JP2009232795A - チョコレート様食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】
チョコレート様食品におけるグレーニングと称されるざらつき食感を低減したチョコレート様食品を、平易な方法で、さらにグレーニングが起こりやすいとされるホワイトやカラーチョコレートにおいては従来法では顕実化しやすい口溶けや風味に影響を最低限に抑えた状態にて提供することを本発明の目的とする。
【解決手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究をおこなった結果、チョコレート様食品にパルプ由来のセルロース粉末を含ませるという平易な方法で、チョコレート様食品におけるグレーニングを低減できることを見出し、特に、グレーニングが起こりやすいとされるホワイトやカラーチョコレートにおいては効果的で且つ、従来の方法では口溶けや風味に影響が出やすいのに対して、そういった影響を最低限に抑えた状態でグレーニングを防止することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、チョコレート様食品に、詳しくはグレーニングと称されるざらつき食感を低減したチョコレート様食品に関する。
チョコレートに代表されるチョコレート様食品はカカオマス、ココアパウダー、ココアバター、ハードバター、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエーパウダーなどの粉乳類、砂糖、乳糖、麦芽糖、果糖などの糖類を主原料として製造されるが、固化の際に、融解状態から徐々に温度を下げていく、いわゆる徐冷、高油分、液油の割合が多いなどといった条件により、チョコレート様食品中に比較的高い融点の油脂が結晶化し、ざらざらとした粒状の油脂やボサボサの食感、粗い組織といった現象を呈する。この現象はグレーニングと呼ばれ、商品価値を損なう要因の一つとして問題とされている。 グレーニングを抑制する方法としては様々な方法が提案されている。例えば、SSU(1,2−飽和−3−不飽和トリグリセリド)成分を含有する油脂を添加したハードバターはテンパリングすることなく型流ししてもグレーニングが発生しないことを開示している。(特許文献1)
また、SSUとトリ−飽和型成分、1,3飽和−2−不飽和型成分が一定の範囲で存在する油脂を開示している。(特許文献2)
これらはいずれもSSU成分をある一定量以上存在させることにより、結晶を安定化させてグレーニング耐性などを向上せしめるものであるが、油分が高い場合、特に液油が多い場合は効果が十分ではなく、また、1または3位に選択的に不飽和脂肪酸を導入する方法は製造コストが高くなりがちである。
ポリグリセリン脂肪酸エステルを主剤とするチョコレートの固化遅延剤において、該ポリグリセリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸の重量組成が、炭素数12〜22の不飽和脂肪酸80〜40%及び炭素数16〜22の不飽和脂肪酸20〜60%であることを特徴とするチョコレートの固化剤が開示されている。(特許文献3)
しかし、ポリグリセリン脂肪酸エステルといった固化遅延によってもグレーニングの防止が為されるという知見は得られていない。
ショ糖脂肪酸エステルにおいて、構成脂肪酸中の炭素数12〜22の飽和脂肪酸の割合が20〜80重量%および炭素数16〜22の不飽和脂肪酸の割合が20〜80重量%であり、かつショ糖に対する平均置換度が4以上であることを特徴とするチョコレートのグレーニング抑制剤が開示されている(特許文献4)。しかし、ショ糖脂肪酸エステルの添加によるグレーニング抑制は、使用する油脂の種類によって抑制効果の強弱が変化しやすく、目的とする油脂配合を設定するたびに、その油脂配合に合ったショ糖脂肪酸エステルの脂肪酸組成を検討しなければならないという煩雑な作業が必要である。
また、被覆用のチョコレート類中に、シクロデキストリン、高度分岐環状デキストリン、及び食物繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有させることで汗かき現象が発生し難く、且つ艶が良いことを特徴とする発明が為されている。(特許文献5)
しかしながら、シクロデキストリン、高度分岐環状デキストリン、及び食物繊維に汗かき現象を抑制し、艶がよいことが示唆されているものの、グレーニングについては触れられておらず、また、食物繊維の中でも特に何かよいかについての記載も無い。
