JP2008159321A - 有機elディスプレイパネル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】引出し電極とマザー基板のプラグをつなぐリード線、プラグへの接触面積を大きくとることができ、接触抵抗の低減、断線などの不具合を減少させた有機ELディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】互いにつなぎ合わされて大型パネルを形成するための有機ELディスプレイパネルであって、表示部において第1電極と第2電極とこれらに挟持された有機発光層とを含んで基板上に形成された有機EL素子と、表示部において該有機EL素子を覆うように形成されたパッシベーション層と、前記パッシベーション層上からパッシベーション層外の基板上にまで延在するように形成されたリード線とを有し、前記第1電極及び第2電極はそれぞれ表示部から基板端部に伸びて基板端部で引出し電極を構成し、前記リード線と前記引出し電極とはパッシベーション層外の部分において積層され、前記リード線の引出し電極側とは反対側の先端部にバンプが形成されていることを特徴とする有機ELディスプレイパネル及びその製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のパネルをつなぎ合わせて大型化するための有機ELディスプレイパネル及びその製造方法に関する。
1987年にイーストマンコダック社のC.W.Tangにより2層構成のデバイスで高い効率の有機EL素子が発表されて以来、現在に至るまでに様々な有機EL素子が開発されて、携帯端末などに一部実用化され始めている。さらに、液晶に比べて視野角依存性が小さいことから大型パネルへの適用も検討されている。
また、有機EL素子は、多様化する社会のニーズに応えるべく、長期安定性および高速応答性を有し、多色表示または高精細なフルカラー表示が可能な有機ELディスプレイの実用化が急がれている。
カラー化の方法には、3色塗り分け法、色変換法(CCM法)、カラーフィルタ法などがある。これらの方式の中で、CCM法、カラーフィルタ法は、成膜時にメタルマスクを用いる必要がなく、色変換層やカラーフィルタはフォトプロセスを用いて基板上に作製すればよいため、大面積、高精細化に関して有利である。
また、有機EL素子を用いた表示装置にはパッシブマトリックス表示装置とアクティブマトリックス装置がある。前者は複数の陽極ラインと複数の陰極ラインが設けられ、陽極ラインと陰極ラインが交差した箇所(画素位置)に発光層が形成されており、各画素は1フレーム期間中、選択された時間だけ点灯する。構造が単純であり、製造コストは低く、安価に提供できる。しかし、画素が多くなると選択時間が短くなるので、駆動電圧を高くし、瞬間輝度を高くする必要がある。また、有機EL素子は電流駆動であるため、大画面になると配線抵抗による電圧降下が大きく、駆動電圧を高くする必要が生じる。
一方、アクティブマトリックス表示装置は各画素にTFTのスイッチング素子が接続されているため、1フレーム期間中点灯し続けていることができる。そのため瞬間輝度を高くする必要がないので、電流を抑えることができ、ひいては寿命を延ばすことができる。しかし、TFTを用いることから製造コストが高くなるという問題がある。
以上のことから、大型パネルを安価に製造するには、小型のパッシブマトリックスパネルをつなぎ合わせる方式を採用することが好ましい。
小型の表示パネルをつなぎ合わせて大型のパネルとする場合、小型表示パネルの外周側に駆動回路基板が設けられている場合、この駆動回路の領域が画面を表示できない非表示領域となってしまい、画質の低下を招いてしまう。また、駆動回路と小型表示パネルの接続は、通常、フレキシブル配線板などによって電気的に接続されているが、この配線にマイグレーションが生じ、断線などが生じるという問題が発生する。
また、駆動回路基板を表示パネルに実装した表示装置の場合は、駆動基板にバンプが設けられ、このバンプと表示パネルを電気的に接続している。このような表示装置として、電極と表示材料を積層した構造を有する表示パネルと、前記表示パネルの電極と電気的に接続するバンプを有し、前記表示パネルの駆動制御を行う配線基板を紫外線硬化型接着剤で接着した表示装置の提案がある(例えば、特許文献1参照。)。この提案ではそれぞれ複数のストライプからなる複数の陰極と陽極のそれぞれ端部近傍にスルーホールを設け、このスルーホールと電極端部を接続するようにバンプを設け、これらのバンプはスルーホール及び配線パターンを介して駆動制御部に接続されている。
また、有機EL表示体の表示部と反対側の基板全面にパッシベーション層を設け、該パッシベーション層上に第1の配線と第2の配線が形成し、有機EL表示体の第1及び第2の電極と上記第1と第2の配線はスルーホールで接続され、これらのスルーホールが基板の端部に設けられている表示体の提案もある(例えば、特許文献2参照。)。この提案では、駆動用半導体素子はパッシベーション層上に設けられている。
特開2002−207436号公報 特開2004−355998号公報
小型の表示パネルをつなぎ合わせて大型のパネルとする場合、小型パネル端部から電極取り出し部を設けるため小型パネル間のつなぎ目を大きくすると、パネルの境界が目立つという不具合が生じる。このため、小型パネルは、配線が必要な周辺領域を縮小化した狭額縁パネルにしなければならず、縮小された周辺領域で電極を配線しなければならないという課題がある。
