JP2009224321A - 有機elディスプレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】非表示領域が占める面積をより小さくすることができ、かつ、この狭額縁化の際に、有機EL素子に損傷を与えることがない配線方法を実現する。これにより、より額縁の小さい有機ELディスプレイを提供する。
【解決手段】透光性基板10上に、少なくとも発光層を含む有機層1を第1電極2および第2電極3により挟持してなる積層体4が配設され、透光性基板10と封止基板20とが接合されて封止されてなる有機ELディスプレイである。封止基板20の裏面に補助配線5を有し、補助配線5と、第1電極2または第2電極3とが、光硬化性の異方性導電膜6を介して電気的に接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は有機エレクトロルミネセンス(以下、「有機EL」と称する)ディスプレイに関し、詳しくは、高精細かつ視認性に優れ、多色表示可能な有機ELディスプレイ(以下、単に「ディスプレイ」とも称する)やカラー液晶表示器のバックライトその他の照明機器に好適に使用される有機ELディスプレイに関する。
有機ELディスプレイやカラー液晶表示器等の表示装置に適用される発光素子の一例として、有機化合物の薄膜積層構造を有する有機EL素子が知られている。有機EL素子は、薄膜の自発光型素子であり、低駆動電圧や高解像度、高視野角といった優れた特徴を有することから、その実用化に向けて様々な検討がなされている。
従来の有機EL素子は、陽極を形成したガラス基板の上に、ホール(正孔)注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層が順次形成され、さらに、電子注入層上に陰極が形成された構造を有する。このような有機EL素子においては、有機層部分を覆う、ガラス材料からなる凹部形状の封止ガラスを、ガラス基板に対し紫外線硬化性接着剤を介して気密的に配設する構造が知られている。このような有機ELパネルは、例えば、特許文献1に開示されている。
また、有機EL素子を配置して構成される表示パネルの実装構造としては、ガラス基板上にドライバICを実装したり、テープ上にドライバICを実装したTCP(Tape Carrier Package)パッケージを、ガラス基板上にACF(異方性導電膜,Anisotropic Conductive Film)実装するものが一般的に用いられている。特許文献2には、複数の配線をガラス基板の一辺側で取り出すことにより、実装後の状態においてパネルサイズを小型化することができる構造の一例が開示されている。
また、特許文献3には、反射面を含む電極、有機EL層および透明電極を含むEL素子を有し、透明電極に導電体を介して補助電極が接続されている発光装置が開示されている。さらに、特許文献4には、補助電極と、補助電極に接続され有機電界発光素子の電極と接続可能に対向する導通部と、補助電極に接続され封止部材の外面に露出する外部電極とを備え、有機電界発光素子の有機発光層を封止するために用いられる有機電界発光素子用封止部材が開示されている。
特開2002−8855号公報 特開平6−11721号公報 特開2002−33198号公報 特開2006−127916号公報
しかしながら、上記特許文献2のような従来の実装構成を採用した場合、配線電極がガラス基板上を長く引き回されることになり、有機EL素子の画素表示を行う部分に対して、その周辺の非表示領域(いわゆる、「額縁」部分)の占める面積が大きくならざるを得ない。
この点、特許文献3には、異方導電体を介して透明電極と補助電極とを接続することが開示されているが、形成方法については、フォトリソグラフィ、インクジェット法または印刷法の開示しかなされておらず、インクジェット法または印刷法については、詳細な形成方法の開示はない。異方導電体をフォトリソグラフィにより形成する場合、工程上200℃程度での焼成を要するため、有機EL素子を破壊してしまうものと考えられる。また、ACFを用いて導通を確保するためには加圧により両基板間で導電粒子を押し潰す必要があるが、この点についても特許文献3には何らの開示もない。さらに、特許文献4には、導通部の一例としてACFが挙げられているが、具体的な実施例の明示はなく、ACFの形成方法について何らの開示もない。したがって、特許文献4も特許文献3と同様に、有機EL素子を破壊することなくACFからなる導通部を設けることを示すものではない。したがって、従来の技術では、有機EL素子を損傷することなく、額縁の低減を図ることはできなかった。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、非表示領域が占める面積をより小さくすることができ、かつ、この狭額縁化の際に、有機EL素子に損傷を与えることがない配線方法を実現することにあり、これにより、より額縁の小さい有機ELディスプレイを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、封止基板の裏面に、第1電極または第2電極のうちの少なくとも一方に導通する補助配線を設けて、この補助配線パターンと有機EL素子から引き出される第1電極または第2電極の配線とを光硬化性ACFにより電気的に接続することで、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の有機ELディスプレイは、透光性基板上に、少なくとも発光層を含む有機層を第1電極および第2電極により挟持してなる積層体が配設され、該透光性基板と封止基板とが接合されて封止されてなる有機ELディスプレイにおいて、
