JP2009243010A - 加工用紙用原紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】産業用工程紙、剥離紙の原紙として使用される加工用紙用原紙において、剥離剤の目止め性に優れ、製紙原料として再生可能な加工用原紙を提供すること。
【解決手段】濃度2%のB型粘度(60rpm、20℃)が500〜2000mPa・sであるセルロースナノファイバーからなる製紙用添加剤を含有する加工用紙用原紙。前記セルロースナノファイバーは、セルロース系原料に、N−オキシル化合物、並びに臭化物、ヨウ化物又はこれらの混合物の存在下で、酸化剤を添加し、水中にて前記セルロース系原料を処理して酸化されたセルロースを調製し、該酸化されたセルロースを湿式微粒化処理してナノファイバー化されたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭素繊維プリプレグや合成皮革などの製造工程中にキャリアーとして使われる工程紙に用いられる工程紙原紙、あるいは粘着ラベル、粘着シートなどに使用する剥離紙に用いられる剥離紙原紙として好適に使用される加工用紙用原紙に関する。
ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、クレーコート紙、プラスティックフィルムなどの基材に、シリコーン系樹脂やアルキド系樹などの剥離層を設けた離型シートは、炭素繊維プリプレグや塩ビレザーやポリウレタンレザーなどの合成皮革、セラミックシートなどの製造工程に使用される工程紙や粘着ラベルや粘着シート、粘着テープ等の剥離紙、食品分野ではベーキングペーパーやベーキングトレーなど様々な用途に使用されている。このような離型シートの原紙に求められる品質として、シリコーンなどの剥離剤の目止め性以外にも、耐溶剤性、耐熱性、寸法安定性、平滑性、強度などが求められる。
工程紙の用途の一つとして、繊維強化複合材料で炭素繊維プリプレグ用途が挙げられる。炭素繊維プリプレグは、テニスラケットやゴルフクラブ、釣竿のシャフトなどのスポーツレジャー関係から飛行機の尾翼などの航空機関連まで広く用いられている。炭素繊維プリプレグは炭素繊維シートにエポキシ系樹脂、ビスマレイミド系樹脂などの熱硬化性の樹脂を含浸して熱硬化したものであり、通常はその片面または両面が適度な剥離特性を有する剥離工程紙に支持された状態で提供される。この工程紙は炭素繊維プリプレグの製造工程において当初から用いられ、工程紙上で炭素繊維シートに樹脂を含浸して熱で半硬化させ、工程紙から剥がして柔軟性のある状態で成型した後、完全に硬化される。
一般に工程紙や剥離紙は、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、上質紙、コート紙、プラスチックフィルム等の基材にアルキド系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等の剥離層を有している。
基材として、ポリエチレンラミネート紙(特許文献1)は剥離剤の目止め性が良好で剥離性が優れ、良好な表面光沢、平滑性が得られ易く、耐水性、耐溶剤性もよいことから多く使用されている。しかし、近年環境問題が騒がれる中、ポリエチレンフィルムは疎水性であるため、この基材を再度回収し、製紙工程で再生利用することは困難であるので、廃棄処分されているのが現状である。また、両面ポリエチレンラミネートしたものは、炭素繊維プリプレグや合成皮革の工程紙として使用した場合、樹脂を硬化させる工程で熱にさらされた時、工程紙中の水分がラミネート層から蒸発し難いためブリスター(火膨れ)が発生してしまう。
一方、ポリエチレンラミネートタイプの基材と比較するとシリコーン樹脂等の剥離剤溶液の浸透の抑制はやや劣るものの、高度に叩解したパルプを原料とすることにより剥離剤溶液の浸透を抑制させた、グラシン紙タイプの剥離紙用原紙(特許文献2)も日本で多く用いられている。また、紙の透気抵抗度は空隙の指標であるが、特許文献3には透気抵抗度を向上させる方法として未糊化顆粒澱粉を含有させ、剥離剤溶液の浸透を抑制させた剥離紙用原紙が開示されている。
特開平5−169598号公報 特開平9−41286号公報 特公平4−57798号公報
しかしながら、グラシン紙は高度に叩解されたパルプを使用しているため寸法安定性が劣り、工程紙として使用した場合には熱工程で収縮するため、そのときに炭素繊維プリプレグや合成皮革が工程紙から浮き上がって工程紙とプリプレグとの間でボコツキが発生してしまう。また、原料のパルプを極度に叩解して使用するため繊維間結合が強固になっており、離解再生利用しようとしても、水中で容易に分散しないという欠点を有している。さらに、機械的処理を強化し、あるいは化学的処理を導入することによって水中で分散できたとしても、叩解処理の強化により繊維が著しく損傷している上に、離解処理でさらに繊維の損傷が進行するので、一般の紙の原料として再利用することは困難である。
また、上述の未糊化顆粒澱粉では空隙を完全に埋める塗膜の形成は困難であり、透気抵抗度の向上は不十分で、剥離剤溶液の浸透を抑制も不十分であった。
