JP2009227937A - ナノインプリント用組成物およびそれを用いたナノインプリント法 - Google Patents

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義博 中井
Takuma Amamiya
拓馬 雨宮
Osamu Uchida
内田  修
Naoyuki Hanaki
直幸 花木
Sumiaki Yamazaki
純明 山崎
Hiyoku Nakata
飛翼 中田
Yasuhiro Shimada
泰宏 嶋田
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Abstract

【課題】本発明の課題は、大気中での硬化性、密着性および離型性に優れたナノインプリント用組成物およびそれを用いたナノインプリント法を提供することである。
【解決手段】下記一般式(I)で表される化合物を含むナノインプリント用組成物:

(一般式(I)中、Xはヘテロ原子で連結した置換基またはハロゲン原子を表す。Xは、フッ素原子で置換されている炭化水素基を表す。Ra、Rbは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は有機残基を表す。また、RaとRb、XとRaあるいはRbが互いに結合して環状構造を形成しても良い。)。
【選択図】なし

Description

本発明は、ナノインプリント法に好適な組成物およびそれを用いたナノインプリント法に関する。
ナノインプリント法は、光ディスク製作では良く知られているエンボス技術を発展させ、凹凸のパターンを形成した金型原器(一般的にモールド、スタンパ、テンプレートと呼ばれる)を、レジストにプレスして力学的に変形させて微細パターンを精密に転写する技術である。モールドを一度作製すれば、ナノ構造が簡単に繰り返して成型できるため経済的であるとともに、有害な廃棄・排出物が少ないナノ加工技術であるため、近年、さまざまな分野への応用が期待されている。
ナノインプリント法には、被加工材料として熱可塑性樹脂を用いる場合と、硬化性組成物を用いる場合の2通りが提案されている。熱式ナノインプリントの場合、ガラス転移温度以上に加熱した高分子樹脂にモールドをプレスし、冷却後にモールドを離型することで微細構造を基板上の樹脂に転写するものである。多様な樹脂材料やガラス材料にも応用可能であるため、様々な方面への応用が期待されている。特許文献1、特許文献2には、熱可塑性樹脂を用いて、ナノパターンを安価に形成するナノインプリントの方法が開示されている。
一方、透明モールドを通して光を照射し、硬化性組成物を光硬化させる光ナノインプリント方式では、室温でのインプリントが可能になる。
光ナノインプリント法は、シリコーンウェーハ、石英、ガラス、フィルムや他の材料、例えばセラミック材料、金属または、ポリマー等の基板上に液状の硬化性組成物を滴下し、およそ数十nm〜数μmの膜厚で塗布し、およそ数十nm〜数十μmのパターンサイズの微細な凹凸を有するモールドを押しつけて加圧し、加圧した状態で光照射して組成物を硬化させた後、塗膜からモールドを離型し、転写されたパターンを得る方法が一般的である。そのため、光ナノインプリント法場合、光照射を行う都合上、基板またはモールドの少なくとも一方が透明である必要がある。通常はモールド側から光照射する場合が一般的であり、モールド材料には石英、サファイア等のUV光を透過する無機材料や光透過性の樹脂などが多く用いられる。
光ナノインプリント法は、熱ナノインプリント法に対して、(1)加熱/冷却プロセスが不要であり、高スループットが見込まれる、(2)液状組成物を使用するため低加圧でのインプリントが可能である、(3)熱膨張による寸法変化がない、(4)モールドが透明でありアライメントが容易である、(5)硬化後、頑強な三次元架橋体が得られるなどの主な優位点が挙げられる。特にアライメント精度が要求されるような半導体微細加工用途やフラットパネルディスプレイ分野の微細加工用途には適している。
このようなナノインプリント法には概ね3つの応用が考えられる。一つは、成型した形状そのものが機能を持ち、様々なナノテクノロジーの要素部品として応用できる場合で、各種のマイクロ・ナノ光学要素や高密度の記録媒体、光学フィルムが挙げられる。二つめは、マイクロ構造とナノ構造の同時一体成型や、簡単な層間位置合わせにより積層構造を構築し、μ−TASやバイオチップの作製に応用しようとするものである。三つめは、高精度な位置合わせと高集積化により、従来のリソグラフィに代わって高密度半導体集積回路の作製に応用したり、液晶ディスプレイのトランジスタの作成等に適用しようとするものである。
LCDやPDP基板大型化や高精細化の動向に伴い、薄膜トランジスタ(TFT)や電極板の製造時に使用する従来のフォトリソグラフィ法に代わる安価なリソグラフィとして光ナノインプリントリソグラフィが近年、特に注目されている。そのため、従来のフォトリソグラフィ法で用いられるエッチングフォトレジストに代わる光硬化性レジストの開発が必要になってきている。従来のフォトリソグラフィ法と同様、高感度化、塗膜均一性、省レジスト化、各種基板との密着性、エッチング耐性、耐熱性などが要求されている。
ここで、光ナノインプリント法に用いられる光硬化性樹脂について説明する。ナノインプリントに適用される光硬化性樹脂は、材料の選択範囲が広いラジカル重合型が一般に用いられている。ラジカル重合型は、ラジカル重合可能なビニル基や(メタ)アクリル基を有する単量体(モノマー)またはオリゴマーと光重合開始剤を含んだ組成物が一般的に用いられる。
光ナノインプリント法に用いられる材料の特性について説明する。材料の要求特性は適用する用途によって異なるが、例えば、塗布性、基板密着性、低粘度(<5mPa・s)、離型性、低硬化収縮率、速硬化性などである。
さらに、この様なラジカル重合性の光硬化性樹脂を用いた場合、大気中の酸素の存在によって硬化(重合)反応が阻害されることが一般的に知られている。硬化反応が阻害されることによって膜の硬化度が不十分となり、基板との密着性やモールドとの剥離性が劣る様になる。その酸素阻害対策としては一般的に、雰囲気を窒素やアルゴン等でパージして硬化を行う方法や、光照射強度や量を高める方法、メタクリレート系モノマーを用いる方法、エポキシやオキセタン、ビニルエーテル等のカチオン重合系等が知られているが、いずれもナノインプリント工程におけるコストアップや生産性低下に繋がるため、課題があった。
フッ化アルキル基を有する単量体やそれらを用いた重合体は、コンタクトレンズ用の材料として知られている。例えば、少なくとも3個のフッ素原子で置換されたアクリル酸フッ化アルキルアクリレートから形成される重合体が、高い酸素透過性を有しコンタクトレンズとして有用であることが開示されている(例えば、特許文献3,4,5参照)。
