JP2009261069A - 振動アクチュエータ及びその制御方法ならびにロボットハンド - Google Patents

振動アクチュエータ及びその制御方法ならびにロボットハンド Download PDF

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剛史 小寺
Masaki Takasan
正己 高三
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Abstract

【課題】多自由度の振動アクチュエータにおいて、可動子の蛇行を抑制するように駆動条件を設定することができる振動アクチュエータ及びその制御方法ならびにロボットハンドを提供する。
【解決手段】振動アクチュエータは、所定の試験時間中に、駆動用の交流電圧である第1駆動電圧Vd1、第2駆動電圧Vd2、および第3駆動電圧Vd3の周波数を変化させつつ、回転子6の意図した方向への移動量に関連する移動表示値と、意図しない方向への蛇行量に関連する蛇行表示値とを測定する。X軸周りの回転の場合、移動表示値は、第1電流測定値Im1および第2電流測定値Im2であり、蛇行表示値は第3電圧測定値Vm3である。そして、測定された移動表示値および蛇行表示値に基づいて交流電圧の運転用の周波数を決定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、振動アクチュエータに係り、特に振動子に超音波の振動を発生させて回転子を回転させる振動アクチュエータおよびその制御方法ならびにロボットハンドに関する。
近年、超音波振動を利用して可動子を運動させる振動アクチュエータが提案され、実用化されている。この振動アクチュエータは、圧電素子に交流電圧を印加して固定子の表面に楕円運動または進行波を発生させ、固定子に可動子を加圧接触させることによりこれら両者間の摩擦力を介して可動子を運動させるものである。このような構成の振動アクチュエータの例は、特許文献1に示される。特許文献1の振動アクチュエータは、可動子として球形の回転子を用い、固定子がこの回転子を回転運動させるよう構成されている。
また、このような振動アクチュエータは、たとえばロボットハンドにおいて指部を駆動するために用いられる。
このような振動アクチュエータは、同じ構成を有するものであってもその動作特性には個体差があり、可動子の運動にずれが発生する場合がある。この個体差の影響を抑えるために、個体の特性に応じて駆動条件を変更し、より良い駆動条件で振動アクチュエータを作動させようとする技術が知られている。
このような技術の例は、特許文献2に示される。特許文献2の振動アクチュエータは、電源投入時に周波数掃引を行って各周波数に対する消費電流を検出し、振動体の駆動特性を得る。そして、得られた駆動特性に応じて駆動条件を設定し、駆動効率を向上させようとするものである。
特開2004−312809号公報 特開2006−304490号公報
しかしながら、従来の振動アクチュエータでは、可動子の駆動効率を向上させるように駆動条件を設定するものはあっても、可動子の蛇行を抑制するように駆動条件を設定するものは存在しなかった。このため、可動子の蛇行を抑制することが困難であるという問題があった。
ここで、可動子の蛇行とは、本来意図しない方向への可動子の運動のことである。このような可動子の蛇行は、とくに複数の方向に可動子を運動させる多自由度アクチュエータにおいて問題となる。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたものであり、可動子の蛇行を抑制するように駆動条件を設定することができる振動アクチュエータ及びその制御方法ならびにロボットハンドを提供することを目的とする。
この発明に係る振動アクチュエータは、可動子を固定子に対し加圧した状態で固定子に振動を発生させ、可動子の運動を制御する振動アクチュエータであって、少なくとも2つの運動方向に可動子を運動可能で運動方向に応じた振動を固定子に発生させる振動手段と、振動手段に交流電圧を印加して駆動する駆動手段と、交流電圧のパラメータを制御する制御手段とを備え、制御手段は、所定の試験時間中に、交流電圧のパラメータを変化させつつ、運動方向の一方向における可動子の移動量に関連する移動表示値と、運動方向の他方向における可動子の移動量に関連する蛇行表示値とを取得し、試験時間中または試験時間後に、取得した移動表示値および蛇行表示値に基づいて、交流電圧の運転用のパラメータを決定し、運転用のパラメータに基づいて交流電圧を制御する。
ここで、交流電圧のパラメータとは、交流電圧の態様を表す数値を意味する。交流電圧のパラメータは、交流電圧の電圧値、交流電圧の位相差、交流電圧の周波数を含む。
また、運転用のパラメータとは、振動アクチュエータが実際の作業を行う際に用いる交流電圧のパラメータを意味する。すなわち、振動アクチュエータは、試験時間中には移動表示値および蛇行表示値を取得するためにパラメータを変化させるが、運転用のパラメータを決定した後、次の試験時間が開始されるまでは、決定された運転用のパラメータのみを用いて可動子の運動を制御する。
この振動アクチュエータは、駆動電圧のパラメータを変化させつつ、意図した方向への可動子の移動量と、意図しない方向への可動子の蛇行量とを取得する。そして、取得された移動量および蛇行量に基づいて、運転用として望ましい駆動電圧のパラメータを決定する。
交流電圧の運転用のパラメータは、移動表示値が所定の値以上となる条件のもとで、蛇行表示値が最小となるパラメータであってもよい。このようにすると、可動子に十分な移動量を与えつつ、蛇行量を最小限に抑えることができる。
