JP2009276774A - 高低パターン層形成体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高さが異なるパターンが組み合わされてなる高低パターン層を、フォトリソグラフィー法により同一の材料を用いて、かつ同時に製造することができる高低パターン層形成体の製造方法を提供する。
【解決手段】光硬化型樹脂組成物を上記基板上に塗布し、感光層を形成する感光層形成工程と、光の透過を遮る遮光層と、上記高低パターン層のパターンに沿って形成された開口部とを有し、200nm〜500nmの範囲内の波長を40%以上吸収するフィルターが、上記開口部の一部に配置されているマスクを用い、上記マスクを介して、上記感光層を露光する露光工程と、上記露光された感光層を現像することにより、上記マスクの開口部のうちフィルターが配置されている領域に該当する感光層が低部となる高低パターン層を形成する高低パターン層形成工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高低パターン層の製造方法に関するものである。
従来より、液晶ディスプレイは、モノクロ型及びカラー型のいずれを問わず、多方面で、情報の表示手段として活用されている。
例えば、モノクロ液晶ディスプレイは、基板と、上記基板上にパターン状に形成されたブラックマトリクスと、上記ブラックマトリクスを保護し、基板表面の平坦性を確保するために設けられる保護層とを有するモノクロ液晶ディスプレイ用基板、上記モノクロ液晶ディスプレイ用基板に対向する対向基板およびこれらモノクロ液晶ディスプレイ用基板および対向基板に狭持された液晶層を少なくとも有する構造とされている。
そして、近年モノクロ液晶ディスプレイ用基板と対向基板との間隙を一定に保つための間隙材(スペーサ)として、従来用いられてきたプラスチックビースに代わり、柱状のスペーサが用いるようになってきている。すなわち、プラスチックビーズ周辺の光漏れによるコントラストの低下、および散布むらに起因する表示むらを解消するために、いずれかの基板側に柱状のスペーサを形成し、このスペーサにより2枚の基板の間隙を一定に保つことが行なわれている。
このような柱状スペーサを用いた場合の従来のモノクロ液晶ディスプレイ用基板の一例は、図4に示すように、モノクロ液晶ディスプレイ用基板の基板41上に、画素間を区切るブラックマトリクス42がパターン状に形成されている。このようなブラックマトリクス42は、モノクロ液晶ディスプレイの表示領域である画素部Aに形成された画素ブラックマトリクス42aと、表示領域の外側である外周部Bに形成されている外周ブラックマトリクス42bとを有するものであり、画素ブラックマトリクス42aは、表示領域の開口率を低下させないために、その線幅が狭く形成されており、外周ブラックマトリクス42bは、バックライト等の光源からの光を効果的に遮蔽するため、線幅が広く形成されている。
さらに、ブラックマトリクス42等の部材を保護し、モノクロ液晶ディスプレイ用基板の基板41表面に平坦性を付与するため、ブラックマトリクス42表面を被覆するように、保護層43が形成されている。このような保護層43において、画素部Aおよび外周部Bでは、膜厚に差が生じる。これは、画素部Aに位置する画素ブラックマトリクス42aは線幅が狭く形成されているために、その上面に保護層43が積層されにくく、積層される保護層43の膜厚は薄くなる傾向にあるからであり、一方、外周部Bに設けられている外周ブラックマトリクス42bは十分な線幅を有して形成されているため、保護層43の膜厚は画素部Aのものと比較し厚くなるからである。このような保護層43上に、柱状スペーサ44を形成すると、上述した保護層43自体の膜厚の差により、モノクロ液晶ディスプレイ用基板の基板41の表面から柱状スペーサ44の上面までの高さは、外周部Bの方が画素部Aより高くなる。
このような高さの違いは、基板間の間隙の違いとなって表れ、このような状態でモノクロ液晶ディスプレイ用基板上に柱状スペーサ44を介して対向基板45を配置させると、対向基板45にゆがみが発生する。当該ゆがみは、対向基板45の周辺部分から光が漏れるといった不都合を引き起こし、これにより画面周辺が明るくなるといった問題が生じる。
そこで、このような問題を解決する方法として、例えば、特許文献1には、液晶表示装置の表示領域および表示領域外では柱状スペーサ自体の高さにばらつきが生じることを防止するために、一層からなる大径スペーサと2層以上からなる小径スペーサとからなる柱状スペーサを用いた技術が開示されている。さらに、特許文献2には、液晶表示装置の組み立て時における高温高圧下の影響から柱状スペーサが変化することを防止するために、柱状スペーサを、高温高圧化での変形量の小さい低変形部と、低温での液晶の収縮に追従可能な高弾性部とからなる2層構造とし、柱状スペーサの形状を一定に保つ技術が開示されている。
しかしながら、いずれの方法とも、画素部Aおよび外周部Bで高さの異なる柱状スペーサを形成するために、柱状スペーサを形成する工程を2度繰り返すことにより、画素部および外周部における柱状スペーサの高さの差を解消しているため、柱状スペーサの作成に多くの手間を要し、製造効率を低下させる要因となっていている。
また、複数配向分割型垂直配向(以下、複数配向分割型垂直配向をMVAと略す場合がある。)モード液晶ディスプレイにおけるMVAモードは、電圧非印加時に全ての液晶分子が配向膜上に垂直に立った状態で整列しており、電圧印加時に液晶分子が倒れることで表示制御を行っている。さらに、高品位な表示を実現するために、液晶分子が倒れる方向が隣接するドメイン毎に異なるように規定されており、複数配向がドメイン毎に分割された構成となっている。これにより高視野角、高コントラスト、高速応答、忠実な色再現および高精細な表示等を実現している。
このようなMVAモード液晶ディスプレイにおいて液晶分子の配向を決定付けるために、ナイロン、レーヨンなどの布で擦ること(ラビング)が行われていた。しかしながら、この方法を用いた場合、ラビング工程に起因する静電気の発生、発塵などによる歩留まりの低下、プロセスの複雑化による生産性の低下などの理由から、生産工程における信頼性が十分であるとは言えなかった。また、液晶層の厚みを規定するスペーサが存在すると、スペーサの影になる部分はラビングされず、その部分の液晶分子の配向が乱れてしまう欠点があった。
そこで、かかる実情に鑑み、近年、特許文献3に記載されるように、液晶パネル内に配向を制御する突起(本明細書において、配向制御突起という)を設けることにより、ラビングの手法を用いることなく液晶分子の傾斜方向を規定する手法が採用されてきている。これは、配向制御突起が、電圧印加時の液晶分子の長軸がすべて45°の角度となるような、ジグザグ線のストライプ状に設けられており、一画素内における配向方向を4分割とし、かつその分割面積が等しくなるように設計されている。また、この手法では、配向を制御する突起がカラーフィルタ側基板とこれと対向する対向基板の双方に設けてあり、セル化したときに交互に配列するように形成される。
一方、一般に、配向制御のための突起を設けたMVAモード液晶ディスプレイにおいては、液晶層の厚さを規定するスペーサとして、球状のプラスチックビーズが用いられていたが、上述したモノクロ液晶ディスプレイ用基板の場合と同様に、プラスチックビーズを用いた場合の問題点を解決するため、柱状のスペーサが用いられるようになってきている。
このように、MVAモード液晶ディスプレイにおいては、配向制御突起および柱状スペーサを設けることが有益であるが、これらは、共に同一材料を用いてフォトリソグラフィー法により形成されるにも関わらず、両者の高さおよびパターンが異なることから、別個に形成する必要があった。そこで、両者を同時に、同一材料を用いて製造することができる方法の開発が求められていた。
