JP2009262404A - 記録装置及び記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】予備吐出が行われてからの記録ヘッド内部の液体の増粘に対応し、これによって記録により得られる画像の高い品質が維持される記録装置及び記録方法を提供すること。
【解決手段】本発明の記録装置は、予備吐出からの経過時間を検出する経過時間検出機構と、記録ヘッドから吐出される液滴を吐出するための吐出エネルギーを変更する吐出エネルギー変更機構とを有している。そして、吐出エネルギー変更機構は、経過時間検出機構によって検出された予備吐出からの経過時間に応じて前記吐出エネルギーを変更する。
【選択図】図13
【解決手段】本発明の記録装置は、予備吐出からの経過時間を検出する経過時間検出機構と、記録ヘッドから吐出される液滴を吐出するための吐出エネルギーを変更する吐出エネルギー変更機構とを有している。そして、吐出エネルギー変更機構は、経過時間検出機構によって検出された予備吐出からの経過時間に応じて前記吐出エネルギーを変更する。
【選択図】図13
Description
本発明は、記録ヘッドによる液体の吐出状態を良好に維持するための回復動作として、記録媒体以外の部分に画像の記録に寄与しない液体を吐出して予備吐出が行われる記録装置及びそのような記録装置を用いた記録方法に関する。
従来、各種の記録媒体に対して記録を行う記録装置として、高密度かつ高速な記録動作が可能であることから、インクジェット記録装置が各種装置の出力手段等として広く採用されている。このようなインクジェット記録装置は、一般に、記録ヘッドから吐出口を通じて液滴を記録媒体に対して吐出することで記録を行う。
インクジェット記録装置においては、記録ヘッドに一旦貯留された液体を液滴として吐出口から吐出する構造を有しているので、記録ヘッドにおける吐出口周辺に貯留された液体は、吐出口を通じて大気と連通していることから大気に晒される。このように、吐出口周辺に貯留されている液体が大気に晒されることで、大気に接している部分の液体に含まれた水分が蒸発し、その部分の液体の粘度が増大することがある。
記録ヘッドに貯留された液体の粘度が増大してしまうと、これによって吐出される液滴の着弾精度が低下したり、不吐出が生じたりすることが考えられ、記録によって得られる画像の品質が低下する虞がある。従って、記録ヘッド内部の液体の増粘については、これを抑制することが好ましい。
このため、記録装置によっては、記録に前もって、記録媒体以外の部分に液滴を吐出して増粘した液体を予め記録ヘッドから排出する予備吐出が行われることがある。このように、記録の前段階で予備吐出が行われることで、記録の際には、記録ヘッドから増粘した液体が排出されて良好な状態の液体が貯留されていることになり、記録によって得られる画像の品質が高く維持される。
また、予備吐出とは別に、前述のように液体の粘度が増大してしまうことに対して、これに対応した記録装置について、特許文献1に記載の記録装置が提案されている。特許文献1には、前回に記録を行ってから次に記録を行うまでの間の時間である非記録時間に応じて、記録の際に最初に液滴が吐出される際に駆動される吐出エネルギーを調節する記録装置について開示されている。吐出エネルギーを調節する手段については、具体的には、電気熱変換素子を駆動させるための電気信号について、パルス幅を調節することと、パルス信号の電圧値を調節することについて開示されている。このように、前回に記録を行ってから次に記録を行うまでの間の時間である非記録時間に応じて、記録の際に最初に液滴が吐出される際の吐出エネルギーを調節することで安定した液滴の吐出が維持され、記録によって得られる画像の高い品質が保たれている。
上述の予備吐出及び特許文献1に開示されている記録装置によれば、前回に記録が行われてから次に記録が行われるまでの間の間隔で生じる増粘については考慮されている。しかしながら、記録を行っている間にも記録ヘッドにおける吐出口周辺の液体について増粘が進行することが考えられる。記録データによっては、記録が行われている間にも、一部の吐出口について液滴の吐出が行われない状態が続く場合が考えられる。例えば、画像の一部に空白が続くような場合には、記録ヘッドの吐出口が全体的に使用されない傾向にあり、記録ヘッドの吐出口全体の液体の増粘が進むことが考えられる。
このように、記録が行われている間に記録ヘッドにおける吐出口周辺の液体の増粘が生じてしまうと、これによって吐出される液滴の着弾精度が低下したり、不吐出が生じたりすることが考えられる。これにより、記録によって得られる画像の品質が低下する虞がある。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、予備吐出が行われてからの記録ヘッド内部の液体の増粘に対応し、これによって記録により得られる画像の品質が高く維持される記録装置及び記録方法を提供することを目的とする。
本発明の記録装置は、記録ヘッドから記録媒体へ液滴を吐出させて記録を行い、前記記録ヘッドから記録に関与しない液滴を吐出する予備吐出を行うことが可能な記録装置において、予備吐出からの経過時間を検出する経過時間検出機構と、前記記録ヘッドから液滴を吐出するための吐出エネルギーを変更する吐出エネルギー変更機構とを有し、前記吐出エネルギー変更機構は、前記経過時間検出機構によって検出された予備吐出からの経過時間に応じて前記吐出エネルギーを変更することを特徴とする。
また、本発明の記録装置は、記録ヘッドから記録媒体へ液滴を吐出させて記録を行い、前記記録ヘッドから記録に関与しない液滴を吐出する予備吐出を行うことが可能な記録装置において、前記記録ヘッドは、前記記録媒体が搬送される搬送方向と交差する所定方向に走査しながら記録を行うと共に、前記所定方向における所定位置で予備吐出を行い、前記記録ヘッドから液滴を吐出するための吐出エネルギーを変更する吐出エネルギー変更機構とを有し、前記吐出エネルギー変更機構は、前記記録ヘッドが予備吐出を行う前記所定位置から走査した距離に応じて前記吐出エネルギーを変更することを特徴とする。
