JP2009251549A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1基板10及び第2基板20、並びに、これら両基板間に挟持される液晶層LQを含み、当該液晶層における電気信号に応じた光学的特性の変化、に応じて画像を表示する液晶装置LDと、前記液晶層からみて、前記第2基板の外側に配置されるレンチキュラレンズ40と、前記第1基板の外側に配置され、前記レンチキュラレンズ40に生じる変形を補償する変形補償板60と、を備える。レンチキュラレンズは、図示するように、方向DA及びDRに従って光を進行させることで、立体画像表示を可能にする。当該レンズに変形が生じると、この進行方向の設定が危ぶまれるが、変形補償板60は、それを未然に防止する。
【選択図】図3
Description
このような立体画像表示装置、あるいはその基礎となる液晶表示装置としては、例えば特許文献1及び2に開示されているようなものが知られている。
なお、前記の特許文献1では、このような “熱による変形”という問題それ自体についての意識がなく、したがって、それに関する事項の開示は全くない。
また、本発明にいう「視差生成光学板」は、例えば、2つの表示範囲それぞれに、右眼用画像及び左眼用画像を表示可能な素子である。具体的には例えば、パララックス・バリヤやレンチキュラレンズ、等々が含まれる。これにより、前記光のうち当該視差生成光学板を通過した光は、例えば、立体画像ないしは3次元画像、等を構成し得る。
しかるに、本発明に係る構成においては、「視差生成光学板の変形を補償する」、「変形補償板」が備えられるので、視差生成光学板の歪みは極力抑制される。
また、この際、本発明では、当該変形補償板が、画像表示装置を挟んで、視差生成光学板と対称的な関係で配置されていることから、視差生成光学板の歪みは、当該変形補償板の変形によって、いわば“相殺”されるかのように「補償」される。本発明に係る変形補償板の配置関係は、かかる作用を発揮するのに、最も好適である。
すなわち、視差生成光学板の厚さ等を含む形状設定には通常大きな制約がかかる。例えば、視差生成光学板がレンチキュラレンズを含む場合、その厚さと当該レンチキュラレンズの屈折作用の程度等との間には強い相関があるから、その厚さが自由に変更されてしまうとすれば、屈折後の光の進行方向、さらには立体画像を表示するべく設定された表示範囲の位置等に大きな影響が及び、結局、立体画像表示が困難ないし不可能になってしまうからである。そして、かかる事情は、「視差生成光学板」単独で、その歪みの発生を防止する対策(例えば、その厚さを増大させて剛性を大きくする等。なお、前述した従来技術たる「切込み」もその一例にあたる。)をとるにあたっての大きな制約ともなる。
しかるに、本発明では、視差生成光学板の歪み発生抑制機能を担うのは、変形補償板である。したがって、視差生成光学板については、それ本来の機能(即ち、視差生成機能)が十全に発揮されるべく、その形状設定等がなされてよいにもかかわらず、その歪みは効果的に除去されるのである。
この態様によれば、熱を原因とする視差生成光学板の歪みの発生が未然に防止される。
第1基板等(「等」とは第2基板が含まれ得る趣旨である。以下、この〔課題…解決…手段〕の項において同じ。)の上には、前記電気光学物質に前記電気信号を供給するための電極その他の回路要素を作り込む必要があるため、当該第1基板等は各種半導体プロセス等に耐え得る材料で作られることが多く、他方、視差生成光学板については必ずしもそのような要請はないため、両者が異なる材料から作られることは、一般的にありうると考えてよい。しかし、このことは同時に、両者の線膨張係数間に相違をもたらす可能性が大きく、その結果、熱を原因とする視差生成光学板における歪み発生の可能性を高め得る。本態様は、このような懸念を相当程度払拭することが可能なのである。
この態様によれば、上で比ゆ的に述べた“相殺”による「補償」を、好適に実現することができる。なぜなら、視差生成光学板と変形補償板が同じ材料から作られているので、両者は、例えば、同じ熱を受ければ原理上は同じ挙動を示すことが想定され、これにより、それらとは異なった挙動を一般に示すこととなる第1基板等の影響を、いわば押さえ込むことが可能になるからである。
あるいは言い換えれば、第1基板等による影響が視差生成光学板に及ぶという作用方向を前提に、変形補償板による影響が第1基板等に及ぶという作用方向を考えることが可能であるが、この場合、視差生成光学板及び変形補償板が同じ材料であれば、後者の影響によって、前者の影響が弱められる、というようにもいえる。
