JP2009256289A - パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用後処理剤組成物 - Google Patents

パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用後処理剤組成物 Download PDF

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Yoshimi Nakamura
義美 中村
Mitsuru Isobe
満 磯部
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Abstract

【課題】 毛髪の損傷を抑え、ウェーブ効果又はストレート効果を持続させると共に、パーマネントウェーブ又は縮毛矯正処理後の不快臭を抑制できるパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の後処理剤を提供する。
【解決手段】炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸と、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとのエステル化合物の1種以上を含有するパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用後処理剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、パーマネントウェーブ処理又は縮毛矯正処理後に用いて毛髪ダメージを回復させると共に、そのダメージに基づく毛髪の膨潤性を良好に抑制して毛髪強度を維持し、更に毛髪のウェーブ効果又はストレート効果を持続させると共に、パーマネントウェーブ処理又は縮毛矯正処理後の不快臭を抑制するパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の後処理剤に関する。
従来、毛髪の形状を変化させる手段としてパーマネントウェーブ剤や縮毛矯正剤が広く使用されている。パーマネントウェーブや縮毛矯正の操作を行うことで毛髪の形状を変化させることは可能であるが、それと同時に、パーマネントウェーブ剤や縮毛矯正剤の影響で毛髪内部又は表面が損傷し、毛髪が水を吸って膨潤し易くなる。その結果、毛髪内部のタンパク質などが流出して毛髪の機械的強度が低下し、官能的には毛髪の滑りの悪化や、パサつきといった手触りの悪化として現れる。また、毛髪の膨潤のし易さは、ストレート効果やウェーブ効果の持続性が低下するという問題も引き起こす。
また、パーマネントウェーブ剤や縮毛矯正剤の第一剤に配合される還元剤として、チオグリコール酸又はその塩、システイン又はその塩、アセチルシステイン又はその塩、チオ乳酸又はその塩、システアミン又はその塩、チオグリセロール、チオグリコール酸グリセリンエステル等の有機チオール化合物等が使用されている。これらの有機チオール化合物は毛髪中のジスルフィド結合を切断させるだけでなく、毛髪中のシスチン等の硫黄化合物に対して反応し、あるいは有機チオール化合物自体で化学反応を起こして、低分子硫黄化合物を生成させる。これらの低分子硫黄化合物のメルカプタン臭や硫化水素臭は、パーマ臭と呼ばれる独特の不快な臭気であって、施術後数週間にわたって毛髪に残り、洗髪や発汗時に脱離拡散して被施術者に極度の不快感を与えるといった問題点もあった。
上記の問題に対し、例えば下記の特許文献1、特許文献2に見られるように、パーマネントウェーブや縮毛矯正の処理による損傷防止や感触改善を目的として、処理剤にシリコーンやタンパク質加水分解物、カチオン化セルロース等を添加したり、あるいはパーマの前処理剤や後処理剤としてシリコーンやタンパク質加水分解物を配合したものが提案されている。
特開平10−87447号公報 特開2000−191447号公報 更に、例えば下記の特許文献3、特許文献4に見られるように、パーマ処理や縮毛矯正処理の際に発生する不快臭については、パーマネントウェーブ処理後や縮毛矯正処理後の毛髪に酸性の後処理剤を施して不快臭を抑制する処理剤や、特定の重合体を含有した消臭剤が提案されている。
特開平3−271214号公報 特開2004−339181号公報
しかしながら、パーマネントウェーブ剤又は縮毛矯正剤にシリコーン類を大量に配合すると、ウェット時における油ぎしみや製品安定性の低下を引き起こし、損傷毛に対しては効果的に吸着されず、自然な油性感を付与することができないことがあった。又、タンパク質加水分解物はある程度の損傷防止には役立つものの、その効果は十分満足できるものではなく、大量に用いるとウェーブ力が低下したり、べたついたりするという課題があった。カチオン化セルロースは毛髪表面に吸着し、プレーンリンス時のきしみ感を低減させる効果は高いものの、ドライ時にぱさつきや硬さが生じるという課題があった。
又、以上の方法は一時的には効果があるものの、持続性については十分満足できるレベルには到達していなかった。
つまり、パーマネントウェーブ剤又は縮毛矯正剤やその前後の処理剤にシリコーンやタンパク質加水分解物を配合しただけでは、十分な損傷防止効果や感触改善効果が得られにくいのが現状であった。
一方、従来の不快臭を抑制する処理剤や消臭剤では、不快臭抑制効果としては未だ十分に満足できるものではなく、また毛髪にごわつき感やきしみ感といった好ましくない感触を生じ、仕上がり感が損なわれるといった問題があった。