また、本発明の記録方法は、記録ヘッドから記録媒体へ液滴を吐出させて記録を行い、前記記録ヘッドから記録に関与しない液滴を吐出する予備吐出を行うことが可能な記録装置によって記録を行う記録方法において、予備吐出からの経過時間を検出する経過時間検出ステップと、前記経過時間検出ステップで検出された予備吐出からの経過時間に応じて前記記録ヘッドから吐出される液滴を吐出するための吐出エネルギーを変更する時間毎吐出エネルギー変更ステップとを有することを特徴とする。
また、記録ヘッドから記録媒体へ液滴を吐出させて記録を行い、前記記録ヘッドから記録に関与しない液滴を吐出する予備吐出を行うことが可能な記録装置によって記録を行う記録方法において、前記記録ヘッドが、記録媒体が搬送される搬送方向と交差する所定方向における所定位置で予備吐出を行う予備吐出ステップと、前記予備吐出ステップで予備吐出が行われる所定位置から走査した距離に応じて液滴を吐出するための吐出エネルギーを変更する走査距離毎吐出エネルギー変更ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、予備吐出が行われてからの時間に応じて記録ヘッドから液滴の吐出が行われるので、記録が行われている間による記録ヘッド内部の液体の増粘によって吐出される液滴の着弾精度が低下することが抑えられる。これにより、記録によって得られる画像の品質が低下することを抑えることができる。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット記録方式を用いた記録装置について説明する。
本明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わずに用いられる。また、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または記録媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものを表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
以下、各実施形態に共通なインクジェット記録装置の全体構成及び制御構成について説明する。
図1は本発明に係るインクジェット記録装置の外観斜視図である。図1に示される記録装置100は、内部に記録ヘッドとインクを貯留するインクタンクとが一体となったヘッドカートリッジ50が収納されるキャリッジ11を具えている。そして、キャリッジ11は、記録媒体の搬送方向に交差する所定方向、本実施形態では特に搬送方向に直交する方向に走査する。従って、記録ヘッドが記録媒体の搬送される搬送方向と交差する所定方向に走査しながら記録を行う。この本実施形態における走査する方向を以下、主走査方向という。
キャリッジ11は、記録媒体の搬送方向に直交する方向に走査されるように、ガイドシャフト6によって貫通されて支持されている。キャリッジ11にはベルト4が取り付けられており、ベルト4にはキャリッジモータ12が取り付けられている。これにより、キャリッジモータ12による駆動力がベルト4を介してキャリッジ11に伝えられので、キャリッジ11がガイドシャフト6によって案内されている主走査方向に移動可能なように構成されている。
また、キャリッジ11には、後述する制御部からの電気信号をヘッドカートリッジ50の記録ヘッドに転送するためのフレキシブルケーブル13が、ヘッドカートリッジ50に接続されるように取り付けられている。また、記録装置100は、記録ヘッドの回復処理を行うために用いられるキャップ141及びワイパブレード143が配置されている。また、記録装置100は、記録媒体を積層状態で蓄える給紙部15と、キャリッジ11の位置を光学的に読み取るエンコーダセンサ16なども有している。
図2は図1に示した記録装置のキャリッジ11近傍の構成をより詳細に示した斜視図であり、前述した従来の記録装置のキャリッジ近傍と同一構成である。図2に示されるように、記録装置100は、ヘッドカートリッジ50がキャリッジ11の内部に着脱可能に搭載される。図2に示されるヘッドカートリッジ50における記録ヘッド22は、写真調の高画質なカラー記録を可能とするため、6色のインクに対応した6つのヘッドカートリッジ50が配置されている。これらのヘッドカートリッジ50は、ブラック(K)、淡シアン(LC)、濃シアン(C)、淡マゼンタ(LM)、濃マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の6色のインクに対応している。本実施形態では、ヘッドカートリッジ50として、6色のヘッドカートリッジ50K、50LC、50C、50LM、50M、及び50Yがキャリッジ11内部に配置されている。これらのヘッドカートリッジ50には、6色のインクを吐出可能なようにそれぞれの色に対応した記録ヘッド22K、22LC、22C、22LM、22M、及び22Yが形成されている。これらの記録ヘッド22K、22LC、22C、22LM、22M、及び22Yを、以下、記録ヘッド22とも言う。また、ヘッドカートリッジ50は、これらの記録ヘッド22K、22LC、22C、22LM、22M、及び22Yに対して供給するインクが貯留されているインクタンク21K、21LC、21C、21LM、21M、21Yを具えている。以下、インクタンク21K、21LC、21C、21LM、21M、21Yをまとめてインクタンク21とも言う。それぞれのインクタンク21K、21LC、21C、21LM、21M、21Yからのインクが記録ヘッド22K、22LC、22C、22LM、22M、及び22Yに供給されるように構成されている。
また、記録装置100の主走査方向における一端には、ヘッドカートリッジ50におけるそれぞれの記録ヘッド22K、22LC、22C、22LM、22M、及び22Yに対応した位置にキャップが配置されている。本実施形態では、それぞれの色のインクを吐出する記録ヘッド22K、22LC、22C、22LM、22M、及び22Yに対応するように、キャップ141K、141LC、141C、141LM、141M、141Yが配置されている。これらのキャップ141K、141LC、141C、141LM、141M、141Yをまとめて以下キャップ141とも言う。
