以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、本第1実施形態に係る記憶装置10の構成を説明する。
同図に示されるように、記憶装置10は、記憶装置10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)12と、CPU12による各種処理の実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)14と、CPU12により実行されるプログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)16と、を含んで構成されている。RAM14、ROM16は、各々CPU12に接続されている。
また、記憶装置10は、情報の記憶媒体としてのメモリ18と、外部インタフェース(I/F)20と、を更に含んで構成されており、メモリ18及び外部I/F20は、各々CPU12と接続されている。記憶装置10は、外部I/F20を介してパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)やプリンタ等の外部装置40(同図では図示省略、図2参照)と接続され、外部装置40によってメモリ18への情報の書き込み及び読出し等が実行される。
ここで、記憶装置10は、自己の現在位置に応じてメモリ18に記憶された情報を管理する。そこで、記憶装置10は、自己の現在位置を検知するために、GPS(Global positioning System)衛星から発信される電波を受信する受信機22と、位置検知回路24と、を含んで構成されており、受信機22は位置検知回路24に、位置検知回路24はCPU12に、それぞれ接続されている。
受信機22では、複数のGPS衛星から発信される電波を受信して位置検知回路24に出力する。位置検知回路24では、受信機22により受信した複数の電波に基づいて自己の現在位置を検知して位置情報を生成してCPU12に出力する。これにより、CPU12では、位置検知回路24により生成された位置情報に基づいてメモリ18に記憶された情報を管理する。
また、外部装置を特定し、その外部装置のID情報等から位置情報取得するようにしてもよい。
また、記憶装置10では、外部装置との接続が切りはなされた状態で情報を管理可能にすべく、電源として電池30を用い、電池30による記憶装置10の各部位への駆動電力の供給を制御する電源制御回路28を含んで構成されている。電源制御回路28は、CPU12に接続されている。
更に、記憶装置10には、発信機26が備えられており、発信機26はCPU12に接続されている。発信機26は、情報を予め設定された形式で電波に変換し、変換した電波を無線通信により外部へ発信する。当該発信機26を介した電波の発信は、CPU12により制御される。
図2には、本実施の形態に係る記憶装置10のCPU12による自己の現在位置に応じた情報の管理処理に関する機能ブロック図が示されている。同図に示されるように、記憶装置10は、外部装置40によるメモリ18へのアクセスを管理する情報管理部54、メモリ18に格納される情報の重要度を設定する重要度設定部52、及び、上記受信機22及び位置検知回路24により自己の現在位置を検知する位置検知部56を備えている。重要度設定部52及び位置検知部56はそれぞれ情報管理部54に接続されており、情報管理部54によって動作が制御される。
位置検知部56では、情報管理部54から出力される位置検知指示に応じて、受信機22を介した複数のGPS衛星からの電波の受信及び位置検知回路24による電波の解析を行なって自己の現在位置の検知を実行する。また、位置検知部56では、検知した自己の現在位置を示す検知位置情報を情報管理部54に出力する。
情報管理部54には、メモリ18と、メモリ18に格納された情報を管理するためのパラメータとして予め設定される条件情報を記憶する条件情報格納部62と、重要度設定部52により設定された重要度を示す情報を記憶するための重要度情報格納部64と、位置検知部56により検出された位置情報を記憶する検知位置情報格納部68と、が接続されている。
情報管理部54では、外部装置40から送信されたメモリ18に対するアクセス要求を受信した場合に、位置検知部56に位置検知指示を出力する。また、情報管理部54では、位置検知指示に応じて位置検知部56から出力される検知位置情報を用いて、メモリ18に格納した情報へのアクセス可否を管理する。
ここで、情報管理部54では、アクセス要求として、新たな情報の書込みが要求された場合は、要求の対象となる情報の外部装置40からの取得、及び、メモリ18への格納が実行される。この場合、情報管理部54では、位置検知指示に応じて位置検知部56から出力される検知位置情報と、メモリ18に格納した情報の識別情報と、の重要度設定部52への出力が実行される。
重要度設定部52では、情報管理部54から出力された検知位置情報と、条件情報格納部62に記憶された条件情報と、に基づく重要度の設定、及び、設定された重要度を示す重要度情報の重要度情報格納部64への記憶が実行される。
情報管理部54では、位置検知指示に応じて位置検知部56から出力される検知位置情報と、条件情報格納部62に格納された条件情報と、重要度情報格納部64に格納された重要度情報と、に基づいて、要求されたアクセスの可否が決定される。
更に、情報管理部54では、上記外部装置40からのアクセス要求に応じた情報管理に加え、メモリ18への情報の書込みタイミングからの経過時間に基づく情報管理も、重要度に応じて実行される。
記憶装置10は、メモリ18に記憶されるデータを管理するための条件情報を設定する条件情報設定部50を含んで構成されている。条件情報設定部50は、条件情報格納部62に接続されており、外部装置40から送信される条件情報設定データに基づく記憶装置10における情報管理に関する条件情報の設定、及び、設定した条件情報の条件情報格納部62への記録が実行される。この条件情報設定部50による条件情報の設定は、予め設定されてROM16に記憶された条件情報の初期値(デフォルト)を条件情報設定データに基づいて変更することにより実行される。
なお、記憶装置10における情報管理に関する条件情報としては、メモリ18に格納される情報の重要度の設定条件、重要度に応じたメモリ18へのアクセス許可条件、メモリ18への書込みタイミングからの経過時間に基づく情報管理に関する条件等があげられる。また、これらの各条件情報には、情報格納時に記録装置10の位置検知回路24による検知位置に関する条件が含まれる。
次に、本実施の形態に係る記憶装置10の作用を説明する。
記憶装置10は、外部装置40と接続された状態では、外部装置40から送信された情報に基づく動作を行なう。外部装置40から送信される情報には、条件情報設定データ、メモリ18へのアクセス要求が含まれる。記録装置10は、条件情報設定データを受信した場合は、条件情報設定データに基づく条件情報の設定を実行する。また、記憶装置10は、メモリ18へのアクセス要求を受信した場合は、メモリ18へのデータの有無、及び、現在位置に基づいて、アクセスを制限するアクセス要求受信処理を実行する。
図3は、記憶装置10においてメモリ18へのアクセス要求を受信した場合に、主としてCPU12により実行されるアクセス要求受信処理の流れを示すフローチャートである。以下、同図を参照して、本実施の形態に係るアクセス要求受信処理について説明する。
まず、ステップ100では、メモリ18にデータが格納されているか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は、ステップ102に移行して、アクセスを許可し、その後に本アクセス要求受信処理を終了する。なお、ステップ102でアクセスを許可した場合には、アクセス要求受信処理の終了後、外部装置40によるメモリ18へのアクセスが実行される。
一方、ステップ100で肯定判定となった場合は、ステップ104に移行して、受信機22及び位置検知回路24を用いた現在位置の特定を行ない、その後にステップ106に移行して、特定された記憶装置10の現在位置が指定領域内であるか否かを判定する。ステップ106で肯定判定となった場合は上述したステップ102に移行する。
ステップ106で否定判定となった場合はステップ108に移行して、外部装置40によるアクセスを拒否し、その後にステップ110に移行して、ステップ104で検知した位置情報をアクセス位置情報として発信し、その後に本アクセス要求受信処理を終了する。
記憶装置10は、メモリ18に新規にデータが格納された場合、メモリ18に格納されたデータが不正に読み出されて情報が流出することを防止すべく、データ管理処理が開始される。
図4には、メモリ18にデータが格納された場合の記憶装置10におけるデータ管理処理の流れがフローチャートとして示されている。以下、同図を参照して本実施の形態に係るデータ管理処理について説明する。
