JP2009272421A - デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】先ダイシング法によって分割された個々のデバイスの裏面に貼着された接着フィルムを、デバイスにダメージを与えることなく切断し、接着フィルム付きデバイスを確実にピックアップすることができる方法を提供する。
【解決手段】ウエーハ2の表面側からストリートに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する工程と、ウエーハ表面に保護テープ4を貼着する工程と、裏面研削により分割溝を表出させウエーハを個々のデバイスに分割する工程と、分割ウエーハの裏面に接着フィルム6を装着する工程と、分割溝に沿ってレーザー光線を照射し、接着フィルムを切断する工程と、ウエーハの接着フィルム側を環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着するとともに保護テープを剥離するウエーハ支持工程と、裏面に接着フィルムが装着されている個々のデバイスをダイシングテープから剥離してピックアップする工程とを含む。
【選択図】図7
【解決手段】ウエーハ2の表面側からストリートに沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する工程と、ウエーハ表面に保護テープ4を貼着する工程と、裏面研削により分割溝を表出させウエーハを個々のデバイスに分割する工程と、分割ウエーハの裏面に接着フィルム6を装着する工程と、分割溝に沿ってレーザー光線を照射し、接着フィルムを切断する工程と、ウエーハの接着フィルム側を環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着するとともに保護テープを剥離するウエーハ支持工程と、裏面に接着フィルムが装着されている個々のデバイスをダイシングテープから剥離してピックアップする工程とを含む。
【選択図】図7
Description
本発明は、表面に格子状に形成されたストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハをストリートに沿って個々のデバイスに分割するとともに、各デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着するデバイスの製造方法に関する。
例えば、半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に形成されたストリート(分割予定ライン)によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイスを形成し、該デバイスが形成された各領域をストリートに沿って分割することにより個々のデバイスを製造している。半導体ウエーハを分割する分割装置としては一般にダイシング装置と呼ばれる切削装置が用いられており、この切削装置は厚さが数十μmの切削ブレードによって半導体ウエーハをストリートに沿って切削する。このようにして分割されたデバイスは、パッケージングされて携帯電話やパソコン等の電気機器に広く利用されている。
個々に分割されたデバイスは、その裏面にエポキシ樹脂等で形成された厚さ20〜40μmのダイアタッチフィルムと称するダイボンディング用の接着フィルムが装着され、この接着フィルムを介してデバイスを支持するダイボンディングフレームに加熱することによりボンディングされる。デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着する方法としては、半導体ウエーハの裏面に接着フィルムを貼着し、この接着フィルムを介して半導体ウエーハをダイシングテープに貼着した後、半導体ウエーハの表面に形成されたストリートに沿って切削ブレードにより半導体ウエーハとともに接着フィルムを切断することにより、裏面に接着フィルムが装着されたデバイスを形成している。(例えば、特許文献1参照。)
特開2000−182995号公報
近年、携帯電話やパソコン等の電気機器はより軽量化、小型化が求められており、より薄いデバイスが要求されている。より薄くデバイスを分割する技術として所謂先ダイシング法と称する分割技術が実用化されている。この先ダイシング法は、半導体ウエーハの表面からストリートに沿って所定の深さ(デバイスの仕上がり厚さに相当する深さ)の分割溝を形成し、その後、表面に分割溝が形成された半導体ウエーハの裏面を研削して該裏面に分割溝を表出させ個々のデバイスに分割する技術であり、デバイスの厚さ50μm以下に加工することが可能である。
しかるに、先ダイシング法によって半導体ウエーハを個々のデバイスに分割する場合には、半導体ウエーハの表面からストリートに沿って所定の深さの分割溝を形成した後に半導体ウエーハの裏面を研削して該裏面に分割溝を表出させるので、ダイボンディング用の接着フィルムを前もって半導体ウエーハの裏面に装着することができない。従って、先ダイシング法によって製作されたデバイスをダイボンディングフレームにボンディングする際には、デバイスとダイボンディングフレームとの間にボンド剤を挿入しながら行わなければならず、ボンディング作業を円滑に実施することができないという問題がある。
