JP2009244295A - プリント配線基板用感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のプリント配線基板用感放射線性樹脂組成物は、(A)特定のアルカリ可溶性共重合体、(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、
(C)感放射線性ラジカル重合開始剤、および(D)120〜270℃の1種以上の溶媒から構成され、かつ各溶媒の沸点の加重平均値が170〜270℃である溶媒を含有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
ムからなるプリント配線板保護膜用感光性ドライフィルムが開示されており、(II)感光層の特性、ならびに(II)感光層形成時の乾燥温度および乾燥時間を考慮して、(II)感光層の有機溶媒含有量を特定の範囲に制御することが記載されている。
(A)(a1)カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物、(a2)フェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物、および(a3)ラジカル重合性化合物(前記(a1)および(a2)を除く)を、ラジカル共重合して得られるアルカリ可溶性共重合体、
(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、
(C)感放射線性ラジカル重合開始剤、ならびに
(D)1気圧下における沸点が120〜270℃の1種以上の溶媒から構成され、かつ各溶媒の沸点の加重平均値が170〜270℃である溶媒
を含有することを特徴とする。
50質量%、前記ラジカル重合性化合物(a2)1〜50質量%、および前記ラジカル重合性化合物(a3)5〜80質量%(ただし、前記ラジカル重合性化合物(a1)〜(a3)の合計量を100質量%とする。)をラジカル共重合して得られることが好ましい。
(i)上記プリント配線基板用感光性樹脂組成物を、基板上に塗布し加熱乾燥してレジスト層を作成する工程、
(ii)画像状に活性光線を照射して、露光部の前記レジスト層を光硬化させる工程、
(iii)未露光部の前記レジスト層を現像により選択的に除去してレジストパターンを形成する工程、
(iv)前記レジストパターンをマスクとして、基板上に配線を形成する工程、および
(v)残存するレジストパターンを剥離する工程
を含むことを特徴とする。
[プリント配線基板用感放射線性樹脂組成物]
本発明のプリント配線基板用感放射線性樹脂組成物は、特定のラジカル重合性化合物をラジカル共重合することにより得られるアルカリ可溶性共重合体(A)と、少なくとも1
個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(B)と、感放射線性ラジカル重合開始剤(C)と、1気圧下における沸点が120〜270℃の1種以上の溶媒から構成され、かつ各溶媒の沸点の加重平均値が170〜270℃である溶媒(D)とを含有している。
〔アルカリ可溶性共重合体(A)〕
本発明に用いられるアルカリ可溶性共重合体(A)は、カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物(a1)(以下「ラジカル重合性化合物(a1)」ともいう。)、フェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物(a2)(以下「ラジカル重合性化合物(a2)」ともいう。)、および他のラジカル重合性化合物(a3)(以下「ラジカル重合性化合物(a3)」ともいう。)をラジカル共重合することにより得られる。
合体のアルカリ現像液に対する溶解性が大きくなりすぎて露光部の溶解、すなわち膜減りが大きくなることがある。また、ラジカル重合性化合物(a2)の割合が少なすぎると、プリント配線基板用感放射線性樹脂組成物の解像度が低下し、逆に多すぎると、得られる共重合体の分子量が十分に上がらず、厚さ20μm以上のレジスト層形成が困難になる。
本発明で用いられるカルボキシル基を有するラジカル重合性化合物(a1)は、アルカリ可溶性共重合体(A)のアルカリ可溶性を調節することができる。
本発明で用いられるフェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物(a2)としては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−m−ヒドロキシスチレン、α−メチル−o−ヒドロキシスチレン、2−アリルフェノール、4−アリルフェノール、2−アリル−6−メチルフェノール、2−アリル−6−メトキシフェノール、4−アリル−2−メトキシフェノール、4−アリル−2,6−ジメトキシフェノール、4−アリルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。これらの中では、p−ヒドロキシスチレンおよびα−メチル−p−ヒドロキシスチレンが好ましい。
スチレン、α−メチル−p−アセトキシスチレン、p−ベンジロキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシカルボニロキシスチレン、p−tert−ブチルジメチルシロキシスチレンなどが挙げられる。これらを用いて得られる共重合体は、適当な処理、例えば塩酸等を用いた加水分解で、容易にフェノール性水酸基を有する構成単位(a2)を含有する共重合体に変換することができる。
<ラジカル重合性化合物(a3)>
本発明で用いられるラジカル重合性化合物(a3)(前記ラジカル重合性化合物(a1)および(a2)を除く)は、主としてアルカリ可溶性共重合体(A)の機械的特性を適度にコントロールする目的で使用する。
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ−ルトルエン、p−メトキシスチレン等の芳香族ビニル類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有重合性化合物;
アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物;
酢酸ビニルなどの脂肪酸ビニル類;
塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有重合性化合物;
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ジメチルブタジエン等の共役ジオレフィン類を用いることができる。
