JP2009245030A - ペイロード制御装置 - Google Patents

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JP2009245030A JP2008089029A JP2008089029A JP2009245030A JP 2009245030 A JP2009245030 A JP 2009245030A JP 2008089029 A JP2008089029 A JP 2008089029A JP 2008089029 A JP2008089029 A JP 2008089029A JP 2009245030 A JP2009245030 A JP 2009245030A
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Abstract

【課題】制御対象であるペイロードが内側に配置されるジンバル機構を備えたペイロード制御装置に関し、外乱をいち早く検出し、その影響を抑圧する動作を速やかに起こせるペイロード制御装置を実現する。
【解決手段】ジンバル機構2を支えるベース部10若しくは該ベース部10と一体となって移動する部材に、ベース部10に加わる外乱である並進加速度を検出する加速度センサ20を設け、上記制御手段は、ペイロード1の重心位置とジンバル軸とのずれに起因して外乱存在時にペイロード1に作用する外乱トルクを相殺するために、加速度センサ20の出力信号に基づいて、各トルカ5,8を制御し、外乱トルクを相殺する補正が加えられた駆動トルクを各トルカ5,8に出力させるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、制御対象であるペイロードが内側に配置されるジンバル機構と、このジンバル機構の各ジンバル軸に配置され各ジンバル軸を中心とする駆動トルクをペイロード側に出力するトルカと、ペイロードに設けられペイロードの角速度を検出するジャイロセンサと、このジャイロセンサの出力信号を受け、ペイロードが目標の角速度となるように各トルカを駆動制御する制御手段とを備えたペイロード制御装置に関する。
この種のペイロード制御装置として、例えば、ペイロードとしてのカメラが内側に配置された2軸ジンバル機構を備えたものがある。2軸ジンバル機構では、通常、ペイロードの左右指向を可能にする垂直方向のジンバル軸(回転中心軸)がAZ軸と呼ばれ、上下指向を可能にする水平方向のジンバル軸(回転中心軸)がEL軸と呼ばれ、これらの2軸でもって、ペイロードの視軸を左右・上下に指向させている(2軸ジンバル機構そのものの構成は、後述の図1参照)。
航空機、船、車輛等をプラットホームとしたペイロード制御装置では、プラットホームのベース部でもってペイロード制御装置のジンバル機構が支えられることになり、ジンバル機構には、航空機、船、車輛等の並進振動がこのベース部を介して加わることになる。この場合、例えば、上記2軸ジンバル機構であっては、ペイロードの重心位置がAZ軸上及びEL軸上にあれば、ペイロードの重心位置とジンバル軸とのずれが零となり、ペイロードを回転させようとする外乱トルクがペイロードに作用することはないが、ずれがあると、このマスアンバランスに加速度が作用し、外乱トルクが発生することにより、視軸(AZ軸及びEL軸に直交する)のぶれが生じる。
ここで、並進振動によるペース部の変位量をx、ペイロードの質量をmとすると、ペイロードの重心に作用する力fは、次のようになる。
Figure 2009245030
また、ペイロードの慣性モーメントをI、ペイロードの回転角をθ、トルクTとすると、次式が成り立つ。
Figure 2009245030
また、並進振動加速度がベース部に印加されると、ジンバル軸(回転中心軸)を平行移動させようとする。このとき、質量mは慣性空間的に止まろうとするから、トルクTは、ペイロードの重心位置とジンバル軸とのずれをεとすると、
Figure 2009245030
となる。これがペイロードを重心回りに回転させるように作用する。すなわち、ペイロードに、
Figure 2009245030
で示される角加速度を生じさせ、ペイロードを振動させようとする。
このため、ペイロード制御装置の実際の組立作業においては、ペイロードの重心位置とジンバル軸(回転中心軸)とを完全に一致させることで、ペイロードの視軸ぶれを減少させようとする。しかし、この調整作業は膨大な作業時間を要することとなる。
