JP2009227531A - 有機汚染物質排出量低減方法及びセメント製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】セメント製造装置の熱効率を低下させることなく、当該セメント製造装置からの有機汚染物質の排出量を低減することのできる有機汚染物質排出量低減方法及び当該方法を適用し得るセメント製造装置を提供する。
【解決手段】本発明の有機汚染物質排出量低減方法は、セメント製造装置10からの排ガスに含まれるダストを浮遊選鉱により処理して、ダストに含まれる未燃カーボンを分離し、未燃カーボンをセメント製造装置10の高温部(800℃以上の部位)であって、例えば、第3のサイクロン3c、第4のサイクロン3d、仮焼炉4、ロータリーキルン5等に投入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイオキシン類等の有機汚染物質(POPs,Persistent Organic Pollutants)のセメント製造装置からの排出量を低減する方法及び当該方法を適用し得るセメント製造装置に関する。
近年、セメント原料の一部として、石炭灰、煤塵(飛灰)、燃え殻(主灰)、汚泥、鉱滓等の有機汚染物質を含有する廃棄物が使用されている。これらの廃棄物のうち有機汚染物質含有量が比較的多いものは、図1に示すセメント製造装置10における仮焼炉4やロータリーキルン5の窯尻部に投入され、有機汚染物質を分解し得る条件下にて使用されている。一方、それら以外の廃棄物は、他のセメント原料とともにプレヒータ3に投入されているため、これらの廃棄物に含まれる有機汚染物質は、完全には分解されず、一部が揮発して排ガス中に残存することになる。また、いったん有機汚染物質が分解された場合であっても、プレヒータ3出口から集塵機7までの間に、再合成してしまう場合もある。
このように、未分解又は再合成した排ガス中の有機汚染物質の大部分は、排ガスの温度の低下に伴い、排ガスに含まれるダストの表面に吸着される。そして、有機汚染物質が表面に吸着したダストは、集塵機7にて捕集され、セメント原料としてプレヒータ3に供給され、その温度によって一部が分解される。すなわち、セメントの製造時に発生する有機汚染物質は、その一部は高温域において分解され、未分解の有機汚染物質の大部分は、排ガス中のダストを媒体としてセメント製造装置10内を循環している。しかしながら、ダストに吸着されなかった微量の有機汚染物質及びガス状の有機汚染物質は、排ガスとともに大気中に排出されてしまっている。そのため、これらの有機汚染物質の排出量をさらに低減することが望ましいと考えられている。
このような事情下において、セメント製造装置からの排ガスに含まれるPOPs等の有機汚染物質を分解する技術が、種々提案されている。例えば、セメント製造装置の排ガス中の有機塩素化合物を含むダストを集塵機にて捕集し、当該ダストの一部を、ロータリーキルンの窯尻部、仮焼炉、サスペンションプレヒータ等の800℃以上の高温部に投入することで、有機塩素化合物の分解を促進する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−244308号公報
セメント製造装置は、セメントの焼成による廃熱を利用してセメント原料を予熱することで、熱効率を向上させて省エネルギー化を図るものであるが、集塵機にて捕集されたダストは、常温程度であるため、上記特許文献1に記載の方法では、常温のダストを、800℃以上の高温部に投入することになり、セメント焼成の廃熱を利用してセメント原料を予熱するセメント製造装置本来のシステムを利用することができず、熱効率が低下してしまうという問題がある。
このような問題点に鑑みて、本発明は、セメント製造装置の熱効率を低下させることなく、当該セメント製造装置からの有機汚染物質の排出量を低減することのできる有機汚染物質排出量低減方法及び当該方法を適用し得るセメント製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、セメント製造装置からの有機汚染物質の排出量を低減する方法であって、前記セメント製造装置からの排ガスに含まれるダストを浮遊選鉱により処理して、前記ダストに含まれる未燃カーボンを分離し、前記未燃カーボンを前記セメント製造装置の800℃以上の部位に投入することを特徴とする有機汚染物質排出量低減方法を提供する(請求項1)。
