JP2009229863A - シャッタ装置および撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高精度の露出時間を与えることができるシャッタ装置を提供する。
【解決手段】チャージカム部材5上に具備された弾性部材40により付勢されて、チャージカム部材の回転に伴って羽根走行完了状態からオーバーチャージ状態まで回転させられる羽根緩衝カム部材6を有し、該羽根緩衝カム部材は、チャージカム部材がオーバーチャージ状態から羽根走行待機状態に逆回転されることに伴って羽根駆動レバー部材3に当接し、羽根駆動レバー部材をオーバーチャージ状態から羽根走行待機状態まで緩やかに移動させるカム面6bを有する。
【選択図】図4
【解決手段】チャージカム部材5上に具備された弾性部材40により付勢されて、チャージカム部材の回転に伴って羽根走行完了状態からオーバーチャージ状態まで回転させられる羽根緩衝カム部材6を有し、該羽根緩衝カム部材は、チャージカム部材がオーバーチャージ状態から羽根走行待機状態に逆回転されることに伴って羽根駆動レバー部材3に当接し、羽根駆動レバー部材をオーバーチャージ状態から羽根走行待機状態まで緩やかに移動させるカム面6bを有する。
【選択図】図4
Description
本発明は、露光用の開口部を開閉させる羽根部材を有するシャッタ装置および撮像装置に関するものである。
従来、小型、低コストであるシャッタ羽根(以下、単に羽根)の駆動機構をマグネットで直接的にホールドすることが出来る釈放マグネットタイプのシャッタ装置(特許文献1)が知られている。
この種のシャッタ装置において、まず、先、後羽根のチャージを行うために一つの部材上に形成された二つのカム形状部を有するチャージカムを、例えば時計方向に回転させる。このことにより、先、後羽根と連動しているそれぞれの駆動レバーが、該駆動レバーの一部に組み付けられたアマチュアが電磁マグネットと密着する位置まで例えば反時計方向に回転する。次に、電磁マグネットに通電する。このことにより、電磁マグネットがアマチュアを保持する(この状態をオーバーチャージ状態という)が、アマチュアと電磁マグネットの吸着部を確実に密着させるためには、適度の圧力が必須である。この適度の圧力を発生させるためにアマチュアと駆動レバー間にコイルばねを配置してこのコイルばねを圧縮させている。この時、アマチュアを支持する軸の一端と駆動レバーの間には隙間(この隙間をオーバーチャージ量という)が生じる。その後、チャージカムを駆動レバーから退避(この状態を羽根走行待機状態という)させる。
特開2002−287209号公報
上記チャージカムを駆動レバーから退避させ、羽根走行待機状態となった時、駆動レバーがオーバーチャージ量だけ時計周り(羽根走行方向)に回転する。このため、駆動レバーに羽根を走行させるために回転力を与えているコイルばねの付勢力によってアマチュアを支持する軸の一端に該駆動レバーが衝突し、アマチュアに衝撃が加わる。この衝撃によってアマチュアと電磁マグネットの吸着状態が変化することが多々ある。
上記のようにアマチュアと電磁マグネットの吸着状態が変化すると、電磁マグネットへの通電をOFFにした時、アマチュアと電磁マグネットの離反特性が変化してしまい、特に高速秒時においては著しい露出時間の変化となってしまう。したがって、チャージカムが駆動レバーから退避する時、つまりオーバーチャージ状態から羽根走行待機状態へ移行する時に生じる駆動レバーのアマチュアへの衝撃を極力小さくする必要があった。
(発明の目的)
本発明の目的は、羽根駆動レバー部材が電磁手段の磁性部材に与える衝撃を緩和することにより、磁性部材と電磁マグネットの吸着状態を安定的に保てるようにして、磁性部材の電磁マグネットからの離反特性の変化を抑えて羽根部材の走行スタートを安定させ、高精度の露出時間を与えることのできるシャッタ装置および撮像装置を提供しようとするものである。
