JP2009242240A - 含ホウ素キナゾリン誘導体 - Google Patents
含ホウ素キナゾリン誘導体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】EGFRやVEGFR2等のチロシンキナーゼ活性阻害作用を有し、抗腫瘍剤として有用な化合物の提供。
【解決手段】式(1)の含ホウ素キナゾリン誘導体または薬学的に許容されるその塩。
[R1,R2は水素原子、アルコキシ基、−O−(CH2)n−OCH3、−X−B−(OR6)(OR7)等;R3,R4は水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基,ハロゲン原子;R5は水素原子,−B(OR8)(OR9);Dは−O−,−NH−。R5が水素原子の場合、R1,R2の一方が−B(OR6)(OR7)を示し、R5が−B(OR8)(OR9)の場合、連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合する。]
【選択図】なし
【解決手段】式(1)の含ホウ素キナゾリン誘導体または薬学的に許容されるその塩。
[R1,R2は水素原子、アルコキシ基、−O−(CH2)n−OCH3、−X−B−(OR6)(OR7)等;R3,R4は水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基,ハロゲン原子;R5は水素原子,−B(OR8)(OR9);Dは−O−,−NH−。R5が水素原子の場合、R1,R2の一方が−B(OR6)(OR7)を示し、R5が−B(OR8)(OR9)の場合、連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合する。]
【選択図】なし
Description
本発明は、新規なキナゾリン誘導体に関し、詳細には抗腫瘍剤として有用な含ホウ素キナゾリン誘導体に関する。
受容体型チロシンキナーゼファミリーの一つである上皮成長因子受容体(EGFR)の発現レベルおよびその発現頻度は、腫瘍細胞では正常細胞よりも高く、頭頸部癌、乳癌、大腸癌、前立腺癌、腎癌、子宮癌、卵巣癌、および膀胱癌など多くの固形癌で過剰に発現していること、並びにこれらがしばしば癌の予後と密接に関連することが知られている(非特許文献1)。このEGFRへのリガンドの結合により活性化される増殖シグナルの伝達は、腫瘍の不死化、血管新生、浸潤および転移とも深く関わることが知られており、EGFRを含むシグナル伝達に関わる分子は、癌治療における新しい標的分子の一つとして考えられている。例えば4−アニリノキナゾリンを母核とする化合物は、EGFR阻害作用を持ち、腫瘍増殖抑制作用を有することが知られている(非特許文献2等)。
一方、癌が増大するためには、酸素や栄養源を運ぶ癌新生血管が必要である。まず、癌細胞から血管内皮細胞成長因子(VEGF)や塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)などの成長ホルモンが産生され、これに刺激を受けた血管内皮はマトリクスメタロプロテアーゼ(MMPs)やウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)を産生し、血管を裏打ちしている基底膜を分解する。間質へ遊走した血管内皮細胞は、管腔を形成し、新生血管を構築する。この新生血管が癌細胞に酸素や栄養源を補給し、癌の浸潤を促す。VEGFは強力な血管内皮遊走因子のみならず、内皮細胞の増殖、管腔の形成にも関っていることが知られており(非特許文献3)、VEGF受容体(VEGFR)を標的とした薬剤の探索も進められている(非特許文献4〜5等)。
これらの受容体を標的とした薬剤は盛んに探索が進められており、高い選択性を有し、かつ優れた効果を有する薬剤の開発が待たれている。
Invest. New Drugs, 17, 259-269, 1999 Bull Cancer, 87(12), 873-876, 2000 J. Cell Biol., 129, 895-898, 1995 J. Med. Chem., 45, 1300-1312, 2002 J. Med. Chem., 48, 1359-1366, 2005
Invest. New Drugs, 17, 259-269, 1999 Bull Cancer, 87(12), 873-876, 2000 J. Cell Biol., 129, 895-898, 1995 J. Med. Chem., 45, 1300-1312, 2002 J. Med. Chem., 48, 1359-1366, 2005
本発明の目的は、高い選択性を有するチロシンキナーゼ阻害能を有する、抗腫瘍剤を提供することを目的とする。
そこで本発明者は、種々の化合物を合成し、チロシンキナーゼ活性阻害作用を指標として探索してきた結果、下記式(1)で表される含ホウ素キナゾリン誘導体が優れたチロシンキナーゼ活性阻害作用を有し、抗腫瘍剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1)
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子、アルコキシ基、−O−(CH2)n−OCH3(nは1〜10の整数を示す)、
(mは1〜10の整数を示す)
、
、
(pは1〜10の整数を示す)
または−X−B−(OR6)(OR7)(式中、Xは単結合、−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
または−X−B−(OR6)(OR7)(式中、Xは単結合、−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
を示し、R6およびR7は水素原子を示すか、またはOR6とOR7とが互いに連結して隣接するホウ素原子とともに置換基を有していてもよいホウ素含有複素環基を形成する)を示し;
R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し;
R5は水素原子または−B(OR8)(OR9)(式中、R8およびR9はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を示すか、またはOR8とOR9とが互いに連結して隣接するホウ素原子とともに置換基を有していてもよいホウ素含有複素環基を形成する。)を示し;
Dは−O−または−NH−を示す。
ただし、R5が水素原子を示すとき、R1またはR2はアルコキシ基、−O−(CH2)n−OCH3(nは前記定義に同じ)、
R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し;
R5は水素原子または−B(OR8)(OR9)(式中、R8およびR9はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を示すか、またはOR8とOR9とが互いに連結して隣接するホウ素原子とともに置換基を有していてもよいホウ素含有複素環基を形成する。)を示し;
Dは−O−または−NH−を示す。
ただし、R5が水素原子を示すとき、R1またはR2はアルコキシ基、−O−(CH2)n−OCH3(nは前記定義に同じ)、
(mは前記定義に同じ)
、
、
(pは前記定義に同じ)
または−B−(OR6)(OR7)(式中、R6およびR7は前記定義に同じ)を示す。またR5が−B(OH)2を示し、かつDが−NH−を示すとき、R1およびR2はともにメトキシ基を示さないものとする。
なお、R5が水素原子を示すとき、R1およびR2の少なくともいずれか一方は−B(OR6)(OR7)を示すものとし、またR5が−B(OR8)(OR9)を示すとき、連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合するものとする。]
で表される含ホウ素キナゾリン誘導体または薬学的に許容されるその塩を提供するものである。
または−B−(OR6)(OR7)(式中、R6およびR7は前記定義に同じ)を示す。またR5が−B(OH)2を示し、かつDが−NH−を示すとき、R1およびR2はともにメトキシ基を示さないものとする。
なお、R5が水素原子を示すとき、R1およびR2の少なくともいずれか一方は−B(OR6)(OR7)を示すものとし、またR5が−B(OR8)(OR9)を示すとき、連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合するものとする。]
で表される含ホウ素キナゾリン誘導体または薬学的に許容されるその塩を提供するものである。
また、本発明は、下記式(1)、
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子、アルコキシ基、−O−(CH2)n−OCH3(nは1〜10の整数を示す)、
(mは1〜10の整数を示す)
、
、
(pは1〜10の整数を示す)
または−X−B−(OR6)(OR7)(式中、Xは単結合、−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
または−X−B−(OR6)(OR7)(式中、Xは単結合、−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
を示し、R6およびR7は水素原子を示すか、またはOR6とOR7とが互いに連結して隣接するホウ素原子とともに置換基を有していてもよいホウ素含有複素環基を形成する)を示し、
R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、
R5は水素原子または−B(OR8)(OR9)(式中、R8およびR9はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を示すか、またはOR8とOR9とが互いに連結して隣接するホウ素原子とともに置換基を有していてもよいホウ素含有複素環基を形成する。)を示し、
Dは−O−または−NH−を示す。
ただし、R5が水素原子を示すとき、R1またはR2は−X’−B−(OR6)(OR7)(式中、X’は−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、
R5は水素原子または−B(OR8)(OR9)(式中、R8およびR9はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を示すか、またはOR8とOR9とが互いに連結して隣接するホウ素原子とともに置換基を有していてもよいホウ素含有複素環基を形成する。)を示し、
Dは−O−または−NH−を示す。
ただし、R5が水素原子を示すとき、R1またはR2は−X’−B−(OR6)(OR7)(式中、X’は−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
を示し、R6およびR7は前記定義に同じ)を示さないものとする。
なお、R5が水素原子を示すとき、R1およびR2の少なくともいずれか一方は−B(OR6)(OR7)を示すものとし、またR5が−B(OR8)(OR9)を示すとき、連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合するものとする。]
で表される含ホウ素キナゾリン誘導体または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される担体を含有してなる医薬組成物を提供するものである。
なお、R5が水素原子を示すとき、R1およびR2の少なくともいずれか一方は−B(OR6)(OR7)を示すものとし、またR5が−B(OR8)(OR9)を示すとき、連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合するものとする。]
で表される含ホウ素キナゾリン誘導体または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される担体を含有してなる医薬組成物を提供するものである。
さらに本発明は、下記式(1)、
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子、アルコキシ基、−O−(CH2)n−OCH3(nは1〜10の整数を示す)、
(mは1〜10の整数を示す)
、
、
(pは1〜10の整数を示す)
または−X−B−(OR6)(OR7)(式中、Xは単結合、−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
または−X−B−(OR6)(OR7)(式中、Xは単結合、−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
を示し、R6およびR7は水素原子を示すか、またはOR6とOR7とが互いに連結して隣接するホウ素原子とともに置換基を有していてもよいホウ素含有複素環基を形成する)を示し、
