JP2009252634A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】流量可変式のエジェクタを備えた燃料電池システムにおいて、反応オフガスのパージ時に不純物を確実性良く排出することを目的とする。
【解決手段】燃料電池(2)に供給する反応オフガス及び反応ガスの少なくとも一つの流量を可変可能な流量可変駆動部(48)を有するエジェクタ(24)と、反応オフガスを循環系の外部に排出するためのパージ弁(35)と、を備える燃料電池システム(1)において、制御装置(5)によって、パージ弁(35)の開弁時に、循環系(23)内に圧力変動が生じるように流量可変駆動部(48)を微動させるようにした。
【選択図】図3
【解決手段】燃料電池(2)に供給する反応オフガス及び反応ガスの少なくとも一つの流量を可変可能な流量可変駆動部(48)を有するエジェクタ(24)と、反応オフガスを循環系の外部に排出するためのパージ弁(35)と、を備える燃料電池システム(1)において、制御装置(5)によって、パージ弁(35)の開弁時に、循環系(23)内に圧力変動が生じるように流量可変駆動部(48)を微動させるようにした。
【選択図】図3
Description
本発明は、流量可変式のエジェクタを備えた燃料電池システムに関するものである。
反応ガス(燃料ガス、酸化ガス)の供給を受けて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムとして、燃料電池から排出される反応オフガス中の未反応の反応ガスを再利用するために、エジェクタにより反応オフガスを燃料電池に循環供給させるものが知られている。例えば、特許文献1に記載の燃料電池システムは、流量可変式のエジェクタを利用して、そのノズルからの燃料ガスの噴射によって循環流路内の燃料オフガスを吸引し、これらを合流させて、燃料電池に供給する。
ところで、特許文献1においても指摘されているように、燃料電池の内部や燃料オフガスの循環流路には、経時的に窒素ガスや生成水などの不純物が蓄積する。このため、一般には、パージ弁を定期的に開弁して、循環流路から燃料オフガスとともに不純物を外部に排出することが行われる。このようなパージ処理を行うことによって、燃料電池に供給される燃料ガスの水素濃度の低下を抑制している。
特開2007−149423号公報
しかし、不純物の大部分を構成する窒素分子や水分子は水素分子に対して重い。このため、パージ弁を開弁すると、パージ弁近辺の不純物は燃料オフガスとともに外部に排出されるが、燃料電池の単セル内(アノード電極の拡散層やアノード流路)に付着しているような窒素ガスや液滴(生成水)は外部に排出され難かった。
そこで、本発明は、流量可変式のエジェクタを備えた燃料電池システムにおいて、反応オフガスのパージ時に不純物を確実性良く排出することを目的とする。
上記課題を解決するべく、本発明の燃料電池システムは、燃料電池から排出された反応オフガスを燃料電池に循環供給する循環系と、燃料電池への新しい反応ガスを循環系を通じて供給する供給流路と、循環系と供給流路との接続部分に設けられて反応オフガスと反応ガスとを合流させるエジェクタであって、燃料電池に供給する反応オフガス及び反応ガスの少なくとも一つの流量を可変可能な流量可変駆動部を有するエジェクタと、反応オフガスを循環系の外部に排出するためのパージ弁と、エジェクタの流量可変駆動部及びパージ弁の開閉を制御する制御装置と、を備えるものにおいて、制御装置は、パージ弁の開弁時に、循環系内に圧力変動が生じるように流量可変駆動部を微動させる。
この構成によれば、エジェクタがパージ弁の開弁に同期して循環系内に圧力変動をもたらすので、その圧力変動が循環系内のみならず燃料電池内にも作用する。これにより、燃料電池内や循環系内に付着し得るような不純物までも、これらから離して、反応オフガス中に含ませ得る。よって、パージ時に、不純物を反応オフガスとともに確実性良く排出することができる。
好ましくは、制御装置は、パージ弁の開弁時に、流量可変駆動部を周期的に微動させるとよい。この構成によれば、ある圧力振幅の圧力変動が循環系内に繰り返し作用するようになる。これにより、不純物の排出性を向上することができる。
好ましくは、制御装置は、パージ弁の開弁中には流量可変駆動部の微動が行われているように、パージ弁の開弁よりも先に流量可変駆動部の微動を開始させるとよい。こうすることで、パージ弁の開弁と流量可変駆動部の微動とを同時に行う場合に比べて、パージ弁を開弁した際に不純物が迅速に排出されるようになる。また、相対的であるが、パージ弁の開弁時間を短縮し得る。
