JP2009282365A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】最表面層にポリカーボネートを含有した感光体と、前記感光体に特定の保護剤を塗布する塗布手段を含む画像形成装置であって、該保護剤を塗布する前の前記感光体をXPS分析した時に検出されるC1sスペクトルに関し、炭素の相異なる結合状態から生ずる波形を結合エネルギに応じて波形分離することにより得られるピークについて、290.3〜294eVの範囲にピークトップを有するピークの面積の和(総面積)の前記C1sスペクトル全体の面積に対する割合A0(%)が3%以上検出される感光体であって、特定の方法で前記保護剤を塗布した後の後者の同ピークの面積の和(総面積)の前記C1sスペクトル全体の面積に対する割合をA(%)としたとき、((A0−A)/A0×100)(%)が90%以上である感光体を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図1
Description
これに対して、ステアリン酸亜鉛やパルミチン酸亜鉛は、帯電等による酸化劣化によって、炭素鎖が切断され、カルボン酸に含まれる炭素の個数が少なくなったり、完全に炭素鎖が消失して酸化亜鉛として感光体上に残る場合がある。このように酸化劣化に応じて、炭素の数は減少するので、結果として、感光体に付着している保護剤の酸化劣化物は、(ステアリン酸亜鉛やパルミチン酸亜鉛のみではなく)様々な金属石鹸(ここでは金属は亜鉛)の混合物となってしまい、上式のように、単純に、水素を除くすべての原子の数とZn原子の数の割合を求めることができなかった。また、感光体の線速が速くなり、酸化劣化の度合いが大きくなれば大きくなるほど、炭素の数はより減少していくため、Znの割合は、保護剤が劣化する因子が高ければ高いほど高い値となっていく傾向があった。
また、感光体の線速が遅いうちは、算出される被覆率が誤差を持っていても、それほど大きな問題にならなかったが、感光体の線速が速くなるとAC帯電のエネルギーは高くなるため、感光体上の保護剤の実質的な被覆率は必ず90%にする必要があることが分かった。
ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の混合物を塗布する前の前記感光体をXPS分析した時に検出されるC1sスペクトルに関し、炭素の相異なる結合状態から生ずる波形を結合エネルギに応じて波形分離することにより得られるピークについて、290.3〜294eVの範囲にピークトップを有するピークの面積の和(総面積)の前記C1sスペクトル全体の面積に対する割合A0(%)が3%以上検出される感光体であって(検出誤差によって、AまたはA0は±1.5%程度の誤差を持っている。このことから、A0%は3%以上の、より好ましくは4%以上、さらに好ましくは5%以上がよい)、ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の混合物を塗布しながら、500枚画像出力をした後の感光体をXPS分析したときに検出されるC1sスペクトルに関し、炭素の相異なる結合状態から生ずる波形を結合エネルギに応じて波形分離することにより得られるピークについて、290.3〜294eVの範囲にピークトップを有するピークの面積の和(総面積)の前記C1sスペクトル全体の面積に対する割合をA(%)としたとき、
((A0−A)/A0×100)(%)
が90%以上である感光体を用いたことを特徴とする画像形成装置
である。
((A0−A)/A0×100)(%)は90%以上、好ましくは92%以上、さらに、好ましくは95%以上になるようにする。被覆率が90%未満の場合、感光体の線速が速いと特に感光体の保護効果が充分に発揮されないため好ましくない。
本来は、画像形成500枚よりも少ない場合においても、被覆率は90%以上であることが好ましいが、画像形成を行なううちに、被覆率は上昇し、500枚でほぼ一定となるため、500枚での被覆率を規定する。当然、500枚以上の画像形成を行なう場合も、感光体の寿命前であれば、被覆率は90%以上である。ただし、感光体の寿命を超えてしまった場合の被覆率については、本発明で規定する範囲内ではない。
尚、図5、6は同じスペクトルであり、後に出てくるGを説明をするのに適した体裁になるよう、図5を図6のように書き換えている。図7、8は同じスペクトルであり、後に出てくるGを’説明するのに適した体裁になるよう、図7を図8のように書き換えている。
図5の例ではA0=8.7%であった。
同様にして、図7に示した保護剤塗布後のC1sスペクトルをもとにAの求め方を説明する。先にも述べたが、C1sスペクトルとは、同図における281〜296eVにわたるスペクトルを示す。C1sスペクトル全体の面積の算出方法はY0の求め方と全く同じで、スペクトル内に含まれるすべてのピークを分離し、それぞれの面積を求め、それらの面積の総和を求める方法と、C1sスペクトル全体を一塊の面積として、算出する方法が挙げられ、C1sスペクトル全体を一塊の面積として算出する方が、ピーク分離の手間が無く、精度も良いことからより好ましい。いずれかの方法で算出した保護剤塗布後のC1sスペクトル全体の面積をYと称する。
以上のように、面積(Y)、および面積(W)が算出できたら、Aは次の式により算出することができる。
以上のようにして求められたA、およびA0を用いると、被覆率は
((A0−A)/A0×100)(%)
の式で求めることができる。
本発明の保護剤ブロック中のステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の比率は、用いる材料が確実に分かっていれば、材料の投入量で計算しても良いが、材料には必ず不純物を含有しているため、製造された保護剤ブロック中のステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の比率を製造ロット毎に測定することが好ましい。保護剤ブロック中のステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の比率は、保護剤ブロックを塩酸-メタノール溶液に溶解し、80℃で加熱することで、ステアリン酸、パルミチン酸をメチル化し、ガスクロマトグラフィーにより、ステアリン酸、パルミチン酸の比率を求め、その比率をステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の比率に換算して求めることができる。
前記保護剤塗布手段は、保護剤ブロックを押圧して保護剤供給部材に当接させる押圧力付与部材と、感光体表面に保護剤を供給する保護剤供給部材と、供給された保護剤を薄層化して保護層を形成する保護層形成部材とを有してなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。
また、前記保護層形成装置が前記保護層形成部材を有する場合には、該保護層形成部材はクリーニング部材を兼ねてもよいが、より確実に保護層を形成するには、予めクリーニング部材により感光体上のトナーを主成分とする残存物を除去し、残存物が保護層内に混入しないようにすることが好ましい。
本発明の保護剤ブロック21は、押圧力付与部材23からの押圧力により、例えばブラシ状の保護剤供給部材22へ接する。保護剤供給部材22は感光体1と線速差をもって回転して摺擦し、この際に、保護剤供給部材表面に保持された保護剤を感光体表面に供給する。
感光体表面に供給された保護剤は、供給時に十分な保護層にならない場合があるため、より均一な保護層を形成するために、例えばブレード状の部材を持つ保護層形成部材により薄層化されて保護層となる。