キャップ141は、記録ヘッド22の吸引回復を行う際に、記録ヘッド22の吐出口を塞いでキャッピングを行う。そして、この状態で例えば吸引ポンプを駆動させてキャップ141内部に負圧を形成し、吐出口を介して記録ヘッド22内部のインクを吸引する。このように、記録ヘッド22内部における吐出口周辺のインクを吸引することで、吐出口周辺の異物や増粘したインクが記録ヘッド22の外部に排出されて、記録ヘッド22内部に貯留されているインクが良好な状態に保たれる。また、長期間の非記録時間に対応して記録ヘッド内部のインクの乾燥を防ぐために、記録装置が使用されない間は、吐出口23がキャップ141によって塞がれる。なお、本実施形態では、記録ヘッドとインクタンクが一体的に形成されたヘッドカートリッジ50として構成されているが、このヘッドカートリッジ50は記録ヘッドとインクタンクは、それぞれが分離可能に構成されていても良い。
なお、本実施形態では、6色に対応した六つのヘッドカートリッジ50、記録ヘッド22、インクタンク21、キャップ141が用いられているが、本発明はこれに限定されない。7色以上の色に対応したより多くのヘッドカートリッジを搭載した記録装置でも良いし、5色以下のヘッドカートリッジに対応した記録装置でも良い。
図3は記録ヘッド22を記録媒体側から見た平面図である。図3に示されるように、記録ヘッド22K、22LC、22C、22LM、22M、22Yは、1200dpiの密度で1280個ならんだ吐出口列を持っている。これら6つの記録ヘッド22K、22LC、22C、22LM、22M、22Yが主走査方向に順に並べられて配置されている。各吐出口23から1度に吐出されるインクの吐出量は約4ngである。
これら6つのカラーインクは高画質記録を実現するため、インクが吐出された際に小さなドットが形成されるように各吐出口23の開口面積が調節されている。
次に、ヘッドカートリッジ50の記録ヘッド22の構成について図4、図5を用いて説明する。図4は、記録ヘッド22におけるインクタンク21から記録ヘッド22に通じるインク流路31に沿った断面図である。また、図4のV−V線に沿う断面図を図5に示す。
記録ヘッド22は、インク流路31を形成したガラス、セラミックまたはプラスチック等と感熱記録に用いられる発熱抵抗体層28を有する発熱ヘッド25(図4ではヘッドが示されているが、これに限定されない)とを接着して得られる。この発熱ヘッド25は酸化シリコン等で形成される保護膜26、アルミニウム電極27-1、27-2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層28、蓄熱層29、アルミナ等から形成される放熱性のよい基板30を有して構成されている。記録ヘッド22のオリフィスプレート33と基板30とによって画成された空間の内部にはインクが充填されており、吐出口23の内側ではメニスカス34が形成されている。
ここで電極27-1、27-2に電気信号が加わると、発熱ヘッド25のnで示される領域が急激に発熱され、この領域の周辺のインク32で気泡が発生する。気泡の発生による圧力の上昇によって記録ヘッド22内部のインクが吐出口23を通って吐出され、記録液滴24となり、記録媒体1に向かって飛翔する。このように、本実施形態では、発熱ヘッド25がインク滴を吐出する吐出エネルギー発生素子として機能する。
なお、本実施形態では、ヘッドカートリッジ50の記録ヘッド22における吐出口23は、図3に示されるように形成されているが、これに限定されない。別の実施形態における記録ヘッドの吐出口の並びを図6に示す。図6に示される記録ヘッドでは吐出口は二列に並べられており、二列の吐出口列のうち一方の吐出口列が、他方の吐出口列に対して吐出口の並べられているピッチの半分だけオフセットされている。
次に、以上のような構成の記録装置における記録動作について図1から図3を参照して詳細に説明する。
まず、給紙部15に複数枚積層された記録媒体1が給紙ローラ(不図示)によって一枚ずつ供給される。給紙ローラによって給紙部15から給紙されると、記録媒体1が記録ヘッド22とプラテン(不図示)との間を、拍車やコロ等の補助搬送ローラ(不図示)により搬送ローラ対3によって搬送される。
その一方、インクがインクタンク21から記録ヘッド22に供給され、記録ヘッド22は図2の矢印B方向(往路走査方向)に移動しながら画像信号に応じて記録媒体1に記録ヘッド22の吐出領域に対応した幅で記録を行う。この記録は、記録媒体1が搬送されながらエンコーダ16の読み取りタイミングに従いキャリッジモータ12が画像信号に基づいて駆動されて走査し、記録媒体1上に液滴を吐出、付着させることで画像を記録している。そして、矢印B方向(主走査方向)の1走査分の記録が終了すると、記録ヘッド22は元のホームポジションに戻り、再び矢印B方向への記録を行う。一方向に向かう1回の記録動作(1走査)が終了してから次回の記録動作が開始される前に、搬送ローラ対3が駆動して記録媒体1を矢印A方向に所定量、間欠的に搬送する。
このように1走査分の記録動作と所定量の記録媒体の搬送とを繰り返すことによって、記録媒体1に画像の記録を行うのである。
必要に応じて、記録ヘッド22はホームポジションに戻って回復機構により吐出口23の目詰まり等を解消することを目的として記録ヘッドに対して吸引回復やワイピングが行われる。前述したように、キャップ141が吐出口23のインク吸引動作あるいは放置時の乾燥防止のために記録ヘッド22の吐出口23を塞ぐ。そして、ワイパブレード143は、記録ヘッド22の吐出口23面を矢印C方向に移動しながらワイピングして余分に付着したインクを除去する。
次に、上述した装置で記録が行われる際の制御を実行するための制御構成について説明する。
図7は、本発明に係る記録装置全体の制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す同図において、1700は記録信号を入力するインターフェースである。また、1701はCPU、1702はCPU1701が実行する制御プログラムやエラー処理プログラムなどを格納するROM、1703は各種データ(上記記録信号や記録ヘッド22に供給される記録データ等)を一時保存しておくRAMである。1704は記録ヘッド22に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インターフェース1700、CPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。12は記録ヘッド22を搬送するためのキャリッジモータ、1709は記録媒体の搬送のための搬送モータである。1705は記録ヘッド22を駆動するヘッドドライバ、1706,1707はそれぞれ搬送モータ1709、キャリッジモータ12を駆動するためのモータドライバである。