このような問題を解消するために、先ダイシング法によって個々のデバイスに分割された半導体ウエーハの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着し、この接着フィルムを介して半導体ウエーハをダイシングテープに貼着した後、各デバイス間の間隙に沿って露出された接着フィルムの部分に、デバイスの表面側から上記間隙を通してレーザー光線を照射し、接着フィルムの上記間隙に露出された部分を溶断するようにした半導体デバイスの製造方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
特開2002−118081号公報
而して、上記特許文献2に開示された技術は、厚さが数十μmの切削ブレードによって形成された分割溝に半導体ウエーハの表面側からレーザー光線を照射して接着フィルムにおける各半導体チップ間の間隙に露出された部分を溶断するものであり、デバイスの表面にレーザー光線を照射することなく接着フィルムのみを溶断することが困難である。また、個々のデバイスに分割された半導体ウエーハを接着フィルムを介してダイシングテープに貼着すると、分割溝が蛇行することがあり、分割溝に沿ってレーザー光線を照射することが困難である。従って、上記特許文献2に開示された半導体デバイスの製造方法においては、デバイスの表面にレーザー光線によるダメージを与える虞がある。
また、上記特許文献2に開示された技術は、レーザー光線を照射することにより接着フィルムが溶融し、溶融した接着フィルムがダイシングテープに癒着して、接着フィルムが接着されている個々のデバイスをダイシングテープから剥離してピックアップすることができない場合がある。
また、上記特許文献2に開示された技術は、レーザー光線を照射することにより接着フィルムが溶融し、溶融した接着フィルムがダイシングテープに癒着して、接着フィルムが接着されている個々のデバイスをダイシングテープから剥離してピックアップすることができない場合がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、先ダイシング法によって分割された個々のデバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを容易に装着することができるとともに、デバイスにダメージを与えることなく接着フィルムを切断し、接着フィルムが装着されたデバイスを確実にピックアップすることができるデバイスの製造方法を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、表面に格子状に形成された複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハをストリートに沿って個々のデバイスに分割するとともに、各デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着するデバイスの製造方法であって、
ウエーハの表面側から切削ブレードによりストリートに沿って切削し、デバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する分割溝形成工程と、
該分割溝が形成されたウエーハの表面に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、
該保護テープが貼着されたウエーハの裏面を研削して裏面に該分割溝を表出させ、ウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハ分割工程と、
個々のデバイスに分割されたウエーハの裏面に該接着フィルムを装着する接着フィルム装着工程と、
ウエーハの裏面に装着された該接着フィルムに該接着フィルム側から該分割溝に沿ってレーザー光線を照射し、該接着フィルムを該分割溝に沿って分割する接着フィルム分割工程と、
該接着フィルム分割工程が実施されたウエーハの該接着フィルム側を環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着するとともに、ウエーハの表面に貼着されている該保護テープを剥離するウエーハ支持工程と、
該ダイシングテープに貼着された接着フィルムが装着されている個々のデバイスを該ダイシングテープから剥離してピックアップするピックアップ工程と、を含む、
ことを特徴とするデバイスの製造方法が提供される。
ウエーハの表面側から切削ブレードによりストリートに沿って切削し、デバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する分割溝形成工程と、
該分割溝が形成されたウエーハの表面に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、