本発明は、パーマネントウェーブ処理又は縮毛矯正処理後に用いて毛髪ダメージを回復させると共に、そのダメージに基づく毛髪の膨潤性を良好に抑制して毛髪のウェーブ効果又はストレート効果を持続させ、パーマネントウェーブ処理又は縮毛矯正処理後の不快臭を抑制するパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の後処理剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸と、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和のアルコールとのエステル化合物を含有する組成物を用いてパーマネントウェーブ又は縮毛矯正の後処理を行った場合、従来の縮毛矯正やパーマネントウェーブ処理の欠点が克服され、毛髪への残臭がほとんど無く、毛髪への損傷も少なく、ウェーブ効果あるいはストレート効果等の毛髪変形後の保持力に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸と、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとのエステル化合物の1種以上を含有する、パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の後処理剤組成物である。
第1発明の後処理剤組成物においては、第1の効果として、上記した特定のエステル化合物がパーマネントウェーブ処理又は縮毛矯正処理後の毛髪に均一に吸着され、毛髪表面のダメージを良好に修復する。その際、ダメージに基づく毛髪の膨潤性を抑制するため、毛髪のウェーブ効果又はストレート効果が良好に持続する。これらの効果には、炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸における不飽和結合と2個のカルボキシル基との関係、及びカルボキシル基に結合した上記のアルコールが関係しているものと考えられる。
第1発明の後処理剤組成物においては、第2の効果として、パーマネントウェーブ処理又は縮毛矯正処理後における、前記した低分子硫黄化合物に基づく不快臭の残留が、顕著に抑制される。このような第2の効果が得られる理由は未だ明確にはなっていないが、パーマネントウェーブ剤又は縮毛矯正剤の処理で生成してくるパーマ不快臭の元である低分子硫黄化合物が、当該エステル化合物との化学反応により、臭いの少ない化合物に変化していることが考えられる。パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の後処理剤組成物としては、この効果は特筆すべきものである。
(第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係るエステル化合物がジエステル化合物であり、かつ不飽和ジカルボン酸の一方又は双方のカルボキシル基が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和のアルコールとエステル結合を形成している、パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の後処理剤組成物である。
前記第1発明に係るエステル化合物にはモノエステル化合物もジエステル化合物も含まれるが、第2発明に規定するように、ジエステル化合物であることが特に好ましい。このようなジエステル化合物は、不飽和ジカルボン酸の一方又は双方のエステル部分に第1発明に規定するアルコールを結合しているが、このようなアルコールを双方のエステル部分に結合しているものが、とりわけ好ましい。
(第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、前記第1発明又は第2発明に係る不飽和ジカルボン酸が、少なくとも一方のカルボキシル基を構成する炭素原子が炭素−炭素不飽和結合を構成する炭素原子と単結合しているものである、パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の後処理剤組成物である。
前記第1発明又は第2発明に係る不飽和ジカルボン酸としては、第3発明に規定するように、少なくとも一方のカルボキシル基(エステル部位)が炭素間不飽和結合部位と隣接しているものが、より好ましい。このような炭素間不飽和結合はより高い反応活性を持つため、エステル化合物が毛髪表面により強く結合し又は吸着される。
なお、不飽和ジカルボン酸の炭素数が4又は5である場合には、必然的に第3発明に規定する不飽和ジカルボン酸となる。
本発明のパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の後処理剤によれば、毛髪の損傷を抑え、ウェーブ効果又はストレート効果を持続させると共に、パーマネントウェーブ又は縮毛矯正処理後の不快臭を抑制することができる。
次に、本発明を実施するための形態を、その最良の形態を含めて説明する。
〔後処理剤組成物の成分〕
(後処理剤組成物の特徴的な成分)
本発明の後処理剤組成物は、炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸と、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとのエステル化合物(以下、「毛髪改質剤成分」という)の1種以上を含有する点に特徴があり、かつ、パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の後処理剤として用いられる点に特徴がある。
この毛髪改質剤成分は、上記の不飽和ジカルボン酸のモノエステルであっても良いが、本発明の効果を良好に確保する上で、ジエステルであることが特に好ましい。
不飽和ジカルボン酸における二つのカルボキシル基のうちの一方又は双方のカルボキシル基が、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成していることが必要である。毛髪改質剤成分が上記の不飽和ジカルボン酸のジエステルである場合、該不飽和ジカルボン酸の二つのカルボキシル基が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成している場合と、前記二つのカルボキシル基の一方のみが炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成し、もう一方のカルボキシル基は他のアルコールとエステル結合を形成している場合とがある。これらのうちでも、上記の不飽和ジカルボン酸のジエステルである毛髪改質剤成分、とりわけ不飽和ジカルボン酸の二つのカルボキシル基が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成している毛髪改質剤成分が好ましい。
