JP2009228779A - 車両用駆動装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルク比を高め且つ容量係数を低く変化させることができ、車両の動力性能を十分に高めることができる可変容量型トルクコンバータを備えた車両用駆動装置の制御装置を提供する。
【解決手段】必要駆動力が得られるように自動変速機8の変速比に応じてトルクコンバータ6の容量係数Cを変更する容量係数制御手段140を備えるため、エンジン8を最適な運転領域で作動させることができる。すなわち、必要駆動力に対して、トルクコンバータ6の容量係数Cを変更することで、エンジン9の運転領域を変更することが可能となる。これにより、例えば、燃費指向走行を指向するのであれば、エンジン9の運転領域を燃費消費特性の優れた領域で運転させることができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、流体を介してトルクを増幅可能なトルクコンバータを備えた車両用駆動装置に関し、特に、電動機によってトルクコンバータの容量係数を変更可能な可変容量型トルクコンバータを備えた車両用駆動装置の制御装置に関するものである。
ポンプ翼車と、タービン翼車と、そのタービン翼車とポンプ翼車との間に回転可能に配設されたステータ翼車とを、有するトルクコンバータがよく知られている。このような従来のトルクコンバータでは、ステータ翼車が一方向クラッチを介して非回転部材に連結されており、可変容量特性を備えない。一般に、トルクコンバータの流体特性としては、燃費指向であるときは高い容量(容量係数)であることが望まれるが、上記従来の構造では、ポンプ翼車、タービン翼車、ステータ翼車の形状によって一義的に定められてしまうため、走行パターンに拘わらず同一流体特性となり、燃費性能および動力性能を同時に向上させることには限界があった。
例えば、トルクコンバータの容量係数が高い場合、ポンプ翼車の回転速度すなわち駆動源の回転速度とタービン翼車の回転速度の回転速度差が小さいため、例えば定常状態から運転者がアクセルペダルを踏み込んで加速しようとしたとき、ダウンシフトをしない場合はタービン翼車の回転速度が引き上がらないため、駆動力を迅速に発生させられない。これにより、高容量のトルクコンバータを採用した場合、踏み込み時にトルクを発生しやすいように定常走行時においても駆動源を高回転低負荷の領域で運転させる必要がある。一方、トルクコンバータの容量係数が低い場合、ポンプ翼車の回転速度とタービン翼車の回転速度との回転速度差が大きいため、アクセルペダル踏み込み時の応答性は向上する。但し、定常走行時でもポンプ翼車の回転速度とタービン翼車の回転速度との回転速度差が大きくなるため、トルクコンバータの内部損失が大きくなる。
これに対し、特許文献1に示されているように、ステータ翼車と非回転部材との間にブレーキ手段を設け、そのブレーキ手段の制動トルクを調節して容量を可変とした可変容量型トルクコンバータが提案されている。これによれば、ブレーキ手段による制動トルクを調節することによってトルクコンバータのトルク比および容量係数を無段階或いは多段階に変化させることが可能となり、運転条件や走行条件に応じて最適なトルク比および容量係数を設定でき、車両の走行性能を高めることができる。
特開平1−169170号公報
しかしながら、上記従来の可変容量型トルクコンバータでは、そのステータ翼車の回転は、ポンプ翼車の回転方向とは反対の負回転方向の範囲で制御されるに過ぎず、それにより得られるトルク比の上限や容量係数の下限値には限界があり、運転条件や走行状態に応じて必ずしも十分にトルクコンバータのトルク比を高め、容量係数を低く変化させることができず、車両の動力性能を十分に高めることができなかった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、トルク比を高め且つ容量係数を低く変化させることができ、車両の動力性能を十分に高めることができる可変容量型トルクコンバータを備えた車両用駆動装置の制御装置を提供することにある。
そこで、発明者等は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、車両の駆動源とは別個の動力源である電動機を用いてステータ翼車をポンプ翼車の回転方向である正回転方向へ積極的に駆動させると、従来に比較して高いトルク比と低い容量係数が得られるということを見いだした。これより、電動機を用いてステータ翼車をポンプ翼車の回転方向である正回転方向へ回転(駆動)、並びにポンプ翼車の回転方向とは反対の負回転方向へ回転(制動、回生)させることにより、従来に比較してトルク比および容量係数の変化範囲が広範囲となるので、車両の燃費性能および動力性能を大幅に向上させることができる。さらに、発明者等は、トルクコンバータの容量係数を制御することで、駆動源を燃料消費特性の優れた領域で作動させることを可能とする制御方法を見いだした。
すなわち、上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)ポンプ翼車と、タービン翼車と、そのタービン翼車とポンプ翼車との間に回転可能に配設されたステータ翼車とを、有するトルクコンバータと、変速比が自動的に変更される自動変速機とを、備え、駆動源から出力される動力を駆動輪へ伝達する車両用駆動装置の制御装置において、(b)前記ステータ翼車を駆動または制動させてそのトルクコンバータの容量係数を変更可能な電動機と、(c)必要駆動力が得られるように前記自動変速機の変速比に応じて前記トルクコンバータの容量係数を変更する容量係数制御手段とを、含むことを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用駆動装置の制御装置において、(a)前記駆動源は内燃機関であり、(b)予め設定された変速線図から車速と前記内燃機関の出力を操作するアクセル開度に基づいて前記自動変速機の変速比を段階的に切り換える変速制御手段を含み、(c)前記容量係数制御手段は、前記必要駆動力と予め設定された余裕駆動力との和が前記変速線図により定められる変速比にて得られる最大駆動力を越える場合には、前記トルクコンバータの容量係数を、前記必要駆動力と予め設定された余裕駆動力との和が前記変速線図により定められる変速比にて得られる最大駆動力を越えない場合よりも低下させるものであることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用駆動装置の制御装置において、前記容量係数制御手段は、車両の駆動力が必要駆動力となるように、前記トルクコンバータの容量係数を調節するものであることを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項2または3の車両用駆動装置の制御装置において、(a)前記必要駆動力と前記余裕駆動力との和が、前記最大駆動力を越えるが、前記トルクコンバータのトルク比の増加により補助される補助後の最大駆動力、すなわち補助前の最大駆動力と前記トルクコンバータのトルク比増加による補助駆動力との和を越えないときの変速比とされたときに前記容量係数制御手段により前記容量係数が制御させられるときの燃料消費量を算出する第1燃料消費量算出手段と、(b)前記トルクコンバータのタービン翼車とポンプ翼車との間がロックアップクラッチによって直結されているときに前記必要駆動力を得ることができる変速比のうち最小値とされたときの燃料消費量を算出する第2燃料消費量算出手段と、(c)前記第1燃料消費量算出手段によって算出された燃料消費量と前記第2燃料消費量算出手段によって算出された燃料消費量との比