特許文献1の表示装置は小型パネル端部の電極上にバンプを形成しており、電極数が多くなるとそれだけバンプが小さくなるため、接触抵抗が増加し、また、断線などの不具合が生じやすくなる。
また、特許文献2の有機EL表示体もパッシベーション層上に設けられた駆動用素子と表示体の第1、第2電極の端部をスルーホール及び第1、第2の配線で接続しており、スルーホールと電極端部の接続は、スルーホール部及びその近傍にスポッティングすることで行っているため、電極数が多くなると接続面積が小さくなり接続抵抗が増加するという上記と同様の問題点を有している。
本発明者らはこのような状況に鑑み、引出し電極とマザー基板のプラグをつなぐリード線、プラグへの接触面積を大きくとることができ、接触抵抗の低減、断線などの不具合を減少させ、歩留まりを向上させた有機ELディスプレイパネルを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の有機ELディスプレイパネルは、互いにつなぎ合わされて大型パネルを形成するための有機ELディスプレイパネルであって、前記有機ELディスプレイパネルは、基板上に形成された表示部と、表示部において第1電極と第2電極とこれらに挟持された有機発光層とを含んで形成された有機EL素子と、表示部において該有機EL素子を覆うように形成されたパッシベーション層と、前記パッシベーション層上からパッシベーション層外の基板上にまで延在するように形成されたリード線とを有し、前記第1電極及び第2電極はそれぞれ表示部から基板端部に伸びて基板端部で引出し電極を構成し、前記リード線と前記引出し電極とはパッシベーション層外の部分において積層され、前記リード線の引出し電極側とは反対側の先端部にバンプが形成されていることを特徴とする。
また、本発明の有機ELディスプレイパネルの製造方法は、表示部において基板上に色変換フィルタ層を形成する色変換フィルタ層形成工程、表示部から基板端部に伸びて基板端部で引出し電極を構成する電極を含め、色変換フィルタ層上に有機EL素子を形成する有機EL素子形成工程、基板上の表示部背面を含み引出し電極部以外の部分にパッシベーション層を形成するパッシベーション層形成工程、リード線をパッシベーション層上からパッシベーション層外の基板上にまで延在するように、かつリード線と前記引出し電極とはパッシベーション層外の部分において積層するように形成し、引出し電極側とは反対側の先端部にバンプを形成するリード線形成工程を少なくとも有することを特徴とする。
本発明によれば、引出し電極とマザー基板のプラグをつなぐリード線の引出し電極、プラグへの接触面積を大きくとることが可能となり、周辺部の狭い、いわゆる狭額縁有機ELディスプレイパネルであっても、接触抵抗の低減、断線などの不具合を減少させることができ、また、有機ELディスプレイパネル製造の歩留まりを向上させることができる。
以下に、本発明を、図面を参照しつつ説明する。
本発明はトップエミッション型の有機EL素子に対しても適用が可能であるが、ボトムエミッション型の色変換方式の有機ELディスプレイを用いて説明する。
図1は本発明のボトムエミッション方式の有機ELディスプレイパネルの1実施形態を示す断面概略図であり、図2は引出し電極及びリード線の配置例を示す図である。
図1に示す本発明の有機ELディスプレイパネルにおいては、基板1上に表示部が形成されている。
表示部は、通電により、有機発光層8から出た光を色変換フィルタ層2で変換して所定の色を基板1側から発する画素表示部であって、表示部には、基板1上に形成された色変換フィルタ層2、色変換フィルタ層2を覆って平坦化するためのオーバーコート層3、オーバーコート層3に残留する水分の拡散を防止するバリア層4、その上に形成された複数のストライプからなる第1電極5、表示部の短絡リークを防ぐために第1電極5上に格子状に形成された絶縁層6、格子状絶縁層6の開口部に形成された有機発光層8、第1電極のストライプと直交する方向に伸びる複数のストライプからなる第2電極9が少なくとも形成されている。すなわち、表示部において、有機発光層8は第1電極5と第2電極9に挟持され、有機EL素子を形成している。ここで、色変換フィルタ層は、カラーフィルタ層、色変換層、およびカラーフィルタ層と色変換層との積層体の総称である。
基板1は、色変換フィルタ層によって変換された光に対して透明であることが必要である。また、基板1は、色変換フィルタ層およびブラックマスクの形成に用いられる条件(溶媒、温度等)に耐えるものであるべきであり、さらに寸法安定性に優れていることが好ましい。基板1は、波長400〜800nmの光に対して50%以上の透過率を有することが好ましい。基板1の材料として好ましいものは、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等の樹脂を含む。ホウケイ酸ガラスまたは青板ガラス等が特に好ましいものである。基板1としてガラス基板を用いる場合は、剛性を保ち、切れ目を入れることから、その厚さは0.3〜1.0mmであることが好ましい。
色変換フィルタ層2における色変換層は、色変換色素とマトリクス樹脂からなる層である。色変換色素は、入射光の波長分布変換を行って、異なる波長域の光を放射する色素であり、好ましくは有機発光層からの近紫外光または青色〜青緑色の光の波長分布変換を行って、所望の波長域の光(たとえば、青色、緑色または赤色)を放射する色素である。
