JP2009235923A - ターボ型真空ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】気体を高真空から大気圧まで圧縮できるターボ型真空ポンプで、回転体を高速且つ高精度に回転保持でき、安価にて製造できるターボ型真空ポンプを提供する。
【解決手段】ポンプの略全長に延びる回転軸1と、ケーシング2内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部10と、モータ51と回転軸1を支承する軸受53,54,55とを有した軸受モータ部50を備えたターボ型真空ポンプにおいて、回転軸1をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受40を用い、該気体軸受の固定側部位41の両面にスパイラル溝45を形成し、回転軸1に固定された上側回転側部位42と下側回転側部位43とにより、スパイラル溝45の形成された固定側部位41を挟み込むようにし、排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力をうち消す方向に作用するスラスト磁気軸受55を設け、回転体の軸方向変位を検出する変位センサ46を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、ターボ型真空ポンプに係り、特に大気圧から高真空まで排気可能でオイルフリーのターボ型真空ポンプに関する。
従来から半導体製造装置等において、チャンバ内の気体を排気して清浄な高真空(又は超高真空)を得るのにターボ型真空ポンプが用いられている。このターボ型真空ポンプには、吸気口と排気口とを有するポンプハウジング内にターボ分子ポンプ段、ネジ溝ポンプ段および渦流ポンプ段を順次配設し、これらポンプ段の回転翼を固定した回転軸を静圧気体軸受で支持するタイプの真空ポンプや、吸気口と排気口とを有するケーシング内に多段の排気ポンプ段を配設し、ポンプ段の回転翼を固定した回転軸を動圧型のラジアル気体軸受と、動圧型スラスト気体軸受と永久磁石とを併用したスラスト軸受とにより支持するタイプの真空ポンプ等がある。このように、転がり軸受を用いることなく、気体軸受を用いて回転軸を支持することにより、ガス流路のみならず、軸受部等も含めたポンプ全体に油を用いる必要がないオイルフリーのターボ型真空ポンプを構成するようにしている。
特開2002−285987号公報 特開平6−193586号公報
気体を超高真空から大気圧まで圧縮させる真空ポンプでは、大気圧付近の翼のクリアランスは、気体の逆流量を低減させ圧縮性能を高めるために、微小なクリアランスにする必要がある。また、気体を超高真空から大気圧まで圧縮させると、その圧力差によるスラスト荷重が作用する。以上のことより、ターボ型真空ポンプにおいて、ポンプ段の回転翼を有した回転体を支持する軸受としては、機械式のボールベアリングが採用されているが、機械的な接触があるため、回転体を高速で回転させることができない。ボールベアリング以外では、回転体を数ミクロン(μm)から数十ミクロン(μm)の精度で回転保持することができる気体軸受がある。気体軸受によりポンプ段の回転翼を有した回転体を支持するようにしたターボ型真空ポンプは、例えば、特開2002−285987号公報(特許文献1)や特開平6−193586号公報(特許文献2)に記載されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された気体軸受を用いて、超高真空から大気圧までの圧力差により生ずるスラスト荷重と同等の荷重を発生させるには、気体軸受のクリアランスをより狭くしなければならず、部品精度の限界、もしくは加工及び寸法計測能力の限界に達してしまう。すなわち、このように、極めて小さいクリアランスの気体軸受を製作することは、加工や計測の面から困難性があるという問題がある。
また、特許文献2に記載されたように、スラスト荷重を打ち消す手法として、永久磁石の反発力を利用する場合には、永久磁石の反発力は、クリアランスが狭くなれば強まるものであるが、反発力(すなわちクリアランス)を制御できるものではなく、したがって、回転体のスラスト位置を制御することはできないという問題がある。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、気体を高真空から大気圧まで圧縮できるターボ型真空ポンプで、回転体を高速且つ高精度に回転保持でき、かつ安価に製造できるターボ型真空ポンプを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の第1の態様は、ポンプの略全長に亘って延びる回転軸と、ケーシング内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部と、前記回転軸に回転駆動力を与えるモータと前記回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部を備えたターボ型真空ポンプにおいて、前記回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を用い、該気体軸受の固定側部位の両面にスパイラル溝を形成し、前記回転軸に固定された上側回転側部位と下側回転側部位とにより、前記スパイラル溝の形成された固定側部位を挟み込むようにし、前記排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力に対し、それを打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受を設け、前記気体軸受の近傍に前記回転軸を有した回転体の軸方向変位を検出する変位センサを設けたことを特徴とする。
また本発明の他の態様は、ポンプの略全長に亘って延びる回転軸と、ケーシング内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部と、前記回転軸に回転駆動力を与えるモータと前記回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部を備えたターボ型真空ポンプにおいて、前記回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を用い、前記回転軸に固定された気体軸受の回転側部位の両面にスパイラル溝を形成し、固定側の上下に分割された上側固定側部位と下側固定側部位とにより、前記スパイラル溝の形成された回転側部位を挟み込むようにし、前記排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力に対し、それを打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受を設け、前記気体軸受の近傍に前記回転軸を有した回転体の軸方向変位を検出する変位センサを設けたことを特徴とする。
本発明の第1の態様によれば、回転軸と回転軸に固定された回転翼を含む回転体をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を採用したことにより、回転体を軸方向に数ミクロン(μm)から数十ミクロン(μm)の精度で回転保持することが可能となる。ポンプの圧縮作用による差圧によるスラスト力により、回転体が軸方向に変位し、気体軸受の微小クリアランス部での接触により安定回転ができなくなることを防ぐために、その変位量を気体軸受の近傍に設置された変位センサにより検出し、スラスト磁気軸受により差圧によるスラスト力を打ち消す方向に回転体を吸引し、回転体を安定して回転させることができる。