較結果に基づいて、前記トルクコンバータを、前記容量係数制御手段により容量係数が制御される状態とするか前記ロックアップクラッチによる直結状態とするかを選択するロックアップクラッチ作動状態選択手段とを、含むことを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至4のいずれか1つの車両用駆動装置の制御装置において、前記必要駆動力と前記余裕駆動力との和が現変速比での前記最大駆動力を越え、且つ、前記トルクコンバータのトルク比の増加により補助される補助後の最大駆動力、すなわち補助前の最大駆動力と前記トルクコンバータのトルク比増加による補助駆動力との和を越えないか否かを判断する駆動力判断手段を含み、前記変速制御手段は、その駆動力判断手段により前記必要駆動力と前記余裕駆動力との和が現変速比での前記最大駆動力を越え、且つ、前記トルクコンバータのトルク比増加により補助される補助後の最大駆動力を越えると判断された場合には、変速比を現変速比から増加させるダウン変速を実施するものであることを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至5のいずれか1つの車両用駆動装置の制御装置において、前記車両は燃費指向走行を指向しているか否かを判断する燃費指向走行判定手段を含み、前記容量係数制御手段は、その燃費指向走行判定手段により燃費指向走行であると判断された場合に、前記必要駆動力が得られるように前記トルクコンバータの容量係数を変更するものであることを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明の要旨とするところは、請求項6の車両用駆動装置の制御装置において、前記変速制御手段は、前記燃費指向走行判定手段により燃費指向ではないと判断された場合には、変速線が前記変速線図のものよりも高車速側に位置する変速線図を用い、車速と前記内燃機関の出力を操作するアクセル開度とに基づいて前記自動変速機の変速比を段階的に切り換えるものであることを特徴とする。
請求項1にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、ポンプ翼車とタービン翼車とそのタービン翼車とポンプ翼車との間に回転可能に配設されたステータ翼車とを有するトルクコンバータと、前記ステータ翼車を駆動させる電動機を備えることから、電動機を用いてステータ翼車をポンプ翼車の回転方向である正回転方向、およびポンプ翼車の回転方向とは反対の負回転方向へ回転させることにより、従来に比較してトルク比および容量係数の変化範囲が広範囲となるので、車両の燃費性能および動力性能を大幅に向上させることができる。
また、必要駆動力が得られるように前記自動変速機の変速比に応じて前記トルクコンバータの容量係数を変更する容量係数制御手段を備えるため、駆動源を最適な運転領域で作動させることができる。すなわち、必要駆動力に対して、トルクコンバータの容量係数を変更することで、駆動源の運転領域を変更することが可能となる。これにより、例えば、燃費指向走行を実施するのであれば、駆動源を燃費消費特性の優れた運転領域で作動させることができる。
また、請求項2にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、容量係数制御手段は、前記必要駆動力と予め設定された余裕駆動力との和が前記変速線図により定められる変速比にて得られる最大駆動力を越える場合には、前記トルクコンバータの容量係数を、前記必要駆動力と予め設定された余裕駆動力との和が前記変速線図により定められる変速比にて得られる最大駆動力を越えない場合よりも低下させるものである。このようにすれば、トルク比が増加するので、従来では最大駆動力を越える駆動力が得るのが困難な駆動源の運転領域であっても、前記最大駆動力を越える駆動力を得ることができる。これにより、駆動源の運転領域の領域幅を広げることができ、駆動源を、例えば燃料消費特性の優れた運転領域で作動させることができる。
また、請求項3にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記容量係数制御手段は、車両の駆動力が必要駆動力となるように、前記トルクコンバータの容量係数を調節するため、駆動源が燃料消費特性の優れた運転領域で作動された状態であっても必要駆動力を得ることができる。
また、請求項4にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記第1燃料消費量算出手段によって算出された燃料消費量と前記第2燃料消費量算出手段によって算出された燃料消費量との比較結果に基づいて、前記トルクコンバータを、前記容量係数制御手段により容量係数が制御される状態とするか前記ロックアップクラッチによる直結状態とするかを選択するロックアップクラッチ作動状態選択手段を有するため、燃料消費量の少ない側の制御に切り換えることで、燃料消費特性を向上させることができる。
また、請求項5にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記変速制御手段は、駆動力判断手段により前記必要駆動力と前記余裕駆動力との和が現変速比での前記最大駆動力を越え、且つ、前記トルクコンバータのトルク比増加により補助される補助後の最大駆動力を越えると判断された場合には、変速比を現変速比から増加させるダウン変速を実施するものであるため、トルクコンバータのトルク比増加では得られない駆動力を得ることができる。
また、請求項6にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記車両は燃費指向走行を指向しているか否かを判断する燃費指向走行判定手段を含み、前記容量係数制御手段は、その燃費指向走行判定手段により燃費指向走行であると判断された場合に、前記必要駆動力が得られるように前記トルクコンバータの容量係数を変更するものであるため、燃費指向走行が選択されると、駆動源を燃料消費特性の優れた運転領域内で作動させた状態で、必要駆動力を発生させることができる。
また、請求項7にかかる発明の車両用駆動装置の制御装置によれば、前記変速制御手段は、前記燃費指向走行判定手段により燃費指向ではないと判断された場合には、変速線が前記変速線図のものよりも高車速側に位置する変速線図を用い、車速と前記内燃機関の出力を操作するアクセル開度とに基づいて前記自動変速機の変速比を段階的に切り換えるものであるため、動力性能を重視した走行を実施することができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例のトルクコンバータ6(可変容量型トルクコンバータ)が適用された車両用駆動装置7の骨子図である。この車両用駆動装置7は縦置き型の自動変速機8を有するものであって、FR(フロントエンジン・リアドライブ)型車両に好適に採用されるものであり、走行用の駆動力源としてエンジン9を備えている。内燃機関にて構成されるエンジン9の出力は、流体伝動装置として機能するトルクコンバータ6、自動変速機8、図示しない差動歯車装置(終減速機)、一対の車軸などを介して左右の駆動輪13(図8参照)へ伝達されるようになっている。なお、エンジン9が本発明の駆動源に対応している。
トルクコンバータ6は、エンジン9のクランク軸に連結され、そのエンジン9から回転駆動されることによってトルクコンバータ6内の作動油の流動による流体流を発生させるポンプ翼車6pと、自動変速機8の入力軸22に連結され、そのポンプ翼車6pからの流体流を受けて回転させられるタービン翼車6tと、タービン翼車6tからポンプ翼車6pへの流体流中に回転可能に配置されたステータ翼車6sとを備えており、作動油(流体)を介して動力伝達を行うようになっている。