ペイロードの重心位置とジンバル軸とのずれは、それが僅かであっても残っていると、外乱を受けたときに、ペイロードを回転振動させる力を生じさせることになる。特に防振機構を持つジンバル機構ではその共振周波数と同じ周波数の外乱振動が起こると大きな振幅の振動となり得る。
上記外乱の抑圧(振動の抑圧)に関連する技術として種々のものが存在し、例えば特許文献1〜3に記載されたものがある。一般的な外乱抑圧の手法としては、ペイロードに慣性空間に対する回転角速度を検出するジャイロセンサ(慣性センサ)を装着し、それが検出する外乱(視軸ぶれ)角速度信号、若しくはこれを積分した外乱角度信号が零になるように、外乱と逆向きにペイロードを回転付勢させる、というフィードバック制御方式の手法がある。
特開平2−286497号公報 特開2003−108236号公報 特開平10−132018号公報
ジャイロセンサの出力信号(角速度信号)から外乱を検出し、これが無くなるようペイロードを回転付勢させるフィードバック制御方式は、物理的積分が介在し、時間遅れが大きいため、効率的に外乱を除くことは困難である。
すなわち、ジャイロセンサの出力信号を用いる場合では、外乱である並進振動がマスアンバランスと協働して外乱トルクを実際に発生させ、それがペイロードに外乱の角加速度を生じさせ、その結果ペイロードの角速度が変化した時点で、初めて、外乱を検出することが可能になる。
このため、外乱の影響を相殺するためのペイロード駆動のタイミングも、上記ペイロードの角速度変化の検出後になり、外乱を受けてから検出までの時間遅れが大きく、外乱抑圧を効果的に行えない。外乱検出を早めるために、フィードバックの偏差量を微分したり(微分の度合いを強めたPID制御を行ったり)、各種のフィードフォワード制御を組み合わせたりしているが、十分な効果は得られていない。このため、高精度を要求されるペイロード制御の場合には、高精度に見合うようにマスアンバランス量を小さく抑え込む作業が必要になり、この調整作業に多大な時間や工数を要している。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、外乱をいち早く検出し、その影響を抑圧する動作を速やかに起こせるペイロード制御装置を実現しようとするものである。
上記課題を解決する請求項1に係る発明は、制御対象であるペイロードが内側に配置されるジンバル機構と、該ジンバル機構の各ジンバル軸に配置され各ジンバル軸を中心とする駆動トルクを前記ペイロード側に出力するトルカと、前記ペイロードに設けられ前記ペイロードの角速度を検出するジャイロセンサと、該ジャイロセンサの出力信号を受け、前記ペイロードが目標の角速度となるように前記各トルカを駆動制御する制御手段とを備えたペイロード制御装置であって、前記ジンバル機構を支えるベース部若しくは該ベース部と一体となって移動する部材には、前記ベース部に加わる外乱である並進加速度を検出する加速度センサが設けられ、前記制御手段は、前記ペイロードの重心位置とジンバル軸とのずれに起因して外乱存在時に前記ペイロードに作用する外乱トルクを相殺するために、前記加速度センサの出力信号に基づいて、前記各トルカを制御し、前記外乱トルクを相殺する補正が加えられた駆動トルクを前記各トルカに出力させるように構成されていることを特徴とするものである。
この発明では、ジンバル機構を支えるベース部等に加速度センサを配置し、ベース部の加わる並進加速度を直接検出することで、外乱に起因してペイロードに作用する外乱トルクを予測し、この外乱トルクを相殺する補正を加えた駆動トルクをトルカからペイロードに出力させる。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のペイロード制御装置において、前記加速度センサは3軸加速度センサであり、前記制御手段は、該加速度センサが検出した3軸方向の加速度から、各ジンバル軸回りの前記外乱トルクを予測し、各ジンバル軸回りの外乱トルクを相殺するトルクを生じるような各ジンバル軸回りの駆動電流を本来の各ジンバル軸回りの駆動電流に重畳して前記各トルカに供給することで、各ジンバル軸における外乱トルクを相殺する補正が加えられた各駆動トルクを前記各トルカから出力させるようにしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、並進加速度がマスアンバランスと協働して発生する外乱トルクを相殺するためのトルクを、ベース部に設けた加速度センサの出力信号に基づき発生させているので、外乱を速やかに検出して、外乱を相殺するための動作を遅延なく行うことができ、外乱を確実に抑圧できる。