前記封止基板の裏面に補助配線を有し、該補助配線と、前記第1電極または前記第2電極とが、光硬化性の異方性導電膜を介して電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本発明のディスプレイにおいては、前記透光性基板と前記封止基板とが、前記異方性導電膜と、両基板の周縁部に配設された外周封止部との2箇所で接合されているものとすることができる。
本発明によれば、上記構成としたことで、従来は有機EL素子の周辺に配置していた配線を封止基板の裏面に回すことにより、額縁の占める面積を低減することが可能となる。また、配線間の接続に光硬化性のACFを用いることから、接続時に有機EL素子に損傷を与えて特性劣化を生ずることがない。したがって、これにより、表示装置において非表示領域が占める面積をより小さくすることができ、かつ、この狭額縁化の際に有機EL素子に損傷を与えない配線方法を実現して、より額縁の小さい有機ELディスプレイを得ることが可能となった。
本発明の有機ELディスプレイの一構成例を示す模式的断面図である。 (a)は、図1中のB−B断面から有機層の方向を見た模式的平面図であり、(b)は、図2(a)中のC−C断面に沿う模式的断面図である。 図2(a)中のD−D断面に沿う模式的断面図である。
以下、本発明の好適実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の有機ELディスプレイの一好適例の模式的断面図を示す。図示するように、本発明の有機ELディスプレイは、透光性基板10上に、少なくとも発光層を含む有機層1を第1電極2および第2電極3により挟持してなる積層体4が配設され、透光性基板10と封止基板20とが接合されて封止されてなるものである。
本発明のディスプレイにおいては、封止基板20の裏面に補助配線5が配設されており、この補助配線5と、第1電極2または第2電極3、図示する例では第1電極2とが、光硬化性の異方性導電膜(ACF)6を介して電気的に接続されている。すなわちこの場合、第1電極2は、ACF6を介して補助配線5の接続部分5a、補助配線5に接続され、さらに、接続部分5b、ACF6を介して電極引き出し部2aに接続されている。なお、電極引き出し部2aには、図示しない駆動回路が接続される。
ACFとは、エポキシ樹脂やアクリル樹脂中に導電粒子を分散させてなるフィルム状の接着材である。このACFを電極配線間に適用した後、加圧、硬化させることで、ACF内に含まれる導電粒子が押し潰されて、その潰れた導電粒子の部分で電気的な接続が得られることになる。本発明においては、ACFのうちでも、光照射により硬化する光硬化性のACFを用いる。配線をACFにより接続する際、通常の熱硬化性ACFを用いると、熱硬化には180℃以上もの加熱が必要になるため、耐熱温度130℃程度の有機EL素子では、ACFの熱硬化時に損傷して特性劣化を生じることが予想される。これに対し、本発明に係る光硬化性ACFで接続を行うことで、有機EL素子に与えるダメージを回避することができる。
本発明に係る光硬化性ACFに用いる光硬化性樹脂としては、具体的には、(1)アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光重合開始剤とからなる組成物膜を光処理して、光ラジカルを発生させて重合させたもの、(2)ポリビニル桂皮酸エステルと増感剤とからなる組成物を光処理することにより二量化させて架橋したもの、(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物膜を光処理することによりナイトレンを発生させ、オレフィンと架橋させたもの、(4)エポキシ基を有するモノマーと光酸発生剤とからなる組成物膜を光処理することにより、酸(カチオン)を発生させて重合させたものなどが挙げられる。この中でも特に、(1)の光硬化性樹脂が、耐溶剤性等の信頼性の面でも好ましい。
また、光硬化性ACF中に含有させる導電粒子としては、ポリエチレン等の樹脂微粒子に金属めっきを施して導電性を付与したものなどを好適に用いることができる。その粒径は、例えば、1〜10μmである。
かかる光硬化性ACFは、透光性基板10上に上記積層体4を形成し、封止基板20の裏面に上記補助配線5を形成した後、一方の基板上の目的箇所に、一般に用いられる封止用接着剤と同様に、例えば、ディスペンサ等を用いて塗布することにより適用することができる。その後、両基板を重ねて加圧し、光硬化性ACFを押し潰した後、光照射することにより、両基板を貼り合わせることができる。この場合、図1に示すように、透光性基板10および封止基板20の周縁部に、封止用接着剤を同時に適用することで、これら基板間を、光硬化性ACF6と封止用接着剤を用いた外周封止部7との2箇所で接合させることができる。