本発明の目的は、羽根駆動レバー部材が電磁手段の磁性部材に与える衝撃を緩和することにより、磁性部材と電磁マグネットの吸着状態を安定的に保てるようにして、磁性部材の電磁マグネットからの離反特性の変化を抑えて羽根部材の走行スタートを安定させ、高精度の露出時間を与えることのできるシャッタ装置および撮像装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、羽根部材と、前記羽根部材により露光用の開口部を開閉させるために移動する羽根駆動レバー部材と、前記羽根駆動レバー部材に具備される磁性部材と固定部材に具備される電磁マグネットより成る電磁手段と、チャージ用回転力によって、羽根走行完了状態から前記磁性部材が前記電磁マグネットに密着するオーバーチャージ状態まで前記羽根駆動レバー部材を移動させる方向に回転され、該オーバーチャージ状態まで回転された後は羽根走行待機状態まで逆回転されることによって前記羽根駆動レバー部材の軌跡から退避するチャージカム部材とを有し、前記羽根駆動レバー部材を前記オーバーチャージ状態から前記羽根走行待機状態までオーバーチャージ量だけ移動させる際に、前記電磁手段への通電により、前記磁性部材が前記電磁マグネットを吸着して前記羽根部材を前記羽根走行待機状態に保持し、前記通電が停止されることにより、前記磁性部材が前記電磁マグネットより離反して前記羽根部材が前記羽根走行完了状態へと移動するように構成されたシャッタ装置であって、前記チャージカム部材上に具備された弾性部材により付勢されて、前記チャージカム部材の回転に伴って前記羽根走行完了状態から前記オーバーチャージ状態まで回転させられる羽根緩衝カム部材を有し、前記羽根緩衝カム部材が、前記チャージカム部材が前記オーバーチャージ状態から前記羽根走行待機状態に逆回転されることに伴って前記羽根駆動レバー部材に当接し、前記羽根駆動レバー部材を前記オーバーチャージ状態から前記羽根走行待機状態まで緩やかに移動させるカム面を有するシャッタ装置とするものである。
同じく上記目的を達成するために、本発明は、本発明の上記シャッタ装置を具備する撮像装置とするものである。
本発明によれば、羽根駆動レバー部材が電磁手段の磁性部材に与える衝撃を緩和することにより、磁性部材と電磁マグネットの吸着状態を安定的に保てるようにして、磁性部材の電磁マグネットからの離反特性の変化を抑えて羽根部材の走行スタートを安定させ、高精度の露出時間を与えることができるシャッタ装置または撮像装置を提供できるものである。
本発明を実施するための最良の形態は、以下の実施例に示す通りである。
図1は本発明の一実施例に係るカメラの電磁式のシャッタ装置の主要部構成を示す側面図である。詳しくは、縦走り方式のフォーカルプレーンシャッタの先、後羽根の開閉を司る駆動部の略構成を示す図である。尚、先羽根の駆動部の構成と後羽根の駆動部の構成及び動きは略同じであるため、後羽根の駆動部の構成、動きの説明は割愛する。
図1において、1aはチャージレバー軸、1bは先羽根駆動レバー軸、1d,1eはカバー板取付突起、1fは先羽根サブアーム軸、1gは後羽根サブアーム軸、1hは先羽根メインアーム軸であり、それぞれシャッタ地板1に加締められている。
50は先羽根を構成する4枚の羽根のうちの一枚(他の3枚の羽根は不図示)であり、その先端部にはメインアーム50aとサブアーム50bが他の3枚の羽根と回転可能に連結される。そして、先羽根駆動レバー3の一端に加締められた先羽根駆動突起3bとメインアーム50aの一端に設けられた不図示の穴部とが係合する。また、また、メインアーム50aの一部に設けられた不図示の穴部が先羽根メインアーム軸1hと回転可能に嵌合する。また、サブアーム50bの一部に設けられた不図示の穴部と先羽根サブアーム軸1fとが回転可能に嵌合している。そして、先羽根駆動レバー3の回転に伴って4枚の羽根が先羽根メインアーム軸1hと先羽根サブアーム軸1fを支点として上下に展開、重畳作用する。60は羽根抑え板であり、シャッタ地板1に加締められたカバー板取付突起1d〜1eに固定され、適度のクリアランスを保って作動可能に先羽根50、後羽根55を包含している。
