JP6139180B2 - 揮発性有機化合物処理装置の運用方法 - Google Patents

揮発性有機化合物処理装置の運用方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6139180B2
JP6139180B2 JP2013041427A JP2013041427A JP6139180B2 JP 6139180 B2 JP6139180 B2 JP 6139180B2 JP 2013041427 A JP2013041427 A JP 2013041427A JP 2013041427 A JP2013041427 A JP 2013041427A JP 6139180 B2 JP6139180 B2 JP 6139180B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
organic compound
desorption
adsorption
adsorption tower
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013041427A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014168741A (ja
Inventor
博臣 釜野
博臣 釜野
晃弘 塔本
晃弘 塔本
幸助 赤瀬
幸助 赤瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurimoto Ltd
Original Assignee
Kurimoto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurimoto Ltd filed Critical Kurimoto Ltd
Priority to JP2013041427A priority Critical patent/JP6139180B2/ja
Publication of JP2014168741A publication Critical patent/JP2014168741A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6139180B2 publication Critical patent/JP6139180B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Landscapes

  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)

Description

この発明は、揮発性有機化合物を含むガスを排出する前に、ガスから揮発性有機化合物を処理するにあたり、その処理作業の効率を向上させる運用方法に関する。
工場から発生する排ガスには、そのまま大気中に排出すると問題を起こす揮発性有機化合物が含まれる場合がある。この場合、排ガスを大気中に排出する前に、含有している揮発性有機化合物を処理しなければならない。その方法として、活性炭等の吸着剤を内蔵した吸着塔で、排ガス中に含まれる揮発性有機化合物を吸着剤に吸着させ、ガス中の濃度を低減させて大気へ排出し、その後、吸着剤から揮発性有機化合物を脱着させて吸着塔を再利用可能にするとともに、揮発性有機化合物を処理するという吸脱着方式が一般的である。
上記の脱着には、揮発性有機化合物を含まないガスを吸着剤に接触させることが必要である。一基の吸着塔で脱着と同時に吸着することはできないので、脱着は速やかに実行することが好ましい。脱着を速める方法としては、脱着用のガスを大量に導入する方法、真空ポンプで吸引して圧力を低下させる方法、吸熱反応である脱着を促進するために高温の脱着用水蒸気を導入する方法などがある。
高温の脱着用水蒸気を導入するには、その加熱のために燃料を大量に消費してしまうので、燃料を節約する方法が検討されている。特許文献1には、この回収した揮発性有機化合物を含む脱着用水蒸気を燃焼炉に誘導し、揮発性有機化合物を燃料として燃焼させ(請求項1)、その燃焼熱を利用して、脱着用水蒸気の加熱を行うこと(請求項2)が記載されている。
しかし、揮発性有機化合物を含有する排ガスを吸着塔の下方から導入して、処理済みのガスを上方から排出するのに対して、脱着用水蒸気を吸着剤層の上方から導入して、吸着剤層の全部分で脱着させて、吸着剤層の下方側から抜き出すのでは、脱着用水蒸気が吸着剤層を通過するのに時間がかかりすぎてしまう。それはつまり、燃焼炉において脱着用水蒸気を生成するための加熱開始から、有機化合物が水蒸気に同伴して抜き出されて、燃焼炉(水蒸気生成装置)に到達するまでに時間が掛かりすぎてしまう。それまでの間は回収した揮発性有機化合物を燃料として用いることができず、LNGガスなどの別の燃料を使用しなければならず、無駄が生じていた。