そこで、特許文献3には、(a)最表面にネガ型のフォトレジストが塗布された基板を準備し、(b)該フォトレジストが塗布された表面に、所定の切り欠きパターンからなる複数の開口部を有するフォトマスクを介して、一定の露光量で露光し、(c)フォトマスクを、(b)工程で露光した領域と、露光されるべき次の開口部とが部分的に重なるように、所定のスライド方向に平行移動し、(d)前記(b)および(c)工程をこの順序でさらに複数回繰り返し、(e)前記露光済の基板表面を現像液で現像処理して、露光回数に応じた膜厚を生じさせて、配向制御突起および柱状スペーサを同一材料および同時に製造する方法が開示されている。しかしながら、この方法は、露光工程の際に、露光回数に応じて、配向制御突起および柱状スペーサの膜厚に差を生じさせているため、当該露光工程に多くの手間を要する欠点があった。
特開平11−109366号公報 特開2002−148426号公報 特開2002−236371号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高さが異なるパターンが組み合わされてなる高低パターン層を、フォトリソグラフィー法により同一の材料を用いて、かつ同時に容易に製造することができる高低パターン層形成体の製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、基板と、上記基板上に形成され、高さが異なるパターンが組み合わされてなる高低パターン層とを有し、上記高低パターン層がフォトリソグラフィー法により同一材料で同時に製造される高低パターン層形成体の製造方法であって、
光硬化型樹脂組成物を上記基板上に塗布し、感光層を形成する感光層形成工程と、
光の透過を遮る遮光層と、上記高低パターン層のパターンに沿って形成された開口部とを有し、200nm〜500nmの範囲内の波長を40%以上吸収するフィルターが、上記開口部の一部に配置されているマスクを用い、上記マスクを介して、上記感光層を露光する露光工程と、
上記露光された感光層を現像することにより、上記マスクの開口部のうちフィルターが配置されている領域に該当する感光層が低部となる高低パターン層を形成する高低パターン層形成工程とを有することを特徴とする高低パターン層形成体の製造方法を提供する。
本発明においては、上述した範囲内の波長を上記割合で吸収する性質を有するフィルターを開口部の一部に配置していることから、露光工程において露光領域となった感光層であってもフィルターの有無により、現像後の残膜率に違いを生じさせることができる。従って、高さの異なる高部および低部からなる高低パターン層を、同一材料を用いて、同時に形成することができる。
上記請求項1に記載された発明においては、請求項2に記載するように、上記光硬化型樹脂組成物は、200nm〜500nmの範囲内の光の強弱により反応性が異なることが好ましい。上述したフィルターが吸収する波長の範囲と同一範囲である波長の光の強弱により反応性が異なる光硬化型樹脂組成物を用いることにより、上記露光工程において露光領域となった感光層であっても、フィルターの有無により、硬化の度合いに違いを生じさせることができるため、容易に高さの異なる高部および低部からなる高低パターン層を、このような光硬化型樹脂組成物を用いて、同時に形成することができるからである。
上記請求項1または請求項2に記載された発明においては、請求項3に記載するように、上記高低パターン層形成体が液晶ディスプレイ用基板に用いられるものであることが好ましい。液晶ディスプレイ用基板においては、同一の材料で高さの異なる2種類の部材を形成する場合があり、このような場合に、本発明の高低パターン層形成体の製造方法を用いることにより、効率良く液晶ディスプレイ用基板を製造することができるからである。
本発明においてはまた、請求項4に記載するように、上記請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載された高低パターン層形成体の製造方法を用いたモノクロ液晶ディスプレイ用基板の製造方法であって、上記高低パターン層が、上記モノクロ液晶ディスプレイの表示領域に位置する画素スペーサおよび上記モノクロ液晶ディスプレイの表示領域外に位置する外周スペーサであり、上記マスクが、光の透過を遮る遮光層と、上記画素スペーサのパターンに沿って形成された画素開口部と、上記外周スペーサのパターンに沿って形成された外周開口部とを有し、少なくとも上記外周開口部に上記フィルターが配置されていることを特徴とするモノクロ液晶ディスプレイ用基板の製造方法を提供する。
本発明においては、上述した高低パターン層の製造方法を用いることにより、同一材料を用いて高さの異なる画素スペーサおよび外周スペーサを同時に形成することができるため、効率良く柱状スペーサを形成することができ、モノクロ液晶表示装置用基板の製造効率向上に効果がある。
さらに本発明においては、請求項5に記載するように、上記請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載された高低パターン層形成体の製造方法を用いたMVAモード液晶ディスプレイの製造方法であって、上記高低パターン層が、上記MVAモード液晶ディスプレイに用いられる配向制御突起およびMVA用柱状スペーサであり、上記マスクが、光の透過を遮る遮光層と、上記配向制御突起のパターンに沿って形成された第1開口部と、上記MVA用柱状スペーサのパターンに沿って形成された第2開口部とを有し、少なくとも上記第1開口部に、上記フィルターが配置されていることを特徴とするMVAモード液晶ディスプレイの製造方法を提供する。
MVAモード液晶ディスプレイにおいては、配向制御突起およびMVA用柱状スペーサを設けることが非常に有益であるが、これらを上述した高低パターン層形成体の製造方法により形成することにより、同時に、同一材料を用いて製造することができるため、効率良くMVAモード液晶ディスプレイを製造することができる。
本発明によれば、200nm〜500nmの範囲内の波長を40%以上吸収する性質を有するフィルターを開口部の一部に配置していることから、露光工程において露光領域となった感光層であってもフィルターの有無により、現像後の残膜率に違いを生じさせることができる。従って、高さの異なる高部および低部からなる高低パターン層を、同一材料を用いて、同時に形成することができるといった効果を奏する。
本発明の高低パターン層の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のモノクロ液晶ディスプレイ用基板の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のMVAモード液晶ディスプレイの製造方法の一例を示す工程図である。 従来におけるモノクロ液晶ディスプレイ用基板の一例を示す工程図である。 フィルターを介さずに露光した場合および光の透過率の異なる2種類のフィルターを用いた場合における、感光層の露光量の変化に伴う現像後の膜厚を示したグラフである。
以下、本発明の高低パターン層の製造方法、モノクロ液晶ディスプレイ用基板の製造方法およびMVAモード液晶ディスプレイの製造方法について説明する。
A.高低パターン層形成体の製造方法
まず、高低パターン層形成体の製造方法について説明する。本発明の高低パターン層形成体の製造方法は、基板と、前記基板上に形成され、高さが異なるパターンが組み合わされてなる高低パターン層とを有し、前記高低パターン層がフォトリソグラフィー法により同一材料で同時に製造される高低パターン層形成体の製造方法であって、
光硬化型樹脂組成物を前記基板上に塗布し、感光層を形成する感光層形成工程と、
光の透過を遮る遮光層と、前記高低パターン層のパターンに沿って形成された開口部とを有し、200nm〜500nmの範囲内の波長を40%以上吸収するフィルターが、前記開口部の一部に配置されているマスクを用い、前記マスクを介して、前記感光層を露光する露光工程と、
前記露光された感光層を現像することにより、前記マスクの開口部のうちフィルターが配置されている領域に該当する感光層が低部となる高低パターン層を形成する高低パターン層形成工程とを有することを特徴とするものである。
本発明においては、上述した範囲内の波長を上記割合で吸収する性質を有するフィルターを開口部の一部に配置していることから、露光工程において露光領域となった感光層であってもフィルターの有無により、現像後の残膜率に違いを生じさせることができる。従って、高さの異なる高部および低部からなる高低パターン層を、同一材料を用いて、同時に形成することができる。
このような利点を有する本発明の高低パターン層の製造方法について、図1を用いて具体的に説明する。
まず、図1(a)に示すように、基板1上に光硬化型樹脂組成物を塗布し、感光層2を形成する。
次に、図1(b)に示すように、光の透過を遮る遮光層3と、光が透過する領域である開口部4とを有し、所定の範囲内の波長を所定の割合で吸収するフィルタ5が、上記開口部4の一部に設けられているマスク6を介して、上記感光層2を露光する。この際、露光される光の短波長側の波長の強弱により感光層2を構成する光硬化型樹脂組成物の反応性が異なることから、フィルター5を介して露光された部分の露光領域7と、フィルター無しで露光された部分の露光領域8とでは、硬化の度合いに違いが生じる。すなわち、フィルター5により所定の範囲内の波長が吸収された光が露光された露光領域7は、そのままの光が露光された露光領域8よりも硬化の進行が緩やかになるのである。
これにより、図1(c)に示すように、3種類のパターン、すなわちフィルター5を介して露光された部分の露光領域7と、フィルター無しで露光された部分の露光領域8と、未露光領域9とのパターンが感光層2に形成される。このような感光層2を現像・洗浄すると、図1(d)に示すように、未露光領域9の感光層2は除去され、露光領域7および露光領域8の感光層2は残存する。さらに、フィルター5の有無により生じる光硬化型樹脂組成物の反応性の違いから、フィルター無しで露光された部分の露光領域8の方が、フィルター5を介して露光された部分の露光領域7よりも現像後の残膜率が高くなる。これにより、フィルター5を介して露光された部分の露光領域7は低部10を形成し、フィルターを介さずに露光された露光領域8は高部11を形成する。よって、高部11および低部10からなる高低パターン層12を、同一材料を用いて同時にフォトリソグラフィー法により形成することができる。
以下、このような本発明の高低パターン層の製造方法について各工程毎に分けて説明する。
1.感光層形成工程
まず、感光層形成工程について説明する。本発明における感光層形成工程とは、光硬化型樹脂組成物を基板上に塗布し、感光層を形成する工程である。
本発明で用いられる光硬化型樹脂組成物とは、一般に用いられているものであれば特に限定はされないが、特に200nm〜500nmの範囲内、中でも、300nm〜450nmの範囲内の光の強弱により反応性に違いが生じるものであることが好ましい。
なお、ここでいう反応性の違いとは、一般的に光硬化型の樹脂組成物において、露光された際に生じ得る反応に違いが生じることを意味し、特に本発明においては、高部および低部からなる高低パターン層を有する高低パターン層形成体を製造することから、最終的に、露光領域における感光層の残膜率に変化を生じさせる反応性の違いを意味している。
以下、本工程において成膜される感光層について説明する。
(1)感光層
本発明における感光層は、基板上に光硬化性樹脂組成物を塗布することにより形成される。このように光硬化型樹脂組成物から形成された感光層は、露光することにより硬化するものであるが、本発明においては、200nm〜500nmの範囲内の波長を40%以上吸収するフィルターをマスクの開口部の一部に配置していることから、後述する露光工程において、フィルターを通して露光された領域と、フィルターを介さずに露光された領域との2種類の露光領域が形成されることとなる。これらの露光領域では、露光する光の波長が異なることから、硬化の度合いに違いが生じるため、このような感光層をパターニングすることにより、高さの異なる高部および低部からなる高低パターン層を形成することができる。
以下、このような感光層を形成する光硬化型樹脂組成物について説明する。
(光硬化型樹脂組成物)
本発明における光硬化型樹脂組成物とは、露光により硬化する性質を有するものであれば特に限定はされないが、その中でも特に、200nm〜500nmの範囲内、中でも、300nm〜450nmの範囲内の波長の光の強弱により反応性に違いを生じるものであることが好ましい。後述する露光工程において用いられる上記範囲の波長の光を遮断するフィルターの有無により、硬化の度合いに違いを生じさせることができるため、容易に高さの異なる高部および低部からなる高低パターン層を、同時に形成することができるからである。
このような光硬化型樹脂組成物としては、i線を硬化に利用する構成の組成物であれば特に限定はされず、具体的には、JSR(株)製オプトマーNNシリーズや下記表1に示す組成例の感光性樹脂組成物等を挙げることができる。
Figure 2009276774
この光硬化型樹脂組成物の塗布方法は、一般的に塗工液を基板の全面に塗布する方法であれば特に限定されるものではなく、具体的には、スピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法等の塗布方法が用いられる。
本発明は、上記塗布方法を用いて基板上に上述した光硬化型樹脂組成物を塗布することにより感光層を形成する。
(2)基板
本工程において、上述した光硬化型樹脂組成物は基板上に塗布される。このような基板としては、一般的に各種高低パターン層形成体の基板として用いられる材料であれば特に限定はされるものではないが、本発明における高低パターン層形成体の用途として液晶ディスプレイ用基板が好ましいことから、透明性を有する基板であることが好ましい。このような基板の材料として例えば、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等を用いることができる。
2.露光工程
次に、露光工程について説明する。本発明における露光工程とは、光の透過を遮る遮光層と、上記高低パターン層のパターンに沿って形成された開口部とを有し、所定の波長を所定の割合で吸収するフィルターが、上記開口部の一部に配置されているマスクを用い、上記マスクを介して、上記感光層を露光する工程である。例えば、図1(b)に示すように、遮光層3と、開口部4とを有し、開口部4の一部にフィルター5が配されているマスク4を準備し、当該マスク4を介して、光硬化型樹脂組成物から形成された感光層2に露光する工程である。
このような本工程において用いられるマスクについて説明する。
(1)マスク
本発明におけるマスクは、透明基板と、透明基板上に形成され光の透過を遮る遮光層と、後述する高低パターン層のパターンに沿って形成された開口部とを有するものであり、かつ、上記開口部の一部には、所定の範囲内の波長を所定の割合で吸収するフィルターが配されているものである。このような本発明におけるマスクを構成する各部材について説明する。
(i)遮光層
遮光層は、本工程において露光する際に、感光層の未露光領域となる領域上に光が照射されることを防止するため、光の透過を妨げる役割を担っている。このような遮光層を形成する材料としては、一般的に遮光層として用いられる材料であれば特に限定されるものではなく、遮光性に優れた材料が好適に用いられる。
本発明においては、中でも金属クロム材料を好適に用いることができる。さらに、その上に酸化クロム材料を成膜してもよい。
このような遮光層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法等が挙げられる。特にこの中でも、スパッタ法により成膜することが好ましい。
また、このような遮光層に開口部を形成する方法としては、例えば、透明基板上に上述した塗布方法により成膜された遮光層上にレジストを積層し、当該レジストに電子線またはレーザ等により、高低パターン層のパターンに沿って描画する。その後、レジストを現像すると、パターン状にレジストが形成される。当該パターン状に形成されたレジストを利用してエッチングすると、レジストが除去され露出している部分の遮光層がエッチングされ、当該エッチングされた部分が開口部となる。
本発明においては、上述した感光層が光硬化型であることから、上述した方法により形成されるマスクの開口部は、高低パターン層のパターンに沿って形成される。
(ii)フィルター