好ましくは、燃料電池システムは、循環系内の圧力を調整可能な圧力調整手段を備え、制御装置は、圧力調整手段を制御して循環系内の圧力を上昇させた後、パージ弁を開弁するとよい。こうすることで、パージ弁の開弁により減圧されることを考慮して、予め循環系内の圧力を上げておくことができる。
より好ましくは、燃料電池システムは、供給流路を開閉する遮断弁を備え、制御装置は、流量可変駆動部を微動させる間、遮断弁を閉弁するとよい。
好ましくは、燃料電池システムは、エジェクタへの反応ガスの流量及び圧力を制御可能なインジェクタを供給流路に備え、制御装置は、パージ弁の開弁時に、流量可変駆動部の微動に同期してインジェクタを制御するとよい。こうすることで、インジェクタによる圧力変動も加わるので、より一層、不純物の排出性を向上することができる。
より好ましくは、制御装置は、パージ弁の開弁時に、流量可変駆動部による圧力上昇方向への微動動作とインジェクタによる圧力上昇方向への動作とが異なるタイミングで実行されるように、インジェクタを制御するとよい。こうすることで、循環系内の圧力上昇が大きくなり過ぎることを抑制でき、燃料電池の耐久性が損なわれることを抑制できる。
好ましくは、流量可変駆動部は、反応ガス又は反応オフガスを噴射するノズルに対して、制御装置からの制御信号によって進退するニードルで構成されているとよい。この構成によれば、パージ弁の開弁時にニードルを進退させることで、循環系内に圧力変動をもたらして、不純物を確実性良く排出することができる。
好ましくは、反応ガス及び反応オフガスは、水素を含む燃料ガスであるとよい。
以上説明した本発明の燃料電池システムによれば、流量可変式のエジェクタを有効に利用して、反応オフガスのパージ時に不純物を確実性良く排出することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。この燃料電池システムは、燃料電池に反応ガスを循環供給させるエジェクタを備えたものであり、このエジェクタを利用してパージ時の不純物の排出性を高めたものである。以下では、燃料ガスの配管系にエジェクタを配した例について説明するが、もちろん酸化ガスの配管系にエジェクタを配した燃料電池システムにも適用可能である。
<第1実施形態>
図1に示すように、燃料電池システム1は、酸化ガス及び燃料ガスの供給を受けて電力を発生する燃料電池2を備える。また、燃料電池システム1は、酸化ガス配管系3、水素ガス配管系4及び制御装置5を備える。酸化ガスは、例えば、空気であり、酸素を含むガスである。燃料ガスは、例えば、水素ガスである。なお、燃料電池2に供給される酸化ガス及び燃料ガスは反応ガスと総称され、燃料電池2から排出される酸化オフガス及び燃料オフガス(水素オフガス)は反応オフガスと総称される。
図1に示すように、燃料電池システム1は、酸化ガス及び燃料ガスの供給を受けて電力を発生する燃料電池2を備える。また、燃料電池システム1は、酸化ガス配管系3、水素ガス配管系4及び制御装置5を備える。酸化ガスは、例えば、空気であり、酸素を含むガスである。燃料ガスは、例えば、水素ガスである。なお、燃料電池2に供給される酸化ガス及び燃料ガスは反応ガスと総称され、燃料電池2から排出される酸化オフガス及び燃料オフガス(水素オフガス)は反応オフガスと総称される。
燃料電池2は、例えば固体高分子電解質型からなり、多数のセルを積層したスタック構造を備える。燃料電池2の単セルは、電解質膜の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極及び燃料極を両側から挟みこむように一対のセパレータを有する。一方のセパレータの酸化ガス流路2aに酸化ガスが供給され、他方のセパレータの燃料ガス流路2bに水素ガスが供給される。供給された水素ガス及び酸化ガスの電気化学反応により、燃料電池2は電力を発生する。
酸化ガス配管系3は、加湿器11により加湿された酸化ガスを燃料電池2に供給する供給流路12と、燃料電池2から排出された酸化オフガスを加湿器11に導く排出流路13と、加湿器11から水素希釈器(図示省略)に酸化オフガスを導くための排気流路14と、を備える。コンプレッサ15が、大気中の酸素ガスを取り込んで、供給流路12を通じて加湿器11及び燃料電池2へと圧送する。