以上のような状況に鑑み、本発明は、特に産業用工程紙、剥離紙の原紙として使用される加工用紙用原紙において、剥離剤の目止め性に優れ、製紙原料として再生可能な加工用原紙を提供することにある。
本発明者らは、濃度2%のB型粘度(60rpm、20℃)が500〜2000mPa・sであるセルロースナノファイバーから成る製紙用添加剤を紙に含有させることにより、密度を上昇させることなく、透気抵抗度が向上した加工用原紙が得られることを見出し、本発明を成すに至った。本発明により、濃度2%のB型粘度(60rpm、20℃)が500〜2000mPa・sであるセルロースナノファイバーからなる製紙用添加剤を含有する加工用紙用原紙が提供される。
本発明のセルロースナノファイバーを含有する製紙用添加剤は、澱粉やポリビニルアルコールに比べて、透気抵抗度が顕著に高く、剥離剤の目止め性に優れた加工用原紙を得ることができる。
本発明の製紙用添加剤であるセルロースナノファイバーは、水に分散させると透明な液体となり、濃度2%のB型粘度(60rpm、20℃)が500〜2000mPa・sであることから適度な粘調性を示すので、所望の濃度に調整するだけで塗料として好適に使用できる。このセルロースナノファイバーは、例えば、セルロース系原料をN−オキシル化合物と、並びに臭化物、ヨウ化物又は混合物の存在下で、酸化剤を添加して、前記セルロース系原料を処理して酸化されたセルロースを調製し、さらに該酸化されたセルロースを湿式微粒化処理してナノファイバー化することによって製造することができる。
本発明で用いるN−オキシル化合物としては、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシラジカル(以下、TEMPOとする)、4−ヒドロキシTEMPO誘導体が好ましい。4−ヒドロキシTEMPO誘導体としては、4−ヒドロキシTEMPOの水酸基を炭素数4以下の直鎖或いは分岐状炭素鎖を有するアルコールでエーテル化するか、カルボン酸或いはスルホン酸でエステル化したものを使用することが好ましい。特に、炭素数が4以下であれば飽和、不飽和結合の有無に関わらず水溶性となり、酸化触媒として機能する。しかし、炭素数が5以上になると疎水性が顕著に向上し、水に不溶性となるため、酸化触媒としての機能を失う。
4−ヒドロキシTEMPO誘導体の使用量は、セルロース系原料をナノファイバー化できる触媒量であれば特に制限されない。例えば、絶乾1gのセルロース系原料に対して、0.01〜10mmol、好ましくは0.01〜1mmol、さらに好ましくは0.05〜0.5mmol程度である。
本発明のセルロース系原料の酸化方法は、前記4−ヒドロキシTEMPO誘導体と、並びに臭化物、ヨウ化物及びこれら混合物からなる群から選択される化合物の存在下で、酸化剤を用い水中にて行うことを特徴とするもので、これにより得られた酸化されたセルロース系原料は効率良くナノファイバー化することができる。この臭化物またはヨウ化物としては、水中で解離してイオン化可能な化合物、例えば、臭化アルカリ金属やヨウ化アルカリ金属などが使用できる。臭化物またはヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。例えば、絶乾1gのセルロース系原料に対して、0.1〜100mmol、好ましくは0.1〜10mmol、さらに好ましくは0.5〜5mmol程度である。
酸化剤としては、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸や過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物など、目的の酸化反応を推進し得る酸化剤であれば、いずれの酸化剤も使用できる。生産コストの観点から、使用する酸化剤として現在工業プロセスにおいて最も汎用されている安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムが好適である。酸化剤の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。例えば、絶乾1gのセルロース系原料に対して、0.5〜500mmol、好ましくは0.5〜50mmol、さらに好ましくは2.5〜25mmol程度である。
本発明で用いるセルロース系原料は特に限定されるものではなく、各種木材由来のクラフトパルプあるいはサルファイトパルプ、それらを高圧ホモジナイザーやミル等で粉砕した粉末状セルロースや酸加水分解などの化学処理により精製した微結晶セルロース粉末を使用できる。
本発明の方法は温和な条件であっても酸化反応を円滑に進行させることができるという特色がある。そのため、反応温度は15〜30℃程度の室温であってもセルロース系原料を効率良く酸化できる。なお、反応の進行に伴ってセルロースにカルボキシル基が生成し、反応液のpH低下が認められる。そのため、酸化反応を効率良く進行させるためには、反応液のpHを9〜12、好ましくは10〜11程度に維持することが望ましい。