本発明の後処理剤組成物におけるこれらのエステル化合物は、前記エステル結合を有するエステル化合物であればよく、対応するジカルボン酸及びアルコールから製造されるものに何ら限定されない。
不飽和ジカルボン酸における二つのカルボキシル基が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成しているエステル化合物は、例えば、不飽和ジカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸無水物と、対応する長鎖アルコール化合物とをトルエンなどの共沸脱水可能な溶媒中で触媒を添加して脱水エステル化した後、溶媒を除去することにより得ることができる。
また、不飽和ジカルボン酸における二つのカルボキシル基の一方が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成し、もう一方のカルボキシル基が他のアルコールとエステル結合を形成しているエステル化合物は、例えば、不飽和ジカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸無水物と、対応する2種類以上のアルコール化合物とをトルエンなどの共沸脱水可能な溶媒中で触媒を添加して脱水エステル化した後、蒸留又は適当な展開溶媒を用いたシリカゲルカラムにより分離精製することにより得ることができる。
炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸としては、少なくとも一方のカルボキシル基を構成する炭素原子が炭素−炭素不飽和結合を構成する炭素原子と単結合しているものが、より好ましい。炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸の好適な具体例として、フマル酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、トランス−グルタコン酸、トランス,トランス−ムコン酸、シス,シス−ムコン酸等が挙げられる。中でも、マレイン酸が好ましい。
また、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、1−トリデカノール、ミリスチルアルコール、1−ペンダデカノール、セチルアルコール、1−ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、1−ノナデカノール、アラキンアルコール、1−ヘンイコサノール、べヘニルアルコール、1−トリコサノール、1−テトラコサノール、2−ドデカノール、4−メチル−1−ドデカノール、2−トリデカノール,4−メチル−1−トリデカノール,2−テトラデカノール、4−メチル−1−テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2−ヘキサデカノール、7−メチル−1−ヘキサデカノール、4−ヘプタデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクタデカノール、2−ノナデカノール、9−メチル−1−ノナデカノール、2−ドデセン−1−オール、8,10−ドデカジエン−1−オール、7−ドデシン−1−オール、2−トリデセン−1−オール、9−テトラデセン−1−オール、9,12−テトラデカジエン−1−オール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、11−イコセン−1−オール、5,8,11,14−イコサテトラエン−1−オール、13−ドコセン−1−オール、2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエン−1−オール、3,7,11,15−テトラメチル−2−ヘキサデセン−1−オール、3,7,11,15−テトラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエン−1−オール等が挙げられる。なかでも、炭素数18〜22の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールが好ましく、更には、炭素数18〜22の直鎖状又は分岐状の不飽和アルコールが好ましく、とりわけオレイルアルコールが好ましい。毛髪改質剤成分の構成要素としてのこれらのアルコールは、単一種類のものが用いられても良く、毛髪改質剤成分がジエステルである場合において2種のものが用いられても良い。
更に、不飽和ジカルボン酸における二つのカルボキシル基の一方が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成し、もう一方のカルボキシル基が他のアルコールとエステル結合を形成しているエステル化合物の場合における、他のアルコールとしては、例えば炭素数1〜11のアルコール、好ましくは炭素数1〜8のアルコール、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、オクチルアルコール等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸における二つのカルボキシル基が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成しているエステル化合物としては、例えば前記不飽和ジカルボン酸と前記アルコールとのエステル化合物が挙げられ、具体的にはマレイン酸ジラウリル、マレイン酸ジミリスチル、マレイン酸ジセチル、マレイン酸ジステアリル、マレイン酸ジベヘニル、マレイン酸ジオレイル、マレイン酸ジリノレイル、マレイン酸ジリノレニル、マレイン酸ジ(11−イコセニル)、マレイン酸ジイソステアリル、マレイン酸ジ(3,7,11,15−テトラメチル−2−ヘキサデセニル)、マレイン酸(セチル)(オレイル)、マレイン酸(オレイル)(ステアリル)、マレイン酸(リノレイル)(オレイル)、マレイン酸(イコセニル)(オレイル)、マレイン酸(リノレニル)(オレイル)、マレイン酸(リノレニル)(リノレイル)、マレイン酸(リノレイル)(ステアリル)、フマル酸ジラウリル、フマル酸ジミリスチル、フマル酸ジセチル、フマル酸ジステアリル、フマル酸ジベヘニル、フマル酸ジイソステアリル、フマル酸ジオレイル、フマル酸ジリノレイル、フマル酸ジリノレニル、フマル酸ジ(11−イコセニル)、フマル酸ジ(3,7,11,15−テトラメチル−2−ヘキサデセニル)、フマル酸(セチル)(オレイル)、フマル酸(オレイル)(ステアリル)、フマル酸(リノレイル)(オレイル)、フマル酸(イコセニル)(オレイル)、フマル酸(リノレニル)(オレイル)、フマル酸(リノレニル)(リノレイル)、フマル酸(リノレイル)(ステアリル)、アセチレンジカルボン酸ジステアリル、アセチレンジカルボン酸ジオレイル、イタコン酸ジステアリル、イタコン酸ジオレイル、シトラコン酸ジステアリル、シトラコン酸ジオレイル、トランス−グルタコン酸ジステアリル、トランス−グルタコン酸ジオレイル、トランス,トランス−ムコン酸ジステアリル、トランス,トランス−ムコン酸ジオレイル、シス,シス−ムコン酸ジステアリル、シス,シス−ムコン酸ジオレイル等が挙げられる。なかでも、毛髪表面のダメージ部分との親和性を考えると、マレイン酸ジラウリル、マレイン酸ジミリスチル、マレイン酸ジセチル、マレイン酸ジステアリル、マレイン酸ジベヘニル、マレイン酸ジイソステアリル、マレイン酸ジオレイル、マレイン酸ジリノレイル、マレイン酸ジリノレニル、マレイン酸ジ(11−イコセニル)、マレイン酸ジ(3,7,11,15−テトラメチル−2−ヘキサデセニル)、マレイン酸(セチル)(オレイル)、マレイン酸(オレイル)(ステアリル)、マレイン酸(リノレイル)(オレイル)、マレイン酸(イコセニル)(オレイル)、マレイン酸(リノレニル)(オレイル)、マレイン酸(リノレニル)(リノレイル)、マレイン酸(リノレイル)(ステアリル)といったジエステル化合物が好ましく、マレイン酸ジステアリル、マレイン酸ジオレイルが更に好ましい。更に、飽和あるいは不飽和アルコールといった点では、不飽和アルコールとのジエステル化合物の方が好ましい。
また、不飽和ジカルボン酸における二つのカルボキシル基の一方が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成し、もう一方のカルボキシル基が他のアルコールとエステル結合を形成しているエステル化合物としては、例えば、マレイン酸(エチル)(オレイル)、マレイン酸(エチル)(ステアリル)、マレイン酸(エチル)(イソステアリル)、マレイン酸(エチル)(セチル)、マレイン酸(オクチル)(オレイル)、マレイン酸(オクチル)(ステアリル)、マレイン酸(オクチル)(イソステアリル)等が挙げられる。
これらの毛髪改質剤成分は単一種類を配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。後処理剤組成物における毛髪改質剤成分の含有量は、毛髪のうるおい感、指通り性を効率的に改善でき、かつ好ましい感触を与える点から、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.05〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%である。
(後処理剤組成物のその他の成分)
更に、本発明の後処理剤組成物には、その他の成分として、油性成分、界面活性剤、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、両性ポリマー、非イオン性ポリマー等の高分子化合物から選ばれる成分を配合することができる。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与し、指通り性を向上させる観点から、配合されることが好ましく、具体的な成分としては、油脂類、ロウ類、高級アルコール、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、前記毛髪改質剤成分とは異なるエステル類、シリコーン等が挙げられる。
油脂類としては、例えばオリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウ類としては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリンが挙げられる。
高級アルコールとしては、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
炭化水素としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリンが挙げられる。高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、及びラノリン脂肪酸が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルが挙げられる。
エステル類としては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、及びコハク酸ジオクチルが挙げられる。
シリコーン類としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、平均重合度が650〜10000の高重合未変性シリコーンもしくは高重合アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、及びフッ素変性シリコーンが挙げられる。ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えばPEG−12ジメチコンが挙げられる。アミノ変性シリコーンとしては、例えば(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、アミノプロピルジメチコン、アモジメチコンが挙げられる。