本発明におけるマスクは、開口部の一部にフィルターが配されていることを特徴とする。このようなフィルターは、所定の範囲内の波長を所定の割合で吸収する性質を有するものであれば特に限定されるものではない。具体的には、吸収する光の波長が、200nm〜500nmの範囲内である必要があり、その中でも、300nm〜450nmの範囲内であることが好ましい。さらに、上記範囲内の波長を吸収する割合としては、40%以上とする。本発明における光硬化型樹脂組成物に露光する際に使用する光源に対して、上述した範囲内の波長を上記割合で吸収するフィルターであれば、フィルターの有無により、露光される光に含まれる波長に違いを生じさせることができるからである。
このようなフィルターを形成する材料としては、上述した範囲内の波長を上記範囲吸収する性質を有する材料であれば特に限定はされない。その中でも、上述した範囲外の波長に対しては、透光性に優れた材料であることが好ましい。具体的には、顔料、染料等の色材を含むフィルム、顔料、染料等の色材を含む感光性樹脂等を挙げることができる。
さらに、本発明におけるフィルターの形成方法としては、上述した材料を用いて、薄膜状に形成することが可能な方法であれば特に限定はされないが、具体的には、顔料、染料等を分散した粘着性フィルムを必要な領域にラミネートする方法、顔料、染料等の色材を含む感光性樹脂を必要な領域に形成する方法等を挙げることができる。
さらに、本発明においては、上述した範囲内の波長の光を上記範囲吸収するフィルターのうち、光の透過率が異なるフィルターを2種以上用いてもよい。フィルターは光の透過率が異なることにより、上述した光硬化型樹脂組成物に反応性の違いを生じさせることができ、その結果、フィルターの有無に加えて、光の透過率が異なるフィルターによるパターンが設けられることにより、フィルターを介して露光された領域から形成される高低パターン層の低部を、2種以上の高さの異なる組み合わせからなる低部とすることができ、より多様な高さの違いによる高低パターン層を形成することができるのである。
例えば、フィルターの有無により、高部および一種類の低部からなる高低パターン層を形成する際や、フィルターの有無に加えて光の透過率が異なる2種以上のフィルターを設けることにより、2種以上の高さの異なる組み合わせからなる低部を有する高低パターン層を形成する際には、予め、フィルターの有無により生じる現像後の残膜率の違いや、光の透過率が異なるフィルターを用いた場合の現像後の残膜率の違いを実験により求めておくことにより、高低パターン層の調整を行うことができる。
図5に、200nm〜500nmの光の透過率が10%および40%である2種類の黄色フィルターを用いた場合およびフィルターを介さずに露光した場合に、露光量の変化による膜厚の違いを計測した結果を示す。
なお、黒丸は、フィルターを介さずに露光した場合の膜厚を示し、黒三角は、200nm〜500nmの光の透過率が40%である黄色フィルターを介して露光した場合の膜厚を示し、黒四角は、200nm〜500nmの光の透過率が10%である黄色フィルターを介して露光した場合の膜厚を示している。
図5の結果から、黄色フィルターの有無かつ光の透過率の違いにより、各々の露光量において膜厚に違いが生じていることが分かる。すなわち、このような実験結果に基づいて、所望の膜厚の差を生じさせるフィルターおよび露光量を選択することにより、所望の膜厚およびその差を有する高部および低部からなる高低パターン層を形成することができる。
(2)露光
本工程においては、上述したマスクを介して、感光層にパターン露光を行う。この際に使用される光源としては、光硬化型樹脂組成物を硬化させることが可能な光を照射することができる光源を挙げることができ、具体的には、紫外光を含む光の光源を用いることができる。このような紫外光を含む光の光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を挙げることができる。また、露光に際しての光の露光量は、フィルターが配置されていない開口部に該当する部分の感光層を硬化するのに十分な露光量とする。
3.高低パターン層形成工程
次いで、高低パターン層形成工程について説明する。本発明における高低パターン層形成工程とは、上述した露光工程により露光された感光層を現像し、前記マスクの開口部のうちフィルターが配置されている領域に該当する感光層が低部となる高低パターン層を形成する工程である。
本発明においては、上述した露光工程の際に、開口部の一部にフィルターを配したマスクを介してパターン露光していることから、感光層において露光された露光領域であっても、フィルターの有無により感光層には反応性に違いが生じている。従って、本工程においてこのような感光層を現像すると、未露光領域の感光層は除去される一方で、露光領域の感光層は、フィルターの有無により膜厚が異なる高部および低部となり、当該高部および低部からなる高低パターン層を形成する。以下、本工程により形成される高低パターン層について説明する。
(高低パターン層)
本発明における高低パターン層とは、高さが異なる高部および低部がパターン状に組み合わされてなる層である。
このような高低パターン層を構成する高部は、高低パターン層の中で最も膜厚が厚い部分であり、上述した露光工程において、フィルター無しの開口部に該当する感光層から形成される部分を示している。高部は、光源から照射された光がそのまま露光された感光層から形成されているため、後述する低部よりも、上述した露光工程において硬化が速やかに進行し、現像後の残膜率が最も高くなるのである。
一方、低部は、高低パターン層のうち、上述した高部を除いた部分であり、フィルターが配置された開口部に該当する感光層から形成される部分を意味する。低部は、フィルターを通過した光が露光されているため、上記高部よりも、上述した露光工程において硬化が緩やかに進行し、現像後の残膜率が、高部と比較し低くなるのである。このような低部は、高さが均一な低部であってもよく、また、複数の高さの違う組み合わせからなる低部であってもよい。すなわち、上述したマスクにおいて、光の透過率が同一であるフィルターが開口部の一部に配されている場合には、均一な高さを有する低部が形成されるが、光の透過率が異なる2種以上のフィルターを用いた場合には、低部の中でも、2種以上の高さの違いが生じるからである。このような低部は、高低パターン層形成体の用途に応じて選択される。
このような高部および低部における膜厚の差、および各々の膜厚は、高低パターン層形成体の用途に応じて決定される。
本工程において用いる現像液としては、用いる光硬化型樹脂組成物に応じて決められる。具体的には、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、TMAH水溶液等を挙げることができる。なお、光硬化型樹脂組成物が、基板以外の他の部材上に形成されている場合には、そのような部材を溶解させることがない現像液を用いる必要がある。
4.得られる高低パターン層形成体
次に本発明の高低パターン層形成体の製造方法により得られる高低パターン層形成体について説明する。本発明における高低パターン層形成体とは、基板と、前記基板上に形成され、高さの異なるパターンが組み合わされてなる高低パターン層とを有するものである。
このような高低パターン層形成体の用途としては、同一材料からなり高さの異なる部材を有するものであれば特に限定はされない。具体的には、液晶ディスプレイ用基板を挙げることができる。
なお、ここでいう液晶ディスプレイ用基板とは、内部に液晶層を挟持し、液晶ディスプレイを構成するものであるが、例えば、カラーフィルタを有するカラーフィルタ側基板、薄膜トランジスタ等を有するアレイ側基板、さらには、薄膜トランジスタ上に直接カラーフィルタが形成されているオンチップ型の基板等を挙げることができる。
本発明においては、液晶ディスディスプレイ用基板の中でも、モノクロ液晶ディスプレイ用基板およびMVAモード液晶ディスプレイであることが好ましい。
