を用いてビレットを押圧するようにしている。この場合のワークの平均高さは最も低くなり金属組織の金属粒径もワーク全体に均一で微細なものが得られる。第二次鍛造ではリブを***させるだけであり原材料の半径方向の移動は極力抑制するように配慮して鍛流線の乱れを防止している。
本発明の軽合金製ホイールは回転軸に平行な断面形状において、ホイールを車軸に固定する際のボルト孔周辺部を形成するハブ部の高さが、前記第三次仕上げ鍛造を終えたディスク部のハブの高さとデザイン模様のウエブを含むリブの高さがほぼ同じ高さに形成されたことを特徴としており、ディスク部全体に適切な材料配分が行われている。このときの平均高さをビレットの高さと比較すると鍛錬比が3.5〜4以上になるように配慮した。その結果金属ミクロ組織で粒径が20μm以下の緻密な組織が得られた。
上述した原材料の円柱状ビレットはアルミニウム軽合金であるが、マグネシウム軽合金でも同様な鍛造を行うことが出来る。更に本発明では円柱若しくは円錐部を含む形状のビレットをアルミニウム合金とマグネシウム合金の各軽合金を複合化してこれら軽合金から成る複合軽合金製ホイールを提供するものである。一例として円柱状ビレットの中心部に位置させるアルミニウム軽合金から成る円柱状のビレットと、その外周部に配置する円筒状のマグネシウム軽合金から成るビレットを用意し、これらを互いに挿通して嵌合する面をテーパー状に研削して密接させ、回転摩擦圧接を行って分子レベルの溶融面を形成して複合ビレットを作成した。鍛造の際にワークと金型を予熱して各軽合金を塑状状態にするが、マグネシウム合金は340〜390℃が適正範囲であり、アルミニウム合金は370〜480℃の範囲である。従って複合状態では360℃近傍の予熱温度が好ましい。金型の周囲から加熱し、ワークの中心部がより高温になるように温度管理を行い温度勾配を利用する。上述した鍛造方法によりホイールを作成したところディスク部がアルミニウム合金製であり、リム部がマグネシウム合金製のホイールが得られた。
上記ビレットは円柱状に限定されるものではなく、円盤状、円錐台などの種々の形状が用いられ、ホイールの適宜箇所にアルミニウム合金とマグネシウム合金が配置されるように一体化してビレットを作成し上述した鍛造を行う。塑性化する予熱温度が異なるマグネシウムとアルミニウムの合金をそれぞれ塑性化温度に予熱後、ホイールの形状、主としてディスクのデザイン模様により最適な各々のビレット形状と成し、第一次鍛造ではビレットを摩擦圧接などにより合体させて行うか、或いは個別に鍛造後第二次鍛造若しくは第二次鍛造以降の鍛造工程において合体せしめ加圧してアルミニウム合金とマグネシウム合金の複合ホイール予備部材と成し、少なくとも所要の工程例えばスピニング、熱処理、切削加工、塗装などを施して複合軽合金製ホイールを得る。
本発明によれば、第一次鍛造における上金型の表面積を削減して凹凸形状の緩やかなワークを形成することで平均高さを低く設定したので、鍛錬比が向上しホイールを構成する各部の金属組織における金属粒子径を微細化することが出来る。更に熱間スピニングを行って金属粒子の再結晶化を防止し強靱な機械強度を有する軽合金製ホイールを提供することが出来る。
本発明は、第一次鍛造工程に於いてデザイン模様を形成するリブの頂部とウエブに続く部分に広い傾斜面を形成して表面積をできるだけ少なくし、更に第一次鍛造の前工程としてリブを形成しない滑らかな湾曲面を形成するなどして鍛造後のワークの平均高さを低く設定し鍛錬比を向上させる。第二次荒地鍛造及び第三次仕上げ鍛造工程では据込み鍛造によりリブの高さを所定の高さにするがリブ頂部の厚さをほぼ一定に保ち、金属組織の金属粒子径を微細に保ち鍛流線の乱れを防止する。
(実施例1)
図1は、本発明になる呼び径18インチのディスクを有する第一次鍛造終了後の平面図である。デザイン模様は典型的なクロススポークであるが、最終工程でディスク裏面を研削してウエブ部を除去し孔を形成することでスポークを形成する。なお原材料を鍛造して出来上がる中間製品は未だホイールではないからこれをワークと記載する。
