JP2009222575A - 直流電動機の整流子表面状態診断装置及び整流子表面状態診断方法 - Google Patents

直流電動機の整流子表面状態診断装置及び整流子表面状態診断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】整流子が有する酸化皮膜の状態を定量的に診断することが可能な直流電動機の整流子表面状態診断装置及び整流子表面状態診断方法を提供する。
【解決手段】表面に酸化皮膜14を有する整流子4を備えた直流電動機に対し、整流子4の表面の状態を診断する整流子表面状態診断装置1であって、整流子4の表面の光沢を検出する光沢検出手段18と、光沢検出手段18が検出した整流子4の表面の光沢に基づいて、整流子4の表面の状態を診断する整流子表面状態診断手段20とを備え、酸化皮膜14の状態に基づいて、整流子4の表面の状態を診断する。
【選択図】図3

Description

本発明は、直流電動機が備える整流子の表面の状態を診断する整流子表面状態診断装置及び整流子表面状態診断方法に関する。
従来から、鉄鋼製造ライン等、各種製造設備等の駆動動力源として、直流電動機を用いる場合がある。
このような直流電動機は、例えば、界磁コイル、電機子、複数のブラシ、整流子等を備えた構成である。
界磁コイルは、電磁石または永久磁石から形成してあり、磁界を形成する機能を有している。電機子は、巻回したコイルを備えており、界磁コイルが形成する磁界の作用によって回転運動を行う。各ブラシは、整流子に対して付勢しており、整流子と、整流子の径方向で対向して摺接することにより、整流子へ電流を供給する。
整流子は、電機子と共に周方向へ回転し、各ブラシが供給する電流を電機子のコイルへ一定方向に供給する。また、整流子は、複数の整流子片と、隣り合う整流子片間に介装した絶縁片とを、環状に配設して形成してある。
各整流子片の形状及び配列は、整流子の表面の外形が真円に沿うように設計している。各整流子片の各ブラシと対向する面には、酸化皮膜が形成してある。すなわち、整流子は、その表面に酸化皮膜を有する。
このような直流電動機では、各整流子片に生じる磨耗や欠損等により、整流子の表面形状に異常が発生し、整流子の表面の外形が真円から外れると、整流子の表面に荒損が生じて、ブラシの寿命が短縮されてしまうおそれがある。
また、整流子の表面形状に異常が発生して、整流子の表面の外形が真円から外れた形状に変形する、または、条痕や段磨耗が発生すると、ブラシと整流子との接触状態が悪化して、整流状態の悪化、火花の発生、更にはフラッシュオーバーが発生するおそれがある。
このため、直流電動機の保守作業においては、整流子の表面形状等、表面の状態を診断することが重要である。
しかしながら、整流子の表面の状態に対する診断は、保守作業員の目視や手による触診が主体であるため、保守作業員の経験に依存する部分が多く、定量的な診断を行うことが困難である。経験豊富な保守作業員は、高齢化に伴い減少していくことが予測される。一方、鉄鋼製造ライン等を備える製鉄所では、今後も多くの直流電動機が稼動を継続すると予測される。
このため、経験の少ない保守作業員であっても、少ない人的誤差で異常の判断を行うことが可能であり、また、異常進行の傾向管理を行うことが可能な装置及び方法として、整流子の状態を、定量的に測定可能な装置及び方法が必要とされている。
このような要望に対し、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されているような直流電動機の整流子表面状態診断方法がある。
特許文献1に記載されている直流電動機の整流子表面状態診断方法は、整流子が回転している状態において、レーザ変位計を用いることにより、ブラシの整流子との摺接面に略直交する方向の変位量を、非接触で測定して、整流子の真円度を測定する方法である。
この方法では、整流子が回転している状態で整流子の真円度を測定する。このため、レーザ変位計が、整流子の円周方向に沿って、ブラシの整流子との摺接面に略直交する方向の変位量を測定することとなる。
また、特許文献2に記載されている直流電動機の整流子表面状態診断方法は、発電機や電動機の軸受に取付けたAE(Acoustic Emission)センサによりブラシの摺動音を検出した後、この検出した摺動音を信号処理器によってAE波形に変換する。そして、このAE波形をデータ処理器のスペクトラムアナライザーで周波数解折し、回転周波数のAEレベルがコンピュータに設定した閾値を越えている場合に、データ処理器からの出力信号により、警報器が警報音を発生する方法である。
この方法では、発電機や電動機の軸受に取付けたAEセンサにより、全てのブラシに対する火花発生状況を監視することが可能となるため、火花が発生する不良箇所の見落しを減少させることが可能となる。
特開2006−71533号公報 特開平6−43224号公報
ところで、整流子の表面形状等、整流子の表面の状態は、酸化皮膜の形成具合等、酸化皮膜の状態に影響を受ける。このため、整流子の表面の状態に対する診断においては、酸化皮膜の状態に対する診断が重要である。
整流子が良好な状態では、各整流子片の表面に均一な酸化皮膜が形成されており、ブラシと整流子との間に火花が発生することが防止される。
一方、整流子が不良な状態では、まず、初期段階として、酸化皮膜が部分的に損傷し、その光沢度合いが減少する。そして、中期段階では、酸化皮膜が損傷した部分から、整流子片の磨耗が進行し、整流子片に条痕が発生する。さらに、末期段階では、整流子片の磨耗が拡大し、整流子片の条痕が進行して、ブラシと整流子との間に火花が発生することとなる。
これに対し、特許文献1に記載されている直流電動機の整流子表面状態診断方法は、整流子の表面形状を診断する方法であり、酸化皮膜の状態を診断する方法ではない。このため、上述した初期段階の不良、すなわち、酸化皮膜の損傷状態を検出することは困難である。
このため、酸化皮膜の状態に対する診断は、経験豊富な保守作業員により行う必要があり、酸化皮膜の状態及び整流子の状態に対して、定量的な診断を行うことが困難であるという問題が発生する。
また、特許文献2に記載されている直流電動機の整流子表面状態診断方法は、ブラシに対する火花発生状況を監視する方法であり、整流子片の状態を診断する方法ではない。
このため、上述した初期段階及び中期段階の不良、すなわち、酸化皮膜の損傷状態及び整流子の磨耗を検出することは困難である。
本発明は、上述したような問題点に着目してなされたもので、酸化皮膜の状態を診断することにより、整流子の表面の状態に対する定量的な診断が可能な、直流電動機の整流子表面状態診断装置及び整流子表面状態診断方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明のうち、請求項1に記載した発明は、直流電動機が備える整流子の表面の状態を診断する直流電動機の整流子表面状態診断装置であって、
前記表面の光沢を検出する光沢検出手段と、当該光沢検出手段が検出した前記光沢に基づいて前記表面の状態を診断する整流子表面状態診断手段と、を備えることを特徴とするものである。
本発明によると、整流子の表面の光沢を検出する光沢検出手段と、光沢検出手段が検出する整流子の表面の光沢に基づいて、整流子の表面の状態を診断する整流子表面状態診断手段とを備える。
このため、酸化皮膜の状態に応じて光沢度合いが変化する整流子の表面の光沢に基づいて、整流子の表面の状態を定量的に診断することが可能となる。これにより、保守作業員の目視等に依存することなく、整流子の表面の状態を定量的に診断することが可能となる。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明であって、前記整流子と整流子の径方向で対向して摺接するブラシと、前記整流子の回転時に整流子と前記ブラシが相対変位するようにブラシを保持するブラシ保持部と、を備える前記直流電動機において、