(第1の実施の形態)
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態例を示す構成図である。図1において、制御対象であるペイロード1は、カメラ等であり、2軸ジンバル機構2の内側に配置されている。このジンバル機構2の外ジンバル3は、その円筒部が下方に向けて二股状に突出形成され、上底面が平面で塞がれた有底円筒形をしている。
ペイロード1の左右方向に延びたシャフト4は、ペイロード1の上下指向を可能にする水平方向のジンバル軸(回転中心軸)すなわちEL軸を構成するもので、その両端は、外ジンバル3の二股部の先端にて回動可能に支持されている。一方、シャフト4の中央部にはペイロード1が固定されており、シャフト4上に配置されたトルクモータ等でなるトルカ5により、シャフト4を回転駆動することで、ペイロード1の視軸の向きを上下方向に傾斜できるようになっている。
また、ペイロード1の垂直方向に延びたシャフト6は、ペイロード1の左右指向を可能にする垂直方向のジンバル軸(回転中心軸)すなわちAZ軸を構成するもので、その下端は、外ジンバル3の上底面中央部に固定され、上端は、ベースプレート7に回動可能に係止されている。シャフト6上に配置されたトルクモータ等でなるトルカ8により、シャフト6を回転駆動することで、外ジンバル3を回転させ、ペイロード1の視軸の向きを左右方向に移動できるようになっている。
ベースプレート7は、航空機、船、車輛等のプラットホームのベース部10に固定されるもので、本形態例では、ベース部10に固定され、ベース部10と一体となって移動する。このベースプレート7上には、3軸加速度センサ20が固定されている。加速度センサ20は、ベース部10に加わる外乱である並進加速度を検出するものであり、ベース部10に直接固定してもよい。
ペイロード1には、ペイロード1の角速度を検出するジャイロセンサ30が固定されている。図示しない制御手段は、このジャイロセンサ30の出力信号を受け、ペイロード1が目標の角速度となるようにトルカ5,8を駆動制御する。上記の通り、ペイロード1の重心位置とジンバル軸(EL軸、AZ軸)とのずれ(位置関係)に起因して、外乱存在時には、外乱トルクがペイロード1に作用する。そこで、この制御手段は、外乱存在時にペイロード1に作用する外乱トルクを相殺するために、加速度センサ20の出力信号に基づいて、トルカ5,8を制御し、外乱トルクを相殺する補正が加えられた駆動トルクをトルカ5,8から出力させる。
すなわち、制御手段は、事前に測定しておいたペイロード1の重心位置とジンバル軸(EL軸、AZ軸)とのずれと、加速度センサ20が検出した3軸方向の加速度から、各ジンバル軸(EL軸、AZ軸)回りに発生するであろう外乱トルクをそれぞれ予測し、
(1)EL軸回りの外乱トルクについては、それを相殺するトルクを生じるようなEL軸回りの駆動電流を本来のEL軸回りの駆動電流に重畳してトルカ5に供給し、
(2)AZ軸回りの外乱トルクについては、を相殺するトルクを生じるようなAZ軸回りの駆動電流を本来のAZ軸回りの駆動電流に重畳してトルカ8に供給する。
これにより、各ジンバル軸(EL軸、AZ軸)における外乱トルクを相殺する補正が加えられた各駆動トルクがそれぞれトルカ5,8から出力される。
次の上記制御手段の動作を図2を用いて説明する。図2は本発明の実施の形態例における制御ブロック図である。本形態例のペイロード制御装置は、角速度指令(角速度の目標値)を受けて、この角速度でペイロード1を駆動するものである。各トルカ5,8はそれぞれのフィードバック制御ループを用いて個別に駆動制御される。
まず、トルカ5の駆動について図2を用いて説明する。この場合、図2中のトルカ101は、図1におけるEL軸のトルカ5に相当する。プラント102は、トルカ101からの駆動トルクを受けて駆動される機構部分を指しており、図1におけるペイロード1を含む被駆動部である。ペイロード角速度検出部103は、図1におけるペイロード1上のジャイロセンサ30の出力信号から、EL軸回りのペイロード1の角速度を求めるものである。
このペイロード角速度検出部103のEL軸回りの検出角速度は、フィードバックされて、本来のEL軸回りの角速度指令(目標値)と比較され、その偏差が角速度補償器104に入力される。そして、そこで増幅(PID制御を行うなら、比例だけでなく、積分や微分の各制御を加味した演算がここで行われる)された信号は、トルカ101を駆動するドライバ105に入力される。