R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、
R5は水素原子または−B(OR8)(OR9)(式中、R8およびR9はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を示すか、またはOR8とOR9とが互いに連結して隣接するホウ素原子とともに置換基を有していてもよいホウ素含有複素環基を形成する。)を示し、
Dは−O−または−NH−を示す。
ただし、R5が水素原子を示すとき、R1またはR2は−X’−B−(OR6)(OR7)(式中、X’は−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、
R5は水素原子または−B(OR8)(OR9)(式中、R8およびR9はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を示すか、またはOR8とOR9とが互いに連結して隣接するホウ素原子とともに置換基を有していてもよいホウ素含有複素環基を形成する。)を示し、
Dは−O−または−NH−を示す。
ただし、R5が水素原子を示すとき、R1またはR2は−X’−B−(OR6)(OR7)(式中、X’は−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
を示し、R6およびR7は前記定義に同じ)を示さないものとする。
なお、R5が水素原子を示すとき、R1およびR2の少なくともいずれか一方は−B(OR6)(OR7)を示すものとし、またR5が−B(OR8)(OR9)を示すとき、連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合するものとする。]
で表される含ホウ素キナゾリン誘導体または薬学的に許容されるその塩を有効成分とする抗腫瘍剤を提供するものである。
なお、R5が水素原子を示すとき、R1およびR2の少なくともいずれか一方は−B(OR6)(OR7)を示すものとし、またR5が−B(OR8)(OR9)を示すとき、連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合するものとする。]
で表される含ホウ素キナゾリン誘導体または薬学的に許容されるその塩を有効成分とする抗腫瘍剤を提供するものである。
本発明の含ホウ素キナゾリン誘導体または薬学的に許容されるその塩は、優れたチロシンキナーゼ活性阻害作用を有し、各種の癌に対する抗腫瘍剤として有用である。
本発明に係る含ホウ素キナゾリン誘導体は、前記式(1)で表される。
R1、R2、R3およびR4で示されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基である。R3およびR4で示されるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。R3、R4、R8およびR9で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基等の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。R3またはR4で示されるハロアルキル基としては、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1,1−トルフルオロエチル基等の炭素数1〜5のハロアルキル基が挙げられ、より好ましくはフッ素原子を有するハロアルキル基である。
R1、R2、R3およびR4で示されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基である。R3およびR4で示されるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。R3、R4、R8およびR9で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基等の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。R3またはR4で示されるハロアルキル基としては、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1,1−トルフルオロエチル基等の炭素数1〜5のハロアルキル基が挙げられ、より好ましくはフッ素原子を有するハロアルキル基である。
またOR6とOR7またはOR8とOR9とが互いに連結し、隣接するホウ素原子とともに形成し得る複素環基としては、以下のようなものが挙げられる。
これらの環上には、1〜4個の炭素数1〜5のアルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシ−C1−C5アルキル基等の置換基を有していてもよい。ここで、好ましい置換基としては、1〜4個のメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
nは1〜10の整数を示すが、さらに1〜6、特に1〜4が好ましい。mは1〜10の整数を示すが、1〜6、特に1〜4が好ましい。pは1〜10の整数を示すが、さらに1〜6、特に1〜4が好ましい。また、DはNHが特に好ましい。またXは単結合が特に好ましい。
前記式(1)中、R1およびR2が水素原子、アルコキシ基、−O−(CH2)n−OCH3(nは前記定義に同じ)、
(mは前記定義に同じ)
または
または
(pは前記定義に同じ)
であり、R5が−B(OR8)(OR9)である化合物が好ましい。
このとき、R5である−B(OR8)(OR9)は連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合するが、特にパラ位に結合しているのが好ましい。また、R5が−B(OR8)(OR9)の場合には、R1およびR2は、ともに炭素数1〜5のアルコキシ基または−O−(CH2)n'−O−CH3(n’は1〜4の整数を示す)が好ましい。さらに、このとき、R5は−B(OH)2であるのが特に好ましい。
であり、R5が−B(OR8)(OR9)である化合物が好ましい。
このとき、R5である−B(OR8)(OR9)は連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合するが、特にパラ位に結合しているのが好ましい。また、R5が−B(OR8)(OR9)の場合には、R1およびR2は、ともに炭素数1〜5のアルコキシ基または−O−(CH2)n'−O−CH3(n’は1〜4の整数を示す)が好ましい。さらに、このとき、R5は−B(OH)2であるのが特に好ましい。
前記式(1)中、R1およびR2の少なくともいずれか一方が−B−(OR6)(OR7)(式中、R6およびR7は前記定義に同じ)であり、R3およびR4の少なくともいずれか一方がハロゲン原子である化合物が好ましい。
また、R1が−B−(OR6)(OR7)(式中、R6およびR7は前記定義に同じ)であり、R2がアルコキシ基、−O−(CH2)n−OCH3(nは前記定義に同じ)、
(mは前記定義に同じ)
または
または
(pは前記定義に同じ)
である化合物もまた好ましい。
である化合物もまた好ましい。
前記式(1)中、4−(6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル−アミノ)フェニルホウ酸、およびこれらの薬学的に許容される塩が特に好ましい。
式(1)の化合物の薬学的に許容される塩としては特に制限はされないが、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩等の酸付加塩;ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の金属塩;アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等のアンモニウム塩;モルホリン塩、ピペリジン塩等の有機アミン付加塩;リジン塩、グリシン塩、フェニルアラニン塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩を挙げることができる。
本発明の含ホウ素キナゾリン誘導体は、例えば以下のような方法で製造することができる。
上記反応式中、R3〜R7は前記定義に同じである。
式(2)で表される4−クロロ−6−ヨードキナゾリンを、イソプロピルアルコール、エタノール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、−10〜50℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、式(3)で表されるアニリン誘導体と反応させて、式(4)で表されるアニリノキナゾリン誘導体を得る。
式(2)で表される4−クロロ−6−ヨードキナゾリンを、イソプロピルアルコール、エタノール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、−10〜50℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、式(3)で表されるアニリン誘導体と反応させて、式(4)で表されるアニリノキナゾリン誘導体を得る。
次にこれを不活性ガスの存在下、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の溶媒中、パラジウム錯体単独、またはテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ジベンジルデンアセトンパラジウム等の0価パラジウム錯体もしくは塩化パラジウム、酢酸パラジウム等の2価のパラジウム塩とホスフィン配位子(トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィノフェロセン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、ジフェニルホスフィノブタン等)との組合せ等の触媒とともに、0〜150℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、式(5)で表されるジボロンエステルと反応させて、式(6)で表されるアニリノキナゾリンのホウ酸エステル化合物を得る。
次いでこれにメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒の存在下、フッ化水素カリウム水溶液または酢酸、塩酸、硫酸、硝酸等の酸を加え、−10〜50℃程度の温度で、5分間〜72時間程度反応させる。これにフェニルホウ酸、イソブチルホウ酸、アリルホウ酸等のホウ酸化合物を加え、−10〜50℃程度の温度で、5分間〜72時間程度反応させることにより、式(7)で表される化合物を得ることができる。このとき、必要に応じてペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカン系溶媒を用いて、エステル交換反応により生成するホウ酸エステル化合物を抽出、取り除くことにより、より効果的に式(7)で表される化合物を得ることができる。
なお式(2)で表される4−クロロ−6−ヨードキナゾリンは、Bioorg. Med. Chem. Lett., 13, 637, 2003に記載の方法にて合成することができる。
上記反応式中、R2〜R7は前記定義に同じである。
式(8)で表される6−アセトキシ4−クロロキナゾリン誘導体を、イソプロピルアルコール、エタノール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、−10〜50℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、式(3)で表されるアニリン誘導体と反応させて、式(9)で表されるアニリノキナゾリン誘導体を得る。
式(8)で表される6−アセトキシ4−クロロキナゾリン誘導体を、イソプロピルアルコール、エタノール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、−10〜50℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、式(3)で表されるアニリン誘導体と反応させて、式(9)で表されるアニリノキナゾリン誘導体を得る。
次にこれをメタノール、エタノール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、アンモニア水、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等の塩基性物質または塩酸、硫酸等の酸性物質とともに、0〜150℃程度の温度で、5分間〜72時間程度反応させて、式(10)で表される6−ヒドロキシアニリノキナゾリン誘導体を得る。