モノクロ液晶ディスプレイ用基板では、モノクロ液晶ディスプレイの表示領域である画素部に位置する画素スペーサと、モノクロ液晶ディスプレイの表示領域外である外周部に位置する外周スペーサとを、高さを違えて形成する必要がある場合があり、このような場合に、本発明における高低パターン層を画素スペーサおよび外周スペーサに活用することにより、同一材料で同時に画素スペーサおよび外周スペーサを形成することができ、製造効率を向上させることができる。
一方、MVAモード液晶ディスプレイは、液晶の配向を制御する配向制御突起と、対向基板との間隔を一定に保持するMVA用柱状スペーサとが、同一材料で異なるパターンおよび異なる高さに形成されるものであることから、このような配向制御突起およびMVA用柱状スペーサを高低パターン層とすることにより、製造効率上有利となる。
以下、モノクロ液晶ディスプレイ用基板の製造方法およびMVAモード液晶ディスプレイの製造方法について説明する。
B.モノクロ液晶ディスプレイ用基板の製造方法
本発明のモノクロ液晶ディスプレイ用基板の製造方法は、上述した高低パターン層形成体の製造方法を用いたモノクロ液晶ディスプレイ用基板の製造方法であって、前記高低パターン層が、前記モノクロ液晶ディスプレイの表示領域に位置する画素スペーサおよび前記モノクロ液晶ディスプレイの表示領域外に位置する外周スペーサであり、
パターン状に形成されたブラックマトリクスと、前記パターン状に形成されたブラックマトリクスを被覆するように形成された保護層とを有する基板を準備する基板準備工程と、
光硬化型樹脂組成物を前記基板上に塗布し、感光層を形成する感光層形成工程と、
光の透過を遮る遮光層と、前記画素スペーサのパターンに沿って形成された画素開口部と、前記外周スペーサのパターンに沿って形成された外周開口部とを有し、200nm〜500nmの範囲内の波長を40%以上吸収するフィルターが、少なくとも前記外周開口部に配置されているマスクを用い、前記マスクを介して、前記感光層を露光する露光工程と、
前記露光された感光層を現像することにより、前記ブラックマトリクスが形成されている領域の保護層上に形成され、モノクロ液晶ディスプレイの表示領域である画素部に位置する画素スペーサと、液晶ディスプレイの表示領域外である外周部に位置する外周スペーサとからなる柱状スペーサを形成する柱状スペーサ形成工程とを有することを特徴とするものである。
本発明においては、上述した範囲内の波長を上記範囲で吸収する性質を有するフィルターを、少なくともマスクの外周開口部に配していることから、同一材料を用いて高さの異なる画素スペーサおよび外周スペーサを同時に形成することが可能である。これにより外周部および画素部におけるブラックマトリクスの線幅の違いを要因として生じる保護層の外周部および画素部における膜厚の差による影響を回避することができ、最終的に得られるモノクロ液晶ディスプレイ用基板において、基板表面から外周スペーサ上端面までの高さと、基板表面から画素スペーサ上端面までの高さとの差を好適な範囲内に調整することができる。従って、このようなモノクロ液晶ディスプレイ用基板上に対向基板を配置させると、対向基板が外周部に向って間隙が広がるようにゆがむことが防止され、対向基板の周辺から光が漏れるといった不都合が生じにくくなる。これにより、モノクロ液晶ディスプレイにおいて画面周辺が不自然に明るくなるといった問題を解決することができる。
以下、本発明のモノクロ表示装置用基板について図面を用いて説明する。図2は、本発明のモノクロ表示装置用基板の製造方法の一例を示した工程図である。
まず、図2(a)に示すように、モノクロ液晶装置用基板の透明基板30上に、画素間を区分するブラックマトリクス12をパターン状に形成する。ブラックマトリクス12は、モノクロ液晶ディスプレイの表示領域である画素部Aに形成された画素ブラックマトリクス12aと、表示領域外である外周部Bに形成された外周ブラックマトリクス12bとからなり、両者は線幅が異なるように形成される。具体的に画素ブラックマトリクス12aは、表示領域の開口率の低下を防止するために線幅が狭く形成され、一方、外周ブラックマトリクス12bは、光源からの光を遮蔽するために、線幅が広く形成する。
次に、このようなブラックマトリクス12が形成されているモノクロ液晶ディスプレイ用基板の透明基板30上に、図2(b)に示すようにブラックマトリクス12等の部材を保護し、透明基板30表面に平坦性を付与するために、ブラックマトリクス12表面を覆うように保護層13を形成する。このような保護層13においては、画素ブラックマトリクス12aと外周ブラックマトリクス12bとにおける線幅の違いを要因として、各ブラックマトリクス12上での膜厚に差が生じる。すなわち、画素ブラックマトリクス12aは線幅が狭いため、そのような画素ブラックマトリクス12a上面に積層される保護層13の膜厚は薄くなる傾向にある。一方、外周ブラックマトリクス12bは、保護層13が積層されるのに十分な線幅を有して形成されているため、その上面に積層される保護層13の膜厚は画素ブラックマトリクス12a上面の保護層13の膜厚よりも厚くなるからである。
さらに、図2(c)に示すように、感光層14を保護層13上に成膜する。次に、感光層14をパターニングする際に使用するマスク16を準備する。当該マスク16は、遮光層17と、画素スペーサを形成する位置に該当する画素開口部18aと、外周スペーサを形成する位置に該当する外周開口部18bとを有している。さらに、当該外周開口部18bには、所定の範囲内の波長を所定の割合吸収する性質を有するフィルター19が配置されている。このようなマスク16を介して、図2(d)に示すように、感光層14をパターン露光する。本発明においては、マスク16の外周開口部18bにフィルター19を配していることから、外周開口部18bに該当する部分の感光層14は、フィルター19により所定の範囲内の波長が所定の割合吸収された光が露光されるため、画素開口部18aに該当する部分の感光層14よりも硬化が緩やかに進行する。
そして、パターン露光された感光層14を現像・洗浄すると、図2(e)に示すように、マスク16の遮光層17により未露光領域となった部分の感光層14は除去され、画素開口部18aおよび外周開口部18bにより露光領域となった部分の感光層14が残存する。これにより、ブラックマトリクス12が形成されている領域の保護層13上に、画素部Aに位置する画素スペーサ20aと、外周部Bに位置する外周スペーサ20bとが形成される。さらに、本発明においては、外周開口部18bにのみ、所定の範囲内の波長を所定の割合吸収する性質を有するフィルター19を配してパターン露光を行っていることから、外周スペーサ20bの方が画素スペーサ20aよりも膜厚が薄く形成される。これにより、保護層13の画素部Aおよび外周部Bにおける膜厚の差による影響を解消することができるモノクロ液晶ディスプレイ用基板を得る。
最後に、図2(f)に示すように、対向基板21をこのようなモノクロ液晶ディスプレイ用基板に張り合わせると、本発明においては、透明基板30表面から画素スペーサ20aの上端面までの高さと、透明基板30表面から外周スペーサ20bの上端面までの高さとが良好な均一性を持ったモノクロ液晶ディスプレイ用基板とすることができるため、対向基板21に不都合なゆがみが生じることがなく、光源からの光が対向基板21周辺等から漏れるおそれがないため、表示画面の周辺が不自然に明るくなるといった問題を解消することができる。
なお、ここでいう「画素部」とは、本発明のモノクロ液晶ディスプレイ用基板を用いてモノクロ液晶ディスプレイとした際に、実際にモノクロ表示が行われる表示領域となる部分を意味する。さらに、「外周部」とは、当該画素部の周囲に位置し、前述した表示領域外に該当する部分を意味する。
以下、このような利点を有する本発明のモノクロ表示装置用基板の製造方法について各工程毎に説明する。
1.基板準備工程
まず、基板準備工程について説明する。本発明における基板準備工程とは、パターン状に形成されたブラックマトリクスと、前記パターン状に形成されたブラックマトリクスを被覆するように形成された保護層とを有する基板を準備する工程である。
以下、ブラックマトリクス、保護層および基板について説明する。
(1)ブラックマトリクス