一方、加速度検出部106は、図1における3軸加速度センサ20に相当するもので、X軸方向(AZ軸方向)、Y軸方向(EL軸方向)、Z軸方向(EL軸及びAZ軸の双方に直交する方向)の加速度を求めるものである。また、トルク算定モデル107は、加速度検出部106の検出加速度から、EL軸回りの外乱トルクを予測し、このEL軸回りの外乱トルクを相殺するトルクを生じるようなEL軸回りの駆動電流を出力するものである。
このトルク算定モデル107が出力する駆動電流の値は、具体的には、(A)Z軸方向の加速度が、AZ軸方向のマスアンバランスに作用することで予測されるEL軸回りの外乱トルクを相殺するための第1の駆動電流値と、(B)X軸方向の加速度が、EL軸及びAZ軸の双方に直交する方向のマスアンバランスに作用することで予測されるEL軸回りの外乱トルクを相殺するための第2の駆動電流値とを、外乱トルクの方向を加味して合算(加算或いは減算)した合計電流値である。このトルク算定モデル107から出力される駆動電流は、ドライバ105から出力される本来のEL軸回りの駆動電流(目標値側の駆動電流)に重畳してトルカ101に供給される。
これにより、プラント102内のペイロード1には、EL軸に関しては、トルカ101(トルカ5)によるEL軸回りの駆動トルクと、ベースプレートで外乱を受け、実際のマスアンバランス108により現実に発生したEL軸回りの外乱トルクとが作用する。しかし、この制御系では、現実に発生する外乱トルクを想定して、この外乱トルクの大きさを差し引いた値のEL軸回りの駆動トルクがトルカ101(トルカ5)から発生するようになっており、プラント102内のペイロード1にはEL軸回りの外乱トルクが作用することはない。
さらに、並進加速度がマスアンバランスと協働して発生するEL軸回りの外乱トルクを相殺するためのトルクを、ベース部10に設けた加速度センサ20の出力信号に基づき発生させているので、外乱を速やかに検出して、外乱を相殺するための動作を遅延なくとることができ、外乱を確実に抑圧できる。
上記説明は図1のトルカ5に関するものであったが、2軸ジンバルのAZ軸回りの駆動トルクを出力するトルカ8についても、全く同様な駆動制御がなされている。このトルカ8の駆動についても、図2を用いて説明する。この場合、図2中のトルカ101は、図1におけるAZ軸のトルカ8に相当する。トルカ8の場合は、外ジンバル3をも駆動するが、外ジンバル3自体のマスバランスは容易に除去できるので、ペイロード1のマスアンバランスだけに注目し、トルカ5の場合と同様な駆動制御を行っている。
すなわち、ペイロード角速度検出部103のAZ軸回りの検出角速度は、フィードバックされて、本来のAZ軸回りの角速度指令(目標値)と比較され、その偏差が角速度補償器104に入力される。そして、そこで増幅(PID制御を行うなら、比例だけでなく、積分や微分の各制御を加味した演算がここで行われる)された信号は、トルカ101を駆動するドライバ105に入力される。
一方、トルク算定モデル107は、加速度検出部106の検出加速度から、AZ軸回りの外乱トルクを予測し、このAZ軸回りの外乱トルクを相殺するトルクを生じるようなAZ軸回りの駆動電流を出力する。
このトルク算定モデル107が出力する駆動電流の値は、具体的には、(A)Z軸方向の加速度が、EL軸方向のマスアンバランスに作用することで予測されるAZ軸回りの外乱トルクを相殺するための第1の駆動電流値と、(B)Y軸方向の加速度が、EL軸及びAZ軸の双方に直交する方向のマスアンバランスに作用することで予測されるAZ軸回りの外乱トルクを相殺するための第2の駆動電流値とを、外乱トルクの方向を加味して合算(加算或いは減算)した合計電流値である。このトルク算定モデル107から出力される駆動電流は、ドライバ105から出力される本来のAZ軸回りの駆動電流(目標値側の駆動電流)に重畳してトルカ101に供給される。
これにより、プラント102内のペイロード1には、AZ軸に関しては、トルカ101(トルカ8)によるAZ軸回りの駆動トルクと、ベースプレートで外乱を受け、実際のマスアンバランス108により現実に発生したAZ軸回りの外乱トルクとが作用する。しかし、この制御系では、現実に発生する外乱トルクを想定して、この外乱トルクの大きさを差し引いた値のAZ軸回りの駆動トルクがトルカ101(トルカ8)から発生するようになっており、プラント102内のペイロード1にはAZ軸回りの外乱トルクが作用することはない。
