JP4480460B2 - 裏地及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、通常の裏地の製造では、精練−セット−減量と連続して準備工程をおこなっているが、これらの通常の準備工程の前に、別途、セッターに通すという工程が必要となり、製造コストが高くなる。
さらに、経方向に引っ張り、緯方向に大きく巾入れするために、緯糸は経糸のまわりを大きくうねり曲がった裏地となり、結果として、経方向がざらざらとした手触りになる。
この裏地は、前記織物の経伸度と緯伸度との比が1:3.5〜3.5:1であることが好ましく、マルチフィラメントの繊維横断面形状はM型またはY型の断面であることが好ましい。そして、繊維横断面形状が、M断面の場合、開口角度は100度〜150度、隙間率は20%〜50%、アスペクト比(短径/長径)は1/2〜1/4であることが好ましい。なかでも、緯伸びの裏地の場合は、ポリエステルマルチフィラメントを緯糸に用い、前記織物の経糸の伸度は1.2〜4%、緯伸度は3〜5%である裏地がよい。
また、本発明は、経糸または緯糸の少なくともいずれか一方の糸に、繊維横断面形状がM型断面で、単糸空隙率が20%以上であるポリエステルマルチフィラメントを用い、生機CF1200〜1800の織物を製織し、精練した後、プレセット、染色加工し、ついで0〜15%の減量加工を施し、前記マルチフィラメントを用いた方向の糸の生機CFと仕上げ後のCFの比(仕上げCF/生機CF)が1.05〜1.15とせしめることを特徴とする上記裏地を製造する裏地の製造方法でもある。
また、本発明の裏地は、経糸または緯糸の少なくとも一方に、特定のポリエステルマルチフィラメントを含む。たとえば、タイトスカートのような緯方向に引っ張られる衣服の場合は緯糸に、このポリエステルマルチフィラメントを含むのが好ましい。また、背広の上着など経方向に引っ張られることの多い衣服の場合は、経糸にこのマルチフィラメントを含むのが好ましい。このマルチフィラメントを、織物の経糸に用いるか、緯糸に用いるか、経糸と緯糸の両方に用いるか、一部に用いるか、すべてに用いるかは、用途に応じて、適宜、決定すればよい。
すなわち、伸度が3%未満であると、上記マルチフィラメントの各単糸フィラメント間の空隙が少ないため、各単糸フィラメントがランダムに積層しがたくなり、柔軟剤を使用して洗濯した際など、縫い目滑脱抵抗の優れたものが得られない。
また、裏地は、製造コストを押さえるため、後述のように無撚糸を用いることが多い。そして、経糸または緯糸に無撚糸を使って大きな伸度をもたせるためには、通常の裏地の連続準備工程[精練(オープンソーパ−)→プレセット(ピンテンター)→減量(Jボックス)]では、充分なリラックスができず、織物の経緯方向に縮まないため、ピンテンターで巾を縮めたり、経方向に追い込むなど、特殊な工程が必要になるが、5%程度であれば、通常の連続工程で行えるので、安価に製造できる。
なお、参考までに、商業用の一般的な生産速度60〜130m/分で加工する場合、ピンテンターで無理に巾入れしたり、追い込んだ場合、緯糸が湾曲して布目曲がりが生じたり、経糸が波打って凹凸が生じたりして、全体の品位が悪くなり、最大でも5%が限界である。
よって、本発明では、本発明のマルチフィラメントを用いた方向の織物伸度が3〜5%に設定する。
次に、本発明の織物の上記マルチフィラメントの横断面形状を図1に例示する。この例では、M型の各単糸フィラメントが一定の方向に向いたレンガ積みの状態とならず、ランダムな方向に積層され、マルチフィラメントを構成する各単糸間に一定以上の空隙を保った形状になっている。このような状態であると、上記のポリエステルマルチフィラメントを用いることによって、着用時など裏地が引っ張られた際にも、その空隙がクッションとなり、かつマルチフィラメントの単糸間の摩擦により糸がひっぱられ、縫い目滑脱抵抗が良好になる。