スラスト荷重を打ち消す手法として、この永久磁石の反発力を利用する場合には、永久磁石の反発力は、クリアランスが狭くなれば強まるものであるが、反発力(すなわちクリアランス)を制御できるものではなく、要するに回転体のスラスト位置を制御することはできない。したがって、気体軸受の反発力と、差圧によるスラスト力と、永久磁石の反発力と、回転体自重の釣り合う位置で回転体は回転する。永久磁石を使用した方法では、翼クリアランスは、スラスト力を発生させる各部品の精度に影響され、性能のばらつきが発生してしまう。
本発明では、差圧によるスラスト力を打ち消す方向のスラスト磁気軸受を設け、スラスト力を発生させる構成に、少なくとも一つ制御可能なものを加えることにより、回転体のスラスト方向の高精度な位置制御が可能となり、性能の安定化が図れる。
本発明の好ましい態様は、前記変位センサは、渦電流型センサまたは誘導型センサからなることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記回転体における前記変位センサのターゲットになる部分に導電性材料または磁性材料の表面処理を施したことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記回転体における前記変位センサのターゲットになる部分に導電性材料または磁性材料の薄板を設けたことを特徴とする。
本発明において、変位センサのターゲットになる回転体の部分がセラミックスで構成される場合、変位センサが渦電流型センサや誘導型センサでは、ターゲットを検出することができない。そこで、変位センサが渦電流センサの場合には、ターゲットになる部分に導電性材料による表面処理を施せばよい。変位センサが誘導型センサの場合には、ターゲットになる部分に磁性材料による表面処理を施せばよい。また、変位センサのターゲットになる回転体の部分に、導電性材料や磁性材料からなる薄板を設けてもよい。
本発明の第2の態様は、ポンプの略全長に亘って延びる回転軸と、ケーシング内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部と、前記回転軸に回転駆動力を与えるモータと前記回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部を備えたターボ型真空ポンプにおいて、前記回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を用い、該気体軸受の固定側部位の両面にスパイラル溝を形成し、前記回転軸に固定された上側回転側部位と下側回転側部位とにより、前記スパイラル溝の形成された固定側部位を挟み込むようにし、前記排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力に対し、それを打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受を設け、ポンプ吸気口またはポンプ内部の真空圧を測定する真空計を設けたことを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、ポンプの略全長に亘って延びる回転軸と、ケーシング内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部と、前記回転軸に回転駆動力を与えるモータと前記回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部を備えたターボ型真空ポンプにおいて、前記回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を用い、前記回転軸に固定された気体軸受の回転側部位の両面にスパイラル溝を形成し、固定側の上下に分割された上側固定側部位と下側固定側部位とにより、前記スパイラル溝の形成された回転側部位を挟み込むようにし、前記排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力に対し、それを打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受を設け、ポンプ吸気口またはポンプ内部の真空圧を測定する真空計を設けたことを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、回転軸と回転軸に固定された回転翼を含む回転体をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を採用したことにより、回転体を軸方向に数ミクロン(μm)から数十ミクロン(μm)の精度で回転保持することが可能となる。ポンプの圧縮作用による差圧によるスラスト力により、回転体が軸方向に変位し、気体軸受の微小クリアランス部での接触により安定回転ができなくなることを防ぐために、ポンプ吸気口またはポンプ内部に設けた真空計により、ポンプ排気部の排気側と吸気側の差圧そのものを測定してスラスト磁気軸受の制御部に入力し、スラスト磁気軸受により差圧によるスラスト力を打ち消す方向に回転体を吸引し、回転体を安定して回転させることができる。
本発明の好ましい態様は、前記真空計が、隔膜式真空計または電離真空計またはピラニー真空計からなることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記スラスト磁気軸受の近傍に、前記回転軸の軸方向変位を検出する変位センサを設けたことを特徴とする。
スラスト磁気軸受の磁気吸引力は、吸引対象が近づくほど(磁気クリアランスが小さくなるほど)大きくなる。ポンプは高速回転することにより、高周波モータ部での発熱などにより、回転軸がスラスト方向に伸びる。回転軸が伸びた場合、スラスト磁気軸受に同じ制御量を入力したとしても、スラスト磁気軸受の磁気クリアランスが異なると、発生するスラスト力は異なってしまう。そのため、回転軸のスラスト方向の変位(熱変形量)を計測するための変位センサをスラスト磁気軸受の近傍に設置し、回転軸が変形することによる磁気クリアランスの変化分を、発生するスラスト荷重に対し補正することにより過大なスラスト力の発生を抑えることができる。この回転軸のスラスト方向変位を検出する方法としては、変位センサを用いる方法以外に、例えばモータ部、ラジアル磁気軸受部の温度を計測することにより、回転軸のスラスト方向の熱変形量を算出してもよい。