上記制御構成の動作を説明すると、インターフェース1700に画像信号が入力されるとゲートアレイ1704とCPU1701との間で画像信号が記録用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データに従って記録ヘッド22が駆動され、記録が行われる。
なお、本実施形態では、CPU1701が実行する制御プログラムをROM1702に格納するものとしている。しかしながら、本実施形態はこれに限定されず、EEPROM等の消去/書き込みが可能な記憶媒体を更に追加して、記録装置100と接続されたホストコンピュータから制御プログラムを変更できるように構成することもできる。
また、記録ヘッド22内部の温度制御は、記録装置100の設置された環境温度を検出するサーミスタ1708から得られる値に応じて、CPU1701が保温ヒーター1710を駆動することで行われる。保温ヒーター1710は、インクを吐出させるための発熱ヘッドが配された吐出部列近くに設けられ、インクの温度を制御するためにON/OFFの駆動が行われている。また、記録ヘッド22内に設けられた温度センサ1711によって記録ヘッド22の内部温度が検出されている。
インターフェース1700は、接続されたホスト機器などの画像処理部(不図示)で、RGBあるいはCMYKで入力された入力画像信号から、濃インクと淡インクを含む6色のインクに対する記録データに変換された、出力画像信号を受け取る。
この処理における変換は、図8に示されるように入力画像濃度信号レベルを出力画像濃度信号レベルに変換するものである。ここでは説明を簡単にするため、濃度の異なる同色系のインクとして淡シアンと濃シアンとの2種類を用い、濃度信号レベルが0〜255の値を取る場合を例に説明する。
この図に示されるように、入力画像濃度信号レベル0から128に対しては淡シアンのみで記録するようなデータの変換を行い、入力画像濃度信号レベル129から255に対しては淡シアン及び濃シアンで記録するような変換を行う。なお、入力画像濃度信号レベル129から255のそれぞれの入力信号に対する淡シアンの出力濃度信号レベルと濃シアンの出力濃度信号レベルを加えた信号値は常に255となる。このため、この入力画像濃度信号レベルの領域では淡シアンの出力濃度信号レベルを反転させたものが濃シアンの信号となり、その逆に濃シアンの出力濃度信号レベルを反転させたものが淡シアンの信号となる。従って、この領域では淡シアンの入力濃度信号レベルに対するテーブル変換、もしくは濃インクの入力濃度信号レベルに対するテーブル変換のみを行うことにより、濃シアンに対する記録データと淡シアンに対する記録データとを生成することもできる。
以下、上述したような構成のインクジェット記録装置による記録に係る実施形態について説明する。
<第一実施形態>
以下に、本発明の主要部について、第一実施形態の記録動作について説明する。本実施形態の記録装置における図7に示される制御系のうちの要部について図9に示す。図9の制御手段200は、CPU1701、ROM1702、RAM1703などから構成され、外部から受信した記録データを駆動手段202に出力することにより記録が行われる。制御手段200には、駆動パルス変更手段207、計測手段204、変更判定手段205、記憶手段206が格納されている。記録ヘッド22には、その記録ヘッドごとの使用履歴(駆動履歴)を含むその記録ヘッド22についての情報の書き込みが可能なメモリ107が具えられている。制御手段200は、記録ヘッド22の装着時に、そのメモリ107に格納された記録ヘッド22ごとの記録ヘッドについての情報から、その記録ヘッド22の使用履歴を取得する。また制御手段200は、適宜、記憶手段206の情報をヘッド情報としてメモリ107へ記憶させる。これにより、記録ヘッド22が着脱された場合でも、それまでの記録ヘッド22におけるメモリ107の使用履歴を把握して、記録ヘッド22ごとに、その使用履歴に応じた適切な駆動パルスを設定することができる。
以下に、本発明の主要部について、第一実施形態の記録動作について説明する。本実施形態の記録装置における図7に示される制御系のうちの要部について図9に示す。図9の制御手段200は、CPU1701、ROM1702、RAM1703などから構成され、外部から受信した記録データを駆動手段202に出力することにより記録が行われる。制御手段200には、駆動パルス変更手段207、計測手段204、変更判定手段205、記憶手段206が格納されている。記録ヘッド22には、その記録ヘッドごとの使用履歴(駆動履歴)を含むその記録ヘッド22についての情報の書き込みが可能なメモリ107が具えられている。制御手段200は、記録ヘッド22の装着時に、そのメモリ107に格納された記録ヘッド22ごとの記録ヘッドについての情報から、その記録ヘッド22の使用履歴を取得する。また制御手段200は、適宜、記憶手段206の情報をヘッド情報としてメモリ107へ記憶させる。これにより、記録ヘッド22が着脱された場合でも、それまでの記録ヘッド22におけるメモリ107の使用履歴を把握して、記録ヘッド22ごとに、その使用履歴に応じた適切な駆動パルスを設定することができる。
記録の際には、記録ヘッドからインクが吐出されることによって、記録媒体上にインク滴を着弾させて記録を行う。このとき、記録ヘッドが主走査方向へ走査を行いながら記録を行うと共に、一スキャン分の記録が行われた後に主走査方向に直交する方向へ記録媒体が搬送されることで記録媒体に対して記録が行われる。