さらに、並進加速度がマスアンバランスと協働して発生するAZ軸回りの外乱トルクを相殺するためのトルクを、ベース部10に設けた加速度センサ20の出力信号に基づき発生させているので、外乱を速やかに検出して、外乱を相殺するための動作を遅延なくとることができ、外乱を確実に抑圧できる。
上記の通り、プラント102には、トルカ101による駆動トルクと、ベースプレートで外乱を受け、実際のマスアンバランス108により現実に発生した外乱トルクとが、EL軸及びAZ軸の双方について作用する。しかし、この制御系では、EL軸及びAZ軸の双方について、現実に発生する外乱トルクを想定して、この外乱トルクの大きさを差し引いた値の駆動トルクがトルカ101から発生するようになっており、プラント102内のペイロード1には、EL軸及びAZ軸の双方について、外乱トルクが作用することはない。
さらに、EL軸及びAZ軸の双方について、並進加速度がマスアンバランスと協働して発生する外乱トルクを相殺するためのトルクを、ベース部10に設けた加速度センサ20の出力信号に基づき発生させているので、外乱を速やかに検出して、外乱を相殺するための動作を遅延なくとることができ、外乱を確実に抑圧できる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、トルク算定モデル107を設け、加速度検出部106の検出加速度から、ジンバル軸回りの外乱トルクを予測し、このジンバル軸回りの外乱トルクを相殺するトルクを生じるようなジンバル軸回りの駆動電流を出力させ、このジンバル軸回りの駆動電流をドライバ105から出力される本来のジンバル軸回りの駆動電流に重畳してトルカ101に供給するように構成したが、トルク算定モデル107の代わりに、図3に示すような角速度算定モデル110を用いてもよい。
この角速度算定モデル110は、加速度検出部106の検出加速度から、ジンバル軸回りの外乱トルクを予測し、このジンバル軸回りの外乱トルクを相殺するトルクがトルカ101から出力されるようにドライバ105への入力信号を補正している。
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態例に限るものではない。例えば、本発明で用いるジンバル機構は上記形態例中に示したものに限られるものではない。
2軸ジンバル機構では、当初、視軸が2つの回転軸に互いに直交する向きに指向されていても、内側の回転軸(EL軸)回りに90°回転すると視軸が外側の回転軸(AZ軸)と一致し、AZ軸を回転させても像が回転するだけで視軸を左右に振ることができない状態、すなわちジンバル・ロックと呼ばれる状態に陥る。これを回避するために、EL軸および視軸と直交する第3の軸(クロスEL軸)を設けた3軸ジンバル機構が知られている。クロスEL軸はEL軸保持構造との関係で可動範囲が限定されているのが普通である。本発明中のジンバル機構にこの3軸ジンバル機構を用いることもできる。
3軸ジンバル機構を用いる場合には、第1の実施の形態例において、クロスEL軸のトルカ駆動電流指令をさらに重畳する制御経路を付加した制御系を形成する。加速度検出がX軸方向の場合、 EL軸方向マスアンバランスから算出される値をAZ軸回りに、AZ軸方向マスアンバランスから算出される値をクロスEL軸回りの指令値に重畳する。加速度検出がY軸方向の場合、視軸方向マスアンバランスから算出される値をAZ軸回りの指令値に重畳する。加速度検出がZ軸方向の場合、AZ軸方向マスアンバランスから算出される値をクロスEL軸回りに重畳する。EL軸(外部)のトルカへの重畳駆動電流指令はなくなる。
クロスEL軸は2軸ジンバル構造の中に収納されるので、空力外乱等、外的環境からの外乱を直接受けないという利点があり、外乱抑圧効果を高める効果もある。この効果を画面左右指向に対しても具備させる目的でクロスEL軸の内側にさらに内部AZ軸を設けて4軸ジンバルとするケースもある。本発明中のジンバル機構にこの4軸ジンバル機構を用いることもできる。
4軸ジンバル機構を用いる場合には、さらに内部AZ軸のトルカ駆動電流指令をさらに重畳する制御経路を付加した制御系を形成する。加速度検出がX軸方向の場合、EL軸方向マスアンバランスから算出される値を内部AZ軸回りに、AZ軸方向マスアンバランスから算出される値をクロスEL軸回りの指令値に重畳する。加速度検出がY軸方向の場合、視軸方向マスアンバランスから算出される値を内部AZ軸回りの指令値に重畳する。加速度検出がZ軸方向の場合、AZ軸方向マスアンバランスから算出される値をクロスEL軸回りに重畳する。AZ軸(外部)のトルカへの重畳駆動電流指令はなくなる。