本発明の第3の態様は、ポンプの略全長に亘って延びる回転軸と、ケーシング内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部と、前記回転軸に回転駆動力を与えるモータと前記回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部を備えたターボ型真空ポンプにおいて、前記回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を用い、該気体軸受の固定側部位の両面にスパイラル溝を形成し、前記回転軸に固定された上側回転側部位と下側回転側部位とにより、前記スパイラル溝の形成された固定側部位を挟み込むようにし、前記排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力に対し、それを打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受を設け、ポンプ吸気側にある真空計で測定した真空圧を前記スラスト磁気軸受の制御部に入力するようにしたことを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、ポンプの略全長に亘って延びる回転軸と、ケーシング内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部と、前記回転軸に回転駆動力を与えるモータと前記回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部を備えたターボ型真空ポンプにおいて、前記回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を用い、前記回転軸に固定された気体軸受の回転側部位の両面にスパイラル溝を形成し、固定側の上下に分割された上側固定側部位と下側固定側部位とにより、前記スパイラル溝の形成された回転側部位を挟み込むようにし、前記排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力に対し、それを打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受を設け、ポンプ吸気側にある真空計で測定した真空圧を前記スラスト磁気軸受の制御部に入力するようにしたことを特徴とする。
本発明の第3の態様によれば、回転軸と回転軸に固定された回転翼を含む回転体をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を採用したことにより、回転体を軸方向に数ミクロン(μm)から数十ミクロン(μm)の精度で回転保持することが可能となる。ポンプの圧縮作用による差圧によるスラスト力により、回転体が軸方向に変位し、気体軸受の微小クリアランス部での接触により安定回転ができなくなることを防ぐために、真空チャンバ等のポンプ吸気側にある真空計により、ポンプ排気部の排気側と吸気側の差圧そのものを測定してスラスト磁気軸受の制御部に入力し、スラスト磁気軸受により差圧によるスラスト力を打ち消す方向に回転体を吸引し、回転体を安定して回転させることができる。
本発明によれば、以下に列挙する効果を奏する。
(1)回転軸と回転軸に固定された回転翼を含む回転体をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を採用したことにより、回転体を軸方向に数ミクロン(μm)から数十ミクロン(μm)の精度で回転保持することが可能となる。ポンプの圧縮作用による差圧によるスラスト力により、回転体が軸方向に変位し、気体軸受の微小クリアランス部での接触により安定回転ができなくなることを防ぐために、その変位量を気体軸受の近傍に設置された変位センサにより検出し、スラスト磁気軸受により差圧によるスラスト力を打ち消す方向に回転体を吸引し、回転体を安定して回転させることができる。
(2)回転軸と回転軸に固定された回転翼を含む回転体をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を採用したことにより、回転体を軸方向に数ミクロン(μm)から数十ミクロン(μm)の精度で回転保持することが可能となる。ポンプの圧縮作用による差圧によるスラスト力により、回転体が軸方向に変位し、気体軸受の微小クリアランス部での接触により安定回転ができなくなることを防ぐために、ポンプ吸気口またはポンプ内部に設けた真空計により、ポンプ排気部の排気側と吸気側の差圧そのものを測定してスラスト磁気軸受の制御部に入力し、スラスト磁気軸受により差圧によるスラスト力を打ち消す方向に回転体を吸引し、回転体を安定して回転させることができる。
(3)回転軸のスラスト方向の変位(熱変形量)を計測するための変位センサをスラスト磁気軸受の近傍に設置し、回転軸が変形することによる磁気クリアランスの変化分を、発生するスラスト荷重に対し補正することにより過大なスラスト力の発生を抑えることができる。
(4)回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受とスラスト磁気軸受とを用いたことにより、気体軸受のクリアランスの維持が容易になり、気体軸受を構成する部品がそれほど厳しい加工精度を必要としないため、安価な装置とすることができる。
以下、本発明に係るターボ型真空ポンプの実施形態について図1乃至図11を参照して説明する。なお、図1乃至図11において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明に係るターボ型真空ポンプの第1の態様を示す縦断面図である。図1に示すように、ターボ型真空ポンプは、ポンプの略全長に亘って延びる回転軸1と、ケーシング2内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部10と、回転軸1に回転駆動力を与えるモータと回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部50を備えている。前記ケーシング2は、排気部10を収容する上ケーシング3と、軸受モータ部50を収容する下ケーシング4とから構成されており、上ケーシング3の上端部に吸気口5が形成され、下ケーシング4の下部に排気口6が形成されている。
前記排気部10は、上ケーシング3の吸気口側から下方に向かって、タービン翼排気部11、第1遠心翼排気部21、第2遠心翼排気部31を順次配置して構成されている。タービン翼排気部11は、多段の回転翼としてのタービン翼12と、タービン翼12の直後流側に配置された多段の固定翼17とを備えている。多段のタービン翼12は、概略円柱状のタービン翼部13に一体に形成されており、タービン翼部13のボス部14には中空部15が形成されている。中空部15の底部15aには貫通孔15hが形成されており、貫通孔15hにボルト16が挿通されるようになっている。すなわち、ボルト16を貫通孔15hに挿通し、回転軸1の上部のねじ孔1sに螺合することにより、タービン翼部13は回転軸1に固定されている。
一方、多段の固定翼17は、上ケーシング3内に積層されたスペーサ18によって挟持されることにより上ケーシング3内に固定されている。これにより、タービン翼排気部11において、回転翼としてのタービン翼12と、固定翼17とが交互に配置される構成になっている。
前記第1遠心翼排気部21は、多段の回転翼としての遠心翼22と、遠心翼22の直後
流側に配置された多段の固定翼23とを備えている。遠心翼22は、多段に積層されるとともに回転軸1の外周に嵌合されており、キー等の固定手段によって回転軸1に固定されている。また固定翼23も上ケーシング3内に多段に積層されている。これにより、第1遠心翼排気部21において、回転翼としての遠心翼22と、固定翼23とが交互に配置される構成になっている。各遠心翼22は、気体を半径方向に圧縮排気する遠心翼溝からなる遠心翼要素22aを有している。