前記光沢検出手段は、前記表面で反射した反射光を検出する反射光検出部を備え、
前記反射光検出部を前記ブラシの替わりに前記ブラシ保持部で保持させて、前記表面の光沢を検出することを特徴とするものである。
本発明によると、整流子の表面で反射した反射光を検出する反射光検出部を、整流子と整流子の径方向で対向して摺接するブラシの替わりに、直流電動機が備えるブラシ保持部で保持させた状態で、整流子の表面の光沢を検出する。
このため、直流電動機に対して反射光検出部を配置する作業手順を減少させることが可能となり、整流子の表面の状態に対する診断を効率良く行うことが可能となる。
また、反射光検出部を、直流電動機が備えるブラシ保持部に保持するため、整流子の表面の診断を、整流子の同じ部位に対して繰り返し行うことが可能となる。これにより、整流子の表面の状態に対する診断結果の蓄積を、効率良く行うことが可能となる。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した発明であって、前記光沢検出手段は、前記表面で反射した反射光を検出する反射光検出部を備え、
前記整流子の軸方向に沿って延在し、且つ前記反射光検出部を前記整流子の軸方向へ移動可能に取り付ける案内手段と、
前記案内手段を前記直流電動機へ着脱自在に取り付ける着脱手段と、
前記整流子の軸方向に沿った前記反射光検出部の位置を検出する位置検出手段と、を備え、
前記整流子表面状態診断手段は、前記光沢検出手段が検出した前記光沢及び前記位置検出手段が検出した前記反射光検出部の位置に基づいて、前記表面の状態を前記整流子の軸方向に沿って診断することを特徴とするものである。
本発明によると、整流子の表面で反射した反射光を検出する反射光検出部を、整流子の軸方向へ移動させるとともに、整流子の表面で反射した反射光を、整流子の軸方向に沿って検出する。
このため、直流電動機の構成を変化させることなく、整流子の表面の状態を、整流子の軸方向に沿って定量的に診断することが可能となる。
次に、請求項4に記載した発明は、直流電動機が備える整流子の表面の状態を診断する直流電動機の整流子表面状態診断方法であって、
前記表面の光沢を検出する光沢検出工程と、当該光沢検出工程で検出した前記光沢に基づいて前記表面の状態を診断する整流子表面状態診断工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明によると、整流子の表面の光沢を検出する光沢検出工程と、光沢検出工程で検出した整流子の表面の光沢に基づいて、整流子の表面の状態を診断する整流子表面状態診断工程とを有する。
このため、酸化皮膜の状態に応じて光沢度合いが変化する整流子の表面の光沢に基づいて、整流子の表面の状態を定量的に診断することが可能となる。これにより、保守作業員の目視等に依存することなく、整流子の表面の状態を定量的に診断することが可能となる。
次に、請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した発明であって、前記整流子と整流子の径方向で対向して摺接するブラシと、前記整流子の回転時に整流子と前記ブラシが相対変位するようにブラシを保持するブラシ保持部と、を備える前記直流電動機において、
前記光沢検出工程の前工程として、前記表面で反射した反射光を検出する反射光検出部を前記ブラシの替わりに前記ブラシ保持部で保持する反射光検出部保持工程を有し、
前記光沢検出工程において、前記整流子を回転させて前記光沢を整流子の周方向に沿って検出することを特徴とするものである。
本発明によると、光沢検出工程の前工程として、反射光検出部をブラシの替わりにブラシ保持部で保持する反射光検出部保持工程を有する。また、光沢検出工程において、整流子を回転させて、整流子の表面の光沢を整流子の周方向に沿って検出する。
このため、反射光検出部保持工程において、直流電動機に対して反射光検出部を配置する作業手順を減少させることが可能となる。これにより、整流子の表面の状態を効率良く診断することが可能となる。
また、反射光検出部を、直流電動機が備えるブラシ保持部に保持するため、整流子の表面の診断を、整流子の同じ部位に対して繰り返し行うことが可能となる。これにより、整流子の表面の状態に対する診断結果の蓄積を、効率良く行うことが可能となる。
次に、請求項6に記載した発明は、請求項4に記載した発明であって、前記光沢検出工程の前工程として、前記表面で反射した反射光を検出する反射光検出部を、前記直流電動機に対して前記整流子の軸方向へ移動可能に取り付ける反射光検出部取付け工程を有し、
前記光沢検出工程において、前記反射光検出部を前記整流子の軸方向へ移動させながら、前記光沢及び前記反射光検出部の前記整流子の軸方向に沿った位置を検出し、
前記整流子表面状態診断工程において、前記光沢検出工程で検出した前記光沢及び前記反射光検出部の前記整流子の軸方向に沿った位置に基づいて、前記表面の状態を前記整流子の軸方向に沿って診断することを特徴とするものである。
本発明によると、直流電動機に対して整流子の軸方向へ移動可能に取り付けた反射光検出部を、整流子の軸方向へ移動させながら、整流子の表面の光沢及び反射光検出部の整流子の軸方向に沿った位置を検出する。また、光沢検出工程で検出した整流子の表面の光沢及び反射光検出部の整流子の軸方向に沿った位置に基づいて、整流子の表面の状態を整流子の軸方向に沿って診断する。
このため、直流電動機の構成を変化させることなく、整流子の表面の状態を、整流子の軸方向に沿って定量的に診断することが可能となる。
本発明によれば、酸化皮膜の状態に応じて光沢度合いが変化する整流子の表面の光沢に基づいて、整流子の表面の状態を定量的に診断することが可能となる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について説明する。
(整流子表面状態診断装置の構成)
まず、図1から図3を参照して、本実施形態の直流電動機の整流子表面状態診断装置(以下、「整流子表面状態診断装置」と記載する)の構成を説明する。
図1は、整流子表面状態診断装置1と直流電動機Mとの位置関係を示す図であり、図2は、図1中に円IIで囲んだ範囲の拡大図である。また、図3は、整流子表面状態診断装置1の具体的な構成を示す図である。なお、図1中では、説明のために、整流子表面状態診断装置1及び直流電動機Mの一部のみを記載している。また、図2中では、説明のために、後述する反射光検出部2と整流子4の一部のみを記載している。また、図3中では、説明のために、直流電動機Mのうち整流子4の一部のみを記載している。
まず、直流電動機Mの構成について説明する。
直流電動機Mは、例えば、鉄鋼製造ラインに設置する、各種製造設備等(圧延機等)の駆動原として用いる設備であり、整流子4と、複数のブラシ6とを備えている。なお、本実施形態では、直流電動機Mを、鉄鋼製造ライン内において、整流子4の軸方向が水平または略水平となるように設置した場合について説明する。
整流子4は、同軸に固定した回転子軸8を有しており、この回転子軸8及び図外の電機子と共に周方向へ回転することにより、各ブラシ6が供給する電流を、電機子のコイル(図示せず)へ一定方向に供給する。また、整流子4は、複数の整流子片10を環状に配設して形成している。隣り合う整流子片10の間には、雲母(マイカ)によって形成した絶縁片12を介装してある。すなわち、整流子4の外周面は、整流子4の周方向に沿って、整流子片10と絶縁片12とを積層して形成してある。
各整流子片10は、銅によって形成してあり、その表面、具体的には、ブラシ6と対向する面に、カーボン等を含む酸化皮膜14を有する。各整流子片10の形状及び配列は、整流子4の表面の外形が真円に倣うように設定している。