先羽根駆動レバー3は先羽根駆動レバー軸1bに嵌合し、羽根走行駆動力を付与する先羽根メインばね8の付勢によって回転する。先羽根メインばね8の一端は先羽根駆動レバー3と一体に形成された先羽根アマチュア保持アーム部3cの部位に係合する。また、先羽根メインばね8の他端は先羽根駆動レバー軸1bの頂部とMg(マグネット)地板2の下面に形成された軸穴2cに回転可能に保持、嵌合されている先羽根メインばね力調整ギヤー10の下面に設けられた不図示のばね穴に係合する。12は先羽根ウォームギヤーであり、Mg地板2と一体で形成された先羽根ウォームギヤー保持部2aで回転可能に保持されている。
先羽根ウォームギヤー12は先羽根メインばね力調整ギヤー10と噛合しており、先羽根ウォームギヤー12を右回転することにより先羽根メインばね8を蓄勢する。先羽根メインばね8の蓄勢力を加減することにより、先羽根50の幕速を調整する。
5はチャージカム、6は先羽根緩衝カムである。7は後羽根緩衝カムであり、チャージレバー軸1aの同軸上に各々適度な上下のクリアランスをもって回転可能に嵌合され、抜止めリング14で保持されている。
3aは先羽根駆動レバー3の一端に加締められた先羽根チャージ突起であり、チャージカム5、先羽根緩衝カム6の端面部に当接(この位置、動きに関しては後に詳述する)している。15は先羽根アマチュア、15aは先羽根アマチュア15の先端部に設けられた先羽根アマチュア吸着部である。16は先羽根ヨークであり、その基部はMg地板2に形成された先羽根ヨーク支持部2dに固着され、一端にはコイル17が装着されている。16aは先羽根ヨーク16の先端に形成された先羽根ヨーク吸着部であり、先羽根アマチュア吸着部15aの回転軌跡上に配置されている。
これより、図2ないし図5を参照して説明する。
先羽根アマチュア15は先羽根アマチュア軸21の一端に加締められ、先羽根アマチュア軸21は先羽根アマチュア保持アーム部3cの一部に形成された穴部と箱状に形成された先羽根アマチュアガイド20の略中央部の穴部を貫通する。そして、先羽根アマチュア軸21の他端部に形成された先羽根アマチュア軸頂部21aを抜け止めとして上下動可能に保持されている。先羽根アマチュアガイド20と先羽根アマチュア保持アーム部3cは加締で固定されている。先羽根アマチュアガイド20の内面部と先羽根アマチュア15の間には筍状の先羽根アマチュアばね25が挿入されて、先羽根アマチュア15と先羽根アマチュアガイド20を離反させる方向に付勢している。22は先羽根駆動レバーオーバーチャージ緩衝ゴムであり、先羽根アマチュア保持アーム部3cと先羽根アマチュア軸頂部21aの間に挿入されている。
次に、チャージカム5と先羽根駆動レバー3(先羽根アマチュア15)の先羽根チャージ突起3aの位置及び動きについて説明する。
図2は、羽根走行完了状態での、主にチャージカム5と先羽根駆動レバー3の位置関係を示す正面図である。
先羽根駆動レバー3はその先羽根チャージ突起3aが先羽根緩衝カム6の先羽根緩衝カム面6aに当接して停止している。先羽根緩衝カム6は板バネ40により時計方向に付勢されているため、先羽根緩衝カム面6aと先羽根チャージ突起3aとが当接している。この状態から不図示の前板部からチャージ突起5pに伝達されるチャージ用回転力によってチャージカム5が図2の状態から図3の状態へと時計回り(図2の矢印A参照)に回転する。この際、先羽根チャージ突起3aはチャージカム面5cに沿って回転し、図3に示すようにチャージカム面5dの所定の位置で停止する(先羽根チャージ突起3aのチャージカム面5cに対するチャージ時の途中状態を表現)。この間、先羽根緩衝カム6の先羽根緩衝カム面6aは付勢されている板バネ40が先羽根駆動レバー3のチャージ力より弱く設定されているため、チャージカム面5cと同一面まで退避する。その後、先羽根チャージ突起3aがチャージカム面5dに乗ると、先羽根緩衝カム6は該先羽根緩衝カム6に形成されたストッパー穴6eがチャージカム5に加締められた先羽根緩衝カムストッパー突起5jに当接するまで時計回りに回転する。これにより、図4に示すように、先羽根緩衝カム面6a及び先羽根緩衝カム面6bがチャージカム面5c、チャージカム面5dより時計回り方向に突出した状態となる。