これらの油性成分は単独で配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。油性成分の含有量は限定されないが、例えば乳液状のものであれば0.5〜10質量%程度とすることができる。
特に上記油性成分の中でも、顕著に毛髪にうるおい感を付与し、指通り性を向上させる成分としては、油脂類とシリコーン類との組合せが効果的である。油脂類としては、ブドウ種子油、アボカド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油及び月見草油といった植物油が好ましく、シリコーン類の中では、平均重合度が2000〜10000の高重合アミノ変性シリコーンあるいは高重合未変性シリコーンを配合することで指通り性を向上させることができる。またその含有量は、固形分として、全組成中の0.01〜10質量%、更に0.05〜7.5質量%、特に0.1〜5質量%の範囲が好ましい。
界面活性剤は、組成物の乳化剤又は組成物中の各成分の可溶化剤として組成物の安定性を保持するために好適に配合される。後処理剤組成物における界面活性剤の含有量は限定されないが、例えば、0.05〜50質量%程度とすることができる。界面活性剤としては、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。イオン性界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが挙げられる。アルキルエーテル硫酸塩としては、例えばラウレス硫酸ナトリウムが挙げられる。N−アシルアミノ酸型界面活性剤としては、例えばN−ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウムが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルケニルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルケニルジメチルアンモニウム塩、ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、及びアルキロイルアミドプロピルジメチルアミンが挙げられる。アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば塩化ステアリルトリメチルアンモニウムが挙げられる。ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムが挙げられる。これらの界面活性剤のカチオン基の対イオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルキル硫酸イオン、及びサッカリンが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、及びココアンホ酢酸ナトリウムが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルサッカライド界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、及びアルキルアミンオキサイドが挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えばラウレス、セテス、ステアレス、及びパレスが挙げられる。これらの界面活性剤の具体例は、単独で使用されてもよく、二種以上を組み合わせて使用されてもよい。
カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、両性ポリマー、非イオン性ポリマーは、一般的に高分子化合物として知られている。後処理剤組成物におけるこれらの高分子化合物の含有量は限定されないが、例えば、0.1〜5質量%程度とすることができる。これらの高分子化合物の具体例としては以下のようなものがある。
カチオン性ポリマーは、ポリマー鎖に結合したアミノ基又はアンモニウム基を含むか、又は少なくともジメチルジアリルアンモニウムハライドを構成単位として含む水溶性のものであり、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル4級アンモニウム塩重合物、ジアリル4級アンモニウム塩・アクリルアミド共重合物及び4級化ポリビニルピロリドン誘導体などが挙げられる。
カチオン化セルロース誘導体の市販品としては、ライオン(株)の商品名「レオカードG」,「同GP」、ユニオンカーバイド社のポリマー「JR−125」,「JR−400」,「JR−30M」,「LR−400」,「LR−30M」等が挙げられる。その他のカチオン化セルロース誘導体としてはヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドが挙げられ、市販品としてはナショナルスターチアンドケミカル社の商品名「セルコートH−100」,「L−200」等が挙げられる。カチオン化グアーガム誘導体としては、例えば、RHONE−POULENC杜の商品名「ジャガーC−13S」,「同−14S」,「同−17」,「同−210」,「同−162」,「HI−CARE1000」として市販されている。ジアリル4級アンモニウム塩重合物としては、市販品としてオンデオ・ナルコ社の商品名「マーコート100」等が挙げられる。カチオン性のジアリル4級アンモニウム塩・アクリルアミド共重合物としては、市販品としては、オンデオ・ナルコ社の商品名「マーコート2200」,「同550」等が挙げられる。4級化ポリビニルピロリドン誘導体としては、分子量1万〜200万のものが好ましく、市販品としては、アイエスピー・ジャパン(株)の商品名「ガフコート734」,「同755」,「同755N」等が挙げられる。