水素ガス配管系4は、水素供給源21と、供給流路22と、循環系23と、エジェクタ24とを備える。水素供給源21は、例えば、高圧の水素ガスを貯留した水素タンクであるが、水素吸蔵合金であってもよいし、天然ガス等を水素ガスに改質する改質器を備えたものであってもよい。
供給流路22は、循環系23の一部を通じて燃料電池2に水素ガスを供給するために、水素供給源21からの新たな水素ガスをエジェクタ24に導くものである。供給流路22には、水素供給源21として機能する遮断弁31と、水素ガスの圧力を調整するレギュレータ32と、が設けられる。
循環系23は、燃料電池2から排出された水素オフガスを燃料電池2に循環供給するものであり、循環流路23a及び混合流路23bからなる。循環流路23aは、燃料電池2の水素ガス出口からエジェクタ24の吸引口までに至る流路であり、混合流路23bは、エジェクタ24の排出口から燃料電池2の水素ガス入口に至るまでの流路である。混合流路23bは、エジェクタ24内で合流する水素ガス及び水素オフガス(以下、合流後のガスを混合水素ガスという場合がある。)を燃料電池2に供給する。
循環流路23aには、水素オフガスをエジェクタ24に圧送する循環ポンプ33が設けられる。また、循環ポンプ33の上流側では、循環流路23aにパージ路34が分岐接続され、パージ路34には、電磁式の遮断弁であるパージ弁35が設けられる。パージ弁35が燃料電池システム1の稼動時に適宜(例えば、所定の周期で)開弁することで、水素オフガスが循環系23の外部の水素希釈器に排出される。このとき、水素オフガスと一緒に、水素オフガス中に含まれる不純物も循環系23外へと排出される。このため、循環系23内の水素オフガス中の不純物の濃度が下がり、燃料電池2に循環供給される水素オフガス中の水素濃度が上がることになる。なお、水素オフガス中の不純物は、水素オフガスに含有した生成水などの水分のほか、燃料電池2の空気極からイオン交換膜を介して燃料極に透過した窒素ガス、すなわちクロスリークした窒素ガスなどである。
エジェクタ24は、供給流路22と循環系23との接続部分に設けられ、水素ガスと水素オフガスとを合流させる。詳細には、エジェクタ24は、新たな水素ガスを燃料電池2側へ噴射することにより負圧を発生させ、この負圧によって循環流路23a内の水素オフガスを吸引して、水素オフガスを水素ガスに合流させる。エジェクタ24は、新たな水素ガス及び水素オフガスの少なくとも一つの流量を可変可能に構成されており、それにより混合水素ガスの流量が可変可能になっている。以下では、新たな水素ガスの流量が可変可能なエジェクタ24の例を説明する。
図2に示すように、エジェクタ24の筐体41には、供給流路22に接続された1次側の供給口42と、混合流路23bに接続された2次側の排出口43と、循環流路23aに接続された負圧作用側の吸引口44と、が形成されている。
筐体41の内部には、供給口42からの新たな水素ガスを下流側に向かって噴射するノズル46と、ノズル46の下流側に設けられたディフューザ47と、ノズル46を通過する新たな水素ガスの流量を制御することにより燃料電池2への新たな水素ガスの供給流量を可変するニードル48と、が構成されている。ノズル46からディフューザ47に向けて新たな水素ガスが噴射されることで、ディフューザ47において新たな水素ガスと水素オフガスとが合流・混合される。
ニードル48は、先端側がノズル46の内部に臨み、基端側がピストン62の表面62aに接続される。なお、ニードル48は、ピストン62と別体に形成してもよい。ニードル48は、先端側に向かって先細りの錐体からなり、ノズル46に対して軸方向に進退移動する。ニードル48の軸方向の進退位置に応じて、ニードル48とノズル46の内周壁との間の開口面積が可変される。これにより、ノズル46を通過する新たな水素ガスの流量が制御され、燃料電池2への水素ガスの供給流量が制御される。
ピストン62及びバネ抑え64は、その外周面を筐体41の内壁面に沿って摺動可能に構成される。ピストン62とバネ抑え64との間にバネ63が介装され、バネ抑え64には、アクチュエータ65が連結される。アクチュエータ65は、例えばモータ、シリンダ装置またはソレノイドからなり、制御装置5に接続される。アクチュエータ65の駆動により、バネ抑え64、バネ63及びピストン62を介して、ニードル48が軸線方向に進退移動する。
