JP2009251621A - 工作機械の基準位置補正装置 - Google Patents

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Haruhiko Niitani
春彦 二井谷
Seiichi Nishihara
誠一 西原
Kazuto Nakamura
和人 中村
Tomo Akama
知 赤間
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Abstract

【課題】基準穴やタッチセンサーに異物が付着することにより生じる測定誤差を低減し、加工精度を向上させることが可能な工作機械の基準位置補正装置を提供する。
【解決手段】テーブル16に固定され、距離が既知の第一基準穴31及び第二基準穴32を有する治具3と、主軸15に装着されて基準穴31,32の位置を計測するタッチセンサー2と、タッチセンサー2によって計測された第一基準穴31の位置に基づいて主軸15とワーク5の相対位置のずれを自動で補正する機能を備えたNC装置17とを備え、NC装置17が、タッチセンサー2によって計測された結果に基づいて第一基準穴31と第二基準穴32との基準穴間距離を算出するとともに、算出された基準穴間距離と予め設定する許容範囲とを比較した結果に基づいて基準位置の補正の有無を決定するように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械の基準位置補正装置に関する。
マシニングセンターなどの工作機械による機械加工においては、主軸の回転や、テーブル、サドル、主軸ヘッドの軸送りに伴うモータの発熱、工作機械の設置箇所における環境温度の変化などにより、工作機械を構成する部材に熱変位が発生する。そのため、主軸とテーブルの相対位置を一度基準の位置に設定したとしても、前述した熱変位により主軸とテーブルの相対位置がずれる場合がある。このような主軸とテーブルの相対位置のずれは加工誤差の原因となり、加工精度の低下に繋がるおそれがあった。
このような問題に対し、従来、工作機械の主軸にタッチセンサーを装着する一方、テーブル側に基準部(例えば、突出部等)を設け、この基準部の位置をタッチセンサーを用いて計測し、計測結果に基づいて主軸とテーブルの相対位置のずれを補正する技術が公知となっている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特公平4−26975号公報 特公平6−41088号公報 特開昭60−239602号公報 特開昭61−103756号公報
図6に一例として主軸とテーブルの相対位置のずれを補正する際に用いられる治具の正面図を示す。図6に示す治具103は、金属からなるブロック体であって、一つの側面103aに主軸に装着されるタッチセンサーによってその位置を計測することができるように設けられた一つの基準部(図6では断面が円状に形成され軸線方向が側面103aに直交する穴部。以下、基準穴という)131を備えている。
このような治具103を、基準穴131の軸線方向が図示しない主軸の軸線方向と平行するように、換言すると、側面103aが主軸に対向するように図示しないテーブル上に固定しておき、例えばワークを交換する際に主軸にタッチセンサーを装着して基準穴131の位置を計測し、基準位置補正手段(例えば、NC装置)において、タッチセンサーによる計測の結果得られた位置をテーブルの基準位置として再設定することにより主軸とテーブルの相対位置のずれを補正する。
しかしながら、上述したような治具131を用いて主軸とテーブルの相対位置のずれを補正する場合、例えば、基準穴131に対して図中に示すx軸方向、y軸方向にそれぞれタッチセンサーを相対移動させ、タッチセンサーの測定子が基準穴131の内壁に接した位置(例えば、図中の点A,B,C,D)を基準位置補正手段において読み取ることにより基準穴131の位置の計測を行い、読み取った値に基づいて得られる中心の位置Oを基準穴131の位置として認識するようにしている。
しかし、ワークの加工においては、基準穴131やタッチセンサーの測定子(以下、基準穴131等という)にワークを切削することにより発生する切り粉等の異物が付着する場合がある。例えば、図6に示すように基準穴131の底部に切り粉4が付着した場合、タッチセンサーによって計測される位置は、図中の点A,B,C,D’であり、計測の結果得られる基準穴131の中心位置O’は実際の中心位置Oに対してずれた位置となる。このような測定誤差は加工精度を低下させる原因となる場合がある。