セメント製造装置において揮発した有機汚染物質のほとんどは、セメント製造装置からの排ガスに含まれるダスト中の未燃カーボンの表面に析出している。したがって、上記発明(請求項1)によれば、排ガスに含まれるダスト中の未燃カーボンを浮遊選鉱により分離して、分離した未燃カーボンをセメント製造装置の高温部(800℃以上に達する部位)に投入することで、未燃カーボンの表面に析出した有機汚染物質の分解を促進することができ、セメント製造装置からの有機汚染物質排出量を低減することができる。また、ダストから分離した未燃カーボンをセメント製造装置の高温部に投入することで、当該未燃カーボンが高温部にて燃焼するため、セメント製造装置の熱効率を低下させることがないという効果も奏する。
ここで、本明細書において、有機汚染物質としては、例えば、ダイオキシン、ポリ塩化ビフェニル、ヘキサクロロベンゼン等の有機塩素化合物等が挙げられる。
上記発明(請求項1)においては、前記ダストのうちの一部を浮遊選鉱により処理して前記未燃カーボンを分離するのが好ましく(請求項2)、かかる発明(請求項2)においては、前記ダストのうちの5質量%以上を、浮遊選鉱により処理して前記未燃カーボンを分離するのが好ましい(請求項3)。
上記発明(請求項2,3)によれば、ダストうちの一部から未燃カーボンを分離することで、セメント製造装置の循環系内における有機汚染物質量を十分に低減することができるため、ダストの全量を浮遊選鉱により処理する必要がなく、簡単な操作で有機汚染物質の排出量を低減することができる。
上記発明(請求項1〜3)においては、前記セメント製造装置が、セメント原料を予熱する複数のサイクロンを有するプレヒータと、前記セメント原料を仮焼する仮焼炉と、前記セメント原料を焼成してクリンカを生成するキルンとを備えており、前記未燃カーボンを、前記プレヒータの下から2段目及び最下段に位置するサイクロン、前記仮焼炉、並びに前記キルンからなる群より選ばれる少なくとも1つの部位に投入するのが好ましい(請求項4)。
プレヒータの下から2段目及び最下段に位置するサイクロン、仮焼炉並びにキルンは、セメント製造装置の中でも800℃以上に達する高温部であるため、上記発明(請求項4)によれば、これらの部位のうちのいずれかに未燃カーボンを投入することで、未燃カーボンの表面に吸着した有機汚染物質の分解を促進することができ、セメント製造装置からの有機汚染物質の排出量を低減することができる。
また、本発明は、セメント原料を予熱する複数のサイクロンを有するプレヒータと、前記セメント原料を仮焼する仮焼炉と、前記セメント原料を焼成してクリンカを生成するキルンと、前記キルンからの排ガス経路に設けられ、前記排ガス中のダストを捕集する集塵機と、前記集塵機にて捕集されたダストから未燃カーボンを分離する浮遊選鉱機とを備え、前記未燃カーボンが、前記未燃カーボンを、前記プレヒータの下から2段目及び最下段に位置するサイクロン、前記仮焼炉、並びに前記キルンからなる群より選ばれる少なくとも1つの部位に投入されることを特徴とするセメント製造装置を提供する(請求項5)。
上記発明(請求項5)によれば、排ガスに含まれるダスト中の未燃カーボンを浮遊選鉱により分離して、分離した未燃カーボンをセメント製造装置の高温部(800℃以上に達する部位であって、例えば、プレヒータの下から2段目及び最下段に位置するサイクロン、仮焼炉、キルン等)に投入することで、未燃カーボンの表面に析出した有機汚染物質の分解を促進することができ、セメント製造装置からの有機汚染物質排出量を低減することができる。また、高温部に投入された未燃カーボンは、当該高温部にて燃焼するため、セメント製造装置の熱効率を低下させないという効果も奏する。
本発明の有機汚染物質排出量低減方法及びセメント製造装置によれば、セメント製造装置の熱効率を低下させることなく、当該セメント製造装置からの有機汚染物質の排出量を低減させることができる。
以下、本発明の一実施形態に係る有機汚染物質排出量低減方法について説明する。
本実施形態に係る有機汚染物質排出量低減方法においては、まず、セメント製造装置の排ガス中に含まれるダストを捕集する。
