JP2009231605A - 接着剤及び接合体の製造方法 - Google Patents

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明伸 早川
Kohei Takeda
幸平 竹田
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Abstract

【課題】塗布性に優れており、かつ第1の接合部材上に第2の接合部材を接合するのに用いた場合に、パスが形成されるのを抑制することができる接着剤を提供する。
【解決手段】
第1の接合部材2上に枠状側壁4を介して第2の接合部材5を接合するに際し、枠状側壁4を形成するのに用いられ、25℃で結晶性固体であり、かつ50〜80℃における粘度が1Pa・s以下であるエポキシ化合物(A)と、25℃で結晶性を有しない固体であり、かつ80〜120℃における粘度が0.1Pa・s以上であるエポキシ化合物(B1)及び/又は25℃で結晶性固体であるエポキシ基含有ポリマー(B2)と、硬化剤(C)と、CV値が10%以下であるスペーサー粒子(D)と、沸点が80〜140℃である溶剤(E)とを含有する接着剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、受光センサなどの電子部品が上面に実装されている第1の接合部材上に、電子部品を囲繞するように形成された枠状側壁を介して第2の接合部材を接合するに際し、該枠状側壁を形成するのに用いられる接着剤、及び該接着剤を用いた接合体の製造方法に関する。
デジタルカメラや携帯電話等には、画像撮影を行うために、CCDイメージセンサやC−MOSイメージセンサ等の受光センサを備える受光センサパッケージが搭載されている。
上記受光センサパッケージの一例として、下記の特許文献1,2では、受光センサが上面に実装されている半導体チップ上に、受光センサを囲繞するように形成された枠状側壁を介して光透過性部材が接合されている受光センサパッケージが提案されている。
特許文献1では、受光センサパッケージを製造するに際しては、先ず、半導体チップ上に、受光センサを囲繞するように封止剤を塗布する。次に、封止剤上に光透過性部材を貼り合わせる。それによって、半導体チップ上に、封止剤からなる枠状側壁を介して光透過性部材が接合されている。
また、特許文献2では、受光センサパッケージを製造するに際しては、光透過性部材の下面に、UV硬化型又は熱硬化型接着剤が表面に塗布されたスペーサーを予め接合する。次に、下面にスペーサーが接合された光透過性部材を、半導体チップ上に貼り合わせる。それによって、半導体チップ上に、上記接着剤が塗布されたスペーサーを介して光透過性部材が接合されている。
特開2005−286028号公報 特開2007−188909号公報
しかしながら、特許文献1では、半導体チップ上に光透過性部材を貼り合わせる際に、受光センサパッケージの内部空間の空気が外部空間に逃げることによって、空気が逃げた形跡であるパスが、封止剤に形成されることがあった。特に光透過性部材を貼り合わせる際の押圧を強くしたり、減圧雰囲気下で貼り合せした場合に、パスが形成され易かった。
ここで、パスの形成を抑制するために、半導体チップ上に塗布される封止剤の粘度を高くすることが考えられる。しかし、封止剤の粘度を高くした場合には、封止剤の塗布性が低下する。そのため、封止剤を狭い幅の領域にあるいは線状に塗布することができないことがあった。
一方、特許文献2では、貼り合せに際して、スペーサーを別途用意する必要があった。さらに、光透過性部材を半導体チップ上に貼り合わせる際に、スペーサーを接合するのに用いたUV硬化型又は熱硬化型接着剤部分において、上記パスが容易に形成されることがあった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、塗布性に優れており、かつ電子部品が上面に実装されている第1の接合部材上に第2の接合部材を接合するのに用いられた場合に、パスが形成されるのを抑制することができる接着剤、及び該接着剤を用いた接合体の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、電子部品が上面に実装されている第1の接合部材上に、前記電子部品を囲繞するように形成された枠状側壁を介して第2の接合部材を接合するに際し、前記枠状側壁を形成するのに用いられる接着剤であって、25℃で結晶性固体であり、かつ50〜80℃における粘度が1Pa・s以下であるエポキシ化合物(A)と、25℃で結晶性を有しない固体であり、かつ80〜120℃における粘度が0.1Pa・s以上であるエポキシ化合物(B1)及び/又は25℃で結晶性固体であるエポキシ基含有ポリマー(B2)と、硬化剤(C)と、CV値が10%以下であるスペーサー粒子(D)と、沸点が80〜140℃である溶剤(E)とを含有することを特徴とする、接着剤が提供される。
本発明に係る接着剤のある特定の局面では、前記エポキシ化合物(A)は、芳香族環を有する10量体以下の分子構造を有するエポキシ化合物(A1)、又は、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル化合物(A2)である。
本発明に係る接着剤の他の特定の局面では、前記エポキシ化合物(A)は、1分子中にエポキシ基を少なくとも2つ有する。
本発明に係る接着剤の他の特定の局面では、前記エポキシ化合物(A)は、前記芳香環に直結しているグリシジルエーテル基を有する。
本発明では、前記エポキシ化合物(A)は、下記式(1)で表されるエポキシ化合物であることが好ましい。
Figure 2009231605
上記式(1)中、Rは、水素又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、nは、置換基の数で、1〜4の整数を表す。
本発明では、好ましくは、前記エポキシ化合物(B1)は、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物である。
また、本発明では、前記エポキシ基含有ポリマー(B2)は、エポキシ基含有多官能アクリルポリマーであることが好ましい。