なお、「同じ材料」の意義については、後述する実施形態中の、関連する説明をも参照されたい。
この態様によれば、視差生成光学板が樹脂材料から作られるので、これを安価に且つ容易に作成することができる。なお、この場合、前記第1基板等の材料と視差生成光学板の材料とが異なることが非常に強く推定されることになり、前記熱を原因とする視差生成光学板の歪みの発生が懸念されることになるが、本発明に係る構成によれば、既に述べたように、そのような懸念には及ばない。逆に言うと、かかる態様においてであるが故なお更、本発明の効果がより実効的になるといえる。
この態様によれば、レンチキュラレンズにおける歪みが極力抑制されるので、その屈折作用の正確性が確保される。
この態様によれば、第1基板等が視差生成光学板に及ぼす影響よりも、変形補償板が第1基板等に及ぼす影響が、相対的に増大することになるので、視差生成光学板における歪み発生抑制効果がより実効的になる。
なお、本態様では、変形補償板の厚さの設定について大きな制約がかかるということは、少なくとも原理上はないから、視差生成光学板、及び、第1基板等を含む画像表示装置の全体的な挙動を勘案した上、それを基準として、視差生成光学板の歪みを除去するような“厚さ”を設定することが可能である。本態様は、これを体現する最も好適な条件の1つの例としての意義をもつ。
この態様によれば、すぐ上で述べた態様に関して述べた作用効果に類似する作用効果が奏される。
説明の簡単のため、変形補償板が、電気光学物質からみて「第2基板」の外側に配置される場合を想定すると、その場合における本発明の「電気光学装置」は、変形補償板、第2基板、電気光学物質、第1基板、及び視差生成光学板、という積層構造をもつことになる。そして、本態様では、この場合、変形補償板及び第2基板の厚さの合計が、第1基板及び視差生成光学板の厚さの合計よりも大きいのである。
このような結果、より厚く、変形しにくい第2基板及び変形補償板が、より薄く、変形しやすい第1基板及び視差生成光学板に対して、その変形を押し止めるような影響を及ぼすことになるので、視差生成光学板における歪み発生の抑制効果がより実効的になるのである。
この態様によれば、例えば、視差生成光学板と空気との界面で発生する光の反射を防止することができるので、より高品質な画像の表示が可能になる。変形補償板についても同様である。
なお、本態様において、より好適には、反射防止膜は、前記電気光学物質からみて、視差生成光学板、あるいは変形補償板のより外側の面に備えられるとよい。これら視差生成光学板、あるいは変形補償板と装置外部の空気との界面における反射が、画像品質に影響を及ぼす可能性が大きいからである。
この態様によれば、画像表示装置が、液晶表示装置として好適に構成される。なお、この点に関する、より詳細な具体例については、後述する実施形態において、図3等が参照されながら説明される。
この態様によれば、画像表示装置が、有機EL装置として好適に構成される。なお、この点に関する、より詳細な具体例については、後述する実施形態において、図8が参照されながら説明される。
本発明の電子機器は、上述した各種の電気光学装置を備えてなるので、視差生成光学板の歪みの発生が抑制される結果、設計通り、あるいは仕様通りの立体画像の表示を行うことが可能である。
これら第1基板10及び第2基板20の上には、それぞれ、固有の積層構造物が構築される。
画素電極9は、図1に示すように、平面視してマトリクス状に配列されている(図3では不図示)。この画素電極9は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性かつ導電性材料で作られている。
なお、液晶層LQは、正の誘電率異方性を有する液晶を用いたTNモードで動作する構成をとりうる。
また、上述のような配向膜は、第2基板20の側にも、液晶層LQに直接接する膜として形成されている(当該配向膜も不図示)。
このカラーフィルタCFは、照明装置LBから発し液晶層LQを透過してきた光のうち、所定の波長域にある光のみを透過させる。つまり、透過光はいわば「着色」される。
この遮光膜BMは、隣接する画素間で透過光が交じり合うのを防止する。また、遮光膜BMは、第1基板10上に形成される前記走査線、前記データ線、前記TFT等の不透明な材料を覆う役割も担う。逆に言えば、これら走査線等は、遮光膜BMが格子状をもつことに対応して、格子状領域に配置されるのである。