本発明のセルロースナノファイバーは、前述の酸化処理されたセルロースを湿式微粒化処理して解繊処理することにより製造することができる。湿式微粒化処理を行う方法としては、例えば、高速せん断ミキサーや高圧ホモジナイザーなど公知の混合・攪拌、乳化・分散装置を必要に応じて単独もしくは2種類以上組合せて処理することによってセルロースナノファイバー化することができる。湿式微粒化処理装置としては、100MPa以上の圧送圧力を可能とする高圧ホモジナイザーの使用が好ましい。
本発明のセルロースナノファイバーは、幅2〜5nm、長さ1〜5μm程度のセルロースシングルミクロフィブリルである。また、カルボキシル基量としては0.5mmol/g以上であるものが望ましい。このセルロースナノファイバーは、紙に含有させると透気抵抗度を向上させることができるので、塗料の浸透抑制、バリア性の向上等の機能を付与することができる。また、紙に塗布または含浸すると平滑度を向上させることが可能となるので、印刷適性を向上させることができる。また、セルロースナノファイバーを紙基材に塗布または含浸して含有させた紙シートは、バリア性、耐熱性に優れた包装材料として使用することもできる。
本発明のセルロースナノファイバーから成る製紙用添加剤は、紙に内添してもよいし、外添してもよいが、外添の方がセルローナノファバーを紙表面付近に多く存在させることが可能であるため、透気抵抗度あるいは平滑度の向上を目的とする場合には望ましい。外添する方法としては、セルロースナノファイバーを含有する製紙用添加剤の水溶液を、2ロールサイズプレスコーター、ゲートロールコーター、ブレードメタリングコーター、ロッドメタリングコーター等の塗工機によって塗工するか、含浸すればよい。
本発明のセルロースナノファイバーから成る製紙用添加剤の好ましい含有量は、紙重量当たり0.1〜10重量%で、外添する場合は、片面当たりの塗布量として0.1〜10g/mである。
本発明のセルロースナノファイバーを含有する加工用原紙は公知の抄紙機にて製造されるが、その抄紙条件は特に規定されるものではない。抄紙機としては、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等が使用される。なお、多層紙や板紙を製造するには、円網式抄紙機が使用される。
本発明の加工用原紙は、1層の紙の他、2層以上の多層紙、板紙であってもよい。多層紙において、セルロースナノファイバーは少なくとも1層に含有させればよい。
本発明の加工用原紙は、パルプ成分として、化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)または未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP)または未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、機械パルプ(グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DIP)を単独または任意の割合で混合して使用する。また、必要に応じてケナフ、麻、竹等の非木材系のパルプ、ガラス繊維、ポリエチレン繊維等の、セルロース繊維以外の繊維材料を配合することも可能である。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。
パルプ叩解度はカナダ標準ろ水度で300ml以上500ml以下にすることが望ましい。カナダ標準ろ水度が300ml未満の場合、繊維間結合面積が多いため寸法安定性が悪く、また抄紙時のワイヤーパートにおいて脱水性が低下するので、抄紙速度が低下し生産性が悪化する。また、カナダ標準ろ水度が500mlを超えるとポーラスな原紙構造になるため、剥離剤の目止め層や剥離剤が基紙にしみ込みやすくなるため好ましくない。また、基紙の平滑性が低下するため、目止め層の塗工量も増加する。
加工用原紙の抄造に関しては、寸法安定性、剥離剤目止め性、離解性等の課題の品質に影響を与えない範囲で、紙力増強剤、定着剤、歩留り向上剤、染料などの内添薬品及び、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、水酸化アルミニウムなどの内添填料を添加することが可能である。
本発明の加工用原紙の目止め層に使用するバイダーとしては、トルエンに対するゲル含量が80%以上であるラテックスを使用することが好ましい。ラテックスとしては、スチレンブタジエン系共重合体ラテックス、アクリルニトリルブタジエン系共重合体ラテックス、酢酸ビニル系共重合体ラテックスなどの各種ラテックスを用いることができる。ゲル含量が80%未満では、溶剤シリコーンなど溶剤系の剥離剤液を塗布する際における剥離剤液中のトルエンやヘキサン等に対する原紙の耐溶剤性が不足するため溶剤により目止め層が劣化し、剥離剤の目止め性が低下して剥離剤が基紙に浸透して剥離性が低下する。また、炭素繊維プリプレグや合成皮革の工程紙として使用した場合、炭素繊維プリプレグに含浸する樹脂、あるいは合成皮革に用いる合成樹脂はトルエンやジメチルホルムアルデヒドなどの溶剤で希釈してあるため、溶剤による目止め層の劣化により目止め層が剥離しやすくなり、繰り返し使用回数が減少し、目止め層の転移による炭素繊維プリプレグや合成皮革の外観不良となる。
