JP2009228718A - 液封防振装置及びその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液封防振における取付脚部の溶接を省略して可及的コストダウンを図る。
【解決手段】第1ボルト5と第1プレート6を一体化した第1の取付金具2と、第2の取付金具3の一部をなす第2ボルト7及びカシメ部材9を金型へ入れてインシュレータ4を一体形成して第1の取付金具2と第2の取付金具3をなす第2プレート8及びカシメ部材9を一体にした一体成形部を形成する。このとき、第2の取付金具3側に第2プレート8を配置しないため、この側から主液室10,副液室11,オリフィス溝17を一体に形成できる。この一体成形部を液中へ入れ、第2の取付金具3の第2プレート8を第2ボルト7に外嵌し、第2プレート8の外周をカシメ部材9でカシメ固定すると全体が一体化してエンジンマウント1をなす。
【選択図】図5

Description

この発明は、液封エンジンマウントのような液封防振装置及びその製法に関する。
液封防振装置は、第1の取付金具及び第2の取付金具をインシュレータで一体化し、これにオリフィス通路を形成した仕切部材及びダイアフラムを順に被せ、インシュレータと一体の円筒金具にて仕切部材とダイアフラムをカシメ固定して一体化していた。
特公昭62−53735号
上記従来例では、第1の取付金具又は第2の取付金具の少なくとも一方は、インシュレータと一体化される金具へ溶接等の手段で取付けなければならない。このため、溶接工程が必要となり、コストアップの要因となり、可及的コストダウンを図るためには、このような溶接作業の省略も求められることになる。
本願発明はこれを可能にすることを目的とする。
上記課題を解決するため、液封防振装置及びその製法に係る請求項1の発明は、振動源又は被振動伝達部材のいずれか側へ取付けられる第1の取付金具と、他方側へ取付けられる第2の取付金具と、これらの間を結合する防振主体の弾性体であるインシュレータと、このインシュレータを壁部の一部とする複数の液室と、これらの液室を連結する液体通路とを備えた液封防振装置において、
前記第1の取付金具及び第2の取付金具をそれぞれ結合一体化して前記インシュレータを成形するとともに、
このインシュレータに形成された前記液室と液体通路の開放部を閉止部材で覆い、かつこの閉止部材の金属部とインシュレータとの合わせ部間に前記液体通路を形成したことを特徴とする。
請求項2の発明は上記請求項1において、前記第1及び第2の取付金具はそれぞれ前記インシュレータの中心線上に配置される取付軸と、この中心線の直交方向に広がるプレートで構成され、
前記第1の取付金具は、前記取付軸とプレートが予め一体化された状態で前記インシュレータの中心線方向一端面へ結合一体化され、
前記第2の取付金具は、前記取付軸が前記インシュレータの中心線方向他端面へ結合一体化され、前記プレートが外周部を予め前記インシュレータと一体化されているカシメ金具でカシメ固定され、
このプレートとインシュレータの当接部に前記液体通路を形成したことを特徴とする。
請求項3の発明は上記請求項1において、前記第1の取付金具は前記インシュレータの中心線上に配置される取付軸と、この中心線の直交方向に広がるプレートで構成され、これら取付軸とプレートが予め一体化された状態で前記インシュレータの中心線方向一端面へ結合一体化され、
前記第2の取付金具は、前記インシュレータの中心線方向他端側外周部へ直接結合一体化され、
前記液室は、前記インシュレータの中心線方向他端面に開放された液室凹部を前記閉止部材をなすダイアフラムで覆い、
かつ前記液室凹部内を弾性体で構成され、かつ液体通路溝が一体形成された仕切部材で主液室と副液室とに区画するとともに、
前記ダイアフラムの外周部に一体化されている金属製の取付プレートで前記液体通路溝を覆うことにより前記液体通路を形成することを特徴とする。
請求項4の発明は、上記請求項3において、前記インシュレータの中心線方向他端側外周部には前記第2の取付金具と別に前記取付プレートをカシメ固定する円筒金具が一体化されており、この円筒金具と前記第2の取付金具との間に前記インシュレータの一部である連結部を介在させたことを特徴とする。
請求項5の発明は、振動源又は被振動伝達部材のいずれか側へ取付けられる第1の取付金具と、他方側のへ取付けられる第2の取付金具と、これらの間を結合する防振主体の弾性体であるインシュレータと、このインシュレータを壁部の一部とする複数の液室と、これらの液室を連結する液体通路とを備えた液封防振装置の製法において、