ここで、先羽根緩衝カム6の先羽根緩衝カム面6a、先羽根緩衝カム面6b、及び、チャージカム5のチャージカム面5c、チャージカム面5dの形状について説明する。
チャージカム面5cは、チャージカム5が時計回りに回転すると、先羽根チャージ突起3aが該チャージカム面5cに沿ってチャージカム5の外周部に移動する角度で略直線に形成されている。チャージカム面5dは、チャージカム5の回転中心より所定の半径で円弧状に形成されている。先羽根緩衝カム面6aは、仮想点を中心とした所定の半径で形成される。先羽根緩衝カム面6bは、チャージカム面5dと同一半径の円弧部の一点と円弧部の半径より短い先羽根緩衝カム面6aの円弧部の交点を直線に結び、交点部はエッジにならない程度のR面に形成している。
図4に示すように、先羽根チャージ突起3aがチャージカム面5dの所定の位置で停止した状態(以下、オーバーチャージ状態)の時の、先羽根アマチュア15と先羽根ヨーク16の状態を、略側面図である図6を用いて説明する。
図6に示すように先羽根アマチュア吸着部15aと先羽根ヨーク吸着部16aは密着し、コイル17に通電されているため、両者は吸着状態となる。この時、先羽根アマチュア保持アーム部3cと先羽根駆動レバーオーバーチャージ緩衝ゴム22の間には隙間(この隙間をオーバーチャージ量という)が生じている。このオーバーチャージ量は先羽根アマチュア吸着部15aと先羽根ヨーク吸着部16aが確実に先羽根アマチュアばね25の適度の圧力で密着状態にするためのものである。よって、その適度の圧力を得るためには構成部品の積上げによる誤差を考慮して、先羽根チャージ突起3aの径を調寸にして調整を行う。
次に、図4、図6のオーバーチャージ状態以降の動きを、図5、図7を用いて説明する。
所定のシーケンスによって不図示の前板部からチャージ突起5pに伝達されるチャージ用回転力によって、図4の状態からチャージカム5が反時計回り(図4の矢印B参照)に回転する。この際、先羽根チャージ突起3aが先羽根緩衝カム面6a、先羽根緩衝カム面6bに沿って移動(回転)し、やがてチャージカム5および先羽根緩衝カム6は先羽根チャージ突起3aとの当接状態から脱する。そして、図5に示すように、チャージカム5および先羽根緩衝カム6が先羽根チャージ突起3aの時計回りの軌跡上から退避する(この状態を羽根走行待機状態という)。
この際、コイル17に通電されているため、先羽根アマチュア吸着部15aと先羽根ヨーク吸着部16aは吸着状態となっており、先羽根駆動レバー3はオーバーチャージ量だけ移動(時計方向に回転)して保持される(図4→図5、図6→図7)。先羽根駆動レバー3のオーバーチャージ量だけの移動によって先羽根アマチュア吸着部15aには少なからず衝撃が加わる(羽根アマチュア保持アーム部3cが先羽根アマチュア軸頂部21aに突き当たるため)。先羽根駆動レバーオーバーチャージ緩衝ゴム22はこの衝撃の緩和のために配置されているが、当然完全に衝撃を吸収することは不可能である。
従来は、この衝撃で先羽根アマチュア吸着部15aの吸着状態が変化し、先羽根アマチュア吸着部15aと先羽根ヨーク吸着部16aの離反特性(コイル17への通電OFF時)が変化していた。このため、先羽根駆動レバー3の動き出しにばらつきが発生し、その結果、露出時間のばらつきという不良現象の一因となってしまっていた。したがって、この衝撃は出来るだけ小さくする必要がある。つまり、先羽根駆動レバー3がオーバーチャージ量だけ回転する間は出来るだけ該先羽根駆動レバー3を緩やかに移動(回転)させる必要がある。