次にこれを不活性ガスの存在下、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ジメチルアミノピリジン、2,6−ルチジン等の塩基とともに、−50〜100℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、無水トリフラートと反応させて、式(11)で表されるアニリノキナゾリンのトリフラート化合物を得る。
次にこれを不活性ガスの存在下、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の溶媒中、パラジウム錯体単独、またはテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ジベンジルデンアセトンパラジウム等の0価パラジウム錯体もしくは塩化パラジウム、酢酸パラジウム等の2価のパラジウム塩とホスフィン配位子(トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィノフェロセン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、ジフェニルホスフィノブタン等)との組合せ等の触媒とともに、0〜150℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、式(5)で表されるジボロンエステルと反応させて、式(12)で表されるアニリノキナゾリンのホウ酸エステル化合物を得る。
次いでこれにメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒の存在下、フッ化水素カリウム水溶液、または酢酸、塩酸、硫酸、硝酸等の酸を加え、−10〜50℃程度の温度で、5分間〜72時間程度反応させる。これにフェニルホウ酸、イソブチルホウ酸、アリルホウ酸等のホウ酸化合物を加え、−10〜50℃程度の温度で、5分間〜72時間程度反応させることにより、式(13)で表される化合物を得ることができる。このとき、必要に応じてペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカン系溶媒を用いて、エステル交換反応により生成するホウ酸エステル化合物を抽出、取り除くことにより、より効果的に式(13)で表される化合物を得ることができる。
なお式(8)で表される6−アセトキシ4−クロロキナゾリン誘導体は、Bioorg. Med. Chem. Lett., 11, 1911, 2001に記載の方法またはこれに準じた方法にて合成することができる。
上記反応式中、R1、R2、R8、R9は前記定義と同じである。
式(14)で表される4−クロロキナゾリン誘導体を、イソプロピルアルコール、エタノール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、0〜150℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、式(15)で表されるアニリンのホウ酸エステル化合物と反応させて、式(16)で表されるアニリノキナゾリンのホウ酸エステル化合物を得る。
式(14)で表される4−クロロキナゾリン誘導体を、イソプロピルアルコール、エタノール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、0〜150℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、式(15)で表されるアニリンのホウ酸エステル化合物と反応させて、式(16)で表されるアニリノキナゾリンのホウ酸エステル化合物を得る。
次いでこれにメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒の存在下、フッ化水素カリウム水溶液、または酢酸、塩酸、硫酸、硝酸等の酸を加え、−10〜50℃程度の温度で、5分間〜72時間程度反応させることにより、式(17)で表される化合物を得ることができる。
また式(14)で表される4−クロロキナゾリン誘導体を、イソプロピルアルコール、エタノール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸セシウム、カリウムtert-ブトキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の触媒とともに、0〜150℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、式(18)で表される3−ヒドロキシフェニルホウ酸と反応させて、式(19)で表される化合物を得ることができる。
さらに式(14)で表される4−クロロキナゾリン誘導体を、イソプロピルアルコール、エタノール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、濃塩酸、濃硫酸、濃硝酸等の触媒とともに、−50〜100℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、式(20)で表される3−アミノフェニルホウ酸と反応させて、式(21)で表される化合物を得ることができる。
なお式(14)で表される4−クロロキナゾリン誘導体は、Tetrahedron Letter., 47, 2539, 2006に記載の方法またはこれに準じた方法にて合成することができる。
なお式(14)で表される4−クロロキナゾリン誘導体は、Tetrahedron Letter., 47, 2539, 2006に記載の方法またはこれに準じた方法にて合成することができる。
式中、nは前記定義と同じである。
式(22)で表される4−クロロキナゾリン誘導体を、イソプロピルアルコール、エタノール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、濃塩酸、濃硫酸、濃硝酸等の触媒とともに、−50〜100℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、式(23)で表されるアミノフェニルホウ酸と反応させて、式(24)で表される化合物を得ることができる。
式(22)で表される4−クロロキナゾリン誘導体を、イソプロピルアルコール、エタノール、ブチルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中、濃塩酸、濃硫酸、濃硝酸等の触媒とともに、−50〜100℃程度の温度で、5分間〜72時間程度、式(23)で表されるアミノフェニルホウ酸と反応させて、式(24)で表される化合物を得ることができる。
またこのとき、式(22)で表される4−クロロキナゾリン誘導体を前記式(15)で表されるアニリンのホウ酸エステル化合物と反応させて、アニリノキナゾリンのホウ酸エステル化合物を得、これを上記製造法3の例に示した方法と同様にして式(24)で表される化合物を導くこともできる。
なお式(22)で表される4−クロロキナゾリン誘導体は、Tetrahedron Letter., 47, 2539, 2006に記載の方法またはこれに準じた方法にて合成することができる。
上記各製造法において、反応の中間体および目的とする本発明化合物は、有機合成化学の分野において常用される分離精製法、例えば、ろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等の手段を用いて、単離精製することができる。なお中間体においては、特に単離精製することなく、次の反応に供することもできる。
本発明化合物の中には、位置異性体、幾何異性体、光学異性体、互変異性体等の立体異性体が存在し得るものがあるが、本発明はこれら全ての異性体およびそれらの混合物をも包含する。
本発明化合物の塩を取得する場合、当該化合物が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また遊離の形で得られるときは、当該化合物を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えることにより塩を形成させて単離・精製すればよい。
また式(1)の化合物および薬学的に許容されるその塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明化合物に包含される。
本発明に係る式(1)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、受容体型チロシンキナーゼを介する疾患の治療に有用である。係る疾患としては、例えば悪性腫瘍が挙げられ、具体的には白血病、多発性骨髄腫、リンパ腫等の非固形腫瘍、また胆管、骨、膀胱、脳/CNS、***、結直腸、子宮内膜、胃、頭頸部、肝臓、肺、神経細胞、食道、卵巣、膵臓、前立腺、腎臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮、膣等の癌に代表される固形腫瘍が挙げられる。
本発明に係る式(1)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、そのまま単独で投与することも可能であるが、通常各種の医薬製剤として、動物用、特にヒト用として提供するのが望ましい。係る医薬製剤は、式(1)で表される化合物または薬学的に許容されるその塩を、薬学的に許容される一種またはそれ以上の担体とともに混合し、医薬組成物として、常法により製造される。
投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用するのが好ましく、経口投与、または静脈内などの非経口投与を挙げることができる。
投与形態としては、例えば錠剤、注射剤等が挙げられる。
経口投与に際しては、例えば錠剤においては、乳糖等の賦形剤、ゼンプン等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の結合剤等を用いて製造することができる。
非経口投与に際しては、例えば注射剤においては、塩溶液、ブドウ糖溶液、塩水とブドウ糖溶液の混合液等を用いて製造することができる。
式(1)の化合物または薬学的に許容されるその塩の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度等により異なるが、通常経口の場合、成人一人あたり、1回につき0.01〜1,000mg、好ましくは0.05〜500mgの範囲で、1日1回ないし数回投与する。静脈内投与等の非経口投与の場合、通常成人一人あたり0.001〜1,000mg、好ましくは0.01〜300mgを1日1回ないし数回投与する。
経口投与に際しては、例えば錠剤においては、乳糖等の賦形剤、ゼンプン等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の結合剤等を用いて製造することができる。
非経口投与に際しては、例えば注射剤においては、塩溶液、ブドウ糖溶液、塩水とブドウ糖溶液の混合液等を用いて製造することができる。
式(1)の化合物または薬学的に許容されるその塩の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、治療すべき症状の性質もしくは重篤度等により異なるが、通常経口の場合、成人一人あたり、1回につき0.01〜1,000mg、好ましくは0.05〜500mgの範囲で、1日1回ないし数回投与する。静脈内投与等の非経口投与の場合、通常成人一人あたり0.001〜1,000mg、好ましくは0.01〜300mgを1日1回ないし数回投与する。
以下、本発明につき実施例を挙げてより具体的に説明するが、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1)4−アニリノ−6−ヨードキナゾリン4aの合成
4−クロロ−6−ヨードキナゾリン(5.44g,18.8mmol、Gaul,M,.D.et.al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2003,13,637により報告された化合物)をイソプロピルアルコール(150mL)に溶かし、3−クロロアニリン(2.01mL,19.0mmol)を加えて攪拌した。24時間後、析出した固体をろ過してイソプロピルアルコールで洗った。得られた固体を真空ポンプで乾燥させ、アニリノキナゾリン4a(4.93g,12.9mmol,69%)を得た。
4−クロロ−6−ヨードキナゾリン(5.44g,18.8mmol、Gaul,M,.D.et.al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2003,13,637により報告された化合物)をイソプロピルアルコール(150mL)に溶かし、3−クロロアニリン(2.01mL,19.0mmol)を加えて攪拌した。24時間後、析出した固体をろ過してイソプロピルアルコールで洗った。得られた固体を真空ポンプで乾燥させ、アニリノキナゾリン4a(4.93g,12.9mmol,69%)を得た。
(3−クロロフェニル)−(6−ヨードキナゾリン−4−イル)アミン(4a).