まず、ステップ120では、格納期間T1の計時を開始し、その後にステップ122に移行して、受信機22及び位置検知回路24を用いた現在位置の特定を行なう。次のステップ124では、特定された記憶装置10の現在位置が指定領域内であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ126に移行して、データの重要度を「高」に設定し、その後にステップ130に移行する。一方、ステップ124で否定判定となった場合はステップ128に移行して、データの重要度を「低」に設定し、その後にステップ130に移行する。
ステップ130では、検知処理の実行間隔T2の計時を開始し、その後にステップ132に移行して、外部装置40からアクセス要求を受信したか否かを判定する。当該判定が否定判定となった場合は、ステップ137に移行して、実行間隔T2の計時時間が所定期間以上か否かを判定し、当該ステップ137が否定判定となった場合は再びステップ132に戻る。その後、ステップ137が肯定判定となった場合はステップ138に移行する。
ここで、ステップ132で肯定判定となった場合はステップ134に移行して上述したアクセス要求受信処理(図3参照)を実行し、その後にステップ135に移行する。ステップ135では、アクセス要求受信処理によってアクセスが許可されたか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は上述したステップ137に移行する。一方、ステップ135で肯定判定となった場合はステップ136に移行する。ステップ136では、許可されたアクセスが書込み又は変更であるか否かを判定し、読出しであれば当該判定が否定判定となってステップ137に移行する。また、ステップ136で肯定判定となった場合は、新たに格納期間T1の計時を開始してデータの管理を実行すべく、本データ管理処理を終了する。
すなわち、ステップ136で肯定判定となった場合、外部装置40によって、データの書換え、又は変更が行なわれる。したがって、新たにデータ管理処理の実行が開始されるので、実行中のデータ管理処理を終了する。一方、アクセス要求を受信しなかった場合、アクセス要求は受信したもののアクセス要求受信処理においてアクセスが拒否された場合、及び、受信したアクセス要求に基づくアクセス要求受信処理によって許可されたアクセスがデータの読出しを実行する場合には、引き続き本データ管理処理の管理対象はメモリ18に存在するので、本データ管理処理を継続する。
その後、実行間隔T2が所定時間以上となるとステップ137が肯定判定となり、ステップ138に移行する。ステップ138では、後述する位置検知処理が実行され、その後にステップ140に移行して、管理対象のデータがメモリ18に存在するか否かを判定する。当該判定が肯定判定となった場合は、再びステップ130に戻る。上記位置検知処理によってメモリ18から管理対象のデータが消去されている場合にはステップ140で否定判定となり、そのまま本データ管理処理を終了する。
位置検知処理では、自己の現在位置と格納期間T1に基づいて、データの消去やメモリの追跡に関する処理を実行する。
図5は、上記データ管理処理(図4参照)において、所定時間以上の実行間隔T2で繰り返し実行される位置検知処理(図4、ステップ138参照)の流れを示すフローチャートである。以下、同図を参照して、本実施の形態に係るデータ管理処理について説明する。
まず、ステップ150では、上記データ管理処理による管理対象であるデータの重要度が「高」であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ154に移行する。一方、ステップ150で否定判定となった場合はステップ152に移行して、格納期間T1が予め条件情報として設定された開始時間以上か否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は、位置検知を実行することなくそのまま本位置検知処理を終了する。また、ステップ152で肯定判定となった場合は、位置検知を実行すべくステップ154に移行する。
すなわち、重要度が「高」の場合は、格納期間T1に係わらず所定時間以上の実行間隔T2で位置検知を実行し、重要度が「低」の場合は、格納期間T1が開始時間未満の場合は位置検知を実行せず、格納期間T1が開始時間以上となった場合に位置検知を行なう。
ステップ154では、受信機22及び位置検知回路24を用いた現在位置の特定を行なう。次のステップ156では、特定された記憶装置10の現在位置が指定領域内であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合は記憶装置10が外部に持ち出されていないと判断して、そのまま本位置検知処理を終了する。
一方、ステップ156で否定判定となった場合はステップ158に移行して、位置検知により特定した現在位置情報をあらかじめ条件情報として設定された送信先に送信し、その後にステップ160に移行する。ステップ160では、格納期間T1が、予め条件情報として設定された消去時間以上か否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ162に移行して、データ管理処理における管理対象であるデータをメモリ18から消去する。また、ステップ160で否定判定となった場合は、この時点ではステップ162の処理を実行することなく、本位置検知処理を終了する。
すなわち、現在位置が指定領域外である場合には、予め設定された送信先に現在位置情報を送信し、更に格納期間T1が予め設定された消去時間を経過している場合は、データをメモリ18から消去することで、データの漏洩を未然に防止する。
例えば、記憶装置10を領域Aから領域Bに持ち運んで利用する場合、領域Aと領域Bとを予め指定領域として設定しておき、消去時間を領域Aから領域Bまでの移動時間を考慮して設定することで、領域Aから領域Bに到達するまでの記憶装置10の移動経路を特定することができる。また、領域Aから領域Bに至る途中で記憶装置10を落としてしまった場合や、第三者の手に渡ってしまった場合、格納時間T1が消去時間以上となった時点で指定領域内に存在しなければ、データを消去するので、データの漏洩を防止できる。
なお、本実施形態では、複数のGPS衛星から発信される電波を受信して位置を検知する形態について説明したが、位置検知の手法はこれに限定されるものではない。メモリの現在位置を検知できれば、ビーコンから発信される電波を受信して現在位置を特定する手法のほか、地磁気を検出して現在位置を特定する手法など、種々の手法が適用できる。また、これらの手法を組み合わせて用いてもよい。
(変形例1−1)
上記第1実施形態において、例えば、電波を用いて位置検知を行なう場合は、地下鉄を利用する場合や建物内に存在する場合に、位置検知が不可能な状況になることが想定される。同様に、他の検知方法を用いた場合でも、位置検知が不可能な状況になることが想定される。そこで、本変形例1−1では、位置検知が不可能となった場合、格納時間が消去時間以上であればデータを消去する形態について説明する。
なお、本変形例1−1に係る記憶装置の構成は、上記第1実施形態において説明した記憶装置10の構成(図1及び図2参照)と同様であるので、以下では同一の符号を付して、その説明を省略する。また、アクセス要求受信処理及びデータ管理処理の流れは、上記実施の形態(図3及び図4参照)と同様であり、位置検知処理の流れのみが一部異なるので、以下では、位置検知処理の流れについて説明する。
図6は、変形例1−1に係る位置検知処理の流れを示すフローチャートである。以下、同図を参照して、変形例1−1に係る位置検知処理について説明する。
まず、ステップ250では、上記データ管理処理による管理対象であるデータの重要度が「高」であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ254に移行する。一方、ステップ250で否定判定となった場合はステップ252に移行して、格納期間T1が予め条件情報として設定された開始時間以上か否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は、位置検知を実行することなくそのまま本位置検知処理を終了する。また、ステップ252で肯定判定となった場合は、ステップ253に移行して、位置検知が可能か否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合は位置検知を実行すべくステップ254に移行する。一方、ステップ253で否定判定となった場合は、後述するステップ260に移行する。
すなわち、重要度が「高」の場合は、格納期間T1に係わらず所定時間以上の実行間隔T2で位置検知を実行し、重要度が「低」の場合は、格納期間T1が開始時間未満の場合は位置検知を実行せず、格納期間T1が開始時間以上となった場合に位置検知を行なう。
