JP2009242768A - 光線反射塗料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い熱遮蔽性や効果的な光線反射を実現できる光線反射塗料を提供すること。
【解決手段】体積平均粒径が0.05μm〜5μmでありシリカ及びチタニアの混合物から構成される一次粒子を造粒して得られる、体積平均粒径が1μm〜50μmで不揮発分全体の質量を基準として20質量%以上含有する二次粒子顔料を有し、前記二次粒子顔料は、揮発分蒸発後に、前記一次粒子間に形成された空隙のうちの少なくとも一部(望ましくは5体積%以上)が気体にて充填されていることを特徴とする。前記一次粒子を構成する無機材料としてはその他にもシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、ガラス粉末(屈折率1.45〜2.0)、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選択される1種以上の材料にすることもできる。
【選択図】図5

Description

本発明は、効果的に光線を反射することができる光線反射塗料及びその製造方法に関する。
近年、省エネ意識の高まりや、法規制の強化などにより、エネルギー効率の向上が望まれている。そこで、各種建築物、車両などの冷房効率化、遮熱化を目的として、太陽光に含まれる赤外線を反射する熱遮蔽性塗料が提案されている(特許文献1など)。
また、壁面や案内板、表示板、交通標識、トンネル内の壁面などにおいて効果的に光線反射を行うことができる光線反射塗料が求められている。
特開2006−335949号公報
本発明は上記実情に鑑み為されたものであり、高い熱遮蔽性や効果的な光線反射を実現できる光線反射塗料及びその製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係る光線反射塗料の特徴は、体積平均粒径が0.05μm〜5μmであり無機材料から構成される一次粒子を造粒して得られる、体積平均粒径が1μm〜100μmで不揮発分全体の質量を基準として10質量%以上含有する二次粒子顔料を有し、
前記二次粒子顔料は、揮発分蒸発後に、前記一次粒子間に形成された空隙のうちの少なくとも一部が気体にて充填されていることにある。
上記課題を解決する請求項2に係る光線反射塗料の特徴は、請求項1において、
前記一次粒子間に形成された空隙のうち5体積%以上が気体にて充填されていることにある。
上記課題を解決する請求項3に係る光線反射塗料の特徴は、請求項1又は2において、前記一次粒子を構成する無機材料が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、ガラス粉末(屈折率1.45〜2.0)、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選択される1種以上の材料であることにある。
上記課題を解決する請求項4に係る光線反射塗料の特徴は、請求項1〜3の何れか1項において、前記一次粒子を構成する無機材料がチタニア及びシリカであることにある。
上記課題を解決する請求項5に係る光線反射塗料の特徴は、請求項1〜4の何れか1項において、前記二次粒子顔料が、波長780nm以上の赤外線に対する吸収率が波長780nm未満の可視光に対する吸収率よりも低い、染料及び/又は顔料である着色料を内部又は表面に有することにある。
上記課題を解決する請求項6に係る光線反射塗料の特徴は、請求項1〜5の何れか1項において、水系エマルジョン樹脂又は非水分散型樹脂からなるバインダーを含み、前記二次粒子顔料を分散する分散媒を有することにある。
上記課題を解決する請求項7に係る光線反射塗料の特徴は、請求項6において、前記バインダーは前記二次粒子顔料内に実質的に存在しないことにある。
上記課題を解決する請求項8に係る光線反射塗料の特徴は、体積平均粒径が0.05μm〜5μmであり無機材料から構成される一次粒子から、体積平均粒径が1μm〜100μmの二次粒子顔料を造粒する造粒工程を有することにあり、前記二次粒子顔料が不揮発分全体の質量を基準として10質量%以上含有される光線反射塗料に係るものである。