可動子は球形の回転子であり、可動子の運動は回転運動であってもよい。
振動手段は少なくとも3つの振動素子部を含み、駆動手段は、振動素子部のうち少なくとも2つを組として駆動することによって、組に応じた運動方向に可動子を運動させ、制御手段は、組のうち少なくとも1つの組について運転用のパラメータを決定してもよい。
制御手段は、試験時間中において、交流電圧を可動子が運動しない大きさの電圧としてもよい。このようにすると、使用者が意図しない動作をすることがない。
振動素子部は圧電素子部を含み、振動アクチュエータは、圧電素子部に流れる電流を測定する電流測定手段と、圧電素子部に発生する電圧を測定する電圧測定手段とを含み、移動表示値は、駆動されている振動素子部に流れる電流の値であり、蛇行表示値は、駆動されていない振動素子部に発生する電圧の値であってもよい。
振動アクチュエータは、可動子の位置を検出する位置検出手段を含み、制御手段は、位置検出手段から位置を取得するとともに、取得した位置に基づいて可動子の移動量を算出し、移動表示値は、運動方向の一方向における可動子の移動量であり、蛇行表示値は、運動方向の他方向における可動子の移動量であってもよい。
交流電圧のパラメータは交流電圧の電圧値を含んでもよい。このようにすると、運転用として望ましい駆動電圧の電圧値を決定することができる。
交流電圧のパラメータは、異なる振動素子部に印加される交流電圧の位相差を含んでもよい。このようにすると、運転用として望ましい駆動電圧の位相差を決定することができる。
制御手段は、試験時間中において交流電圧の位相差を変化させる範囲を、最後に決定された運転用の位相差を基準として、その前後各10度の範囲としてもよい。
交流電圧のパラメータは交流電圧の周波数を含んでもよい。このようにすると、運転用として望ましい駆動電圧の周波数を決定することができる。
制御手段は、試験時間中において交流電圧の周波数を変化させる範囲を、最後に決定された運転用の周波数を基準として、その前後各5kHzの範囲としてもよい。
試験時間は、電源投入直後に開始されるか、または、最後の試験時間終了からの周囲温度の変化が、所定の温度変化基準値を超えた場合に開始されるか、または、定期的に開始されてもよい。
また、この発明に係るロボットハンドは、上述の振動アクチュエータのいずれかによって駆動される複数の指部を有することを特徴とする。
また、この発明に係る振動アクチュエータの制御方法は、可動子を固定子に対し加圧した状態で固定子に振動を発生させ、可動子の運動を制御する振動アクチュエータの制御方法であって、所定の試験時間中に、固定子に振動を発生させる振動手段に印加する交流電圧のパラメータを変化させつつ、運動方向の一方向における可動子の移動量に関連する移動表示値と、運動方向の他方向における可動子の移動量に関連する蛇行表示値とを取得し、取得した移動表示値および蛇行表示値に基づいて、交流電圧の運転用のパラメータを決定し、運転用のパラメータに基づいて交流電圧を制御する。
この振動アクチュエータの制御方法は、駆動電圧のパラメータを変化させつつ、意図した方向への可動子の移動量と、意図しない方向への可動子の蛇行量とを取得する。そして、取得された移動量および蛇行量に基づいて、運転用として望ましい駆動電圧のパラメータを決定する。
この発明によれば、振動アクチュエータは、所定の試験時間を設け、この試験時間中に、駆動用の交流電圧のパラメータを変化させつつ、可動子の意図した方向への移動量に関連する移動表示値と、意図しない方向への蛇行量に関連する蛇行表示値とを取得する。そして、取得された移動表示値および蛇行表示値に基づいて交流電圧の運転用のパラメータを決定するので、可動子の蛇行を抑制するように駆動条件を設定することができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る振動アクチュエータを示す。基部ブロック1と固定子2との間に、振動手段としての振動体3が挟持されており、これらによりほぼ円柱状の外形を有する振動子4が形成されている。固定子2には、振動体3に接する面とは反対側に凹部5が形成されており、この凹部5内に略球体状の回転子6のほぼ下半部が収容されている。この回転子6が、実施の形態1における可動子である。
固定子2の上部には、支持部材7が配置されている。この支持部材7は、固定子2の上面の上に固定される環状部8と、環状部8から上方に延びる逆L字形のアングル部9を有し、アングル部9の先端に予圧部10が支持されている。
ここで、説明の便宜上、基部ブロック1から固定子2に向かう振動子4の中心軸をZ軸と規定し、Z軸に対して垂直方向にX軸が、Z軸及びX軸に対して垂直にY軸がそれぞれ延びているものとする。
予圧部10は、回転子6の+Z軸方向の最高点である頂点付近に接触している。支持部材7のアングル部9は弾性を有し、これにより予圧部10が回転子6に加圧され、回転子6に−Z軸方向の予圧を付与している。
図2に示されるように、予圧部10は、凹状円錐面形状の予圧面11を有しており、この予圧面11が回転子6の頂点付近に接触している。
また、基部ブロック1と固定子2とが振動体3内に通された連結ボルト12を介して互いに連結されている。
固定子2の凹部5は、回転子6の直径より小さな内径を有する小径部13と、回転子6の直径より大きな内径を有する大径部14とからなり、これら小径部13及び大径部14との境界部にXY平面上に位置する環状の段差15が形成されている。回転子6はこの凹部5内の段差15に当接した状態で回転可能に支持されている。
なお、基部ブロック1および固定子2はそれぞれ例えばジェラルミンから形成され、回転子6としては鋼球が用いられる。