本発明において用いられるブラックマトリックスとは、液晶分子の配向に応じてモノクロ表示が行われる画素を区分するために設けられるものである。このようなブラックマトリックスを製造する方法は、特に限定されるものではなく、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等により、厚み1000Å〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成する方法等を挙げることができる。
このようなブラックマトリクスにおいて画素部では、表示領域の開口率を高めるために線幅を狭く形成する。一方、外周部では、バックライト等の光源からの光を効果的に遮蔽するため、画素部のブラックマトリクスよりも幅広に設けられる。具体的に画素部に設けられるブラックマトリクスの線幅は、一般的に、6μm〜20μmの範囲内であり、一方、外周部におけるブラックマトリクスの線幅は、2mm〜10mmの範囲内である。
また、上記ブラックマトリックスとしては、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させてもよく、用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂性ブラックマトリックスのパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
(2)保護層
本発明における保護層とは、上述したブラックマトリクス等が形成された基板において、これらの部材を保護し、かつモノクロ液晶ディスプレイ用基板の基板表面に平坦性を付与するために設けられるものである。
このような保護層を形成する材料としては、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレートの一種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体(例えば東亜合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物等の一種以上からなるポリマーまたはコポリマー等を1種若しくは2種以上含む感光性樹脂組成物が挙げられる。その中でも、保護層として要求される平坦性の観点からアクリル樹脂を用いた感光性樹脂組成物であることが好ましい。
また、保護層の膜厚としては、基板上に平坦性を付与することが可能な膜厚であれば特に限定はされないが、具体的には、0.3μm〜10μmの範囲内、その中でも、0.7μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。
このような保護層を形成する方法としては、公知の塗布方法により形成することが可能でありスピンコーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法等の塗布方法を挙げることができる。
なお、ブラックマトリクス上に積層された保護層の画素部および外周部における膜厚の差は、実際に形成されたブラックマトリクスの両方の部分における線幅の違いや、保護層を形成する材料によって異なるものであるため一概に規定することは困難であるが、一般的には、0μm〜0.5μmの範囲内であることが多い。
(3)基板
本発明におけるモノクロ液晶ディスプレイ用基板の基板は、他の構成部材を実装するためのものであり、このような基板としては、例えばガラス基板、ガラスフィルム、合成樹脂基板、合成樹脂フィルム等を用いることができ、透光性に優れたものであることが好ましい。
2.感光層形成工程
次に、感光層形成工程について説明する。本発明における感光層形成工程とは、光硬化型樹脂組成物を上記基板上に塗布し、感光層を形成する工程である。具体的には、図2(c)に示すように、パターン状に形成されたブラックマトリクス12と、当該ブラックマトリクス12を覆うように透明基板30上に形成された保護層13とを有する透明基板30において、当該保護層13上に、光硬化型樹脂組成物を塗布し、感光層14を形成する工程である。
本工程により成膜される感光層は、後述する柱状スペーサ形成工程においてパターン状に形成されることにより、モノクロ液晶ディスプレイ用基板と対向基板との間隙を一定に保持する画素スペーサおよび外周スペーサとなる層である。また、本発明においては、上述した高低パターン層形成体の製造方法を用いて、当該感光層をパターニングしているため、高さの異なる画素スペーサおよび外周スペーサを、同一材料を用いて同時に形成することができる。
その他、本工程に関することは、上述した「A.高低パターン層形成体の製造方法、1.感光層形成工程」の中に記載したものと同様であるのでここでの説明は省略する。
3.露光工程
次に露光工程について説明する。本発明における露光工程とは、光の透過を遮る遮光層と、前記画素スペーサのパターンに沿って形成された画素開口部と、前記外周スペーサのパターンに沿って形成された外周開口部とを有し、200nm〜500nmの範囲内、好ましくは、300nm〜450nmの範囲内の波長を40%以上吸収するフィルターが、少なくとも前記外周開口部に配置されているマスクを用い、前記マスクを介して、上記感光層を露光する工程である。
なお、ここでいう外周開口部とは、外周スペーサのパターンに沿って遮光層が除去されている部分を意味する。外周スペーサは、外周部に位置する柱状スペーサであるため、外周開口部もマスクの外周部に該当する部分に形成されている。さらに、ここでいう画素開口部とは、画素スペーサのパターンに沿って遮光層が除去されている部分を意味する。画素スペーサは、画素部に位置する柱状スペーサであるため、画素開口部もマスクの画素部に該当する部分に形成されている。
本発明においては、ブラックマトリクスの外周部および画素部における線幅の違いを要因として生じる保護層の外周部および画素部における膜厚の差を、高さの異なる外周スペーサおよび画素スペーサを設けることで解消するものである。すなわち保護層の膜厚は、画素部よりも外周部において厚くなる傾向があるため、このような保護層の膜厚の差を解消するためには、外周スペーサを画素スペーサよりも高さを低く形成する必要がある。
そこで、本発明においては、上述した高低パターン層において、低部を外周スペーサとし、高部を画素スペーサとするため、外周スペーサのパターンに形成されたマスクの外周開口部に上述したフィルターを配置している。これにより、感光層の外周スペーサとなり得る部分は、フィルターを通過した光が露光されるため、フィルターを介さずに露光される感光層の画素スペーサとなり得る部分よりも、硬化が緩やかに進行し、後述する柱状スペーサ形成工程において、現像後の残膜率が低くなる。
その他、本工程に関することは上述した「A.高低パターン層形成体の製造方法、2.露光工程」の中に記載したことと同様であるのでここでの説明は省略する。
4.柱状スペーサ形成工程
最後に柱状スペーサ形成工程について説明する。本発明における柱状スペーサ形成工程とは、上述した露光された感光層を現像することにより、前記ブラックマトリクスが形成されている領域の保護層上に、モノクロ液晶ディスプレイの表示領域である画素部に位置する画素スペーサと、モノクロ液晶ディスプレイの表示領域外である外周部に位置する外周スペーサとからなる柱状スペーサを形成する工程である。
(柱状スペーサ)
本発明における柱状スペーサとは、内部に液晶層を挟持する2枚の基板間に配され、当該2枚の基板間の間隙を一定に保持するために設けられるものである。このような柱状スペーサにおいて、本発明では、モノクロ液晶ディスプレイの表示領域に該当する画素部に配置された柱状スペーサを画素スペーサとし、表示領域外に該当する外周部に配置された柱状スペーサを外周スペーサとしている。
本発明においては、このような画素スペーサおよび外周スペーサを高さの異なるように、同一材料を用いて同時にフォトリソグラフィー法により形成することが可能である。
すなわち、上述した露光工程において、少なくとも外周開口部に、所定の範囲内の波長を所定の範囲で吸収する性質を有するフィルターが配置されているマスクを使用しているので、フィルターの有無で光硬化型樹脂組成物の硬化の度合いに違いを生じさせることができる。これにより、画素スペーサの方が外周スペーサよりも膜厚を厚く形成することが可能である。