各ブラシ6は、整流子4の外周側に配置した複数のブラシホルダ16によって、それぞれ、整流子4の外周側に保持してあり、整流子4に対して、整流子4の径方向で対向した状態で摺接することにより、整流子4を介して電機子へ電流を供給する。なお、図中では、整流子4の外周側に配置した複数のブラシホルダ16のうち、整流子4の上方に配置したブラシホルダ16を示している。また、各ブラシ6は、バネ等の弾性部材(図示せず)により下方に付勢力を付与した状態で、各ブラシホルダ16に設けた開口部(図示せず)に上下動自在に嵌合させている。これにより、各ブラシ6は、整流子4の表面形状に応じて、各ブラシホルダ16に対して揺動(本実施形態では図1中における上下動)する。
すなわち、上述した各ブラシホルダ16は、それぞれ、整流子4の回転時に、整流子4とブラシ6が相対変位するようにブラシ6を保持する、ブラシ保持部を形成する。
次に、整流子表面状態診断装置1の構成について説明する。
整流子表面状態診断装置1は、光沢検出手段18と、整流子表面状態診断手段20とを備えている。
光沢検出手段18は、公知の光沢センサによって形成してあり、複数の反射光検出部2と、正反射成分抽出部22とを備えている。なお、本実施形態では、光沢検出手段18が、三つの反射光検出部2を備えている場合について説明する。
各反射光検出部2は、それぞれ、ブラシホルダ16に保持してある。反射光検出部2をブラシホルダ16に保持する際には、ブラシホルダ16が保持していたブラシ6を取り外した後に、このブラシホルダ16に反射光検出部2を保持する。すなわち、反射光検出部2をブラシホルダ16に保持する際には、反射光検出部2を、ブラシ6の替わりにブラシホルダ16に保持する。
また、反射光検出部2をブラシホルダ16に保持する際には、反射光検出部2と整流子片10が有する酸化皮膜14との間に、例えば、10mm程度の隙間を確保する。すなわち、反射光検出部2は、酸化皮膜14に対して非接触となるように、ブラシホルダ16に保持する。なお、反射光検出部2とブラシホルダ16との間に着脱自在なスペーサー等を介装した状態で、反射光検出部2をブラシホルダ16に保持してもよい。
また、各反射光検出部2は、整流子4、具体的には、整流子片10の表面で反射した反射光を検出し、この検出した反射光を含む反射光信号S1を、正反射成分抽出部22へ出力する。なお、光沢検出手段18の構成を、整流子片10の表面へ、上記の反射光を生成するための光を照射する光照射部を備える構成としてもよい。
正反射成分抽出部22は、各反射光検出部2が検出した反射光から、拡散反射の成分(以下、「拡散反射成分」と記載する)を除外し、正反射の成分(以下、「正反射成分」と記載する)のみを抽出する。そして、この抽出した正反射成分を含む正反射成分信号S2を、整流子表面状態診断手段20へ出力する。
整流子表面状態診断手段20は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータから構成してあり、光沢検出手段18の入出力インタフェースを備えるとともに、ディスプレイ等、酸化皮膜14の状態の診断結果を出力する診断結果出力手段(図示せず)を接続している。
また、整流子表面状態診断手段20には、光沢検出手段18、具体的には正反射成分抽出部22が出力する正反射成分信号S2に基づいて、整流子4の表面の状態を診断するための診断プログラムをインストールしている。
以下、整流子表面状態診断手段20が行う処理について説明する。
整流子表面状態診断手段20は、正反射成分信号S2の入力を受けると、整流子表面状態診断手段20にインストールした診断プログラムに基づき、まず、正反射成分信号S2が含む正反射成分に応じて、整流子4の表面の光沢を検出する。ここで、整流子4の表面の光沢は、具体的には、整流子片10の表面である。
ここで、整流子片10の光沢度合いは、酸化皮膜14の状態、具体的には、酸化皮膜14の損傷度合いに応じて変化する。すなわち、酸化皮膜14の損傷度合いが増加し、酸化皮膜14が減少すると、整流子片10の光沢度合いが低下する。一方、酸化皮膜14の損傷度合いが減少し、酸化皮膜14が増加すると、整流子片10の光沢度合いが向上する。
整流子片10の光沢を検出した整流子表面状態診断手段20は、この検出した光沢に基づいて、整流子4の表面の状態を診断し、その診断結果を診断結果出力手段に出力する。
具体的には、整流子表面状態診断手段20に、予め、整流子片10の光沢度合いに対する不良閾値Dを記憶させておき、整流子片10の光沢度合いが不良閾値D未満であるか否かを判定する。そして、整流子片10の光沢度合いが不良閾値D未満である場合、整流子4の表面の状態が不良であると診断して、その診断結果を診断結果出力手段に出力する。
すなわち、整流子表面状態診断手段20は、酸化皮膜14の損傷度合いに応じて変化する、整流子片10の光沢度合いに基づいて、整流子4の表面の状態を診断し、その診断結果を診断結果出力手段に出力する。
なお、診断結果出力手段に出力する診断結果は、診断結果出力手段をディスプレイ等の画像出力装置とした場合には、診断結果を画像として画面に表示する。しかしながら、これに限定するものではなく、診断結果出力手段を、例えば、スピーカ等の音声出力装置とした場合には、診断結果を警報等の音声として発音する。また、診断結果出力手段を、画像出力装置及び音声出力装置の両方を備える構成としてもよい。
(整流子表面状態診断装置を用いた整流子表面状態診断方法)
次に、図1から図3を参照しつつ、図4を用いて、本実施形態の整流子表面状態診断装置1を用いた直流電動機の整流子表面状態診断方法(以下、「整流子表面状態診断方法」と記載する)を説明する。
整流子表面状態診断方法は、光沢検出工程と、整流子表面状態診断工程と、反射光検出部保持工程とを有する。
光沢検出工程は、上述した光沢検出手段18により、整流子4の表面の光沢を検出する工程である。また、光沢検出工程には、整流子4を回転させて、整流子4の表面の光沢を、整流子4の周方向に沿って検出する工程を含む。
整流子表面状態診断工程は、上述した整流子表面状態診断手段20により、光沢検出工程で検出した整流子4の表面の光沢に基づいて、整流子4の表面の状態を診断する工程である。
反射光検出部保持工程は、光沢検出工程の前工程であり、上述した反射光検出部2を、ブラシ6の替わりにブラシホルダ16で保持する工程である。
以下、反射光検出部保持工程について説明する。
反射光検出部保持工程は、整流子4の回転を停止させている状態、すなわち、直流電動機Mの稼動が停止している状態で実施する。
反射光検出部保持工程では、整流子4の回転を停止させている状態で、各ブラシホルダ16が保持しているブラシ6を、各ブラシホルダ16から取り外す。そして、ブラシ6を取り外した各ブラシホルダ16に、それぞれ、各反射光検出部2を保持する。
このとき、反射光検出部2と酸化皮膜14との間に、10mm程度の隙間を確保した状態で、各ブラシホルダ16に、それぞれ、各反射光検出部2を保持する。
各ブラシホルダ16に、それぞれ、各反射光検出部2を保持した後、整流子表面状態診断方法の処理は、反射光検出部保持工程から光沢検出工程へ移行する。
次に、光沢検出工程について説明する。
光沢検出工程では、まず、整流子4の回転を停止させている状態で、各反射光検出部2により、整流子4の表面、具体的には、整流子片10の表面で反射した反射光を検出する。そして、この検出した反射光を含む反射光信号S1を、正反射成分抽出部22へ出力する。
各反射光検出部2から反射光信号S1の入力を受けた正反射成分抽出部22は、反射光信号S1が含む反射光から、拡散反射成分を除外して、正反射成分のみを抽出する。
そして、正反射成分抽出部22は、抽出した正反射成分を含む正反射成分信号S2を、整流子表面状態診断手段20へ出力する。