前記第2遠心翼排気部31は、多段の回転翼としての遠心翼32と、遠心翼32の直後流側に配置された多段の固定翼33とを備えている。遠心翼32は、多段に積層されるとともに回転軸1の外周に嵌合されており、キー等の固定手段によって回転軸1に固定されている。また固定翼33も上ケーシング3内に多段に積層されている。これにより、第2遠心翼排気部31において、回転翼としての遠心翼32と、固定翼33とが交互に配置される構成になっている。各遠心翼32は、気体を半径方向に圧縮排気する遠心翼溝からなる遠心翼要素32aを有している。そして、第2遠心翼排気部31の直後流側には、回転軸1と回転軸1に固定された回転翼12,22,32を含む回転体をスラスト方向に支承する気体軸受40が設けられている。
図2は、図1のA部を示す図であり、気体軸受40およびその周辺部を示す要部拡大図である。図2に示すように、気体軸受40は、上ケーシング3に固定された固定側部材(固定側部位)41と、固定側部材(固定側部位)41を挟むように上下に配置された上側回転側部材(上側回転側部位)42と下側回転側部材(下側回転側部位)43とから構成されている。上側回転側部材(上側回転側部位)42と下側回転側部材(下側回転側部位)43は、回転軸1に固定されている。固定側部材(固定側部位)41の両面にはスパイラル溝45,45が形成されている。回転側の上下に分割された部材(部位)、すなわち、上側回転側部材(上側回転側部位)42と下側回転側部材(下側回転側部位)43とにより、スパイラル溝45,45の形成された固定側部材(固定側部位)41を挟み込む構造としている。そして、上側回転側部材(上側回転側部位)42には、固定側部材(固定側部位)41のスパイラル溝45との対向面と逆の面に、気体を半径方向に圧縮排気する遠心翼要素42aを形成している。遠心翼要素42aは、気体を半径方向に圧縮排気する遠心翼溝からなっている。
図3は、図2のIII矢視図である。図3に示すように、固定側部材(固定側部位)41の表面には、略全面に亘って多数のスパイラル溝45が形成されている(図3においては、一部のスパイラル溝のみ示す)。
図2に示すように、回転軸1と回転軸1に固定された回転翼を含む回転体をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受40を採用したことにより、回転体を軸方向に数ミクロン(μm)から数十ミクロン(μm)の精度で回転保持することが可能となる。この気体軸受40を構成している回転体側の部位、すなわち、上側回転側部材(上側回転側部位)42に、気体を半径方向に圧縮する遠心翼要素42aを一体に形成する。気体軸受40と遠心翼の微小クリアランスの方向は同じスラスト方向であるので、遠心翼要素42aの翼クリアランスも、気体軸受40のクリアランスとほぼ同等に(または気体軸受のクリアランスより若干大きく)設定可能である。すなわち、上側回転側部材(上側回転側部位)42に、気体を半径方向に圧縮する遠心翼要素42aを形成しているので、上側回転側部材(上側回転側部位)42は、遠心翼を構成するとともに軸方向の位置決めをする気体軸受40の一部を構成することになる。このように、軸方向の位置決めをする上側回転側部材(上側回転側部位)42に、気体を半径方向に圧縮する遠心翼要素42aを形成しているので、遠心翼要素42aの翼クリアランスを精度よく制御することができる。
次に、軸受モータ部50について説明する。図1に示すように、軸受モータ部50は、回転軸1に回転駆動力を与えるモータ51と、回転軸1をラジアル方向に支承する上ラジアル磁気軸受53,下ラジアル磁気軸受54と、排気部10の排気作用による排気側と吸気側の差圧により生ずるスラスト力を打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受55を備えている。モータ51は高周波モータから構成されている。上ラジアル磁気軸受53,下ラジアル磁気軸受54,スラスト磁気軸受55は、いずれも能動型磁気軸受である。磁気軸受53,54,55のいずれかに異常が発生したときに、回転翼と固定翼とが接触することを防止するために、回転軸1を半径方向および軸方向に支承する上保護ベアリング81と下保護ベアリング82とが設けられている。
スラスト磁気軸受55は、電磁石を有した上スラスト磁気軸受56と、電磁石を有した下スラスト磁気軸受57と、回転軸1の下部に固定されたターゲットディスク58とから構成されている。スラスト磁気軸受55においては、上下スラスト磁気軸受56,57によりターゲットディスク58を挟み込むようにし、上下スラスト磁気軸受56,57の電磁石によりターゲットディスク58を吸引し、排気部10の排気作用による排気側と吸気側の差圧により生ずるスラスト力を打ち消すようにしている。
図1は、真空ポンプを縦置きにした場合の力の釣り合いを示している。図1に示すように、ポンプ排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力をFp、回転体自重をFm、スラスト磁気軸受55による吸引力をFAxMBg、気体軸受40による上方への反発力をFδdu、気体軸受40による下方への反発力をFδdlとすると、力の釣り合いは、次式で表される。
Fp+Fδdu=Fm+FAxMBg+Fδdl
ここで、Fpと(Fm+FAxMBg)とを釣り合わせると、気体軸受40の上のクリアランス(δdu)と下のクリアランス(δdl)は同じになる。すなわち、スラスト磁気軸受55による吸引力(FAxMBg)を、ポンプ排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力(Fp)から回転体自重(Fm)を減算した値に等しくなるように制御すれば、気体軸受40の上下のクリアランスを等しく(δdu=δdl)できる。
図4は、回転軸1と回転軸1に固定された回転翼を含む回転体の軸方向変位を検出する変位センサを設置した例を示す要部拡大図である。図4に示すように、気体軸受40の下側回転側部材(下側回転側部位)43の直下には、変位センサ46が設置されている。変位センサ46は、変位センサ46と下側回転側部材(下側回転側部位)43の下面との間の距離を測定することにより、回転体の変位を測定できるようになっている。変位センサ46は、渦電流型センサ、誘導型センサ、超音波センサ、LED式センサなどの非接触式センサから構成されている。また、図4の左側の部分に示すように、回転軸1の端面1eを検出する位置に変位センサ46を配置してもよい。
本実施形態によれば、回転体をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受40を採用したことにより、回転体を軸方向に数ミクロン(μm)から数十ミクロン(μm)の精度で回転保持することが可能となる。ポンプの圧縮作用による差圧によるスラスト力により、回転体が軸方向に変位し、万一、気体軸受40の微小クリアランス部での接触により安定回転ができなくなった場合、その変位量を気体軸受40の近傍に設置された変位センサ46により検出し、差圧によるスラスト力を打ち消す方向のスラスト磁気軸受55により回転体を吸引し、回転体を安定して回転させることができる。
