JP2009251549A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンチキュラレンズの熱を原因とする変形を防止可能な電気光学装置を提供する。
【解決手段】第1基板10及び第2基板20、並びに、これら両基板間に挟持される液晶層LQを含み、当該液晶層における電気信号に応じた光学的特性の変化、に応じて画像を表示する液晶装置LDと、前記液晶層からみて、前記第2基板の外側に配置されるレンチキュラレンズ40と、前記第1基板の外側に配置され、前記レンチキュラレンズ40に生じる変形を補償する変形補償板60と、を備える。レンチキュラレンズは、図示するように、方向DA及びDRに従って光を進行させることで、立体画像表示を可能にする。当該レンズに変形が生じると、この進行方向の設定が危ぶまれるが、変形補償板60は、それを未然に防止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶表示装置、有機EL(electro luminescent)装置等の電気光学装置及び電子機器に関する。
従来、2つの表示範囲のそれぞれに異なる画像を表示することで、視認者に立体画像を認識させることの可能な液晶表示装置等の電気光学装置(以下、「立体画像表示装置」ということがある。)が提案されている。これは、前記2つの表示範囲それぞれを、視認者の右眼及び左眼に対応させるとともに、両表示範囲に若干異なる内容の右眼用画像及び左眼用画像を表示することで視差を生じさせ、これにより当該視認者に立体感を感じさせることが可能な画像表示装置である。
このような立体画像表示装置、あるいはその基礎となる液晶表示装置としては、例えば特許文献1及び2に開示されているようなものが知られている。
特開2007−148420号公報 特開2007−72303号公報
ところで、上述の立体画像表示装置において採用しうる立体画像の表示の方式には様々なものが提案されている。例えば、前述の特許文献1のように、「各画素から出射した光を屈折させて相互に異なる方向に出射する複数個のレンズ素子が形成されたレンズ」(特許文献1の〔請求項1〕)を利用する方式がある。より具体的に、特許文献1は、ここでいう「レンズ」として、「レンチキュラレンズ」(特許文献1の〔請求項10〕以降、及び〔図1〕等参照)を開示する。このレンチキュラ方式によると、レンチキュラレンズの屈折作用を利用することで、前述した2つの表示範囲における画像表示が行われ得ることになり、その結果、立体画像表示が可能になる。
このような方式では、前記レンチキュラレンズの屈折作用の正確性(あるいは、屈折後の光の進行方向の正確性)が保持されなければならない。しかしながら、この要請を満足するのは一般に困難である。というのも、レンチキュラレンズの物理的変形を完全に抑止することが難しいからである。特に、製造プロセス面・コスト面等への配慮から、レンチキュラレンズは樹脂材料で作る一方、液晶表示装置等を構成する素子基板はガラス等で作る、という場合には、熱を原因とする変形程度に両者間で差が生じるため、前記問題はより深刻となる。
前述の特許文献2は、「位相差シート(光学補償シート)は、熱に対して歪みが発生しや」すく(特許文献2の〔0003〕)、そのため「液晶表示装置の縁部において、額縁状の光漏れ(不要光の透過率の上昇)が生じ、液晶表示装置の表示品位は低下してしまう」(特許文献2の〔0005〕)という問題意識から、これを解決するため、「光学補償シートの周縁部の縁から中央方向に向けて複数の切込みを設け」る、という技術を開示する(特許文献2の〔請求項1〕)。このように、特許文献2は、“熱による何らかの要素の変形”という抽象的レベルに関する限りでは、前述した問題と同じ観点を共有するといえる。
しかしながら、特許文献2は、光学補償シートたる「位相差板」を念頭に置き、かつ、前記問題意識の在り処(即ち、「額縁状の光漏れ」)からも明らかなように、当該位相差板の「縁部で(の)光学補償シートの歪みを抑え」ることを目的としている(以上、「」内は特許文献2の〔0006〕。なお()内は加筆)のであって、前記レンチキュラレンズのような視差生成光学板を念頭に置くわけではない。実際、そのような視差生成光学板に対して、特許文献2の技術はあまり有効ではないと考えられる。なぜなら、かかる視差生成光学板において問題となるのは、むしろ、その“全面的”な歪みであって、縁部の歪みだけが問題となるわけではないからである。また、仮に「切込み」を入れるにしても、レンチキュラレンズでは、その全面を占拠するようにレンズが形成されていることから、当該切込みの形成範囲は極めて制約されることとなり、したがって、その効果は極めて限定的にならざるを得ないことが考えられるからである。
なお、前記の特許文献1では、このような “熱による変形”という問題それ自体についての意識がなく、したがって、それに関する事項の開示は全くない。
なお、立体画像を表示する方式としては、前述したレンチキュラ方式のほか、パララックス・バリヤを用いる方式もあるが、以上述べたような“熱による変形”は、かかる方式においても基本的に問題視され得ると考えられる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、前述した課題の全部又は一部を解決することの可能な電気光学装置及び電子機器を提供することを課題とする。
本発明に係る電気光学装置は、上述した課題を解決するため、第1基板及び第2基板、並びに、これら両基板間に挟持される電気光学物質、を含み、当該電気光学物質における電気信号に応じた光学的特性の変化、に応じて画像を表示する画像表示装置と、前記電気光学物質からみて、前記第1及び第2基板の一方の外側に配置される視差生成光学板と、その他方の外側に配置され、前記視差生成光学板に生じる変形を補償する変形補償板と、を備える。