本実施形態では、正反射成分抽出部22が、整流子4の軸方向に沿って配置した複数の反射光検出部2から、それぞれ、反射光信号S1の入力を受けるため、正反射成分信号S2が含む正反射成分は、複数の反射光検出部2に応じた情報となる。
正反射成分抽出部22が、正反射成分信号S2を整流子表面状態診断手段20へ出力した後、整流子表面状態診断方法の処理は、光沢検出工程から整流子表面状態診断工程へ移行する。
次に、整流子表面状態診断工程について説明する。
整流子表面状態診断工程では、まず、正反射成分抽出部22から正反射成分信号S2の入力を受けた整流子表面状態診断手段20が、正反射成分信号S2が含む正反射成分に基づいて、整流子4の表面、具体的には、整流子片10の表面の光沢を検出する。
整流子片10の表面の光沢を検出した整流子表面状態診断手段20は、この検出した光沢に基づいて、整流子片10の光沢度合いが不良閾値D未満であるか否かを判定する。
上述した光沢検出工程及び整流子表面状態診断工程は、整流子4を人為的または機械的に回転させながら行う。これにより、整流子4が備える全ての整流子片10に対して、光沢検出工程及び整流子表面状態診断工程を行い、全ての整流子片10の表面の光沢を、整流子4の周方向に沿って検出して、その光沢度合いが不良閾値D未満であるか否かを判定する。
そして、整流子片10の光沢度合いが不良閾値D未満である場合、整流子4の表面の状態が不良であると診断して、その診断結果を診断結果出力手段に出力する。
また、診断した整流子4の表面の状態が不良である場合、すなわち、整流子片10の光沢度合いが不良閾値D未満である場合、光沢度合いが不良閾値D未満である整流子片10に対して、切削加工等を行う。
光沢度合いが不良閾値D未満である整流子片10に対して切削加工等を行うと、加工当初は、整流子片10に酸化皮膜14が形成されず、整流子片10が酸化皮膜14を有していない状態であるが、直流電動機Mの動作に伴い、酸化皮膜14が形成される。そして、酸化皮膜14の状態が良好になるにつれ、整流子片10の光沢度合いが向上する。これにより、ブラシ6と整流子4との接触状態が良好となり、整流状態が安定するため、整流状態が正常に回復する。この場合、直流電動機M周辺の湿度を、酸化皮膜14の形成に好適な状態に調節することが好適である。
ここで、上述した判定結果のイメージを、図4を参照して説明する。
図4は、整流子片10の光沢度合いと、この整流子片10が有する酸化皮膜14の状態との関係を示すイメージ図である。なお、図4中では、各反射光検出部2が検出した光沢度合い(図中では、「光沢度」と記載する)を縦軸で示し、整流子4の回転角度(図中では、「回転角度」と記載する)を横軸で示している。
図4中に示すように、酸化皮膜14の状態が良好な場合、すなわち、整流子片10の光沢度合いが不良閾値Dを越えている場合では、各反射光検出部2が検出した光沢度合いが、規則的な矩形波を形成する。具体的には、各反射光検出部2が検出した光沢度合いが、整流子片10の位置で水平または略水平な山となるとともに、絶縁片12の位置で谷となる。
これに対し、酸化皮膜14の状態が不良な場合、すなわち、整流子片10の光沢度合いが不良閾値D未満である場合では、各反射光検出部2が検出した光沢度合いが、不規則な矩形波を形成する。具体的には、各反射光検出部2が検出した光沢度合いが、整流子片10の位置で歪みのある山となるとともに、絶縁片12の位置で谷となる。
したがって、本実施形態の整流子表面状態診断方法を用いることにより、二次元で検出される、各整流子片10における酸化皮膜14の状態を、整流子4の周方向に沿って、三次元で表すことが可能となる。これにより、整流子4全体に対する、整流子4の周方向に沿った酸化皮膜14の状態を診断することが可能となるとともに、整流子4の表面の状態を、整流子4の周方向に沿って診断することが可能となる。
なお、上述した整流子表面状態診断方法は、直流電動機Mの稼働時間等に基づいて、所定の間隔で数回行い、その都度、同じ整流子片10に対する診断結果を蓄積することが好適である。これにより、例えば、酸化皮膜14の損傷状態や、整流子片10の磨耗量に基づく磨耗状態の傾向等を、定量的に把握することが可能となる。
この場合、整流子表面状態診断手段20の構成を、例えば、診断データの蓄積及び参照が可能なデータベース部や、診断データを演算処理してグラフ化することが可能な演算処理部を備えた構成とすることが好適である。また、データベース部に蓄積した診断データに基づいて、酸化皮膜14の損傷状態や、整流子片10の磨耗量に基づく磨耗状態の傾向を管理する傾向管理部等を備えた構成とすることが好適である。
(第一実施形態の効果)
したがって、本実施形態の整流子表面状態診断装置1であれば、整流子4の表面の光沢を検出する光沢検出手段18と、光沢検出手段18が検出する整流子4の表面の光沢に基づいて、整流子4の表面の状態を診断する整流子表面状態診断手段20とを備える。
このため、酸化皮膜14の状態に応じて光沢度合いが変化する整流子4の表面の光沢に基づいて、整流子4の表面の状態を定量的に診断することが可能となる。
その結果、保守作業員の目視等に依存することなく、整流子4の表面の状態を、定量的に診断することが可能となる。
また、酸化皮膜14が部分的に損傷した状態を検出することが可能となるため、ブラシ6と整流子4との間における火花の発生を抑制することが可能となり、直流電動機Mにおけるフラッシュオーバーの発生を抑制することが可能となる。
また、本実施形態の整流子表面状態診断装置1であれば、整流子4の表面で反射した反射光を検出する反射光検出部2を、整流子4と整流子4の径方向で対向して摺接するブラシ6の替わりに、直流電動機Mが備えるブラシホルダ16で保持する。
このため、直流電動機Mに対して反射光検出部2を配置する作業手順を減少させることが可能となり、整流子4の表面の状態に対する診断を効率良く行うことが可能となる。
その結果、整流子4の表面の状態に対する診断に要する作業時間を短縮することが可能となるため、整流子4の表面の診断作業に関する、作業効率の向上及び作業コストの低減が可能となる。
さらに、本実施形態の整流子表面状態診断装置1であれば、反射光検出部2を、直流電動機Mが備えるブラシホルダ16に保持するため、整流子4の表面の状態に対する診断を、整流子4の同じ部位に対して繰り返し行うことが可能となる。
その結果、整流子4の表面の状態に対する診断結果の蓄積を、効率良く行うことが可能となるため、酸化皮膜14の損傷状態や、整流子片10の磨耗量に基づく磨耗状態の傾向等を、効率良く把握することが可能となる。
また、本実施形態の整流子表面状態診断方法であれば、整流子4の表面の光沢を検出する光沢検出工程と、光沢検出工程で検出した整流子4の表面の光沢に基づいて、整流子4の表面の状態を診断する整流子表面状態診断工程とを有する。
このため、酸化皮膜14の状態に応じて光沢度合いが変化する整流子4の表面の光沢に基づいて、整流子4の表面の状態を定量的に診断することが可能となる。
その結果、保守作業員の目視等に依存することなく、整流子4の表面の状態を、定量的に診断することが可能となる。
また、本実施形態の整流子表面状態診断方法であれば、光沢検出工程の前工程として、反射光検出部2を、ブラシ6の替わりにブラシホルダ16で保持する反射光検出部保持工程を有する。
このため、反射光検出部保持工程において、直流電動機Mに対して反射光検出部2を配置する作業手順を減少させることが可能となり、整流子4の表面の状態に対する診断を効率良く行うことが可能となる。
その結果、整流子4の表面の状態に対する診断に要する作業時間を短縮することが可能となるため、整流子4の表面の診断作業に関する、作業効率の向上及び作業コストの低減が可能となる。
また、本実施形態の整流子表面状態診断方法であれば、反射光検出部保持工程において、反射光検出部2を、直流電動機Mが備えるブラシホルダ16に保持するため、整流子4の表面の状態に対する診断を、整流子4の同じ部位に対して繰り返し行うことが可能となる。