また、本発明の加工用原紙の目止め層において、ラテックスは顔料100重量部に対して15〜45重量部配合することが好ましく、より好ましくは20〜35重量部である。15重量未満の場合、顔料と顔料の間にラテックス樹脂を充分に充填することができず微細な空隙が発生するので剥離剤液が目止め層および基紙内部への浸透を抑制できない。従って、均一な剥離層を得るために高価な剥離剤の塗工量を増加させなければならないのでコストアップになる。また、45重量部を超える場合、造膜性の良い合成ラテックスの比率が高すぎるので、剥離紙として使用した後の再利用に際する、パルパーによる離解性が劣るため、製紙原料として再利用することが困難になる。また、ラテックスが多すぎると加工用原紙表面のベタツキをより助長するため、巻取保管時にブロッキングを起こす可能性があり好ましくない。
本発明のの加工用原紙の目止め層に使用する顔料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、ホワイトカーボン、サチンホワイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏、水酸化アルミニウム、焼成カオリン、デラミネーテッドカオリン、シリカ、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、亜硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムなどの無機顔料やプラスチックピグメントなどの有機顔料等を1種以上使用される。
本発明に使用する接着剤としては、上記の特定のゲル含量を有するラテックス以外に、耐溶剤性を損なわない範囲でカゼイン、大豆蛋白や合成蛋白、ポリビニルアルコール、酸化デンプン、エステル化デンプン等のデンプン類、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体澱粉、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、スチレン−アクリル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン等の中から適宜選択して使用することができ、1種以上を併用しても良い。
目止め層の塗工量は7g/m以上20g/m以下の範囲であることが好ましい。塗工量が7g/m未満であると基材表面のパルプ繊維間の空隙を完全に目留めすることが出来ないため、剥離剤の基材内部への浸透を抑えることが出来ない。また、塗工量が20g/mを超えても塗工量の増加に伴う品質の向上が期待できないので不経済である上、塗工面のベタツキや離解再生性の観点からも好ましくない。
本発明の目止め層には、分散剤、離型剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、防腐剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤を含有させても良い。離型剤としてはステアリン酸カルシウム等脂肪酸若しくは高級脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミド、高級アルコール、ワックスエマルジョン、ポリエチレンエマルジョン、ノニオン系界面活性剤等を使用することができる。
基紙に目止め層液を塗工する方式としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、コンマコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター等の公知の塗工機を用いた方法の中から適宜選択することができる。
本発明の加工用原紙の坪量は、50g/m以上200g/m以下が好ましい。50g/m未満では、紙腰、強度が低下するため、使用時に断紙やシワが発生しやすくなる。200g/mを越えると抄紙時の乾燥負荷が増すため生産性が低下し好ましくない。
本発明の加工用原紙の寸法安定性として、加熱後の伸び率が0.7%以下であることが好ましい。0.7%を越える場合、製造時の加熱工程で炭素繊維プリプレグや合成皮革が工程紙から浮き上がって工程紙とプリプレグ、合成皮革との間でボコツキが発生してしまう。
本発明の加工用原紙は、剥離剤の目止め性として、王研透気抵抗度が4000秒以上あることが好ましい。4000秒未満では、溶剤系の剥離剤を使用した際の目止め性が不足する。
加工用原紙を離型シートに加工するために使用する剥離剤としては、シリコーン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂など既知の剥離剤を用いる事ができる。また、溶剤系、無溶剤系いずれも用いることができる。これらの剥離剤を加工用原紙に塗工する方法としては、マルチロールコーター、グラビアコーター等が使用される。この場合の塗工量は0.5〜2.0g/m程度、より好ましくは0.5〜1.5g/m程度の範囲で適宜調節される。なお、塗工量が0.5g/m未満では剥離剤層としての作用効果に劣り、2.0g/mを越えると経済的な面から実用性に乏しい。