本発明では、前記硬化剤(C)として様々な硬化剤を用いることができるが、酸無水物硬化剤が好ましい。
また、本発明では、前記溶剤(E)として様々な溶剤を用いることができるが、ケトン系溶剤が好ましい。
本発明に係る接合体の製造方法は、電子部品が上面に実装されている第1の接合部材上に、前記電子部品を囲繞するように本発明に従って構成された接着剤を塗布し、接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層を加熱して、前記接着剤層に含まれている溶剤を除去する工程と、減圧雰囲気下において、前記溶剤が除去された接着剤層上に第2の接合部材を貼り合わせる工程と、前記溶剤が除去された接着剤層を硬化させることにより、前記接着剤層の硬化物からなる枠状側壁を形成し、該枠状側壁を介して、前記第1の接合部材上に前記第2の接合部材を接合する工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る接合体の製造方法のある特定の局面では、前記電子部品としてセンサ素子が用いられ、前記第1の接合部材として半導体チップ又は半導体ウェーハが用いられ、かつ前記第2の接合部材として光透過性部材が用いられる。
本発明に係る接着剤は、上記特定のエポキシ化合物(A)と、上記特定のエポキシ化合物(B1)及び/又は上記特定のエポキシ基含有ポリマー(B2)と、硬化剤(C)と、CV値が10%以下であるスペーサー粒子(D)と、沸点が80〜140℃である溶剤(E)とを含有するので、塗布性に優れている。さらに、電子部品が上面に実装されている第1の接合部材上に、電子部品を囲繞するように形成された枠状側壁を介して第2の接合部材を接合するに際し、該枠状側壁を形成するのに本発明の接着剤を用いることにより、パスが形成されるのを抑制することができる。さらに、接合された第1,第2の接合部材の間隔を、スペーサー粒子(D)の粒子径程度に高精度に制御することができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る接着剤は、25℃で結晶性固体であり、かつ50〜80℃における粘度が1Pa・s以下であるエポキシ化合物(A)と、25℃で結晶性を有しない固体であり、かつ80〜120℃における粘度が0.1Pa・s以上であるエポキシ化合物(B1)及び/又は25℃で結晶性固体であるエポキシ基含有ポリマー(B2)と、硬化剤(D)と、沸点が80〜140℃である溶剤(E)とを含有する。
本発明に係る接着剤は、電子部品が上面に実装されている第1の接合部材上に、電子部品を囲繞するように形成された枠状側壁を介して第2の接合部材を接合するに際し、枠状側壁を形成するのに用いられる。
具体的には、電子部品が上面に実装されている第1の接合部材上に、電子部品を囲繞するように接着剤を塗布し、接着剤層を形成し、次に接着剤層を加熱して、前記接着剤層に含まれている溶剤を除去した後、減圧雰囲気下において、溶剤が除去された接着剤層上に第2の接合部材を貼り合わせ、しかる後溶剤が除去された接着剤層を硬化させることにより、接着剤層の硬化物からなる枠状側壁を形成し、該枠状側壁を介して、第1の接合部材上に第2の接合部材を接合するのに好ましく用いられる。
(エポキシ化合物(A))
本発明の接着剤は、エポキシ化合物(A)を含むため、溶剤(E)を含む状態での粘度を比較的低くすることができる。また、溶剤が多少揮発した場合でもエポキシ化合物(A)の結晶構造が形成されるまでは、エポキシ化合物(A)の粘度が低く、そのため接着剤の粘度変化が少ない。従って、塗布性を高めることができる。そのため、本発明の接着剤では、狭い幅の領域に、線状に塗布することができる。ただし溶剤が除去されてエポキシ化合物(A)の結晶構造が形成された場合、接着剤の粘度が急激に上昇する。
エポキシ化合物(A)は、極めて結晶性が高く、25℃で結晶性固体である。このエポキシ化合物(A)は、25℃よりも高い温度領域において、例えば50〜80℃の温度領域において、粘度が急激に低下するという性質を有する。
上記エポキシ化合物(A)の50〜80℃の全ての温度領域における粘度は、1Pa・s以下である。この粘度は、E型粘度計を用いて測定された値である。エポキシ化合物(A)の50〜80℃での粘度が1Pa・sを超えると、第1,第2の接合部材を所望とする間隔で接合することができないことがある。具体的にはスペーサー粒子(D)の粒子径と実質的に等しい間隔で第1,第2の接合部材を接合することができないことがある。
なお、上記粘度が1Pa・s以下である温度領域を50〜80℃としたのは、第1の接合部材上に、接着剤を介して第2の接合部材を貼り合わせる工程における、貼り合せ時の通常の加熱温度条件を考慮したものである。また、上記エポキシ化合物(A)が結晶性固体である温度を25℃としたのは、接着剤は、通常、室温で塗布されることを考慮したものである。
エポキシ化合物(A)は、芳香族環を有する10量体以下の分子構造を有するエポキシ化合物(A1)、又は、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル化合物(A2)であることが好ましい。
上記エポキシ化合物(A1)又はポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル化合物(A2)は、25℃よりも高い温度領域において、例えば50〜80℃の温度領域において、粘度が急激に低下するという性質を有する。これは、上記芳香族環を有する10量体以下の分子構造を有するエポキシ化合物(A1)は、25℃では結晶性固体であるが、10量体以下と低分子量であるため、25℃を超えて例えば50〜80℃に加熱することで、結晶構造が壊れることに起因すると考えられる。また、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル化合物(A2)は、25℃では分子構造の対称性がよいため結晶性固体となるが、25℃を超えて例えば50〜80℃に加熱することで、結晶構造が壊れることに起因すると考えられる。