ステップ254では、受信機22及び位置検知回路24を用いた現在位置の特定を行なう。次のステップ256では、特定された記憶装置10の現在位置が指定領域内であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合は記憶装置10が外部に持ち出されていないと判断して、そのまま本位置検知処理を終了する。
一方、ステップ256で否定判定となった場合はステップ258に移行して、位置検知により特定した現在位置情報をあらかじめ条件情報として設定された送信先に送信し、その後にステップ260に移行する。
ステップ260では、格納期間T1が、予め条件情報として設定された消去時間以上か否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ262に移行して、データ管理処理における管理対象であるデータをメモリ18から消去する。また、ステップ260で否定判定となった場合は、この時点ではステップ262の処理を実行することなく、本位置検知処理を終了する。
すなわち、位置検知が不可能となった場合には、現在位置が指定領域外であった場合と同様、格納時間が消去時間以上であればデータを消去する。
(変形例1−2)
上記第1実施形態において、例えば、ユーザが記憶装置10を落としたり忘れたりすることが想定される。そこで、本変形例1−2では、記憶装置10が落とされたり忘れ去られたりした場合に、データを消去する形態について説明する。
なお、本変形例1−2に係る記憶装置の構成は、上記第1実施形態において説明した記憶装置10の構成(図1及び図2参照)と同様であるので、以下では同一の符号を付して、その説明を省略する。また、アクセス要求受信処理及びデータ管理処理の流れは、上記実施の形態(図3及び図4参照)と同様であり、位置検知処理の流れのみが一部異なるので、以下では、位置検知処理の流れについて説明する。
図7は、変形例1−2に係る位置検知処理の流れを示すフローチャートである。以下、同図を参照して、変形例1−2に係る位置検知処理について説明する。
まず、ステップ350では、上記データ管理処理による管理対象であるデータの重要度が「高」であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ354に移行する。一方、ステップ350で否定判定となった場合はステップ352に移行して、格納期間T1が予め条件情報として設定された開始時間以上か否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は、位置検知を実行することなくそのまま本位置検知処理を終了する。また、ステップ352で肯定判定となった場合は、位置検知を実行すべくステップ354に移行する。
すなわち、重要度が「高」の場合は、格納期間T1に係わらず所定時間以上の実行間隔T2で位置検知を実行し、重要度が「低」の場合は、格納期間T1が開始時間未満の場合は位置検知を実行せず、格納期間T1が開始時間以上となった場合に位置検知を行なう。
ステップ354では、受信機22及び位置検知回路24を用いた現在位置の特定を行なう。次のステップ356では、特定された記憶装置10の現在位置が指定領域内であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合は記憶装置10が外部に持ち出されていないと判断して、そのまま本位置検知処理を終了する。
一方、ステップ356で否定判定となった場合はステップ357に移行して、位置検知により特定した現在位置情報を時間情報と共にRAM14等に記憶し、その後にステップ358に移行する。ステップ358では、記憶した現在位置情報を予め条件情報として設定された送信先に送信し、その後にステップ359に移行する。ステップ359では、所定時間以上現在位置情報に変化がない状態が継続しているか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ362に移行する。ステップ362では、データ管理処理における管理対象であるデータをメモリ18から消去する。
なお、ステップ357で記憶する時間情報としては、格納時間T1を適用してもよいし、GPS方式で位置検知を行なっている場合は時刻情報を適用してもよい。
一方、ステップ359で否定判定となった場合はステップ360に移行する。ステップ360では、格納期間T1が、予め条件情報として設定された消去時間以上か否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ362に移行して、データ管理処理における管理対象であるデータをメモリ18から消去する。また、ステップ360で否定判定となった場合は、この時点ではステップ362の処理を実行することなく、本位置検知処理を終了する。
すなわち、現在位置が指定領域外である場合には、現在位置情報をRAM14等に記憶すると共に、予め設定された送信先に現在位置情報を送信し、更に、位置検知結果が変化しない状態が所定時間以上継続した場合、又は、格納期間T1が予め設定された消去時間を経過している場合は、データをメモリ18から消去することで、データの漏洩を未然に防止する。
(変形例1−3)
上記第1実施形態では、データの重要度に応じて、所定時間毎の位置検知処理の実行開始タイミングを異ならせる形態について説明したが、本変形例1−3では、データの重要度に応じて、位置検知処理を実行する時間間隔を異ならせる形態について説明する。
なお、本変形例1−3に係る記憶装置の構成は、上記第1実施形態において説明した記憶装置10の構成(図1及び図2参照)と同様であるので、以下では同一の符号を付して、その説明を省略する。また、アクセス要求受信処理の流れは、上記実施の形態(図3参照)と同様であり、位置検知処理の流れのみが一部異なるので、以下では、データ管理処理の流れ及び位置検知処理の流れについて説明する。
図8は、変形例1−3に係るデータ管理処理の流れを示すフローチャートである。以下、同図を参照して、変形例1−3に係るデータ管理処理について説明する。
まず、ステップ420では、格納期間T1の計時を開始し、その後にステップ422に移行して、受信機22及び位置検知回路24を用いた現在位置の特定を行なう。次のステップ424では、特定された記憶装置10の現在位置が指定領域内であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ426に移行して、データの重要度を「高」に設定し、その後にステップ427に移行する。ステップ427では、重要度「高」用の所定時間を選択して設定し、その後にステップ430に移行する。一方、ステップ424で否定判定となった場合はステップ428に移行して、データの重要度を「低」に設定し、その後にステップ429に移行する。ステップ429では、重要度「低」用の所定時間を選択して設定し、その後にステップ430に移行する。
なお、本変形例1−3では、重要度が高い場合の所定時間よりも、重要度が低い方の所定時間が長くなるように予め設定されており、重要度が低いデータについては、重要度が高いデータよりも検知位置に基づくデータの管理頻度を低くしている。
ステップ430では、検知処理の実行間隔T2の計時を開始し、その後にステップ432に移行して、外部装置40からアクセス要求を受信したか否かを判定する。当該判定が否定判定となった場合は、ステップ437に移行して、実行間隔T2の計時時間が所定期間以上か否かを判定し、当該ステップ437が否定判定となった場合は再びステップ432に戻る。その後、ステップ437が肯定判定となった場合はステップ438に移行する。
ここで、ステップ432で肯定判定となった場合はステップ434に移行して上述したアクセス要求受信処理(図3参照)を実行し、その後にステップ435に移行する。ステップ435では、アクセス要求受信処理によってアクセスが許可されたか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は上述したステップ437に移行する。一方、ステップ435で肯定判定となった場合はステップ436に移行する。ステップ436では、許可されたアクセスが書込み又は変更であるか否かを判定し、読出しであれば当該判定が否定判定となってステップ437に移行する。また、ステップ436で肯定判定となった場合は、新たに格納期間T1の計時を開始してデータの管理を実行すべく、本データ管理処理を終了する。
すなわち、ステップ436で肯定判定となった場合、外部装置40によって、データの書換え、又は変更が行なわれる。したがって、新たにデータ管理処理の実行が開始されるので、実行中のデータ管理処理を終了する。一方、アクセス要求を受信しなかった場合、アクセス要求は受信されたもののアクセス要求受信処理においてアクセスが拒否された場合、及び、受信したアクセス要求に基づくアクセス要求受信処理によって許可されたアクセスがデータの読出しを実行する場合には、引き続き本データ管理処理の管理対象はメモリ18に存在するので、本データ管理処理を継続する。