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.99(s,1H), 8.77(s,1H), 8.32(d,J=9.2Hz,1H), 7.80(s,1H), 7.54-7.58(m,2H), 7.39(t,J=8.0Hz,1H), 7.29(d,J=8.0Hz,1H)
MS(APCI)m/z 382([M+H]+)
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.99(s,1H), 8.77(s,1H), 8.32(d,J=9.2Hz,1H), 7.80(s,1H), 7.54-7.58(m,2H), 7.39(t,J=8.0Hz,1H), 7.29(d,J=8.0Hz,1H)
MS(APCI)m/z 382([M+H]+)
(合成例2)4−アニリノ−6−ヨードキナゾリン4bの合成
アニリノキナゾリン4aの合成と同様の操作で4−クロロ−6−ヨードキナゾリン(643mg,2.20mmol)、3−クロロ−4−フルオロアニリン(306mg,2.1mmol)、イソプロピルアルコール(20mL)を用いてアニリノキナゾリン4b(763mg,1.91mmol,87%)を得た。
アニリノキナゾリン4aの合成と同様の操作で4−クロロ−6−ヨードキナゾリン(643mg,2.20mmol)、3−クロロ−4−フルオロアニリン(306mg,2.1mmol)、イソプロピルアルコール(20mL)を用いてアニリノキナゾリン4b(763mg,1.91mmol,87%)を得た。
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−(6−ヨードキナゾリン−4−イル)アミン(4b).
1H-NMR(300MHz;CD3OD)δ:8.95(d,J=3.0Hz,1H), 8.74(s,1H), 8.30(dd,J=3.0Hz,9.0Hz,1H), 7.90(dd,J=3.0Hz,6.0Hz,1H), 7.57-7.62(m,1H), 7.55(d,J=9.0Hz,1H), 7.28(t,J=9.0Hz,1H)
MS(APCI)m/z 400([M+H]+)
1H-NMR(300MHz;CD3OD)δ:8.95(d,J=3.0Hz,1H), 8.74(s,1H), 8.30(dd,J=3.0Hz,9.0Hz,1H), 7.90(dd,J=3.0Hz,6.0Hz,1H), 7.57-7.62(m,1H), 7.55(d,J=9.0Hz,1H), 7.28(t,J=9.0Hz,1H)
MS(APCI)m/z 400([M+H]+)
(合成例3)ホウ酸エステル5aの合成
アルゴン雰囲気下、アニリノキナゾリン4a(450mg,1.18mmol)、ビスピナコラートジボロン(331mg,1.30mmol)、塩化パラジウム(21mg,0.12mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(66mg,0.12mmol)、酢酸カリウム(347mg,3.54mmol)をジメチルホルムアミド(20mL)中、80℃で攪拌させた。2時間後室温まで放置し、水を加え酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去して得られた残留物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、ホウ酸エステル5a(144mg,0.38mmol,32%)を得た。
アルゴン雰囲気下、アニリノキナゾリン4a(450mg,1.18mmol)、ビスピナコラートジボロン(331mg,1.30mmol)、塩化パラジウム(21mg,0.12mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(66mg,0.12mmol)、酢酸カリウム(347mg,3.54mmol)をジメチルホルムアミド(20mL)中、80℃で攪拌させた。2時間後室温まで放置し、水を加え酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去して得られた残留物を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、ホウ酸エステル5a(144mg,0.38mmol,32%)を得た。
(3−クロロフェニル)−[6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]アミン(5a).
1H-NMR(300MHz;CDCl3)δ:8.82(s,1H), 8.34(s,1H), 8.20(dd,J=3.0Hz,6.0Hz,1H), 7.99(t,J=3.0Hz,1H), 7.90(d,J=6.0Hz,1H), 7.62-7.65(m,2H), 7.35(t,J=6.0Hz,1H), 7.16(dd,J=3.0Hz,6.0Hz,1H), 1.41(s,12H)
MS(APCI)m/z 382([M+H]+)
1H-NMR(300MHz;CDCl3)δ:8.82(s,1H), 8.34(s,1H), 8.20(dd,J=3.0Hz,6.0Hz,1H), 7.99(t,J=3.0Hz,1H), 7.90(d,J=6.0Hz,1H), 7.62-7.65(m,2H), 7.35(t,J=6.0Hz,1H), 7.16(dd,J=3.0Hz,6.0Hz,1H), 1.41(s,12H)
MS(APCI)m/z 382([M+H]+)
(合成例4)ホウ酸エステル5bの合成
ホウ酸エステル5aの合成と同様の操作でアニリノキナゾリン4b(411mg,1.03mmol)、ビスピナコラートジボロン(289mg,1.14mmol)、塩化パラジウム(18mg,0.10mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(55mg,0.10mmol)、酢酸カリウム(303mg,3.15mmol)、ジメチルホルムアミド(20mL)を用いてホウ酸エステル5b(174mg,0.44mmol,42%)を得た。
ホウ酸エステル5aの合成と同様の操作でアニリノキナゾリン4b(411mg,1.03mmol)、ビスピナコラートジボロン(289mg,1.14mmol)、塩化パラジウム(18mg,0.10mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(55mg,0.10mmol)、酢酸カリウム(303mg,3.15mmol)、ジメチルホルムアミド(20mL)を用いてホウ酸エステル5b(174mg,0.44mmol,42%)を得た。
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−[6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]アミン(5b).
1H-NMR(400MHz;CDCl3)δ:8.80(s,1H), 8.33(s,1H), 8.20(d,J=8.4Hz,1H), 8.01(dd,J=2.4Hz,6.0Hz,1H), 7.90(d,J=8.4Hz,1H), 7.56-7.61(m,2H), 7.20(t,J=8.8Hz,1H), 1.41(s,12H)
MS(APCI)m/z 400([M+H]+)
1H-NMR(400MHz;CDCl3)δ:8.80(s,1H), 8.33(s,1H), 8.20(d,J=8.4Hz,1H), 8.01(dd,J=2.4Hz,6.0Hz,1H), 7.90(d,J=8.4Hz,1H), 7.56-7.61(m,2H), 7.20(t,J=8.8Hz,1H), 1.41(s,12H)
MS(APCI)m/z 400([M+H]+)
(合成例5)ホウ酸化合物6aの合成
ホウ酸エステル5a(144mg,0.38mmol)をメタノール(10mL)に溶かし、フッ化水素カリウム(206mg,2.64mmol)水溶液(10mL)を加えた。12時間攪拌後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。フェニルホウ酸(139mg,1.14mmol)、アセトニトリル、ヘキサンを加え、1時間攪拌した後にヘキサン層を除去した。残ったアセトニトリル層をロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製し化合物6a(54mg,0.18mmol,47%)を得た。
ホウ酸エステル5a(144mg,0.38mmol)をメタノール(10mL)に溶かし、フッ化水素カリウム(206mg,2.64mmol)水溶液(10mL)を加えた。12時間攪拌後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。フェニルホウ酸(139mg,1.14mmol)、アセトニトリル、ヘキサンを加え、1時間攪拌した後にヘキサン層を除去した。残ったアセトニトリル層をロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製し化合物6a(54mg,0.18mmol,47%)を得た。
4−(3−クロロフェニルアミノ)キナゾリン−6−イルボロン酸(6a).