エポキシ化合物(A1)が10量体を超える分子構造を有する場合には、50〜80℃の温度領域におけるエポキシ化合物(A1)の粘度が1Pa・sを超えることがある。上記エポキシ化合物(A1)は、3量体以下の分子構造を有することがより好ましい。
本発明の接着剤は、25℃で結晶性固体であり、かつ50〜80℃における粘度が1Pa・s以下であるエポキシ化合物(A)を含有するため、第1,第2の接合部材の接合に用いると、接合され第1,第2の接合部材の間隔を、スペーサー粒子(D)の粒子径程度に高精度に制御することができる。従って、信頼性に優れた接合体を得ることができる。
上記エポキシ化合物(A)は、1分子中にエポキシ基を少なくとも2つ有することが好ましい。この場合、接着性をより一層高めることができる。
上記エポキシ化合物(A)としては、25℃で結晶性固体であり、かつ50〜80℃における粘度が1Pa・s以下であれば特に限定されないが、例えば、レゾルシノール型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、又はビフェニル型エポキシ化合物等が挙げられる。これらのエポキシ化合物(A)の市販品としては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)、及びYSLV−80XY(東都化成社製)等が挙げられる。
接着性を高めることができるので、上記エポキシ化合物(A)は、1分子中にエポキシ基を少なくとも2つ有することが好ましい。
上記エポキシ化合物(A)は、芳香環に直結しているグリシジルエーテル基を有することが好ましい。この場合、接着剤の硬化速度を速くすることができる。これにより、第1の接合部材上に、接着剤を介して第2の接合部材を貼り合わせた後、接着剤を速やかに硬化させることができる。そのため、所望とする領域からの接着剤のはみ出しや、第1,第2の接合部材の位置ずれを抑制することできる。
上記エポキシ化合物(A)は、下記式(1)で表されるエポキシ化合物(以下、エポキシ化合物(1)ともいう)であることがより好ましい。
Figure 2009231605
上記式(1)中、Rは、水素又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、nは、置換基の数で、1〜4の整数を表す。
上記エポキシ化合物(1)の市販品としては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
エポキシ化合物(A)の数平均分子量の好ましい下限は100、好ましい上限は1000である。
ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル化合物(A2)としては特に限定はされないが、繰り返し単位数が10〜20程度の化合物が好ましい。市販品としては例えば、エポゴーセーPT(四日市合成社製)等が挙げられる。
上記エポキシ化合物(A)の配合量としては特に限定されないが、接着剤100重量%中、好ましい下限は10重量%、好ましい上限は30重量%である。エポキシ化合物(A)が少なすぎると、接着剤の塗布性が低下することがあり、例えばノズルを用いて接着剤を塗布する場合に、ノズルから安定的に吐出することができないことがある。エポキシ化合物(A)が多すぎると、接着剤中に含まれている溶剤(E)が除去された後に、粘度が低くなりすぎることがある。また、第1,第2の接合部材の貼り合せの際に、パスが形成され易くなる。
(エポキシ化合物(B1)及び/又はエポキシ基含有ポリマー(B2))
本発明の接着剤に含まれているエポキシ化合物(B1)としては、25℃で結晶性を有しない固体であり、かつ80〜120℃における粘度が0.1Pa・s以上であれば特に限定されない。
エポキシ化合物(B1)の80〜120℃の全ての温度領域における粘度が0.1Pa・s以上であることにより、貼り合せの際に加熱した場合でも、接着剤の塗布形状を保つことができる。エポキシ化合物(B1)の80〜120℃における粘度は、好ましくは0.3Pa・s以上である。この粘度は、E型粘度計で測定された値である。
また、エポキシ化合物(B1)が25℃で結晶性を有しない固体であることにより、さらに該エポキシ化合物(B1)がエポキシ化合物(A)と併用されていることにより、減圧雰囲気下で、第1の接合部材上に、接着剤を介して第2の接合部材を貼り合せた後に、常温常圧雰囲気下に移行させた場合でも、接着剤の塗布形状を保つことができる。
エポキシ化合物(B1)としては、具体的には、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、又はポリブタジエン変性エポキシ化合物等が挙げられる。これらの市販品としては、例えばN−665−EXP(大日本インキ化学工業社製)、HP−7200HH(大日本インキ化学工業社製)、及びEPR−4030(アデカ社製)等が挙げられる。
エポキシ化合物(B1)としては、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物もしくはポリブタジエン変性エポキシ化合物が特に好ましい。この場合、接合信頼性をより一層高めることができる。
エポキシ化合物(B1)の数平均分子量の好ましい下限は700、好ましい上限は100000である。
本発明の接着剤は、エポキシ化合物(B1)に代えて、あるいはエポキシ化合物(B1)とともに、25℃で結晶性固体であるエポキシ基含有ポリマー(B2)を含有する。このエポキシ基含有ポリマー(B2)を用いた場合には、上記エポキシ化合物(B1)を用いた場合と同様の効果を得ることができる。接合信頼性を高めることができるので、エポキシ化合物(B1)とエポキシ基含有ポリマー(B2)とを併用することが好ましい。
エポキシ基含有ポリマー(B2)としては25℃で結晶性固体であれば特に限定はされないが、エポキシ基含有多官能アクリルポリマーが好適に用いられる。この場合、接合信頼性をより一層高めることができる。