その後、実行間隔T2が所定時間以上となるとステップ437が肯定判定となり、ステップ438に移行する。ステップ438では、後述する位置検知処理が実行され、その後にステップ440に移行して、管理対象のデータがメモリ18に存在するか否かを判定する。当該判定が肯定判定となった場合は、再びステップ430に戻る。上記位置検知処理によってメモリ18から管理対象のデータが消去されている場合にはステップ440で否定判定となり、そのまま本データ管理処理を終了する。
図9は、変形例1−3に係る位置検知処理の流れを示すフローチャートである。以下、同図を参照して、変形例1−3に係る位置検知処理について説明する。
まず、ステップ454では、受信機22及び位置検知回路24を用いた現在位置の特定を行なう。次のステップ456では、特定された記憶装置10の現在位置が指定領域内であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合は記憶装置10が外部に持ち出されていないと判断して、そのまま本位置検知処理を終了する。
すなわち、本変形例1−3では、位置検知及び検知位置に基づくデータの管理の実行開始タイミングは重要度にかかわらず同じタイミングとしており、データの管理の実行間隔だけを異ならせている。
一方、ステップ456で否定判定となった場合はステップ458に移行して、位置検知により特定した現在位置情報をあらかじめ条件情報として設定された送信先に送信し、その後にステップ460に移行する。ステップ460では、格納期間T1が、予め条件情報として設定された消去時間以上か否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ462に移行して、データ管理処理における管理対象であるデータをメモリ18から消去する。また、ステップ460で否定判定となった場合は、この時点ではステップ462の処理を実行することなく、本位置検知処理を終了する。
すなわち、現在位置が指定領域外である場合には、予め設定された送信先に現在位置情報を送信し、更に格納期間T1が予め設定された消去時間を経過している場合は、データをメモリ18から消去することで、データの漏洩を未然に防止する。
なお、本変形例1−3では、位置検知及び検知位置に基づくデータの管理の実行開始タイミングは重要度にかかわらず同じタイミングとし、データの管理の実行間隔だけを異ならせる形態について説明したが、実行開始タイミングを異ならせ、更に実行間隔を異ならせるようにしてもよい。
また、上記変形例1−1〜1−3は、適宜組み合わせて適用してもよい。例えば、全て組み合わせる場合の処理は、位置検知が不可能であって格納時間T1が消去時間以上である場合、及び、位置検知処理により特定された現在位置が変化しない状態が所定時間以上継続した場合、にデータを消去すると共に、データの重要度に応じて位置検知処理の実行間隔を異ならせるようになる。
なお、上記第1実施形態及び各変形例では、重要度を2段階に設定する形態について説明したが、重要度を3段階以上に設定する形態にしてもよい。
また、上記第1実施形態では、記憶装置10の電源として、電池30を用いる形態について説明したが、電池30として充電及び放電を繰り返して使用可能な二次電池を適用してもよい(図10参照)。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、記憶装置に記憶されるデータの重要度に応じてデータの管理を実行する形態について説明したが、本第2実施形態では、記憶装置に駆動電力を供給する電源の状態に応じてデータの管理を実行する形態について説明する。
まず、図10を参照して、本第2実施形態に係る記憶装置500の構成を説明する。
同図に示されるように、記憶装置500は、記憶装置500全体の動作を司るCPU(中央処理装置)512と、CPU512による各種処理の実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)514と、CPU512により実行されるプログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)516と、を含んで構成されている。RAM514、ROM516は、各々CPU512に接続されている。
また、記憶装置500は、情報の記憶媒体としてのメモリ518と、外部インタフェース(I/F)520と、を更に含んで構成されており、メモリ518及び外部I/F520は、各々CPU512と接続されている。記憶装置500は、外部I/F520を介してパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)やプリンタ等の外部装置540(同図では図示省略、図2参照)と接続され、外部装置540によってメモリ518への情報の書き込み及び読出し等が実行される。
なお、本第2実施形態では、メモリ518として、電力の供給を停止しても記録内容が失われない、不揮発性のメモリを適用する。
ここで、記憶装置500は、自己の現在位置に応じてメモリ518に記憶された情報を管理する。そこで、記憶装置500は、自己の現在位置を検知するために、GPS(Global positioning System)衛星から発信される電波を受信する受信機522と、位置検知回路524と、を含んで構成されており、受信機522は位置検知回路524に、位置検知回路524はCPU512に、それぞれ接続されている。
受信機522では、複数のGPS衛星から発信される電波を受信して位置検知回路524に出力する。位置検知回路524では、受信機522により受信した複数の電波に基づいて自己の現在位置を検知して位置情報を生成してCPU512に出力する。これにより、CPU512では、位置検知回路524により生成された位置情報に基づいてメモリ518に記憶された情報を管理する。
また、記憶装置500では、外部装置との接続が切りはなされた状態で情報を管理可能にすべく、電源として二次電池530を用い、二次電池530による記憶装置500の各部位への駆動電力の供給を制御する電源制御回路528を含んで構成されている。電源制御回路528は、CPU512に接続されている。電源制御回路528は、充電制御回路532を更に含んで構成されており、充電制御回路532は、外部装置から供給される電力の二次電池530への充電を制御する。
更に、記憶装置500には、発信機526が備えられており、発信機526はCPU512に接続されている。発信機526は、情報を予め設定された形式で電波に変換し、変換した電波を無線通信により外部へ発信する。当該発信機526を介した電波の発信は、CPU512により制御される。
図11には、本第2実施形態に係る記憶装置500のCPU512による自己の現在位置に応じた情報の管理処理に関する機能ブロック図が示されている。同図に示されるように、記憶装置500は、外部装置540によるメモリ518へのアクセスを管理する情報管理部554、メモリ518に格納される情報の重要度を設定する重要度設定部552、及び、上記受信機522及び位置検知回路524により自己の現在位置を検知する位置検知部556を備えている。重要度設定部552及び位置検知部556はそれぞれ情報管理部554に接続されており、情報管理部554によって動作が制御される。
位置検知部556では、情報管理部554から出力される位置検知指示に応じて、受信機522を介した複数のGPS衛星からの電波の受信及び位置検知回路524による電波の解析を行なって自己の現在位置の検知を実行する。また、位置検知部556では、検知した自己の現在位置を示す検知位置情報を情報管理部554に出力する。
さらに、記憶装置500は、二次電池530の電池残量を検知する電池残量検知部570を含んで構成されている。電池残量検知部570は、情報管理部554に接続されており、二次電池530から各部位に供給される駆動電力の電圧レベルに基づいて、電池残量を検知し、検知結果を情報管理部554に出力する。
ここで、図12には、一般的な電池の放電時間と供給電力の電圧レベルの関係が一例として示されている。同図に示されるように、電池による供給電力の電圧レベルは、電池残量が少なくなると徐々に低下していくが、その後急激に低下する傾向にある。電池残量の急激な低下は、電池残量が少ないことを意味している。したがって、電池残量が急激に低下するポイントを事前に検出することで、電池残量が少なくなっていることを検知できる。
本第2実施形態では、電池残量検知部570は、供給電力の電圧レベル(以下では、「電池電圧」ともいう)を検出し、電圧が急激に低下し始める電圧レベルV1と比較することにより電池残量を検知している。すなわち、検出した電圧レベルが電圧レベルV1以下となった場合に、電池残量が少ないと検知する。