色変換色素は、発光体から発せられる近紫外領域ないし可視領域の光、特に青色ないし青緑色領域の光を吸収して異なる波長の可視光を蛍光として発光するものである。好ましくは、少なくとも赤色領域の蛍光を発する蛍光色素の1種類以上を用い、さらに緑色領域の蛍光を発する蛍光色素の1種類以上と組み合わせてもよい。
カラーフィルタ層は、当該技術において知られている任意の色素をマトリクス樹脂に分散した材料(たとえば、液晶ディスプレイ用カラーフィルタ材料)を用いて形成することができる。フルカラー表示を可能にするためには、少なくとも青色(B)変換フィルタ層、緑色(G)変換フィルタ層および赤色(R)変換フィルタ層を有することが望ましい。
赤色変換フィルタ層は、赤色変換層と赤色カラーフィルタ層との積層体であることが好ましい。これは、光源として青色ないし青緑色領域の光を発光する有機EL層110を用いる場合、有機発光層8からの光を単なる赤色フィルタに通して赤色領域の光を得ようとすると、元々赤色領域の波長の光が少ないために極めて暗い出力光になってしまうからである。赤色変換層によって青色ないし青緑色領域の光を赤色光へと波長分布変換することにより、十分な強度を有する赤色領域の光の出力が可能となる。
緑色変換フィルタ層は、緑色変換層と緑色カラーフィルタ層との積層体であることが好ましい。ただし、有機発光層8が発する光が充分な強度の緑色成分を含有する場合、緑色カラーフィルタ層のみを用いてもよい。
青色変換フィルタ層は、有機発光層8が発する近紫外光または青緑色光の波長分布変換を行って青色光を出力する青色変換層と、青色カラーフィルタ層とを含んでもよい。ただし、有機発光層8が青色から青緑色の光を発する場合、青色カラーフィルタ層のみを用いることが好ましい。
赤、緑、青の各色の色変換フィルタ層は、有機発光層8からの光をそれぞれの色に効率よく変換するために、12μm程度の厚さであることが好ましい。
発光体から発せられる青色から青緑色領域の光を吸収して、赤色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えばローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、シアニン系色素、1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウムパークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
発光体から発せられる青色ないし青緑色領域の光を吸収して、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えば3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン7)、3−(2’−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
なお、色変換色素を、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂およびこれらの樹脂混合物などに予め練り込んで顔料化して、有機色変換顔料としてもよい。また、これらの色変換色素や有機色変換顔料(本明細書中で、前記2つを合わせて色変換色素と総称する)は単独で用いてもよく、蛍光の色相を調整するために2種以上を組み合わせて用いてもよい。
色変換層に用いられるマトリクス樹脂は、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂(レジスト)を光および/または熱処理して、ラジカル種またはイオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させたものである。また、色変換層のパターニングを行うために、該光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は、未露光の状態において有機溶媒またはアルカリ溶液に可溶性であることが望ましい。
具体的には、マトリクス樹脂は、(1)アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光または熱重合開始剤とからなる組成物膜を光または熱処理して、光ラジカルまたは熱ラジカルを発生させて重合させたもの、(2)ボリビニル桂皮酸エステルと増感剤とからなる組成物を光または熱処理により二量化させて架橋したもの、(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物膜を光または熱処理してナイトレンを発生させ、オレフィンと架橋させたもの、および(4)エポキシ基を有するモノマーと酸発生剤とからなる組成物膜を光または熱処理により、酸(カチオン)を発生させて重合させたものなどを含む。特に、(1)のアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと光または熱重合開始剤とからなる組成物を重合させたものが好ましい。なぜなら、該組成物は高精細なパターニングが可能であり、および重合した後は耐溶剤性、耐熱性等の信頼性が高いからである。
