JP2009274988A - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの付加反応により、安価に、また高収率かつ高選択的にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を得ることができる製造方法を目的とする。
【解決手段】(メタ)アクリル酸と3価の鉄又はクロムとの金属塩、及びアミン類からなる触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させることを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】(メタ)アクリル酸と3価の鉄又はクロムとの金属塩、及びアミン類からなる触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させることを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類の製造方法に関する。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類の製造にはいくつかの方法が知られているが、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの付加反応による製造方法が広く用いられている。このような製造方法では、通常、原料である(メタ)アクリル酸と触媒とを含む溶液中に、アルキレンオキサイドを滴下しながら加熱することで反応を進行させる方法(特許文献1、2)が用いられており、反応条件や触媒等が検討されている。
具体的には、特許文献3に、触媒として、遷移金属と、アミン類及び/又は4級アンモニウム塩とを併用する製造方法が示されている。また、特許文献4には、3価の鉄化合物を主触媒、クロム化合物を助触媒として用い、添加剤として無機のアルカリ金属化合物やアミン類を用いる製造方法が示されている。
さらに、特許文献5には、触媒として、(メタ)アクリル酸の金属塩のみを用いる製造方法が示されている。
特公昭43−26606号公報
特公昭46−37805号公報
米国特許第4069242号明細書
特公昭45−8970号公報
英国特許第1054614号明細書
さらに、特許文献5には、触媒として、(メタ)アクリル酸の金属塩のみを用いる製造方法が示されている。
特許文献3の方法では、遷移金属種として鉄又はクロムが使用され、アミン類としてトリエチルアミン、N−メチルモルフォリン、ベンジルジメチルアミン、ピリジン、塩基性イオン交換樹脂等が用いられている。しかし、特許文献3の方法では、鉄又はクロムは主として塩化物として用いられているため、該塩化物に由来する多くの副生物(ハロヒドリン)が生成してしまっていた。該副生物は、薄膜蒸留で除去することが困難であることから製品に混入してしまうため、製品の品質低下をもたらしていた。
また、特許文献4の方法も、鉄やクロムの塩化物を用いることから、特許文献3と同様に製品に副生物が混入し、製品の品質低下をもたらしていた。
また、特許文献4の方法も、鉄やクロムの塩化物を用いることから、特許文献3と同様に製品に副生物が混入し、製品の品質低下をもたらしていた。
特許文献5の方法は、触媒として(メタ)アクリル酸の金属塩を単独で用いているため、塩化物に由来する副生物を生じることなくヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を製造できる。しかし、(メタ)アクリル酸の金属塩を用いると、副反応によりジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが5〜10%程度生成してしまい、収率低下及び品質低下の要因となっていた。
そこで、従来はジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートを除去して高純度製品を得るために、精製方法の改良がなされてきた。しかしながら、このような精製方法の改良は工業的にコスト上昇の要因となるため、より高選択的な製造方法が望まれていた。
そこで、従来はジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートを除去して高純度製品を得るために、精製方法の改良がなされてきた。しかしながら、このような精製方法の改良は工業的にコスト上昇の要因となるため、より高選択的な製造方法が望まれていた。
そこで本発明は、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの付加反応により、安価に、また高収率かつ高選択的にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を得ることができる製造方法を目的とする。
本発明のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類の製造方法は、(メタ)アクリル酸と3価の鉄又はクロムとの金属塩、及びアミン類からなる触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させることを特徴とする方法である。
本発明の製造方法は、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの付加反応により、高収率かつ高選択的にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を製造することができる。また、本発明の製造方法は、安価にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を製造することができる。
本発明の製造方法は、(メタ)アクリル酸の金属塩及びアミン類からなる触媒を用いて、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを付加反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を製造する方法である。