粉末セルロースを使う技術としては、表面に油脂処理を施した果肉に、粉末セルロースを釜掛けした後、チョコレートを釜掛けすることを特徴とするチョコレート掛け菓子の製法が発明されている(特許文献6)が、油脂と粉末セルロースは別々に付着されており、またグレーニング抑制機能については触れられていない。
他にも、微結晶セルロースと親水性高分子からなるセルロース複合体を配合してなることを特徴とする含水チョコレート組成物という発明が為されている(特許文献7)。しかしこれについても配合されるものは複合体であり、含水チョコレートにおける油脂分離などを防止する事を目的にしている。この発明もグレーニング抑制についてはうかがい知れない。
このように、グレーニングの発生を遅延させる技術については油脂組成や乳化剤、食物繊維など様々な技術が検討されているものの、どれをとっても未だ充分なものでなかった。
特開昭61−224934号公報 特開平05−211837号公報 特開平01−256348号公報 特開平01−252251号公報 特開2005−185153号公報 特開平06−335349号公報 特開2003−009770号公報
本発明の目的は、チョコレート様食品におけるグレーニングと称されるざらつき食感を低減したチョコレート様食品を提供する事にある。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、チョコレート様食品にパルプ由来のセルロース粉末を含ませることで、チョコレート様食品におけるグレーニングと称されるざらつき食感を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、(1)としては、パルプ由来のセルロース粉末を含むことを特徴とするチョコレート様食品であり、(2)としては、無脂カカオ固形分を実質的に含まないことを特徴とする(1)に記載のチョコレート様食品であり、(3)としては、セルロース粉末をチョコレート様食品中の油分に対して0.5重量%以上含有することを特徴とする(1)ないし(2)のいずれか1項に記載のチョコレート様食品であり、(4)としては、セルロース粉末の平均粒度が50μm以下である(1)記載ないし(3)のいずれか1項に記載のチョコレート様食品である。
本発明により油脂組成の、特に分子構造にまで及ぶ改変や、乳化剤といった方法によらずとも、平易な方法で、グレーニングを低減することが可能であり、特に、グレーニングが起こりやすいとされるホワイトやカラーチョコレートにおいては効果的で且つ、前述の方法では口溶けや風味に影響が出やすいのに対して、そういった影響を最低限に抑えた状態でグレーニングを防止することが可能になった。
本発明で言うところのチョコレート様食品とは、油脂が連続相をなす食品であれば特に限定はされないが、一例を挙げると、チョコレート類が該当する。また、ここで言うチョコレート類とは、全国チョコレート業公正取引協議会、チョコレート利用食品公正取引協議会で規定されるチョコレート、準チョコレート、チョコレート利用食品だけでなく、油脂類を必須成分とし、必要により糖類、粉乳類、カカオ原料(カカオマス、ココア、ココアバター)、果汁粉末、果実粉末、呈味材、乳化剤、香料、着色料等の副原料を任意の割合で配合したものを言う。なお、チョコレート類の風味は、カカオ原料、粉乳類、糖類が主成分であるスィートチョコレート類、ミルクチョコレート類、ホワイトチョコレート類に限らず、種々の粉末類を使用した、コーヒー風味、キャラメル風味、抹茶風味、果実風味、野菜風味、塩味系風味などの風味バラエティー品も、当然その範囲に入る。
パルプとはセルロースを豊富に含む植物質の繊維塊であり、主に製紙原料として使われるものである。大別して物理的に破砕してパルプ化したものが機械パルプであり、化学的に分解してパルプ化したものが化学パルプであるが、機械パルプには取り除かれなかったリグニンが多く含まれ、一方、化学パルプの方がリグニンをはじめとする不純物が取り除かれておりセルロース純度は一般的に高い。それらのなかで食品あるいは食品添加物規格に合致するものがパルプ由来のセルロース粉末である。本願発明においてはその由来原料は特に限定はされないものの、木材パルプ由来であること、セルロース純度の高い化学パルプが望ましい。
小麦、トウモロコシ、馬鈴薯、大豆、ビート、シトラスなどをセルロースの供給源とする食物繊維は、完全に除去しきれないデンプンやタンパク質に由来する臭いや特有の色調があり、チョコレート様食品の最終目標品質として望ましくない色や風味をもつことが多いが、パルプ由来のセルロース粉末は着色着香がほとんどないため、特にホワイトやカラーチョコレートに好適である。また、チョコレート様食品に用いる以上食品あるいは食品添加物として用いることができるグレードのものであることが好ましい。