また、上記ポンプ翼車6pとタービン翼車6tとの間にはロックアップクラッチL/Cが設けられており、後述の油圧制御回路30によってそのロックアップクラッチL/Cの係合状態、スリップ状態、或いは解放状態が制御されるようになっており、完全係合状態とされることによってポンプ翼車6pおよびタービン翼車6tが一体回転させられるすなわちエンジン9のクランク軸および入力軸22が相互に直結状態とされるようになっている。
また、車両用駆動装置7は、トルクコンバータ6のステータ翼車6sを回転駆動するための電動モータ(電動機)10と、その電動モータ10とステータ翼車6sとの間を選択的に連結(断続)させるクラッチCsと、ステータ翼車6sと非回転部材であるトランスミッションケース(以下、ケースと表す)11との間を選択的に連結(断続)させるブレーキBsとを、備えている。なお、電動モータ10が本発明の電動機に対応している。
上記電動モータ10は、その駆動によってステータ翼車6sのポンプ翼車6pの回転方向である正回転方向の回転数を制御するようになっている。この際、ステータ翼車6sには、例えば、図2(a)に示すように後述の電子制御装置78から回転駆動のために電動モータ10に供給される駆動電流IDの大きさに比例する上記正回転方向の駆動トルクTDが与えられる。また、電動モータ10は、その駆動によってステータ翼車6sの負回転方向の回転数を制御するようになっている。この際、ステータ翼車6sには、例えば、電動モータ10に供給される駆動電流IDの大きさに比例する上記負回転方向の駆動トルクTDが与えられる。
また、電動モータ10は、その制動(回生)によってもステータ翼車6sのポンプ翼車6pの回転方向とは反対の負回転方向の回転数を制御するようになっている。この際、ステータ翼車6sには、例えば、図2(b)に示すように例えば車両に設けられた蓄電装置50等に供給すなわち蓄電される発電電流IGの大きさに比例する上記負回転方向の負荷トルクすなわち制動(回生)トルクTBが与えられる。
上記クラッチCsおよびブレーキBsは、油圧アクチュエータとその油圧アクチュエータに供給される油圧により摩擦係合或いは解放される多板式のクラッチあるいはブレーキとを備える油圧式摩擦係合装置である。ステータ翼車6sは、ブレーキBsが係合されることによりケース11に固定され回転不能にされる。また、ステータ翼車6sは、ブレーキBsの係合度合いすなわち係合圧が調整されることで発生されるスリップによっても、上記正回転方向に回転するポンプ翼車6pに対して相対的にその正回転方向とは反対の負回転方向に回転させられるようになっている。この際、ステータ翼車6sには、例えば上記係合圧が大きくなるとともに増大する上記負回転方向の負荷トルクすなわち制動トルクTBが与えられる。また、ステータ翼車6sには、クラッチCsが係合されることにより上記電動モータ10による駆動トルクTDあるいは制動トルクTBがそのまま伝達されるようになっており、また、クラッチCsの係合度合いすなわち係合圧が調整されることで発生されるスリップによりその係合圧の大きさに応じて上記駆動トルクTDあるいは制動トルクTBの伝達割合が変化させられるようになっている。
自動変速機8は、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース11内において、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置12を主体として構成されている第1変速部14と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置16及びダブルピニオン型の第3遊星歯車装置18を主体として構成されている第2変速部20とを共通の軸心上に有し、入力軸22の回転を変速して出力軸24から出力する。入力軸22は、走行用の動力源であるエンジン9からの動力により回転駆動されるトルクコンバータ6のタービン軸でもある。なお、このトルクコンバータ6および自動変速機8はその軸心に対して略対称的に構成されており、図1の骨子図においてはそれら軸心の下半分が省略されている。
上記第1遊星歯車装置12は、サンギヤS1、互いに噛み合う複数対のピニオンギヤP1、そのピニオンギヤP1を自転及び公転可能に支持するキャリアCA1、ピニオンギヤP1を介してサンギヤS1と噛み合うリングギヤR1を備えている。また、第2遊星歯車装置16は、サンギヤS2、ピニオンギヤP2、そのピニオンギヤP2を自転及び公転可能に支持するキャリアCA2、ピニオンギヤP2を介してサンギヤS2と噛み合うリングギヤR2を備えている。また、第3遊星歯車装置18は、サンギヤS3、互いに噛み合う複数対のピニオンギヤP2及びP3、そのピニオンギヤP2及びP3を自転及び公転可能に支持するキャリアCA3、ピニオンギヤP2及びP3を介してサンギヤS3と噛み合うリングギヤR3を備えている。
図1において、クラッチC1〜C4およびブレーキB1、B2は、クラッチCsおよびブレーキBsと同様に油圧アクチュエータとその油圧アクチュエータに供給される油圧により係合或いは解放される多板式のクラッチあるいはブレーキとを備える油圧式摩擦係合装置であって、第1回転要素RM1(サンギヤS2)は、第1ブレーキB1を介してケース11に選択的に連結されて回転停止され、第3クラッチC3を介して中間出力部材である第1遊星歯車装置12のリングギヤR1(すなわち第2中間出力経路PA2)に選択的に連結され、さらに第4クラッチC4を介して第1遊星歯車装置12のキャリアCA1(すなわち第1中間出力経路PA1の間接経路PA1b)に選択的に連結されるようになっている。
また、第2回転要素RM2(キャリアCA2およびCA3)は、第2ブレーキB2を介してケース11に選択的に連結されて回転停止され、第2クラッチC2を介して入力軸22(すなわち第1中間出力経路PA1の直結経路PA1a)に選択的に連結されるようになっている。また、第3回転要素RM3(リングギヤR2およびR3)は、出力軸24に一体的に連結されて回転を出力するようになっている。また、第4回転要素RM4(サンギヤS3)は、第1クラッチC1を介してリングギヤR1に連結されるようになっている。なお、第2回転要素RM2とケース11との間には、第2回転要素RM2の正回転(入力軸22と同じ回転方向)を許容しつつ逆回転を阻止する一方向クラッチF1が第2ブレーキB2と並列に設けられている。
図3は、自動変速機8において各変速段を成立させる際の各係合要素の作動状態を説明する図表であり、「○」は係合状態を、「(○)」はエンジンブレーキ時のみ係合状態を、空欄は解放状態をそれぞれ表している。図3に示すように、本実施例の自動変速機8は、上記各係合装置すなわち複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2)が選択的に係合させられることにより変速比(=自動変速機8の入力軸回転速度NIN/自動変速機8の出力軸回転速度NOUT)が異なる前進8段を含む複数の変速段が成立するようになっている。なお、各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置12、第2遊星歯車装置16、および第3遊星歯車装置18の各ギヤ比ρ1、ρ2、ρ3によって適宜定められる。
