JP2009254117A - 電動モータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定して起動を行うことができ、起動後の振動・騒音を充分に抑制することができる電動モータの制御装置を提供すること。
【解決手段】 3相交流同期モータ201を制御する電動モータ制御装置1において、3相交流同期モータ201に対して設定したD軸及びQ軸に対しての制御演算により3相交流同期モータ201の回転速度を制御するDQ軸電流指令値演算部13、D軸電圧指令値演算部14、Q軸電圧指令値演算部15と、通常時は、D軸電圧指令値演算部14、Q軸電圧指令値演算部15の制御演算出力に補正を行い、D軸及びQ軸に対しての制御演算を非干渉化し、モータ起動時は、制御演算を補正しない電圧補正量演算部16を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動モータの制御装置の技術分野に属する。
従来では、電動コンプレッサの駆動装置は、起動時において、電動コンプレッサの差圧を検出し、差圧があると、過電流保護手段の電流閾値を差圧がない時よりも高くし、モータへ印加する交流電圧の値を大きくしている(例えば、特許文献1参照)
特開2006−29342号公報(第2−9頁、全図)
しかしながら、従来にあっては安定した起動と、起動後の振動・騒音の抑制が充分ではなかった。
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、安定して起動を行うことができ、起動後の振動・騒音を充分に抑制することができる電動モータの制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、3相交流同期モータを制御する電動モータの制御装置において、前記3相交流同期モータに対して設定したD軸及びQ軸に対しての制御演算により前記3相交流同期モータの回転速度を制御する制御手段と、通常時は、前記制御演算に補正を行い、前記制御演算を非干渉化し、モータ起動時は、前記制御演算を補正しない補正手段と、を備えることを特徴とする。
よって、本発明にあっては、安定して起動を行うことができ、起動後の振動・騒音を充分に抑制することができる。
以下、本発明の電動モータの制御装置を実現する実施の形態を、請求項1〜5に係る発明に対応する実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の電動モータの制御装置のブロック構成を示す図である。
実施例1の電動モータの制御装置は、例えば、車両の空調装置における電動コンプレッサの制御装置、EVやHEVの車両の駆動用モータの制御装置を例とする。
実施例1の電動モータ制御装置1は、3相同期電動モータのコントローラの一部として設けられる。そのため、コントローラの他の部分により、3相同期電動モータの目標速度が設定され、電動モータ制御装置1に入力されるものとする。そして、電動モータ制御装置1は、インバータと3相同期電動モータからなるモータインバータ2へ制御信号を出力する。
電動モータ制御装置1は、目標回転速度演算部11、加算器12、DQ軸電流指令値演算部13、D軸電圧指令値演算部14、Q軸電圧指令値演算部15、電圧補正量演算部16、D軸電圧補正部17、Q軸電圧補正部18、インバータ制御信号演算部19、3相電流検出部20、電流変換部21、回転角度演算部22、回転速度推定部23を備えている。
目標回転速度演算部11は、制御目標としての目標回転速度を演算する。例えば、車両のエアコンであれば、エバポレータ通過後の空気温度が所望の値となるように、実際の空気温度と目標空気温度を比較して、PI制御により目標回転速度を設定する。
加算器12は、3相同期電動モータの目標回転速度と検出した回転速度の実値の偏差を演算する。
DQ軸電流指令値演算部13は、速度の偏差にゲインを乗じるフィードバック演算、例えばPI制御演算を行い、DQ軸電流指令値Iaを演算する。
さらに、DQ軸電流指令値Iaから、D軸電流指令値IdとQ軸電流指令値Iqに電流を配分し出力する。この配分は、例えば、次の式によって行う。ここで、20度は進角度に相当し、モータ機器定数から決まる値である。