ここで用いることができる光重合開始剤、増感剤および酸発生剤は、含まれる蛍光変換色素が吸収しない波長の光によって重合を開始させるものであることが好ましい。本発明の蛍光変換フィルタ層において、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂中の樹脂自身が光または熱により重合することが可能である場合には、光重合開始剤および熱重合開始剤を添加しないことも可能である。
各色に対応する色変換フィルタ層の間の領域には、ブラックマトリックスを形成することが好ましい。ブラックマトリックスを設けることによって、隣接するサブピクセルの色変換フィルタ層への光の漏れを防止して、にじみのない所望される蛍光変換色のみを得ることが可能となる。
色変換フィルタ層2の上には色変換フィルタ層2を覆うようにオーバーコート層3を設けることが好ましい。オーバーコート層3は、色変換フィルタ層2の機能を損なうことなく形成することができ、かつ適度な弾力性を有する材料から形成する。好ましい材料は、表面硬度が鉛筆硬度2H以上であり、0.3MPa以上のヤング率を有し、色変換フィルタ層上に平滑な塗膜を形成することができ、色変換フィルタ層2の機能を低下させないポリマー材料である。より好ましくは、該材料は、可視域における透明性が高く(400〜800nmの範囲で透過率50%以上)、電気絶縁性を有し、水分、酸素および低分子成分に対するバリア性を有するポリマー材料である。オーバーコート層3は、任意選択の層であるが、上記目的のために設けることが好ましい層である。
そのようなポリマー材料の例は、イミド変性シリコーン樹脂、無機金属化合物(TiO、Al、SiO等)をアクリル、ポリイミド、シリコーン樹脂等の中に分散した材料、アクリレートモノマー/オリゴマー/ポリマーの反応性ビニル基を有した樹脂、レジスト樹脂、フッ素系樹脂、または高い熱伝導率を有するメソゲン構造を有するエポキシ樹脂などの光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂を挙げることができる。
オーバーコート層3の上に形成されるバリア層4は、優れた水分・酸素遮断性を有し、したがってオーバーコート層3、色変換フィルタ層2からの水分および酸素の透過を防止するための層である。有機EL素子からの光を色変換フィルタ層へと透過させるため、バリア層3は、可視域における透明性が高く(400〜800nmの範囲で透過率50%以上)を有することが好ましい。またバリア層4上に電気的に独立した複数の部分からなる第1電極5を形成する必要があるため、バリア層4は少なくともその上面において電気絶縁性を有することが要求される。また、好ましくは、バリア層4は、鉛筆硬度2H以上の膜硬度を有することが好ましい。
バリア層4は酸化物、窒化物、炭化物、酸窒化物などの無機膜により構成される。また、バリア層4は前記化合物の積層物や混合物であってもよい。その具体例としては酸化珪素、窒化珪素などを挙げることができる。バリア層4は、図1に示すようにオーバーコート層3を完全に覆うように構成されることが好ましい。こうすることによってバリア層4形成後にオーバーコート層3が大気に触れ、水蒸気等のガスを吸着することを防ぐことができ、有機EL素子作成後のバリア層4自体からの脱ガスを防ぐことができる。
また、バリア層4が無機膜からなるので、水分及び酸素の捕捉性が向上し、色変換フィルタ層2から有機EL素子への水分及び酸素の移行を防止することが可能となる。
表示部においては、バリア層4の上に有機EL素子が形成されている。有機EL素子は表示部において、少なくとも一対の電極(第1電極と第2電極)の間に有機発光層8を把持したものであり、必要に応じて正孔輸送層、正孔注入層および/または電子注入層を介在させた構造を有している。これらの各層は、それぞれにおいて所望される特性を実現するのに充分な膜厚を有している。たとえば、下記のような層構成からなるものが採用される。
(1)第1電極/有機発光層/第2電極
(2)第1電極/正孔注入層/有機発光層/第2電極
(3)第1電極/有機発光層/電子注入層/第2電極
(4)第1電極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/第2電極
(5)第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/第2電極
第1電極5は複数のストライプからなり、第2電極9は、第1電極のストライプと直交する方向に伸びる複数のストライプからなる。第1電極5は、ITO(In−Sn酸化物)、NESA膜、Sn酸化物、In酸化物、IZO(In−Zn酸化物)、Zn酸化物、Zn−Al酸化物、Zn−Ga酸化物、またはこれらの酸化物に対してF、Sbなどのドーパントを添加した導電性透明金属酸化物を用いて形成することができる。
第1電極5の各ストライプは基板を横断するように形成され、一方の基板端部において引出し電極16を構成している。また、第2電極9の各ストライプも基板を横断するように形成され、一方の基板端部において引出し電極17を構成している。すなわち、第1電極及び第2電極はそれぞれ表示部から基板端部に伸びて基板端部で引出し電極を構成している。