図4は、図1のエンジン9や自動変速機8、あるいはトルクコンバータ6などを制御するために車両に設けられた制御系統を説明するブロック線図である。電子制御装置78には、エンジン回転速度センサ80からのエンジン回転速度NEを示す信号、タービン回転速度センサ82からのタービン回転速度NTすなわち入力軸回転速度NINを示す信号、ステータ回転速度センサ83からのステータ回転速度Nを示す信号、吸入空気量センサ84からの吸入空気量QAを示す信号、吸入空気温度センサ86からの吸入空気温度TAを示す信号、車速センサ88からの車速Vすなわち出力軸回転速度NOUTを示す信号、スロットルセンサ90からのスロットル弁開度θTHを示す信号、冷却水温センサ92からの冷却水温TWを示す信号、油温センサ94からの油圧制御回路30の作動油温度TOILを示す信号、アクセル操作量センサ96からのアクセルペダル98等のアクセル操作部材の操作量ACCを示す信号、フットブレーキスイッチ100からの常用ブレーキであるフットブレーキ102の操作の有無を示す信号、レバーポジションセンサ104からのシフトレバー106のレバーポジション(操作位置)PSHを示す信号などが供給されるようになっている。
電子制御装置78は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUは、RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って上記各入力信号を処理し、電子スロットル弁108や燃料噴射装置110、点火装置112、油圧制御回路30のリニアソレノイド弁等、あるいは電動モータ10などに信号すなわち出力信号をそれぞれ出力するようになっている。電子制御装置78は、このような入出力信号処理を行うことにより、エンジン9の出力制御やトルクコンバータ6のステータ6sの回転制御などを実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や変速制御用などに分けて構成される。
本実施例においては、上記エンジン9の出力制御は、電子スロットル弁108、燃料噴射装置110、点火装置112などによって行われる。
自動変速機8の変速制御は、油圧制御回路30によって行われ、例えば予め記憶された変速線図(変速マップ)から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速Vに基づいて自動変速機8の変速すべきギヤ段を決定し、その決定されたギヤ段を成立させるように前記図3に示す作動表に従ってクラッチC1〜C4およびブレーキB1、B2の係合解放状態を切り換える。
トルクコンバータ6のステータ翼車6sの回転制御は、油圧制御回路30のクラッチCsやブレーキBs、あるいは電動モータ10によって行われる。具体的には、上記ステータ翼車6sの回転制御は、クラッチCsが係合された状態で、電子制御装置78の指令に従って図示しないインバータから電動モータ10に供給される駆動電流IDの大きさに比例する駆動トルクTD、あるいは例えばその電動モータ10から出力される発電電流IGの大きさに比例する制動トルクTBが適宜調整されることにより実行される。
ここで、本実施例のトルクコンバータ6において、遠心力により外周側に張り付く作動油は、トルクコンバータ6の断面において図1の流線FLに沿うようにポンプ翼車6p、タービン翼車6t、スタータ翼車6sの順に循環する。図5に示すように、ポンプ翼車6p、タービン翼車6t、ステータ翼車6sは、周方向において一定間隔に隔てられた複数の羽根を備えている。図5は、各翼車におけるトルクコンバータ6内の作動油の流線FLに沿った羽根の形状をそれぞれ表している。ポンプ翼車6pの羽根によってエネルギーが与えられることにより流動させられた作動油は、タービン翼車6tの羽根に作用してタービン翼車6tを回転させる。タービン翼車6tを通過した作動油は、コンバータ領域では、ステータ翼車6sの羽根に当たって方向変換させられた後、ポンプ翼車6pへ循環させられる。上記ステータ翼車6sの羽根に作動油が当たって方向変換させられることにより、そのステータ翼車6sに反力トルクが発生させられる。この反力トルクは、上記作動油の方向変換量(角度)に対応しており、後述のトルク比tの大きさに対応している。
角運動量の定義によれば各翼車(ポンプ翼車6p、タービン翼車6t、およびステータ翼車6s)が作動油(流体)に与えるトルクT[N・m]は、次式(1)のように表される。
T=(γ/g)×Q×△(r×v) ・・・式(1)
式(1)において、γはトルクコンバータ6内の作動油の比重量[kg/m3]、gは重力加速度[m/s2]、Qは上記作動油の体積流量[m3/s]、△(r×v)は各翼車における流体流の出口と入口とにおける作動油の各絶対速度のモーメントr×v[m2/s]の差である。
上記式(1)から、ポンプ翼車6pが作動油に与えるトルクT[N・m]、タービン翼車6tが作動油に与えるトルクT[N・m]、およびステータ翼車6sが作動油に与えるトルクT[N・m]は、次式(2)乃至(4)のように表される。式(2)乃至(4)において、Tはポンプトルク[N・m]すなわちエンジントルク、Tはタービントルク[N・m]すなわち出力トルク、Tはステータ翼車6sの反力トルクの大きさと一致するステータトルク[N・m]すなわちステータ翼車6sにより作動油の流れの向きが変えられる際にそのステータ翼車6sに対してポンプ翼車6pの回転方向である正回転方向に作用するトルクである。
= T =(γ/g)×Q×(VUP×r−VUS×r)・・・式(2)
=−T=(γ/g)×Q×(VUT×r−VUP×r)・・・式(3)
= T =(γ/g)×Q×(VUS×r−VUT×r)・・・式(4)
式(2)乃至(4)において、rはポンプ翼車6pの流体流の出口bpおよびタービン翼車6tの流体流の入口atにおける回転軸心すなわち自動変速機8の入力軸(タービン軸)22からの距離[m]、rはタービン翼車6tの流体流の出口btおよびステータ翼車6sの流体流の入口asにおける回転軸心からの距離[m]、rはステータ翼車6sの流体流の出口bsおよびポンプ翼車6pの流体流の入口apにおける回転軸心からの距離[m]である。また、式(2)乃至(4)中において、VUPはポンプ翼車6pの絶対速度の円周分速度[m/s]、VUTはタービン翼車6tの絶対速度の円周分速度[m/s]、VUSはステータ翼車6sの絶対速度の円周分速度[m/s]である。
式(2)乃至(4)からT+T+T=0(零)が成立するため、ポンプトルクT、タービントルクT、およびステータトルクTは次式(5)のように表される。つまり、トルクコンバータ6におけるポンプトルクTに対するタービントルクTのトルク増加分は、ステータトルクTに一致する。
=T+T ・・・式(5)
ここで、本実施例のトルクコンバータ6は、ステータ翼車6sの反力が前述の電動モータ10の回転制御により調整される駆動トルクTDあるいは制動トルクTBにより増減されることから、タービン翼車から出力される出力トルクが従来の一定容量のトルクコンバータで得られる出力トルクに対して増減させられるようになっている。
図6および図7は、上述の内容を示す本実施例のトルクコンバータ6の特性を示す図である。図6は、タービン翼車6tのタービン回転数N[rpm]とポンプ翼車6pのポンプ回転数N[rpm]との回転速度比すなわち速度比e(=N/N)に対する、タービントルクTとポンプトルクTとのトルク比(トルク増幅率)t(=T/T)を示す図であり、図7は、上記速度比e(=N/N)に対する、容量係数C(=T/N )[N・m/rpm2]を示す図である。
図6および図7において、制動トルクTBが所定の値に調整されるかあるいはブレーキBsが係合されることにより、ステータ翼車6sがケース11に固定され、図6の実線に示すベースラインBtで示すように従来の一定容量のトルクコンバータと同様に設計上定まる所定のトルク比tでトルクの伝達が行われる。なお、このときのトルクコンバータ6の容量係数Cは、図7の実線で示すベースラインBCで示すようになる。