請求項1に係る発明においては、一次粒子を構成する無機材料とは屈折率が大きく異なる気体が充填されている空隙がその一次粒子間に形成されていることから、入射した光線はその一次粒子と空隙との界面で屈折乃至反射することになり、効果的な光線反射(散乱)を実現することができる光線反射塗料になっている。特に、一次粒子及び二次粒子顔料の粒径をこの範囲にすることにより、光線が効果的に散乱されることになる。
請求項2に係る発明においては、前記一次粒子間に形成された空隙のうち5体積%以上が気体にて充填されていることにより、特に、高い光線反射作用を発揮するものである。
請求項3に係る発明においては、一次粒子を構成する無機材料として上述の材料を選択することにより、バインダとして含むことがある樹脂や空隙に充填されている気体との屈折率の差が大きくなって効果的に光線を反射乃至散乱することができる。
請求項4に係る発明においては、一次粒子を構成する無機材料としてチタニアとシリカとの組み合わせを採用することにより、より高い光線反射率を実現することができる。
請求項5に係る発明においては、所定の波長範囲における吸収率が低い(高い)着色料を有することにより、所定の波長範囲の光線については吸収した上で、その他の波長範囲における光線は反射できる光線反射塗料にすることができる。
請求項6に係る発明においては、二次粒子顔料を分散する分散媒として、水系エマルジョン樹脂又は非水分散型樹脂からなるバインダーを有することにより、二次粒子顔料内にバインダーが侵入せずに空隙内に気体が充填された状態を維持することが容易になる。特に請求項7のように、空隙内にバインダが侵入していない構成が望ましい。
請求項8に係る発明においては、一次粒子から二次粒子顔料を造粒する造粒工程を有することにより、より多くの気体を一次粒子間に含む二次粒子顔料を得ることが可能にあって、より高い光線反射作用を発揮することができる光線反射塗料とすることができる。
本発明の光線反射塗料及びその製造方法について以下詳細に説明を行う。本実施形態の光線反射塗料は二次粒子顔料とその他必要な部材とを有する。その他必要な部材としては一般的に塗料組成物中に含有されるビヒクルを構成する材料が挙げられる。例えば、二次粒子顔料を分散する分散媒(水系、非水系を問わない)が例示できる。分散媒中には、塗膜を形成したり二次粒子顔料を結着するバインダーや、可塑剤、レベリング剤、乾燥剤、希釈剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、増粘剤、沈降防止剤、たれ防止剤、消泡剤、色分れ防止剤、硬化剤・硬化促進剤、耐火・防火剤、防かび・防藻剤、抗菌剤、金属表面処理剤や脱さび剤、皮膜化成剤などの各種表面処理剤などを含有することができる。また、その他にも適宜、必要に応じた部材を採用可能である。
二次粒子顔料は一次粒子を造粒して得られる粒子である。二次粒子を構成する一次粒子の間に形成された空隙は、揮発分が蒸発した後において、気体(例えば空気)が充填されていることが望ましい。気体が充填されていると一次粒子との間における屈折率の差が大きくなって効果的に光線が反射する。空隙中に気体を充填した状態で保つには、例えば、二次粒子顔料を分散する分散媒として、二次粒子顔料内の空隙に不揮発分が侵入し難い(望ましくは侵入できない)もの(例えば、二次粒子顔料の表面に対して親和性が低いもの、空隙に侵入するには表面張力が大きいもの、不揮発分が分散媒中で空隙よりも粒径が大きいもの)を選択することにより実現できる。例えば、不揮発分の大きさが分散媒中にて空隙よりも大きい形態を実現する方法として、分散媒中にバインダーを含有しており、そのバインダーが水系エマルジョン樹脂であったり、非水分散型樹脂(NAD)からなる形態が採用できる。具体的には水系エマルジョン樹脂としてアクリル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド・ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂が例示でき、NADとしてはアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂が例示できる。
本実施形態の光線反射塗料は、最終的に形成される塗膜中において、二次粒子顔料中における空隙のうちの5体積%以上に気体が充填されていることが望ましく、特に、20体積%以上(更には50体積%以上)気体が充填されていることが望ましい。気体としては空気が例示できる。