劣化した保護剤は、通常のクリーニング機構により、感光体に残存したトナー等の成分と共にクリーニング機構により除去される。このようなクリーニング機構は、上述の保護層形成部材と兼用にしてもよいが、感光体表面残存物を除去する機能と、保護層を形成する機能とは、適切な部材の摺擦状態が異なることがあるため、機能を分離し、図2に示すように保護剤供給部より上流側に、クリーニング部材41、クリーニング押圧機構42等からなるクリーニング機構4を設けることが好ましい。
前記保護層形成部材に用いるブレードの材料としては、特に制限はなく、クリーニングブレード用材料として公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えばウレタンゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらブレードは、感光体との接点部分を低摩擦係数材料で、コーティングや含浸処理してもよい。また、弾性体の硬度を調整するために、有機フィラー、無機フィラー等の充填材を分散させてもよい。
前記クリーニングブレードは、ブレード支持体に、先端部が感光体表面へ押圧当接できるように、接着や融着等の任意の方法によって固定される。前記ブレードの厚みについては、押圧で加える力との兼ね合いで一義的に規定できるものではないが、0.5〜5mmが好ましく、1〜3mmがより好ましい。
また、支持体から突き出し、たわみを持たせることができるクリーニングブレードの長さ、いわゆる自由長についても同様に押圧で加える力との兼ね合いで一義的に規定できるものではないが、1〜15mmが好ましく、2〜10mmがより好ましい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばPFA、PTFE、FEP、PVdF等のフッ素樹脂;フッ素系ゴム、メチルフェニルシリコーンエラストマー等のシリコーン系エラストマーなどが挙げられる。
前記保護層形成部材で感光体を押圧する力は、保護剤が延展し保護層の状態になる力で十分であり、線圧として5〜80gf/cmが好ましく、10〜60gf/cmがより好ましい。
前記保護剤供給部材の支持体としては、固定型と回動可能なロール状のものがある。ロール状の供給部材としては、例えばブラシ繊維をパイル地にしたテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き付けてロールブラシとしたものなどが挙げられる。前記ブラシ繊維としては繊維径10〜500μm程度、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度は1平方インチ当たり1万〜30万本(1平方メートル当たり1.5×107〜4.5×108本)が好適である。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、保護層形成工程と、定着工程とを少なくとも含み、好ましくはクリーニング工程を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。
本発明の画像形成装置は、感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、保護剤塗布手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、好ましくはクリーニング手段を有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記静電潜像形成工程は、感光体上に静電潜像を形成する工程である。
−感光体−
前記感光体(「静電潜感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。
本発明の画像形成装置に用いる感光体(感光体)は、導電性支持体と、該導電性支持体上に少なくとも感光層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記感光層としては、電荷発生材と電荷輸送材を混在させた単層型、電荷発生層の上に電荷輸送層を設けた順層型、又は電荷輸送層の上に電荷発生層を設けた逆層型がある。また、前記感光体の機械的強度、耐磨耗性、耐ガス性、クリーニング性等の向上のため、感光層上に最表面層を設けることもできる。また、前記感光層と導電性支持体の間には下引き層が設けられていてもよい。また、各層には必要に応じて可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
また、特開昭52−36016号公報に開示されているようなエンドレスニッケルベルト、又はエンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
前記白色顔料としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、これらの中でも、導電性支持体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンが特に好ましい。
前記樹脂としては、例えばポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂;アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
電荷発生層あるいは電荷輸送層が最表面層となる場合には、画像形成時の書き込み光に対して透明で、絶縁性、機械的強度、接着性に優れたポリカーボネートを用いる。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3'−ビス(4'−ヒドロキシ−3'−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3'−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、添加する層の総質量に対して0.01〜10質量%が好ましい。
また、前記感光層中にはレベリング剤を添加しても構わない。該レベリング剤としては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;測鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー、又はオリゴマーが使用される。前記レベリング剤の使用量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して、0〜1質量部が好ましい。
前記感光層と最表面層との機械的強度は一般に大きく異なるため、クリーニングブレードとの摩擦により最表面層が磨耗し、消失すると、すぐに感光層は磨耗していってしまうため、最表面層を設ける場合には、最表面層は十分な厚みとすることが重要であり、0.1〜12μmが好ましく、1〜10μmがより好ましく、2〜8μmが更に好ましい。前記厚みが0.1μm未満であると、薄すぎてクリーニングブレードとの摩擦により部分的に消失しやすくなり、消失した部分から感光層の磨耗が進んでしまうことがあり、12μmを超えると、感度低下、露光後電位上昇、残留電位上昇が生じやすく、特に電荷輸送能力を有する高分子を用いる場合には、電荷輸送能力を有する高分子のコストが高くなってしまうことがある。
前記最表面層は、電荷輸送能力を有していることが好ましく、最表面層に電荷輸送能力を持たせるためには、最表面層に用いる高分子と前述の電荷輸送物質を混合して用いる方法、電荷輸送能力を有する高分子を最表面層に用いる方法が考えられ、後者の方法が、高感度で露光後電位上昇、残留電位上昇が少ない感光体を得ることができ好ましい。