エポキシ基含有ポリマー(B2)としては特に限定されないが、具体的には、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂、またエポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ基含有ポリマー(B2)の数平均分子量の好ましい下限は5000であり、好ましい上限は20000である。数平均分子量が5000未満であると、エポキシ基含有ポリマー(B2)を添加した効果が十分に得られないことがあり、20000を超えると、溶剤や他のエポキシ成分に溶解しないことがある。このようなエポキシ基含有ポリマー(B2)の市販品としては、例えばCP−50S(日本油脂社製)、又はCP−30(日本油脂社製)が挙げられる。
エポキシ化合物(B1)及び/又はエポキシ基含有ポリマー(B2)の合計の配合量としては、接着剤100重量%中、好ましい下限は5重量%、好ましい上限は30重量%である。エポキシ化合物(B1)及び/又はエポキシ基含有ポリマー(B2)が少なすぎると、貼り合せに際し加熱した場合に、接着剤の塗布形状が保持できないことがあり、多すぎると、接着剤の塗布性が低下することがあり、例えばノズルを用いて接着剤を塗布する場合に、ノズルから安定的に吐出することができないことがある。
エポキシ化合物(B1)及びエポキシ基含有ポリマー(B2)の内、エポキシ化合物(B1)のみを用いる場合には、該エポキシ化合物(B1)の配合量の好ましい下限20重量%であり、好ましい上限は70重量%である。
エポキシ化合物(B1)及びエポキシ基含有ポリマー(B2)の内、エポキシ基含有ポリマー(B2)のみを用いる場合には、該エポキシ基含有ポリマー(B2)の配合量の好ましい下限は5重量%であり、好ましい上限は50重量%である。
エポキシ化合物(B1)と、エポキシ基含有ポリマー(B2)とを併用する場合には、これらを重量比(エポキシ化合物(B1):エポキシ基含有ポリマー(B2))で、10:1〜10:5の範囲で用いることが好ましい。
(硬化剤(C))
本発明に係る接着剤に含まれている硬化剤(C)としては特に限定されず、従来公知の硬化剤を他の成分に応じて、適宜選択して用いることができる。具体的には、硬化剤(C)としては、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、又はカチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。これらの硬化剤(C)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤(C)としては、酸無水物硬化剤が好ましい。酸無水物硬化剤を用いた場合、接合信頼性を高めることができる。
硬化剤(C)の配合量としては特に限定されないが、上記エポキシ化合物(A)と、上記エポキシ化合物(B1)及び/又は上記エポキシ基含有ポリマー(B2)とを含む硬化性成分の官能基と等量反応する硬化剤を用いる場合、上記硬化性成分の官能基量に対して、70〜110当量が好ましい。また、触媒として機能する硬化剤を用いる場合、上記硬化性成分100重量部に対して、好ましい下限は1重量部、好ましい上限は20重量部である。
なお、上記硬化性成分とは、上記エポキシ化合物(A)と、上記エポキシ化合物(B1)及び/又は上記エポキシ基含有ポリマー(B2)と、必要に応じて接着剤に配合される他の硬化性化合物との総和をいうものとする。
本発明の接着剤には、硬化速度や硬化物の物性等を調整するために、上記硬化剤(C)に加えて硬化促進剤を添加してもよい。
上記硬化促進剤としては特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、又は3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、硬化速度や硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好適に用いられる。硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記イミダゾール系硬化促進剤としては特に限定されず、例えばイミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールや、イソシアヌル酸で塩基性基を保護したもの(四国化学工業社製、商品名「2MA−OK」)等が挙げられる。イミダゾール系硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化促進剤の配合量としては特に限定はされず、上記硬化性成分100重量部に対して好ましい下限は1重量部、好ましい上限は10重量部である。
上記硬化剤(C)及び/又は硬化促進剤の融点の好ましい下限は、120℃である。融点が120℃以上である場合、本発明の接着剤を加熱した場合に、ゲル化を抑制することができる。そのため、第1,第2の接合部材を接合するに際し、第1,第2の接合部材の間隔を容易に制御することができる。また、硬化剤(C)及び硬化促進剤の内の少なくとも一方は、粉体であることが好ましい。
融点が120℃以上である硬化剤としては、例えば、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フェラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、TD−2090(大日本インキ化学工業社製)等のフェノールノボラック樹脂、KH−6021(大日本インキ化学工業社製)等のビスフェノールAノボラック樹脂、KA−1165(大日本インキ化学工業社製)等のオルソクレゾールノボラック樹脂、並びにEH−3636AS、EH−3842、EH−3780、EH−4339S、及びEH−4346S(以上、いずれもADEKA社製)等のジシアンジアミドが挙げられる。
また、上記硬化剤(C)として、融点が120℃以上の材質で被覆されたマイクロカプセル型硬化剤も好適に用いることができる。