なお、ニードル48に代えて、ダイヤフラムなどを流量可変駆動部として用いてもよい。また、新たな水素ガスの流量を可変する場合を例にエジェクタ24の構造を説明したが、流量可変駆動部が、新たな水素ガスではなく、水素オフガスの流量を可変可能に構成されてもよいし、又は新たな水素ガス及び水素オフガスの両者の流量を可変可能に構成されてもよい。
制御装置5(ECU)は、CPU、CPUで処理する制御プログラムや制御データを記憶したROM,主として制御処理のための各種作業領域として使用されるRAMなどを有する。制御装置5は、酸化ガス配管系3及び水素ガス配管系4にある各種のセンサからの検出信号や、燃料電池システム1の系外からの各種の信号を入力する。そして、制御装置5は、各種ドライバに制御信号を出力することにより、コンプレッサ15、エジェクタ24のアクチュエータ65、遮断弁31、及びパージ弁35などを制御する。例えば、制御装置5は、燃料電池システム1の要求電力に応じて、アクチュエータ65を駆動して、燃料電池2への水素ガスの供給流量を制御する。
続いて、図3を参照して、水素オフガスのパージ処理時の制御例について説明する。
燃料電池システム1の稼動中、コンプレッサ15の駆動により酸化ガスが燃料電池2に供給されると共に、遮断弁31が開いていて、エジェクタ24により混合水素ガスが燃料電池2に供給される。一方、パージ弁35は、通常は閉じており、制御装置5による制御信号に基づいて開弁する。図3は、パージ弁35が開弁するときの、遮断弁31の開閉状態、アノード入口圧(すなわち、燃料電池2の水素ガス入口における混合水素ガスの圧力)の挙動、及びエジェクタ24のニードル48の位置を時間軸で示している。
燃料電池システム1の稼動中、コンプレッサ15の駆動により酸化ガスが燃料電池2に供給されると共に、遮断弁31が開いていて、エジェクタ24により混合水素ガスが燃料電池2に供給される。一方、パージ弁35は、通常は閉じており、制御装置5による制御信号に基づいて開弁する。図3は、パージ弁35が開弁するときの、遮断弁31の開閉状態、アノード入口圧(すなわち、燃料電池2の水素ガス入口における混合水素ガスの圧力)の挙動、及びエジェクタ24のニードル48の位置を時間軸で示している。
図3に示すように、先ず、タイミングt1において、アノード入口圧を上昇させる。これは、例えば循環ポンプ33の回転数を上げることなどにより、循環系23内の圧力を上昇させることで行う。これにより、アノード入口圧について、パージ弁35の開弁により減圧される分を予め上昇させておくことができる。
次いで、タイミングt2において、制御装置5は、遮断弁31を閉弁すると共に、ニードル48を微動させ始める。ニードル48の微動は、制御装置5からの制御信号を受けたアクエータ65によって行う。このとき、アクチュエータ65は、ニードル48が周期的に微動するように駆動し始める。詳細には、アクチュエータ65は、ニードル48をノズル46に対して前後に且つ短周期で進退させ、それにより循環系23内に圧力振動をもたらすようにする。
なお、図3に示す「ニードル位置」の「開」は、ニードル48がノズル46から退避したことにより、ノズル46の開口面積が大きくなった状態を意味する。また、図3に示す「ニードル位置」の「閉」は、ニードル48がノズル46に向かって進出したことにより、ノズル46の開口面積が小さくなった状態を意味する。パージ弁35が閉弁中のニードル48は、燃料電池システム1の要求電力に応じてアクチュエータ65により移動するが、図3では、本発明の特徴を分かりやすく説明するために、パージ弁35が閉弁中のニードル48の位置は一定のものであるとして示されている。
続いて、ニードル48が微動し始めた直後のタイミングt3において、制御装置5は、パージ弁35を開弁する。これにより、アノード入口圧は、ニードル48による圧力振動を受けつつ、徐々に低下していく。なお、図3では、アノード入口圧に振動が発生している様子は省略して示されている。