特開平6−193586(特許文献2)に記載されているように、スラスト荷重を打ち消す手法として、この永久磁石の反発力を利用する場合には、永久磁石の反発力は、クリアランスが狭くなれば強まるものであるが、反発力(すなわちクリアランス)を制御できるものではなく、要するに回転体のスラスト位置を制御することはできない。したがって、気体軸受の反発力と、差圧によるスラスト力と、永久磁石の反発力と、回転体自重の釣り合う位置で回転体は回転する。永久磁石を使用した方法では、翼クリアランスは、スラスト力を発生させる各部品の精度に影響され、性能のばらつきが発生してしまう。
本発明では、差圧によるスラスト力を打ち消す方向のスラスト磁気軸受55を設け、スラスト力を発生させる構成に、少なくとも一つ制御可能なものを加えることにより、回転体のスラスト方向の高精度な位置制御が可能となり、性能の安定化が図れる。
スラスト磁気軸受55のスラスト力を制御するためのインプットとしては、気体軸受40の近傍に設けた変位センサ46からの回転体の軸方向変位信号とする。変位センサ46のターゲットを下側回転側部材(下側回転側部位)43とし、下側回転側部材(下側回転側部位)43の材質がセラミックスの場合、変位センサ46が渦電流型センサや誘導型センサでは、ターゲットを検出することができない。変位センサ46が渦電流センサの場合には、図5(a)に示すように、下側回転側部材(下側回転側部位)43のターゲット面に導電性材料による表面処理(メッキ、CVDなど)47を施せばよい。材質としては、銅などが挙げられる。また、変位センサ46が誘導型センサの場合には、ターゲット面に磁性材料による表面処理47を施せばよい。材質としては、ニッケルなどが挙げられる。また、図5(b)に示すように、気体軸受40の下側回転側部材(下側回転側部位)43のターゲット面に、導電性材料や磁性材料からなる薄板48を設けてもよい。
なお、図4の左側の部分に示すように、回転軸1の端面1eを検出する位置に変位センサ46を配置した場合には、回転軸1がマルテンサイト系ステンレス鋼などの導電性や磁性を持った材料の場合、上記表面処理は不要であり、回転軸はそのまま変位センサのターゲットとなりうる。回転軸の材質によっては、同様の表面処理を施せばよい。
図6は、気体軸受40およびその周辺部の他の実施形態を示す要部拡大図である。図6に示すように、気体軸受40は、回転軸1に固定された回転側部材(回転側部位)141と、回転側部材(回転側部位)141を挟むように上下に配置された上側固定側部材(上側固定側部位)142と下側固定側部材(下側固定側部位)143とから構成されている。上側固定側部材(上側固定側部位)142と下側固定側部材(下側固定側部位)143は、上ケーシング3に固定されている。回転側部材(回転側部位)141の両面にはスパイラル溝145,145が形成されている。固定側の上下に分割された部材(部位)、すなわち、上側固定側部材(上側固定側部位)142と下側固定側部材(下側固定側部位)143とにより、スパイラル溝145,145の形成された回転側部材(回転側部位)141を挟み込む構造としている。図6に示すように、回転体の軸方向変位を検出する変位センサ46は、回転軸1の端面1eの直下に配置されている。
本実施形態によれば、回転体をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受40を採用したことにより、回転体を軸方向に数ミクロン(μm)から数十ミクロン(μm)の精度で回転保持することが可能となる。ポンプの圧縮作用による差圧によるスラスト力により、回転体が軸方向に変位し、万一、気体軸受40の微小クリアランス部での接触により安定回転ができなくなった場合、その変位量を気体軸受40の近傍に設置された変位センサ46により検出し、差圧によるスラスト力を打ち消す方向のスラスト磁気軸受55により回転体を吸引し、回転体を安定して回転させることができる。
図7は、図1のB部を示す図であり、スラスト磁気軸受55およびその周辺部を示す要部拡大図である。本実施形態のターボ型真空ポンプにおいては、図7に示すように、スラスト磁気軸受55の近傍に、回転軸1の軸方向変位を検出する変位センサ75を設けている。
スラスト磁気軸受55の磁気吸引力は、吸引対象が近づくほど(磁気クリアランスが小さくなるほど)大きくなる。ポンプは高速回転することにより、高周波モータ部での発熱などにより、回転軸がスラスト方向に伸びる。図7において、回転軸1がスラスト方向に伸びた状態を破線で示している。よって、スラスト磁気軸受55に同じ制御量が入力したとしても、スラスト磁気軸受55の磁気クリアランスが異なると、発生するスラスト力は異なってしまう。そのため、図7に示すように、回転軸1のスラスト方向の変位(熱変形量)を計測するための変位センサ75をスラスト磁気軸受55の近傍に設置し、回転軸1が変形することによる磁気クリアランスの変化分を、発生するスラスト荷重に対し補正することにより過大なスラスト力の発生を抑えることができる。この回転軸のスラスト方向変位を検出する方法としては、変位センサを用いる方法以外に、例えばモータ部、ラジアル磁気軸受部の温度を計測することにより、回転軸のスラスト方向の熱変形量を算出してもよい。
図8は、本発明に係るターボ型真空ポンプの第2の態様を示す縦断面図である。図8に示すターボ型真空ポンプは、図1乃至図6に示すターボ型真空ポンプに設けられた変位センサ46に代えて、ポンプ排気部の真空圧を測定する真空計を設けたものである。すなわち、上ケーシング3の吸気口5の真空圧を測定するための真空計70が上ケーシング3に固定されている。真空計70は、隔膜式真空計(バラトロン真空計)、電離真空計、ピラニー真空計などから構成されている。なお、図8に示すように、真空計70を上ケーシング3の中段部に設け、タービン翼12を備えたタービン翼排気部11の真空圧を測定するようにしてもよい。図8に示すターボ型真空ポンプのその他の構成、すなわち、気体軸受40、スラスト磁気軸受55を有した軸受モータ部50、変位センサ75などの構成は、図1乃至図7に示すターボ型真空ポンプと同様である。
図8に示すターボ型真空ポンプにおいて、スラスト磁気軸受55のスラスト力を制御するためのインプットとしては、ポンプ吸気口5またはポンプ内部の真空圧を測定する真空計70からの差圧信号とする。すなわち、ポンプ排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧そのものをスラスト磁気軸受55の制御部に入力し、スラスト磁気軸受55に差圧に応じたスラスト力を発生させる。真空計70の設置位置は、ポンプ吸気口5が差圧値そのものを計測できるが、もし吸気口近傍に真空計を設置できない場合は、ポンプ排気部の途中でも構わない。例えば、ポンプの吸気口圧力が、1×10−5Torrで、ポンプ背圧が大気圧の場合、差圧は、760−1×10−5≒760であるが、ポンプ排気部の途中の数Torrレベル(例えば10Torr)の位置に真空計を設けたとしても、差圧は760−10=750Torrである。よって、吸引力のインプットとしての誤差は、1.3%程度であり、回転体の位置制御にはほとんど影響しない。
図14は、真空チャンバに真空計が設置されている場合の例を示す模式図である。図14に示すように、ターボ型真空ポンプの吸気側にある真空チャンバ90に、真空計70が設置されている場合には、ターボ型真空ポンプVPのスラスト磁気軸受55の制御部に真空計70の測定値を入力すればよい。この場合には、真空ポンプに真空計を設ける必要はない。