そこで、本実施例では、新たに先羽根緩衝カム6を設け、先羽根駆動レバー3がオーバーチャージ量だけ時計方向に回転する間、上記したように、先羽根チャージ突起3aが先羽根緩衝カム6の先羽根緩衝カム面6bに沿って回転するようにしている。これにより、オーバーチャージ量だけ回転する間、先羽根駆動レバー3を緩やかに時計方向に回転させることが可能となる。つまり、先羽根駆動レバー3がオーバーチャージ量だけ移動した際の先羽根アマチュア吸着部15aへの衝撃を緩和することができる。よって、従来のように、先羽根アマチュア吸着部15aの吸着状態が変化し、先羽根アマチュア吸着部15aと先羽根ヨーク吸着部16aの離反特性(コイル17への通電OFF時)が変化してしまう、といったことを抑えることができる。したがって、先羽根駆動レバー3の動き出し時のばらつきが殆ど無くなり、露出時間のばらつきを抑制することができる。
ここで、上述した先羽根緩衝カム面6bというカム面をチャージカム5に一体で形成することが可能であれば、別体で先羽根緩衝カム6を新たに配置する必要はない。しかし、今日のようにカメラの小型化に伴い、シャッタ装置も小型化する必要が生じてくるとスペース的な余裕がないため、全ての可動部品は小さな動き、回転角で作用できるような構成、配置が必要となる。
仮に、チャージカム5に先羽根緩衝カム面6a及び先羽根緩衝カム面6bと同様のチャージカム面を形成し、チャージカム5を時計回りに回転させて先羽根チャージ突起3aを押して先羽根駆動レバー3を反時計回りに回転させるとする。この場合、チャージカム面で発生する分力は先羽根チャージ突起3aを抱き込む方向が強くなる。このため、先羽根駆動レバー3を反時計回りに回転(チャージカム面に沿って先羽根チャージ突起3aを回転)させることは不可能である。スペース的に余裕があれば、構成、配置、及びそれに伴う作動量、回転角度等の変更で対処は可能である。しかし、前述したように今日のように小型化が優先されてくると、設計的に不可能、あるいは困難となる。よって、本実施例のような構成(新たに先羽根緩衝カム6を設けた構成)にした方が設計的に容易である。
最後に、図5、図7の羽根走行待機状態以後の露光動作時の作動について説明する。
コイル17への通電がOFFされると、先羽根アマチュア吸着部15aは先羽根ヨーク吸着部16aから先羽根メインばね8の付勢により離反し、先羽根駆動レバー3は時計回りに回転する。それに伴って先羽根50が走行開始する。所定のタイムラグを経て同様の動きで後羽根55が走行して、露出時間(スリット幅)を形成する。つまり、先羽根50と後羽根55を複数枚の羽根の展開状態から重畳状態に切り替える(露光時間を経て)ことで、アパーチャ(開口部)の開閉を行う。
そして、先羽根50がアパーチャの略下面部を通過する付近より先羽根チャージ突起3aが先羽根緩衝カム面6aに当接し、円弧状に摺動して、板バネ40の付勢によって先羽根駆動レバー3の回転力(走行速度)を減衰させる。この先羽根駆動レバー3の回転力を減衰させることにより、先羽根50が走行完了後、再びアパーチャ面に侵入(羽根バウンド)するのを防ぐブレーキ効果をもたせている。
以上の実施例によれば、先羽根駆動レバー3が図4のオーバーチャージ状態から図5の羽根走行待機状態に回転する際、チャージカム5のチャージカム面5dより突出する先羽根緩衝カム面6bを具備する別体の先羽根緩衝カム6を新たに設けている。そして、オーバーチャージ状態から羽根走行待機状態へ移行する際は、先羽根駆動レバー3の先羽根チャージ突起3aを先羽根緩衝カム6の先羽根緩衝カム面6bに沿わせることにより、該先羽根駆動レバー3の回転を緩やかにしている。換言すれば、先羽根駆動レバー3がアマチュア15の先羽根アマチュア吸着部15aに与える衝撃を緩和するようにしている。