そのため、従来の基準位置補正装置においては、基準穴131等への異物の付着等による測定誤差を防止する目的で、タッチセンサーを用いて計測される基準穴131の中心O’の主軸に対する相対変位量に閾値を設定している。
即ち、計測により得られる基準穴131の中心O’の主軸に対する相対変位量が閾値より小さければ計測結果が正常であるとみなし、計測の結果得られた基準穴131の中心O’の位置をテーブルの基準位置として再設定することにより主軸とテーブルの相対位置のずれを補正する一方、基準穴131の中心O’の主軸に対する相対変位量が閾値より大きければ基準穴131等に異物が付着しているとみなすようにしている。
しかしながら、上述した閾値としては、図7中破線で示すように、ベッド等の熱変位に伴って生じる主軸とテーブルの相対変位を異常値として認識することがないように、ベッド等の熱変位を考慮したうえでその値を設定する必要がある。
そのため、例えば、図7中d1に示すように、基準穴131等に異物が付着することによって生じる主軸とテーブルの相対変位量が閾値より大きい場合は基準穴131等への異物の付着を検出することができるものの、図中d2に示すように、基準穴131等に異物が付着することによって生じる主軸とテーブルの相対変位量が閾値より小さいと、これを検出することができない場合がある。
即ち、ベッド等の熱変位の状態によって、基準穴131等への異物の付着を検出できる場合と検出できない場合とがあるなど測定にバラツキが生じるおそれがあった。さらに異物の付着を検出できない場合には加工精度の低下に繋がるなどのおそれがあり、改善の必要があった。
このようなことから、本発明は基準穴やタッチセンサーに異物が付着することにより生じる測定誤差を低減し、加工精度を向上させることが可能な工作機械の基準位置補正装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係る工作機械の基準位置補正装置は、工作機械のテーブルに固定され、距離が既知の第一基準部及び第二基準部を有する基準手段と、前記工作機械の主軸に装着されて前記基準部の位置を計測する基準部位置計測手段と、前記基準部位置計測手段によって計測された前記第一基準部の位置に基づいて前記主軸と前記テーブルの相対位置のずれを補正する基準位置補正手段とを備える工作機械の基準位置補正装置であって、前記基準位置補正手段が、前記基準部位置計測手段によって計測された結果に基づいて前記第一基準部と前記第二基準部との基準部間距離を算出し、算出された前記基準部間距離と予め設定する許容範囲とを比較した結果に基づいて前記基準位置の補正の有無を決定するようにしたことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第2の発明に係る工作機械の基準位置補正装置は、第1の発明において、前記基準位置補正手段は、前記基準部間距離と前記許容範囲とを比較した結果に基づいて、前記基準部間距離の変位量が予め設定する閾値以下の場合は前記基準位置を補正する一方、前記基準部間距離の変位量が前記閾値より大きい場合は工作機械の運転を停止することを特徴とする。
上記の課題を解決するための第3の発明に係る工作機械の基準位置補正装置は、第1の発明において、前記基準位置補正手段は、前記基準部間距離と前記許容範囲とを比較した結果に基づいて、前記基準部間距離の変位量が予め設定する閾値以下の場合は前記基準位置を補正する一方、前記基準部間距離の変位量が前記閾値より大きい場合は前記基準部位置計測手段による前記基準部の位置計測を再度行うことを特徴とする。
上記の課題を解決するための第4の発明に係る工作機械の基準位置補正装置は、第1の発明において、前記第一基準部及び前記第二基準部は、上下方向及び左右方向に対して相互に異なる位置に配置されることを特徴とする。
上記の課題を解決するための第5の発明に係る工作機械の基準位置補正装置は、第1の発明において、前記第一基準部及び前記第二基準部は、それぞれ前記基準手段の同一面に断面視円形状に形成された基準穴であり、相互に直径が異なることを特徴とする。