図2(a)に、図1中のB−B断面から有機層の方向を見た模式的平面図を示す。図1は、図2(a)中のA−A断面に沿う断面図に相当する。また、図2(b)は、図2(a)中のC−C断面に沿う模式的断面図である。さらに、図3は、図2(a)中のD−D断面に沿う模式的断面図である。図1に示すように、この実施形態においては、第1電極2は有機層1の下部で分離されており、このうち電極引き出し部側の第1電極2は、図2、3に示すように、電極引き出し部2aに直接接続されている。一方、電極引き出し部とは反対側の第1電極2上にはACF6が形成されており、前述したように、この部分の第1電極2はACF6および接続部分5aを介して補助配線5に接続され、さらに、接続部分5bおよびACF6を介して電極引き出し部2aに接続されている。この場合、補助配線5に抵抗の小さい材料を用いることで、電極引き出し部2aとは反対側の第1電極2も、電極引き出し部2a側の第1電極の電位とほぼ等しくなる。なお、図2(a)に示すように、第2電極3も、外周封止部7の下から外部へ引き出されて駆動回路に接続されている。
本発明のディスプレイにおいては、光硬化性ACFを用いて補助配線と第1電極または第2電極とを電気的に接続する以外の点については特に制限されるものではなく、ディスプレイの具体的な層構成および各層の材質等については、常法に従い適宜構成することができる。
例えば、補助配線5の材質としては、Cu,Mo,Alなどの金属またはIZO、ITOなどの導電性酸化物が挙げられる。このうち、封止基板20上に形成した配線パターンと透光性基板10上の電極配線とを上記光硬化性ACFで接続する部分については、光を透過させるために、IZOなどの透明酸化物を用いることが必要である。
透光性基板10の材質としては、透光性基板10上に順次積層される層の形成時に用いられる種々の条件(例えば、使用される溶媒、温度等)に耐え得るものであれば特に限定されるものではない。好適には、寸法安定性に優れるものを用いる。好適な材質の例としては、ガラス基板、またはポリオレフィン、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂もしくはポリイミド樹脂で形成された剛直性の樹脂基板が挙げられる。また、他の好適な材質の例としては、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはポリイミド樹脂などで形成された可撓性フィルムが挙げられる。
本発明に係る有機層1は、発光部の中核をなす層である。有機層1は、上述したように、少なくとも発光層を含み、必要に応じて正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層および/または電子注入層を含む。有機層1には、例えば、下記のような層構成を採用することができる。
(1)有機発光層
(2)正孔注入層/有機発光層
(3)有機発光層/電子注入層
(4)正孔注入層/有機発光層/電子注入層
(5)正孔輸送層/有機発光層/電子注入層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層
(7)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
なお、上記(1)〜(7)の各構成においては、陽極として機能する電極が左側に接続され、陰極として機能する電極が右側に接続される。
このうち有機発光層の材料は、所望の色調に応じて選択することが可能である。例えば、青色から青緑色の発光を得るためには、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などを使用することができる。より具体的には、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)が挙げられる。また、種々の波長の発光を得るために、ホスト化合物(ジスチリルアリーレン化合物、4,4’−ビス[N−(3−トリル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(TPD)、アルミニウム錯体(例えば、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)など)にドーパントとしてペリレン、キナクリドン類、ルブレンなどを添加したものを使用することもできる。
また、ホスト化合物にドーパントを添加することによって、種々の波長域の光を発する有機発光層を形成することもできる。この場合、ホスト化合物としては、ジスチリルアリーレン系化合物、N,N’−ジトリル−N,N’−ジフェニルビフェニルアミン(TPD)、またはAlqなどを使用することができる。一方、ドーパントとしては、ペリレン(青紫色)、クマリン6(青色)、キナクリドン系化合物(青緑色〜緑色)、ルブレン(黄色)、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(DCM、赤色)、または白金オクタエチルポルフィリン錯体(PtOEP、赤色)などを使用することができる。