ポンプ排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧を真空計を用いて求める方法以外に、回転数に応じたポンプ性能を予め求めておき、回転数によるポンプ吸気圧から差圧を算出してもよい。
差圧によるスラスト力とスラスト磁気軸受による吸引力が完全に拮抗すると、差圧によるスラスト力あるいはスラスト磁気軸受の吸引力の微小な脈動変化などで、翼クリアランスが変化する可能性がある。図1および図8に示すように、真空ポンプを縦置きにした場合、前述したように、ポンプ排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力をFp、回転体自重をFm、スラスト磁気軸受55による吸引力をFAxMBgとすると、これらのスラスト力がFp=Fm+FaxMBgの関係となった時、気体軸受の上下面の反発力であるFδduとFδdlは釣り合う。すなわち、気体軸受40の上下面のクリアランスは同じになる。(δdu=δdl)
気体軸受の反発力はクリアランスに影響し、狭いほど反発力は大きくなる。上述の状態は、回転体が気体軸受クリアランスの中心に位置しており、要するに、最も上下どちらにも変動し易い状態である。その結果、微小な脈動変化などにより回転体の軸方向位置が変化し、ポンプ性能のバラツキが発生する可能性がある。従って、敢えて、差圧によるスラスト力>スラスト磁気軸受による吸引力、あるいは、その逆の状態としておき、微小な脈動変化を無視できるようにしても良い。
次に、図1乃至図8に示すターボ型真空ポンプの排気部10の翼要素の構成について説明する。
図9(a)、(b)は、タービン翼排気部11のタービン翼部13を示す図である。図9(a)は、タービン翼部13を吸気口側から見た平面図であり、ケーシング2の吸気口5に最も近い最上段のタービン翼12のみを示した図であり、図9(b)は、タービン翼12を放射状に中心に向かって見た図を平面上に部分的に展開した図である。図9(a)および図9(b)に示すように、タービン翼部13は、ボス部14と、タービン翼12とを有している。タービン翼12はボス部14の外周部に放射状に取り付けられた板状の複数の羽根12aを備えている。ボス部14には、中空部15及び貫通孔15hが形成されている。羽根12aは、回転軸1の中心軸線からβ1(例えば、10〜40度)だけねじれた捩れ角をもって取り付けられている。その他のタービン翼12の構成は、最上段のタービン翼12の構成と同じであるが、羽根の枚数、羽根の取付角度β1、ボス部14の羽根を取り付けた部分の外径、羽根の長さなどは、適宜変えてもよい。
図10(a)、(b)、(c)は、タービン翼排気部の固定翼17を示す図である。図10(a)は、ケーシング2の吸気口5に最も近い最上段の固定翼17を吸気口側から見た平面図であり、図10(b)は、固定翼17を放射状に中心に向かって見た図を平面上に部分的に展開した図であり、図10(c)は、図10(a)のX−X線断面図である。固定翼17は、円環状の円環部18と、円環部18の外周部に放射状に取り付けられた板状の羽根17aとを備えている。円環部18の内周部は軸孔19を形成し、軸孔19を回転軸1(図1参照)が貫通している。羽根17aは、回転軸1の中心軸線からβ2(例えば、10〜40度)だけねじれた捩れ角をもって取り付けられている。その他の固定翼17の構成は、最上段の固定翼17の構成と同じであるが、羽根の枚数、羽根の取付角度β2、円環部の外径、羽根の長さなどは、適宜変えてもよい。
図11(a)、(b)は、第1遠心翼排気部21の遠心翼22を示す図である。図11(a)は、ケーシング2の吸気口5に最も近い最上段の遠心翼22を吸気口側から見た平面図であり、図11(b)は、遠心翼22の正面断面図である。高真空側の遠心翼である遠心翼22は、ボス部24を有する略円板状の基部25と、基部25の一方の表面上に形成される遠心翼要素22aとを備える。ボス部24には、回転軸1が挿通される貫通孔24hが形成されている。遠心翼22の回転方向は、図11(a)において時計方向である。
遠心翼要素22aは、図11(a)に示すような渦巻き状の遠心溝からなる。遠心翼要素22aを構成する渦巻状の遠心溝は、回転方向に対して後ろ向き(回転方向とは反対向き)にガス流れ方向に延びる構造であり、ボス部24の外周面から基部25の外周縁まで達している。その他の遠心翼22の構成は、最上段の遠心翼22の構成と同じであるが、遠心溝の個数や形状、ボス部の外径、遠心溝により形成される流路の長さなどは、適宜変えてもよい。
図12(a)、(b)は、第2遠心翼排気部31の遠心翼32を示す図である。図12(a)は、ケーシング2の吸気口5に最も近い最上段の遠心翼32を吸気口側から見た平面図であり、図12(b)は、遠心翼32の正面断面図である。大気圧側の遠心翼である遠心翼32は、略円板状の基部35と、基部35の一方の表面上に形成される遠心翼要素32aとを備える。基部35には、回転軸1が挿通される貫通孔35hが形成されている。遠心翼32の回転方向は、図12(a)において時計方向である。
遠心翼要素32aは、図12(a)に示すような渦巻き状の遠心溝からなる。遠心翼要素32aを構成する渦巻状の遠心溝は、回転方向に対して後ろ向き(回転方向とは反対向き)にガス流れ方向に延びる構造であり、略円板状の基部35の内周部から外周縁まで達している。その他の遠心翼32の構成は、最上段の遠心翼32の構成と同じであるが、遠心溝の個数や形状、遠心溝により形成される流路の長さなどは、適宜変えてもよい。
図11および図12に示すように、大気圧側の遠心翼32と高真空側の遠心翼22とを比較すると、大気圧側の遠心翼32における遠心翼要素32aの溝部深さは浅く(もしくは凸部高さは低く)、高真空側の遠心翼22における遠心翼要素22aの溝部深さは深く(もしくは凸部高さは高く)設定されている。すなわち、高真空に向かうに従い遠心翼要素の遠心溝の溝部深さは深く(もしくは凸部高さは高く)なっていく。要するに、高真空側に向かうに従い、排気速度が大きくなっていく。
次に、図1乃至図12に示すように構成されたターボ型真空ポンプの作用を説明する。
タービン翼排気部11におけるタービン翼12が回転することによって、ポンプの吸気口5から軸方向にガスが導入される。タービン翼12を使用することにより排気速度を大きくすることができ、比較的多量の気体を排気することができる。吸気口5から導入されたガスは、最上段のタービン翼12を通過して固定翼17により減速され圧力が上昇する。同様に下流側のタービン翼12及び固定翼17により軸方向に排気され、圧力が上昇する。
タービン翼排気部11から第1遠心翼排気部21に流入したガスは、最上段の遠心翼22に導入され、最上段の遠心翼22と最上段の固定翼23との相互作用、すなわち当該ガスの粘性によるドラッグ作用、さらに遠心翼要素22aの回転による遠心作用により、遠心翼22の基部25の表面に沿って外周側へ向かわせるガスの圧縮、排気が行われる。すなわち、最上段の遠心翼22に導入されたガスは、当該遠心翼22に対して図11(b)中、略軸方向27に導入され、渦巻状の遠心溝を通って外周側に向かう遠心方向28に流れ、圧縮され、排気される。