本発明によれば、例えば液晶、あるいは有機EL物質等々の電気光学物質を含む「画像表示装置」を含んで、「電気光学装置」が構成される。この場合、当該の電気光学物質は、電気信号(電流信号又は電圧信号)の供給を受けて、例えばそれ自体が光を発し、又は、別に用意された光源から発した光を透過させ若しくは不透過にする、等の特性を発揮することによって、「画像」を構成する光を提供する。上述にいう「電気光学物質の光学的特性」は、いま述べたような事情が踏まえられる。
また、本発明にいう「視差生成光学板」は、例えば、2つの表示範囲それぞれに、右眼用画像及び左眼用画像を表示可能な素子である。具体的には例えば、パララックス・バリヤやレンチキュラレンズ、等々が含まれる。これにより、前記光のうち当該視差生成光学板を通過した光は、例えば、立体画像ないしは3次元画像、等を構成し得る。
ここで、前記画像表示装置を構成する第1、あるいは第2基板と、前記視差生成光学板とは、異なった程度で物理的に変形する場合がある。例えば、両者が異なる材料から作られる場合、これらが同じ熱的環境下におかれたとしても、線膨張係数の相違から、両者は異なった程度で変形する可能性がある。あるいは、両者が同じ材料から作られる場合でも、例えば、それらに影響を与える物理的な力、あるいは熱源、等に対する遠近の相違に対応して、両者が異なった程度で変形する可能性がある。この場合(さらにいえば、両者が接着剤等によって直接的に接着されている等といった事情が加味される場合は特に)、両者間における前記物理的変形の相違が、視差生成光学板の歪みとなって現れうることになる。このようなことが起こると、前記立体画像を、当初の設計通り、あるいは仕様通りに、正確に表示することが困難になる。
しかるに、本発明に係る構成においては、「視差生成光学板の変形を補償する」、「変形補償板」が備えられるので、視差生成光学板の歪みは極力抑制される。
また、この際、本発明では、当該変形補償板が、画像表示装置を挟んで、視差生成光学板と対称的な関係で配置されていることから、視差生成光学板の歪みは、当該変形補償板の変形によって、いわば“相殺”されるかのように「補償」される。本発明に係る変形補償板の配置関係は、かかる作用を発揮するのに、最も好適である。
さらに、このような変形補償板による視差生成光学板の変形補償という考え方は、以下の事情を勘案すると、当該視差生成光学板の歪みを抑制するための、最も好適なものであることが明らかとなる。
すなわち、視差生成光学板の厚さ等を含む形状設定には通常大きな制約がかかる。例えば、視差生成光学板がレンチキュラレンズを含む場合、その厚さと当該レンチキュラレンズの屈折作用の程度等との間には強い相関があるから、その厚さが自由に変更されてしまうとすれば、屈折後の光の進行方向、さらには立体画像を表示するべく設定された表示範囲の位置等に大きな影響が及び、結局、立体画像表示が困難ないし不可能になってしまうからである。そして、かかる事情は、「視差生成光学板」単独で、その歪みの発生を防止する対策(例えば、その厚さを増大させて剛性を大きくする等。なお、前述した従来技術たる「切込み」もその一例にあたる。)をとるにあたっての大きな制約ともなる。
しかるに、本発明では、視差生成光学板の歪み発生抑制機能を担うのは、変形補償板である。したがって、視差生成光学板については、それ本来の機能(即ち、視差生成機能)が十全に発揮されるべく、その形状設定等がなされてよいにもかかわらず、その歪みは効果的に除去されるのである。
以上のように、本発明によれば、前述した視差生成光学板の歪みの発生が未然に抑止される。したがって、該視差生成光学板が例えばレンチキュラレンズを含む場合には、そのレンズの屈折作用の正確性は確保され、その結果、設計通り、あるいは仕様通りの立体画像の表示を行うことが可能になる。
なお、本発明は、それに係る電気光学装置が、3次元画像表示の用途に供されない場合を含む。「視差生成光学板」は、3次元画像を表示するためだけでなく、前記2つの表示範囲に対応する2人の視認者に、固有の内容をもつ画像を表示するために用いられ得るからである。
この発明の電気光学装置では、前記変形補償板は、前記視差生成光学板の線膨張係数と、前記第1及び第2基板の少なくとも一方の線膨張係数との間の相違に起因して発生する、当該視差生成光学板の変形を補償する、ように構成してもよい。
この態様によれば、熱を原因とする視差生成光学板の歪みの発生が未然に防止される。
第1基板等(「等」とは第2基板が含まれ得る趣旨である。以下、この〔課題…解決…手段〕の項において同じ。)の上には、前記電気光学物質に前記電気信号を供給するための電極その他の回路要素を作り込む必要があるため、当該第1基板等は各種半導体プロセス等に耐え得る材料で作られることが多く、他方、視差生成光学板については必ずしもそのような要請はないため、両者が異なる材料から作られることは、一般的にありうると考えてよい。しかし、このことは同時に、両者の線膨張係数間に相違をもたらす可能性が大きく、その結果、熱を原因とする視差生成光学板における歪み発生の可能性を高め得る。本態様は、このような懸念を相当程度払拭することが可能なのである。
また、本発明の電気光学装置では、前記変形補償板は、前記視差生成光学板と同じ材料から作られる、ように構成してもよい。
この態様によれば、上で比ゆ的に述べた“相殺”による「補償」を、好適に実現することができる。なぜなら、視差生成光学板と変形補償板が同じ材料から作られているので、両者は、例えば、同じ熱を受ければ原理上は同じ挙動を示すことが想定され、これにより、それらとは異なった挙動を一般に示すこととなる第1基板等の影響を、いわば押さえ込むことが可能になるからである。
あるいは言い換えれば、第1基板等による影響が視差生成光学板に及ぶという作用方向を前提に、変形補償板による影響が第1基板等に及ぶという作用方向を考えることが可能であるが、この場合、視差生成光学板及び変形補償板が同じ材料であれば、後者の影響によって、前者の影響が弱められる、というようにもいえる。
なお、「同じ材料」の意義については、後述する実施形態中の、関連する説明をも参照されたい。
この態様では、前記材料は、樹脂材料を含む、ように構成してもよい。