また、図11に示されるように、情報管理部554には、メモリ518と、メモリ518に格納された情報を管理するためのパラメータとして予め設定される条件情報を記憶する条件情報格納部562と、重要度設定部552により設定された重要度を示す情報を記憶するための重要度情報格納部564と、位置検知部556により検出された位置情報を記憶する検知位置情報格納部568と、が接続されている。
情報管理部554では、外部装置540から送信されたメモリ518に対するアクセス要求を受信した場合に、位置検知部556に位置検知指示を出力する。また、情報管理部554では、位置検知指示に応じて位置検知部556から出力される検知位置情報を用いて、メモリ518に格納した情報へのアクセス可否を管理する。
ここで、情報管理部554では、アクセス要求として、新たな情報の書込みが要求された場合は、要求の対象となる情報の外部装置540からの取得、及び、メモリ518への格納が実行される。この場合、情報管理部554では、位置検知指示に応じて位置検知部556から出力される検知位置情報と、メモリ518に格納した情報の識別情報と、の重要度設定部552への出力が実行される。
重要度設定部552では、情報管理部554から出力された検知位置情報と、条件情報格納部562に記憶された条件情報と、に基づく重要度の設定、及び、設定された重要度を示す重要度情報の重要度情報格納部564への記憶が実行される。
情報管理部554では、位置検知指示に応じて位置検知部556から出力される検知位置情報と、条件情報格納部562に格納された条件情報と、重要度情報格納部564に格納された重要度情報と、に基づいて、要求されたアクセスの可否が判定される。
更に、情報管理部554では、上記外部装置540からのアクセス要求に応じた情報管理に加え、メモリ518への情報の書込みタイミングからの経過時間に基づく情報管理も、重要度に応じて実行される。
記憶装置500は、メモリ518に記憶されるデータを管理するための条件情報を設定する条件情報設定部550を含んで構成されている。条件情報設定部550は、条件情報格納部562に接続されており、外部装置540から送信される条件情報設定データに基づく記憶装置510における情報管理に関する条件情報の設定、及び、設定した条件情報の条件情報格納部562への記録が実行される。この条件情報設定部550による条件情報の設定は、予め設定されてROM516に記憶された条件情報の初期値(デフォルト)を条件情報設定データに基づいて変更することにより実行される。
なお、記憶装置500における情報管理に関する条件情報としては、メモリ518に格納される情報の重要度の設定条件、重要度に応じたメモリ518へのアクセス許可条件、メモリ518への書込みタイミングからの経過時間に基づく情報管理に関する条件等があげられる。また、これらの各条件情報には、情報格納時に記録装置500の位置検知回路524による検知位置に関する条件が含まれる。
また、情報管理部554では、電池残量検知部570から出力された電池残量の検知結果が、電池残量が少ないことを示す場合には、各情報格納部562、564、568に格納された情報を不揮発性のメモリであるメモリ518に記憶させる。
次に、本第2実施形態に係る記憶装置500の作用を説明する。
記憶装置500は、外部装置540と接続された状態では、外部装置540から送信された情報に基づく動作を行なう。外部装置540から送信される情報には、条件情報設定データ、メモリ518へのアクセス要求が含まれる。記録装置500は、条件情報設定データを受信した場合は、条件情報設定データに基づく条件情報の設定を実行する。また、記憶装置500は、メモリ518へのアクセス要求を受信した場合は、メモリ518へのデータの有無、及び、現在位置に基づいて、アクセスを制限するアクセス要求受信処理を実行する。
図13は、記憶装置500においてメモリ518へのアクセス要求を受信した場合に、主としてCPU512により実行されるアクセス要求受信処理の流れを示すフローチャートである。以下、同図を参照して、本実施の形態に係るアクセス要求受信処理について説明する。
まず、ステップ600では、メモリ518にデータが格納されているか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は、ステップ602に移行して、アクセスを許可し、その後に本アクセス要求受信処理を終了する。なお、ステップ602でアクセスを許可した場合には、アクセス要求受信処理の終了後、外部装置540によるメモリ518へのアクセスが実行される。
一方、ステップ600で肯定判定となった場合は、ステップ604に移行して、受信機22及び位置検知回路24を用いた現在位置の特定を行ない、その後にステップ606に移行して、特定された記憶装置500の現在位置が指定領域内であるか否かを判定する。ステップ606で肯定判定となった場合は上述したステップ602に移行する。
ステップ606で否定判定となった場合はステップ608に移行して、外部装置540によるアクセスを拒否し、その後にステップ610に移行して、ステップ604で検知した位置情報をアクセス位置情報として発信し、その後に本アクセス要求受信処理を終了する。
記憶装置500は、メモリ518に新規にデータが格納された場合、メモリ518に格納されたデータが不正に読み出されて情報が流出することを防止すべく、データ管理処理が開始される。
図14には、メモリ518にデータが格納された場合の記憶装置500におけるデータ管理処理の流れがフローチャートとして示されている。以下、同図を参照して本実施の形態に係るデータ管理処理について説明する。
まず、ステップ620では、格納期間T1の計時を開始し、その後にステップ622に移行して、受信機522及び位置検知回路524を用いた現在位置の特定を行なう。次のステップ624では、特定された記憶装置500の現在位置が指定領域内であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ626に移行して、データの重要度を「高」に設定し、その後にステップ630に移行する。一方、ステップ624で否定判定となった場合はステップ628に移行して、データの重要度を「低」に設定し、その後にステップ630に移行する。
ステップ630では、検知処理の実行間隔T2の計時を開始し、その後にステップ632に移行して、二次電池530の電池電圧を検出し、その後にステップ634に移行する。ステップ634では、検出した電池電圧がV1以下であったか否かを判定する。当該判定が肯定判定となった場合はステップ648に移行して、不揮発性メモリに重要データを複写した後、本データ管理処理を終了する。
すなわち、電池残量が少なくなった場合は、重要なデータが失われることを防止すべく、不揮発性メモリにデータを退避させ、データ管理処理を終了する。この場合、外部装置540からのアクセス要求を受信するまでの間は位置情報に基づくデータ管理処理は実行せず、外部装置540からのアクセス要求を受信した場合に、上記アクセス要求受信処理が実行される。
一方、ステップ634で否定判定となった場合はステップ636に移行して、外部装置540からアクセス要求を受信したか否かを判定する。当該判定が否定判定となった場合は、ステップ637に移行して、実行間隔T2の計時時間が所定期間以上か否かを判定し、当該ステップ637が否定判定となった場合は再びステップ636に戻る。その後、ステップ637が肯定判定となった場合はステップ638に移行する。
ここで、ステップ636で肯定判定となった場合はステップ642に移行して上述したアクセス要求受信処理(図3参照)を実行し、その後にステップ644に移行する。ステップ644では、アクセス要求受信処理によってアクセスが許可されたか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は上述したステップ637に移行する。一方、ステップ644で肯定判定となった場合はステップ646に移行する。ステップ646では、許可されたアクセスが書込み又は変更であるか否かを判定し、読出しであれば当該判定が否定判定となってステップ637に移行する。また、ステップ646で肯定判定となった場合は、新たに格納期間T1の計時を開始してデータの管理を実行すべく、本データ管理処理を終了する。
すなわち、ステップ646で肯定判定となった場合、外部装置540によって、データの書換え、又は変更が行なわれる。したがって、新たにデータ管理処理の実行が開始されるので、実行中のデータ管理処理を終了する。一方、アクセス要求を受信しなかった場合、アクセス要求は受信されたもののアクセス要求受信処理においてアクセスが拒否された場合、及び、受信したアクセス要求に基づくアクセス要求受信処理によって許可されたアクセスがデータの読出しを実行する場合には、引き続き本データ管理処理の管理対象はメモリ518に存在するので、本データ管理処理を継続する。