前記最表面層中には該最表面層の機械的強度を高めるために金属微粒子、金属酸化物微粒子、その他の微粒子など含有することが好ましい。前記金属酸化物としては、例えば酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、TiO、TiN、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン等が挙げられる。その他の微粒子としては、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、又はこれらの樹脂に無機材料を分散したものなどが挙げられる。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記感光体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、帯電ローラに交流成分を有する電圧を印加する電圧印加手段を有するものが好ましい。帯電ローラは、感光体ドラムの表面に接触させる接触帯電方式または、帯電ローラと感光体ドラムの表面に微小間隔をあける近接帯電方式を用いる。特に近接帯電方式を用いた場合、クリーニングしきれなかったトナーやその他、感光体上の付着物が、接触帯電方式の場合と比較して帯電ローラに付着しにくいためより好ましい。
本発明の画像形成装置に用いる帯電ロールの層構成は、導電性支持体上に、高分子層と、表面層から構成されることが好ましい。
導電性支持体は、帯電ロールの電極及び支持部材として機能するもので、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属または合金、クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄、導電剤の樹脂などの導電性の材質で構成される。
高分子層としては、10^6〜10^9Ωcmの抵抗を有する導電性層であることが好ましく、高分子材料に導電材を混合して抵抗を調整したものが用いられる。本発明の画像形成装置に用いる帯電ロールの高分子層の高分子としては、ポリエステル系、オレフィン系の熱可塑性エラストマー、ポリスチレン、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエンーアクリロニトリル共重合体等のスチレン系熱可塑性樹脂、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、天然ゴム等、及びこれらのブレンドしたゴム材料が挙げられる。ゴム材料は中でも、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムおよびこれらのブレンドゴムが好ましく用いられる。これらのゴム材は発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末を挙げることができる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;を挙げることができる。これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、高分子100質量部に対して、1〜30質量部の範囲であることが好ましく、15〜25質量部の範囲であることがより好ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、高分子100質量部に対して、0.1〜5.0質量部の範囲であることが好ましく、0.5〜3.0質量部の範囲であることがより好ましい。
前記表面層を構成する高分子材料としては、既述の如く、帯電ロール21表面のダイナミック超微小硬度が0.04以上0.5以下であれば特に制限されないが、ポリアミド、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
これらの中では、トナーとの離型性等の観点から、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミドが好ましく用いられる。上記高分子材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、当該高分子材料の数平均分子量は、1,000〜100,000の範囲であることが好ましく、10,000〜50,000の範囲であることがより好ましい。
表面層は、上記高分子材料に前記導電性弾性層に用いた導電剤や各種微粒子を混合して組成物として形成される。上記微粒子としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物及び複合金属酸化物、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等の高分子微粉体を単独または混合して用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。表面層は、段差の形状を損なわせないように0.5〜12μm、好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは2〜8μmがよい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記トナーは、下記数式1で表される円形度SRの平均値である平均円形度が0.93〜1.00のものが好ましく、0.95〜0.99がより好ましい。この平均円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
<数式1>
円形度SR=(トナー粒子の投影面積と同じ面積の円の周囲長)/(トナー粒子の投影像の周囲長)
前記平均円形度が0.93〜1.00の範囲では、トナー粒子の表面は滑らかであり、トナー粒子同士、トナー粒子と感光体との接触面積が小さいために転写性に優れる。また、トナー粒子に角がないため、現像装置内での現像剤の攪拌トルクが小さく、攪拌の駆動が安定するために異常画像が発生しない。また、ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がいないため、転写で記録媒体に圧接する際に、その圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じにくい。また、トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく、感光体の表面を傷つけたり、磨耗させたりしない。
まず、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩)を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000〜10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状、粒度を測定する。
また、前記トナーは、質量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比(D4/D1)は1.00〜1.40が好ましく、1.00〜1.30がより好ましい。前記比(D4/D1)が1に近づくほど、そのトナーの粒度分布がシャープであることを意味し、(D4/D1)が1.00〜1.40の範囲では、トナー粒径による選択現像が起きないため、画質の安定性に優れる。また、トナーの粒度分布がシャープであることから、摩擦帯電量分布もシャープとなり、カブリの発生が抑えられる。また、トナー粒径が揃っていると、潜像ドットに対して、緻密にかつ整然と並ぶように現像されるので、ドット再現性に優れる。
ここで、前記トナーの質量平均粒径(D4)、及び粒度分布の測定は、例えばコールターカウンター法による。該コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