その他、有用なカチオン性ポリマーとしては、塩化メタクリル酸エステル重合体類が挙げられ、具体的には2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体、塩化メタクリル酸コリン重合体等が挙げられる。塩化メタクリル酸エステル重合体類を含有する市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「サルケア SC95」,「同SC96」、日本油脂(株)製の「リピジュアHM」,「同PMB」,「同C」等が挙げられる。これらのカチオン化ポリマーは単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
アニオン性ポリマーとしては、例えば、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体カリウム塩液、アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合体液、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ブチルアミノエチル、アクリル酸オクチルアミドの共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・プロピオン酸ビニル共重合体、メチルビニルエーテル・マレイン酸モノブチルエステル共重合体等が挙げられる。
両性ポリマーとしては、N−メタクリロイルエチルN,N−ジメチルアンモニウムα−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体(市販名「ユカフォーマーAM−75」;三菱化学(株)製)、アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル・アクリル酸オクチルアミド共重合体(市販名「アンフォマー28−4910」;ナショナルスターチ社製)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(市販名「マーコート280」,「同295」;オンデオ・ナルコ社製)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸のターポリマー(市販名「マーコートプラス3330」,「同3331」;オンデオ・ナルコ社製)、アクリル酸・アクリル酸メチル・塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体(市販名「マーコート2001」;オンデオ・ナルコ社製)等が挙げられる。
非イオン性ポリマーの種類は限定されないが、例えば、天然系、半合成系及び合成系のものが挙げられる。天然系非イオン性ポリマーとしては、セルロース、グアーガム、寒天、デンプン・加水分解デンプン及びデキストリン等が挙げられる。また、半合成系非イオン性ポリマーとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。更に、合成系非イオン性ポリマーとしては、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸アミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン(以下、POEという)ポリオキシプロピレン(以下、POPという)共重合体、POE・POPブチルエーテル、POE・POPヘキシレングリコールエーテル、POPブチルエーテル、ポリビニルピロリドン、POEモノステアレート及びPOEジステアレート等が挙げられる。
本発明の後処理剤組成物には、前記成分のほか、通常の毛髪化粧料に用いられる成分を目的に応じて適宜配合できる。このような成分としては、例えば、溶剤、抗フケ剤、ビタミン剤、防腐剤、抗炎症剤、キレート剤、染料、顔料等の着色剤、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、粘土鉱物等の粘度調整剤、クエン酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、加水分解ケラチン、加水分解コラーゲン、加水分解小麦タンパク等の加水分解PPT類、グリシン、アラニン、グルタミン酸、テアニン等のアミノ酸及びその誘導体、ビタミンA,B,C等のビタミン類及びその誘導体、イノシトール、キシリトール等の糖アルコール類、還元剤、酸化剤、植物・動物・微生物から抽出されるエキス類、パール化剤、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、噴射剤等が挙げられる。これらの具体的な成分としては、例えば、化粧晶原料基準、化粧品種別配合成分規格、法定色素ハンドブック、日本化粧品工業連合会成分表示名称リスト、INCI辞書(The International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、医薬部外品原料規格、医薬部外晶原料規格2006、日本薬局方、医薬品添加物規格、食品添加物公定書等に収載されている成分が挙げられる。
本発明の後処理剤組成物のpHは、1種類のpH調整剤を用いる、もしくは緩衝作用を有する有機酸又は無機酸及びその塩を用いたpH緩衝剤により、pH3〜10、更にはpH4.5〜8.5の間で調整されるのが好ましい。特には、pH6.0〜8.0の間で調整するのがより好ましい。pH緩衝剤として用いられる有機酸としては、例えばクエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、レブリン酸等を挙げることができ、無機酸としては、例えばリン酸、硫酸、硝酸等を挙げることができる。また、これらの酸の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
本発明の後処理剤組成物は、液体、乳液状、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、複合エマルジョン、マイクロエマルジョン、スプレー、ゲル、フォーム、顆粒、ローション、クリーム状等の剤型にすることが可能である。また、使用時に混合する用時調製タイプとすることもできる。