これに対し、脱着用水蒸気の吸着塔への供給口を両端方向に分かれた複数段からなるものとして、そのうちの最も吸着塔の一端側の供給口を、吸着塔の内部に吸着層が占める位置の側面に設け、吸着塔の一端側に位置する供給口から開放して脱着用水蒸気を吸着層の途中から導入し、脱着させて揮発性有機化合物を取り込んだ有機化合物含有水蒸気を吸着塔の前記一端側から抜き出す手法が、特許文献2に記載されている。この手法によると、真っ先に水蒸気を供給する供給口が排出口に近いため、吸着層の上層の一部で脱着された有機溶剤が、速やかに排出口に到達し、燃焼炉まで到達するために必要な時間が短縮される。その分、燃焼炉に有機溶剤が到達するまでに別途供給しなければならなかった燃料の消費を少なくすることができる。
特開2007−222736号公報 特開2011−226690号公報
しかしながら、脱着開始直後は吸着層の吸着剤が冷えているため、脱着初期に導入された脱着用水蒸気は吸着塔内で凝縮して液体となってしまい、脱着された有機溶剤を燃焼炉まで搬送する圧力を十分に生じさせなかった。このため、有機溶剤が脱着されているにも拘わらず、それを燃焼炉に到達させるには、水蒸気が凝集せずに導入された圧力をほぼ失わずに燃焼炉へと押し出すことができる程度に、吸着層が暖まるまで待たなければならなかった。
そこでこの発明は、加熱した脱着用水蒸気を用いて吸着塔から揮発性有機化合物を脱着し、脱着した揮発性有機化合物を燃焼炉で燃焼させるにあたり、脱着開始から燃料として利用可能にするまでのタイムラグをさらに短縮して、燃料の無駄を抑制することを目的とする。
この発明は、脱着に用いる脱着用ガスとして、常温常圧にて気体である成分を含む押出ガスを水蒸気と混合した混合ガスを、吸着塔に導入させることで上記の課題を解決したのである。このような混合ガスとすると、吸着層に接触して冷却されることで水蒸気が凝集して水になっても、押出ガスはガスのままであるため、吸着塔に供給されるガスの圧力が一部低減されながらも、外へ押し出す圧力を確保できる。すると、混合ガスによって加熱されて脱着された揮発性有機化合物を、吸着層を抜けてすぐに吸着塔の排出口から押し出し、同伴して、燃焼炉へと向かわせることができる。これにより、脱着開始から燃焼炉に揮発性有機化合物が到着するまでの時間が、従来は水蒸気が凝集されずに済む温度まで吸着層が加熱されるまで待機していた時間の分だけ短縮されて、より速やかに燃料として利用可能になり、別途燃料を消費する量を削減することができる。
上記押出ガスとして、燃焼炉で生じた高温ガスを熱交換器に導入し水蒸気を生じた後の排ガスを利用できるように配管を設けてもよいし、高温ガスそのものを利用できるように配管を設けてもよいし、両方を利用できるように配管を設けても良い。高温ガス及び排ガスの主な成分は、炭化水素の燃焼により生じる水と二酸化炭素であり、このうちの二酸化炭素は常温常圧では凝縮せず気体のままである。従って、混合ガスに含めて吸着塔に導入すると、水蒸気が水になる一方で二酸化炭素はガスのままなので、吸着塔内の内圧が高まり、揮発性有機化合物を燃焼炉に向けて押し出し、又は同伴して運ぶことができる。
上記混合ガスは、排ガス又は高温ガスを導入する配管と、熱交換器から生じる水蒸気を導入する配管を繋げることで混合させることができるが、この混合ガスが、十分に脱着が可能となる温度まで加熱できるように、熱交換器を含む経路で循環可能となるように配管を設けておくとよい。排ガスや高温ガスが含まれていても、水蒸気が十分に暖まっていないと、吸着塔に導入しても脱着が十分に進行せずに水だけが増えてしまうことになりかねないからである。ここで、導入までに循環する経路内の温度が150度以上となっていることが望ましい。
この混合ガスを吸着塔に導入するにあたっては、少なくとも吸着塔に底部だけでなく、吸着層が存在する領域である側面にも供給口を設けて、二つ以上の供給口から導入可能としておき、吸着層の、脱着した揮発性有機化合物を供出する側に近い、すなわち供出口に近い供給口から上記混合ガスを導入するとよい。上記混合ガスを用いたとしても、吸着層の全域を通過しなければならない他方の端部側から導入したのでは、供出口まで揮発性有機化合物が到達するまでに時間が掛かりすぎてしまう。このため、吸着層の上記一端側のごく一部だけを通過して速やかに供出口に到達した揮発性有機化合物を燃焼炉に送り込めるようにしておくことが望ましい。