また、特定のフッ化アルキル基を有するアクリル酸フッ化アルキルアクリレートより得られる重合体が撥水剤として有効であることが開示されている(例えば、特許文献6参照)。
米国特許第5,772,905号公報 米国特許第5,956,216号公報 特開平5−222128号公報 特開平5−246951号公報 特開平7−128621号公報 特開平6−145108号公報
本発明は、上記現状に鑑み、大気中での硬化性、密着性および離型性に優れたナノインプリント用組成物およびそれを用いたナノインプリント法を提供することを目的とする。
本発明者らは、これらの欠点を解決すべく鋭意検討した結果、下記のナノインプリント用組成物およびそれを用いたナノインプリント法により上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
<1> 下記一般式(I)で表される化合物を含むナノインプリント用組成物。
(一般式(I)中、Xはヘテロ原子で連結した置換基またはハロゲン原子を表す。Xは、フッ素原子で置換されている炭化水素基を表す。Ra、Rbは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は有機残基を表す。また、RaとRb、XとRaあるいはRbが互いに結合して環状構造を形成しても良い。)。
<2> 前記Xが水酸基であることを特徴とする<1>に記載のナノインプリント用組成物。
<3> 光重合開始剤を含むことを特徴とする<1>または<2>に記載のナノインプリント用組成物。
<4> 界面活性剤を含有することを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載のナノインプリント用組成物。
<5> 前記界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤またはフッ素・シリコーン系界面活性剤であることを特徴とする<4>に記載のナノインプリント用組成物。
<6> <1>〜<5>のいずれかのナノインプリント用組成物を光硬化させる工程を有するナノインプリント法。
本発明に於ける一般式(I)で表される化合物を含有するナノインプリント組成物は、ナノインプリント用の従来組成物に比べて、大気中酸素の存在下でも硬化が阻害されることなく光硬化により高い硬化度を与えるだけでなく、基材との密着性および離型性に優れる卓越した特徴を有する。このような優れた効果は、従来のコンタクトレンズに用いられてきたフッ化アクリレート重合体から全く想到し得るものではない。また、撥水剤としてのフッ化アクリレート重合体の作用から全く想到し得るものでもない。
本発明によれば、大気中での硬化性、密着性、離型性、残膜性に優れたナノインプリント用組成物およびそれを用いたナノインプリント法を提供することができる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
[重合性化合物]
本発明に用いられる重合性化合物は、一般式(I)で表される構造を有する化合物である。該一般式(I)において、Xはヘテロ原子で連結した基又はハロゲン原子を表すが、それらが末端基になってもよいし、また連結基となり、他の置換基(ここで置換基としては、上述の如く、一般式(I)の構造や重合体鎖も含む)に連結されてもよい。ヘテロ原子としては、好ましくは非金属原子であり、具体的には酸素原子、イオウ原子、窒素原子、リン原子が挙げられる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等が挙げられる。Xとして好ましくは、ハロゲン原子、あるいはXが連結基となり、そこに他の置換基が連結されている基として、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、アミノ基、置換アミノ基、スルホ基、スルホナト基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、ホスホノ基、置換ホスホノ基、ホスホナト基、置換ホスホナト基、ニトロ基、又はヘテロ環基(但し、ヘテロ原子で連結している)を表す。
はフッ素原子で置換されている炭化水素基を表す。好ましくは、Xは、少なくともフッ素原子数が3以上である炭化水素基である。より好ましくは、4以上25以下であり、さらに好ましくは5以上20以下の範囲である。また、炭素原子数は1以上であるが、好ましくは2〜18、より好ましくは4〜12の範囲である。
の具体例としては、以下の基が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
−C基、−C基、−C基、−C11基、−CH−C基、
−C−H基、−C−C基、−C−C基、
−C12−C基、−C16−C基、−C−C基、
−C−C基、−C−C11基、−C16−C基、
−CH−C−H基、−C−C−H基、−C−C−H基、−C12−C−H基、−C−C17−H基、
−C12−C−H基、−C16−C−H基、
−C12−C−CH基、−C−C基、−C−C11基、−C−CF(CF基、−CHCF基、
−C−CH(C基、−C−CH(CF基、
−C−C(CF基、−CH−C−H基、−CH−C12−H基、−C−(CF−CF(CF
Ra、Rbは各々独立して、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、あるいは有機残基として、置換基を有していても良くかつ不飽和結合を含んでいても良い炭化水素基、置換オキシ基、置換チオ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、カルボキシラート基を表し、また、RaとRb、XとRaあるいはRb、XとX、XとRaあるいはRbが互いに結合して環状構造を形成しても良い。nは2〜6の整数である。
次に、一般式(I)におけるX、X、Ra、及びRbにおける上述の各置換基の例を示す。上記、置換基を有していても良くかつ不飽和結合を含んでいても良い炭化水素基としては、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基及び置換アルキニル基があげられる。
アルキル基としては炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基をあげることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、及び2−ノルボルニル基をあげることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
置換アルキル基は置換基とアルキレン基との結合により構成され、その置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、