融点が120℃以上である硬化促進剤としては、例えば、2MZ、2MZ−P、2PZ,2PZ−PW、2P4MZ、C11Z−CNS、2PZ−CNS、2PZCNS−PW、2MZ−A、2MZA−PW、C11Z−A、2E4MZ−A、2MA−OK、2MAOK−PW、2PZ−OK、2MZ−OK、2PHZ、2PHZ−PW、2P4MHZ、2P4MHZ−PW、2E4MZ・BIS、VT,VT−OK、MAVT、及びMAVT−OK(以上、いずれも四国化成工業社製)等が挙げられる。特に、130℃以下では安定で、135〜200℃で活性化する硬化促進剤が好ましく、上述したもののなかでは、2MA−OK、または2MAOK−PWが好ましい。これらの硬化促進剤を用いた場合、貯蔵安定性、熱に対する安定性及び速硬化性の両立が可能となる。
(スペーサー粒子(D))
本発明の接着剤に含まれているスペーサー粒子(D)は、CV値が10%以下である。このようなスペーサー粒子(D)を用いることにより、接着剤を用いて第1,第2の接合部材を接合した場合に、第1,第2の接合部材間の間隔を高精度に制御することができる。
上記スペーサー粒子(D)のCV値の上限は、10%である。CV値が10%を超えると、粒子径のばらつきが大きいことから、第1,第2の接合部材間の間隔を高精度に制御することが困難となり、スペーサー粒子としての機能を充分に果たせない。CV値の好ましい上限は6%、より好ましい上限は4%である。
なお、本明細書において、上記CV値とは、下記式(1)により求められる数値のことである。
CV値(%)=(σ2/Dn2)×100 (1)
上記式(1)中、σ2は、粒子径の標準偏差を表し、Dn2は、数平均粒子径を表す。
上記スペーサー粒子(D)の平均粒子径としては特に限定されず、第1,第2の接合部材間の間隔が所望の範囲になるように適宜変更することができ特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は200μmである。上記平均粒子径が5μm未満であると、スペーサー粒子(D)の粒子径程度にまで第1,第2の接合部材間の間隔を縮めることが困難となることがあり、200μmを超えると、第1,第2の接合部材間の間隔が必要以上に大きくなることがある。上記平均粒子径のより好ましい下限は9μm、より好ましい上限は50μmである。
本発明に係る接着剤が、スペーサー粒子(D)以外の固体成分を含む場合、上記スペーサー粒子(D)の平均粒子径は、固体成分の平均粒子径の1.1倍以上であることが好ましく、1.2倍以上であることがより好ましい。1.1倍未満であると、第1,第2の接合部材間の間隔をスペーサー粒子(D)の粒子径程度にまで確実に縮めることが困難となることがある。
上記スペーサー粒子(D)の粒子径分布の標準偏差は、スペーサー粒子(D)の平均粒子径の10%以下であることが好ましい。この場合、第1の接合部材上に、接着剤を介して第2の接合部材を貼り合わせる際に、安定的にかつ水平に第2の接合部材を貼り合わせることができる。
上記スペーサー粒子(D)の下記式(2)で表されるK値の好ましい下限は980N/mm、好ましい上限は4900N/mmである。
K=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2 (2)
上記式(2)中、F及びSは、スペーサー粒子(D)の10%圧縮変形における荷重値(kgf)及び圧縮変位(mm)をそれぞれ表し、Rはスペーサー粒子(D)の半径(mm)を表す。
上記K値は以下の測定方法により測定することができる。
まず、平滑な表面を有する鋼板の上にスペーサー粒子(D)を散布した後、その中から1個のスペーサー粒子(D)を選び、微小圧縮試験機を用いてダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑な端面でスペーサー粒子(D)を圧縮する。この際、圧縮荷重を電磁力として電気的に検出し、圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出する。そして、得られた圧縮変位−荷重の関係から、10%圧縮変形における荷重値及び圧縮変位をそれぞれ求め、得られた結果からK値を算出する。
上記スペーサー粒子(D)は、20℃で10%の圧縮変形状態から解放したときの圧縮回復率が、20%以上であることが好ましい。このような圧縮回復率を有するスペーサー粒子を用いた場合、スペーサー粒子は圧縮変形されても形状を回復し、ギャップ調整材として作用し得る。従って、第1の接合部材上に、接着剤を介して第2の接合部材を貼り合わせる際に、安定的にかつ水平に第2の接合部材を貼り合わせることができる。
上記圧縮回復率は、以下の測定方法により測定することができる。
上記K値の測定の場合と同様の手法によって圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出し、反転荷重値まで圧縮したのち荷重を減らしていき、その際の荷重と圧縮変位との関係を測定する。得られた測定結果から圧縮回復率を算出する。ただし、除荷重における終点は荷重値ゼロではなく、0.1g以上の原点荷重値とする。
上記スペーサー粒子(D)としては特に限定されない。スペーサー粒子(D)は、樹脂からなる樹脂粒子、または有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましく、樹脂粒子がより好ましい。
上記樹脂粒子を構成する樹脂としては特に限定はされないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、又はポリアセタール等が挙げられる。なかでも、スペーサー粒子(D)の硬さと回復率を調整しやすく、接着剤の硬化物の耐熱性を向上させることができるため、架橋樹脂が好ましい。
上記架橋樹脂としては特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体、トリアリルイソシアヌレート重合体、又はベンゾグアナミン重合体等の網目構造を有する樹脂が挙げられる。なかでも、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン−スチレン系共重合体、ジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、又はジアリルフタレート重合体等が好ましい。これらの架橋樹脂を用いた場合、接着剤の硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