記録が行われると、制御手段200における計測手段204は、その使用履歴(駆動履歴)として発熱ヘッド25の駆動回数を計測する。計測された記録ヘッド22ごとの発熱ヘッド25の駆動回数は、記録ヘッド22のそれぞれについてのデータを格納することが可能なメモリ107内に記憶される。それから、計測結果は、制御手段200に受け渡され、記憶手段206に記憶される。また、記録ヘッド22ごとの発熱ヘッド25の駆動回数は、その後計測されるごとに更新される。記録開始時には、記憶手段206に記憶されている記録ヘッド22ごとの駆動回数を基に、判定手段205が記録ヘッド22ごとの駆動パルスの変更タイミングを判定する。そして、その変更タイミングに達した記録ヘッド22に関しては、駆動パルス変更手段207が駆動パルスを変更する。その駆動パルスの変更に際しては、計測手段204の計測結果と駆動条件テーブル(駆動パルステーブル)203のデータとに基づいて、記録ヘッド22ごとに最適な駆動パルスを選択する。駆動条件テーブル203には、計測手段204の計測結果としての駆動回数と、駆動パルス(駆動エネルギー)とが対応付けられており、前者の駆動回数に応じた駆動パルスを選択することができる。駆動手段202は、その選択された駆動パルスによって記録ヘッドごとの発熱ヘッド25を駆動する。このようにして、インクを吐出する際の基準となる駆動パルスについて記録ヘッドごとに設定される。
そして、駆動パルスの設定の際には、本実施形態では記録ヘッド22の発熱ヘッド25に印可する駆動パルス幅を固定(1.0μs:駆動電圧16.24Vにおいて最小吐出エネルギーとなる駆動パルスを設定)している。そして、本実施形態では後述するように、その駆動電圧を変化させることで吐出エネルギーを変化させている。このときの最小吐出エネルギーとなる時の駆動電圧を基準電圧とする。そして、このときに設定される際の吐出エネルギーを、基準吐出エネルギーとする。このように、予備吐出及び記録が行われる前に、予め基準吐出エネルギーが設定されている。
ところで、記録ヘッドにおいて記録を行わない状態がある程度続くと、記録ヘッド内部のインクの水分が蒸発して吐出口近傍のインクの色材密度が高くなる。従って、記録ヘッドにおける吐出口周辺のインクがこのような状態とならないように、記録が行われる前の段階あるいは記録が行われている途中の段階で、吐出口周辺におけるインクを外部に排出する予備吐出が行われる。予備吐出は、記録ヘッド22が、記録媒体以外の場所に記録に関与しないインク滴を吐出することで行われる。この予備吐出が行われる記録ヘッドの位置と記録媒体との位置関係について、図10に示す。
記録媒体の搬送される搬送方向と交差する方向であって記録ヘッドが走査する方向の所定方向における所定位置で予備吐出が行われる。本実施形態では、図10に示されるように、予備吐出は、ホームポジション側に設けられているインクの受容部62に対応する位置に記録ヘッド22が位置する状態で実行される。このように、記録ヘッド22は、図10における受容部62において記録に前もって予備吐出を行い、予備吐出を行った後に記録ヘッド22が主走査方向へ走査を行って記録媒体上に移動し、そこで記録が行われることになる。
そして、本実施形態では、予備吐出を行ってからの時間に応じて、記録が行われる際に記録ヘッドから液滴を吐出するために駆動する発熱ヘッド25に対する駆動パルスが変えられる。本実施形態では、制御手段200の駆動パルス変更手段207が、記録ヘッドから吐出される液滴を吐出するための吐出エネルギーを変更する吐出エネルギー変更機構として、駆動パルスを調節する。予め設定されている基準電圧に対する駆動電圧の変化量(比率)を、以後、K値とする。図10には、分割された記録媒体上の領域が示されている。この分割された領域に応じて記録ヘッド22からインクが吐出される際の駆動パルスが変化するものである。本実施形態では、記録媒体が複数の領域に分割されており、特に本実施形態では記録媒体が三つの領域に分けられている。領域Aは予備吐出が行われる受容部62に最も近い位置であり、領域Bはその次に受容部62に近い領域であり、領域Cは受容部62から最も遠い領域である。このように、本実施形態における記録ヘッドが走査する経路が、所定位置である受容部62に対応した位置からの距離に応じて三つの領域に分割されている。そして、分割された三つの領域には、所定位置である受容部62に対応した位置との間の距離に応じてそれぞれ係数としてのK値が設定されている。なお、本実施形態では、記録媒体は三つの領域に分けられていることとされているが、本発明はこれに限定されず、三つ以上に分割されても良いし、二つに分けられていても良い。
ここで、領域Aについては記録ヘッド22が予備吐出を行う受容部62に最も近い領域なので、記録ヘッド22が領域Aを通過する際には、予備吐出が行われてからの時間が短い。従って、記録ヘッド22がこの領域Aにある間は、インクを吐出するための吐出エネルギーが比較的小さくても吐出は良好に行われる。ここで、本実施形態においては、キャリッジの走査速度は等速に移動し、その速度は毎秒25インチである。そのため、領域Aを通過する時間は、予備吐出が行われてから1秒が経過するまでの間である。
続いて記録ヘッド22が領域Bを通過しているときは、予備吐出が行われてからの時間が領域Aを通過しているときよりも長くなるため、吐出が正常に行われない可能性がある。ここで、「可能性がある」としたのは、記録データによって、領域Aにおいて記録を行うためにインクを吐出した吐出口とインクを吐出していない吐出口とがあり、吐出口によって貯留されているインクの状態にばらつきがあることによる。領域Aで記録が頻繁に行われている吐出口では、新たなインクが充填され続けられているので、貯留されているインクの粘度が増加する程度が少ない。領域Aにおいて吐出口から十分にインクが吐出されている場合には領域Bにおいては吐出口の放置された時間が短いため、その吐出口ではインクの吐出は正常に行われる。これに対して、領域Aで記録が行われていない吐出口では、吐出口周辺が大気に晒されることでインク内に含まれている水分が蒸発し、インクの粘度が増加していく。従って、記録ヘッド22が領域Bを通過するときには、領域Aを通過するときよりもインクの吐出の際に大きな吐出エネルギーを必要とする可能性がある。
また、記録データによっては、記録ヘッド22が領域Cを通過するときには、さらに大きな吐出エネルギーを必要とする可能性がある。ここで、領域Bを通過している時間は、予備吐出を行ってから1秒から1.5秒までの間である。そして領域Cにおいては、さらに吐出口周辺のインクにおける増粘が進行する可能性がある。領域Cをキャリッジが通過する時間は、予備吐出を行ってから1.5秒から2秒の間である。