また、クラッチCsが適宜係合された状態で電動モータ10により駆動トルクTDが所定の値に調整されてステータ翼車6sがポンプ翼車6pと同一回転方向で回転させられると、ステータトルクTが増加し、図6のステータ正転を示す長鎖線のように従来の一定容量のトルクコンバータで得られるよりも大きいトルク比tでトルクの伝達が行われる。このときのトルクコンバータ6の容量係数Cは、図7のステータ正転を示す長鎖線のようになる。なお、トルク比tおよび容量係数Cは、同じ速度比eであっても、電動モータ10により駆動トルクTDがさらに増減されることにより図6および図7の矢印a、dに示すように図6のベースラインBtからステータ正転を示す長鎖線以上または図7のベースラインBCからステータ正転を示す長鎖線以下の範囲で適宜設定される。
また、クラッチCsおよびブレーキBsが解放されることによりステータトルクTが零とされると、図6のステータフリーを示す1点鎖線で示すようにトルクの増大が行われずトルク比t=1でトルクの伝達が行われる。その結果、トルクコンバータ6が流体継手として作動するようになる。このときのトルクコンバータ6の容量係数Cは、図7のステータフリーを示す1転鎖線のようになる。
また、制動(回生)トルクTBが所定の値に調整されるかあるいはブレーキBsの係合圧が所定の値に調整されてブレーキBsがスリップさせられると、ステータトルクTがステータ翼車6sが固定される場合に比較して減少し、図6のステータモータ回生で示す短鎖線で示すように従来の一定容量のトルクコンバータで得られるよりも小さいトルク比tでトルクの伝達が行われる。このときのトルクコンバータ6の容量係数Cは、図6のステータモータ回生で示す短鎖線のようになる。なお、トルク比tおよび容量係数Cは、同じ速度比eであっても、制動(回生)トルクTあるいはブレーキBsの係合圧がさらに増減されることにより図6および図7の矢印b、cに示すようにベースラインBt又はBCからステータフリーで示す1点鎖線までの範囲で適宜設定される。
つまり、本実施例における電動モータ10は、ステータ翼車6sをポンプ翼車6pの回転方向である正回転方向に回転制御することによりトルク比tを増加させるものである。さらに、本実施例における電動モータ10は、その制動(回生)によってステータ翼車6sをポンプ翼車6pの回転方向とは反対の負回転方向に回転制御することによりトルク比tを減少させるものである。さらに、本実施例におけるブレーキBsは、そのスリップによってステータ翼車6sをポンプ翼車6pの回転方向とは反対の負回転方向に回転制御することによりトルク比tを減少させるものである。
図8は、電子制御装置78による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図8において、変速制御手段118は、自動変速機8の変速を行う変速制御手段として機能するものである。変速制御手段118は、記憶手段119に予め記憶された変速線図から車速Vとエンジン9の出力を操作するアクセル開度Accに基づいて、自動変速機8の変速比を段階的に切り換える。
エンジン駆動状態判定手段120は、エンジン9が駆動された状態か否かを、例えばエンジン出力制御装置121の出力信号に基づいて判定する。そして、エンジン駆動状態判定手段120によってエンジン9が駆動されていると判定されると、燃費指向走行判定手段122は、例えば運転者によって、運転席に設けられた低燃費モードスイッチが選択されたか否かに基づいて、運転者が燃費指向走行を指向しているか否かを判定する。なお、上記燃費指向走行は、低燃費モードスイッチの選択だけでなく、例えば運転者のアクセルペダルの操作頻度や踏み込み速度などに基づいて自動的に判定しても構わない。ここで、燃費指向走行判定手段122により燃費指向でないと判断された場合、変速線が燃費指向時に適用される変速線図のものよりも高車速側に位置する変速線図が適用され、車速Vとアクセル開度Accとに基づいて自動変速機8の変速比が段階的に切り換えられる。
必要駆動力算出手段124は、アクセル開度Accや車速Vから構成される駆動力マップ、もしくは算術式に基づいて車両の駆動に必要な必要駆動力を算出する。また、余裕駆動力算出手段125は、例えば記憶手段119に予め記憶されている、アクセル開度Accや車速Vから構成される余裕駆動力マップに基づいて、余裕駆動力を算出する。なお、前記余裕駆動力は、車両の定速維持のために必要な駆動力を越えて出る駆動力、すなわち最大駆動力と走行抵抗(必要駆動力)との差であり、この余裕駆動力が大きいほど、強い加速が可能となる。
駆動力判断手段126は、必要駆動力算出手段124によって算出される前記必要駆動力と余裕駆動力算出手段125によって算出される余裕駆動力との和が自動変速機8の現変速比での最大駆動力を越え、且つ、トルクコンバータ6のトルク比増加により補助される補助後の最大駆動力、すなわち補助前の最大駆動力とトルクコンバータ6のトルク比増加による補助駆動力との和を越えないか否かを判定する。なお、最大駆動力は、自動変速機8の変速比に応じて予め実験的に求められており、また、補助後の最大駆動力も同様に予め実験的に求められているものである。
ここで、駆動力判定手段126によって前記必要駆動力と前記余裕駆動力との和が現変速比での最大駆動力を越え、且つ、前記トルクコンバータ6のトルク比増加により補助される補助後の最大駆動力を越えると判断された場合には、変速制御手段118は、変速比を現変速比から増加させるダウン変速を実施する。
駆動力判定手段126によって前記必要駆動力と前記余裕駆動力との和が現変速比での最大駆動力を越え、且つ、前記トルクコンバータ6のトルク比増加により補助される補助後の最大駆動力を越えると判断されたとき、可変容量時最高ギヤ段算出手段130は、必要駆動力と余裕駆動力との和が最大駆動力を越えるが、トルクコンバータ6のトルク比tの増加により補助される補助後の最大駆動力、すなわち補助前の最大駆動力とトルクコンバータ6のトルク比増加による補助駆動力との和、を越えないような範囲において、変速比の最小値となる自動変速機8の最高ギヤ段(高速ギヤ段)を算出する。なお、前記トルクコンバータ6のトルク比増加による補助駆動力は、自動変速機8の各ギヤ段(変速比)毎に予め実験的に求められており、記憶手段119に記憶されている。
第1燃料消費量算出手段132は、自動変速機8が可変容量時最高ギヤ段算出手段130によって算出された最高ギヤ段とされたときに、後述する容量係数制御手段140によるトルクコンバータ6の可変容量制御時のエンジン9の燃料消費量FAを算出する。燃料消費量FAは、自動変速機8が最高ギヤ段とされたときに必要駆動力を発生させるために必要な消費量であり、前記必要駆動力を発生させるためのエンジン9の駆動状態を算出し、予め実験的に求められたエンジン9のアクセル開度Accおよびエンジン回転速度NEをパラメータとするエンジン9の燃料消費マップに基づいて、燃料消費量FAが算出される。
また、駆動力判定手段126によって前記必要駆動力と前記余裕駆動力との和が現変速比での最大駆動力を越え、且つ、前記トルクコンバータ6のトルク比増加により補助される補助後の最大駆動力を越えると判断されたとき、ロックアップ時最高ギヤ段算出手段134は、トルクコンバータ6のタービン翼車6tとポンプ翼車6pとの間がロックアップクラッチL/Cによって直結されているときに前記必要駆動力を得ることができる自動変速機8の変速比のうち最小値とされたときの最高ギヤ段(高速ギヤ段)を算出する。ここで、ロックアップクラッチL/C係合時においても、必要駆動力と余裕駆動力との和が最高駆動力を越えない範囲で自動変速機8の最高ギヤ段が算出される。