上記アルカリ可溶性共重合体(A)を製造する際に用いられる重合溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:135℃)、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:202℃)、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル(沸点:231℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:121℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点:150℃)、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル(沸点:170℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:190℃)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノプロピルエーテル(沸点:212℃)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
(沸点:229℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点:175℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:242℃)、トリプロピレングリコールモノ
エチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(沸点:274℃)などの多価アルコールのアルキルエーテル類
;エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート(沸点:135℃)、エチレングリコールプロピルエーテルアセテート、エチレン
グリコールブチルエーテルアセテート(沸点:188℃)、ジエチレングリコールメチルエ
ーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート(沸点:217℃)、
ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート(沸点:247℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(
沸点:146℃)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコ
ールメチルエーテルアセテート(沸点:213℃)などの多価アルコールのアルキルエーテ
ルアセテート類;シクロヘキサノールアセテート(沸点:173℃)、3−メトキシブチル
アセテート(沸点:171℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点:190℃)、1,
3−ブチレングリコールジアセテート(沸点:232℃)、トリアセチン(沸点:260℃)な
どのアルコールもしくは多価アルコールのアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などが挙げられる。これらの中では、環状エーテル類、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、アルコールもしくは多価アルコールのアセテート類、ケトン類、またはエステル類が好ましく、その中でも沸点が170℃以上であるものがさらに好ましい。
また、ラジカル共重合における重合触媒としては、通常のラジカル重合開始剤を使用でき、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物および過酸化水素などが挙げられる。なお、過酸化物をラジカル重合開始剤に使用する場合、還元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。
上記方法で得られるアルカリ可溶性共重合体(A)の分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)で、通常1,000〜100,000、好ましくは2,000〜50,000、より好ましくは3,000〜20,000である。
本発明で用いられる、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(以下「エチレン性不飽和化合物(B)」ともいう)は、分子中にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する常温で液体または固体の化合物であり、一般にはエチレン性不飽和基として(メタ)アクリロイル基を持つ(メタ)アクリレート化合物、もしくはビニル基を持つ化合物が好ましく用いられる。前記(メタ)アクリレート化合物としては単官能性化合物と多官能性化合物に分類されるが、いずれの化合物も用いることができる。
レート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシエチルエーテル、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシエチルエーテル、ビスフェノールAジ(メタ)アクリロイルオキシロキシメチルエチルエーテル、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
R−551、同R−712、同TMPTA、同HDDA、同TPGDA、同PEG400DA、同MANDA、同HX−220、同HX−620、同R−604、同DPCA−20、DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート#295、同300、同260、同312、同335HP、同360、同GPT、同3PA、同400(以上、大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
本発明で用いられる感放射線性ラジカル重合開始剤(C)は、下記式(1)で表される化合物(c1)を含むことが好ましい。また、前記感放射線性ラジカル重合開始剤(C)は、前記化合物(c1)とともに、必要に応じて、下記式(2)で表される化合物(c2)および下記式(3)で表される化合物(c3)をさらに含んでもよい。
、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシル基またはフェニル基を表し、nは1〜5の整数を表す。
基、−SR7(R7はメチル基またはエチル基を表す。)、ヒドロキシル基または−NR8