ホール(正孔)注入性ホスト材料としては、フタロシアニン類(銅フタロシアニンなど)またはインダンスレン系化合物、BAPP(N,N−ビス−(4’−ビフェニルアミノ−4−フェニル)−3−ペリニルアミン),BABP(N,N−ビス−(4’−ビフェニルアミノ−4−ビフェニル)−3−ペリニルアミン),CzPP(N,N−ビス−(N’−フェニルカルバゾール)−3−ペリニルアミン),CzBP(N,N−ビス−(4’−カルバゾール−4−ビフェニル)−3−ペリニルアミン)などの高分子ペリレン系材料などを用いることができる。さらに、注入性ホスト材料よりもキャリア移動特性に優れる材料としてホール輸送性材料を用いることができ、トリフェニルアミン誘導体(TPD)、N,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルビフェニルアミン(α−NPD)、4,4’,4”−トリス(N−3−トリル−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N,N’−テトラビフェニル−4,4’−ビフェニレンジアミン(TBPB)などのトリアリールアミン系材料を含む公知の材料を用いることができる。
電子輸送層および電子注入層の材料としては、特に限定されるものではなく、公知の材料を用いることができる。例えば、電子輸送層は、2−(4−ビフェニル)−5−(p−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD(チェック))のようなオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルキノキサリン類、アルミニウムのキノリノール錯体(例えば、Alq)などを使用して形成することができる。また、電子注入層は、Li,Ca,Cs,Mgなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属、あるいは、これら金属のフッ化物または酸化物などを使用して形成することができる。
なお、有機層1と第2電極3との間には、さらに電子注入効率を高めるためのバッファ層を任意選択的に形成することもできる(図示せず)。バッファ層としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属もしくはそれらの合金、または希土類金属もしくはそれらのフッ化物などの電子注入性材料を用いることができる。また、有機層1上には、第2電極3形成時のダメージを緩和するために、MgAg等からなるダメージ緩和層(図示せず)を形成することも好ましい。
第1電極2は、有機層1への電荷注入と、外部駆動回路との接続という機能を持つ。第1電極2が反射電極として機能する場合の望ましい材料としては、高反射率の金属(アルミニウム、銀、モリブデン、タングステン、ニッケル若しくはクロムなど)、またはアモルファス合金(NiP、NiB、CrP若しくはCrBなど)からなるものが挙げられる。第1電極2が透明電極として機能する場合の望ましい材料としては、SnO、In、In−Sn酸化物、In−Zn酸化物、ZnO、またはZn−Al酸化物などの導電性金属酸化物を用いることができる。
第2電極3は、反射電極として機能する場合および透明電極として機能する場合のいずれについても、第1電極2と同様の材料を用いて形成することができる。また、第2電極3の透過率は、有機層1からの発光を上方に取り出す機能を実効あるものとするため、波長400〜800nmの光に対して50%以上とすることが好ましく、同条件において85%以上とすることがより好ましい。
封止用接着剤7としては、例えば、エポキシ系等のUV(紫外線)硬化型接着剤などを用いることができる。この封止用接着剤7中には、透光性基板10と封止基板20との間の距離を補完するための要素、例えば、ガラスビーズなどのスペーサ粒子を含有させたものを用いてもよい。
封止基板20は、有機EL素子を外部から隔離して、有機EL素子の発光機能を実効あるものとするために用いられる。好ましい封止基板20としては、例えば、ガラス基板、SUS、Al等の金属封止基板、または、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂若しくはポリイミド樹脂で形成された剛直性の樹脂基板が挙げられる。また、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、またはポリイミド樹脂などで形成された可撓性フィルムも好適に用いられる。
また、第1電極2の下層には、通常、カラーフィルタ(CF)またはCF+色変換層(CCM)や平坦化層(OCL)等が積層される(図1中の符号8)。カラーフィルタは、所望の波長域の光のみを透過させる層である。カラーフィルタは、色変換層との積層構造をとる場合、色変換層によって波長分布変換された光の色純度を向上させることができる点で有効である。カラーフィルタとしては、例えば、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製のカラーモザイクなどの、市販の液晶用カラーフィルタ材料を用いたものが挙げられる。