その後、実行間隔T2が所定時間以上となるとステップ637が肯定判定となり、ステップ638に移行する。ステップ638では、後述する位置検知処理が実行され、その後にステップ640に移行して、管理対象のデータがメモリ518に存在するか否かを判定する。当該判定が肯定判定となった場合は、再びステップ630に戻る。上記位置検知処理によってメモリ518から管理対象のデータが消去されている場合にはステップ640で否定判定となり、そのまま本データ管理処理を終了する。
位置検知処理では、自己の現在位置と格納期間T1に基づいて、データの消去やメモリの追跡に関する処理を実行する。
図15は、上記データ管理処理(図14参照)において、所定時間以上の実行間隔T2で繰り返し実行される位置検知処理(図14、ステップ638参照)の流れを示すフローチャートである。以下、同図を参照して、本実施の形態に係るデータ管理処理について説明する。
まず、ステップ650では、上記データ管理処理による管理対象であるデータの重要度が「高」であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ654に移行する。一方、ステップ650で否定判定となった場合はステップ652に移行して、格納期間T1が予め条件情報として設定された開始時間以上か否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は、位置検知を実行することなくそのまま本位置検知処理を終了する。また、ステップ652で肯定判定となった場合は、位置検知を実行すべくステップ654に移行する。
すなわち、重要度が「高」の場合は、格納期間T1に係わらず所定時間以上の実行間隔T2で位置検知を実行し、重要度が「低」の場合は、格納期間T1が開始時間未満の場合は位置検知を実行せず、格納期間T1が開始時間以上となった場合に位置検知を行なう。
ステップ654では、受信機522及び位置検知回路524を用いた現在位置の特定を行なう。次のステップ656では、特定された記憶装置500の現在位置が指定領域内であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合は記憶装置500が外部に持ち出されていないと判断して、そのまま本位置検知処理を終了する。
一方、ステップ656で否定判定となった場合はステップ658に移行して、位置検知により特定した現在位置情報をあらかじめ条件情報として設定された送信先に送信し、その後にステップ660に移行する。ステップ660では、格納期間T1が、予め条件情報として設定された消去時間以上か否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ662に移行して、データ管理処理における管理対象であるデータをメモリ518から消去する。また、ステップ660で否定判定となった場合は、この時点ではステップ662の処理を実行することなく、本位置検知処理を終了する。
すなわち、現在位置が指定領域外である場合には、予め設定された送信先に現在位置情報を送信し、更に格納期間T1が予め設定された消去時間を経過している場合は、データをメモリ518から消去することで、データの漏洩を未然に防止する。
例えば、記憶装置500を領域Aから領域Bに持ち運んで利用する場合、領域Aと領域Bとを予め指定領域として設定しておき、消去時間を領域Aから領域Bまでの移動時間を考慮して設定することで、領域Aから領域Bに到達するまでの記憶装置500の移動経路を特定することができる。また、領域Aから領域Bに至る途中で記憶装置500を落としてしまった場合や、第三者の手に渡ってしまった場合、格納時間T1が消去時間以上となった時点で指定領域内に存在しなければ、データを消去するので、データの漏洩を防止できる。
また、電池残量が少なくなった場合には、重要なデータが失われることを防止すべく重要なデータを不揮発性メモリにデータを退避させ、外部装置540からのアクセス要求を受信するまでの間は位置情報に基づくデータ管理処理は実行せず、外部装置540からのアクセス要求を受信した場合に、上記アクセス要求受信処理が実行される。
なお、本実施形態では、複数のGPS衛星から発信される電波を受信して位置を検知する形態について説明したが、位置検知の手法はこれに限定されるものではない。自己の現在位置を検知できれば、ビーコンから発信される電波を受信して現在位置を特定する手法のほか、地磁気を検出して現在位置を特定する手法など、種々の手法が適用できる。また、これらの手法を組み合わせて用いてもよい。
(変形例2)
上記第2実施形態では、電池の残量が少なくなった場合に重要データを不揮発性メモリに退避させて、上記アクセス要求受信処理によって記憶装置を管理する形態について説明したが、本変形例2では、電池の残量が少なくなった場合、位置検知処理の実行間隔を長くして、記憶装置の消費電力を低減する形態について説明する。
なお、本変形例2に係る記憶装置の構成は、上記第2実施形態において説明した記憶装置500の構成(図10及び図11参照)と同様であるので、以下では同一の符号を付して、その説明を省略する。また、アクセス要求受信処理及び位置検知処理の流れは、上記実施の形態(図13及び図15参照)と同様であり、データ管理処理の流れのみが一部異なるので、以下では、データ管理処理の流れについて説明する。
図16は、変形例2に係るデータ管理処理の流れを示すフローチャートである。以下、同図を参照して、変形例2に係るデータ管理処理について説明する。
まず、ステップ720では、格納期間T1の計時を開始し、その後にステップ722に移行して、受信機522及び位置検知回路524を用いた現在位置の特定を行なう。次のステップ724では、特定された記憶装置500の現在位置が指定領域内であるか否かを判定し、当該判定が肯定判定となった場合はステップ726に移行して、データの重要度を「高」に設定し、その後にステップ730に移行する。一方、ステップ724で否定判定となった場合はステップ728に移行して、データの重要度を「低」に設定し、その後にステップ730に移行する。
ステップ730では、検知処理の実行間隔T2の計時を開始し、その後にステップ732に移行して、二次電池530の電池電圧を検出し、その後にステップ734に移行する。ステップ734で否定判定となった場合はそのままステップ736に移行する。
一方、ステップ734では、検出した電池電圧がV1以下であったか否かを判定する。当該判定が肯定判定となった場合はステップ735に移行して、位置検知処理の実行タイミングを判定するための所定時間を省電力用に変更した後、ステップ736に移行する。
すなわち、電池残量が少なくなった場合は、位置検知処理の実行間隔を長くすることで、記憶装置500の消費電力を低減させる。
ステップ736では、外部装置540からアクセス要求を受信したか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は、ステップ737に移行して、実行間隔T2の計時時間が所定期間以上か否かを判定し、当該ステップ737が否定判定となった場合は再びステップ736に戻る。その後、ステップ737が肯定判定となった場合はステップ738に移行する。
ここで、ステップ736で肯定判定となった場合はステップ742に移行して上述したアクセス要求受信処理(図13参照)を実行し、その後にステップ744に移行する。ステップ744では、アクセス要求受信処理によってアクセスが許可されたか否かを判定し、当該判定が否定判定となった場合は上述したステップ737に移行する。一方、ステップ744で肯定判定となった場合はステップ746に移行する。ステップ746では、許可されたアクセスが書込み又は変更であるか否かを判定し、読出しであれば当該判定が否定判定となってステップ737に移行する。また、ステップ746で肯定判定となった場合は、新たに格納期間T1の計時を開始してデータの管理を実行すべく、本データ管理処理を終了する。
すなわち、ステップ746で肯定判定となった場合、外部装置540によって、データの書換え、又は変更が行なわれる。したがって、新たにデータ管理処理の実行が開始されるので、実行中のデータ管理処理を終了する。一方、アクセス要求を受信しなかった場合、アクセス要求は受信されたもののアクセス要求受信処理においてアクセスが拒否された場合、及び、受信したアクセス要求に基づくアクセス要求受信処理によって許可されたアクセスがデータの読出しを実行する場合には、引き続き本データ管理処理の管理対象はメモリ518に存在するので、本データ管理処理を継続する。
その後、実行間隔T2が所定時間以上となるとステップ737が肯定判定となり、ステップ738に移行する。ステップ738では、上述した位置検知処理が実行され、その後にステップ740に移行して、管理対象のデータがメモリ518に存在するか否かを判定する。当該判定が肯定判定となった場合は、再びステップ730に戻る。上記位置検知処理によってメモリ518から管理対象のデータが消去されている場合にはステップ740で否定判定となり、そのまま本データ管理処理を終了する。