本発明の製造方法により製造するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の製造方法により製造するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明における(メタ)アクリル酸の製造方法は特に限定されず、例えば、プロピレン等の炭素原子数3(C3)の化合物、又はイソブチレン、tert−ブチルアルコール等の炭素原子数4(C4)の化合物を気相接触酸化する方法、アセトンシアンヒドリン(ACH)法、アセトニトリル中で(メタ)アクリル酸エステルを加水分解する方法(AN加水分解法)等の公知の方法を用いることができる。
アルキレンオキサイドは、特に限定されず、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
アルキレンオキサイドの製造方法は特に限定されず、例えば、ハロヒドリンの閉環反応、オレフィンの酸化反応等の公知の製造方法を用いることができる。
アルキレンオキサイドの製造方法は特に限定されず、例えば、ハロヒドリンの閉環反応、オレフィンの酸化反応等の公知の製造方法を用いることができる。
反応に用いる(メタ)アクリル酸(モル量:Ma)とアルキレンオキサイド(モル量:Mb)とのモル比(Ma/Mb)は、生産性に優れる点から、0.1〜10であることが好ましく、0.5〜2であることがより好ましい。
本発明の製造方法において触媒として用いる(メタ)アクリル酸の金属塩は、(メタ)アクリル酸と3価の鉄又はクロムとの金属塩である。すなわち、(メタ)アクリル酸の金属塩としては、アクリル酸鉄(III)、メタクリル酸鉄(III)、アクリル酸クロム(III)、及びメタクリル酸クロム(III)が挙げられる。
これらの(メタ)アクリル酸の金属塩は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの(メタ)アクリル酸の金属塩は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの付加反応によるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類の製造では、触媒として塩化鉄等の金属ハロゲン化物を用いると、該触媒使用量に応じ、得られるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類に対して0.1〜数%のハロゲン由来の低沸不純物(ハロヒドリン)が副生する。該低沸不純物は沸点が低いために薄膜蒸留を行っても除去することができず製品中に混入してしまう。また、酢酸鉄等の(メタ)アクリル酸以外のカルボン酸の金属塩を用いた場合も同様に、そのカルボン酸(酢酸等)由来の低沸不純物が0.1〜数%副生し、薄膜蒸留を行っても製品中に混入してしまう。
しかしながら、(メタ)アクリル酸の金属塩を用いることにより、このような対アニオンに由来する低沸不純物の副生を抑制することができる。
しかしながら、(メタ)アクリル酸の金属塩を用いることにより、このような対アニオンに由来する低沸不純物の副生を抑制することができる。
(メタ)アクリル酸の金属塩は、より高純度なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が得られやすい点から、原料の(メタ)アクリル酸と同じ(メタ)アクリル酸を用いた金属塩であることが好ましい。
すなわち、ヒドロキシアルキルアクリレートを製造する場合には、アクリル酸鉄(III)及び/又はアクリル酸クロム(III)を用いることが好ましく、ヒドロキシアルキルメタクリレートを製造する場合には、メタクリル酸鉄(III)及び/又はメタクリル酸クロム(III)を用いることが好ましい。
すなわち、ヒドロキシアルキルアクリレートを製造する場合には、アクリル酸鉄(III)及び/又はアクリル酸クロム(III)を用いることが好ましく、ヒドロキシアルキルメタクリレートを製造する場合には、メタクリル酸鉄(III)及び/又はメタクリル酸クロム(III)を用いることが好ましい。
(メタ)アクリル酸の金属塩の使用量は、原料である(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドのうち、用いる物質量が少ない方を基準として、0.01〜10mol%であることが好ましく、0.1〜5mol%であることがより好ましい。
前記使用量が0.01mol%以上であれば、充分な反応速度が得られやすい。また、前記使用量が10mol%以下であれば、経済性に優れる。
前記使用量が0.01mol%以上であれば、充分な反応速度が得られやすい。また、前記使用量が10mol%以下であれば、経済性に優れる。
また、本発明では触媒として、前記(メタ)アクリル酸の金属塩とアミン類とを併用する。
アミン類は、特に限定はなく、プロピルアミン、ブチルアミン、エタノールアミン等の1級アミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン等の2級アミンを用いてもよいが、得られたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を蒸留する際の残渣性状や着色低減に優れる点から、3級アミンであることが好ましい。
3級アミンとしては、脂肪族アミン又は芳香族アミンのいずれであってもよく、例えば、トリエチルアミン、トリオクチルアミン等のトリアルキルアミン、ピリジン、キノリン等の芳香族3級アミンが挙げられる。なかでも、経済性に優れる点からトリアルキルアミンであることがより好ましく、アルキル鎖の炭素原子数が2〜15のトリアルキルアミンであることがさらに好ましい。