R9(R8およびR9は、それぞれ独立にメチル基もしくはエチル基を表すか、またはR8とR9とが炭素以外の原子を介して結合して4〜8員環の環状構造を形成してもよい。)を
表し、R5およびR6は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、エチル基またはフェニル基を表し、Yはヒドロキシル基または−NR10R11(R10およびR11は、それぞれ独立にメチル基もしくはエチル基を表すか、またはR9とR10とが炭素以外の原子を介して4〜8
員環の環状構造を形成してもよい。)を表し、mは1〜5の整数を表す。
4−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビスイミダゾール、2,2’−ビスフェニル−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビスイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラメトキシフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラエトキシフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどが挙げられる。これらの中では、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾールが好ましい。上記化合物(c2)は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
像性を有するプリント配線基板用感放射線性樹脂組成物が得られる。
量部に対して、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは2〜30質量部、特に好ましくは5〜20質量部である。上記化合物(c1)ならびに必要に応じて用いられる(c2)および/または(c3)の合計含有量が、少なすぎると、酸素によるラジカルの失活の
影響(感度の低下)を受けやすく、さらには、充分に硬化反応が進まずパタ−ンが倒れやすくなる。また多すぎると、相溶性が悪くなったり、保存安定性が低下する傾向がある。
フェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物;ジ−tert−ブチルパ−オキサイドなどの過酸化物などが挙げられる。
本発明のプリント配線基板用感放射線性樹脂組成物中に含有する溶媒(D)は、1気圧下における沸点が120〜270℃の1種以上の溶媒から構成され、かつ各溶媒の沸点の加重平均値が170〜270℃である。上記溶媒(D)を構成する溶媒の沸点は、140〜260℃の範囲であることがより好ましい。さらに、上記加重平均値は、好ましくは200〜260℃である。このような要件を満たす溶媒(D)をプリント配線基板用感放射線性樹脂組成物中に含有すると、レジスト層の熱風乾燥工程において、表面だけが乾くこと、いわゆるスキン層の形成を防ぐことができる。このため、レジストパターンの裾の未硬化が防げるため、パターンが折れ曲がることを防ぐことができる。
また、溶媒(D)を構成する各溶媒の沸点の加重平均値が前記範囲であると、得られるプリント配線基板用感放射線性樹脂組成物は、高解像性の点で好ましい。
1気圧下における沸点が120〜270℃の溶媒の具体例としては、本発明の目的を損なわない限り特に限定されないが、たとえば、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:135℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:202℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:231℃)、プロピレングリコールモノメチルエー
テル(沸点:121℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点:150℃)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(沸
点:170℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:190℃)、ジプロピレ
ングリコールモノプロピルエーテル(沸点:212℃)、ジプロピレングリコールモノブチ
ルエーテル(沸点:229℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点:175℃)
、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:242℃)、トリプロピレングリ
コールモノブチルエーテル(沸点:274℃)、エチレングリコールメチルエーテルアセテ
ート(沸点:145℃)、エチレングリコールエチルエーテルアセテート(沸点:145℃)、エチレングリコールプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート(沸点:188℃)、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレ
ングリコールエチルエーテルアセテート(沸点:217℃)、ジエチレングリコールブチル
エーテルアセテート(沸点:247℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート(沸点:146℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点:213℃)、シクロヘキサノールアセテート(沸点:173℃)、3−メトキシブチルアセテート(
沸点:171℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点:190℃)、1,3−ブチレン
グリコールジアセテート(沸点:232℃)、トリアセチン(沸点:260℃)などが挙げられ
る。
性不飽和二重結合を有する化合物(B)および感放射線性ラジカル重合開始剤(C)の溶解性の観点から、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、アルコールのアセテート類および多価アルコールのアセテート類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する溶媒が好ましい。このような溶媒の具体例としては、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、またはトリアセチンなどが挙げられる。このような溶媒(D)を感放射線性樹脂組成物中に含有すると、パターン倒れ耐性などの高密度配線形成性能が良好となる傾向がある。