このような略球形の形状のトナーとしては、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させることにより作製することができる。この反応で製造されたトナーは、トナー表面を硬化させることで、ホットオフセットの少なくすることができ、定着装置の汚れとなって、それが画像上に表れるのを抑えることができる。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルを更にポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
前記ジオール(1−1)としては、例えばアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、これと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用が特に好ましい。
前記3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
前記ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]は、2/1〜1/1が好ましく、1.5/1〜1/1がより好ましく、1.3/1〜1.02/1が更に好ましい。
前記末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が更に好ましい。前記含有量が0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均1個以上が好ましく、平均1.5〜3個がより好ましく、平均1.8〜2.5個が更に好ましい。1分子当たり1個未満であると、ウレア変性ポリエステルの
分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]は、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が更に好ましい。前記[NCO]/[NHx]が2を超えたり、1/2未満であると、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
これらの反応により、前記トナーに用いられる変性ポリエステル、中でもウレア変性ポリエステル(i)が作製できる。これらウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。ウレア変性ポリエステル(i)の質量平均分子量は、1万以上が好ましく、2万〜1000万がより好ましく、3万〜100万が更に好ましい。前記質量平均分子量が1万未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
また、ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記質量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、20,000以下が好ましく、1,000〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が更に好ましい。前記数平均分子量が20,000を超えると、低温定着性及びフルカラー画像形成装置に用いた場合の光沢性が悪化することがある。
前記(ii)のピーク分子量は、1,000〜30,000が好ましく、1,500〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が更に好ましい。前記ピーク分子量が1,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、10,000を超えると低温定着性が悪化することがある。前記(ii)の水酸基価は5以上が好ましく、10〜120がより好ましく、20〜80が更に好ましい。前記水酸基価が5未満であると、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になることがある。前記(ii)の酸価は1〜30が好ましく、5〜20がより好ましい。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
前記結着樹脂の貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10,000dyne/cm2となる温度(TG')が、100℃以上が好ましく、110〜200℃がより好ましい。前記温度(TG')が100℃未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記結着樹脂の粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、180℃以下が好ましく、90〜160℃がより好ましい。前記温度(Tη)が、180℃を超えると、低温定着性が悪化する。即ち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG'はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG'とTηの差(TG'−Tη)は0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上が更に好ましい。なお、差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましく、20〜80℃が更に好ましい。
まず、前記ポリオール(1)と、前記ポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで、40〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。更に(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。
なお、ウレア結合で変性されていないポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
また、本発明に用いるトナーは、以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100質量部に対する水系媒体の使用量は、50〜2000質量部が好ましく、100〜1000質量部がより好ましい。前記使用量が50質量部未満であると、トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2000質量部を超えると、経済的でない。
また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
前記反応においては、必要に応じて、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、等が挙げられる。
前記陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩型界面活性剤、四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等が挙げられる。前記四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。該陽イオン界面活性剤の中でも、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、などが挙げられる。該カチオン界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−121(旭硝子社製);フロラードFC−135(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ化学工業社製);エクトップEF−132(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