振動体3は、固定子2に超音波の振動を発生させて回転子6をX、Y、Zの3軸の周りにそれぞれ回転させるためのものであり、それぞれXY平面上に位置し且つ互いに重ね合わされた平板状の第1〜第3の圧電素子部31〜33を有している。これら第1〜第3の圧電素子部31〜33がそれぞれ制御装置16に電気的に接続されている。
具体的には、図3に示されるように、第1の圧電素子部31は、それぞれ円板形状を有する電極板31a、圧電素子板31b、電極板31c、圧電素子板31d及び電極板31eが順次重ね合わされた構造を有している。同様に、第2の圧電素子部32は、それぞれ円板形状を有する電極板32a、圧電素子板32b、電極板32c、圧電素子板32d及び電極板32eが順次重ね合わされた構造を有し、第3の圧電素子部33は、それぞれ円板形状を有する電極板33a、圧電素子板33b、電極板33c、圧電素子板33d及び電極板33eが順次重ね合わされた構造を有している。これらの圧電素子部31〜33が絶縁シート34〜37を介して固定子2及び基部ブロック1から、また互いに絶縁された状態で配置されている。
図4に示されるように、第1の圧電素子部31の一対の圧電素子板31b及び31dは、Y軸方向に2分割された部分が互いに逆極性を有してそれぞれZ軸方向(厚み方向)に膨張と収縮の反対の変形挙動を行うように分極されており、圧電素子板31bと圧電素子板31dは互いに裏返しに配置されている。
第2の圧電素子部32の一対の圧電素子板32b及び32dは、2分割されることなく全体がZ軸方向(厚み方向)に膨張あるいは収縮の変形挙動を行うように分極されており、圧電素子板32bと圧電素子板32dは互いに裏返しに配置されている。
第3の圧電素子部33の一対の圧電素子板33b及び33dは、X軸方向に2分割された部分が互いに逆極性を有してそれぞれZ軸方向(厚み方向)に膨張と収縮の反対の変形挙動を行うように分極されており、圧電素子板33bと圧電素子板33dは互いに裏返しに配置されている。
第1の圧電素子部31の両面部分に配置されている電極板31a及び電極板31eと、第2の圧電素子部32の両面部分に配置されている電極板32a及び電極板32eと、第3の圧電素子部33の両面部分に配置されている電極板33a及び電極板33eがそれぞれ電気的に接地されている。また、第1の圧電素子部31の一対の圧電素子板31b及び31dの間に配置されている電極板31cと、第2の圧電素子部32の一対の圧電素子板32b及び32dの間に配置されている電極板32cと、第3の圧電素子部33の一対の圧電素子板33b及び33dの間に配置されている電極板33cがそれぞれ制御装置16に電気的に接続されている。
図5に、実施の形態1に係る制御装置16の構成を示す。制御装置16は、第1駆動部161と、第2駆動部162と、第3駆動部163とを備える。第1駆動部161は、第1の圧電素子部31に、第1駆動電圧Vd1として交流電圧を印加し、これを駆動する。第2駆動部162は、第2の圧電素子部32に、第2駆動電圧Vd2として交流電圧を印加し、これを駆動する。第3駆動部163は、第3の圧電素子部33に、第3駆動電圧Vd3として交流電圧を印加し、これを駆動する。
図示しないが、第1駆動部161、第2駆動部162および第3駆動部163は、それぞれ電源としてハーフブリッジ回路を含む。
この第1駆動部161、第2駆動部162、および第3駆動部163が、本実施の形態における駆動手段を構成する。
また、制御装置16は、第1駆動部161、第2駆動部162、および第3駆動部163を制御する、制御手段としての制御部160を備える。制御部160は、第1駆動部161、第2駆動部162、および第3駆動部163に指示を与えることによって、第1駆動電圧Vd1、第2駆動電圧Vd2、および第3駆動電圧Vd3のパラメータを制御する。ここで、駆動電圧のパラメータとは、駆動電圧の周波数および電圧値を含む。また、この駆動電圧のパラメータは、異なる圧電素子部に印加される駆動電圧の位相差を含む。すなわち、たとえば第1駆動部161が発生する駆動電圧と、第2駆動部162が発生する駆動電圧との間の位相差である。
図示しないが、制御部160は、第1駆動部161、第2駆動部162および第3駆動部163が出力する矩形波の制御を行う矩形波位相差可変出力回路と、この矩形波位相差可変出力回路の制御内容を外部からの入力に基づいて計算する演算回路とを備える。
また、制御装置16は、第1測定部164と、第2測定部165と、第3測定部166とを備え、制御部160はこれらから出力される信号を受信する。第1測定部164は、第1の圧電素子部31に流れる電流の値である第1電流測定値Im1と、第1の圧電素子部31に発生する電圧の値である第1電圧測定値Vm1とを測定する。第2測定部165は、第2の圧電素子部32に流れる電流の値である第2電流測定値Im2と、第2の圧電素子部32に発生する電圧の値である第2電圧測定値Vm2とを測定する。第3測定部166は、第3の圧電素子部33に流れる電流の値である第3電流測定値Im3と、第3の圧電素子部33に発生する電圧の値である第3電圧測定値Vm3とを測定する。
この第1測定部164、第2測定部165、および第3測定部166が、本実施の形態における測定手段を構成する。
次に、この実施の形態1に係る振動アクチュエータの動作について説明する。
制御装置16の第1駆動部161が、振動体3に対して、第1の圧電素子部31の電極板31cに振動アクチュエータの固有振動数に近い周波数の交流電圧を印加すると、第1の圧電素子部31の一対の圧電素子板31b及び31dの2分割された部分がZ軸方向に膨張と収縮を交互に繰り返し、固定子2にY軸方向のたわみ振動を発生する。同様に、制御装置16の第2駆動部162が、第2の圧電素子部32の電極板32cに交流電圧を印加すると、第2の圧電素子部32の一対の圧電素子板32b及び32dがZ軸方向に膨張と収縮を繰り返し、固定子2にZ軸方向の縦振動を発生する。さらに、制御装置16の第3駆動部163が、第3の圧電素子部33の電極板33cに交流電圧を印加すると、第3の圧電素子部33の一対の圧電素子板33b及び33dの2分割された部分がZ軸方向に膨張と収縮を交互に繰り返し、固定子2にX軸方向のたわみ振動を発生する。