前記第1の取付金具と第2の取付金具を一体にしてインシュレータを成形することにより、これらの三部材を一体に結合するとともに、前記液室と液体通路がそれぞれ外方へ開放された状態をなす一体成形部を形成する第1の工程と、
その後、前記一体成形部を液体中へ入れ、前記液室と液体通路の各開放部を閉止部材で覆い、この閉止部材を予め前記インシュレータに一体化されているカシメ金具でカシメ固定する第2工程とからなることを特徴とする。
本願発明に係る液封防振装置及びその製法によれば、第1の取付金具及び第2の取付金具の双方をそれぞれインシュレータで直接結合一体化するので、第1の取付金具や第2の取付金具を溶接で取付ける必要がなく、この溶接工程を省略できる分だけ可及的にコストダウンできる。
そのうえ、予め一部を開放された状態で形成されている液体通路溝の開放部を閉止部材の金属部で閉じることにより液体通路を形成するので、弾性体と金属の当接により正確な液体通路を形成でき、かつシールを確実にすることができる。
以下、図面に基づいて第一実施例を説明する。図1は自動車用液封エンジンマウントの平面図、図2はその2−2線断面図、図3は3−3線断面図、図4は図3の4−4線断面図である。
このエンジンマウント1は、第1の取付金具2と第2の取付金具3を略円柱ブロック状をなすインシュレータ4の中心線方向両側に一体化してなるものである。第1の取付金具2は第1ボルト5と第1プレート6を一体化したものであり、金属製の円板状をなす第1プレート6の中心に第1ボルト5の一端を溶接一体化してある。第1ボルト5はネジ部を図示しないエンジン等の振動源又は車体等の被振動伝達部材のいずれか一方側へ取付ける。第2の取付金具3はいずれか他方側へ取付けられる。
第2の取付金具3も第2ボルト7と第2プレート8からなるが、第2ボルト7と第2プレート8は予め一体化されておらず、第2ボルト7は予めインシュレータ4と一体化されている。一方、第2プレート8はインシュレータ4に一体化されているカシメ部材9へ後工程でカシメにより取付けられる。
第2プレート8は中心に通し穴8aが設けられ、その周囲と通し穴8aの内周等、若干の間隙を有する状態で、ここに第2ボルト7を通すことで第2ボルト7と第2プレート8はインシュレータ4を介して一体化されている。第2ボルト7のネジ部は振動源又は被振動伝達部材の前記いずれか他方側へ取付けられる。
インシュレータ4はゴム等の公知の防振材料からなり、中心線C(図2)方向と一致する軸方向の一端面(本実施例では第2の取付金具3の第2プレート8に対向する端面)に開口する主液室10と副液室11が中心線Cに沿って肉厚内を他方側の端面へ向かって入り込み、先端が第1プレート6の近傍へ達するように形成される。
インシュレータ4の外周面部のうち、主液室10の近傍部分外周側に形成される主液室部12は、比較的肉厚で、かつ中心線C方向中間部が中心線C方向へくびれた膨らみバネ形状をなし、弾性変形量を大きくしている。なお、くびれる代わりに張り出させてもよく、この場合には高バネが要求される用途に適したものになる。
インシュレータ4の外周面部のうち、副液室11の近傍部分外周部はダイアフラム部13をなす。このダイアフラム部13は薄肉で、弾性変形時に防振特性に影響するようなバネを実質的にほぼ生じない。第1ボルト5と第2ボルト7は中心線C上に同心で位置し、中心線C方向に沿って入力する振動は、インシュレータ4のうち主液室10及び副液室11より内側の主体部14にて主体的に吸収され、この部分が主バネとして機能する。
このとき主液室部12も関与するが、主液室部12はむしろその形状や肉厚を調整することにより、主バネの調整部として役立つ。
カシメ部材9は略ドーナツ円板状の金属部材であり、その外周部にカシメフランジ15が図3の下方へ折り返して一体に形成されている。内周側の開口16(図5参照)は大径であり(第2ボルト7の頭部7aにおける最大外径よりも大きい)、主液室10及び副液室11の各外側に位置する。
カシメフランジ15は、図2及び3に仮想線で示すように、第2プレート8の外周部に形成された段部8b上に折り返すことにより段部8bをカシメ固定し、カシメ部材9と第2プレート8とを一体化する。
図4に示すように、主液室10と副液室11は本願発明の液体通路溝である円弧状のオリフィス溝17で連通されている。図3に示すように、オリフィス溝17は第2プレート8側の端面から断面略逆U字状をなして肉厚内へ入り込むように形成された溝であり、第2プレート8に向かって開放され、この開放部が本願発明における液体通路の開放部をなす。