上記有機無機ハイブリッドスペーサー粒子としては特に限定はされず、アルコキシシランを主成分とする粒子を用いることができる。このような粒子は、例えば、特許第2698541号公報に記載に準拠して、アルコキシシランを加水分解重縮合することにより得ることができる。
上記スペーサー粒子(D)の形状としては、球状が好ましい。また、上記スペーサー粒子(D)のアスペクト比の好ましい上限は、1.1である。アスペクト比が1.1以下である場合、第1,第2の接合部材の貼り合せの際に、第1,第2の接合部材間の間隔を安定して一定に保つことができる。なお、本明細書においてアスペクト比とは、粒子の短径の長さに対する粒子の長径の長さの比(長径の長さ/短径の長さ)を意味する。このアスペクト比の値が1に近いほどスペーサー粒子の形状は真球に近くなる。
上記スペーサー粒子(D)の配合量としては、接着剤100重量%中、好ましい下限は0.01重量%、好ましい上限は1重量%である。スペーサー粒子(D)が0.01重量%未満であると、第1,第2の接合部材の貼り合せの際に、第1,第2の接合部材間の間隔を安定して一定に保つことができないことがあり、1重量%を超えると、接着剤の塗布性が低下することがあり、例えばノズルを用いて接着剤を塗布する場合に、ノズルから安定的に吐出することができないことがある。
(溶剤(E))
本発明に係る接着剤は、沸点が80〜140℃である溶剤(E)を含むので、接着剤の塗布性を高めることができる。また、溶剤(E)は、接着剤を例えば100〜140℃程度に加熱することにより、揮発される。従って、加熱により、接着剤に含まれている溶剤(E)を除去することができ、それによって接着剤の粘度を高くすることができる。
本発明に係る接着剤に含まれている溶剤(E)としては、沸点が80〜140℃の範囲にあれば特に限定されない。
上記溶剤(E)としては特に限定されないが、ケトン系溶剤又はアルコール系溶剤等が挙げられる。なかでも、エポキシ成分の溶解性をより一層高めることができるので、ケトン系溶剤が好ましい。溶剤(E)は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ケトン系溶剤としては、例えばメチルイソブチルケトン、ジエチルケトン等が挙げられる。なかでも、メチルイソブチルケトンが好ましい。
上記溶剤(E)の配合量としては、接着剤100重量%中、10〜50重量%の範囲が好ましい。溶剤(E)が少なすぎると、接着剤の粘度が比較的高くなり、塗布性が低下することがあり、多すぎると、接着剤を塗布した後に塗布形状を保持することができないことがある。
(接合体)
本発明に係る接着剤は、電子部品が上面に実装されている第1の接合部材上に、電子部品を囲繞するように形成された枠状側壁を介して第2の接合部材を接合するに際し、枠状側壁を形成するのに用いられる。
図1(a)及び(b)に、本発明の一実施形態に係る接着剤を用いて構成された接合体を斜視図及び正面断面図でそれぞれ示す。
図1(b)に示すように、接合体1は、第1の接合部材としての半導体チップ2の上面2aの中央領域に、電子部品としてのセンサ素子3が実装されている。図1(a),(b)に示すように、半導体チップ2の上面2aの外周縁には、センサ素子3を囲繞するように枠状側壁4が形成されている。枠状側壁4を介して、半導体チップ2の上面2aに、半導体チップ2とほぼ同じ大きさの光透過性部材5が接合されている。枠状側壁4内には、スペーサー粒子6が含有されている。枠状側壁4は、センサ素子3と距離を隔てて配置されている。光透過性部材5は、センサ素子3と距離を隔てて配置されている。接合体1では、半導体チップ2、センサ素子3、枠状側壁4及び光透過性部材5により囲まれている内部空間Aが形成されている。
接合体1では、枠状側壁4が本発明の一実施形態に係る接着剤を硬化させることにより形成されている。
(接合体の製造方法)
以下、本発明の一実施形態に係る接着剤を用いて接合体1を製造する方法を説明する。
接合体1を得るに際しては、先ず、図2(a),(b)に部分切欠平面図及び部分切欠正面断面図でそれぞれ示す半導体ウェーハ11を用意する。半導体ウェーハ11の上面11aには、図示しないがマトリックス状に区画された各領域に、個々の半導体チップを構成するための回路が形成されている。半導体ウェーハ11の上面11aには、マトリックス状に区画された各領域内にセンサ素子3が実装されている。半導体ウェーハ11は、後に個々の半導体チップ2,2に分割される。
接合体1を製造するに際しては、図3(a),(b)に示すように、半導体ウェーハ11の上面11aに、センサ素子3を囲繞するように、本発明の一実施形態に係る接着剤を塗布し、接着剤層12を形成する。接着剤層12の塗布厚みは、センサ素子3の厚みよりも厚くされる。接着剤層12は溶剤を含む。
次に、半導体ウェーハ11の上面11aに塗布された接着剤層12を加熱して、接着剤層12に含まれている溶剤を除去する。このときの加熱温度は、好ましくは80〜150℃である。
しかる後、図4(a),(b)に示すように、溶剤が除去された接着剤層12上に、マザーの光透過性部材5Aを積層し、貼り合わせる。マザーの光透過性部材5Aは、好ましくは減圧雰囲気下で積層され、貼り合わされる。このときの減圧条件としては、0.1kPa〜50kPaが好ましい。マザーの光透過性部材5Aは、後に個々の光透過性部材5,5に分割される。
ところで、前述の特許文献1に記載のような従来の接着剤からなる接着剤層101が半導体チップ2上に形成されている場合には、図6に、接着剤層101の形成部分における部分切欠平面断面図で示すように、接着剤層101で囲まれた内部空間の空気が外部空間に逃げようとすることによって、空気が逃げた形跡であるパスPが形成され、接合不良を生じることがあった。これに対し、本実施形態に係る接着剤からなる接着剤層12が形成されている場合には、上記パスPが形成されるのを極めて抑制することができる。