前記非イオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
前記難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト、等が挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。前記水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。前記ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。前記アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物、などが挙げられる。前記クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。前記窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。前記ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。前記セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
前記分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
前記分散液の調製においては、前記伸長反応乃至前記架橋反応の触媒を用いることができる。該触媒としては、例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、等が挙げられる。
前記溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましく、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒がより好ましい。
前記プレポリマー(A)100質量部に対する溶剤の使用量は、0〜300質量部が好ましく、0〜100質量部がより好ましく、25〜70質量部が更に好ましい。溶剤を使用した場合は、伸長及び/又は架橋反応後、常圧又は減圧下にて加温し除去する。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよいが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、又は粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際、不要の微粒子又は粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
具体的手段としては、(1)高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、(2)高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
また、前記着色剤を結着樹脂の一部もしくは全部と共に、予め湿潤液を加えた上で混練しておくことにより、初期的に結着樹脂と着色剤が十分に付着した状態となって、その後のトナー製造工程でのトナー粒子中における着色剤分散がより効果的に行われ、着色剤の分散粒径が小さくなり、一層良好な透明性を得ることができる。
予めの混錬に用いる結着樹脂としては、トナー用結着樹脂として例示した樹脂類をそのまま使用することができるが、これらに限定されるものではない。
前記の結着樹脂と着色剤の混合物を予め湿潤液と共に混練する具体的な方法としては、例えば、結着樹脂、着色剤及び湿潤液を、ヘンシェルミキサー等のブレンダーにて混合した後、得られた混合物を二本ロール、三本ロール等の混練機により、結着樹脂の溶融温度よりも低い温度で混練して、サンプルを得る。
また、湿潤液としては、結着樹脂の溶解性や、着色剤との塗れ性を考慮しながら、一般的なものを使用できるが、アセトン、トルエン、ブタノン等の有機溶剤、水が、着色剤の分散性の面から好ましい。これらの中でも、水の使用は、環境への配慮及び、後のトナー製造工程における着色剤の分散安定性維持の点から特に好ましい。
この製法によると、得られるトナーに含有される着色剤粒子の粒径が小さくなるばかりでなく、該粒子の分散状態の均一性が高くなるため、OHPによる投影像の色の再現性がより一層よくなる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックス等);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが特に好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えばポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミド等);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミド等);ジアルキルケトン(ジステアリルケトン等)などが挙げられる。これらの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記離型剤の融点は、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が更に好ましい。前記融点が40℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすくなることがある。
前記離型剤の溶融粘度は、融点より20℃高い温度で、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が乏しくなることがある。
前記離型剤の前記トナー中における含有量は、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。
前記帯電制御剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれも、オリエント化学工業社製);第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも、保土谷化学工業社製);第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれも、ヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(いずれも、日本カ一リット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
前記帯電制御剤の添加量は、バインダー樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法などによって異なり、一義的に規定できるものではないが、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。前記添加量が10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、有機溶剤に直接溶解し、分散する際に加えてもよいし、トナー表面にトナー粒子作製後、固定化させてもよい。
前記樹脂微粒子は、水性分散体を形成し得る樹脂であればいかなる樹脂も使用することができ、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、又はそれらの併用が好ましい。