最上段の遠心翼22によって外周側へ向かって圧縮されたガスは、次に最上段の固定翼23に流れ込み、固定翼23の鉛直方向に延びる内周面によって、略軸方向に方向を変え、固定翼23の表面側にある渦巻状ガイド(図示せず)が設けられた空間へ流れ込む。そして、最上段の遠心翼22が回転することによって、固定翼23の渦巻状ガイドと、最上段の遠心翼22の基部25の裏面とのガスの粘性によるドラッグ作用によって、最上段の固定翼23の表面に沿って内周側へ向かわせるガスの圧縮、排気が行われる。最上段の固定翼23の内周側に達したガスは、最上段の遠心翼22のボス部24の外周面によって、略軸方向に方向が変わり、下流側の遠心翼22に導入される。下流側の遠心翼22及び固定翼23により、同様のガスの圧縮、排気が行われる。
第1遠心翼排気部21から第2遠心翼排気部31に流入したガスは、最上段の遠心翼32に導入され、最上段の遠心翼32と最上段の固定翼33との相互作用、すなわち当該ガスの粘性によるドラッグ作用、さらに遠心翼要素32aの回転による遠心作用により、最上段の遠心翼32の基部35の表面に沿って外周側へ向かわせるガスの圧縮、排気が行われる。次に、最上段の固定翼33に流れ込み、固定翼33の鉛直方向に延びる内周面によって、略軸方向に方向を変え、固定翼33の表面側にある渦巻状ガイド(図示せず)が設けられた空間へ流れ込む。そして、最上段の遠心翼32が回転することによって、固定翼33の渦巻状ガイド(図示せず)と、最上段の遠心翼32の基部35の裏面とのガスの粘性によるドラッグ作用によって、最上段の固定翼33の表面に沿って内周側へ向かわせるガスの圧縮、排気が行われる。最上段の固定翼33の内周側に達したガスは、略軸方向に方向が変わり、下流側の遠心翼32に導入される。下流側の遠心翼32及び固定翼33により、同様のガスの圧縮、排気が行われる。そして、第2遠心翼排気部31から排出されたガスは、排気口6から真空ポンプの外部に排出される。
図13は、ターボ型真空ポンプにおける翼クリアランスによる性能比較を示すグラフであり、排気圧が760Torrで、遠心翼1段で取得できる差圧と回転速度の関係を示す図である。図13において、横軸は、真空ポンプの回転速度(min−1)を表し、縦軸は、差圧(Torr)を表す。翼クリアランスが25μmの場合と40μmの場合とを比較して示す。図13に示すように、翼クリアランスが25μmの場合、遠心翼1段で、10万回転/分(min−1)の回転速度にて、約300Torrの差圧を取得することができる。これに対して、翼クリアランスが40μmの場合、遠心翼1段で、10万回転/分(min−1)の回転速度にて、約250Torrの差圧を取得することができる。すなわち、翼クリアランスが25μmから40μmまで15μm変化すると、性能は、グラフに示すように低下する。このことからも、気体軸受40とスラスト磁気軸受55を用いて翼クリアランスを微小に設定できる本発明の効果が分かる。
本発明においては、ラジアル方向の軸受には、磁気軸受を用いた例を示したが、これが気体軸受であっても当然構わない。また、本発明は、大気圧領域で効果を得るためのものである。この大気圧領域の翼要素の上流側に、概略10Torr以下の真空にて、従来、ターボ分子ポンプで採用されている、円筒ネジ溝ロータ、遠心翼、タービン翼の少なくとも一つが用いられても、当然構わない。この領域で使用する遠心翼は、本発明の微小クリアランス遠心翼と排気原理は同じであるが、大気圧領域に比べて真空度が高く、逆流も少なくなるので、大気圧領域の遠心翼のように微小に設定されたものではなく、汎用ターボ分子ポンプの翼クリアランス(0.1〜1mm程度)であっても構わない。
気体軸受は、動圧型、静圧型どちらであっても、本発明の効果に影響はない。静圧型の場合は、外部気体供給手段が必要となる。
図1は、本発明に係るターボ型真空ポンプの第1の態様を示す縦断面図である。 図2は、気体軸受およびその周辺部を示す要部拡大図である。 図3は、図2のIII矢視図である。 図4は、回転軸と回転軸に固定された回転翼を含む回転体の軸方向変位を検出する変位センサを設置した例を示す要部拡大図である。 図5(a)は、気体軸受の下側回転側部材(下側回転側部位)に、導電性材料による表面処理を施した例を示す図であり、図5(b)は、気体軸受の下側回転側部材(下側回転側部位)と回転軸との間に導電性材料や磁性材料からなる薄板を設けた例を示す図である。 図6は、気体軸受およびその周辺部の他の実施形態を示す要部拡大図である。 図7は、スラスト磁気軸受およびその周辺部を示す要部拡大図である。 図8は、本発明に係るターボ型真空ポンプの第2の態様を示す縦断面図である。 図9(a)、(b)は、タービン翼排気部のタービン翼部を示す図であり、図9(a)は、タービン翼部を吸気口側から見た平面図であってケーシングの吸気口に最も近い最上段のタービン翼のみを示した図であり、図9(b)は、タービン翼を放射状に中心に向かって見た図を平面上に部分的に展開した図である。 図10(a)、(b)、(c)は、タービン翼排気部の固定翼を示す図であり、図10(a)は、ケーシングの吸気口に最も近い最上段の固定翼を吸気口側から見た平面図であり、図10(b)は、固定翼を放射状に中心に向かって見た図を平面上に部分的に展開した図であり、図10(c)は、図10(a)のX−X線断面図である。 図11(a)、(b)は、第1遠心翼排気部の遠心翼を示す図であり、図11(a)は、ケーシングの吸気口に最も近い最上段の遠心翼を吸気口側から見た平面図であり、図11(b)は、遠心翼の正面断面図である。 図12(a)、(b)は、第2遠心翼排気部の遠心翼を示す図であり、図12(a)は、ケーシングの吸気口に最も近い最上段の遠心翼を吸気口側から見た平面図であり、図12(b)は、遠心翼の正面断面図である。 図13は、ターボ型真空ポンプにおける翼クリアランスによる性能比較を示すグラフであり、排気圧が760Torrで、遠心翼1段で取得できる差圧と回転速度の関係を示す図である。 図14は、真空チャンバに真空計が設置されている場合の例を示す模式図である。
符号の説明
1 回転軸
2 ケーシング
3 上ケーシング
4 下ケーシング
5 吸気口
6 排気口
10 排気部
11 タービン翼排気部
12 タービン翼
13 タービン翼部
14 ボス部
15 中空部
15h 貫通孔
16 ボルト
17 固定翼
18 スペーサ
21 第1遠心翼排気部
22,32 遠心翼
22a,32a,42a 遠心翼要素
23 固定翼
24 ボス部
24h 貫通孔
25,35 基部
31 第2遠心翼排気部
33 固定翼
35h 貫通孔
40 気体軸受
41 固定側部材(固定側部位)
42 上側回転側部材(上側回転側部位)
43 下側回転側部材(下側回転側部位)
45 スパイラル溝
46 変位センサ
47 表面処理
48 薄板
50 軸受モータ部
51 モータ
53 上ラジアル磁気軸受
54 下ラジアル磁気軸受
55 スラスト磁気軸受
56 上スラスト磁気軸受
57 下スラスト磁気軸受
58 ターゲットディスク
70 真空計
75 変位センサ
81 上保護ベアリング
82 下保護ベアリング
90 真空チャンバ
141 回転側部材(回転側部位)
142 上側固定側部材(上側固定側部位)
143 下側固定側部材(下側固定側部位)
145 スパイラル溝

Claims (11)

  1. ポンプの略全長に亘って延びる回転軸と、ケーシング内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部と、前記回転軸に回転駆動力を与えるモータと前記回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部を備えたターボ型真空ポンプにおいて、