本発明の加工用原紙は、特に工程紙用の基材に適しているが、一般印刷用途、袋用途粘着ラベル用途等、その他の用途にも利用することができる。
本発明の加工用原紙は、工程紙の中でも特に炭素繊維プリプレグ用工程紙の基材に適しているが、合成皮革、セラミックシート、マジックフィルム等の工程紙の基材にも利用できる。
以下に実施例にて本発明をより詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
<セルロースナノファイバーの製造>
粉末セルロース(日本製紙ケミカル(株)製、粒径24μm)15g(絶乾)を、TEMPO(Sigma Aldrich社)78mg(0.5mmol)と臭化ナトリウム755mg(5mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、粉末セルロースが均一に分散するまで攪拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素5%)50ml添加した後、0.5N塩酸水溶液でpHを10.3に調整し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHは低下するが、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。2時間反応した後、遠心操作(6000rpm、30分、20℃)で酸化した粉末セルロースを分離し、十分に水洗することで酸化処理した粉末セルロースを得た。酸化処理した粉末セルロースの2%(w/v)スラリーをミキサーにより12,000rpm、15分処理し、さらに粉末セルローススラリーを超高圧ホモジナイザーにより140MPaの発送圧力で5回処理したところ、透明なゲル状分散液が得られた。得られた2%(w/v)のセルロースナノファイバー分散液のB型粘度(60rpm、20℃)は890mPa・sであった。
[実施例1]
炭素繊維プリプレグ用工程紙原紙(日本製紙(株)製、坪量80g/m)に上記のセルロースナノファイバー分散液を2ロールサイズプレス装置にて塗布量を変えて塗布した。
[比較例1]
実施例2で使用した炭素繊維プリプレグ用工程紙原紙に水のみを2ロールサイズプレス装置にて塗布した。
[比較例2]
実施例2で使用した炭素繊維プリプレグ用工程紙原紙に酸化澱粉(商品名:SK200、日本コーンスターチ(株)製)の水溶液を2ロールサイズプレス装置にて塗布量を変えて塗布した。
[比較例3]
実施例2で使用した炭素繊維プリプレグ用工程紙原紙にポリビニルアルコール(商品名:PVA117、(株)クラレ製)の水溶液を2ロールサイズプレス装置にて塗布量を変えて塗布した。
実施例1(CNF)、比較例1(ブランク)、比較例2(澱粉)、比較例3(PVA)にて作成した紙の平滑度、透気抵抗度を測定し、結果を図1、2に示した。平滑度、透気抵抗度:Japan TAAPI 紙パルプ試験方法 No.5-2:2000に従い、王研式平滑度透気度試験器により測定した。
また、図1に示されるように本願発明のセルロースナノファイバーを塗布した工程紙原紙は、酸化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースを塗布した工程紙原紙と比較すると平滑度は同等であり、顕著に透気抵抗度が向上した。
実施例1(CNF)、比較例2(ブランク)、比較例3(澱粉)、比較例4(PVA)にて作成した紙の平滑度を測定した結果のグラフである。 実施例1(CNF)、比較例2(ブランク)、比較例3(澱粉)、比較例4(PVA)にて作成した紙の透気抵抗度を測定した結果のグラフである。

Claims (5)

  1. 濃度2%のB型粘度(60rpm、20℃)が500〜2000mPa・sであるセルロースナノファイバーからなる製紙用添加剤を含有する加工用紙用原紙。
  2. 前記セルロースナノファイバーが、セルロース系原料に、N−オキシル化合物、並びに臭化物、ヨウ化物又はこれらの混合物の存在下で、酸化剤を添加し、水中にて前記セルロース系原料を処理して酸化されたセルロースを調製し、該酸化されたセルロースを湿式微粒化処理してナノファイバー化されたものであることを特徴とする請求項1記載の加工用紙用原紙。
  3. 請求項1ないし2記載の加工用紙用原紙の少なくとも片面に顔料及び接着剤を主成分とする目止め層を設けたことを特徴とする加工用紙用原紙。
  4. 産業用工程紙原紙として使用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加工用紙用原紙。
  5. 剥離紙原紙として使用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加工用紙用原紙。
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