添加されるパルプ由来のセルロース粉末の量の下限はチョコレート様食品中の油分に対して望ましくは0.5重量%以上であることが、さらに望ましくは1.0重量%以上、最も望ましくは2.0重量%以上であることが好ましい。0.5重量%未満のものは使用する油脂の種類によってはグレーニング防止機能が弱くなる。また上限に関しては特に規定はされず、添加量が多いほどグレーニング防止能は強くなる。ただ、パルプ由来のセルロース粉末が必要以上に添加されると、コストの上昇や、風味の発現が弱くなるため、一般には30重量%以下であることが好ましい。
パルプ由来のセルロース粉末には微結晶セルロース、粉末セルロース、あるいはこれらセルロース粉末とキサンタンガム等の親水性高分子からなるセルロース複合体、セルロース食品等が存在する。本願発明ではパルプ由来のセルロース粉末の種類は特に限定はされないものの、セルロース複合体のようにセルロース表面を覆うような処理をしていないものの方がよりグレーニングを防止する機能が高い。またその粒径に関しても、特に限定はされないが、細かい方がグレーニングを防止する機能が高い傾向が見られ、望ましくは50μm以下、より望ましくは45μm以下、最も望ましくは40μm以下であることが望ましい。もっとも、粒度は細かい方がグレーニング防止能が高いとはいえ、その差は顕著というほどではなく、むしろ、チョコレート様食品としての最終目標品質に準じ適宜選択してかまわない。例えば、滑らかな口当たりを目標とするチョコレート様食品では粒度は30μmを上回るとざらつきを感じやすくなる。
チョコレート様食品は上記説明のとおり、様々な種類があり、含油量や油脂の種類にもよるが、所謂、ホワイトチョコレート類やカラーチョコレート類といったものはグレーニングを起こしやすい傾向が見られる。ここでいうホワイトチョコレート類とはココアバターは含まれてもかまわないが、強いチョコレート色を有するカカオマスやココアパウダーといった原料を配合しない、すなわち無脂カカオ固形分を事実上使用せずに油脂や粉乳類、糖類などで作成されるチョコレート類であり、カラーチョコレート類とは、そのホワイトチョコレート類をベースにコーヒー風味、キャラメル風味、抹茶風味、果実風味、野菜風味、塩味系風味などの風味素材及び/又は発色素材及び/又は香料及び/又は着色料を含有してなるものである。本願発明のグレーニング抑制機能は通常のチョコレート様食品においてもその抑制能を発揮するが、無脂カカオ固形分を実質的に含まないホワイトチョコレート類やカラーチョコレート類といった、元々グレーニングの発生しやすいものに特に好適に用いられる。また、ホワイトチョコレート類やカラーチョコレート類はベースとなる乳味やカラーチョコレートの抹茶や果実の風味に対して添加物の風味が顕実化しやすい傾向にあり、その点でも、本願発明で用いられるパルプ由来のセルロース粉末、特に木材パルプ由来のものが好適に用いられる。
上記記載の、カカオ固形分を実質的に含まないとは、実際の作業上混入が避けられない場合としても、カカオマスとココアパウダーの総量がチョコレート様食品全体に対して5重量%以下、望ましくは1重量%以下、更に望ましくは0.5重量%以下、最も望ましくは可能な限り混入を避けて、まったく添加されないことが好ましい。添加量が少ない状態ほどグレーニングを起こしやすく、本願発明の効果がより顕著に発揮される。
チョコレート様食品は上記の通り油脂が連続相であり、その油脂の種類や物性などは特に限定されず、従来のチョコレート様食品に用いられている油脂であれば適宜用いることができる。一例としては、ココアバター、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂及び乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動物性油脂を例示することができ、上記油脂類の単独若しくは混合油、又はそれらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂を用いることができる。
本願発明におけるチョコレート様食品は上記油脂のほかにも糖類や乳成分等の原料、乳化剤や保存料、酸化防止剤といった添加物を配合するが、従来のチョコレート様食品で用いられているものなら、所望により任意のものを使用できる。