先ずリブとウエブの構成について説明する。図8はウエブの定義を示しており、リブ101とウエブ100を示す模式断面図である。リブの頂部101aの幅をBとし、リブを繋ぐ部分をウエブ100とする。本発明の例示するホイールは典型的なクロススポークをデザイン模様としているが鍛造過程の説明では、スポークが完成していない段階であるから敢えてリブ及びウエブを名称として用いることとした。
図1は本実施例におけるホイール製造の第一次鍛造終了時のワーク1aを示し、ディスク2aを示す平面図であり呼び径は18インチである。3aはリブであり4aはウエブである。中心部はハブ5aを形成する。ディスク中心部を通る回転軸心に平行な面の断面図を図3(b)に示す。6aはリム予備部材であり、別工程でスピニング加工により所定のリムが形成される。リブ3aのA−A矢視模式断面図を図3(a)図に示す。リブの頂部厚みはB1であり、ウエブ4aはほぼ平坦で厚さはT1ある。本実施例では厚さ6.8mmであった。リブ頂部からウエブ4aに至る部分はなだらかな曲面S1を形成しディスク面の表面積をできるだけ低減して第一次鍛造後のワークの平均高さを低く抑えている。リブの高さをH1とする。
図2(a)図は鍛造の様子を示す断面図である。プレス機により推力がかかる上金型8の下方に円柱状の軽合金製ビレット9を配置しその下方に下金型10が配置される。前記ビレットの高さをDとする。下金型はプレス機の基板上に固定され全圧力を支えている。同(b)図は第一次鍛造の状態を示す断面図であり閉塞鍛造(密封鍛造)である。上金型8が推力を受けて下方に降下しビレット9は圧縮され、上下金型の隙間を埋めるように中心部から外方へ延展される。上金型が最下方位置に達してワーク1aが成形される。同(c)図は金型から取り出されたワーク1aの断面図を示し、ハッチングで示された断面積と同じ面積の長方形9を太いハッチングで示し重ねて図示している。この長方形の高さEは第一次鍛造後のワーク1aの平均高さである。この場合の鍛錬比はD/Eで表され、本実施例では3.5乃至4の範囲である。範囲を示したのはワーク1aの断面積にスポークとなる部分のリブ10の断面積を加えて平均高さとする場合、ディスク上に形成されるデザイン模様により僅かではあるが平均高さが変わるからである。本発明では第一次鍛造後に於けるリブの高さを低く設定してリブ部の鍛錬比が高くなるように配慮している。
図3(d)図は第三次仕上げ鍛造後に於けるワーク1bの断面図である。仕上げ鍛造は据込み鍛造であり、前記リム予備部材6aは最終形状に成形されリム予備部材6bとなる。該リム予備部材6bの上部は強く押圧され最終形状の外リム7bに形成される。第二次鍛造工程の図示は省略したが、第二次鍛造及び本第三次仕上げ鍛造工程では前記曲面S1及びウエブ4aが段階的に強く押圧され最終形状のリブ3bが形成される。該リブ3bはウエブ4bを切削して除去しスポークとなる。リム予備部材6bが強く押圧され高さが低くなり、この部分の鍛錬比は向上し金属組織の金属粒子径が微細化する。リブ頂部の厚さB1とB2はほぼ同じであり曲面S2とウエブ4bが強く押圧されたことで鍛流線の乱れが生じずリブ3bの金属組織の平均粒径は9μm以下であった。
(実施例2)
ディスクの呼び径が19インチ以上になる場合、第一次鍛造を2段階に分けてリブの形状を成形せずに湾曲面だけで延展するのが好ましくワークの平均高さを低く設定できるから鍛錬比を向上させることが出来る。ディスクの断面形状は異なるが図4に一例を断面図で示す。閉塞鍛造により断面の平均高さをビレットの高さの1/4に設定し鍛錬比4を確保する。ワーク11は第一次鍛造後の断面形状であり、主としてハブ部12、ウエブ部13及びリム予備部材14のみを成形している。原材料のビレットを押圧して延展するとき原材料は放射状に均等な金属組織の金属粒径を有しており、その後に続く鍛造工程で各部に粒径ムラのないワークを提供することが出来る。この場合必ずしも前述の第一乃至第三次鍛造を必要とせずリブの形状如何により2工程で鍛造を行うことが出来る。
(実施例3)