なお、たとえば、通常の一般的な丸断面の84dtex/36fを用いた裏地では、おおよそ20%弱程度である。そして、本発明ではこのような空隙を備え、繊維横断面形状は異型断面であるのがよい。なお、フィラメントの繊維横断面の形状については後述する。
本発明では、ポリエステルマルチフィラメントの各単糸フィラメント間に空隙をもたせることにより、上記引っ張られる力が作用しても、単糸間の空隙が緩衝材となり緩和されることになり、縫い目に力が集中せず、分散されて、縫い目滑脱が向上すると考えることができると推測される。
本発明のマルチフィラメントに用いられるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチチレンテレフタレート、トリメチレンテレフタレート、などがあげられる。また、ポリエチレングリコール、イソフタル酸などのような第3成分を共重合したものであってもよい。なかでも、しなやかさと強度を保ちやすい点から90モル%以上がエチレンフタレートの繰返し単位をするポリエチレンテレフタレートからなるものが好ましい。
このように、山型が連続した形のM型断面で、かつ、上記単糸空隙率が大きいマルチフィラメントは、マルチフィラメントの各単糸がおのおのの単糸同士でひっかかりやすいものとなるため、縫い目同士が引っ張られたときも各々の単糸同士がひっかかりやすくなり、これが摩擦となり、縫い目ずれしがたく、縫い目滑脱抵抗がよいものとなる。そして、マルチフィラメントの各単糸同士の間も空隙をもたせやすいものとなり、引っ張られたときにも単糸間同士でこの摩擦を吸収することができる。この結果、特に大きな織物伸度がなくても十分良好な縫い目滑脱抵抗を得ることができると考えられる。
なお、単糸空隙率が大きすぎると、単糸の厚みが薄くなり、織物表面がこすられると、フィラメントが細かく割れてしまい、織物の表面に白化現象を生じるおそれがあるので、実用的には、単糸空隙率の上限は60%程度が限度であろう。
また、良好な手触りと均一な染色性を得るには、開口角度は100度以上が好ましい。すなわち、あまりに開口角度が小さすぎると、M型断面の両辺が狭く閉じた形となり、紡糸の際、ポリマーが紡糸孔から吐出した際の冷却風がM断面の各辺に均一に当たり難く、冷却不足による糸斑が発生しやすいものとなりやすく、裏地に用いた際も、この糸斑により染色斑ができやすい傾向にある。よって、外観の色を統一したものとしたい場合は開口角度は100度以上が好ましい。
アスペクト比(短径/長径の比、図2でいうl4/l3)は、1/2〜1/4程度が好ましい。すなわち、短径の比が小さすぎると、単糸同士のひっかかりが少なくなる傾向があり、短径の比が大きすぎると、糸斑が発生するおそれがある。
加えて、上記のような単糸同士のひっかかりを得るためは、図2を参照して、M断面の高さをL1、隙間の高さをL2とすると、以下に示す隙間率(L2×100/L1)は、20〜50%が好ましく、なかでも、20〜40%が好ましい。
また、本発明のマルチフィラメントを緯糸に用いるのであれば、緯糸の生機CFと緯糸の仕上げCFとの関係は(仕上げCF/生機CF)が1.05〜1.15となるように設定すると、連続的に処理しやすいので効率がよく、好ましい。なお経糸に本発明のマルチフィラメントを用いる場合も同様である。
(1)開口角度、アスペクト比、隙間率、単糸空隙率、空隙率
織物をカットし、経糸または緯糸の織物横断面の電子顕微鏡写真により、各値を測定した。
(2)経伸度、緯伸度
JISL1096 B法により、荷重24.52Nで測定した伸長率を伸度とした。
(3)縫い目滑脱抵抗(mm)
JIS−L−1096 B法により、つかみ巾2.54cm 49.0N 荷重の条件で測定した。
(4)柔軟剤使用後の縫い目滑脱(mm)
JISL 0217 103法により、柔軟剤(商品名:ハミング(登録商標)1/3,花王株式会社製)を3回使用し、その後、自然乾燥し、平吊した。