この態様によれば、視差生成光学板が樹脂材料から作られるので、これを安価に且つ容易に作成することができる。なお、この場合、前記第1基板等の材料と視差生成光学板の材料とが異なることが非常に強く推定されることになり、前記熱を原因とする視差生成光学板の歪みの発生が懸念されることになるが、本発明に係る構成によれば、既に述べたように、そのような懸念には及ばない。逆に言うと、かかる態様においてであるが故なお更、本発明の効果がより実効的になるといえる。
また、本発明の電気光学装置では、前記視差生成光学板は、レンチキュラレンズを含む、ように構成してもよい。
この態様によれば、レンチキュラレンズにおける歪みが極力抑制されるので、その屈折作用の正確性が確保される。
また、本発明の電気光学装置では、前記変形補償板の厚さは、前記視差生成光学板の厚さよりも大きい、ように構成してもよい。
この態様によれば、第1基板等が視差生成光学板に及ぼす影響よりも、変形補償板が第1基板等に及ぼす影響が、相対的に増大することになるので、視差生成光学板における歪み発生抑制効果がより実効的になる。
なお、本態様では、変形補償板の厚さの設定について大きな制約がかかるということは、少なくとも原理上はないから、視差生成光学板、及び、第1基板等を含む画像表示装置の全体的な挙動を勘案した上、それを基準として、視差生成光学板の歪みを除去するような“厚さ”を設定することが可能である。本態様は、これを体現する最も好適な条件の1つの例としての意義をもつ。
また、本発明の電気光学装置では、前記第1及び第2基板のうち前記変形補償板に近い基板の厚さと、当該変形補償板の厚さとの合計は、少なくとも、前記第1及び第2基板のうち前記変形補償板に遠い基板の厚さと、前記視差生成光学板の厚さとの合計よりも大きい、ように構成してもよい。
この態様によれば、すぐ上で述べた態様に関して述べた作用効果に類似する作用効果が奏される。
説明の簡単のため、変形補償板が、電気光学物質からみて「第2基板」の外側に配置される場合を想定すると、その場合における本発明の「電気光学装置」は、変形補償板、第2基板、電気光学物質、第1基板、及び視差生成光学板、という積層構造をもつことになる。そして、本態様では、この場合、変形補償板及び第2基板の厚さの合計が、第1基板及び視差生成光学板の厚さの合計よりも大きいのである。
このような結果、より厚く、変形しにくい第2基板及び変形補償板が、より薄く、変形しやすい第1基板及び視差生成光学板に対して、その変形を押し止めるような影響を及ぼすことになるので、視差生成光学板における歪み発生の抑制効果がより実効的になるのである。
なお、いま述べた態様及びそのすぐ前に述べた態様は、前述した、視差生成光学板の厚さ等の自由な変更が許されないという事情、を勘案すると、その有効性がより深く認識される。なぜなら、既述のように、かかる事情の存在により、視差生成光学板単独による変形防止対策を施すことは困難であるところ、これら2つの態様では、変形補償板、第1基板、若しくは第2基板の厚さの増大によって、その困難性を克服するかのように、視差生成光学板の変形抑止効果の発揮が期待されるからである。
また、本発明の電気光学装置では、前記視差生成光学板及び前記変形補償板の少なくとも一方は、反射防止膜を備える、ように構成してもよい。
この態様によれば、例えば、視差生成光学板と空気との界面で発生する光の反射を防止することができるので、より高品質な画像の表示が可能になる。変形補償板についても同様である。
なお、本態様において、より好適には、反射防止膜は、前記電気光学物質からみて、視差生成光学板、あるいは変形補償板のより外側の面に備えられるとよい。これら視差生成光学板、あるいは変形補償板と装置外部の空気との界面における反射が、画像品質に影響を及ぼす可能性が大きいからである。
また、本発明の電気光学装置では、前記電気光学物質は、液晶を含む、ように構成してもよい。
この態様によれば、画像表示装置が、液晶表示装置として好適に構成される。なお、この点に関する、より詳細な具体例については、後述する実施形態において、図3等が参照されながら説明される。
また、本発明の電気光学装置では、前記電気光学物質は、有機EL物質を含む、ように構成してもよい。
この態様によれば、画像表示装置が、有機EL装置として好適に構成される。なお、この点に関する、より詳細な具体例については、後述する実施形態において、図8が参照されながら説明される。
一方、本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した各種態様の電気光学装置を備える。
本発明の電子機器は、上述した各種の電気光学装置を備えてなるので、視差生成光学板の歪みの発生が抑制される結果、設計通り、あるいは仕様通りの立体画像の表示を行うことが可能である。
以下では、本発明に係る第1の実施の形態について図1乃至図3を参照しながら説明する。なお、これら図1乃至図3並びに以下で参照するその他の各図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層毎や各部材毎に縮尺を異ならせてある場合がある。
本実施形態に係る液晶表示装置100は、図1に示すように、照明装置LB、液晶装置LD、偏光板30U及び30L、並びに、レンチキュラレンズ40及び変形補償板60から構成されている(これらのうちレンチキュラレンズ40及び変形補償板60を除く、各要素(LB,LD,30U,30L)は、本発明にいう「画像表示装置」の一具体例を構成する。)。この液晶表示装置100の断面をみると、図3に示すように、その全体的な構成の積層順番は、同図中下から、照明装置LB、変形補償板60、偏光板30L、第1基板10、液晶層LQ、遮光膜BM及びカラーフィルタCF、第2基板20、偏光板30U、レンチキュラレンズ40となっている。
照明装置LBは、導光板及び光源からなる(いずれも不図示)。このうち光源は、例えば白色LED(Light Emitting Diode)である。この光源は、例えば、比較的長尺の棒状ないしは直方体形状をもち、その長手方向が、略平板状の導光板の側端に沿うようにして配置される。光源から発せられた光は、導光板の当該側端からその内部に入射する。光源は、照明駆動回路52によって、その点灯・消灯が制御される。