N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基(以下、カルボキシラートと称す)、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、
N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、N−アシルスルファモイル基及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基(−SONHSO(alkyl))及びその共役塩基基、
N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SONHSO(allyl))及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルカルバモイル基(−CONHSO(allyl))及びその共役塩基基、アルコキシシリル基(−Si(Oalkyl))、アリーロキシシリル基(−Si(Oallyl))、ヒドロキシシリル基(−Si(OH))及びその共役塩基基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))、
ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(以後、ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、及びアルキニル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基があげられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、及びホスホナトフェニル基などをあげることができる。
また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等があげられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基、及びフェニルエチニル基等が挙げられる。
上述のアシル基(RCO−)としては、Rが水素原子及び上記のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基をあげることができる。一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものをあげることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基をあげることができる。
好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルブチル基、エトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニルメチル基、ベンジルオキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルフェニルメチル基、トリクロロメチルカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホプロピル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、及び3−ブチニル基等を挙げることができる。
アリール基としては1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものをあげることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、及びフルオレニル基を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
置換アリール基は、置換基がアリール基に結合したものであり、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものをあげることができる。これらの、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、
メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、
N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、及び3−ブチニルフェニル基等を挙げることができる。
アルケニル基としては、上述のものを挙げることができる。置換アルケニル基は、置換基がアルケニル基の水素原子と置き換わり結合したものであり、この置換基としては、上述の置換アルキル基における置換基が用いられ、一方アルケニル基は上述のアルケニル基を用いることができる。
アルキニル基としては、上述のものを挙げることができる。置換アルキニル基は、置換基がアルキニル基の水素原子と置き換わり結合したものであり、この置換基としては、上述の置換アルキル基における置換基が用いられ、一方アルキニル基は上述のアルキニル基を用いることができる。
本発明のナノインプリント用組成物中の一般式(I)で表される化合物の含有量は、
1質量%〜100質量%が好ましく、より好ましくは、5質量%〜95質量%、さらに好ましくは、10質量%〜90質量%である。
[界面活性剤]
本発明のナノインプリント用組成物には、界面活性剤を含むことが好ましい。中でも、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことがより好ましく、シリコーン系界面活性剤、又はフッ素・シリコーン系界面活性剤を含むことがさらに好ましく、フッ素・シリコーン系界面活性剤が特に好ましい。
ここで、フッ素・シリコーン系界面活性剤とは、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤の両方の要件を併せ持つものをいう。
これらのような界面活性剤を用いることにより、本発明の硬化性組成物を、半導体素子製造用のシリコーンウェーハや、液晶素子製造用のガラス角基板、クロム膜、モリブデン膜、モリブデン合金膜、タンタル膜、タンタル合金膜、窒化珪素膜、アモルファスシリコーン膜、酸化錫をドープした酸化インジウム(ITO)膜や酸化錫膜などの、各種の膜が形成されるなど基板上の塗布時に起こるストリエーションや鱗状の模様(レジスト膜の乾燥むら)などの塗布不良の問題を解決する目的、およびモールド凹部のキャビティ内への組成物の流動性を良くし、モールドとレジスト間の離型性を良くし、レジストと基板間の密着性を良くする、組成物の粘度を下げる等が可能になる。特に、本発明の硬化性組成物において、上記界面活性剤を添加することにより、塗布均一性を大幅に改良でき、スピンコーターやスリットスキャンコーターを用いた塗布において、基板サイズに依らず良好な塗布適性が得られる。