<異型断面糸の製造>
極限粘度[η]=0.63で酸化チタンを0.5重量%含有するポリエチレンテレフタレートを、各頂点に突起を有するM型の紡糸孔より、299℃で溶融し、紡糸口金から吐出後、風速0.46m/secで冷却して油剤を付与し、周速1250m/分のプリテンションローラに導き巻きつけた。さらに、更に、表面温度99℃で周速度1250m/分の第1ゴデッドローラに導いた。この第1ゴデッドローラと、表面温度125℃で周速度3500m/分の第2ゴデッドローラとの間で延伸し、第2ゴデッドローラにて熱セットし、巻き取った。
得られた糸の物性は、繊度は84dtex/24f、破断強度が3.2cN/dtex、破断伸度が33%であり、繊維横断面の開口角度は110°、アスペクト比は1/2.9、隙間率は34%、単糸空隙率は35%であった。
<裏地の製法>
56dtex/48fで繊維横断面形状が丸断面のレギュラーポリエステルのフルダル糸の無撚糸を経糸に用い、上記の物性を備えた84dtex/24fのM型断面糸を緯糸に用いて、経密度が117本/2.54cm、緯密度が78本/2.54cm、織物長さ54.5m、織物巾138cmの平組織の生機織物を得た(経糸CF:827、緯糸CF:676、生機CF:1503)。
この平織物を生機として、連続準備機[精練(オープンソーパ型4槽、水温95℃)→プレセット(ピンテンター195℃)→アルカリ減量(Jボックスの連続減量機)]により布速80m/分で加工した。
次いで、液流染色機で130℃×40分で染色した後、連続仕上機[セット(ピンテンター180℃)]に布速70m/分で通し、帯電防止、柔軟加工を施した。
得られた裏地は、経密度が130本/2.54cm,緯密度が82本/2.54cm、減量率が6%、織物の長さ51m、織物巾124cm、経糸CF:919、緯糸CF:710、仕上げCF:1629、経伸度:1.3%、緯伸度:4.0%であった(経伸度:緯伸度=1:3.1、仕上げCF/生機CFは1.08)。また、緯糸の繊維横断面形状は、図1のようなM型断面であり、ランダムに積層されていた。このマルチフィラメントの空隙率は38%、単糸空隙率は35%、隙間率は34%、開口角度は110度、アスペクト比は1/2.9であった。
得られた裏地の縫い目滑脱抵抗は、経が0.3mm、緯が0.4mm、また洗濯後の縫い目滑脱抵抗は、経が0.5mm、緯が0.7mmであった。
このように、実施例1で得た裏地の縫い目滑脱抵抗は優れており、経方向、緯方向、斜め方向の手触りも、なめらかでソフトでよいものであった。また、柔軟剤で洗濯した後も縫い目滑脱抵抗が良好であり、耐久性に優れているものであった。この裏地と表地とを縫製して、背広の上着として、着用したところ、経、緯、斜めのいずれの方向においてもなめらかで手触りもよく、また、大きく伸びをしたり、かがんだりしても、縫い目ずれがなく着用感に優れていた。また、タイトスカートの裏地として用いて着用したところ、縫い目ずれもなく、着用感に優れていた。
実施例1の口金の紡糸孔の形状を変更し、84dtex/30fの糸を得て用いた以外は実施例と同様に生機織物(経糸CF:827、緯糸CF:676、生機CF:1503)を得て、加工し、裏地を得た。
得られた裏地は、経密度が130本/2.54cm,緯密度が82本/2.54cm、減量率が6%、織物の長さ51m、織物巾124cm、経糸CF:919、緯糸CF:710、ト仕上げCF:1629、経伸度:1.5%、緯伸度:3.9%であった(経伸度:緯伸度=1:2.6、仕上げCF/生機CFは1.08)。また、緯糸の繊維横断面形状は、図1のようなM型断面であり、このマルチフィラメントの空隙率は32%、単糸空隙率は23%、隙間率は18%、開口角度は130°、アスペクト比は1/2.2であった。
得られた裏地の縫い目滑脱抵抗は、経が1.8mm、緯が1.8mm、また洗濯後の縫い目滑脱抵抗は、経が2.4mm、緯が2.7mmであった。