鍛造後のリム予備部材6bはスピニング工程で内リムが成形される。前記の外リム7b、リブ3b及びハブ5bの各部分は鍛錬比4を維持しており金属ミクロ組織に於ける粒径は6〜10μmであり平均粒径は9μm以下である。図5に一例として鍛造成形とスピニング加工を行った完成品ホイール15の断面形状を示す。16はスポークでありリブとして上述したものである。17は外リムフランジであり、18は内リムフランジである。リムはR2で示した範囲が外リムであり、R1で示した範囲が内リムである。19はハブ部であり車軸フランジに装着される部分である。
通常スポーク部分は鍛錬比が4以上を確保して強靱なディスクを形成するので金属ミクロ組織に於ける平均粒径は前述の通りであるが、リム予備部材6bからスピニング加工される内リムは金属組織の粒径はやや大きくなる。前記リム予備部材6bの断面積の10%未満は外リムとして鍛造形成されるが、残りの少なくとも90%は20乃至25μmの金属粒径である。前記の図2(a)図に示したように円柱状のビレットを垂直方向に押圧して半径方向に延展しリブ予備部材6aが成形されるから、リブ成形にかかる圧力より低い圧力により成形されることになる。鍛錬比は2乃至3程度になっている。この場合前記リブ予備部材の内リムとなるべき部分の金属ミクロ組織の粒径は少なくとも25μm以上であり、熱間スピニング(ホットスピニング)を行ったとしても金属ミクロ組織の粒径は15乃至20μmの範囲にしか改善されない。
本発明では、前記図2に示したリム予備部材6aの上部部分の厚みを若干厚くなるように下金型を作成し、第二次及び第三次仕上げ鍛造の際に前記予備部材の上方から垂直方向に強く押圧することで原材料に流動性を与えると共に更なる加圧を行って鍛錬比3.5程度に改善しリブ予備部材6bと成し金属組織の粒径を20μm以下にした。これにより熱間スピニングを行ったところ内リムの断面積の少なくとも90%の部分で金属組織の粒径が15μm以下に改善され強靱な内リムを完成させている。内リムの平均厚は3mmであり軽量である。当然のことであるが外リムフランジ13と内リムフランジ14の厚さも軽減される。特にリムフランジはリム部を補強する部材でもありその真円度が特に要求される。特に内リムは幅が極端に大きくなるから断面形状の一部に凹凸状の段差を設けて厚みは同じでもたわみに対する強度を向上させることが出来る。
(実施例4)
上述した実施例では原材料にアルミニウム合金から成るビレットを用いているが、マグネシウム合金を併用したビレットを作成し一体型のホイール鍛造を行った。ビレットの形状は同じく円柱状であるが中心部を円柱状にアルミニウム合金で鋳造し、円筒状のビレットをマグネシウム合金で鋳造した。それぞれの外周面と内周面をテーパー状に研削して円錐部分を形成し、これらのビレットを互いに挿通し回転摩擦圧接を行って分子レベルの融着を行い一体化した。通常の熱間鍛造を行ったところディスクスポーク部分とハブ部分はアルミニウム合金製で、外リムの一部と内リム全体はマグネシウム合金製となった。重量比で換算するとビレットの中心部アルミニウム合金部分と円筒状ビレットのマグネシウム合金部分の重量比は85:15であった。これらの配列順は上記と逆の場合でも可能であり、そのときの重量比は大略80:20となる。前記いずれかの軽合金をより正確にホイールに配置するためには、第一次鍛造の初期段階の形状をビレットとして機械加工し金型に装着して鍛造を行えばよい。例えば図6(a)に示すように上金型8と下金型10の間に挟持される複合ビレット20は上下の各面が金型に即した形状に機械加工されており、中央部ビレット20aはアルミニウム合金製であり、外周部ビレット20bはマグネシウム合金製であり、界面は円錐面で摩擦圧接されている。(b)図は上金型が最下降位置にあり第一次鍛造後のワーク21が成形され、ディスク部中央21aはアルミニウム合金製でありリム予備部材21bはマグネシウム合金製である。熱間スピニングしてマグネシウム合金製のリムを得る。同(c)図は汎用性のある複合円柱状ビレット22であり、中央部ビレット22bは円錐台状を成しマグネシウム合金製であり、外周部ビレット22aはアルミニウム合金製である。23は境界面でテーパー状を成し摩擦圧接され分子レベルで融合している。前記複合ビレット20はアルミニウム合金素材を鍛造して中央部ビレット20aとすることも出来る。外周面を切削してテーパー状に成しマグネシウム合金製外周部ビレット20bと一体化しても良い。