二次粒子顔料は、体積平均粒径が1μm〜100μmである。粒径がこの範囲内にあると可視光から赤外光に至るまでの光線を効果的に反射することができる。粒径としては反射することを望む光線の波長によっても変化する。また、最終的に形成される塗膜の性能(外観を含む)を維持するためにも上記範囲内にする。体積平均粒径は、上記性能を向上するため、5μm以上であることがより望ましい。また、50μm以下であることがより望ましい。
二次粒子顔料は球形度が0.9以上であることが望ましく、0.95以上、さらには0.98以上であることがより望ましい。球形度は1に近づく程、真球に近いことを表しており、その測定は、SEMで写真を撮り、その観察される粒子の面積と周囲長から、(真球度)={4π×(面積)÷(周囲長)}で算出される値として算出する。1に近づくほど真球に近い。具体的には画像処理装置(シスメックス株式会社:FPIA−3000)を用いて100個の粒子について測定した平均値を採用する。
二次粒子顔料は本実施形態の光線反射塗料中に含まれる不揮発分全体の質量を基準として10質量%以上含有し、特に30質量%以上含有することが望ましい。不揮発分の質量は本実施形態の光線反射塗料が使用される条件下において蒸発する揮発分を除いて算出する。
二次粒子顔料は、着色料を有することができる。着色料は二次粒子顔料の内部にまで含有させたり、表面を被覆するように含有させたりすることができる。内部にまで含有させる場合には後述する造粒の工程において着色料を混在させることで実現できる。また、表面を被覆するためには、二次粒子顔料を造粒した後に、着色料をそのまま、又は、何らかのバインダーと共に処理することにより表面を被覆することができる。着色料としては必要な発色が得られるように、1又は2種以上の着色料を用いることができる。特に、780nm以上と780nm未満とで光線の吸収率が異なる材料を採用することで、赤外線領域を選択的に吸収し可視光領域を反射する着色料(780nm以上の吸収率が高い)としたり、赤外線領域を選択的に反射し可視光領域を収集する着色料(780nm未満の吸収率が高い)としたりすることができる。このような特性は2種以上の着色料を混合することで実現しても良い。ここで、吸収率とは、二次粒子顔料中に含有させた状態で且つ光線反射塗料から塗膜を形成した状態にて測定した値を採用し、塗膜から反射した光線について測定する。
二次粒子顔料は、転動造粒法、攪拌造粒法、押出造粒法、振動造粒法、流動造粒法、噴霧乾燥造粒法、圧縮造粒法、解砕造粒法など一般的な造粒方法により得ることができる。その中でも、噴霧乾燥造粒法を採用することが望ましい。噴霧乾燥法を行う際には一次粒子を単独で何らかの分散媒中に分散させて行っても良いし、更に何らかのバインダーを加えても良い。
一次粒子は無機材料から構成される。採用できる無機材料としては特に限定されず、酸化物、窒化物、炭化物などが採用できる。特に反射することを望む波長の光線に対してある程度透明であることが望ましい。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、ガラス粉末(望ましくは屈折率1.45〜2.0)、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選択される1種以上の材料であることが望ましい。特にシリカ、チタニアを採用することが望ましい。シリカとチタニアとは組み合わせて用いることも可能である。
一次粒子は体積平均粒径が0.05μm〜5μmである。粒径がこの範囲内にあると可視光から赤外光に至るまでの光線を効果的に反射することができる。粒径としては反射することを望む光線の波長によっても変化する。また、最終的に形成される塗膜の性能を維持するためにも上記範囲内にする。体積平均粒径は、上記性能を向上するため、特に5μm以上であることがより望ましい。また、本実施形態の光線反射塗料から形成される塗膜の美観向上の観点からは50μm以下であることがより望ましい。
一次粒子の形状は特に限定されず、球形または不定形のものを用いることができる。一次粒子が球形の場合には球形度が0.9以上であることができ、0.95以上、さらには0.98以上であることができる。
