JP2009224531A - 振動と騒音の低い変圧器およびリアクトル用鉄心 - Google Patents

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雅人 溝上
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Abstract

【課題】 電磁鋼板を積層することで製造される変圧器やリアクトルの鉄心騒音を低減するために、鉄心の鋼板間に粘弾性樹脂を設けて振動や騒音を抑制する方法について、更なる効果が得られる方法を提供する。
【解決手段】 積層された鋼板の複数枚ごとに振動抑制のための粘弾性樹脂層を設けた鉄心において、粘弾性樹脂層を挟んでいない鋼板間隙に、厚さ4μm以下の接着層を設けて隣接する鋼板同士を接着することを特徴とする、振動と騒音の低い変圧器及びリアクトル用鉄心。
【選択図】 図2

Description

本発明は、変圧器やリアクトルに使用される鉄心で発生する振動や騒音を低減するための鉄心構造に関するものである。
変圧器やリアクトルは通電時に騒音を発するが、これは周辺住民の生活環境や変電所での作業環境の劣化を引き起こす。よって、変圧器の発注時には要求仕様として騒音レベルの上限値が設けられ、完成した製品の騒音レベルがその上限値を超えないことが強く求められる。この要求を満たすためには、変圧器製造工程において設計段階から様々な騒音に関連する技術や手法が検討され、それらが適切に製品に適用されることが必要である。
変圧器やリアクトルの騒音発生源の一つは鉄心であるが、その鉄心騒音の一因として電磁鋼板の磁歪現象が挙げられる。これは、電磁鋼板が交流で磁化される時、その磁化の強さの変化に伴って電磁鋼板の外形寸法が変化する現象で、一般的には鋼板の長さの変化で表されることが多い。
また、直接的な振動発生源ではないが、振動や騒音を増加させる要因として共振現象がある。これは鉄心が持つ特定の周波数すなわち固有振動数で鉄心が共振を起こすもので、磁歪などによって引き起こされる振動の周波数が共振周波数と一致した場合に、本来の振動よりも大きな振動が鉄心に発生する現象である。
これらの現象による鉄心の振動が、変圧器のタンクなどの外部構造物に伝搬して放射され騒音となる。
この騒音低減策としてこれまでに様々な方法が提案されているが、その内に、例えば特許文献1に示すように、鉄心として用いる電磁鋼板の表面に粘弾性体層を設ける方法がある。粘弾性体はその変形によって振動エネルギーを熱エネルギーに変換して振動を減衰させるので、鉄心の振動と騒音の低減効果が得られると考えられている。
一般的に鉄心は電磁鋼板の積層体であるが、前記の例では粘弾性体層を設けた電磁鋼板を鉄心全てに用いるではなく、任意の枚数に1枚の割合で用いることを特徴としている。これは粘弾性体の厚みの鉄心全体に占める割合が高くなりすぎると、占積率の低下によって電磁鋼板の磁束密度が上昇し、かえって騒音や振動が増加してしまうことを避けるためと思われる。
特開2002−203728号公報
特許文献1の方法は鉄心の騒音や振動の低減に有効であるが、基本的に騒音は可聴音圧以下とすることが最終目標であるため、更なる低減方策が必要となる場合が多い。これを実現するために以下の例で検討を行った。
鉄心に粘弾性樹脂を使用して鋼板の振動を抑制する方法は、図1で示す原理に基づいている。すなわち、粘弾性樹脂を挟む両側の鋼板に曲げ変形が発生した場合、曲がりの内側では圧縮力が働き、外側では引張力が働くため、樹脂の両側の歪みが互いに逆方向となり、ずり変形が発生する。これによって振動エネルギーが熱エネルギーに変換され、振動抑制効果が発生すると考えられる。この振動抑制効果を更に高めるためには、ずり変形による歪みを更に大きくすれば良いと考えられる。これが、本発明が解決しようとする課題である。
上記課題を解決するため、本発明の要旨は以下の構成からなる。
(1)電磁鋼板を積層することで作製される変圧器やリアクトルの鉄心で、積層された鋼板の複数枚ごとに振動抑制のための粘弾性樹脂層を設けた鉄心において、粘弾性樹脂層を挟んでいない鋼板間隙に、厚さ4μm以下の接着層を設けて隣接する鋼板同士を接着することを特徴とする、振動と騒音の低い変圧器およびリアクトル用鉄心。