前記ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合したポリマーが用いられ、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。
前記無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積は20〜500m2/gが好ましい。前記無機微粒子の前記トナーにおける添加量は、0.01〜5質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
その他の高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
また、感光体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の金属石鹸;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合などによって製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。前記ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
このようなトナーを用いることにより、上述の如く、現像の安定性に優れる、高画質なトナー像を形成することができる。
前記粉砕法トナーに使用される結着樹脂としては、例えばポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系共重合体;ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル系単重合体又はその共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル誘導体;ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体、ポリオール系重合体、エポキシ系重合体、テルペン系重合体、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂が、電気特性、コスト面等から好ましく、更には、良好な定着特性を有するものとして、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂が特に好ましい。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記感光体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該感光体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該感光体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記感光体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
−中間転写体−
前記中間転写体としては、体積抵抗1.0×105〜1.0×1011Ω・cmの導電性を示すものが好ましい。前記体積抵抗が1.0×105Ω・cmを下回る場合には、感光体から中間転写体上へトナー像の転写が行われる際に、放電を伴いトナー像が乱れるいわゆる転写チリが生じることがあり、1.0×1011Ω・cmを上回る場合には、中間転写体から紙などの記録媒体へトナー像を転写した後に、中間転写体上へトナー像の対抗電荷が残留し、次の画像上に残像として現れることがある。
前記中間転写体としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物やカーボンブラック等の導電性粒子や導電性高分子を、単独又は併用して熱可塑性樹脂と共に混練後、押し出し成型したベルト状もしくは円筒状のプラスチックなどを使用することができる。この他に、熱架橋反応性のモノマーやオリゴマーを含む樹脂液に、必要により上述の導電性粒子や導電性高分子を加え、加熱しつつ遠心成型を行い、無端ベルト上の中間転写体を得ることもできる。
中間転写体に表面層を設ける際には、上述の感光体表面層に使用した表面層材料の内、電荷輸送材料を除く組成物に、適宜、導電性物質を併用して抵抗調整を行い、使用することができる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記感光体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記保護層形成工程は、転写後の前記感光体表面に本発明の前記保護剤を付与して保護層を形成する工程である。
前記保護剤塗布手段としては、上述した、本発明の保護層形成装置を用いることができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を前記定着手段を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段は、転写手段より下流側かつ保護剤塗布手段より上流側に設けられることが好ましい。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ドラム状の感光体1Y,1M,1C,1Kの周囲に、それぞれ保護層形成装置2、帯電装置3、潜像形成装置8、現像装置5、転写装置6、及びクリーニング装置4が配置され、以下の動作で画像形成が行われる。
有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される感光体は、除電ランプ(図示せず)等で除電され、帯電部材を有する帯電装置3で均一にマイナスに帯電される。
帯電装置による感光体の帯電が行われる際には、電圧印加機構(図示せず)から帯電部材に、感光体1Y,1M,1C,1Kを所望の電位に帯電させるに適した、適当な大きさの電圧又はこれに交流電圧を重畳した帯電電圧が印加される。
帯電された感光体1Y,1M,1C,1Kは、レーザー光学系等の潜像形成装置8によって照射されるレーザー光で潜像形成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行われる。
レーザー光は半導体レーザーから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により感光体1Y,1M,1C,1Kの表面を、感光体の回転軸方向に走査する。
このようにして形成された潜像が、現像装置5にある現像剤担持体である現像スリーブ上に供給されたトナー粒子、又はトナー粒子及びキャリア粒子の混合物からなる現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。
各色に対応した感光体1Y,1M,1C,1K上に形成されたトナー像は、転写装置6にて中間転写体60上に転写され、給紙機構200から給送された、紙などの記録媒体上に、トナー像が転写される。
このとき、転写装置6には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。その後、中間転写体60は、感光体から分離され、転写像が得られる。
また、感光体上に残存するトナー粒子は、クリーニング部材によって、クリーニング装置4内のトナー回収室へ、回収される。
画像形成装置としては、上述の現像装置が複数配置されたものを用い、複数の現像装置によって順次作製された色が異なる複数トナー像を順次転写材上へ転写した後、定着機構へ送り、熱等によってトナーを定着する装置であっても、あるいは同様に作製された複数のトナー像を順次一旦中間転写体上に順次転写した後、これを一括して紙のような記録媒体に転写後に、同様に定着する装置であってもよい。