このオリフィス溝17は、本願発明の閉止部材である第2プレート8をインシュレータ4の中心線C方向一端面へ重ねる合わせることにより開放部が閉じられて、オリフィス溝17と第2プレート8との間の空間にオリフィス通路を形成する。各主液室10,副液室11及びオリフィス溝17内には液体が封入されている。
このエンジンマウント1は、中心線C方向に沿って第1又は第2の取付金具2、3に振動が入力すると、まず、インシュレータ4の弾性変形により吸収し、続いて主液室10の容量変化を液体の移動により吸収する。このとき主液室10の容積が減少すると液体がオリフィス溝17を通して副液室11へ送り込まれる。副液室11の液量変動はダイアフラム部13が変形することにより吸収される。さらに、特定周波数の入力振動に対しては、インシュレータ4の弾性変形に応じて液体がオリフィス溝17を流動することによる液柱共振にて振動を吸収する。
次に、製法を説明する。図5は製造工程を示す。まず第1工程として一体成形部18を形成する。この場合、第1の取付金具2は第1プレート6の中心に設けた通し穴6aに第1ボルト5を通してその頭部5aを溶接で一体化して形成する。
この第1の取付金具2とカシメ部材9及び第2の取付金具3の一部である第2ボルト7を金型内に配置して、インシュレータ4の原料液を注入して一体化する。このとき、第2の取付金具3側には第2プレート8が第2ボルト7と一体化されていないため、インシュレータ4の第2の取付金具3側(図の下側)から主液室10,副液室11及びオリフィス溝17が対応する金型の成形凸部(不図示)により同時に形成される。その後、ゴムの場合には加硫して硬化させると、インシュレータ4の中心線C方向一端面(図の上面)に第1の取付金具2を一体化し、他端面である下面19に第2ボルト7のみを一体化した一体成形部18を形成する。下面19には主液室10,副液室11及びオリフィス溝17(不図示)の各開放部が臨み、中央に第2ボルト7の頭部7aが埋設一体化され、さらにインシュレータ4の下面19側外周部にカシメフランジ15が一体化されている。
次に液体を封入して組立てる第2工程を行う。予めプレス成形等で所定形状に形成された第2プレート8と一体成形部18を液体タンク20の液体中へ入れ、主液室10、副液室11及びオリフィス溝17へ液体を充填し、続いて、下面19に第2プレート8を重ねる。このとき第2ボルト7を第2プレート8の通し穴8aに通し、第2プレート8と下面19の間から余剰液を排出させながら第2プレート8を下面19へ当接させて封入する液量を調整する。下面19と第2プレート8を重ね合わせて双方を当接させると、公知のカシメ方法により、カシメフランジ15の先端側を段部8b上に折り曲げてカシメ固定し、全体を一体化してエンジンマウント1とする(図1)。
その後、このエンジンマウント1を塗装液中へディッピングして外表面を塗装等して仕上げ処理する第3工程を行って完了する。
このようにすると、第1の取付金具2及び第2の取付金具3(厳密にはその一部である第2ボルト7)をインシュレータ4により直接一体化できる。このため、従来のように第2ボルト7の頭部7a等を予め第2プレート8へ溶接して第2の取付金具3を一体化しておく必要がなく、この溶接工程を省略することにより、可及的にコストを削減できる。
しかも、インシュレータ4の成形後における組立作業は、第2プレート8をカシメるだけであるため、従来のように、主液室と副液室の区画やオリフィス通路の形成、さらにはダイヤフラムの固定などのために複数の工程により組立てる必要がなく、組立作業も簡単になり、特に液中における組立作業が容易になる。
また、第2プレート8をカシメで固定することにより主液室10,副液室11及びオリフィス溝17の各開放部を閉じて各液室及びオリフィス通路を形成でき、しかも金属製の第2プレート8と弾性体からなるインシュレータ4の下面19との、弾性体と金属による密接構造でシールできるので、これらの液体封入部のシール構造を簡単化できる。
そのうえ、組立てたエンジンマウント1をディッピング塗装するため、構成金属部に対する個別塗装が不要になる。但しカシメ部となるフランジ15の一部のみは必要によりカシメ作業後に追加塗装するが、追加塗装部分はこれだけの局部的なもので済むことになる。