    前記回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を用い、該気体軸受の固定側部位の両面にスパイラル溝を形成し、前記回転軸に固定された上側回転側部位と下側回転側部位とにより、前記スパイラル溝の形成された固定側部位を挟み込むようにし、
    前記排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力に対し、それを打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受を設け、前記気体軸受の近傍に前記回転軸を有した回転体の軸方向変位を検出する変位センサを設けたことを特徴とするターボ型真空ポンプ。
  2. ポンプの略全長に亘って延びる回転軸と、ケーシング内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部と、前記回転軸に回転駆動力を与えるモータと前記回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部を備えたターボ型真空ポンプにおいて、
    前記回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を用い、前記回転軸に固定された気体軸受の回転側部位の両面にスパイラル溝を形成し、固定側の上下に分割された上側固定側部位と下側固定側部位とにより、前記スパイラル溝の形成された回転側部位を挟み込むようにし、
    前記排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力に対し、それを打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受を設け、前記気体軸受の近傍に前記回転軸を有した回転体の軸方向変位を検出する変位センサを設けたことを特徴とするターボ型真空ポンプ。
  3. 前記変位センサは、渦電流型センサまたは誘導型センサからなることを特徴とする請求項1または2記載のターボ型真空ポンプ。
  4. 前記回転体における前記変位センサのターゲットになる部分に導電性材料または磁性材料の表面処理を施したことを特徴とする請求項3記載のターボ型真空ポンプ。
  5. 前記回転体における前記変位センサのターゲットになる部分に導電性材料または磁性材料の薄板を設けたことを特徴とする請求項3記載のターボ型真空ポンプ。
  6. ポンプの略全長に亘って延びる回転軸と、ケーシング内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部と、前記回転軸に回転駆動力を与えるモータと前記回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部を備えたターボ型真空ポンプにおいて、
    前記回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を用い、該気体軸受の固定側部位の両面にスパイラル溝を形成し、前記回転軸に固定された上側回転側部位と下側回転側部位とにより、前記スパイラル溝の形成された固定側部位を挟み込むようにし、
    前記排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力に対し、それを打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受を設け、ポンプ吸気口またはポンプ内部の真空圧を測定する真空計を設けたことを特徴とするターボ型真空ポンプ。
  7. ポンプの略全長に亘って延びる回転軸と、ケーシング内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部と、前記回転軸に回転駆動力を与えるモータと前記回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部を備えたターボ型真空ポンプにおいて、
    前記回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を用い、前記回転軸に固定された気体軸受の回転側部位の両面にスパイラル溝を形成し、固定側の上下に分割された上側固定側部位と下側固定側部位とにより、前記スパイラル溝の形成された回転側部位を挟み込むようにし、
    前記排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力に対し、それを打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受を設け、ポンプ吸気口またはポンプ内部の真空圧を測定する真空計を設けたことを特徴とするターボ型真空ポンプ。
  8. 前記真空計は、隔膜式真空計または電離真空計またはピラニー真空計からなることを特徴とする請求項6または7記載のターボ型真空ポンプ。
  9. 前記スラスト磁気軸受の近傍に、前記回転軸の軸方向変位を検出する変位センサを設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のターボ型真空ポンプ。
  10. ポンプの略全長に亘って延びる回転軸と、ケーシング内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部と、前記回転軸に回転駆動力を与えるモータと前記回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部を備えたターボ型真空ポンプにおいて、
    前記回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を用い、該気体軸受の固定側部位の両面にスパイラル溝を形成し、前記回転軸に固定された上側回転側部位と下側回転側部位とにより、前記スパイラル溝の形成された固定側部位を挟み込むようにし、
    前記排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力に対し、それを打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受を設け、ポンプ吸気側にある真空計で測定した真空圧を前記スラスト磁気軸受の制御部に入力するようにしたことを特徴とするターボ型真空ポンプ。
  11. ポンプの略全長に亘って延びる回転軸と、ケーシング内に回転翼と固定翼とを交互に配置することによって形成された排気部と、前記回転軸に回転駆動力を与えるモータと前記回転軸を回転自在に支承する軸受とを有した軸受モータ部を備えたターボ型真空ポンプにおいて、
    前記回転軸をスラスト方向に支承する軸受に気体軸受を用い、前記回転軸に固定された気体軸受の回転側部位の両面にスパイラル溝を形成し、固定側の上下に分割された上側固定側部位と下側固定側部位とにより、前記スパイラル溝の形成された回転側部位を挟み込むようにし、
    前記排気部の排気作用による排気側と吸気側の差圧によるスラスト力に対し、それを打ち消す方向に作用するスラスト磁気軸受を設け、ポンプ吸気側にある真空計で測定した真空圧を前記スラスト磁気軸受の制御部に入力するようにしたことを特徴とするターボ型真空ポンプ。
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