第2燃料消費量算出手段136は、自動変速機8がロックアップ時最高ギヤ段算出手段134によって算出された最高ギヤ段とされたときのエンジン9の燃料消費量FBを算出する。燃料消費量FBは、自動変速機8が最高ギヤ段(高速ギヤ段)とされたときに必要駆動力を発生させるために必要な消費量であり、前記必要駆動力を発生させるためのエンジン9の駆動状態を算出し、予め実験的に求められたエンジン9のアクセル開度Accおよびエンジン回転速度NEをパラメータとするエンジン9の燃料消費マップに基づいて、燃料消費量FBが算出される。
ロックアップクラッチ作動状態選択手段138は、第1燃料消費量算出手段によって算出された燃料消費量FAおよび第2燃料消費量算出手段136によって算出された燃料消費量FBとの比較結果に基づいて、トルクコンバータ6を後述する容量係数制御手段140により容量係数Cが制御される状態とするかロックアップクラッチL/Cによる直結状態とするかを選択する。
ロックアップクラッチ作動状態選択手段138によって、燃料消費量FAが燃料消費量FBよりも少ないと判定されると、容量係数制御手段140が実施される。容量係数制御手段140は、先ず、ステータ翼車6sを駆動させる電動モータ10に電力を供給する蓄電装置50の蓄電状態SOCなどに基づいて、トルクコンバータ6の可変容量制御が可能か否かを判定する。そして、容量係数制御手段140は、可変容量時最高ギヤ段算出手段130によって算出された自動変速機8の変速比(最高ギヤ段の変速比)に応じて、必要駆動力が得られるようにトルクコンバータ6の容量係数Cを変更する。具体的には、容量係数制御制御手段140は、必要駆動力と予め設定された余裕駆動力との和が変速線図により定められる変速比にて得られる最大駆動力を越える場合には、トルクコンバータ6の容量係数Cを、必要駆動力と余裕駆動力との和が変速線図により定められる変速比によって得られる最大駆動力を越えない場合よりも低下させる。
図9は、容量係数制御手段140によって容量係数Cが低下された場合の一態様を示すものである。定常走行中にt1時点においてアクセルペダルの踏みましが実行されると、アクセル開度Accが増加する。このとき、容量係数制御手段140は、ステータ翼車6sを正転方向に回転駆動させて容量係数Cを低下させる。これより、エンジン9にかかる負荷が小さくなるので、エンジン回転速度NEが実線に示すように、目標回転速度まで速やかに引き上げられる。これに伴い、タービン回転速度Nも同様に速やかに引き上げられる。なお、破線は、トルクコンバータ6の容量係数が一定の場合のエンジン回転速度NEおよびタービン回転速度Nを示したものである。なお、容量係数制御手段140による容量係数Cの制御は、例えば速度比eに基づくフィードバック制御、予め設定された容量係数Cに追従するように制御されるフィードフォワード制御、或いはタイマ制御などによって実施される。
ここで、容量係数Cが低下されるに従って、トルク比tが増大されるため、容量係数Cが低下されない場合に比べて、トルクコンバータ6から出力される最大駆動力が大きくなる。すなわち、トルクコンバータ6のトルク比増加に伴う補助駆動力を発生させることにより、通常では、作動させないエンジン9の運転領域においても作動が可能となる。
図8に戻り、ロックアップ制御手段142は、ロックアップクラッチ作動状態選択手段138によって燃料消費量FBが燃料消費量FAよりも少ないと判定されたとき、もしくは、車両の状態が予め設定されたロックアップ領域内にあると判定されたとき、ロックアップクラッチL/Cの制御を実施する。なお、ロックアップクラッチL/Cが完全係合されると、ポンプ翼車6pとタービン翼車6tとの回転速度差が零となってトルクコンバータ6のトルク比tが1となる。
図10は、電子制御装置78の制御作動の要部すなわちエンジン9を燃料消費特性の優れた領域で駆動させるための制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。
先ず、エンジン駆動状態判定手段120に対応するステップSA1(以下、ステップを省略)において、エンジン9が駆動された状態か否かが判定される。SA1が否定されると、本ルーチンは終了させられる。SA1が肯定されると、燃費指向走行判定手段122に対応するSA2において、運転者が燃費指向走行を指向しているか否かが判定される。SA2が否定されると、変速制御手段118に対応するSA13において、変速線図に基づいた通常の変速走行制御が実施される。
SA2が肯定されると、必要駆動力算出手段124に対応するSA3において、車両の駆動に必要な必要駆動力が算出される。そして、容量係数制御手段140に対応するSA4において、トルクコンバータ6の可変容量制御が可能か否かが判定される。SA4が肯定されると、駆動力判断手段126および可変容量時最高ギヤ段算出手段130に対応するSA5において、前記必要駆動力と前記余裕駆動力との和が現変速比での最大駆動力を越え、且つ、前記トルクコンバータ6のトルク比増加により補助される補助後の最大駆動力を越えると判断されると、前記必要駆動力と前記余裕駆動力との和が、トルクコンバータ6のトルク比tの増加により補助される補助後の最大駆動力を越えなくなる自動変速機8のギヤ段のうち、最高ギヤ段が算出される。なお、この最高ギヤ段は、必要駆動力を得るためのギヤ段であって、容量係数低下によって予め設定された余裕駆動力を確保可能な最適ギヤ段となる。また、ロックアップ時最高ギヤ段算出手段134に対応するSA6において、ロックアップクラッチL/C係合時において、余裕駆動力を確保可能な自動変速機8のギヤ段のうち、最高ギヤ段が算出される。なお、この最高ギヤ段は、必要駆動力を得るためのギヤ段であって、ロックアップクラッチL/C係合時(トルク比t=1)において予め設定された余裕駆動力を確保可能な最適ギヤ段となる。そして、第1燃料消費量算出手段132に対応するSA7において、自動変速機8が可変容量時最高ギヤ段算出手段130によって算出された最高ギヤ段とされたときに、容量係数制御手段140によるトルクコンバータ6の可変容量制御時のエンジン9の燃料消費量FAが算出される。同様に、第2燃料消費量算出手段136に対応するSA7において、自動変速機8がロックアップ時最高ギヤ段算出手段134によって算出された最高ギヤ段とされたときのエンジン9の燃料消費量FBが算出される。
そして、ロックアップクラッチ作動状態選択手段138に対応するSA8において、第1燃料消費量算出手段132によって算出された燃料消費量FAおよび第2燃料消費量算出手段136によって算出された燃料消費量FBとの比較結果に基づいて、トルクコンバータ6を容量係数制御手段140により容量係数Cが制御される状態とするかロックアップクラッチL/Cによる直結状態とするかを選択する。ここで、燃料消費量FBが燃料消費量FAよりも少なく、且つ、ロックアップ可能領域と判定されると、ロックアップ制御手段142に対応するSA9において、余裕駆動力を確保した状態でのロックアップ制御が実施される。一方、燃料消費量FAが燃料消費量FBよりも少ないと判定されると、容量係数制御手段140に対応するSA10において、トルクコンバータ6の可変容量制御が実施される。
また、SA4が否定されると、ロックアップ制御手段142に対応するSA11において、車両の状態が予め設定されたロックアップ領域内にあるか否かが判定される。SA11が否定されると、変速制御手段118に対応するSA13において、変速線図に基づいた通常の変速走行制御が実施される。一方、SA11が肯定されると、ロックアップ制御手段142に対応するSA12において、ロックアップ走行が実施される。