また、製造方法については上記の原料を適宜選択して混合し、通常のロールリファイナー、コンチェによる製法はもちろん、アトライターによる微細化方法などを取り入れた製造法を採用することもできる。パルプ由来のセルロース粉末の添加時期については特に限定はなく、チョコレート様食品の他の粉体原料と同時に添加してからロールリファイナーなどの微細化工程にかけてもいいし、コンチングなどの工程を経てチョコレート様食品としての最終形態になった状態で添加してもかまわないが、微細化工程を経ることで粒径が細かくなるため、前述のグレーニング機能の向上やチョコレート様食品の口当たりをよくするためには微細化工程前の添加が望ましい。
また、製造方法についてもまた粒度、粘度、油分等など物性面、冷菓用、コーチング用、飾り用などの形状についてもチョコレート様食品用として使用するものであれば任意に製造することができる。
ただし、グレーニングは連続相である油相中において生じるため、チョコレート様食品に水相を添加することで水に油滴が分散した「水中油型乳化物」となった場合、本願発明のグレーニングを防止する効果は油滴内に限られ顕実化しにくい。
一方、同じく水相を添加しても油に水滴が分散した「油中水型乳化物」となった場合、油脂が連続相であるため、本願発明のグレーニングを防止する効果は得られやすい。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
(エステル交換油Aの調製)
ヤシ油50部、パーム分別高融点部40部、菜種極度硬化油10部を原料とし、触媒としてナトリウムメチラートを用い既知の方法によりランダムエステル交換して融点35℃のエステル交換油Aを得た。
<実施例1>
ココアバター(製品名:ココアバター201、不二製油株式会社製)7.1部、エステル交換油A41.4部、大豆白絞油(製品名:大豆白絞油N、不二製油株式会社製)2部、砂糖31.0部、全脂粉乳15部、セルロース粉末A(製品名:NPファイバー W−10MG2、日本製紙ケミカル株式会社製 平均粒径10μm)3.0部、大豆レシチン(商品名:SLP−ペースト 辻製油株式会社 大豆由来)0.5部を定法によりロールリファイナー、コンチェ処理により、ホワイトチョコレート様食品を調製した。なお、粉末セルロースは他の粉体原料である全粉乳や砂糖と同時に添加し、ロールリファイナー後の粒度は22μmに調整した。
得られたチョコレート様食品は60℃まで加温してよく溶解し、50℃まで冷却した後、直径6cmのプラスチックシャーレに約10g流し込んで20℃で保管した。7日後、30日後、90日後、180日後のグレーニング及び風味を評価した。
<比較例1・実施例2・実施例3・実施例4・実施例5>
配合を表1のように変える以外は実施例1と同様の工程にてホワイトチョコレート様食品を作成し、同様の評価を行った。
<表1>
Figure 2009232795
※ グレーニング評価方法:以下の基準で評価を行った。
「5:グレーニングなし」
「4:グレーニングほぼなし。表面の艶がわずかに悪い」
「3:小さいグレーニングあり、食べるとわずかにざらついた食感あるが商品価値あり」
「2:グレーニング明らかで、食べるとざらつき、商品価値なし」
「1:粗大かつ多量のグレーニングがあり、耐え難い食感」
※ 風味評価方法:以下の基準にもとづき試食評価を行った。
「5:風味極めて良好」
「4:僅かに異味あるが良好」
「3:異味あるが商品価値有」
「2:異味明らか商品価値無し」
「1:耐えられない異味」
※ 色調評価方法:以下の基準にもとづき目視にて評価を行った。
「5:色調極めて良好」
「4:僅かに違和感ある色調だが良好」
「3:違和感ある色調だが商品価値有」
「2:色調がおかしく商品価値無し」
「1:明らかにおかしな色調」
セルロース粉末A無添加の比較例1は7日後の時点ですでに商品価値を損なうレベルのグレーニングが発生していた。一方実施例2・実施例3・実施例4・実施例1・実施例5とセルロース粉末Aの添加量が増えるに従い、グレーニング耐性は向上していき、セルロース粉末Aが1重量部を加えると7日後の評価でも5(グレーニングなし)評価に、添加量が増えるに従いその評価も長く延びた。しかしながら、実施例5で15重量部添加すると風味的な評価が商品価値はあるもののやや低いものなった。
<実施例6・比較例2・比較例3・比較例4>
配合を表2のように変える以外は実施例1と同様の工程にてホワイトチョコレート様食品を作成し、同様の評価を行った。比較の為、実施例1をあわせて表記した。
なお、使用した原料は、セルロース粉末B(商品名:KCフロック W−100G 日本製紙ケミカル株式会社 平均粒径37μm)、ファイバーA(商品名:紀文・おからパウダー 株式会社紀文フードケミファ おから粉末 平均粒径25μm)、ファイバーB(商品名:ポテックスクラウン 王子コーンスターチ株式会社 馬鈴薯繊維)、ファイバーC(商品名:シトリ・ファイ 100FG 鳥越製粉株式会社 シトラスファイバー 平均粒径107μm)を用いた。