その結果、整流子4の表面の状態に対する診断結果の蓄積を、効率良く行うことが可能となるため、酸化皮膜14の損傷状態や、整流子片10の磨耗量に基づく磨耗状態の傾向等を、効率良く把握することが可能となる。
また、本実施形態の整流子表面状態診断方法であれば、光沢検出工程において、整流子4の表面の光沢を、整流子4を回転させながら、整流子4の周方向に沿って検出する。
その結果、少数の反射光検出部2により、整流子4全体に対する、整流子4の周方向に沿った整流子4の表面の状態を診断することが可能となる。
(応用例)
なお、本実施形態の整流子表面状態診断装置1では、光沢検出手段18の構成を、複数(三つ)の反射光検出部2を備える構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、整流子片10の形状や大きさ(軸方向の長さ)に応じて、反射光検出部2の数を、二つ以下としてもよく、四つ以上としてもよい。
また、本実施形態の整流子表面状態診断装置1では、複数(三つ)の反射光検出部2を用い、各整流子片10に対して、複数個所における酸化皮膜14の状態を検出したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、各整流子片10に対して、酸化皮膜14の一箇所のみの状態を検出することにより、整流子4の表面の状態を診断することが可能である場合には、各整流子片10に対して、一個所のみにおける酸化皮膜14の状態を検出してもよい。
さらに、本実施形態の整流子表面状態診断方法では、光沢検出工程において、整流子4の表面の光沢を、整流子4を回転させながら、整流子4の周方向に沿って検出したが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、各整流子片10のうち、一つの整流子片10に対してのみ酸化皮膜14の状態を診断する場合には、光沢検出工程において整流子4を回転させることなく、整流子4の表面の光沢を検出してもよい。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
(整流子表面状態診断装置の構成)
まず、図2及び図3を参照しつつ、図5を用いて、本実施形態の整流子表面状態診断装置1の構成を説明する。なお、以下の説明は、上述した第一実施形態と異なる構成を中心に記載する。
図5は、整流子表面状態診断装置1と直流電動機Mとの位置関係を示す図である。なお、図5中では、説明のために、整流子表面状態診断装置1及び直流電動機Mの一部のみを記載している。
まず、直流電動機Mの構成について、上述した第一実施形態と異なる部分を説明する。
ブラシ6を保持するブラシホルダ16は、整流子4の上方に配置したブラシホルダーアーム24によって、整流子4の外周側に配置している。
また、整流子4の上方には、ロッカーリング26を配置している。
次に、整流子表面状態診断装置1の構成について説明する。
整流子表面状態診断装置1は、光沢検出手段18と、整流子表面状態診断手段20と、案内手段28と、着脱手段30と、位置検出手段32とを備えている。
光沢検出手段18は、反射光検出部2と、正反射成分抽出部22とを備えている。反射光検出部2及び正反射成分抽出部22の構成については、上述した第一実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
案内手段28は、案内部34と、二つの角度調節手段36a,36bを備えている。なお、図5中及び以下の説明では、二つの角度調節手段36のうち、図中で左側に配置した角度調節手段36を、角度調節手段36aと記載し、図中で右側に配置した角度調節手段36を、角度調節手段36bと記載する。
案内部34は、例えば、リニアガイド装置が備える案内レール等、その軸方向を、整流子4の軸方向に沿って延在させた形状の部材から形成しており、反射光検出部2を、アクチュエータ(図示せず)を介して、整流子4の軸方向へ移動可能に取り付けている。なお、本実施形態では、一例として、案内部34を、リニアガイド装置が備える案内レールとした場合について説明する。
また、案内部34は、整流子4の径方向から見て、整流子4よりも、整流子4の軸方向外側にそれぞれ突出させた、二つの突出部38a,38bを有している。なお、図5中及び以下の説明では、二つの突出部38のうち、整流子4よりも左側に突出させた突出部38を、突出部38aと記載し、整流子4よりも右側に突出させた突出部38を、突出部38bと記載する。
各突出部38a,38bには、それぞれ、軸を上下方向へ向けて配置した軸棒40a,40bを固定している。なお、図5中及び以下の説明では、突出部38aに固定した軸棒40を、軸棒40aと記載し、突出部38bに固定した軸棒40を、軸棒40bと記載する。
軸棒40a,40bには、それぞれ、角度調節手段36a,36bを介して、着脱手段30a,30bを取り付けている。なお、図5中及び以下の説明では、軸棒40aに取り付けた着脱手段30を、着脱手段30aと記載し、軸棒40bに取り付けた着脱手段30を、着脱手段30bと記載する。
各角度調節手段36a,36bは、ワンタッチレバー等、簡易な操作によって固定状態と解放状態を切り替え可能な部材によって形成しており、整流子4の軸方向と反射光検出部2の移動方向とのなす角度を、所望の状態に調節可能としている。
具体的には、角度調節手段36aは、解放状態において、着脱手段30aに対する軸棒40aの整流子4の軸方向に対する角度や、着脱手段30aと突出部38aとの距離を変化させることを可能としている。そして、所望の角度及び距離に調整した状態で、固定状態とすることにより、着脱手段30aに対する軸棒40aの整流子4の軸方向に対する角度や、着脱手段30aと突出部38aとの距離を固定することを可能としている。また、角度調節手段36bも、角度調節手段36aと同様、着脱手段30bに対する軸棒40bの整流子4の軸方向に対する角度や、着脱手段30bと突出部38bとの距離を、所望の角度や距離で固定することを可能としている。
各着脱手段30a,30bは、磁力を調節可能な電磁石(図示せず)等を有しており、この電磁石の磁力を調節する磁力調節レバー42a,42bを、それぞれ、備えている。なお、図5中及び以下の説明では、着脱手段30aが備える磁力調節レバー42を、磁力調節レバー42aと記載し、着脱手段30bが備える磁力調節レバー42を、磁力調節レバー42bと記載する。
磁力調節レバー42a,42bを操作して、電磁石の磁力を増加させると、各着脱手段30a,30bが、直流電動機Mに取り付け可能となる。一方、磁力調節レバー42a,42bを操作して、電磁石の磁力を減少させると、各着脱手段30a,30bが、直流電動機Mから取り外し可能となる。なお、各着脱手段30a,30bを、磁力を調節可能な電磁石ではなく、磁力が一定な磁石を有する構成としてよい。すなわち、本実施形態では、着脱手段30を、磁力によって直流電動機Mに着脱自在に取り付ける磁力着脱手段によって構成している。
各着脱手段30a,30bを直流電動機Mに取り付けると、各軸棒40a,40b及び角度調節手段36a,36bを介して、各突出部38a,38bを、それぞれ、整流子4の軸方向両側において、両持ち梁状態で直流電動機Mへ取り付けることとなる。なお、図1中では、着脱手段30aをロッカーリング26に取り付けるとともに、着脱手段30bを電機子44の外側面に取り付けた状態を示している。
アクチュエータは、例えば、リニアガイド装置等の直動案内装置が備えるモータ等、回転動力源によって形成している。なお、本実施形態では、一例として、アクチュエータを、案内レールに相対移動可能に取り付けたスライダを移動させるためのモータとする。したがって、本実施形態のアクチュエータは、スライダに反射光検出部2を取り付け、モータ等の回転動力源を回転させることにより、反射光検出部2を整流子4の軸方向へ移動させる。ここで、モータ等の回転動力源を回転させた際に、回転動力源の回転角を含む情報信号を、回転角信号として、整流子表面状態診断手段20へ出力する構成としてもよい。