そこで、例えば、制御部160の制御に従って、第2駆動部162および第3駆動部163がそれぞれ、第2の圧電素子部32の電極板32cと第3の圧電素子部33の電極板33cとの双方に位相を90度シフトさせた交流電圧を印加すると、X軸方向のたわみ振動とZ軸方向の縦振動とが組み合わされて回転子6と接触する固定子2の段差15にXZ面内の楕円振動が発生する。この楕円振動によって、摩擦力を介して回転子6をY軸周りに回転させるトルクが発生し、回転子6が回転する。
同様に、制御部160の制御に従って、第1駆動部161および第2駆動部162がそれぞれ、第1の圧電素子部31の電極板31cと第2の圧電素子部32の電極板32cとの双方に位相を90度シフトさせた交流電圧を印加すると、Y軸方向のたわみ振動とZ軸方向の縦振動とが組み合わされて回転子6と接触する固定子2の段差15にYZ面内の楕円振動が発生する。この楕円振動によって、摩擦力を介して回転子6をX軸周りに回転させるトルクが発生し、回転子6が回転する。
さらに、制御部160の制御に従って、第1駆動部161および第3駆動部163がそれぞれ、第1の圧電素子部31の電極板31cと第3の圧電素子部33の電極板33cとの双方に位相を90度シフトさせた交流電圧を印加すると、X軸方向のたわみ振動とY軸方向のたわみ振動とが組み合わされて回転子6と接触する固定子2の段差15にXY面内の楕円振動が発生する。この楕円振動によって、摩擦力を介して回転子6をZ軸周りに回転させるトルクが発生し、回転子6が回転する。
このようにして、振動体3の第1の圧電素子部31、第2の圧電素子部32、および第3の圧電素子部33のうち2つを組として駆動することによって、その組に応じた運動方向、すなわちX、Y、Zの3軸の周りにそれぞれ回転子6を回転する。
この振動アクチュエータは、作業を行うための運転を開始する前に、駆動条件の設定を行うための期間、すなわち試験時間を設ける。この試験時間は、たとえば電源投入直後に開始される。
この試験時間中、制御部160は、第1駆動部161、第2駆動部162、および第3駆動部163を制御して、第1駆動電圧Vd1、第2駆動電圧Vd2、および第3駆動電圧Vd3のパラメータを時間とともに変化させつつ、第1測定部164、第2測定部165、および第3測定部166から、第1電流測定値Im1、第1電圧測定値Vm1、第2電流測定値Im2、第2電圧測定値Vm2、第3電流測定値Im3、および第3電圧測定値Vm3を取得する。なお、駆動電圧のパラメータとして、実施の形態1では駆動電圧の周波数を例にとって説明する。
以下、試験時間における制御を具体的に説明する。
試験時間において、まず制御部160は、X軸周りの回転に対する測定を行う。
図6は、X軸周りの回転に対する測定における振動アクチュエータの動作を表す。この測定では、X軸周りの回転に関連する駆動部、すなわち第1駆動部161および第2駆動部162が、それぞれ第1駆動電圧Vd1および第2駆動電圧Vd2を印加して、第1の圧電素子部31および第2の圧電素子部32を駆動する。ただし、第3駆動部163は電圧を発生せず、第3の圧電素子部33を駆動しない。
また、この際、第1駆動電圧Vd1および第2駆動電圧Vd2は、回転子6が回転しない大きさの電圧とする。すなわち、固定子2が振動することで回転子6に及ぼす力が、予圧部10が回転子6に対して加圧する力よりも常に小さくなるような電圧である。
このX軸周りの回転に対する測定では、制御部160は、駆動されている圧電素子部、すなわち第1の圧電素子部31および第2の圧電素子部32に流れる電流値として、第1電流測定値Im1および第2電流測定値Im2を取得する。ここで、第1電流測定値Im1は第1の圧電素子部31の振動の振幅に対応する値であり、第2電流測定値Im2は第2の圧電素子部32の振動の振幅に対応する値であるので、これらは回転子6の意図した方向への移動、すなわちX軸周りの回転移動量を示す移動表示値となる。
また、第1の圧電素子部31および第2の圧電素子部32が駆動されて振動することによって、第3の圧電素子部33も受動的に振動するので、この振動に対応する電圧が第3の圧電素子部33に発生する。この振動は回転子6のX軸周りの回転には関与せず、Y軸周りまたはZ軸周りの回転を起こすものなので、回転子6を蛇行させる原因となる。
このようにして、駆動されていない圧電素子部、すなわち第3の圧電素子部33に発生する電圧値として、制御部160は第3電圧測定値Vm3を取得する。上述のように第3電圧測定値Vm3は第3の圧電素子部33の振動の振幅に対応する値であり、回転子6のX軸周りとは異なる方向、すなわち意図しない方向への回転移動量を示す蛇行表示値となる。
X軸周りの回転に対する測定において、制御部160は、第1駆動電圧Vd1および第2駆動電圧Vd2のパラメータを変化させつつ上述の測定を行う。変化させるパラメータがたとえば周波数である場合には、まず第1駆動電圧Vd1および第2駆動電圧Vd2の周波数をいずれも20kHzとして測定を行い、次にいずれも21kHzとして測定を行い、以下同様にして、1kHzおきに100kHzまで測定を行う。この際、一回の測定にかける時間は、所望の試験時間の長さに応じて決定されればよいが、たとえば全測定が10秒間で終了するように決定される。