液晶装置LDは、図1乃至図3に示すように、相互に対向する第1基板10と第2基板20とを備えている。第1基板10と第2基板20との間隙には液晶層LQが位置する(図3参照)。第1基板10及び第2基板20は、例えばガラスや石英などの透光性材料で作られる。
これら第1基板10及び第2基板20の上には、それぞれ、固有の積層構造物が構築される。
第1基板10の側では、当該第1基板10の上に、例えば、スイッチング素子としてのTFT(Thin Film Transistor)、走査線、データ線、画素電極、及びこれら各要素間に適宜設けられる透光性の層間絶縁膜等が順次構築される。図1においては、このうち画素電極9が図示されている。
画素電極9は、図1に示すように、平面視してマトリクス状に配列されている(図3では不図示)。この画素電極9は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性かつ導電性材料で作られている。
第1基板10の側には、上述に加えて、前記画素電極9の上に、配向膜(不図示)等が形成される。配向膜は液晶層LQに接する。この配向膜の表面には、液晶層LQを構成する液晶分子の初期配向状態を規制する配向処理が施されている。このような配向膜は、例えばポリイミド等の樹脂材料で作られている。
なお、液晶層LQは、正の誘電率異方性を有する液晶を用いたTNモードで動作する構成をとりうる。
また、上述のような配向膜は、第2基板20の側にも、液晶層LQに直接接する膜として形成されている(当該配向膜も不図示)。
一方、第2基板20の側では、当該第2基板20の上に(図1乃至図3の観点では「下に」)、カラーフィルタCF、遮光膜BM、対向電極等が構築される。図1においては、このうちカラーフィルタCFのみが図示されており、図3においては、これに加えて遮光膜BMが図示されている。
カラーフィルタCFは、図1に示すように、前記の画素電極9の形成領域と呼応するように、平面視してマトリクス状に配列されている(図1参照)。このカラーフィルタCFは、赤フィルタCF1,緑フィルタCF2及び青フィルタCF3の三種のフィルタを含み、これら各々は、図1あるいは図2に示すように、所定の規則に従って配列される。図1では、X方向(行方向)に沿っては、赤フィルタCF1,緑フィルタCF2及び青フィルタCF3がこの順に配列され、かつ、これを一組とする繰り返し配列がなされるようになっている一方、Y方向(列方向)に沿っては、画素列毎に、赤フィルタCF1の列、緑フィルタCF2の列、及び青フィルタCF3の列が、それぞれ並ぶような配列がなされている。
このカラーフィルタCFは、照明装置LBから発し液晶層LQを透過してきた光のうち、所定の波長域にある光のみを透過させる。つまり、透過光はいわば「着色」される。
遮光膜BMは、前述したカラーフィルタCFの形成領域の間を縫うようにして、格子状に形成されている(図1及び図2では明示されていない。図3参照。)。
この遮光膜BMは、隣接する画素間で透過光が交じり合うのを防止する。また、遮光膜BMは、第1基板10上に形成される前記走査線、前記データ線、前記TFT等の不透明な材料を覆う役割も担う。逆に言えば、これら走査線等は、遮光膜BMが格子状をもつことに対応して、格子状領域に配置されるのである。
対向電極は、前述したカラーフィルタCF及び遮光膜BMを覆うようにして、第2基板20のほぼ全面に相当する領域に形成されている。対向電極は、前記画素電極9と同様、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性かつ導電性材料で作られている。
前述した対向電極と画素電極9は、液晶駆動回路53に接続されている。
この液晶駆動回路53は、前述した走査線に選択信号を供給する走査線駆動回路、及び、前述したデータ線に画像信号を供給するデータ線駆動回路を含む。走査線駆動回路は、1つの画素行を単位として選択信号を発し、水平走査期間を規定する。データ線駆動回路は、走査線駆動回路によって選択された画素行に対して、画像信号を供給する(即ち、当該画素行に含まれる画素に画像信号を書き込む。)。最初の画素行に画像信号の供給を開始してから、最終の画素行に画像信号を供給するまでの時間が、垂直走査期間となる。
なお、前記TFTは、前記選択信号の有無に応じて、ON状態及びOFF状態間を遷移し、そのON状態のときに、前記画像信号をデータ線から画素電極9へと伝達する。
以上の結果、各画素について、画素電極9及び対向電極間の電位差が適当に設定されることになり、その間に挟持された液晶層LQ内の液晶分子の配向状態が適当に調整される。これにより、照明装置LBからの出射光のうち観察側に透過する光量の割合(透過率)は画素電極9ごとに制御される。対向電極及び画素電極9間の電位差の大きさ等は、画素電極9に供給される画像信号の状態如何による。これにより、液晶装置LDは、画素電極9が配列された面で、画像を表示する。
なお、偏光板30Lは、照明装置LBから発せられた光を偏光させ、偏光板30Uは、液晶装置LDを透過してきた光を偏光させる。これらの偏光板30U及び30Lによる偏光の方向は、液晶層LQを透過する光が受ける偏光の方向に依存して決定される。
以上の構成に加えて、本実施形態の液晶表示装置100は特に、レンチキュラレンズ40及び変形補償板60並びにこれに関連する要素を備えている。
レンチキュラレンズ40は、図1乃至図3に示すように、複数の単体レンズ42,42,…の集合からなる。
単体レンズ42,42,…は、その1個1個が概ね半楕円形状の断面形状もつ。これらの1個1個は、画素電極9の2列分に対応する幅をもち、かつ、Y方向(列方向)に沿って並ぶ画素電極9の全部の長さに相当する長さをもつ。レンチキュラレンズ40は、このようにY方向に沿って長い単体レンズ42,42,…を、X方向(行方向)に沿って複数並べた構造をもつ。
このレンチキュラレンズ40は、図2に示すように、偏光板30Uの図中上面と図示しない接着剤で直接的に接着される。この接着剤は、レンチキュラレンズ40の全面を覆うように塗布される。この接着剤は、熱硬化性樹脂、あるいは、紫外線硬化性樹脂、等を含んでよい。