図1に示すように、セメント製造装置10は、セメント原料を乾燥する乾燥機1と、乾燥機1にて乾燥したセメント原料を粉砕する粉砕機2と、粉砕機2にて所定の粒度に粉砕されたセメント原料を予備的に加熱する第1〜第4のサイクロン3a〜3dを有するプレヒータ3と、セメント原料を仮焼する仮焼炉4と、予備的に加熱され、仮焼されたセメント原料を焼成しクリンカを生成するロータリーキルン5と、ロータリーキルン5により生成したクリンカからセメントを製造する仕上げミル6と、ロータリーキルン5からの排ガス中に含まれるダストを集塵する集塵機7と、セメント製造装置10からの排ガスを排出する煙突8と、集塵機7で捕集されたダストについて浮遊選鉱処理を行う浮遊選鉱槽9とを備える。なお、図1において、破線で示される矢印は、プレヒータ3からの排ガスの流れを示すものである。
集塵機7は、セメント製造装置からの排ガスに含まれる、有機汚染物質が表面に吸着したダストを捕集するための装置であり、集塵機7としては、例えば、電気集塵機、重力集塵機、慣性力集塵機、遠心力集塵機、濾過集塵機等が挙げられる。
このようなセメント製造装置10において、有機汚染物質を含む廃棄物を一部に含むセメント原料が、必要に応じて乾燥機1にて乾燥され、粉砕機2により所定の粒度に粉砕される。有機汚染物質を含む廃棄物としては、例えば、石炭灰、煤塵、燃え殻、汚泥、鉱滓等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
粉砕機2により粉砕されたセメント原料は、プレヒータ3上部(第1のサイクロン3aと第2のサイクロン3bとを接続するダクト)に投入される。プレヒータ3上部に投入されたセメント原料は、第1〜第3のサイクロン3a〜3c、仮焼炉4及び第4のサイクロン3dを経て予備的に加熱され、ロータリーキルン5に供給される。
ロータリーキルン5内に供給されたセメント原料は、約1500℃の温度で焼成され、これによりクリンカが生成される。生成されたクリンカはロータリーキルン5から排出されて、石膏等が添加された後に仕上げミル6内で粉砕される。これにより、所望のセメントが製造される。
ロータリーキルン5内にてセメント原料が焼成される際に生じる排ガスは、ロータリーキルン5から排出されて、仮焼炉4、サスペンションプレヒータ3の第4サイクロン3dから第1サイクロン3a、粉砕機2又は乾燥機1を経て、集塵機7に導入される(図1の破線矢印を参照)。
ロータリーキルン5からの排ガスには、セメント原料に含まれる有機汚染物質の一部が完全に分解されずに揮発して残存しているとともに、ダストが含まれる。排ガス中の有機汚染物質は、排ガスの温度の低下に伴いダストの表面に吸着され、当該有機汚染物質が表面に吸着されたダストは、排ガスとともに集塵機7に導入される。
集塵機7に導入されたダストは、集塵機7にて捕集されるとともに、排ガスは煙突8から排出される。集塵機7にて捕集されたダストは、ダスト貯留槽(図示せず)に一時的に貯留される。
このようにして捕集されたダストの一部を、浮遊選鉱槽9に導入し、浮遊選鉱による処理を行う。具体的には、捕集されたダストの一部に水を加えて攪拌し、スラリーを調製する。かかるスラリーに捕集剤を添加してさらに攪拌する。これにより、ダスト中の未燃カーボンの表面を改質し、疎水化することができる。なお、捕集剤としては、例えば、ケロシン(灯油)、軽油、重油等の一般的に浮遊選鉱処理において捕集剤として用いられるものを使用すればよい。
捕集剤のスラリーへの添加量は、特に限定されるものではなく、スラリー中のダスト量に応じて適宜変更することができるが、例えば、スラリー中のダスト100gに対して、0.1〜2mL添加すればよい。
集塵機7にて捕集されたダストの全量について、浮遊選鉱槽9にて浮遊選鉱処理を行うことで、セメント製造装置10からの有機汚染物質排出量をより低減することができるとも考えられる。しかしながら、一般に、セメント製造装置10の集塵機7においては、1時間あたり20〜50tもの大量のダストが捕集されるため、当該ダストの全量を浮遊選鉱処理の対象とすると、処理すべきダスト量が増大してしまい、浮遊選鉱処理が煩雑になってしまうおそれがある。そのため、捕集されたダストのうちの一部、具体的には少なくとも5質量%、好ましくは10〜30質量%のダストについて浮遊選鉱処理を行うのが好ましい。5質量%未満であると、セメント製造装置の循環系内における有機汚染物質量を効果的に低減することができないおそれがある。
捕集剤が添加されたスラリーを、浮遊選鉱槽9に導入し、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)等の起泡剤を添加する。これにより、浮遊選鉱槽9内において気泡を発生させ、かかる気泡に未燃カーボンを付着・浮上させるとともに、ダストの残部は気泡に付着することなく沈降する。このようにして、未燃カーボンを分離して回収することができる。