次に第2実施例を説明する。図6は略円錐型の液封エンジンマウントとして構成されたエンジンマウント21の平面図、図7はその7−7線断面図である。これらの図及び組立方法を説明する図8において明らかなように、第1の取付金具22と第2の取付金具23とをインシュレータ24に一体化してあり、インシュレータ24の中心線C方向一端側へ開放された凹部25内に仕切部材26が入れられ、かつ凹部25の開口部をダイアフラム27で覆うことにより、凹部25内を仕切部材26で区画された主液室28と副液室29を中心線C方向すなわち図7の上下方向に設ける。主液室28と副液室29は仕切部材26の外周部31に中心線C方向視で周方向へ弧状に形成されたオリフィス溝30によって形成されたオリフィス通路で連通される。オリフィス溝30は本願発明の液体通路溝である
第1の取付金具22は前実施例同様の第1ボルト35,第1円形プレート36を一体化して形成されている。第2の取付金具23は、プレス成形等で形成された略L字断面をなすプレート状の取付脚37と主液室28の周囲を囲むようにインシュレータ24へ一体化された円筒金具38をインシュレータ24の一部である結合部39で一体化することにより、インシュレータ24へ一体化されて取付けられている。
取付脚37は中心線C方向と平行する立て壁部40と、中心線Cと直交方向へ延びる取付部41を一体に形成したものであり、取付部41に車体等への取付用のボルトの通し穴42が形成されている。
円筒金具38は、円筒状の部材であり、中心線Cと平行な本体部43と、その軸方向両端を外方へ折り曲げた上フランジ44,下フランジ45を備える。下フランジ45の一部はさらに長く中心線C方向へ突出させてカシメ部45aとしてある。
インシュレータ24は中心線C方向にて径変化する略円錐台状をなし、図7にて下方側の大径部24aと上方側の小径部24bを有し、これらは斜面24cにて連続している。斜面24cは上すぼまりに変化する。大径部24aは中心線C方向における上下幅寸法が円筒金具38の上下幅寸法より若干大きく、大径部24a内に円筒金具38全体を埋設一体化するとともに、外径も円筒金具38の上下方向中間部である本体部43の外径よりも若干大きくなっており、外周部は円筒金具38の本体部43の外側に出て結合部39となり、この部分が接着剤として取付脚37の立て壁部40を本体部43の外周及び上フランジ44の下面へ結合することにより、取付脚37をインシュレータ24と一体化している。
取付脚37は円筒金具38を囲む大径部24aの周方向における一部に設けられ、取付脚37の設けられていない円筒金具38の外周部分は円筒金具被覆部24dをなしている。円筒金具被覆部24dは結合部39よりも厚肉であり、かつ結合部39及び大径部24aと連続一体に形成されている。取付脚37は円筒金具被覆部24dの一部へ入り込んで形成され、立て壁部40及び円筒金具被覆部24dの各外周面は同一径となっている。
なお、結合部39のうち、下部は立て壁部40と取付部41間のアール部37aにより肉厚部39aをなし、結合を強化している。また、結合部39は取付脚37と円筒金具38の間に介在することにより、円筒金具38から取付脚37への振動伝達を遮断するため、液封構造自体の防振に加え、さらに結合部39により第1の取付金具22と第2の取付金具23間における振動伝達を遮断する二重防振構造を構成し、全体の防振効果を高めている。
仕切部材26は、図8にも明らかなように、全体がゴム等の弾性体で構成された厚肉円板状をなし、外周部31が最も厚肉となり、この部分の肉厚内にオリフィス溝30が形成されている。オリフィス溝30は副液室29側が開放されている。オリフィス溝30は中心線C方向視で円弧状をなすが、連通孔30aで主液室28へ通じ、連通溝30bで副液室29へ通じている。
仕切部材26の肉厚は、径方向中心に向かって次第に薄肉となり、中央部は最も薄肉の弾性膜部32をなし、主液室28の内圧変動を吸収し、低動バネ構造になっている。仕切部材26の下面のうち弾性膜部32の周囲は斜面をなし、仕切部材26の肉厚が外周へ向かって厚肉になるようになっており、この略三角形断面をなす肉厚の一部に径方向に延びかつ図7の下方へ開放された連通溝30bが形成されている。
ダイアフラム27は公知のものであり、図8にも明らかなように、その外周部27aは略ドーナツ形をなす金属製円板状の取付プレート33の内周部と一体化されている。取付プレート33は外周部31のオリフィス溝30を閉じてオリフィス通路を形成し、さらに径方向外方へ延びて、下フランジ45のカシメ部45aを折り曲げてカシメ固定できるように幅広になっている。
図7に示すように、インシュレータ24における凹部25の開口部へ仕切部材26を嵌合し、その外側へダイアフラム27の取付プレート33を重ね、取付プレート33の外周部を下フランジ45でカシメ固定することにより、全体が一体化されてエンジンマウント21をなす。