この液晶駆動回路53は、前述した走査線に選択信号を供給する走査線駆動回路、及び、前述したデータ線に画像信号を供給するデータ線駆動回路を含む。走査線駆動回路は、1つの画素行を単位として選択信号を発し、水平走査期間を規定する。データ線駆動回路は、走査線駆動回路によって選択された画素行に対して、画像信号を供給する(即ち、当該画素行に含まれる画素に画像信号を書き込む。)。最初の画素行に画像信号の供給を開始してから、最終の画素行に画像信号を供給するまでの時間が、垂直走査期間となる。
なお、前記TFTは、前記選択信号の有無に応じて、ON状態及びOFF状態間を遷移し、そのON状態のときに、前記画像信号をデータ線から画素電極9へと伝達する。
なお、偏光板30Lは、照明装置LBから発せられた光を偏光させ、偏光板30Uは、液晶装置LDを透過してきた光を偏光させる。これらの偏光板30U及び30Lによる偏光の方向は、液晶層LQを透過する光が受ける偏光の方向に依存して決定される。
レンチキュラレンズ40は、図1乃至図3に示すように、複数の単体レンズ42,42,…の集合からなる。
単体レンズ42,42,…は、その1個1個が概ね半楕円形状の断面形状もつ。これらの1個1個は、画素電極9の2列分に対応する幅をもち、かつ、Y方向(列方向)に沿って並ぶ画素電極9の全部の長さに相当する長さをもつ。レンチキュラレンズ40は、このようにY方向に沿って長い単体レンズ42,42,…を、X方向(行方向)に沿って複数並べた構造をもつ。
このレンチキュラレンズ40は、図2に示すように、偏光板30Uの図中上面と図示しない接着剤で直接的に接着される。この接着剤は、レンチキュラレンズ40の全面を覆うように塗布される。この接着剤は、熱硬化性樹脂、あるいは、紫外線硬化性樹脂、等を含んでよい。
このレンチキュラレンズ40の厚さ(図1中Z方向に沿った長さ)は、例えば、0.2mmから1mm程度とされて好適である。
なお、本実施形態においては、カラーフィルタCFの並び順(即ち、赤フィルタCF1,緑フィルタCF2及び青フィルタCF3の並び順)に関連して、方向DAに進む光に基づく画像は、図3でいえば、図中左端から順に、R,B,G,R,B,G,…という配列に基づく画像となるのに対して、方向DRに進む光に基づく画像は、G,R,B,G,R,B,…という配列に基づく画像となることになる。
この変形補償板60は、図2に示すように、偏光板30Lの図中下面と図示しない接着剤で直接的に接着される。この接着剤は、変形補償板60の全面を覆うように塗布される。この接着剤は、熱硬化性樹脂、あるいは、紫外線硬化性樹脂、等を含んでよい。
また、変形補償板60の厚さ(図1中Z方向に沿った長さ)は、例えば、0.2mmから3mm程度とされて好適である。この変形補償板60は、図示の通り、基本的に、いわば単純な一枚板として準備され得る。
本実施形態では特に、この変形補償板60は、前記レンチキュラレンズ40の材料と同じ材料から作られる。ここで「同じ材料から作られる」とは、両者が全く同じ組成をもつ同じ素材から作られるという意味が含まれるのは当然、“同系の材料”から作られるという意味もまた含まれる。“同系”とは、上述の組成レベルないしは素材レベルではなくて、それよりも、より抽象的なレベルで捉えた場合の材料の同一性を意味する。例えば、レンチキュラレンズ40がアクリル樹脂から、変形補償板60がシリコン系樹脂から作られているという場合でも、両者は、「樹脂材料」から作られていることに変わりなく、その点で材料の同一性はある。
なお、以下で説明する作用の発現においては、以下の前提が置かれている。すなわち、(i)ガラスから作られる第1基板10及び第2基板20の厚さの合計は、0.7mmである、(ii)アクリル樹脂から作られるレンチキュラレンズ40の厚さは、0.3mmである、(iii)同じくアクリル樹脂から作られる変形補償板60の厚さも、0.3mmである、(iv)画像表示領域の大きさ(画素電極9の形成領域全体の大きさ)は、8インチである。
すなわち、第1に、環境温度が、20度から60度に変化する場合、図4に示すように、前記構成物は、レンチキュラレンズ40の側に凸となるように物理的に変形する。この場合、図中左右方向に関する中央部についての、図中上下方向に沿って計った変形量は2mmである(なお、図4においては、第1基板10、第2基板20及びレンチキュラレンズ40のみを図示し、偏光板30U及び30L等の図示は省略した。)。第2に、環境温度が、20度から−20度に変化する場合、上記とは逆に、前記構成物は、レンチキュラレンズ40の側で凹となるように物理的に変形する(この場合は不図示)。この場合における、前記と同趣旨の変形量も2mmである。
このようにして、レンチキュラレンズ40の変形は、変形補償板60によって、抑制される。