1H-NMR(300MHz;CD3OD)δ:8.62(s,1H), 8.49(s,1H), 8.06(d,J=9.0Hz,1H), 7.89(s,1H), 7.59-7.66(m,2H), 7.27(t,J=9.0Hz,1H), 7.07(d,J=9.0Hz,1H)
MS(ESI)m/z 300([C14H9ClN3B(OH)2+H]+), 314([C14H9ClN3B(OH)(OMe)+H]+)
1H-NMR(300MHz;CD3OD)δ:8.62(s,1H), 8.49(s,1H), 8.06(d,J=9.0Hz,1H), 7.89(s,1H), 7.59-7.66(m,2H), 7.27(t,J=9.0Hz,1H), 7.07(d,J=9.0Hz,1H)
MS(ESI)m/z 300([C14H9ClN3B(OH)2+H]+), 314([C14H9ClN3B(OH)(OMe)+H]+)
(合成例6)ホウ酸化合物6bの合成
ホウ酸化合物6aの合成と同様の操作でホウ酸エステル5b(35mg,0.09mmol)、メタノール(3mL)、フッ化水素カリウム(48mg,0.61mmol)、水(3mL)、フェニルホウ酸(32mg,0.26mmol)を用いてホウ酸化合物6b(9mg,0.03mmol,32%)を得た。
ホウ酸化合物6aの合成と同様の操作でホウ酸エステル5b(35mg,0.09mmol)、メタノール(3mL)、フッ化水素カリウム(48mg,0.61mmol)、水(3mL)、フェニルホウ酸(32mg,0.26mmol)を用いてホウ酸化合物6b(9mg,0.03mmol,32%)を得た。
4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)キナゾリン−6−イルボロン酸(6b).
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.85(s,1H), 8.68(s,1H), 8.30(d,J=8.4Hz,1H), 7.82(dd,J=2.4Hz,6.8Hz,1H), 7.70(d,J=8.4Hz,1H), 7.53-7.57(m,1H), 7.25(t,J=8.8Hz,1H)
MS(ESI)m/z 318([C14H9ClFN3B(OH)2+H]+), 332([C14H9ClFN3B(OH)(OMe)+H]+)
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.85(s,1H), 8.68(s,1H), 8.30(d,J=8.4Hz,1H), 7.82(dd,J=2.4Hz,6.8Hz,1H), 7.70(d,J=8.4Hz,1H), 7.53-7.57(m,1H), 7.25(t,J=8.8Hz,1H)
MS(ESI)m/z 318([C14H9ClFN3B(OH)2+H]+), 332([C14H9ClFN3B(OH)(OMe)+H]+)
(合成例7)トリフラート7aの合成
6−アセトキシ−4−クロロ−7−メトキシキナゾリン(504mg,1.99mmol、Barker,A.J.et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2001,11,1911.の報告により合成した)、3−クロロアニリン(0.23mL,2.19mmol)をイソプロピルアルコール(15mL)溶媒中で2時間加熱還流した。室温まで放置した後、析出した固体をろ過してイソプロピルアルコールで洗った。
得られた固体をメタノール(10mL)に溶かし25%アンモニア水(2mL)を加え、室温で8時間攪拌した。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、ジクロロメタンを加えてろ過し、得られた固体を真空ポンプで乾燥させた。
アルゴン雰囲気下で、その固体にピリジン(5mL)を加え、氷浴で0℃に冷却し、無水トリフラートを徐々に加えた。室温に戻し7時間攪拌後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、化合物7a(133mg,0.31mmol,3steps15%)を得た。
6−アセトキシ−4−クロロ−7−メトキシキナゾリン(504mg,1.99mmol、Barker,A.J.et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2001,11,1911.の報告により合成した)、3−クロロアニリン(0.23mL,2.19mmol)をイソプロピルアルコール(15mL)溶媒中で2時間加熱還流した。室温まで放置した後、析出した固体をろ過してイソプロピルアルコールで洗った。
得られた固体をメタノール(10mL)に溶かし25%アンモニア水(2mL)を加え、室温で8時間攪拌した。ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、ジクロロメタンを加えてろ過し、得られた固体を真空ポンプで乾燥させた。
アルゴン雰囲気下で、その固体にピリジン(5mL)を加え、氷浴で0℃に冷却し、無水トリフラートを徐々に加えた。室温に戻し7時間攪拌後、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、化合物7a(133mg,0.31mmol,3steps15%)を得た。
トリフルオロメタンスルホン酸4−(3−クロロ−フェニルアミノ)−7−メトキシキナゾリン−6−イル エステル(7a).
1H-NMR(400MHz;CDCl3)δ:8.77(s,1H), 7.89(s,1H), 7.73(s,1H), 7.55(d,J=8.4Hz,1H), 7.42(s,1H), 7.36(t,J=8.4Hz,1H), 7.19(d,J=9.2Hz,1H), 4.07(s,3H)
MS(APCI)m/z 434([M+H]+)
1H-NMR(400MHz;CDCl3)δ:8.77(s,1H), 7.89(s,1H), 7.73(s,1H), 7.55(d,J=8.4Hz,1H), 7.42(s,1H), 7.36(t,J=8.4Hz,1H), 7.19(d,J=9.2Hz,1H), 4.07(s,3H)
MS(APCI)m/z 434([M+H]+)
(合成例8)トリフラート7bの合成
トリフラート7aの合成と同様の操作で6−アセトキシ−4−クロロ−7−メトキシキナゾリン(488mg,1.93mmol)、3−クロロ−4−フルオロアニリン(309mg,2.12mmol)、イソプロピルアルコール(28mL)を用い、次に25%アンモニア水(2mL)、メタノール(10mL)、最後にピリジン(10mL)、無水トリフラート(0.64mL,3.86mmol)によってトリフラート7b(575mg,1.27mmol,66%)を得た。
トリフラート7aの合成と同様の操作で6−アセトキシ−4−クロロ−7−メトキシキナゾリン(488mg,1.93mmol)、3−クロロ−4−フルオロアニリン(309mg,2.12mmol)、イソプロピルアルコール(28mL)を用い、次に25%アンモニア水(2mL)、メタノール(10mL)、最後にピリジン(10mL)、無水トリフラート(0.64mL,3.86mmol)によってトリフラート7b(575mg,1.27mmol,66%)を得た。
トリフルオロメタンスルホン酸4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシキナゾリン−6−イル エステル(7b).
1H-NMR(400MHz;CDCl3)δ:8.74(s,1H), 7.90(dd,J=2.8Hz,6.4Hz,1H), 7.73(s,1H), 7.49-7.53(m,1H), 7.42(s,1H), 7.21(t,J=8.8Hz,1H), 4.07(s,3H)
1H-NMR(400MHz;CDCl3)δ:8.74(s,1H), 7.90(dd,J=2.8Hz,6.4Hz,1H), 7.73(s,1H), 7.49-7.53(m,1H), 7.42(s,1H), 7.21(t,J=8.8Hz,1H), 4.07(s,3H)
(実施例1)ホウ酸エステル8aの合成
ホウ酸エステル5a同様の操作でトリフラート7a(40mg,0.09mmol)、ビスピナコラートジボロン(35mg,0.14mmol)、塩化パラジウム(2mg,0.01mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(6mg,0.01mmol)、酢酸カリウム(27mg,0.28mmol)、ジメチルホルムアミド(2mL)を用いて8a(22mg,0.05mmol,58%)を得た。
ホウ酸エステル5a同様の操作でトリフラート7a(40mg,0.09mmol)、ビスピナコラートジボロン(35mg,0.14mmol)、塩化パラジウム(2mg,0.01mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(6mg,0.01mmol)、酢酸カリウム(27mg,0.28mmol)、ジメチルホルムアミド(2mL)を用いて8a(22mg,0.05mmol,58%)を得た。
(3−クロロフェニル)−[7−メトキシ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]アミン(8a).