上述した第1の発明に係る工作機械の基準位置補正装置によれば、工作機械のテーブルに固定され、距離が既知の第一基準部及び第二基準部を有する基準手段と、前記工作機械の主軸に装着されて前記基準部の位置を計測する基準部位置計測手段と、前記基準部位置計測手段によって計測された前記第一基準部の位置に基づいて前記主軸と前記テーブルの相対位置のずれを補正する基準位置補正手段とを備える工作機械の基準位置補正装置であって、前記基準位置補正手段が、前記基準部位置計測手段によって計測された結果に基づいて前記第一基準部と前記第二基準部との基準部間距離を算出し、算出された前記基準部間距離と予め設定する許容範囲とを比較した結果に基づいて前記基準位置の補正の有無を決定するようにしたので、基準部や基準部位置計測手段への異物の付着を高精度に検出することが可能となり、測定誤差の発生を低減して加工精度を向上させることができる。
また、第2の発明に係る工作機械の基準位置補正装置によれば、前記基準位置補正手段は、前記基準部間距離と前記許容範囲とを比較した結果に基づいて、前記基準部間距離の変位量が予め設定する閾値以下の場合は前記基準位置を補正する一方、前記基準部間距離の変位量が前記閾値より大きい場合は工作機械の運転を停止するようにしたため、基準や接触式測定手段の測定子に異物が付着して非正常状態が検出された場合であっても、その後異物が自然に排除されたような場合には再度測定することにより正常な値が得られるため、無駄に運転を停止する必要がなく利便性が向上する。
また、第3の発明に係る工作機械の基準位置補正装置によれば、前記基準位置補正手段は、前記基準部間距離と前記許容範囲とを比較した結果に基づいて、前記基準部間距離の変位量が予め設定する閾値以下の場合は前記基準位置を補正する一方、前記基準部間距離の変位量が前記閾値より大きい場合は再度前記基準部位置計測手段による前記基準部の位置計測を行うようにしたため、基準や接触式測定手段の測定子に異物が付着して非正常状態が検出された場合であっても、その後異物が自然に排除されたような場合には再度測定することにより正常な値が得られるため、無駄に運転を停止する必要がなく利便性が向上する。
また、第4の発明に係る工作機械の基準位置補正装置によれば、前記第一基準部及び前記第二基準部は、上下方向及び左右方向に対して相互に異なる位置に配置されるため、基準部または基準部位置計測手段への異物の付着を高精度に検出することができ、加工精度を向上することができる。
また、第5の発明に係る工作機械の基準位置補正装置によれば、前記第一基準部及び前記第二基準部は、それぞれ前記基準手段の同一面に断面視円形状に形成された基準穴であり、相互に直径が異なるため、基準穴または基準部位置計測手段への異物の付着を高精度に検出することができ、加工精度を向上することができる。
以下に、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施例について詳細に説明する。図1は本実施例に係る基準位置補正装置が適用される工作機械の全体構成図、図2は本実施例に係る工作機械の基準位置補正装置に適用される治具の正面図、図3は本実施例に係る工作機械の基準位置補正装置による基準位置補正処理の流れを示すフローチャート、図4は本実施例に係る工作機械の基準位置補正装置において設定される閾値の一例を示す説明図である。本実施例は、本発明に係る工作機械の基準位置補正装置を横形のマシニングセンターに適用した例である。
図1に示すように、本実施例において工作機械1は、ベッド11上に載置されたコラム12にサドル13及び主軸ヘッド14を介して主軸15が支持され、ベッド11上に設けられた案内面11aにテーブル16が支持されて構成されている。さらに、主軸15の先端には基準部位置計測手段としてのタッチセンサー2が着脱可能に装着され、テーブル16上にはワーク5が取り付けられる基準手段としての治具3が固定されている。
主軸15は主軸ヘッド14に回転可能に支持され、さらに、主軸ヘッド14はサドル13に鉛直方向(図1,2に示すy軸方向)に沿って移動可能に支持され、サドル13はコラム12に左右方向(図2に示すx軸方向)に沿って移動可能に支持されている。これにより、主軸15はその先端に装着される図示しない工具を回転させるとともにx軸方向及びy軸方向に移動させることができるように構成されている。
一方、テーブル16は、案内面11aに軸送りによって前後方向(図1中、z軸方向)に移動可能に支持され、これによりテーブル16に治具3を介して固定されるワークをz軸方向へ移動させることができるように構成されている。
このような工作機械1においては、NC装置17からの指令によってテーブル16、サドル13、主軸ヘッド14の移動を制御することにより、主軸15とテーブル16の相対位置を変化させ、テーブル16に固定されるワークの加工を行うようになっている。