(数3)
Id=sin(20/180・π)・Ia
(数4)
Iq=cos(20/180・π)・Ia
D軸電圧指令値演算部14は、D軸電流指令値Idと検出したD軸電流値Idを比較して、例えばPI制御からD軸電圧指令値Vd1を演算する。比例ゲイン、積分ゲインは、後述する非干渉制御の説明で用いた値を使用する。
Q軸電圧指令値演算部15は、Q軸電流指令値Iqと検出したQ軸電流値Iqを比較して、例えばPI制御からQ軸電圧指令値Vq1を演算する。比例ゲイン、積分ゲインは、後述する非干渉制御の説明で用いた値を使用する。
電圧補正量演算部16は、次の式に基づいて、補正量を演算する。
(数5)
Vd=Vd1−ω・Lq・Iq
(数6)
Vq=Vq1+ω・Ld・Id+ω・ψa
(数7)
D軸電圧補正量=−ω・Lq・Iq
(数8)
Q軸電圧補正量=ω・Ld・Id+ω・ψa
さらに、電圧補正量演算部16は、推定された回転速度からモータ起動を判断し、起動から所定時間内は、上記のD軸電圧補正量、Q軸電圧補正量を0とする。
D軸電圧補正部17は、D軸電圧指令値Vd1にD軸電圧補正量を加算して、最終的なD軸電圧指令値Vdを演算する。
Q軸電圧補正部18は、Q軸電圧指令値Vq1にQ軸電圧補正量を加算して、最終的なQ軸電圧指令値Vqを演算する。
インバータ制御信号演算部19は、以下のような計算を行って、3相指令電圧(Vu,Vv,Vw)を計算する。なお、Vα,Vβは中間変数であり、2相電圧指令値である。また、θは電気角(機械角×極対数)で表した回転角度である。
Figure 2009254117
Figure 2009254117
さらにインバータ制御信号演算部19は、3相指令電圧(Vu,Vv,Vw)と3角波を比較して、スイッチング信号を生成し、出力する。
3相電流検出部20は、3相同期電動モータのU相、V相、W相のコイルに流れる電流(Iu,Iv,Iw)を検出する。なお、全ての電流の和は0アンペアになるので、その関係を用いて、3相のうち2つをセンシングして、残りは計算で算出してもよい。その場合は、次の式によるものとする。
(数11)
Iu=-(Iv+Iw)
電流変換部21は、検出した3相電流Iu,Iv,Iwから次の式を用いて、Q軸電流Iq、D軸電流をIdを求める。この電流値Iq,Idは、検出電流を変換したものであるため実値である。
Figure 2009254117
Figure 2009254117
なお、この2つの式は、パーク変換とクラーク変換である。
回転角度演算部22は、回転速度推定部23により推定された回転速度を積分して、回転角度を演算する。
回転速度推定部23は、推定演算により回転速度を推定する。
推定演算の例として、電気学会論文誌(産業応用部門誌)127巻第7号に記載の論文「圧縮機用PMSM位置センサレスベクトル制御のためのBPFを用いた周期的速度変動抑制制御」の図1に記載の推定演算を挙げておく。
図2に示すのは、モータインバータ2の概要説明図である。
モータインバータ2は、3相交流同期モータ201と、インバータ回路である電源202、トランジスタ203〜208、電流検出抵抗209、210を備えている。
3相交流同期モータ201のロータの構造は埋め込み磁石型であるとする。
電源202は、3相交流同期モータ201へ駆動電源を供給する。
トランジスタ203〜208は、それぞれ3相交流同期モータ201の3相(U相、V相、W相)のコイルへの出力を行う。3相のアッパーアーム側には、それぞれ、トランジスタ203〜205のエミッタを3相コイルのそれぞれへ接続し、コレクタを電源供給側に接続する。そして、ベースへの入力は、インバータ制御信号演算部19からのゲート制御信号が入力される接続にする。
次に、3相のロワアーム側には、それぞれ、トランジスタ206〜208のコレクタを3相コイルのそれぞれへ接続し、エミッタを電源への帰還側へ接続する。そして、ベースへの入力は、インバータ制御信号演算部19からのゲート制御信号が入力される接続にする。なお、ロワアーム側は、それぞれのアッパーアーム側のゲート制御信号の反転した波形が入力されることになる。