なお、このような作用効果は、本実施形態において、変形補償板60及びレンチキュラレンズ40が液晶装置LDを挟み込むという配置関係が採用されていることを基本としながら、これら変形補償板60及びレンチキュラレンズ40が同じ材料から作られていること、即ち周囲温度変化に対する両者の挙動が原理上は同じになることから、より実効的に享受され得ることになる。
すなわち、図3に示した方向DR及びDA、あるいは表示範囲RD1及びRD2等の設定は、レンチキュラレンズ40の厚さ等を含む形状設定の如何に深く関係する。つまり、好適な、あるいは正確な立体画像表示を行うためには、レンチキュラレンズ40の形状設定は決して自由にはなしえず、それには大きな制約がかかるのである。そして、かかる事情は、レンチキュラレンズ40単独で、その歪みの発生を防止する対策をとるにあたっての大きな制約ともなる。
しかるに、本実施形態では、レンチキュラレンズ40の歪み除去機能を担うのは、変形補償板60である。したがって、レンチキュラレンズ40については、それ本来の機能(即ち、上述の表示半にRD1及びRD2の設定機能等)が十全に発揮されるべく、その形状設定等がなされてよいにもかかわらず、その歪みは効果的に除去されるのである。
(1) 上記各実施形態では、レンチキュラレンズ40の厚さ及び変形補償板60の厚さの両者間の関係について特に言及していないが、本発明は、この点に関して以下のような態様をとることができる。
すなわち、図6に示すように、レンチキュラレンズ40の厚さT2よりも、より大きな厚さT1をもつ変形補償板61が採用されてよい。このようにすれば、第2基板20等がレンチキュラレンズ40に及ぼす影響よりも、変形補償板61が第2基板20等に及ぼす影響が、相対的に増大することになるので、レンチキュラレンズ40における歪み発生抑制効果がより実効的になる。
t1+T1>t2+T2…(1)
が成立するようにしてもよい。
このようにすれば、より厚く、変形しにくい第1基板11及び変形補償板61が、より薄く、変形しやすい第2基板20及びレンチキュラレンズ40に対して、その変形を押し止めるような影響を及ぼすことになるので、レンチキュラレンズ40における歪み発生の抑制効果がより実効的になる。
また、このような変形例は、前述した事情、即ち、レンチキュラレンズ40の厚さ等の自由な変更が許されないという事情、を勘案すると、その有効性がより深く認識される。なぜなら、既述のように、かかる事情の存在により、レンチキュラレンズ40単独による変形防止対策を施すことは困難であるところ、かかる変形例では、変形補償板61、あるいは第1基板11の厚さの増大によって、その困難性を克服するかのように、当該レンチキュラレンズ40の変形抑止効果の発揮が期待されるからである。
なお、念のため、実施形態の説明の冒頭で既に述べているが、図6及び図7の変形補償板61の厚さ等は、図面理解の容易性確保等の観点から、実際よりも相当大げさに描かれている点、改めて注記しておく。
この図8の有機EL装置は、例えば接着剤JB等によって相互に対向配置・接着される素子基板10’及び対向基板20’と、これらの間に形成される有機EL素子8と、からなる。有機EL素子8は、画素電極13、発光機能層18及び対向電極5を備える。画素電極13は、上記実施形態の画素電極9と同様、素子基板10’上、マトリクス状配列に従って並べられている。発光機能層18は、少なくとも有機発光層を含み、有機発光層は正孔と電子の再結合現象に基づき発光する有機EL物質から構成されている。図では、赤色光、緑色光及び青色光それぞれ専用の有機EL物質を含む発光機能層18R,18G及び18Bが、この順に形成されている例が示されている。対向電極5は、このような発光機能層18R,18G及び18Bを全部覆うようにベタ状に形成されている。
そして、この図8においても、前記素子基板10’及び対向基板20’を挟みこむように、図4と同様のレンチキュラレンズ40及び変形補償板60が備えられている。
このような形態であっても、上記実施形態によって奏された作用効果と本質的に相違のない作用効果が奏されることは明白である。
なお、有機EL素子8は自発光素子であるので、図1に示した照明装置LB及び照明駆動回路52は、図8の場合においては設置不要である。
まず、本発明は、「視差生成光学板」の具体的態様が、レンチキュラレンズ40ではなくて、図示しないパララックス・バリヤ等である場合を含む。そのような場合であっても、当該の視差生成光学板について歪み等の変形が発生すれば、正確な立体画像表示が困難になる状況が想定され、かつ、かかる場合に上記実施形態におけるような変形補償板60が存在すれば、前記同様の作用効果が発揮されることが期待できるからである。