また、タッチセンサー2はその先端に測定子2aを備え、この測定子2aを被測定物に接触させ、測定子2aが被測定物に接した位置をNC装置17によって読み取ることによって被測定物の位置を検出するように構成されている。
また、治具3は、ブロック状に形成された金属(例えば、インバー)製の部材であり、一つの側面3aに第一基準部としての第一基準穴31と、第二基準部としての第二基準穴32とが凹設されている。図2に示すように、第一基準穴31及び第二基準穴32はそれぞれ断面が円形をなし、その軸線方向が側面3aとほぼ直交するように構成されている。さらに、第一基準穴31の直径に対し、第二基準穴32の直径は小さく、且つ、それぞれの中心O1,O2の位置はx軸方向及びy軸方向に距離を有している。当該治具3は、その側面3aが主軸15に対向するように、換言すると、側面3aが主軸15の軸線方向に直交するように、テーブル16に固定されている。
以下、図3に基づいて本実施例による基準位置補正装置を用いて行う基準位置補正の処理の流れについて説明する。
図3に示すように、本実施例において基準位置の補正を行う場合は、まず、自動工具交換機能等により主軸15にタッチセンサー2を装着した状態で、第一基準穴31及び第二基準穴32の位置を計測する(ステップS1)。
具体的には、第一基準穴31に対し、テーブル16、サドル13、主軸ヘッド14を駆動してタッチセンサー2の測定子2aが第一基準穴31内に位置するようにテーブル16および主軸15を移動させた後、サドル13を駆動して測定子2aを第一基準穴31内でx軸方向に移動させ、第一基準穴31の内壁と測定子2aとが接した位置(本実施例では、点A1,C1の位置)をNC装置17によって読み取る。
さらに、主軸ヘッド14を駆動して測定子2aを第一基準穴31内でy軸方向に移動させ、第一基準穴31の内壁と測定子2aとが接した位置(本実施例では点B1,D1の位置)をNC装置17によって読み取る。第二基準穴32に対しても同様に、当該第二基準穴32にタッチセンサー2の測定子2aが接した点A2,B2,C2,D2の位置をNC装置17によって読み取る。
第一基準穴31、第二基準穴32の位置の計測が終了したら、続いて、基準位置補正手段としての基準位置補正部、例えば演算処理機能を備えるNC装置17において、第一基準穴31、第二基準穴32の中心位置を算出する(ステップS2)。具体的には、NC装置17の演算処理機能によって演算を行い、点Aiと点Ciとの中点oix(i=1又は2。以下同様)の位置、点Biと点Diとの中点oiyの位置をそれぞれ算出し、得られた結果である点O1(o1x,o1y)、O2(o2x,o2y)を第一基準穴31、第二基準穴32の中心の位置とする。
第一基準穴31の中心O1の位置、第二基準穴32の中心O2の位置をそれぞれ算出したら、続いて中心O1,O2間のx軸方向、y軸方向それぞれの距離dx(=o1x−o2x)、dy(=o1y−o2y)をそれぞれ算出する(ステップS3)。
そして、距離dx,dyを算出したら、続いてこれらの距離dx,dyが各々予め設定した許容範囲内にあるか否か、具体的には、常温時における中心O1,O2間のx軸方向の距離x0、y軸方向の距離y0に対する変位量Δdx,Δdyの絶対値がそれぞれ予め設定した閾値Sx,Syより大きいか否かを判定する(ステップS4)。
ステップS4における判定の結果、変位量Δdx,Δdyの絶対値がそれぞれ閾値Sx,Sy以下である場合(No)は、NC装置17において例えば第一基準穴31の中心O1の位置を基準位置として設定することにより主軸15とテーブル16の相対位置(X値、Y値)を補正し(ステップS5)、自動工具交換機能等を用いてタッチセンサー2を図示しない工具と交換してワーク5の加工を開始する(ステップS6)。
一方、ステップS4における判定の結果、変位量Δdx,Δdyの絶対値がいずれか一方でも閾値Sx,Syより大きい場合(Yes)は、第一基準穴31、第二基準穴32、又はタッチセンサー2の測定子2aに切り粉4等が付着しているとみなして運転を停止する(ステップS7)。
例えば、図2に示すように、第一基準穴31に切り粉4が付着している場合、タッチセンサー2による第一基準穴31の計測は図2中の点A1,B1,C1,D1’に基づいて行われるため、得られる第一基準穴31の中心点O1’の位置は、実際の中心点O1に比較してΔy(例えば、40μm)上方の位置となる。そしてこれに伴い、NC装置17の演算処理機能によって算出される第一基準穴31と第二基準穴32との中心間の距離dy’は実際の中心間の距離dyに比較してΔyだけ大きい値となる。