さらに、3相のうち、2相のロワアーム側には、電流検出抵抗209、210を設けるようにする。残りの相の電流値は演算で求めるものとする(上記数式10参照)。なお、電流検出抵抗209、210の例としてシャント抵抗を挙げておく。
作用を説明する。
[モータ制御]
実施例1の電動モータ制御装置1では、上位に設けられる制御により、情報が目標回転速度演算部11へ入力され、これに基づいて制御を行う。
例えば、車室内の空調制御では、電動コンプレッサの目標回転速度が設定される。
これに対して電動モータの制御装置では、この目標回転速度を実現するように交流同期モータをベクトル制御方式によって制御する。
図3は実施例1の電動モータの制御装置のベクトル制御の説明図である。
このベクトル制御では、図3に示すように、交流電流を直流化し、1対の磁極のロータに対して、磁極方向のD軸と磁極と直交するQ軸を考え、制御上、D軸電流とQ軸電流として取り扱う。
そのため、D軸電流を増加すればトルクが増加し、Q軸電流を増加すれば回転速度が増加する。
実施例1では、目標回転速度と実回転速度の偏差から、DQ軸電流指令値演算部13が、DQ軸電流指令値を演算し、さらに、D軸電流指令値IdとQ軸電流指令値Iqに配分する演算を行い出力する。
そして、D軸電圧指令値演算部14とQ軸電圧指令値演算部15によって、D軸電流指令値IdとQ軸電流指令値Iqに、検出値Id,Iqを近づけるようフィードバック制御をPI制御により行う。
そして、このようにして得られたD軸電圧の指令値Vd1、Q軸電圧の指令値Vq1を、補正を介して出力し、インバータ制御信号演算部19により3相指令電圧(Vu,Vv,Vw)にして、モータインバータ2へ出力する制御を行う。
図4はU相の電圧指令値と三角波からゲート制御信号を生成する状態を示す説明図である。
実施例1の電動モータの制御装置において、インバータ制御信号演算部19では、3相指令電圧(Vu,Vv,Vw)と3角波を比較して(図4(a)参照)、ゲート制御信号を生成する(図4(b)参照)。このゲート制御信号は、PWM制御信号であり、デューティ比で表現されるものとなる。
なお、図4にはU相を例に示すが、V相、W相も同様に生成できる。
[非干渉制御]
実施例1の電動モータ制御装置1では、電圧補正量演算部16、D軸電圧補正部17、Q軸電圧補正部18を備えることによって、非干渉制御を行っている。
図1のブロック構成において、Vd,VqとId,Iqの関係は、下の数式12、数式13のようになる。
なお、数式14、数式15において、p()は括弧内の変数の時間微分を表わす。Rはモータ巻き線各相の抵抗値(U相、V相、W相全て同じとする)である。ωは回転速度(電気角)である。ψaはロータである永久磁石の磁束である。LqはQ軸インダクタンス、LdはD軸インダクタンスである。
(数14)
Vd=R・Id−ω・Lq・Iq+Ld・p(Iq)
(数15)
Vq=R・Iq+ω・Lq・Iq+ω・ψa+Lq・p(Iq)
ここで、Vd,VqとVd1,Vq1との関係が下式となるように電圧の補正を行う。
(数16)
Vd=Vd1−ω・Lq・Iq
(数17)
Vq=Vq1+ω・Lq・Iq+ω・ψa
すると、数式14、数式15は、以下の式とすることができる。これを拡大した制御対象とみなすことで、D軸、Q軸の電圧指令値演算は単純なPI制御で、狙いとする電流制御性能を実現することができる。
(数18)
Vd1=R・Id+Ld・p(Iq)
(数19)
Vq1=R・Iq+Lq・p(Iq)
次に、非干渉制御を行った場合の電流制御(電圧指令値演算)について説明する。
図5は、D軸側の電流制御系の制御ブロック構成を示す図である。
この図5では、加算器32によるD軸電流指令値Idと実D軸電流Idとの偏差に対して、D軸電圧指令値演算部14が、比例ゲインKp、積分ゲインKiにより、次の数式20に示す伝達関数による演算を行い、非干渉制御を含む拡大制御対象31が、次に数式21に示す伝達関数による演算を行う。そして、帰還路が形成され、フィードバック制御が行われる。