なお、本変形例2では、電池残量を2段階に検知する形態について説明したが、電池残量を3段階以上に検知するようにしてもよい。例えば、電圧レベルV1よりも高い電圧レベルV2を閾値として、電池残量を3段階に検知し、電池電圧が電圧レベルV2以下となった場合に、変形例2で説明したように位置検知処理の実行間隔を長くし、更に電池電圧が電圧レベルV1以下となった場合に、上記第2実施形態で説明したように重要データを不揮発性メモリに退避させるようにしてもよい。
また、本第2実施形態で説明した電池残量に基づく処理と、上記第1実施形態で説明したデータの重要度に基づくデータ管理とを、適宜組み合わせて実行してもよい。
(第3実施形態)
本第3実施形態では、上記第1実施形態で説明した記憶装置10が接続可能に構成されたデジタルカメラについて説明する。
まず、図17を参照して、本第3実施形態に係るデジタルカメラ810の外観上の構成を説明する。同図に示すように、デジタルカメラ810の正面には、被写体像を結像させるためのレンズ812と、撮影する被写体の構図を決定するために用いられるファインダ858と、が備えられている。また、デジタルカメラ810の上面には、撮影を実行する際に撮影者によって押圧操作されるレリーズボタン(所謂シャッター)856Aと、電源スイッチ856Bと、が備えられている。
なお、本実施の形態に係るレリーズボタン856Aは、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。
そして、本実施の形態に係るデジタルカメラ810では、レリーズボタン856Aを半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、絞りの状態)が設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。
一方、デジタルカメラ810の背面には、前述のファインダ858の接眼部と、撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像や各種メニュー画面、メッセージ等を表示するための液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)830と、撮影を行なうモードである撮影モード及び撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像をLCD830に表示(再生)するモードである再生モードの何れかのモードに設定するためにスライド操作されるモード切替スイッチ856Cと、LCD830の表示領域における上・下・左・右の4方向の移動方向を示す4つの矢印キーを含んで構成された十字カーソルボタン856Dと、が備えられている。
また、デジタルカメラ810の背面には、LCD830にメインメニュー画面を表示する際に押圧操作されるメニューキー856Eと、メニュー画面で指定された処理を実行する際に押圧操作される実行キー856Fと、各種操作を中止(キャンセル)する際に押圧操作されるキャンセルキー856Gと、が備えられている。
更に、本実施の形態に係るデジタルカメラ810は、上記記憶装置10をデジタルカメラ本体と接続するためのインタフェース部851が備えられている。当該インタフェース部851は、記憶装置10との接続端子851Aが複数配設されると共に、接続部851Bが設けられている。なお、接続端子851A及び接続部851Bは、配置及び形状が、記憶装置10側の接続端子及び接続部(何れも図示省略)の位置及び形状と対応している。
次に、図18を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ810の電気系の構成を説明する。同図に示されるように、デジタルカメラ810は、デジタルカメラ810全体の動作を司るCPU(中央処理装置)832と、CPU832による各種処理の実行時のワークエリア等として用いられる第1メモリ838と、主として撮影により得られたデジタル画像データを記憶する第2メモリ840と、を含んで構成されている。これらCPU832、第1メモリ838、第2メモリ840は、各々バスBUSを介して相互に接続されている。
また、デジタルカメラ810は、上記インタフェース部851を介して接続された記憶装置10をデジタルカメラ810でアクセス可能とするための外部インタフェース852と、本体に着脱可能な記録メディア842Aをデジタルカメラ810でアクセス可能とするためのメディアコントローラ842と、を含んで構成されている。
従って、CPU832では、第1メモリ838及び第2メモリ840へのアクセスと、外部インタフェース852を介した記憶装置10へのアクセスと、メディアコントローラ842を介した記録メディア842Aへのアクセスと、をそれぞれ行なうことができる。
なお、第1メモリ838は、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)により、第2メモリ840は、例えば、VRAM(Video RAM)により、それぞれ構成することができる。
また、同図に示すように、デジタルカメラ810には、前述のレンズ812を含んで構成された光学ユニット813と、レンズ812の光軸後方に配設されたCCD(Charge Coupled Device)814と、主としてCCD814を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD814に供給するタイミングジェネレータ848が設けられている。
タイミングジェネレータ848の入力端子はCPU832に、出力端子はCCD814に各々接続されており、CCD814の駆動は、CPU832によりタイミングジェネレータ848を介して制御される。
さらに、本実施の形態に係る光学ユニット813に含まれるレンズ812は複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成されており、ズームモータ850A、焦点調整モータ850B及び絞り駆動モータ850Cを含んで構成されるレンズ駆動機構を備えている。モータ駆動部850A、850B、850Cの出力端子はズームモータ813A、焦点調整モータ813B及び絞り駆動モータ813Cにそれぞれ接続されている。
これらのモータ駆動部850A、850B、850Cの入力端子は、CPU832にそれぞれ接続されており、レンズ駆動機構を構成するズームモータ813A、焦点調整モータ813B及び絞り駆動モータ813Cは各々CPU832の制御下でモータ駆動部850から供給された駆動信号によって駆動される。
CPU832は、光学ズーム倍率を変更する際にはズームモータ813Aを駆動制御して光学ユニット813に含まれるレンズ812の焦点距離を変化させる。
また、デジタルカメラ810には、相関二重サンプリング回路(以下、「CDSAMP」という。)816と、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)818と、を含んで構成されている。CDSAMP816の入力端子はCCD814の出力端子に、CDSAMP816の出力端子はADC818の入力端子に、各々接続されている。
CDSAMP816では、CCD814の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、固体撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理である。
また、前述のレリーズボタン856A、電源スイッチ856B、モード切替スイッチ856C、十字カーソルボタン856D、メニューキー856E、実行キー856F及びキャンセルキー856Gを含む操作部856はCPU832に接続されており、CPU832は、これら操作部856の各々に対する操作状態を常時把握できる。
一方、デジタルカメラ810は、所定容量のラインバッファを内蔵すると共に入力されたデジタル画像データを第2メモリ840の所定領域に直接記憶させる制御を行なう画像入力コントローラ820と、デジタル画像データに対して各種画像処理を施す画像信号処理回路822と、所定の圧縮形式でデジタル画像データに圧縮処理を施す一方、圧縮処理されたデジタル画像データに伸張処理を施す圧縮・伸張処理回路824と、デジタル画像データにより示される画像やメニュー画面等をLCD830に表示させるための信号を生成してLCD830に供給する表示制御回路828と、を含んで構成されている。なお、画像入力コントローラ820の入力端子には、上記ADC818の出力端子が接続されている。
また、デジタルカメラ810は、上記AF機能を働かせるために必要とされる物理量を検出するAF検出回路834と、上記AE機能及びAWB(Automatic White Balance)機能を働かせるために必要とされる物理量を検出するAE・AWB検出回路836と、を含んで構成されている。
なお、AF検出回路834で検出される物理量としては、CCD814による撮像によって得られた画像のAF領域における輝度の高周波成分を示す評価値(コントラスト値)を検出する。また、AE・AWB検出回路836で検出される物理量としては、CCD814を介して取得された画像の明るさを示す輝度情報と、色差情報を検出する。