このレンチキュラレンズ40の厚さ(図1中Z方向に沿った長さ)は、例えば、0.2mmから1mm程度とされて好適である。
このようなレンチキュラレンズ40は、例えばガラスや石英、プラスチックなどの透光性材料で作られる。好適には、プラスチックないし各種の樹脂材料から作られるとよい。この場合、前述の第1基板10及び第2基板20がガラスから作られるのであれば、これらとレンチキュラレンズ40とは、相互に異なる材料から作られるということになる。本実施形態では特に、このような前提(即ち、両者は異なる材料から作られる。)を置くことにする。これにより、多くの場合、レンチキュラレンズ40及び第1基板10等間の線膨張係数は異なることになる。
このレンチキュラレンズ40によると、3次元画像表示が可能になる。例えば、図3中真ん中に示される単体レンズ42に着目すると、当該単体レンズ42の図中左側に入射する光(青フィルタCF3を透過する光)は、当該単体レンズ42による屈折を受けて方向DAに向かって進行し、図中右側に入射する光(赤フィルタCF1を透過する光)は方向DRに向かって進行する。このようにして、一定程度隔たった2つの表示範囲RD1及びRD2のそれぞれに、その内容が若干異なる2つの画像が表示され得る(あるいは、適当な視差が設定され得る)ことになる。この場合、その2つの表示範囲RD1及びRD2が、視認者の右眼及び左眼に対応し、かつ、前記2つの画像の内容が適切に設定されるなら、当該視認者は、立体感を感じることができる。
なお、本実施形態においては、カラーフィルタCFの並び順(即ち、赤フィルタCF1,緑フィルタCF2及び青フィルタCF3の並び順)に関連して、方向DAに進む光に基づく画像は、図3でいえば、図中左端から順に、R,B,G,R,B,G,…という配列に基づく画像となるのに対して、方向DRに進む光に基づく画像は、G,R,B,G,R,B,…という配列に基づく画像となることになる。
一方、変形補償板60は、略平板状の形態をもつ光透過性の部材である。
この変形補償板60は、図2に示すように、偏光板30Lの図中下面と図示しない接着剤で直接的に接着される。この接着剤は、変形補償板60の全面を覆うように塗布される。この接着剤は、熱硬化性樹脂、あるいは、紫外線硬化性樹脂、等を含んでよい。
また、変形補償板60の厚さ(図1中Z方向に沿った長さ)は、例えば、0.2mmから3mm程度とされて好適である。この変形補償板60は、図示の通り、基本的に、いわば単純な一枚板として準備され得る。
このような変形補償板60は、例えばガラスや石英、あるいは、プラスチックないしアクリル樹脂等の透明樹脂から好適に作られる。
本実施形態では特に、この変形補償板60は、前記レンチキュラレンズ40の材料と同じ材料から作られる。ここで「同じ材料から作られる」とは、両者が全く同じ組成をもつ同じ素材から作られるという意味が含まれるのは当然、“同系の材料”から作られるという意味もまた含まれる。“同系”とは、上述の組成レベルないしは素材レベルではなくて、それよりも、より抽象的なレベルで捉えた場合の材料の同一性を意味する。例えば、レンチキュラレンズ40がアクリル樹脂から、変形補償板60がシリコン系樹脂から作られているという場合でも、両者は、「樹脂材料」から作られていることに変わりなく、その点で材料の同一性はある。
なお、以下では、ここで述べた変形補償板60、及び、レンチキュラレンズ40が、ともにアクリル樹脂から作られ、前述した第1基板10及び第2基板20はガラスから作られる場合を念頭に説明を行う。言うまでもないが、このことは、上述した、第1基板10及び第2基板20と、レンチキュラレンズ40とがそれぞれ異なる材料から作られる、という前提を当然満たす。
以下では、以上のような構成を備える液晶表示装置100、特に変形補償板60の作用・効果について、既に参照した図1乃至図3に加えて、図4及び図5を参照しながら説明する。
なお、以下で説明する作用の発現においては、以下の前提が置かれている。すなわち、(i)ガラスから作られる第1基板10及び第2基板20の厚さの合計は、0.7mmである、(ii)アクリル樹脂から作られるレンチキュラレンズ40の厚さは、0.3mmである、(iii)同じくアクリル樹脂から作られる変形補償板60の厚さも、0.3mmである、(iv)画像表示領域の大きさ(画素電極9の形成領域全体の大きさ)は、8インチである。
さて、上述のような前提の下、本実施形態に係る液晶表示装置100から、仮に変形補償板60だけを除いた構成物を、周囲温度が変化する環境におくと、その全体的な形状に関して、以下のような物理的変形が生じるという結果が得られた。
すなわち、第1に、環境温度が、20度から60度に変化する場合、図4に示すように、前記構成物は、レンチキュラレンズ40の側に凸となるように物理的に変形する。この場合、図中左右方向に関する中央部についての、図中上下方向に沿って計った変形量は2mmである(なお、図4においては、第1基板10、第2基板20及びレンチキュラレンズ40のみを図示し、偏光板30U及び30L等の図示は省略した。)。第2に、環境温度が、20度から−20度に変化する場合、上記とは逆に、前記構成物は、レンチキュラレンズ40の側で凹となるように物理的に変形する(この場合は不図示)。この場合における、前記と同趣旨の変形量も2mmである。
このような物理的変形は、レンチキュラレンズ40と、第1基板10及び第2基板20の線膨張係数の相違に起因する。特に、本実施形態では、前者が樹脂材料、後者がガラスから作られているので、両者間の線膨張係数は、一般に一桁ほども違う。したがって、環境温度が変化するに応じて、より線膨張係数の大きいレンチキュラレンズ40はより大きく変形し、より線膨張係数の小さい第2基板20等はより小さく変形するので、前述したような、全体的形状の変化となって現れるである。