ここで、比例ゲインKpと積分ゲインKiを以下のように選択すれば、D軸電流指令値(Id)からD軸電流までの伝達関数(Gcとする)を、一次遅れで表わすことができる。
(数20)
Kp=L/τ
(数21)
Ki=R/τ
(数22)
Gc=1/(τ・s+1)
ここで、時定数τは、比例ゲイン、積分ゲインの設定によって、自由に設計することができる。
このように非干渉制御を行うことによって、電流制御の閉ループ特性を定常偏差の生じない一次遅れとすることができ、元々のプラントの時定数であるLd/Rとは関係なく、自由に時定数を変えることができる。
なお、Q軸電流制御系についても同じである。
実施例1では、電圧補正量演算部16、D軸電圧補正部17、Q軸電圧補正部18によって、上記数式16、数式17が満足するよう補正を行って、非干渉制御を成立させ、電流の制御性能を向上する。
[非干渉制御の起動時停止処理]
図6に示すのは、電圧補正量演算部16で実行される非干渉制御の起動時停止処理の流れを示すフローチャートで、以下各ステップについて説明する。
ステップS1では、回転速度推定部23からの回転速度からモータ起動を検出したかどうかを判断し、起動を検出したならばステップS2へ進み、起動を検出しないならば処理を終了する。
ステップS2では、タイマカウントをスタートする。
ステップS3では、所定時間が経過したかどうかを判断し、所定時間が経過したならば、ステップS4へ進み、所定時間が経過しないならばステップS5へ進む。
ステップS4では、D軸電圧補正量を−ω・Lq・Iqから演算し、Q軸電圧補正量をω・Lq・Iq+ω・ψaから演算し、非干渉制御を成立させる制御状態にして処理を終了する。
ステップS5では、D軸電圧補正量を0とし、Q軸電圧補正量を0とし、非干渉制御を行わない制御状態にして、ステップS3へ戻る。
[非干渉制御の起動時停止作用]
実施例1では、電圧補正量演算部16により、モータ起動から所定の時間が経過するまで(ステップS1〜S3)は、D軸電圧補正量、Q軸電圧補正量を0にして非干渉制御を成立させないようにする。非干渉制御が成立しなくても、上記説明したPI制御は行われ、目標の回転速度に向けてフィードバック制御が行われる。
これにより、詳細を後述するモータ起動時の干渉制御に用いる入力値が不安定な状態では、干渉制御を行わないようにしつつも、モータ起動後には、干渉制御が行われ、電流の制御性能を向上させることができる。電流の制御性能が向上すると、モータの回転変動や、これによる振動・騒音を抑制することができる。
さらに、説明する。電圧補正量演算部16において、非干渉制御を成立させる補正量を演算するためには、検出される電流値Id,Iqと回転速度ωの情報が必要であり、実施例1では、回転速度推定部23、3相電流検出部20、電流変換部21により、電圧補正量演算部16へ入力される。その他のパラメータは定数として扱える。これらは、基本的には実値でないと理想的な非干渉化にならない。
このことについて、実施例1のように回転速度を推定速度によって求めるセンサレス制御方式を採用する場合は、以下のようになる。
センサレス制御には、いくつかの制御には、いくつかの演算方法が存在するが、モータを動かし始める前に、ロータの磁極位置推定を行う場合を除くと、モータを回しながら、推定精度を上げていくような動作を行う。
駆動初期段階は、磁極位置とは関係なく、回転磁界が生じるようにステータコイルの電流を制御する。これはオープンループ制御であり、さらにこの制御が行われ、ロータは、やがて回転磁界に同期して回転する。推定演算は駆動初期段階から行うが、推定回転速度が回転磁界の速度に達してから、推定演算ができると判断し、速度フィードバック制御を開始する。これは、クローズドループ制御である。即ち、オープンループ制御中は推定値の精度は低くなり、さらに推定回転速度を積分して求めた推定角度に従って、3相交流電流を変換して求めたId,Iqの値の精度も低くなってしまう。このため、駆動初期段階から推定回転速度や実際のD軸、Q軸電流(Id,Iq)を使うと、理想的な干渉化が行えないだけでなくモータが駆動できないという問題も生じることがある。