以上の説明はX軸周りの回転に対する測定についてのものであるが、これと同様にしてY軸周りの回転およびZ軸周りの回転に対しても測定が行われる。
すなわち、Y軸周りの回転に対する測定では、駆動される第2の圧電素子部32および第3の圧電素子部33圧電素子部に流れる電流値として、第2電流測定値Im2および第3電流測定値Im3を取得し、これが回転子6のY軸周りの回転移動量を示す移動表示値となる。また、駆動されない第1の圧電素子部31に発生する電圧値として、第1電圧測定値Vm1を取得し、これが回転子6のY軸周りとは異なる方向の回転移動量を示す蛇行表示値となる。
さらに、Z軸周りの回転に対する測定では、駆動される第1の圧電素子部31および第3の圧電素子部33圧電素子部に流れる電流値として、第1電流測定値Im1および第3電流測定値Im3を取得し、これが回転子6のZ軸周りの回転移動量を示す移動表示値となる。また、駆動されない第2の圧電素子部32に発生する電圧値として、第2電圧測定値Vm2を取得し、これが回転子6のZ軸周りとは異なる方向の回転移動量を示す蛇行表示値となる。
このようにして制御部160は、回転子6のすべての回転軸、すなわち移動方向について測定を行う。その後、取得した移動表示値および蛇行表示値に基づいて、第1駆動電圧Vd1、第2駆動電圧Vd2、および第3駆動電圧Vd3の運転用のパラメータ、すなわち運転用の周波数を決定する。
図7は、X軸周りの回転における運転用の周波数を決定する方法を説明するグラフである。横軸は、X軸周りの回転に対する駆動電圧、すなわち第1駆動電圧Vd1および第2駆動電圧Vd2の周波数を表す。縦軸は、移動表示値の一つである第1電流測定値Im1および蛇行表示値である第3電圧測定値Vm3の値を表す。
制御部160は、第1電流測定値Im1が所定の値以上となる条件のもとで、第3電圧測定値Vm3が最小となる周波数を求める。図7の例において、第1電流測定値Im1が電流閾値Ith以上となる領域は、第1駆動電圧Vd1および第2駆動電圧Vd2の周波数がf1以上f2以下となる領域である。この領域中で第3電圧測定値Vm3が最小値Vminとなるのは周波数f1であるので、制御部160はこの周波数を運転用の周波数fd1として決定する。
第1駆動電圧Vd1および第2駆動電圧Vd2の周波数を運転用の周波数fd1とすると、移動表示値である第1電流測定値Im1が所定の電流閾値Ith以上であるので、第1の圧電素子部31は十分大きな振幅をもって振動し、回転子6に十分な回転移動量を与えることができる。同時に、蛇行表示値である第3電圧測定値Vm3がその範囲で最小値となるので、第3の圧電素子部33の振幅は最小となり、回転子6の移動量に対する蛇行量を最小限に抑えることができる。このように、実施の形態1によれば、運転用の駆動電圧として望ましいパラメータを決定するので、回転子6の蛇行を抑制するように駆動条件を設定することができる。
なお、図7の例では移動表示値として第1電流測定値Im1が用いられるが、これは第2電流測定値Im2であってもよく、これらの和または平均であってもよく、これらに基づいて決定される関数であってもよい。
このようにして、制御部160はX軸周りの回転に対して、すなわち第1の圧電素子部31および第2の圧電素子部32の組について、運転用の周波数を決定する。同様にして、Y軸周りの回転に対しては第2の圧電素子部32および第3の圧電素子部33の組について運転用の周波数を決定し、Z軸周りの回転に対しては第1の圧電素子部31および第3の圧電素子部33の組について運転用の周波数を決定する。
こうして回転子6のすべての回転軸、すなわち移動方向について運転用の周波数を決定した後、振動アクチュエータの試験時間が終了する。試験時間の終了後、制御部160は通常の運転動作として、外部からの指示またはあらかじめ設定されたパターンに応じて回転子6を回転させる。この際、上述の試験時間において決定された運転用の周波数の駆動電圧を用いてそれぞれの圧電素子部を駆動し、これによって回転子6の蛇行を抑制する。
なお、実施の形態1では、回転子6が回転しない大きさの電圧を用いて、すなわち振動アクチュエータが非駆動の状態で測定を行う。このため、試験時間中であっても使用者が意図しない動作をすることがない。また、非駆動なので、振動アクチュエータへのストレスの印加を避けることができ、アクチュエータ寿命を悪化させずに頻繁に測定を行うことが可能である。また、測定前と測定後で回転子6の位置が変化しないので、回転子6の位置を調整しなおしたり、座標データを更新したりする必要がなく、構成および制御内容を簡素なものとすることができる。さらに、電源投入直後に振動アクチュエータが停止している間、すなわち振動アクチュエータが作業のための運転を開始する前に測定を行うので、アクチュエータとしての動作を妨げることがない。
図8および図9に、実施の形態1の測定方法に従って実際に測定されたデータの例を示す。図8は、測定を行った周波数と、それぞれの周波数において測定された、移動表示値としての第1電流測定値Im1および蛇行表示値としての第3電圧測定値Vm3の値とを対応させて示す表である。周波数は40kHz〜55kHzの範囲で測定されている。図9は、図8の表を折れ線グラフとして表したものである。図9において、電流閾値Ith=1.5(A)とすると、第1電流測定値Im1のグラフがこの値以上となる領域は48.1<f<50.9(kHz)となる。この領域において第3電圧測定値Vm3のグラフが最小となるのはf≒50.9のときであり、こうして運転用の周波数fd1=50.9と決定することができる。なお、このとき電圧最小値Vmin≒0.058(V)である。