この発明を、揮発性有機化合物を含有するガスを処理する吸着塔で実施することにより、揮発性有機化合物の除去に用いる燃料の消費を抑え、省エネを図ることができる。
この発明を実施する吸着塔及びその周辺装置の概念図 この発明を実施する脱着工程のフロー図 この発明を実施する吸着工程及び脱着工程のフロー図 実施例比較例における吸着塔及びその周辺装置の概念図 実施例における、燃焼炉温度のグラフ 比較例における、燃焼炉温度のグラフ
以下、この発明の実施形態を説明する。この発明は、揮発性有機化合物含有ガスの濃度を低減させて大気中へ排出可能とし、その分の揮発性有機化合物を回収して燃料として使用する揮発性有機化合物処理装置にかかるものである。図1はこの発明にかかる揮発性有機化合物処理装置の全体像の例を示す。
この発明で処理する揮発性有機化合物とは、常圧で加熱することで気体になり得る有機化合物であり、特に常温で液体であるものが吸着処理しやすい。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の炭素数が1〜8程度のアルコール、トルエン、ベンゼンなどの芳香族有機化合物などの、炭化水素系の溶剤が挙げられる。
この発明を実施する揮発性有機化合物処理装置は、吸着塔11と、燃焼炉13と、熱交換器14と、それらを繋ぐ配管とからなる。
吸着塔11は、略円筒形であり、内部は下方側の端部近傍に設けた一枚の多孔板20で仕切ってある。この多孔板上に、揮発性有機化合物を吸着し、加熱により脱着できる吸着剤を充填させた吸着層12を設けている。この吸着剤としては、例えば活性炭などが挙げられる。
吸着塔11の吸着層12より上端側には、揮発性有機化合物含有ガスAの導入口17が設けてあり、吸着層12より下端側には、揮発性有機化合物を吸着剤に吸着されて濃度が低下した処理後ガスBの排出口18が設けてある。排出口18は大気中へ放出するものである。
また、吸着塔11の吸着層12を設けた部分の側面と下端とに、複数段(図1では合計3段)からなる脱着用水蒸気Fの供給口15a〜15cが設けてある。最上段の供給口15aは吸着層12の上下方向中央よりも上で吸着層12の上端の多孔板20よりも下に位置しており、最下段の供給口15cは吸着層12の下端よりも下に位置している。また、有機化合物を脱着した水蒸気有機化合物同伴ガスKを抜き出すための供出口16が、吸着層12の上端よりも上端側に設けてある。
燃焼炉13は、上記脱着用水蒸気Fを生成するための熱を発生させるものであり、燃料Dを供給する燃料供給口21と、吸着塔11の供出口16から送られてきた水蒸気有機化合物同伴ガスKを供給する含有ガス供給口22、バーナ(図示せず)、煙突61、内部温度を測定する燃焼炉温度センサ24を有する。この燃焼炉13で発生した熱が、発生した高温ガスLとして、高温ガス供出路41を通り、熱交換器14へ供給される。高温ガスLは有機化合物が燃焼したものであるため、水蒸気と二酸化炭素を主な成分とする。このうち二酸化炭素は常温常圧にて気体であり、後述する配管を通じて吸着塔11に供給されても、吸着剤に吸着されず、かつ吸着剤と接して冷却されても凝縮せずに揮発性有機化合物を移送させることができる。また、水蒸気が含まれているため、後述する脱着用水蒸気を節約することができる。さらに、燃焼により酸素が減少しているため、吸着剤の劣化を軽減することができる。
熱交換器14には、水蒸気の元となる水Eを供給する水供給口26を備え、水Eを加熱して得られた脱着用水蒸気Fを吸着塔11の供給口15a〜15cへ供給する、脱着用水蒸気供給路25と、脱着用水蒸気供給路25の内部温度を測定する水蒸気温度センサ28とを有する。なお、水供給口26は、脱着用水蒸気供給路25内に水Eを噴霧する機能を有している。また、熱交換器14に供給された高温ガスLは、水Eに熱を渡して冷却され、より低温の排ガスMとなって、排ガス放出路53から放出される。なお、排ガスMの成分は上記の高温ガスLと同じである。
熱交換器14で生じた水蒸気Fが抜き出される脱着用水蒸気供給路25は、途中で分岐(27a,27b)しており、一の分岐27bは大気への開放口29に繋がるとともに、分岐27aと熱交換器14の間で循環経路を形成している。また、燃焼炉13から熱交換器14へ通じる高温ガス供出路41は、途中で分岐する高温ガス分岐点43を有している。この分岐した他方である高温ガス導入路42は脱着用水蒸気供給路25に通じており、水蒸気Fに高温ガスLを混合可能となっている。さらに、熱交換器14から排ガス放出路53へ排出される排ガスMの排ガス排出路51は、途中で分岐する排ガス分岐点54を有している。この分岐した他方である排ガス導入路52は脱着用水蒸気供給路25に通じており、水蒸気Fに排ガスMを混合可能となっている。したがって、水蒸気Fには高温ガスLと排ガスMの両方を混合可能である。