光変換層は、色変換用の蛍光色素を含む層であり、マトリクス樹脂を含んでもよい。光変換層は、有機EL素子から出射された光に対して波長分布変換を行い、異なる波長域の光を放出するための層である。ここで、光変換層を構成する蛍光色素は、所望の波長域(例えば、赤色、緑色、または青色)の光を出射する色素である。
青色から青緑色領域の光を吸収して、赤色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えば、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、シアニン系色素、1−エチル−2−〔4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル〕−ピリジニウム−パークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も、蛍光性があれば使用することができる。
これに対し、青色ないし青緑色領域の光を吸収して、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えば3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2’−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
また、光変換層を構成するマトリクス樹脂としては、アクリル樹脂もしくは種々のシリコーンポリマー、またはそれらに代替可能なものであればいかなるものも使用することができる。例えば、ストレート型シリコーンポリマー、および変性樹脂型シリコーンポリマーを用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
(実施例1)
<有機EL基板>
透光性基板10としての厚さ0.7mmのガラス基板を、純水中で超音波洗浄し、乾燥させた後に、さらにUVオゾン洗浄した。この洗浄済ガラス基板に対して、スピンコート法を用いてカラーモザイクCK−7800(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を塗布し、フォトリソグラフ法を用いてパターニングを行って、幅0.03mm、膜厚1μmの複数のストライプ状部分がピッチ0.11mmで配列されているブラックマトリクスを形成した。
引き続いて、カラーモザイクCB−7001(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を塗布し、フォトリソグラフ法を用いてパターニングして、幅0.1mm、膜厚1μmの第1方向に延びる複数のストライプ状の部分がピッチ0.33mmで配置されている青色カラーフィルタ層を形成した。
次いで、クマリン6(0.9質量部)を溶剤としてのプロピレングリコールモノエチルアセテート(PGMEA)120質量部に溶解させた。これに、光重合性樹脂組成物としての「V259PA/P5」(新日鉄化学(株)製)100質量部を加えて溶解させ、塗布液を得た。この塗布液を、上記ガラス基板上にスピンコート法を用いて塗布し、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施して、幅0.1mm、膜厚5μmの第1方向に延びる複数のストライプ形状部分がピッチ0.33mmで配置されている緑色変換層を得た。
さらに、クマリン6(0.5質量部)、ローダミン6G(0.3質量部)およびベーシックバイオレット11(0.3質量部)に、「V259PA/P5」(新日鉄化学(株)製)100質量部を加えて溶解させ、塗布液を得た。この塗布液を、上記ガラス基板上にスピンコートを用いて塗布し、フォトリソグラフ法によりパターニングを実施して、幅0.1mm、膜厚5μmの第1方向に延びる複数のストライプ形状部分がピッチ0.33mmで配置されている赤色変換層を形成した。
上記のようにしてカラーフィルタ層および色変換層が形成されたガラス基板に対して、「V259PA/P5」を塗布し、高圧水銀灯の光を照射して、膜厚8μmの平坦化層を形成した。この際、カラーフィルタ層および色変換層のストライプ形状に変形は発生せず、かつ平坦化層の上面は平坦であった。
次いで、上記平坦化層の上に、スパッタ法にて、膜厚300nmのSiOx膜からなるパッシベーション層を形成した。スパッタ装置にはRF−プレーナマグネトロン、ターゲットにはSiを用いた。成膜時のスパッタガスには、Arと酸素との混合ガスを使用した。
次いで、上記パッシベーション層の上面に、スパッタ法にてIZOを全面成膜した。DCスパッタ装置を用い、圧力0.3PaのAr雰囲気中、ターゲットとしてIn−10%ZnOを用い、100Wの電力を印加した。この際の成膜速度は0.33nm/sであった。続いて、フォトリソグラフィー法にてパターニングを行い、さらに乾燥処理(150℃)およびUV処理(水銀灯、室温および150℃)を行って、それぞれの副画素に位置する、幅0.094mm、ピッチ0.11mm、膜厚100nmの第1方向に延びる複数のストライプ形状の部分電極からなる透明電極(陽極)を得た。