そして、このような物理的変形が生じてしまうと、正確な立体画像の表示が極めて困難になる。これは、図4に示すように、単体レンズ42を屈折後の光の進行方向が、変形前の場合と異なってしまうからである。図4では、変形前には破線矢印に従って方向DRに従って光が進行する様子(図3も参照)が示される一方、変形後は、実線矢印に示すように、図中左方の単体レンズ42を透過した光は、変形前に比べてより左方に傾いて進行し(符号DRg1参照)、図中右方の単体レンズ42を透過した光は、変形前に比べてより右方に傾いて進行する(符号DRg2参照)様子が描かれている。
しかるに、上に説明したような構成をもつ液晶表示装置100、即ち変形補償板60をも備えた液晶表示装置100によれば、このような不具合が生じない。変形補償板60は、上述したような物理的変形、その中でも特に、レンチキュラレンズ40に生じる変形をいわば相殺するかのように補償するからである。例えば、レンチキュラレンズ40がより大きく伸び(又は縮み)、第2基板20等がより小さく伸びる(又は縮む)、という場合、変形補償板60は、より大きく伸びる(又は縮む)ことにより、レンチキュラレンズ40及び第2基板20等間で生じる相互作用(特に、レンチキュラレンズ40が被る作用)を緩和する作用を発揮する。図5では、太線矢印で、このようなことが視覚的に表現されている。すなわち、同図では、レンチキュラレンズ40について生じようとする変形に応じた力F4が、変形補償板60について生じようとする変形に応じた力F6によって相殺ないし抑制され得ることが表現されている。これにより、同図に併せて細線で示すような物理的変形の発生は未然に防止される(なお、当該細線は図4に示すものと同じである。また、図5中の力F4及びF6は、以上の説明の理解を助ける目的をもって描かれているものであり、レンチキュラレンズ40及び変形補償板60に実際に働く力の様子を、必ずしも正確に表現するものではない。)。
このようにして、レンチキュラレンズ40の変形は、変形補償板60によって、抑制される。
なお、このような作用効果は、本実施形態において、変形補償板60及びレンチキュラレンズ40が液晶装置LDを挟み込むという配置関係が採用されていることを基本としながら、これら変形補償板60及びレンチキュラレンズ40が同じ材料から作られていること、即ち周囲温度変化に対する両者の挙動が原理上は同じになることから、より実効的に享受され得ることになる。
また、このような変形補償板60によるレンチキュラレンズ40の変形補償という考え方は、以下の事情を勘案すると、当該レンチキュラレンズ40の歪み等の変形を抑制するための、最も好適な手法であることが明らかとなる。
すなわち、図3に示した方向DR及びDA、あるいは表示範囲RD1及びRD2等の設定は、レンチキュラレンズ40の厚さ等を含む形状設定の如何に深く関係する。つまり、好適な、あるいは正確な立体画像表示を行うためには、レンチキュラレンズ40の形状設定は決して自由にはなしえず、それには大きな制約がかかるのである。そして、かかる事情は、レンチキュラレンズ40単独で、その歪みの発生を防止する対策をとるにあたっての大きな制約ともなる。
しかるに、本実施形態では、レンチキュラレンズ40の歪み除去機能を担うのは、変形補償板60である。したがって、レンチキュラレンズ40については、それ本来の機能(即ち、上述の表示半にRD1及びRD2の設定機能等)が十全に発揮されるべく、その形状設定等がなされてよいにもかかわらず、その歪みは効果的に除去されるのである。
以上の結果、本実施形態によれば、上述のようなレンチキュラレンズ40の歪みの発生が未然に抑止されるので、単体レンズ42,42,…の屈折作用の正確性は確保され、その結果、設計通り、あるいは仕様通りの立体画像の表示が行われることになる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明に係る電気光学装置は、上述した形態に限定されることはなく、各種の変形が可能である。
(1) 上記各実施形態では、レンチキュラレンズ40の厚さ及び変形補償板60の厚さの両者間の関係について特に言及していないが、本発明は、この点に関して以下のような態様をとることができる。
すなわち、図6に示すように、レンチキュラレンズ40の厚さT2よりも、より大きな厚さT1をもつ変形補償板61が採用されてよい。このようにすれば、第2基板20等がレンチキュラレンズ40に及ぼす影響よりも、変形補償板61が第2基板20等に及ぼす影響が、相対的に増大することになるので、レンチキュラレンズ40における歪み発生抑制効果がより実効的になる。
あるいは、図7に示すように、厚さT1をもつ変形補償板61の存在を前提に、第1基板11の厚さをt1、第2基板20の厚さをt2とするとき、
t1+T1>t2+T2…(1)
が成立するようにしてもよい。
このようにすれば、より厚く、変形しにくい第1基板11及び変形補償板61が、より薄く、変形しやすい第2基板20及びレンチキュラレンズ40に対して、その変形を押し止めるような影響を及ぼすことになるので、レンチキュラレンズ40における歪み発生の抑制効果がより実効的になる。
いずれによせ、このような変形例では、上述した変形補償板61の“変形”による、レンチキュラレンズ40の変形の抑制、といった機序のみならず、変形補償板61それ自体の剛性の増加などといった原因による、レンチキュラレンズ40の変形の抑制といった機序が働く余地がある。したがって、かかる変形例では、レンチキュラレンズ40の変形抑制効果が、より実効的に奏される可能性が高まるのである。
また、このような変形例は、前述した事情、即ち、レンチキュラレンズ40の厚さ等の自由な変更が許されないという事情、を勘案すると、その有効性がより深く認識される。なぜなら、既述のように、かかる事情の存在により、レンチキュラレンズ40単独による変形防止対策を施すことは困難であるところ、かかる変形例では、変形補償板61、あるいは第1基板11の厚さの増大によって、その困難性を克服するかのように、当該レンチキュラレンズ40の変形抑止効果の発揮が期待されるからである。
なお、念のため、実施形態の説明の冒頭で既に述べているが、図6及び図7の変形補償板61の厚さ等は、図面理解の容易性確保等の観点から、実際よりも相当大げさに描かれている点、改めて注記しておく。