該保護テープが貼着されたウエーハの裏面を研削して裏面に該分割溝を表出させ、ウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハ分割工程と、
個々のデバイスに分割されたウエーハの裏面に該接着フィルムを装着する接着フィルム装着工程と、
ウエーハの裏面に装着された該接着フィルムに該接着フィルム側から該分割溝に沿ってレーザー光線を照射し、該接着フィルムを該分割溝に沿って分割する接着フィルム分割工程と、
該接着フィルム分割工程が実施されたウエーハの該接着フィルム側を環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着するとともに、ウエーハの表面に貼着されている該保護テープを剥離するウエーハ支持工程と、
該ダイシングテープに貼着された接着フィルムが装着されている個々のデバイスを該ダイシングテープから剥離してピックアップするピックアップ工程と、を含む、
ことを特徴とするデバイスの製造方法が提供される。
本発明によるデバイスの製造方法においては、上記接着フィルム分割工程を実施する際には個々のデバイスに分割されたウエーハの表面に保護テープが貼着されているので、分割溝が蛇行しないため、接着フィルムには分割溝に沿って正確にレーザー光線を照射することができる。従って、分割溝から離脱してレーザー光線を照射することにより、デバイスにダメージを与える虞はない。
また、上記ピックアップ工程において環状のフレームに装着されたダイシングテープに貼着している接着フィルムは、上記接着フィルム分割工程が実施された後にダイシングテープに貼着されるので、ダイシングテープに癒着することがなく、接着フィルムが装着されている個々のデバイスをダイシングテープから容易に剥離してピックアップすることができる。
また、上記ピックアップ工程において環状のフレームに装着されたダイシングテープに貼着している接着フィルムは、上記接着フィルム分割工程が実施された後にダイシングテープに貼着されるので、ダイシングテープに癒着することがなく、接着フィルムが装着されている個々のデバイスをダイシングテープから容易に剥離してピックアップすることができる。
以下、本発明によるデバイスの製造方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には、ウエーハとしての半導体ウエーハの斜視図が示されている。図1に示す半導体ウエーハ2は、例えば厚さが600μmのシリコンウエーハからなっており、表面2aには複数のストリート21が格子状に形成されている。そして、半導体ウエーハ2の表面2aには、格子状に形成された複数のストリート21によって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイス22が形成されている。この半導体ウエーハ2を先ダイシング法によって個々の半導体デバイスに分割する手順について説明する。
半導体ウエーハ2を先ダイシング法によって個々の半導体デバイスに分割するには、先ず半導体ウエーハ2の表面2a側から切削ブレードによりストリート21に沿って切削し、デバイス22の仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する分割溝形成工程を実施する。この分割溝形成工程は、図2の(a)に示す切削装置3を用いて実施する。図2の(a)に示す切削装置3は、被加工物を保持するチャックテーブル31と、該チャックテーブル31に保持された被加工物を切削する切削手段32と、該チャックテーブル31に保持された被加工物を撮像する撮像手段33を具備している。チャックテーブル31は、被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない切削送り機構によって図2において矢印Xで示す切削送り方向に移動せしめられるとともに、図示しない割り出し送り機構によって矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。
上記切削手段32は、実質上水平に配置されたスピンドルハウジング321と、該スピンドルハウジング321に回転自在に支持された回転スピンドル322と、該回転スピンドル222の先端部に装着された切削ブレード323を含んでおり、回転スピンドル322がスピンドルハウジング321内に配設された図示しないサーボモータによって矢印322aで示す方向に回転せしめられるようになっている。上記撮像手段33は、スピンドルハウジング321の先端部に装着されており、被加工物を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された領域を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた像を撮像する撮像素子(CCD)等を備え、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