図11および図12は、エンジン9の使用領域を示す領域マップである。ここで、横軸がエンジン9の回転速度NEを示しており、縦軸がエンジントルクTEを示している。また、領域マップ内の破線が等燃費消費曲線を示しており、図11、12に示すように、比較的高トルク領域の破線で示す楕円内に近づく程、燃費が良好となる。さらに、実線、一点鎖線、二点鎖線は、等出力曲線(等パワー曲線)を示している。図11、12に示すように、エンジン9をこの高トルク領域で駆動させると燃料消費特性が向上する。そこで、本実施例では、容量係数制御手段140によって容量係数Cを制御することにより、エンジン9の動作点を変更することができることを利用して、定常走行では同じパワーでも高トルク低回転(低燃費)領域でエンジン9を作動させ、アクセルペダル踏み込み時は、容量係数を変化させて高トルクで走行できることを保障する。
例えば、今までは余裕駆動力確保の必要性から、自動変速機8のギヤ比をローギヤ側にしてエンジン回転速度NEを高回転とする必要があった。すなわち、所定の回転速度を維持しなければ、アクセルペダル踏み込み時に駆動力が出ないため、自動変速機8はローギヤ化されていた。この状態は図12に対応しており、定常走行領域が低トルク高回転領域に設定されている。これに対して、容量係数制御手段140によって容量係数Cを変化させることで、自動変速機8のハイギヤ化が可能となる。すなわち、通常では余裕駆動力を確保することができない運転領域であっても容量係数Cを低下させることにより、余裕駆動力を確保することが出来る。これより、図11に示すように、エンジン9の定常走行領域を高トルク低回転領域に設定することができ、燃料消費特性が向上する。
このように、容量係数制御手段140は、トルクコンバータ6の容量係数を適宜変更することにより、エンジン9の燃料消費特性の優れた領域で作動させるように制御することができる。具体的には、自動変速機8のギヤ段を可変容量時最高ギヤ段算出手段130によって算出されたギヤ段とすることで、エンジンを高トルク低回転領域で作動させる。これより、エンジン9が燃料消費特性の優れた領域で駆動されることとなる。ここで、この状態でアクセルペダルが踏み込まれると、容量係数制御手段140はトルクコンバータ6の容量係数Cを低下させることで、余裕駆動力をさらに発生させることとなり、速やかな加速が可能となる。
また、このトルクコンバータ6の可変容量制御も、ベースとなるトルクコンバータ6が高容量係数か低容量係数であるかに応じて制御態様が変更される。なお、ベースとなるトルクコンバータ6とは、トルクコンバータ6のポンプ翼車6p、タービン翼車6t、ステータ翼車6s等のトルクコンバータの形状に応じて設定されるものである。例えば、ベースとなるトルクコンバータ6の容量係数が高いとき、定常走行時においてエンジン9を図11に示すような低回転領域で駆動させると、図13に示すように、電動モータ10は無負荷空転状態となる。この状態でアクセルペダルが踏み込まれると、電動モータ10を正転方向に駆動させることで、トルクコンバータ6の容量係数Cを低下させることとなる。一方、ベースとなるトルクコンバータの容量係数Cが低いとき、定常走行時においてエンジン9を図11に示すような低回転領域で駆動させると、図14に示すように、電動モータ10を逆転駆動(制動)させることなる。これにより、ベースとなるトルクコンバータ6に対して、トルクコンバータ6の容量係数Cが高くなる。この状態でアクセルペダルが踏み込まれると、電動モータ10を空転させることで、トルクコンバータ6の容量係数Cを低くする。
上述のように、本実施例によれば、ポンプ翼車6pとタービン翼車6tとそのタービン翼車6tとポンプ翼車6pとの間に回転可能に配設されたステータ翼車6sとを有するトルクコンバータ6と、ステータ翼車6sを駆動させる電動モータ10を備えることから、電動モータ10を用いてステータ翼車6sをポンプ翼車6pの回転方向である正回転方向、およびポンプ翼車6pの回転方向とは反対の負回転方向へ回転させることにより、従来に比較してトルク比tおよび容量係数Cの変化範囲が広範囲となるので、車両の燃費性能および動力性能を大幅に向上させることができる。
また、本実施例によれば、必要駆動力が得られるように自動変速機8の変速比に応じてトルクコンバータ6の容量係数Cを変更する容量係数制御手段140を備えるため、エンジン8を最適な運転領域で作動させることができる。すなわち、必要駆動力に対して、トルクコンバータ6の容量係数Cを変更することで、エンジン9の運転領域を変更することが可能となる。これにより、例えば、燃費指向走行を指向するのであれば、エンジン9の運転領域を燃費消費特性の優れた領域で運転させることができる。
また、本実施例によれば、容量係数制御手段140は、必要駆動力と予め設定された余裕駆動力との和が前記変速線図により定められる変速比にて得られる最大駆動力を越える場合には、トルクコンバータ6の容量係数Cを、必要駆動力と予め設定された余裕駆動力との和が前記変速線図により定められる変速比にて得られる最大駆動力を越えない場合よりも低下させるものである。このようにすれば、トルク比tが増加するので、従来では最大駆動力を越える駆動力が得るのが困難なエンジン9の運転領域であっても、前記最大駆動力を越える駆動力を得ることができる。これにより、エンジン9の運転領域の領域幅を広げることができ、エンジン9を最適な運転領域で運転させることができる。
また、本実施例によれば、容量係数制御手段140は、車両の駆動力が必要駆動力となるように、トルクコンバータ6の容量係数Cを調節するため、エンジン9が燃料消費特性の優れた運転領域で作動された状態であっても必要駆動力を得ることができる。
また、本実施例によれば、第1燃料消費量算出手段132によって算出された燃料消費量FAと第2燃料消費量算出手段136によって算出された燃料消費量FBとの比較結果に基づいて、トルクコンバータ6を、容量係数制御手段140により容量係数Cが制御される状態とするかロックアップクラッチL/Cによる直結状態とするかを選択するロックアップクラッチ作動状態選択手段138を有するため、燃料消費量の少ない側の制御に切り換えることで、燃料消費特性を向上させることができる。
また、本実施例によれば、変速制御手段118は、駆動力判断手段126により必要駆動力と余裕駆動力との和が現変速比での前記最大駆動力を越え、且つ、トルクコンバータ6のトルク比増加により補助される補助後の最大駆動力を越えると判断された場合には、変速比を現変速比から増加させるダウン変速を実施するものであるため、トルクコンバータ6のトルク比増加では得られない駆動力を得ることができる。
また、本実施例によれば、車両は燃費指向走行を指向しているか否かを判断する燃費指向走行判定手段122を含み、容量係数制御手段140は、その燃費指向走行判定手段140により燃費指向走行であると判断された場合に、必要駆動力が得られるようにトルクコンバータ6の容量係数Cを変更するものであるため、燃費指向走行の指向状態に応じてトルクコンバータ6の容量係数Cを適宜変更することができる。言い換えれば、動力性能重視の走行であれば、エンジン9を動力性能重視の運転領域で運転させることもできる。
また、本実施例によれば、変速制御手段118は、燃費指向走行判定手段122により燃費指向ではないと判断された場合には、変速線が前記変速線図のものよりも高車速側に位置する変速線図を用い、車速Vとエンジン9の出力を操作するアクセル開度Accとに基づいて自動変速機8の変速比を段階的に切り換えるものであるため、動力性能を重視した走行を実施することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、車両用駆動装置7の後段部には、有段式の自動変速機8が設けられているが、この自動変速機8は、有段式の変速機に限定されず、例えばベルト式無段変速機などの無段変速機であっても構わない。すなわち、変速機の構造は本発明において、矛盾のない範囲で自由に変更することができる。