すなわち、本実施の形態では、CPU832により、上記AF機能として、CCD814による撮像によって得られた画像のコントラストが最大となるように上記モータ駆動部850Aを介して焦点調整モータ813Bを駆動制御することによりフォーカスレンズの位置を設定する、所謂TTL(Through The Lens)方式を用いる。
以上の画像入力コントローラ820、画像信号処理回路822、圧縮・伸張処理回路824、表示制御回路828、AF検出回路834、AE・AWB検出回路836は、各々CPU832等が接続された上述のバスBUSを介して相互に接続されている。
従って、CPU832は、画像入力コントローラ820、画像信号処理回路822、圧縮・伸張処理回路824、及び表示制御回路828の各々の作動の制御と、AF検出回路834及びAE・AWB検出回路836により検出された物理量の取得と、を各々行なうことができる。
次に、本実施の形態に係るデジタルカメラ810の作用を説明する。
デジタルカメラ810における撮影時の全体的な動作として、まず、CCD814による光学ユニット813を介した撮像が行なわれ、被写体像を示す信号がCCD814から順次出力される。そして、CCD814から出力された信号は順次CDS816に入力されて相関二重サンプリング処理が施された後にADC818に入力され、ADC818は、CDS816から入力されたR(赤)、G(緑)、B(青)の信号を各々12ビットのR、G、B信号(デジタル画像データ)に変換して画像入力コントローラ820に出力する。
画像入力コントローラ820は内蔵しているラインバッファにADC818から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦第2メモリ840の所定領域に格納する。
第2メモリ840の所定領域に格納されたデジタル画像データは、CPU832による制御下で画像信号処理回路822によって読み出され、これらにAE・AWB検出回路836により検出された物理量に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行なうと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行なって8ビットのデジタル画像データを生成し、更にYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号を第2メモリ840の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
なお、LCD830は、CCD814による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができるものとして構成されているが、このようにLCD830をファインダとして使用する場合には、生成したYC信号を、表示制御回路828を介して順次LCD830に出力する。これによってLCD830にスルー画像が表示されることになる。
ここで、レリーズボタン856Aがユーザによって半押し状態とされた場合、前述のようにAE機能が働いて露出状態が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態とされた場合、この時点で第2メモリ840に格納されているYC信号を、圧縮・伸張処理回路824によって所定の圧縮形式で圧縮した後に記録メディア842Aに画像ファイルとして記録する。
ここで、デジタルカメラ810では、記憶装置10がインタフェース部850を介して接続されている場合、撮影条件を切り換える。
図19は、デジタルカメラ810が撮影モードで動作している場合の記憶装置の接続状態に応じた設定の切り換わりの流れを示すフローチャートである。以下、同図を参照して本第3実施形態に係る撮影モードの設定切換処理について説明する。
まず、ステップ900では、記憶装置10の接続状態をチェックし、その後にステップ910に移行して、記憶装置10が接続されているか否かを判定する。当該判定が否定判定となった場合は、特に設定を切り換えるための動作を行なうことなく、本設定切換処理を終了する。
ステップ910で肯定判定となった場合は、ステップ912に移行して、撮影条件を記憶装置10から読み出した条件に設定することにより切り換え、その後にステップ914に移行する。ステップ914では、上述した撮影処理によって取得された画像ファイルの格納先を記憶装置に設定することにより切り換え、その後にステップ916に移行する。
ステップ916では、再び記憶装置の接続状態をチェックし、その後にステップ918に移行して、記憶装置10が接続されているか否かを判定する。当該判定が否定判定となった場合はステップ920に移行して、撮影条件及び撮影データの格納先として、予め設定されたデフォルトに設定し、その後に本設定切換処理を終了する。一方、ステップ918で肯定判定となった場合は、再びステップ916に戻る。
すなわち、デジタルカメラ810では、記憶装置10が接続されている場合には、撮影条件を記憶装置10専用の撮影条件に切り換えて撮影処理を行ない、撮影処理により取得された画像ファイルを記憶装置10に格納すると共に、記憶装置10との接続が解除された場合には、撮影条件及び画像ファイルの格納先をデフォルトに設定する。
なお、撮影条件としては、撮影種類(通常撮影、連続(複数回)撮影等)感度、画素数、フラッシュ制御、ホワイトバランス等があげられる。
(変形例3)
上記第3実施形態では、デジタルカメラ810において、記憶装置10の接続の有無に応じて撮影モードにおける設定を切り換える形態について説明したが、本変形例3では、デジタルカメラ810において、記憶装置10が接続された状態で撮影が実行された場合に、撮影により取得された画像ファイルをデジタルカメラ内から消去する形態について説明する。
なお、本変形例3に係るデジタルカメラ810の構成は、上記第3実施形態において説明したデジタルカメラ810の構成(図17及び図18参照)と同様であるので、以下では同一の符号を付して、その説明を省略する。また、撮影処理の流れは、上記第3実施形態で説明した流れと同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
図20は、デジタルカメラ810が撮影モードで動作している場合に実行される撮影データ記録処理の流れを示すフローチャートである。以下、同図を参照して、変形例3に係る撮影データ記録処理について説明する。
まず、ステップ950では、撮影データが取得されたか否かを判定し、撮影処理が実行されることによって撮影データが取得された場合は当該判定が肯定判定となり、ステップ952に移行する。一方、撮影処理が実行されない場合は撮影データは取得されないので、ステップ950で否定判定となり、そのまま撮影データ記録処理を終了する。
ステップ952では、記憶装置10の接続状態をチェックし、その後にステップ910に移行して、記憶装置10が接続されているか否かを判定する。当該判定が肯定判定となった場合はステップ956に移行して、記憶装置10により特定された現在位置を示す位置情報、及び時間情報を、撮影データに関連付けて記憶装置10に記録し、その後にステップ958に移行して、デジタルカメラ810側(第1のメモリ838、第2のメモリ840、記録メディア842A等)に記録された当該処理の対象となる撮影データに関する情報を消去した後に、本撮影データ記録処理を終了する。
一方、ステップ954で否定判定となった場合は、ステップ960へ移行して、デジタルカメラ810側のメモリに撮影データを記録し、その後に本撮影データ記録処理を終了する。
すなわち、デジタルカメラ810に記憶装置10が接続されている状態で撮影データが取得された場合には、位置情報に基づくデータの管理が実行される記憶装置10側にだけ撮影データを記憶し、デジタルカメラ810には撮影データを残さないので、撮影データの流出や漏洩を防止できる。
また、記憶装置10の位置検知機能を利用して、位置情報及び時間情報についても撮影データを関連付けて記憶するので、いつ、どこで撮影されたかが明確になり、撮影データを証拠写真等として利用する際にも有効である。
なお、上記第3実施形態及び変形例3では、第1実施形態で説明した記憶装置10が接続可能に構成されたデジタルカメラについて説明したが、記憶装置10に代えて、上記各変形例で説明した記憶装置10や第2実施形態で説明した記憶装置500を適用してもよいことはいうまでもない。
更に、第3実施形態及び変形例3の処理の内容を組み合わせた処理を実行するようにしてもよい。
なお、以上の各実施形態で説明した記憶装置10、500及びデジタルカメラ10について、構成や各種処理の流れは一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。