上述した切削装置3を用いて分割溝形成工程を実施するには、図2の(a)に示すようにチャックテーブル31上に半導体ウエーハ2の裏面2b側を載置し、図示しない吸引手段を作動することにより半導体ウエーハ2をチャックテーブル31上に保持する。従って、チャックテーブル31に保持された半導体ウエーハ2は、表面2aが上側となる。このようにして、半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル31は、図示しない切削送り機構によって撮像手段33の直下に位置付けられる。
チャックテーブル31が撮像手段33の直下に位置付けられると、撮像手段33および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2のストリート21に沿って分割溝を形成すべき切削領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段33および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の所定方向に形成されているストリート21と、切削ブレード323との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、切削領域のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直角に延びるストリート21に対しても、同様に切削領域のアライメントが遂行される。
以上のようにしてチャックテーブル31上に保持されている半導体ウエーハ2の切削領域を検出するアライメントが行われたならば、半導体ウエーハ2を保持したチャックテーブル31を切削領域の切削開始位置に移動する。そして、切削ブレード323を図2の(a)において矢印322aで示す方向に回転しつつ下方に移動して切り込み送りを実施する。この切り込み送り位置は、切削ブレード323の外周縁が半導体ウエーハ2の表面からデバイスの仕上がり厚さに相当する深さ位置(例えば、50μm)に設定されている。このようにして、切削ブレード323の切り込み送りを実施したならば、切削ブレード323を回転しつつチャックテーブル31を図2の(a)において矢印Xで示す方向に切削送りすることによって、図2の(b)に示すようにストリート21に沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さ(例えば、50μm)の分割溝210が形成される(分割溝形成工程)。
上述した分割溝形成工程を実施するにより半導体ウエーハ2の表面2aにストリート21に沿ってデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝210を形成したら、図3の(a)および(b)に示すように半導体ウエーハ2の表面2a(デバイス22が形成されている面)にデバイス22を保護する研削用の保護テープ4を貼着する(保護テープ貼着工程)。なお、保護テープ4は、図示の実施形態においては厚さが150μmのポリオレフィンシートが用いられている。
次に、表面に保護テープ4が貼着された半導体ウエーハ2の裏面2bを研削し、分割溝210を裏面2bに表出させて個々のデバイスに分割するウエーハ分割工程を実施する。このウエーハ分割工程は、図4の(a)に示す研削装置5を用いて実施する。図4の(a)に示す研削装置5は、被加工物を保持するチャックテーブル51と、該チャックテーブル51に保持された被加工物を研削するための研削砥石52を備えた研削手段53を具備している。この研削装置5を用いて上記ウエーハ分割工程を実施するには、チャックテーブル51上に半導体ウエーハ2の保護テープ4側を載置し、図示しない吸引手段を作動することにより半導体ウエーハ2をチャックテーブル51上に保持する。従って、チャックテーブル51に保持された半導体ウエーハ2は、裏面2bが上側となる。このようにして、チャックテーブル51上に半導体ウエーハ2を保持したならば、チャックテーブル51を矢印51aで示す方向に例えば300rpmで回転しつつ、研削手段53の研削砥石52を矢印52aで示す方向に例えば6000rpmで回転しつつ半導体ウエーハ2の裏面2bに接触せしめて研削し、図4の(b)に示すように分割溝210が裏面2bに表出するまで研削する。このように分割溝210が表出するまで研削することによって、図4の(c)に示すように半導体ウエーハ2は個々のデバイス22に分割される。なお、分割された複数のデバイス22は、その表面に保護テープ4が貼着されているので、バラバラにはならず半導体ウエーハ2の形態が維持されている。
上述した先ダイシング法によるウエーハ分割工程を実施することによって半導体ウエーハ2を個々のデバイス22に分割したならば、個々のデバイス22に分割された半導体ウエーハ2の裏面2bにダイボンディング用の接着フィルムを装着する接着フィルム装着工程を実施する。即ち、図5の(a)および(b)に示すように接着フィルム6を個々のデバイス22に分割された半導体ウエーハ2の裏面2bに装着する。このとき、上述したように80〜200°Cの温度で加熱しつつ接着フィルム6を半導体ウエーハ2の裏面2bに押圧して貼着する。