さらに図示しないが、脱着用水蒸気供給路25には、別途、常温常圧では気体であるガスを導入できる配管を有していても良い。このようなガスとしては、例えば空気、窒素、アルゴンなどが挙げられる。さらに、これらのガスは吸着剤に吸着されないため、吸着塔11内に供給されても揮発性有機化合物を確実に移送させることができる。なお、この中では特に窒素を用いると安全性が高い。これらは常温で導入するものでもよいが、排ガスMや高温ガスLなどによって暖められた上で導入する配管に供給するものであると、脱着用水蒸気Fを含む混合ガスGの温度を高く保つことが出来るので好ましい。
この発明にかかる揮発性有機化合物処理装置は、まず、吸着塔11に導入された揮発性有機化合物含有ガスAに含まれる揮発性有機化合物を、吸着層12の吸着剤に吸着させる。吸着層12を通過した処理後ガスBは排出口から出て大気中へ放出される。この吸着作業を一定時間が経過するまで、又は、吸着能が一定以下になるまで行う。なお、吸着能の低下を検知して吸着を止めるには、排出口18に揮発性有機化合物の検出装置(図示せず)を設け、そこで処理後ガスBに含まれる揮発性有機化合物の濃度を測定し、予め定めた値以上になったら、吸着層12の吸着能が限界に達していると解釈して導入口17の弁へ閉める命令を出す制御回路を設ける。
一方、吸着を終える前から脱着の準備を進めておく。脱着用水蒸気Fは即座に供給開始できるものではないので、吸着終了後から加熱を始めると、脱着が始まるまでの間にタイムラグが生じてしまい、本来必要な吸着工程が止まってしまうためである。なお、吸着塔11が二基以上ある場合は、一方で吸着工程を止めても他方で吸着工程を行うことができるが、その場合は常に脱着用水蒸気Fを用意していることとなる。
この脱着工程を図2のフローを用いて説明する。まず、燃焼炉13で燃料Dの燃焼を開始し、脱着用水蒸気供給路25の循環経路内の空気を、経路中に設けたファン(図示せず)で循環させる(S11)。この時の空気温度を水蒸気温度センサ28で検知し、水蒸気が生成できる設定温度T1以上になったことを水制御回路30が確認したら(S12)、分岐27aから熱交換器14へ戻る脱着用水蒸気供給路25中への水Eの水供給口26の弁を開放し、水Eを噴霧して熱交換器14内で水蒸気を生成させる(S13)。熱交換器14では、水蒸気温度センサ28で生成する水蒸気の温度を検知しておき、脱着用水蒸気Fが脱着に好適な温度T2になるまで(S14)、又は吸着が終了するまで、開放口29への弁を開放して、大気中へ放出する(S15)。脱着は吸熱反応であるため、十分に高温の水蒸気でなければ脱着が速やかに進行しないからである。なお、ここで脱着用水蒸気Fとは、過熱水蒸気又は飽和水蒸気である。また、分岐27aで分岐する一部の脱着用水蒸気Fは水供給口26の経路へと通じて、熱交換器14へ循環する。
また、脱着用水蒸気供給路25には、高温ガス導入路42から高温ガスLが導入可能であり、排ガス導入路52から排ガスMが導入可能である。一方だけを導入してもよいし、両方を導入してもよい。ただし、脱着用水蒸気Fが十分に暖まるまでこれらの導入路の弁を閉鎖しておくことが望ましい。
高温ガスLの温度は特に限定されないが、650℃以上であると熱交換器14にて水蒸気を生成しやすく、700℃以上であると好ましい。一方で、高温すぎると装置を傷めやすいため、900℃以下であるとよく、850℃以下であると好ましく、800℃以下であるとより好ましい。燃焼炉13から直接排出されるガスが高温である場合には、空気と混合することで温度を低下させて、上記の温度範囲に調整してから熱交換器14へ導入するとよい。また、排ガスMの温度は熱交換器の設定にもよるが、150℃以上、300℃以下程度であるとよい。それぞれの導入路(42,52)を介していずれのガスを導入する場合でも、脱着に求められる温度よりは基本的に高温であるため、これらの導入によって、混合により得られる混合ガスGの温度上昇に必要な熱量を節約することができる。