なお、この例では各測定データの間を直線で補間して計算しているが、他の方法による補間が用いられてもよい。また、補間なしで測定データがそのまま用いられてもよい。たとえば、第1電流測定値Im1が1.5A以上となる測定値は49kHzおよび50kHzのみであるが、このうち第3電圧測定値Vm3がより小さくなる50kHzを運転用の周波数fd1として決定してもよい。
上述の実施の形態1において、試験時間は電源投入直後に開始される。変形例として、これ以外のタイミングで試験時間が開始されてもよい。
たとえば、振動アクチュエータは周囲温度を検出するサーミスタを備え、サーミスタから出力される信号に基づいて制御部160が周囲温度を監視し、最後の試験時間終了からの周囲温度の変化が温度変化基準値を超えた場合に開始されてもよい。温度変化基準値は、たとえば10℃であってもよい。また、試験時間は負荷の変動に応じて開始されてもよい。このようにすると、様々に変化する駆動環境に応じて常に最適な条件で振動アクチュエータが作動するため、駆動環境の変動に関わらず蛇行を抑制することができる。
また、試験時間は定期的に開始されてもよい。たとえば24時間おきに開始されてもよい。このようにすると、摩耗等の経時変化によって駆動環境が変化した場合でも、自動的に駆動条件が更新されるので、駆動条件を常に最適に保つことができる。
また、実施の形態1では、駆動電圧の運転用のパラメータとして、駆動電圧の周波数を決定した。変形例として、駆動電圧の位相差を決定してもよい。この場合、X軸周りの回転に対する測定では、第1駆動電圧Vd1と第2駆動電圧Vd2との位相差を、たとえば0度から180度まで1度単位で変化させつつ測定を行う。そして、第1電流測定値Im1が所定の値以上となる条件のもとで、第3電圧測定値Vm3が最小となる位相差を求め、この位相差を運転用の位相差として決定する。また、周波数の決定と位相差の決定を組み合わせてもよく、一回の試験時間に両方を決定してもよい。このようにすると、駆動条件をさらに好ましいものとすることができる。
また、実施の形態1では、制御部160は試験時間中に運転用のパラメータを決定した。変形例として、制御部160は、すべての移動方向について測定が完了した時点で、運転用のパラメータを決定することなく試験時間を終了してもよい。この場合、運転用のパラメータは、試験時間終了後であればいつ決定されてもよく、たとえば運転開始直前に決定されてもよい。
また、実施の形態1では、制御部160は、第1の圧電素子部31および第2の圧電素子部32からなる組を駆動して回転子6をX軸周りに回転させ、第2の圧電素子部32および第3の圧電素子部33からなる組を駆動して回転子6をY軸周りに回転させ、第3の圧電素子部33および第1の圧電素子部31からなる組を駆動して回転子6をZ軸周りに回転させる。このため、制御部160は、これらの組すべてについて運転用のパラメータを決定する。
変形例として、これらの組のうち実際には駆動されない組が存在する場合には、駆動されない組については運転用のパラメータを決定しないものであってもよい。たとえば、回転子6がX軸周りには回転しない構成、すなわち第1の圧電素子部31および第2の圧電素子部32からなる組が駆動されない構成においては、制御部160はこの組について運転用のパラメータを決定しないものであってもよい。
また、実施の形態1では、運転用のパラメータすなわち周波数の測定範囲を20kHz〜100kHzとした。また、図8に示すデータでは、周波数の測定範囲を40kHz〜55kHzとした。変形例として、測定範囲はこれ以外のものであってもよい。また、測定範囲は動的に変更されてもよい。たとえば、1秒につき100回の測定を行うものとし、許容される試験時間の長さに応じて、全測定の回数を決定してもよい。また、たとえば、試験時間中において交流電圧の周波数を変化させる範囲を、最後に決定された運転用の周波数(すなわち、前回の試験時間の測定に基づいて決定された運転用の周波数)を基準として、その前後所定幅(たとえば前後各5kHz)の範囲としてもよい。このようにすると、最適条件の探索を限られた範囲に絞って行うことができ、短時間で精度よく最適条件を決定することができる。
同様に、試験時間中において交流電圧の位相差を変化させる範囲を、最後に決定された運転用の位相差を基準として、その前後各10度の範囲としてもよい。
また、実施の形態1では、球形の回転子6が可動子となって回転運動を行うが、多自由度の振動アクチュエータであれば他の形状の可動子が用いられてもよく、また回転運動以外の運動を行ってもよい。
たとえば、円筒形の可動子または円筒状の外表面を有する可動子を用い、軸周りの回転運動と、軸方向の平行移動運動とを行う振動アクチュエータであってもよい。また、平板状の可動子または平面状の外表面を有する可動子を用い、X軸方向の平行移動運動と、Y軸方向の平行移動運動とを行う振動アクチュエータであってもよい。
また、実施の形態1では、運転用の周波数fd1を、移動表示値(第1電流測定値Im1)が所定の値以上となる条件のもとで、蛇行表示値(第3電圧測定値Vm3)が最小となる周波数として求めた。変形例として、移動表示値および蛇行表示値に基づくものであれば他の決定方法が用いられてもよく、たとえば蛇行表示値が所定の値以下となる条件のもとで、移動表示値が最大となる周波数として決定されてもよい。また、移動表示値および蛇行表示値に基づいて運転用の周波数を決定する関数があらかじめ定義されていてもよい。
なお、実施の形態1において、振動アクチュエータは表示装置やスピーカ等の出力装置を備え、測定の結果が所定の基準を満たさなかった場合に出力装置からアラームを出力してもよい。基準の例として、移動表示値の最大値が所定の値に達していること等の条件を用いることができる。このようにすると、振動アクチュエータのメンテナンス時期をアナウンスすることができ、性能基準値を満たさない状態での運転を回避することができる。