有機発光層の材料としては、任意の公知の材料を用いることができる。たとえば、青色から青緑色の発光を得るためには、例えば縮合芳香環化合物、環集合化合物、金属錯体(Alqのようなアルミニウム錯体など)、スチリルベンゼン系化合物(4,4’−ビス(ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)など)、ポルフィリン系化合物、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、べンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、芳香族ジメチリディン系化合物などの材料が好ましく使用される。あるいはまた、ホスト化合物にドーパントを添加することによって、種々の波長域の光を発する有機発光層を形成してもよい。ホスト化合物としては、ジスチリルアリーレン系化合物(たとえば出光興産製IDE−120など)、N,N’−ジトリル−N,N’−ジフェニルビフェニルアミン(TPD)、アルミニウムトリス(8−キノリノラート)(Alq)等を用いることができる。ドーパントとしては、ペリレン(青紫色)、クマリン6(青色)、キナクリドン系化合物(青緑色〜緑色)、ルブレン(黄色)、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(DCM、赤色)、白金オクタエチルポルフィリン錯体(PtOEP、赤色)などを用いることができる。
正孔注入層の材料としては、Pc類(CuPcなどを含む)またはインダンスレン系化合物などを用いることができる。正孔輸送層は、トリアリールアミン部分構造、カルバゾール部分構造、オキサジアゾール部分構造を有する材料を用いて形成することができる。用いることができる材料は、好ましくは、TPD、α−NPD、MTDAPB(o−,m−,p−)、m−MTDATAなどを含む。
電子注入層の材料としては、Alqのようなアルミニウム錯体、あるいはアルカリ金属ないしアルカリ土類金属をドープしたアルミニウムのキノリノール錯体などを用いることができる。
以上のように形成される第2電極9以下の各層を覆うパッシベーション層10が設けられる。なお、このパッシベーション層10は、第1電極及び第2電極の引出し電極の上には形成されていない。また、パッシベーション層10の引出し電極側の端部近傍では、引出し電極から離れるにつれて厚みが厚くなるように傾斜が形成されていることが好ましい。パッシベーション層10は、外部環境からの酸素、低分子成分および水分の透過を防止し、それらによる有機EL素子の機能低下を防止することに有効である。パッシベーション層10は、は、有機発光層8の発光を色変換フィルタ層2へと透過させるために、その発光波長域において透明であることが好ましい。
これらの要請を満たすために、パッシベーション層10は、可視域における透明性が高く(400〜800nmの範囲で透過率50%以上)、電気絶縁性を有し、水分、酸素および低分子成分に対するバリア性を有し、好ましくは鉛筆硬度2H以上の膜硬度を有する材料で形成される。例えば、SiO、SiN、SiN、AlO、TiO、TaO、ZnO等の無機酸化物、無機窒化物等の材料を使用できる。
また、パッシベーション層として種々のポリマー材料を用いることができる。イミド変性シリコーン樹脂、無機金属化合物(TiO、Al、SiO等)をアクリル、ポリイミド、シリコーン樹脂等の中に分散した材料、アクリレートモノマー/オリゴマー/ポリマーの反応性ビニル基を有した樹脂、レジスト樹脂、フッ素系樹脂、または高い熱伝導率を有するメソゲン構造を有するエポキシ樹脂などの光硬化性樹脂および/または熱硬化性樹脂を挙げることができる。
図2に示すように、パッシベーション層10上には、そこからパッシベーション層外の基板1上にまで延在するように形成されたリード線11が設けられている。このリード線11は、パッシベーション層外の部分において第1電極5の引出し電極16と積層されている。この積層により、第1電極とリード線の接触面積は従来の点接触に比べ格段に大きくなっており、接触抵抗を大幅に低減させることができる。リード線11はそれぞれの引出し電極16に対応に対応して引出し電極16の数だけ設けられている。
パッシベーション層10上にあるリード線の長さは図2に示すように、隣接するリード線の長さが互いに異なっており、長短、長短の繰り返しとなっている。これにより、隣り合うリード線同士の短絡の危険性を低減させることができる。
リード線11の引出し電極側と反対側の端には、バンプ12が形成されており、バンプ12の厚みはリード線11の厚みより厚くなっている。これにより、このリード線11が設けられている基板1とマザーボード15のプラグ13を接続するためにマザーボード15を基板1に圧着したとき、プラグ13はバンプ12にのみ接触し、リード線本体に接触することがない。したがって、リード線同士がプラグを介して接続することがなく、したがって、目的とする画素以外の画素が光ることがない。このリード線は印刷法により形成できる。
マザーボード15はパネルを保持及び補強するためと、基板に設けられた電極を介してに設けられるもので、図1では1画素分を示した基板とマザーボードの一部を示しているが、図2の第1電極の引出し電極の数、第2電極の引出し電極の数から推測されるように、画素は第1電極と第2電極の交差する部分に設けられているので、基板は多数の画素を有している。また、マザーボードは大型のパネルを形成するため、その上に多数のパネルを搭載する。