また、前述の実施例では、必要駆動力はアクセル開度Accや車速Vに基づいて算出されるが、アクセル開度Accの変わりにスロットル弁開度θTHに基づいて算出しても構わない。
また、前述の実施例では、電動モータ10とステータ翼車6sとを選択的に連結するクラッチCsおよびケース11とステータ翼車6sとを選択的に連結するブレーキBsが設けられているが、例えばさらに、電動モータ10と入力軸22とを選択的に連結するクラッチを設けた構成などであっても構わない。すなわち、電動モータ10と入力軸22とが連結されることで、電動モータ10をハイブリッド用の電動機として兼用することもできる。
また、前述の実施例では、電動モータ10とステータ翼車6sとがクラッチCsを介して直接的に連結されているが、例えば、遊星歯車装置をこれらの間に介装させるなどして、遊星歯車装置によるトルク変換を可能とする構成であっても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例のトルクコンバータ(可変容量型トルクコンバータ)が適用された車両用駆動装置の骨子図である。 電動モータと駆動電流および発電電流との関係を示す図である。 自動変速機において各変速段を成立させる際の各係合要素の作動状態を説明する図表である。 図1のエンジンや自動変速機、あるいはトルクコンバータなどを制御するために車両に設けられた制御系統を説明するブロック線図である。 各翼車におけるトルクコンバータ内の作動油の流線に沿った羽根の形状をそれぞれ示す図である。 タービン翼車のタービン回転数とポンプ翼車のポンプ回転数との回転速度比すなわち速度比に対する、タービントルクとポンプトルクとのトルク比(トルク増幅率)を示す図である。 速度比に対する、容量係数の関係を示す図である。 電子制御装置による制御作動の要部を説明する機能ブロック線図である。 容量係数制御手段によって容量係数が低下された場合の一態様を示すものである。 電子制御装置の制御作動の要部すなわちエンジンを燃料消費特性の優れた領域で駆動させるための制御作動を説明するフローチャートである。 トルクコンバータの可変容量制御を実施した場合のエンジンの使用領域を示す領域マップである。 トルクコンバータの容量係数が一定の場合のエンジンの使用領域を示す領域マップである。 ベースとなるトルクコンバータの容量係数が高いときの制御態様を示す図である。 ベースとなるトルクコンバータの容量係数が低いときの制御態様を示す図である。
符号の説明
6:トルクコンバータ 6p:ポンプ翼車 6t:タービン翼車 6s:ステータ翼車 7:車両用駆動装置 8:自動変速機 9:エンジン(駆動源) 10:電動モータ(電動機) 13:駆動輪 118:変速制御手段 122:燃費指向走行判定手段 126:駆動力判断手段 132:第1燃料消費量算出手段 136:第2燃料消費量算出手段 138:ロックアップクラッチ作動状態選択手段 140:容量係数制御手段 Acc:アクセル開度 C:容量係数 V:車速

Claims (7)

  1. ポンプ翼車と、タービン翼車と、該タービン翼車とポンプ翼車との間に回転可能に配設されたステータ翼車とを、有するトルクコンバータと、変速比が自動的に変更される自動変速機とを、備え、駆動源から出力される動力を駆動輪へ伝達する車両用駆動装置の制御装置であって、
    前記ステータ翼車を駆動または制動させて該トルクコンバータの容量係数を変更可能な電動機と、
    必要駆動力が得られるように前記自動変速機の変速比に応じて前記トルクコンバータの容量係数を変更する容量係数制御手段と
    を、含むことを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
  2. 前記駆動源は内燃機関であり、
    予め設定された変速線図から車速と前記内燃機関の出力を操作するアクセル開度に基づいて前記自動変速機の変速比を段階的に切り換える変速制御手段を含み、
    前記容量係数制御手段は、前記必要駆動力と予め設定された余裕駆動力との和が前記変速線図により定められる変速比にて得られる最大駆動力を越える場合には、前記トルクコンバータの容量係数を、前記必要駆動力と予め設定された余裕駆動力との和が前記変速線図により定められる変速比にて得られる最大駆動力を越えない場合よりも低下させるものであることを特徴とする請求項1の車両用駆動装置の制御装置。
  3. 前記容量係数制御手段は、車両の駆動力が必要駆動力となるように、前記トルクコンバータの容量係数を調節するものであることを特徴とする請求項1の車両用駆動装置の制御装置。
  4. 前記必要駆動力と前記余裕駆動力との和が、前記最大駆動力を越えるが、前記トルクコンバータのトルク比の増加により補助される補助後の最大駆動力、すなわち補助前の最大駆動力と前記トルクコンバータのトルク比増加による補助駆動力との和を越えないときの変速比とされたときに前記容量係数制御手段により前記容量係数が制御させられるときの燃料消費量を算出する第1燃料消費量算出手段と、
    前記トルクコンバータのタービン翼車とポンプ翼車との間がロックアップクラッチによって直結されているときに前記必要駆動力を得ることができる変速比のうち最小値とされたときの燃料消費量を算出する第2燃料消費量算出手段と、
    前記第1燃料消費量算出手段によって算出された燃料消費量と前記第2燃料消費量算出手段によって算出された燃料消費量との比較結果に基づいて、前記トルクコンバータを、前記容量係数制御手段により容量係数が制御される状態とするか前記ロックアップクラッチによる直結状態とするかを選択するロックアップクラッチ作動状態選択手段と
    を、含むことを特徴とする請求項2または3の車両用駆動装置の制御装置。
  5. 前記必要駆動力と前記余裕駆動力との和が現変速比での前記最大駆動力を越え、且つ、前記トルクコンバータのトルク比の増加により補助される補助後の最大駆動力、すなわち補助前の最大駆動力と前記トルクコンバータのトルク比増加による補助駆動力との和を越えないか否かを判断する駆動力判断手段を含み、
    前記変速制御手段は、該駆動力判断手段により前記必要駆動力と前記余裕駆動力との和が現変速比での前記最大駆動力を越え、且つ、前記トルクコンバータのトルク比増加により補助される補助後の最大駆動力を越えると判断された場合には、変速比を現変速比から増加させるダウン変速を実施するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つの車両用駆動装置の制御装置。
  6. 前記車両は燃費指向走行を指向しているか否かを判断する燃費指向走行判定手段を含み、
    前記容量係数制御手段は、該燃費指向走行判定手段により燃費指向走行であると判断された場合に、前記必要駆動力が得られるように前記トルクコンバータの容量係数を変更するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つの車両用駆動装置の制御装置。
  7. 前記変速制御手段は、前記燃費指向走行判定手段により燃費指向ではないと判断された場合には、変速線が前記変速線図のものよりも高車速側に位置する変速線図を用い、車速と前記内燃機関の出力を操作するアクセル開度とに基づいて前記自動変速機の変速比を段階的に切り換えるものであることを特徴とする請求項6の車両用駆動装置の制御装置。
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