このような帯電部材を感光体表面に接触又は近接して帯電を行う帯電装置では、前述のように放電が感光体表面近傍の領域で行われるため、感光体への電気的ストレスが大きくなりがちである。しかし、本発明の保護剤ブロックを用いた保護層形成装置を用いることにより、長期間に渡り感光体を劣化させることなく維持できるため、経時的な画像の変動や使用環境による画像の変動を大幅に抑制でき、安定した画像品質の確保が可能となる。
本発明の画像形成装置は、上述したように、感光体表面状態の変動に対しての許容範囲に優れ、感光体への帯電性能の変動等を高度に抑制した構成であるため、上記構成のトナーと併用することにより、極めて高画質な画像を長期にわたって安定に形成することができる。
本発明のプロセスカートリッジは、感光体と、本発明の前記保護剤塗布手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、上述した本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
ここで、図3は本発明の保護層形成装置を用いたプロセスカートリッジ構成例の概略を説明するための概略図である。
前記プロセスカートリッジは、感光体1である感光体ドラム1に対向して配設された保護層形成装置2は、保護剤ブロック21、保護剤供給部材22、押圧力付与部材23、保護層形成部材24等から構成される。
また、感光体1は、転写工程後に部分的に劣化した保護剤やトナー成分等が残存した表面となっているが、クリーニング部材41、クリーニング押圧機構42からなるクリーニング機構4により表面残存物が清掃され、クリーニングされる。
クリーニング機構により、表面の残留トナーや劣化した保護剤が取り除かれた感光体表面へは、保護剤供給部材22から、保護剤21が供給され、保護層形成部材24により皮膜状の保護層が形成される。この際、本発明で使用する保護剤は、必要十分な量を制御性良く安定して感光体表面に供給できるため、感光体表面を効率よく保護し、長期間に渡って感光体自身の劣化の進行を防ぐことができる。
このようにして保護層が形成された感光体は、帯電後、レーザー等の露光Lによって静電線像が形成され、現像装置5により現像されて可視像化され、プロセスカートリッジ外の転写ローラ6などにより、記録媒体7へ転写される。
本発明のプロセスカートリッジは、上述したように、感光体表面状態の変動に対しての許容範囲に優れ、感光体への帯電性能変動等を高度に抑制した構成であるため、上記構成のトナーと併用することにより、極めて高画質な画像を長期にわたって安定に形成することができる。
保護剤ブロック1〜4の製造方法
ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛と表1の割合になるように秤量し、これらの混合物を145℃に加熱して溶融し、成型型に溶融したステアリン酸亜鉛を流し込み、冷却することで、40m m×8mm×長さ350mmの保護剤ブロック1〜4を作製した。
ステアリン酸とパルミチン酸とを所定の割合で混合し、混合物に水酸化亜鉛を混合溶融反応させ、ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛とが相溶した粒子(粒径22〜35μm)を作製した。
作製した各粒子を塩酸-メタノール溶液に溶解して80℃に加熱し、ステアリン酸とパルミチン酸をメチル化し、ガスクロマトグラフィーによりステアリン酸とパルミチン酸の含有量を測定し、ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の重量比に換算した。
作製したステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛とが相溶した粒子を、真比重(ステアリン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛-パルミチン酸亜鉛混合物は、ともに1.1)に対して93%まで圧縮成型して40mm×8mm×長さ350mmの保護剤ブロック5〜10を作製した。
保護剤ブロック7で用いたステアリン酸亜鉛-パルミチン酸亜鉛混合物に、一次粒径が約0.4μmの窒化ホウ素の含有量が6重量%、15重量%になるように混合し、真比重の96%まで圧縮成型して40mm×8mm×長さ350mmの保護剤ブロック11〜12を作製した。
感光体1
直径40mmのアルミニウムドラム(導電性支持体)上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層を、順に塗布した後、乾燥し、4.2μmの下引き層、約0.15μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層、約4.0μmの保護層からなる感光体を作製した。保護層の塗工はスプレー法により、それ以外は浸漬塗工法により行った。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 200部
〔電荷発生層用塗工液〕
Y型オキソチタニルフタロシアニン顔料 2部
ポリビニルブチラール(エスレックBM−S:積水化学製) 0.2部
テトラヒドロフラン 50部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールA型ポリカーボネート 10部
(帝人:パンライトK1300)
下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
塩化メチレン100部
〔保護層塗工液〕
ポリカーボネート 10部
上記構造の低分子電荷輸送物質 7部
アルミナ微粒子(中心粒径0.30μm) 6部
分散助剤(ビックケミージャパン製BYK−P104) 0.08部
テトラヒドロフラン 700部
シクロヘキサノン 200部
感光体1において、保護材塗工液中のアルミナ微粒子(中心粒径0.30μm) 6部を、アルミナ微粒子(中心粒径0.32μm) 6.2部
とする以外は、感光体1と同様に感光体を作製した。
保護剤を塗布する前の感光体1を2本ランダムに取り出してXPS(AXIS/ULTRA、島津/KRATOS、X線源:Mono Al、分析領域:700×300μm)分析を行ったところ、 図6のようなスペクトルを得た。
図6のようなC1sスペクトルに関し、281〜296eVにわたるC1sスペクトル全体の面積を一塊として算出し、Y0とした。続いて、290.3〜294eVの範囲で検出されるピークの面積(波形G(図中斜線部分))を一塊として算出し、W0とした。
A0=W0/Y0×100より、A0を求めると、いずれの感光体もA0=8.7%であった。
感光体1と同様にして、保護剤を塗布する前の感光体2をランダムに2本取り出して、XPS分析を行ったところ、いずれの感光体もA0=8.7%であった。
感光体1と感光体2では、保護層のアルミナの量が違うが、A0の値は、原理的に変化しない。上述の結果からも、アルミナの量が変化しても、A0の値は、変化しないことがわかった。
保護剤塗布後の感光体については、以下の方法でAを算出した。Aの算出方法の説明として、図7、8を用いる。先にも記載したが、図7と8は同じスペクトルで、図7はスペクトルをそのまま図示しており、図8は波形G’をよりわかりやすくするために図7に波形G’(図8中斜線部)を追加して図示したものである。
図7のようなC1sスペクトルに関し、281〜296eVにわたるC1sスペクトル全体の面積を一塊として算出し、Yとした。続いて、290.3〜294eV(ピークトップ)の範囲に見られるスペクトルと合うように、図6の290.3〜294eV(ピークトップ)に見られる波形Gを相似に縮小して、図8に示す波形G'として、波形G'の面積を算出し、Wとした。