スラリーへの起泡剤の添加量は、スラリー中の未燃カーボンを付着・浮上させることのできる程度の気泡が発生し得る量であれば特に限定されるものではなく、例えば、水1000mL及びダスト100gのスラリーに対して、0.1〜1mgの起泡剤を添加すればよい。
このようにして分離された未燃カーボンを、800℃以上に達する高温部に投入する。具体的には、プレヒータ3の第3のサイクロン3c、第4のサイクロン3d、仮焼炉4、及びロータリーキルン5からなる群より選ばれる少なくとも1つの部位に投入するのが好ましい。分離された未燃カーボンの表面には、排ガス中に揮発して存在していた有機汚染物質のほとんどが吸着されているため、これらの高温部に分離された未燃カーボンを投入することで、未燃カーボンの表面に吸着された有機汚染物質の分解を促進することができ、セメント製造装置10の循環系内における有機汚染物質量を低減することができ、これにより、セメント製造装置10からの有機汚染物質の排出量を低減することができる。特に分離された未燃カーボンをセメント製造装置10における燃料として再利用する場合には、当該未燃カーボンを仮焼炉4及び/又はロータリーキルン5に投入するのが好ましい。
浮遊選鉱槽9内に沈降したダストの残部(未燃カーボン分離後の残部)及び浮遊選鉱処理に付されなかったダストの残部は、必要に応じて乾燥した上で、セメント製造装置10の第1のサイクロン3a及び第2のサイクロン3bを接続するダクトにセメント原料の一部として再投入される。
以上説明した本実施形態に係る有機汚染物質排出量低減方法によれば、排ガス中に含まれる有機汚染物質のほとんどを未燃カーボンの表面に吸着させ、かかる未燃カーボンをセメント製造装置の高温部に投入することで有機汚染物質の分解を促進し、セメント製造装置からの有機汚染物質の排出量を低減することができる。特に、集塵機で捕集されたダストの一部について浮遊選鉱処理を行えばよいため、処理対象ダスト量が少量で済み、浮遊選鉱処理が煩雑とならず、効率的に有機汚染物質を除去することができる。さらに、高温部に未燃カーボンを投入することで、当該未燃カーボンが高温部にて燃焼するため、セメント製造装置の熱効率を低下させることがないという効果も奏する。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
〔実施例1〕
図1に示すセメント製造装置10にて、セメント原料の一部として廃棄物(石炭灰、煤塵、汚泥、鉱滓等)を用いてセメントを製造し、かかるセメント製造装置10の集塵機7から、排ガス中に含まれるダストを採取した。なお、採取したダスト中に含まれるPCBの濃度をJIS−K0311に準じて測定したところ、500ng/gであった。
上述のようにして採取したダスト100gに、蒸留水1000mLを攪拌しながら添加してスラリーを調製した。このスラリーにケロシンを1mL加えてミキサーで攪拌して、ダスト中の未燃カーボンの表面を疎水化した。疎水化後、スラリーを浮遊選鉱機に導入し、起泡剤としてMIBC(メチルイソブチルカルビノール)を0.1mg添加して気泡を発生させ、発生させた気泡に付着・浮上した未燃カーボンを、オーバーフローとして回収した。回収した浮上物(未燃カーボン)及び浮遊選鉱機内に残った残部を乾燥した。
浮遊選鉱処理により得られた浮上物(未燃カーボン)及び浮遊選鉱処理後の残部のそれぞれについて、JIS−K0311に準じてPCB濃度を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2009227531
表1に示すように、ダストを浮遊選鉱処理に付することで分離した未燃カーボンには、PCBが高濃度に濃縮していることが確認された。しかも、ダスト中に含まれる未燃カーボンは、ダスト全量の1質量%程度であることから、分離した未燃カーボンをセメント製造装置10の高温部に投入することで、高温部への投入量を最小限に抑えることができるとともに、ダストの表面に吸着された有機汚染物質の分解を促進することができ、セメント製造装置からの有機汚染物質排出量を低減可能であると考えられる。
〔実施例2〜3,比較例1〕
図1に示すセメント製造装置10の集塵機7にて採取したダストのうちの5質量%について、実施例1と同様にして浮遊選鉱処理を行い、未燃カーボンを分離し、分離した未燃カーボンをセメント製造装置10の仮焼炉4に投入した。そして、浮遊選鉱機内に沈降した残渣を、図1に示すセメント製造装置10のプレヒータ3上部(第1のサイクロン3aと第2のサイクロン3bとを接続するダクト)に投入するとともに、ダストの残りの95質量%については何らの処理を施すことなく、図1に示すセメント製造装置10のプレヒータ3上部に投入し、JIS−K0311に基づいて排ガス中のPCB濃度を測定した(実施例2)。