吸着塔11での吸着が終了し、脱着用水蒸気Fが所定の温度T2以上になったら(S14)、開放口制御回路31は、開放口29への弁を閉じるとともに、高温ガス導入路42、排ガス導入路52、その他の気体の導入路、若しくはそれらの複数の弁を開放して、脱着用水蒸気Fに、常温常圧で気体である成分を混合させ、混合ガスGを生じさせる(S16)。次いで、最も供出口16に近い供給口15aへの混合ガスGの弁を開放する(S17)。供給口15aに供給された混合ガスGは、吸着層12の上層部分に吸着した揮発性有機化合物を脱着させて、水蒸気有機化合物同伴ガスKとなって供出口16から供出させる(S18)。このとき、混合ガスGに含まれる二酸化炭素などの、常温常圧で気体であるガスは凝縮しないため、脱着した揮発性有機化合物の成分は、供給口15aからガスが供給される圧力に押され、又は同伴されて、速やかに供出口16から供出されることになる。またここで、供給口15aは吸着層12の上端に近いほど、脱着した水蒸気有機化合物同伴ガスKが吸着層12を抜けて上方の供出口16に到達するまでの時間は短くなる。ひいては、その供出口16から燃焼炉13へ通じる含有ガス供給口22に水蒸気有機化合物同伴ガスKが到達する(S19)までの時間も短縮される。
水蒸気有機化合物同伴ガスKが燃焼炉13に到達すると(S19)、燃焼炉13に供給される可燃物の合計量が増えるので、燃焼炉13内の温度が上昇する。この温度上昇を燃焼炉温度センサ24で検知する。燃料Dのみの燃焼の際の温度上昇の誤差分を上回るとして規定する規定の温度T3を燃料制御回路33に予め規定しておき、燃焼炉温度センサ24の検知温度がT3以上となったら(S20)、水蒸気有機化合物同伴ガスKの到達により、可燃物が増えたとみなして、燃料供給口21へ供給される燃料Dの弁を絞り、燃料Dを節約する(S21)。
ただし、水蒸気有機化合物同伴ガスKに含まれる有機化合物は、供給口15a付近に吸着した揮発性有機化合物が徐々に脱着されていくにつれて減っていくので、順次供出口16に近い側の供給口15b、15cの弁を開放していき、燃焼炉13に供給される揮発性有機化合物の量が過度に低下しないようにする。この開放するタイミングは、最も供出口16側にある供給口15aを開放してからの経過時間によって決定しておいてもよいし、燃焼炉13の燃焼炉温度センサ24が予め規定した温度低下を示す、すなわち、燃やすべき可燃物の量が減少したことを検知したら、順次開放するようにしてもよい。温度低下を検知する場合、可燃物が減少して対処すべきと考えられる炉内温度T4を予め規定した供給口制御回路32が、燃焼炉温度センサ24の温度低下を検知したら(S22)、供給口15b〜15cの未開放の弁のうち、供出口16側(上端側)にある弁を開放する(S23〜S24)。一つの弁を開放して、一旦炉内温度が上昇したら、再び炉内温度を監視し、温度低下を検知したら次の弁を開放する。仮に、図1よりもさらに多段に亘って供給口15Xがある場合は、これを全ての供給口が開くまで続ける(S25)。なお、次の弁を開放したら、それまで開放していた供給口の弁は閉鎖する。
供給口15Xを全て開放してから、吸着層12における脱着が十分に進行する時間t1が経過したら(S26)、供給口15Xを全て閉鎖して脱着を終了する(S27)。また、吸着塔11が一基である場合には、燃料Dを供給する燃料供給口21の弁を閉めて、燃焼炉13での燃焼を終了する(S28)。また、合わせて供出口16の弁も閉じる。熱交換器14でなお生成する余剰の脱着用水蒸気Fは、開放口29の弁を開放して大気中へ放出する(S29)。さらに、高温ガス導入路42、排ガス導入路52の弁も閉鎖する(S30)。
以上で吸着塔11の脱着は終了し、再び吸着層12での吸着が可能な状態になったので、揮発性有機化合物含有ガスAの導入口17を開放して吸着を開始し、一定時間吸着した後、上記と同様の手順で脱着を行う。
なお、この発明を実施する際の実施形態は、吸着塔11に設ける供給口15a〜15c、供出口16,導入口17、排出口18の位置は、上下方向が逆でもよい。また、原理上は吸着塔11が水平方向を向いた、図の形態から90度回転した形態でも実施可能である。吸着塔11がいずれの方向を向いているにせよ、吸着塔11への揮発性有機化合物含有ガスAを導入する導入口17と、水蒸気有機化合物同伴ガスKを供出する供出口16とが、吸着塔11の一方の端部側(一端側)にあり、処理後ガスBを排出する排出口18が、他方の端部側(他端側)に位置する形態は変わらない。なおかつ、この両端方向に、供給口15a、15b、……15xが複数段に分かれて設けられており、そのうちの最も一端側、すなわち最も供出口16に近い側の供給口15aが、吸着塔11の内部に吸着層12が占める位置の側面に設けるものとしてあれば、本発明は有効に実施可能である。その最も一端側に位置する供給口15aから開放することで、上記混合ガスGを吸着層12の途中から導入し、脱着させた揮発性有機化合物を、押出ガスにより速やかに前記の一端側にある供出口16へと抜き出すことができる。