このように、予備吐出が行われてからの時間に応じて、インクの吐出の際に必要とされる吐出エネルギーが変化する。これに対応して、本実施形態では、領域Bおよび領域Cにおいて、吐出を行う吐出エネルギーを変化させる。図11に、領域と吐出エネルギーの変化量を示すK値との関係を示す。K値はノズルごとにばらつくため、ある程度の範囲をもって規定される。本実施形態では、領域Aにおいて、K値は標準設定の吐出エネルギーに対して1.1から1.2のK値に設定する。そして、領域B、領域Cにおいては、K値を徐々に増加させる。領域Bでは1.15から1.25、領域Cにおいては1.2から1.3に設定する。そして記録ヘッド22の位置している領域に設定されている係数としてのK値が、基準とされる基準吐出エネルギーに乗じられることで、吐出エネルギー変更機構としての駆動パルス変更手段207が領域に応じた吐出エネルギーに変更する。このように、吐出エネルギー変更機構としての駆動パルス変更手段207は、インク滴を吐出する際に発熱ヘッド25を駆動させるためのパルス信号における電圧を調節するパルス電圧調節機構として機能する。
本実施形態の記録装置によれば、予備吐出が行われるインクの受容部62に対応した位置から記録ヘッドの位置までの距離に応じて吐出エネルギーが設定される。本実施形態では、領域における予備吐出の際の位置から現在の記録ヘッドの位置までの距離に応じてインクの吐出の際のK値を高くする。これにより、予備吐出が行われた位置から離れた位置では、その距離に応じて高い吐出エネルギーによってインクを吐出することになる。従って、予備吐出から時間が経過することで吐出口周辺のインクが増粘したとしても、それに打ち勝つ吐出エネルギーによってインクを吐出することになる。これにより、インクの増粘による影響を受けずに吐出を行うことができ、インクの着弾精度が増粘によって低下せず、吐出されるインク滴を所定の位置に正確に着弾させることができる。従って、本実施形態による記録装置の記録によって得られる画像の品質が高く維持される。
なお、本実施形態では、記録ヘッド22は、走査の際には、主走査方向に対して等速で移動することとされている。従って、記録ヘッド22の予備吐出位置からの移動距離に応じて吐出エネルギーを変更することは、結果的に、予備吐出からの経過時間に応じて吐出エネルギーを変更することになる。このように、本実施形態の記録装置は、予備吐出が行われてからの経過時間に応じて吐出エネルギーを変更する記録装置とも言える。
図12は、本実施形態でのK値を変えたときの放置後の吐出安定性を評価したテーブルである。ここで示されている時間は、記録ヘッドが吐出をしない時間で、その直後に吐出されたインク滴の安定性についての評価が示されている。ここで、○、△、×の基準について説明する。×は、インクが吐出された結果、目視でインクの吐出における着弾精度の低下が確認でき、画質としては許容できないレベルのインク滴である。△は、目視でインクの吐出における着弾精度の低下が認識しづらいレベルで、画質としては許容できるレベルのインク滴である。○は、問題のないレベルのインク滴である。
図12に示されるように、K値を変えて吐出エネルギーを大きくしていくことでインク滴の吐出が良好に行われ記録によるインク滴の着弾精度が低下せずに高く維持される。本実施形態の場合、予備吐出が行われてからすぐの通常の記録の場合にはK値1.15の近辺が使用され、予備吐出を行ってからの時間が長い場合において大きい値のK値を設定する。予備吐出を行ってからの時間は、記録ヘッドが等速で走査を行っていることから、記録ヘッドの移動距離によって判断している。そして、例えば、領域BにおいてはK値を1.2付近に設定することにより予備吐出を行ってから1秒から1.5秒までの間での吐出性能が良好に維持され、インク滴の着弾精度が高く維持される。また領域Cにおいては、K値を1.25付近にすることにより、予備吐出からの経過時間1.5秒から2秒の間での吐出性能を良好に維持されインク滴の着弾精度を高く維持することが可能となる。
そして、このように記録媒体に対して記録ヘッドの走査における半往復分の記録が行われると、所定量記録媒体が搬送されて、その後さらに予備吐出が行われた受容部62へ戻る方向に移動しながら記録が行われる。
このとき、受容部62へ戻る方向に移動する前に、主走査方向における受容部62とは反対側の端部で予備吐出が行われることとしても良い。そして、主走査方向において、半往復分のスキャンが行われるごとに予備吐出が行われることとしても良い。このとき、記録ヘッド22が記録を行いながら受容部62へ戻る方向の走査が行われる際に、受容部62から離れる方向への走査の際と同様に、予備吐出が行われてからの距離に応じて吐出エネルギーを大きくすることとしても良い。
また、半往復分の記録が行われた後は、記録ヘッド22は、そこで予備吐出を行わずに受容部62へ戻る方向に走査しながら記録が行われ、再び受容部62に戻ったときにそこで予備吐出が行われることとしても良い。そして、記録ヘッド22が一往復の走査を行うごとに受容部62で予備吐出が行われることとしても良い。このとき、受容部62へ戻る方向への走査を行うときにも、吐出エネルギーを変換するK値を、受容部62へ戻る方向に行くにつれて大きくなるように設定しても良い。結果的に、往復する分を合わせて記録媒体が6つの領域に分割され、吐出エネルギーを変換するK値が6つの領域ごとに設定されることとされても良い。また、記録媒体が分割される領域の数は6つに限定されず、より細かく分割されても良いし、より大きく分割されても良い。
本実施形態における記録装置による駆動パルスの変更方法を、図13のフローチャートに基づいて説明する。
まず、制御手段200が記録データを受け取って、さらに記録開始指令を受信(ステップS100)する。ここで、記録が行われる前に、主走査方向における所定位置としての受容部62に対応した位置で予備吐出が行われる(予備吐出ステップ)。次に、判定手段205は、計測手段204において、予備吐出を行ってからの記録ヘッド22の移動距離を計測し、所定量を超えているか否かを判定する(ステップS101およびS102)。所定の移動距離を超えていなければ、通常のK値である中心K値1.15を用いて記録を行う。そして、閾値を超えた場合において予備吐出を行ってからの時間に応じてK値を設定する。