1H-NMR(400MHz;CDCl3)δ:8.73(s,1H), 8.32(s,1H), 7.92(s,1H), 7.85(bs,1H), 7.59(d,J=8.0Hz,1H), 7.30(t,J=8.0Hz,1H), 7.19(s,1H), 7.11(d,J=7.6Hz,1H), 3.95(s,3H), 1.37(s,12H)
MS(APCI)m/z 412([M+H]+)
1H-NMR(400MHz;CDCl3)δ:8.73(s,1H), 8.32(s,1H), 7.92(s,1H), 7.85(bs,1H), 7.59(d,J=8.0Hz,1H), 7.30(t,J=8.0Hz,1H), 7.19(s,1H), 7.11(d,J=7.6Hz,1H), 3.95(s,3H), 1.37(s,12H)
MS(APCI)m/z 412([M+H]+)
(実施例2)ホウ酸エステル8bの合成
ホウ酸エステル5a同様の操作でトリフラート7b(252mg,0.56mmol)、ビスピナコラートジボロン(170mg,0.67mmol)、塩化パラジウム(11mg,0.06mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(33mg,0.06mmol)、酢酸カリウム(165mg,1.68mmol)、ジメチルホルムアミド(15mL)を用いて8b(51mg,0.12mmol,21%)を得た。
ホウ酸エステル5a同様の操作でトリフラート7b(252mg,0.56mmol)、ビスピナコラートジボロン(170mg,0.67mmol)、塩化パラジウム(11mg,0.06mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(33mg,0.06mmol)、酢酸カリウム(165mg,1.68mmol)、ジメチルホルムアミド(15mL)を用いて8b(51mg,0.12mmol,21%)を得た。
(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−[7−メトキシ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)キナゾリン−4−イル]アミン(8b).
1H-NMR(400MHz;CDCl3)δ:8.70(s,1H), 8.25(s,1H), 7.93(dd,J=2.8Hz,6.4Hz,1H), 7.59(bs,1H), 7.53-7.57(m,1H), 7.19(s,1H), 7.16(t,J=8.4Hz,1H), 3.96(s,3H), 1,38(s,12H)
MS(ESI)m/z 430([M+H]+)
1H-NMR(400MHz;CDCl3)δ:8.70(s,1H), 8.25(s,1H), 7.93(dd,J=2.8Hz,6.4Hz,1H), 7.59(bs,1H), 7.53-7.57(m,1H), 7.19(s,1H), 7.16(t,J=8.4Hz,1H), 3.96(s,3H), 1,38(s,12H)
MS(ESI)m/z 430([M+H]+)
(実施例3)ホウ酸化合物9aの合成
ホウ酸化合物6a同様の操作でホウ酸エステル8a(22mg,0.05mmol)、メタノール(2mL)、KHF2(29mg,0.37mmol)、水(2mL)、フェニルホウ酸(26mg,0.21mmol)を用いて9a(8mg,0.02mmol,48%)を得た。
ホウ酸化合物6a同様の操作でホウ酸エステル8a(22mg,0.05mmol)、メタノール(2mL)、KHF2(29mg,0.37mmol)、水(2mL)、フェニルホウ酸(26mg,0.21mmol)を用いて9a(8mg,0.02mmol,48%)を得た。
4−(3−クロロフェニルアミノ)−7−メトキシキナゾリン−6−イルボロン酸(9a).
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.41(s,1H), 8.20(bs,1H), 7.85(t,J=2.0Hz,1H), 7.56(dq,J=0.8Hz,8.0Hz,1H), 7.24(t,J=8.0Hz,1H), 7.04(s,1H), 7.04(dq,J=0.8Hz,8.0Hz,1H), 3.89(s,3H)
MS(ESI)m/z 330([C15H11ClN3OB(OH)2+H]+), 344([C15H11ClN3OB(OH)(OMe)+H]+)
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.41(s,1H), 8.20(bs,1H), 7.85(t,J=2.0Hz,1H), 7.56(dq,J=0.8Hz,8.0Hz,1H), 7.24(t,J=8.0Hz,1H), 7.04(s,1H), 7.04(dq,J=0.8Hz,8.0Hz,1H), 3.89(s,3H)
MS(ESI)m/z 330([C15H11ClN3OB(OH)2+H]+), 344([C15H11ClN3OB(OH)(OMe)+H]+)
(実施例4)ホウ酸化合物9bの合成
ホウ酸化合物6a同様の操作でホウ酸エステル8b(40mg,0.09mmol)、メタノール(2mL)、KHF2(51mg,0.65mmol)、水(2mL)、フェニルホウ酸(33mg,0.27mmol)を用いて9b(13mg,0.04mmol,41%)を得た。
ホウ酸化合物6a同様の操作でホウ酸エステル8b(40mg,0.09mmol)、メタノール(2mL)、KHF2(51mg,0.65mmol)、水(2mL)、フェニルホウ酸(33mg,0.27mmol)を用いて9b(13mg,0.04mmol,41%)を得た。
4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシキナゾリン−6−イルボロン酸(9b).
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.39(s,1H), 8.18(bs,1H), 7.90-7.92(m,1H), 7.54-7.58(m,1H), 7.14(t,J=8.8Hz,1H), 7.04(s,1H), 3.89(s,3H)
MS(ESI)m/z 348([C15H10ClFN3OB(OH)2+H]+), 362([C15H10ClFN3OB(OH)(OMe)+H]+)
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.39(s,1H), 8.18(bs,1H), 7.90-7.92(m,1H), 7.54-7.58(m,1H), 7.14(t,J=8.8Hz,1H), 7.04(s,1H), 3.89(s,3H)
MS(ESI)m/z 348([C15H10ClFN3OB(OH)2+H]+), 362([C15H10ClFN3OB(OH)(OMe)+H]+)
(合成例9)ホウ酸化合物1aの合成
4−クロロ6,7−ジメトキシキナゾリン(97mg,0.43mmol、Nakamura,H.et.al.Tetrahedron Letter.2006,47,2539の報告例により合成した)をイソプロピルアルコール(3mL)に溶かし、3−アミノフェニルホウ酸一水和物(74mg,0.48mmol)、濃塩酸(0.1mL)、を加えて室温で攪拌させた。6時間後、析出した固体をろ過してイソプロピルアルコールで洗った。得られた個体を真空ポンプで乾燥させ、アニリノキナゾリン1aの塩酸塩(150mg,0.41mmol,96%)を得た。1aの塩酸塩(55mg,0.15mmol)を炭酸水素ナトリウム水溶液中で攪拌し、固体をろ過して水で洗った。得られた固体を真空ポンプで乾燥させ1a(46mg,0.14mmol,95%)を得た。
4−クロロ6,7−ジメトキシキナゾリン(97mg,0.43mmol、Nakamura,H.et.al.Tetrahedron Letter.2006,47,2539の報告例により合成した)をイソプロピルアルコール(3mL)に溶かし、3−アミノフェニルホウ酸一水和物(74mg,0.48mmol)、濃塩酸(0.1mL)、を加えて室温で攪拌させた。6時間後、析出した固体をろ過してイソプロピルアルコールで洗った。得られた個体を真空ポンプで乾燥させ、アニリノキナゾリン1aの塩酸塩(150mg,0.41mmol,96%)を得た。1aの塩酸塩(55mg,0.15mmol)を炭酸水素ナトリウム水溶液中で攪拌し、固体をろ過して水で洗った。得られた固体を真空ポンプで乾燥させ1a(46mg,0.14mmol,95%)を得た。
3−(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イルアミノ)フェニルボロン酸(1a).