4軸ジンバル機構までは視軸回りの回転に対して駆動軸がないが、さらに内側に視軸回転に対応するロール軸を設けて、像回転を補正したり、観測に有利な像回転を生じさせたりする5軸ジンバルとする場合もある。本発明中のジンバル機構にこの5軸ジンバル機構を用いることもできる。なお、3 〜 5軸ジンバル機構はAZ・EL(外部)で構成される粗動作ジンバルとそれより内側の精動作ジンバルとから構成されているので2重ジンバルとも呼ばれる。
5軸ジンバル機構までは、回転外乱に対して補正軸を有しているが、前後・左右・上下に印加される並進振動成分の外乱に対しては、これを緩和する構造をもたない。並進振動の外乱はそれ自体が視軸の回転を発生させることはないが、指向制御対象となるペイロードの重心を完全に総ての回転軸上に調整することは至難の技であり、どうしても重心位置の各回転軸からのズレ(マスアンバランス)が残る。上記の通り、並進振動加速度が回転軸からズレた重心に作用すると、回転軸回りの回転トルクに転化される。この影響を減ずるためにはペイロードに侵入する並進振動成分も抑圧する必要があり、AZ・EL(外部)ジンバルとそれより内側のジンバルの間に防振機構を介在させた防振機構内蔵型2重ジンバルが考案され、最も高い分解能が要求されるアプリケーションに適用されている。本発明中のジンバル機構にこの防振機構内蔵型2重ジンバル機構を用いることもできる。
図4はこのような実施の形態例の概念的構成を示す図である(図1と対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する)。この実施の形態例では、外ジンバル3に防振機構31(3個のバネを図示した)を介して内ジンバル32を支持させ、且つ、内ジンバル32をシャフト4によりEL軸を中心に回動できるように構成されている。
さらに、この内ジンバル32に対して、ペイロード1の上下指向を可能にする水平方向の内部ジンバル軸(回転中心軸)すなわち内部EL軸を構成するように、ペイロード1の左右方向に延びたシャフト34が配置されている。シャフト34にはペイロード1が取り付けられており、シャフト34上に配置されたトルクモータ等でなるトルカ35により、シャフト34を回転駆動することで、ペイロード1の視軸の向きを上下方向に傾斜できるようになっている。
また、ペイロード1の左右指向を可能にする垂直方向の内部ジンバル軸(回転中心軸)すなわち内部AZ軸を構成するように、ペイロード1の垂直方向に延びたシャフト36が配置されている。シャフト36にはペイロード1が取り付けられており、シャフト36上に配置されたトルクモータ等でなるトルカ37により、シャフト36を回転駆動することで、ペイロード1の視軸の向きを左右方向に移動できるようになっている。
加えて、ペイロード1のもう一つの内部ジンバル軸(回転中心軸:内部EL軸及び内部AZ軸に直交する)すなわちロール軸を構成するように、ペイロード1の前後方向に延びたシャフト41が配置されている。シャフト41にはペイロード1が取り付けられており、シャフト41上に配置されたトルクモータ等でなるトルカ42により、シャフト41を回転駆動できるようになっている。
5軸ジンバル機構を用いる場合においては、さらにロール軸のトルカ駆動電流指令を重畳する制御経路を付加した制御系を形成する。加えて、加速度検出がY軸方向の場合、AZ軸方向マスアンバランスから算出される値をロール軸回りの指令値に重畳する。加速度検出がZ軸方向の場合、EL軸方向マスアンバランスから算出される値をロール軸回りに重畳する。
2軸以上(3軸、4軸、5軸)のジンバル機構についても、外乱加速度を座標変換して、重心における各軸回りの正接成分を算出して重心を乗じた外乱トルクを相殺するように各軸に電流指令補正値を加算することにより、各軸回りに作用する外乱トルクを相殺するトルクを発生させ、外乱の影響を抑圧することができる。
また、上記防振機構を図4や図5のように内蔵せず、図6に示すように、装置のプラットフォームへの装着部(ベースプレート)とプラットフォームとの間に配する場合もある。これは防振機構が振り子の支点のようになってしまい新たな回転外乱を生ずるので高性能を要求されるものには使われない。2 〜 3軸ジンバルの実装に際して付加されるケースが多い。本発明中のジンバル機構にこの防振機構外装型ジンバル機構を用いることができる。