また、上述の振動アクチュエータによって駆動される複数の指部を有するロボットハンドを構成してもよい。
実施の形態2
実施の形態2は、実施の形態1において、試験時間中の測定の内容を変更し、振動アクチュエータが実際に作動するレベルの電圧を用いて測定を行うものである。以下、実施の形態1からの変更点を説明する。
図10に、実施の形態2に係る制御装置17の構成を示す。制御装置17は、実施の形態1と同様の、第1駆動部161と、第2駆動部162と、第3駆動部163とを備え、さらに、これらを制御する、制御手段としての制御部170を備える。なお、試験時間中に第1の圧電素子部31、第2の圧電素子部32、および第3の圧電素子部33を駆動する交流電圧は、回転子6が回転する大きさの電圧とする。すなわち、固定子2が振動することによって回転子6に及ぼす力が、予圧部10が回転子6に対して加圧する力に打ち勝って、回転子6が回転駆動されることになる。
また、制御装置17は測定部171を備える。測定部171は回転子6の回転位置情報Pを検出する位置検出手段としての位置センサである。制御部170は、測定部170から出力される回転位置情報Pを取得するとともに、これに基づいて回転子6の回転移動量を決定する。この回転移動量のうち、駆動方向に対応する方向への移動量が移動表示値であり、これ以外の方向への移動量が蛇行表示値である。たとえば、X軸周りの回転に対する測定を行う場合には、X軸周りの回転移動量が移動表示値となり、Y軸周りの回転移動量およびZ軸周りの回転移動量が蛇行表示値となる。
図11は、X軸周りの回転における運転用の周波数を決定する方法を説明するグラフである。横軸は、X軸周りの回転に対する駆動電圧の周波数を表す。縦軸は、移動表示値であるX軸周りの回転移動量Pxと、蛇行表示値の一つであるY軸周りの回転移動量Pyとの値を表す。
制御部170は、X軸周りの回転移動量Pxが所定の値以上となる条件のもとで、Y軸周りの回転移動量Pyが最小となる周波数を求める。図11の例において、X軸周りの回転移動量Pxが移動量閾値Pxth以上となる領域は、駆動電圧の周波数がf3以上f4以下となる領域である。この領域中でY軸周りの回転移動量Pyが最小値Pyminとなるのは周波数f3であるので、制御部170はこの周波数を運転用の周波数fd2として決定する。
以上の説明はX軸周りの回転に対する測定についてのものであるが、これと同様にしてY軸周りの回転およびZ軸周りの回転に対しても測定および決定が行われる。
駆動電圧の周波数を運転用の周波数fd2とすると、移動表示値であるX軸周りの回転移動量Pxが所定の移動量閾値Pxth以上であるので、回転子6に十分な回転移動量を与えることができる。同時に、蛇行表示値であるY軸周りの回転移動量Pyがその範囲で最小値となるので、回転子6の蛇行量を最小限に抑えることができる。このように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、回転子6の蛇行を抑制するように駆動条件を設定することができる。
なお、図11の例では蛇行表示値としてY軸周りの回転移動量Pyが用いられるが、これはZ軸周りの回転移動量Pzが用いられてもよく、これらの和または平均であってもよく、これらに基づいて決定される関数であってもよい。
実施の形態2において、上述の実施の形態1と同様の変形を施すことができる。
また、実施の形態2においては、駆動電圧のパラメータをその電圧値としてもよい。すなわち、制御部170は、駆動電圧の電圧値を変化させつつX軸周りの回転移動量PxおよびY軸周りの回転移動量Pyを測定し、測定結果に基づいて運転用の電圧値を決定し、運転用の電圧値を用いて通常の運転動作を行ってもよい。
この発明の実施の形態1および2に係る振動アクチュエータを示す斜視図である。 図1の振動アクチュエータを示す断面図である。 図1の振動アクチュエータの振動体の構成を示す部分断面図である。 図3の振動体の3対の圧電素子板の分極方向を示す斜視図である。 実施の形態1に係る駆動回路の内部構成を示すブロック図である。 実施の形態1における、試験時間中の振動アクチュエータの動作を表す図である。 実施の形態1における、運転用の周波数を決定する方法を説明するグラフである。 実施の形態1の測定方法に従って実際に測定されたデータの例を示す表である。 図8のデータの例を示すグラフである。 実施の形態2に係る駆動回路の内部構成を示すブロック図である。 実施の形態2における、運転用の周波数を決定する方法を説明するグラフである。
符号の説明
3 振動体(振動手段)、
6 回転子(可動子)、
16および17 制御装置、
31 第1の圧電素子部(振動素子部)、
32 第2の圧電素子部(振動素子部)、
33 第3の圧電素子部(振動素子部)、
160および170 制御部(制御手段)、
161 第1駆動部(駆動手段)、
162 第2駆動部(駆動手段)、
163 第3駆動部(駆動手段)、
164 第1測定部(電流測定手段および電圧測定手段)、
165 第2測定部(電流測定手段および電圧測定手段)、
166 第3測定部(電流測定手段および電圧測定手段)、
171 測定部(位置検出手段)、
fd1およびfd2 運転用の周波数(運転用のパラメータ)、
Im1 第1電流測定値(移動表示値)、
Im2 第2電流測定値(移動表示値)、
Im3 第3電流測定値(移動表示値)、
Px 回転移動量(移動表示値および蛇行表示値)、
Py 回転移動量(移動表示値および蛇行表示値)、
Pz 回転移動量(移動表示値および蛇行表示値)、
Vd1 第1駆動電圧(交流電圧)、
Vd2 第2駆動電圧(交流電圧)、
Vd3 第3駆動電圧(交流電圧)、