これに対し、クーラントによる温度の変化や工作機械の設置箇所における環境温度の変化などによって生じる治具3の熱変位は、治具を構成する材料等にもよるが大きくても2〜3μm程度とごく僅かである。そのため、閾値Sx,Syを例えば5μm程度と設定すれば加工中の治具3の熱変位を考慮しつつ確実に異物の付着を検出することができる。
即ち、本実施例に係る基準位置補正装置によれば、治具3に距離が既知の二つの基準穴31,32を設け、この二つの基準穴31,32間の距離の変位量の絶対値が閾値Sx,Syより大きい場合に、タッチセンサー2によって計測された基準穴の位置が異物の付着等により異常値となっているとみなす構成としたことにより、図4に示すように、ベッド11等、工作機械1を構成する部材の熱変位に対応して変動するように、閾値Sx,Syを設定することができる。換言すると、工作機械の構成部材の熱変位による測定誤差によらず閾値Sx,Syを設定することができる。
従って、図4中に示すd2のような、基準穴31等への異物の付着によって発生する、ベッド11等の熱変位の範囲(例えば、図4中、運動開始−運動終了間の変位)に比較して小さな変位であっても確実に検出し、主軸15とテーブル16の相対位置のずれを高精度に補正することが可能となり、加工誤差を低減することができる。
さらに、第一基準穴31の直径と第二基準穴32の直径が相違するように構成したため、例えば、同様の大きさの切り粉が第一基準穴31の底部および第二基準穴32の底部にそれぞれ付着したような場合であっても、タッチセンサー2によって計測した結果得られる中心間の距離dy’を実際の中心間の距離dyとは異なる値として算出することができ、異物の付着を確実に検知することができる。
図面に基づいて本発明の第2の実施例について詳細に説明する。図5は本実施例に係る工作機械の基準位置補正装置による基準位置補正処理の流れを示すフローチャートである。本実施例は、上述した実施例1に比較して、基準位置補正装置による処理が一部異なるものである。なお、装置の構成は図1及び図2に示し上述したものと概ね同様とし、以下、同一の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図5に示すように、ステップS11〜ステップS16の処理は図3に示し上述したステップS1〜ステップS6の処理と同様である。すなわち、まず、自動工具交換機能等により主軸15にタッチセンサー2を装着した状態で、第一基準穴31及び第二基準穴32の位置の計測(ステップS11)、第一基準穴31、第二基準穴32の中心位置の算出(ステップS12)、中心点O1,O2間のx軸方向、y軸方向それぞれの距離dx、dyの算出(ステップS13)を行い、続いて変位量Δdx,Δdyの絶対値がそれぞれ予め設定した閾値Sx,Syより大きいか否かを判定する(ステップS14)。
そして、ステップS14における判定の結果、変位量Δdx,Δdyの絶対値がそれぞれ閾値Sx,Sy以下である場合(No)は、実施例1と同様、NC装置17において例えば第一基準穴31の中心点O1を基準として再設定することにより主軸15とテーブル16の相対位置のずれを補正し(ステップS15)、自動工具交換機能等を用いてタッチセンサー2を図示しない工具と交換した後、ワークに対する加工を開始する(ステップS16)。
一方、ステップS14における判定の結果、変位量Δdx,Δdyの絶対値がいずれか一方でも閾値Sx,Syより大きい場合(Yes)は、この変位量Δdx,Δdyの絶対値がいずれか一方でも閾値Sx,Syより大きいと判断された回数mが予め設定する設定回数n(例えば、n=3)より多いか否かを判定する(ステップS17)。ここで、変位量Δdx、Δdyの絶対値が閾値Sx、Syより大きいと判断された回数mをカウントする手段としては、例えばNC装置17にカウンタ機能を設ける等すればよい。
ステップS17における判定の結果、変位量Δdx,Δdyの絶対値がいずれか一方でも閾値Sx,Syより大きいと判断された回数mが設定回数nより多い場合(Yes)は、基準穴31,32等に異物が付着しているとみなし機械を停止する(ステップS18)。
一方、ステップS17における判定の結果、変位量Δdx,Δdyの絶対値がいずれか一方でも閾値Sx,Syより大きいと判断された回数mが設定回数n以下である場合(No)は、ステップS11に戻り、処理を繰り返す。