位置検出手段32は、公知のレーザ距離計によって形成してあり、レーザ光Lを反射光検出部2へ向けて照射するとともに、レーザ光Lの照射方向を、反射光検出部2の移動方向と同一として配置している。
また、位置検出手段32は、レーザ光Lを、反射光検出部2に向けて水平方向に照射し、その反射光を検出することにより、レーザ出射面からレーザ照射面までの距離、すなわち、反射光検出部2の整流子4の軸方向への移動量を検出する。
また、位置検出手段32は、反射光検出部2の整流子4の軸方向への移動量を含む情報信号を、移動量検出信号S3として、整流子表面状態診断手段20へ出力する。なお、本実施形態では、位置検出手段32として、測定分解能1μm(測定レンジ100mm)のレーザ距離計を用いた場合を例に挙げて説明する。
整流子表面状態診断手段20は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータから構成してあり、反射光検出部2及び位置検出手段32の入出力インタフェースを備えるとともに、ディスプレイ等、酸化皮膜14の状態の診断結果を出力する診断結果出力手段を接続している。
また、整流子表面状態診断手段20には、光沢検出手段18が出力する正反射成分信号S2と、位置検出手段32が出力される移動量検出信号S3に基づき、整流子4の軸方向に沿って、整流子4の表面の状態を診断するための診断プログラムをインストールしている。
以下、整流子表面状態診断手段20が行う処理について説明する。
整流子表面状態診断手段20は、正反射成分信号S2及び移動量検出信号S3の入力を受けると、整流子表面状態診断手段20にインストールした診断プログラムに基づき、整流子4の表面の光沢と、反射光検出部2の、整流子4の軸方向に沿った位置とを検出する。
整流子4の表面の光沢の検出は、上述した第一実施形態と同様、正反射成分信号S2が含む正反射成分に応じて行う。
また、反射光検出部2の、整流子4の軸方向に沿った位置の検出は、移動量検出信号S3が含む反射光検出部2の整流子4の軸方向への移動量に応じて行う。ここで、整流子表面状態診断手段20が、上述した回転角信号の入力を受けている場合には、移動量検出信号S3とともに、この回転角信号を参照することにより、移動量の検出精度を向上させることが可能となる。
整流子4の表面の光沢と、反射光検出部2の、整流子4の軸方向に沿った位置とを検出した整流子表面状態診断手段20は、これらの検出結果に基づき、整流子4の表面の状態を、整流子の軸方向に沿って診断し、その診断結果を診断結果出力手段に出力する。
具体的には、整流子片10の光沢度合いが不良閾値D未満であるか否かを、整流子4の軸方向に沿って、整流子4の表面の部位毎に判定する。そして、整流子片10の光沢度合いが不良閾値D未満である場合、整流子4の表面の状態が不良であると診断して、その診断結果を診断結果出力手段に出力する。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
(整流子表面状態診断装置を用いた整流子表面状態診断方法)
次に、図2、図3、図5及び図6を参照しつつ、本実施形態の整流子表面状態診断装置1を用いた整流子表面状態診断方法(以下、「整流子表面状態診断方法」と記載する)を説明する。
整流子表面状態診断方法は、光沢検出工程と、整流子表面状態診断工程と、反射光検出部取付け工程とを有する。
光沢検出工程は、上述した光沢検出手段18により、整流子4の表面の光沢を検出する工程である。また、光沢検出工程には、反射光検出部2を、整流子4の軸方向へ移動させながら整流子4の表面の光沢を検出する工程と、反射光検出部2の、整流子4の軸方向に沿った位置を検出する工程とを含む。
整流子表面状態診断工程は、上述した整流子表面状態診断手段20により、光沢検出工程で検出した、整流子4の表面の光沢及び反射光検出部2の整流子4の軸方向に沿った位置に基づいて、整流子4の表面の状態を診断する工程である。
反射光検出部取付け工程は、光沢検出工程の前工程であり、上述した反射光検出部2を、直流電動機Mに対して、整流子4の軸方向へ移動可能に取り付ける工程である。
以下、反射光検出部取付け工程について説明する。
反射光検出部取付け工程は、整流子4の回転を停止させている状態、すなわち、直流電動機Mの稼動が停止している状態で実施する。
反射光検出部取付け工程では、整流子4の回転を停止させている状態で、まず、各着脱手段30a,30bが有する電磁石の磁力を増加させて、各着脱手段30a,30bを、それぞれ、直流電動機Mに取り付ける。具体的には、着脱手段30aをロッカーリング26に取り付けるとともに、着脱手段30bを電機子の外側面に取り付ける。
このとき、案内部34の軸方向を整流子4の軸方向と平行とするとともに、各突出部38a,38bが、それぞれ、整流子4の軸方向両側において、両持ち梁状態となるように、各着脱手段30a,30bを直流電動機Mに取り付ける。また、案内部34の軸方向、すなわち、反射光検出部2の移動方向が、診断対象とする整流子4の表面に対し、整流子4の軸方向と平行となるように、各着脱手段30a,30bを直流電動機Mに取り付ける。ここで、診断対象とする整流子4の表面とは、具体的には、診断対象とする整流子片10の表面であり、診断対象とする整流子片10は、例えば、一つの整流子4に対して複数設定する。複数設定した各整流子片10は、例えば、互いに等間隔で配設した複数の整流子片10とする。
各着脱手段30a,30bを直流電動機Mに取り付けた状態で、整流子4の軸方向と反射光検出部2の移動方向とのなす角度が、所望の状態となっていない場合は、各角度調節手段36a,36bにより、整流子4の軸方向と反射光検出部2の移動方向とのなす角度を、所望の状態に調節する。ここで、整流子4の軸方向と反射光検出部2の移動方向とのなす角度が、所望の状態となっていない場合とは、整流子4の軸方向と反射光検出部2の移動方向とのなす角度が、水平方向及び上下方向から見て平行となっていない場合である。
各着脱手段30a,30bを、それぞれ、直流電動機Mに取り付けた後、整流子表面状態診断方法の処理は、反射光検出部取付け工程から光沢検出工程へ移行する。
次に、光沢検出工程について説明する。
光沢検出工程では、まず、整流子4の回転を停止させている状態で、アクチュエータによって、反射光検出部2を整流子4の軸方向に移動させながら、反射光検出部2によって、整流子4の表面で反射した反射光を検出する。そして、位置検出手段32から整流子表面状態診断手段20へ移動量検出信号S3を出力するとともに、反射光検出部2から正反射成分抽出部22へ反射光信号S1を出力する。
反射光検出部2から反射光信号S1の入力を受けた正反射成分抽出部22は、反射光信号S1が含む反射光から、拡散反射成分を除外して、正反射成分のみを抽出し、この抽出した正反射成分を含む正反射成分信号S2を、整流子表面状態診断手段20へ出力する。
本実施形態では、正反射成分抽出部22が、案内部34に取り付けた一つの反射光検出部2から反射光信号S1の入力を受けるため、正反射成分信号S2が含む正反射成分は、一つの反射光検出部2に応じた情報となる。
位置検出手段32が、移動量検出信号S3を整流子表面状態診断手段20へ出力するとともに、正反射成分抽出部22が、正反射成分信号S2を整流子表面状態診断手段20へ出力した後、整流子表面状態診断方法の処理は、光沢検出工程から整流子表面状態診断工程へ移行する。
次に、整流子表面状態診断工程について説明する。