これらのアミン類は1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アミン類は、特に限定はなく、プロピルアミン、ブチルアミン、エタノールアミン等の1級アミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン等の2級アミンを用いてもよいが、得られたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を蒸留する際の残渣性状や着色低減に優れる点から、3級アミンであることが好ましい。
3級アミンとしては、脂肪族アミン又は芳香族アミンのいずれであってもよく、例えば、トリエチルアミン、トリオクチルアミン等のトリアルキルアミン、ピリジン、キノリン等の芳香族3級アミンが挙げられる。なかでも、経済性に優れる点からトリアルキルアミンであることがより好ましく、アルキル鎖の炭素原子数が2〜15のトリアルキルアミンであることがさらに好ましい。
これらのアミン類は1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アミン類の使用量は、(メタ)アクリル酸の金属塩に対して、0.1〜10倍molであることが好ましく、0.5〜5倍molであることがより好ましい。アミン類の使用量が0.1倍mol以上であれば、反応の選択率が向上し、高選択的に目的のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が得られやすい。
(メタ)アクリル酸の金属塩を単独で用いると、前述のように対アニオンに由来する低沸不純物を低減することができる一方、得られるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類に対して5〜10%のジアルキレングリコールモノ(メタ)クリレートが副生してしまう。
本発明の製造方法では、アミン類を併用することにより、ジアルキレングリコールモノ(メタ)クリレートの副生を抑制することができる。
本発明の製造方法では、アミン類を併用することにより、ジアルキレングリコールモノ(メタ)クリレートの副生を抑制することができる。
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとの付加反応における反応温度は、特に限定されないが、0〜150℃であることが好ましく、30〜100℃であることがより好ましい。反応温度が0℃以上であれば、充分な反応速度が得られやすい。また、反応温度が150℃以下であれば、副反応を抑制することが容易になる。
また、付加反応は、重合反応を抑制する点から、重合防止剤の共存下で行うことが好ましい。
重合防止剤は、公知の重合防止剤を用いることができ、例えば、ハイドロキノン、パラメトキシフェノール等のフェノール系化合物、N,N’−ジイソプロピルパラフェニレンジアミン、N,N’−2−ナフチルパラフェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)パラフェニレンジアミン、フェノチアジン等のアミン系化合物、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系化合物、あるいは下式(1)で表されるN−オキシル系化合物等が挙げられる。
これらの重合防止剤は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
重合防止剤は、公知の重合防止剤を用いることができ、例えば、ハイドロキノン、パラメトキシフェノール等のフェノール系化合物、N,N’−ジイソプロピルパラフェニレンジアミン、N,N’−2−ナフチルパラフェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)パラフェニレンジアミン、フェノチアジン等のアミン系化合物、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系化合物、あるいは下式(1)で表されるN−オキシル系化合物等が挙げられる。
これらの重合防止剤は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
反応により得られたヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類は、精製により副生物を除去してさらに品質を向上させることができる。
反応後の精製方法は特に限定されず、例えば、蒸留、薄膜蒸留が挙げられる。
反応後の精製方法は特に限定されず、例えば、蒸留、薄膜蒸留が挙げられる。
以上説明した本発明の製造方法は、触媒として(メタ)アクリル酸の金属塩とアミン類を併用することにより、(メタ)アクリル酸の金属塩の存在下に(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させてもジアルキレングリコールモノ(メタ)クリレートの副生が抑制される。そのため、高収率かつ高選択率でヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を得ることができる。また、本発明の製造方法は、安価にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を製造できるため有用である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[実施例1]
メタクリル酸(103.31g、1.20mol)、プロピレンオキサイド(76.67g、1.32mol)、メタクリル酸鉄(III)(0.974g、0.00313mol)、トリエチルアミン(0.317g、0.00313mol)、重合防止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(HO−TEMPO)のベンジルエステル体(0.011g)を500Lのガラス製オートクレーブに添加し、65℃で8時間反応を行った。
[実施例1]