防振機構外装型ジンバル機構を用いる場合において、上記の通り、防振機構よりジンバル側にあるベースプレートに3軸加速度センサを装着し、その検出信号を利用して各トルカ駆動電流指令を重畳する制御経路を付加した制御系を形成する。
一方、防振機構内蔵型2重ジンバル機構を用いる場合においては、ベース部やベースプレートに3軸加速度センサを設け、その検出信号を用いてクロスEL軸、内部AZ軸およびロール軸の各トルカへの駆動電流指令を重畳する制御経路を付加した制御系を形成する。
防振機構が外装されている場合についても、検出する外乱加速度は防振機構の内側に作用しているものなので、防振機構を持たないジンバルに対するものと同様の効果がある。
防振機構が内蔵されている場合は、ペイロードに印加される外乱加速度は、加速度センサが検出したものより防振機構において減衰されたものになる。この場合、装置の振動伝達特性を取得しておき、外乱加速度を座標変換して重心において各軸回りに作用する外乱トルクを算出した後、周波数伝達特性に対応させたフィルタを通過させて相殺トルク算出に用いることによって所望の効果を得ることができる。なお、上記図4に示した形態例は、この防振機構内蔵型5軸ジンバル機構を用いた形態例である。
何れのジンバル機構を用いたペイロード制御装置においても、上記の処置により外乱加速度がマスアンバランスと協働して発生させる外乱トルクが効果的に抑圧されるので、マスアンバランス自体の許容量が増す。これによりペイロードのバランス調整仕様を緩和でき、調整工数を大幅に低減することができる。
本発明の第1の実施の形態例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態例における制御ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態例における制御ブロック図である。 本発明の他の実施の形態例を示す図である。 防振機構内蔵型ジンバル機構を示す図である。 防振機構外装型ジンバル機構を示す図である。
符号の説明
1 : ペイロード
2 : ジンバル機構
3 : 外ジンバル
4 : シャフト
5,8 : トルカ
6 : シャフト
7 : ベースプレート
10 : ベース部
20 : 加速度センサ
30 : ジャイロセンサ
101 : トルカ
102 : プラント
103 : ペイロード角速度検出部
104 : 角速度補償器
105 : ドライバ
106 : 加速度検出部
107 : トルク算定モデル
108 : マスアンバランス
110 : 角速度算定モデル

Claims (2)

  1. 制御対象であるペイロードが内側に配置されるジンバル機構と、該ジンバル機構の各ジンバル軸に配置され各ジンバル軸を中心とする駆動トルクを前記ペイロード側に出力するトルカと、前記ペイロードに設けられ前記ペイロードの角速度を検出するジャイロセンサと、該ジャイロセンサの出力信号を受け、前記ペイロードが目標の角速度となるように前記各トルカを駆動制御する制御手段とを備えたペイロード制御装置であって、
    前記ジンバル機構を支えるベース部若しくは該ベース部と一体となって移動する部材には、前記ベース部に加わる外乱である並進加速度を検出する加速度センサが設けられ、
    前記制御手段は、前記ペイロードの重心位置とジンバル軸とのずれに起因して外乱存在時に前記ペイロードに作用する外乱トルクを相殺するために、前記加速度センサの出力信号に基づいて、前記各トルカを制御し、前記外乱トルクを相殺する補正が加えられた駆動トルクを前記各トルカに出力させるように構成されていることを特徴とするペイロード制御装置。
  2. 前記加速度センサは3軸加速度センサであり、前記制御手段は、該加速度センサが検出した3軸方向の加速度から、各ジンバル軸回りの前記外乱トルクを予測し、各ジンバル軸回りの外乱トルクを相殺するトルクを生じるような各ジンバル軸回りの駆動電流を本来の各ジンバル軸回りの駆動電流に重畳して前記各トルカに供給することで、各ジンバル軸における外乱トルクを相殺する補正が加えられた各駆動トルクを前記各トルカから出力させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のペイロード制御装置。
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