例えば、図2に示すように基準穴22に切り粉4が付着し、タッチセンサー2による一度目の計測において異物の付着が検知されたような場合であっても、上述したステップS12〜ステップS14の処理を行っている間に、切り粉4が吹き飛ばされる等によって基準穴22,23の正確な位置を検出することが可能な状態となる場合が考えられる。
このような場合、本実施例に係る基準位置補正装置によれば、二度目或いは三度目の計測において異物が付着していないと判断した場合には、機械を停止することなくワークの加工を開始することができるため、作業効率を向上させることができる。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば基準穴31,32は円形でなくても良い。又、図1においてZ軸方向の熱変位を補正するため、側面3a上の異なる2箇所をZ軸方向に計測し、そのZ軸方向の変位に対して閾値を設けても良い。また、主軸15とテーブル16との相対位置の基準として第二基準穴32の位置を用いてもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
本発明は、工作機械の主軸とワークとの相対位置のずれを補正する機能を備えた基準位置補正装置に適用して好適なものである。
本発明の実施例1に係る基準位置補正装置が適用される工作機械の全体構成図である。 本発明の実施例1に係る工作機械の基準位置補正装置に適用される治具の正面図である。 本発明の実施例1に係る工作機械の基準位置補正装置による基準位置補正処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例1に係る工作機械の基準位置補正装置において設定される閾値の一例を示す説明図である。 本発明の実施例2に係る工作機械の基準位置補正装置による基準位置補正処理の流れを示すフローチャートである。 従来の治具の一例を示す正面図である。 従来の工作機械の基準位置補正装置において設定される閾値の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 工作機械
2 タッチセンサー
2a 測定子
3 治具
4 切り粉
5 ワーク
11 ベッド
12 コラム
13 サドル
14 主軸ヘッド
15 主軸
16 テーブル
17 NC装置
31 第一基準穴
32 第二基準穴

Claims (5)

  1. 工作機械のテーブルに固定され、距離が既知の第一基準部及び第二基準部を有する基準手段と、
    前記工作機械の主軸に装着されて前記基準部の位置を計測する基準部位置計測手段と、
    前記基準部位置計測手段によって計測された前記第一基準部の位置に基づいて前記主軸と前記テーブルの相対位置のずれを補正する基準位置補正手段とを備える工作機械の基準位置補正装置であって、
    前記基準位置補正手段が、前記基準部位置計測手段によって計測された結果に基づいて前記第一基準部と前記第二基準部との基準部間距離を算出し、算出された前記基準部間距離と予め設定する許容範囲とを比較した結果に基づいて前記基準位置の補正の有無を決定するようにした
    ことを特徴とする工作機械の基準位置補正装置。
  2. 前記基準位置補正手段は、前記基準部間距離と前記許容範囲とを比較した結果に基づいて、前記基準部間距離の変位量が予め設定する閾値以下の場合は前記基準位置を補正する一方、前記基準部間距離の変位量が前記閾値より大きい場合は工作機械の運転を停止する
    ことを特徴とする請求項1記載の工作機械の基準位置補正装置。
  3. 前記基準位置補正手段は、前記基準部間距離と前記許容範囲とを比較した結果に基づいて、前記基準部間距離の変位量が予め設定する閾値以下の場合は前記基準位置を補正する一方、前記基準部間距離の変位量が前記閾値より大きい場合は再度前記基準部位置計測手段による前記基準部の位置計測を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の工作機械の基準位置補正装置。
  4. 前記第一基準部及び前記第二基準部は、上下方向及び左右方向に対して相互に異なる位置に配置される
    ことを特徴とする請求項1記載の工作機械の基準位置補正装置。
  5. 前記第一基準部及び前記第二基準部は、それぞれ前記基準手段の同一面に断面視円形状に形成された基準穴であり、相互に直径が異なる
    ことを特徴とする請求項1記載の工作機械の基準位置補正装置。
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