このように、実施例1で得たものよりは劣っていたが、裏地の縫い目滑脱抵抗は優れており、経方向、緯方向、斜め方向の手触りも、なめらかでソフトでよいものであった。また、柔軟剤で洗濯した後も縫い目滑脱抵抗が良好であり、耐久性に優れているものであった。この裏地と表地とを縫製して、背広の上着として、着用したところ、実施例1品よりは劣るものの、経、緯、斜めのいずれの方向においてもなめらかで手触りもよく、また、大きく伸びをしたり、かがんだりしても、縫い目ずれがなく着用感は良好であった。また、タイトスカートの裏地として用いて、着用したところ、縫い目ずれもなく、着用感は良好だった。
84dtex/48fで、繊維横断面形状がY型のポリエステルマルチフィラメント(商品名:84T/48SND(カネボウ合繊株式会社製))を準備した。このマルチフィラメントの、単糸フィラメントの繊維横断面のアスペクト比が1/2.0、単糸空隙率が45%、破断強度が3.5cN/dtex、破断伸度が35%であった。
緯糸に、このマルチフィラメントを用いること以外は、実施例1と同様に平織組織の生機織物を得た(経糸CF:827、緯糸CF:676、生機CF:1503)。次いで、実施例1と同様に加工し、裏地を得た。得られた裏地は、経密度が130本/2.54cm,緯密度が82本/2.54cm、減量率が6%、織物の長さは51m、織物巾124cm、経糸CF:919、緯糸CF:710、仕上げCF:1629、経伸度:1.4%、緯伸度:3.8%であった(経伸度:緯伸度=1:2.7、仕上げCF/生機CFは1.08)。
また、緯糸の繊維横断面形状は、Y型断面であり、このマルチフィラメントの空隙率は40%、単糸空隙率は、45%、開口角度は110度、アスペクト比は1/2.0であった。
得られた裏地の縫い目滑脱抵抗は、経が1.2mm、緯が1.3mm、また洗濯後の縫い目滑脱抵抗は経が1.4mm、緯が1.8mmであった。
このように、実施例1で得た裏地よりは劣ってはいたが、縫い目滑脱抵抗は優れており、経方向、緯方向、斜め方向の手触りも、なめらかでソフトでよいものであった。また、柔軟剤で洗濯した後も縫い目滑脱抵抗が良好であり、耐久性に優れているものであった。この裏地と表地とを縫製して、背広の上着として、着用したところ、経、緯、斜めのいずれの方向においてもなめらかで手触りもよく、また、大きく伸びをしたり、かがんだりしても、縫い目ずれがなく着用感が良好であった。また、タイトスカートの裏地として用いて、着用したところ、縫い目ずれもなく、着用感が良好であった。
84dtex/36fのフルダルの丸断面のポリエステルテレフタレート(商品名:84T/36DND,カネボウ合繊株式会社製)を、緯糸に用いる以外は、実施例1と同じ条件で製織し、平織組織の生機織物を得た(経糸CF:827、緯糸CF:676、生機CF:1503)。
次いで、実施例1と同じ条件で加工し、裏地を得た。得られた裏地は、経密度が127本/2.54cm,緯密度が82本/2.54cm、減量率が6%、織物の長さ51m、織物巾127cm、経糸CF:898、緯糸CF:710、仕上げCF:1608、経伸度:1.5%、緯伸度:2.4%であった(経伸度:緯伸度=1:1.6、仕上げCF/生機CFは1.07)。
そして、裏地の外観は、緯糸が湾曲して、布目曲がりが生じ、品位の悪いものであった。また、緯糸マルチフィラメントの空隙率は15%、単糸空隙率は18%、アスペクト比は、1.0であった。
得られた裏地の縫い目滑脱抵抗は、経が1.9mm、緯2.2mm、また洗濯後の縫い目滑脱抵抗は経が3.1mm、緯が7.2mmであった。
このように、経伸度、緯伸度とも、低いため、柔軟剤で洗濯した後の縫い目滑脱抵抗が非常に悪いものであった。この裏地と表地とを縫製して、背広の上着として、着用したところ、大きく伸びをしたり、かがんだりした場合、縫い目ずれが生じ、違和感を感じた。また、タイトスカートの裏地として用いて、着用した場合も、縫い目ずれがあり、着用感は不良であった。