このマザーボード15はリード線11のバンプ12に対応する位置にコンタクトホール14が設けられ、コンタクトホール位置のマザーボード両面に、互いに電気的に接続したプラグ13が設けられている。マザーボードの基板と反対側の面のプラグは駆動ICに接続されている。
次に、本発明の有機ELディスプレイパネルの製造方法につき説明する。
このパネルを1つずつ作ることも可能であるが、生産性向上のため、図3上部に示すように大型の基板1に複数個の小型パネルを形成し、パッシベーション層による封止後に切断し、リード線を形成した後に再度マザーボード15とユニット化して、図3下部に示すように複数のパネルをつなぎ合わせて大型パネルを製造する。
まず、基板上に、有機EL素子を形成する。有機EL素子を形成するに当たって、基板上にブラックマトリックスをフォトプロセスで格子状に形成した後、その上に赤(R)、緑(G)、青(B)の3色を発光させるための3種の色変換フィルタ層をフォトプロセスで形成する。
色変換フィルタ層2は、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂、色変換色素および添加剤を含有する溶液または分散液を、スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法などを用いて基板1上に塗布して樹脂の層を形成し、そして所望される部分の光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂を露光することにより重合させて形成される。所望される部分に露光を行って光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂を不溶化させた後に、パターニングを行う。該パターニングは、未露光部分の樹脂を溶解または分散させる有機溶媒またはアルカリ溶液を用いて、未露光部分の樹脂を除去するなどの慣用の方法によって実施することができる。
次に、色変換フィルタ層2が形成された基板1上にオーバーコート層を形成しその上にバリア層を形成することが好ましい。オーバーコート層を形成する方法には、特に制限はなく、たとえば、乾式法(スパッタ法、蒸着法、CVD法など)、あるいは湿式法(スピンコート法、ロールコート法、キャスト法など)のような慣用の手法により形成することができる。バリア層として無機膜を形成する場合は、この無機膜は、蒸着法、スパッタ法(反応性スパッタ法を含む)、化学気相堆積(CVD)法を用いて形成することができる。特に酸化物の膜を形成する場合、密着性、膜厚の均質性および生産性の観点から、スパッタ法(反応性スパッタ法を含む)を用いることが好ましい。
こうして得られた色変換フィルタを搭載した基板の上に少なくとも第1電極、有機EL層および第2電極を順次積層することで有機EL素子を形成する。
第1電極は蒸着法、スパッタ法(反応性スパッタ法を含む)または化学気相堆積(CVD)法を用いて形成することができ、好ましくはスパッタ法(反応性スパッタ法を含む)を用いて形成する。
第1電極5は基板を横断するように形成された複数のストライプからなるように形成し、一方の基板端部において引出し電極16を構成する。
次に、表示部の短絡リークを防ぐための絶縁層(SM1)6をブラックマトリックス上に格子状に形成する。そして、この絶縁層6の上に陰極分離壁7を形成することが好ましい。陰極分離壁7にはアクリル系やノボラック樹脂などのフォトレジストを用い、フォトプロセスとエッチングにより第1電極のストライプと直交するようなライン状のパターンを形成する。陰極分離壁7は逆テーパー形状を有しており、陰極(第2電極)のパターニング機能を持つ。すなわち、隣接する陰極分離壁の間に第2電極を形成するために、陰極分離壁の上部及び隣接する陰極分離壁の間に導電体層を形成したときに、陰極分離壁の逆テーパー形状のため、陰極分離壁の上部に設けられた導電体層と陰極分離壁の間の導電体層は電気的に接続することなく、隣接する陰極分離壁の間にストライプ状の第2電極のパターンが形成される。
所望の形状を与えるマスクを用いて複数の部分電極からなる反射電極を形成してもよい。この場合は陰極分離壁を設ける必要はなくなる。
第1電極5が形成され、絶縁層6、陰極分離壁7が形成された基板上に少なくとも有機発光層を含む層を形成する。
正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層の各層は、蒸着により形成することができる。
これらの層が形成された基板のうえに第2電極を形成する。第2電極9も基板を横断するように形成された複数のストライプからなるように形成し、一方の基板端部において引出し電極17を構成する。第2電極は、用いる材料に依存して、蒸着(抵抗加熱または電子ビーム加熱)、スパッタ、イオンプレーティング、レーザーアブレーションなどの当該技術において知られている任意の手段を用いて形成することができる。