球形の一次粒子を製造する方法としては、酸化炎中などに金属粉末を投入して燃焼させることにより酸化させて金属酸化物を得る方法(爆燃法)、無機材料の粉末を火炎中に投入して熔融させることにより球状化させた後、に冷却・固化させる火炎熔融法、ゾルゲル法、水ガラス法などを挙げることができる。これらの方法は得られる一次粒子に求められる粒径や純度に応じて選択することができる。サブマイクロメートルオーダーからマイクロメートルオーダー程度の比較的大きな粒径をもつ一次粒子を製造する場合にはVMC法や火炎熔融法を採用することが望ましく、それより小さな粒径をもつ一次粒子を製造する場合にはゾルゲル法や水ガラス法を採用することが望ましい。また、純度の向上はVMC法やゾルゲル法を採用した方が容易である。
不定形の一次粒子を製造する方法としては破砕により得られる。破砕の方法としては特に限定しない。例えば、無機材料を適正な粉砕機により適正な粒径となるまで粉砕する方法が例示できる。粉砕機としてはボールミル、振動ボールミル、ジェットミル、遊星ミルなどの一般的な粉砕機が採用できる。
(塗料組成物の調製)
・二次粒子顔料の調製
一次粒子として、球状シリカ(アドマテックス製:アドマファイン25R:体積平均粒径0.5μm)、球状アルミナ(アドマテックス製:アドマファインAO−502:体積平均粒径0.7μm)、不定形チタニア(境化学製:R−5N:体積平均粒径0.26μm)を用いた。
この一次粒子を用いて、球状シリカのみ(試料1)、球状アルミナのみ(試料2)、不定形チタニアのみ(試料3)、球状シリカ及び不定形チタニアの質量比1:1の混合物(試料4)についてそれぞれ造粒を行い二次粒子顔料を調製した。造粒条件は分散媒として水を用い、50質量%で分散した分散液を噴霧乾燥(入り口温度200℃、出口温度90℃、流速1.0m/分、分散液供給速度30 mL/分)とした。それぞれ得られた二次粒子顔料の体積平均粒径は、球状シリカのみのものが8.7μm、球状アルミナのみのものが4.9μm、不定形チタニアのみのものが3.9μm、球状シリカ及び不定形チタニアの混合物が4.4μmであった。試料1についてSEM写真を図1に示す。図1より明らかなように非常に高い球形度をもつ二次粒子顔料が得られた。
そのままの一次粒子についても試料とした(球状シリカ(試料5)、球状アルミナ(試料6)、不定形チタニア(試料7)、球状シリカ及び不定形チタニアの質量比1:1の混合物(試料8))。
それぞれの試料を用いて試験例の光線反射塗料を調製した。光線反射塗料は対応する試料を30gと分散媒としての市販塗料(関西ペイント製:アレスセラマイルド(NADアクリル塗料:白色))を30gと希釈剤としての塗料用シンナーを10〜30質量%とを混合して調製した。混合は遊星式撹拌機にて行った。得られた光線反射塗料をバーコータにて300μmの厚みで隠ぺい率試験紙(日本テストパネル株式会社製)上に塗布した後、60℃で2時間乾燥した。得られた塗膜について分光光度計にて光線の反射率を測定した。試料を混合していない分散媒単独についても基材上に塗布、乾燥後光線の反射率を測定した(対照試料)。結果を図2〜5に示す。
図2より明らかなように、試料1(球状シリカを造粒した二次粒子顔料を混合)と試料5(シリカをそのまま一次粒子として混合)と対照試料とについて比較した結果、造粒後の試料1が造粒していない試料5と比較して全体的に高い反射率を示した。
図3より明らかなように、試料2(球状アルミナを造粒した二次粒子顔料を混合)と試料6(アルミナをそのまま一次粒子として混合)と対照試料とについて比較した結果、造粒後の試料2が造粒していない試料6と比較して全体的に高い反射率を示した。
図4より明らかなように、試料3(不定形チタニアを造粒した二次粒子顔料を混合)と試料7(チタニアをそのまま一次粒子として混合)と対照試料とについて比較した結果、造粒後の試料3が造粒していない試料7と比較して全体的に高い反射率を示した。
図5より明らかなように、試料4(球状シリカ及び不定形チタニアの混合物を造粒した二次粒子顔料を混合)と試料8(球状シリカ及び不定形チタニアの混合物をそのまま一次粒子として混合)と対照試料とについて比較した結果、造粒後の試料4が造粒していない試料8と比較して全体的に高い反射率を示した。