実施例1では、モータ起動時では、干渉制御を行わないようにし、確実なモータ起動を行い、モータ起動後には、干渉制御を行い、電流の制御性能を向上させる。
効果を説明する。実施例1の電動モータの制御装置にあっては、以下に列挙する効果を有する。
(1)3相交流同期モータ201を制御する電動モータ制御装置1において、3相交流同期モータ201に対して設定したD軸及びQ軸に対しての制御演算により3相交流同期モータ201の回転速度を制御するDQ軸電流指令値演算部13、D軸電圧指令値演算部14、Q軸電圧指令値演算部15と、通常時は、D軸電圧指令値演算部14、Q軸電圧指令値演算部15の制御演算出力に補正を行い、D軸及びQ軸に対しての制御演算を非干渉化し、モータ起動時は、制御演算を補正しない電圧補正量演算部16を備えるため、安定して起動を行うことができ、起動後の振動・騒音を充分に抑制することができる。
(2)上記(1)において、制御手段は、3相交流同期モータ201への要求に基づいて、3相交流同期モータ201の目標回転速度を設定する目標回転速度演算部11と、3相交流同期モータ201の回転速度を推定する回転速度推定部23と、目標回転速度に推定回転速度が近づくように、3相交流同期モータ201のQ軸電流指令値、D軸電流指令値を設定するDQ軸電流指令値演算部13と、推定回転速度を積分演算して回転角度を演算する回転角度演算部22と、各相に流れる交流電流を検出する3相電流検出部20と、各相の交流電流と、回転角度から実Q軸電流、実D軸電流を演算する電流変換部21と、Q軸電流指令値と実Q軸電流から、その差が小さくなるようにPI制御によってQ軸電圧指令値を演算するQ軸指令値演算部14と、D軸電流指令値と実D軸電流から、その差が小さくなるようにPI制御によってD軸電圧指令値を演算するD軸指令値演算部15と、補正後のQ軸電圧指令値とD軸電圧指令値、及び回転角度から、3相交流同期モータ201を駆動するモータインバータ2のトランジスタ203〜208の制御信号を演算するインバータ制御信号演算部19を備え、補正手段は、回転速度と実D軸電流、及びQ軸電流から、D軸電流制御とQ軸電流制御を非干渉化させるようD軸電圧指令値とQ軸電圧指令値の補正値を演算する電圧補正量演算部16と、D軸電圧指令値にD軸電圧補正値を加算して補正を行うD軸電圧補正部17と、Q軸電圧指令値にQ軸電圧補正値を加算して補正を行うQ軸電圧補正部18を備え、電圧補正量演算部16は、モータ起動から所定期間は、D軸電圧指令値とQ軸電圧指令値の補正量を共に0とし、モータ起動から所定期間経過後は、実D軸電流と実Q軸電流、及び推定回転速度を用いて、D軸電圧指令値とQ軸電圧指令値の補正量を演算するため、DQ軸電流指令値演算部13とD軸電圧指令値演算部14、及びQ軸電圧指令値演算部15は、目標回転速度演算部11で設定された目標回転速度と推定回転速度の差が小さくなるように、例えばPI制御によりD軸、Q軸に対する制御演算を行う。その際に、電圧補正量演算部16は、制御演算に対する補正を行うことで、通常時は制御演算を非干渉化する。非干渉化された制御演算は、D軸に関する制御の伝達関数又は制御式、制御パラメータと、Q軸に関する制御の伝達関数又は制御式、制御パラメータが共通せず、独立した制御状態となる。これにより、制御は他方の軸制御への干渉を考慮せずに制御できることになり、制御性が向上し、電流制御性能が向上できる。但し、このような制御を行う際、本来は入力値の実値は、実際の検出値を用いることが望ましいが、コストや構造から実際の検出が困難で、推定値を用いている場合(実施例では回転速度が推定速度)に、同期モータのモータ起動時は、回転磁界を先行させ、これでロータを引き上げるようにして起動させるため、推定値の確実さが低下し、非干渉制御を成立させるための補正を行うと、モータ起動に影響があり、起動しないこともあり得るため、モータ起動時には補正値を0にして、非干渉制御にしないようにして、モータ起動の確実性、推定値の使用、非干渉制御を良好に成立させ、安定して起動を行うことができ、起動後の振動・騒音を充分に抑制することができる。