メタクリル酸(103.31g、1.20mol)、プロピレンオキサイド(76.67g、1.32mol)、メタクリル酸鉄(III)(0.974g、0.00313mol)、トリエチルアミン(0.317g、0.00313mol)、重合防止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(HO−TEMPO)のベンジルエステル体(0.011g)を500Lのガラス製オートクレーブに添加し、65℃で8時間反応を行った。
[実施例2〜4]
トリエチルアミンの代わりに表1に示すアミン類を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
トリエチルアミンの代わりに表1に示すアミン類を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
[実施例5]
メタクリル酸鉄(III)の代わりにメタクリル酸クロム(III)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
メタクリル酸鉄(III)の代わりにメタクリル酸クロム(III)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
[比較例1]
アミン類を用いなかった以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
アミン類を用いなかった以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
[比較例2]
メタクリル酸鉄(III)の代わりにメタクリル酸鉄(II)を用い、トリエチルアミンの代わりにキノリンを用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
メタクリル酸鉄(III)の代わりにメタクリル酸鉄(II)を用い、トリエチルアミンの代わりにキノリンを用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
[比較例3]
メタクリル酸鉄(III)の代わりに塩化鉄(III)を用い、アミン類を用いなかった以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
メタクリル酸鉄(III)の代わりに塩化鉄(III)を用い、アミン類を用いなかった以外は、実施例1と同様にして反応を行った。
[評価方法]
実施例及び比較例における反応の評価は、得られた反応液のガスクロマトグラフィー分析により、反応収率、選択率、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(DPMMA)及び低沸不純物(ハロヒドリン)の割合を測定することにより行った。
反応収率(%)=(B/A)×100
選択率(%)=(B/C)×100
DPMMAの割合(%)=(D/B)×100
低沸不純物の割合(%)=(E/B)×100
式中、Aは反応に用いたメタクリル酸のモル数、Bは生成したヒドロキシプロピルメタクリレートのモル数、Cは反応したメタクリル酸のモル数、Dは生成したDPMMAのモル数、Eは生成した低沸不純物である。
実施例及び比較例における反応の評価は、得られた反応液のガスクロマトグラフィー分析により、反応収率、選択率、ジプロピレングリコールモノメタクリレート(DPMMA)及び低沸不純物(ハロヒドリン)の割合を測定することにより行った。
反応収率(%)=(B/A)×100
選択率(%)=(B/C)×100
DPMMAの割合(%)=(D/B)×100
低沸不純物の割合(%)=(E/B)×100
式中、Aは反応に用いたメタクリル酸のモル数、Bは生成したヒドロキシプロピルメタクリレートのモル数、Cは反応したメタクリル酸のモル数、Dは生成したDPMMAのモル数、Eは生成した低沸不純物である。
表1に示すように、メタクリル酸と3価の鉄又はクロムとの金属塩、及びアミン類を用いた実施例1〜5では、副生物の生成が抑えられており、高収率かつ高選択的にヒドロキシプロピルメタクリレートを得ることができた。
一方、アミン類を用いていない比較例1では、副反応により5%以上のDPMMAが生成しており、得られたヒドロキシプロピルメタクリレートの品質が劣っていた。
また、メタクリル酸と2価の鉄との金属塩、及びアミン類を用いた比較例2では、反応収率が著しく低くなるうえ、副反応により5%以上のDPMMAが生成し、得られたヒドロキシプロピルメタクリレートの品質が劣っていた。
また、塩化鉄(III)を用いた比較例3では、副反応により、5%以上のDPMMAに加えてさらに0.88%もの低沸不純物(ハロヒドリン)が生成しており、得られたヒドロキシプロピルメタクリレートの品質が劣っていた。
また、メタクリル酸と2価の鉄との金属塩、及びアミン類を用いた比較例2では、反応収率が著しく低くなるうえ、副反応により5%以上のDPMMAが生成し、得られたヒドロキシプロピルメタクリレートの品質が劣っていた。
また、塩化鉄(III)を用いた比較例3では、副反応により、5%以上のDPMMAに加えてさらに0.88%もの低沸不純物(ハロヒドリン)が生成しており、得られたヒドロキシプロピルメタクリレートの品質が劣っていた。
本発明の製造方法は、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドの付加反応を高活性かつ高選択的に行うことができるため、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類の製造方法として好適に使用できる。
Claims (1)
- (メタ)アクリル酸と3価の鉄又はクロムとの金属塩、及びアミン類からなる触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキサイドとを反応させることを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類の製造方法。
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