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.28(s,1H), 7.83(s,1H), 7.66(m,2H), 7.39(br,1H), 7.31(t,J=3.6Hz), 7.05(s,1H), 3.93(s,3H), 3.90(s,3H)
MS(ESI)m/z 326([C16H14N3O2B(OH)2+H]+), 340([C16H14N3O2B(OH)(OMe)+H]+)
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.28(s,1H), 7.83(s,1H), 7.66(m,2H), 7.39(br,1H), 7.31(t,J=3.6Hz), 7.05(s,1H), 3.93(s,3H), 3.90(s,3H)
MS(ESI)m/z 326([C16H14N3O2B(OH)2+H]+), 340([C16H14N3O2B(OH)(OMe)+H]+)
(合成例10)ホウ酸エステル2の合成
4−クロロ6,7−ジメトキシキナゾリン(178mg,0.79mmol)をイソプロピルアルコール(12mL)に溶かし、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(173mg,0.79mmol)を加えて加熱還流した。24時間後、室温まで放置した後、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除き、固体をジクロロメタンで洗った。得られた固体を真空ポンプで乾燥させ、化合物2(256mg,0.50mmol,63%)を得た。
4−クロロ6,7−ジメトキシキナゾリン(178mg,0.79mmol)をイソプロピルアルコール(12mL)に溶かし、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(173mg,0.79mmol)を加えて加熱還流した。24時間後、室温まで放置した後、ロータリーエバポレーターでイソプロピルアルコールを除き、固体をジクロロメタンで洗った。得られた固体を真空ポンプで乾燥させ、化合物2(256mg,0.50mmol,63%)を得た。
(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル)−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]アミン(2).
1H-NMR(400MHz;CDCl3)δ:8.17(s,1H), 8.10(s,1H), 7.96(d,J=8.8Hz,2H), 7.82(d,J=8.4,2H), 7.18(s,1H), 4.23(s,3H), 3.79(s,3H), 1.35(s,12H)
1H-NMR(400MHz;CDCl3)δ:8.17(s,1H), 8.10(s,1H), 7.96(d,J=8.8Hz,2H), 7.82(d,J=8.4,2H), 7.18(s,1H), 4.23(s,3H), 3.79(s,3H), 1.35(s,12H)
(合成例11)ホウ酸化合物1b
化合物2(17mg,0.04mmol)をメタノール(1.5mL)に溶かし、フッ化水素カリウム(16mg,0.40mmol)水溶液(1.5mL)を加えた。30分間攪拌後、ロータリーエバポレーターでメタノールを除き、アセトニトリル、ヘキサンを加えて分液ろうとに移しヘキサン層を除去した。残ったアセトニトリル層に6N 塩酸を加えて酸性した後、ロータリーエバポレーターにかけて溶媒を除去した。析出した固体に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてろ過し、固体を水で洗った。得られた固体を真空ポンプで乾燥させ1b(13mg,0.04mmol,quant)を得た。
化合物2(17mg,0.04mmol)をメタノール(1.5mL)に溶かし、フッ化水素カリウム(16mg,0.40mmol)水溶液(1.5mL)を加えた。30分間攪拌後、ロータリーエバポレーターでメタノールを除き、アセトニトリル、ヘキサンを加えて分液ろうとに移しヘキサン層を除去した。残ったアセトニトリル層に6N 塩酸を加えて酸性した後、ロータリーエバポレーターにかけて溶媒を除去した。析出した固体に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてろ過し、固体を水で洗った。得られた固体を真空ポンプで乾燥させ1b(13mg,0.04mmol,quant)を得た。
4−(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イル−アミノ)フェニルボロン酸(1b).
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.34(s,1H), 7.62-7.69(m,5H), 7.09(s,1H), 3.95(s,3H), 3.92(s,3H)
MS(ESI)m/z 326([C16H14N3O2B(OH)2+H]+), 340([C16H14N3O2B(OH)(OMe)+H]+)
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.34(s,1H), 7.62-7.69(m,5H), 7.09(s,1H), 3.95(s,3H), 3.92(s,3H)
MS(ESI)m/z 326([C16H14N3O2B(OH)2+H]+), 340([C16H14N3O2B(OH)(OMe)+H]+)
(実施例5)ホウ酸化合物10a
4−クロロ6,7−ジメトキシキナゾリン(75mg,0.33mmol)をイソプロピルアルコール(5mL)に溶かし、3−ヒドロキシフェニルホウ酸(51mg,0.37mmol)、炭酸カリウム(91mg,0.66mmol)を加え加熱還流した。6時間後室温まで放置し、析出した固体をろ過し、水とイソプロピルアルコールで洗った。得られた固体を真空ポンプで乾燥させ10a(88mg,0.27mmol,82%)を得た。
3−(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イルオキシ)フェニルホウ酸(10a).
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.39(s,1H), 7.57(s,1H), 7.41-7.63(m,3H), 7.21-7.24(m,2H), 3.97(s,3H), 3.95(s,3H)
MS(ESI)m/z 327([C16H13N2O3B(OH)2+H]+), 341([C16H13N2O3B(OH)(OMe)+H]+)
4−クロロ6,7−ジメトキシキナゾリン(75mg,0.33mmol)をイソプロピルアルコール(5mL)に溶かし、3−ヒドロキシフェニルホウ酸(51mg,0.37mmol)、炭酸カリウム(91mg,0.66mmol)を加え加熱還流した。6時間後室温まで放置し、析出した固体をろ過し、水とイソプロピルアルコールで洗った。得られた固体を真空ポンプで乾燥させ10a(88mg,0.27mmol,82%)を得た。
3−(6,7−ジメトキシキナゾリン−4−イルオキシ)フェニルホウ酸(10a).
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.39(s,1H), 7.57(s,1H), 7.41-7.63(m,3H), 7.21-7.24(m,2H), 3.97(s,3H), 3.95(s,3H)
MS(ESI)m/z 327([C16H13N2O3B(OH)2+H]+), 341([C16H13N2O3B(OH)(OMe)+H]+)
(実施例6)ホウ酸化合物3aの合成
アニリノキナゾリン1aの合成と同様の操作で4−クロロ6,7−ジメトキシエトキシキナゾリン(Nakamura,H.et.al.Tetrahedron Letter.2006,47,2539の報告例により合成した。111mg,0.35mmol)、3−アミノフェニルホウ酸一水和物(61mg,0.39mmol)、イソプロピルアルコール(3mL)、濃塩酸(0.1mL)を用いてアニリノキナゾリン3aの塩酸塩(141mg,90%)を得た。3aの塩酸塩(51mg,0.11mmol)を用いて塩酸を除去したアニリノキナゾリン3a(49mg,0.11mmol)を定量的に得た。
アニリノキナゾリン1aの合成と同様の操作で4−クロロ6,7−ジメトキシエトキシキナゾリン(Nakamura,H.et.al.Tetrahedron Letter.2006,47,2539の報告例により合成した。111mg,0.35mmol)、3−アミノフェニルホウ酸一水和物(61mg,0.39mmol)、イソプロピルアルコール(3mL)、濃塩酸(0.1mL)を用いてアニリノキナゾリン3aの塩酸塩(141mg,90%)を得た。3aの塩酸塩(51mg,0.11mmol)を用いて塩酸を除去したアニリノキナゾリン3a(49mg,0.11mmol)を定量的に得た。
3−(6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル−アミノ)フェニルボロン酸(3a).
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.27(s,1H), 7.83(s,1H), 7.66-7.69(m,2H), 7.39(m,1H), 7.31(t,J=7.6Hz,1H), 7.08(s,1H), 4.21-4.25(m,4H), 3.75-3.79(m,4H), 3.39(s,3H), 3.38(s,3H)
MS(ESI)m/z 428([C20H23N3O4B(OH)(OMe)+H]+), 450([C20H23N3O4B(OH)(OMe)+Na]+)
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.27(s,1H), 7.83(s,1H), 7.66-7.69(m,2H), 7.39(m,1H), 7.31(t,J=7.6Hz,1H), 7.08(s,1H), 4.21-4.25(m,4H), 3.75-3.79(m,4H), 3.39(s,3H), 3.38(s,3H)
MS(ESI)m/z 428([C20H23N3O4B(OH)(OMe)+H]+), 450([C20H23N3O4B(OH)(OMe)+Na]+)
(実施例7)ホウ酸化合物3bの合成
4−クロロ−6,7−ビス−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン(42mg,0.14mmol)をイソプロピルアルコール(5mL)に溶かし、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(33mg,0.15mmol)、濃塩酸(0.05mL)を加えて室温で攪拌させた。6時間後、析出した固体をろ過しイソプロピルアルコールで洗った。得られた固体を1bの合成と同様の操作でアニリノキナゾリン3b(11mg,0.03mmol,2steps19%)を得た。
4−クロロ−6,7−ビス−(2−メトキシエトキシ)キナゾリン(42mg,0.14mmol)をイソプロピルアルコール(5mL)に溶かし、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(33mg,0.15mmol)、濃塩酸(0.05mL)を加えて室温で攪拌させた。6時間後、析出した固体をろ過しイソプロピルアルコールで洗った。得られた固体を1bの合成と同様の操作でアニリノキナゾリン3b(11mg,0.03mmol,2steps19%)を得た。
4−(6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル−アミノ)フェニルボロン酸(3b).