本発明で用いることのできる非イオン性フッ素系界面活性剤の例としては、商品名フロラードFC−430、FC−431(住友スリーエム社製)、商品名サーフロン「S−382」(旭硝子製)、EFTOP「EF−122A、122B、122C、EF−121、EF−126、EF−127、MF−100」(トーケムプロダクツ社製)、商品名PF−636、PF−6320、PF−656、PF−6520(いずれもOMNOVA社)、商品名フタージェントFT250、FT251、DFX18(いずれも(株)ネオス製)、商品名ユニダインDS−401、DS−403、DS−451(いずれもダイキン工業(株)製)、商品名メガフアック171、172、173、178K、178A、(いずれも大日本インキ化学工業社製)が挙げられ、非イオン性ケイ素系界面活性剤の例としては、商品名SI−10シリーズ(竹本油脂社製)、メガファックペインタッド31(大日本インキ化学工業社製)、KP−341(信越化学工業製)が挙げられる。
本発明で用いることのできるシリコーン系界面活性剤の例としては、1,5−ビス(メトキシトリエチレングリコール)−1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチルトリシロキサン、α,ω−ビス(ポリエチレングリコール)ポリジメチルシロキサン、または商品名SILWET L−7602、同 FZ−2164、同 FZ−2120(いずれも日本ユニカー社製)、商品名KF−6017、KF−6028、KF−6038、KF−6104、KF−6105(いずれも信越化学工業社製)、商品名EMALEX SS−5051、EMALEX SS−5602(いずれも日本エマルジョン社製)が挙げられる。
本発明で用いることのできるフッ素・シリコーン系界面活性剤の例としては、商品名X−70−090、X−70−091、X−70−092、X−70−093、(いずれも信越化学工業社製)、商品名メガフアックR−08、XRB−4(いずれも大日本インキ化学工業社製)が挙げられる。
フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤の配合量は、これらの界面活性剤の合計量で、組成物中に0.001〜5質量%の範囲で配合し、好ましくは0.01〜3質量%の範囲で添加する。フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤が組成物中0.001未満では、塗布の均一性の効果が不十分であり、一方、5質量%を越えると、モールド転写特性を悪化させるため、好ましくない。本発明で用いるフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびフッ素・シリコーン系界面活性剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて使用してもよい。
本発明のナノインプリント用組成物には、上記の以外に、硬化性組成物の柔軟性等を改良する目的で、他のノニオン系界面活性剤を併用してもよい。ノニオン系界面活性剤の市販品としては、例えば、竹本油脂(株)製のパイオニンシリーズのD−3110、D−3120、D−3412、D−3440、D−3510、D−3605などポリオキシエチレンアルキルアミン、竹本油脂(株)製のパイオニンシリーズのD−1305、D−1315、D−1405、D−1420、D−1504、D−1508、D−1518などのポリオキシエチレンアルキルエーテル、竹本油脂(株)製のパイオニンシリーズのD−2112−A、D−2112−C、D−2123−Cなどのポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、竹本油脂(株)製のパイオニンシリーズのD−2405−A、D−2410−D、D−2110−Dなどのポリオキシエチレンジ脂肪酸エステル、竹本油脂(株)製のパイオニンシリーズのD−406、D−410、D−414、D−418などのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、日信化学工業(株)製のサーフィノールシリーズの104S、420、440、465、485などのポリオキシエチレンテトラメチルデシンジオールジエーテルなどが例示される。
また、重合性不飽和基を有する反応性界面活性剤も本発明で用いられる界面活性剤と併用することができる。例えば、アリロキシポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日本油脂(株)商品名:ブレンマーPKEシリーズ)、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノメタアクリレート(日本油脂(株)商品名:ブレンマーPNEシリーズ)、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノメタアクリレート(日本油脂(株)商品名:ブレンマーPNPシリーズ)、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノメタアクリレート(日本油脂(株)商品名:ブレンマーPNEP−600)、アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、RN−2025、HS−05、HS−10、HS−20(第一工業製薬(株)製)などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤を使用する場合、その使用できる比率は0.001質量%〜5質量%の範囲で、より好ましくは0.01質量%〜3質量%、さらに好ましくは0.05質量%〜2質量%である。
[開始剤]
本発明のナノインプリント用組成物の硬化は、光重合開始剤あるいは熱重合開始剤の存在下、電離放射線の照射または加熱により行うのが好ましい。本発明の硬化物を形成するにあたって、光重合開始剤あるいは熱開始剤を併用することも可能である。
まず、本発明に用いることができる光重合開始剤について説明する。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号等)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
アセトフェノン類の例には、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシ−ジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシ−ジメチル−p−イソプロピルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、が含まれる。