次いで、上記透明電極が形成されたガラス基板を抵抗加熱蒸着装置内に装着し、ホール注入層、ホール輸送層、発光層および電子輸送層からなる有機EL層を、真空を破らずに順次成膜した。成膜に際して、真空槽内圧は1×10−5Paまで減圧した。
ホール注入層としては、4,4’−トリス(3−メチルフェニルアミン)−トリフェニルアミン(m−NTDATA)とテトラフロロテトラシアノ−キノジメタン(F4−TCNQ)との共蒸着膜を、膜厚比がm−NTDATA:F4−TCNQ=100:2になるように、75nmにて成膜した。ホール輸送層としては、n,n’−ビス−(1−ナフチル)− n,n’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPB)を10nm積層し、発光層としては、DPVBiと4,4‘−ビス[2−{4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル}ビニル]ビフェニル(DPAVBi)と4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)との共蒸着膜を、100:3:0.15の膜厚比になるように、35nmにて積層した。続いて、電子輸送層としてのAlqを、膜厚20nmにて成膜した。
その後、真空を破ることなしに、上記第1方向と直交する第2方向に延びる幅0.3mm,ピッチ0.33mmのストライプパターンが得られるマスクを用いて、LiF(膜厚1nm)/Al(膜厚100nm)を堆積させ、複数のストライプ形状の部分電極からなる反射電極を形成した。
このようにして反射電極までを形成したガラス基板(有機EL基板)を、グローブボックス内乾燥窒素雰囲気(水分濃度10ppm以下)に移動させた。
<封止基板>
封止基板を、厚さ0.7mmの無アルカリガラス(日本電気硝子(株)製、OA−10)を用いて製作した。この封止基板上に、補助配線として、幅0.094mm、ピッチ0.11mm、厚さ1μmのCuパターンをスパッタで形成した。なお、有機EL基板の下部電極と接合させる部分についてはIZOを先に形成しておき、接合部以外の部分をCu配線とした。
次いで、配線パターンを形成した部位のガラスはそのままとし、それ以外の場所に、深さ0.3mmでザグリ加工を実施した。ザグリ溝の形成には、サンドブラスト加工を用いた。このザグリ溝の底部に、ディスペンサーシステムを用いてペースト状乾燥剤を塗布し、水分濃度10ppm以下の雰囲気中で加熱乾燥した後、自然冷却させた。
<封止>
上記で得られた封止基板を、水分濃度10ppm以下の雰囲気を保ったまま、貼り合わせ装置内の塗布ステージにセットした。この封止基板の補助配線上の、有機EL基板の下部電極と接合させる部分に、ACFとしての、樹脂微粒子(粒径φ10μm,ポリエチレン製)に金メッキを施した導電性微粒子を混入させた光硬化型接着剤(アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、5質量%の光重合開始剤とからなる組成物膜を光処理して、光ラジカルを発生させて重合させたもの)を、ディスペンサーシステムにより塗布した。次いで、封止基板の周縁部に、外周シール剤として、φ20μmのビーズの入った紫外線硬化型エポキシ系接着剤(ナガセケムラックス社製、XNR−5516)を塗布して、外周封止部を形成した。
その後、同装置内で有機EL基板と封止基板とを向かい合わせ、1kPaまで減圧して両基板を接触させ、大気圧に戻すことでACFおよび外周封止部を押し潰して、両基板を貼り合わせた。これを紫外線照射装置にセットして、ACFおよび外周封止部に紫外線を照射し、貼り合わせを完了した。
結果として得られた有機ELディスプレイは、非表示領域が小さく、かつ、有機EL素子の損傷もないものであった。
1 有機層
2 第1電極
2a 電極引き出し部
3 第2電極
4 積層体
5 補助配線
5a,5b 接続部分
6 光硬化性異方性導電膜(ACF)
7 外周封止部
10 透光性基板
20 封止基板

Claims (2)

  1. 透光性基板上に、少なくとも発光層を含む有機層を第1電極および第2電極により挟持してなる積層体が配設され、該透光性基板と封止基板とが接合されて封止されてなる有機ELディスプレイにおいて、
    前記封止基板の裏面に補助配線を有し、該補助配線と、前記第1電極または前記第2電極とが、光硬化性の異方性導電膜を介して電気的に接続されていることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  2. 前記透光性基板と前記封止基板とが、前記異方性導電膜と、両基板の周縁部に配設された外周封止部との2箇所で接合されている請求項1記載の有機ELディスプレイ。
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