次に、図5(a),(b)に示すように、溶剤が除去された接着剤層12を硬化させることにより、接着剤層12の硬化物からなる枠状側壁4Aを形成する。それによって、半導体チップ11の上面11aに、該枠状側壁4Aを介して光透過性部材5Aが接合される。これにより、複数の接合体1を得るためのマザーの接合体1Aを得ることができる。接着剤層12は、好ましくは、120〜200℃に10分〜1時間加熱することにより硬化される。
しかる後、平面視したときに、枠状側壁4Aの中央部分すなわち図5(a),(b)に二点鎖線Y−Yで示す位置において、マザーの接合体1Aを切断する。これにより、半導体ウェーハ11が個々の半導体チップ2,2に分割され、かつマザーの光透過性部材5Aが個々の光透過性部材5,5に分割される。そして、図1に示す複数の接合体1を得ることができる。
なお、接合体1を得るに際しては、半導体ウェーハ11に代えて、予め分割された半導体チップ2を用いてもよい。この場合、半導体チップ2の上面2aの外周縁に、接着剤を塗布し、接着剤層を形成すればよい。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
接着剤を得るに際し、以下の材料を用いた。
(1)エポキシ化合物(A)
EX−201(レゾルシノール型エポキシ化合物、ナガセケムテックス社製、芳香環を有する1量体の分子構造を有する、25℃で結晶性固体、数平均分子量234)
エポゴーセーPT(ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、四日市合成社製、25℃で結晶性固体、数平均分子量900)
(2)エポキシ化合物(B1)
HP−7200HH(ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、大日本インキ化学工業社製、25℃で結晶性を有しない固体、数平均分子量840)
EPR−4030(ポリブタジエン変性エポキシ化合物、アデカ社製、25℃で結晶性を有しない固体、数平均分子量1000)
(3)エポキシ基含有ポリマー(B2)
CP−30(エポキシ基含有多官能アクリルポリマー、日本油脂社製、数平均分子量9000、25℃で結晶性固体)
(4)その他のエポキシ
EX−931(ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ナガセケムテックス社製、数平均分子量800)
(5)硬化剤(C)
YH−306(メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ジャパンエポキシレジン社製)
(6)硬化促進剤
2MA−OK(イミダゾール系硬化促進剤、四国化成工業社製)
(7)スペーサー粒子(D)
SP−230(積水化学工業社製)
(8)溶剤(E)
メチルイソブチルケトン(沸点:118℃)
(9)溶剤(E)以外の溶剤
酢酸エチル(沸点:77℃)
(10)増粘剤
PM−20L(表面疎水性ヒュームドシリカ、トクヤマ社製)
(実施例1〜4及び比較例1〜4)
下記の表1に示す各成分を、下記の表1に示す配合割合(配合単位は重量部)で配合し、プラネタリーミキサーで攪拌することにより、接着剤を調製した。
(評価)
(1)粘度の評価
(1−1)エポキシ化合物(A)の粘度
上記EX−201の50〜80℃の温度領域における粘度を、E型粘度計(東機産業社製)を用いて、10rpmの条件で測定した。その結果、上記EX−201の50〜80℃の温度領域における粘度の最大値は100mPa・sであり、最少値は45mPa・sであった。
上記エポゴーセーPTの50〜80℃の温度領域における粘度を、E型粘度計(東機産業社製)を用いて、10rpmの条件で測定した。その結果、上記EX−201の50〜80℃の温度領域における粘度の最大値は80mPa・sであり、最少値は30mPa・sであった。
(1−2)エポキシ化合物(B)の粘度
上記HP−72000HHの80〜120℃の温度領域における粘度を、レオメーター:DYNALYSER(レオロジカ社製)を用いて、応力100Paの条件で測定した。上記HP−72000HHの80〜120℃の温度領域における粘度の最大値は20Pa・sであり、最少値は0.5Pa・sであった。
(1−3)接着剤の粘度
得られた接着剤の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製)を用いて、10rpmの条件で測定した。
(1−4)接着剤の溶剤を一部除去した後の粘度
得られた接着剤を、120℃に加熱することにより、溶剤を揮発させた。接着剤100重量%中に含まれている溶剤の含有量が5重量%揮発したときの接着剤の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製)を用いて、10rpmの条件で測定した。
(1−5)接着剤の溶剤を除去した後の粘度
得られた接着剤を、120℃に加熱することにより、溶剤を除去した。溶剤が除去された後の接着剤の80℃における粘度を、レオメーター:DYNALYSER(レオロジカ社製)を用いて、応力100Paの条件で測定した。
(2)連続吐出性の評価
内径0.4mmのノズルを用いて、塗布圧150kPa及び塗布速度50mm/秒の条件で、半導体ウェーハ上に接着剤を塗布した。このときのノズルからの接着剤の連続吐出性を下記の評価基準で評価した。
〔連続吐出性(塗布性)の評価〕
○:接着剤の途切れなく、かつ線幅の変化量が50μm以下の場合
×:接着剤の途切れがある場合、もしくは線幅の変化量が50μmを超えるの場合
(3)パスの評価
内径0.4mmのノズルを用いて、塗布圧150kPa及び塗布速度50mm/秒の条件で、半導体ウェーハ上に、線幅600μm及び高さ60μmとなるように、かつ縦4.0mm及び横4.0mmの間隔で格子状になるように接着剤を塗布し、接着剤層を形成した。次に、接着剤層を120℃で10分間加熱することにより、溶剤を除去した。次に、5.0×10Paの減圧下において、溶剤が除去された接着剤層上に、ウエハーと同じサイズのガラスを、170℃及び荷重100Nの条件で貼り合せた。しかる後、大気開放し、溶剤が除去された接着剤層を150℃で1時間硬化させることにより、接着剤層の硬化物からなる枠状側壁を形成し、該枠状側壁を介して、半導体ウェーハ上にガラスを接合し、接合体を得た。