また、別の実施形態として、吸着塔11を二基備えた実施形態が挙げられる。吸着塔11が一基である前記の実施形態では、脱着をしている間は揮発性有機化合物含有ガスAの処理ができないので、一時的に処理を停止して蓄えておかなければならないが、吸着塔11を二基備えていると、一基で吸着を終えて脱着へ移行する間に、もう一基で吸着を開始することができるので、脱着に要する時間が吸着可能な時間よりも短ければ、揮発性有機化合物含有ガスAの処理を停止することなく続けることができる。この実施形態を実現するには、各々の吸着塔11への供給、排出等を行う口をそれぞれ設けて、個々の弁を独立に動作可能とするように前記の制御回路を用意する。
このような吸着塔11を二基備えた実施形態での吸着及び脱着の手順を図3に示す。まず、吸着塔αでの吸着終了とともに、吸着塔βでの吸着を開始する。吸着塔βの吸着能が低下しきるまでに、吸着塔αの吸着層12に対して脱着を開始する。まず供給口15aを開放して混合ガスGを導入し(S17)、最初の水蒸気有機化合物同伴ガスKが到達して燃焼炉13の温度が上昇したら、燃料Dの供給量を低減させる(S21)。その後、燃焼炉13の温度低下(S22)を検知するとともに、順次供給口15b〜15cを開放して(S23,S24)、吸着層12の脱着を進行させる。脱着が十分に進行したら、吸着塔αへの混合ガスGの導入を停止する(S41)。燃焼炉13には水蒸気有機化合物同伴ガスKが到達しなくなるので、足りなくなった燃焼物質分を補うために、一旦燃料Dの供給量を回復させ(S42)、燃焼を維持する。また、この間脱着用水蒸気Fは常に生成しているが、供給口15a〜15cは全て閉ざされているので、分岐27aから熱交換器14に循環させておくか、適宜開放口29から開放する。そして、吸着塔βでの吸着が終了したら、脱着により機能を回復した吸着塔αでの吸着を開始し、その間に吸着塔βへの混合ガスGの供給を開始して、同様に脱着を行う。
次に、この発明を実際に実施した例により、この発明をより具体的に示す。
吸着塔寸法:630W×800L×1055H、充填部:630W×800L×700H(体積:352.8L)、活性炭重量:151.7kg(白鷺S2x 4/6)である吸着塔を、図4に示すような構成とした。具体的には、熱交換器14から出た脱着用水蒸気に、排ガス導入路52から排ガスを混合しうるものとし、混合ガスを、吸着塔に供給できるよう弁を設けている。また、吸着塔の供出口16から供出された揮発性有機化合物を含むガスは、燃焼炉13へと送られる。なお、供給口15は、側面(15a)と底面(15c)の二箇所のみである。
(実施例)
予め吸着塔11に、揮発性有機化合物としてトルエンを含むガスを流し、吸着剤である活性炭に十分にトルエンを吸着させた。それと並行して、燃焼炉13で燃料を燃焼させて、735℃に温度調整した高温ガスを熱交換器14に導入して水蒸気を生成した。熱交換器14から排出される200〜250℃の排ガスと混合して混合ガスを生じさせた。混合比は体積流量比で水蒸気:排ガス=6:1〜1:1とし、混合ガスの温度は140〜150℃となった。
吸着完了後、吸着塔11の供給口15aから混合ガスを導入し、トルエンを含んだ水蒸気有機化合物同伴ガスKを塔頂部の供出口16から排出した。また、導入開始から10分経過後に底部の供給口15cからも混合ガスの導入を開始した。このときの燃焼炉の温度変化を図5に示す。導入から7分経過後には、燃焼炉13の温度が上昇しはじめておりこの時点で揮発性有機化合物が燃焼炉に到達していることが示された。また、導入から15分後には吸着層全体から脱着された揮発性有機化合物が到着し始めたと思われる温度上昇が検出されたが、その上昇は緩やかなものとなった。
(比較例)
実施例1において、排ガスを混合せず、混合ガスと同量の脱着用水蒸気を供給するようにした以外は同様の手順により脱着を行った。その際の燃焼炉の温度変化を図6に示す。側面から水蒸気を導入しているにも拘わらず、17分経過するまで燃焼炉の温度上昇が見られず、脱着したはずの揮発性有機化合物が燃焼炉に到達するまでに待ち時間が生じることが示された。また、17分経過後の温度上昇は急激であり、燃焼炉へ供給する燃料の量を速やかに抑制しなければ、燃焼炉を傷めるおそれがあった。
11 吸着塔
12 吸着層
13 燃焼炉
14 熱交換器
15a〜15c 供給口
16 供出口(水蒸気有機化合物同伴ガス)
17 導入口(揮発性有機化合物含有ガス)
18 排出口(処理後ガス)
20 多孔板
21 燃料供給口
22 含有ガス供給口
24 燃焼炉温度センサ