ベンゾイン類の例には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、3,3’、4、4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが含まれる。
ボレート塩としては、例えば、特許第2764769号、特開2002−116539号等の各公報、および、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19頁〜22頁,1998年,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩記載される化合物があげられる。例えば、前記特開2002−116539号明細書の段落番号[0022]〜[0027]記載の化合物が挙げられる。またその他の有機ホウ素化合物としては、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられ、具体例にはカチオン性色素とのイオンコンプレックス類が挙げられる。
ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
活性エステル類の例には1、2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、スルホン酸エステル類、環状活性エステル化合物などが含まれる。具体的には特開2000−80068記載の実施例記載化合物1〜21が特に好ましい。
オニウム塩類の例には、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩が挙げられる。
活性ハロゲン類としては、具体的には、若林 等の“Bull Chem.Soc Japan“42巻、2924頁(1969年)、米国特許第3,905,815号明細書、特開平5−27830号、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1巻(3号),(1970年)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:s−トリアジン化合物が挙げられる。より好適には、少なくとも一つのモノ、ジまたはトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体が挙げられる。具体的な例にはS−トリアジンやオキサチアゾール化合物が知られており、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−スチリルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(3−Br−4−ジ(エチル酢酸エステル)アミノ)フェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−トリハロメチル−5−(p−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールが含まれる。具体的には特開昭58−15503のp14〜p30、特開昭55−77742のp6〜p10、特公昭60−27673のp287記載のNo.1〜No.8、特開昭60−239736のp443〜p444のNo.1〜No.17、US−4701399のNo.1〜19などの化合物が特に好ましい。
無機錯体の例にはビス(η 5 −2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムが挙げられる。
クマリン類の例には3−ケトクマリンが挙げられる。
これらの開始剤は単独でも混合して用いても良い。
「最新UV硬化技術」,(株)技術情報協会,1991年,p.159、及び、「紫外線硬化システム」加藤清視著、平成元年、総合技術センター発行、p.65〜p.148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光重合開始剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX−S,BP−100,BDMK,CTX,BMS,2−EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,500,819,907,369,1173,1870,2959,4265,4263など)、サートマー社製のEsacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KT046,KT37,KIP150,TZT)等およびそれらの組合せが好ましい例として挙げられる。
これらの光重合開始剤は、本発明のハードコート用組成物に対して、0.1質量%〜15質量%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1質量%〜10質量%の範囲である。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーケトンおよびチオキサントン、などを挙げることができる。更にアジド化合物、チオ尿素化合物、メルカプト化合物などの助剤を1種以上組み合わせて用いてもよい。市販の光増感剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DMBI,EPA)などが挙げられる。
本発明に用いることができる熱重合開始剤としては、有機あるいは無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
[その他の重合性モノマー、オリゴマー]
本発明のナノインプリント用組成物には、必要に応じて他の重合性モノマーやオリゴマーを併用することも可能である。他の重合性モノマーやオリゴマーとしては、少なくとも1個の、より好ましくは2個から6個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物であることが好ましい。
エチレン性不飽和結合含有基を1個有する単量体の例としては、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシ2−ヒドロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸ダイマー、脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性(以下「EO」という。)クレゾール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、
メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン(以下「ECH」という)変性フェノキシアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリドデシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ウレタンモノ(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート、p−イソプロペニルフェノール、4−ビニルピリジン、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ビニルカプロラクタム、ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、イミドアクリレート、ビニルオキサゾリン等が挙げられる。
これらの中で特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アクリロイルモルフォリン等が粘度が低く、好適である。
本発明のナノインプリント用組成物の基板密着性や膜の機械特性を高めるために、イソシアネート系の(メタ)アクリレート化合物も本発明の硬化性組成物に含めることができる。イソシアネート系の(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、イソシアネートメチル(メタ)アクリレート、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、イソシアネートn−プロピル(メタ)アクリレート、イソシアネートイソプロピル(メタ)アクリレート、イソシアネートn−ブチル(メタ)アクリレート、イソシアネートイソブチル(メタ)アクリレート、イソシアネートsec−ブチル(メタ)アクリレート、イソシアネートtert−ブチル(メタ)アクリレート等のイソシアネートアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルメチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルn−プロピルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソプロピルイソシアネート、(メタ)アクリロイルn−ブチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソブチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルsec−ブチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルtert−ブチルイソシアネート等の(メタ)アクリロイルアルキルイソシアネートが例示される。
また、ジオキソラン骨格の(メタ)アクリレートも、本発明の硬化性組成物に用いることができる。ジオキソラン骨格の(メタ)アクリレートの具体例としては、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
中でも、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等が挙げられる。
本発明で用いることのできるエチレン性不飽和結合含有基を2個有する単量体の例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ECH変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレングリコールアクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
EO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレンオキシド(以後「PO」という。)変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(ジ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ECH変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、シリコーンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(ジ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素が例示される。
さらに、基板との密着性を高めるために、EO変性リン酸ジ(メタ)アクリレート等のリン酸含有ジ(メタ)アクリルモノマーも本発明に用いることができる。
これらの中で特に、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が2官能単量体の中では低粘度、低皮膚刺激性であり、本発明に好適に用いられる。
エチレン性不飽和結合含有基を3個以上有する多官能単量体の例としては、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中で特に、EO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が3官能以上の単量体の中では低粘度、低皮膚刺激性であり、本発明に好適に用いられる。
一分子内に光重合性官能基を2つ以上有するものを用いる場合には、上記のように組成物に多量の光重合性官能基が導入されるので、組成物の架橋密度が非常に大きくなり、硬化後の諸物性を向上させる効果が高い。硬化後の諸物性の中でも、とりわけ耐熱性および耐久性(耐摩耗性、耐薬品性、耐水性)が架橋密度の増大によって向上し、高熱、摩擦または溶剤に曝されても、微細凹凸パターンの変形、消失、損傷が起こり難くなる。
本発明のナノインプリント用組成物では、架橋密度をさらに高める目的で、上記多官能単量体よりもさらに分子量の大きい多官能オリゴマーやポリマーを本発明の目的を達成する範囲で配合することができる。光ラジカル重合性を有する多官能オリゴマーとしてはポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエポキシアクリレート等の各種アクリレートオリゴマー、フォスファゼン骨格、アダマンタン骨格、カルド骨格、ノルボルネン骨格等の嵩高い構造を持つオリゴマーまたはポリマー等が挙げられる。
他の重合性モノマーやオリゴマーを用いる場合のその適切な使用量は、ナノインプリント加工時の密着性と離型性とのバランスに優れることから、組成物100質量%中に1質量%〜80質量%であり、より好ましくは5質量%〜70質量%、さらに好ましくは10質量%〜50質量%である。
[その他の添加剤]