パージ弁35が再び閉じられるタイミングt4までの間では、ニードル48がもたらす循環系5内の圧力振動(圧力差)が、循環系23の配管や燃料電池2内の燃料ガス流路2aに作用する。この作用によって、燃料ガス流路2a及び燃料極の拡散層等に溜まった不純物(窒素ガス、液滴)が水素オフガスとともに燃料電池2外に排出され、パージ弁35の下流へと排出される。パージ弁35を閉じた後のタイミングt5において、ニードル48の微振動が終了すると共に、遮断弁31が開弁する。これにより、一回のパージ処理が終了することになる。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システム1によれば、パージ弁35とニードル48とが協調制御され、パージ処理の際に、燃料電池2内に圧力変動がもたらされる。これにより、燃料電池2内等で圧力のゆらぎが起きるようになるので、燃料電池2内の奥部に付着して存在するような不純物を掻きだすように燃料電池2外に排出することができる。これにより、パージ時に、燃料電池2及び循環系23内に含まれる不純物を、水素オフガスとともに確実性良く循環系23外に排出することができる。
特に、ニードル48が周期的に微振動するので、所定の圧力振幅の振動が循環系23内に繰り返し作用するようになる。このため、不純物の排出性を向上することができる。また、パージ弁35の開弁に優先してニードル48の微振動を開始するので、パージ弁35の開弁とニードル48の微振動とを同時に開始する場合に比べて、燃料電池2内に圧力振動が作用するまでの時間を短縮できる。
<第2実施形態>
次に、図4及び図5を参照して、第2実施形態に係る燃料電池システム1について、相違点を中心に説明する。第1実施形態との相違点は、遮断弁31に代えてインジェクタ70を水素ガス配管系4に設け、パージ処理の際に、ニードル48に同期してインジェクタ70も駆動させることである。なお、第1実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、図4及び図5を参照して、第2実施形態に係る燃料電池システム1について、相違点を中心に説明する。第1実施形態との相違点は、遮断弁31に代えてインジェクタ70を水素ガス配管系4に設け、パージ処理の際に、ニードル48に同期してインジェクタ70も駆動させることである。なお、第1実施形態と共通する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すインジェクタ70は、電磁駆動力で所定の駆動周期で直接的に弁体を駆動して弁座から離隔させることにより、燃料電池2への水素ガスの供給流量や圧力を調整可能な電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタ70は、制御装置5から出力される制御信号によって弁体の駆動周期を高応答の領域まで制御できるため、機械式の調圧弁に比べて高い応答性を有する。
インジェクタ70は、パルス状励磁電流のオン・オフにより、弁体と弁座との間の開口時間(開弁時間)又は開口面積を2段階、多段階、連続的(無段階)、又はリニアに切り替え可能に構成されている。この場合のインジェクタ70の制御方法としては、パルス状励磁電流のデューティ比を変化させるデューティ制御を用いることが好ましい。ここで、デューティ比とは、パルス状励磁電流のON時間を、パルス状励磁電流のON時間とOFF時間とを加算したスイッチング周期で除したものである。
図5に示すように、タイミングt1までは、インジェクタ70がデューティ制御されるなど、燃料電池システム1は要求電力に応じた運転を行う。パージ処理の際、先ず、インジェクタ70のデューティ制御を中止して、インジェクタ70を閉じる(タイミングt1)。そして、直後のタイミングt2において、第1実施形態と同様にニードル48の微振動を開始し、続くタイミングt3において、パージ弁35を開弁する。
その後、ニードル48の微振動中及びパージ弁35の開弁中に、インジェクタ70のデューティ制御を開始する(タイミングt4)。このデューティ制御におけるスイッチング周期は、パージ処理を実行していないときのインジェクタ70のデューティ制御のスイッチング周期よりも短い。また、インジェクタ70の開閉動作がニードル48の開閉動作と逆位相となるように、インジェクタ70はデューティ制御される。詳細には、インジェクタ70による圧力上昇方向への動作(すなわち開動作)とニードル48による圧力上昇方向への動作(すなわち閉動作)とが異なるタイミングで実行されるように、インジェクタ70を制御する。