また、試料1、3及び4を比較すると、シリカ及びチタニアをそれぞれ単独で混合するよりも、双方の混合物からなる二次粒子顔料を含有させた方が高い反射率を示すことが明らかになった。
更に、球状シリカを造粒して製造した二次粒子顔料の含有量を30質量%(試料9)、10質量%(試料10)とした以外は試料2と同様の製造方法にて試料について光線反射率を同様にして測定した。結果を図6に示す。図6から明らかなように、二次粒子顔料の含有量の増加に伴い光線反射率も大きくなることが判った。特に、二次粒子顔料の含有量が10%から30%に至る間で飛躍的に光線反射率が高くなることが判った。すなわち、二次粒子顔料の含有量としては10質量%以上にすることができ、効果向上の観点からは10質量%超、更には30質量%以上にすることが望ましい。
また、形状による比較として不定形シリカ(アドマテックス製:MC4000:体積平均粒径0.9μm)(試料11)を用いて上記と同様に二次粒子を作製した(試料12:体積平均粒径6.7μm)。試料11及び12について、NAD塗料に30質量%混合して日射反射率の測定を行った。試料1及び5を混合した塗料についても測定を行った。−日射反射率の測定は分光光度計を用い、JISR3106に従い測定した。結果を表1に示す。
表1から分かるように、日射反射率は1次粒子の形状によらず効果があることが判った。すなわち、基材として採用したNAD塗料と比較して二次粒子を混合・分散させた試料1、5、11、及び12は1〜2%程度、日射反射率が向上している。日射反射率に代えて日射を吸収する程度として評価すると、NAD塗料では12.4%の日射を吸収するのに対し、試料1、5、11、及び12では10%〜11%程度となった。
実施例にて用いた二次粒子顔料(試料1)のSEM写真である。 シリカを用いた試料について造粒前後の光線反射率を示したグラフである。 アルミナを用いた試料について造粒前後の光線反射率を示したグラフである。 チタニアを用いた試料について造粒前後の光線反射率を示したグラフである。 シリカ及びチタニアの混合物を用いた試料について造粒前後の光線反射率を示したグラフである。 造粒したシリカを用いた試料について光線反射率の造粒物含有量依存性を示したグラフである。

Claims (8)

  1. 体積平均粒径が0.05μm〜5μmであり無機材料から構成される一次粒子からなり、体積平均粒径が1μm〜100μmで不揮発分全体の質量を基準として10質量%以上含有する二次粒子顔料を有し、
    前記二次粒子顔料は、揮発分蒸発後に、前記一次粒子間に形成された空隙のうちの少なくとも一部が気体にて充填されていることを特徴とする光線反射塗料。
  2. 前記一次粒子間に形成された空隙のうち5体積%以上が気体にて充填されている請求項1に記載の光線反射塗料。
  3. 前記一次粒子を構成する無機材料は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、ガラス粉末(屈折率1.45〜2.0)、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムからなる群から選択される1種以上の材料である請求項1又は2に記載の光線反射塗料。
  4. 前記一次粒子を構成する無機材料はチタニア及びシリカである請求項1〜3の何れか1項に記載の光線反射塗料。
  5. 前記二次粒子顔料は、波長780nm以上の赤外線に対する吸収率が波長780nm未満の可視光に対する吸収率よりも低い、染料及び/又は顔料である着色料を内部又は表面に有する請求項1〜4の何れか1項に記載の光線反射塗料。
  6. 水系エマルジョン樹脂又は非水分散型樹脂からなるバインダーを含み、前記二次粒子顔料を分散する分散媒を有する請求項1〜5の何れか1項に記載の光線反射塗料。
  7. 前記バインダーは前記二次粒子顔料内に実質的に存在しない請求項6に記載の光線反射塗料。
  8. 体積平均粒径が0.05μm〜5μmであり無機材料から構成される一次粒子から、体積平均粒径が1μm〜100μmの二次粒子顔料を造粒する造粒工程を有することを特徴とする、
    前記二次粒子顔料が不揮発分全体の質量を基準として10質量%以上含有される光線反射塗料の製造方法。
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