オリフィス通路30の開放部は本願発明における液体通路の開放部であり、取付プレート33は本願発明の閉止部材である。
エンジンマウント21は、例えば第1ボルト35をエンジン側、取付脚37を車体側へ取付けて使用する(但し、反対でもよい)。これにより、中心線C方向へ振動が入力するとインシュレータ24で吸収するとともに、主液室28の容積変化により、液体がオリフィス溝30を通して主液室28と副液室29間を流動することにより、液柱共振して防振する。さらに、取付脚37と円筒金具38間に結合部39を設けることによっても取付脚37と円筒金具38間における振動伝達を遮断して防振するので、二重防振構造とすることができる。
次に製法を説明する。図8は製造工程を示す図であり、第1工程として小組一体化部46を形成する。この場合、円筒金具38と取付脚37をそれぞれ図7の状態と上下反転させた状態にして所定間隔を保った状態で金型内へ入れ、同時に中心線C方向反対側に予め第1ボルト35と第1円形プレート36が一体化されている第1の取付金具22を入れ、金型内へインシュレータ24の原料液を注入して硬化させる。このときインシュレータ24がゴムの場合は、加硫により硬化させることになる。
この成形により、取付脚37,円筒金具38及び第1の取付金具22はインシュレータ24に一体化されて小組一体化部46となる。このとき、取付脚37と円筒金具38の間にもインシュレータ24の一部である結合部39が一体に形成されて取付脚37と円筒金具38を接着で結合して取付脚37をインシュレータ24と一体化する。
続いて、第2工程として液封処理して組立てる。まず小組一体化部46と仕切部材26及びダイアフラム27をそれぞれ上下反転させた状態でタンク50内の液中へ入れ、さらに、凹部25内へ仕切部材26を入れ、その上にダイアフラム27を被せて、取付プレート33を仕切部材26の外周部と重ねてオリフィス溝30を覆い、封入液量を調整しながら、下フランジ45を取付プレート33の外周上へ折り曲げてカシメ固定すると、全体が一体化されてエンジンマウント21となる(図7)。
その後、第3工程にて、エンジンマウント全体をディッピング塗装等して仕上げ処理する。
このように構成すると、従来は予め溶接により取付脚37を円筒金具38に取付けていたところ、取付脚37を円筒金具38と一緒にインシュレータ24の結合部39で接着一体化でき、しかもインシュレータ24の成形と同時に接着できるため、溶接工程を省略でき、可及的にコストダウンを図ることができる。
また、仕切部材26を全体が弾性体で形成されるようにしたので、従来のように複数部品を一体化して仕切部材及びオリフィス通路を形成する必要がなく、構造が簡単になる。
しかも、取付プレート33と仕切部材26の外周部31との当接部には弾性体である仕切部材26によるシール性があるので、取付プレート33でオリフィス溝30を覆い、取付プレート33の外周部を下フランジ45でカシメるだけで、簡単かつ確実に封入液をシールできる。
また、弾性体である仕切部材26の外周部31と金属製の取付プレート33を密接させるので、信頼性の高いシール構造が得られる。なお、全体をディッピング塗装することによる効果等前実施例同様の効果も得られている。
次に、第2実施例のバリエーション構造を説明する。なお、上記第2実施例と共通する部分は共通符号を用い、かつ特徴とする部分のみを説明し、他の共通部分については原則として重複した説明を省略する。
図9は取付脚37に立て壁部40と取付部41をつなぐリブ47を設けたものであり、このようにすれば、最も高い剛性を要求される取付脚37のみを簡単に高剛性化でき、かつ全体の重量及びコストにあまり影響させないようにできる。
図10は円筒金具38の一部、具体的には上フランジ44と本体部43の上部間に補強部材51を溶接したものである。このようにしても、強度の必要な部分のみ局部的に補強できる。
なお、52は突起ダンパーである。この突起ダンパー52はインシュレータ24における円筒金具被覆部24dの一部から一体に外方へ突出する突起であり、この突起ダンパー52の共振により二重防振構造部の剛体共振を低減し、さらなる廉価・軽量構造を可能にする。
図11は仕切部材26の外周部31において、軸方向と平行する外周面と軸方向にてオリフィス溝30と重なる部分とを囲むように断面L字形の補強リング53を一体化したものである。