(3)上記(2)において、電圧補正量演算部16のモータ起動から所定経過後は、回転角度をω、Q軸インダクタンスをLq、実Q軸電流をIq、D軸インダクタンスをLd、実D軸電流をId、電動モータのロータの永久磁石の磁束をψaとし、
次の数式23、
(数23)
D軸電圧補正量=−ω・Lq・Iq
及び次の数式24、
(数24)
Q軸電圧補正量=ω・Ld・Id+ω・ψa
から補正量を演算するため、D軸の電圧指令値演算は次の数式25となる。
(数25)
Vd1=R・Id+Ld・p(Id)
そして、Q軸の電圧指令値演算は次の数式26となる。
(数26)
Vq1=R・Iq+Lq・p(Iq)
ここで、Rは抵抗値、Ld,Lqはインダクタンス値であることを踏まえると、D軸の制御演算の数式23とQ軸の制御演算の数式24では、制御変数の共通項がない。そのため、一方の軸に対する制御が他方の軸に対して影響することがなく(非干渉化)、そのための考慮や制限も必要がない。そのため、PI制御等を非常に有効に発揮させることができる。
(4)上記(2)または(3)において、所定期間は、推定回転速度が回転磁界の速度に達する時間に設定されているため、推定回転速度が回転磁界の速度に充分にまだ追従していないために、非干渉化のための補正に用いる推定値の確実性が低くなる。この場合に、非干渉化を行うと制御の精度が低下し、モータ起動に影響を及ぼすことがある。そのため、補正を行わない制限を、推定回転速度が回転磁界の速度に達する時間に設定することにより、モータを確実に起動させた後、非干渉化による制御性能の向上を行うようにし、モータ起動を含めた制御状態を良好なものにできる。
(5)上記(1)〜(4)において、3相交流同期モータ201は、車両の空調装置におけるコンプレッサを駆動するのに用いられるものであるため、エンジンルーム内など比較的ドライバに近い位置に配置されるコンプレッサは、振動や騒音が生じると、ドライバが認識しやすいものとなる。そのため、モータ起動と非干渉制御を両立させることによる電流の制御性能の向上化は、コンプレッサの回転変動、これによる振動、騒音の抑制を行うことになり、ドライバが感じる車両の静粛性の評価を向上させるのに寄与することができる。
以上、本発明の電動モータの制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、3相交流同期モータは、ハイブリッド車(HEV)の駆動用として用いるものであってもよいし、電気自動車(EV)の駆動用として用いるものであってもよい。トルク振動の抑制は、作動音の低減につながり、運転可能領域の広域確保は、モータ小型化につながる。
実施例では、インバータはトランジスタで構成したが、他のスイッチング素子を用いたものであってもよい。
実施例1の電動モータの制御装置のブロック構成を示す図である。 モータインバータの概要説明図である。 実施例1の電動モータの制御装置のベクトル制御の説明図である。 U相の電圧指令値と三角波からゲート制御信号を生成する状態を示す説明図である。 D軸側の電流制御系の制御ブロック構成を示す図である。 電圧補正量演算部で実行される非干渉制御の起動時停止処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 電動モータ制御装置
11 目標回転速度演算部
12 加算器
13 DQ軸電流指令値演算部
14 D軸電圧指令値演算部
15 Q軸電圧指令値演算部
16 電圧補正量演算部
17 D軸電圧補正部
18 Q軸電圧補正部
19 インバータ制御信号演算部
20 3相電流検出部
21 電流変換部
22 回転角度演算部
23 回転速度推定部
31 拡大制御対象
32 加算器
2 モータインバータ
201 3相交流同期モータ
202 電源
203〜208 トランジスタ
209 電流検出抵抗
210 電流検出抵抗
Ia DQ軸電流指令値
Id D軸電流指令値
Id 実D軸電流
Iq Q軸電流指令値
Iq 実Q軸電流
Iu U相電流
Iv V相電流
Iw W相電流
Ki 積分ゲイン
Kp 比例ゲイン
Vd1 D軸電圧指令値
Vd (補正後の)D軸電圧指令値
Vq1 Q軸電圧指令値