紡糸口金の形状を変えて、実施例1と単糸空隙率の異なる糸を得た。この糸を緯糸に用いて、実施例1と同じ条件で生機織物を作成し、加工して裏地を得た。いずれの緯糸の繊維横断面形状もランダムに積層されたものであった。
以下の表1に得られた裏地の物性を示す。
特に、実施例1、実施例5の30%以上の単糸空隙率をもつものは、柔軟剤使用後も1.0%以下の顕著な縫い目滑脱抵抗を示し、着用感もよいものであった。
実施例4、1、5いずれにおいても、緯伸度が5%以下のものであり、特に、プレセットの際に巾入れする必要がなく、上記のように良好なものが得られた。
また、この裏地は、経、緯、ななめ方向とも滑らかな手触りであった。
紡糸孔の形状の開口角度、アスペクト比を変更してM型断面糸を紡糸する以外は、実施例1と同じ条件で、紡糸し、生機織物を製織し、加工をおこなった。
得られた糸、裏地の物性を表2に示す。
なお、裏地の緯糸のフィラメントは、開口角度が小さくなればなるほど、繊維横断面形状はランダムに積層されているものであった。実施例10は、実施例9よりは若干、平面的に積層されたものであり、比較例3では、ほぼ偏平糸に近く、フィラメントが一定の方向に向い状態であり、ランダムに積層しているものではなく、比較例3は柔軟剤使用後の縫い目滑脱抵抗が充分でなかった。
表2より、M型断面の場合、縫い目滑脱抵抗についてみてみると、開口角度が110度以下が最適であり、150度以下であれば充分、実用上、耐えうるものであることがわかる。
実施例1の生機織物を、織物の仕上げ巾を128cmとする以外は実施例1と同じ条件で、加工して裏地を得た。得られた裏地は、経密度が126本/2.54cm,緯密度が82本/2.54cm,経伸度1.5%、緯伸度2.5%(経伸度:緯伸度=1.1.6、仕上げCF/生機CFは1.065)であった。この裏地の縫い目滑脱抵抗は、経が1.8mm、緯が1.5mmであり、洗濯後は2.8mm、緯が3.6mmであり、緯伸度が低いため柔軟剤で洗濯した後の縫い目滑脱抵抗は悪いものとなった。この裏地を表地と縫製して、タイトスカートの裏地として用いて着用したところ、縫い目ずれが生じ、着用感に劣るものであった。
実施例1の生機織物において、織物の仕上げ巾が120cmとなるようにピンテンターによるプレセット工程で巾を縮める工程をいれる以外は、実施例1と同様に加工し裏地を得た。得られた裏地は、経密度が134本/2.54cm,緯密度が82本/2.54cm,経伸度1.5%、緯伸度7.0%(経伸度:緯伸度=1:4.7、仕上げCF/生機CFは1.10)であった。この裏地の縫い目滑脱抵抗は、経が0.3mm、緯が0.3mmであり、柔軟剤使用後の縫い目滑脱抵抗は経が0.5mm、緯が0.7mmであった。
なお、セット工程で無理にピンテンターで巾を縮めたため、緯糸の布目曲がり(約5.0%)が生じ、手触りがよいものではなく、織物の品位が劣るものであった。
Claims (3)
- 経糸または緯糸の少なくともいずれか一方に、繊維横断面形状が異型断面であるポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメントを含む織物からなる裏地であって、前記マルチフィラメント糸は単糸空隙率が23%以上で、フィラメントの単糸はランダムな方向に積層され、前記ポリエステルマルチフィラメントを含む方向の織物の伸度が3.8〜4.5%である裏地。
- 前記ポリエステルマルチフィラメントの繊維横断面形状がM型断面である請求項1または2に記載の裏地。
- 前記ポリエステルマルチフィラメントの繊維横断面形状がY型断面である請求項1〜2のいずれか一項に記載の裏地。
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