また、画素スペーサおよび外周スペーサの各々の高さの関係は、対抗基板がモノクロ液晶ディスプレイ用基板に張り合わされた際に2つの基板間に不都合なゆがみが生じない程度に、画素スペーサの高さが外周スペーサの高さよりも高ければ特に限定はされない。ブラックマトリクスの画素部および外周部における幅の違いから、保護層の膜厚は外周部よりも画素部の方が薄く形成されるからであり、このように画素スペーサの高さを外周スペーサの高さよりも高くすることによりそのような保護層の膜厚の差を、柱状スペーサにより是正することができるからである。
具体的に画素スペーサおよび外周スペーサの高さの差は、ブラックマトリクス上に成膜された保護層の画素部と外周部とにおける膜厚の差に応じて調整される。例えば、保護層が成膜された段階で、保護層の膜厚の差を計測し、またはシミュレーション等することにより、モノクロ液晶ディスプレイ用基板の状態を把握し、その状態に応じて画素スペーサおよび外周スペーサの高さの差を調整する。さらに、画素スペーサおよび外周スペーサの高さの差を、所望の差とするためには、フィルターおよび露光量の変化に応じた感光層の残膜率を実験により計測しておくことにより、モノクロ液晶ディスプレイ用基板の状態に適したフィルターおよび露光量等を決定することにより可能となる。
また画素スペーサおよび外周スペーサの高さの差は、保護層の外周部および画素部における膜厚の差に応じて調整されるため、一概に規定することは困難であるが、一般的に生じ得る保護層の膜厚の差をもとに規定すると、画素スペーサ自体の高さが外周スペーサ自体の高さよりも、0μm〜1.3μmの範囲内で高いことが好ましく、その中でも0.5μm〜1.1μmの範囲内で高く形成されていることが好ましい。上記範囲内の高さの差を有して画素スペーサおよび外周スペーサを形成できれば、モノクロ液晶ディスプレイ用基板の基板表面から画素スペーサ上面までの高さを、同様の基板表面から当該基板の外周スペーサ上面までの高さよりも0μm〜0.8μmの範囲内で高くすることができるため、対向基板に不都合なゆがみを発生させることなく、2枚の基板を高度に均一な間隙を保持して配置させることができるからである。
また、画素スペーサ自体の高さは、一般的なモノクロ液晶ディスプレイにおいて用いられている高さであれば特に限定はされず、具体的には、2.5μm〜5.5μmの範囲内であることが好ましい。
さらに、本発明における柱状スペーサの形状としては、2枚の基板間の間隙を一定に保つことを可能とする形状であれば特に限定はされない。具体的には、円柱形状、角柱形状または截頭錐体形状等を挙げることができる。
C.MVAモード液晶ディスプレイの製造方法
次に、MVAモード液晶ディスプレイの製造方法について説明する。本発明のMVAモード液晶ディスプレイの製造方法は、上述した高低パターン層形成体の製造方法を用いたMVAモード液晶ディスプレイの製造方法であって、
前記高低パターン層が、前記MVAモード液晶ディスプレイに用いられる配向制御突起およびMVA用柱状スペーサであり、
前記マスクが、光の透過を遮る遮光層と、前記配向制御突起のパターンに沿って形成された第1開口部と、前記MVA用柱状スペーサのパターンに沿って形成された第2開口部とを有し、少なくとも前記第1開口部に、前記フィルターが配置されていることを特徴とするものである。
本発明においては、MVAモード液晶ディスプレイに用いられる配向制御突起およびMVA用柱状スペーサをフォトリソグラフィー法により同一の材料を用いて同時に製造することができる。
このような利点を有する本発明のMVAモード液晶ディスプレイモード液晶ディスプレイの製造方法について図面を用いて具体的に説明する。
図3は、本発明のMVAモード液晶ディスプレイの製造方法の一例を示した工程図である。まず、図3(a)に示すように、透明基板31上に、光硬化型樹脂組成物を塗布し、感光層32を形成する。次に、図3(b)に示すように、光の透過を遮る遮光層33と、配向制御突起のパターンに沿って形成された第1開口部34aと、MVA用柱状スペーサのパターンに沿って形成された第2開口部34bとを有し、前記第1開口部34aに、所定の範囲内の波長を所定の範囲吸収する性質を有するフィルター35が配置されているマスク36を準備する。当該マスク36を介して、前記感光層32に露光する。これにより、第1開口部34aと第2開口部34bとで、フィルター35の有無によるパターンを感光層32に形成することができる。次いで、露光された感光層32を現像・洗浄することにより、図3(c)に示すように、遮光層33により光の透過が遮られた未露光領域の感光層32は除去されるが、第1開口部34aおよび第2開口部34bにより露光領域となった部分の感光層32は残存する。さらに、本発明においては、第1開口部34aにはフィルター35を配置していることから、同様に露光領域であっても、第1開口部34aに該当する部分の露光領域は、第2開口部34bに該当する部分の露光領域よりも、硬化の度合いが低く、従って、図3(c)に示すように、第1開口部34aに該当する露光領域が配向制御突起37となり、第2開口部34bに該当する露光領域がMVA用柱状スペーサ38となる。かつ、配向制御突起の方がMVA用柱状スペーサよりも膜厚が薄く形成される。
以下、本発明のMVAモード液晶ディスプレイの製造方法について各工程毎に分けて説明する。
1.感光層形成工程
本発明における感光層形成工程とは、基板上に、光硬化型樹脂組成物を塗布し、感光層を形成する工程である。
本工程は、上述した「A.高低パターン層形成体の製造方法、1.感光層形成工程」と同様であるためここでの説明は省略する。
2.露光工程
次に、本発明における露光工程とは、光の透過を遮る遮光層と、配向制御突起のパターンに沿って形成された第1開口部と、MVA用柱状スペーサのパターンに沿って形成された第2開口部とを有し、200nm〜500nmの範囲内の波長を40%以上吸収するフィルターが、少なくとも前記第1開口部に配置されているマスクを用い、前記マスクを介して、感光層を露光する工程である。
なお、ここでいう第1開口部とは、配向制御突起のパターンに沿って、遮光層が除去された部分を意味する。さらに、ここでいう第2開口部とは、MVA用柱状スペーサのパターンに沿って遮光層が除去された部分を意味する。
本発明においては、上述した高低パターン層において、低部が配向制御突起となり、高部がMVA用柱状スペーサとなるように、配向制御突起のパターンに形成されたマスクの第1開口部に上述したフィルターを配置している。これにより、感光層の配向制御突起となり得る部分は、フィルターを通過した光が露光されるため、フィルターを介さずに露光される感光層のMVA用柱状スペーサとなり得る部分よりも、硬化が緩やかに進行し、後述するMVA用柱状スペーサ形成工程において、現像後の残膜率が低くなるのである。
その他、本工程に関することは上述した「A.高低パターン層形成体の製造方法、2.露光工程」の中に記載したことと同様であるのでここでの説明は省略する。
3.配向制御突起およびMVA用柱状スペーサ形成工程
最後に配向制御突起およびMVA用柱状スペーサ形成工程について説明する。本発明における配向制御突起およびMVA用柱状スペーサ形成工程とは、上述した露光工程により、露光された感光層を現像することにより、配向制御突起およびMVA用柱状スペーサを形成する工程である。
本工程において、形成される配向制御突起およびMVA用柱状スペーサについて説明する。
(1)配向制御突起
本発明における配向制御突起とは、液晶層の配向を制御する突起を意味する。このような配向制御突起に接触する液晶分子は、配向制御突起との接触面に対して垂直方向に配向するため、液晶層に電圧を印加した際に、この突起近傍の傾斜した液晶分子を起点として、各液晶分子を所定の方向に配向させることが可能となる。これにより、配向制御突起の頂点を境に液晶の配向方向を、水平方向に見て180度、鉛直方向には傾斜した角度で、対称的に配向させることができる。そして、隣接する2つの領域を1組とし、さらにこの組み合わせを複数組み合わせて1画素を表示することで、観測者の見る角度を配向制御突起の垂直方向に変化させても、観測者は常に同じ像を見ることが可能となる。すなわち、広い視野角を確保することができる。なお、配向制御突起は、直線状(特にジグザグ線状)であるのが好ましいがこれに限定されず、点線状等であってもよい。