(2) 上記各実施形態では、画像表示装置が液晶装置LDを含む態様について説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。例えば、図8に示すように、画像表示装置が有機EL装置を含む態様も、本発明の範囲内にある。
この図8の有機EL装置は、例えば接着剤JB等によって相互に対向配置・接着される素子基板10’及び対向基板20’と、これらの間に形成される有機EL素子8と、からなる。有機EL素子8は、画素電極13、発光機能層18及び対向電極5を備える。画素電極13は、上記実施形態の画素電極9と同様、素子基板10’上、マトリクス状配列に従って並べられている。発光機能層18は、少なくとも有機発光層を含み、有機発光層は正孔と電子の再結合現象に基づき発光する有機EL物質から構成されている。図では、赤色光、緑色光及び青色光それぞれ専用の有機EL物質を含む発光機能層18R,18G及び18Bが、この順に形成されている例が示されている。対向電極5は、このような発光機能層18R,18G及び18Bを全部覆うようにベタ状に形成されている。
そして、この図8においても、前記素子基板10’及び対向基板20’を挟みこむように、図4と同様のレンチキュラレンズ40及び変形補償板60が備えられている。
このような形態であっても、上記実施形態によって奏された作用効果と本質的に相違のない作用効果が奏されることは明白である。
なお、有機EL素子8は自発光素子であるので、図1に示した照明装置LB及び照明駆動回路52は、図8の場合においては設置不要である。
(3) 上記各実施形態では、レンチキュラレンズ40を備える態様について説明しているが、本発明は、かかる形態に限定されない。
まず、本発明は、「視差生成光学板」の具体的態様が、レンチキュラレンズ40ではなくて、図示しないパララックス・バリヤ等である場合を含む。そのような場合であっても、当該の視差生成光学板について歪み等の変形が発生すれば、正確な立体画像表示が困難になる状況が想定され、かつ、かかる場合に上記実施形態におけるような変形補償板60が存在すれば、前記同様の作用効果が発揮されることが期待できるからである。
また、本発明は、それに係る電気光学装置が、立体画像表示ないしは3次元画像表示の用途に供されない場合を含む。「視差生成光学板」は、3次元画像を表示するためだけでなく、前記2つの表示範囲に対応する2人の視認者に、固有の内容をもつ画像を表示するために用いられ得るからである(かかる装置のことを、後述する図13の説明においては、「二画像表示装置」と呼ぶ。)。なお、上記実施形態のレンチキュラレンズ40は、かかる用途のためにも利用することは可能である。
(4) 上記各実施形態では、レンチキュラレンズ40をいわば裸の状態で備える態様について説明しているが、本発明においては、例えば図9に示すように、レンチキュラレンズ40が、その図中上面を覆うような反射防止膜49を備えてもよい。このような反射防止膜49を備えることで、当該設置位置における光の反射を防止することができるので(図中破線矢印参照)、より高品質な画像の表示が可能になる。ちなみに、高品質画像の表示とはいっても、それはレンチキュラレンズ40の変形が抑制されていることが前提となる。本実施形態では、その要請が満たされることについては上で縷々述べた。
なお、図9においては図示されていないが、変形補償板60についても、その図中上面及び下面の少なくとも一方に、反射防止膜が備えられてもよい。
(5) 上記各実施形態では、主に、熱を原因とする変形を念頭に説明しているが、本発明は、原理的には、熱の変形だけに対応することが予定されているわけではない。
例えば、上記実施形態において、レンチキュラレンズ40及び第1基板10等に対して、何らかの機械的・物理的ストレスがかかるという状況が考えられなくはないが、その場合、両者の機械的性質の相違により、レンチキュラレンズ40について歪み等が発生するという場合もありうる。かかる場合においても、上記実施形態にいう「変形補償板60」は、上述した作用効果と本質的に変わらない作用効果を奏する可能性はある。
なお、本発明にいう「電気光学装置」とは、電気光学素子を備えることで、所定の画像を表示する機能を少なくとももつ装置をいう。ここで「電気光学素子」とは、電気信号(電流信号又は電圧信号)の供給によって透過率や輝度といった光学的特性が変化する素子である。具体的には例えば、上述した液晶素子や有機EL素子等がそれに該当する。この電気光学素子を適当な態様で複数配列し、かつ、これらを適当に制御することによって、前記所定の画像を表示することが可能となる。
また、本発明にいう「電気光学装置」は特に、いま述べた要素に加えて、上述したような「レンチキュラレンズ40」及び「変形補償板60」をその一具体例とする「視差生成光学板」及び「変形補償板」をその要素として含む用語として使用されている。
<応用例>
次に、本発明に係る電気光学装置を利用した電子機器について説明する。図10ないし図13には、以上に説明した実施形態に係る液晶表示装置を採用した電子機器の形態が図示されている。
図10は、液晶表示装置を採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、各種の画像を表示する液晶表示装置100と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。
図11は、液晶表示装置100を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する液晶表示装置100とを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、液晶表示装置100に表示される画面がスクロールされる。