25 脱着用水蒸気供給路
26 水供給口
27a,27b 分岐
28 水蒸気温度センサ
29 開放口
30 水制御回路
31 開放口制御回路
32 供給口制御回路
33 燃料制御回路
41 高温ガス供出路
42 高温ガス導入路
43 高温ガス分岐点
51 排ガス排出路
52 排ガス導入路
53 排ガス放出路
54 排ガス分岐点
61 煙突
A 揮発性有機化合物含有ガス
B 処理後ガス
D 燃料
E 水
F 脱着用水蒸気
G 混合ガス
H 排出水蒸気
K 水蒸気有機化合物同伴ガス
L 高温ガス
M 排ガス

Claims (4)

  1. 揮発性有機化合物を吸着する吸着剤を充填した吸着層を内部に有し、上記吸着層から上記揮発性有機化合物を脱着させる脱着用ガスを供給させ得る吸着塔と、
    脱着した上記揮発性有機化合物を燃料の一部として利用可能な燃焼炉と、
    上記燃焼炉で生成した高温ガスと水とを熱交換して水蒸気を生成する熱交換器とを有し、
    上記脱着用ガスとして、常温常圧にて気体である成分を含む押出ガスを上記水蒸気と混合した混合ガスを用い、
    上記高温ガスを上記熱交換器にて熱交換させた後の排ガスを上記押出ガスとして供給させる配管を有し、
    上記混合ガスが所定温度に達した後に上記吸着塔へ供給可能とする、有機化合物処理装置。
  2. 上記燃焼炉で生成した高温ガスを、上記押出ガスとして供給させる配管を有する請求項1に記載の有機化合物処理装置。
  3. 上記熱交換器を含む経路にて上記混合ガスを循環可能とする請求項1又は2に記載の有機化合物処理装置。
  4. 脱着用水蒸気の吸着塔への供給口を両端方向に分かれた複数段からなるものとして、
    そのうちの最も吸着塔の一端側の供給口を、吸着塔の内部に吸着層が占める位置の側面に設けた、請求項1乃至3のいずれかに記載の有機化合物処理装置を運用する方法であり、
    吸着塔の一端側に位置する供給口から開放して上記混合ガスを吸着層の途中から導入し、脱着させて揮発性有機化合物を取り込んだ水蒸気有機化合物同伴ガスを吸着塔の前記一端側から抜き出して上記燃焼炉へ供給する、
    有機化合物処理装置の運用方法。
JP2013041427A 2013-03-04 2013-03-04 揮発性有機化合物処理装置の運用方法 Active JP6139180B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013041427A JP6139180B2 (ja) 2013-03-04 2013-03-04 揮発性有機化合物処理装置の運用方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013041427A JP6139180B2 (ja) 2013-03-04 2013-03-04 揮発性有機化合物処理装置の運用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014168741A JP2014168741A (ja) 2014-09-18
JP6139180B2 true JP6139180B2 (ja) 2017-05-31

Family

ID=51691584

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013041427A Active JP6139180B2 (ja) 2013-03-04 2013-03-04 揮発性有機化合物処理装置の運用方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6139180B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106693939A (zh) * 2017-02-09 2017-05-24 江苏永益环保科技有限公司 一种活性炭吸附蒸汽脱附设备
CN115382344B (zh) * 2022-07-21 2023-11-24 宁夏宁杰橡胶再生资源循环利用科技有限公司 一种橡胶烟气处理***

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5615935B2 (ja) * 1973-05-31 1981-04-13
US6372018B1 (en) * 2000-03-14 2002-04-16 Harold R. Cowles VOC removal or destruction system