整流子表面状態診断工程では、正反射成分信号S2及び移動量検出信号S3の入力を受けた整流子表面状態診断手段20が、正反射成分信号S2及び移動量検出信号S3が含む情報に基づいて、整流子4の表面の光沢を、整流子4の軸方向に沿って検出する。
整流子4の表面の光沢を、整流子4の軸方向に沿って検出した整流子表面状態診断手段20は、この検出した光沢に基づいて、整流子片10の光沢度合いが不良閾値D未満であるか否かを、整流子4の軸方向に沿って判定する。
そして、整流子4が備える複数の整流子片10のうち、一つの整流子片10に対して、光沢検出工程及び整流子表面状態診断工程を行った後、整流子4を人為的または機械的に回転させる。そして、他の整流子片10を正反射成分抽出部22の下方に配置させた状態で、上述した光沢検出工程及び整流子表面状態診断工程を行う。なお、上記の手順以外に、各着脱手段30a,30bを直流電動機Mから取り外した後、診断が終了した整流子片10から、次の診断対象となる整流子片10の位置まで、整流子診断装置1を移動させて、各着脱手段30a,30bを直流電動機Mに取り付けてもよい。
上記の手順を繰り返すことにより、整流子4が備える全ての整流子片10に対して、光沢検出工程及び整流子表面状態診断工程を行い、全ての整流子片10の光沢を、整流子4の周方向に沿って検出する。これにより、全ての整流子片10に対して、その光沢度合いが不良閾値D未満であるか否かを判定する。
そして、整流子片10の光沢度合いが不良閾値D未満である場合、整流子4の表面の状態が不良であると診断して、その診断結果を診断結果出力手段に出力する。診断した整流子4の表面の状態が不良である場合の処理は、上述した第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ここで、上述した判定結果のイメージを、図6を参照して説明する。
図6は、整流子片10の光沢度合いと、この整流子片10が有する酸化皮膜14の状態との関係を示すイメージ図である。なお、図6中では、反射光検出部2が検出した光沢度合い(図中では、「光沢度」と記載する)を縦軸で示し、整流子4の軸方向に沿った反射光検出部2の位置(図中では、「軸方向位置」と記載する)を横軸で示している。
図6中に示すように、酸化皮膜14の状態が良好な場合では、反射光検出部2が検出した光沢度合いが、整流子4の軸方向に沿って、全体的に不良閾値Dを越えている。
これに対し、酸化皮膜14の状態が不良な場合では、反射光検出部2が検出した光沢度合いが、整流子4の軸方向に沿って、全体的に不良閾値D未満となる。
したがって、本実施形態の整流子表面状態診断方法を用いることにより、二次元で検出される、各整流子片10における酸化皮膜14の状態を、整流子4の軸方向に沿って、三次元で表すことが可能となる。これにより、整流子4の表面の状態を、整流子4の軸方向に沿って診断することが可能となるとともに、整流子4の表面の状態を、整流子4の軸方向に沿って診断することが可能となる。
(第二実施形態の効果)
したがって、本実施形態の整流子表面状態診断装置1であれば、整流子4の表面で反射した反射光を検出する反射光検出部2を、整流子4の軸方向へ移動させるとともに、整流子4の表面で反射した反射光を、整流子4の軸方向に沿って検出する。
このため、直流電動機Mの構成を変化させることなく、整流子4の表面の状態を、整流子4の軸方向に沿って診断することが可能となる。これにより、整流子4の状態に対する定量的な診断を、整流子4の軸方向に沿って行うことが可能となる。
その結果、保守作業員の目視等に依存することなく、整流子4の表面の状態を、整流子4の軸方向に沿って、定量的に診断することが可能となる。
また、本実施形態の整流子表面状態診断方法であれば、直流電動機Mに対して整流子4の軸方向へ移動可能に取り付けた反射光検出部2を、整流子4の軸方向へ移動させながら、整流子4の光沢及び反射光検出部2の整流子4の位置を検出する。また、光沢検出工程で検出した整流子4の光沢及び反射光検出部2の位置に基づいて、整流子4の表面の状態を、整流子4の軸方向に沿って診断する。
このため、直流電動機Mの構成を変化させることなく、整流子4の表面の状態を、整流子4の軸方向に沿って診断することが可能となり、整流子4の表面の状態に対する定量的な診断を、整流子4の軸方向に沿って行うことが可能となる。
その結果、保守作業員の目視等に依存することなく、整流子4の軸方向に沿って、整流子4の表面の状態を定量的に診断することが可能となる。
さらに、本実施形態の整流子表面状態診断装置1であれば、直動案内装置等が備えるモータ等の回転動力源によって構成した、反射光検出部2を整流子4の軸方向へ移動させるアクチュエータを備えている。
その結果、反射光検出部2を手動で移動させる場合と比較して、作業員の手間を減少させることが可能となるため、整流子表面状態診断装置1を用いた、整流子4の表面の状態を診断する作業効率を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の整流子表面状態診断装置1であれば、案内手段28を直流電動機Mへ着脱自在に取り付ける着脱手段30を、案内手段28を磁力によって直流電動機Mへ着脱自在に取り付ける磁力着脱手段によって構成する。
その結果、直流電動機Mに対する反射光検出部2の着脱が容易となるため、整流子表面状態診断装置1を用いた、整流子4の表面の状態を診断する作業効率を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の整流子表面状態診断装置1であれば、二つの着脱手段30a,30bにより、各突出部38a,38bを、整流子4の径方向から見て整流子4よりも整流子4の軸方向両側に配置した状態で、反射光検出部2を直流電動機Mへ取り付ける。
このため、反射光検出部2を、整流子4の軸方向両側から両持ち梁状態で支持することが可能となるため、整流子4に対する反射光検出部2の位置を安定させることが可能となる。
その結果、整流子4の表面の状態を、整流子4の軸方向に沿って、精度良く診断することが可能となる。
また、本実施形態の整流子表面状態診断装置1であれば、案内手段28が、整流子4の軸方向と反射光検出部2の移動方向とのなす角度を調節可能な、角度調節手段36を備えている。
このため、反射光検出部2の移動方向を、整流子4の軸方向に対して微調整することが可能となり、反射光検出部2の移動方向を、整流子4の軸方向に合致させることが容易となる。
その結果、整流子4の表面の状態を、整流子4の軸方向に沿って、精度良く診断することが可能となる。
(応用例)
なお、本実施形態の整流子表面状態診断装置1では、反射光検出部2を整流子4の軸方向へ移動させるアクチュエータを備えた構成としたが、これに限定するものではなく、アクチュエータを備えていない構成としてもよい。この場合、反射光検出部2を、手動で整流子4の軸方向へ移動させてもよい。もっとも、本実施形態の整流子表面状態診断装置1のように、反射光検出部2を整流子4の軸方向へ移動させるアクチュエータを備えた構成とすることが、整流子4の表面の状態を診断する作業効率を向上させることが可能となるため、好適である。
また、本実施形態の整流子表面状態診断装置1では、着脱手段30を、磁力によって直流電動機Mに着脱自在に取り付ける磁力着脱手段によって構成したが、これに限定するものではない。すなわち、着脱手段30を、例えば、ボルト等の締結部材によって構成してもよい。もっとも、本実施形態の整流子表面状態診断装置1のように、着脱手段30を、磁力によって直流電動機Mに着脱自在に取り付ける磁力着脱手段によって構成することが、直流電動機Mに対する反射光検出部2の着脱が容易となるため、好適である。