図12は、液晶表示装置100を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す斜視図である。携帯情報端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002と、各種の画像を表示する液晶表示装置100とを備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった様々な情報が液晶表示装置100に表示される。
図13は、前述した二画像表示装置を適用したカーナビゲーション装置の構成を示す図である。カーナビゲーション装置5000は、複数の操作ボタン5001と、各種の画像を表示する二画像表示装置1001とを備える。操作ボタン5001を操作すると、経路情報を含む道路地図や、渋滞情報、あるいは、お勧め観光スポット等の様々な情報(以下、「運行関連情報」という。)が二画像表示装置に表示される。
また、このカーナビゲーション装置5000では、二画像表示装置1001を利用して、DVD、ビデオテープ、あるいはテレビ受像信号等に基づく動画像等の表示を行うこともできる。
そして、このカーナビゲーション装置5000は、上述した二画像表示装置を搭載しているので、運転席5100に座る運転手に対して表示される画像と、助手席5200に座る同乗者に対して表示される画像とを異ならせることができる。この場合、好ましくは(特に、当該自動車の運行中には)、運転席5100の側に前記運行関連情報に係る画像が、助手席5200の側に前記動画像等が、それぞれ表示される。
なお、言うまでもないが、図13については、上記実施形態の液晶表示装置100が適用されてよく、さらに、図10乃至図12については、上述した二画像表示装置が適用されてよい。
本発明に係る電気光学装置が適用される電子機器としては、図10から図13に例示した機器のほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
本発明の実施形態に係る液晶表示装置の分解斜視図である。 図1の液晶表示装置を組み立てた場合の斜視図である。 図1の液晶表示装置の一部断面図である。 変形補償板をもたない液晶表示装置の物理的変形の1例を示す図である。 変形補償板の作用を説明するための説明図である。 図2と同趣旨の図であって、より厚さの大きい変形補償板を備える液晶表示装置を組み立てた場合の斜視図である。 図2と同趣旨の図であって、より厚さの大きい、変形補償板及び第1基板を備える液晶表示装置を組み立てた場合の斜視図である。 図3と同趣旨の図であって、本発明の実施形態の変形例たる有機EL装置の一部断面図である。 図3と同趣旨の図であって、レンチキュラレンズが反射防止膜を備える態様の一部断面図である。 本発明に係る電子機器の形態(パーソナルコンピュータ)を示す斜視図である。 本発明に係る電子機器の形態(携帯電話機)を示す斜視図である。 本発明に係る電子機器の形態(携帯情報端末)を示す斜視図である。 本発明に係る電子機器の形態(カーナビゲーション装置)を示す図である。
符号の説明
100……液晶表示装置、LB……照明装置、30U,30L……偏光板、LD……液晶装置、10,11……第1基板、9……画素電極、20……第2基板、CF……カラーフィルタ、CF1……赤フィルタ、CF2……緑フィルタ、CF3……青フィルタ、40……レンチキュラレンズ、42……単体レンズ、49……反射防止膜、60,61……変形補償板、52……照明駆動回路、53……液晶駆動回路、10’……素子基板、20’……対向基板、8……有機EL素子

Claims (11)

  1. 第1基板及び第2基板、並びに、これら両基板間に挟持される電気光学物質、を含み、当該電気光学物質における電気信号に応じた光学的特性の変化、に応じて画像を表示する画像表示装置と、
    前記電気光学物質からみて、
    前記第1及び第2基板の一方の外側に配置される視差生成光学板と、
    その他方の外側に配置され、前記視差生成光学板に生じる変形を補償する変形補償板と、
    を備えることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記変形補償板は、
    前記視差生成光学板の線膨張係数と、前記第1及び第2基板の少なくとも一方の線膨張係数との間の相違に起因して発生する、当該視差生成光学板の変形を補償する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記変形補償板は、前記視差生成光学板と同じ材料から作られる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記材料は、樹脂材料を含む、
    ことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
  5. 前記視差生成光学板は、レンチキュラレンズを含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記変形補償板の厚さは、前記視差生成光学板の厚さよりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記第1及び第2基板のうち前記変形補償板に近い基板の厚さと、当該変形補償板の厚さとの合計は、少なくとも、
    前記第1及び第2基板のうち前記変形補償板に遠い基板の厚さと、前記視差生成光学板の厚さとの合計よりも大きい、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記視差生成光学板及び前記変形補償板の少なくとも一方は、反射防止膜を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記電気光学物質は、液晶を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記電気光学物質は、有機EL物質を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電気光学装置を備える、
    ことを特徴とする電子機器。
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