パージ弁35の開弁中に、ニードル48とインジェクタ70との協調制御が一定期間行われた後、パージ弁35が閉じるとともに、ニードル48の微振動とこれに同期したインジェクタ70のデューティ制御が終了する(タイミングt5)。こうして、一回のパージ処理が終了することになる。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システム1によれば、パージ弁35の開弁時に、ニードル48の微振動に加え、この微振動にインジェクタ70による開閉を同期させるので、第1実施形態による圧力振動にインジェクタ70による圧力振動も加わることになる。このため、第1実施形態よりも、燃料電池2及び循環系23内に含まれる不純物の排出性を向上することができる。一方で、ニードル48の閉動作とインジェクタ70の開動作とを別のタイミングで行うようにしているので、循環系23内の圧力上昇が大きくなり過ぎることを抑制できる。このため、パージ処理に起因した燃料電池2の劣化を好適に抑制することができる。
上記した本発明の燃料電池システム1は、二輪または四輪の自動車以外の電車、航空機、船舶、自走式ロボットその他の移動体に搭載することができる。また、燃料電池システム1は、定置用ともすることができ、コージェネレーションシステムに組み込むことができる。
1:燃料電池システム、2:燃料電池、3:酸化ガス配管系、4:水素ガス配管系、5:制御装置、22:供給流路、23:循環系、24:エジェクタ、31:遮断弁、33:循環ポンプ(圧力調整手段)、35:パージ弁、46:ノズル、48:ニードル(流量可変駆動部)
Claims (9)
- 燃料電池から排出された反応オフガスを当該燃料電池に循環供給する循環系と、
前記燃料電池への新しい反応ガスを前記循環系を通じて供給する供給流路と、
前記循環系と前記供給流路との接続部分に設けられて反応オフガスと反応ガスとを合流させるエジェクタであって、前記燃料電池に供給する反応オフガス及び反応ガスの少なくとも一つの流量を可変可能な流量可変駆動部を有するエジェクタと、
前記反応オフガスを前記循環系の外部に排出するためのパージ弁と、
前記エジェクタの流量可変駆動部及び前記パージ弁の開閉を制御する制御装置と、を備えた燃料電池システムにおいて、
前記制御装置は、前記パージ弁の開弁時に、前記循環系内に圧力変動が生じるように前記流量可変駆動部を微動させる、燃料電池システム。 - 前記制御装置は、前記パージ弁の開弁時に、前記流量可変駆動部を周期的に微動させる、請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記制御装置は、前記パージ弁の開弁中には前記流量可変駆動部の微動が行われているように、前記パージ弁の開弁よりも先に前記流量可変駆動部の微動を開始させる、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
- 前記循環系内の圧力を調整可能な圧力調整手段を備え、
前記制御装置は、前記圧力調整手段を制御することにより前記循環系内の圧力を上昇させた後、前記パージ弁を開弁する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。 - 前記供給流路を開閉する遮断弁を備え、
前記制御装置は、前記流量可変駆動部を微動させる間、前記遮断弁を閉弁する、請求項4に記載の燃料電池システム。 - 前記供給流路に設けられ、前記エジェクタへの反応ガスの流量及び圧力を制御可能なインジェクタを備え、
前記制御装置は、前記パージ弁の開弁時に、前記流量可変駆動部の微動に同期して前記インジェクタを制御する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。 - 前記制御装置は、前記パージ弁の開弁時に、前記流量可変駆動部による圧力上昇方向への微動動作と前記インジェクタによる圧力上昇方向への動作とが異なるタイミングで実行されるように、前記インジェクタを制御する、請求項6に記載の燃料電池システム。
- 前記流量可変駆動部は、反応ガス又は反応オフガスを噴射するノズルに対して、前記制御装置からの制御信号によって進退するニードルで構成されている、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
- 前記反応ガス及び前記反応オフガスは、水素を含む燃料ガスである、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
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Cited By (8)
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