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.29(s,1H), 7.67(s,1H), 7.63(m,4H), 7.06(s,1H), 4.18-4.24(m,4H), 3.74-3.77(m,4H), 3.38(s,3H), 3.37(s,3H)
MS(ESI)m/z 414([C20H23N3O4B(OH)2 +H]+), 428([C20H23N3O4B(OH)(OMe)+H]+), 450([C20H23N3O4B(OH)(OMe)+Na]+).
1H-NMR(400MHz;CD3OD)δ:8.29(s,1H), 7.67(s,1H), 7.63(m,4H), 7.06(s,1H), 4.18-4.24(m,4H), 3.74-3.77(m,4H), 3.38(s,3H), 3.37(s,3H)
MS(ESI)m/z 414([C20H23N3O4B(OH)2 +H]+), 428([C20H23N3O4B(OH)(OMe)+H]+), 450([C20H23N3O4B(OH)(OMe)+Na]+).
(試験例1)
チロシンキナーゼのキナーゼ活性は、ELISAで測定した(Cancer Res.,63,4450−4459,2003)。EIA/RIA stripwellTM プレート(Corning社製)に、50μg/mLのpoly(Glu:Tyr,4:1)ペプチド(Sigma社製)PBS溶液を100μl/wellとなるように撒き、4℃で一昼夜インキュベーションしてコートした。100μMのATP、10ngの組換えEGFR、HER2、Flt−1もしくはKDR(Invitrogen社製,いずれも触媒ドメイン)および合成した各種含ホウ素キナゾリン誘導体を含むキナーゼ緩衝液(50mM HEPES、125mM NaClおよび10mM MgCl2,pH7.4)50μlをプレートに加え、キナーゼ反応を行った。20分後、プレートを洗浄緩衝液(Tween20の0.1% PBS溶液)で3回洗浄し、0.2μg/mLのHRP標識リン酸化チロシン抗体(Santa Cruz社製)を50μl/wellとなるようにプレートに添加し、20分間インキュベートした。2回洗浄した後、テトラメチルベンジジン(Sigma社製)を50μl/wellとなるようにプレートに加えて反応させ、50μl/wellの2N H2SO4を加えて反応を停止させた。96−well plate reader(Tecan社製)を用いて、450nmの吸光度を測定し、被験化合物の50%阻害濃度(IC50)を求めた。
チロシンキナーゼのキナーゼ活性は、ELISAで測定した(Cancer Res.,63,4450−4459,2003)。EIA/RIA stripwellTM プレート(Corning社製)に、50μg/mLのpoly(Glu:Tyr,4:1)ペプチド(Sigma社製)PBS溶液を100μl/wellとなるように撒き、4℃で一昼夜インキュベーションしてコートした。100μMのATP、10ngの組換えEGFR、HER2、Flt−1もしくはKDR(Invitrogen社製,いずれも触媒ドメイン)および合成した各種含ホウ素キナゾリン誘導体を含むキナーゼ緩衝液(50mM HEPES、125mM NaClおよび10mM MgCl2,pH7.4)50μlをプレートに加え、キナーゼ反応を行った。20分後、プレートを洗浄緩衝液(Tween20の0.1% PBS溶液)で3回洗浄し、0.2μg/mLのHRP標識リン酸化チロシン抗体(Santa Cruz社製)を50μl/wellとなるようにプレートに添加し、20分間インキュベートした。2回洗浄した後、テトラメチルベンジジン(Sigma社製)を50μl/wellとなるようにプレートに加えて反応させ、50μl/wellの2N H2SO4を加えて反応を停止させた。96−well plate reader(Tecan社製)を用いて、450nmの吸光度を測定し、被験化合物の50%阻害濃度(IC50)を求めた。
結果を、下記表1に示す。なおカッコ書きの数値は、被験化合物を1μMの濃度で添加した際のキナーゼ活性の阻害割合を示す。また表中の「−」は、被験化合物を1μMの濃度で添加しても阻害効果がみられなかったことを示す。
上記の結果から明らかなように、キナゾリン骨格のベンゼン環上にホウ素官能基を有する本発明化合物はEGFRに対する特異的阻害作用を有し、キナゾリン骨格4位の端部のベンゼン環上にホウ素官能基を有する化合物は、VEGFR2(KDR)に対する特異的阻害作用を有していた。
Claims (12)
- 下記式(1)で表される含ホウ素キナゾリン誘導体または薬学的に許容されるその塩。
、
または−X−B−(OR6)(OR7)(式中、Xは単結合、−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し;
R5は水素原子または−B(OR8)(OR9)(式中、R8およびR9はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を示すか、またはOR8とOR9とが互いに連結して隣接するホウ素原子とともに置換基を有していてもよいホウ素含有複素環基を形成する。)を示し;
Dは−O−または−NH−を示す。
ただし、R5が水素原子を示すとき、R1またはR2はアルコキシ基、−O−(CH2)n−OCH3(nは前記定義に同じ)、
、
または−B−(OR6)(OR7)(式中、R6およびR7は前記定義に同じ)を示す。またR5が−B(OH)2を示し、かつDが−NH−を示すとき、R1およびR2はともにメトキシ基を示さないものとする。
なお、R5が水素原子を示すとき、R1およびR2の少なくともいずれか一方は−B(OR6)(OR7)を示すものとし、またR5が−B(OR8)(OR9)を示すとき、連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合するものとする。] - R5がパラ位に結合していることを特徴とする請求項2記載の化合物。
- R1およびR2がともに炭素数1〜5のアルコキシ基または−O−(CH2)n'−OCH3(n’は1〜4の整数を示す。)を示すことを特徴とする請求項3記載の化合物。
- R5が−B(OH)2を示すことを特徴とする請求項4記載の化合物。
- R1およびR2の少なくともいずれか一方が−B−(OR6)(OR7)(式中、R6およびR7は前記定義に同じ)を示し、R3およびR4の少なくともいずれか一方がハロゲン原子を示すことを特徴とする請求項1記載の化合物。
- R2が炭素数1〜5のアルコキシ基を示すことを特徴とする請求項7記載の化合物。
- Dが−NH−を示すことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物。
- 4−(6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−イル−アミノ)フェニルホウ酸または薬学的に許容されるその塩。
- 下記式(1)で表される含ホウ素キナゾリン誘導体または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される担体を含有してなる医薬組成物。
、
または−X−B−(OR6)(OR7)(式中、Xは単結合、−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、
R5は水素原子または−B(OR8)(OR9)(式中、R8およびR9はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を示すか、またはOR8とOR9とが互いに連結して隣接するホウ素原子とともに置換基を有していてもよいホウ素含有複素環基を形成する。)を示し、
Dは−O−または−NH−を示す。
ただし、R5が水素原子を示すとき、R1またはR2は−X’−B−(OR6)(OR7)(式中、X’は−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
なお、R5が水素原子を示すとき、R1およびR2の少なくともいずれか一方は−B(OR6)(OR7)を示すものとし、またR5が−B(OR8)(OR9)を示すとき、連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合するものとする。] - 下記式(1)で表される含ホウ素キナゾリン誘導体または薬学的に許容されるその塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
、
または−X−B−(OR6)(OR7)(式中、Xは単結合、−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、
R5は水素原子または−B(OR8)(OR9)(式中、R8およびR9はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を示すか、またはOR8とOR9とが互いに連結して隣接するホウ素原子とともに置換基を有していてもよいホウ素含有複素環基を形成する。)を示し、
Dは−O−または−NH−を示す。
ただし、R5が水素原子を示すとき、R1またはR2は−X’−B−(OR6)(OR7)(式中、X’は−OCH2−、−OCH2CH=CH−または
なお、R5が水素原子を示すとき、R1およびR2の少なくともいずれか一方は−B(OR6)(OR7)を示すものとし、またR5が−B(OR8)(OR9)を示すとき、連結基Dに対してメタ位またはパラ位に結合するものとする。]
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