さらに、本実施形態の整流子表面状態診断装置1では、二つの着脱手段30a,30bによって、反射光検出部2を整流子4の軸方向両側から両持ち梁状態で支持する構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、一つの着脱手段30のみによって、反射光検出部2を整流子4の軸方向片側から片持ち梁状態で支持する構成としてもよい。もっとも、本実施形態の整流子表面状態診断装置1のように、反射光検出部2を整流子4の軸方向両側から両持ち梁状態で支持する構成とすることが、整流子4に対する反射光検出部2の位置を安定させることが可能となるため、好適である。
また、本実施形態の整流子表面状態診断装置1では、案内手段28が、角度調節手段36を備えている構成としたが、これに限定するものではなく、案内手段28が、角度調節手段36を備えていない構成としてもよい。もっとも、本実施形態の整流子表面状態診断装置1のように、案内手段28が、角度調節手段36を備えている構成とすることが、反射光検出部2の移動方向を、整流子4の軸方向に合致させることが容易となるため、好適である。
また、本実施形態の整流子表面状態診断方法では、一つの直流電動機Mに対して、一箇所のみに整流子表面状態診断装置1を取り付けて診断作業を行ったが、これに限定するものではない。すなわち、複数個の整流子表面状態診断装置1を用い、一つの直流電動機Mに対して、複数個所に整流子表面状態診断装置1を取り付けて、診断作業を行ってもよい。
(実施例)
以下、図1から図4を参照しつつ、図7を用いて、上記の第一実施形態で説明したものと同様の構成を有する整流子表面状態診断装置(以下、「整流子表面状態診断装置1」と記載する)を用い、整流子4の表面の状態を診断した結果を示す。
図7は、整流子片10の光沢度合いと、整流子片10が有する酸化皮膜14の状態を診断した際の経過年月との関係を示すイメージ図である。なお、図7中では、反射光検出部2が検出した光沢度合い(図中では、「光沢度」と記載する)を縦軸で示し、酸化皮膜14の状態を診断した年月(図中では、「経過年月」と記載する)を横軸で示している。
図7中に示すように、診断対象の整流子片10に対して切削加工を行った時点t1(図中に符号「○」で示す時点)では、整流子片10に酸化皮膜14が形成されていないため、その光沢は低い値となる。
そして、診断対象の整流子片10に対して切削加工を行った時点t1から、直流電動機Mの使用を継続すると、経過年月に比例して、整流子片10に形成される酸化皮膜14が増加する。
整流子表面状態診断装置1を用い、上記の時点t1から約一ヶ月毎に酸化皮膜14の状態を診断した結果、図7中に示すように、酸化皮膜14は、上記の時点t1から、六ヶ月が経過した時点t2において最大値となることを確認した。なお、図7中には、酸化皮膜14の状態を診断した時点を、符号「×」で示している。
そして、整流子表面状態診断装置1を用い、上記の時点t1から約六ヶ月毎に酸化皮膜14の状態を診断した結果、図7中に示すように、酸化皮膜14の状態は、上記の時点t2において安定した後、約三十ヶ月経過した時点t3から減少することを確認した。
以上の測定結果から、整流子表面状態診断装置1を用いた整流子表面状態診断方法により、反射光検出部2が検出する光沢度合いに基づいて、酸化皮膜14の状態を診断することにより、整流子4の表面の状態を定量的に診断することが可能であることを確認した。
本発明の第一実施形態に関する整流子表面状態診断装置と直流電動機との位置関係を示す図である。 図1中に円IIで囲んだ範囲の拡大図である。 本発明の第一実施形態に関する整流子表面状態診断装置の具体的な構成を示す図である。 本発明の第一実施形態に関する整流子片の光沢度合いと、この整流子片が有する酸化皮膜の状態との関係を示すイメージ図である。 本発明の第二実施形態に関する整流子表面状態診断装置と直流電動機との位置関係を示す図である。 本発明の第二実施形態に関する整流子片の光沢度合いと、この整流子片が有する酸化皮膜の状態との関係を示すイメージ図である。 本発明の実施例に関する整流子片の光沢度合いと、この整流子片が有する酸化皮膜の状態を診断した際の経過年月との関係を示すイメージ図である。
符号の説明
1 整流子表面状態診断装置
2 反射光検出部
4 整流子
6 ブラシ
8 回転子軸
10 整流子片
12 絶縁片
14 酸化皮膜
16 ブラシホルダ
18 光沢検出手段
20 整流子表面状態診断手段
22 正反射成分抽出部
28 案内手段
30 着脱手段
32 位置検出手段
34 案内部
36 角度調節手段
42 磁力調節レバー
M 直流電動機
S1 反射光信号
S2 正反射成分信号
S3 移動量検出信号
D 不良閾値
L レーザ光

Claims (6)

  1. 直流電動機が備える整流子の表面の状態を診断する直流電動機の整流子表面状態診断装置であって、
    前記表面の光沢を検出する光沢検出手段と、当該光沢検出手段が検出した前記光沢に基づいて前記表面の状態を診断する整流子表面状態診断手段と、を備えることを特徴とする直流電動機の整流子表面状態診断装置。
  2. 前記整流子と整流子の径方向で対向して摺接するブラシと、前記整流子の回転時に整流子と前記ブラシが相対変位するようにブラシを保持するブラシ保持部と、を備える前記直流電動機において、
    前記光沢検出手段は、前記表面で反射した反射光を検出する反射光検出部を備え、
    前記反射光検出部を前記ブラシの替わりに前記ブラシ保持部で保持させて、前記表面の光沢を検出することを特徴とする請求項1に記載した直流電動機の整流子表面状態診断装置。
  3. 前記光沢検出手段は、前記表面で反射した反射光を検出する反射光検出部を備え、
    前記整流子の軸方向に沿って延在し、且つ前記反射光検出部を前記整流子の軸方向へ移動可能に取り付ける案内手段と、
    前記案内手段を前記直流電動機へ着脱自在に取り付ける着脱手段と、
    前記整流子の軸方向に沿った前記反射光検出部の位置を検出する位置検出手段と、を備え、
    前記整流子表面状態診断手段は、前記光沢検出手段が検出した前記光沢及び前記位置検出手段が検出した前記反射光検出部の位置に基づいて、前記表面の状態を前記整流子の軸方向に沿って診断することを特徴とする請求項1に記載した直流電動機の整流子表面状態診断装置。
  4. 直流電動機が備える整流子の表面の状態を診断する直流電動機の整流子表面状態診断方法であって、
    前記表面の光沢を検出する光沢検出工程と、当該光沢検出工程で検出した前記光沢に基づいて前記表面の状態を診断する整流子表面状態診断工程と、を有することを特徴とする直流電動機の整流子表面状態診断方法。
  5. 前記整流子と整流子の径方向で対向して摺接するブラシと、前記整流子の回転時に整流子と前記ブラシが相対変位するようにブラシを保持するブラシ保持部と、を備える前記直流電動機において、
    前記光沢検出工程の前工程として、前記表面で反射した反射光を検出する反射光検出部を前記ブラシの替わりに前記ブラシ保持部で保持する反射光検出部保持工程を有し、
    前記光沢検出工程において、前記整流子を回転させて前記光沢を整流子の周方向に沿って検出することを特徴とする請求項4に記載した直流電動機の整流子表面状態診断方法。
  6. 前記光沢検出工程の前工程として、前記表面で反射した反射光を検出する反射光検出部を、前記直流電動機に対して前記整流子の軸方向へ移動可能に取り付ける反射光検出部取付け工程を有し、
    前記光沢検出工程において、前記反射光検出部を前記整流子の軸方向へ移動させながら、前記光沢及び前記反射光検出部の前記整流子の軸方向に沿った位置を検出し、
    前記整流子表面状態診断工程において、前記光沢検出工程で検出した前記光沢及び前記反射光検出部の前記整流子の軸方向に沿った位置に基づいて、前記表面の状態を前記整流子の軸方向に沿って診断することを特徴とする請求項4に記載した直流電動機の整流子表面状態診断方法。
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