その他、本発明のナノインプリント用組成物には必要に応じて、無機フィラーを均一に分散させる分散剤や界面活性剤、粘度調整のための反応性希釈剤、チクソ性を調整する揺変剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、汚れを防止する目的でフッ素系やシリコーン系の防汚剤、静電気による帯電を防止する帯電防止剤、その他添加剤等を含有してもよい。
[組成物の調製方法]
この様にして得られたナノインプリント用組成物の調製は、例えば、前記重合性化合物、他の単量体、光重合開始剤、界面活性剤等の各成分を、適当な混合装置、例えばホモミキサーなどを用いて、適当な溶媒に溶解すると共に、混合することによって調製することが出来る。
本発明に用いることのできる溶媒としては特に限定することはないが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類などを挙げることが出来る。その濃度は、重合性化合物や界面活性剤、光開始剤等の固形分に対して10%〜80%程度とされる。
[硬化物の形成方法]
次に、本発明の組成物を用いたナノプリント・パターン(特に、微細凹凸パターン)の形成方法について説明する。本発明では、ナノインプリント用組成物を塗布して硬化してパターンを形成する。具体的には、基板または、支持体上に少なくとも本発明のナノインプリント用組成物からなるパターン形成層を塗布し、必要に応じて乾燥させて硬化性組成物からなる層(パターン形成層)を形成してパターン受容体を作製し、当該パターン受容体のパターン形成層表面にモールドを圧接し、モールドパターンを転写する加工を行い、微細凹凸パターン形成層を露光して硬化させる。本発明のパターン形成方法による光インプリントリソグラフィは、積層化や多重パターニングもでき、通常の熱インプリントと組み合わせて用いることもできる。
なお、本発明のナノインプリント用組成物の応用として、基板または、支持体上に本発明の硬化性組成物を塗布し、該組成物からなる層を露光、硬化、必要に応じて乾燥(ベーク)させることにより、オーバーコート層や絶縁膜などの永久膜を作製することもできる。
以下において、本発明のナノインプリント用組成物を用いたパターン形成方法、パターン転写方法について述べる。本発明のナノインプリント用組成物は、一般によく知られた塗布方法、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート方法、スリットスキャン法などにより、塗布することにより形成することができる。本発明のナノインプリント用組成物からなる層の膜厚は、使用する用途によって異なるが、0.05μm〜30μmである。また、本発明のナノインプリント用組成物は、多重塗布してもよい。
本発明のナノインプリント用組成物を塗布するための基板または支持体は、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、紙、SOG、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等のポリマー基板、TFTアレイ基板、PDPの電極板、ガラスや透明プラスチック基板、ITOや金属などの導電性基材、絶縁性基材、シリコーン、窒化シリコーン、ポリシリコーン、酸化シリコーン、アモルファスシリコーンなどの半導体作製基板など特に制約されない。基板の形状は、板状でも良いし、ロール状でもよい。
本発明のナノインプリント用組成物を硬化させる光としては特に限定されないが、高エネルギー電離放射線、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光または放射線が挙げられる。高エネルギー電離放射線源としては、例えば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロトロン等の加速器によって加速された電子線が工業的に最も便利且つ経済的に使用されるが、その他に放射性同位元素や原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中性子線、陽子線等の放射線も使用できる。
紫外線源としては、例えば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯等が挙げられる。放射線には、例えばマイクロ波、EUVが含まれる。また、LED、半導体レーザー光、あるいは248nmのKrFエキシマレーザー光や193nmArFエキシマレーザーなどの半導体の微細加工で用いられているレーザー光も本発明に好適に用いることができる。これらの光は、モノクロ光を用いても良いし、複数の波長の異なる光(ミックス光)でも良い。
次に本発明で用いることのできるモールド材について説明する。本発明のナノインプリント用組成物を用いた光ナノインプリントリソグラフィは、モールド材およびまたは基板の少なくとも一方は、光透過性の材料を選択する必要がある。本発明に適用される光インプリントリソグラフィでは、基板の上にナノインプリント用組成物を塗布し、光透過性モールドを押し当て、モールドの裏面から光を照射し、ナノインプリント用組成物を硬化させる。また、光透過性基板上に硬化性組成物を塗布し、モールドを押し当て、モールドの裏面から光を照射し、ナノインプリント用組成物を硬化させることもできる。
光照射は、モールドを付着させた状態で行ってもよいし、モールド剥離後に行ってもよいが、本発明では、モールドを密着させた状態で行うのが好ましい。
本発明で用いることのできるモールドは、転写されるべきパターンを有するモールドが使われる。モールドは、例えば、フォトリソグラフィや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じてパターンが形成できるが、本発明では、モールドパターン形成方法は特に制限されない。
本発明において用いられる光透過性モールド材は、特に限定されないが、所定の強度、耐久性を有するものであれば良い。具体的には、ガラス、石英、PMMA、ポリカーボネート樹脂などの光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示される。
本発明の透明基板を用いた場合で使われる非光透過型モールド材としては、特に限定されないが、所定の強度を有するものであればよい。具体的には、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、SiC、シリコーン、窒化シリコーン、ポリシリコーン、酸化シリコーン、アモルファスシリコーンなどの基板などが例示され、特に制約されない。形状は板状モールド、ロール状モールドのどちらでもよい。
ロール状モールドは、特に転写の連続生産性が必要な場合に適用される。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<合成例1>重合性化合物の調製