次に、半導体ウエーハ2の裏面に装着された接着フィルム6に該接着フィルム6側から上記分割溝210に沿ってレーザー光線を照射し、接着フィルム6を分割溝210に沿って分割する接着フィルム分割工程を実施する。この接着フィルム分割工程は。図6に示すレーザー加工装置7を用いて実施する。図6に示すレーザー加工装置7は、被加工物を保持するチャックテーブル71と、該チャックテーブル71上に保持された被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段72と、チャックテーブル71上に保持された被加工物を撮像する撮像手段73を具備している。チャックテーブル71は、被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない加工送り機構によって図6において矢印Xで示す加工送り方向に移動せしめられるとともに、図示しない割り出し送り機構によって矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるようになっている。
上記レーザー光線照射手段72は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング721を含んでいる。ケーシング721内には図示しないYAGレーザー発振器或いはYVO4レーザー発振器からなるパルスレーザー光線発振器や繰り返し周波数設定手段を備えたパルスレーザー光線発振手段が配設されている。上記ケーシング721の先端部には、パルスレーザー光線発振手段から発振されたパルスレーザー光線を集光するための集光器722が装着されている。
上記レーザー光線照射手段722を構成するケーシング721の先端部に装着された撮像手段73は、図示の実施形態においては可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
上述したレーザー加工装置7を用いて接着フィルム切断工程を実施するには、図6に示すようにレーザー加工装置7のチャックテーブル71上に半導体ウエーハ2の保護テープ4側を載置する。そして、図示しない吸引手段によってチャックテーブル71上に半導体ウエーハ2を吸引保持する(ウエーハ保持工程)。従って、半導体ウエーハ2の裏面に装着された接着フィルム6は上側となる。
上述したようにウエーハ保持工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の裏面に装着された接着フィルム6に該接着フィルム6側から上記分割溝210に沿ってレーザー光線を照射し、接着フィルム6を分割溝210に沿って分割する接着フィルム分割工程を実施する。接着フィルム分割工程を実施するには、先ず半導体ウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル71は、図示しない移動機構によって撮像手段73の直下に位置付けられる。そして、撮像手段73および図示しない制御手段によって半導体ウエーハ2の裏面に装着された接着フィルム6のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段73および図示しない制御手段は、半導体ウエーハ2の所定方向に形成された上記分割溝210に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段72の集光器722との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する。また、半導体ウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に形成された分割溝210に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される(アライメント工程)。このとき、分割溝210は接着フィルム6の下側に位置しているが、撮像手段73が上述したように赤外線照明手段と赤外線を捕らえる光学系および赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成された撮像手段を備えているので、接着フィルム6から透かして分割溝210を撮像することができる。
以上のようにしてレーザー光線照射位置のアライメントが行われたならば、チャックテーブル71をレーザー光線照射手段72の集光器722が位置するレーザー光線照射領域に移動し、図7に示すように所定の分割溝210の一端(図7において左端)をレーザー光線照射手段72の集光器722の直下に位置付ける。そして、集光器722から接着フィルム6に対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射しつつチャックテーブル71を図7において矢印X1で示す方向に所定の送り速度で移動せしめ、分割溝210の他端(図7において右端)が集光器722の照射位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル71の移動を停止する。このとき、レーザー光線照射手段72の集光器722から照射されるパルスレーザー光線は、図示の実施形態においては集光点Pを接着フィルム6の上面に合わせて照射される。この結果、図8に示すように接着フィルム6は、分割溝210に沿って溶融、蒸発して分割される。