〔パーマネントウェーブ又は縮毛矯正の後処理方法〕
本発明のパーマネントウェーブ又は縮毛矯正の後処理方法は、パーマネントウェーブ処理又は縮毛矯正処理後に上記したいずれかのパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用後処理剤組成物による後処理を行う。この後処理方法によれば、第1発明に関して前記した第1の効果及び第2の効果が発揮され、毛髪ダメージを回復させると共に残存不快臭を低減させることができる。
このような後処理方法の実施にあたり、本発明の後処理剤組成物は、毛髪に適用した後に水や温水で洗い流して使用してもよく、毛髪に付着した同組成物を水や温水で洗い流さないで使用してもよい。あるいは、本発明の後処理剤組成物を毛髪に塗布後、加温することにより、当該成分の毛髪表面への反応性や毛髪内部への浸透を促進することができる。加温には、加温器具(ドライヤー、加温機、スチーマー、高温整髪用アイロン、加温ロット、自己発熱式器具等)による加温放置をしても差し支えなく、その放置時間は1〜30分程度が適当である。また、高温整髪用アイロンを用いて加温する場合は、一箇所あたりの毛髪との接触時間は2秒から1分程度が適当である。
以下に本発明の実施例を説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施例によって限定されない。
〔実施例1〜6及び比較例1〜3〕
末尾の表1に示す組成の縮毛矯正第1剤(クリーム状)、末尾の表2に示す組成の縮毛矯正第2剤(クリーム状)、末尾の表3に示す実施例1〜6及び比較例1〜3に係る組成の縮毛矯正用後処理剤(乳液状)をそれぞれ常法により調製し、ストレート効果及びその持続性、毛髪膨潤抑制効果並びに不快臭抑制効果を評価するための試験を行った。それらの評価結果は表3にまとめて示す。
表1〜表3及び他の表における数値は質量%を示す。表1中の「pH調整剤」の表記は、この縮毛矯正第1剤を80%モノエタノールアミン又はリン酸にてpH=9.1に調整したことを示す。表2及び表3中の「セルコートL−200」とはナショナルスターチアンドケミカル社製の「ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド」を意味し、表2中の「シリコンSM8704C」とは、東レ・ダウコーニングシリコーン社製の「アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体エマルション」を意味し、表3中の「pH調整剤(80%モノエタノールアミン又はリン酸)」と表記した欄は「80%モノエタノールアミン又はリン酸にてpH=6.0に調整した」ことを示し、表3中の「高重合ジメチルポリシロキサン」としてはモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の「シリコーンXF49−B7082」を用いている。
<ストレート効果の評価>
パーマ、ヘアカラー等の化学処理をしていない20代の日本人女性の縮毛3g(長さ20cm)を束ねたものを測定用の毛束とした。この毛束を微温湯にて軽く湿らせたもとで、毛束の両端をパネル上に固定した。その後、前記の縮毛矯正第1剤3gを毛束の全体に塗布し、37℃で20分間放置した。次に、毛束をよく水洗した後にタオルドライしてから前記の縮毛矯正第2剤3gを塗布し、室温で20分間放置した後に、よく水洗した。その後タオルドライし、実施例1〜6及び比較例1〜3の縮毛矯正用後処理剤3gをそれぞれ塗布し、室温で20分間放置した。その後水洗し、自然乾燥させた。以上の処理を行った毛束を自然状態のままで目視にて観察し、処理の直後のストレート効果について、比較例1を対照として評価した。比較例1との対比において、非常に良好である場合を「5点」、良好である場合を「4点」、比較例1と同等である場合を「3点」、やや不良である場合を「2点」、不良である場合を「1点」とした。
<ストレート効果の持続性の評価>
前記の実施例1〜6及び比較例1〜3に係る縮毛矯正用後処理剤の使用を含むストレート効果の評価を行った毛束を用い、1質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液に浸し、60℃で1時間放置(以下、この操作を***テストという)した後、水で軽くすすいで自然乾燥させた。***テスト前の毛束と***テスト後の毛束を目視にて比較し、ストレート効果の持続性について、非常に良好である場合を「5点」、良好である場合を「4点」、普通である場合を「3点」、やや不良である場合を「2点」、不良である場合を「1点」とした。
なお、上記評価において、「(ストレート効果の持続性が)非常に良好である」とは、***テスト後にも関わらず***テスト前のストレート効果がほぼ完全に維持されていたことを言い、「普通である」とは、上記のような***テスト後としては通常に期待できる程度に***テスト前のストレート効果が維持されていたことをいう。
<毛髪膨潤抑制効果の評価>
前記の縮毛矯正処理を行った毛髪(この場合には平均直径が80μm±2μmのものを使用した)について、一定量の水を滴下して毛髪が膨潤した時の毛髪の直径を測定した。毛髪損傷の程度が増せば、損傷と比例して膨潤した毛髪の直径が増加するので、このことを利用して毛髪の損傷程度を評価した。前記の縮毛矯正処理における実施例1〜6及び比較例1〜3に係る縮毛矯正用後処理剤を処理する前と後の毛髪の、水中における毛髪直径をそれぞれ測定し、下記の式により毛髪膨潤抑制率(%)を算出した。
毛髪膨潤抑制率(%)={1−[後処理後毛髪直径(μm)]/[後処理前毛髪直径(μm)]}×100
上記の毛髪膨潤抑制率の式から分かるように、水中での毛髪の膨潤を抑制する能力が高いほど、毛髪膨潤抑制率は高くなる。そこで、これらの毛髪膨潤抑制率を下記の評価基準により「◎、○、△、×」の4段階で評価した。
(評価基準)
◎:毛髪膨潤抑制率が10%以上
○:毛髪膨潤抑制率が5%以上10%未満
△:毛髪膨潤抑制率が1%以上5%未満
×:毛髪膨潤抑制率が1%未満