〔その他の成分〕
本発明のプリント配線基板用感放射線性樹脂組成物には、上述のアルカリ可溶性共重合体(A)、エチレン性不飽和化合物(B)、感放射線性ラジカル重合開始剤(C)、および溶媒(D)の他に、必要に応じて、各種の添加剤など含有させてもよい。
ビス(2−メチルフェノール)、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス(2,6−ジ
メチルフェノール)、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ビスフェノール、4,4',4"−エチリデントリス(2−メチルフェノール)、4,4',4”−エチリデントリスフェノール、1,1,
3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパンなどを挙げることができる。これらは、アルカリ可溶性共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは5質量部以下で用いることができる。
42D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レダウコーニングシリコーン(株
)製)、フタージェントFTX−218(以上、(株)ネオス製)などの商品名で市販さ
れているフッ素系界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の配合量は、アルカリ可溶性共重合体(A)100質量部に対して好ましくは5質量部以下である。
ト、ダイレクトオレンジなどの直接染料;ローセリン、メタニルイエローなどの酸性染料が挙げられる。また、粘度調整剤としては、たとえば、ベントナイト、シリカゲル、アルミニウム粉末などが挙げられる。これら添加剤の配合量は、組成物の本質的な特性を損なわない範囲であればよく、好ましくは、得られる組成物に対して50質量%以下である。
本発明のプリント配線基板用感放射線性樹脂組成物を調製するには、充填材および顔料
を添加しない場合には、上記(A)、(B)、(C)、(D)の各成分と、必要に応じてその他の成分とを、通常の方法で混合、攪拌するだけでよい。充填材および顔料を添加する場合には、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用いて、これらの成分を分散、混合させればよい。また、必要に応じて、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いて各成分または得られる組成物をろ過してもよい。
本発明のプリント配線基板形成方法は、(i)上述のプリント配線基板用感光性樹脂組成物を、基板上に塗布し加熱乾燥してレジスト層を作成する工程、(ii)画像状に活性光線を照射して、露光部の前記レジスト層を光硬化させる工程、(iii)未露光部の前記レジスト層を現像により選択的に除去してレジストパターンを形成する工程、(iv)前記レジストパターンをマスクとして、基板上に配線を形成する工程、(v)残存するレジストパターンを剥離する工程を含むことを特徴としている。
上述のプリント配線基板用感光性樹脂組成物を所定の基板上に塗布し、加熱乾燥して溶媒を除去することによって所望のレジスト層を作成することができる。前記レジスト層の厚さは、1〜100μmであることが好ましく、5〜70μmであることがより好ましく、10〜50μmであることが特に好ましい。また、加熱乾燥方法としては、通常、オーブンまたは熱風乾燥機が用いられる。
得られたレジスト層に所定のパターンを有するフォトマスクを介し、画像状に活性光線を照射して、例えば配線パターン以外の前記レジスト層を光硬化させることができる。ここで活性光線とは、紫外線、可視光線などを意味し、光源として、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプなどを用いることができる。活性光線の照射量は、組成物中の各成分の種類、配合量、レジスト層の厚さなどによって異なるが、例えば高圧水銀灯使用の場合、100〜1500mJ/cm2である。
未露光部の前記レジスト層を現像により選択的に除去してレジストパターンを形成することができる。
カリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
装置を用いて、所定の温度、例えば60〜100℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜30分間、オーブン中では5〜60分間加熱処理をすればよい。この後処理によって、さらに良好な特性を有するレジストパターンを得ることができる。
前記レジストパターンをマスクとして、基板上に配線を形成することができる。
前記レジストパターンが形成された基板を、電気メッキ用の各種メッキ液に浸漬し、所望のメッキ厚となるように電流値および通電時間を設定してメッキを行う。各種メッキ液としては、銅メッキ液、金メッキ液、ニッケルメッキ液、銀メッキ液または半田メッキ液などが挙げられる。
メッキ処理した基板から残存するレジストパターンを剥離するには、例えば、50〜80℃で攪拌中の剥離液に該基板を5〜30分間浸漬すればよい。ここで使用される剥離液としては、例えば、第4級アンモニウム塩の水溶液や第4級アンモニウム塩とジメチルスルホキシドと水との混合溶液、水酸化ナトリウム水溶液をあげることができる。
本発明のプリント配線基板は、上述したプリント配線基板形成方法により形成することができる。
[合成例1]
(アルカリ可溶性共重合体(A-1)の合成)
窒素置換したドライアイス/メタノール還流器の付いたフラスコ中に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)5.0g、およびジプロピレングリコールメチル
エーテルアセテート(溶媒)150gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌した。この溶液に、メタクリル酸(12g)、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン(30g)、イソボロニルアクリレート(29g)、およびn−ブチルアクリレート(29g)を仕込み、固形分が完全に溶解するまで撹拌した。完全に溶解した後、溶液の温度を80℃まで上昇させ、この温度で7時間重合を行った。その後、溶液を100℃に昇温して、1時間重合を行って、共重合体(A-1)を含む反応溶液を得た。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