本発明の鍛造方法は、プレス圧力を軽減して更に広い面に凹凸状のデザイン模様を形成するから大きい径のホイールディスクを一体鍛造で形成できる。小径のホイールにも適用して省エネルギー対策に貢献できる。自動車のホイールは年々大径化しており鉄製のホイールに対して軽合金製鍛造ホイールは重量の軽量化が顕著に表れる。この軽量化はバネ下重量を軽減するものであり、燃費の節約と操縦性能を向上させるものである。一体型の軽合金鍛造製ホイールは機械強度も高く肉厚を薄くできるから、同じ呼び径の軽合金鋳造製ホイールに対しても重量の軽減が顕著になる。2種の軽合金を複合化した場合ホイールのリム部、ディスク部とハブ部に軽合金を適宜使用して、マグネシウム合金の耐腐食性をアルミニウム合金で補うことが出来る。
本発明の第一次鍛造後に於けるワークの平面図である。(実施例1) (a)図は、本発明の第一次鍛造の金型を示す断面図であり、(b)図は第一次鍛造の様子を示す断面図であり、(c)図はワークの平均高さを示す説明図である。(実施例1) (a)図は、本発明の第一次鍛造後のワークのA−A断面図であり、(b)図は第一次鍛造後のワークの断面図であり、(c)図は第三次仕上げ鍛造後のB−B断面図であり、(d)図は第三次仕上げ鍛造後のワークの断面図である。(実施例1) 別の形状を有するワークの断面図である。(実施例2) 一体型鍛造製ホイールの一例を示す断面図である。(実施例3) (a)図は複合ビレットを用いた金型の断面図であり、(b)図は第一次鍛造後の複合ワークの断面図であり、(c)図は複合ビレットの別の態様を示す断面図である。(実施例4) 鍛錬成形比と引張強さの関係を示すグラフである。 鍛造に於けるリブとウエブの説明図である。 (a)図は、従来の第一次鍛造後に於けるワークの断面図であり、(b)図は同ディスク面の平面図である。
符号の説明
1a,1b,1c ワーク
2a ディスク
3a,3b リブ
4a,4b ウエブ
5a,5b ハブ
6a,6b リム予備部材

Claims (6)

  1. 軽合金製の円柱若しくは円錐部分を含む形状のビレットを原材料に用いて、鍛錬比が3.5乃至4.0以上である熱間鍛造により車両用ホイールを一体成形する工程に於いて、スポーク部を構成する部分の重量の90%を占める部分の金属組織に於ける金属粒径が9μm以下であることを特徴とする軽合金製鍛造ホイールの製造方法。
  2. 内リム予備部材を熱間スピニングした場合、内リムの金属組織における金属粒径が15〜20μmの範囲に形成されることを特徴とする請求項1に記載の軽合金製鍛造ホイールの製造方法。
  3. 請求項1に記載の製造方法を用いてスポーク部を構成する部分の重量の90%を占める部分の金属組織に於ける金属粒径を9μm以下に構成した軽合金製鍛造ホイール。
  4. 前記熱間スピニングを行った内リムを構成する断面積の少なくとも90%が15乃至20μmの金属粒径で構成された請求項2に記載の製造方法による軽合金製鍛造ホイール。
  5. 請求項2に記載の製造法を用いた熱間スピニング後の内リムを構成する断面積の少なくとも90%の金属組織の粒径が20μm以下に形成された軽合金製鍛造ホイール。
  6. 塑性化する予熱温度が異なるマグネシウムとアルミニウムの合金をそれぞれ塑性化温度に予熱後、ホイールの形状(デザイン)により最適な各々のビレット形状と成し、第一次鍛造をビレットを合体させて行うか、或いは個別に鍛造後第二次鍛造若しくは第二次鍛造以降の鍛造工程において合体せしめ加圧してアルミニウム合金とマグネシウム合金の複合ホイール予備部材と成し、少なくとも所要のスピニング、熱処理、切削加工、塗装を施した請求項1及び2の製造方法を用いた軽合金製鍛造ホイール。
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