攪拌基付き三口フラスコにパラホルムアルデヒド6.7g、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン14.5g、蒸留水80mLを入れて室温の攪拌下で溶解させた。完全に溶解したことを確認した後に、室温にてアセトニトリル180mLを入れ、引き続きアクリル酸2,2,3,3−テトフルオロプロピル20gを30分かけて滴下した。滴下完了後、内温を45℃に昇温し、3時間その温度を保持し攪拌を継続し、反応を完結した。
反応液を分液漏斗に移し、n−ヘキサン200mLを入れて分液し、下層を酢酸エチルで抽出し、油層を4N塩酸水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄を行い、最後に硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、無色粘稠液体である(A−1)を得た(収率83%)。
<合成例2>重合性化合物(A−2)の調製
アクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル50g、パラホルムアルデヒド5.8g、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン10.8gをアセトニトリル100mL中、室温で26時間攪拌した。その後、酢酸エチル100mLにて希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液200mLを加えて抽出、油層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧下にて除去した。得られた固体をメタノールから再結晶を行い、白色粉末の重合性化合物(A−2)を得た(収率35%)。
<合成例3> 重合性化合物(A−3)の調製
合成例3記載の例において、用いるアクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチルをアクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,8,8,8−ドデカフルオロ−7−(トリフルオロメチル)オクチル(アルドリッチ製試薬)45gに変更した以外は同様にして合成を行い、白色粉末の重合性化合物(A−3)を得た(収率39%)。
<他の単量体>
B−1:N−アクリロイルモルホリン(興人社製 商品名;ACMO)
B−2:トリプロピレングリコールジアクリレート(日本化薬社製 商品名;カヤラッドTPGDA)
<光重合開始剤>
C−1:2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド(BASF社製 商品名;Lucirin TPO−L)
<界面活性剤>
D−1:シリコーン系界面活性剤 商品名;メガファックペインタッド31(大日本インキ化学工業社製)
D−2:フッ素・シリコーン系界面活性剤 商品名;メガファックXRB−4(大日本インキ化学工業社製)
D−3:フッ素系界面活性剤 商品名;FC−430(住友スリーエム社製)
[実施例1〜8、比較例1]
本発明の一般式(I)で表される化合物、他の重合性化合物、重合開始剤、界面活性剤、及び溶媒として4倍量の塩化メチレンを使用し、表1に示す質量比率で混合したナノインプリント用組成物を調製した。
各ナノインプリント用組成物を内径140μmの吐出口を持つノズルより圧力10kPaで10ms吐出させ、3.5μgの液滴を4インチφシリコンウェーハ基板上に滴下した。表面に、直径50nm、深さ100nmの微細パターンが形成された1cm角の石英製モールドを5kgf/cmの圧力で押しつけた。そのまま、石英側より高圧水銀灯より5J/cm(365nmでの光量)紫外線を照射した。その後、石英製の金型を剥離した。
<光硬化速度の測定>
光硬化性の測定は、高圧水銀灯を光源(365nmにおける光量30mW/cm)に用い、単量体を含む組成物の810cm −1 の吸収の変化をフーリエ変換型赤外分光装置(FT−IR)を用いて、硬化反応速度(モノマー消費率)をリアルタイムで行い、照射開始後5秒の重合率として評価した。この際、FT−IR装置内部は特に窒素置換などを行わずに実施した。
<密着性>
密着性は、上述のごとく光硬化した光硬化パターン表面にテープを貼り付け、引き剥がした際に、テープ側に光硬化した光硬化樹脂の付着があるか否か目視観察で判断し、以下のように評価した。
A:テープ側にパターンの付着が全く確認されなかった。
B:テープ側にパターンの付着がわずかに認められた。
C:テープ側にパターンの付着が明確に認められた。
<剥離性>
剥離性は、光硬化後にモールドを引き剥がしたとき、未硬化物がモールドに残留するか否かを光学顕微鏡で観察し、以下のように評価した。
A:残留物の付着が全く確認されなかった。
B:残留物の付着がわずかに認められた。
C:残留物の付着が明確に認められた。
得られた結果を表1に示した。
表1より明らかに、本発明の一般式(I)で表される化合物を含有しない比較例1では、光硬化度が極めて低く、密着性および離型性とも極めて劣っていた。それ対して、本発明の実施例1〜8は、高い光硬化性を有し、密着性および離型性とも極めて優れる卓越した結果を示した。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物を含むナノインプリント用組成物:

    (一般式(I)中、Xはヘテロ原子で連結した置換基またはハロゲン原子を表す。Xは、フッ素原子で置換されている炭化水素基を表す。Ra、Rbは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は有機残基を表す。また、RaとRb、XとRaあるいはRbが互いに結合して環状構造を形成しても良い。)。
  2. 前記Xが水酸基であることを特徴とする請求項1に記載のナノインプリント用組成物。
  3. 光重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナノインプリント用組成物。
  4. 界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のナノインプリント用組成物。
  5. 前記界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤またはフッ素・シリコーン系界面活性剤であることを特徴とする請求項4に記載のナノインプリント用組成物。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項のナノインプリント用組成物を光硬化させる工程を有するナノインプリント法。
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