なお、上記接着フィルム分割工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
レーザー光線の種類 ;固体レーザー(YVO4レーザー、YAGレーザー)
波長 :355nm
繰り返し周波数 :50kHz
平均出力 :0.5W
集光スポット径 :φ10μm
加工送り速度 :500mm/秒
レーザー光線の種類 ;固体レーザー(YVO4レーザー、YAGレーザー)
波長 :355nm
繰り返し周波数 :50kHz
平均出力 :0.5W
集光スポット径 :φ10μm
加工送り速度 :500mm/秒
上述したように接着フィルム5を所定方向の分割溝210に沿って分割する接着フィルム分割工程を実施したならば、チャックテーブル71を図6において矢印Yで示す割り出し送り方向に分割溝210の間隔だけ割り出し送りし、再度上記接着フィルム分割工程を遂行する。そして、所定方向に形成された全ての分割溝210に沿って上記接着フィルム分割工程と割り出し送り工程を遂行したならば、チャックテーブル71を90度回動せしめて、上記所定方向に対して直角に形成された分割溝210に沿って上記接着フィルム分割工程と割り出し送り工程を実行することにより、図8に示すように接着フィルム6は半導体ウエーハ2が分割溝210によって分割されたデバイス22毎に装着された接着フィルム6aに分割される。
なお、上述した接着フィルム分割工程においては、個々のデバイス22に分割された半導体ウエーハ2の表面には保護テープ4が貼着されているので、分割溝210が蛇行しないため、接着フィルム6には分割溝210に沿って正確にレーザー光線を照射することができる。従って、分割溝210から離脱してレーザー光線を照射することにより、デバイスにダメージを与える虞はない。
上述した接着フィルム分割工程を実施したならば、半導体ウエーハ2の接着フィルム6側を環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着するとともに、半導体ウエーハ2の表面に貼着されている保護テープ4を剥離するウエーハ支持工程を実施する。即ち、図9に示すように、環状のフレームFに装着されたダイシングテープTの表面に上記接着フィルム分割工程が実施された半導体ウエーハ2の接着フィルム6側を貼着する。そして、半導体ウエーハ2の表面に貼着されている保護テープ4を剥離する。
次に、上記接着フィルム分割工程を実施することにより切削溝210に沿って溶断された接着フィルム6aが装着されているデバイス22をダイシングテープTから剥離してピックアップするピックアップ工程を実施する。このピックアップ工程は、図10に示すピックアップ装置8を用いて実施する。図10に示すピックアップ装置8は、上記環状のフレームFを保持するフレーム保持手段81と、該フレーム保持手段81に保持された環状のフレームFに装着されたダイシングテープTを拡張するテープ拡張手段82と、ピックアップコレット83を具備している。フレーム保持手段81は、環状のフレーム保持部材811と、該フレーム保持部材811の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ812とからなっている。フレーム保持部材811の上面は環状のフレームFを載置する載置面811aを形成しており、この載置面811a上に環状のフレームFが載置される。そして、載置面811a上に載置された環状のフレームFは、クランプ812によってフレーム保持部材811に固定される。このように構成されたフレーム保持手段81は、テープ拡張手段82によって上下方向に進退可能に支持されている。
テープ拡張手段82は、上記環状のフレーム保持部材811の内側に配設される拡張ドラム821を具備している。この拡張ドラム821は、環状のフレームFの内径より小さく該環状のフレームFに装着されたダイシングテープTに貼着される半導体ウエーハ2の外径より大きい内径および外径を有している。また、拡張ドラム821は、下端に支持フランジ822を備えている。図示の実施形態におけるテープ拡張手段82は、上記環状のフレーム保持部材811を上下方向に進退可能な支持手段823を具備している。この支持手段823は、上記支持フランジ822上に配設された複数のエアシリンダ823aからなっており、そのピストンロッド823bが上記環状のフレーム保持部材811の下面に連結される。このように複数のエアシリンダ823aからなる支持手段823は、図11の(a)に示すように環状のフレーム保持部材811を載置面811aが拡張ドラム821の上端と略同一高さとなる基準位置と、図11の(b)に示すように拡張ドラム821の上端より所定量下方の拡張位置の間を上下方向に移動せしめる。