<表2>
Figure 2009232795
セルロース粉末とファイバーを3重量部ずつ(比較例4だけ1重量部)添加した系においてパルプ由来のセルロース粉末は同様のグレーニング耐性を示し、また風味的にも色調的にも高評価であったが、そのほかのファイバーは異味や着色が著しく、特にホワイトチョコレート様食品であるため商品価値を損なうものとなった。
<実施例7・比較例5>
配合を表3のように変える以外は実施例1と同様の工程にてホワイトチョコレート様食品を作成し、同様の評価を行った。比較の為、実施例1をあわせて表記した。
なお、使用した原料は、パーム硬化油(商品名:メルバ36 不二製油株式会社、融点36℃)、パームスーパーオレイン(商品名:パームエースN 不二製油株式会社、パーム低融点分画油)を用いた。なお、エステル交換を施された油脂はTGの分子種がばらばらで、あり、粗大結晶を作りにくいとされているが、実施例7と比較例5には用いられておらず、一般的ながらもグレーニング耐性的にはやや弱い配合となっている。
<表3>
Figure 2009232795
ベースの油脂のグレーニング耐性が弱い為、同じセルロース粉末無添加の系である比較例1と比較しても比較例5はグレーニング耐性が劣る結果であったが、セルロース粉末Aを実施例1と同量添加した実施例7はベースの油脂のグレーニング耐性が底上げされて無い分実施例1よりは劣るが、明らかに比較例5に比べグレーニング耐性が付与されたことがわかる。
<実施例8・実施例9・比較例6>
配合を表4のように変える以外は実施例1と同様の工程にてホワイトチョコレート様食品を作成し、同様の評価を行った。比較の為、実施例1をあわせて表記した。
なお、使用した原料は、ココアパウダー(社内原料「ココアパウダー」 不二製油株式会社)、イチゴパウダー(商品名:イチゴパウダーC23 佐藤食品工業株式会社)を用いた。なおココアパウダーとイチゴパウダーは他の粉体原料である全脂粉乳や砂糖と同時に添加した。
<表4>
Figure 2009232795
俗に言うカラーチョコレートと呼ばれるチョコレート様食品はベースのホワイトチョコレート様食品に風味素材や着色用素材を配合することが多い。ホワイトチョコレート様食品とカラーチョコレート様食品は油脂配合が類似であっても、無脂カカオ固形分が存在するミルクやスイートと呼ばれるチョコレート様食品に比べて、グレーニング耐性が劣るものが多いが、セルロース粉末Aを添加することにより、ホワイトチョコレート様食品と同様なグレーニング耐性を付与することが可能である。
一方で無脂カカオ固形分があるチョコレート様食品はホワイトチョコレート様食品やカラーチョコレート様食品に比べてグレーニング耐性が強い傾向がある。
セルロース粉末を添加していない同士の比較としてココアパウダーが配合された比較例6もホワイトチョコレート様食品である比較例1よりはグレーニング耐性が底上げされているものの、油脂配合によってはこのようにグレーニングが発生する。
しかし、比較例6に対しセルロース粉末を添加した実施例9はさらに強いグレーニング耐性が付与されたことがわかる。
<実施例10・実施例11>
工程を表5のようにセルロース粉末A・セルロース粉末Bをコンチング終了後に添加する以外は実施例1と同様の配合・工程にてホワイトチョコレート様食品を作成し、同様の評価を行った。比較の為、実施例1・実施例6をあわせて表記した。
<表5>
Figure 2009232795
セルロース粉末の添加時期を変更した実施例10・実施例11は実施例1・実施例6とほぼ同等のグレーニング耐性を示した。これにより、添加時期は関係が無いことがわかる。
本発明によって、平易な方法で、グレーニングを低減することが可能であり、特に、グレーニングが起こりやすいとされるホワイトやカラーチョコレートにおいては従来法では顕実化しやすい口溶けや風味に影響を最低限に抑えた状態でグレーニングを防止することできる。

Claims (4)

  1. パルプ由来のセルロース粉末を含むことを特徴とするチョコレート様食品。
  2. 無脂カカオ固形分を実質的に含まないことを特徴とする請求項1に記載のチョコレート様食品。
  3. セルロース粉末をチョコレート様食品中の油分に対して0.5重量%以上含有することを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載のチョコレート様食品。
  4. セルロース粉末の平均粒度が50μm以下である請求項1記載ないし請求項3のいずれか1項に記載のチョコレート様食品。
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