本実施形態においては、閾値Cは、予備吐出が行われる受容部62から領域Cと領域Bとの間の境界までの距離である。また、閾値Bは受容部62から領域Aと領域Bとの間の境界までの距離である。移動距離を検出した結果、記録ヘッド22の移動距離が閾値Cを越えていれば、中心K値が1.25で記録が行われ、閾値Bを越えていれば、中心K値が1.2で記録が行われる。以上のステップにおいて決まったK値を用いて所定量のラスターの記録を行う。本実施形態においては64ラスターの記録を行う。そして、この記録および判定を繰り返すことにより1ラインの記録を終了する(ステップS103)。このように、走査距離毎吐出エネルギー変更ステップで、予備吐出ステップで予備吐出が行われる所定位置としての受容部62から走査した距離に応じて、吐出エネルギー変更機構としての駆動パルス変更手段207が吐出エネルギーを変更する。この動作を繰り返すことにより、適正なK値での記録が可能となる。
<第二実施形態>
次に、図14を用いて、第二実施形態の記録装置について説明する。なお、上記第一実施形態と同様に構成できる部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。上記第一実施形態では、予備吐出が行われてからの経過時間は、記録ヘッドが等速で走査していることから、記録ヘッドの移動距離によって予備吐出が行われてからの経過時間が判断されている。これに対して第二実施形態では、記録装置が経過時間を計測可能なタイマーを具えており、予備吐出が行われてからの経過時間をタイマーによって計測することとする。このタイマーは、予備吐出からの経過時間を検出する経過時間検出機構として機能する。
次に、図14を用いて、第二実施形態の記録装置について説明する。なお、上記第一実施形態と同様に構成できる部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。上記第一実施形態では、予備吐出が行われてからの経過時間は、記録ヘッドが等速で走査していることから、記録ヘッドの移動距離によって予備吐出が行われてからの経過時間が判断されている。これに対して第二実施形態では、記録装置が経過時間を計測可能なタイマーを具えており、予備吐出が行われてからの経過時間をタイマーによって計測することとする。このタイマーは、予備吐出からの経過時間を検出する経過時間検出機構として機能する。
第二実施形態の記録装置におけるタイマーによる駆動パルスの変更方法を、図14のフローチャートに基づいて説明する。
まず、制御手段200が記録データを受け取って、さらに記録開始指令を受信(ステップS100’)する。ここで、記録が行われる前に予備吐出が行われ、タイマーが一旦リセットされる。次に、判定手段205は、予備吐出からの経過時間を検出する経過時間検出ステップとして、計測手段204において、予備吐出を行ってからの時間をタイマーによって計測する。そして、計測した経過時間が所定量を超えているか否かを判定する(ステップS101’およびS102’)。所定時間を超えていなければ、通常のK値である中心K値1.15を用いて記録を行う。そして、閾値を超えた場合において予備吐出を行ってからの時間に応じてK値を設定する。このように、S101’、 S102’としての時間毎吐出エネルギー変更ステップにおいて、経過時間検出機構としての計測手段204のタイマーによって検出された予備吐出からの経過時間に応じて、吐出エネルギーを変更する。
本実施例において閾値Aは1.5秒、閾値Bは1.0秒である。タイマーが1.5秒を経過していれば、中心K値が1.25で記録が行われ、1.0秒を経過していれば、中心K値が1.2で記録が行われる。また、予備吐出を行ってからの経過時間が1.0秒未満においては、中心K値が1.15でありK値が1.1から1.2の間で記録が行われる。以上のステップにおいて決まったK値を用いて所定量のラスターの記録を行う。本実施形態においては64ラスターの記録を行う。そして、この記録および判定を繰り返すことにより1ラインの記録を終了する(ステップS103’)。
上述の図12に示されるように、予備吐出が行われてからの経過時間が1.0秒未満であれば、吐出性能は△レベル以上を実現することが可能となる。続いて、経過時間が1.0秒以上、1.5秒未満の場合には、中心K値を1.2にして、K値範囲を1.15から1.25に設定されれば良好な吐出が行われることが示されている。また、図12に示されるように、予備吐出後の経過時間が1.5秒未満の場合は、K値範囲1.15から1.25であれば、吐出性能は△レベル以上を実現することが可能である。
以上のような方法をとることにより、比較的簡易な方法を用いて、吐出性能を良好に保つことが可能となる。従って、簡易な方法によってインク滴の着弾精度を高く維持することができ、記録によって得られる画像の品質を高く維持することができる。
<第三実施形態>
次に、図15、16を用いて、第三実施形態の記録装置について説明する。なお、上記第一実施形態と同様に構成できる部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
次に、図15、16を用いて、第三実施形態の記録装置について説明する。なお、上記第一実施形態と同様に構成できる部分については図中同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態においては、予備吐出からの経過時間によって吐出エネルギーを変更し、記録ヘッドの周りの湿度を計測し、その値によってK値をさらに変化させる方法に関するものである。図15は、環境湿度と、放置時間、およびK値によってどのように吐出性能が変化するかを示した表である。図15のテーブルに示されるように、環境湿度の変化によって増粘の程度が変化し、これによって吐出性能が変化する。特に低湿度環境においては、吐出されずに時間が経過することによる吐出性能の低下が大きくなってしまう。ここで、図15における○、△、×の評価基準については、第一、第二実施形態における図14についての評価基準と同様である。