<不快臭抑制効果の評価>
前記の実施例1〜6及び比較例1〜3に係る縮毛矯正用後処理剤の使用を含むストレート効果の評価を行った毛束を用い、専門のパネラーにより施術後(乾燥後)の毛髪の残臭について官能評価を行った。評価基準は、施術後(乾燥後)の不快臭がほとんど感じられない場合を「5点」、余り感じられない場合を「4点」、少し感じられる場合を「3点」、やや強く感じられる場合を「2点」、強く感じられる場合を「1点」とした。
表3に示す結果から、本発明品は、毛髪の膨潤性を抑制しながら、縮毛矯正剤のストレート効果及びストレート効果の持続性を改善し、更には、縮毛矯正処理後の不快臭を抑制することが可能であることが確認できた。
〔実施例7:縮毛矯正用後処理剤(オイル状トリートメント)〕
表1及び表2の縮毛矯正剤を用いて縮毛矯正処理を行った毛髪に対して、末尾の表4に示す成分を常法により混合して調製したオイル状トリートメントを使用した結果、膨潤抑制率、ストレート効果、ストレート効果の保持性に優れ、また縮毛矯正処理直後の不快臭の低減効果も良好であった。なお、表4に示す「高重合ジメチルポリシロキサン」としては表3の場合と同じものを用いている。
〔実施例8:縮毛矯正用後処理剤(透明ジェル状トリートメント)〕
表1及び表2の縮毛矯正剤を用いて縮毛矯正処理を行った毛髪に対して、末尾の表5に示す成分を常法により混合して調製した透明ジェルトリートメントを使用した結果、膨潤抑制率、ストレート効果、ストレート効果の保持性に優れ、また縮毛矯正処理直後の不快臭の低減効果も良好であった。
〔実施例9:縮毛矯正用後処理剤(用時調製2剤式トリートメント)〕
表1及び表2の縮毛矯正第1,2剤を用いて縮毛矯正処理を行った毛髪に対し、末尾の表6に示す組成のローションA剤及び末尾の表7に示す組成のオイルB剤を常法により質量比2:1の割合で混合して調製した弱酸性のトリートメントを使用した結果、膨潤抑制率、ストレート効果、ストレート効果の保持性に優れ、また縮毛矯正処理直後の不快臭の低減効果も良好であった。
なお、表6に示すローションA剤はpH調整剤によってpH=4.0に調整されたものであり、表7の「高重合アミノ変性シリコーン」としては信越化学工業(株)製の「シリコーンKF8017」を用いている。
〔実施例10:縮毛矯正用後処理剤(濃縮トリートメント)〕
表1および表2の縮毛矯正第1,2剤を用いて縮毛矯正処理を行った毛髪に対して、末尾の表8に示す組成の濃縮トリートメントと、市販のヘアトリートメント(ホーユー(株)製、プロマスター カラーケアトリートメント)とを1:9の質量比率で混合して調製したトリートメントを使用した結果、膨潤抑制率、ストレート効果、ストレート効果の保持性に優れ、また縮毛矯正処理直後の不快臭の低減効果も良好であった。
なお、表8に示す「デカメチルシクロペンタシロキサン」としてはモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の「シリコーンTSF405」を用い、「高重合ジメチルポリシロキサン」としては表3の場合と同じものを用い、「高重合アミノ変性シリコーン」としては信越化学工業(株)製の「シリコーンKF8017」を用いている。
〔実施例11:パーマネントウェーブ用後処理剤〕
市販のパーマネントウェーブ(ホーユー(株)製、ルテア TG)でパーマネントウェーブ操作を行った毛髪に対して、前記の実施例1〜6及び比較例1〜3に係る縮毛矯正用後処理剤を使用した結果、実施例1〜6は比較例1〜3と比べ膨潤抑制率、ウェーブ効果、ウェーブ効果の保持性に優れ、またパーマネントウェーブ処理直後の不快臭の低減効果も良好であった。
〔実施例12:縮毛矯正用後処理剤(クリームタイプ)〕
表1及び表2の縮毛矯正剤を用いて縮毛矯正処理を行った毛髪に対して、末尾の表9に示す成分を常法により混合して調製したクリームタイプの縮毛矯正用後処理剤を使用した結果、膨潤抑制率、ストレート効果、ストレート効果の保持性に優れ、また縮毛矯正処理直後の不快臭の低減効果も良好であった。
なお、表9において「pH調整剤(80%モノエタノールアミン又はリン酸)」と表記した欄は「80%モノエタノールアミン又はリン酸にてpH=7.0に調整した」ことを示し、「セルコートL−200」は表2に関して説明した通りであり、「高重合ジメチルポリシロキサン」としては表3の場合と同じものを用い、「高重合アミノ変性シリコーン」としては表8の場合と同じものを用いている。
本発明のパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の後処理剤によれば、毛髪の損傷を抑え、ウェーブ効果又はストレート効果を持続させると共に、パーマネントウェーブ又は縮毛矯正処理後の不快臭を抑制できる。

Claims (3)

  1. 炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸と、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとのエステル化合物の1種以上を含有することを特徴とするパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用後処理剤組成物。
  2. 前記エステル化合物がジエステル化合物であり、かつ不飽和ジカルボン酸の一方又は双方のカルボキシル基が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成していることを特徴とする請求項1に記載のパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用後処理剤組成物。
  3. 前記不飽和ジカルボン酸が、少なくとも一方のカルボキシル基を構成する炭素原子が炭素−炭素不飽和結合を構成する炭素原子と単結合しているものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用後処理剤組成物。
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