得られた接合体において、枠状側壁にパスが形成されているか否かを観察し、下記の評価基準で評価した。
〔パスの評価基準〕
○:枠状側壁にパスがない場合
×:枠状側壁にパスがある場合
結果を下記の表1に示した。
Figure 2009231605
(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る接着剤を用いて構成された接合体を示す斜視図及び正面断面図。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る接着剤を用いて接合体を製造する方法を説明するための図であり、(a)はセンサ素子が上面に実装されている半導体ウェーハを示す部分切欠平面図であり、(b)は、(a)の一点鎖線X−X部分における部分切欠正面断面図。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る接着剤を用いて接合体を製造する方法を説明するための図であり、(a)は半導体ウェーハ上に接着剤層が形成された状態を示す部分切欠平面図であり、(b)は、(a)の一点鎖線X−X部分における部分切欠正面断面図。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る接着剤を用いて接合体を製造する方法を説明するための図であり、(a)は接着剤層上に光透過性部材が貼り合わされた状態を示す部分切欠平面図であり、(b)は、(a)の一点鎖線X−X部分における部分切欠正面断面図。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る接着剤を用いて接合体を製造する方法を説明するための図であり、(a)は接着剤層を硬化させることにより形成された枠状側壁を介して、半導体ウェーハ上に光透過性部材が接合された状態を示す部分切欠平面図であり、(b)は、(a)のX−X部分における部分切欠正面断面図。 従来の接着剤からなる枠状側壁を介して、半導体ウェーハ上に光透過性部材が接合された接合体において、枠状側壁にパスが形成されること説明するための部分切欠平面断面図。
符号の説明
1…接合体
1A…マザーの接合体
2…半導体チップ
2a…上面
3…センサ素子
4…枠状側壁
4A…枠状側壁
5…光透過性部材
5A…マザーの光透過性部材
6…スペーサー粒子
11…半導体ウェーハ
11a…上面
12…接着剤層

Claims (11)

  1. 電子部品が上面に実装されている第1の接合部材上に、前記電子部品を囲繞するように形成された枠状側壁を介して第2の接合部材を接合するに際し、前記枠状側壁を形成するのに用いられる接着剤であって、
    25℃で結晶性固体であり、かつ50〜80℃における粘度が1Pa・s以下であるエポキシ化合物(A)と、
    25℃で結晶性を有しない固体であり、かつ80〜120℃における粘度が0.1Pa・s以上であるエポキシ化合物(B1)及び/又は25℃で結晶性固体であるエポキシ基含有ポリマー(B2)と、
    硬化剤(C)と、
    CV値が10%以下であるスペーサー粒子(D)と、
    沸点が80〜140℃である溶剤(E)とを含有することを特徴とする、接着剤。
  2. 前記エポキシ化合物(A)は、芳香族環を有する10量体以下の分子構造を有するエポキシ化合物(A1)、又は、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル化合物(A2)である、請求項1に記載の接着剤。
  3. 前記エポキシ化合物(A)が、1分子中にエポキシ基を少なくとも2つ有する、請求項2に記載の接着剤。
  4. 前記エポキシ化合物(A)が、前記芳香環に直結しているグリシジルエーテル基を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤。
  5. 前記エポキシ化合物(A)が、下記式(1)で表されるエポキシ化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤。
    Figure 2009231605
    上記式(1)中、Rは、水素又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、nは、置換基の数で、1〜4の整数を表す。
  6. 前記エポキシ化合物(B1)が、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤。
  7. 前記エポキシ基含有ポリマー(B2)が、エポキシ基含有多官能アクリルポリマーである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着剤。
  8. 前記硬化剤(C)が酸無水物硬化剤である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着剤。
  9. 前記溶剤(E)がケトン系溶剤である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の接着剤。
  10. 電子部品が上面に実装されている第1の接合部材上に、前記電子部品を囲繞するように請求項1〜9のいずれか1項に記載の接着剤を塗布し、接着剤層を形成する工程と、
    前記接着剤層を加熱して、前記接着剤層に含まれている溶剤を除去する工程と、
    減圧雰囲気下において、前記溶剤が除去された接着剤層上に第2の接合部材を貼り合わせる工程と、
    前記溶剤が除去された接着剤層を硬化させることにより、前記接着剤層の硬化物からなる枠状側壁を形成し、該枠状側壁を介して、前記第1の接合部材上に前記第2の接合部材を接合する工程とを備えることを特徴とする、接合体の製造方法。
  11. 前記電子部品としてセンサ素子を用い、前記第1の接合部材として半導体チップ又は半導体ウェーハを用い、かつ前記第2の接合部材として光透過性部材を用いる、請求項10に記載の接合体の製造方法。
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