US8142555B2 (en) * 2004-08-19 2012-03-27 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. Method of treating volatile organic compound and system for treating volatile organic compound using gas turbine
JP3956993B1 (ja) * 2006-01-30 2007-08-08 石川島播磨重工業株式会社 ガスタービンを用いた揮発性有機化合物処理方法及び揮発性有機化合物処理システム
JP2010088728A (ja) * 2008-10-09 2010-04-22 Kuraudo:Kk 脱臭方法及びその装置
JP2010240630A (ja) * 2009-03-31 2010-10-28 Shinwa Corp 脱臭装置
JP5113207B2 (ja) * 2010-03-30 2013-01-09 株式会社栗本鐵工所 揮発性有機化合物処理装置の運用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014168741A (ja) 2014-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2335701C1 (ru) Способ и система для переработки летучего органического соединения с использованием газовой турбины
KR101401813B1 (ko) 화석 연료 발전 설비의 배기 가스로부터 이산화탄소를 분리하기 위한 방법 및 장치
US9079134B2 (en) Carbon dioxide separating and capturing apparatus
EP4132685B1 (en) A method and arrangement for capturing carbon dioxide from a gas stream using an adsorption system comprising a heat storage and recovery unit
JP5113207B2 (ja) 揮発性有機化合物処理装置の運用方法
KR20080005860A (ko) 휘발성 유기 화합물 처리 방법, 흡착 및 탈착 장치, 및휘발성 유기 화합물 처리 시스템
KR100966481B1 (ko) 무빙베드식 휘발성유기물질 연속농축시스템 및연속농축방법
KR20130012125A (ko) 화석 연료 발전소로부터의 배출 가스로부터 이산화탄소의 분리를 위한 방법 및 장치
CN107990334A (zh) 一种新型的VOCs废气的吸附真空脱附冷凝回收或焚烧处理***
CN108993140A (zh) 一种处理燃料油含水汽VOCs的冷凝吸附催化氧化装置及方法
JP6139180B2 (ja) 揮発性有機化合物処理装置の運用方法
JP6728875B2 (ja) 二酸化炭素の回収装置及び天然ガスの燃焼システム
JPH0568290B2 (ja)
KR101310174B1 (ko) 수소 제조에 있어서의 배수의 처리방법 및 수소 제조 시스템
JP5835662B2 (ja) 揮発性有機化合物処理装置の制御方法
JP2016007596A (ja) 揮発性有機化合物処理装置の制御方法
JP2015142884A (ja) 揮発性有機化合物処理装置及び処理方法
JP5387991B2 (ja) 揮発性有機化合物吸着塔の運用方法
US20230201759A1 (en) Methods and devices for steam driven carbon dioxide capture
CN211302563U (zh) 一种油气处理***
JP7236888B2 (ja) 真空脱着式揮発性有機化合物回収装置の運用方法
JP2005103335A (ja) 熱脱着式酸素濃縮装置
JP2017056383A (ja) 二酸化炭素回収装置および二酸化炭素回収方法
JP2021133281A (ja) 揮発性有機化合物処理装置、及びその運用方法
JPH029414A (ja) 燃焼ガス処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6139180

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150