結果を表2に示す。
図1に示すセメント製造装置10の集塵機7にて採取したダストのうちの10質量%について、実施例1と同様にして浮遊選鉱処理を行った以外は、実施例2と同様にして排ガス中のPCB濃度を測定した(実施例3)。
結果を表2にあわせて示す。
比較例として、図1に示すセメント製造装置10の集塵機7にて採取したダストの全量を、何らの処理を施すことなくセメント製造装置10のプレヒータ3上部(第1のサイクロン3aと第2のサイクロン3bとを接続するダクト)に投入し、実施例2と同様にして排ガス中のPCB濃度を測定した(比較例1)。
結果を表2にあわせて示す。
Figure 2009227531
表2に示すように、実施例2のように集塵ダストのうちの5質量%について浮遊選鉱処理により未燃カーボンを分離し、当該未燃カーボンをセメント製造装置10の高温部(第3のサイクロン3c,第4のサイクロン3d,仮焼炉4,ロータリーキルン5等)に投入することで、セメント製造装置からの有機汚染物質排出量を効果的に低減可能であることが確認された。また、実施例3のように浮遊選鉱処理に付すダスト量を10質量%にすることで、セメント製造装置からの有機汚染物質排出量をより効果的に低減可能であることが確認された。このように、集塵機で捕集されたダストの一部についてのみ浮遊選鉱処理を行って未燃カーボンを分離し、分離した未燃カーボンをセメント製造装置の高温部に投入することで、セメント製造装置の循環系内における有機汚染物質量を十分に低減することができると考えられる。
本発明の有機汚染物質排出量低減方法は、簡単な処理により効率的に排ガスに含まれる有機汚染物質を除去することができ、セメント製造装置からの有機汚染物質の排出量を低減し得るセメント製造に有用である。
本発明の一実施形態に係るセメント製造装置を示す概略構成図である。
符号の説明
3…プレヒータ
3c…第3のサイクロン(下から2段目に位置するサイクロン)
3d…第4のサイクロン(最下段に位置するサイクロン)
4…仮焼炉
5…ロータリーキルン(キルン)
7…集塵機
9…浮遊選鉱槽
10…セメント製造装置

Claims (5)

  1. セメント製造装置からの有機汚染物質の排出量を低減する方法であって、
    前記セメント製造装置からの排ガスに含まれるダストを浮遊選鉱により処理して、前記ダストに含まれる未燃カーボンを分離し、
    前記未燃カーボンを前記セメント製造装置の800℃以上の部位に投入することを特徴とする有機汚染物質排出量低減方法。
  2. 前記ダストのうちの一部を浮遊選鉱により処理して前記未燃カーボンを分離することを特徴とする請求項1に記載の有機汚染物質排出量低減方法。
  3. 前記ダストのうちの5質量%以上を、浮遊選鉱により処理して前記未燃カーボンを分離することを特徴とする請求項2に記載の有機汚染物質排出量低減方法。
  4. 前記セメント製造装置が、セメント原料を予熱する複数のサイクロンを有するプレヒータと、前記セメント原料を仮焼する仮焼炉と、前記セメント原料を焼成してクリンカを生成するキルンとを備えており、
    前記未燃カーボンを、前記プレヒータの下から2段目及び最下段に位置するサイクロン、前記仮焼炉、並びに前記キルンからなる群より選ばれる少なくとも1つの部位に投入することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機汚染物質排出量低減方法。
  5. セメント原料を予熱する複数のサイクロンを有するプレヒータと、前記セメント原料を仮焼する仮焼炉と、前記セメント原料を焼成してクリンカを生成するキルンと、前記キルンからの排ガス経路に設けられ、前記排ガス中のダストを捕集する集塵機と、前記集塵機にて捕集されたダストから未燃カーボンを分離する浮遊選鉱機とを備え、
    前記未燃カーボンが、前記プレヒータの下から2段目及び最下段に位置するサイクロン、前記仮焼炉、並びに前記キルンからなる群より選ばれる少なくとも1つの部位に投入されることを特徴とするセメント製造装置。
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