図1では、粘弾性樹脂層と隣接する鋼板とが接着状態にあり、その他の部分は接着されていない。一般的に鉄心は固定のために外側から締め付けられており、鋼板同士は面圧がかかった状態となっている。従って鋼板同士が滑る力が加わった時にはある程度の摩擦力が発生するが、鉄心の振動が発生した場合は非特許文献1の結果から、鋼板同士は滑っていると考えられる。従って、図1に示す様に鋼板に発生する歪みは全ての鋼板で同じと考えられる。
一方、鋼板同士も接着した場合は図2に示す様に接着された鋼板グループが一体となって変形するため、曲げ変形の内側に位置する鋼板の内側寄りには最も大きな圧縮歪みが、外側に位置する鋼板の外側寄りには最も大きな引張歪みが発生する。このため、粘弾性樹脂層の両側に発生する歪みは、鋼板同士を接着しない場合の数倍になると考えられる。従って樹脂で発生する熱エネルギーが増加し、振動抑制効果も増加すると考えられる。
鋼板同士の接着層は、粘弾性樹脂層以外の鋼板間隙全てに設けられるため鉄心占積率への影響が大きく、接着層の厚さが大きいと鉄心の鉄部の磁束密度が上昇することになる。非特許文献2に示される様に、磁束密度の上昇は鉄心騒音を増加させるため、接着層の厚さには上限を設ける必要がある。この上限値をモデル鉄心を用いた実験から導き出した。図3がその結果で、接着層の厚みが変化した時の騒音の増加量を示す。騒音増加は1dB以下が望ましいと考えられるため、図3から接着層の厚さは4μm以下とすることが必要である。
「3相モデル変圧器における鉄心の振動解析(2)」、電気学会マグネティックス研究会資料、MAG−95−107、1995年 「静止器の騒音対策技術の現状とその動向」、電気学会技術報告第616号、1996年、p.31
粘弾性樹脂層の厚みは特許文献1で示すように30μm以下が望ましいと思われる。この樹脂シートを2枚の鋼板で挟んで固着させ、組鋼板としたシートを用いると鉄心積層時の作業効率が良い。
鉄心の積層作業は、接着層を設けた鋼板を決められた枚数だけ積層し、その後に上記の粘弾性樹脂層を挟んだ組鋼板を1枚積層する。この一連の作業を所定の鉄心積厚になるまで繰り返す。
接着層を設ける方法としては、接着剤を鉄心の積層作業時に鋼板に塗布しても良い。この時、適当な粘度の接着剤を選んで仕上がり後の接着層の厚さが4μm以下になるようにする必要がある。また、熱硬化性の接着剤を予め必要な鋼板全てに塗布しておき、積層完了後に鉄心を加熱して固着させる方法でも良い。この時にも接着層を4μm以下とすることが必要である。
また、特許文献2で示されている様に、鋼板の積層完了後に積層端面から接着剤を浸透させて固着させる方法でも良い。この時にも鋼板の間隙が4μm以下となるように鉄心を締め付けておくことが必要で、低粘度の浸透性の良い接着剤を用いることが必要である。
特開2003−77747号公報
接着剤で積層される鋼板の枚数は特に制限しないが、鋼板が非磁性体である粘弾性樹脂と置き換わることによる鋼板の磁束密度上昇で生じる騒音増加を問題ない程度に抑えるために3枚以上とするのが良く、また鋼板に対する粘弾性樹脂の体積比が低すぎると吸収エネルギーが少なくなり、振動抑制効果が得られないため、20枚以内とするのが好ましい。
実施例として、3相3脚積鉄心を実際に製作し、励磁状態での騒音を測定した。まず鋼板を積層したのみ(A)の鉄心騒音を測定した。次に鋼板2枚で30μmの粘弾性樹脂板を挟んで固着させたものが、通常の鋼板4枚ごとに1枚入るように構成した鉄心(B)で騒音を測定した。
最後に、前記鉄心の樹脂面以外に厚さ4μmの接着剤を塗り、直ぐに積層して製作した鉄心(C)の騒音を測定した。粘弾性樹脂としてはポリエステル樹脂、接着剤としてはエポキシ樹脂系のものを用いた。この最後の鉄心が本発明を適用したものである。励磁条件は1.5Tと1.7Tの50Hzとした。
結果を表1に示す。本発明を適用した鉄心では、粘弾性樹脂層を使用するのみの鉄心よりも2〜3dB騒音が低下しており、本発明の有効性が示されている。
Figure 2009224531
鋼板間に粘弾性樹脂層を設置した鉄心の断面図。 図1の鉄心で、樹脂層のない鋼板間を接着した鉄心の断面図。 鋼板間の接着材の厚さと鉄心騒音の関係を示す図。

Claims (1)

  1. 電磁鋼板を積層することで作製される変圧器やリアクトルの鉄心で、積層された鋼板の複数枚ごとに振動抑制のための粘弾性樹脂層を設けた鉄心において、粘弾性樹脂層を挟んでいない鋼板間隙に、厚さ4μm以下の接着層を設けて隣接する鋼板同士を接着することを特徴とする、振動と騒音の低い変圧器およびリアクトル用鉄心。
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