図16は、本実施形態におけるK値の設定範囲について示したものである。図16に示されるように、低湿度の環境においては、記録ヘッドにおける吐出口周辺のインクの水分が蒸発して増粘している可能性が高いことから、吐出性能が低下しやすいのでK値を高めに設定している。このような方法により、環境湿度にあった最適な制御を行うことができ、記録によって得られる画像の品質を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態においては、予備吐出が行われてからの時間に加え、環境湿度を組み合わせて制御を行うこととした。しかしながら、記録の際のインク滴は、記録ヘッドそのものの温度や、環境の温度によってもその乾燥条件が変化していく。従って、これらの条件を付加して吐出エネルギーを変更する閾値を決定しても良い。
このように、吐出エネルギー変更機構としての駆動パルス変更手段207は、予備吐出を行ってからの時間に応じて吐出エネルギーを変更する。その際に、温度情報または湿度情報の少なくともどちらか一方の情報を検出し、その値によって吐出エネルギーをさらに変更することとしても良い。
なお、上記第一ないし第三実施形態においては、駆動パルスを固定して駆動電圧を調整して吐出エネルギーを変更することとしているが、これに限られるものではなく、駆動電圧を固定して駆動パルスの幅を変化させても良い。このように、吐出エネルギー変更機構は、インク滴を吐出する際に吐出エネルギー発生素子を駆動させるためのパルス信号におけるパルス幅を調節するパルス幅調節機構であっても良い。
22 記録ヘッド
62 受容部
204 計測手段
207 駆動パルス変更手段
62 受容部
204 計測手段
207 駆動パルス変更手段
Claims (8)
- 記録ヘッドから記録媒体へ液滴を吐出させて記録を行い、
前記記録ヘッドから記録に関与しない液滴を吐出する予備吐出を行うことが可能な記録装置において、
予備吐出からの経過時間を検出する経過時間検出機構と、
前記記録ヘッドから液滴を吐出するための吐出エネルギーを変更する吐出エネルギー変更機構とを有し、
前記吐出エネルギー変更機構は、前記経過時間検出機構によって検出された予備吐出からの経過時間に応じて前記吐出エネルギーを変更することを特徴とする記録装置。 - 記録ヘッドから記録媒体へ液滴を吐出させて記録を行い、
前記記録ヘッドから記録に関与しない液滴を吐出する予備吐出を行うことが可能な記録装置において、
前記記録ヘッドは、前記記録媒体が搬送される搬送方向と交差する所定方向に走査しながら記録を行うと共に、前記所定方向における所定位置で予備吐出を行い、
前記記録ヘッドから液滴を吐出するための吐出エネルギーを変更する吐出エネルギー変更機構とを有し、
前記吐出エネルギー変更機構は、前記記録ヘッドが予備吐出を行う前記所定位置から走査した距離に応じて前記吐出エネルギーを変更することを特徴とする記録装置。 - 前記記録ヘッドが走査する経路が、前記所定位置からの距離に応じて複数の領域に分割され、
前記複数の領域には、前記所定位置との間の距離に応じてそれぞれ係数が設定され、
前記記録ヘッドの位置している前記領域に設定されている前記係数が、予め設定されている基準吐出エネルギーに乗じられることで、前記吐出エネルギー変更機構が前記領域に応じた前記吐出エネルギーに変更することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。 - 前記吐出エネルギー変更機構は、液滴を吐出する際に吐出エネルギー発生素子を駆動させるためのパルス信号におけるパルス幅を調節するパルス幅調節機構であることを特徴とする請求項1から3に記載の記録装置。
- 前記吐出エネルギー変更機構は、液滴を吐出する際に吐出エネルギー発生素子を駆動させるためのパルス信号における電圧を調節するパルス電圧調節機構であることを特徴とする請求項1から4に記載の記録装置。
- 前記吐出エネルギー変更機構は、予備吐出を行ってからの時間に応じて前記吐出エネルギーを変更し、かつ、温度情報または湿度情報の少なくともどちらか一方の情報により前記吐出エネルギーをさらに変更することを特徴とする請求項1から5に記載の記録装置。
- 記録ヘッドから記録媒体へ液滴を吐出させて記録を行い、
前記記録ヘッドから記録に関与しない液滴を吐出する予備吐出を行うことが可能な記録装置によって記録を行う記録方法において、
予備吐出からの経過時間を検出する経過時間検出ステップと、
前記経過時間検出ステップで検出された予備吐出からの経過時間に応じて前記記録ヘッドから吐出される液滴を吐出するための吐出エネルギーを変更する時間毎吐出エネルギー変更ステップとを有することを特徴とする記録方法。 - 記録ヘッドから記録媒体へ液滴を吐出させて記録を行い、
前記記録ヘッドから記録に関与しない液滴を吐出する予備吐出を行うことが可能な記録装置によって記録を行う記録方法において、
前記記録ヘッドが、記録媒体が搬送される搬送方向と交差する所定方向における所定位置で予備吐出を行う予備吐出ステップと、
前記予備吐出ステップで予備吐出が行われる所定位置から走査した距離に応じて液滴を吐出するための吐出エネルギーを変更する走査距離毎吐出エネルギー変更ステップとを有することを特徴とする記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008114383A JP2009262404A (ja) | 2008-04-24 | 2008-04-24 | 記録装置及び記録方法 |
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JP2008114383A JP2009262404A (ja) | 2008-04-24 | 2008-04-24 | 記録装置及び記録方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013169648A (ja) * | 2012-02-17 | 2013-09-02 | Brother Industries Ltd | 液体吐出装置 |
-
2008
- 2008-04-24 JP JP2008114383A patent/JP2009262404A/ja active Pending
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