Vm1 第1電圧測定値(蛇行表示値)、
Vm2 第2電圧測定値(蛇行表示値)、
Vm3 第3電圧測定値(蛇行表示値)。

Claims (15)

  1. 可動子を固定子に対し加圧した状態で前記固定子に振動を発生させ、前記可動子の運動を制御する振動アクチュエータであって、
    少なくとも2つの運動方向に前記可動子を運動可能で前記運動方向に応じた振動を前記固定子に発生させる振動手段と、
    前記振動手段に交流電圧を印加して駆動する駆動手段と、
    前記交流電圧のパラメータを制御する制御手段と
    を備え、
    前記制御手段は、
    所定の試験時間中に、前記交流電圧のパラメータを変化させつつ、前記運動方向の一方向における前記可動子の移動量に関連する移動表示値と、前記運動方向の他方向における前記可動子の移動量に関連する蛇行表示値とを取得し、
    前記試験時間中または前記試験時間後に、取得した前記移動表示値および前記蛇行表示値に基づいて、前記交流電圧の運転用のパラメータを決定し、
    前記運転用の前記パラメータに基づいて前記交流電圧を制御する
    振動アクチュエータ。
  2. 前記交流電圧の運転用の前記パラメータは、前記移動表示値が所定の値以上となる条件のもとで、前記蛇行表示値が最小となるパラメータである、請求項1に記載の振動アクチュエータ。
  3. 前記可動子は球形の回転子であり、前記可動子の運動は回転運動である、請求項1または2に記載の振動アクチュエータ。
  4. 前記振動手段は少なくとも3つの振動素子部を含み、
    前記駆動手段は、前記振動素子部のうち少なくとも2つを組として駆動することによって、前記組に応じた前記運動方向に前記可動子を運動させ、
    前記制御手段は、前記組のうち少なくとも1つの組について前記運転用の前記パラメータを決定する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の振動アクチュエータ。
  5. 前記制御手段は、前記試験時間中において、前記交流電圧を前記可動子が運動しない大きさの電圧とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の振動アクチュエータ。
  6. 前記振動素子部は圧電素子部を含み、
    前記振動アクチュエータは、前記圧電素子部に流れる電流を測定する電流測定手段と、前記圧電素子部に発生する電圧を測定する電圧測定手段とを含み、
    前記移動表示値は、駆動されている前記振動素子部に流れる電流の値であり、
    前記蛇行表示値は、駆動されていない前記振動素子部に発生する電圧の値である
    請求項4に記載の振動アクチュエータ。
  7. 前記振動アクチュエータは、前記可動子の位置を検出する位置検出手段を含み、
    前記制御手段は、前記位置検出手段から前記位置を取得するとともに、取得した前記位置に基づいて前記可動子の移動量を算出し、
    前記移動表示値は、前記運動方向の前記一方向における前記可動子の移動量であり、
    前記蛇行表示値は、前記運動方向の前記他方向における前記可動子の移動量である
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の振動アクチュエータ。
  8. 前記交流電圧のパラメータは前記交流電圧の電圧値を含む、請求項1〜4および7のいずれか一項に記載の振動アクチュエータ。
  9. 前記交流電圧のパラメータは、異なる前記振動素子部に印加される前記交流電圧の位相差を含む、請求項4に記載の振動アクチュエータ。
  10. 前記制御手段は、前記試験時間中において前記交流電圧の前記位相差を変化させる範囲を、最後に決定された前記運転用の前記位相差を基準として、その前後各10度の範囲とする、請求項9に記載の振動アクチュエータ。
  11. 前記交流電圧のパラメータは前記交流電圧の周波数を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の振動アクチュエータ。
  12. 前記制御手段は、前記試験時間中において前記交流電圧の前記周波数を変化させる範囲を、最後に決定された前記運転用の前記周波数を基準として、その前後各5kHzの範囲とする、請求項11に記載の振動アクチュエータ。
  13. 前記試験時間は、
    電源投入直後に開始されるか、または、
    最後の試験時間終了からの周囲温度の変化が、所定の温度変化基準値を超えた場合に開始されるか、または、
    定期的に開始される
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の振動アクチュエータ。
  14. それぞれ請求項1〜13のいずれか一項に記載の振動アクチュエータによって駆動される複数の指部を有する、ロボットハンド。
  15. 可動子を固定子に対し加圧した状態で前記固定子に振動を発生させ、前記可動子の運動を制御する振動アクチュエータの制御方法であって、
    所定の試験時間中に、前記固定子に振動を発生させる振動手段に印加する交流電圧のパラメータを変化させつつ、前記運動方向の一方向における前記可動子の移動量に関連する移動表示値と、前記運動方向の他方向における前記可動子の移動量に関連する蛇行表示値とを取得し、
    取得した前記移動表示値および前記蛇行表示値に基づいて、前記交流電圧の運転用のパラメータを決定し、
    前記運転用の前記パラメータに基づいて前記交流電圧を制御する
    振動アクチュエータの制御方法。
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