こうして形成された有機EL素子が形成された基板上に、パッシベーション層10を形成する。パッシベーション層は第1電極の引出し電極16と第2電極の引出し電極17以外の部分を覆うように形成する。パッシベーション層10の形成方法としては特に制約はない。パッシベーション層が無機化合物からなる場合は、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法、ディップ法、ゾル−ゲル法等の慣用の手法により形成できる。また、パッシベーション層がポリマー材料からなる場合も、その形成法は特に制限はなく、たとえば、乾式法(スパッタ法、蒸着法、CVD法など)、あるいは湿式法(スピンコート法、ロールコート法、キャスト法など)のような慣用の手法により形成することができる。パッシベーション層の厚みは最も厚い部分で5〜10μmであることが好ましい。
この段階でダイヤモンドカッター、超硬ホイールカッターもしくはレーザーカッターを用いて、大型の基板1の分割する所定の位置に切れ目を入れて切断する。
次に、リード線をパッシベーション層上からパッシベーション層外の基板上にまで延在するように、かつリード線と前記引出し電極とはパッシベーション層外の部分において積層するように形成する。リード線は、導電性ペーストを用いて印刷により形成することが好ましい。印刷法としては、インクジェット法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。
リード線の引出し電極側とは反対側の先端部にはリード線の他の部分より厚みのあるバンプを形成する。このバンプは、例えば重ね印刷をすることにより形成できる。この重ね印刷は、所定の厚みになるまで繰り返し行えばよい。
こうしてリード線が印刷された小型パネルとマザーボード15を接着する。マザーボードにはコンタクトホールを通して背面に配置された駆動ICと電気的に接続されたプラグ13が設けられており、このマザーボードのプラグと、対応するリード線11のバンプ12の位置を合わせるようにして貼り合わせ、電気的に導通させる。この導通を良好なものとするためには、プラグ13も導電性インクを用いた印刷で形成し、上述のように貼り合わせた状態で焼成することが好ましい。リード線及びバンプとプラグの形成を印刷で行い、マザーボードと小型パネルの貼り合わせ後に焼成を行えば、工数を低減することができるという利点もある。
以下に実施例を用いて本発明をさらに説明する。
<実施例1>
厚さ0.8mmのガラス基板に、8ライン×16画素の小型パネルを複数個形成することとした。画素は赤、緑、青の3種の色変換層に対応する3サブピクセルで1画素になるようにした。
ガラス基板上に低反射クロムを蒸着した後、フォトプロセスによりブラックマトリックスを格子状に形成した。ついで、赤、緑、青の色変換フィルタ層を厚さ12μmで形成した。ついで、色変換層フィルタ形成でできた溝を埋めて平坦化するため、アクリル系レジスト材料(東京応化製、NN810)をスピンコートし、フォトプロセスにより色変換フィルタ層およびブラックマスクを覆うオーバーコート層を形成し、その上にCVD法で窒化珪素を厚さ1μm形成してバリア層とした。
こうして形成したバリア層の上にIZO(In-Zn酸化物)をスパッタ法により室温成膜し、フォトプロセスでパターニングして、第1電極を形成した。この第1電極は複数のストライプからなり、各ストライプは基板を横断するように形成され、一方の基板端部において引出し電極16を構成するようにした。
次に、表示部の短絡リークを防ぐためにフェノール系ポジレジストJEM700(JSR製)を用いてブラックマトリックス上に絶縁層を格子状に形成し、その絶縁膜上にノボラック樹脂を用い、フォトプロセスで第1電極のストライプに直交する逆テーパー状の陰極分離壁を形成した。
こうして得られた基板にエキシマランプを用いてUV/オゾン処理を行った。IZO表面にUV/オゾン処理を行うことにより、IZO上のレジスト残渣が分解除去され、仕事関数が5.1eV程度に深くなった。
次いで、第1電極を形成した基板を抵抗加熱蒸着装置内に装着し、正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層の4層からなる有機EL層を、真空を破らずに順次成膜した。成膜に際して、真空槽内圧を1×10-4Paまで減圧した。正孔注入層として、膜厚100nmの銅フタロシアニン(CuPc)を、正孔輸送層として、膜厚20nmの4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を、有機発光層として、膜厚30nmの4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を、そして電子注入層として、膜厚20nmのトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体(Alq)を積層した。
ついでこの上に陰極(第2電極)としてアルミニウムを蒸着した。陰極分離壁が逆テーパー状となっているため、隣り合う陰極分離壁の間にストライプ状に形成された第2電極は隣り合うストライプが短絡することはない。このストライプも第1電極のストライプと同様、基板を横断するように形成され、一方の基板端部において引出し電極17を構成するようにした。
次に、パッシベーション層として、引出し電極部16,17をメタルマスクで覆った後、CVD法により、厚さ10μmの窒化ケイ素膜を形成した。
次いで、基板の分割する位置にダイヤモンドカッターを用いて切れ目を入れ、個々の小型パネルに分割した。分割に伴い発生したガラスくずを除去するため、3分間超音波洗浄した後、流水で3分洗浄し、IPA蒸気乾燥により乾燥させた。