被覆率の算出方法
被覆率は以下の式より算出した。
被覆率=((A0−A)/A0×100)(%)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(I)
実施例1〜2、比較例1〜2
タンデム型カラー画像形成装置imagio MP C3500を改造し、図2の構成になるように保護剤塗布ブレードをカウンターに配置し、感光体の線速を280mm/秒とした。また、帯電は帯電ローラにより感光体に対して-600Vの直流電圧と振幅1.2kVで周波数が2kHzの交流を印加するように改造した。
続いて、イエロープロセスカートリッジに新しい感光体を組み込み、画像濃度が7%のテストチャートを5枚ずつ、合計25000枚画像形成した。
実施例1で用いた画像形成装置の線速を200mm/秒とし、帯電ローラにより感光体に対して-600Vの直流電圧と振幅1.2kVで周波数が1.7kHzの交流を印加するように改造した。 感光体2及び、保護剤ブロック5〜10を用いて、プロセスカートリッジを4つずつ作製し、改造したタンデム型画像形成装置に搭載した。画像濃度が7%のテストチャートを、25℃、42%の環境で500枚画像形成した。イエローの感光体を各プロセスカートリッジから取り出し、XPS分析(AXIS/ULTRA、島津/KRATOS、X線源:Mono Al、分析領域:700×300μm)を行ない、Aを算出したところ、保護剤ブロック5〜10のプロセスカートリッジにおいてそれぞれ、A=0.8、0.4、0、0.2、0.8であった。この時の被覆率を、式(I)を用いて計算したところ、それぞれ、91、95、100、98、91、87%であ
った。さらに、保護剤ブロック10の場合についてのみ、イエロー感光体の元素分析を行なったところ、Znの量は2.37%であった。これを、感光体上の保護剤はすべて酸化劣化のないステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の混合物(ステアリン酸亜鉛37%、パルミチン酸亜鉛63%)として、被覆率を換算したところ、酸化劣化のないブロック10が完全に感光体を被覆すると、前述の式より、Znの割合は、2.60%となることから、2.60%をZnの割合の飽和量として、被覆率は92%と算出された。(計算式は以下)
Znの割合の式: (2.44×ステアリン酸亜鉛の割合) + (2.70×パルミチン酸亜鉛の割合)
=2.44×0.37 + 2.70×0.63
=2.60
被覆率: (2.37/2.60)×100=91%
続いて、イエロープロセスカートリッジに新しい感光体を組み込み、画像濃度が7%のテストチャートを5枚ずつ、合計30000枚画像形成した。
実施例5において、画像形成装置の線速を160mm/秒とし、帯電ローラにより感光体に対して-600Vの直流電圧と振幅1.2kVで周波数が1.3kHzの交流を印加するように改造した。 実施例5と同様に、画像濃度が7%のテストチャートを、25℃、42%の環境で500枚画像形成した。イエローの感光体を各プロセスカートリッジから取り出し、XPS分析(AXIS/ULTRA、島津/KRATOS、X線源:Mono Al、分析領域:700×300μm)を行ない、Aを算出したところ、A=1.1であった。この時の被覆率を、式(I)を用いて計算したところ、100%であった。
続いて、イエロープロセスカートリッジに新しい感光体を組み込み、画像濃度が7%のテストチャートを5枚ずつ、合計30000枚画像形成した。その後、シアン、マゼンタ、ブラックのハーフトーン画像を出力し、各画を評価したところ、全ての色のハーフトーン画像で高画質の画像が得られた。
実施例3で用いた画像形成装置で、感光体1及び保護剤ブロック11、12、3を用いてプロセスカートリッジを4つずつ作製し、画像形成装置に搭載した。画像濃度が7%のテストチャートを、15℃、10%の環境で500枚画像形成した。イエローの感光体を各プロセスカートリッジから取り出し、XPS分析(AXIS/ULTRA、島津/KRATOS、X線源:Mono Al、分析領域:700×300μm)を行ない、Aを算出したところ、保護剤ブロック5〜10のプロセスカートリッジにおいてそれぞれ、A=0、0、1.1であった。この時の被覆率を、式(I)を用いて計算したところ、それぞれ、100、100、87%であった。
続いて、イエロープロセスカートリッジに新しい感光体を組み込み、画像濃度が7%のテストチャートを5枚ずつ、合計15000枚画像形成した。 その後、シアン、マゼンタ、ブラックのハーフトーン画像を出力し、各画を評価した。 保護剤ブロック11、12を用いた画像形成装置の画像は、全ての色のハーフトーンン画像で、高画質の画像が得られた。
以上の実験結果をまとめたのが表1である。
○ 高画質である
△ わずかに、画質の劣化がある(実使用上は問題なし)
× 異常画像である
Claims (7)
- 最表面層にポリカーボネートを含有した感光体と、前記感光体に保護剤としてステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の混合物を塗布する塗布手段と、前記感光体を一様に帯電させる帯電手段と、外部からの露光により前記感光体表面に形成される潜像を少なくともトナーを含有する現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写後の前記感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置であって、ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の混合物を塗布する前の前記感光体をXPS分析した時に検出されるC1sスペクトルに関し、炭素の相異なる結合状態から生ずる波形を結合エネルギに応じて波形分離することにより得られるピークについて、290.3〜294eVの範囲にピークトップを有するピークの面積の和(総面積)の前記C1sスペクトル全体の面積に対する割合A0(%)が3%以上検出される感光体であって、ステアリン酸亜鉛とパルミチン酸亜鉛の混合物を塗布しながら、500枚画像出力をした後の感光体をXPS分析したときに検出されるC1sスペクトルに関し、炭素の相異なる結合状態から生ずる波形を結合エネルギに応じて波形分離することにより得られるピークについて、290.3〜294eVの範囲にピークトップを有するピークの面積の和(総面積)の前記C1sスペクトル全体の面積に対する割合をA(%)としたとき、
((A0−A)/A0×100)(%)が90%以上である感光体を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、ステアリン酸亜鉛と、パルミチン酸亜鉛の混合比率が、66:34〜40:60(重量比)であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜2記載の保護剤が、圧縮成型により作製されていることを特徴とする画像形成装置
- 請求項1〜3記載の画像形成装置において、感光体の線速が180mm/sec以上であることを特徴とした画像形成装置。
- 請求項1〜4記載の画像形成装置において、帯電手段が、直流電圧に交流電圧を重畳したことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜5記載の画像形成装置において、保護剤塗布手段が、クリーニング手段の下流側であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜6記載の画像形成装置に用いるプロセスカートリッジ。
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