本発明においては、このような配向制御突起を後述するMVA用柱状スペーサと同一材料を用いて、かつ、MVA用柱状スペーサの方が、配向制御突起よりも膜厚が高くなるように同時に製造することを特徴とするものである。
このような配向制御突起の高さは、後述するMVA用柱状スペーサより低いのであれば特に限定されないが、0.5〜2μmとすることが好ましい。
さらに、本発明においては、このような配向制御突起が所定間隔毎に90度屈折してなるジグザグ線状に設けられてなり、各ジグザグ線が互いに平行なストライプ状に形成されていることが好ましい。これにより、配向制御突起線の垂直方向のみならず、上下左右の全方向において完全に対称な視野角特性を得ることができるからである。すなわち、配向制御突起線の90度の屈折角を境に隣接した2つの領域間で、水平方向に180度の対称性を有している液晶分子の配向が、90度異なっている。このため、屈折角および配向制御突起を境に4つの領域に分割されることになり、これら4つの領域間で、液晶分子の長軸の配向角度が、ジグザグ線の中心軸に対し、水平方向に45度の角度で、鉛直方向には傾斜した角度で、4方向に配向する。このようにして、1つの画素を互いに対称な角度で4分割して表示することができるので、観測者は上下左右の全方向において常に同じ像を見ることが可能となる。
(2)MVA用柱状スペーサ
次に、MVA用柱状スペーサについて説明する。本発明におけるMVA用柱状スペーサとは、2枚の基板間に狭持された液晶層の間隔を均一に保持して、液晶層の厚さを規定するために設けられている。
本発明においては、このようなMVA用柱状スペーサが、上述した配向制御突起と同時に、同一材料を用いて、かつ当該MVA用柱状スペーサの方が配向制御突起よりも膜厚が厚くなるように、フォトリソグラフィー法により製造されることを特徴とする。
このようなMVA用柱状スペーサは、液晶ディスプレイの輝度に悪影響を及ぼすことがない位置であればいかなる位置であっても限定はされないが、配向制御突起と重なる位置に設けられることが好ましい。これにより、液晶ディスプレイの輝度を低減することなく、MVA用柱状スペーサの大きさの選択の範囲を広げることができるからである。なお、MVA用柱状スペーサは、配向制御突起と重なる位置であれば、配向制御突起から多少はみ出していてもよいし、配向制御突起よりも狭く設けてもよい。また、配向制御突起をジクザク状に形成した場合には、ジクザク状の屈折部分に設けてもよいし、屈折部以外の直線部分に設けてもよく、特に限定されない。また、MVA用柱状スペーサおよび上述した配向制御突起は、着色されたものであってもよいし、透明であってもよく、特に限定はされない。
MVA用柱状スペーサを配向制御突起と重なるように設けた場合には、そのような配向制御突起と重なる部分の中でも、MVA用柱状スペーサがジグザグ線の屈折部(頂点)に一致するように設けられることが好ましい。電圧印加時において、屈折部を結ぶ線上においては、2方向から倒れた液晶分子が迫り合ってしまうので、垂直に近い配向方向を有し、透光性が著しく低下する。このため、屈折部を結ぶ線の近傍は常に暗くなっており、そのような位置にMVA用柱状スペーサを配置することで、両者により及ぼされる不都合を一箇所に統合することができるからである。すなわち配向制御突起上にMVA用柱状スペーサを形成することにより、液晶の配向にいかなる影響をも与えないこととすることができる。また、配向制御突起が透明な材料で形成されている場合には、配向制御突起上であっても屈折部以外にスペーサを形成すると、白表示時にMVA用柱状スペーサが黒点として観察されてしまうおそれがあるが、屈折部上にMVA用柱状スペーサを形成することでこのような不都合を防止できるという利点もある。
このようなMVA用柱状スペーサの高さとしては、1〜10μmの範囲内であることが好ましくは、その中でも、2〜10μmの範囲内、さらには、1〜8μmの範囲内であることが好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。
[実施例]
基板上に高低パターン層形成用材料としてJCR(株)製オプトマーNNシリーズを用いスピンコート法により5μmの膜を成膜した。この膜を100μmの間隙を介して200nm〜500nmの範囲内の波長を10%、40%透過する性質を有するフィルターを有するフォトマスクを用いて20〜100mJ/cmで露光した。これを0.05wt%KOH水溶液で60秒現像した。その後、230℃で30秒間焼成することにより図5のような高さの異なる高部および低部からなる高低パターン層を同一材料を用いて同時に形成できた。
1 … 基板
2 … 感光層
3 … 遮光層
4 … 開口部
5 … フィルター
6 … マスク
7、8 … 露光領域
9 …未露光領域
10 … 低部
11 … 高部

Claims (5)

  1. 基板と、前記基板上に形成され、高さが異なるパターンが組み合わされてなる高低パターン層とを有し、前記高低パターン層がフォトリソグラフィー法により同一材料で同時に製造される高低パターン層形成体の製造方法であって、
    光硬化型樹脂組成物を前記基板上に塗布し、感光層を形成する感光層形成工程と、
    光の透過を遮る遮光層と、前記高低パターン層のパターンに沿って形成された開口部とを有し、200nm〜500nmの範囲内の波長を40%以上吸収するフィルターが、前記開口部の一部に配置されているマスクを用い、前記マスクを介して、前記感光層を露光する露光工程と、
    前記露光された感光層を現像することにより、前記マスクの開口部のうちフィルターが配置されている領域に該当する感光層が低部となる高低パターン層を形成する高低パターン層形成工程と、
    を有することを特徴とする高低パターン層形成体の製造方法。
  2. 前記光硬化型樹脂組成物は、200nm〜500nmの範囲内の光の強弱により反応性が異なることを特徴とする請求項1に記載の高低パターン層形成体の製造方法。
  3. 前記高低パターン層形成体が液晶ディスプレイ用基板に用いられるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高低パターン層形成体の製造方法。
  4. 前記請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載された高低パターン層形成体の製造方法を用いたモノクロ液晶ディスプレイ用基板の製造方法であって、
    前記高低パターン層が、前記モノクロ液晶ディスプレイの表示領域に位置する画素スペーサおよび前記モノクロ液晶ディスプレイの表示領域外に位置する外周スペーサであり、
    前記マスクが、光の透過を遮る遮光層と、前記画素スペーサのパターンに沿って形成された画素開口部と、前記外周スペーサのパターンに沿って形成された外周開口部とを有し、少なくとも前記外周開口部に前記フィルターが配置されていることを特徴とするモノクロ液晶ディスプレイ用基板の製造方法。
  5. 前記請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載された高低パターン層形成体の製造方法を用いた複数配向分割型垂直配向モード液晶ディスプレイの製造方法であって、
    前記高低パターン層が、前記複数配向分割型垂直配向モード液晶ディスプレイに用いられる配向制御突起および複数配向分割型垂直配向用柱状スペーサであり、
    前記マスクが、光の透過を遮る遮光層と、前記配向制御突起のパターンに沿って形成された第1開口部と、前記複数配向分割型垂直配向用柱状スペーサのパターンに沿って形成された第2開口部とを有し、少なくとも前記第1開口部に、前記フィルターが配置されていることを特徴とする複数配向分割型垂直配向モード液晶ディスプレイの製造方法。
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