また、本発明は、それに係る電気光学装置が、立体画像表示ないしは3次元画像表示の用途に供されない場合を含む。「視差生成光学板」は、3次元画像を表示するためだけでなく、前記2つの表示範囲に対応する2人の視認者に、固有の内容をもつ画像を表示するために用いられ得るからである(かかる装置のことを、後述する図13の説明においては、「二画像表示装置」と呼ぶ。)。なお、上記実施形態のレンチキュラレンズ40は、かかる用途のためにも利用することは可能である。
なお、図9においては図示されていないが、変形補償板60についても、その図中上面及び下面の少なくとも一方に、反射防止膜が備えられてもよい。
例えば、上記実施形態において、レンチキュラレンズ40及び第1基板10等に対して、何らかの機械的・物理的ストレスがかかるという状況が考えられなくはないが、その場合、両者の機械的性質の相違により、レンチキュラレンズ40について歪み等が発生するという場合もありうる。かかる場合においても、上記実施形態にいう「変形補償板60」は、上述した作用効果と本質的に変わらない作用効果を奏する可能性はある。
また、本発明にいう「電気光学装置」は特に、いま述べた要素に加えて、上述したような「レンチキュラレンズ40」及び「変形補償板60」をその一具体例とする「視差生成光学板」及び「変形補償板」をその要素として含む用語として使用されている。
次に、本発明に係る電気光学装置を利用した電子機器について説明する。図10ないし図13には、以上に説明した実施形態に係る液晶表示装置を採用した電子機器の形態が図示されている。
また、このカーナビゲーション装置5000では、二画像表示装置1001を利用して、DVD、ビデオテープ、あるいはテレビ受像信号等に基づく動画像等の表示を行うこともできる。
そして、このカーナビゲーション装置5000は、上述した二画像表示装置を搭載しているので、運転席5100に座る運転手に対して表示される画像と、助手席5200に座る同乗者に対して表示される画像とを異ならせることができる。この場合、好ましくは(特に、当該自動車の運行中には)、運転席5100の側に前記運行関連情報に係る画像が、助手席5200の側に前記動画像等が、それぞれ表示される。
Claims (11)
- 第1基板及び第2基板、並びに、これら両基板間に挟持される電気光学物質、を含み、当該電気光学物質における電気信号に応じた光学的特性の変化、に応じて画像を表示する画像表示装置と、
前記電気光学物質からみて、
前記第1及び第2基板の一方の外側に配置される視差生成光学板と、
その他方の外側に配置され、前記視差生成光学板に生じる変形を補償する変形補償板と、
を備えることを特徴とする電気光学装置。 - 前記変形補償板は、
前記視差生成光学板の線膨張係数と、前記第1及び第2基板の少なくとも一方の線膨張係数との間の相違に起因して発生する、当該視差生成光学板の変形を補償する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記変形補償板は、前記視差生成光学板と同じ材料から作られる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。 - 前記材料は、樹脂材料を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。 - 前記視差生成光学板は、レンチキュラレンズを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記変形補償板の厚さは、前記視差生成光学板の厚さよりも大きい、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記第1及び第2基板のうち前記変形補償板に近い基板の厚さと、当該変形補償板の厚さとの合計は、少なくとも、
前記第1及び第2基板のうち前記変形補償板に遠い基板の厚さと、前記視差生成光学板の厚さとの合計よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記視差生成光学板及び前記変形補償板の少なくとも一方は、反射防止膜を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記電気光学物質は、液晶を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 前記電気光学物質は、有機EL物質を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電気光学装置を備える、
ことを特徴とする電子機器。
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