次に、導電性インクとしてAgナノ粒子を分散させた粘度5cPのナノメタルインクを用い圧電素子駆動のインクジェットでリード線を印刷した。この導電性インクは、120℃で焼成でき、焼成後、約3μΩ・cmの比抵抗を示す。用いたインクジェットヘッドはノズル径50μmで、ノズル数128のもので、1ドットあたり50〜80pL印刷でき、印刷ドット径は約Φ100μmであった。
このリード線は、パッシベーション層上からパッシベーション層外の基板上にまで延在するように幅600μm、厚さ5μmとなるように形成し、パッシベーション層外の部分において第1電極の引出し電極と重なり合って、積層状態となるように形成した。パッシベーション層上にあるリード線の長さは図2に示すように、隣接するリード線の長さが互いに異なっており、長短、長短の繰り返しとなるようにした。リード線の全長は長い方を6mm、短い方を3mmとした。リード線のパッシベーション層上の先端の、マザーボードのプラグと接触する部分には重ね印刷を行い、厚さ30μmのバンプを形成した。
次いで、このリード線を形成した小型パネルと、別途準備した背面に駆動ICを有し、この駆動ICとコンタクトホールを通して電気的に接続するように導電性インクで形成されたプラグを有するマザーボードとを、前記プラグと前記バンプが接触するように貼り合わせ、120℃で60分焼成した。この導電性インクは焼成により、約3μΩ・cmの比抵抗を示した。これにより、駆動ICと第1電極との電気的接続がとれ、表示部以外の部分が小さい狭額縁パネルでも断線がなく信頼性及び生産性に優れた有機ELディスプレイパネルが製造できた。
本発明のリード線により、引出し電極とマザーボードのプラグとのコンタクト部分の面積を大きくとることが可能となり、また、リード線と第1電極とのコンタクトも大きくとることができ、接触抵抗の低減を図ることが可能になるとともに段先頭の不具合が生じにくく、歩留まり向上につながる。
本発明のボトムエミッション方式の有機ELディスプレイパネルの1実施形態を示す断面概略図である。 引出し電極及びリード線の配置例を示す図である。 基板上に形成する複数の有機ディスプレイパネルを示す図および個々の有機ディスプレイパネルを切り出し、有機ディスプレイパネルをつなぎ合わせる状態を示す図である。
符号の説明
1 基板 2 色変換フィルタ層
3 オーバーコート層(平坦化層) 4 バリア層
5 第1電極(陽極) 6 絶縁層(SM1)
7 陰極分離壁 8 有機発光層
9 第2電極(陰極) 10 パッシベーション層
11 リード線 12 バンプ
13 プラグ 14 コンタクトホール
15 マザーボード 16 引出し電極(第1電極)
17 引出し電極(第2電極)

Claims (6)

  1. 互いにつなぎ合わされて大型パネルを形成するための有機ELディスプレイパネルであって、前記有機ELディスプレイパネルは、表示部において第1電極と第2電極とこれらに挟持された有機発光層とを含んで基板上に形成された有機EL素子と、表示部において該有機EL素子を覆うように形成されたパッシベーション層と、前記パッシベーション層上からパッシベーション層外の基板上にまで延在するように形成されたリード線とを有し、前記第1電極及び第2電極はそれぞれ表示部から基板端部に伸びて基板端部で引出し電極を構成し、前記リード線と前記引出し電極とはパッシベーション層外の部分において積層され、前記リード線の引出し電極側とは反対側の先端部にバンプが形成されていることを特徴とする有機ELディスプレイパネル。
  2. 前記引出し電極が複数設けられており、前記引出し電極から延びるリード線は交互に長さが異なっており、各リード線の先端部に形成されたバンプの厚みがリード線の厚みより厚くなっていることを特徴とする請求項1記載の有機ELディスプレイパネル。
  3. 前記リード線が印刷により形成されてなるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の有機ELディスプレイパネル。
  4. 表示部において基板上に色変換フィルタ層を形成する色変換フィルタ層形成工程、表示部から基板端部に伸びて基板端部で引出し電極を構成する電極を含め、色変換フィルタ層上に有機EL素子を形成する有機EL素子形成工程、基板上の表示部を含み引出し電極部以外の部分にパッシベーション層を形成するパッシベーション層形成工程、リード線をパッシベーション層上からパッシベーション層外の基板上にまで延在するように、かつリード線と前記引出し電極とはパッシベーション層外の部分において積層するように形成し、引出し電極側とは反対側の先端部にバンプを形成するリード線形成工程を少なくとも有することを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  5. 前記リード線が印刷又はインクジェットで形成されてなるものであることを特徴とする請求項4記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
  6. 前記引出し電極が複数設けられており、前記引出し電極から延びるリード線は交互に長さが異なっており、各リード線の先端部に形成されたバンプの厚みがリード線の厚みより厚くなっていることを特徴とする請求項4又は5記載の有機ELディスプレイパネルの製造方法。
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