アルカリ可溶性共重合体(A)として、前記合成例1で得られた共重合体(A-1)(
100g)、エチレン性不飽和化合物(B)として、東亜合成(株)アロニックスM8060(40g)、東亜合成(株)アロニックスM309(20g)、感放射線性ラジカル重合開始剤(C)として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(12g)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(1g)、溶媒(D)として、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点:213℃)(150g)[加重平均により算出した沸点:213℃]、および界面活性剤として、ジグリセリンエチレンオキサイド(平均付加モル数=18)
付加物ペルフルオロノネニルエーテル(フタージェントFTX−218、(株)ネオス製)(0.3g)を混合し、攪拌して均一な組成物溶液を調製した。この組成物溶液を、孔径10μmのカプセルフィルターでろ過して感放射線性樹脂組成物を得た。
<レジストパターンの形成>
厚みが35μmである銅箔を張り合わせてなるガラスエポキシ銅張基板にロールコーターを用いて、実施例1で得られた感放射線性樹脂組成物を塗布した後、熱風オーブン中で、70℃で50分間加熱して、厚さ20μmのレジスト層を形成した。次いで、ライン/スペース(以下、L/Sという)=3/3、4/4、5/5、6/6、7/7、8/8、9/9、10/10、15/15
、20/20、25/25、30/30μm(設計寸法)が存在するパターンマスクを介し、超高圧水銀
灯(OSRAM社製HBO、出力1,000W)を用いて、300〜1000mJ/cm2の紫外光を照射した。露光量は、照度計〔(株)オーク製作所製UV−M10(照度計
)にプローブUV−42(受光器)をつないだもの〕により確認した。現像液として0.3質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて室温で現像したのち、流水洗浄し、窒素ブローしてレジストパターンを形成した。以下、このレジストパターンを形成した基板を、「パターニング基板」という。
前記パターニング基板に、メッキ液として日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース株式会社製ミクロファブCu200を用い、25℃、3A/dm2、25分間で電解
銅メッキし、高さ15μmの配線を形成した。その後、剥離液として3%水酸化ナトリウム水溶液を用い、50℃で10分間攪拌しながら浸漬して残存するレジストパターンを剥離し、メッキ造形物を有する基板を得た。以下、このメッキ造形物を有する基板を、「メッキ基板」という。
前記パターニング基板を走査型電子顕微鏡により1000倍で観察し、パターン倒れの評価を行った。ここで、パターン倒れの評価は、L/Sパターンのマスク設計寸法200
/3μm,200/4μm,200/5μm,200/6μm,200/7μm,200/8μm,200/9μm,200/10μm,200/15μm,200/20μm、200/25μm、200/30μmのうち、パターンが倒れずに解像する最も微細なマスク設計寸法により評価した。値が小さいほど、より微細なパターンが倒れずに解像することを表し、パターン倒れが発生しにくいことを示す。これらの評価結果を表1にまとめて示す。
溶媒(D)の種類および配合割合を表1に示したものとした以外は、実施例1と同様にしてレジストパターンおよびメッキ造形物を形成し、高密度配線形成性能の特性を評価した。結果を表1に示す。
Claims (5)
- (A)下記ラジカル重合性化合物(a1)〜(a3)をラジカル共重合して得られるアルカリ可溶性共重合体、
(a1)カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物
(a2)フェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物
(a3)ラジカル重合性化合物(前記(a1)および(a2)を除く)
(B)少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、
(C)感放射線性ラジカル重合開始剤、および
(D)1気圧下における沸点が120〜270℃の1種以上の溶媒から構成され、かつ各溶媒の沸点の加重平均値が170〜270℃である溶媒
を含有することを特徴とするプリント配線基板用感放射線性樹脂組成物。 - 前記溶媒(D)が、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類、アルコールのアセテート類および多価アルコールのアセテート類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板用感放射線性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶性共重合体(A)が、前記ラジカル重合性化合物(a1)1〜50質量
%、前記ラジカル重合性化合物(a2)1〜50質量%、および前記ラジカル重合性化合物(a3)5〜80質量%(ただし、前記ラジカル重合性化合物(a1)〜(a3)の合計量を100質量%とする。)をラジカル共重合して得られることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線基板用感放射線性樹脂組成物。 - (i)請求項1〜3のいずれか1項に記載のプリント配線基板用感光性樹脂組成物を、基板上に塗布し加熱乾燥してレジスト層を作成する工程、
(ii)画像状に活性光線を照射して、露光部の前記レジスト層を光硬化させる工程、
(iii)未露光部の前記レジスト層を現像により選択的に除去してレジストパターンを形成する工程、
(iv)前記レジストパターンをマスクとして、基板上に配線を形成する工程、および
(v)残存するレジストパターンを剥離する工程
を含むことを特徴とするプリント配線基板形成方法。 - 請求項4に記載のプリント配線基板形成方法により形成されるプリント配線基板。
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JP2003295433A (ja) * | 2002-03-28 | 2003-10-15 | Tamura Kaken Co Ltd | 感光性樹脂組成物 |
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