以上のように構成されたピックアップ装置8を用いて実施するピックアップ工程について図11を参照して説明する。即ち、半導体ウエーハ2(ストリート21に沿って個々のデバイス22に分割されている)が貼着されているダイシングテープTが装着された環状のフレームFを、図11の(a)に示すようにフレーム保持手段81を構成するフレーム保持部材811の載置面811a上に載置し、クランプ812によってフレーム保持部材811に固定する。このとき、フレーム保持部材811は図11の(a)に示す基準位置に位置付けられている。次に、テープ拡張手段82を構成する支持手段823としての複数のエアシリンダ823aを作動して、環状のフレーム保持部材811を図11の(b)に示す拡張位置に下降せしめる。従って、フレーム保持部材811の載置面811a上に固定されている環状のフレームFも下降するため、図11の(b)に示すように環状のフレームFに装着されたダイシングテープTは拡張ドラム821の上端縁に接して拡張せしめられる。この結果、ダイシングテープTに貼着されている接着フィルム6および該接着フィルム6が貼着されているデバイス22間が広がり、間隔Sが拡大される。次に、図11の(c)に示すようにピックアップコレット83を作動してデバイス22(裏面に接着フィルム6aが装着されている)を吸着し、ダイシングテープTから剥離してピックアップし、図示しないトレーまたはダイボンディング工程に搬送する。上述したピックアップ工程においては、上述したように接着フィルム6が装着された個々のデバイス22間の隙間Sが広げられているので、隣接するデバイス22と接触することなく容易にピックアップすることができる。
なお、上述したピックアップ工程において環状のフレームFに装着されたダイシングテープTに貼着している接着フィルム6aは、上記接着フィルム分割工程が実施された後にダイシングテープTに貼着されるので、ダイシングテープTに癒着することがなく、接着フィルム6aが装着されている個々のデバイス22をダイシングテープTから容易に剥離してピックアップすることができる。
2:半導体ウエーハ
21:ストリート
22:デバイス
3:切削装置
31:切削装置のチャックテーブル
32:切削手段
321:切削ブレード
4:保護テープ
5:研削装置
51:研削装置のチャックテーブル
52:研削砥石
53:研削手段
6:接着フィルム
7:レーザー加工装置
71:レーザー加工装置のチャックテーブル
72:レーザー光線照射手段
722:集光器
8:ピックアップ装置
81:フレーム保持手段
82:テープ拡張手段
83:ピックアップコレット
F:環状のフレーム
T:ダイシングテープ
21:ストリート
22:デバイス
3:切削装置
31:切削装置のチャックテーブル
32:切削手段
321:切削ブレード
4:保護テープ
5:研削装置
51:研削装置のチャックテーブル
52:研削砥石
53:研削手段
6:接着フィルム
7:レーザー加工装置
71:レーザー加工装置のチャックテーブル
72:レーザー光線照射手段
722:集光器
8:ピックアップ装置
81:フレーム保持手段
82:テープ拡張手段
83:ピックアップコレット
F:環状のフレーム
T:ダイシングテープ
Claims (1)
- 表面に格子状に形成された複数のストリートによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウエーハをストリートに沿って個々のデバイスに分割するとともに、各デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着するデバイスの製造方法であって、
ウエーハの表面側から切削ブレードによりストリートに沿って切削し、デバイスの仕上がり厚さに相当する深さの分割溝を形成する分割溝形成工程と、
該分割溝が形成されたウエーハの表面に保護テープを貼着する保護テープ貼着工程と、
該保護テープが貼着されたウエーハの裏面を研削して裏面に該分割溝を表出させ、ウエーハを個々のデバイスに分割するウエーハ分割工程と、
個々のデバイスに分割されたウエーハの裏面に該接着フィルムを装着する接着フィルム装着工程と、
ウエーハの裏面に装着された該接着フィルムに該接着フィルム側から該分割溝に沿ってレーザー光線を照射し、該接着フィルムを該分割溝に沿って分割する接着フィルム分割工程と、
該接着フィルム分割工程が実施されたウエーハの該接着フィルム側を環状のフレームに装着されたダイシングテープの表面に貼着するとともに、ウエーハの表面に貼着されている該保護テープを剥離するウエーハ支持工程と、
該ダイシングテープに貼着された接着フィルムが装着されている個々のデバイスを該ダイシングテープから剥離してピックアップするピックアップ工程と、を含む、
ことを特徴とするデバイスの製造方法。
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- 2009-04-27 US US12/430,576 patent/US7915140B2/en active Active
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