Vq (補正後の)Q軸電圧指令値
ψa (ロータである永久磁石の)磁束
ω 回転速度

Claims (5)

  1. 3相交流同期モータを制御する電動モータの制御装置において、
    前記3相交流同期モータに対して設定したD軸及びQ軸に対しての制御演算により前記3相交流同期モータの回転速度を制御する制御手段と、
    通常時は、前記制御演算に補正を行い、前記制御演算を非干渉化し、モータ起動時は、前記制御演算を補正しない補正手段と、
    を備えることを特徴とする電動モータの制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動モータの制御装置において、
    前記制御手段は、
    3相交流同期モータへの要求に基づいて、前記3相交流同期モータの目標回転速度を設定する目標回転速度設定手段と、
    前記3相交流同期モータの回転速度を推定する回転速度推定手段と、
    目標回転速度に推定回転速度が近づくように、前記3相交流同期モータのQ軸電流指令値、D軸電流指令値を設定する目標DQ軸電流指令値演算手段と、
    前記推定回転速度を積分演算して回転角度を演算する回転角度演算手段と、
    各相に流れる交流電流を検出する3相電流検出手段と、
    各相の交流電流と、前記回転角度から実Q軸電流、実D軸電流を演算する電流変換手段と、
    前記Q軸電流指令値と実Q軸電流から、その差が小さくなるようにPI制御によってQ軸電圧指令値を演算するQ軸指令値演算手段と、
    前記D軸電流指令値と実D軸電流から、その差が小さくなるようにPI制御によってD軸電圧指令値を演算するD軸指令値演算手段と、
    補正後の前記Q軸電圧指令値と前記D軸電圧指令値、及び前記回転角度から、前記3相交流同期モータを駆動するインバータのスイッチング素子の制御信号を演算するインバータ制御信号演算手段と、
    を備え、
    前記補正手段は、
    前記回転速度と前記実D軸電流、及び前記Q軸電流から、D軸電流制御とQ軸電流制御を非干渉化させるよう前記D軸電圧指令値と前記Q軸電圧指令値の補正値を演算する電圧補正量演算手段と、
    前記D軸電圧指令値に前記D軸電圧補正値を加算して補正を行うD軸電圧補正手段と、
    前記Q軸電圧指令値に前記Q軸電圧補正値を加算して補正を行うQ軸電圧補正手段と、
    を備え、
    前記電圧補正量演算手段は、モータ起動から所定期間は、前記D軸電圧指令値と前記Q軸電圧指令値の補正量を共に0とし、
    モータ起動から所定期間経過後は、実D軸電流と実Q軸電流、及び推定回転速度を用いて、前記D軸電圧指令値と前記Q軸電圧指令値の補正量を演算する、
    ことを特徴とする電動モータの制御装置。
  3. 請求項2に記載の電動モータの制御装置において、
    前記電圧補正量演算手段のモータ起動から所定経過後は、
    回転角度をω、Q軸インダクタンスをLq、実Q軸電流をIq、D軸インダクタンスをLd、実D軸電流をId、3相交流同期モータのロータの永久磁石の磁束をψaとし、
    次の数式1、
    (数1)
    D軸電圧補正量=−ω・Lq・Iq
    及び次の数式2、
    (数2)
    Q軸電圧補正量=ω・Ld・Id+ω・ψa
    から
    補正量を演算することを特徴とする電動モータの制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の電動モータの制御装置において、
    前記所定期間は、前記推定回転速度が回転磁界の速度に達する時間に設定されていることを特徴とする電動モータの制御装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電動モータの制御装置において、
    前記3相交流同期モータは、車両の空調装置におけるコンプレッサを駆動するのに用いられるものである、
    ことを特徴とする電動モータの制御装置。
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