このように先羽根駆動レバー3がアマチュア15に与える衝撃を緩和することにより、アマチュア15と電磁マグネット(コイル17と先羽根ヨーク16より成る)の吸着状態を安定的に保つことができる。よって、アマチュア15の電磁マグネットからの離反特性(電磁マグネットをOFF時の)を安定させることができ、先羽根駆動レバー3に連結されている羽根の走行スタートが安定し、高精度の露出時間を得ることが可能となる。後羽根の構成についても同様である。
(本発明と実施例の対応)
以下に、本発明と実施例の対応を説明するが、ここではその対応は、先羽根側についてのみ説明し、後羽根側については省略する。但し、後羽根側についても同様である。先羽根50が本発明の羽根部材に相当し、先羽根駆動レバー3が、本発明の、羽根部材により露光用の開口部を開閉させるために移動する羽根駆動レバー部材に相当する。また、先羽根アマーチチャ15が、本発明の、羽根駆動レバー部材に具備される磁性部材に相当し、先羽根ヨーク16およびコイル17が、本発明の、固定部材(シャッタ地板1)に具備される電磁マグネットに相当する。また、チャージカム5が、本発明の、チャージ用回転力によって、羽根走行完了状態から磁性部材が前記電磁マグネットに密着するオーバーチャージ状態まで羽根駆動レバー部材を移動させる方向に回転されるチャージカム部材に相当する。そして、このチャージカム部材は、オーバーチャージ状態まで回転された後は羽根走行待機状態まで逆回転されることによって羽根駆動レバー部材の軌跡から退避する。
以下に、本発明と実施例の対応を説明するが、ここではその対応は、先羽根側についてのみ説明し、後羽根側については省略する。但し、後羽根側についても同様である。先羽根50が本発明の羽根部材に相当し、先羽根駆動レバー3が、本発明の、羽根部材により露光用の開口部を開閉させるために移動する羽根駆動レバー部材に相当する。また、先羽根アマーチチャ15が、本発明の、羽根駆動レバー部材に具備される磁性部材に相当し、先羽根ヨーク16およびコイル17が、本発明の、固定部材(シャッタ地板1)に具備される電磁マグネットに相当する。また、チャージカム5が、本発明の、チャージ用回転力によって、羽根走行完了状態から磁性部材が前記電磁マグネットに密着するオーバーチャージ状態まで羽根駆動レバー部材を移動させる方向に回転されるチャージカム部材に相当する。そして、このチャージカム部材は、オーバーチャージ状態まで回転された後は羽根走行待機状態まで逆回転されることによって羽根駆動レバー部材の軌跡から退避する。
また、先羽根緩衝カム6が、本発明の、チャージカム部材上に具備された弾性部材(板ばね40)により付勢されて、チャージカム部材の回転に伴って羽根走行完了状態からオーバーチャージ状態まで回転させられる羽根緩衝カム部材に相当する。また、先羽根緩衝カム面6bが、本発明の、チャージカム部材がオーバーチャージ状態から羽根走行待機状態に逆回転されることに伴って羽根駆動レバー部材に当接するカム面に相当する。そして、このカム面は、羽根駆動レバー部材をオーバーチャージ状態から羽根走行待機状態まで緩やかに移動させる。
1 シャッタ地板
1a チャージレバー軸
3 先羽根駆動レバー
3a 先羽根チャージ突起
3c 先羽根アマチュア保持アーム部
5 チャージカム
5c チャージカム面
5d チャージカム面
6 先羽根緩衝カム
6a 先羽根緩衝カム面
6b 先羽根緩衝カム面
7 後羽根緩衝カム
8 先羽根メインばね
15 先羽根アマチュア
15a 先羽根アマチュア吸着部
16 先羽根ヨーク
16a 先羽根ヨーク吸着部
17 コイル
20 先羽根アマチュアガイド
21 先羽根アマチュア軸
21a 先羽根アマチュア軸頂部
22 先羽根駆動レバーオーバーチャージ緩衝ゴム
25 先羽根アマチュアばね
40 板バネ
50 先羽根
55 後羽根
1a チャージレバー軸
3 先羽根駆動レバー
3a 先羽根チャージ突起
3c 先羽根アマチュア保持アーム部
5 チャージカム
5c チャージカム面
5d チャージカム面