このようにすると、全体を弾性体とすることにより、取付脚37の変形を阻止する必要がある場合には、確実に取付脚37の変形を阻止できるようになる。また、補強リング53は局部的で足りるため、全体に及ぼす重量増加及びコストアップを阻止できる。
自動車用液封エンジンマウントの平面図 図1の2−2線断面図 図1の3−3線断面図 図3の4−4線断面図 製造工程を示す図 第2実施例に係るエンジンマウントの平面図 図6の7−7線断面図 製造工程を示す図 補強リブを示す図 補強金具を示す図 補強リングを示す図
符号の説明
1:エンジンマウント、2:第1の取付金具、3:第2の取付金具、4:インシュレータ、8:第2プレート、9:カシメ部材、10:主液室、11:副液室、17:オリフィス溝、18:一体成形部、21:エンジンマウント、22:第1の取付金具、23:第2の取付金具、24:インシュレータ、26:仕切部材、27:ダイアフラム、28:主液室、29:副液室、30:オリフィス溝、33:取付プレート、45:下フランジ、46:小組一体化部

Claims (5)

  1. 振動源又は被振動伝達部材のいずれか側へ取付けられる第1の取付金具と、他方側へ取付けられる第2の取付金具と、これらの間を結合する防振主体の弾性体であるインシュレータと、このインシュレータを壁部の一部とする複数の液室と、これらの液室を連結する液体通路とを備えた液封防振装置において、
    前記第1の取付金具及び第2の取付金具をそれぞれ結合一体化して前記インシュレータを成形するとともに、
    このインシュレータに形成された前記液室と液体通路の開放部を閉止部材で覆い、かつこの閉止部材の金属部とインシュレータとの合わせ部間に前記液体通路を形成したことを特徴とする液封防振装置。
  2. 前記第1及び第2の取付金具はそれぞれ前記インシュレータの中心線上に配置される取付軸と、この中心線の直交方向に広がるプレートで構成され、
    前記第1の取付金具は、前記取付軸とプレートが予め一体化された状態で前記インシュレータの中心線方向一端面へ結合一体化され、
    前記第2の取付金具は、前記取付軸が前記インシュレータの中心線方向他端面へ結合一体化され、前記プレートが外周部を予め前記インシュレータと一体化されているカシメ金具でカシメ固定され、
    このプレートとインシュレータの当接部に前記液体通路を形成したことを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
  3. 前記第1の取付金具は前記インシュレータの中心線上に配置される取付軸と、この中心線の直交方向に広がるプレートで構成され、これら取付軸とプレートが予め一体化された状態で前記インシュレータの中心線方向一端面へ結合一体化され、
    前記第2の取付金具は、前記インシュレータの中心線方向他端側外周部へ直接結合一体化され、
    前記液室は、前記インシュレータの中心線方向他端面に開放された液室凹部を前記閉止部材をなすダイアフラムで覆い、
    かつ前記液室凹部内を弾性体で構成され、かつ液体通路溝が一体形成された仕切部材で主液室と副液室とに区画するとともに、
    前記ダイアフラムの外周部に一体化されている金属製の取付プレートで前記液体通路溝を覆うことにより前記液体通路を形成することを特徴とする請求項1に記載した液封防振装置。
  4. 前記インシュレータの中心線方向他端側外周部には前記第2の取付金具と別に前記取付プレートをカシメ固定する円筒金具が一体化されており、この円筒金具と前記第2の取付金具との間に前記インシュレータの一部である連結部を介在させたことを特徴とする請求項3に記載した液封防振装置。
  5. 振動源又は被振動伝達部材のいずれか側へ取付けられる第1の取付金具と、他方側のへ取付けられる第2の取付金具と、これらの間を結合する防振主体の弾性体であるインシュレータと、このインシュレータを壁部の一部とする複数の液室と、これらの液室を連結する液体通路とを備えた液封防振装置の製法において、
    前記第1の取付金具と第2の取付金具を一体にしてインシュレータを成形することにより、これらの三部材を一体に結合するとともに、前記液室と液体通路がそれぞれ外方へ開放された状態をなす一体成形部を形成する第1の工程と、
    その後、前記一体成形部を液体中へ入れ、前記液室と液体通路の各開放部を閉止部材で覆い、この閉止部材を予め前記インシュレータに一体化されているカシメ金具でカシメ固定する第2工程とからなることを特徴とする液封防振装置の製法。
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