6 先羽根緩衝カム
6a 先羽根緩衝カム面
6b 先羽根緩衝カム面
7 後羽根緩衝カム
8 先羽根メインばね
15 先羽根アマチュア
15a 先羽根アマチュア吸着部
16 先羽根ヨーク
16a 先羽根ヨーク吸着部
17 コイル
20 先羽根アマチュアガイド
21 先羽根アマチュア軸
21a 先羽根アマチュア軸頂部
22 先羽根駆動レバーオーバーチャージ緩衝ゴム
25 先羽根アマチュアばね
40 板バネ
50 先羽根
55 後羽根
Claims (2)
- 羽根部材と、
前記羽根部材により露光用の開口部を開閉させるために移動する羽根駆動レバー部材と、
前記羽根駆動レバー部材に具備される磁性部材と固定部材に具備される電磁マグネットより成る電磁手段と、
チャージ用回転力によって、羽根走行完了状態から前記磁性部材が前記電磁マグネットに密着するオーバーチャージ状態まで前記羽根駆動レバー部材を移動させる方向に回転され、該オーバーチャージ状態まで回転された後は羽根走行待機状態まで逆回転されることによって前記羽根駆動レバー部材の軌跡から退避するチャージカム部材とを有し、
前記羽根駆動レバー部材を前記オーバーチャージ状態から前記羽根走行待機状態までオーバーチャージ量だけ移動させる際に、前記電磁手段への通電により、前記磁性部材が前記電磁マグネットを吸着して前記羽根部材を前記羽根走行待機状態に保持し、前記通電が停止されることにより、前記磁性部材が前記電磁マグネットより離反して前記羽根部材が前記羽根走行完了状態へと移動するように構成されたシャッタ装置であって、
前記チャージカム部材上に具備された弾性部材により付勢されて、前記チャージカム部材の回転に伴って前記羽根走行完了状態から前記オーバーチャージ状態まで回転させられる羽根緩衝カム部材を有し、
前記羽根緩衝カム部材は、前記チャージカム部材が前記オーバーチャージ状態から前記羽根走行待機状態に逆回転されることに伴って前記羽根駆動レバー部材に当接し、前記羽根駆動レバー部材を前記オーバーチャージ状態から前記羽根走行待機状態まで緩やかに移動させるカム面を有することを特徴とするシャッタ装置。 - 請求項1に記載のシャッタ装置を具備することを特徴とする撮像装置。
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JP2008075758A JP2009229863A (ja) | 2008-03-24 | 2008-03-24 | シャッタ装置および撮像装置 |
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ID=41245323
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008075758A Pending JP2009229863A (ja) | 2008-03-24 | 2008-03-24 | シャッタ装置および撮像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009229863A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101309007B1 (ko) | 2009-11-02 | 2013-09-16 | 캐논 가부시끼가이샤 | 포컬 플레인 셔터 장치 및 촬상 장치 |
-
2008
- 2008-03-24 JP JP2008075758A patent/JP2009229863A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101309007B1 (ko) | 2009-11-02 | 2013-09-16 | 캐논 가부시끼가이샤 | 포컬 플레인 셔터 장치 및 촬상 장치 |
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